以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
[電子ペンシステムのシステム構成]
図1は、本実施形態における電子ペンシステム10のシステム構成図である。図1に示すように、電子ペンシステム10は、複数の記入者(受講者)それぞれに配布される解答用紙(記入用紙)5A、5B、…(5)と、解答用紙5に解答(筆跡)を記入し、記入した情報を外部へBluetooth(登録商標)等の無線通信方式で送信するための電子ペン1A、1B、…(1)と、各電子ペン1から送信される記入情報を受信してディスプレイ(表示手段)に記入内容等を表示する集約装置(端末装置)2とを備える。
なお、図1では、集約装置2は、電子ペン1A、1Bから直接、記入情報を受信しているが、記入される解答用紙5が多いために記入情報が送信される電子ペン1の本数が多い場合や、記入者が解答する会場が離れている等により無線通信の範囲外となるような場合は、他の電子ペン1C、1D、…から送信される記入情報を中継して集約装置2へ転送するための転送装置3を設ける。このとき、転送装置3から集約装置2へのデータの送信は、例えばLAN経由でTCP/IPの通信方式で行うとよい。各電子ペン1には、アノトペンを利用することができ、集約装置2や転送装置3には、ラップトップパソコンなどを利用することができる。プロジェクタ4は、集約装置2から表示情報を受信して、集約装置2の画面をスクリーン6へ投影表示する装置である。
[解答用紙]
図2を参照して解答用紙(記入用紙)5について説明する。各解答用紙5には、その略全面に、それぞれ同じパターン(同じ座標範囲を示す)のドットパターン(コード化パターン)が印刷され、その上に、ユーザエリア501、502が規定されている。すなわち、各解答用紙(記入用紙)5のユーザエリア501におけるドットパターンにより示される座標範囲は同じであり、同様に、各解答用紙(記入用紙)5のユーザエリア502におけるドットパターンにより示される座標範囲は同じである(ユーザエリア501、ユーザエリア502それぞれのドットパターンに示される座標範囲は異なり、重なる範囲部分もない)。
ユーザエリア501は、電子ペン1によって記入がなされるエリアである。具体的には、ユーザエリア501には、問題などが印刷されていると共に、解答を記入するための欄や、所属(クラス)や名前を記入するための欄などが設けられている。ユーザエリア502は、ペンIDとユーザIDとの関連付けのために利用されるエリアであり、「登録」といった文字が印刷されている。記入者(受講者)は、後述するペン設定メッセージにて自分の名前が提示された際に(図11参照)、解答用紙5のユーザエリア502に、電子ペン1のペン先部103でタップ(軽叩)する。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷され、記入欄や問題内容等の線や文字は、赤外域に吸収性を持たないインキにより印刷される。
なお、ユーザエリア501は本発明における「第1エリア」の一例であり、以下では、ユーザエリア501のことを「解答欄」と言い換えることもある。また、ユーザエリア502は本発明における「第2エリア」の一例であり、以下では、ユーザエリア502のことを「登録欄」と言い換えることもある。
[ドットパターン]
次に、図3と図4を参照しながら、解答用紙5に印刷されたアノト方式のドットパターン(コード化パターン)について説明する。図3は、解答用紙5に印刷されたドットパターンのドットと、そのドットが変換される値との関係を説明する図である。図3に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組み合わせにより、解答用紙5上の位置座標が決定されるように構成されている。
図4(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図4(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、解答用紙5上のどの部分から6×6ドットを取っても、ユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンが解答用紙5上のどの位置にあるのか)を保持している。図4(b)は、図4(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図3に示す規則性に基づいて、対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
[電子ペン]
次に、電子ペン1について図5を用いて説明する。図5は、電子ペン1の構造を示す概略図である。図5に示すように、電子ペン1は、その筐体101の内部に、インクカートリッジ104、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111、及びバッテリー112を備える。
インクカートリッジ104の先端は、ペン先部103となっており、各記入者は、電子ペン1のペン先部103を、解答用紙5にタップしたり、解答用紙5に当接させながらストローク(手書きストローク)を記入したりする。なお、本明細書では、電子ペン1によるタップについても「記入」といった表現を用いるものとする。インクカートリッジ104のインクは、赤外線を吸収する材料(例えばカーボン)を含まないようにする。ここで、電子ペン1のペン先部103が解答用紙5に接触することを「ペンダウン」と呼び、接触している(当接している)状態からペン先部103が離れることを「ペンアップ」と呼ぶ。電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に記入される軌跡が1つのストロークとなり、文字や図形等は、1つ又は複数個のストロークからなる。インクカートリッジ104のインクは、赤外線を吸収する材料を含まないので、プロセッサ103によるドットパターンの読取りを阻害しない。
バッテリー112は電子ペン1内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン1のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、記入者が電子ペン1により解答用紙5に文字やマークを書いたり、解答用紙5にタップしたりする際にペン先部103からインクカートリッジ104を通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値をプロセッサ108へ伝送する。
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいて、LED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切り替える。即ち、記入者が電子ペン1により解答用紙5にストロークを記入したりタップしたりすると、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ108は、記入者が記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンダウン情報PDと、後述するペンIDとを関連付けて、記入情報として集約装置2へ送信する。また、記入者が1つのストロークを記入し終えて電子ペン1を解答用紙5から離すと、圧力センサ107は、所定値以上の筆圧が検出されなくなることでペンアップを検出する。すると、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンアップ情報とペンIDとを関連付けて、記入情報として集約装置2へ送信する。
LED105とCMOSカメラ106は、電子ペン1のペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、解答用紙5上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部103が解答用紙5に接触する位置とはわずかにずれている。CMOSカメラ106には、赤外線を透過し赤外線以外を遮断する赤外線透過フィルタが設けられており、CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が比較的少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が比較的多い。CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。したがって、解答用紙5に記入欄などが印刷されていた場合でも、印刷したインクは赤外域に吸収性を持たないため、プロセッサ108は、ドットパターンを認識することができる。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、図4(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。また、CMOSカメラ106は、ドットを鮮明に撮影するため、十分な被写界深度を有している。
