JP2014022812A - ミリ波送信モジュール、ミリ波送信装置およびミリ波受信装置 - Google Patents

ミリ波送信モジュール、ミリ波送信装置およびミリ波受信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】伝送すべき信号の成分を適切にアップコンバートすることができるミリ波送信モジュール、ミリ波送信装置、およびそのようなミリ波送信装置から送信された信号を受信するミリ波受信装置を提供する。
【解決手段】ミリ波送信モジュール4は、基準信号を逓倍した逓倍基準信号を生成するM逓倍型マルチプライア36と、逓倍基準信号に基づいて、基準信号によって周波数変換された中間周波数信号をミリ波帯へアップコンバートするミリ波帯ミキサ32aと、逓倍基準信号に基づいて、基準信号をミリ波帯へアップコンバートするミリ波帯第2ミキサ32bと、ミリ波帯第1ミキサ32aおよびミリ波帯第2ミキサ32bでアップコンバ−トされた信号を合成してミリ波多重信号を生成する電力合成器29とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ミリ波送信モジュール、ミリ波送信装置およびミリ波受信装置に関する。
近年、情報通信の大容量化に伴い、様々なブロ−ドバンドの無線通信システムが提案されてきている。その中で、放送や通信の分野で、特にミリ波の無線通信が利用されている。ミリ波はビ−ムを鋭く絞ることができるので、軌道上に並んだ衛星間や地上での混信を防ぐことができるとともに、特定のエリアに対して反射や混信の影響が小さく、見通し区間では確実に電波を送ることができる。なお、ここで示すミリ波帯とは、マイクロ波帯も含む周波数帯域である。
従来のミリ波帯の無線通信システムとして、例えば、特許文献1(特開2003−258655号公報)では、無線送信機および無線受信機を備えたものが開示されている。
図19は、特許文献1に記載されたミリ波帯の無線送信機1000および無線受信機1500の構成を示す図である。
送信機1000は、入力部1100、第1のアップコンバ−ト部1200、第2のアップコンバ−ト部1300、および送信アンテナ1400により構成されている。
第1のアップコンバ−ト部1200は、入力される変調波信号を中間周波数に周波数変換する部分であり、周波数ミキサ1201、フィルタ1202、電力合成器1203、増幅器1204、電力分配器1205、基準信号源1206、および減衰器1207を備えている。
第1のアップコンバ−ト部1200には、第1のIF信号IF1が入力される。この信号IF1は、例えば、直交マルチキャリア変調方式(OFDM変調方式)等で変調された変調波信号である。
周波数ミキサ1201は、入力された第1のIF信号IF1と、基準信号源1206から出力される第1のLO信号(FLO1)とを乗積する。
次いで、周波数ミキサ1201の直後に設けられたフィルタ1202は、第1のアップコンバ−ト部1200から出力される信号の成分のみを主に取り出す。ここで、フィルタ1202は、周波数ミキサ1201の出力信号のうち上側波帯の信号(FRF1)を通過選択させる。
一方、電力分配器1205が、基準信号源1206が出力した信号(FLO1)の一部を分配している。減衰器1207は、分配された信号のレベルを調整する。減衰器1207から出力された信号(FLO1)は、電力合成器1203で、信号(FRF1)と合成される。
これにより、送信機へ入力された変調波信号から中間周波数信号に変換された信号(FRF1)と基準信号となる信号(FLO1)との中間周波数多重信号が生成される。この中間周波数多重信号が、アンプ1204により増幅され、増幅された中間周波数多重信号が、第2のIF信号IF2(FLO1+FRF1)として、第2のアップコンバ−ト部1300へ入力される。
第2のアップコンバ−ト部1300は、入力される信号IF2をミリ波帯に周波数変換する部分であり、ミキサ1301、フィルタ1302、アンプ1303、および局部発振器1304を備えている。
第2のアップコンバ−ト部1300に、第1のアップコンバ−ト部1200から出力された信号IF2が入力されると、ミキサ1301は、信号(FRF1)と信号(FLO1)とを含む中間周波数多重波信号(すなわちIF2)と、局部発振器1304から出力される第2のLO信号(FLO2)とを乗積し、ミリ波帯へのアップコンバ−トを行なう。
次いで、ミキサ1301の直後に設けられたフィルタ1302が、アップコンバ−トされた無線多重信号に対して、所望の周波数のみの無線多重信号を通過させる。これにより、無線変調信号成分(FRF1+FLO2)と、無線基準信号成分(FLO1+FLO2)とを含む無線多重波信号が生成される。この無線多重波信号が、アンプ1303により増幅され、増幅された無線多重波信号が送信アンテナ1400に出力される。
そして、送信アンテナ1400すなわち送信機1000から、無線基準信号成分(FLO1+FLO2)および無線変調信号成分(FRF1+FLO2)から成る無線多重波信号2000が送信される。
次に、送信機1000から送信された信号を受信する受信機1500について説明する。
受信機1500は、受信アンテナ1600、第1のダウンコンバ−ト部1700、および第2のダウンコンバ−ト部1800により構成されている。受信機1500は、送信機1000から送信された信号を受信し、受信した信号を元の変調波信号(IF1)にダウンコンバ−トする。
受信アンテナ1600において、送信機1000の送信アンテナ1400から送られてきた、基準信号成分(FLO1+FLO2)および無線変調信号成分(FRF1+FLO2)から成る無線多重波信号2000が受信される。
