JP2014022472A - 発光装置、照明装置および発光方法 - Google Patents

発光装置、照明装置および発光方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014022472A
JP2014022472A JP2012158000A JP2012158000A JP2014022472A JP 2014022472 A JP2014022472 A JP 2014022472A JP 2012158000 A JP2012158000 A JP 2012158000A JP 2012158000 A JP2012158000 A JP 2012158000A JP 2014022472 A JP2014022472 A JP 2014022472A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
laser
phosphor
laser light
wavelength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012158000A
Other languages
English (en)
Inventor
Rina Sato
里奈 佐藤
Katsuhiko Kishimoto
克彦 岸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2012158000A priority Critical patent/JP2014022472A/ja
Priority to US13/938,448 priority patent/US20140016300A1/en
Publication of JP2014022472A publication Critical patent/JP2014022472A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21SNON-PORTABLE LIGHTING DEVICES; SYSTEMS THEREOF; VEHICLE LIGHTING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLE EXTERIORS
    • F21S41/00Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps
    • F21S41/10Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by the light source
    • F21S41/14Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by the light source characterised by the type of light source
    • F21S41/16Laser light sources
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21SNON-PORTABLE LIGHTING DEVICES; SYSTEMS THEREOF; VEHICLE LIGHTING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLE EXTERIORS
    • F21S41/00Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps
    • F21S41/10Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by the light source
    • F21S41/14Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by the light source characterised by the type of light source
    • F21S41/176Light sources where the light is generated by photoluminescent material spaced from a primary light generating element
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21SNON-PORTABLE LIGHTING DEVICES; SYSTEMS THEREOF; VEHICLE LIGHTING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLE EXTERIORS
    • F21S8/00Lighting devices intended for fixed installation
    • F21S8/04Lighting devices intended for fixed installation intended only for mounting on a ceiling or the like overhead structures
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21VFUNCTIONAL FEATURES OR DETAILS OF LIGHTING DEVICES OR SYSTEMS THEREOF; STRUCTURAL COMBINATIONS OF LIGHTING DEVICES WITH OTHER ARTICLES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F21V13/00Producing particular characteristics or distribution of the light emitted by means of a combination of elements specified in two or more of main groups F21V1/00 - F21V11/00
    • F21V13/12Combinations of only three kinds of elements
    • F21V13/14Combinations of only three kinds of elements the elements being filters or photoluminescent elements, reflectors and refractors
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21VFUNCTIONAL FEATURES OR DETAILS OF LIGHTING DEVICES OR SYSTEMS THEREOF; STRUCTURAL COMBINATIONS OF LIGHTING DEVICES WITH OTHER ARTICLES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F21V9/00Elements for modifying spectral properties, polarisation or intensity of the light emitted, e.g. filters
    • F21V9/30Elements containing photoluminescent material distinct from or spaced from the light source
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21KNON-ELECTRIC LIGHT SOURCES USING LUMINESCENCE; LIGHT SOURCES USING ELECTROCHEMILUMINESCENCE; LIGHT SOURCES USING CHARGES OF COMBUSTIBLE MATERIAL; LIGHT SOURCES USING SEMICONDUCTOR DEVICES AS LIGHT-GENERATING ELEMENTS; LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F21K9/00Light sources using semiconductor devices as light-generating elements, e.g. using light-emitting diodes [LED] or lasers
    • F21K9/60Optical arrangements integrated in the light source, e.g. for improving the colour rendering index or the light extraction
    • F21K9/64Optical arrangements integrated in the light source, e.g. for improving the colour rendering index or the light extraction using wavelength conversion means distinct or spaced from the light-generating element, e.g. a remote phosphor layer
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21YINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES F21K, F21L, F21S and F21V, RELATING TO THE FORM OR THE KIND OF THE LIGHT SOURCES OR OF THE COLOUR OF THE LIGHT EMITTED
    • F21Y2115/00Light-generating elements of semiconductor light sources
    • F21Y2115/10Light-emitting diodes [LED]
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21YINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES F21K, F21L, F21S and F21V, RELATING TO THE FORM OR THE KIND OF THE LIGHT SOURCES OR OF THE COLOUR OF THE LIGHT EMITTED
    • F21Y2115/00Light-generating elements of semiconductor light sources
    • F21Y2115/30Semiconductor lasers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

