JP2014022349A - 発光装置、電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光画素の周辺の異常発光に起因する色ずれが低減された発光装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】本適用例の発光装置としての有機EL装置100は、反射層25と、半透過反射層としての対向電極33、反射層25と対向電極33との間に設けられた発光機能層32と、発光機能層32と反射層25との間に設けられた画素電極31と、反射層25と画素電極31との間に設けられた透明層26と、画素電極31の外縁の少なくとも一部を覆う絶縁層27と、を備え、反射層25と対向電極33との間の光学的距離Dが下記式を満たして光共振器が構成され、絶縁層27の膜厚が5nm以上50nm以下であることを特徴とする。
D=[(2πm+φL+φU)/4π]λ
φL:反射層での反射における位相シフト
φu:半透過反射層での反射における位相シフト
λ:光共振のピーク波長
mは4以上の整数
【選択図】図6

Description

本発明は、発光素子を備えた発光装置、該発光装置を備えた電子機器に関する。
発光素子としての有機EL(Electro Luminescence;エレクトロルミネッセンス)素子は、発光ダイオード(LED)に比べて薄型化、小型化が容易であり、このような有機EL素子を用いた照明装置や、表示装置が注目されている。特に表示装置として用いる場合、多色の発光を高効率で取り出すことが求められ、例えば、特許文献1には光学的な距離が異なる微小光共振器を備えた多色発光素子が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、画素ごとに光共振器が構築され、少なくとも赤(R)、緑(G)、青(B)に対応した発光素子からの光の色純度をさらに向上させるべく、画素ごとに対応する色のカラーフィルターを備えた表示装置が開示されている。
特許文献2の表示装置において、各発光素子は、画素電極層と、画素電極層上に形成された発光機能層とを含み、隣り合う発光素子は相互の電気的な絶縁を図るために、それぞれの画素電極層の外縁を覆って形成された絶縁性の隔壁で区分されている。
特開平6−275381号公報 特開2008−210740号公報
しかしながら、特許文献2において、画素電極層の外縁を覆う隔壁を光透過性を有する絶縁性材料で構成すると、光共振器において画素電極層の中央部分の光学的な距離と、画素電極層周辺の隔壁を含む部分の光学的な距離とが異なってしまう。したがって、光共振器によって得られる発光のピーク波長が画素電極層の中央部と周辺部とで異なる色ずれが発生する。このような色ずれは有効な画素の面積に対して周辺部の面積が小さい場合は目立たないが、画素が微細になると目立ち易くなり、表示品質を低下させるという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る発光装置は、反射層と、半透過反射層と、前記反射層と前記半透過反射層との間に設けられた発光機能層と、前記発光機能層と前記反射層との間に設けられた画素電極と、前記反射層と前記画素電極との間に設けられた透明層と、前記画素電極の外縁の少なくとも一部を覆う絶縁層と、を備え、前記反射層と前記半透過反射層との間の光学的距離Dが下記式を満たして光共振器が構成され、前記絶縁層の膜厚が5nm以上50nm以下であることを特徴とする。
D=[(2πm+φL+φU)/4π]λ
φL:反射層での反射における位相シフト
φU:半透過反射層での反射における位相シフト
λ:光共振のピーク波長
mは4以上の整数
本適用例によれば、mが4以上の高次の光共振によってピーク波長λの光を取り出すため、絶縁層の膜厚を5nm以上50nm以下とすることで、高次の光共振における光学的距離Dに対して絶縁層の膜厚に起因する光学的距離のずれの割合が小さくなる。したがって、画素電極の中央部分における共振光のピーク波長と、画素電極の外縁の少なくとも一部を覆う絶縁層を透過する共振光のピーク波長とのずれが小さくなって、ピーク波長の違いによる発光画素周辺の色ずれが目立たなくなる。ゆえに、光共振器を備え高い発光輝度が得られると共に、優れた表示品質を有する発光装置を提供できる。
[適用例2]上記適用例に係る発光装置において、光共振のピーク波長λが、赤の波長範囲に含まれる前記光共振器を有するR画素と、光共振のピーク波長λが、緑の波長範囲に含まれる前記光共振器を有するG画素と、光共振のピーク波長λが、青の波長範囲に含まれる前記光共振器を有するB画素とを備え、前記R画素、前記G画素、前記B画素において、前記透明層の膜厚が同一であり、且つ前記画素電極の膜厚が同一であることが好ましい。
この構成によれば、透明層の膜厚や画素電極の膜厚をR,G,Bの各画素ごとに異ならせて光共振器を構成する場合に比べて、光共振器の構造が単純なため、複雑な製造プロセスを採用しなくてもよいので、高い生産性を実現可能な発光装置を提供できる。
[適用例3]上記適用例に係る発光装置において、前記R画素、前記G画素、前記B画素は、それぞれの色に対応したカラーフィルターを備え、前記絶縁層は前記R画素、前記G画素、前記B画素のうち前記B画素の前記画素電極の外縁の少なくとも一部を覆うことを特徴とする。