プロセッサ108は、記入者による記入が行われる間、CMOSカメラ106によって供給される画像データのドットパターンから、記入者が記入するストローク(筆跡)の解答用紙5上におけるX、Y座標(以後、単に「位置座標」や「座標データ」や「座標情報」と呼ぶ。)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図4(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図4(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX、Y座標データを演算する。なお、プロセッサ108は、ドットパターンに対向する電子ペン1の角度に起因するドットの画像上の配列を補正する回転補正処理機能を備えており、座標演算に利用されている。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX、Y座標データを関連付ける。以後、これらの関連付けたデータを、まとめて「座標属性情報」と呼ぶ。なお、解答用紙5における6×6のドットパターンは、解答用紙5内で重複することはないため、記入者が電子ペン1で文字等を記入すると、記入された位置が解答用紙5上のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により特定することができる。
メモリ109には、各電子ペン1A〜1Dを識別するためのそれぞれのペンID「pen01」〜「pen04」、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、ペンIDと、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、X、Y座標データとを関連付けて、記入情報として集約装置2へ送信する。通信ユニット111による集約装置2への送信は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって、即時的かつ逐次的に行われる。ここで、電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に生成されて集約装置2に送信された1個又は複数個の座標属性情報は、集約装置2によりストローク情報として記憶される。換言すると、1つのストロークは、1個又は複数個のX、Y座標(座標点)からなり、集約装置2は、ペンダウン情報及びペンアップ情報によって、1つのストロークを構成する1個又は複数個の座標属性情報を認識する。
このように、各電子ペン1A〜1Dは、記入者が解答用紙5に記入する都度、記入情報を生成して、集約装置2へ送信する。言い換えると、各電子ペン1A〜1Dは、記入者が解答用紙5に記入し続けている間、記入情報を生成し、集約装置2へ送信し続ける。そして、記入者が電子ペン1を解答用紙5から離す(ペンアップする)と、当該電子ペン1は、圧力センサ107で所定値以上の筆圧が検出されなくなったことにより、記入者が記入を停止したと判定する。そして、この場合、ペンアップされた電子ペン1は、LED105とCMOSカメラ106を停止して、集約装置2への記入情報の送信を中止する。
[転送装置]
図6を参照して転送装置3について説明する。図6に、転送装置3の機能ブロック図と集約装置2の機能ブロック図とを含む電子ペンシステム10のシステム構成図を示す。
図6に示すように、転送装置3は、転送受信手段31と転送送信手段32とを備える。転送受信手段31は、電子ペン1からBluetooth(登録商標)の無線通信方式で送信される記入情報等のデータを受信する手段である。転送送信手段32は、転送受信手段31によって受信した記入情報等のデータを集約装置2に送信する手段である。転送送信手段32による集約装置2へのデータの送信は、例えばLAN経由でTCP/IPの通信方式により行うと良い。
[集約装置]
続いて、集約装置2について説明する。図6に示すように、集約装置2は、入力手段21、集約個別受信手段(受信手段)22、集約転送受信手段(受信手段)23、集約処理手段(処理手段)24、記憶手段25、表示手段26、及び送信手段27を備える。集約装置2は、ハードウェアとして、電子ペン1やプロジェクタ4とのデータ通信が可能な通信装置と、CPU等のプロセッサと、ROMやRAM、ハードディスクなどのメモリと、ディスプレイと、マウスやキーボード等で構成されているパーソナルコンピュータ等である。また、集約装置2は、集約処理手段24による描画アプリケーション(プログラム)の実行により、電子ペン1から受信した記入情報を処理して、表示手段26に記入内容を再現する。
集約個別受信手段22は、電子ペン1から送信された記入情報等のデータを受信する手段である。集約転送受信手段23は、転送装置3から転送された記入情報等のデータを受信する手段である。集約個別受信手段22及び集約転送受信手段23は、アンテナや受信回路等により構成される。
入力手段21は、処理や表示の種別を含む処理態様を指示する手段であり、キーボードやマウスなどにより構成される。送信手段27は、表示手段26に表示される内容と同じ内容をプロジェクタ4に表示させるため、表示手段26への表示信号を同期してプロジェクタ4へ送信する手段である。
記憶手段25は、ROMやRAM、ハードディスクなどのメモリによって構成され、解答用紙5における各ユーザエリアと位置座標とを関連付けて記憶する。すなわち、図7(a)に示すように、記憶手段25は、ユーザエリア501、502ごとに、エリア種別と位置座標の範囲とを関連付けたユーザエリア定義情報を記憶している。ユーザエリアの範囲は、「(xn、yn)、Hn、Wn」といった具合に、解答用紙5における座標(xn、yn)から高さ(Y)方向Hn、横(X)方向Wnの範囲で規定される。具体的には、ユーザエリア501は、その範囲が「(x1、y1)、H1、W1」であって、そのエリア種別は「解答欄」として記憶されており、ユーザエリア502は、その範囲が「(x2、y2)、H2、W2」であって、そのエリア種別は「登録欄」として記憶されている。
また、記憶手段25は、図7(b)に示すように、ユーザIDとユーザ名とをユーザ定義情報として関連付けて記憶する。例えば、記憶手段25は、ユーザID「U01」とユーザ名「太郎」とを関連付けて記憶する。
また、記憶手段25は、各電子ペン1によって送信されてきた記入情報に基づいて後述する集約処理手段24が当該電子ペン1のペンIDに記入者IDを関連付けると、そのペンIDと記入者IDとの対応付け情報を、図8に示すようなペン設定情報として記憶する。さらに、記憶手段25は、各電子ペン1から受信された記入情報ごとに、集約処理手段24が記入者IDを対応付けると、その記入情報を、記入者IDごとに識別して記憶する。なお、図8の各図について後述する。
記憶手段25には、集約処理手段24による描画アプリケーション(プログラム)の実行により、ファイル形式で学習データが保存される。図9は、データのファイル形式の概略的な構造を示している。図9に示すように、学習データは、ファイル属性情報と、記入者ID別の個人学習データとを有する。ファイル属性情報には、作成日時情報が含まれている。また、個人学習データには、記入者IDと、電子ペン1から送信された記入情報の位置座標情報等を含むユーザストローク情報と、解答内容等に応じてカテゴライズのために利用者によって設定されるユーザ色(分類)情報やキーワード情報等が含まれている。ユーザストローク情報は、電子ペン1が演算した位置座標(XY座標)情報、記入された時の時刻情報、及び筆圧情報が含まれる。ファイルデータを読み込む際には、入力手段21によって、記入者ID、ユーザ色情報、キーワード情報などを入力して、集約処理手段24によって特定のデータを検索させ、ユーザストローク情報を表示手段26に再現させることができる。