第1のダウンコンバ−ト部1700は、入力される無線多重波信号を中間周波数信号に周波数変換する部分であり、フィルタ1701、アンプ1702、ミキサ1703、アンプ1704、および局部発振器1705を備えている。
フィルタ1701が必要な信号を通過させる。そして、通過した信号をアンプ1702が増幅する。次いで、ミキサ1703は、局部発振器1705からの信号(FLO2)で、第1の周波数変換を行う。すなわち、基準信号成分(FLO1+FLO2)と無線変調信号成分(FRF1+FLO2)とは、中間周波数多重波信号である第2のIF信号IF2(すなわちFLO1、FRF1)にダウンコンバ−トされる。
これにより、第2のIF信号IF2(FLO1、FRF1)が生成される。この第2のIF信号が、アンプ1704により増幅され、増幅された信号IF2が第2のダウンコンバ−ト部1800に出力される。
第2のダウンコンバ−ト部1800は、入力される第2のIF信号IF2を第1のIF信号IF1に周波数変換する部分であり、分配器1801、フィルタ1802、フィルタ1803、ミキサ1804、アンプ1805、および出力部1806を備えている。
第2のダウンコンバ−ト部1800に、第2のIF信号IF2が入力されると、該信号は分配器1801で分配される。分配された一方の信号は、信号(FRF1)のみが通過できるフィルタ1802を介し、ミキサ1804に入力される。また、他方の信号は、信号(FLO1)のみが通過できるフィルタ1803を介し、アンプ1805によって増幅された後、ミキサ1804に入力される。
ミキサ1804は、信号(FRF1)と信号(FLO1)とを乗積する。これにより、信号(FRF1)がダウンコンバ−トされる。すなわち、第1のIF信号IF1に復調さ
れる。
以上により、受信機1500では、第1のIF信号IF1が復調される。この第1のIF信号IF1は、送信機1000に入力された第1のIF信号IF1と同じである。
特開2003−258655号公報
しかしながら、特許文献1に記載の送信機1000は、以下のような問題点を有している。
第1のアップコンバ−ト部1200から出力された信号IF2がミキサ1301に入力されると、ミキサ1301は、信号(FRF1)と信号(FLO1)とを含む中間周波数多重波信号を、局部発振器1304から出力される第2のLO信号(FLO2)を用いて、無線周波数帯へアップコンバ−トする。
信号FLO1は、正弦波の連続波(CW波)で、信号FRF1に比べて、パワ−レベルが同等以上に大きい信号であることが必要である。つまり、信号FLO1は、変調信号波FRF1に比べて、帯域幅が狭く特定の周波数であるため、ピ−クパワ−が、極度に大きい信号となる。
この結果、周波数ミキサ1301の出力は、信号FLO1によって飽和し歪んでしまい、本来伝送すべき信号成分である信号FRF1を適切にアップコンバートことができず、十分な伝送距離を確保できないという問題点があった。
それゆえに、本発明の目的は、伝送すべき信号の成分を適切にアップコンバートすることができるミリ波送信モジュール、ミリ波送信装置、およびそのようなミリ波送信装置から送信された信号を受信するミリ波受信装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のミリ波送信モジュールは、基準信号を逓倍した逓倍基準信号を生成する逓倍器と、逓倍基準信号に基づいて、基準信号によって周波数変換された中間周波数信号をミリ波帯へアップコンバートするミリ波帯第1ミキサと、逓倍基準信号に基づいて、基準信号をミリ波帯へアップコンバートするミリ波帯第2ミキサと、ミリ波帯第1ミキサおよびミリ波帯第2ミキサでアップコンバ−トされた信号を合成してミリ波多重信号を生成するミリ波帯合成部とを備える。
好ましくは、ミリ波多重信号の下側波帯をイメージ信号として除去するミリ波バンドパスフィルタを備える。
好ましくは、ミリ波帯第1ミキサおよびミリ波帯第2ミキサは、2次の偶高調波ミキサである。
本発明のミリ波送信装置は、基準信号を出力する基準信号源と、基準信号に基づいて、ベースバンド信号を中間周波数信号にアップコンバートするIF帯ミキサと、基準信号源から出力された基準信号を逓倍した逓倍基準信号を生成する逓倍器と、逓倍基準信号に基づいて、中間周波数信号をミリ波帯へアップコンバートするミリ波帯第1ミキサと、逓倍基準信号に基づいて、基準信号源から出力された基準信号をミリ波帯へアップコンバートするミリ波帯第2ミキサと、ミリ波帯第1ミキサおよびミリ波帯第2ミキサでアップコンバ−トされた信号を合成してミリ波多重信号を生成するミリ波帯合成部とを備える。
好ましくは、ミリ波多重信号の下側波帯をイメージ信号として除去するミリ波バンドパスフィルタを備える。
好ましくは、ミリ波帯第1ミキサおよびミリ波帯第2ミキサは、2次の偶高調波ミキサである。
好ましくは、基準信号源から出力された基準信号を増幅し、3分配してIF帯ミキサと、逓倍器と、ミリ波帯第2ミキサへ供給する増幅分配部を備える。
好ましくは、IF帯ミキサから出力される中間周波数信号の下側波帯を通すIF帯バンドパスフィルタを備える。
本発明のミリ波送信装置は、基準信号を出力する基準信号源と、基準信号に基づいて、第1のベースバンド信号を第1の中間周波数信号にアップコンバートするIF帯第1ミキサと、基準信号に基づいて、第2のベースバンド信号を第2の中間周波数信号にアップコンバートするIF帯第2ミキサと、第1の中間周波数信号および第2の中間周波数信号を合成するIF帯合成部と、基準信号源から出力された基準信号を逓倍した逓倍基準信号を生成する逓倍器と、逓倍基準信号に基づいて、合成された中間周波数信号をミリ波帯へアップコンバートするミリ波帯第1ミキサと、逓倍基準信号に基づいて、基準信号源から出力された基準信号をミリ波帯へアップコンバートするミリ波帯第2ミキサと、ミリ波帯第1ミキサおよびミリ波帯第2ミキサでアップコンバ−トされた信号を合成してミリ波多重信号を生成するミリ波帯合成部とを備える。