この構成によれば、R,G,Bの各画素にそれぞれカラーフィルターを備えることによって、色純度をさらに向上させることができる。また、カラーフィルターを備えることによって、発光画素周辺の色ずれが生じても目立ち難くなるので、絶縁層は色ずれの低減効果が最も期待できるB画素の画素電極の外縁の少なくとも一部を覆うようにすればよい。これによって、より優れた表示品質を有する発光装置を提供できる。
[適用例4]上記適用例に係る発光装置において、前記絶縁層は、シリコンの酸化膜またはシリコンの窒化膜であることが好ましい。
この構成によれば、シリコンの酸化膜またはシリコンの窒化膜は、発光装置の製造において比較的に導入し易い絶縁層構成材料である。特に、シリコンの酸化膜は光透過性を有すると共に画素電極を構成する材料に比べて低屈折率であるため、画素電極の外縁を覆う絶縁層を設けることによる光学的距離の増加を効果的に抑えることができ、発光画素周辺の色ずれの程度を小さくできる。
[適用例5]上記適用例に係る発光装置において、前記画素電極が透明導電膜であって、膜厚が5nm以上50nm以下であることが好ましい。
この構成によれば、画素電極の膜厚範囲が絶縁層の膜厚範囲と同等であるため、画素電極の外縁を確実に絶縁層で覆うことができる。
[適用例6]上記適用例に係る発光装置において、前記光学的距離Dが1400nm以上であることを特徴とする。
この構成によれば、高次の光共振による光学的距離Dを1400nm以上とすることで、R,G,Bの各画素ごとに透明層の膜厚を同一としても、各発光色に対応したピーク波長λが得られる。
[適用例7]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の発光装置を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、発光画素周辺の色ずれが低減され、優れた表示品質を有する発光装置を備えているので、見栄えのよい電子機器を提供することができる。
有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図。 有機EL装置の構成を示す概略平面図。 発光画素の配置を示す概略平面図。 比較例の有機EL装置におけるサブ画素の構造を示す概略断面図。 光共振器における光学的距離を説明する概略断面図。 第1実施形態の有機EL装置におけるサブ画素の構造を示す概略断面図。 (a)は実施例のサブ画素の構成を示す模式図、(b)は比較例のサブ画素の構成を示す模式図。 実施例と比較例の輝度と波長との関係を示すグラフ。 絶縁層の膜厚と輝度、色度との関係を示すグラフ。 光共振器における光学的距離と各色のピーク波長と干渉次数との関係を示すグラフ。 電子機器としてのヘッドマウントディスプレイを示す斜視図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
(第1実施形態)
<発光装置>
まず、本実施形態の発光装置としての有機エレクトロルミネッセンス(EL)装置について、図1〜図3を参照して説明する。図1は有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図、図2は有機EL装置の構成を示す概略平面図、図3は発光画素の配置を示す概略平面図である。
図1に示すように、本実施形態の発光装置としての有機EL装置100は、互いに交差する複数の走査線12及び複数のデータ線13と、複数のデータ線13のそれぞれに対して並列する複数の電源線14とを有している。複数の走査線12が接続される走査線駆動回路16と、複数のデータ線13が接続されるデータ線駆動回路15とを有している。また、複数の走査線12と複数のデータ線13との各交差部に対応してマトリックス状に配置された発光画素としての複数のサブ画素18を有している。
サブ画素18は、発光素子としての有機EL素子30と、有機EL素子30の駆動を制御する画素回路20とを有している。
有機EL素子30は、陽極として機能する画素電極31と、陰極として機能する対向電極33と、画素電極31と対向電極33との間に設けられた発光機能層32とを有している。このような有機EL素子30は電気的にダイオードとして表記することができる。
画素回路20は、スイッチング用トランジスター21と、蓄積容量22と、駆動用トランジスター23とを含んでいる。2つのトランジスター21,23は、例えばnチャネル型もしくはpチャネル型のMOSトランジスターを用いて構成することができる。
スイッチング用トランジスター21のゲートは走査線12に接続され、ソースまたはドレインのうち一方がデータ線13に接続され、ソースまたはドレインのうち他方が駆動用トランジスター23のゲートに接続されている。
駆動用トランジスター23のソースまたはドレインのうち一方が有機EL素子30の画素電極31に接続され、ソースまたはドレインのうち他方が電源線14に接続されている。
駆動用トランジスター23のゲートと電源線14との間に蓄積容量22が接続されている。
走査線12が駆動されてスイッチング用トランジスター21がオン状態になると、そのときにデータ線13から供給される画像信号に基づく電位がスイッチング用トランジスター21を介して蓄積容量22に保持される。該蓄積容量22の電位すなわち駆動用トランジスター23のゲート電位に応じて、駆動用トランジスター23のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用トランジスター23がオン状態になると、電源線14から駆動用トランジスター23を介して画素電極31と対向電極33とに挟まれた発光機能層32にゲート電位に応じた量の電流が流れる。有機EL素子30は、発光機能層32を流れる電流量に応じて発光する。