集約処理手段24は、電子ペン1からのデータを集約して処理する手段であり、アプリケーションプログラムの実行により機能を発揮するCPU等のプロセッサによって構成されている。この集約処理手段24は、ペンIDと関連付けるべきユーザIDを特定し、その特定後に、電子ペン1による解答用紙5のユーザエリア502への記入により生成された記入情報を受信すると、当該記入情報に含まれるペンIDと、特定したユーザIDとを関連付ける。具体的には、まず、集約処理手段24は、描画アプリケーションによる画面上に、ペンIDとユーザIDとを関連付けるためのペン設定ボタンを表示させ、ペン設定ボタンが選択されると、ペンIDと関連付ける対象となっている複数のユーザIDのそれぞれに対応するユーザ名が示されたペン設定対象ユーザリストを表示させる(図10参照)。次に、集約処理手段24は、ペン設定対象ユーザリストに示された複数のユーザ名から一のユーザ名が選択された際に、そのユーザ名に対応するユーザIDを特定すると共に、描画アプリケーションによる画面上に、当該ユーザIDに関連付ける電子ペン1によって解答用紙5のユーザエリア502(登録欄)にタップすることを促すメッセージ(以下では適宜「ペン設定メッセージ」と呼ぶ)を表示させる(図11参照)。
次に、集約処理手段24は、電子ペン1から位置座標及びペンID等を含む記入情報を受信すると、記憶手段25の図7(a)に示すユーザエリア定義情報でユーザエリアと位置座標の範囲との関係を参照して、解答用紙5上のユーザエリア502(登録欄)に電子ペン1でタップされた記入情報であることを特定すると、その記入情報に含まれるペンIDと、上記のように特定したユーザIDとを関連付け、図8に示すペン設定情報として記憶手段25に記憶させる。この場合、集約処理手段24は、ペン設定メッセージの表示後(ユーザIDの特定後としても良い)に所定時間以内に受信された記入情報に含まれるペンIDのみを、ユーザIDとの関連付けに用いる。このような関連付けが終了すると、集約処理手段24は、ペンIDとユーザIDとの関連付けが終了したことを示すメッセージ(以下では適宜「関連付け終了メッセージ」と呼ぶ)を表示させる(図12参照)。
なお、ペン設定対象ユーザリストには「全ユーザ」といった選択肢も用意され、「全ユーザ」が選択された場合には、集約処理手段24は、上記したようなペンIDとユーザIDとの関連付けの処理を、ペンIDと関連付ける対象となっている複数のユーザIDの各々について順に行っていくことで、複数のユーザIDの全てについてペンIDとの関連付けを行う。
集約処理手段24は、上記のようにペンIDとユーザIDとを関連付けた後に、電子ペン1から位置座標及びペンID等を含む記入情報を受信すると、記憶手段25の図7(a)に示すユーザエリア定義情報でユーザエリアと位置座標の範囲の関係を参照して、解答用紙5上のユーザエリア501(解答欄)に電子ペン1でタップないし記入された記入情報であることを特定すると、記憶手段25に記憶されたペン設定情報を参照して、その記入情報に含まれるペンIDに関連付けられた記入者IDを特定して、解答用紙5のユーザエリア501についてのストローク情報に関連付けて、記憶手段25における記入者ID別のユーザストローク情報格納領域に記憶させる。したがって、解答用紙5のユーザエリア501についての位置座標には、ペンIDを介して記入者IDが集約装置2に設定されるため、同じ電子ペン1を複数の記入者が利用する場合(図8(b)参照)であっても、異なる電子ペン1を同じ記入者が利用する場合(図8(c)参照)であっても、電子ペン1を利用して記入した記入者と記入内容とを関連付けて記憶手段25に記憶し、認識することができる。
なお、集約処理手段24は、解答用紙5のユーザエリア501についての記入情報を受信した場合において、当該記入情報に含まれるペンIDがユーザIDと関連付けられていない場合、記入者IDとして当該ペンIDを関連付けて記憶手段25に記憶させるとともに、解答用紙5のユーザエリア501についてのストローク情報に、記入者IDとして当該ペンIDを関連付けて記憶手段25におけるユーザストローク情報格納領域に記憶させる。そして、後で、ユーザIDを特定してペンIDと関連付けした際に、集約処理手段24は、記憶手段25の学習データファイルを参照して、その関連付けの前に受信された、記入者IDとして同じペンIDに関連付けられた解答用紙5のユーザエリア501についてのストローク情報を、特定したユーザIDを記入者IDとして新しく関連付けて、記憶手段25におけるユーザストローク情報格納領域に記憶させる。したがって、仮に、ペンIDとユーザIDとを関連付ける前に解答用紙5のユーザエリア501に記入を始めたとしても、後で、ペンIDとユーザIDとを関連付ければ、集約装置2では、処理手段24によって、特定したユーザIDをユーザエリア501についての位置座標に関連付けて遡及的に記憶手段25に記憶させることができ、それ以降にユーザエリア501に記入されたことにより集約装置2で取得する位置座標についても、同じ記入者IDを関連付けて記憶手段25に記憶させることができる。
また、集約処理手段24は、解答用紙5のユーザエリア501についてのストローク情報を含む学習データに基づいて、表示手段26に記入内容を表示させるとともに、記入者IDとして関連付けられているユーザIDに対応するユーザ名を表示させる。表示手段26に電子ペン1による記入内容と、ユーザIDに対応するユーザ名とが表示されるため、集約装置2の操作物は、記入者とその者による記入内容とを合わせて認識することができる。また、集約処理手段24は、表示手段26と同じ内容を同期させて、プロジェクタ4に表示させるため、表示手段26に対する表示信号と同じ信号を送信手段27に対してプロジェクタ4へ向けて送信させる。
以下では、集約処理手段24の特定の機能について、詳細に説明する。
[描画アプリケーションによる画面表示]
次に、図10乃至図13を参照して、表示手段26の表示画面に表示された描画アプリケーションに基づくウィンドウ(「描画アプリケーションウィンドウ」とも呼ぶ。)の具体的について説明する。ここでは、主に、ペンIDとユーザIDとの関連付けが行われる際に表示される画面例を示す。
図10は、描画アプリケーションウィンドウにおいて、ペン設定ボタン201が選択された際に表示されるペン設定対象ユーザリスト202を示している。まず、ペン設定ボタン201及びペン設定対象ユーザリスト202を説明する前に、描画アプリケーションウィンドウにおける基本的な構成について説明する。
電子ペン1で解答用紙5のユーザエリア501に記入された際に生成された記入情報に基づいて、集約装置2で記憶手段25に個別学習データとして記憶したユーザストローク情報は、集約処理手段24によって、表示手段26のユーザストローク情報表示領域50に描画される。描画するユーザストローク情報が、拡大表示などでユーザストローク情報表示領域50よりも大きい場合、集約処理手段24は、横スクロールバー51及び縦スクロールバー52を有効とし、ユーザストローク情報全体を表示できるようにする。
なお、図10では、説明の便宜上、ユーザストローク情報表示領域50に、ストローク情報が描画されていない、解答用紙5の画像のみが表示された画面を例示している。また、この解答用紙5の画像では登録欄(ユーザエリア502)が表示されていないが、登録欄(ユーザエリア502)を表示しても構わない。この段落で述べた内容は、図11乃至13にも同様に当てはまる。
また、集約処理手段24は、画面上部に、機能ボタンとして、選択ユーザ表示ボタン53、比較一覧表示ボタン54、再生表示ボタン56、選択画像出力ボタン57、表示サイズ変更リスト58、縮小表示ボタン59、拡大表示ボタン61、ページ送り機能62、63、回転表示ボタン64、66、ユーザコントロール表示ボタン67、ペン設定ボタン201などを表示し、入力手段21のマウスによる機能ボタンの選択により、それぞれの処理を実行する。
選択ユーザ表示ボタン53は、後述するユーザ選択リスト69から選択した1つのユーザ名に対応するユーザストローク情報を表示するためのボタンである。比較一覧表示ボタン54は、複数のユーザ名に対応するユーザストローク情報を同時に並べて一覧表示するめのボタンである。再生表示ボタン56は、ユーザストローク情報を1ストロークずつ再生表示するためのボタンである。選択画像出力ボタン57は、任意選択範囲がある場合にその範囲内のユーザストローク情報を、画像データとして出力するためのボタンである。この機能を設けることで、各受講生の記入情報から、参考となる模範解答集などを容易に作成できるようになる。