好ましくは、ミリ波多重信号の下側波帯をイメージ信号として除去するミリ波バンドパスフィルタを備える。
好ましくは、ミリ波帯第1ミキサおよびミリ波帯第2ミキサは、2次の偶高調波ミキサである。
好ましくは、基準信号源から出力された基準信号を増幅し、4分配して、IF帯第1ミキサと、逓倍器と、ミリ波帯第2ミキサと、IF帯第2ミキサへ供給するための複数のアンプを備える。
好ましくは、IF帯第1ミキサから出力される第1の中間周波数信号の下側波帯を通すIF帯第1バンドパスフィルタと、IF帯第2ミキサから出力される第2の中間周波数信号の下側波帯を通すIF帯第2バンドパスフィルタとを備える。
本発明のミリ波受信装置は、ミリ波多重信号をダウンコンバートして中間周波数多重信号を生成するミリ波帯ミキサと、中間周波数多重信号から第1の中間周波数信号を出力する第1のフィルタと、中間周波数多重信号から第2の中間周波数信号を出力する第2のフィルタと、中間周波数多重信号から基準信号を出力する第3のフィルタと、基準信号に基づいて、第1の中間周波数信号をダウンコンバートして、第1のベースバンド信号を生成するIF帯第1ミキサと、基準信号に基づいて、第2の中間周波数信号をダウンコンバートして、第2のベースバンド信号を生成するIF帯第2ミキサとを備える。
本発明によれば、伝送すべき信号の成分を適切にアップコンバートすることができる。
第1の実施形態のミリ波送信装置の構成を示す図である。 第1の変調信号bb1の周波数スペクトルを表わす図である。 基準信号stdの周波数スペクトルを示す図である。 第1のIF信号IF1の周波数スペクトルを表わす図である。 ミリ波送信信号の周波数スペクトルを示す図である。 第2の実施形態のミリ波送信装置の構成を示す図である。 第2の変調信号bb2の周波数スペクトルを示す図である。 周波数多重化信号の周波数スペクトルを表わす図である。 ミリ波送信信号の周波数スペクトルを示す図である。 第2の実施形態のミリ波受信装置の構成を表わす図である。 ミリ波受信アンテナ51に入力されるミリ波多重信号の周波数スペクトルを表わす図である。 IF帯多重信号の周波数スペクトルを表わす図である。 IF帯バンドパスフィルタ56、IF帯バンドパスフィルタ54、およびIF帯バンドパスフィルタ55の特性を表わす図である。 基準信号IFstdの抽出を説明するための図である。 第1のIF信号IF1の抽出を説明するための図である。 第2のIF信号IF2の抽出を説明するための図である。 第1のベ−スバンド信号bb1の周波数スペクトル示す図である。 第2のベ−スバンド信号bb2の周波数スペクトル示す図である。 特許文献1に記載されたミリ波帯の無線送信機1000および無線受信機1500の構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のミリ波送信装置の構成を示す図である。
図1を参照して ミリ波送信装置1は、入力端子5と、ベースバンド回路2と、IF回路3と、ミリ波ICモジュール4とを備える。
入力端子5から、第1の変調信号bb1が入力される。
図2は、第1の変調信号bb1の周波数スペクトルを表わす図である。
図2に示すように、第1の変調信号bb1の周波数fbb1は、400MHz〜800MHz、1000MHz〜2100MHzである。第1の変調信号bb1は、放送波信号であって、UHF帯の地上デジタル放送信号とBS/CS110度放送のIF信号が合成された信号に相当する。第1の変調信号bb1を、以下ではベ−スバンド信号と呼ぶこともある。
尚、IF帯域の周波数バンドパスフィルタとして、広帯域で急峻性能が高いものを、以下記述するミリ波送信装置とミリ波受信装置で用いれば、第1の変調信号bb1は、たとえば200MHz〜2500MHzの帯域の信号であっても構わない。
ベースバンド信号bb1は、望ましくはデジタル変調信号の電力レベルの変動の少ない広帯域信号が望ましい。ベ−スバンド信号bb1は、75/50Ω変換部191でインピーダンス変換され、ベ−スバンド回路2内のアンプ6で増幅され、さらにリミタ7でレベル制限され、IF回路3内のIF帯ミキサ8に入力される。
図1において、基準信号源15から出力される周波数fstdが5.5737GHzである基準信号stdが増幅分配部14で適度なレベルまで増幅された後、3分配される。一つ目は、IF帯ミキサ8に局部発振信号として送られる。2つ目は、減衰器(T1)17でレベル調整された後、ミリ波ICモジュ−ル4の端子13Bからミリ波ICモジュ−ル4中のミリ波帯ミキサ32bに入力される。3つ目は、整合器16を介して、ミリ波ICモジュ−ル4中のM逓倍型マルチプライア(Mは2以上の自然数、本実施の形態ではM=5とする)36へ送られる。
図3は、基準信号stdの周波数スペクトルを示す図である。
基準信号stdは、周波数fstdが5.573GHzのCW(連続波)信号である。
IF帯ミキサ8は、ベ−スバンド信号bb1を、基準信号std(局部発振信号)によってIF帯にアップコンバートする。IF帯バンドパスフィルタ(BPF)9は、アップコンバートされた信号のうち、下側波帯のみを通過させて、第1のIF信号IF1を出力する。第1のIF信号IF1は、IFアンプ10で増幅され、さらに減衰器(T2)11とIFアンプ12によって適宜レベル調整された後、ミリ波ICモジュ−ル4の入力端子13Aから、ミリ波ICモジュ−ル4中のミリ波帯ミキサ32aに送られる。
