JP2014024514A - 電動駐車ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液圧システムによるブレーキ力からEPBによる駐車ブレーキ力に切り替えるためにEPBによる駐車ブレーキ力を発生させたときに生じるショックを軽減する。
【解決手段】EPBの動作の完了タイミングと車両の停止タイミングとを一致させる。具体的には、車速Vが車速閾値Vthに至ったタイミングに基づいてEPBを作動させることで、これらのタイミングを一致させる。これにより、走行中や車両が完全に停止した後のように、EPBを動作させることによるショックをドライバが感じ易いときを避けて駐車ブレーキ力を発生させることができる。これにより、液圧システムによるブレーキ力からEPBによる駐車ブレーキ力に切り替えるためにEPBによる駐車ブレーキ力を発生させたときに生じるショックを軽減することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、電動駐車ブレーキ(以下、EPB(Electric parking brake)という)を有する車両用ブレーキシステムに適用されるEPB制御装置に関するものである。
従来、特許文献1において、摩擦ブレーキを液圧操作システムと電子機械的操作システムの両方で作動可能とし、状況に応じて両者を使い分けることで、両システムの利点を最適に活用できるようにする技術が開示されている。また、緊急時に、ドライバにより操作スイッチ(電気的操作器)が操作されると、液圧操作システムによって摩擦ブレーキを作動させると共に、液圧操作システムによる作動開始から所定時間経過後または減速度が所定値を下回ったときに電子機械的操作システムによる作動に切り替えるようにしている。
特開平10−76931号公報
しかしながら、液圧操作システムと電子機械的操作システムの両方を用いる場合には、液圧操作システムから電子機械的操作システムに切り替える場合、電子機械的操作システムにて駐車ブレーキ力を発生させたことによるショックが発生する。これに対して、特許文献1においては、液圧操作システムによる作動開始から所定時間経過後または減速度が所定値を下回ったときに、一律に電子機械的操作システムによる作動に切り替えている。このため、走行中もしくは車両停止後に液圧操作システムから電子機械的操作システムへの切り替えが行われることになる。つまり、走行中や車両が完全に停止した後のように、ショックをドライバが感じ易いタイミングで切替が行われてしまう。このように、切り替えによるショックについては何ら考慮されておらず、当該ショックを軽減できない。
なお、特許文献1では、摩擦ブレーキを液圧操作システム、つまり液圧システムと電子機械的操作システム、つまりEPBの双方で操作できるようなサービスブレーキとEPBの摩擦材が兼用されるシステム構成について説明している。しかし、システム構成に関わらず、液圧システムによるブレーキ力からEPBによる駐車ブレーキ力に切り替えるために駐車ブレーキ力を発生させるときに、上記と同様の問題を発生させる。特に、サービスブレーキにてブレーキ力を発生させる液圧システムを用いる場合、4輪にブレーキ力を発生させることになるが、EPBに切り替えると2輪の駐車ブレーキ力に切り替えられることになるため、ショックが大きくなりがちである。
本発明は上記点に鑑みて、液圧システムによるブレーキ力からEPBによる駐車ブレーキ力に切り替えるためにEPBによる駐車ブレーキ力を発生させたときに生じるショックを軽減することができるEPB制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、所望の駐車ブレーキ力を発生させてEPB(2)の動作を完了させる完了タイミングが車両の停止タイミングと一致すると想定されるEPB(2)の動作開始タイミングを検出する開始タイミング検出手段(200、205、300、305)と、開始タイミング検出手段(200、205、300、305)で検出された動作開始タイミングよりEPB(2)を動作させ、所望の駐車ブレーキ力を発生させたときにEPB(2)の動作を完了させることで、この完了タイミングを車両の停止タイミングと一致させる停車時ロック制御手段(210、310)と、を有していることを特徴としている。
このように、EPB(2)の動作の完了タイミングと車両の停止タイミングとを一致させるようにしている。このため、走行中や車両が完全に停止した後のように、EPB(2)を動作させることによるショックをドライバが感じ易いときを避けて駐車ブレーキ力を発生させることができる。これにより、液圧システム(7、8)によるブレーキ力からEPB(2)による駐車ブレーキ力に切り替えるためにEPB(2)による駐車ブレーキ力を発生させたときに生じるショックを軽減することができる。
例えば、請求項2に記載したように、開始タイミング検出手段(200、205、300、305)は、車速閾値(Vth)と減速度閾値(Gth)のいずれか一方もしくは双方を閾値として設定し、車速(V)が車速閾値(Vth)を下回ること、もしくは、減速度(G)が減速度閾値(Gth)以上となることのいずれか一方もしくは双方が成立したときを動作開始タイミングとすることができる。
具体的には、請求項3に記載したように、少なくとも車速閾値(Vth)を閾値として用いる場合、EPB(2)が所望の駐車ブレーキ力を発生させるのにかかる応答時間(T1)と液圧システム(7、8)にてブレーキ力が発生させられているときの減速度(G)とを掛けた値に基づいて車速閾値(Vth)を設定できる。坂路勾配を加味する場合には、請求項4に記載したように、EPB(2)が所望の駐車ブレーキ力を発生させるのにかかる応答時間(T1)と液圧システム(7、8)にてブレーキ力が発生させられているときの減速度(G)に坂路勾配加速度を加味した値とを掛けた値に基づいて車速閾値(Vth)を設定することができる。
また、請求項5に記載したように、少なくとも減速度閾値(Gth)を閾値として用いる場合、車速(V)をEPB(2)が所望の駐車ブレーキ力を発生させるのにかかる応答時間(T1)で割った値に基づいて減速度閾値(Gth)を設定することができる。この場合にも、坂路勾配を加味する場合、請求項6に記載したように、車速(V)をEPB(2)が所望の駐車ブレーキ力を発生させるのにかかる応答時間(T1)で割った値に坂路勾配加速度を加減算した値に基づいて減速度閾値(Gth)を設定することができる。
請求項7に記載の発明では、開始タイミング検出手段は、閾値の設定上限として、車両挙動として発生不可能な判定上限値を設定することを特徴としている。
このようにすることで、EPB(2)の応答時間(T1)や減速度(G)にばらつきが生じたとしても、車両挙動として発生不可能な制動となるような閾値が設定されることを防止できる。
請求項8に記載の発明では、停車時ロック制御手段(210)にてEPB(2)の動作が開始されたのち、減速度が低下して車両の停止タイミングが遅くなるか否かを判定し、停止タイミングが遅くなる場合にはEPB(2)の動作を一時停止する切替中止判定手段(206)を備えていることを特徴としている。
EPB(2)の動作開始から動作完了までの途中に減速度(G)が低下した場合、停車までの時間が変化するため、EPB(2)の動作を一時停止し、改めてEPB(2)の動作の完了タイミングを設定し直すようにしている。これにより、外乱によって減速度(G)が低下しても、EPB(2)の動作の完了タイミングを車両の停止タイミングと一致させることが可能となる。