図2に示すように、有機EL装置100は、素子基板10を有している。素子基板10には、表示領域E0(図中、一点鎖線で表示)と、表示領域E0の外側に非表示領域E3とが設けられている。表示領域E0は、実表示領域E1(図中、二点鎖線で表示)と、実表示領域E1を囲むダミー領域E2とを有している。
実表示領域E1には、発光画素としてのサブ画素18がマトリックス状に配置されている。サブ画素18は、前述したように発光素子としての有機EL素子30を備えており、スイッチング用トランジスター21及び駆動用トランジスター23の動作に伴って、青(B)、緑(G)、赤(R)のうちいずれかの色の発光が得られる構成となっている。
本実施形態では、同色の発光が得られるサブ画素18が第1の方向に配列し、異なる色の発光が得られるサブ画素18が第1の方向に対して交差(直交)する第2の方向に配列した、所謂ストライプ方式のサブ画素18の配置となっている。以降、上記第1の方向をY方向とし、上記第2の方向をX方向として説明する。なお、素子基板10におけるサブ画素18の配置はストライプ方式に限定されず、モザイク方式、デルタ方式であってもよい。
ダミー領域E2には、主として各サブ画素18の有機EL素子30を発光させるための周辺回路が設けられている。例えば、図2に示すように、X方向において実表示領域E1を挟んだ位置にY方向に延在して一対の走査線駆動回路16が設けられている。一対の走査線駆動回路16の間で実表示領域E1に沿った位置に検査回路17が設けられている。
素子基板10のY方向における一辺部(図中の下方の辺部)に、外部駆動回路との電気的な接続を図るためのフレキシブル回路基板(FPC)43が接続されている。FPC43には、FPC43の配線を介して素子基板10側の周辺回路と接続される駆動用IC44が実装されている。駆動用IC44は前述したデータ線駆動回路15を含むものであり、素子基板10側のデータ線13や電源線14は、フレキシブル回路基板43を介して駆動用IC44に電気的に接続されている。
次に、図3を参照してサブ画素18の平面的な配置、とりわけ画素電極31の平面的な配置について説明する。図3に示すように、青(B)の発光が得られるサブ画素18B、緑(G)の発光が得られるサブ画素18G、赤(R)の発光が得られるサブ画素18RがX方向に順に配列している。同色の発光が得られるサブ画素18はY方向に隣り合って配列している。X方向に配列した3つのサブ画素18B,18G,18Rを1つの画素19として表示がなされる構成になっている。
サブ画素18における画素電極31は略矩形状であって、長手方向がY方向に沿って配置されている。画素電極31を発光色に対応させて画素電極31B,31G,31Rと呼ぶこともある。各画素電極31B,31G,31Rの外縁を覆って絶縁層27が形成されている。これによって、各画素電極31B,31G,31R上に開口部27aが形成され、開口部27a内において画素電極31B,31G,31Rのそれぞれが露出している。開口部27aの平面形状もまた略矩形状となっている。
サブ画素18B,18G,18Rのそれぞれには光共振器構造が採用されており、以降、サブ画素18B,18G,18Rの構造について、図4〜図6を参照して説明する。
図4は比較例の有機EL装置におけるサブ画素の構造を示す概略断面図である。図5は光共振器における光学的距離を説明する概略断面図である。図6は第1実施形態の有機EL装置におけるサブ画素の構造を示す概略断面図である。なお、図4と図6は、図3におけるA−A’線に沿った断面を示すものである。また、図4〜図6では基材上における画素回路の図示を省略している。
図4に示すように、カラー表示が可能な発光装置の比較例として有機EL装置300が挙げられる。有機EL装置300は、基材11と、基材11上に順に形成された反射層25と、透明層26と、画素電極31と、発光機能層32と、対向電極33と、封止層34と、カラーフィルター層35とを有している。また、カラーフィルター層35を保護する透明基板41を備えている。素子基板10は基材11からカラーフィルター層35までを含むものである。
有機EL装置300は、発光機能層32から発した光がカラーフィルター層35を透過して透明基板41側から取り出されるトップエミッション型である。したがって、基材11はガラスなどの透明基板だけでなく、例えばシリコンやセラミックスなどからなる不透明基板も採用することができる。
画素電極31は、光透過性を有する例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜が用いられ、青(B)、緑(G)、赤(R)のサブ画素18B,18G,18Rに対応してそれぞれ透明層26に接して形成されている。各画素電極31B,31G,31Rの膜厚は異なっており、画素電極31Gの膜厚に対して、画素電極31Bの膜厚が薄く、画素電極31Rの膜厚が厚くなっている。
発光機能層32は、各サブ画素18B,18G,18Rに亘って共通に形成されている。発光機能層32は、青(B)の発光が得られる有機発光層、緑(G)の発光が得られる有機発光層、赤(R)の発光が得られる有機発光層を含んでおり、発光機能層32に電流が流れることにより、これらの有機発光層が発光して白色発光が得られる構成となっている。