図4は、第1のIF信号IF1の周波数スペクトルを表わす図である。
本実施の形態では、第1のIF信号IF1の周波数fIF1は、下側波帯の信号波3.473GHz〜4.573GHz、4.773GHz〜5.173GHzである。つまり、IF帯バンドパスフィルタ9aが、下側帯の信号を選択していることから、第1のIF信号IF1の周波数fIF1は、下記の関係で表現される。
fstd−fbb1=fIF1・・・(1)
M逓倍型マルチプライア(Mは2以上の自然数、本実施の形態ではM=5とする)36は、基準信号stdを5逓倍して、逓倍基準信号std_5を出力する。5逓倍された逓倍基準信号std_5は、2分配されてそれぞれアンプ37a,37bで増幅されて、局部発振信号としてミリ波帯ミキサ32aおよびミリ波帯ミキサ32bへ送られる。
ミリ波帯ミキサ32aは、2次の偶高調波ミキサであり、入力された5逓倍された逓倍基準信号std_5をさらに2逓倍して逓倍基準信号std_10を生成する。したがって、元の基準信号stdはト−タルで10逓倍される。逓倍基準信号std_10の周波数RFLOは、55.73GHz(10×5.573GHz)である。ミリ波帯ミキサ32aは、入力端子13Aから入力された第1のIF信号IF1を基準信号std_10によってミリ波帯にアップコンバートして、第1のミリ波変調信号RF1を出力する。第1のミリ波変調信号RF1の周波数をfRF1とする。
ミリ波帯ミキサ32bは、2次の偶高調波ミキサであり、入力された5逓倍された逓倍基準信号std_5をさらに2逓倍して逓倍基準信号std_10を生成する。したがって、元の基準信号stdはト−タルで10逓倍される。逓倍基準信号std_10の周波数RFLOは、55.73GHz(=10×5.573GHz)である。ミリ波帯ミキサ32bは、入力端子13Bから入力された基準信号stdを逓倍基準信号std_10によってミリ波帯にアップコンバートして、ミリ波基準信号RFstdを出力する。ミリ波基準信号RFstdの周波数をfRFstdとする。
ミリ波帯電力合成器29は、ミリ波帯ミキサ32aでアップコンバ−トされた信号とミリ波帯ミキサ32bでアップコンバートされた信号を合成して、ミリ波帯多重信号を出力する。
ミリ波帯バンドパスフィルタ33は、ミリ波多重信号の上側波帯を通過させ、下側波帯をイメ−ジ信号として除去する。上側波帯信号は、アンプ34で増幅された後、ミリ波ICモジュ−ル4と一体化されたアンテナ35によって、ミリ波送信信号として放射される。
図5は、ミリ波送信信号の周波数スペクトルを示す図である。
ミリ波送信信号は、ミリ波基準信号RFstdと、第1のミリ波変調信号RF1で構成され、下記のような関係になる。
<第1のミリ波変調信号RF1について>
fIF1+10×fstd=fRF1・・・(2)
式(2)は、式(1)によって以下のように変形される。
11×fdtd−fbb1=fRF1・・・(3)
<ミリ波基準信号RFstdについて>
fstd+10×fstd=11×fstd=fRFstd ・・・(4)
上記のようにミリ波送信装置1内のミリ波基準信号RFstd、および第1のミリ波変調信号RF1の周波数関係は、基準信号stdの周波数によってのみ決定される。そのため、ミリ波送信装置1の周波数調整は、基準信号stdの周波数fstdを調整すればよく、著しく容易になる。
以上のような構成では、ミリ波ICモジュ−ル4中のミリ波帯ミキサ32aには第1のIF信号IF1が、ミリ波帯ミキサ32bには基準信号stdがそれぞれ独立に入力される。ミリ波帯ミキサ32aには、飽和領域まで第1のIF信号1F1を入力することができるため、第1のIF信号の歪が生じないとうメリットがある。
従来では、基準信号のピ−ク信号が、第1のIF信号より極度に大きく、入力されるミリ波帯ミキサは、歪易く、変調信号も十分レベルまで入力することができなかった。とりわけ、入力変調信号が、デジタル変調信号の場合、広帯域で時間的な電力レベル変動が小さく、一方CW信号の基準信号は周波数1点の狭帯域の信号でレベルが大きくかつピ−クレベルも大きい。このように、基準信号と入力変調信号とは対照的であり、従来のように、同じ1つのミキサで基準信号と入力変調信号を一緒にアップコンバ−トしようとすると、基準信号のピ−ク時の信号は、IF信号より、略10dB以上大きく、入力されるミリ波帯ミキサは、歪易く、本来伝送すべき変調信号は十分レベルまでアップコンバ−トすることができなく、無線周波数帯のミリ波帯で十分な出力を確保することできなかった。
本実施の形態では、ミリ波帯ミキサ32aおよびミリ波帯ミキサ32bで独立して周波数アップコンバ−ジョンすることによって、歪が生じにくく、本来伝送すべきミリ波変調信号RF1を、十分な送信出力まで増強できる。その結果、伝送距離が2倍以上拡大し、歪が小さくなり、良好な受信CN特性(キャリア対ノイズ特性)を得ることができる。
なお、本実施の形態では、ミリ波帯ミキサ32aおよびミリ波帯ミキサ32bの夫々の出力をミリ波帯電力合成器29で合成したが、ミリ波帯ミキサ32a、ミリ波帯ミキサ32bの直後に、夫々アンプを設けることや、さらに周波数フィルタ等を設けた後に、ミリ波帯電力合成器29で合成する構成であっても構わない。ICのチップサイズとの兼ね合いで、ミリ波帯ミキサ32aおよびミリ波帯ミキサ32bの後の構成は、種々の組み合わせが可能である。
(第2の実施形態)
