JP2004173111A - ミリ波帯送受信システム、送信装置及び受信装置 - Google Patents

ミリ波帯送受信システム、送信装置及び受信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】アップコンバートした伝送信号と一定周波数のパイロット信号とを同時に送信することにより受信装置側で伝送信号を正確にダウンコンバートできるようにしたミリ波帯送受信システムにおいて、伝送信号の伝送可能距離を短くすることなく、伝送信号の多チャンネル化を容易に実現できるようにする。
【解決手段】衛星受信アンテナのコンバータ20から出力されたBS・CS−IF信号をミリ波帯にアップコンバートして無線送信する送信装置30は、BS・CS−IF信号をBS−IF信号とCS−IF信号とに分離し、これら各信号を共通の局発信号を用いて個々にアップコンバートすることで、各信号専用の送信アンテナ40、41から送信する。また、BS−IF信号には一定周波数f0のパイロット信号を付加してアップコンバートすることにより、パイロット信号を同時に無線送信する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信装置に送信すべき伝送信号を送信装置側でミリ波帯へアップコンバートして無線送信し、受信装置側ではその送信電波を受信し、受信信号をダウンコンバートすることにより元の伝送信号を復元するミリ波帯送受信システム、及び、このシステムを構築するのに好適な送信装置及び受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、広帯域な信号を高品質に無線伝送するために、送信装置側で、受信装置側に伝送すべき伝送信号を、局部発振器で生成した局発信号を用いて、ミリ波帯にアップコンバートし、そのアップコンバートした信号を送信アンテナから放射し、受信装置側では、送信アンテナからの送信電波を受信アンテナにて受信し、その受信信号を、送信装置側と同じ周波数の局発信号を用いて周波数変換することにより、元の伝送信号を復元するよう構成されたミリ波帯送受信システムが知られている。
【0003】
ところで、この種のミリ波帯送受信システムでは、送信装置側及び受信装置側で周波数変換に用いる局発信号の周波数が数十GHzのミリ波帯となるため、その周波数が安定せず、受信装置側で元の伝送信号を正確に復元するのは難しいという問題があった。つまり、送信装置側及び受信装置側の局発信号の周波数差によって、受信装置側で周波数変換した伝送信号にも周波数のズレが生じてしまい、伝送品質が低下するのである。
【0004】
そこで、こうした問題を解決するために、下記(1)、(2)の技術が提案されている。
(1) 送信装置側からは、周波数変換後の伝送信号と伝送信号の周波数変換に用いた送信側局発信号とを同時に送信し、受信装置側では、送信装置側から送信されてきた送信側局発信号を用いて受信側局発信号を生成し、その生成した受信側局発信号を用いて受信信号をダウンコンバートすることにより伝送信号を復元する技術(例えば、特許文献1参照)。
(2) 送信装置側からは、伝送信号と一定周波数のパイロット信号と送信側局発信号とを混合することにより、伝送信号とパイロット信号とを同時にミリ波帯にアップコンバートして受信装置側に送信し、受信装置側では、受信信号を差成分検出ミキサにて混合(所謂二乗検波)することによりアップコンバート後の伝送信号とパイロット信号との差の周波数を有する信号(換言すれば送信側局発信号の変動成分を除去した信号)を生成すると共に、その信号と送信装置側で生成されるパイロット信号と同一周波数のパイロット信号とを混合することにより伝送信号を復元する技術(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
そして、これらの技術によれば、受信装置側で、送信装置がアップコンバートする前の元の伝送信号を正確に復元することができ、しかも、伝送信号の送受信には、広帯域な信号を無線伝送可能なミリ波帯を用いることから、例えば、テレビ放送信号のような多チャンネルの伝送信号でも無線で再送信することができるようになる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−135153号公報
【特許文献2】
特開2002−246921号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、送信装置からは、受信装置に無線送信すべき伝送信号とは別に、送信側局発信号やパイロット信号を送信する必要があるため、多チャンネルの伝送信号を実際に無線送信しようとすると、送信側に設けられる信号増幅器の特性によって、送信アンテナからの送信電力が低下し、送信電波を伝送可能な距離が短くなってしまうという問題があった。
【0008】
つまり、まず、ミリ波帯で送信可能な電力は電波法などで規定されていることから、送信側に設けられる信号増幅器の信号出力レベルもその送信電力に応じて設定すればよいが、信号増幅器は、増幅する伝送信号の波数(チャンネル数)が増加すると、各チャンネルの伝送信号の電力加算によって、歪みが発生し易くなる。
【0009】
したがって、上記のように、送信装置から、多チャンネルの伝送信号とパイロット信号(送信側局発信号も含む)とを同時に送信するときには、所望の信号品質を確保するために、信号増幅器への伝送信号の入力レベルを低下させる(バックオフを取る)必要がある。
【0010】
この結果、送信アンテナから送信される電波の送信電力も低下してしまい、その電波(換言すれば伝送信号)の伝送可能距離が短くなってしまうのである。
なお、この問題を解決するには、送信側に設ける信号増幅器に、歪みが発生し難い高出力アンプを使用すればよいが、こうした増幅器を製造するのは難しく、また、製造できても極めて高価であるため、こうした対策でミリ波帯送受信システムの多チャンネル化を図ることは困難である。
【0011】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、アップコンバートした伝送信号と一定周波数のパイロット信号とを送信装置から同時に送信することにより受信装置側で伝送信号を正確にダウンコンバートできるようにしたミリ波帯送受信システムにおいて、伝送信号の伝送可能距離を短くすることなく、伝送信号の多チャンネル化を容易に実現できるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成するためになされた請求項1記載のミリ波帯送受信システムは、多チャンネルの伝送信号をミリ波帯へアップコンバートし、アップコンバート後の信号とミリ波帯で一定周波数のパイロット信号とを送信アンテナから放射する送信装置と、送信アンテナからの送信電波を受信アンテナにて受信し、その受信信号をパイロット信号に基づきダウンコンバートすることにより、伝送信号を復元する受信装置とからなる。
【0013】
そして、送信装置は、多チャンネルの伝送信号を複数の周波数帯域に分割し、各周波数帯域の伝送信号を、アップコンバートし、それぞれ異なる送信アンテナから放射すると共に、その送信アンテナの一つからパイロット信号を放射するよう構成され、受信装置は、送信装置の各送信アンテナからの送信電波を一つの受信アンテナにて受信する。
【0014】
つまり、本発明のミリ波帯送受信システムでは、受信装置側に送信すべき伝送信号を複数の周波数帯域に分割して、その分割した伝送信号とパイロット信号とを複数の送信アンテナからそれぞれ送信させることで、すべての信号を送信するのに必要な送信電力を複数の送信アンテナに分散させるのである。また、分割した伝送信号ごとに増幅器で増幅されるので、伝送信号を一括して1つの増幅器で増幅する場合に比べて波数が少なくなるので、所望の信号品質を確保するために必要なバックオフを少なくすることができる。
【0015】
したがって、本発明によれば、多チャンネルの伝送信号を送受信する場合であっても、多チャンネルの伝送信号とパイロット信号とを同時に、しかも、所望の送信電力で送信できることになり、これら各信号の伝送可能距離を長くすることができる。
