以下、図面を参照しながら、本発明に係るシステムの好適な実施形態について説明する。
<第1実施形態>
[電子ペンシステムのシステム構成]
図1は、本実施形態における電子ペンシステム10のシステム構成図である。図1に示すように、電子ペンシステム10は、各受講者(記入者)それぞれに配布される解答用紙(記入用紙)5A,5B,…(5)と、解答用紙5に解答(筆跡)を記入し、記入した情報を外部へBluetooth(登録商標)等の無線通信方式で送信するための電子ペン1A,1B,…(1)と、各電子ペン1が生成する記入情報に基づきディスプレイ(表示手段)に記入内容等を表示するコンピュータ装置2と、各電子ペン1から送信される記入情報を受信する機能を有し、かつ、各電子ペン1を収容可能な電子ペン収容ユニット3とを備える。
各電子ペン1には、アノトペンを利用することができ、コンピュータ装置2には、ラップトップパソコンなどを利用することができる。プロジェクタ4は、コンピュータ装置2から表示情報を受信して、コンピュータ装置2の画面をスクリーン6へ投影表示する装置である。
また、本システム10では、電子ペン1で解答用紙5に記入するにあたって、コンピュータ装置2での記入した筆跡を表示する色及び線幅を特定するためのカラーパレット用紙(選択用紙)7が備えられている。なお、図1ではカラーパレット用紙7を1枚しか図示していないが、実際には、カラーパレット用紙7は複数枚存在し、各受講者それぞれに配布される。
[解答用紙]
図2を参照して解答用紙(記入用紙)5について説明する。図2に示すように、受講者ごとに複数枚の解答用紙5が一組用意され、同じ組の解答用紙5には、それぞれ異なる座標範囲のドットパターン(コード化パターン)が印刷される。また、解答用紙5には、マス目が印刷されている。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷され、マス目は、赤外域に吸収性を持たないインキにより印刷される。なお、解答用紙5に、記入欄や問題や解答欄等を印刷しておいても良い。
[カラーパレット用紙]
図3を参照してカラーパレット用紙7について説明する。カラーパレット用紙7の略全面に、電子ペン1によって読取可能なドットパターン(コード化パターン)が印刷され、その上に、ユーザエリア701〜706が規定されている。ユーザエリア701〜706は、電子ペン1によるストローク情報(筆跡)をコンピュータ装置2の表示手段26で表示する色及び線幅(表示態様)を選択するために用いられる。ユーザエリア701は、ストローク情報をコンピュータ装置2の表示手段26に黒色で表示するためのユーザエリアであり、「くろ」と印刷されている。ユーザエリア702は、ストローク情報をコンピュータ装置2の表示手段26に赤色で表示するためのユーザエリアであり、「あか」と印刷されている。ユーザエリア703は、ストローク情報をコンピュータ装置2の表示手段26に青色で表示するためのユーザエリアであり、「あお」と印刷されている。
また、ユーザエリア704は、ストローク情報をコンピュータ装置2の表示手段26に0.3mmの線幅で表示するためのユーザエリアであり、「0.3mm」と印刷されている。ユーザエリア705は、ストローク情報をコンピュータ装置2の表示手段26に0.5mmの線幅で表示するためのユーザエリアであり、「0.5mm」と印刷されている。ユーザエリア706は、ストローク情報をコンピュータ装置2の表示手段26に1.0mmの線幅で表示するためのユーザエリアであり、「1.0mm」と印刷されている。カラーパレット用紙7に印刷されたドットパターンは、解答用紙5とは異なるドットパターンを有し、そのドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷されている。また、各ユーザエリア701〜706の枠や文字は、赤外域に吸収性を持たないインキにより印刷される。受講者等は、コンピュータ装置2の表示手段26に表示させるストローク情報(筆跡)の色や線幅を設定する際に、電子ペン1のペン先部103で所望のユーザエリアにタップする。
[解答用紙、電子ペンと受講者の対応等]
解答用紙、電子ペンと受講者(記入者)の対応等については、本実施形態では、図4に示すように、受講者「太郎」が、電子ペン1Aを用いて解答用紙5Aに解答し、受講者「次郎」が、電子ペン1Bを用いて解答用紙5Bに解答し、受講者「三郎」が、電子ペン1Cを用いて解答用紙5Cに解答し、受講者「四郎」が、電子ペン1Dを用いて解答用紙5Dに解答するものとする。また、講師(操作者)「花子」が、コンピュータ装置2を操作するものとする。
[ドットパターン]
次に、図5と図6を参照しながら、解答用紙5及びカラーパレット用紙7に印刷されたアノト方式のドットパターン(コード化パターン)について説明する。図5は、解答用紙5及びカラーパレット用紙7に印刷されたドットパターンのドットと、そのドットが変換される値との関係を説明する図である。図5に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組み合わせにより、用紙上の位置座標が決定されるように構成されている。
図6(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図6(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、用紙上のどの部分から6×6ドットを取っても、ユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンが解答用紙5上のどの位置にあるのか)を保持している。図6(b)は、図6(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図5に示す規則性に基づいて、対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
[電子ペン]
次に、電子ペン1について図7を用いて説明する。図7は、電子ペン1の構造を示す概略図である。図7に示すように、電子ペン1は、その筐体101の内部に、インクカートリッジ104、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111、バッテリー112、及び端子113を備える。インクカートリッジ104の先端は、ペン先部103となっており、各受講者は、電子ペン1のペン先部103を、カラーパレット用紙7にタップしたり、解答用紙5に当接させてストローク(手書きストローク)を記入したりする。インクカートリッジ104のインクは、赤外線を吸収する材料(例えばカーボン)を含まないようにする。ここで、電子ペン1のペン先部103が用紙に接触することを「ペンダウン」と呼び、接触している(当接している)状態からペン先部103が離れることを「ペンアップ」と呼ぶ。電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に記入される軌跡が1つのストロークとなり、文字や図形等は、1つ又は複数個のストロークからなる。
バッテリー112は電子ペン1内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン1のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、受講者が電子ペン1により解答用紙5に文字やマークを書いたりカラーパレット用紙7にタップしたりする際にペン先部103からインクカートリッジ104を通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値をプロセッサ108へ伝送する。