以下では、主に第1の実施形態と相違するところのみについて説明する。第1の実施形態では、入力信号として第1の変調信号bb1のみを用いたが、第2の実施形態では、入力信号として、第2の変調信号bb2が追加されるため、第1の実施形態に第2の変調信号系が追加され、第1の実施形態の構成はそのまま、第2の実施形態に引き継がれる。
図6は、第2の実施形態のミリ波送信装置の構成を示す図である。
本実施の形態のミリ波送信装置193は、第1の入力端子5aと、第2の入力端子5bと、基準信号源15と、第1のベースバンド回路2aと、第2のベースバンド回路2bと、第1のIF回路38aと、第2のIF回路38bと、ミリ波ICモジュール4とを備える。
本実施の形態では、ミリ波送信装置192には、第1の変調信号bb1のみならず、第2の入力端子5Bから、ベースバンド信号である第2の変調信号bb2が入力される。第2の変調信号bb2は、第2のベ−スバンド回路2bの75/50Ω変換部193でインピーダンス変換され、アンプ96で増幅され、さらにリミタ97でレベル制限され、第2のIF回路38bのIF帯ミキサ8bに送られる。
第1の変調信号bb1が入力される第1のベースバンド回路2aの構成は、図1のベースバンド回路2の構成と同様である。
図7は、第2の変調信号bb2の周波数スペクトルを示す図である。
図7に示すように、第2の変調信号の周波数bb2は、900MHZ〜2000MHzである。
第2の変調信号bb2の周波数fbb2は、第1の変調信号bb1の周波数fbb1の周波数帯と重複しても構わない。また、第2の変調信号bb2の周波数fbb2を900MHz〜2000MHzとしたが、IF帯域の周波数バンドパスフィルタとして広帯域で急峻性能が高いものを、ミリ波送信装置とミリ波受信装置で用いれば、たとえば200MHz〜2500MHzであっても構わない。第1の変調信号bb1および第2の変調信号bb2は、望ましくはデジタル変調信号の電力レベルの変動の少ない広帯域信号が望ましい。
基準信号源15が出力する基準信号stdの周波数fstdは、5.573GHzである。基準信号stdは、第1のIF回路38aの増幅分配部14aと、第2のIF回路38b内のアンプ14bに送られる。
増幅分配部14aは、図1の増幅分配部14と同様であり、基準信号stdを適度なレベルまで増幅して、3分配する。一つ目は、IF帯ミキサ8aに局部発振信号として送られる。2つ目は、減衰器(T1)17でレベル調整された後、ミリ波ICモジュ−ル4の端子13Bからミリ波ICモジュ−ル4中のミリ波帯ミキサ32bに入力される。3つ目は、整合器16を介して、ミリ波ICモジュ−ル4中のM逓倍型マルチプライア(Mは2以上の自然数、本実施の形態ではM=5とする)36へ送られる。
アンプ14bは、基準信号stdを適度なレベルまで増幅して、IF帯ミキサ8bに局部発振信号として送る。
IF帯ミキサ8bは、入力された第2の変調信号bb2を、入力された基準信号std(局部発振信号)によって、第2のIF帯にアップコンバートする。
IF帯バンドパスフィルタ(BPF)9bは、アップコンバートされた信号のうち、上側波帯のみを通過させて、第2のIF信号IF2を出力する。第2のIF信号IF2は、IFアンプ10bで増幅され、減衰器(T3)11bとIFアンプ12bで、適宜レベル調整された後、IF帯電力合成器39へ送られる。
IF帯電力合成器39は、第1のIF信号IF1と第2のIF信号IF2とを合成して、IF多帯重信号を出力する。
図8は、IF帯多重信号の周波数スペクトルを表わす図である。
IF帯多重信号は、ミリ波ICモジュ−ル4の入力端子13Aにより、ミリ波帯ミキサ32aに送られる。
本実施の形態では、第2のIF信号IF2の周波数fIF2は、上側波帯の信号波6.473GHz〜7.573GHzの信号である。
つまり、第2のIF信号IF2の周波数fIF2は、下記の関係で表現される。
fstd+fbb2=fIF2・・・(5)
M逓倍型マルチプライア(Mは2以上の自然数、本実施の形態ではM=5とする)36は、基準信号stdを5逓倍して、逓倍基準信号std_5を出力する。5逓倍された逓倍基準信号std_5は、2分配されてそれぞれアンプ37a,37bで増幅されて、局部発振信号としてミリ波帯ミキサ32aおよびミリ波帯ミキサ32bへ送られる。
ミリ波帯ミキサ32aは、2次の偶高調波ミキサであり、入力された5逓倍された基準信号std_5をさらに2逓倍して逓倍基準信号std_10を生成する。したがって、元の基準信号stdはト−タルで10逓倍される。逓倍基準信号std_10の周波数RFLOは、55.73GHz(10×5.573GHz)である。ミリ波帯ミキサ32aは、入力端子13Aから入力されたIF多重信号を逓倍基準信号std_10によってミリ波帯にアップコンバートして、第1のミリ波変調信号RF1と第2のミリ波変調信号RF2の多重信号を出力する。第2のミリ波変調信号RF2の周波数をfRF2とする。
ミリ波帯ミキサ32bは、2次の偶高調波ミキサであり、入力された5逓倍された逓倍基準信号std_5をさらに2逓倍して逓倍基準信号std_10を生成する。したがって、元の基準信号stdはト−タルで10逓倍される。逓倍基準信号std_10の周波数RFLOは、55.73GHz(10×5.573GHz)である。ミリ波帯ミキサ32bは、入力端子13Bから入力された基準信号stdを逓倍基準信号std_10によってミリ波帯にアップコンバートして、ミリ波基準信号RFstdを出力する。ミリ波基準信号RFstdの周波数をfRFstdとする。
ミリ波帯電力合成器29は、ミリ波帯ミキサ32aでアップコンバ−トされた信号とミリ波帯ミキサ32bでアップコンバートされた信号を合成して、ミリ波帯多重信号を出力する。