表示サイズ変更リスト58は、現在、ユーザストローク情報表示領域50に描画するユーザストローク情報の表示サイズを示すリストである。また、ユーザがマウスを用いてプルダウンメニューの中から表示サイズを任意に選択し、変更できる。縮小表示ボタン59は、ユーザストローク情報表示領域50に描画するユーザストローク情報の表示サイズを縮小する機能である。拡大表示ボタン61は、ユーザストローク情報表示領域50に描画するユーザストローク情報の表示サイズを拡大する機能である。ページ送り機能62、63は、異なるページアドレス(用紙ドットパターン)の解答用紙5を表示するためのボタンである。回転表示ボタン64、66は、ユーザストローク情報表示領域50に描画するユーザストローク情報を90度ずつ回転させるためのボタンである。このような機能を設けることで、表示上の用紙向きを簡単に変更できる。ユーザコントロール表示ボタン67は、ユーザコントロールリスト68の表示・非表示を切り替える機能である。非表示にすることで、ユーザストローク情報表示領域50を拡大できる。
また、ファイルデータの保存やアプリケーションの設定などは、一般的なアプリケーションと同様に、機能メニューとして用意しておくと良い。ファイルメニュー84のプルダウンメニューとして、ファイルデータの読み込み・保存を実行するメニューや、画像形式で保存するメニューや、アプリケーションの終了を実行するメニューなど、アプリケーションの全般的な管理に関する実行機能を一覧で用意しておくと便利である。
また、ファイルデータの保存に関するファイル形式を、ユーザ別のユーザストローク情報と設定情報を関連付けた構造としているので、ファイルデータを読み込む際、ユーザID(記入者ID)、ユーザ色情報、キーワード情報などから特定のデータを検索し、検索されたユーザストローク情報をユーザストローク情報表示領域50に表示することができる。
表示メニュー91のプルダウンメニューとして、ウィンドウ枠を隠しアプリケーションの表示領域を最大限拡大する全画面表示メニューなど、アプリケーションの表示に関する実行機能を一覧で用意しておくと便利である。また、ツールメニュー92のプルダウンメニューとして、電子ペン1の接続経由状況(例えば転送装置3のIPアドレスなど)を表示するペン管理メニューや、ユーザストローク情報を表示する背景となる解答用紙5の画像を設定する用紙管理メニューや、アプリケーションの情報を表示するメニューなど、アプリケーションの設定に関する実行機能を一覧で用意しておくと便利である。これらのボタンやメニューが選択されると、集約処理手段24により各機能が実行される。
ここで、集約装置2の操作者がペン設定ボタン201を選択すると、集約処理手段24は、ペン設定対象ユーザリスト202を表示させる。ペン設定対象ユーザリスト202には、ペンIDと関連付ける対象となっている複数のユーザIDに対応するユーザ名(太郎、次郎、・・・)が示されており、ペンIDと関連付けるユーザ名を選択できるようになっている。ペン設定対象ユーザリスト202に示されたユーザ名は、ユーザ定義情報として記憶手段25に記憶されたユーザ名に相当する(図7(b)参照)。また、ペン設定対象ユーザリスト202には、複数のユーザIDの全てをペンIDと関連付けるための「全ユーザ」といった選択肢も表示される。
操作者が入力手段21のマウスによって、ペン設定対象ユーザリスト202から所望のユーザ名を選択すると、集約処理手段24は、選択されたユーザ名に対応するユーザIDを特定する。他方で、操作者が入力手段21のマウスによって、ペン設定対象ユーザリスト202から「全ユーザ」を選択すると、集約処理手段24は、複数のユーザIDの中から任意のユーザIDを特定する。なお、「全ユーザ」が選択された場合には、集約処理手段24は、特定したユーザIDについてペンIDとの関連付けが終了すると、それまでにペンIDとの関連付けを行っていないユーザIDを複数のユーザIDの中から特定し、その特定したユーザIDについてペンIDとの関連付けを行う、といった処理を繰り返す。こうすることで、集約処理手段24は、複数のユーザIDの全てについてペンIDとの関連付けを行う。
図11は、描画アプリケーションウィンドウにおいて、ペン設定対象ユーザリスト202にてユーザ名が選択された後(つまり当該ユーザ名に対応するユーザIDが特定された後)に表示されるメッセージボックス203を示している。ここでは、ユーザ名として「太郎」が選択された場合(つまりユーザID「U01」が特定された場合)を例に挙げる。この場合、集約処理手段24は、「太郎」のユーザIDである「U01」に関連付ける電子ペン1によって解答用紙5の登録欄(ユーザエリア502)にタップすることを促すべく、「太郎(U01)と関連付けるペンを登録欄にタップしてください」といったペン設定メッセージが示されたメッセージボックス203を表示させる。この後、集約処理手段24は、電子ペン1から解答用紙5のユーザエリア502についての記入情報を受信すると、その記入情報に含まれるペンIDと、ユーザID「U01」とを関連付ける。
図12は、描画アプリケーションウィンドウにおいて、ペンIDとユーザIDとの関連付けが終了した際に表示されるメッセージボックス204を示している。ここでは、ユーザ名「太郎」のユーザID「U01」に対して、ペンID「pen01」が関連付けられた場合を例に挙げる。この場合、集約処理手段24は、「ペン1A(pen01)と太郎(U01)の関連付けが終了しました。」といった関連付け終了メッセージが示されたメッセージボックス204を表示させる。
図13は、複数のユーザIDの全てについてペンIDとの関連付けが完了した後に表示される描画アプリケーションウィンドウの一例を示している。
図13に示すように、集約処理手段24は、ユーザコントロールリスト68内にユーザ選択リスト69を表示させる。ユーザ選択リスト69は、ユーザストローク情報表示領域50に表示するユーザストローク情報を、ユーザ名で選択するためのリストである。集約処理手段24は、電子ペン1から取得して個別学習データとして記憶手段25に記憶したユーザストローク情報ごとに関連付けられている記入者ID(ユーザID)に対応するユーザ名や、色分類ボタン71〜76によって選択されたユーザ色(分類)情報、キーワード等の各ユーザの情報を、ユーザ選択リスト69に表示する。ユーザ選択リスト69のユーザ名の欄には、集約処理手段24により、記憶手段25に記憶した個別学習データの記入者IDに対応するユーザ名が表示される。すなわち、上記したようなペンIDとユーザIDとの関連付けにより、記入者IDとして設定されたユーザIDに対応するユーザ名を表示させることとなる(なお、記入者IDとしてペンIDが設定されている場合にはペンIDが表示されることとなる)。
操作者が入力手段21のマウスによって、ユーザ選択リスト69から所望のユーザを選択したうえで選択ユーザ表示ボタン53をクリックすると、集約処理手段24は、選択されたユーザのストローク情報を解答用紙5の画像とともに、ユーザストローク情報表示領域50に表示させる。図13では、ユーザ選択リスト69のうちユーザ名「三郎」が選択され、ユーザストローク情報表示領域50には、ユーザ名「三郎」のユーザID「U03」と関連付けられたペンIDを有する電子ペン1で記入された記入内容が、解答用紙5の画像とともに表示されている。また、ユーザ選択リスト69のキーワードの欄に、入力手段21のキーボードを用いて直接文字を入力することができ、集約処理手段24は、入力された文字を個人学習データファイルのキーワード情報として記憶手段25における記入者ID別の格納領域に記憶させる(参照図9)。
ユーザコントロールリスト68には、ユーザ選択リスト69以外にも、色分類ボタン71〜76、名簿順ソートボタン78、色順ソートボタン79、分類グラフ表示ボタン81、リロードボタン82などが表示される。
色分類ボタン71〜76は、ユーザ選択リスト69に表示されているユーザごとにユーザ色(分類)情報を設定するためのボタンである。ボタン71は赤色に、ボタン72は青色に、ボタン73は黄色に、ボタン74は緑色に、ボタン75は茶色に、ボタン76は白色に設定するためのボタンである。集約装置2の操作者は、入力手段21のマウスによって、ユーザ選択リスト69内の特定のユーザ名を選択し、色分類ボタン71〜76のうち所望のボタンを選択すると、集約処理手段24は、ユーザ選択リスト69内の選択されたユーザ名の色分類を表示する欄を指定された色で表示する。この機能により、操作者である講師が、ユーザストローク情報表示領域50に表示される記入者(受講者)の解答内容を見て、その考え方などをカテゴリー分けして色をつけ、見易くすることができる。なお、ユーザ色(分類)情報は、未設定時は、白色に設定しておくとよい。