【0016】
また、受信装置側では、送信装置からの送信電波を一つのアンテナで受信できることから、受信装置のコストアップを招くことはない。したがって、本発明のミリ波帯送受信システムは、送信装置から複数の受信装置に伝送信号を配信するシステムに適用することにより、より効果を発揮することができる。
【0017】
ここで、送信装置から受信装置に送信するパイロット信号は、受信装置側で伝送信号を正確に復元できるようにするためのものであるため、上記(1)の技術を利用する場合には、送信装置が伝送信号をアップコンバートするのに用いた送信側局発信号とすればよく、上記(2)の技術を利用する場合には、任意のパイロット信号とすればよい。
【0018】
しかし、上記(1)の技術では、受信装置側で、ミリ波帯の受信信号の中から送信側局発信号を抽出しなければならず、このためには、周波数特性が安定したミリ波帯用の狭帯域フィルタが必要となるが、こうしたフィルタを製造するのは現在の技術では極めて難しく、また、製造できても極めて高価であるため、上記(1)の技術でミリ波帯送受信システムを実際に構築するのは難しいといった問題がある。
【0019】
また、上記(2)の技術では、受信装置側で、パイロット信号を含む受信信号の二乗検波によって送信側局発信号の変動成分を除去することから、上記(1)の技術に比べて、実用化は容易であるが、受信信号を二乗検波するには、変調信号である伝送信号に対して、パイロット信号を高レベルにする必要があるため、多チャンネルの伝送信号を周波数分割するにしても、パイロット信号の送信のために伝送信号の送信電力が制限されてしまい、伝送可能距離を長くするには限界がある。
【0020】
そこで、本発明のミリ波帯送受信システムを実際に構築する際には、請求項2に記載のように、送信装置側では、各周波数帯域の伝送信号を、それぞれ、共通の送信側局発信号を用いてアップコンバートすると共に、複数の周波数帯域の一つに属する伝送信号については、一定周波数のパイロット信号を同時にアップコンバートすることにより、そのパイロット信号をミリ波帯に周波数変換し、その周波数変換後のパイロット信号を、同時にアップコンバートされた伝送信号と共に一つの送信アンテナから放射するようにし、受信装置側では、受信信号を受信側局発信号を用いてダウンコンバートし、そのダウンコンバートにより得られたパイロット信号に基づき、ダウンコンバート後の伝送信号の周波数が送信装置側でのアップコンバート前の伝送信号と同一周波数となるように、受信側局発信号の周波数を制御するようにするとよい。
【0021】
つまり、このようにすれば、受信装置側では、受信信号をダウンコンバートしてからパイロット信号を抽出すればよいので、ミリ波帯の受信信号の中から送信側局発信号を抽出する場合に比べて、安価なフィルタを使って容易にパイロット信号を抽出でき、しかも、受信側局発信号の周波数は、ダウンコンバート後のパイロット信号に基づきダウンコンバート後の伝送信号の周波数が送信装置側でのアップコンバート前の伝送信号と同一周波数となるように制御されることから、伝送信号も送信装置側でアップコンバートされる前のものに正確に復元されることになる。
【0022】
また、送信装置側では、二乗検波のために、パイロット信号を他の伝送信号よりも高レベルにする必要がないため、各信号の伝送可能距離を長くすることができる。
よって、請求項2に記載の発明によれば、多チャンネルの伝送信号を高精度に送受信でき、しかも、伝送信号の伝送可能距離を所望の距離に設定し得るミリ波帯送受信システムを、簡単且つ低コストで実現できることになる。
【0023】
また、請求項2に記載のシステムを構築するに当たって、受信装置側で周波数帯域毎に分割した伝送信号をアップコンバートするのに用いる送信側局発信号は、必ずしも共通にする必要はなく、各伝送信号毎に、専用の送信側局発信号を用いて、ミリ波帯で異なる周波数帯域にアップコンバートするようにしてもよい。そして、このためには、ミリ波帯送受信システムを、請求項3に記載のようにすればよい。
【0024】
すなわち、請求項3に記載のミリ波帯送受信システムにおいて、送信装置は、各周波数帯域の伝送信号を、それぞれ、専用の送信側局発信号を用いて、ミリ波帯で互いに異なる周波数帯域にアップコンバートすると共に、各伝送信号のアップコンバートの際には、互いに周波数が異なる一定周波数のパイロット信号をそれぞれ同時にアップコンバートすることにより、各パイロット信号をミリ波帯に周波数変換し、周波数変換後のパイロット信号を、同時にアップコンバートされた伝送信号と共に一つの送信アンテナから放射する。
【0025】
また、受信装置は、受信信号を、送信装置側で専用の送信側局発信号を用いてアップコンバートされた伝送信号及びパイロット信号からなる複数の受信信号に分割し、その分割した受信信号毎に、受信信号を、送信装置側でアップコンバートに用いられた送信側局発信号に対応する受信側局発信号を用いてダウンコンバートすると共に、そのダウンコンバートにより得られたパイロット信号に基づき、パイロット信号と共にダウンコンバートした伝送信号の周波数が送信装置側でのアップコンバート前の伝送信号と同一周波数となるよう、そのパイロット信号のダウンコンバートに用いた受信側局発信号の周波数を制御する。
【0026】
そして、この請求項3に記載のミリ波帯送受信システムは、送信装置及び受信装置で伝送信号を周波数変換(アップコンバート及びダウンコンバート)する際に、送信装置側で複数の周波数帯域に分割した伝送信号毎に異なる局発信号を用い、送信装置側でのアップコンバートの際に、各伝送信号に対応したパイロット信号を同時にアップコンバートし、受信装置側では、各伝送信号に対応したパイロット信号を用いて、対応する受信側局発信号を制御する点が、請求項2に記載のミリ波帯送受信システムと異なるものの、基本的な動作は、請求項2に記載のミリ波帯送受信システムと同様であるため、請求項2に記載のミリ波帯送受信システムと同様の効果を得ることができる。
【0027】
なお、請求項2又は請求項3に記載のミリ波帯送受信システムにおいて、受信装置側で、ダウンコンバートしたパイロット信号に基づき受信側局発信号の周波数を実際に制御する際には、例えば、請求項4に記載のように、受信装置側でダウンコンバートしたパイロット信号が、送信装置側でアップコンバートされる前の一定周波数となるように、受信側局発信号の周波数を制御するようにすればよい。
【0028】
また、例えば、請求項5に記載のように、送信装置側では、送信側局発信号を一定周波数の基準信号に基づき生成すると共に、アップコンバートによってミリ波帯の伝送帯域内となり、しかも、周波数の和又は差が基準信号の周波数となる複数の信号をパイロット信号として生成し、その生成したパイロット信号を送信側局発信号を用いて伝送信号と同時にミリ波帯へアップコンバートするようにし、受信装置側では、ダウンコンバートにより得られたパイロット信号に基づき送信装置と同じ一定周波数の基準信号を生成し、その生成した基準信号に基づき受信側局発信号の周波数を送信側局発信号と同一周波数となるように制御するようにしてもよい。
【0029】
一方、請求項6に記載の発明は、上述した請求項1〜請求項5に記載のミリ波帯送受信システムを、衛星受信アンテナにて受信及びダウンコンバートされた衛星放送の中間周波信号を伝送信号として送信装置から受信装置に再送信するシステムに適用したものである。
【0030】
そして、この請求項6に記載のミリ波帯送受信システムによれば、送信装置が、衛星放送の中間周波信号を複数の周波数帯域に分割し、その分割した中間周波信号を、それぞれ、ミリ波帯にアップコンバートして、複数の送信アンテナから受信装置に無線送信し、受信装置は、その送信電波を受信して、ダウンコンバートすることにより、衛星放送の中間周波信号を正確に復元し、衛星放送受信機に出力することになる。
【0031】
したがって、この請求項6に記載のミリ波帯送受信システムによれば、従来のように、衛星受信アンテナからの受信信号(BS・CS−IF信号)を同軸ケーブル等からなる伝送線を介して衛星放送受信機まで伝送する必要がなく、衛星放送の受信システムを極めて簡単に構築できることになる。
【0032】