また、このように一時停止した場合、請求項9に記載したように、開始タイミング検出手段(200、205、300、305)は、一時停止後に、第2の車速閾値(Vth2)と第2の減速度閾値(Gth2)のいずれか一方もしくは双方を改めて閾値として設定すると共に、該第2の車速閾値(Vth2)と第2の減速度閾値(Gth2)の設定に用いるEPB(2)が所望の駐車ブレーキ力を発生させるのにかかる応答時間(T3)として、EPB(2)の動作前の応答時間(T1)から一時停止までの動作時間を差し引いた時間を用い、車速(V)が第2の車速閾値(Vth2)を下回ること、もしくは、減速度(G)が第2の減速度閾値(Gth2)以上となることのいずれか一方もしくは双方が成立したことをEPB(2)の動作再開時の動作開始タイミングとすることができる。
また、請求項10に記載したように、切替中止判定手段(206)は、車速閾値(Vth)に基づいて設定される判定車速(Vth、Vth+Vth3)と減速度閾値(Gth)に基づいて設定される判定減速度(Gth、Gth+Gth3)のいずれか一方もしくは双方を設定し、車速(V)が判定車速(Vth、Vth+Vth3)を超えること、もしくは、減速度(G)が判定減速度(Gth、Gth+Gth3)を下回ることのいずれか一方もしくは双方が成立することを条件として、車両の停止タイミングが遅くなると判定することができる。
この場合、請求項11に記載したように、切替中止判定手段(206)は、判定車速もしくは判定減速度を車速閾値(Vth)もしくは減速度閾値(Gth)に対してヒステリシスを設けて設定すること、もしくは、車両の停止タイミングが遅くなると判定する条件が所定時間(T4)継続するという時間的なヒステリシスを設定することのいずれか一方、もしくは双方を行うと好ましい。
これにより、瞬間的に車速(V)が車速閾値(Vth)を超えたり、減速度(G)が減速度閾値(Gth)を下回ったとしても、直ぐにEPB(2)の動作を停止させないようにでき、ハンチング防止を行うことが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかるEPB制御装置が適用されたブレーキシステムの全体概要を示した模式図である。 駐車ブレーキ制御処理の詳細を示したフローチャートである。 停車EPB切替演算処理の詳細を示したフローチャートである。 停止時切替ロック制御を実行する場合の一例を示したタイムチャートである。 停止時切替ロック制御を実行する場合の一例を示したタイムチャートである。 本発明の第2実施形態にかかる停車EPB切替演算処理の詳細を示したフローチャートである。 停止時切替ロック制御を実行する場合の一例を示したタイムチャートである。 本発明の第3実施形態にかかる駐車ブレーキ制御処理の詳細を示したフローチャートである。 第3実施形態にかかる方法で車速閾値Vthを設定する場合の一例を示したタイミングチャートである。 本発明の第4実施形態にかかる判定上限値を設定する場合の一例を示したタイムチャートである。 本発明の第5実施形態にかかる停車EPB切替演算処理の詳細を示したフローチャートである。 EPB2の動作が一旦停止される場合の一例を示したタイムチャートである。 本発明の第6実施形態にかかるハンチング防止を行った場合の一例を示したタイムチャートである。 本発明の第7実施形態にかかるハンチング防止を行った場合の一例を示したタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態では、後輪系にディスクブレーキタイプのEPBを適用している車両用ブレーキシステムを例に挙げて説明する。図1は、本実施形態にかかるEPB制御装置が適用されたブレーキシステムの全体概要を示した模式図である。以下、この図を参照して説明する。
図1に示すように、ブレーキシステムには、ドライバの踏力に基づいてブレーキ力を発生させるサービスブレーキ1と駐車時に車両の移動を規制するためのEPB2とが備えられている。
サービスブレーキ1は、ドライバによるブレーキペダル3の踏み込みに応じた踏力を倍力装置4にて倍力したのち、倍力された踏力に応じたブレーキ液圧をマスタシリンダ(以下、M/Cという)5内に発生させ、このブレーキ液圧を各車輪のブレーキ機構に備えられた各W/C6に伝えることでブレーキ力を発生させる。また、M/C5とW/C6との間には、ブレーキ液圧調整を行うためのアクチュエータ7が備えられており、サービスブレーキ1により発生させるブレーキ力を調整し、車両の安全性を向上させるための各種制御(例えば、アンチスキッド制御等)を行える構造とされている。
アクチュエータ7を用いた各種制御は、ESC(Electronic Stability Control)−ECU8にて実行される。例えば、ESC−ECU8からアクチュエータ7に備えられる各種制御弁やポンプ駆動用のモータを制御するための制御電流を出力することにより、アクチュエータ7に備えられたブレーキ液圧回路を制御し、W/C圧を制御する。例えば、通常ブレーキ時には、アクチュエータ7はM/C5内に発生させられたM/C圧をW/C6にそのまま伝えるが、ABS制御時などにおいては、各種制御弁のオンオフを制御すると共にポンプ駆動用のモータを制御することでW/C圧を増減させ、車輪ロックを回避できるようにする。また、アクチュエータ7は各種制御弁およびポンプ駆動用モータを駆動することで、W/C圧を自動加圧することができ、M/C圧が発生していないときやM/C圧以上にW/C圧を発生させたいときに、自動加圧機能に基づいて高いブレーキ力を発生させることができる。なお、アクチュエータ7の構造については、従来よりよく知られているものであるため詳細については省略するが、各種制御弁やポンプ、ポンプ駆動用のモータなどを備えた構成とされている。
なお、本実施形態では、これらアクチュエータ7およびESC−ECU8がサービスブレーキ1を用いてブレーキ力を制御する液圧システムに相当する。
一方、EPB2は、EPB制御装置(以下、EPB−ECUという)9によって制御され、EPB−ECU9によってモータ10を駆動し、ブレーキ機構を制御することでブレーキ力を発生させる。
EPB−ECU9は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムにしたがってモータ10の回転を制御することによりロック制御やリリース制御および停車時切替ロック制御などの駐車ブレーキ制御を行う。EPB−ECU9とESC−ECU8とは、車内LANであるCAN通信などを通じて互いに情報の授受を行っており、EPB−ECU9は駐車ブレーキ制御を実行するにあたり、ESC−ECU8で取り扱われている車速情報などを取得できるようになっている。
また、EPB−ECU9は、例えば車室内のインストルメントパネル(図示せず)に備えられた操作スイッチ(SW)20の操作状態に応じた信号や、車両の前後方向の加速度を検出するGセンサ21の検出信号を入力し、操作SW20の操作状態や車両の前後方向のGセンサ値に応じてモータ10を駆動する。さらに、EPB−ECU9は、インストルメントパネルに備えられたロック/リリース表示ランプ22に対してモータ10の駆動状態に応じて、ロック中であるかリリース中であるかを示す信号を出力する。
具体的には、EPB−ECU9は、モータ10に流される電流(モータ電流)をモータ10の上流側もしくは下流側で検出するモータ電流検出、ロック制御を終了させるときの目標モータ電流(目標電流値)を演算する目標モータ電流演算、モータ電流が目標モータ電流に達したか否かの判定、操作SW20の操作状態に基づくEPB2の制御など、駐車ブレーキ制御を実行するための各種機能部を有している。このEPB−ECU9により操作SW20の状態やモータ電流に基づいてモータ10を正回転や逆回転させたりモータ10の回転を停止させることで、EPB2の制御を行う。