名簿順ソートボタン78は、ユーザ選択リスト69に表示されているユーザ一覧を、ユーザID順(名簿順)に並べ替えるためのボタンである。色順ソートボタン79は、ユーザ選択リスト69に表示されているユーザ一覧を、色分類ボタン71〜76の操作によって付された色情報が同じユーザ同士を連続して配列されるように、ユーザ色情報順に並べ替えるためのボタンである。分類グラフ表示ボタン81は、色分類ボタン71〜76の操作によって付されたユーザ色情報別のユーザ数を、ユーザストローク情報表示領域50に棒グラフ等で表示するためのボタンである。
リロードボタン82は、ユーザ選択リスト69において選択されているユーザのユーザストローク情報を、学習データファイル保存時の状態まで戻すためのボタンである。この機能により、操作者である講師が、リロードボタン82をマウスで選択すると、集約処理手段24は、選択されているユーザに関連付けられている記入者IDに基づいて、前回のファイル保存以降に電子ペン1より受信して記憶手段25の記入者ID別の格納領域に記憶したユーザストローク情報をクリアして、前回ファイル保存した時点までのユーザストローク情報を読み出し、ユーザストローク情報表示領域50に表示する。この機能により、個々のユーザが解答をやり直したい場合などに対応できる。
[処理フロー]
次に、図14乃至図16を参照して、本実施形態において行われる処理フローについて説明する。
図14は、各電子ペン1によって送信される記入情報への記入者IDの設定機能を示す処理フローである。この処理フローは、ペン設定対象ユーザリスト202にてユーザ名が選択された場合(つまり「全ユーザ」が選択されなかった場合)に行われるものである。
まず、集約装置2では、集約処理手段24は、ペン設定ボタン201の押下を検知したか否かを判定する(ステップS201)。集約処理手段24は、ペン設定ボタン201の押下を検知した場合(ステップS201:Yes)、ペン設定対象ユーザリスト202を表示させる(ステップS202)(参照図10)。そして、集約処理手段24は、ペン設定対象ユーザリスト202にて選択されたユーザ名に対応するユーザIDを、ペンIDと関連付けるべきユーザIDとして特定し(ステップS203)、メッセージボックス203にて、特定したユーザIDと関連付ける電子ペン1によって解答用紙5の登録欄(ユーザエリア502にタップすることを促すペン設定メッセージを表示させる(ステップS204)(参照図11)。
次に、ペン設定メッセージに応じて、特定したユーザIDに対応するユーザ名の記入者が電子ペン1で解答用紙5に記入すると、電子ペン1は、ペン先部103付近のドットパターンを読み取って演算した位置情報等によって構成されるストローク情報とペンIDを含む記入情報を、集約装置2へ送信する(ステップS101)。集約装置2では、受信手段22、23によって電子ペン1からの記入情報を受信して、集約処理手段24に処理させる。この場合、集約処理手段24は、ストローク情報やペンIDを含む記入情報を記憶手段25に記憶させる(ステップS205)。
次に、集約処理手段24は、記入情報に含まれる位置座標から、電子ペン1によって登録欄に記入されたか否かを判定する(ステップS206)。具体的には、集約処理手段24は、記憶手段25のユーザエリア定義情報(参照図7(a))でユーザエリアと位置座標の範囲との関係を参照して、電子ペン1によって解答用紙5上の登録欄(ユーザエリア502)に記入されたか否かを判定する。
登録欄に記入されたものと判断した場合(ステップS206:Yes)、集約処理手段24は、当該記入情報が、ステップS204でペン設定メッセージを表示させてから所定時間以内に受信されたものであるか否かを判定する(ステップS207)。集約処理手段24は、所定時間以内に記入情報が受信されたと判断した場合(ステップS207:Yes)、後述するペンIDとユーザIDの関連付け処理を行い(ステップS208)、ペン設定ボタン201のペン設定機能をOFFさせて処理を終了する。これに対して、集約処理手段24は、所定時間以内に記入情報が受信されなかったと判断した場合には(ステップS207:No)、ペンIDとユーザIDの関連付け処理を行わずに、ペン設定ボタン201のペン設定機能をOFFさせて処理を終了する。こうするのは、ペン設定メッセージを表示してからある程度長い時間が経ってから記入情報が受信された場合には、その記入情報に対応する、電子ペン1による解答用紙5への記入は、ペンIDとユーザIDとを関連付けるために行われたものでない可能性が高いからである。なお、記入情報がそもそも受信されなかった場合にペンIDとユーザIDの関連付け処理を行わないことは言うまでも無い。
一方で、登録欄に記入されていないと判断した場合(ステップS206:No)、集約処理手段24は、上記したようなペンIDとユーザIDとを関連付けるための処理を行わず、ペン設定ボタン201のペン設定機能をOFFにする。この場合には、登録欄(ユーザエリア502)ではなく解答欄(ユーザエリア501)に、電子ペン1によって記入されたからである。具体的には、集約処理手段24は、登録欄に記入されていないと判断した場合(ステップS206:No)、まず、記憶手段25のペン設定情報を参照して、記入情報に含まれる電子ペン1のペンIDについて記入者IDが設定されているか否か判定する(ステップS210)。集約処理手段24は、電子ペン1のペンIDについて記入者IDが設定されていないと判断した場合(ステップS210:No)、電子ペン1のペンIDを記入者IDとして設定して記憶手段25に記憶させ(ステップS211)、電子ペン1のペンIDについて記入者IDが設定されていると判断した場合(ステップS210:Yes)、電子ペン1のペンIDに既に設定されている記入者IDを維持することとし、電子ペン1のペンIDによって当該記入者IDを変更しない。この後、集約処理手段24は、ステップS205で記憶したストローク情報に基づいて、ストロークを描画する(ステップS212)。この場合、集約処理手段24は、ステップS205で記憶したペンIDにユーザIDが既に関連付けられている場合には、そのユーザIDに対応するユーザストローク情報表示領域50にストロークを描画しても良い。
他方で、ペン設定ボタン201の押下を検知しなかった場合(ステップS201:No)、上記したステップS202〜S208の処理を行わない。つまり、ペンIDとユーザIDとを関連付けるための処理を行わない。この場合、集約装置2では、受信手段22、23によって電子ペン1からの記入情報を受信すると、集約処理手段24は、ストローク情報やペンIDを含む記入情報を記憶手段25に記憶させる(ステップS209:参照図9)。そして、集約処理手段24は、記憶手段25のペン設定情報を参照して、記入情報に含まれる電子ペン1のペンIDについて記入者IDが設定されているか否か判定する(ステップS210)。集約処理手段24は、電子ペン1のペンIDについて記入者IDが設定されていないと判断した場合(ステップS210:No)、電子ペン1のペンIDを記入者IDとして設定して記憶手段25に記憶させ(ステップS211)、電子ペン1のペンIDについて記入者IDが設定されていると判断した場合(ステップS210:Yes)、電子ペン1のペンIDに既に設定されている記入者IDを維持することとし、電子ペン1のペンIDによって当該記入者IDを変更しない。この後、集約処理手段24は、ステップS209で記憶したストローク情報に基づいて、ストロークを描画する(ステップS212)。この場合、集約処理手段24は、ステップS209で記憶したペンIDにユーザIDが既に関連付けられている場合には、そのユーザIDに対応するユーザストローク情報表示領域50に、ストロークを描画しても良い。なお、ステップS209において記憶されたストローク情報が、解答用紙5の登録欄(ユーザエリア502)への記入により生成されたものである場合には、ストロークを描画する処理(ステップS212)を行わないことは言うまでも無い。加えて、この場合には、記入者IDとしてペンIDを設定する処理(ステップS211)を行わなくても良い。
図15は、図14のステップS208で行われる、ペンIDとユーザIDの関連付け処理を示すフローである。なお、この処理フローは、後述する図16のステップS508でも行われる。