ミリ波多重信号は、ミリ波帯バンドパスフィルタ33で、上側波帯を通過し、下側波帯はイメ−ジ信号として除去される。当該上側波帯信号は、アンプ34で増幅され、ミリ波ICモジュ−ル4と一体化されたアンテナ35により、送信信号として放射される。
図9は、ミリ波送信信号の周波数スペクトルを示す図である。
ミリ波送信信号は、ミリ波基準信号RFstdと、第1のミリ波変調信号RF1と、第2のミリ波編著信号RF2で構成され、下記のような関係になる。
<第1のミリ波変調信号RF1について>
fIF1+10×fstd=fRF1・・・(6)
式(6)は、式(1)によって以下のように変形される。
11×fstd−fbb1=fRF1・・・(7)
<第2のミリ波変調信号RF2について>
fIF2+10×fstd=fRF2・・・(8)
式(8)は、式(5)によって以下のように変形される。
11×fstd+fbb2=fRF2・・・(9)
<ミリ波基準信号RFstdについて>
fstd+10×fstd=11×fstd =fRFstd ・・・(10)
上記のようにミリ波送信装置192内のミリ波基準信号RFstd 第1のミリ波変調信号RF1、および第2のミリ波変調信号RF2の周波数関係は、基準信号stdの周波数fstdによってのみ決定される。そのため、ミリ波送信装置192の周波数調整は、基準信号stdの周波数fstdの周波数を調整すればよく、著しく容易になる。
以上のような構成では、ミリ波ICモジュ−ル中のミリ波帯ミキサ32aには、第1のIF信号IF1と第2のIF信号IF2が、ミリ波帯ミキサ32bには、基準信号stdが、夫々独立に入力される。そのため、ミリ波帯ミキサ32aは、飽和領域まで信号を入力することができるとともに、基準信号stdが、ミリ波帯ミキサ32bだけに入力されるため、第1のIF信号IF1および第2のIF信号IF2の歪が生じない。加えて、ミリ波帯ミキサ32aには、IF変調信号のみしか入力しないため、第2の変調信号bb2も、周波数帯域を、2倍程度に広帯域化しても歪が少なく、良好な受信CN特性と伝送距離が拡大する。つまり、従来まで、基準信号のピ−ク信号が、第1及び第2のIF信号よりも極度に大きく、入力されるミリ波帯ミキサは、歪易く、変調信号も十分レベルまで入力することができなかった。
本実施の形態では、ミリ波帯ミキサ32aおよびミリ波帯ミキサ32bでそれぞれ独立して周波数アップコンバ−ジョンすることにより、歪が生じ難く、本来伝送すべきミリ波変調信号RF1及びRF2が、十分な送信出力まで増強できる。その結果、伝送距離が2倍以上拡大し、歪が小さくなり、良好な受信CN特性(キャリア対ノイズ特性)を得ることができるのみならず、ミリ波帯で広帯域化することが可能となり伝送帯域幅が拡張でき伝送容量および伝送速度を増大することができる。
とりわけ第1及び第2の入力変調信号が、デジタル変調信号の場合、広帯域で電力レベル変動が小さく、一方CW信号の基準信号は周波数1点の狭帯域の信号でレベルが大きくかつピ−クレベルも大きい。このように、基準信号と2つの入力変調信号とは対照的であり、従来のように、同じ1つのミキサで基準信号と2つの入力変調信号を一緒にアップコンバ−トしようとすると、基準信号のピ−ク信号は、第1および第2のIF信号よりも、10dB程度大きく、入力されるミリ波帯ミキサは、歪易く、本来伝送すべき変調信号は十分レベルまでアップコンバ−トすることができなかった。
本実施の形態では、これらの信号を無線周波数帯のミリ波帯へのアップコンバ−ト時、に、ミリ波帯ミキサ32aおよびミリ波帯ミキサ32bで独立にアップコンバ−トできるため、変調波信号は歪が少なく良好なミリ波帯へのアップコンバ−トが可能である。
(受信装置)
次に、本実施の形態のミリ波送信装置193からの信号を受信するミリ波受信装置について説明する。
図10は、第2の実施形態のミリ波受信装置の構成を表わす図である。
なお、本実施の形態では、N逓倍器+バッファアンプ45は、N=3として説明する。
図10を参照して、このミリ波受信装置40は、ミリ波受信アンテナ51と、DRO型発振器48と、アンプ47と、整合器46と、ミリ波ICモジュール41と、IF回路42と、ベースバンド回路43とを備える。
ベースバンド回路43で復調された映像多重信号は、同軸ケ−ブルで、TV92や録画機93等の電子機器に接続される。なお、TV92や録画機93からは、チャンネル切り替えるための制御信号94が出力される。
ミリ波受信アンテナ51から入力されたミリ波多重信号は、ミリ波ICモジュール41のミリ波アンプ50で増幅され、ミリ波バンドパスフィルタ49で不要波が抑圧され、ミリ波帯ミキサ44(第1の周波数ダウンコンバ−タ)に送られる。
図11は、ミリ波受信アンテナ51に入力されるミリ波多重信号の周波数スペクトルを表わす図である。
ミリ波多重信号は、周波数がfRF1の第1のミリ波変調信号RF1と、周波数がfRF2である第2のミリ波変調信号RF2と、周波数がfRFstdあるミリ波基準信号RFstdが合成された信号である。
DRO型発振器48が、周波数がfrlo(=9.266GHz)の局部発振信号を発生し、アンプ47および整合器46を介して、N逓倍器+バッファアンプ45に送られる。
N逓倍器+バッファアンプ45は、入力された局部発振信号の周波数を3逓倍して、27.798GHzの信号を生成し、さらにこの信号を増幅して、ミリ波帯ミキサ44に出力する。
ミリ波帯ミキサ44は、2次高調波型ミキサ(たとえばアンチパラレルダイオ−ドペアを用いた偶高調波ミキサ)を用いており、入力された3逓倍された信号をさらに2逓倍して55.596GHzの信号を生成する。ミリ波帯ミキサ44は、この55.596GHzの信号によって、ミリ波バンドパスフィルタ49から出力されたミリ波多重信号を周波数ダウンコンバ−トして(第1の周波数ダウンコンバート)、IF帯多重信号を生成する。