また、例えば、テレビ放送を受信し、その受信信号を複数の端末に伝送する共同受信システムにおいて、その共同受信システムを構成する伝送線や伝送用機器(増幅器、分配器、分岐器等)の伝送可能周波数が、VHF、UHFといった地上波のテレビ放送の周波数帯域(最大770MHz)までしか対応しておらず、衛星放送の中間周波信号(1〜2GHz)を伝送できないような場合であっても、請求項6に記載のミリ波帯送受信システムを利用すれば、共同受信システムを構成する伝送線や伝送用機器を衛星放送対応型に変更することなく、各端末に衛星放送の中間周波信号を配信することができるようになり、既存の集合住宅などでのサービスを向上することができる。
【0033】
また特に本発明では、送信装置から受信装置に伝送信号を無線送信できる距離(伝送可能距離)を長くすることができるので、送信装置から衛星放送の中間周波信号を再送信可能なエリアを広くすることができ、衛星放送を良好に再送信できる。
【0034】
次に、請求項7に記載の発明は、多チャンネルの伝送信号をミリ波帯へアップコンバートし、アップコンバート後の信号とミリ波帯で一定周波数のパイロット信号とを送信アンテナから放射する送信装置に関する。
そして、この送信装置においては、複数の送信アンテナが備えられ、伝送信号分割手段が、多チャンネルの伝送信号を送信アンテナの数に対応した複数の周波数帯域に分割し、送信側の周波数変換手段が、その分割された各周波数帯域の伝送信号を、送信側局発信号を用いてアップコンバートし、アップコンバートした各信号をそれぞれ前記各送信アンテナから放射させ、更に、パイロット信号生成手段が、一定周波数のパイロット信号を生成して送信アンテナの一つから放射させる。
【0035】
したがって、この送信装置を用いれば、請求項1記載のミリ波帯送受信システムを構築できる。
次に、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の送信装置において、送信側の各周波数変換手段が、各周波数帯域の伝送信号を、それぞれ、共通の送信側局発信号を用いてアップコンバートし、パイロット信号生成手段が、生成したパイロット信号を送信側の周波数変換手段の一つに出力することにより、パイロット信号をミリ波帯にアップコンバートさせると共に、アップコンバート後のパイロット信号を、同時にアップコンバートされた伝送信号と共に送信アンテナから放射させるように構成したことを特徴とする。
【0036】
一方、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の送信装置からの送信電波を受信する受信アンテナを備えた受信装置に関する。そして、この受信装置においては、受信側の周波数変換手段が、受信アンテナからの受信信号を受信側局発信号を用いてダウンコンバートすることにより、多チャンネルの伝送信号及びパイロット信号を復元し、更に、局発周波数制御手段が、その復元されたパイロット信号に基づき、ダウンコンバート後の伝送信号の周波数が送信装置側でのアップコンバート前の伝送信号と同一周波数となるように、受信側局発信号の周波数を制御する。
【0037】
したがって、この請求項9に記載の受信装置と請求項8に記載の送信装置とを用いれば、請求項2に記載のミリ波帯送受信システムを構築できることになり、上述したように、多チャンネルの伝送信号を高品質に送受信でき、しかも、伝送信号の伝送可能距離を所望の距離に設定し得るミリ波帯送受信システムを、簡単且つ低コストで実現できる。
【0038】
また次に、請求項10に記載の発明は、請求項7に記載の送信装置において、送信側の各周波数変換手段が、各周波数帯域の伝送信号を、それぞれ、専用の送信側局発信号を用いてミリ波帯で互いに異なる周波数帯域にアップコンバートし、パイロット信号生成手段が、互いに周波数が異なる複数のパイロット信号を生成し、その生成した複数のパイロット信号を、それぞれ、送信側の各周波数変換手段に出力することにより、送信側の各周波数変換手段に対して、各パイロット信号をミリ波帯にアップコンバートさせると共に、アップコンバート後のパイロット信号を、同時にアップコンバートされた伝送信号と共に各送信アンテナから放射させるように構成したことを特徴とする。
【0039】
一方、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の送信装置からの送信電波を受信する受信アンテナを備えた受信装置に関する。そして、この受信装置においては、受信信号の分割手段が、受信アンテナからの受信信号を、送信装置の送信側の各周波数変換手段が伝送信号及びパイロット信号をアップコンバートする周波数帯域毎に分割し、複数の受信側の周波数変換手段が、その分割された受信信号毎に、受信信号を、送信装置の送信側の各周波数変換手段がアップコンバートに用いた送信側局発信号に対応する受信側局発信号を用いてダウンコンバートすることにより、送信装置の伝送信号分割手段にて分割された各周波数帯域の伝送信号及び該伝送信号と共にアップコンバートされたパイロット信号をそれぞれ復元し、複数の局発周波数制御手段が、受信側の各周波数変換手段にて復元されたパイロット信号に基づき、そのパイロット信号と共にダウンコンバートした伝送信号の周波数が送信装置側でのアップコンバート前の伝送信号と同一周波数となるよう、そのパイロット信号のダウンコンバートに用いた受信側局発信号の周波数をそれぞれ制御する。
【0040】
したがって、この請求項11に記載の受信装置と請求項10に記載の送信装置とを用いれば、請求項3に記載のミリ波帯送受信システムを構築できることになり、上述した効果を得ることができる。
なお、請求項10に記載の送信装置は、上述した(2)の従来技術で用いられる受信装置、つまり、受信信号を二乗検波することにより伝送信号を復元する受信装置と組み合わせて使用することもできる。ただし、この場合には、受信装置側に、送信装置の送信アンテナと同じ個数の受信アンテナを設けて、各受信アンテナが送信装置側の複数の送信アンテナが送信した電波を個々に受信し、その受信信号を個々に二乗検波できるようにする必要があるし、送信装置側からのパイロット信号の送信電力を他の伝送信号に比べて高レベルにする必要がある。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された実施例のミリ波帯送受信システム全体の構成を表す構成図である。
【0042】
図1に示すように、本実施例のミリ波帯送受信システムは、集合住宅等の屋上に設置された衛星受信アンテナ2からの受信信号を、集合住宅内の各家庭に無線にて配信するものであり、衛星受信アンテナ2が設置された屋上付近に設けられた送信装置30と、各家庭で送信装置30を見渡せる位置(例えばベランダ等)に設置された複数の受信装置50とから構成されている。
【0043】
衛星受信アンテナ2は、反射鏡2aと、支持腕を介して反射鏡2aの焦点位置に配置された受信ユニット2bとからなり、日本国内の受信点から見て同一方向(東経110度の位置)に位置する放送衛星(BS)及び通信衛星(CS)から送信されてくる右旋円偏波の電波を同時に受信して、その受信信号(BSの周波数:11.713GHz〜12.013GHz、CSの周波数:12.271GHz〜12.751GHz)を、受信ユニット2bに内蔵されたコンバータ20(図2参照)によって、受信信号よりも低い所定周波数帯(BS周波数:1.035GHz〜1.335GHz、CS周波数:1.593GHz〜2.073GHz)の中間周波信号(BS−IF及びCS−IF)にダウンコンバートし、これを受信信号として出力する周知のものである。
【0044】
そして、この衛星受信アンテナ2から出力されるBS−IF信号及びCS−IF信号(BS・CS−IF信号)は、同軸ケーブルからなる伝送線L1を介して送信装置30に入力され、送信装置30は、その入力されたBS−IF信号及びCS−IF信号を、それぞれ、受信装置50に再送信すべき伝送信号として、ミリ波帯(本実施例では60GHz帯)にアップコンバートし、送信アンテナ40及び41から放射する。
【0045】