なお、各車輪に備えられたブレーキ機構は、本実施形態のブレーキシステムにおいてブレーキ力を発生させる機械的構造であり、前輪系のブレーキ機構はサービスブレーキ1の操作によってブレーキ力を発生させる構造とされているが、後輪系のブレーキ機構は、サービスブレーキ1の操作とEPB2の操作の双方に対してブレーキ力を発生させる共用の構造とされている。前輪系のブレーキ機構は、後輪系のブレーキ機構に対して、EPB2の操作に基づいてブレーキ力を発生させる機構をなくした従来から一般的に用いられているブレーキ機構である。すなわち、前輪系のブレーキ機構は、ドライバによるサービスブレーキ1の操作に伴ってブレーキパッド11をブレーキディスク12に押し当てることで各車輪に対してブレーキ力を発生させる。また、後輪系のブレーキ機構は、ドライバによるサービスブレーキ1の操作に加えてEPB2の操作に伴ってブレーキパッド11をブレーキディスク12に押し当てることで各車輪に対してブレーキ力を発生させる。
これら、前輪系のサービスブレーキ1の操作によってブレーキ力を発生させるブレーキ機構は従来から一般的に用いられているものであるし、後輪系のサービスブレーキ1とEPB2の操作に対応してブレーキ力を発生させるブレーキ機構も、例えば特開2010−58536号公報などにおいて公知になっているものである。このため、ここでは詳細構造については説明を省略する。
続いて、上記のように構成されたブレーキシステムを用いてEPB−ECU9が上記各種機能部および図示しない内蔵のROMに記憶されたプログラムに従って実行する駐車ブレーキ制御について説明する。図2は、駐車ブレーキ制御処理の詳細を示したフローチャートである。本処理は、例えばイグニッションスイッチがオンされているときに、所定の制御周期ごとに実行される。
まず、ステップ105において、EPB応答時間T1の演算処理を行う。EPB応答時間T1とは、EPB2の作動開始から所望の駐車ブレーキ力を発生させられるまでに掛かる時間を意味している。例えば、EPB2は、モータ10に加えて、ギヤ機構、ナット(推進軸)、ピストンなどを有した構成とされる。このような構成においては、モータ10を正回転させると、その回転をギヤ機構にて減衰し、ギヤ機構の回転軸の雄ネジ溝に螺合されたナットの直進運動に変換する。そして、このナットの直進運動に伴ってピストンを移動させることで、ピストンの先端に取り付けられた摩擦材となるブレーキパッド11を被摩擦材となるブレーキディスク12に押し当て、駐車ブレーキ力を発生させる。この駐車ブレーキ力は、モータ10を停止した後も、ナットと雄ネジ溝との噛み合いによる摩擦力に基づいて保持される。また、モータ10を逆回転させると、ナットをピストンと逆方向に移動させ、それに伴ってピストンおよびブレーキパッド11を同方向に移動させる。そして、ピストンの先端に取り付けられたブレーキパッド11をブレーキディスク12から離間させ、発生させていた駐車ブレーキ力を解除する。
EPB2が上記のような構造によって構成されている場合には、ナットの直進運動によってピストンが押圧され、ピストンの先端に取り付けられたブレーキパッド11がブレーキディスク12に当接したときから駐車ブレーキ力が発生させられることになる。このため、EPB2の駆動前におけるナットのストローク位置(つまりナットが直進運動を開始してからブレーキパッド11がブレーキディスク12に当接するまでに掛かるナットのストローク量)をナットの移動速度(つまり単位時間当たりの直進移動量)で割った値がEPB応答時間T1を表すことになる。
ナットのストローク値は、ストロークセンサによるナット位置の検出、もしくは、前回EPB2をリリース動作させたときに駐車ブレーキ力が解除されてからのモータ10の回転数に基づく推定により取得することができる。また、ここではEPB応答時間T1を演算によって取得する場合を示したが、予めナットのストローク値に対するEPB応答時間T1の関係を示したマップを作成しておき、そのマップを用いてEPB応答時間T1を取得するようにしても良い。
続いて、ステップ110に進み、EPBロック要求が出されているか否かを判定する。EPBロック要求とは、EPB2の動作指示、つまりドライバが操作SW20を操作してEPB2による駐車ブレーキ力を発生させることを要求したことを意味している。操作SW20は一般的には駐車後に操作され、操作SW20が操作されるとEPB2を作動させて駐車ブレーキ力を発生させ、停車状態を保持する。しかしながら、走行中にブレーキ力を発生させたいときにも操作SW20を操作できるようにしてあり、走行中に操作SW2が操作されたときには、緊急ブレーキ時としてブレーキ力を発生させるようにしている。
例えば、高速走行中にブレーキ力不足を感じた場合、前方に障害物が発生して急停止したい場合、および、ブレーキペダルの下に空き缶が嵌まり込んだような場合には、緊急ブレーキ時としてブレーキペダル踏み込みによるブレーキ力を補うのが好ましい。このため、EPBロック要求が出されていれば、ステップ115に進んでそれが走行中に出された要求なのか否かを判定し、その判定結果に応じた形態でブレーキ力を発生させるようにする。すなわち、走行中ではない場合、つまり停車中のEPBロック要求であった場合には、ステップ120に進んで通常の停車時ロック制御を実行する。具体的には、停車時ロック制御では、モータ10を正回転させることによりEPB2を作動させ、EPB2にて所望の駐車ブレーキ力が発生させられた状態となったときにモータ10の回転を停止し、この状態を維持する。これにより、所望の駐車ブレーキ力を発生させる。このとき、所望の駐車ブレーキ力が発生させられたタイミングについては、モータ10に流れるモータ電流をモニタすることで検出している。すなわち、ブレーキパッド11がブレーキディスク12に押し当てられるときの押圧力に応じてモータ10に流れるモータ電流が変化することから、モータ電流検出によってモータ電流をモニタし、所望の駐車ブレーキ力が発生させられたと想定される目標モータ電流に達したときにモータ10への通電を停止する。これにより、EPB2にて所望の駐車ブレーキ力を発生させることができ、停車状態を維持することが可能となる。
一方、EPBロック要求が出されたのが走行中である場合にはステップ125に進み、アクチュエータ7を含む液圧システムが正常であるか否か、つまりアクチュエータ7やESC−ECU8が正常で自動加圧機能によってW/C圧を自動加圧できる状態であるか否かを判定する。アクチュエータ7およびESC−ECU8を含む液圧システムが正常であるか否かについては、例えばイグニッションスイッチがオンされたときに実行されるイニシャルチェックなどによって判定済みであるため、その判定結果を読み出すことによって本処理の判定を行っている。
そして、本ステップで肯定判定された場合にはステップ130に進んで液圧システムによる動的制御を行い、否定判定された場合にはステップ135に進んでEPB2による動的制御を行う。
上記したように、停車中にEPBロック要求が出された場合には最初からEPB2を作動させて駐車ブレーキ力を発生させている。しかしながら、液圧システムによれば、各種制御弁やポンプ駆動用モータを駆動することで応答性良くブレーキ力を発生させられるため、緊急性の高い走行中のEPBロック要求のときには、EPB2にて駐車ブレーキ力を発生させるよりも、液圧システムにてブレーキ力を発生させる方が好ましい。このため、走行中にEPBロック要求が出された場合、液圧システムが正常であれば最初は液圧システムによってブレーキ力を発生させ、後で液圧システムによるブレーキ力をEPB2による駐車ブレーキ力に切り替えるようにしている。そして、液圧システムが正常で無い場合に最初からEPB2による駐車ブレーキ力を発生させるようにしている。
具体的には、ステップ130では、アクチュエータ7に備えられた各種制御弁やポンプ駆動用のモータを制御することで、W/C圧を自動加圧する。これにより、液圧システムにて所望のブレーキ力を発生させることができる。また、ステップ135では、停止時ロック制御と同様、モータ10を正回転させることによりEPB2を作動させ、EPB2にて所望の駐車ブレーキ力が発生させられた状態となったときにモータ10の回転を停止し、この状態を維持する。これにより、所望の駐車ブレーキ力を発生させる。