まず、集約処理手段24は、記憶手段25のペン設定情報(参照図8(a))を参照して、記入情報に含まれる電子ペン1のペンIDに対応して、記入者IDが設定されているか否か判定する(ステップS301)。集約処理手段24は、電子ペン1のペンIDに対応して、記入者IDが設定されていないと判断した場合(ステップS301:No)、その記入者IDとして、図14のステップS203において特定したユーザIDを設定して記憶手段25に記憶させる(ステップS304)。そして、集約処理手段24は、ペンIDとユーザIDとの関連付けが終了したことを示す関連付け終了メッセージを表示させる(ステップS305)(参照図12)。
一方、ステップS301において、集約処理手段24は、電子ペン1のペンIDに対応して、記入者IDが設定されていると判断した場合(ステップS301:Yes)、その記入者IDとして、ペンIDが設定されているか否か判定する(ステップS302)。このとき、集約処理手段24は、記入者IDとしてペンIDは設定されていないと判断した場合(ステップS302:No)、記入者IDとして設定されているIDが、図14のステップS203で特定したユーザIDであるか否か判定し(ステップS303)、ステップS203で特定したユーザIDと異なる場合(ステップS303:Yes)、電子ペン1のペンIDの記入者IDを、ステップS203で特定したユーザIDに変更して更新する(ステップS304)(参照図8(b)、ペンID=pen01)。そして、集約処理手段24は、ペンIDとユーザIDとの関連付けが終了したことを示す関連付け終了メッセージを表示させる(ステップS305)(参照図12)。一方、図14のステップS203で特定したユーザIDと同じ場合(ステップS303:No)、集約処理手段24は、ペンIDとユーザIDとの関連付けが終了したことを示す関連付け終了メッセージを表示させる(ステップS305)(参照図12)。この場合には、電子ペン1のペンIDに既に設定されている記入者IDをそのまま維持する。
一方、ステップS302において、集約処理手段24は、記入者IDとして、ペンIDが設定されていると判断した場合(ステップS302:Yes)、記憶手段25に記憶された学習データファイルを参照して、そのペンIDを記入者IDとして記憶されている個人学習データの記入者IDを、図14のステップS203で特定したユーザIDに遡及的に変更して、記憶手段25に記憶させるとともに(ステップS306)、記憶手段25における電子ペン1に関するペン設定情報の記入者IDを、ペンIDからステップS203で特定したユーザIDに変更して記憶させる(ステップS307)(参照図8(b)、ペンID=pen02)。そして、集約処理手段24は、ペンIDとユーザIDとの関連付けが終了したことを示す関連付け終了メッセージを表示させる(ステップS305)(参照図12)。
図16は、各電子ペン1によって送信される記入情報への記入者IDの設定機能を示す処理フローの他の例である。この処理フローは、ペン設定対象ユーザリスト202にて「全ユーザ」が選択された場合に、図14に示した処理フローの代わりに行われるものである。
集約装置2では、集約処理手段24は、ペン設定ボタン201の押下を検知したか否かを判定する(ステップS501)。集約処理手段24は、ペン設定ボタン201の押下を検知した場合(ステップS501:Yes)、ペン設定対象ユーザリスト202を表示させる(ステップS502)(参照図10)。ここまでは、図14のステップS201、202と同様である。そして、集約処理手段24は、ペン設定対象ユーザリスト202にて、「全ユーザ」が選択されたことを検知すると、処理手段24は、複数のユーザID(U01〜U05)のうち、これまでにペンIDとユーザIDの関連付け処理を行っていないユーザIDであって、ユーザID番号の最も小さいユーザIDを特定し(ステップS503)、メッセージボックス203にて、その特定したユーザIDと関連付ける電子ペン1によって解答用紙5の登録欄にタップすることを促すペン設定メッセージを表示させる(ステップS504)(参照図11)。なお、ここでは、最初にユーザIDが特定されるので、処理手段24は、「U01」のユーザIDを関連付けの対象として特定する。
図16のステップS401、ステップS505〜512は、それぞれ、図14のステップS101、ステップS205〜212と同様であるので、その説明を省略する。続いて、ステップS513以降の処理について説明する。ステップS513の処理は、ペンIDとユーザIDの関連付け処理(ステップS508)の後に行われる。ステップS513において、集約処理手段24は、全ユーザIDに対してペンIDを関連付けたか否かを判定する。全ユーザIDに対してペンIDを関連付けた場合(ステップS513:Yes)、ペン設定ボタン201のペン設定機能をOFFさせて処理を終了させる。これに対して、全ユーザIDに対してペンIDを関連付けていない場合(ステップS513:No)、処理はステップS503に戻る。この場合には、集約処理手段24は、複数のユーザID(U01〜U05)の中からこれまでにペンIDとユーザIDの関連付け処理を行っていないユーザIDであってユーザID番号の最も小さいユーザIDを特定し(ステップS503)、その特定したユーザIDについてペンIDを関連付けるための処理(ステップS504〜S508)の処理を行う。そして、ステップS513の判定を再度行う。集約処理手段24は、このようなステップS503〜S513の処理を繰り返し行うことで、ユーザIDの番号順に、全ユーザIDに対してペンIDを関連付ける。
なお、一のユーザIDに対して一のペンIDを関連付けることに限定はされず、一のユーザIDに対して複数のペンIDを関連付けても良い。つまり、複数のペンIDに対して、同じユーザIDを関連付けても良い。1つの例では、図14のステップS207及び図16のS507において、所定時間以内に記入情報が受信されたと判定された場合において、その所定時間以内に受信された記入情報が複数の電子ペン1によって送信されたものである場合に、複数の電子ペン1によって送信された複数のペンIDと、特定したユーザIDとを関連付けることができる。他の例では、図14のステップS207及び図16のS507において、所定時間以内に記入情報が受信されたか否かを判定する代わりに、所定本数の電子ペン1によって送信された記入情報が受信されたか否かを判定し、所定本数の電子ペン1によって送信された記入情報が受信されたと判定された場合に、その所定本数の電子ペン1によって送信された複数のペンIDと、特定したユーザIDとを関連付けることができる。以上のように、複数のペンIDに対して同じユーザIDを関連付けることで、複数のペンIDに対応する複数の電子ペン1をグループ化することができる。
以下では、上記した処理フローの流れについて、次の(1)(2)(3)の場合を例に挙げて説明する。また、グループ化機能について、(4)の場合を例に挙げて説明する。
(1)ペンIDとユーザIDとの関連付け後に解答用紙5のユーザエリア501(解答欄)に記入する場合
図14、図15及び図17を参照して、集約装置2の操作者がペン設定対象ユーザリスト202にて記入者「太郎」を選択し、その後に、記入者「太郎」が、ペン設定メッセージの表示後に電子ペン1Aで解答用紙5Aのユーザエリア502A(登録欄)をタップした上で、解答用紙5Aのユーザエリア501A(解答欄)に解答を記入する場合について説明する。
集約装置2では、集約処理手段24は、操作者によるペン設定ボタン201の押下を検知すると(ステップS201:Yes)、ペン設定対象ユーザリスト202を表示させる(ステップS202)。そして、操作者がペン設定対象ユーザリスト202にて記入者「太郎」を選択すると、集約処理手段24は、ペン設定対象ユーザリスト202にて選択された「太郎」に対応するユーザID「U01」を特定し(ステップS203)、メッセージボックス203にて、ユーザID「U01」と関連付ける電子ペン1によって解答用紙5のユーザエリア502(登録欄)にタップすることを促すペン設定メッセージを表示させる(ステップS204)。