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいて、LED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切り替える。即ち、受講者が電子ペン1で解答用紙5に文字などを書くと、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ108は、受講者が記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、受講者が1つのストロークを記入し終えて電子ペン1を解答用紙5から離すと、圧力センサ107は、所定値以上の筆圧が検出されなくなることでペンアップを検出する。すると、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンアップ情報とペンIDとを関連付けて、記入情報として電子ペン収容ユニット3へ送信する。
LED105とCMOSカメラ106は、電子ペン1のペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、解答用紙5及びカラーパレット用紙7上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部103が解答用紙5及びカラーパレット用紙7に接触する位置とはわずかにずれている。CMOSカメラ106には、赤外線を透過し赤外線以外を遮断する赤外線透過フィルタが設けられており、CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が比較的少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が比較的多い。CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。したがって、解答用紙5に記入欄などが印刷されていた場合でも、印刷したインクは赤外域に吸収性を持たないため、プロセッサ108は、ドットパターンを認識することができる。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、図6(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。また、CMOSカメラ106は、ドットを鮮明に撮影するため、十分な被写界深度を有している。
プロセッサ108は、受講者の記入が行われる間、CMOSカメラ106によって供給される画像データのドットパターンから、受講者が記入するストローク(筆跡)の解答用紙5上におけるX、Y座標(以後、単に「座標データ」または「座標情報」とも呼ぶ。)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図6(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図6(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX、Y座標データを演算する。なお、プロセッサ108は、ドットパターンに対向する電子ペン1の角度に起因するドットの画像上の配列を補正する回転補正処理機能を備えており、座標演算に利用されている。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX、Y座標データを関連付ける。以後、これらの関連付けたデータを、まとめて「座標属性情報」と呼ぶ。なお、解答用紙5及びカラーパレット用紙7における6×6のドットパターンは、解答用紙5内及びカラーパレット用紙7内で重複することはないため、受講者が電子ペン1で文字等を記入すると、記入された位置が解答用紙5及びカラーパレット用紙7のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により特定することができる。
メモリ109には、各電子ペン1A〜1Dを識別するためのそれぞれのペンID「pen01」〜「pen04」、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、ペンIDと、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、X、Y座標データとを関連付けて、記入情報として電子ペン収容ユニット3へ送信する。通信ユニット111による電子ペン収容ユニット3への送信は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって、即時的かつ逐次的に行われる。ここで、電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に生成されて電子ペン収容ユニット3に送信された1個又は複数個の座標属性情報は、電子ペン収容ユニット3によりコンピュータ装置2へ転送され、その後、コンピュータ装置2によりストローク情報として記憶される。換言すると、1つのストロークは、1個又は複数個のX、Y座標(座標点)からなり、コンピュータ装置2は、ペンダウン情報及びペンアップ情報によって、1つのストロークを構成する1個又は複数個の座標属性情報を認識する。
端子113は、複数の小端子から構成され、図8にて図示する電子ペン収容ユニット3の収容孔31に電子ペン1が挿入されることで、電子ペン収容ユニット3の端子313と電気的に接続する。そして、電子ペン1は、特定の小端子を介して、図8にて図示する電子ペン収容ユニット3のプロセッサ34にペンIDを送信する。また、電子ペン1は、端子113の他の小端子を介して、電子ペン収容ユニット3から電力の供給を受け、バッテリー112の充電を行う。
このように、各電子ペン1A〜1Dは、受講者が解答用紙5及びカラーパレット用紙7に記入する都度、記入情報を生成して、電子ペン収容ユニット3へ送信する。言い換えると、各電子ペン1A〜1Dは、受講者が解答用紙5及びカラーパレット用紙7に記入し続けている間、記入情報を生成し、電子ペン収容ユニット3へ送信し続ける。そして、受講者が電子ペン1を解答用紙5及びカラーパレット用紙7から離す(ペンアップする)と、当該電子ペン1は、圧力センサ107で所定値以上の筆圧が検出されなくなったことにより、受講者が記入を停止したと判定する。そして、この場合、ペンアップされた電子ペン1は、LED105とCMOSカメラ106を停止して、電子ペン収容ユニット3への記入情報の送信を中止する。
[電子ペン収容ユニット]
次に、図8〜図10を参照して電子ペン収容ユニット3について説明する。
図8は、電子ペン収容ユニット3を上面から俯瞰した平面図を示す。図8に示すように、電子ペン収容ユニット3は、電子ペン収容ユニット3に電力を供給するためのコンセント30と、収容孔31A〜31D(31)と、ネームプレート32A〜32D(32)と、ユーザID確定ボタン33A〜33D(33)とを備える。
収容孔31は、電子ペン1を挿入可能な孔であり、電子ペン1が収容された状態において、電子ペン1の端子113と接触する端子313を有する。また、各収容孔31には、当該収容孔31に収容された電子ペン1のユーザを識別するためのユーザIDが割り振られている。具体的には、収容孔31AにはユーザID「U01」が割り当てられ、収容孔31BにはユーザID「U02」が割り当てられ、収容孔31CにはユーザID「U03」が割り当てられ、収容孔31DにはユーザID「U04」が割り当てられている。
ネームプレート32は、収容孔31A〜31Dごとに取り外し可能に設けられ、各収容孔31A〜31Dに収容させる電子ペン1A〜1Dのユーザ名を表示する。各ネームプレート32A〜32Dのユーザ名は、後述するように、各ユーザIDに対するユーザ名がコンピュータ装置2に入力された際に、当該ユーザIDとユーザ名との対応に合わせて記入される。なお、電子ペン収容ユニット3は、各収容孔31とユーザIDとの対応を、予め電子ペン収容ユニット3の仕様書等に基づきユーザに把握させてもよく、各収容孔31A〜31Dの近傍にユーザIDを示すラベル等を備え、当該ラベルの表示に基づきユーザに把握させてもよい。