このようにして、緊急ブレーキ時に、より好ましい態様でブレーキ力を発生させることが可能となる。そして、ステップ130に示すように液圧システムにてブレーキ力を発生させた場合には、その後、ステップ140に進んで停車EPB切替演算処理を実行する。停車EPB切替演算処理では、停車時のどのタイミングでEPB2による駐車ブレーキ力を発生させて液圧システムからの切り替えが行えるようにするかを決定する。この処理が、本発明でいう停車切替制御に相当する。
本実施形態では、液圧システムによるブレーキ力をEPB2による駐車ブレーキ力に切り替えるためにEPB2による駐車ブレーキ力を発生させると、その切り替えによるショックが発生するため、そのショックを軽減できるタイミングでEPB2を動作させられるようにする。
例えば、車両が完全に停止した状態でEPB2を動作させて駐車ブレーキ力を発生させたのち、液圧システムによるブレーキ力を解除して液圧システムによるブレーキ力をEPB2による駐車ブレーキ力に切り替える場合、完全に停止した状態であるため、それによるショックをドライバが感じ易い。また、車両が減速中に駐車ブレーキ力を発生させると、液圧システムの自動加圧機能に基づく安定したブレーキ力がEPB2の介入により乱される。つまり、自動加圧機能に基づくブレーキ力に加算して駐車ブレーキ力が発生させられたり、それに代えて駐車ブレーキ力が発生させられることになる。このため、やはりそれに起因するショックをドライバが感じることになる。そして、車速が高いほど、よりEPB2の介入によるショックが大きくなる。
したがって、本実施形態では、EPB2による駐車ブレーキ力を発生させる場合に、EPB2の動作の完了タイミングが車両の停止タイミング、つまり車体速度が0になる瞬間と同時になるようにする。このようなタイミングとすることで、走行中や車両が完全に停止した後のように、EPB2を動作させることによるショックをドライバが感じ易いときを避けて駐車ブレーキ力を発生させることができる。そして、車両の停止タイミングは、車体の揺れ戻しによるショックが発生するために、EPB2による駐車ブレーキ力が発生してもそのショックが軽減され、ドライバに感じにくくなるようにできる。そこで、停車EPB切替演算処理において、EPB2の動作の完了タイミングが車両の停止タイミングと一致するようにEPB2の動作を制御する。
図3は、停車EPB切替演算処理の詳細を示したフローチャートである。この図を参照して停車EPB切替演算処理の詳細について説明する。
停車EPB切替演算処理では、まず、ステップ200、205においてEPB2の動作の完了タイミングが車両の停止タイミングと一致すると想定されるEPB2の動作開始タイミングを検出する。
ステップ200では、車速閾値Vthの演算処理を行う。ここでいう車速閾値Vthとは、現在実際に発生している減速度G(以下、実減速度Gという)で車両が停止させられる場合に、その車速閾値Vthから減速して車両が停止するまでに掛かる時間がEPB2の動作時間、つまりEPB2の動作開始から動作完了タイミングまでの時間と一致すると想定される車速である。このときの実減速度Gとしては、液圧システムによる動的制動開始時の不定な値ではなく、安定してからの値を意味している。本実施形態では、車速閾値Vthを、Gセンサ21の検出信号より求められた実際に発生している減速度Gに対してEPB応答時間T1を掛けた値(Vth=G×T1)として演算している。
その後、ステップ205に進み、停車EPB切替判定処理を行う。具体的には、ステップ200で演算した車速閾値Vthと現在発生している車速Vを大小比較し、車速Vが車速閾値Vthを下回っている期間が所定時間T2継続したか否かを判定している。このように所定時間T2継続したことを条件とすることで、ノイズ的に車速Vが車速閾値Vthを下回った瞬間に直ぐに停止時切替ロック制御が実行されてしまわないようにできる。そして、ここで肯定判定されるまでは本処理を繰り返し、肯定判定されるとステップ210に進む。なお、ここで設定している所定時間T2は、制御周期数周期分に設定され、例えば12ms程度とされるが、EPB応答時間T1よりも十分に短い時間とされる。
そして、ステップ210では、停止時切替ロック制御を実行する。具体的には、停止時切替ロック制御では、モータ10を正回転させることによりEPB2を作動させ、EPB2にて所望の駐車ブレーキ力が発生させられた状態となったときにモータ10の回転を停止し、この状態を維持する。これにより、所望の駐車ブレーキ力を発生させる。このときの駐車ブレーキ力については、停車を維持可能な目標ブレーキ力以上であれば良く、例えばEPB2によって発生させられる最大値としている。また、所望の駐車ブレーキ力が発生させられたタイミングについては、停車時ロック制御のときと同様、モータ10に流れるモータ電流をモニタし、目標モータ電流に達したことに基づいて検出している。
このように、車速Vが車速閾値Vthを下回っている期間が所定時間T2継続した時点でEPB2の動作を開始することで、EPB2の動作完了タイミングを車両の停止タイミングと一致させることが可能となる。したがって、走行中や車両が完全に停止した後のように、EPB2を動作させることによるショックをドライバが感じ易いときを避けて駐車ブレーキ力を発生させることができる。そして、EPB2による駐車ブレーキ力により停車を維持できることから、その後、液圧システムによるブレーキ力を解除して完全にEPB2による駐車ブレーキ力に切り替えても、確実に停車を維持できる。
このようにして、図2のステップ140に示した停車EPB切替演算処理が終了すると、ステップ145に進み、ロック・リリース表示処理を実行する。上記したステップ120において停車時ロック制御が実行されて駐車ブレーキ力によって車輪がロックされた場合、もしくは、ステップ135においてEPB2による動的制御が実行されて駐車ブレーキ力によって車輪がロックされた場合、その旨を示すフラグがセットされるようにしてある。本処理では、そのフラグがセットされていれば、ロック/リリース表示ランプ22を用いてロック状態になっていることを表示する。このようにして、EPBロック要求が出された場合の駐車ブレーキ制御が完了する。
一方、EPBロック要求が出されておらず、ステップ110で否定判定された場合には、ステップ150に進み、EPBリリース要求が出されているか否かを判定する。EPBリリース要求とは、ドライバが操作SW20を操作してEPB2による駐車ブレーキ力を解除することを要求したことを意味している。ここで肯定判定されると、ステップ155に進んでリリース制御を実行する。具体的には、リリース制御では、モータ10を逆回転させることによりEPB2を作動させ、EPB2による駐車ブレーキ力が解除されてから所定のストローク量だけナットが移動させられた状態となったときにモータ10の回転を停止し、この状態を維持する。これにより、駐車ブレーキ力が解除されると共に、次にEPB2を作動させたときには、ナットのストローク量に応じた時間(=EPB応答時間T1)で駐車ブレーキ力を発生させられる状態となる。
この後、ステップ145に進み、ロック・リリース表示処理を実行する。上記したステップ155においてリリース制御が実行されて駐車ブレーキ力が解除された場合、その旨を示すフラグがセットされるようにしてある。本処理では、そのフラグがセットされていれば、ロック/リリース表示ランプ22を用いてリリース状態になっていることを表示する。このようにして、EPBリリース要求が出された場合の駐車ブレーキ制御が完了する。なお、EPBロック要求もEPBリリース要求も出されておらず、ステップ150で否定判定された場合にも、ステップ145のロック・リリース表示制御処理に進むが、ロック時を示すフラグもリリース時を示すフラグもセットされていないため、何も表示することなく駐車ブレーキ制御処理を完了することになる。