対向電極33は、発光機能層32からの発光の一部を透過し、一部を反射層25側に反射させる半透過反射層の機能を有するものである。対向電極33は、例えば、Al(アルミニウム)やAlの合金、Ag(銀)やAgの合金(例えばMgAg)を薄く成膜することにより半透過反射性が実現されている。
封止層34は、発光機能層32に水分や酸素などが浸入して発光機能が劣化しないように、対向電極33に接して封止するものであり、例えば、シリコンやAl(アルミニウム)などの無機材料の酸化物や窒化物、あるいは酸窒化物が用いられる。また、封止層34は、これらの無機材料と、有機材料(好ましくは気体透過性が低い有機材料)との積層構造としてもよい。また、封止層34は、対向電極33の表面の凹凸が、後に封止層34に接して形成されるカラーフィルター層35に影響しないように平坦化層としても機能している。
カラーフィルター層35は、各サブ画素18B,18G,18Rに対応した色の着色層35B,35G,35Rを有している。これらの着色層35B,35G,35Rは、着色材料としての染料や顔料が含まれた感光性樹脂材料を封止層34に塗布して、フォトリソグラフィ法により形成することができる。
透明基板41は、例えば透明なガラスやフィルムなどの基板を採用することができる。図4では図示を省略したが、カラーフィルター層35と透明基板41との間に接着性を有する透明樹脂を充填して、素子基板10と透明基板41とを貼り合わせる。
サブ画素18Bの発光機能層32から発せられた光は、反射層25と対向電極33との間で繰り返し反射され、青の波長範囲にピーク波長を有する光が強調されて対向電極33と着色層35Bと透明基板41とを透過して射出される。サブ画素18Gの発光機能層32から発せられた光は、反射層25と対向電極33との間で繰り返し反射され、緑の波長範囲にピーク波長を有する光が強調されて対向電極33と着色層35Gと透明基板41とを透過して射出される。同様に、サブ画素18Rの発光機能層32から発せられた光は、反射層25と対向電極33との間で繰り返し反射され、赤の波長範囲にピーク波長を有する光が強調されて対向電極33と着色層35Rと透明基板41とを透過して射出される。
このようにトップエミッション型の比較例の有機EL装置300では、サブ画素18B,18G,18Rごとに反射層25と対向電極33との間に光共振器が構築され、画素電極31B,31G,31Rの膜厚を異ならせることにより光共振器ごとの光学的距離Dを異ならせて、各サブ画素18B,18G,18Rから所望のピーク波長を有する光を射出させている。
一方で比較例の有機EL装置300は、サブ画素18の周辺において狙いの色と異なる色の発光が生じることに起因する色ずれが起るという課題を有している。具体的には、図5に示すように、絶縁層27に覆われていない画素電極31の例えば中央部分における光共振器の光学的距離D1と、画素電極31の端部を覆う絶縁層27を含む光共振器の光学的距離D2とは同一ではない。発光機能層32が均一に形成された場合、光学的距離D1と光学的距離D2との差ΔDは、絶縁層27の膜厚と屈折率との積で表すことができる。つまり、光学的距離D1の光共振器から得られるピーク波長λ1に対して、光学的距離D2の光共振器から得られるピーク波長λ2が大きくなるおそれがある。したがって、サブ画素18は見かけ上、光学的距離Dが異なる2つの光共振器を備えた有機EL素子30を有することになる。
また、サブ画素18の周辺における色ずれは、有機EL素子30の画素電極31と対向電極33との間に印加される駆動電圧がある電圧値よりも低い状態のときに現れることが分かった。このような電気的な要因について説明する。
図4に示すように、比較例の有機EL装置300では、サブ画素18B,18G,18Rごとに、画素電極31B,31G,31Rの膜厚を異ならせることにより光共振器ごとの光学的距離Dを異ならせていた。したがって、画素電極31B,31G,31Rの外縁では、画素電極31の膜厚が厚くなるほど大きな段差が生じ、当該段差と重なる発光機能層32の部分の膜厚が他の部分に比べて薄くなり易い。
したがって、画素電極31の周辺における膜厚が薄くなった発光機能層32の部分の方が画素電極31の中央側よりも低電圧駆動時における電気抵抗が低下して電流が流れ易くなる。有機EL素子30が所定の駆動電圧で駆動されたときには、実質的な面積が周辺よりも大きい画素電極31の中央側の電気抵抗が低下して主体的に電流が流れる。ゆえに、サブ画素18の周辺(光学的距離D2)では低電圧駆動時に意図した色とは違う色の発光が生ずる(色ずれが生ずる)。所定の駆動電圧で駆動されたときには、光学的距離D1における意図した色の発光が主体的となり、色ずれが目立たなくなると考えられる。
発明者は、このような比較例の有機EL装置300の色ずれの課題を解決すべく、光共振器構造を開発した。以下、本実施形態の有機EL装置100のサブ画素18の構造について、図6を参照して説明する。なお、比較例の有機EL装置300と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略し、比較例の有機EL装置300と異なる部分について主体的に説明する。