そして、記入者「太郎」が解答用紙5Aのユーザエリア502Aを電子ペン1Aでタップすると、電子ペン1Aは、タップ時に演算したストローク情報(位置情報等)とペンID「pen01」とを含む記入情報を集約装置2へ送信する(ステップS101)。集約装置2は、集約個別受信手段22によって電子ペン1Aからの記入情報を受信して、集約処理手段24に処理させる。集約処理手段24は、ストローク情報とペンIDとを含む記入情報を記憶手段25に記憶させる(ステップS205)。そして、集約処理手段24は、記入情報に含まれる位置座標から、電子ペン1Aによってユーザエリア502Aに記入されたと判断し(ステップS206:Yes)、更に、当該記入情報が所定時間以内に受信されたと判断し(ステップS207:Yes)、ペンIDとユーザIDの関連付け処理を行う(ステップS208)。
この場合、記憶手段25における電子ペン1Aのペン設定情報に、記入者IDは未だ設定されていないため(ステップS301:No)、集約処理手段24は、電子ペン1Aの記入者IDを、ステップS203で特定したユーザID「U01」に設定して記憶手段25に記憶させる(ステップS304)。そして、集約処理手段24は、電子ペンIAのペンID「pen01」と記入者「太郎」のユーザID「U01」との関連付けが終了したことを示す関連付け終了メッセージを表示させる(ステップS305)。
続いて、記入者「太郎」が解答用紙5Aのユーザエリア501A(解答欄)に電子ペン1Aで解答を記入すると、電子ペン1Aは、解答用紙5Aのユーザエリア501Aについてのストローク情報とペンID「pen01」とを含む記入情報を集約装置2へ送信する。すると、集約装置2では、集約処理手段24は、ストローク情報とペンIDとを含む記入情報を記憶手段25に記憶させ、電子ペン1AにはユーザID「U01」が記入者IDとして設定されていると認識して、解答用紙5Aのユーザエリア501Aについてのストローク情報に記入者ID「U01」を関連付けて、記憶手段25における、記入者ID別の個人学習データファイルのユーザストローク情報格納領域に記憶させる。
(2)(1)に続いて、同じペンIDに対して別のユーザIDを関連付けて解答用紙5のユーザエリア501(解答欄)に記入する場合
図14、図15及び図18を参照して、(1)の例に続いて、集約装置2の操作者がペン設定対象ユーザリスト202にて記入者「三郎」を選択し、その後に、記入者「太郎」とは異なる記入者「三郎」が、ペン設定メッセージの表示後に、記入者「太郎」と同じ電子ペン1Aで解答用紙5Cのユーザエリア502C(登録欄)をタップした上で、解答用紙5Cのユーザエリア501C(解答欄)に解答を記入する場合について説明する。
集約装置2では、集約処理手段24は、操作者によるペン設定ボタン201の押下を検知すると(ステップS201:Yes)、ペン設定対象ユーザリスト202を表示させる(ステップS202)。そして、操作者がペン設定対象ユーザリスト202にて記入者「三郎」を選択すると、集約処理手段24は、ペン設定対象ユーザリスト202にて選択された「三郎」に対応するユーザID「U03」を特定し(ステップS203)、メッセージボックス203にて、ユーザID「U03」と関連付ける電子ペン1によって解答用紙5のユーザエリア502(登録欄)にタップすることを促すペン設定メッセージを表示させる(ステップS204)。
そして、記入者「三郎」が解答用紙5Cのユーザエリア502Cを電子ペン1Aでタップすると、電子ペン1Aは、タップ時に演算したストローク情報(位置情報等)とペンID「pen01」とを含む記入情報を集約装置2へ送信する(ステップS101)。集約装置2は、集約個別受信手段22によって電子ペン1Aからの記入情報を受信して、集約処理手段24に処理させる。集約処理手段24は、ストローク情報とペンIDとを含む記入情報を記憶手段25に記憶させる(ステップS205)。そして、集約処理手段24は、記入情報に含まれる位置座標から、電子ペン1Aによってユーザエリア502Cに記入されたと判断し(ステップS206:Yes)、更に、当該記入情報が所定時間以内に受信されたと判断し(ステップS207:Yes)、ペンIDとユーザIDの関連付け処理を行う(ステップS208)。
この場合、電子ペン1Aの記入者IDには、先行して電子ペン1Aを使用していた「太郎」のユーザID「U01」が設定されているため、集約処理手段24は、記入者IDが既に設定されていると認識し(ステップS301:Yes)、その記入者IDはペンIDではないと判断する(ステップS302:No)。さらに、集約処理手段24は、ステップS203で特定したユーザID「U03」が、設定されている記入者ID「U01」とは異なるため(ステップS303:Yes)、電子ペン1Aのペン設定情報の記入者IDを、特定したユーザID「U03」に更新して記憶手段25に記憶させる(ステップS304)。そして、集約処理手段24は、電子ペンIAのペンID「pen01」と記入者「三郎」のユーザID「U03」との関連付けが終了したことを示す関連付け終了メッセージを表示させる(ステップS305)。
続いて、記入者「三郎」が解答用紙5Cのユーザエリア501C(解答欄)に電子ペン1Aで解答を記入すると、電子ペン1Aは、解答用紙5Cのユーザエリア501Cについてのストローク情報とペンID「pen01」とを含む記入情報を集約装置2へ送信する。すると、集約装置2では、集約処理手段24は、ストローク情報とペンIDとを含む記入情報を記憶手段25に記憶させ、電子ペン1AにはユーザID「U03」が記入者IDとして設定されていると認識して、解答用紙5Cのユーザエリア501Cについてのストローク情報に記入者ID「U03」を関連付けて、記憶手段25における、記入者ID別の個人学習データファイルのユーザストローク情報格納領域に記憶させる。
(3)ペンIDとユーザIDとが関連付けられていない状態から、先行して解答用紙5のユーザエリア501(解答欄)に解答を記入してしまい、後で、ペンIDとユーザIDとを関連付けて、続けて解答用紙5のユーザエリア501に記入する場合
図14、図15及び図19を参照して、記入者「次郎」が、集約装置2において記入者IDが設定されていない状態から、先行して解答用紙5Bのユーザエリア501B(解答欄)に解答を記入してしまい、その後で、集約装置2の操作者がペン設定対象ユーザリスト202にて記入者「次郎」を選択し、記入者「次郎」が、ペン設定メッセージの表示後に電子ペン1Bで解答用紙5Bのユーザエリア502B(登録欄)をタップした上で、解答用紙5Bのユーザエリア501Bに解答を記入する場合について説明する。
この場合には、集約装置2では、集約処理手段24は、ペン設定ボタン201の押下を検知しない(ステップS201:No)。そのため、集約処理手段24は、ペンIDとユーザIDとを関連付けるための処理(ステップS202〜S208の処理)を行わず、ステップS209以降の処理を行う。
まず、記入者「次郎」が、解答用紙5Bのユーザエリア501B(解答欄)に電子ペン1Bで解答を書き始めると、電子ペン1Bは、解答用紙5Bのユーザエリア501Bについてのストローク情報(位置情報)と電子ペン1BのペンID「pen02」とを含む記入情報を集約装置2へ送信する(ステップS101)。集約装置2は、集約個別受信手段22によって電子ペン1Bからの記入情報を受信して、集約処理手段24に処理させる。集約処理手段24は、ストローク情報とペンIDとを含む記入情報を記憶手段25に記憶させる(ステップS209)。この場合には、記憶手段25には、電子ペン1Bのペン設定情報に記入者IDが設定されていない状態であるため、集約処理手段24は、記憶手段25に電子ペン1Bの記入者IDは設定されていないと認識し(ステップS210:No)、記入者IDとして、暫時的に電子ペン1BのペンID「pen02」を設定して記憶手段25に記憶させる(ステップS211)。そして、集約処理手段24は、解答用紙5Bのユーザエリア501Bについてのストローク情報に記入者ID「pen02」を関連付けて記憶手段25における記入者ID別の個人学習データファイルのユーザストローク情報格納領域に記憶させる。
その後、集約装置2では、集約処理手段24は、操作者によるペン設定ボタン201の押下を検知すると(ステップS201:Yes)、ペン設定対象ユーザリスト202を表示させる(ステップS202)。そして、操作者がペン設定対象ユーザリスト202にて記入者「次郎」を選択すると、集約処理手段24は、ペン設定対象ユーザリスト202にて選択された「次郎」に対応するユーザID「U02」を特定し(ステップS203)、メッセージボックス203にて、ユーザID「U02」と関連付ける電子ペン1によって解答用紙5のユーザエリア502(登録欄)にタップすることを促すペン設定メッセージを表示させる(ステップS204)。