【課題】安全性を確保しつつ、照明光の光束を大きくする。
【解決手段】本発明に係るヘッドランプ1は、レーザ光と蛍光とを混色した照明光を投光するものであり、レーザ光を出射する半導体レーザ3と、レーザ光を受けて蛍光を発する蛍光体を含む発光部7とを備え、半導体レーザ3が出射するレーザ光のピーク波長は、蛍光体の外部量子効率が最大となる波長よりも長波長側に設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光を利用した発光装置に関するものであり、より詳細には、レーザ光と当該レーザ光の一部が波長変換された蛍光とを混色して得られた光を照明光として利用する発光装置に関するものである。
近年、レーザ素子(LD:Laser Diode)を光源として備え、このレーザ素子から発振されたレーザ光を利用して照明などを行う発光装置が提案されている。このようなレーザ光を利用した発光装置においては、人間の目に入射しても損傷を与えないように、外部に出射されるレーザ光の強度を制御することでアイセーフを実現している。
このようなレーザ光を利用した発光装置に関連して、例えば、特許文献1には、レーザ光を投光する投写型ディスプレイにおいて、光変調素子上でのレーザ光の強度A(mW/mm)が、A<686×B(B=照明光学系の像側の開口数)を満たすように、レーザ光源の出力を設定することでアイセーフを実現する技術が開示されている。
また、特許文献2には、レーザ光を蛍光体に照射して発生させた蛍光を利用する蛍光画像表示装置において、レーザ光源から発振されるレーザ光の出力が所定値以上になった場合、レーザ光の射出を停止することでアイセーフを実現する技術が開示されている。
国際公開第2007/023916号(2007年03月01日公開) 特開2002−045329号公報(2002年02月12日公開)
しかしながら、レーザ光と蛍光とを混色することで所望の照明光を出射する発光装置において、出射する照明光の光束を大きくするためには、蛍光体を励起するレーザ光の光出力を高くする必要があり、上述のような従来技術では、安全性を確保しつつ、照明光の光束を大きくすることが困難であった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、安全性を確保しつつ、照明光の光束を大きくすることが可能な発光装置を提供することにある。
本発明に係る発光装置は、上記の課題を解決するために、レーザ光を発振するレーザ光源と、前記レーザ光源から発振された前記レーザ光を受けて蛍光を発する蛍光体を含む発光部とを備え、前記レーザ光および前記蛍光を含む照明光を出射する発光装置であって、前記レーザ光源が発振するレーザ光のピーク波長は、前記蛍光体の外部量子効率が最大となる波長よりも長波長側に設定されていることを特徴とする。
レーザ光と蛍光とを混色することで所望の色度の照明光を出射する発光装置において、出射する照明光の光束を大きくするためには、蛍光体を励起するレーザ光の光出力(強度)を高くすることが考えられる。一方、レーザ光は網膜を損傷させるおそれがあるため、アイセーフの観点からは、外部に放出されるレーザ光の光出力を低くするほうが好ましい。
そのため、レーザ光を含む照明光を出射する発光装置では、外部に放出されるレーザ光の光出力を、アイセーフを実現できる光出力の限界値である放出限界値以下に制限する必要があり、照明光の光束を十分に大きくすることが困難であった。
そこで、本願の発明者らは、鋭意検討の結果、レーザ光を含む照明光を出射する発光装置において、アイセーフを実現しつつ、蛍光体を励起するレーザ光の光出力を高くすることで、照明光の光束を大きくする新たな手法を見出した。
一般的に、レーザ光を励起光として用いる場合、蛍光体の発光効率(外部量子効率)の波長依存性を勘案して、外部量子効率が最大となる励起波長が選択される。このとき、照明光の光束の大きさを決定する蛍光体を励起するレーザ光の光出力は、外部に放出されるレーザ光の光出力が上述の放出限界値以下になるように制御される。
これに対して、上記の構成では、蛍光体の外部量子効率が最大となる励起波長よりも長波長のレーザ光を用いて蛍光体を励起することで、アイセーフを実現しつつ、蛍光体を励起するレーザ光の光出力を高くすることを可能にしている。
例えば、人間の目の網膜は、照射される光がレーザ光であるか否か、すなわちコヒーレント光であるかインコヒーレント光であるかとは無関係に、425nm以上450nm以下の波長の光によって最も損傷を受け易く、425nmよりも短波長の光、または450nmよりも長波長の光では、損傷を受け難くなるという性質を有している。
このように、網膜に対する光の安全性には波長依存性があるため、例えば、450nmよりも長波長のレーザ光を用いて蛍光体を励起することによって、照明光に含まれるレーザ光の網膜に対する安全性を高めることができる。そのため、450nmのレーザ光を用いて蛍光体を励起する場合に比べてアイセーフを実現できる放出限界値が高くなるため、これに伴い、蛍光体を励起するレーザ光の光出力も高く設定することが可能になる。
また、外部量子効率が最大となる励起波長よりも長波長のレーザ光を用いることによる蛍光体の外部量子効率の低下の割合は、多くて数%程度である一方、アイセーフを実現できる放出限界値の増大幅は数倍にまで達することが分った。つまり、蛍光体の外部量子効率の低下によるデメリットよりも、安全、且つ、より大きな光束の照明光を得ることができるというメリットのほうが遥かに大きいと言える。
したがって、外部量子効率が最大となる励起波長よりも長波長のレーザ光を用いて蛍光体を励起することにより、アイセーフを実現しつつ、より大きな光束の照明光を発光装置から出射することが可能になる。
このように、レーザ光源が発振するレーザ光のピーク波長を、発光部に含まれる蛍光体の外部量子効率が最大となる波長よりも長波長側に設定することにより、蛍光体の外部量子効率が最大となる励起波長のレーザ光によって蛍光体を励起する場合に比べて、照明光に含まれるレーザ光の安全性を高めることが可能になる。それゆえ、発光部に照射するレーザ光の光出力を高くしたとしても、照明光の安全性を確保することができる。
したがって、上記の構成によれば、安全性を確保しつつ、照明光の光束を大きくすることが可能な発光装置を実現することができる。
また、本発明に係る発光装置では、前記蛍光体は、YAG蛍光体であり、前記レーザ光のピーク波長は、450nmよりも大きく、500nm以下であることが好ましい。
通常、YAG蛍光体の外部量子効率が最大となる励起波長は450nm前後であるため、YAG蛍光体の励起には、ピーク波長が445nmや450nmの光が一般的に用いられる。
このような技術常識に対し、本願の発明者らは、ピーク波長が430nm以上500nm以下のレーザ光によってYAG蛍光体を励起した場合であっても、YAG蛍光体の外部量子効率の低下を小さく抑えることができ、高い外部量子効率が維持されることに気付いた。換言すれば、YAG蛍光体の外部量子効率が最大となる450nmよりも長波長のレーザ光を用いてYAG蛍光体を励起した場合にも、YAG蛍光体の外部量子効率はさほど低下しないことを本願の発明者らは見出した。
さらに、450nmよりも長波長のレーザ光を用いてYAG蛍光体を励起することにより、照明光に含まれるレーザ光の網膜に対する安全性をより高くすることができる。そのため、450nmのレーザ光を用いてYAG蛍光体を励起する場合に比べて、アイセーフを実現できる放出限界値を高くすることができるので、アイセーフを実現しつつ、より大きな光束の照明光を発光装置から出射することが可能になる。
この新規な知見に基づけば、ピーク波長が450nmよりも大きく、500nm以下のレーザ光でYAG蛍光体を励起することにより、従来のように、445nmや450nmの波長の光によってYAG蛍光体を励起する場合に比べて、YAG蛍光体の高い外部量子効率を維持しつつ、安全性の高い照明光を出射することが可能になることが理解されるであろう。
したがって、上記の構成によれば、同程度の光強度であっても、従来に比べて安全性の高い白色の照明光を出射することができる。
また、本発明に係る発光装置では、前記蛍光体は、CASN蛍光体であり、前記レーザ光のピーク波長は、450nmよりも大きく、530nm以下であることが好ましい。
通常、CASN蛍光体の外部量子効率が最大となる励起波長は400nmから450nmまでであるため、CASN蛍光体の励起には、ピーク波長が450nmの光が一般的に用いられる。
このような技術常識に対し、本願の発明者らは、ピーク波長が450nmよりも大きく、530nm以下のレーザ光によってCASN蛍光体を励起した場合であっても、CASN蛍光体の外部量子効率の低下を小さく抑えることができ、高い外部量子効率が維持されることを見出した。換言すれば、CASN蛍光体の外部量子効率が最大となる450nmよりも長波長のレーザ光を用いてCASN蛍光体励起した場合にも、CASN蛍光体の外部量子効率はさほど低下しないことを本願の発明者らは見出した。
さらに、450nmよりも長波長のレーザ光を用いてCASN蛍光体を励起することにより、照明光に含まれるレーザ光の網膜に対する安全性をより高くすることができる。そのため、450nmのレーザ光を用いてCASN蛍光体を励起する場合に比べて、アイセーフを実現できる放出限界値を高くすることができるので、アイセーフを実現しつつ、より大きな光束の照明光を発光装置から出射することが可能になる。
この新規な知見に基づけば、ピーク波長が450nmよりも大きく、530nm以下の波長範囲のレーザ光でCASN蛍光体を励起することにより、従来のように、450nmの波長の光によってCASN蛍光体を励起する場合に比べて、CASN蛍光体の高い外部量子効率を維持しつつ、安全性の高い照明光を出射することが可能になることが理解されるであろう。
したがって、上記の構成によれば、同程度の光強度であっても、従来に比べて安全性の高い白色の照明光を出射することができる。
また、本発明に係る発光装置では、前記レーザ光のピーク波長が450nmよりも大きく、500nm以下のとき、当該レーザ光のピーク波長の±5nmの波長範囲における前記照明光の分光スペクトルの積分強度は、前記レーザ光のピーク波長をλnmとしたとき、3.9×10−5×C(ここで、C=100.02×(λ−450))W以下であることが好ましい。
上記の構成では、レーザ光の波長が450nmよりも大きく、500nm以下のとき、レーザ光の波長に対して±5nmの波長範囲における照明光の分光スペクトルの積分強度は、3.9×10−5×C(ここで、C=100.02(λ−450))W以下である。すなわち、レーザ光の波長が450nmのとき、照明光に含まれるレーザ光の光出力が約39μW以下になるようにレーザ光源の光出力が設定され、レーザ光の波長が500nmのとき、照明光に含まれるレーザ光の光出力が約390μW以下になるようにレーザ光源の光出力が設定される。
このように、発振するレーザ光の波長に応じて、レーザ光源の光出力を上記の範囲を満たすように適宜変更することにより、安全性を確保しつつ、蛍光体を励起するレーザ光の光出力を高くすることが可能になる。