図6に示すように、本実施形態の発光装置としての有機EL装置100は、基材11と、基材11上に順に形成された反射層25と、透明層26と、画素電極31と、発光機能層32と、対向電極33と、封止層34と、カラーフィルター層35とを有している。また、カラーフィルター層35を保護する透明基板41を備えている。有機EL装置100も比較例の有機EL装置300と同様にトップエミッション型であり、発光機能層32から発せられた光はカラーフィルター層35を透過して透明基板41から取り出される。素子基板10は、基材11、反射層25、透明層26、画素電極31、発光機能層32、対向電極33、封止層34、カラーフィルター層35を含むものである。
画素電極31は、光透過性を有すると共に、青(B)、緑(G)、赤(R)のサブ画素18B,18G,18Rに対応してそれぞれ透明層26に接して形成されている。そして、各画素電極31B,31G,31Rの膜厚は同一であり、5nm以上50nm以下となっている。
また、各画素電極31B,31G,31Rの外縁は絶縁層27によって覆われており、絶縁層27の膜厚は、画素電極31と同じく5nm以上50nm以下となっている。つまり、画素電極31の外縁を覆うことができる程度の膜厚となっている。
有機EL装置100において、反射層25と半透過反射層である対向電極33との間の光共振器における光学的距離Dは、以下の数式[1]を満たすようになっている。
D=[(2πm+φL+φU)/4π]λ・・・・・[1]
上記数式において、φLは反射層25での反射における光の位相シフト、φUは半透過反射層(対向電極33)での反射における光の位相シフト、λは光共振のピーク波長、mは干渉次数であって、4以上の整数である。
つまり、光共振器からmが4以上の高次の光共振によって、ピーク波長λの光を透明基板41側から取り出す構成となっている。
本実施形態の有機EL装置100では、比較例の有機EL装置300に対して、サブ画素18B,18G,18Rごとの画素電極31B,31G,31Rの膜厚を同一とし、透明層26の膜厚を厚くすることにより高次の光共振器構造を実現している。
高次の光共振器構造が課題である色ずれを低減できる理由について、低次の光共振と高次の光共振の例とを挙げて説明する。
低次の光共振の条件として、例えば、m=1、光の位相シフトをφL=φU=πとして、上記数式[1]へ代入すると、以下の通りとなる。
D=[(2πm+π+π)/4π]λ、つまりD=λとなる。
したがって、図5に示した光共振器構造の模式図において、光学的距離D1の光共振器から得られるピーク波長をλ1、光学的距離D2の光共振器から得られるピーク波長をλ2とすると、低次の光共振の場合のピーク波長の差Δλm=1、つまり色ずれは、以下のように導かれる。
Δλm=1=λ2−λ1=D2−D1=ΔD
これに対して高次の光共振では、例えば、m=5、位相シフトをφL=φU=πとして、上記数式[1]へ代入すると、以下の通りとなる。
D=[(10π+π+π)/4π]λ、つまりD=3λとなる。
したがって、図5に示した光共振器構造の模式図にあてはめると、光学的距離D1=3λ1、光学的距離D2=3λ2となり、高次の光共振の場合のピーク波長の差Δλm=5、つまり色ずれは、以下のように導かれる。
Δλm=5=λ2−λ1=(D2−D1)/3=ΔD/3
ゆえに、低次の光共振器と高次の光共振器において、画素電極31の外縁を覆う絶縁層27の膜厚が同じならば、ピーク波長の差Δλは、高次の光共振器のほうが小さくなる。ピーク波長の差Δλが小さくなれば色ずれの程度を認識し難くなり、結果的に色ずれが目立ち難くなる(色ずれが低減される)。
次に、より具体的なサブ画素の構成における実施例と比較例とを挙げて、色ずれの低減効果について、図7及び図8を参照して説明する。図7(a)は実施例のサブ画素の構成を示す模式図、同図(b)は比較例のサブ画素の構成を示す模式図である。図8は実施例と比較例の輝度と波長との関係を示すグラフであって、同図(a)は高電流時を示し、同図(b)は低電流時を示している。
(実施例)
有機EL装置100におけるサブ画素18の実施例の構成は、図7(a)に示すように、Al(アルミニウム)を用いた反射層25とMg(マグネシウム)とAg(銀)の合金を用いた半透過反射層としての対向電極33との間に光共振器が構成されている。対向電極33上には封止層34と、カラーフィルター層35と、ガラスを用いた透明基板41が配置されている。反射層25の膜厚は限定されるものではないが、およそ100nm〜200nmである。対向電極33の膜厚は、半透過反射性を与えるため、およそ20nmとしている。
光共振器における光学的距離Dは、反射層25と対向電極33との間に挟まれた各種の層の膜厚と屈折率の積の和として求めることができる。
実施例では、反射層25側から順に、窒化シリコンからなる透明層26の膜厚は700nm、ITOからなる画素電極31の膜厚は20nm、発光機能層32の総厚は120nmとなっている。発光機能層32は複数の材料層からなり、画素電極31側から正孔注入層(HIL)32aの膜厚が20nm、正孔輸送層(HTL)32bの膜厚が30nm、有機発光層(EML)32cの膜厚が40nm、電子輸送層(ETL)32dの膜厚が30nmとなっている。
屈折率は波長依存性があるものの、これらの層の屈折率を仮に1.8として光学的距離Dを算出すると、およそ1500nmとなる。詳しくは後述するが、図10に示す光学的距離Dと各色のピーク波長λと干渉次数mとの関係によれば、光学的距離Dがおよそ1500nmの場合、青(B)のサブ画素18Bにおける狙いのピーク波長λBを460nmとすると、m=6となる。緑(G)のサブ画素18Gにおける狙いのピーク波長λGを530nmとすると、m=5となる。赤(R)のサブ画素18Rにおける狙いのピーク波長λRを640nmとすると、m=4となる。つまり、各サブ画素18B,18G,18Rの光共振器の光学的距離Dを共通な1500nmとすると、それぞれの光共振器からはピーク波長λB,λG,λRを含む光が発せられる。それぞれの光共振器から発せられた光が対応する着色層35B,35G,35Rを透過することにより、所望のピーク波長の光だけが、それぞれのサブ画素18B,18G,18Rから取り出される。