また、衛星受信アンテナ2と送信装置30とを接続する伝送線L1上には、衛星受信アンテナ2の受信ユニット2b(詳しくはコンバータ20)と送信装置30とに電源を供給するための電源挿入器12が設けられており、衛星受信アンテナ2の受信ユニット2b(詳しくはコンバータ20)及び送信装置30には、この電源挿入器12及び伝送線L1を介して、電源装置14から出力される直流の電源電圧(DC15V)が供給される。
【0046】
一方、受信装置50は、送信アンテナ40、41からの送信電波(ミリ波帯)を、一つの受信アンテナ51で受信し、その受信信号をダウンコンバートすることにより、衛星受信アンテナ2が出力した元の受信信号(BS・CS−IF信号)を復元し、同軸ケーブルからなる伝送線L2を介して、対応する部屋に設置されたBS・CSチューナ18等の衛星放送受信機に出力する。
【0047】
また、BS・CSチューナ18等の衛星放送受信機は、同軸ケーブルを介して衛星受信アンテナに直接、電源を供給できるようにするために、伝送線L2が接続される受信信号の入力端子から電源電圧(DC15V)を出力できるようになっているので、本実施例では、受信装置50が、BS・CSチューナ18等の衛星放送受信機から伝送線L2を介して電源供給を受けて動作するようにされている。
【0048】
また次に、本実施例のミリ波帯送受信システムが構築される集合住宅の屋上には、衛星受信アンテナ2とは別に、VHF帯の放送チャンネルでの地上局のテレビ放送やFM放送局からの送信電波を受信するVHFアンテナ4、及び、UHF帯の放送チャンネルでの地上局のテレビ放送の送信電波を受信するUHFアンテナ6が設置されている。
【0049】
そして、VHFアンテナ4から出力される受信信号(FM・VHF)及びUHFアンテナ6から出力される受信信号(UHF)は、それぞれ、同軸ケーブルからなる伝送線L3、L4を介して、増幅器(所謂ブースター)8に入力され、この増幅器8で増幅・混合された後、端末側の伝送線L5上に出力される。
【0050】
また、この伝送線L5には分配器9が接続されており、増幅器8にて増幅・混合された受信信号(FM・VHF+UHF)は、この分配器9にて複数系統(図では4系統)に分配され、更に、その分配された各系統の伝送線L6及びこの伝送線L6上に直列に接続された複数の直列ユニット10を介して、集合住宅内の各部屋まで伝送される。
【0051】
つまり、本実施例のミリ波帯受信システムが構築された集合住宅には、一般的に別途、地上波テレビ放送を各部屋に伝送する共同受信システムが構築されている。
また、各部屋では、同軸ケーブルからなる伝送線L7を介してテレビ受信機17を直列ユニット10に接続すれば、VHFアンテナ4及びUHFアンテナ6からの受信信号をテレビ受信機17に入力して、地上波のテレビ放送を視聴できるが、直列ユニット10には、送信装置30から電源挿入器12側に出力され、共同受信システムの伝送路を介して各直列ユニット10まで伝送されてきたパイロット信号(PILOT)のみを選択的に取り出し、他の信号(FM・VHF+UHF)をテレビ受信機17側に出力するための分波器16が接続されている。
【0052】
そして、この分波器16にて抽出されたパイロット信号(PILOT)は、同軸ケーブルからなる伝送線L8を介して、受信装置50とBS・CSチューナ18等の衛星放送受信機とを接続する伝送線L2上に設けられた混合器19まで伝送され、この混合器19にて電源電圧(DC15V)と混合されて、受信装置50に入力される。
【0053】
なお、送信装置30が電源挿入器12側に出力するパイロット信号(PILOT)は、送信装置側のアップコンバート動作によって生じた伝送信号の周波数変動を受信装置側で検出するために用いられるものであり、本実施例では、VHF帯でしかもテレビ放送で利用されていない一定周波数f0(例えば190MHz)の正弦波が使用されている。
【0054】
そして、このパイロット信号(PILOT)は、同軸ケーブルからなる伝送線L9を介して、電源挿入器12から、VHFアンテナ4と増幅器8とを接続する伝送線L3上に設けられた混合器15まで伝送され、この混合器15にて、VHFアンテナ4からの受信信号(FM・VHF)と混合されて、増幅器8側に出力される。
【0055】
このため、送信装置30が出力したパイロット信号(PILOT)は、VHFアンテナ4及びUHFアンテナ6からの受信信号と一緒に各部屋まで伝送され、更に、各部屋に設けられた分波器16、伝送線L8、混合器19及び伝送線L2を介して、各部屋の受信装置50まで伝送されることになる。
【0056】
なお、混合器19は、BS・CSチューナ18等の衛星放送受信機から出力された電源電圧(DC15V)とパイロット信号(PILOT)とを受信装置50にだけ選択的に出力し、受信装置50から出力されたBS・CS−IF信号をBS・CSチューナ18等の衛星放送受信機にだけ選択的に出力できるように、信号分離用のフィルタを内蔵している。また、同様に、電源挿入器12も、電源装置14から入力された電源電圧(DC15V)を、衛星受信アンテナ2と送信装置30とにだけ選択的に出力し、送信装置30から出力されたパイロット信号(PILOT)を、混合器15にだけ選択的に出力できるように、電源分離フィルタを内蔵している。
【0057】
次に、図2は、衛星受信アンテナ2の受信ユニット2bに内蔵されたコンバータ20と送信装置30の構成を表すブロック図である。
図2に示すように、コンバータ20は、反射鏡2aにて集波された衛星放送波を受信する受信部21と、この受信部21からの受信信号を増幅する増幅回路22と、受信信号を周波数変換(ダウンコンバート)するための一定周波数f1(例えば、10.678GHz)の局発信号を発生する局部発振器23と、局部発振器23が発生した局発信号と増幅回路22で増幅された受信信号とを混合することにより、受信信号をBS・CS−IF信号にダウンコンバートするミキサ24と、ミキサ24から出力される信号の内、ダウンコンバート後のBS・CS−IF信号のみを選択的に通過させるバンドパスフィルタ(以下、BPFという)25と、BPF25を通過したBS・CS−IF信号を増幅する増幅回路26とを備え、この増幅回路26にて増幅されたBS・CS−IF信号を、出力端子T0から出力するように構成されている。
【0058】
なお、コンバータ20の出力端子T0と増幅回路26との間の経路上には、電源挿入器12を介して電源装置14から供給された電源電圧(DC15V)を取り出し、増幅回路22、26や局部発振器23等の電源供給が必要な内部回路に供給する電源分離フィルタ27が設けられている。
【0059】
一方、送信装置30は、コンバータ20から出力されたBS・CS−IF信号を入力するための入力端子T1と、この入力端子T1にBS・CS−IF信号と共に供給された電源電圧(DC15V)を取り出し、内部回路に供給する電源分離フィルタ31と、電源分離フィルタ31を通過したBS・CS−IF信号を、BS−IF信号とCS−IF信号との2系統に分離するためのBPF43a、43bと、これら各BPF43a、43bにて分離されたBS−IF信号及びCS−IF信号の信号レベルを、それぞれ、高周波側ほど信号レベルが高くなるように(換言すれば所謂チルト特性となるように)調整するイコライザ(EQ)32a、32bと、イコライザ32a、32bでそれぞれレベル調整されたBS−IF信号及びCS−IF信号をそれぞれ増幅する増幅回路33a、33bとを備える。
【0060】
また、送信装置30には、上述した一定周波数f0のパイロット信号(PILOT)を発生する局部発振器35と、BS−IF信号及びCS−IF信号をミリ波帯にアップコンバートするのに必要な、ミリ波帯で一定周波数f2(周波数:例えば59.0GHz)の送信側局発信号を発生する局部発振器36とが備えられている。
【0061】
なお、本実施例では、パイロット信号(PILOT)を発生する局部発振器35が、本発明のパイロット信号生成手段に相当し、送信装置30に入力されたBS・CS−IF信号をBS−IF信号とCS−IF信号との2系統に周波数分割するBPF43a、43bが、本発明の伝送信号分割手段に相当する。
【0062】