以上のようにして、本実施形態にかかる駐車ブレーキ制御処理を実行している。図4は、このような駐車ブレーキ制御処理における停止時切替ロック制御を実行する場合の一例を示したタイムチャートである。
車両走行中にドライバが操作SW20を操作してEPBロック要求が出されると、まず、図4の時点t1に示されるように液圧システムによるブレーキ力が発生させられる。また、常時演算されているEPB応答時間T1と、安定化後の実減速度Gより、車速閾値Vthが演算される。本例の場合、実減速度Gが0.2G=1.96m/s2で、EPB応答時間T1が1.1sであるため、車速閾値Vthは1.96×1.1=2.156m/s(=7.7616km/h)となる。この後、時点t2において車速Vが車速閾値Vthを下回り、それが所定時間T2継続すると、時点t3においてEPB−ECU9からEPB動作要求が出され、モータ10が正回転させられる。そして、モータ電流値は、動作開始時に発生する突入電流の後、ブレーキパッド11がブレーキディスク12に当接するまでは無負荷状態のため一定の無負荷電流となり、ブレーキパッド11がブレーキディスク12に当接すると、その押圧力に応じて増加する。このモータ電流値が所望の駐車ブレーキ力に対応する目標モータ電流になった時点t4においてモータ10への通電をやめてEPB2の動作を完了させると、その完了タイミングが車両の停止タイミングと一致したタイミングになる。
図5も、上記のような停止時切替ロック制御を実行する場合の一例を示したタイムチャートである。本例では、図4の例よりも安定化後の実減速度Gが大きな値のときを示している。この図に示すように実減速度Gが0.4G=3.92m/s2の場合、EPB応答時間T1が1.1sであるため、車速閾値Vthが3.92×1.1=4.312m/s(=15.5232km/h)となる。このように、実減速度Gが異なっている場合であっても、上記した図4の例と同様の動作が行われ、EPB2の動作の完了タイミングと車両の停止タイミングとが一致する。
以上説明したように、本実施形態ではEPB2の動作の完了タイミングと車両の停止タイミングとを一致させるようにしている。具体的には、車速Vが車速閾値Vthに至ったタイミングに基づいてEPB2を作動させることで、これらのタイミングが一致するようにしている。このため、走行中や車両が完全に停止した後のように、EPB2を動作させることによるショックをドライバが感じ易いときを避けて駐車ブレーキ力を発生させることができる。これにより、液圧システムによるブレーキ力からEPB2による駐車ブレーキ力に切り替えるためにEPB2による駐車ブレーキ力を発生させたときに生じるショックを軽減することができる。
なお、車速Vが車速閾値Vthに至ったタイミングに基づき、このタイミングから所定時間T2経過したタイミングでEPB2を作動させているが、所定時間T2はEPB応答時間T1よりも十分に短い時間であるため、実質的に車速Vが車速閾値Vthに至ったタイミングからEPB2を作動させるのと同意である。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して停車EPB切替演算処理の内容を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図6は、本実施形態にかかる停車EPB切替演算処理の詳細を示したフローチャートである。本実施形態にかかる停車EPB切替演算処理では、まず、ステップ300において、減速度閾値Gthの演算処理を行う。ここでいう減速度閾値Gthとは、現在発生している車速Vで車両が停止させられる場合に、その減速度閾値Gthの減速度が所定時間発生したとすれば車両が停止するまでに掛かる時間がEPB2の動作時間、つまりEPB2の動作開始から動作完了タイミングまでの時間と一致すると想定される減速度である。本実施形態では、減速度閾値Gthを、車速VをEPB応答時間T1で割った値(Gth=V/T1)として演算している。
その後、ステップ305に進み、停車EPB切替判定処理を行う。具体的には、ステップ300で演算した減速度閾値Gthと現在発生している実減速度Gを大小比較し、実減速度Gが減速度閾値Gthを下回っている期間が所定時間T2継続したか否かを判定している。ここで肯定判定されるまでは本処理を繰り返し、肯定判定されるとステップ310に進む。なお、ここで設定している所定時間T2は、制御周期数周期分に設定され、例えば12ms程度とされるが、EPB応答時間T1よりも十分に短い時間とされる。そして、ステップ310では、ステップ210と同様、停止時切替ロック制御を実行する。これにより、所望の駐車ブレーキ力を発生させられる。
このように、実減速度Gが減速度閾値Gthを下回っている期間が所定時間T2継続した時点でEPB2の動作を開始するようにしても、EPB2の動作完了タイミングを車両の停止タイミングとを一致させることが可能となる。
図7は、このような停止時切替ロック制御を実行する場合の一例を示したタイムチャートである。
車両走行中にドライバが操作SW20を操作してEPBロック要求が出されると、まず、図7の時点t1に示されるように液圧システムによるブレーキ力が発生させられる。また、常時演算されているEPB応答時間T1と、そのときの車速Vより、減速度閾値Gthが演算される。本例の場合、車速Vが15km/h(=4.167m/s)で、EPB応答時間T1が1.1sであるため、減速度閾値Gthは4.167/1.1=3.92m/s2(=0.4G)となる。この後、時点t2において実減速度Gが減速度閾値Gthを下回り、それが所定時間T2継続すると、時点t3においてEPB−ECU9からEPB動作要求が出され、モータ10が正回転させられる。そして、所望の駐車ブレーキ力が発生させられた時点t4においてモータ10への通電をやめてEPB2の動作を完了させると、その完了タイミングが車両の停止タイミングと一致したタイミングになる。
以上説明したように、減速度閾値Gthを設定し、実減速度Gが減速度閾値Gthを下回ったタイミングに基づいてEPB2を作動させるようにしても、EPB2の動作の完了タイミングと車両の停止タイミングとを一致させることができる。これにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、実減速度Gが減速度閾値Gthに至ったタイミングに基づき、このタイミングから所定時間T2経過したタイミングでEPB2を作動させているが、所定時間T2はEPB応答時間T1よりも十分に短い時間であるため、実質的に実減速度Gが減速度閾値Gthに至ったタイミングからEPB2を作動させるのと同意である。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1、第2実施形態に対して車速閾値Vthや減速度閾値Gthの設定方法を変え、坂路勾配を加味して設定するようにしたものであり、その他に関しては第1、第2実施形態と同様であるため、第1、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第1実施形態で説明したように、車速閾値Vthについては、液圧システムによるブレーキ力を発生させているときの実減速度GとEPB応答時間T1とを掛けた値として設定している。また、第2実施形態で説明したように、減速度閾値Gthについては、車速VをEPB応答時間T1で割った値として設定している。しかしながら、坂路勾配がある場合には、実減速度Gに坂路勾配に応じた重力加速度成分(以下、坂路勾配加速度という)が含まれることから、車速閾値Vthや減速度閾値Gthについて、その坂路勾配加速度を加味して設定する必要がある。このため、走行中の坂路勾配を演算し、それに応じた坂路勾配加速度を加味して車速閾値Vthや減速度閾値Gthを設定する。例えば、登坂路の場合には、実減速度Gに坂路勾配加速度が足されることになる。このため、車速閾値Vthについては、実減速度Gに坂路勾配加速度を足した値にEPB応答時間T1を掛けた値とする。また、減速度閾値Gthについては、車速VをEPB応答時間T1で割った値に対して、坂路勾配加速度を減算する。逆に、降坂路の場合には、車速閾値Vthについては、実減速度Gから坂路勾配加速度を引いた値にEPB応答時間T1を掛けた値とする。また、減速度閾値Gthについては、車速VをEPB応答時間T1で割った値に対して、坂路勾配加速度を加算する。これにより、坂路勾配を加味した車速閾値Vthや減速度閾値Gthを設定することができる。