ユーザID確定ボタン33は、収容孔31A〜31Dごとに設けられ、対応する収容孔31に収容された電子ペン1のペンIDと、当該収容孔31に対応付けられたユーザIDとの関連付けを行う際に押下されるプッシュボタンである。ユーザID確定ボタン33は、本発明における「指示手段」の一例である。ユーザID確定ボタン33の具体的な機能については、後述する。
図9は、電子ペン収容ユニット3の側面図を示す。なお、図9では、収容孔31、ユーザID確定ボタン33の一部、端子313、電子ペン収容ユニット3の機能ブロック(プロセッサ34、通信手段35、及び変圧・整流器36)、及び信号の流れを破線により仮想的に描いている。
通信手段35は、プロセッサ34の制御に基づき、各電子ペン1から送信される記入情報を受信し、当該記入情報をコンピュータ装置2へ送信する。通信手段35によるコンピュータ装置2へのデータの送信は、例えばLAN経由でTCP/IPの通信方式により行うと良い。変圧・整流器36は、コンセント30から供給される交流電力の変圧及び整流を行い、変換した直流電力を端子113に供給する。
プロセッサ34は、電子ペン1が収容孔31に収容され、電子ペン1の端子113と電子ペン収容ユニット3の端子313とが接続された場合に、端子313を通じて収容された電子ペン1のペンIDを問合せ、受信する。そして、プロセッサ34は、全ての収容孔31に電子ペン1が収容されたと判断した場合、受信した各ペンIDを、各収容孔31に対応するユーザIDに関連付けてコンピュータ装置2に送信する。以後、この処理を「第1の関連付け処理」と呼ぶ。これについて、図10を参照して説明する。
図10(A)は、各収容孔31に電子ペン1が収容される前の初期状態におけるユーザIDとペンIDとの関係を示すテーブルである。このテーブルは、電子ペン収容ユニット3のプロセッサ34内にあるメモリに記憶される。図10(A)に示すように、各収容孔31に電子ペン1が収容される前の初期状態では、各ユーザIDに電子ペン1のペンIDが対応付けられていない。
図10(B)は、全ての収容孔31に各電子ペン1が収容された後のユーザIDとペンIDとの関係を示すテーブルである。図10(B)に示すように、全ての収容孔31に各電子ペン1が収容された場合、プロセッサ34は、受信したペンIDと、当該ペンIDを有する電子ペン1が収容された収容孔31に対応するユーザIDとを関連付けてメモリに記憶させる。そして、プロセッサ34は、図10(B)のテーブルに相当するユーザIDとペンIDとの対応を示す情報(「対応情報Iup」とも呼ぶ。)をコンピュータ装置2へ送信する。
また、プロセッサ34は、全ての収容孔31に電子ペン1が収容されたか否かに関わらず、任意のユーザID確定ボタン33が押下された場合には、ペンIDとユーザIDとの関連付けを行う。以後、この処理を、「第2の関連付け処理」とも呼ぶ。
具体的には、まず、プロセッサ34は、ユーザID確定ボタン33が押下された場合にユーザID確定ボタン33から所定の信号を受信する。そして、プロセッサ34は、ユーザID確定ボタン33が押下されたことを上述の信号により検知すると、押下された当該ユーザID確定ボタン33に対応する収容孔31(「指定収容孔31」とも表記する。)に収容された電子ペン1のペンIDと、当該指定収容孔31に対応するユーザIDとを関連付けて、対応情報Iupとしてコンピュータ装置2へ送信する。この場合、対応情報Iupは、指定収容孔31に収容された電子ペン1のペンID及び当該指定収容孔31に対応するユーザIDの組のみを含み、これ以外のペンIDとユーザIDの組は含まない。なお、第1の関連付け処理及び第2の関連付け処理の具体的な処理手順については、[処理フロー]のセクションで詳しく説明する。
[コンピュータ装置]
続いて、コンピュータ装置2について説明する。図11に示すように、コンピュータ装置2は、入力手段21、通信手段23、処理手段24、記憶手段25、表示手段26、及び送信手段27を備える。コンピュータ装置2は、ハードウェアとして、電子ペン1やプロジェクタ4とのデータ通信が可能な通信装置と、CPU等のプロセッサと、ROMやRAM、ハードディスクなどのメモリと、ディスプレイと、マウスやキーボード等で構成されているパーソナルコンピュータ等である。また、コンピュータ装置2は、処理手段24による描画アプリケーション(プログラム)の実行により、電子ペン1から受信した記入情報を処理して、表示手段26に記入内容を再現する。
通信手段23は、電子ペン収容ユニット3から送信された記入情報や対応情報Iup等のデータを受信する手段である。通信手段23は、アンテナや受信回路等により構成される。
入力手段21は、処理や表示の種別を含む処理態様を指示する手段であり、キーボードやマウスとその操作を検知する手段によって構成される。例えば、入力手段21は、キーボードによって、ユーザIDに対応付けるユーザ名の入力操作が可能である。また、入力手段21は、マウスによって、表示手段26の画面におけるボタンのクリック操作や任意の位置・大きさの長方形状の画面範囲を指定するドラッグ操作が可能である。送信手段27は、表示手段26に表示される内容と同じ内容をプロジェクタ4からスクリーン6へ投影表示させるため、表示手段26への表示信号を同期してプロジェクタ4へ送信する手段である。
記憶手段25は、ROMやRAM、ハードディスクなどのメモリによって構成され、解答用紙5における各ユーザエリアと位置座標とを関連付けて記憶する。また、記憶手段25は、通信手段23により電子ペン収容ユニット3から受信した対応情報Iup及び入力手段21により入力されたユーザ名に基づき、電子ペン1が保持する固有のペンIDに対して、ユーザIDとユーザ名とをユーザ定義情報として関連付けて記憶する。これについて、図12を参照して説明する。
図12(A)は、コンピュータ装置2が対応情報Iupを電子ペン収容ユニット3から受信する前であって、ユーザIDに対応付けるユーザ名の入力がなされる前の初期状態におけるユーザ定義情報のテーブルを示す。図12(A)に示すように、この場合には、各ユーザIDに対応するユーザ名及び電子ペン1のペンIDが対応付けられていない。
図12(B)は、初期状態から各ユーザIDに対応付けるユーザ名の入力がなされた場合のユーザ定義情報のテーブルを示す。図12(B)に示すように、この場合、入力手段21により入力されたユーザ名が各ユーザIDに対応付けられている。なお、このとき、電子ペン収容ユニット3には、入力されたユーザ名とユーザIDとの対応に応じて、各収容孔31にユーザ名が記載されたネームプレート32が取り付けられる(図8参照)。
図12(C)は、図12(B)の状態からさらにコンピュータ装置2が対応情報Iupを電子ペン収容ユニット3から受信した場合のユーザ定義情報のテーブルを示す。図12(C)に示すように、この場合、対応情報Iupに基づき、各ユーザIDに対し、対応するペンIDがそれぞれ対応付けられている。なお、一度各ユーザIDをペンIDに対応付けてユーザ定義情報として記憶した場合であっても、再びコンピュータ装置2が対応情報Iupを電子ペン収容ユニット3から受信した場合には、処理手段24は、新たに受信した対応情報Iupに基づきユーザIDに対応するペンIDを書き換えてもよい。
また、記憶手段25は、カラーパレット用紙7における各ユーザエリア701〜706と色及び線幅と線種IDとを関連付けて、カラーパレット定義情報として記憶する。すなわち、図13に示すように、記憶手段25は、ユーザエリア701〜706ごとに、ストローク情報(筆跡)をコンピュータ装置2の表示手段26で表示する色及び線幅と線種IDとを記憶している。ここで、ユーザエリア701〜703には、ストローク情報をコンピュータ装置2の表示手段26に表示する色として、それぞれ、「くろ」、「あか」、「あお」とその線種ID「L71」、「L72」、「L73」が関連付けられ、ユーザエリア704〜706には、ストローク情報をコンピュータ装置2の表示手段26に表示する線幅として、「0.3mm」、「0.7mm」、「1.0mm」とその線種ID「L74」、「L75」、「L76」が関連付けられている。各ユーザエリア701〜706に関連付けられている色及び線幅は、カラーパレット7の各ユーザエリア701〜706に印刷されている文字や線の色及び線幅と対応するので、受講者が使いたい色及び線幅を選び易くなりカラーパレット7の使い勝手がよい。また、図13に示す他、記憶手段25は、ユーザエリア701〜706ごとに、当該ユーザエリア701〜706に割当てられたドットパターンの座標範囲を記憶する。