したがって、上記の構成によれば、照明装置は、安全、且つ、大きな光束の照明光を出射することが可能になる。
また、本発明に係る発光装置では、前記照明光を透過させて、当該照明光に含まれる前記レーザ光の波長成分の一部を除去するフィルタ部材をさらに備えることが好ましい。
上記の構成では、照明光を透過させて、当該照明光に含まれるレーザ光の波長成分の一部を除去するフィルタ部材をさらに備えるため、外部に出射されるレーザ光の光量を任意の値まで低下させることができる。
したがって、上記の構成によれば、外部に出射されるレーザ光の光量を制御して、より安全性の高い照明光を出射することができる。
また、本発明に係る照明装置は、上記の課題を解決するために、前記発光装置を備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、上記発光装置を備えるため、安全性を確保しつつ、照明光の光束を大きくすることが可能な照明装置を実現することができる。
また、本発明に係る発光方法は、上記の課題を解決するために、レーザ光を発振するレーザ光源と、前記レーザ光源から発振された前記レーザ光を受けて蛍光を発する蛍光体を含む発光部とを備え、前記レーザ光および前記蛍光を含む照明光を出射する発光装置の発光方法であって、前記蛍光体の外部量子効率が最大となる波長よりも長波長側にピーク波長を有するレーザ光によって、前記蛍光体を励起する励起工程を含むことを特徴とする。
上記の方法では、蛍光体の外部量子効率が最大となる波長よりも長波長側にピーク波長を有するレーザ光によって、蛍光体を励起する励起工程を含んでいる。
そのため、蛍光体の外部量子効率が最大となる励起波長のレーザ光によって蛍光体を励起する方法に比べて、照明光に含まれるレーザ光の安全性を高めることができる。それゆえ、発光部に照射するレーザ光の光出力を高くしたとしても、照明光の安全性を確保することが可能になる。
したがって、上記の構成によれば、安全性を確保しつつ、照明光の光束を大きくすることが可能な発光方法を実現することができる。
以上のように、本発明に係る発光装置は、レーザ光を発振するレーザ光源と、前記レーザ光源から発振された前記レーザ光を受けて蛍光を発する蛍光体を含む発光部とを備え、前記レーザ光および前記蛍光を含む照明光を出射する発光装置であって、前記レーザ光源が発振するレーザ光のピーク波長は、前記蛍光体の外部量子効率が最大となる波長よりも長波長側に設定されていることを特徴とする。
また、本発明に係る発光方法は、レーザ光を発振するレーザ光源と、前記レーザ光源から発振された前記レーザ光を受けて蛍光を発する蛍光体を含む発光部とを備え、前記レーザ光および前記蛍光を含む照明光を出射する発光装置の発光方法であって、前記蛍光体の外部量子効率が最大となる波長よりも長波長側にピーク波長を有するレーザ光によって、前記蛍光体を励起する励起工程を含むことを特徴とする。
それゆえ、本発明によれば、同程度の光強度であっても、従来に比べて安全性の高い照明光を出射することが可能な発光装置および照明方法を提供することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の一実施形態に係るヘッドランプの構成を示す断面図である。 図2は、図1に示される半導体レーザの回路構造を示す模式図である。 図3は、図2に示される半導体レーザの基本構造を示す斜視図である。 図4(a)は、レーザ光の光強度分布の一例を示すグラフであり、図4(b)は、図4(a)に示されるレーザ光を用いて蛍光体を励起した場合に得られる照明光の光強度分布の一例を示すグラフである。 図5は、人間の目の網膜が光を吸収したときに受ける損傷の程度を示すグラフである。 図6は、励起光(レーザ)の波長とアイセーフを実現できるAEL(放出限界値)との関係を示すグラフである。 図7は、YAG蛍光体の外部量子効率、吸収率および内部量子効率を示すグラフである。 図8は、本発明の一実施形態に係るレーザダウンライトが備える発光ユニットおよび従来のLEDダウンライトの外観を示す斜視図である。 図9は、上記レーザダウンライトが設置された天井の断面図である。 図10は、上記レーザダウンライトを示す断面図である。 図11は、図10に示されるレーザダウンライトの設置方法の変更例を示す断面図である。 図12は、図8に示される従来のLEDダウンライトが設置された天井の断面図である。 図13は、図8に示されるレーザダウンライトおよび従来のLEDダウンライトのスペックを比較するための表である。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、本発明に係る発光装置を備えた自動車用のヘッドランプ(照明装置)1を例に挙げて説明する。
ただし、本発明に係る発光装置は、自動車以外の車両・移動物体(例えば、人間・船舶・航空機・潜水艇・ロケットなど)のヘッドランプに適用されても良いし、その他の照明装置に適用されても良い。その他の照明装置としては、例えば、サーチライト、プロジェクター、家庭用・屋外用照明器具などを挙げることができる。
[ヘッドランプ1の構成]
まず、図1〜図3を参照して、ヘッドランプ1の構成について説明する。図1は、ヘッドランプ1の構成を示す断面図である。図1に示されるように、ヘッドランプ1は、半導体レーザアレイ2と、非球面レンズ4と、光ファイバー5と、フェルール6と、発光部7と、反射鏡8と、透明板(フィルタ)9と、ハウジング10と、エクステンション11と、レンズ12とを備えている。これらのうち、半導体レーザアレイ2、光ファイバー5、フェルール6および発光部7によって発光装置の基本構造が構成されている。
このヘッドランプ1は、半導体レーザアレイ2が備える半導体レーザ3から発振されたレーザ光と、当該レーザ光の一部が波長変換された蛍光とを混色して得られた照明光を出射するものである。
なお、ヘッドランプ1は、走行用前照灯(ハイビーム)の配光特性基準を満たしていても良いし、すれ違い用前照灯(ロービーム)の配光特性基準を満たしていても良い。
以下、図2および図3をさらに参照して、ヘッドランプ1が備える各部の構成について説明する。
(半導体レーザアレイ2/半導体レーザ3)
半導体レーザアレイ2は、レーザ光を発振する複数の半導体レーザ(レーザ光源)3を基板上に備えるものである。半導体レーザ3のそれぞれから発振されたレーザ光は、発光部7のレーザ光照射面7aに照射される。発光部7に照射されたレーザ光は、その一部が発光部7に含まれる蛍光体によって蛍光に変換される。
なお、複数の半導体レーザ3を用いる必要は必ずしもなく、半導体レーザ3を1つのみ用いても良い。ただし、高出力のレーザ光を得るためには、複数の半導体レーザ3を用いることが好ましい。
図2は、図1に示される半導体レーザ3の回路構造を示す模式図であり、図3は、図2に示される半導体レーザ3の基本構造を示す斜視図である。図2および図3に示されるように、半導体レーザ3は、カソード電極23と、基板22と、クラッド層113と、活性層111と、クラッド層112と、アノード電極21とが、この順に積層された構成である。
基板22は、半導体基板であり、例えば、青色のレーザ光を得るためにはGaN、サファイア、SiCを用いることが好ましい。なお、他の例として、Si、GeおよびSiCなどのIV属半導体、GaAs、GaP、InP、AlAs、GaN、InN、InSb、GaSbおよびAlNに代表されるIII−V属化合物半導体、ZnTe、ZeSe、ZnSおよびZnOなどのII−VI属化合物半導体、ZnO、Al、SiO、TiO、CrOおよびCeOなどの酸化物絶縁体、並びに、SiNなどの窒化物絶縁体のいずれかの材料が半導体基板として用いられる。
アノード電極21は、クラッド層112を介して活性層111に電流を注入するためのものである。
カソード電極23は、基板22の下部から、クラッド層113を介して活性層111に電流を注入するためのものである。なお、電流の注入は、アノード電極21・カソード電極23に順方向バイアスをかけて行われる。
活性層111は、クラッド層113およびクラッド層112で挟まれた構造になっている。
また、活性層111およびクラッド層113の材料としては、青色のレーザ光を得るためにはAlInGaNからなる混晶半導体が用いられる。一般的には、半導体レーザ3の活性層・クラッド層としては、Al、Ga、In、As、P、N、Sbを主たる組成とする混晶半導体が用いられ、そのような構成としても良い。また、Zn、Mg、S、Se、TeおよびZnOなどのII−VI属化合物半導体によって構成されていても良い。
また、活性層111は、注入された電流により発光が生じる領域であり、クラッド層112およびクラッド層113との屈折率差により、発光した光が活性層111内に閉じ込められる。
さらに、活性層111には、誘導放出によって増幅される光を閉じ込めるために互いに対向して設けられる表側へき開面114・裏側へき開面115が形成されており、この表側へき開面114・裏側へき開面115が鏡の役割を果す。
ただし、完全に光を反射する鏡とは異なり、誘導放出によって増幅される光の一部は、活性層111の表側へき開面114・裏側へき開面115(本実施の形態では、便宜上表側へき開面114とする)から発振され、レーザ光L0となる。なお、活性層111は、多層量子井戸構造を形成していても良い。
なお、表側へき開面114と対向する裏側へき開面115には、レーザ光を発振するための反射膜(図示省略)が形成されており、表側へき開面114と裏側へき開面115との反射率に差を設けることで、低反射率端面である、例えば、表側へき開面114よりレーザ光L0の大部分を発光点103から照射されるようにすることができる。
クラッド層113・クラッド層112は、n型およびp型それぞれのGaAs、GaP、InP、AlAs、GaN、InN、InSb、GaSb、およびAlNに代表されるIII−V属化合物半導体、並びに、ZnTe、ZeSe、ZnSおよびZnOなどのII−VI属化合物半導体のいずれの半導体によって構成されていてもよく、順方向バイアスをアノード電極21およびカソード電極23に印加することで活性層111に電流を注入できるようになっている。
クラッド層113・クラッド層112および活性層111などの各半導体層との膜形成については、MOCVD(有機金属化学気相成長)法やMBE(分子線エピタキシー)法、CVD(化学気相成長)法、レーザアブレーション法、スパッタ法などの一般的な成膜手法を用いて構成できる。各金属層の膜形成については、真空蒸着法やメッキ法、レーザアブレーション法、スパッタ法などの一般的な成膜手法を用いて構成できる。
半導体レーザ3から発振されるレーザ光は、空間的および時間的に位相が揃っており、その波長は単一波長である。そのため、励起光としてレーザ光を用いることで、発光部7に含まれる蛍光体を効率的に励起することが可能になるので、高輝度な照明光を得ることができる。
この半導体レーザ3は、発光部7に含まれる蛍光体の種類に応じて、発振するレーザ光の波長および光出力が適宜設定されるが、例えば、青色レーザ光(455nm)、緑色レーザ光(525nm・530nm)などの波長範囲のレーザ光を選択することが可能である。