図8は、本実施形態にかかる駐車ブレーキ制御処理の詳細を示したフローチャートである。この図に示すように、第1実施形態において図2に示した駐車ブレーキ制御処理と比較して、ステップ100の坂路勾配演算処理を加えてある。この坂路勾配演算処理により坂路勾配の演算を行う。このステップ100の処理は、所定の制御周期ごとに実行されることから、走行路面の推移に応じて坂路勾配が演算されることになる。
坂路勾配加速度の演算については従来より周知となっている手法を用いれば良い。例えば、Gセンサ21の検出信号から得られる車両前後方向の加減速度から車輪加減速度を差し引くことで坂路勾配加速度が得られる。なお、車輪加減速度については、各車輪に備えられた図示しない車輪速度センサの検出信号が示す車輪速度の微分値などから演算することができる。また、ここでは車輪加減速度を用いているが、各車輪速度から得られる車速(推定車体速度)の微分値、つまり車体減速度をGセンサ21の検出信号から求めた車両前後方向の加減速度から差し引くことで坂路勾配加速度を演算しても良い。車輪速度や車速については、ESC−ECU8から取得できる車速情報などに示される値を用いることができる。その後は、図2と同様の各処理を行うようにしている。
そして、ステップ140の停車EPB切替演算において、車速閾値Vthもしくは減速度閾値Gthを演算する際には、上記のような手法によって演算する。これにより、坂路勾配を加味して車速閾値Vthや減速度閾値Gthを設定することができる。
図9は、このような設定方法によって車速閾値Vthを設定する場合の一例を示したタイミングチャートである。
車両走行中にドライバが操作SW20を操作してEPBロック要求が出されると、まず、図9の時点t1に示されるように液圧システムによるブレーキ力が発生させられる。また、常時演算されているEPB応答時間T1と、そのときの実減速度G、および、坂路勾配に基づいて車速閾値Vthが演算される。本例の場合、実減速度Gが0.3G、坂路勾配加速度が0.1G、EPB応答時間T1が1.1sであるため、実減速度G+坂路勾配加速度は0.3G+0.1G=3.92m/s2となり、車速閾値Vthは3.92×1.1=4.312m/s(=15.5232km/h)となる。この後、時点t2において車速Vが車速閾値Vthを下回り、それが所定時間T2継続すると、時点t3においてEPB−ECU9からEPB動作要求が出され、モータ10が正回転させられる。そして、所望の駐車ブレーキ力が発生させられた時点t4においてモータ10への通電をやめてEPB2の動作を完了させると、その完了タイミングが車両の停止タイミングと一致したタイミングになる。
このように、坂路勾配を加味して車速閾値Vthや減速度閾値Gthを設定することで、坂路勾配を加味してEPB2の動作の完了タイミングと車両の停止タイミングとを一致させることができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1〜第3実施形態に対して判定上限値を設定するようにしたものであり、その他に関しては第1〜第3実施形態と同様であるため、第1〜第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、ここでは車速閾値Vthを例に挙げて説明するが、減速度閾値Gthも同様である。
上記したように、車速閾値VthをEPB応答時間T1や実減速度Gに基づいて設定しているが、これらがばらついたとしても車両挙動として発生不可能な制動となることはない。このため、その発生不可能な領域に車速閾値Vthが設定されないように、閾値の設定上限として判定上限値を設定する。
例えば、車両挙動として実減速度Gが1Gを超えることはない車両であれば、実現速度Gを1Gとした場合の車速閾値Vthを判定上限値に設定する。図10は、第1実施形態に対して判定上限値を設定する場合の一例を示したタイムチャートである。
この図に示すように、例えばEPB応答時間T1が1sだったとした場合、判定上限値は、実現速度Gが1G=9.8m/s2であることから、判定上限値は9.8×1=9.8m/s(=35.28km/h)となる。この判定上限値を超えた値に車速閾値Vthが設定されないようにする。このようにすることで、EPB応答時間T1や実減速度Gにばらつきが生じたとしても、車両挙動として発生不可能な制動となるような車速閾値Vthが設定されることを防止できる。なお、ここでは第1実施形態に対して判定上限値を設定する場合を例に挙げて説明したが、勿論、第2、第3実施形態に対して判定上限値を設定することもできる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、第1〜第4実施形態に対して停車時切替ロック制御によりEPB2を動作させている途中で制動力が変化して減速度が低下した場合にも対応できるようにしたものである。その他に関しては第1〜第4実施形態と同様であるため、第1〜第4実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、ここでは車速閾値Vthを例に挙げて説明するが、減速度閾値Gthも同様である。
具体的には、停車EPB切替演算処理において、停車EPB切替中止判定を加えることにより、EPB2を動作させている途中で制動力が変化して減速度が低下した場合にも対応できるようにしている。図11は、本実施形態にかかる停車EPB切替演算処理の詳細を示したフローチャートである。この図に示すように、ステップ200、205において、第1実施形態で説明した図3のステップ200、205と同様の処理を実行した後、ステップ206に進み、停車EPB切替中止判定処理を実行する。この停車EPB切替中止判定処理では、ステップ205の停車EPB切替判定において肯定判定されることでステップ210に示す停車時切替ロック制御が実行され、EPB2が動作させられたときに、その動作を停止すべきか否かを判定する。
EPB2の動作開始から動作完了までの途中に実減速度Gが低下した場合、例えばマンホールを通過したりウェット路面を通過するなどの外乱の影響を受けた場合、停車までの時間が遅くなる。このため、このような場合にはEPB2の動作を一時停止する方が好ましい。そして、このようにEPB2の動作を一時停止した後には、再び第2の車速閾値Vth2を改めて設定し、この第2の車速閾値Vth2に基づいてEPB2を再始動する。その場合、EPB2を一度動作させており、EPB応答時間T1が変化して異なるEPB応答時間T3となっていることから、そのEPB応答時間T3を改めて求め、このEPB応答時間T3および実減速度Gに基づいて第2の車速閾値Vth2を設定することができる。EPB応答時間T3については、EPB応答時間T1からEPB2を動作させた時間分を差し引くことで求められる。
本実施形態の場合、EPB2の動作を一時停止する条件として、EPB2の開始条件として用いた車速閾値Vthを判定車速として用い、EPB2の動作開始後に車速Vが判定車速(Vth)を再び超えた場合に、EPB2の動作を一時停止させると判定している。車速閾値Vthについては、実減速度Gの変化に応じて同様に変化していることから、外乱の影響により実減速度Gの低下が予想以上に大きくなると車速Vが車速閾値Vthを超える可能性がある。