記憶手段25には、記入情報およびユーザ定義情報に基づいて、処理手段24による描画アプリケーション(プログラム)の実行により、ファイル形式で学習データが保存される。図14は、データのファイル形式の概略的な構造を示している。図14に示すように、学習データは、ファイル属性情報と、ユーザID別の個人学習データとを有する。ファイル属性情報には、作成日時情報が含まれている。また、個人学習データには、ユーザIDと、電子ペン1から送信された記入情報の位置座標情報等を含むユーザストローク情報と、解答内容等に応じてカテゴライズのために操作者によって設定されるユーザ色(分類)情報等が含まれている。ユーザIDは、処理手段24により、記入情報に含まれるペンIDに基づいて、記憶手段25に予め記憶されたユーザ定義情報を参照することで特定され、当該記入情報に基づくユーザストローク情報と対応付けられる。ユーザストローク情報は、電子ペン1が演算した位置座標(XY座標)情報、記入された時の時刻情報、及び筆圧情報が含まれる。また、ストロークの色及び線幅は、ストロークに関連付けてユーザストローク情報として記憶される。ファイルデータを読み込む際には、操作者が、入力手段21によって、ユーザIDやユーザ色情報などを所定の入力エリアに入力することで、処理手段24によって特定のデータを検索させ、ユーザストローク情報を表示手段26に再現させることができる。
処理手段24は、電子ペン1からのデータを集約して処理する手段であり、アプリケーションプログラムの実行により機能を発揮するCPU等のプロセッサによって構成されている。この処理手段24は、電子ペン収容ユニット3から送信される対応情報Iup及び入力手段21のキーボード操作等で入力されたユーザ名に基づき、ユーザ定義情報を生成又は変更する。また、処理手段24は、電子ペン1から位置座標及びペンID等を含む記入情報を受信すると、ペンIDごとに記入情報を記憶手段25に記憶させる。また、処理手段24は、ペンIDごとに関連付けられた記入情報を筆跡として再現して表示手段26に表示させ、また、入力手段21のマウス操作でドラッグにより指定された範囲に対応する各解答用紙5における記入情報を、記憶手段25から抽出して、各解答用紙5における記入情報を筆跡として表示手段26に一覧表示させる等、様々な処理を行う。
また、処理手段24は、解答用紙5についての記入情報を含む学習データに基づいて、表示手段26に記入内容を表示させるとともに電子ペンIDに対応するユーザIDに対応するユーザ名を表示させる。表示手段26に電子ペン1による記入内容とユーザ名とが表示されるため、操作者である講師「花子」は、受講者(記入者)とその者による記入内容とを合わせて認識することができる。また、処理手段24は、表示手段26と同じ内容を同期させて、プロジェクタ4からスクリーン6へ投影表示させるため、表示手段26に対する表示信号と同じ信号を送信手段27に対してプロジェクタ4へ向けて送信させる。すると、各受講者も、プロジェクタ4からスクリーン6へ投影表示された記入内容とその記入者とを合わせて認識することができる。
[描画アプリケーションによる画面表示]
次に、描画アプリケーションの実行による処理手段24の表示手段26への表示処理について図15を参照しつつ説明する。図15は、表示手段26の表示画面に表示された描画アプリケーションに基づくウィンドウ(「描画アプリケーションウィンドウ」とも呼ぶ。)の一例を示す。
図15に示すように、電子ペン1で解答用紙5に記入された際に生成された記入情報に基づいて、コンピュータ装置2で記憶手段25に個別学習データとして記憶したユーザストローク情報(以下、単に「ストローク」とも表記する。)は、処理手段24によって、表示手段26のユーザストローク情報表示領域50に描画される。描画するユーザストローク情報が、拡大表示などでユーザストローク情報表示領域50よりも大きい場合、処理手段24は、横スクロールバー51及び縦スクロールバー52を有効とし、操作者のマウス操作によってユーザストローク情報表示領域50をスクロールして、ユーザストローク情報全体を複数回に分けて表示できるようにする。
また、処理手段24は、描画アプリケーションウィンドウ上部に、機能ボタンとして、選択ユーザ表示ボタン53、比較一覧表示ボタン54、再生表示ボタン56、選択画像出力ボタン57、表示サイズ変更リスト58、縮小表示ボタン59、拡大表示ボタン60、ページ送りボタン61,62、回転表示ボタン63、64、及びユーザコントロール表示ボタン65などを表示し、マウスによる機能ボタンの選択により、それぞれの処理を実行する。
選択ユーザ表示ボタン53は、後述するユーザ選択リスト69から選択した1つのユーザ名に対応するユーザストローク情報を大きく表示し、他のユーザ名に対応するユーザストローク情報を小さく表示したサムネイルを一覧表示するためのボタンである。以後、選択ユーザ表示ボタン53が選択された際の描画アプリケーションウィンドウの表示を「選択ユーザ表示」と呼ぶ。比較一覧表示ボタン54は、複数のユーザ名に対応するユーザストローク情報を同時に並べて一覧表示するためのボタンである。以後、比較一覧表示ボタン54が選択された際の描画アプリケーションウィンドウの表示を「比較一覧表示」と呼ぶ。再生表示ボタン56は、ユーザストローク情報を1ストロークずつ再生表示するためのボタンである。選択画像出力ボタン57は、任意選択範囲がある場合にその範囲内のユーザストローク情報を、画像データとして出力するためのボタンである。この機能を設けることで、各受講生の記入情報から、参考となる模範解答集などを容易に作成できるようになる。
表示サイズ変更リスト58は、現在、ユーザストローク情報表示領域50に描画するユーザストローク情報の表示サイズを示すリストである。また、操作者がマウスを用いてプルダウンメニューの中から表示サイズを任意に選択し、変更できる。縮小表示ボタン59は、ユーザストローク情報表示領域50に描画するユーザストローク情報の表示サイズを、現在設定されている表示サイズから所定の割合で縮小する機能である。拡大表示ボタン60は、ユーザストローク情報表示領域50に描画するユーザストローク情報の表示サイズを、現在設定されている表示サイズから所定の割合で拡大する機能である。ページ送りボタン61,62は、解答用紙5のセットが複数枚に及ぶ場合に、異なるページアドレス(用紙ドットパターン)の解答用紙5を表示するためのボタンである。回転表示ボタン63,64は、ユーザストローク情報表示領域50に描画するユーザストローク情報を90度ずつ回転させるためのボタンである。このような機能を設けることで、表示上の用紙向きを簡単に変更できる。ユーザコントロール表示ボタン65は、ユーザコントロールリスト68の表示・非表示を切り替える機能である。非表示にすることで、ユーザストローク情報表示領域50を拡大できる。
図15に示すように、ユーザコントロールリスト68には、ユーザ選択リスト69、色分類ボタン71〜76、名簿順ソートボタン78、色順ソートボタン79、分類グラフ表示ボタン81、リロードボタン82などが表示される。