ここで、ヘッドランプ1では、半導体レーザ3が発振するレーザ光のピーク波長が、発光部7に含まれる蛍光体の外部量子効率が最大となる波長よりも長波長側に設定されている。これにより、照明光に含まれるレーザ光の安全性を高めることで、発光部7に照射するレーザ光の光出力を高くしたとしても、照明光の安全性を確保することを可能にしている。なお、半導体レーザ3が発振するレーザ光の波長および光出力の設定の詳細については後述する。
(非球面レンズ4)
非球面レンズ4は、半導体レーザ3から発振されたレーザ光を、光ファイバー5の一方の端部である入射端部5bに入射させるためのものである。非球面レンズ4の形状および材料は特に限定されないが、半導体レーザ3から発振されるレーザ光の透過率が高く、且つ、耐熱性の良い材料からなることが好ましい。
(光ファイバー5)
光ファイバー5は、半導体レーザ3から発振されたレーザ光を発光部7へと導く導光部材であり、複数の光ファイバーの束である。この光ファイバー5は、レーザ光を受け取る複数の入射端部5bと、入射端部5bから入射したレーザ光を出射する複数の出射端部5aとを有している。複数の出射端部5aは、レーザ光照射面7aにおける互いに異なる領域に向けて、レーザ光を出射する。
例えば、複数の光ファイバー5の出射端部5aは、レーザ光照射面7aに対して平行な平面において並んで配置されている。このような配置により、出射端部5aから出射されるレーザ光の光強度分布において最も光強度が大きい部分(各レーザ光がレーザ光照射面7aに形成する照射領域の中央部分(最大光強度部分))が、発光部7のレーザ光照射面7aの互いに異なる部分に対して出射されるため、発光部7のレーザ光照射面7aに対してレーザ光を2次元平面的に分散して照射することができる。
それゆえ、発光部7にレーザ光が局所的に照射されることにより、発光部7の一部が著しく劣化することを防止できる。
なお、光ファイバー5は、複数の光ファイバーの束(すなわち、複数の出射端部5aを備えた構成)である必要はなく、出射端部5aは1つであっても良い。
この光ファイバー5は、中芯のコアを、当該コアよりも屈折率の低いクラッドで覆った2層構造である。コアは、レーザ光の吸収損失がほとんどない石英ガラス(酸化ケイ素)を主成分とするものであり、クラッドは、コアよりも屈折率の低い石英ガラスまたは合成樹脂材料を主成分とするものである。例えば、光ファイバー5は、コアの径が200μm、クラッドの径が240μm、開口数NAが0.22の石英製のものであるが、光ファイバー5の構造、太さおよび材料は上述のものに限定されず、光ファイバー5の長軸方向に対して垂直な断面は矩形であっても良い。
また、光ファイバー5は、可撓性を有しているため、出射端部5aの、発光部7のレーザ光照射面7aに対する配置を容易に変えることができる。そのため、発光部7のレーザ光照射面7aの形状に合わせて出射端部5aを配置することができるので、発光部7のレーザ光照射面7aの全面にわたってレーザ光を照射することができる。
また、光ファイバー5は、可撓性を有しているため、半導体レーザ3と発光部7との相対位置関係を容易に変更することができる。さらに、光ファイバー5の長さを調整することにより、半導体レーザ3を発光部7から離れた位置に設置することができる。
そのため、半導体レーザ3を、冷却しやすい位置または交換しやすい位置に設置することができるなど、ヘッドランプ1の設計自由度を高めることができる。すなわち、入射端部5bと出射端部5aとの位置関係を容易に変更することで、半導体レーザ3と発光部7との位置関係を容易に変更することができるので、ヘッドランプ1の設計自由度を高めることができる。
なお、導光部材として光ファイバー5以外の部材、または光ファイバー5と他の部材とを組み合わせたものを用いても良い。例えば、レーザ光の入射端部と出射端部とを有する円錐台形状(または角錐台形状)の導光部材を1つまたは複数用いても良い。
(フェルール6)
フェルール6は、光ファイバー5の複数の出射端部5aを発光部7のレーザ光照射面7aに対して所定のパターンで保持するものである。このフェルール6は、出射端部5aを挿入するための孔が所定のパターンで形成されているものでも良いし、上部と下部とに分離できるものであり、上部および下部の接合面にそれぞれ形成された溝によって出射端部5aを挟み込むものでも良い。
このフェルール6は、例えば、反射鏡8から延出する棒状または筒状の部材などによって反射鏡8に対して固定されていれば良い。フェルール6の材料は、特に限定されず、例えば、ステンレススチールなどである。また、1つの発光部7に対して、複数のフェルール6を配置しても良い。
なお、光ファイバー5の出射端部5aが1つの場合には、フェルール6を省略することも可能である。ただし、出射端部5aのレーザ光照射面7aに対する相対位置を正確に固定するために、フェルール6を設けることが好ましい。
(発光部7)
発光部7は、光ファイバー5の出射端部5aから出射されたレーザ光を受けて発光するものであり、レーザ光を受けて蛍光を発する蛍光体を含んでいる。具体的には、発光部7は、蛍光体保持物質としてのシリコーン樹脂の内部に蛍光体が分散されているものである。シリコーン樹脂と蛍光体との割合は、例えば、10:1程度である。また、発光部7は、蛍光体を押し固めたものであっても良い。蛍光体保持物質は、シリコーン樹脂に限定されず、いわゆる有機無機ハイブリッドガラスや無機ガラスであっても良い。
発光部7に含まれる蛍光体は、例えば、YAG蛍光体、酸窒化物蛍光体、窒化物蛍光体、またはIII−V族化合物半導体のナノメータサイズの粒子を用いた半導体ナノ粒子蛍光体である。
酸窒化物蛍光体の一例として、サイアロン(SiAlON)蛍光体と通称されるものを用いることができる。サイアロン蛍光体とは、窒化ケイ素のシリコーン原子の一部がアルミニウム原子に、窒素原子の一部が酸素原子に置換された物質である。窒化ケイ素(Si)にアルミナ(Al)、シリカ(SiO)および希土類元素などを固溶させて作ることができる。
窒化物蛍光体の例としては、CASN(CaAlSiN)蛍光体およびSCASN((Sr,Ca)AlSiN)蛍光体を挙げることができる。
YAG蛍光体、酸窒化物蛍光体および窒化物蛍光体は、その他の蛍光体に比べて熱に対する安定性が高い。そのため、発光部7を作製する時にガラス粉末と蛍光体とを混合して熱処理を行っても、組成が変化することなくガラス中に安定に存在する。結果として発光効率の高い発光部7を得ることができる。
蛍光体の別の好適な例としては、III−V族化合物半導体のナノメータサイズの粒子を用いた半導体ナノ粒子蛍光体を例示することができる。
半導体ナノ粒子蛍光体の特徴の一つは、同一の化合物半導体(例えば、GaN)を用いても、その粒子径をナノメータのオーダーで変更することにより、量子サイズ効果によって発光色を変化させることができる点である。
また、この半導体ナノ粒子蛍光体は、半導体ベースであるので蛍光寿命が短く、励起光のパワーを素早く蛍光として放射できるのでハイパワーの励起光に対して耐性が強いという特徴もある。これは、この半導体ナノ粒子蛍光体の発光寿命が10ナノ秒程度と、希土類を発光中心とする通常の蛍光体材料に比べて5桁も小さいためである。
さらに、上述したように、発光寿命が短いため、レーザ光の吸収と蛍光体の発光を素早く繰り返すことができる。その結果、強いレーザ光に対して高効率を保つことができ、蛍光体からの発熱を低減させることができる。
よって、発光部7が熱により劣化(変色や変形)するのをより抑制することができる。これにより、光の出力が高い発光素子を光源として用いる場合に、発光装置の寿命が短くなるのをより抑制することができる。
日本国内で法的に規定されている車両用ヘッドランプの照明光は、所定の範囲の色度を有する白色にしなければならない。そこで、ヘッドランプ1の照明光を白色とするために、レーザ光と蛍光体との組み合わせが適宜選択される。例えば、青色レーザ光を、黄色蛍光体(例えば、YAG蛍光体)を含む発光部7に照射することにより、青色レーザ光と黄色蛍光とを混色して、白色の照明光を得ることができる。
また、ヘッドランプ1の配光パターン(配光分布)は、鉛直方向に狭く、水平方向に広いため、発光部7の形状を、水平方向に対して横長(断面略長方形形状)にすることにより、法定の配光パターンを実現しやすくなる。そのため、本実施形態では、発光部7の形状および大きさは、例えば、3mm×1mm×1mmの直方体である。この場合、半導体レーザ3からのレーザ光を受けるレーザ光照射面7aの面積は、3mmである。
ただし、発光部7は、直方体でなくてもよく、レーザ光照射面7aが楕円である筒状であっても良い。また、レーザ光照射面7aは、平面である必要は必ずしもなく、曲面であっても良い。ただし、レーザ光の反射を制御するためには、レーザ光照射面7aは、レーザ光の光軸に対して垂直な平面であることが好ましい。
この発光部7は、透明板9の内側(出射端部5aが位置する側)の面において、出射端部5aと対向する位置に固定されている。発光部7の位置の固定方法は、この方法に限定されず、反射鏡8から延出する棒状または筒状の部材によって発光部7の位置を固定しても良い。
(反射鏡8)
反射鏡8は、発光部7から発せられた光を反射することにより、所定の立体角内を進む光線束を形成するものである。すなわち、反射鏡8は、発光部7から発せられた照明光(レーザ光および蛍光)を反射することにより、ヘッドランプ1の前方へ進む光線束を形成する。この反射鏡8は、例えば、金属薄膜がその反射曲面に形成された部材であっても良く、金属製の部材であっても良い。
反射鏡8は、閉じた円形の開口部を有するフルパラボラミラーの他、半円形の開口部を有するハーフパラボラミラーなどであっても良い。また、パラボラミラー以外にも、楕円形状や自由曲面形状、或いは、マルチファセット化されたもの(マルチリフレクタ)を用いても良い。さらに、反射鏡8の一部に曲面ではない部分を含めても良い。
(透明板9)
反射鏡8の開口部を覆う透明な樹脂板であり、発光部7を保持している。透明板9は、発光部7から発せられた照明光を透過させて、当該照明光に含まれるレーザ光の波長成分の一部を除去する。このように、照明光に含まれるレーザ光の波長成分の一部を除去することにより、外部に出射されるレーザ光の光量を任意の値まで低下させることができる。
したがって、透明板9を設けることで、外部に出射されるレーザ光の光量を制御して、より安全性の高い照明光を出射することができる。
なお、ヘッドランプ1は、レーザ光と蛍光とを混色して所望の色度の照明光を得るものであるため、透明板9は、当該所望の色度が達成できる範囲内で、照明光に含まれるレーザ光を除去する。
(ハウジング10)
ハウジング10は、ヘッドランプ1の本体を形成しており、反射鏡8などを収納している。光ファイバー5は、このハウジング10を貫いており、半導体レーザアレイ2は、ハウジング10の外部に設置される。半導体レーザ3は、レーザ光の発振時に発熱するが、ハウジング10の外部に設置することにより半導体レーザ3を効率良く冷却することが可能になる。したがって、半導体レーザ3から発生する熱による、発光部7の特性劣化や熱的損傷などを防止することができる。