図12は、EPB2の動作が一旦停止される場合の一例を示したタイムチャートである。この図12に示されるように、時点t1において液圧システムによるブレーキ力が発生させられると、常時演算されているEPB応答時間T1と、そのときの実減速度Gより、車速閾値Vthが演算される。本例の場合、実減速度Gが0.4G=3.92m/s2で、EPB応答時間T1が1sであるため、車速閾値Vthは3.92×1=3.92m/s(=14.112km/h)となる。この後、時点t2において車速Vが車速閾値Vthを下回り、それが所定時間T2継続すると、時点t3においてEPB−ECU9からEPB動作要求が出され、モータ10が正回転させられる。
しかしながら、この後の外乱の影響で実減速度Gが低下し、車速Vが判定車速(Vth)を超えると、停車EPB切替中止判定においてEPB2を一時停止させると判定され、時点t4においてEPB動作要求が解除されると共に、EPB2の動作が一時停止される。
そして、このときのEPB2の動作時間分をEPB応答時間T1から差し引くことでEPB応答時間T3を演算し、改めて実減速度Gが安定したときに、その実減速度GとEPB応答時間T3に基づいて第2の車速閾値Vth2を設定する。本例の場合、実減速度Gが0.1G=0.98m/s2で、EPB応答時間T1から前回の動作時間を差し引いたEPB応答時間T3が0.4sであるため、車速閾値Vthは0.98×0.4=0.392m/s(1.4112km/h)となる。この後、時点t5において車速Vが第2の車速閾値Vth2を下回り、それが所定時間T2継続すると、時点t6においてEPB−ECU9からEPB動作要求が出され、モータ10が正回転させられる。そして、所望の駐車ブレーキ力が発生させられ、時点t7においてモータ10への通電をやめてEPB2の動作を完了させると、その完了タイミングが車両の停止タイミングと一致したタイミングになる。
以上説明したように、EPB2の動作開始から動作完了までの途中に実減速度Gが低下した場合、停車までの時間が変化するため、EPB2の動作を一時停止し、改めてEPB2の動作の完了タイミングを設定し直すようにしている。これにより、外乱によって実減速度Gが低下しても、EPB2の動作の完了タイミングを車両の停止タイミングと一致させることが可能となる。
なお、ここでは車速閾値Vthを例に挙げたが、減速度閾値Gthを用いてEPB2の一時停止および動作の再開の判定を行うこともできる。その場合、例えば減速度閾値Gthを判定減速度(Gth)とし、実減速度Gが判定減速度(Gth)を下回ったときにEPB2の動作を一時停止する。そして、車速VをEPB応答時間T3で割ることで改めて第2の減速度閾値Gth2を演算し、実減速度Gが第2の減速度閾値Gth2に至ったときにEPB2を再動作させるようにすれば良い。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態は、第5実施形態に対してEPB2の作動のハンチング防止を行えるようにしたものであり、その他に関しては第5実施形態と同様であるため、第5実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、ここでも車速閾値Vthを例に挙げて説明するが、減速度閾値Gthも同様である。
第5実施形態では、EPB2の動作を一時停止する条件として、例えば車速Vが判定車速(Vth)を超えた場合を挙げた。しかしながら、車速Vが判定車速(Vth)を超えてすぐにEPB2を停止すると、また直ぐにEPB2の動作開始の条件を満たしてEPB2の動作を開始させたり、再びEPB2の動作を一時停止する条件になったりを繰り返すハンチングを起こすことがあり得る。このため、本実施形態では、ハンチング防止のためにEPB2の動作を一時停止する条件に時間的なヒステリシス(ヒス時間)を設けるようにする。
具体的には、本実施形態では、EPB2の動作開始後に車速Vが車速閾値Vthを超えた期間が所定時間T4継続した場合に、EPB2の動作を一時停止させるようにしている。これにより、ハンチング防止を行うことが可能となる。
図13は、上記のハンチング防止を行った場合の一例を示したタイムチャートである。この図に示されるように、時点t1において車速閾値Vthが設定されたのち、時点t2において車速Vが車速閾値Vthを下回って、それが所定時間T2継続すると、時点t3においてEPB2の動作が開始される。その後、時点t4において車速Vが車速閾値Vthを超えたとしても、直ぐにはEPB2の動作を停止させず、それが所定時間T4継続した時点t5においてEPB動作要求を解除してEPB2の動作を一時停止させるようにしている。このため、車速Vが瞬間的に車速閾値Vthを超えたとしても、直ぐにEPB2の動作を停止させないようにでき、ハンチング防止を行うことが可能となる。
なお、ここでは車速閾値Vthを例に挙げたが、減速度閾値Gthを用いてEPB2の一時停止する場合には、例えば実減速度Gが減速度閾値Gthを下回った状態が所定時間T4継続したときにEPB2の動作を一時停止させるようにすれば良い。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態について説明する。本実施形態も、第6実施形態と同様、第5実施形態に対してEPB2の作動のハンチング防止を行えるようにしたものである。なお、ここでも車速閾値Vthを例に挙げて説明するが、減速度閾値Gthも同様である。
本実施形態では、ハンチング防止のためにEPB2の動作を一時停止する条件に車速のヒステリシス(ヒス車速)を設けるようにする。
具体的には、本実施形態では、例えば車速閾値Vthに対して所定値Vth3を加えた値を判定車速(Vth+Vth3)として、車速Vが判定車速(Vth+Vth3)を超えた場合に、EPB2の動作を一時停止させると判定している。これにより、ハンチング防止を行うことが可能となる。
図14は、上記のハンチング防止を行った場合の一例を示したタイムチャートである。この図に示されるように、時点t1において車速閾値Vthが設定されたのち、時点t2において車速Vが車速閾値Vthを下回って、それが所定時間T2継続すると、時点t3においてEPB2の動作が開始される。その後、時点t4において車速Vが車速閾値Vthを超えたとしても、直ぐにはEPB2の動作を停止させず、車速Vが判定車速(Vth+Vth3)を超えた時点t5においてEPB動作要求を解除してEPB2の動作を一時停止させるようにしている。このため、車速Vが瞬間的に車速閾値Vthを超えたとしても、直ぐにEPB2の動作を停止させないようにでき、ハンチング防止を行うことが可能となる。
なお、ここでは車速閾値Vthを例に挙げたが、減速度閾値Gthを用いてEPB2の一時停止および動作の再開の判定を行うこともできる。その場合、例えば減速度閾値Gthから減速度のヒステリシス(ヒス減速度)となる所定値Gth3を差し引いた値を判定減速度(Gth−Gth3)とし、実減速度Gが判定減速度(Gth−Gth3)を下回ったときにEPB2の動作を一時停止させるようにすれば良い。
(他の実施形態)
上記第1、第2実施形態では、EPB2の動作開始タイミングを決める閾値として、車速閾値Vthや減速度閾値Gthを用いたが、これら両方の閾値を用い、いずれか一方もしくは双方が成り立ったときに、EPB2の動作を開始するようにしても良い。
上記第6、第7実施形態では、時間的なヒステリシスもしくは車速や減速度のヒステリシスを設けることでハンチング防止を行ったが、これら両方のヒステリシスを組み合わせて設けることもできる。例えば、車速閾値Vthに対してヒス車速相当の所定値Vth3を加算した値を判定車速(Vth+Vth3)とし、車速Vが判定車速(Vth+Vth3)を超えた状態が所定時間T4継続したときに、EPB2の動作を一時停止させるようにしても良い。