ユーザ選択リスト69は、ユーザストローク情報表示領域50に表示するユーザストローク情報を、ユーザ名で選択するためのリストである。ユーザ選択リスト69は、ユーザ色(分類)情報表示欄691と、ユーザ名表示欄692と、色・幅表示欄693とを備える。処理手段24は、電子ペン1から取得して個別学習データとして記憶手段25に記憶したユーザストローク情報ごとに関連付けられているユーザIDに対応するユーザ名をユーザ名表示欄692に表示し、色分類ボタン71〜76によって選択されたユーザ色(分類)情報をユーザ色(分類)情報表示欄691に表示し、各受講者がカラーパレット用紙7で選択したストロークの色及び線幅を色・幅表示欄693に表示する。ユーザ選択リスト69のユーザ名表示欄692には、処理手段24により、記憶手段25に記憶した個別学習データのユーザIDに対応するユーザ名が表示される。そして、操作者がマウスによって、ユーザ選択リスト69から所望のユーザを選択したうえで選択ユーザ表示ボタン53をクリックすると、処理手段24は、ユーザストローク情報表示領域50に、選択された受講者のストローク情報を大きく表示させると共に、他の受講者のストローク情報を小さく表示したサムネイルを一覧表示させる。
色分類ボタン71〜76は、ユーザ選択リスト69に表示されている受講者ごとにユーザ色(分類)情報を設定するためのボタンである。ボタン71は赤色に、ボタン72は青色に、ボタン73は黄色に、ボタン74は緑色に、ボタン75は茶色に、ボタン76は白色にユーザ色(分類)情報を設定するためのボタンである。コンピュータ装置2の操作者は、マウスによって、ユーザ選択リスト69内の特定のユーザ名を選択し、色分類ボタン71〜76のうち所望のボタンを選択すると、処理手段24は、ユーザ選択リスト69内の選択されたユーザ名のユーザ色(分類)情報表示欄691を指定された色で表示する。この機能により、操作者である講師が、ユーザストローク情報表示領域50に表示される受講者の解答内容を見て、その考え方などをカテゴリー分けして色をつけ、見易くすることができる。なお、ユーザ色(分類)情報は、未設定時は、白色に設定しておくとよい。
名簿順ソートボタン78は、ユーザ選択リスト69に表示されているユーザ一覧を、名簿番号順に並べ替えるためのボタンである。本実施形態では、図12(c)に示すユーザID順を名簿番号順としている。色順ソートボタン79は、ユーザ選択リスト69に表示されているユーザ一覧を、色分類ボタン71〜76の操作によって付されたユーザ色(分類)情報が同じ受講者同士を連続して配列されるように、ユーザ色(分類)情報順に並べ替えるためのボタンである。分類グラフ表示ボタン81は、色分類ボタン71〜76の操作によって付されたユーザ色情報別のユーザ数を、ユーザストローク情報表示領域50に棒グラフ等で表示するためのボタンである。
リロードボタン82は、ユーザ選択リスト69において選択されている受講者のユーザストローク情報を、学習データファイル保存時の状態まで戻すためのボタンである。この機能により、操作者である講師が、リロードボタン82をマウスで選択すると、処理手段24は、選択されている受講者に関連付けられているユーザIDに基づいて、前回のファイル保存以降に電子ペン1より受信して記憶手段25のユーザID別の格納領域に記憶したユーザストローク情報をクリアして、前回ファイル保存した時点までのユーザストローク情報を読み出し、ユーザストローク情報表示領域50に表示する。この機能により、個々の受講者が解答をやり直したい場合などに対応できる。
また、ファイルデータの保存やアプリケーションの設定などは、一般的なアプリケーションと同様に、機能メニューとして用意しておくと良い。ファイルメニュー90のプルダウンメニューとして、ファイルデータの読み込み・保存を実行するメニュー、画像形式で保存するメニュー、アプリケーションの終了を実行するメニューなど、アプリケーションの全般的な管理に関する実行機能を一覧で用意しておくと便利である。
また、ファイルデータの保存に関するファイル形式を、ユーザ別のユーザストローク情報と設定情報を関連付けた構造としているので、ファイルデータを読み込む際、ユーザIDやユーザ色情報などから特定のデータを検索し、検索されたユーザストローク情報をユーザストローク情報表示領域50に表示することができる。
表示メニュー91のプルダウンメニューとして、ウィンドウ枠を隠しアプリケーションの表示領域を最大限拡大する全画面表示メニューなど、アプリケーションの表示に関する実行機能を一覧で用意しておくと便利である。またツールメニュー92のプルダウンメニューとして、電子ペン1の接続経由状況(例えば転送装置3のIPアドレスなど)を表示するペン管理メニュー、ユーザストローク情報を表示する背景となる解答用紙5の画像を設定する用紙管理メニュー、アプリケーションのバージョンやプロパティ情報などを表示するメニューなど、アプリケーションの設定に関する実行機能を一覧で用意しておくと便利である。これらのボタンやメニューが選択されると、処理手段24により各機能が実行される。
[選択ユーザ表示機能]
次に、図16を参照して、選択ユーザ表示ボタン53が選択された場合の選択ユーザ表示機能について説明する。
図16は、選択ユーザ表示ボタン53が選択された場合に表示される描画アプリケーションウィンドウの選択ユーザ表示の一例を示す。図16に示すように、処理手段24は、選択ユーザ表示ボタン53が選択された場合に、ユーザストローク情報表示領域50に、ユーザ選択リスト69を用いて操作者によって選択された受講者(図16に示す例では「太郎」)のユーザストローク情報を大きく表示した拡大画像200A(200)を表示させると共に、操作者によって選択されなかった他の受講者(図16に示す例では「次郎」、「三郎」、「四郎」)のユーザストローク情報を、拡大画像200よりも小さく表示したサムネイル201B〜201D(201)で一覧表示させる。具体的には、処理手段24は、ユーザストローク情報表示領域50の上部エリアに拡大画像200を表示させ、ユーザストローク情報表示領域50の下部エリアにサムネイル201を同時に並べて一覧表示させる。この場合、処理手段24は、同じ縮尺にて、各受講者のユーザストローク情報に対応するサムネイル201を表示させる。
より詳しくは、処理手段24は、カラーパレット用紙7を用いて受講者によって選択された色・線幅によって、若しくは色・線幅が選択されていない場合にはデフォルトの色・線幅によって、各受講者によって電子ペン1で解答用紙5に記入されたストロークを表示させる。また、処理手段24は、各受講者によって記入されたストロークが少なくとも含まれるような範囲を切り出して、その切り出した範囲に対応する画像を、拡大画像200及びサムネイル201として表示させる。各受講者でストローク数やストローク長などが異なることから、当該切り出した範囲のサイズが異なるため、各受講者でサムネイル201のサイズが異なる傾向にある。更に、処理手段24は、操作者によって選択された受講者(つまりストロークを大きく表示している受講者)に対応するユーザ選択リスト69の箇所を強調表示させる。具体的には、処理手段24は、操作者によって選択された受講者(図16に示す例では「太郎」)に対応するユーザ選択リスト69の番号を、赤色などの枠99で囲って表示させる。なお、処理手段24は、一覧表示させるサムネイル201がユーザストローク情報表示領域50に収まらない場合には、横スクロールバー51を有効とし、操作者のマウス操作によってユーザストローク情報表示領域50をスクロールして、サムネイル201を複数回に分けて表示できるようにする。
なお、拡大画像200は、受講者によって記入されたストロークを実際に拡大した画像という意味で「拡大」の文言を用いているわけではなく、サムネイル201よりもサイズが大きい画像という意味で「拡大」の文言を用いている(以下同様とする)。この定義は、後述する「拡大表示」や「縮小表示」にも同様に適用される。つまり、「拡大表示」は、実際のストロークを拡大して表示するという意味で用いるわけではなく、サムネイル201よりも大きなサイズで表示するという意味で用い、「縮小表示」は、実際のストロークを縮小して表示するという意味で用いるわけではなく、拡大画像200よりも小さなサイズで表示するという意味で用いる(以下同様とする)。