図12は、IF帯多重信号の周波数スペクトルを表わす図である。
IF帯多重信号は、周波数がfIF1である第1のIF信号IF1と、周波数がfIF2である第2のIF信号IF2と、周波数がfIFstdである基準信号IFstdとが合成された信号である。
IF多重信号は、IFアンプ52で増幅され、3分配器53で3分配されて、IF帯バンドパスフィルタ56、IF帯バンドパスフィルタ54、およびIF帯バンドパスフィルタ55に送られる。
図13は、IF帯バンドパスフィルタ56、IF帯バンドパスフィルタ54、およびIF帯バンドパスフィルタ55の特性を表わす図である。
IF帯バンドパスフィルタ56は、IF多重信号から基準信号IFstdを抽出する。図13および図14に示すように、フィルタ特性150の通過特性をもつIF帯バンドパスフィルタ56によって基準信号IFstdが抽出される。抽出された基準信号IFstdは、2分配器65で2分配されて、アンプ61とアンプ62に送られて、それぞれ増幅された後、IF帯ミキサ63、IF帯ミキサ64に局部発振信号として送られる。
IF帯バンドパスフィルタ54は、IF多重信号から第1のIF信号IF1を抽出する。図13および図15に示すように、フィルタ特性151の通過特性をもつIF帯バンドパスフィルタ54によって第1のIF信号IF1が抽出される。第1のIF信号IF1は、IFアンプ57で増幅され、さらに減衰器(T4)59で適宜レベル調整されて、IF帯ミキサ63に送られる。
IF帯バンドパスフィルタ55は、IF多重信号から第2のIF信号IF2を抽出する。図13および図16に示すように、フィルタ特性152の通過特性をもつIF帯バンドパスフィルタ55によって第2のIF信号IF2が抽出される。第2のIF信号IF2は、IFアンプ58で増幅され、さらに減衰器(T5)60で適宜レベル調整されて、IF帯ミキサ64に送られる。
IF帯ミキサ63は、第1のIF信号IF1を基準信号IFstdで第2の周波数ダウンコンバ−トして、周波数fbb1の第1のベースバンド信号bb1を生成する。
IF帯ミキサ64は、第2のIF信号IF2を基準信号IFstdで第3の周波数ダウンコンバ−トして、周波数fbb2の第2のベ−スンバンド信号bb2を生成する。
図17は、第1のベ−スバンド信号bb1の周波数スペクトル示す図である。第1のベースバンド信号bb1は、図2に示す第1の変調信号bb1と、周波数、周波数安定度や位相雑音特性は同等な信号である。
図18は、第2のベ−スバンド信号bb2の周波数スペクトルを示す図である。第2のベ−スバンド信号bb2は、図7に示す第2の変調信号bb2と、周波数、周波数安定度や位相雑音特性は同等な信号である。
上述の処理において、周波数関係は以下のように表わされる。
<第1のミリ波変調信号RF1の第1のダウンコンバ−ト>
fRF1−6×frlo=fIF1・・・(11)
式(11)は、式(7)によって以下のように変形できる。
(11×fstd−fbb1)−6×frlo=fIF1・・・(12)
<第2のミリ波変調信号RF2の第1のダウンコンバート>
fRF2−6×frlo=fIF2・・・(13)
式(13)は、式(9)によって以下のように変形できる。
(11×fstd+fbb2)−6×frlo=fIF2・・・(14)
<ミリ波基準信号RFstdの第1のダウンコンバート>
fRFstd−6×frlo=fIFstd・・・(15)
式(15)は、式(10)によって以下のように変形できる。
11×fstd−6×frlo=fIFstd・・・(16)
<第1のIF信号IF1の第2のダウンコンバート>
第2のダウンコンバ−トは、fIFstd>fIF1の関係によって、以下のように表わされる。
fIFstd−fIF1=fbb1・・・(17)
<第2のIF信号IF2の第3のダウンコンバート>
第3のダウンコンバ−トは、fIFstd<fIF2の関係によって、以下のように表わされる。
fIF2−fIFstd=fbb2・・・(18)
この関係から明らかなように、ミリ波受信装置40か出力される第1のベースバンド信号bb1及び第2のベースバンド信号bb2は、ミリ波送信装置193の第1の入力信号であるbb1、第2の入力信号であるbb2となり、周波数、周波数安定度や位相雑音特性は送信入力信号と同等な信号が生成される。
図10に示すミリ波受信装置40においては、ベ−スバンド回路43では、生成された第1のベースバンド信号bb1、第2のベースバンド信号bb2は、夫々減衰器73、減衰器70、及びフィルタ74、71及びアンプ75、72でレベル調整と不要波信号が除去された後、スイッチ76に入力される。TV92や録画機93からは、チャンネル切り替えるための制御信号94により、受信装置40中のスイッチSW76で選択され、出力される。
上述のミリ波受信装置40では、第2の実施形態のミリ波送信装置192の信号を受信する受信装置として説明したが、第1の実施形態のミリ波送信装置1の信号を受信する受信装置としてもでもそのまま使用することができることができる。さらに、IF回路42のIF帯バンドパスフィルタ54、55、56の通過特性を適宜変更することにより、受信感度のより高い第1の実施の形態専用の受信装置とすることも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,192 ミリ波送信装置、2,2a,2b,43 ベースバンド回路、3,38a,38b,42 IF回路、4,41 ミリ波ICモジュール、6,10,10a,10b,12,12a,12b,14b,96,37a,37b,34,50,52,57,58,61,62,75 アンプ、7,97 リミタ、8,8a,8b,32a,32b,44,63,64 ミキサ、9,9a,9b,33,49,54,55,56,71,74 バンドパスフィルタ、13A,13B,13C 端子、14,14a 増幅分配部、15 基準信号源、16,46 整合器、11,11a,11b,17,17a,70,73 減衰器、29,39 電力合成器、35,51 アンテナ、36 M逓倍型マルチプライア、40 ミリ波受信装置、45 N逓倍器+バッファアンプ、48 DRO型発振器、76 スイッチ、191,193 75/50Ω変換部。