(比較例)
サブ画素18の比較例の構成は、図7(b)に示すように、実施例と同様にAl(アルミニウム)を用いた反射層25とMg(マグネシウム)とAg(銀)の合金を用いた対向電極33との間に光共振器が構成されている。対向電極33上には封止層34と、カラーフィルター層35と、ガラスを用いた透明基板41が配置されている。
比較例におけるサブ画素18Bは、反射層25側から順に、窒化シリコンからなる透明層26の膜厚は50nm、ITOからなる画素電極31の膜厚は20nm、正孔注入層(HIL)32aの膜厚が20nm、正孔輸送層(HTL)32bの膜厚が30nm、有機発光層(EML)32cの膜厚が40nm、電子輸送層(ETL)32dの膜厚が30nmとなっている。
比較例におけるサブ画素18Gは、反射層25側から順に、窒化シリコンからなる透明層26の膜厚は50nm、ITOからなる画素電極31の膜厚は60nm、正孔注入層(HIL)32aの膜厚が20nm、正孔輸送層(HTL)32bの膜厚が30nm、有機発光層(EML)32cの膜厚が40nm、電子輸送層(ETL)32dの膜厚が30nmとなっている。
比較例におけるサブ画素18Rは、反射層25側から順に、窒化シリコンからなる透明層26の膜厚は50nm、ITOからなる画素電極31の膜厚は110nm、正孔注入層(HIL)32aの膜厚が20nm、正孔輸送層(HTL)32bの膜厚が30nm、有機発光層(EML)32cの膜厚が40nm、電子輸送層(ETL)32dの膜厚が30nmとなっている。
実施例と同様に、これらの層の屈折率を1.8としてサブ画素18B,18G,18Rごとの光共振器における光学的距離Dを算出すると、次のようになる。サブ画素18Bではおよそ342nm、サブ画素18Gではおよそ414nm、サブ画素18Rではおよそ504nmとなる。
したがって、比較例において、図10に示す光学的距離Dと各色のピーク波長λと干渉次数mとの関係によれば、青(B)のサブ画素18Bにおける狙いのピーク波長λBを460nmとすると、m=1となる。緑(G)のサブ画素18Gにおける狙いのピーク波長λGを530nmとすると、同じくm=1となる。赤(R)のサブ画素18Rにおける狙いのピーク波長λRを640nmとすると、同じくm=1となる。
なお、光学的距離Dは、実際には、反射層25と対向電極33との間の各層の膜厚ばらつきや屈折率の波長依存性の影響を受けたり、反射層25及び対向電極33の材料構成によって変化する反射光の位相シフトの影響を受けたりする。
図8は、実施例と比較例とにおける青(B)のサブ画素18Bの輝度と波長との関係を示すグラフである。この場合、有機EL素子を流れる電流密度が100mA/cm2のときを高電流時といい、電流密度が1mA/cm2のときを低電流時という。電流密度を大きくするには、より高い電圧を画素電極31と対向電極33との間に印加しなくてはならない。
図8(a)に示すように、高電流時では、可視光波長範囲(400nm〜700nm)において、実施例及び比較例ともに狙いの波長460nm付近に輝度のピークが発生しており、他の緑(G)や赤(R)の波長域には輝度のピークが現れていない。つまり、光共振器によりほぼ狙いのピーク波長460nmが得られている。
これに対して、低電流時では、図8(b)に示すように、実施例における分光分布はそれほど変化が見られないが、比較例では輝度のピークが緑(G)の波長範囲(500nm〜600nm)にずれているのが分かる。つまり、低電流(低電圧)時に色ずれが生じているのが分かる。言い換えれば、実施例では低電流(低電圧)時の色ずれが改善されている。他の緑(G)のサブ画素18Gや赤(R)のサブ画素18Rでも同様な傾向が見られたが、青(B)のサブ画素18Bにおける色ずれ改善効果が最も顕著であった。
次に、光共振器における光学的距離Dに影響を及ぼす絶縁層27の膜厚について図9を参照して説明する。図9は絶縁層の膜厚と輝度、色度との関係を示すグラフである。なお、図9は青(B)のサブ画素18Bに関するグラフである。
本実施形態の有機EL装置100では、図6に示すように、各画素電極31B,31G,31Rの外縁を絶縁層27によって覆っている。絶縁層27はシリコンの酸化物やシリコンの窒化物により形成することができる。図5に示したように、画素電極31の絶縁層27で覆われた部分における光学的距離D2は、画素電極31の中央部分における光学的距離D1よりも大きくなる。したがって、サブ画素18の周辺の色ずれをより目立ち難くするには、絶縁層27の膜厚をできるだけ薄くすることが好ましい。一方で、サブ画素18の配置ピッチが高精細になると、隣り合うサブ画素18の画素電極31と対向電極33との間にリーク電流が生じ、意図しない発光が生ずるおそれがある。それゆえに、隣り合う画素電極31間の絶縁性を確保可能な絶縁層27の厚みとしなくてはならない。