他方で、処理手段24は、操作者のマウス操作などによってサムネイル201のいずれか1つが選択された場合に、既に拡大表示されている拡大画像200を縮小表示させると共に、選択されたサムネイル201を拡大表示させる。つまり、処理手段24は、既に拡大表示されている拡大画像200をサムネイル201として一覧表示させると共に、操作者によって選択されたサムネイル201を拡大画像200として表示させる。言い換えると、既に拡大表示されている拡大画像200と、操作者によって選択されたサムネイル201とを入れ替える。
また、図16に示すように、各受講者の色・幅表示欄693に、現在設定されているストロークの色及び線幅が表示されている。具体的には、受講者「太郎」は、色が青で線幅が1mmであることを示す線分が表示され、受講者「次郎」は、色が赤で線幅が0.7mmであることを示す線分が表示され、受講者「三郎」は、色が青で線幅が0.7mmであることを示す線分が表示され、受講者「四郎」は、色が黒で線幅が0.7mmであることを示す線分が表示されている。処理手段24は、カラーパレット用紙7を用いて受講者によって色・線幅が選択された場合には、その色・線幅を色・幅表示欄693に表示させる。他方で、処理手段24は、受講者によって色・線幅が選択されていない場合には、デフォルトの色・線幅を色・幅表示欄693に表示させる。例えば、デフォルトの色は黒であり、デフォルトの線幅は0.7mmである。
また、図16に示すように、各受講者のユーザ色(分類)情報表示欄691に、色が付されて表示されている。具体的には、受講者「太郎」は黄色が付され、受講者「次郎」は黄色が付され、受講者「三郎」は青色が付され、受講者「四郎」は赤色が付されている。操作者は、受講者の解答の考え方(解き方)をカテゴリー分けして、それぞれに色を割り当て、各受講者ごとに色分類ボタン71〜76のうちの所望のボタンを選択する。そして、処理手段24は、各受講者のユーザ色(分類)情報表示欄691を、操作者によって指定された色で表示させる。図16に示す例では、操作者は、数列を用いた解答の考え方に黄色を割り当て、三角形の面積を用いた解答の考え方に青色を割り当て、台形の面積に基づいた解答の考え方に赤色を割り当てている。
[比較一覧表示機能]
次に、図17を参照して、比較一覧表示ボタン54が選択された場合の比較一覧表示機能について説明する。
図17は、比較一覧表示ボタン54が選択された場合に表示される描画アプリケーションウィンドウの比較一覧表示の一例を示す。図17に示すように、処理手段24は、操作者によって比較一覧表示ボタン54が選択された場合に、ユーザストローク情報表示領域50に、各受講者のユーザストローク情報を縮小表示したサムネイル202A〜202D(202)を同時に並べて一覧表示させる。この場合、処理手段24は、同じ縮尺にて、各受講者のユーザストローク情報に対応するサムネイル202を表示させる。また、処理手段24は、各受講者によって記入されたストロークが少なくとも含まれるような範囲を切り出して、その切り出した範囲に対応する画像をサムネイル202として表示させる。
なお、図17に示す例でも、図16と同様に、各受講者のユーザ色(分類)情報表示欄691に、色が表示されていると共に、各受講者の色・幅表示欄693に、現在設定されているストロークの色及び線幅が表示されている。
[処理フロー]
次に、図18〜図21を参照して、本実施形態において電子ペン収容ユニット3及びコンピュータ装置2が行う処理フローについて説明する。
(1)電子ペン収容ユニットにおける処理
まず、電子ペン収容ユニット3のプロセッサ34が実行する処理の手順について説明する。プロセッサ34は、図18に示す第1の関連付け処理と、図19に示す第2の関連付け処理とを、並行してそれぞれ繰り返し実行する。
(1−1)第1の関連付け処理
図18は、電子ペン収容ユニット3が実行する第1の関連付け処理の処理手順を示すフローチャートである。まず、電子ペン収容ユニット3の任意の収容孔31に電子ペン1が収容された場合、電子ペン収容ユニット3のプロセッサ34は、電子ペン1の端子113と端子313との通電により、電子ペン1の収容孔31への収容を検知する(ステップS101)。そして、プロセッサ34は、収容孔31に収容された電子ペン1の端子113を介して当該電子ペン1のペンIDを読み取る(ステップS102)。
次に、電子ペン収容ユニット3のプロセッサ34は、全ての収容孔31A〜31Dに電子ペン1が収容されたか否か判定する(ステップS103)。そして、全ての収容孔31A〜31Dに電子ペン1が収容されていない場合(ステップS103;No)、プロセッサ34は、ユーザIDにペンIDを割当てることなく、再びステップS101へ処理を戻す。このようにする理由は、電子ペン1のユーザが誤った収容孔31に電子ペン1を収容した場合に、即ち、ネームプレート32により指定された収容孔31と異なる位置に自己が使用する電子ペン1を収容した場合に、一つのペンIDが複数のユーザIDに重複して登録されたり、電子ペン収容ユニット3に収容されるべき電子ペン1のペンIDがどのユーザIDにも対応しなくなったりしてしまうことを防ぐためである。
一方、全ての収容孔31A〜31Dに電子ペン1が収容された場合(ステップS103;Yes)、プロセッサ34は、収容孔31に収容された各電子ペン1の収容孔31への収容位置に応じて、各ペンIDをユーザIDに対応付ける(ステップS104)。各収容孔31にはユーザIDが割り当てられていることから、プロセッサ34は、読み取ったペンIDを各収容孔31に対応するユーザIDに対応付け、図10(b)に相当する対応情報Iupを生成する。そして、プロセッサ34は、ペンIDとユーザIDとを対応付けたデータである対応情報Iupをコンピュータ装置2へ送信する(ステップS105)。なお、好適には、コンピュータ装置2は、対応情報Iupを受信し、図12(C)に相当するユーザ定義情報を設定する際に、音声又は/及び表示画面により、「ユーザIDとペンIDとをペアリングします」などのペンIDとユーザIDとの対応付けを反映させる旨の出力を行うようにしてもよい。
(1−2)第2の関連付け処理
図19は、電子ペン収容ユニット3が実行する第2の関連付け処理の処理手順を示すフローチャートである。
まず、ユーザが自己の電子ペン1を収容させた収容孔31に対応するユーザID確定ボタン33を押下すると、電子ペン収容ユニット3のプロセッサ34は、当該ユーザID確定ボタン33が押下されたことを検知する(ステップS201)。次に、プロセッサ34は、ユーザID確定ボタン33と対応する指定収容孔31に電子ペン1が収容されているか否か判定する(ステップS202)。具体的には、プロセッサ34は、当該指定収容孔31の端子313と、電子ペン1の端子113との通電の有無を検知することで、ステップS202の判定を行う。そして、指定収容孔31に電子ペン1が収容されていない場合(ステップS202;No)、プロセッサ34は、当該ユーザID確定ボタン33は誤って操作されたものであると判断し、フローチャートの処理を終了する。
一方、指定収容孔31に電子ペン1が収容されている場合(ステップS202;Yes)、プロセッサ34は、指定収容孔31に対応するユーザIDに、指定収容孔31に収容されている電子ペン1のペンIDを対応付ける(ステップS203)。そして、プロセッサ34は、対応付けたユーザIDとペンIDとの組に相当する対応情報Iupを、コンピュータ装置2へ送信する(ステップS204)。なお、好適には、コンピュータ装置2は、対応情報Iupを受信し、図12(C)に相当するユーザ定義情報を設定する際に、音声又は/及び表示画面により、「ユーザIDとペンIDとをペアリングします」などのペンIDとユーザIDとの対応付けを反映させる旨の出力を行うようにしてもよい。
(2)コンピュータ装置における処理