そして、局部発振器35が発生したパイロット信号(PILOT)は、BS−IF信号の通過経路となる増幅回路33aとイコライザ32aとの間に設けられた混合器34にて、その経路を通過するBS−IF信号と混合されて、増幅回路33aに入力され、増幅回路33aにて、BS−IF信号と一緒に所定レベルまで増幅される。
【0063】
また、上記各増幅回路33a、33bからの出力(BS−IF+PILOT、CS−IF)は、それぞれ、送信側の周波数変換手段としてのミキサ37a、37bにて、局部発振器36が発生したアップコンバート用の局発信号と混合されて、ミリ波帯(例えば60GHz帯)にアップコンバートされる。そして、各ミキサ37a、37bでアップコンバートされたミリ波帯の信号(BS−IF+PILOT、CS−IF)は、各信号をそれぞれ選択的に通過させるBPF38a、38bを介して、ミリ波帯用の増幅回路39a、39bに入力され、各増幅回路39a、39bにて更に増幅された後、送信アンテナ40、41から受信装置50に向けて個々に再送信される。
【0064】
また、送信装置30には、局部発振器35が発生した一定周波数f0のパイロット信号(PILOT)を伝送線L1に出力するための出力端子T2が設けられており、この出力端子T2から出力されたパイロット信号(PILOT)は、上述したように、伝送線L1、電源挿入器12、伝送線L9、混合器15、伝送線L3、増幅器8、伝送線L5、分配器9、伝送線L6、直列ユニット10を介して、各部屋まで伝送され、更に、各部屋に設けられた分波器16、伝送線L8、混合器19、伝送線L2を介して、各部屋の受信装置50に入力される。
【0065】
次に、図3は、受信装置50の構成を表すブロック図である。
図3に示すように、受信装置50は、受信アンテナ51からの受信信号(ミリ波帯のBS・CS−IF信号+パイロット信号)を増幅する増幅回路52と、受信信号を周波数変換(ダウンコンバート)するための一定周波数f3(例えば、57.5GHz)の局発信号を発生する局部発振器53と、局部発振器53が発生した局発信号と増幅回路52で増幅された受信信号とを混合することにより、ミリ波帯の受信信号を数GHz帯の中間周波信号までダウンコンバートするミキサ54と、ミキサ54から出力される信号の内、ダウンコンバート後の中間周波信号のみを選択的に通過させるBPF55と、BPF55を通過した中間周波信号を増幅する増幅回路56と、この中間周波信号を更に周波数変換(ダウンコンバート)するための所定周波数f4(例えば、1500MHz)の局発信号を発生する電圧制御型の可変発振器(以下、VCOという)57と、VCO57が発生した局発信号と増幅回路56で増幅された中間周波信号とを混合することにより、中間周波信号(換言すれば受信信号)中のBS・CS−IF信号及びパイロット信号(PILOT)を、送信装置30側でミリ波帯にアップコンバートされる前の元の周波数にダウンコンバートするミキサ59とを備えている。
【0066】
つまり、本実施例の受信装置50は、受信信号を周波数f3の局発信号(ミリ波帯)を用いてダウンコンバートし、そのダウンコンバートした信号を、更に、周波数f4の局発信号を用いてダウンコンバートする、所謂スーパーヘテロダイン方式の受信装置として構成されている。
【0067】
なお、ミキサ59には、VCO57からの局発信号が、BPF58を介して供給される。そして、本実施例では、上記のように受信信号を2回に分けてダウンコンバートするのに使用されるミキサ54及び59が、本発明の受信側の周波数変換手段に相当する。
【0068】
次に、上記のように2段階のダウンコンバートにより復元されたBS・CS−IF信号は、そのダウンコンバート後のBS・CS−IF信号のみを選択的に通過させるBPF60を介して、増幅回路61に出力される。また、BS・CS−IF信号と同様に、2段階のダウンコンバートにより復元されたパイロット信号(PILOT)は、そのパイロット信号(PILOT)のみを選択的に通過させるBPF65を介して、PLL回路70に入力される。
【0069】
そして、BPF60を介して増幅回路61に入力されたBS・CS−IF信号は、増幅回路61にて所定レベルまで増幅された後、イコライザ62にて、帯域内の信号レベルがチルト特性となるようにレベル調整された後、BS・CS−IF信号を通過させ、BS・CS−IF信号よりも低周波の信号の通過を阻止するハイパスフィルタ(以下、HPFという)63を介して、出力端子T3まで伝送され、出力端子T3から各部屋のBS・CSチューナ18(若しくは衛星放送受信機)へと出力される。
【0070】
また、出力端子T3には、BS・CSチューナ18から供給される電源電圧(DC15V)や、送信装置30から共同受信システムの伝送路を介して伝送されてくるパイロット信号(PILOT)が入力されることから、HPF63と出力端子T3との間の経路上には、電源電圧(DC15V)を取り出し、受信装置50の内部回路に電源を供給する電源分離フィルタ64が設けられ、更に、この電源分離フィルタ64とHPF63との間の信号経路には、伝送線L2から出力端子T3に入力されたパイロット信号(PILOT)を選択的に取り出し、BS・CS−IF信号の通過を阻止するローパスフィルタ(以下、LPFという)67が設けられている。
【0071】
そして、このLPF67にて抽出されたパイロット信号(PILOT)は、PLL回路70に入力され、PLL回路70は、BPF65及びLPF67からそれぞれ入力されるパイロット信号の周波数が一致するように、VCO57の発振周波数を制御することで、BPF60を介して端末側に伝送されるBS・CS−IF信号を、衛星受信アンテナ2のコンバータ20から出力されたBS・CS−IF信号と同じ周波数に制御する。なお、このPLL回路70は、本発明の局発周波数制御手段に相当する。
【0072】
すなわち、まず、本実施例の送信装置30は、衛星受信アンテナ2のコンバータ20にて周波数f1の局発信号を用いてダウンコンバートされたBS・CS−IF信号と、パイロット信号(PILOT)とを、BS−IF信号及びパイロット信号(PILOT)とCS−IF信号との2系統に分けて、これら各信号を、それぞれ、周波数f2の共通の局発信号を用いてミリ波帯にアップコンバートし、2つの送信アンテナ40、41を用いて受信装置50へと無線送信する。このため、これら各送信信号(ミリ波帯のBS−IF+PILOT及びCS−IF)は、規定の周波数に対して、コンバータ20内の局部発振器23の周波数変動△f1と、送信装置30内の局部発振器36の周波数変動△f2とを加えた周波数(△f1+△f2)だけ変動することになる。
【0073】
また、受信装置50は、送信装置30からの送信電波を一つの受信アンテナ51で受信し、その受信信号を、周波数f3のミリ波帯の局発信号を用いてダウンコンバートするため、VCO57が発生する局発信号の周波数f4が一定であったとしても、BPF60を介して端末側に出力されるBS・CS−IF信号は、送信側での周波数変動(△f1+△f2)に局部発振器53の周波数変動△f3を加えた周波数△f(△f=(△f1+△f2+△f3)だけ変動することになる。
【0074】
一方、BS・CSチューナ18等の衛星放送受信機は、衛星受信アンテナ2から出力されるBS・CS−IF信号を受けて所望チャンネルの衛星放送を選局することを前提として設計されているため、衛星受信アンテナ2内の局部発振器23の発振周波数f1が変動しても、その変動分△f1が予め規定されている許容範囲内であれば、衛星放送を問題なく選局することができる。
【0075】
しかし、本実施例のように、送信装置30側で衛星受信アンテナ2から出力されるBS・CS−IF信号をミリ波帯へアップコンバートして無線送信し、受信装置50側では、送信装置30からの送信電波を受信し、その受信信号をダウンコンバートすることにより、アップコンバート前のBS・CS−IF信号を復元するようにすると、受信装置50側で復元されるBS・CS−IF信号には、上記のようにアップコンバート及びダウンコンバートに用いる局発信号f2、f3の周波数変動分△f2、△f3が加算されてしまうことから、BS・CSチューナ18等の衛星放送受信機側で、復元されたBS・CS−IF信号から所望の衛星放送を選局することができなくなってしまう。
【0076】