そして、記入者「次郎」が解答用紙5Bのユーザエリア502Bを電子ペン1Bでタップすると、電子ペン1Bは、タップ時に演算したストローク情報(位置情報等)とペンID「pen02」とを含む記入情報を集約装置2へ送信する(ステップS101)。集約装置2は、集約個別受信手段22によって電子ペン1Bからの記入情報を受信して、集約処理手段24に処理させる。集約処理手段24は、ストローク情報とペンIDとを含む記入情報を記憶手段25に記憶させる(ステップS205)。そして、集約処理手段24は、記入情報に含まれる位置座標から、電子ペン1Bによってユーザエリア502Bに記入されたと判断し(ステップS206:Yes)、更に、このような記入情報が所定時間以内に受信されたと判断し(ステップS207:Yes)、ペンIDとユーザIDの関連付け処理を行う(ステップS208)。
この場合、記憶手段25では、電子ペン1Bの記入者IDは、暫時的に「pen02」に設定されている。そのため、集約処理手段24は、記入者IDは設定されていると認識するが(ステップS301:Yes)、設定されている記入者IDはペンID(「pen02」)であると認識する(ステップS302:Yes)。そのため、集約処理手段24は、先行して取得され、記憶手段25に記入者ID別に記憶されている個人学習データのうち、記入者ID「pen02」として記憶されている個人学習データの記入者ID「pen02」を遡及的に、特定したユーザID「U02」に変更して記憶手段25に格納させるとともに(ステップS306)、記憶手段25における電子ペン1Bの記入者IDを「pen02」からユーザID「U02」に変更して記憶させる(ステップS307)。そして、集約処理手段24は、電子ペンIBのペンID「pen02」と記入者「次郎」のユーザID「U02」との関連付けが終了したことを示す関連付け終了メッセージを表示させる(ステップS305)。
続いて、記入者「次郎」は、解答用紙5Bのユーザエリア501B(解答欄)に戻り、電子ペン1Bで再び解答を記入し始めると、電子ペン1Bは、解答用紙5Bのユーザエリア501Bについてのストローク情報とペンID「pen02」とを含む記入情報を集約装置2へ送信する。すると、集約装置2では、集約処理手段24は、ストローク情報とペンIDとを含む記入情報を記憶手段25に記憶させ、電子ペン1Bに記入者ID「U02」が設定されていることを認識して、解答用紙5Bのユーザエリア501Bについてのストローク情報に記入者ID「U02」を関連付けて、記憶手段25における、記入者ID別の個人学習データファイルのユーザストローク情報格納領域に記憶させる。
このように、集約処理手段24の記入者ID設定機能によれば、予めペンIDとユーザIDとを関連付ければ、解答用紙5のユーザエリア501についてのストローク情報に対してユーザIDが関連付けられて記憶手段25に記憶されるが、仮に、ペンIDとユーザIDとが関連付けられていない状態で、解答用紙5のユーザエリア501に解答を記入してしまった場合でも、その後で、ペンIDとユーザIDとを関連付ければ、先行して解答用紙5のユーザエリア501に記入した内容のユーザストローク情報も遡及してそのユーザIDに関連付けされ、続けて解答用紙5のユーザエリア501に記入した内容のユーザストローク情報についても、そのユーザIDが関連付けされることとなる。
(4)グループ化機能について
図20を参照して、記入者ID設定機能のグループ化機能について説明する。図20に示すように、集約装置2の操作者がペン設定対象ユーザリスト202にて記入者「次郎」を選択し、記入者三名が、ペン設定メッセージの表示後所定時間内に、それぞれ固有のペンIDを有する異なる電子ペン1A〜1Cで解答用紙5A〜5Cのユーザエリア502A〜502C(登録欄)をタップする。そうすると、集約装置2では、集約処理手段24によって、電子ペン1A〜1Cについての記入者IDとして、ユーザID「U02」が設定されることとなる。この場合、電子ペン1A〜1Cを用いている各記入者は、ユーザID「U02」に対応するユーザ名「次郎」を班長とするグループに属しているといった具合に、集約装置2において、ユーザIDによってグループ化することができる。勿論、このグループ化機能を利用する場合に、集約装置2の記憶手段25にグループ名を記憶させ、そのようなグループ名を設定してもよい。
[本実施形態による作用効果]
以上説明した本実施形態によれば、電子ペン1のペンIDとユーザIDとの関連付けを適切に行うことができる。具体的には、本実施形態によれば、ペン設定メッセージの表示後に、電子ペン1による解答用紙5のユーザエリア502(登録欄)へのタップをトリガとして、電子ペン1のペンIDとユーザIDとの関連付けを適切に行うことができる。更に、本実施形態によれば、記入者は、電子ペン1で解答用紙5のユーザエリア502(登録欄)をタップした後であれば、集約装置2側でペンIDとユーザIDとの関連付けを行っている途中であっても、解答用紙5のユーザエリア501(解答欄)への記入を行うことができる。
また、本実施形態によれば、特許文献3に記載されたような記入者設定用紙を用いる必要がないため、ペンIDとユーザIDとの関連付けを容易に行うことができる。ここで、特許文献3に記載された技術では、例えば1枚の記入者設定用紙を複数の記入者に回し、各記入者は記入者設定用紙が回ってきた際に電子ペン1で記入者設定用紙にタップしていたため、複数のペンIDと複数のユーザIDとの関連付けに時間がかかる傾向にあった。これに対して、本実施形態によれば、操作者側では、ペンIDを関連付けるべき記入者を次々に選択し、記入者側では、選択された者が電子ペン1で解答用紙5のユーザエリア502(登録欄)に順次タップすれば良いので、特許文献3に記載された技術と比較して、複数のペンIDと複数のユーザIDとの関連付けに要する時間を短縮することができる。
このような本実施形態は、講義における出欠確認に好適に利用することができる。具体的には、操作者(講師)側では集約装置2を操作して記入者を次々に選択し、記入者(受講者)側では、スクリーン6に投影された画面を参照して選択された者を確認し、自分が選択された際に電子ペン1で解答用紙5のユーザエリア502(登録欄)にタップすることにより、操作者側では、記入者の選択時に記入情報が送信された電子ペン1の記入者については出席と扱い、記入者の選択時に記入情報が送信されなかった電子ペン1の記入者については欠席と扱うことができる。
また、本実施形態によれば、ペンIDとユーザIDとの関連付けに先行して解答用紙5のユーザエリア501(解答欄)に記入し始めてしまったとしても、その後にペンIDとユーザIDとの関連付けを行えば、遡及的にユーザIDを設定することができる。また、本実施形態によれば、1本の電子ペン1を複数の記入者等で使う際にも、その電子ペン1のペンIDに対して複数のユーザIDを関連付ければ、記入者を識別することができる。また、本実施形態によれば、複数人から構成されるグループで、複数本の電子ペン1を持たせて本システム10を利用する場合でも、同じグループの者のそれぞれが利用する電子ペン1のペンIDに対して、同じユーザIDを関連付ければ、同じグループに属する電子ペン1からの記入情報を、集約装置2においてグループ化し、集約することができる。また、本実施形態によれば、電子ペン1が故障して別の電子ペン1を必要とする場合や、1人の記入者が複数本の電子ペン1を使用する場合でも、電子ペン1のペンIDに対して同じユーザIDを関連付けることにより、記入情報を同じ記入者の情報として集約することができる。
[変形例]
上記実施形態では、ステップS207、S507において、集約装置2は所定時間内に記入情報を受信した場合に(Yes)、ペンIDとユーザIDとの関連付け処理を行っていたが、それに限られず、時間の制限を設けず、所定本数の電子ペンから記入情報を受信することを条件としてもよい。たとえば、ペンIDとユーザIDとを1対1で関連付ける場合は、集約装置2の処理手段24は、ステップS207、S507において、1本の電子ペン1から記入情報が届けば、その電子ペン1のペンIDを関連付けの対象とし、グループ化する場合は、集約装置2の処理手段24は、ステップS207、S507において、所定の複数本の電子ペン1からの記入情報が届いた段階で、それら複数の電子ペン1のペンIDを同じユーザIDに関連付けるようにするとよい。
また、上記実施形態では、電子ペン、ドットパターン(コード化パターン)、記入情報に、アノト方式を用いていたが、アノト方式を用いることに限定はされない。