図20は、色・線幅の設定及び表示、並びに設定された色・線幅でのストロークの描画を行うために実行されるフローチャートである。まず、コンピュータ装置2では、通信手段23が、電子ペン収容ユニット3の通信手段35によって受信された記入情報を受信して、処理手段24が、ストローク情報やペンIDを含む記入情報を記憶手段25に記憶させる(ステップS301)。そして、処理手段24は、記入情報に含まれるペンIDを認識する(ステップS302)。この際に、処理手段24は、ユーザ定義情報を参照することで(図12(C)参照)、記入情報に含まれるペンIDに対応するユーザIDやユーザ名を特定する。次に、処理手段24は、記入情報に含まれる位置座標から用紙の種類を判定する(ステップS303)。
ステップS303において、処理手段24は、ストローク情報に含まれる位置情報に基づいて特定したユーザエリアと用紙種別からカラーパレット用紙7に記入されているものと判断した場合(ステップS303:カラーパレット用紙)、カラーパレット定義情報(図13参照)を参照して、そのユーザエリアに対応する色・線幅を特定し、特定した色・線幅を、ステップS302で認識したペンIDの電子ペン1によるストロークを描画するための色・線幅として設定する(ステップS304)。そして、処理手段24は、こうして設定した色・線幅を、ステップS302で認識したペンIDに対応する色・幅表示欄693に表示させる(ステップS305)。
一方、ステップS303において、処理手段24は、ユーザストローク情報に含まれる位置情報に基づいて特定したユーザエリアと用紙種別から解答用紙5に記入されているものと判断した場合(ステップS303:解答用紙)、ユーザストローク情報表示領域50に、ステップS304で設定された色・線幅でストロークを描画させる(ステップS306)。
なお、処理手段24は、カラーパレット用紙7を用いて受講者によって色及び線幅の両方が選択された場合には、受講者によって選択された色及び線幅を設定する。これに対して、処理手段24は、受講者によって色及び線幅の一方のみしか選択されていない場合には、色及び線幅の一方をユーザが選択したものに設定すると共に、色及び線幅の他方をデフォルトのものに設定する。他方で、処理手段24は、受講者によって色及び線幅のいずれも選択されていない場合には、デフォルトの色及び線幅を設定する。そして、処理手段24は、このように設定した色及び線幅を色・幅表示欄693に表示させると共に、その色及び線幅でストロークを描画させる。なお、例えば、デフォルトの色は黒であり、デフォルトの線幅は0.7mmmである。
図21は、選択ユーザ表示において実行される処理を示すフローチャートである。まず、処理手段24は、操作者のマウス操作等によって、下部エリアに表示されたサムネイル201のいずれか1つが選択されたことを検知する(ステップS401)。そして、処理手段24は、上部エリアに既に表示されている拡大画像200を縮小表示させると共に、操作者によって選択されたサムネイル201を上部エリアに拡大表示させる(ステップS402)。つまり、処理手段24は、既に拡大表示されている拡大画像200をサムネイル201として一覧表示させると共に、操作者によって選択されたサムネイル201を拡大画像200として表示させる。言い換えると、既に拡大表示されている拡大画像200と、操作者によって選択されたサムネイル201とを入れ替える。
[第1実施形態による作用効果]
第1実施形態の電子ペンシステム10によれば、電子ペン収容ユニット3は、電子ペン1を収容可能な複数の収容孔31を備え、電子ペン1が収容孔31に収容された場合に電子ペン1のペンIDを受信する。そして、電子ペン収容ユニット3は、受信したペンIDを、当該ペンIDの電子ペン1が収容された収容孔31に対応するユーザIDと関連付けた対応情報Iupをコンピュータ装置2へ送信する。このように、電子ペン収容ユニット3は、複数の電子ペン1を収容しつつ、これらのペンIDとユーザIDとを適切に関連付けることができる。そして、コンピュータ装置2は、電子ペン収容ユニット3から送信された対応情報Iupに基づきユーザ定義情報を生成又は変更する。これにより、コンピュータ装置2は、ペンIDと関連付けられたユーザIDを用いて、描画アプリケーションウィンドウ中に種々の表示を行うことができる。
また、電子ペン収容ユニット3は、第1の関連付け処理により、全ての収容孔31に電子ペン1が収容された場合に、ペンIDをユーザIDと関連付ける。このようにすることで、電子ペン収容ユニット3は、ユーザが電子ペン1を収容すべき収容孔31を間違えて他の収容孔31に自己の電子ペン1を収容した場合等に、一つのペンIDを複数のユーザIDに重複して関連付けることや、あるペンIDがどのユーザIDにも対応しなくなるように関連付けを行うのを抑制することができる。
さらに、電子ペン収容ユニット3は、ユーザID確定ボタン33を備え、第2の関連付け処理により、特定のユーザIDとペンIDとの関連付けを、ユーザID確定ボタン33への操作に基づき個別に行う。これにより、電子ペン収容ユニット3は、あるユーザが使用する特定の電子ペン1を故障等により交換する場合などに、全ての電子ペン1を各収容孔31に収容させることなく、ユーザID確定ボタン33が押下されるタイミングに基づき、所望の電子ペン1のペンIDをユーザIDに関連付けることができる。
[第1実施形態の変形例]
次に、第1実施形態の変形例について説明する。以下の変形例は、任意に組み合わせて上述の第1実施形態に適用してもよい。
(変形例1)
図8等に示す電子ペン収容ユニット3は、収容孔31ごとにユーザID確定ボタン33が設けられていたが、本発明が適用可能な電子ペン収容ユニット3の構成はこれに限定されない。これに代えて、電子ペン収容ユニット3は、複数の収容孔31ごとに一つ乃至数個(収容孔31の数より少ない)のユーザID確定ボタン33が設けられていてもよい。
図22(A)は、2つの収容孔31ごとにユーザID確定ボタン33が設けられている電子ペン収容ユニット3Xの構成を示す。図22(A)に示すように、電子ペン収容ユニット3Xには、2つのユーザID確定ボタン33AB、33CDが設けられている。
ユーザID確定ボタン33ABは、収容孔31A、31Bに収容される電子ペン1のペンIDと、当該収容孔31A、31Bに対応するユーザID(「U01」、「U02」)との関連付けを行う際に押下される。ユーザID確定ボタン33ABが押下された場合、電子ペン収容ユニット3Xは、収容孔31A、31Bのいずれにも電子ペン1が収容されていない場合を除き、収容孔31A、31Bに収容されている電子ペン1のペンIDと、当該収容孔31A、31Bに対応するユーザIDとを関連付けた対応情報Iupをコンピュータ装置2へ送信する。
ユーザID確定ボタン33CDは、収容孔31C、31Dに収容される電子ペン1のペンIDと、当該収容孔31C、31Dに対応するユーザID(「U03」、「U04」)との関連付けを行う際に押下される。ユーザID確定ボタン33CDが押下された場合、電子ペン収容ユニット3Yは、収容孔31C、31Dのいずれにも電子ペン1が収容されていない場合を除き、収容孔31に収容されている電子ペン1のペンIDと、当該収容孔31に対応するユーザIDとを関連付けた対応情報Iupをコンピュータ装置2へ送信する。
図22(B)は、ユーザID確定ボタン33が一つ設けられている電子ペン収容ユニット3Yの構成を示す。図22(B)に示すように、電子ペン収容ユニット3Yには、1つのユーザID確定ボタン33ABCDが設けられている。ユーザID確定ボタン33ABCDは、収容孔31A〜31Dに収容される電子ペン1のペンIDと、当該収容孔31A〜31Dに対応するユーザID(「U01」〜「U04」)との関連付けを行う際に押下される。ユーザID確定ボタン33ABが押下された場合、電子ペン収容ユニット3Yは、収容孔31A〜31Dのいずれにも電子ペン1が収容されていない場合を除き、収容孔31に収容されている電子ペン1のペンIDと、当該収容孔31に対応するユーザIDとを関連付けた対応情報Iupをコンピュータ装置2へ送信する。