そこで、本実施例では、受信装置50側で復元したBS・CS−IF信号が、局発信号f2、f3の周波数変動△f2、△f3の影響を受けて周波数変動することのないようにするために、送信装置30側で、一定周波数f0のパイロット信号(PILOT)をBS−IF信号と一緒にアップコンバートして、BS−IF信号と同じ経路(一方の送信アンテナ40から受信アンテナ51への無線伝送路)で受信装置50に送信し、受信装置50側でも、パイロット信号(PILOT)とBS・CS−IF信号とを一緒にダウンコンバートして、パイロット信号(PILOT)信号を復元することで、その復元したパイロット信号(PILOT)を、BS・CS−IF信号と全く同じ変動幅(△f2+△f3)で周波数変動させ、このパイロット信号(PILOT)と、共同受信システムの伝送線を利用した第2伝送路を介して送信装置30から伝送されてきた周波数変動のないパイロット信号(PILOT)との周波数差をPLL回路70にて検出し、その差がなくなるように、VCO57の発振周波数f4を一定周波数(例えば1500MHz)を基準に高低させるのである。
【0077】
このため、本実施例のミリ波帯送受信システムによれば、受信装置50のBPF60を通って、出力端子T3、延いてはBS・CSチューナ18等の衛星放送受信機へと出力されるBS・CS−IF信号に、送信装置30側でのアップコンバート及び受信装置50側でのダウンコンバートによって周波数変動(△f2+△f3)が加算されるのを防止し、BS・CS−IF信号の周波数変動を衛星受信アンテナ2側でのダウンコンバートによって生じる変動幅(△f1)に抑えて、BS・CSチューナ18等の衛星放送受信機で所望の衛星放送を確実に選局させることができるようになる。
【0078】
以上説明したように、本実施例のミリ波帯送受信システムにおいては、送信装置30が、衛星受信アンテナ2から出力された受信信号(BS・CS−IF信号)をBS−IF信号とCS−IF信号との2系統に分割し、これら各信号を個々にアップコンバートして、各信号に対応した送信アンテナ40、41を介して、受信装置50に送信すると共に、更に、BS−IF信号のアップコンバート時には、受信側局発信号の周波数を制御するためのパイロット信号(PILOT)を同時にアップコンバートして送信アンテナ40から受信装置50に送信するように構成されている。
【0079】
このため、本実施例によれば、BS・CS−IF信号のような多チャンネルの衛星放送信号を送受信するにも関わらず、各チャンネルの衛星放送信号とパイロット信号とを、同時に、しかも、多チャンネル化に伴い各衛星放送信号の送信電力を低下させることなく、送信できることになり、これら各信号の伝送可能距離を確保することができる。また、受信装置50側では、送信装置30の2つの送信アンテナ40、41から送信された電波を一つの受信アンテナ51で受信できることから、受信装置50のコストアップを招くことはない。
【0080】
また、本実施例では、受信装置50にて、衛星受信アンテナ2のコンバータ20から出力されるBS・CS−IF信号を正確に復元するために、上記(1)の従来技術のように、送信装置30側からアップコンバートに用いたミリ波帯の局発信号を無線送信して、受信装置50側でその局発信号を抽出する必要がないため、受信装置50を低コストで実現できる。また、上記(2)の従来技術のように、受信装置50側で、二乗検波によってBS・CS−IF信号を復元するために、送信装置30から無線送信するパイロット信号(PILOT)の信号レベルをBS・CS−IF信号よりも高レベルにする必要がないことから、伝送可能距離をより長くすることができる。
【0081】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、送信装置30からBS−IF信号と一緒に無線送信されて受信装置50でダウンコンバートされるパイロット信号の周波数変動を検出するために、送信装置30にて生成したパイロット信号を、共同受信システムの伝送路を利用して受信装置50に送信するものとして説明したが、パイロット信号は低周波であり、水晶発振器あるいは温度補償型水晶発振器等を用いて安定して生成することができることから、送信装置30から受信装置50にパイロット信号を有線で送信し得る伝送路がない場合には、図3に示す変形例のように、パイロット信号発生用の局部発振器72を受信装置50に設け、受信装置50側で、送信装置30と同じ周波数f0のパイロット信号を生成するようにしてもよい。
【0082】
そして、このように受信装置50側にもパイロット信号発生用の局部発振器72を設ける場合には、図3に示す変形例のように、受信装置50のLPF67からPLL回路70に至るパイロット信号の通過経路上に、局部発振器72からの出力(つまりパイロット信号)と、LPF67により抽出されたパイロット信号との何れかを選択的にPLL回路70に入力するための切換スイッチ74を設けるようにするとよい。
【0083】
つまり、このようにすれば、切換スイッチ74を操作することによって、BS・CS−IF信号と一緒に送受信されるパイロット信号の周波数変動を検出する際の基準となるパイロット信号を、送信装置30から送信されてきたパイロット信号とするか、受信装置50側で生成したパイロット信号とするかを、切換スイッチ74の操作によって選択できるようになる。
【0084】
そして、この場合、共同受信システム等の伝送路を利用してパイロット信号を送信装置30から受信装置50に直接伝送できる場合には、切換スイッチ74をLPF67側に切り換えることによって、送信装置30側で生成されたパイロット信号を用いて、BS・CS−IF信号と一緒に送受信されたパイロット信号の周波数変動を検出するようにし、送信装置30から受信装置50にパイロット信号を伝送し得る伝送路がない場合には、切換スイッチ74を局部発振器72側に切り換えることによって、受信装置50側で生成したパイロット信号を用いてBS・CS−IF信号と一緒に送受信されるパイロット信号の周波数変動を検出するようにする、といったことが可能となり、本実施例の送信装置30及び受信装置50の使用可能範囲を拡大して、これらの量産化(延いてはコストダウン)を図ることができるようになる。
【0085】
一方、本実施例では、送信装置30側では、BS−IF信号とCS−IF信号とをアップコンバートするのに、共通の局発信号を使用するものとして説明したが、図4に示すように、送信装置30に各信号専用の局発信号を発生する2つの局部発振器36a、36bを設け、各局部発振器36a、36bが発生した異なる周波数f2,f5の局発信号を用いて、BS−IF信号とCS−IF信号とをそれぞれアップコンバートするようにしてもよい。
【0086】
そして、この場合には、受信装置50側で、これら各局発信号の変動を検出して受信装置50側の局発信号の周波数を制御できるようにするために、送信装置30には、パイロット信号生成手段として、互いに周波数の異なる2種類のパイロット信号(周波数f0,f6)を発生する2つの局部発振器35a、35bを設け、各局部発振器35a、35bが発生したパイロット信号(PILOT1、PILOT2)を、混合器34a、34bを介して、アップコンバート前のBS−IF信号及びCS−IF信号の通過経路に入力すると共に、各パイロット信号(PILOT1、PILOT2)を混合器34cで混合して出力端子T2から出力するようにすればよい。
【0087】
ただし、送信装置30をこのように構成した場合には、受信装置50を、図5に示すように構成する必要がある。
すなわち、図5に示す受信装置50には、受信アンテナ51にて受信され、増幅回路52にて増幅されたミリ波帯の受信信号を、BS−IF信号に対応した受信信号(BS−IF+PILOT1)と、CS−IF信号に対応した受信信号(CS−IF+PILOT2)とに分離するためのフィルタ(図では、LPF76aとHPF76b)が設けられ、このフィルタにて分離した各受信信号を個々にダウンコンバートできるように、ダウンコンバート用回路が2系統設けられている。
【0088】