Claims (14)

  1. 基準信号を逓倍した逓倍基準信号を生成する逓倍器と、
    前記逓倍基準信号に基づいて、前記基準信号によって周波数変換された中間周波数信号をミリ波帯へアップコンバートするミリ波帯第1ミキサと、
    前記逓倍基準信号に基づいて、前記基準信号をミリ波帯へアップコンバートするミリ波帯第2ミキサと、
    前記ミリ波帯第1ミキサおよび前記ミリ波帯第2ミキサでアップコンバ−トされた信号を合成してミリ波多重信号を生成するミリ波帯合成部とを備えたミリ波送信モジュール。
  2. 前記ミリ波多重信号の下側波帯をイメージ信号として除去するミリ波バンドパスフィルタを備える、請求項1記載のミリ波送信モジュール。
  3. 前記ミリ波帯第1ミキサおよび前記ミリ波帯第2ミキサは、2次の偶高調波ミキサである、請求項1記載のミリ波送信モジュール。
  4. 基準信号を出力する基準信号源と、
    前記基準信号に基づいて、ベースバンド信号を中間周波数信号にアップコンバートするIF帯ミキサと、
    前記基準信号源から出力された基準信号を逓倍した逓倍基準信号を生成する逓倍器と、
    前記逓倍基準信号に基づいて、前記中間周波数信号をミリ波帯へアップコンバートするミリ波帯第1ミキサと、
    前記逓倍基準信号に基づいて、前記基準信号源から出力された基準信号をミリ波帯へアップコンバートするミリ波帯第2ミキサと、
    前記ミリ波帯第1ミキサおよび前記ミリ波帯第2ミキサでアップコンバ−トされた信号を合成してミリ波多重信号を生成するミリ波帯合成部とを備えたミリ波送信装置。
  5. 前記ミリ波多重信号の下側波帯をイメージ信号として除去するミリ波バンドパスフィルタを備える、請求項4記載のミリ波送信装置。
  6. 前記ミリ波帯第1ミキサおよび前記ミリ波帯第2ミキサは、2次の偶高調波ミキサである、請求項4記載のミリ波送信装置。
  7. 前記基準信号源から出力された基準信号を増幅し、3分配して前記IF帯ミキサと、前記逓倍器と、前記ミリ波帯第2ミキサへ供給する増幅分配部を備える、請求項4記載のミリ波送信装置。
  8. 前記IF帯ミキサから出力される中間周波数信号の下側波帯を通すIF帯バンドパスフィルタを備える、請求項4記載のミリ波送信装置。
  9. 基準信号を出力する基準信号源と、
    前記基準信号に基づいて、第1のベースバンド信号を第1の中間周波数信号にアップコンバートするIF帯第1ミキサと、
    前記基準信号に基づいて、第2のベースバンド信号を第2の中間周波数信号にアップコンバートするIF帯第2ミキサと、
    前記第1の中間周波数信号および前記第2の中間周波数信号を合成するIF帯合成部と、
    前記基準信号源から出力された基準信号を逓倍した逓倍基準信号を生成する逓倍器と、
    前記逓倍基準信号に基づいて、前記合成された中間周波数信号をミリ波帯へアップコンバートするミリ波帯第1ミキサと、
    前記逓倍基準信号に基づいて、前記基準信号源から出力された基準信号をミリ波帯へアップコンバートするミリ波帯第2ミキサと、
    前記ミリ波帯第1ミキサおよび前記ミリ波帯第2ミキサでアップコンバ−トされた信号を合成してミリ波多重信号を生成するミリ波帯合成部とを備えたミリ波送信装置。
  10. 前記ミリ波多重信号の下側波帯をイメージ信号として除去するミリ波バンドパスフィルタを備える、請求項9記載のミリ波送信装置。
  11. 前記ミリ波帯第1ミキサおよび前記ミリ波帯第2ミキサは、2次の偶高調波ミキサである、請求項9記載のミリ波送信装置。
  12. 前記基準信号源から出力された基準信号を増幅し、4分配して、前記IF帯第1ミキサと、前記逓倍器と、前記ミリ波帯第2ミキサと、前記IF帯第2ミキサへ供給するための複数のアンプを備える、請求項9記載のミリ波送信装置。
  13. 前記IF帯第1ミキサから出力される第1の中間周波数信号の下側波帯を通すIF帯第1バンドパスフィルタと、
    前記IF帯第2ミキサから出力される第2の中間周波数信号の下側波帯を通すIF帯第2バンドパスフィルタとを備える、請求項9記載のミリ波送信装置。
  14. ミリ波多重信号をダウンコンバートして中間周波数多重信号を生成するミリ波帯ミキサと、
    前記中間周波数多重信号から第1の中間周波数信号を出力する第1のフィルタと、
    前記中間周波数多重信号から第2の中間周波数信号を出力する第2のフィルタと、
    前記中間周波数多重信号から基準信号を出力する第3のフィルタと、
    前記基準信号に基づいて、前記第1の中間周波数信号をダウンコンバートして、第1のベースバンド信号を生成するIF帯第1ミキサと、
    前記基準信号に基づいて、前記第2の中間周波数信号をダウンコンバートして、第2のベースバンド信号を生成するIF帯第2ミキサとを備えた、ミリ波受信装置。



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