(エクステンション11)
エクステンション11は、反射鏡8の開口部側の側部に設けられており、ヘッドランプ1の内部構造を隠して、ヘッドランプ1のデザイン性を向上させると共に、反射鏡8と車体との一体感を高めている。このエクステンション11は、反射鏡8と同様に、金属薄膜がその反射曲面に形成された部材であっても良く、金属製の部材であっても良い。
(レンズ12)
レンズ12は、ハウジング10の開口部に設けられており、ヘッドランプ1の内部を密封している。発光部7が発生させて、反射鏡8によって反射された蛍光は、レンズ12を通ってヘッドランプ1の前方へ投光される。
[レーザ光の波長および光出力の設定]
次に、図4〜図7を参照して、半導体レーザ3が発振するレーザ光の波長および光出力の設定について説明する。
レーザ光と蛍光とを混色することで所望の色度の照明光を出射するヘッドランプ1において、出射する照明光の光束を大きくするためには、蛍光体を励起するレーザ光の光出力を高く設定することが考えられる。一方、レーザ光は網膜を損傷させるおそれがあるため、アイセーフの観点からは、外部に放出されるレーザ光の光出力を低くするほうが好ましい。
図4(a)は、レーザ光の光強度分布の一例を示すグラフであり、図4(b)は、図4(a)に示されるレーザ光を用いて蛍光体を励起した場合に得られる照明光の光強度分布の一例を示すグラフである。図4(a)に示されるように、ピーク波長が450nmのレーザ光を用いて任意の蛍光体を励起した場合、レーザ光の一部が蛍光体によって蛍光に変換される。そのため、図4(b)に示されるよう、レーザ光(図中の斜線部)と蛍光とが混色された照明光が得られる。このような光強度分布を有する照明光が外部に出射された場合、後述のように、照明光に含まれるレーザ光が人間の目の網膜を損傷させるおそれがある。
そのため、レーザ光を含む照明光を出射するこれまでの発光装置では、外部に放出されるレーザ光の光出力を、アイセーフを実現できる光出力の限界値である放出限界値以下に制限する必要があり、照明光の光束を十分に大きくすることが困難であった。
そこで、本願の発明者らは、鋭意検討の結果、レーザ光を含む照明光を出射するヘッドランプ1において、アイセーフを実現しつつ、蛍光体を励起するレーザ光の光出力を高くすることで、照明光の光束を大きくする新たな手法を見出した。
一般的に、レーザ光を励起光として用いる場合、蛍光体の発光効率(外部量子効率)の波長依存性を勘案して、外部量子効率が最大となる励起波長が選択される。このとき、照明光の光束の大きさを決定する蛍光体を励起するレーザ光の光出力(強度)は、外部に放出されるレーザ光の光出力が上述の放出限界値以下になるように制御される。
これに対して、ヘッドランプ1では、蛍光体の外部量子効率が最大となる励起波長よりも長波長のレーザ光を用いて蛍光体を励起することで、アイセーフを実現しつつ、蛍光体を励起するレーザ光の光出力を高くすることを可能にしている(励起工程)。
図5は、人間の目の網膜が光を吸収したときに受ける損傷の程度を示すグラフである。図5に示されるように、人間の目の網膜は、照射される光がレーザ光であるか否か、すなわちコヒーレント光であるかインコヒーレント光であるかとは無関係に、425nm以上450nm以下の波長の光によって最も損傷を受け易く、425nmよりも短波長の光、または450nmよりも長波長の光では、損傷を受け難くなるという性質を有している。
このように、網膜に対する光の安全性には波長依存性があるため、例えば、450nmよりも長波長のレーザ光を用いて蛍光体を励起することによって、出射される照明光に含まれるレーザ光の網膜に対する安全性を高めることができる。そのため、450nmのレーザ光を用いて蛍光体を励起する場合に比べてアイセーフを実現できる放出限界値が高くなるため、これに伴い、蛍光体を励起するレーザ光の光出力も高く設定することが可能になる。
また、外部量子効率が最大となる励起波長よりも長波長のレーザ光を用いることによる蛍光体の外部量子効率の低下の割合は多くて数%程度である。これに対して、アイセーフを実現できる放出限界値の増大幅は数倍にまで達する。
図6は、励起光の波長とアイセーフを実現できるAEL(放出限界値)との関係を示すグラフである。図6に示されるように、励起波長を450nmよりも長波長にすることで、アイセーフを実現できる放出限界値を高くすることができる。これは、450nmよりも長波長のレーザ光を用いて蛍光体を励起することによって、照明光に含まれるレーザ光の網膜に対する安全性をより高くすることができるため、その分、放出限界値を高くしても安全性を確保することができるためである。
この放出限界値は、励起波長に対して±5nmの波長範囲における照明光の分光スペクトルの積分強度が、3.9×10−5×C(ここで、C=100.02(λ−450))W以下となるように設定される。例えば、励起波長が450nmのときの放出限界値は約39μWである。これに対して、光の波長が500nmのときの放出限界値は約390μWであり、約10倍となる。
このように、蛍光体の外部量子効率の低下によるデメリットよりも、安全、且つ、より大きな光束の照明光を得ることができるというメリットのほうが遥かに大きいと言える。
したがって、外部量子効率が最大となる励起波長よりも長波長のレーザ光を用いて蛍光体を励起することにより、アイセーフを実現しつつ、より大きな光束の照明光をヘッドランプ1から出射することができる。なお、外部量子効率が最大となる励起波長よりも長波長で、且つ、視感度がピークになる波長以下の波長のレーザ光を用いて蛍光体を励起することにより、励起光の放射束は同じ値であっても、光束としてはより高い光束の照明光を出射することができるようになる。
(具体例1)
発光部7に含まれる蛍光体がYAG蛍光体(Y1−x−yGdCeAl12(0.1≦x≦0.55、0.01≦y≦0.4)である場合、半導体レーザ3から発振されるレーザ光のピーク波長は450nmよりも大きく、500nm以下であることが好ましい。
図7は、YAG蛍光体の外部量子効率、吸収率および内部量子効率を示すグラフである。図7に示されるように、YAG蛍光体の外部量子効率が最大となる励起波長は450nm前後であるため、YAG蛍光体の励起には、ピーク波長が445nmや450nmの光が一般的に用いられる。
このような技術常識に対し、本願の発明者らは、ピーク波長が430nm以上500nm以下のレーザ光によってYAG蛍光体を励起した場合であっても、YAG蛍光体の外部量子効率の低下を小さく抑えることができ、高い外部量子効率が維持されることに着目した。そして、YAG蛍光体の外部量子効率が最大となる450nmよりも長波長のレーザ光を用いることにより、YAG蛍光体の外部量子効率をさほど低下させることなく、安全性を確保しつつ、より高い光出力のレーザ光でYAG蛍光体を励起することが可能になることを本願の発明者らは見出した。
したがって、ピーク波長が450nmよりも大きく、500nm以下のレーザ光でYAG蛍光体を励起することにより、YAG蛍光体の外部量子効率をさほど低下させることなく、安全性を確保しつつ、光束の大きくな白色の照明光をヘッドランプ1から出射することが可能になる。
(具体例2)
発光部7に含まれる蛍光体がCASN蛍光体(CaAlSiN:Eu)である場合、半導体レーザ3から発振されるレーザ光のピーク波長は450nmよりも大きく、530nm以下であることが好ましい。
通常、CASN蛍光体の外部量子効率が最大となる励起波長は400nmから450nmまでであるため、CASN蛍光体の励起には、ピーク波長が450nmの光が一般的に用いられる。
このような技術常識に対し、本願の発明者らは、ピーク波長が430nm以上530nm以下のレーザ光によってCASN蛍光体を励起した場合であっても、CASN蛍光体の外部量子効率の低下を小さく抑えることができ、高い外部量子効率が維持されることに着目した。そして、CASN蛍光体の外部量子効率が最大となるCASN蛍光体の外部量子効率が最大となる450nmよりも長波長のレーザ光を用いることにより、CASN蛍光体の外部量子効率をさほど低下させることなく、安全性を確保しつつ、より高い光出力のレーザ光でCASN蛍光体を励起することが可能になることを本願の発明者らは見出した。
例えば、ピーク波長が450nmよりも長波長のレーザ光を用いてCASN蛍光体を励起することで、ピーク波長が450nmのレーザ光を用いて蛍光体を励起する場合に比べて、JIS規格で規定されているクラス1のアイセーフを実現できる蛍光体を励起するレーザ光の光出力を大幅に増大させることができる。
CASN蛍光体を励起するレーザ光のピーク波長は、好ましくは、450nmよりも大きく530nm以下であり、より好ましくは465nm以上530nm以下であり、さらに好ましくは470nmである。
また、CASN蛍光体の外部量子効率は450nm、465nmおよび470nmのレーザ光でほぼ同じ値である。一方、上記クラス1のアイセーフを実現できる蛍光体を励起するレーザ光の光出力は、465nmのレーザ光では450nmのレーザ光の約2倍に増大し、470nmのレーザ光では450nmのレーザ光の約2.5倍に増大する。
したがって、450nmよりも大きく、530nm以下の波長範囲のレーザ光でCASN蛍光体を励起することにより、CASN蛍光体の外部量子効率をさほど低下させることなく、安全性を確保しつつ、光束の大きくな白色の照明光をヘッドランプ1から出射することが可能になる。
[ヘッドランプ1の効果]
このように、ヘッドランプ1は、レーザ光を発振する半導体レーザ3と、半導体レーザ3から発振されたレーザ光を受けて蛍光を発する蛍光体を含む発光部7とを備え、レーザ光および蛍光を含む照明光を出射するものであって、半導体レーザ3が発振するレーザ光のピーク波長は、蛍光体の外部量子効率が最大となる波長よりも長波長側に設定されている。
このように、半導体レーザ3が発振するレーザ光のピーク波長を、発光部7に含まれる蛍光体の外部量子効率が最大となる波長よりも長波長側に設定することにより、蛍光体の外部量子効率が最大となる励起波長のレーザ光によって蛍光体を励起する場合に比べて、レーザ光の安全性を高めることができる。それゆえ、発光部7に照射するレーザ光の光出力を高くしたとしても、照明光の安全性を確保することが可能になる。
したがって、本実施形態によれば、同程度の光強度であっても、従来に比べて安全性の高い照明光を出射することが可能なヘッドランプ1を実現することができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図8〜図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、本発明に係る発光装置を備えたレーザダウンライト200について説明する。レーザダウンライト200は、家屋、乗物などの構造物の天井に設置される照明装置であり、半導体レーザ3から発振されたレーザ光と、当該レーザ光の一部が波長変換された蛍光とを混色して得られた照明光を出射するものである。