前述した実施例では酸化シリコンを用いて絶縁層27を形成し、その膜厚をおよそ20nmとした。これに対して、同じく酸化シリコンを用いて形成された絶縁層27の厚みをおよそ60nmとすると光学的距離D2が増加するため、図9に示すように、5cd/cm2以下の輝度(電圧、電流)において、色度のずれが顕著になっている。また、絶縁層27の膜厚が50nmを越えると、所望の色度範囲をはずれてしまうことが分かった。なお、本実施形態では、所望の輝度(100cd/cm2)を高輝度とし、高輝度に対して10%以下の輝度を低輝度としている。
例えば、青(B)のサブ画素18Bにおける絶縁層27の膜厚を5nm〜50nmの範囲で変化させ、CIExy色度図における色度xyを確認したところ、高輝度時(100cd/cm2)と低輝度時(1cd/cm2)とにおける色差Δxyは次のとおりであった。
絶縁層27の膜厚が5nmのときΔxyは0.05、絶縁層27の膜厚が10nmのときΔxyは0.07、絶縁層27の膜厚が20nmのときΔxyは0.13、絶縁層27の膜厚が30nmのときΔxyは0.23、絶縁層27の膜厚が40nmのときΔxyは0.28、絶縁層27の膜厚が50nmのときΔxyは0.37であった。絶縁層27の膜厚が50nmを越えると、色度は青の領域から緑の領域に入ってしまう。
このような結果から考察すると、絶縁層27の膜厚は、画素電極31の膜厚と同等とすると共に5nm以上50nm以下とすることが好ましく、10nm以上40nm以下とすることがより好ましい。10nm以上20nm以下とすることがさらに好ましい。
次に、本実施形態の有機EL装置100のサブ画素18の光共振器における高次の光共振を実現する光学的距離Dについて図10を参照して説明する。図10は光共振器における光学的距離と各色のピーク波長と干渉次数との関係を示すグラフである。
図10に示すように、例えば、光共振における青(B)のピーク波長を460nm、緑(G)のピーク波長を530nm、赤(R)のピーク波長を640nmとすると、サブ画素18B,18G,18Rごとにそれぞれ狙いのピーク波長が得られる共通の光学的距離Dの値は限られる。一方で、前述したように低輝度(低電圧、低電流)時の色ずれを改善するには、できるだけ高次の光共振を利用することが好ましい。これらの条件を考慮すると、光学的距離Dは干渉次数mが4以上の1400nm以上であることが好ましい。
なお、光学的距離Dが大き過ぎると光共振が起らなくなる。一般的に可干渉距離Lは次の数式[2]で表されることが知られている。
L≒λ0 2/Δλ・・・・[2](鶴田匡夫著 『応用光学II』倍風館 p18より)
λ0は平均波長、Δλはスペクトルの幅である。
有機EL素子のような自然放出光の場合、スペクトル幅が比較的広いために可干渉距離Lは発光波長と同程度か、又はその数倍〜数十倍程度と言われている。したがって、可干渉距離L、すなわち光学的距離Dの上限は、数μm程度になると考えられる。
上記第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)有機EL装置100は、画素電極31B,31G,31Rの外縁を覆う絶縁層27の膜厚が5nm以上50nm以下であって、反射層25と対向電極33との間に構成された光共振器における光学的距離Dが数式[1]を満たし、1400nm以上の高次の光共振器が各サブ画素18B,18G,18Rごとに実現されている。したがって、絶縁層27を設けることに起因するサブ画素18の周辺の光学的距離Dの変動の影響を受け難く、低輝度(低電圧、低電流)時にサブ画素18の周辺に生ずる色ずれが低減された有機EL装置100を提供することができる。
(2)各サブ画素18B,18G,18Rにおいて、光共振器を構成するところの透明層26はサブ画素18B,18G,18Rに共通して反射層25上に形成され、且つ透明層26上に形成された各画素電極31B,31G,31Rの材料と膜厚が同一である。したがって、比較例の有機EL装置300に比べて画素電極31の端部における発光機能層32の膜厚変動が抑えられ、サブ画素18の周辺における色ずれがより目立ち難い。
また、比較例の有機EL装置300に比べて、発光機能層32に接する対向電極33の表面が平坦になり、異なる色のサブ画素間における不要な光漏れが生じ難いので、優れた表示品質を実現できる。
(3)高次の光共振を利用することにより、比較例の有機EL装置300のように画素電極31B,31G,31Rの膜厚を異ならせて光学的距離Dを調整する必要がないので、高い生産性を有する有機EL装置100を提供できる。
(第2実施形態)
<電子機器>
次に、本実施形態の電子機器について図11を参照して説明する。図11は電子機器としてのヘッドマウントディスプレイを示す斜視図である。
図11に示すように、本実施形態の電子機器としてのヘッドマウントディスプレイ1000は、左右の目に対応して設けられた2つの表示部1001を有している。観察者Mはヘッドマイントディスプレイ1000を眼鏡のように頭部に装着することにより、表示部1001に表示された文字や画像などを見ることができる。例えば、左右の表示部1001に視差を考慮した画像を表示すれば、立体的な映像を見て楽しむこともできる。
表示部1001には、上述した有機EL装置100が搭載されている。したがって、色ずれが少なく、表示品位に優れたヘッドマウントディスプレイ1000とすることができる。
ヘッドマウントディスプレイ1000は、2つの表示部1001を有することに限定されず、左右のいずれかに対応させた1つの表示部1001を備える構成としてもよい。