そして、各系統のダウンコンバート用回路は、ダウンコンバート後のBS−IF信号及びCS−IF信号を出力端子T3に出力する出力フィルタとして、HPF63に代えて、BPF63a、63bが用いられ、出力端子T3に入力された2つのパイロット信号(PILOT1、PILOT2)を個々に抽出するために、LPF67に代えて、BPF67a、67bが用いられる以外は、図3に示した受信装置50と全く同様に構成されている。
【0089】
つまり、各系統のダウンコンバート用回路は、それぞれ、一定周波数f3、f7の局部発振器53a、53bと、ミキサ54a、54bと、BPF55a、55bと、増幅回路56a、56bと、周波数f4、f8のVCO57a、57bと、BPF58a、58bと、ミキサ59a、59bと、BPF60a、60bと、増幅回路61a、61bと、イコライザ62a、62bと、BPF65a、65bと、PLL回路70a、70bと、から構成されており、LPF76a、HPF76bで分離された各系統の受信信号(BS−IF+PILOT1、CS−IF+PILOT2)を2つのミキサ54a・59a、54b・59bを用いて2回ダウンコンバートし、2回目のダウンコンバートで用いられる局発信号を発生するVCO57a、57bの発振周波数を、それぞれ、送信装置30から無線で送信されてきたパイロット信号(PILOT1、PILOT2)と、送信装置30から有線で送信されてきたパイロット信号(PILOT1、PILOT2)との周波数が一致するように制御する。
【0090】
したがって、図4に示した送信装置30と図5に示した受信装置50とを用いてミリ波帯送受信システムを構築しても、上記実施例と同様の効果が得られることになる。
なお、図5に示した受信装置50において、受信信号を2系統に分離するフィルタ(LPF76a、HPF76b)は、本発明の受信信号分割手段に相当する。
【0091】
また次に、上述した実施例のミリ波帯送受信システムは、請求項4に記載の発明を適用したものであり、受信装置30側では、ダウンコンバートしたパイロット信号が送信装置側でアップコンバートされる前の一定周波数となるように受信側局発信号の周波数を制御するものとしているが、請求項5に記載の発明を適用したミリ波帯送受信システムを構築する際には、送信装置30を例えば図6に示すように構成し、受信装置50を例えば図7に示すように構成すればよい。
【0092】
以下、図6及び図7に示した送信装置30及び受信装置50について説明する。なお、図6及び図7に示した送信装置30及び受信装置50は、基本的には、図2及び図3に示した送信装置30及び受信装置50と同様の構成をしているため、以下の説明では、図2及び図3に示した送信装置30及び受信装置50と異なる点について説明し、詳細な説明は省略する。
【0093】
まず、図6に示す送信装置30には、VCO47が備えられており、このVCO47から出力される高周波信号の周波数を逓倍回路48にて所定逓倍することにより、BS・CS−IF信号をミリ波帯にアップコンバートするのに必要な所定周波数f2の送信側局発信号を生成するようにされている。
【0094】
また、送信装置30には、VCO47の発振周波数(換言すれば送信側局発信号の周波数f2)を制御するために、一定周波数f8の基準信号を発生する基準発振器45と、この基準発振器45が発生した基準信号に基づきVCO47の発振周波数を制御するPLL回路46とが設けられている。
【0095】
そして、基準発振器45が発生した基準信号は、PLL回路46だけでなく、パイロット信号生成回路49にも出力され、パイロット信号生成回路49は、周波数の和又は差が基準信号の周波数f0となる2つの信号(周波数:f9、f10、ただし、f0=f9+f10、又は、f0=f9−f10)を、パイロット信号として生成し、その生成したパイロット信号を、イコライザ32aと増幅回路33aとの間の経路に設けられた混合器34に出力する。
【0096】
この結果、パイロット信号生成回路49にて生成された2つのパイロット信号は、BS−IF信号と一緒にアップコンバートされて、送信アンテナ40から受信装置50へと送信されることになる。
一方、受信装置50には、送信装置30と同様に、VCO57が備えられており、このVCO57から出力される高周波信号の周波数を逓倍回路78にて所定逓倍することにより、ミリ波帯のBS・CS−IF信号をダウンコンバートするのに必要な所定周波数f2の受信側局発信号を生成するようにされている。
【0097】
また、受信装置50には、BPF65を通過したパイロット信号(つまり周波数f9,f10の2つの信号)の周波数の和又は差から、送信装置30と同じ周波数f8の基準信号を生成する基準信号生成回路80と、この基準信号生成回路80にて生成された基準信号に基づき、VCO57の発振周波数(換言すれば受信側局発信号の周波数f2)を制御するPLL回路70とが設けられている。
【0098】
このため、受信装置50側では、送信装置30と周波数が同じ基準信号を用いて受信側局発信号を生成できることになり、この受信側局発信号の周波数を送信側局発信号の周波数と一致させることができる。
したがって、図6及び図7に示した送信装置30及び受信装置50を用いて、ミリ波帯送受信システムを構築しても、上記実施例のミリ波帯送受信システムと同様の効果を得ることができる。
【0099】
なお、図6に示した送信装置30では、2つの信号からなるパイロット信号を、BS−IF信号と一緒にアップコンバートして、BS−IF信号に対応した一方の送信アンテナ40から送信するものとしたが、図4に示した送信装置30のように、送信装置30内でBS−IF信号とCS−IF信号とを異なる送信側局発信号を用いてアップコンバートするようにする場合には、各送信側局発信号を、それぞれ、異なる周波数の基準信号を用いて生成すると共に、各基準信号に対応した2つの信号からなるパイロット信号を生成し、そのパイロット信号を、対応する中間周波信号(BS−IF信号、CS−IF信号)と一緒にアップコンバートして、各送信アンテナ40、41から送信するようにすればよい。
【0100】
またこの場合には、図5に示した受信装置50と同様、受信装置50側にも各中間周波信号(BS−IF信号、CS−IF信号)をそれぞれダウンコンバートするための2系統の回路を設け、各系統の回路には、上述した基準信号生成回路80やPLL回路70をそれぞれ設ける必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のミリ波帯送受信システム全体の構成を表す構成図である。
【図2】衛星受信アンテナのコンバータ及び送信装置の構成を表すブロック図である。
【図3】受信装置の構成及びその変形例を表すブロック図である。
【図4】送信装置の変形例を表すブロック図である。
【図5】図4の送信装置に対応した受信装置の構成を表すブロック図である。
【図6】パイロット信号として2つの信号を送信するようにした送信装置の構成例を表すブロック図である。
【図7】図6の送信装置に対応した受信装置の構成を表すブロック図である。
【符号の説明】
2…衛星受信アンテナ、12…電源挿入器、14…電源装置、18…BS・CSチューナ、20…コンバータ、30…送信装置、32a,32b,62,62a,62b…イコライザ、33a,33b,52,56,56a,56b,61,61a,61b…増幅回路、34,34a,34b,34c…混合器、35,35a,35b,36,36a,36b,53,53a,53b,72…局部発振器、37a,37b,54,54a,54b,59,59a,59b…ミキサ、43a,43b…BPF、39a,39b…増幅回路、40,41…送信アンテナ、45…基準発振器、46,70,70a,70b…PLL回路、47,57,57a,57b…VCO、48,78…逓倍回路、49…パイロット信号生成回路、50…受信装置、51…受信アンテナ、76a…LPF、76b…HPF、80…基準信号生成回路。

Claims (11)

  1. 多チャンネルの伝送信号をミリ波帯へアップコンバートし、該アップコンバート後の信号とミリ波帯で一定周波数のパイロット信号とを送信アンテナから放射する送信装置と、
    前記送信アンテナからの送信電波を受信アンテナにて受信し、該受信信号を前記パイロット信号に基づきダウンコンバートすることにより、前記伝送信号を復元する受信装置と、