なお、レーザダウンライト200と同様の構成を有する照明装置を、構造物の側壁または床に設置してもよく、上記照明装置の設置場所は特に限定されない。
図8は、発光ユニット210および従来のLEDダウンライト300の外観を示す斜視図であり、図9は、レーザダウンライト200が設置された天井の断面図であり、図10は、レーザダウンライト200を示す断面図である。
図8〜図10に示されるように、レーザダウンライト200は、天板400に埋設され、照明光を出射する発光ユニット210と、光ファイバー5を介して発光ユニット210へレーザ光を供給するLD光源ユニット220とを含んでいる。LD光源ユニット220は、天井には設置されておらず、ユーザが容易に触れることができる位置(例えば、家屋の側壁)に設置されている。このようにLD光源ユニット220の位置を自由に決定できるのは、LD光源ユニット220と発光ユニット210とが光ファイバー5によって接続されているからである。この光ファイバー5は、天板400と断熱材401との間の隙間に配置されている。
[発光ユニット210の構成]
発光ユニット210は、図10に示されるように、筐体211と、光ファイバー5と、発光部7と、透光板(フィルタ)213とを備えている。
筐体211には、凹部212が形成されており、この凹部212の底面に発光部7が配置されている。凹部212の表面には、金属薄膜が形成されており、凹部212は反射鏡として機能する。
また、筐体211には、光ファイバー5を通すための通路214が形成されており、この通路214を通って光ファイバー5が発光部7まで延びている。光ファイバー5の出射端部5aと発光部7との位置関係は上述したものと同様である。
透光板213は、凹部212の開口部を塞ぐように配置された透明または半透明の板である。この透光板213は、透明板9と同様の機能を有するものであり、発光部7から発せられた照明光を透過させて、当該照明光に含まれるレーザ光の波長成分の一部を除去することで、安全性の高い照明光を外部に出射する。なお、透光板213は、筐体211に対して取外し可能であってもよく、省略されても良い。
図8では、発光ユニット210は、円形の外縁を有しているが、発光ユニット210の形状(より厳密には、筐体211の形状)は特に限定されない。
なお、ダウンライトでは、ヘッドランプの場合とは異なり、理想的な点光源は要求されず、発光点が1つというレベルで十分である。それゆえ、発光部7の形状、大きさおよび配置に関する制約は、ヘッドランプの場合よりも少ない。
[LD光源ユニット220の構成]
LD光源ユニット220は、半導体レーザ3と、非球面レンズ4と、光ファイバー5とを備えている。
光ファイバー5の一方の端部である入射端部5bは、LD光源ユニット220に接続されており、半導体レーザ3から発振されたレーザ光は、非球面レンズ4を介して光ファイバー5の入射端部5bに入射される。
図10に示されるLD光源ユニット220の内部には、半導体レーザ3および非球面レンズ4が一対のみ示されているが、発光ユニット210が複数存在する場合には、発光ユニット210からそれぞれ延びる光ファイバー5の束を1つのLD光源ユニット220に導いても良い。この場合、1つのLD光源ユニット220に複数の半導体レーザ3と非球面レンズ4との対(または、複数の半導体レーザ3と1つのロッド状レンズ32との対)が収納されることになり、LD光源ユニット220は集中電源ボックスとして機能する。
[レーザダウンライト200の設置方法の変更例]
図11は、レーザダウンライト200の設置方法の変更例を示す断面図である。図11に示されるように、レーザダウンライト200の設置方法の変形例として、天板400には光ファイバー5を通す小さな穴402だけを開け、薄型・軽量の特長を活かしてレーザダウンライト本体(発光ユニット210)を強力な粘着テープなどを使って天板400に貼り付けても良い。この場合、レーザダウンライト200の設置に関する制約が小さくなり、また、工事費用を大幅に削減できるというメリットがある。
[レーザダウンライト200と従来のLEDダウンライト300との比較]
従来のLEDダウンライト300は、図8に示されるように、複数の透光板301を備えており、各透光板301からそれぞれ照明光が出射される。すなわち、LEDダウンライト300において発光点は複数存在している。
このように、LEDダウンライト300において発光点が複数存在しているのは、個々の発光点から出射される光の光束が比較的小さいため、複数の発光点を設けなければ照明光として十分な光束の光が得られないためである。
これに対して、レーザダウンライト200は、高光束の照明装置であるため、発光点は1つでも良い。それゆえ、照明光による陰影がきれいに出るという効果が得られる。また、発光部7に含まれる蛍光体を高演色蛍光体(例えば、数種類の酸窒化物蛍光体の組み合わせ)にすることにより、照明光の演色性を高めることができる。
図12は、従来のLEDダウンライト300が設置された天井の断面図である。図12に示されるように、LEDダウンライト300では、LEDチップと、電源と、冷却ユニットとを収納した筐体302が天板400に埋設されている。筐体302は比較的大きなものであり、筐体302が配置されている部分の断熱材401には、筐体302の形状に沿った凹部が形成される。筐体302から電源ライン303が延びており、この電源ライン303はコンセント(図示省略)に接続されている。
このような構成では、次のような問題が生じる。まず、天板400と断熱材401との間に発熱源である光源(LEDチップ)および電源が存在しているため、LEDダウンライト300を使用することにより天井の温度が上がり、部屋の冷房効率が低下するという問題が生じる。
また、LEDダウンライト300では、光源ごとに電源および冷却ユニットが必要であり、トータルのコストが増大するという問題が生じる。
また、筐体302は比較的大きなものであるため、天板400と断熱材401との間の隙間にLEDダウンライト300を配置することが困難な場合が多いという問題が生じる。
これに対して、レーザダウンライト200では、発光ユニット210には、大きな発熱源は含まれていないため、部屋の冷房効率を低下させることはない。その結果、部屋の冷房コストの増大を避けることができる。
また、発光ユニット210ごとに電源および冷却ユニットを設ける必要がないため、レーザダウンライト200を小型および薄型にすることができる。その結果、レーザダウンライト200を設置するためのスペースの制約が小さくなり、既存の住宅への設置が容易になる。
また、レーザダウンライト200は、小型および薄型であるため、上述したように、発光ユニット210を天板400の表面に設置することができ、天板裏側のスペースもほとんど必要ないためにLEDダウンライト300よりも設置に係る制約を小さくすることができるとともに工事費用を大幅に削減できる。
図13は、レーザダウンライト200およびLEDダウンライト300のスペックを比較するための表である。図13に示されるように、レーザダウンライト200は、その一例では、LEDダウンライト300に比べて体積が94%減少し、質量が86%減少する。
また、LD光源ユニット220をユーザの手が容易に届く所(高さ)に設置できるため、半導体レーザ3が故障した場合でも、手軽に半導体レーザ3を交換できる。また、複数の発光ユニット210から延びる光ファイバー5を1つのLD光源ユニット220に導くことにより、複数の半導体レーザ3を一括管理できる。そのため、複数の半導体レーザ3を交換する場合でも、その交換が容易にできる。
なお、LEDダウンライト300において、高演色蛍光体を用いたタイプの場合、消費電力10Wで約500lmの光束が出射できるが、同じ明るさの光をレーザダウンライト200で実現するためには、3.3Wの光出力が必要である。この光出力は、LD効率が35%であれば、消費電力10Wに相当し、LEDダウンライト300の消費電力も10Wであるため、消費電力では、両者の間に顕著な差は見られない。それゆえ、レーザダウンライト200では、LEDダウンライト300と同じ消費電力で、上述の種々のメリットが得られることになる。
以上のように、レーザダウンライト200は、レーザ光を出発振する半導体レーザ3を少なくとも1つ備えるLD光源ユニット220と、発光部7および反射鏡としての凹部212を備える少なくとも1つの発光ユニット210と、発光ユニット210のそれぞれへ上記レーザ光を導く光ファイバー5とを含んでいる。
光ファイバー5の複数の出射端部5aは、発光ユニット210が備える1つの発光部7に対して複数配置されており、複数配置された出射端部5aから出射されるレーザ光がそれぞれ有する光強度分布における最も光強度の大きい部分が、配置の対象となる発光部7の互いに異なる部分に対して照射される。
このような、レーザダウンライト200においても、半導体レーザ3が発振するレーザ光のピーク波長を、発光部7に含まれる蛍光体の外部量子効率が最大となる波長よりも長波長側に設定することにより、蛍光体の外部量子効率が最大となる励起波長のレーザ光によって蛍光体を励起する場合に比べて、照明光に含まれるレーザ光の安全性を高めることができる。それゆえ、発光部7に照射するレーザ光の光出力を高くしたとしても、照明光の安全性を確保することが可能になる。
したがって、本実施形態によれば、同程度の光強度であっても、従来に比べて安全性の高い照明光を出射することが可能なレーザダウンライト200を実現することができる。
[その他の変更例]
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、励起光源として、半導体レーザ以外の固体レーザを用いても良い。ただし、半導体レーザを用いる方が、励起光源を小型化できるため好ましい。
〔補足〕
なお、本発明に係る発光装置は、以下のように表現することもできる。すなわち、本発明に係る発光装置は、励起光を発振する励起光源と、励起光を受けて蛍光を発する発光部とからなる発光装置に関するものであって、前記励起光源はレーザ光を発振するレーザ光源であり、前記レーザ光が発光部に照射されて発光部から発せられる蛍光と、発光部により蛍光に変換されなかった前記レーザ光とが混色されて照明光を構成していることを特徴とし、照明光の分光分布スペクトルにおいて前記レーザ光の発振波長のマイナス5nmからプラス5nmの波長範囲のスペクトルを積分したときの積分強度が、前記レーザ光の発振波長が450nm以下の場合39μW以下であり、450nmよりも大きく500nm以下、さらに好ましくは450nmよりも大きく470nm以下の時は3.9×10−5×C (W)(ここで、C=100.02(λ−450))以下であることを特徴とする。
本発明は、レーザ光と当該レーザ光の一部が波長変換された蛍光とを混色して得られた照明光を出射する発光装置に好適に利用することができる。
1 ヘッドランプ(発光装置、照明装置)
2 半導体レーザアレイ(レーザ光源)
3 半導体レーザ(レーザ光源)
5 光ファイバー
6 フェルール
7 発光部
7a レーザ光照射面
8 反射鏡
9 透明板(フィルタ)
200 レーザダウンライト(照明装置)
213 透光板(フィルタ)