また、上記各実施形態で説明したブレーキ機構は、サービスブレーキ1の操作とEPB2の操作の双方に対してブレーキ力を発生させる共用の構造とされているが、これらが別々の構造のものであっても構わない。
また、上記実施形態では、ディスクブレーキ式のEPB2を例に挙げて説明したが、モータ駆動によってホイールシリンダの圧力を調整することで摩擦材に相当するブレーキシューの摩擦面を被摩擦材に相当するブレーキドラムの内壁面に押し当て、ブレーキ力を発生させるようなドラム式のEPB2に関しても本発明を適用することができる。
なお、各図中に示したステップは、各種処理を実行する手段に対応するものである。すなわち、ステップ200、205、300、305の処理を実行する部分が開始タイミング検出手段、ステップ206の処理を実行する部分が切替中止判定手段、ステップ210、310の処理を実行する部分が停車時ロック制御手段に相当する。
1…サービスブレーキ、2…EPB、3…ブレーキペダル、5…M/C、6…W/C、7…アクチュエータ、8…ESC−ECU、9…EPB−ECU、10…モータ、11…ブレーキパッド、12…ブレーキディスク

Claims (11)

  1. 車両の走行中に電動駐車ブレーキ(2)の動作指示が出された緊急ブレーキ時に、ブレーキ液圧にてブレーキ力を制御する液圧システム(7、8)によってブレーキ液圧を制御してブレーキ力を発生させたのち、前記電動駐車ブレーキ(2)にて車輪をロックするロック動作を行うことで駐車ブレーキ力を発生させ、前記液圧システム(7、8)により発生させたブレーキ力を前記電動駐車ブレーキ(2)による駐車ブレーキ力に切り替える停車切替制御を実行する電動駐車ブレーキ制御装置であって、
    所望の駐車ブレーキ力を発生させて前記電動駐車ブレーキ(2)の動作を完了させる完了タイミングが前記車両の停止タイミングと一致すると想定される前記電動駐車ブレーキ(2)の動作開始タイミングを検出する開始タイミング検出手段(200、205、300、305)と、
    前記開始タイミング検出手段(200、205、300、305)で検出された動作開始タイミングより前記電動駐車ブレーキ(2)を動作させ、前記所望の駐車ブレーキ力を発生させたときに該電動駐車ブレーキ(2)の動作を完了させることで、この完了タイミングを前記車両の停止タイミングと一致させる停車時ロック制御手段(210、310)と、を有していることを特徴とする電動駐車ブレーキ制御装置。
  2. 前記開始タイミング検出手段(200、205、300、305)は、車速閾値(Vth)と減速度閾値(Gth)のいずれか一方もしくは双方を閾値として設定し、車速(V)が前記車速閾値(Vth)を下回ること、もしくは、減速度(G)が前記減速度閾値(Gth)以上となることのいずれか一方もしくは双方が成立したときを動作開始タイミングとすることを特徴とする請求項1に記載の電動駐車ブレーキ制御装置。
  3. 前記開始タイミング検出手段(200)は、少なくとも前記車速閾値(Vth)を閾値として用い、前記電動駐車ブレーキ(2)が前記所望の駐車ブレーキ力を発生させるのにかかる応答時間(T1)と前記液圧システム(7、8)にてブレーキ力が発生させられているときの減速度(G)とを掛けた値に基づいて前記車速閾値(Vth)を設定することを特徴とする請求項2に記載の電動駐車ブレーキ制御装置。
  4. 前記開始タイミング検出手段(200)は、少なくとも前記車速閾値(Vth)を閾値として用い、前記電動駐車ブレーキ(2)が前記所望の駐車ブレーキ力を発生させるのにかかる応答時間(T1)と前記液圧システム(7、8)にてブレーキ力が発生させられているときの減速度(G)に坂路勾配加速度を加味した値とを掛けた値に基づいて前記車速閾値(Vth)を設定することを特徴とする請求項2に記載の電動駐車ブレーキ制御装置。
  5. 前記開始タイミング検出手段(300)は、少なくとも前記減速度閾値(Gth)を閾値として用い、前記車速(V)を前記電動駐車ブレーキ(2)が前記所望の駐車ブレーキ力を発生させるのにかかる応答時間(T1)で割った値に基づいて前記減速度閾値(Gth)を設定することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載の電動駐車ブレーキ制御装置。
  6. 前記開始タイミング検出手段(300)は、少なくとも前記減速度閾値(Gth)を閾値として用い、前記車速(V)を前記電動駐車ブレーキ(2)が前記所望の駐車ブレーキ力を発生させるのにかかる応答時間(T1)で割った値に坂路勾配加速度を加減算した値に基づいて前記減速度閾値(Gth)を設定することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載の電動駐車ブレーキ制御装置。
  7. 前記開始タイミング検出手段は、前記閾値の設定上限として、車両挙動として発生不可能な判定上限値を設定することを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1つに記載の電動駐車ブレーキ制御装置。
  8. 前記停車時ロック制御手段(210)にて前記電動駐車ブレーキ(2)の動作が開始されたのち、減速度が低下して前記車両の停止タイミングが遅くなるか否かを判定し、前記停止タイミングが遅くなる場合には前記電動駐車ブレーキ(2)の動作を一時停止する切替中止判定手段(206)を備えていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の電動駐車ブレーキ制御装置。
  9. 前記開始タイミング検出手段(200、205、300、305)は、前記一時停止後に、第2の車速閾値(Vth2)と第2の減速度閾値(Gth2)のいずれか一方もしくは双方を改めて閾値として設定すると共に、該第2の車速閾値(Vth2)と第2の減速度閾値(Gth2)の設定に用いる前記電動駐車ブレーキ(2)が前記所望の駐車ブレーキ力を発生させるのにかかる応答時間(T3)として、前記電動駐車ブレーキ(2)の動作前の応答時間(T1)から前記一時停止までの動作時間を差し引いた時間を用い、前記車速(V)が前記第2の車速閾値(Vth2)を下回ること、もしくは、前記減速度(G)が前記第2の減速度閾値(Gth2)以上となることのいずれか一方もしくは双方が成立したことを前記電動駐車ブレーキ(2)の動作再開時の動作開始タイミングとすることを特徴とする請求項8に記載の電動駐車ブレーキ制御装置。
  10. 前記切替中止判定手段(206)は、前記車速閾値(Vth)に基づいて設定される判定車速(Vth、Vth+Vth3)と前記減速度閾値(Gth)に基づいて設定される判定減速度(Gth、Gth+Gth3)のいずれか一方もしくは双方を設定し、前記車速(V)が前記判定車速(Vth、Vth+Vth3)を超えること、もしくは、前記減速度(G)が前記判定減速度(Gth、Gth+Gth3)を下回ることのいずれか一方もしくは双方が成立することを条件として、前記車両の停止タイミングが遅くなると判定することを特徴とする請求項8または9に記載の電動駐車ブレーキ制御装置。
  11. 前記切替中止判定手段(206)は、前記判定車速もしくは前記判定減速度を前記車速閾値(Vth)もしくは前記減速度閾値(Gth)に対してヒステリシスを設けて設定すること、もしくは、前記車両の停止タイミングが遅くなると判定する条件が所定時間(T4)継続するという時間的なヒステリシスを設定することのいずれか一方、もしくは双方を行うことを特徴とする請求項10に記載の電動駐車ブレーキ制御装置。
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