    を備えたミリ波帯送受信システムであって、
    前記送信装置は、前記多チャンネルの伝送信号を複数の周波数帯域に分割し、アップコンバート後の各信号をそれぞれ異なる送信アンテナから放射すると共に、該送信アンテナの一つから前記パイロット信号を放射するよう構成され、
    前記受信装置は、前記送信装置の各送信アンテナからの送信電波を一つの受信アンテナにて受信することを特徴とするミリ波帯送受信システム。
  2. 前記送信装置は、
    前記各周波数帯域の伝送信号を、それぞれ、共通の送信側局発信号を用いてアップコンバートすると共に、
    前記複数の周波数帯域の一つに属する伝送信号については、一定周波数のパイロット信号を同時にアップコンバートすることにより、該パイロット信号をミリ波帯に周波数変換し、
    該周波数変換後のパイロット信号を、同時にアップコンバートされた伝送信号と共に一つの送信アンテナから放射するよう構成され、
    前記受信装置は、
    前記受信信号を受信側局発信号を用いてダウンコンバートし、該ダウンコンバートにより得られたパイロット信号に基づき、該ダウンコンバート後の伝送信号の周波数が前記送信装置側でのアップコンバート前の伝送信号と同一周波数となるよう、前記受信側局発信号の周波数を制御することを特徴とする請求項1記載のミリ波帯送受信システム。
  3. 前記送信装置は、
    前記各周波数帯域の伝送信号を、それぞれ、専用の送信側局発信号を用いて、ミリ波帯で互いに異なる周波数帯域にアップコンバートすると共に、
    該各伝送信号のアップコンバートの際には、互いに周波数が異なる一定周波数のパイロット信号をそれぞれ同時にアップコンバートすることにより、各パイロット信号をミリ波帯に周波数変換し、
    該周波数変換後のパイロット信号を、同時にアップコンバートされた伝送信号と共に一つの送信アンテナから放射するよう構成され、
    前記受信装置は、
    前記受信信号を、前記送信装置側で専用の送信側局発信号を用いてアップコンバートされた伝送信号及びパイロット信号からなる複数の受信信号に分割し、
    該分割した受信信号毎に、該受信信号を、前記送信装置側でアップコンバートに用いられた送信側局発信号に対応する受信側局発信号を用いてダウンコンバートすると共に、
    該ダウンコンバートにより得られたパイロット信号に基づき、該パイロット信号と共にダウンコンバートした伝送信号の周波数が前記送信装置側でのアップコンバート前の伝送信号と同一周波数となるよう、該パイロット信号のダウンコンバートに用いた受信側局発信号の周波数を制御することを特徴とする請求項1記載のミリ波帯送受信システム。
  4. 前記受信装置は、前記ダウンコンバートにより得られたパイロット信号が一定周波数となるように、前記受信側局発信号の周波数を制御することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のミリ波帯送受信システム。
  5. 前記送信装置は、前記送信側局発信号を、一定周波数の基準信号に基づき生成すると共に、前記アップコンバートによってミリ波帯の伝送帯域内となり、しかも、周波数の和又は差が前記基準信号の周波数となる複数の信号を前記パイロット信号として生成し、該生成したパイロット信号を前記送信側局発信号を用いて前記伝送信号と同時にミリ波帯へアップコンバートするよう構成され、
    前記受信装置は、前記ダウンコンバートにより得られたパイロット信号に基づき前記一定周波数の基準信号を生成し、該生成した基準信号に基づき前記受信側局発信号の周波数を前記送信側局発信号と同一周波数となるように制御することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のミリ波帯送受信システム。
  6. 前記送信装置がアップコンバートする伝送信号は、衛星受信アンテナにて受信及びダウンコンバートされた衛星放送の中間周波信号(BS・CS−IF信号:以下、必要がない限り“衛星放送の中間周波信号”と記す)であり、
    前記受信装置は、ダウンコンバート後の伝送信号である衛星放送の中間周波信号を、衛星放送受信機に出力することを特徴とする請求項1〜請求項5何れか記載のミリ波帯送受信システム。
  7. 多チャンネルの伝送信号をミリ波帯へアップコンバートし、該アップコンバート後の信号とミリ波帯で一定周波数のパイロット信号とを送信アンテナから放射する送信装置であって、
    複数の送信アンテナと、
    前記多チャンネルの伝送信号を前記送信アンテナの数に対応した複数の周波数帯域に分割する伝送信号分割手段と、
    該伝送信号分割手段にて複数に分割された各周波数帯域の伝送信号を、送信側局発信号を用いてアップコンバートし、前記各送信アンテナから放射させる複数の送信側の周波数変換手段と、
    前記パイロット信号を生成して前記送信アンテナの一つから放射させるパイロット信号生成手段と、
    を備えたことを特徴とする送信装置。
  8. 前記送信側の周波数変換手段は、前記の各周波数帯域の伝送信号を、それぞれ、共通の送信側局発信号を用いてアップコンバートし、
    前記パイロット信号生成手段は、生成したパイロット信号を前記の送信側の周波数変換手段の一つに出力することにより、該送信側の周波数変換手段にて該パイロット信号をミリ波帯にアップコンバートさせると共に、該アップコンバート後のパイロット信号を、同時にアップコンバートされた伝送信号と共に送信アンテナから放射させることを特徴とする請求項7記載の送信装置。
  9. 請求項8に記載の送信装置からの送信電波を受信する受信アンテナを備えた受信装置であって、
    前記受信アンテナからの受信信号を受信側局発信号を用いてダウンコンバートし、前記多チャンネルの伝送信号及びパイロット信号を復元する受信側の周波数変換手段と、
    該受信側の周波数変換手段にて復元されたパイロット信号に基づき、前記ダウンコンバート後の伝送信号の周波数が前記送信装置側でのアップコンバート前の伝送信号と同一周波数となるよう、前記受信側局発信号の周波数を制御する局発周波数制御手段と、
    を備えたことを特徴とする受信装置。
  10. 前記送信側の各周波数変換手段は、前記各周波数帯域の伝送信号を、それぞれ、専用の送信側局発信号を用いて、ミリ波帯で互いに異なる周波数帯域にアップコンバートし、
    前記パイロット信号生成手段は、互いに周波数が異なる複数のパイロット信号を生成し、該生成した複数のパイロット信号を、それぞれ、前記送信側の各周波数変換手段に出力することにより、前記送信側の周波数変換手段にて、各パイロット信号をミリ波帯にアップコンバートさせると共に、該アップコンバート後のパイロット信号を、同時にアップコンバートされた伝送信号と共に前記各送信アンテナから放射させることを特徴とする請求項7記載の送信装置。
  11. 請求項10に記載の送信装置からの送信電波を受信する受信アンテナを備えた受信装置であって、
    前記受信アンテナからの受信信号を、前記送信装置の送信側の各周波数変換手段が前記伝送信号及び前記パイロット信号をアップコンバートした周波数帯域毎に分割する受信信号分割手段と、
    該受信信号分割手段にて分割された受信信号毎に、該受信信号を、前記送信装置の送信側の各周波数変換手段がアップコンバートに用いた送信側局発信号に対応する受信側局発信号を用いてダウンコンバートすることにより、前記送信装置の伝送信号分割手段にて分割された各周波数帯域の伝送信号及び該伝送信号と共にアップコンバートされたパイロット信号をそれぞれ復元する複数の受信側の周波数変換手段と、
    該受信側の各周波数変換手段にて復元されたパイロット信号に基づき、該パイロット信号と共にダウンコンバートした伝送信号の周波数が前記送信装置側でのアップコンバート前の伝送信号と同一周波数となるよう、該パイロット信号のダウンコンバートに用いた受信側局発信号の周波数を制御する複数の局発周波数制御手段と、
    を備えたことを特徴とする受信装置。
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