Claims (7)

  1. レーザ光を発振するレーザ光源と、前記レーザ光源から発振された前記レーザ光を受けて蛍光を発する蛍光体を含む発光部とを備え、前記レーザ光および前記蛍光を含む照明光を出射する発光装置であって、
    前記レーザ光源が発振するレーザ光のピーク波長は、前記蛍光体の外部量子効率が最大となる波長よりも長波長側に設定されていることを特徴とする発光装置。
  2. 前記蛍光体は、YAG蛍光体であり、
    前記レーザ光のピーク波長は、450nmよりも大きく、500nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記蛍光体は、CASN蛍光体であり、
    前記レーザ光のピーク波長は、450nmよりも大きく、530nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  4. 前記レーザ光のピーク波長が450nmよりも大きく、500nm以下のとき、当該レーザ光のピーク波長の±5nmの波長範囲における前記照明光の分光スペクトルの積分強度は、前記レーザ光のピーク波長をλnmとしたとき、3.9×10−5×C(ここで、C=100.02×(λ−450))W以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  5. 前記照明光を透過させて、当該照明光に含まれる前記レーザ光の波長成分の一部を除去するフィルタ部材をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の発光装置を備えることを特徴とする照明装置。
  7. レーザ光を発振するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から発振された前記レーザ光を受けて蛍光を発する蛍光体を含む発光部とを備え、
    前記レーザ光および前記蛍光を含む照明光を出射する発光装置の発光方法であって、
    前記蛍光体の外部量子効率が最大となる波長よりも長波長側にピーク波長を有するレーザ光によって、前記蛍光体を励起する励起工程を含むことを特徴とする発光方法。
JP2012158000A 2012-07-13 2012-07-13 発光装置、照明装置および発光方法 Pending JP2014022472A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012158000A JP2014022472A (ja) 2012-07-13 2012-07-13 発光装置、照明装置および発光方法
US13/938,448 US20140016300A1 (en) 2012-07-13 2013-07-10 Light emitting device, illuminating apparatus, and light emitting method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012158000A JP2014022472A (ja) 2012-07-13 2012-07-13 発光装置、照明装置および発光方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014022472A true JP2014022472A (ja) 2014-02-03