なお、上記有機EL装置100が搭載された電子機器は、ヘッドマウントディスプレイ1000に限定されない。例えば、ヘッドアップディスプレイ、パーソナルコンピューターや携帯型情報端末、ナビゲーター、ビューワーなどの表示部を有する電子機器が挙げられる。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う発光装置及び該発光装置を適用する電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記第1実施形態の有機EL装置100では、サブ画素18B,18G,18Rにおいて画素電極31B,31G,31Rの外縁を覆うように絶縁層27を形成したが、これに限定されない。本発明を適用することによって、最も効果的に色ずれを低減できたサブ画素18Bの画素電極31Bの外縁を絶縁層27で覆い、他の画素電極31G,31Rの外縁を絶縁層27で必ずしも覆わなくてもよい。つまり、絶縁層27は、画素電極31B,31G,31Rのうち少なくとも1つの画素電極31の外縁を覆うことで、本発明の作用・効果が得られる。
(変形例2)上記第1実施形態の有機EL装置100において、実表示領域E1に設けられる発光画素は、青(B)、緑(G)、赤(R)の発光に対応したサブ画素18B,18G,18Rに限定されない。例えば、上記3色以外の黄(Y)を発光するサブ画素18Yを備えてもよい。これにより、色再現性をさらに高めることが可能となる。
(変形例3)本発明を適用可能な発光装置は、上記有機EL装置100のように、発光機能層32における発光が白色であり、カラーフィルター層35を備える構成に限定されない。例えば、サブ画素18B,18G,18Rにおいて、青(B)、緑(G)、赤(R)の発光がそれぞれ独立して得られるように、発光機能層32の構成を異ならせても、本発明を適用することによって、色ずれを低減することができる。また、カラーフィルター層35を設けることで色純度をさらに改善できるが、変形例3ではカラーフィルター層35を設けなくてもカラー表示は可能である。
(変形例4)上記第1実施形態の光共振器構造を適用可能な発光装置は、トップエミッション型の有機EL装置100に限定されない。例えば、対向電極33を反射層とし、画素電極31と基材11との間に半透過反射層を設け、発光機能層32からの発光を基材11側から取り出すボトムエミッション型の有機EL装置にも適用することができる。
10…素子基板、11…基材、18,18B,18G,18R…発光画素としてのサブ画素、25…反射層、26…透明層、27…絶縁層、31,31B,31G,31R…画素電極、32…発光機能層、33…半透過反射層としての対向電極、34…封止層、35…カラーフィルター層、35B,35G,35R…着色層、100…発光装置としての有機EL装置、1000…電子機器としてのヘッドマウントディスプレイ。

Claims (7)

  1. 反射層と、
    半透過反射層と、
    前記反射層と前記半透過反射層との間に設けられた発光機能層と、
    前記発光機能層と前記反射層との間に設けられた画素電極と、
    前記反射層と前記画素電極との間に設けられた透明層と、
    前記画素電極の外縁の少なくとも一部を覆う絶縁層と、を備え、
    前記反射層と前記半透過反射層との間の光学的距離Dが下記式を満たして光共振器が構成され、
    前記絶縁層の膜厚が5nm以上50nm以下であることを特徴とする発光装置。
    D=[(2πm+φL+φU)/4π]λ
    φL:反射層での反射における位相シフト
    φU:半透過反射層での反射における位相シフト
    λ:光共振のピーク波長
    mは4以上の整数
  2. 光共振のピーク波長λが、赤の波長範囲に含まれる前記光共振器を有するR画素と、
    光共振のピーク波長λが、緑の波長範囲に含まれる前記光共振器を有するG画素と、
    光共振のピーク波長λが、青の波長範囲に含まれる前記光共振器を有するB画素とを備え、
    前記R画素、前記G画素、前記B画素において、前記透明層の膜厚が同一であり、且つ前記画素電極の膜厚が同一であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記R画素、前記G画素、前記B画素は、それぞれの色に対応したカラーフィルターを備え、
    前記絶縁層は前記R画素、前記G画素、前記B画素のうち前記B画素の前記画素電極の外縁の少なくとも一部を覆うことを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記絶縁層は、シリコンの酸化膜またはシリコンの窒化膜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光装置。
  5. 前記画素電極が透明導電膜であって、膜厚が5nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発光装置。
  6. 前記光学的距離Dが1400nm以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発光装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発光装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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