Family

ID=49913828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012158000A Pending JP2014022472A (ja) 2012-07-13 2012-07-13 発光装置、照明装置および発光方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20140016300A1 (ja)
JP (1) JP2014022472A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017120864A (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 株式会社タムラ製作所 発光装置
JP2019179920A (ja) * 2015-10-28 2019-10-17 パナソニックIpマネジメント株式会社 発光装置

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI526770B (zh) * 2013-11-28 2016-03-21 台達電子工業股份有限公司 藍光合成方法及系統
JP2015146396A (ja) * 2014-02-03 2015-08-13 スタンレー電気株式会社 発光装置、車両用灯具、及び、車両用照明装置
RU2020110358A (ru) * 2014-06-05 2020-04-30 Вертекс Фармасьютикалз Инкорпорейтед Радиоактивно меченные производные 2-амино-6-фтор-n-[5-фтор- пиридин-3-ил]-пиразоло[1,5-а]пиримидин-3-карбоксамида, используемые в качестве ингибитора atr киназы, препараты на основе этого соединения и его различные твердые формы
DE102014214600A1 (de) * 2014-07-24 2016-01-28 Osram Gmbh Bestrahlungsvorrichtung mit einer Pumpstrahlungsquelle
DE102014016835A1 (de) 2014-11-13 2016-05-19 Audi Ag Scheinwerfer für ein Kraftfahrzeug
CN115398141A (zh) * 2020-03-31 2022-11-25 松下知识产权经营株式会社 建筑构件、光照射系统和照明系统

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002045329A (ja) * 2000-08-01 2002-02-12 Fuji Photo Film Co Ltd 蛍光画像表示装置
JP2005340748A (ja) * 2003-09-18 2005-12-08 Nichia Chem Ind Ltd 発光装置
JP2006324418A (ja) * 2005-05-18 2006-11-30 Mitsubishi Chemicals Corp 発光装置
WO2007023916A1 (ja) * 2005-08-26 2007-03-01 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 投写型ディスプレイ装置
JP2007188962A (ja) * 2006-01-11 2007-07-26 Sharp Corp 蛍光体膜付発光素子及びその製造方法
JP2008311532A (ja) * 2007-06-15 2008-12-25 Rohm Co Ltd 白色発光装置及び白色発光装置の形成方法
JP2009146938A (ja) * 2007-12-11 2009-07-02 Sharp Corp 発光装置およびこれを利用した照明装置、表示装置
WO2010046822A1 (en) * 2008-10-20 2010-04-29 Koninklijke Philips Electronics N.V. Laser device and method for operating a laser device
WO2010052654A1 (en) * 2008-11-06 2010-05-14 Koninklijke Philips Electronics N.V. Lighting element comprising a light guiding structure with a surface guided mode and a phospor material, and a method of lighting
JP2012099282A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Sharp Corp 照明装置及び車両用前照灯

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4991001B2 (ja) * 2009-12-28 2012-08-01 シャープ株式会社 照明装置
JP5329511B2 (ja) * 2010-10-29 2013-10-30 シャープ株式会社 照明装置及び車両用前照灯
JP5657357B2 (ja) * 2010-12-01 2015-01-21 スタンレー電気株式会社 車両用灯具
EP2461090B1 (en) * 2010-12-01 2020-07-01 Stanley Electric Co., Ltd. Vehicle light
US20120140496A1 (en) * 2010-12-07 2012-06-07 Sharp Kabushiki Kaisha Wavelength conversion member, light emitting device, illuminating device, vehicle headlamp, and production method
JP2012243701A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Stanley Electric Co Ltd 光源装置および照明装置
US9228710B2 (en) * 2011-06-13 2016-01-05 Sharp Kabushiki Kaisha Light projection apparatus, light condensing unit, and light emitting apparatus
JP5851140B2 (ja) * 2011-07-28 2016-02-03 オリンパス株式会社 光源装置
JP5883623B2 (ja) * 2011-11-22 2016-03-15 スタンレー電気株式会社 レーザ光源装置
US9680278B2 (en) * 2012-06-06 2017-06-13 Nanyang Technology University Semiconductor optical cryocooler

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002045329A (ja) * 2000-08-01 2002-02-12 Fuji Photo Film Co Ltd 蛍光画像表示装置
JP2005340748A (ja) * 2003-09-18 2005-12-08 Nichia Chem Ind Ltd 発光装置
JP2006324418A (ja) * 2005-05-18 2006-11-30 Mitsubishi Chemicals Corp 発光装置
WO2007023916A1 (ja) * 2005-08-26 2007-03-01 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 投写型ディスプレイ装置
JP2007188962A (ja) * 2006-01-11 2007-07-26 Sharp Corp 蛍光体膜付発光素子及びその製造方法
JP2008311532A (ja) * 2007-06-15 2008-12-25 Rohm Co Ltd 白色発光装置及び白色発光装置の形成方法
JP2009146938A (ja) * 2007-12-11 2009-07-02 Sharp Corp 発光装置およびこれを利用した照明装置、表示装置
WO2010046822A1 (en) * 2008-10-20 2010-04-29 Koninklijke Philips Electronics N.V. Laser device and method for operating a laser device
WO2010052654A1 (en) * 2008-11-06 2010-05-14 Koninklijke Philips Electronics N.V. Lighting element comprising a light guiding structure with a surface guided mode and a phospor material, and a method of lighting
JP2012099282A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Sharp Corp 照明装置及び車両用前照灯

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019179920A (ja) * 2015-10-28 2019-10-17 パナソニックIpマネジメント株式会社 発光装置
JP2017120864A (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 株式会社タムラ製作所 発光装置
WO2017115778A1 (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 株式会社タムラ製作所 発光装置
US10975497B2 (en) 2015-12-28 2021-04-13 Tamura Corporation Light emitting device

Also Published As

Publication number Publication date
US20140016300A1 (en) 2014-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5589007B2 (ja) 発光装置、照明装置および車両用前照灯
JP2014022472A (ja) 発光装置、照明装置および発光方法
JP5090549B2 (ja) 焼結発光体、発光装置、照明装置、車両用前照灯、及び焼結発光体の作製方法
JP5329511B2 (ja) 照明装置及び車両用前照灯
JP5053416B2 (ja) 発光装置、照明装置および車両用前照灯
JP5254418B2 (ja) 照明装置および前照灯
JP5172987B2 (ja) 発光装置、照明装置および前照灯
US20120106186A1 (en) Illumination apparatus and vehicular headlamp
WO2013073701A1 (ja) 照明装置、車両用前照灯、およびダウンライト
JP2012221634A (ja) 照明装置及び前照灯
WO2014080705A1 (ja) 発光装置およびその製造方法、照明装置、ならびに前照灯
US20120106185A1 (en) Light emitting device, illuminating equiptment, and vehicle headlamp
JP2012193283A (ja) 発光体、発光装置、照明装置および前照灯
WO2013051623A1 (ja) 発光体、照明装置および前照灯
JP5271340B2 (ja) 発光装置、照明装置および車両用前照灯
JP6192903B2 (ja) 光源装置、照明装置および車両用前照灯
JP5053418B2 (ja) 発光装置、照明装置および車両用前照灯
JP2013079311A (ja) 発光体、照明装置および前照灯
JP5086392B2 (ja) 発光装置、照明装置および車両用前照灯
JP5737861B2 (ja) 照明装置及び車両用前照灯
JP2012204071A (ja) 照明装置及び前照灯
JP5518964B2 (ja) 発光装置、照明装置および車両用前照灯
JP2012204072A (ja) 発光装置、照明装置および車両用前照灯
JP2012230914A (ja) 発光装置
JP2012221633A (ja) 照明装置及び前照灯

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150701

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161018

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170808