このように、各ユーザID確定ボタン33が複数の収容孔31に対応付けられている場合であっても、電子ペンシステム10は、全ての収容孔31Aに電子ペン1を収容させることなく、ユーザの任意のタイミングに基づき、ユーザIDとペンIDとの関連付けを行うことができる。
(変形例2)
図1等の説明では、電子ペン収容ユニット3は、電子ペン1から記入情報を受信し、コンピュータ装置2に転送していたが、本発明が適用可能な構成はこれに限定されない。これに代えて、例えば、コンピュータ装置2は、各電子ペン1から直接記入情報を受信してもよい。このとき、電子ペン1の本数が多い場合や、受講者が解答する会場が分散している場合等など全ての電子ペン1から記入情報をコンピュータ装置2が直接受信できない場合には、電子ペン1から送信される記入情報を中継してコンピュータ装置2へ転送するための転送装置を電子ペン収容ユニット3とは別にさらに設けてもよい。
(変形例3)
電子ペン収容ユニット3のプロセッサ34が行う処理の一部をコンピュータ装置2が実行してもよい。具体的には、プロセッサ34は、全ての収容孔31に電子ペン1が収容されたか否かの判定(図18のステップS103参照)を行うことなく、読み取ったペンID(ステップS102参照)を、当該ペンIDの電子ペン1が収容された収容孔31に対応するユーザIDと共にコンピュータ装置2へ送信してもよい。
この場合、コンピュータ装置2は、ユーザID及びペンIDの組を受信した後、全てのユーザIDに対応するユーザID及びペンIDの組を受信したと判断した場合に、受信したユーザID及びペンIDの組に基づき、ユーザ定義情報を生成又は変更する。
なお、変形例3において、電子ペン1が収容孔31から取り出されることも勘案し、電子ペン収容ユニット3は、例えば、電子ペン1を収容している間、所定時間幅ごとにそのペンID及びユーザIDの組をコンピュータ装置2へ送信するとよい。そして、この場合、コンピュータ装置2は、上述の所定時間幅内に、電子ペン収容ユニット3の全ての収容孔31に対応するユーザID及びペンIDの組を受信した場合、全ての収容孔31に電子ペン1が収容されたと判断し、ユーザ定義情報を追加又は変更するとよい。
(変形例4)
コンピュータ装置2の入力手段21によりユーザ名を入力する代わりに、コンピュータ装置2は、使用する各電子ペン1のペンIDと、当該電子ペン1を使用するユーザ名とを関連付けて予め記憶手段25に記憶していてもよい。この場合、コンピュータ装置2は、初期状態において図12(B)に相当するテーブルを記憶手段25に予め記憶しておき、対応情報Iupを電子ペン収容ユニット3から受信した場合に、図12(C)に相当するユーザIDとユーザ名とペンIDとが対応付けられたユーザ定義情報を生成する。
この態様により、電子ペンシステム10は、ユーザ名をキーボード等により入力させることなく、ユーザが各電子ペン1を各収容孔31に収容した段階で、ユーザ定義情報を生成し、上述の描画アプリケーションにおける各種表示を行うことができる。
なお、一つの電子ペン1を複数のユーザが使用する可能性がある場合、例えば時間割によって移動する教室ごとに電子ペン収容ユニット3及び電子ペン1が用意されている場合や、一つの教室に複数の班分けがなされ、かつ、班ごとに電子ペン収容ユニット3及び電子ペンが用意され、各班の班員が電子ペン1を班内で共有して使用する場合には、第1実施形態のように、コンピュータ装置2は、キーボード等によりユーザIDに対応するユーザ名をユーザに入力させるとよい。この場合、コンピュータ装置2は、ユーザ名をユーザIDと関連付けて記憶するため、適切に描画アプリケーションの表示を行うことができる。また、電子ペン1の使用中に当該電子ペン1に不具合が生じ、別の電子ペン1と取り替える場合であっても、第1実施形態の場合には、ユーザ名はユーザIDに関連付けられているため、ユーザは、再びユーザ名を入力する必要がない。
(変形例5)
電子ペン収容ユニット3は、図18のステップS103に代えて、電子ペン1の収容数が所定数以上か否か判定し、当該収容数が所定数以上の場合には、ステップS104及びステップS105の処理を実行してもよい。以後、上述の所定数を、「関連付け開始収容数N」とも呼ぶ。
この場合、電子ペン収容ユニット3は、ボタンやタッチパネルなどの入力手段(不図示)をさらに備え、関連付け開始収容数Nを、電子ペン収容ユニット3の収容孔31の数(「最大関連付け開始収容数Nmax」とも呼ぶ。)の範囲で入力手段によりユーザに指定させてもよい。
このようにすることで、ユーザは、最大関連付け開始収容数Nmaxよりも使用する電子ペン1の数が少ない場合等であっても、電子ペン収容ユニット3を柔軟に使用することができる。例えば、教室ごとに電子ペン収容ユニット3が備え付けられており、当該教室を使用するクラスが入れ替わり、かつ、クラスごとに生徒数が異なる場合等に、本変形例は好適に適用される。
なお、最大関連付け開始収容数Nmaxより小さい関連付け開始収容数Nが設定された場合、小さいユーザIDに対応する収容孔31から順に詰めて電子ペン1が収容されるのが望ましい。一方、電子ペン収容ユニット3は、ユーザIDが小さい順に詰めて電子ペン1が収容されていない場合であっても、収容孔31に収容された電子ペン1の数が関連付け開始収容数Nになった場合にはステップS104及びステップS105の処理を行う。この場合、電子ペンユニット3は、音声又は表示により、小さいユーザIDに対応する収容孔31から順に詰めて電子ペン1を収容する旨の警告を出力してもよい。
ここで、変形例3と本変形例5とを組み合わせる場合について補足説明する。変形例3のように、コンピュータ装置2が図18のステップS103の判定を行う場合には、コンピュータ装置2の入力手段21によりユーザが関連付け開始収容数Nを指定可能であってもよい。この場合であっても、コンピュータ装置2は、関連付け開始収容数Nだけ電子ペン1が収容孔31に収容されたと判断した場合、受信したユーザID及びペンIDの組に基づき、ユーザ定義情報を生成又は変更する。
なお、本変形例5における上述の説明に代えて、電子ペン収容ユニット3に収容する電子ペン1の数が最大関連付け開始収容数Nmaxに満たない場合、電子ペン収容ユニット3は、使用されない収容孔31に、ダミーのペンIDを有する電子ペン1又は使用されない電子ペン1を収容してもよい。
(変形例6)
電子ペン収容ユニット3は、ユーザIDとペンIDとの対応を示す対応情報Iupをコンピュータ装置2に送信した。これに代えて、電子ペン収容ユニット3は、ユーザIDと一対一に対応付けられた収容孔31の識別情報(「収容孔ID」とも呼ぶ。)とペンIDとの対応を示す情報(「対応情報Isp」とも呼ぶ。)をコンピュータ装置2に送信してもよい。この場合、コンピュータ装置2は、収容孔IDとユーザIDとの対応を示す情報(「対応情報Isu」とも呼ぶ。)を記憶手段25に予め記憶しておき、対応情報Isuと、電子ペン収容ユニット3から送信された対応情報Ispとに基づき、ユーザIDとペンIDとを関連付けて、ユーザ定義情報を生成又は変更してもよい。
変形例3の場合も同様に、電子ペン収容ユニット3は、ユーザID及びペンIDを送信する代わりに、収容孔ID及びペンIDの組を送信し、コンピュータ装置2は、受信した収容孔ID及びペンIDの組と予め記憶した対応情報Isuとに基づき、ユーザIDとペンIDとを対応付けて記憶してもよい。
(変形例7)
電子ペン収容ユニット3は、ユーザID確定ボタン33が押下された場合であっても、ユーザID確定ボタン33の押下に基づくペンIDとユーザIDとの関連付けをユーザ定義情報に反映させた場合にユーザ定義情報に不備(矛盾)が生じる場合には、当該ペンIDとユーザIDとの関連付けを行わなくてもよい。ここで、ユーザ定義情報に不備が生じる場合とは、例えば、指定収容孔31に収容された電子ペン1のペンIDが既に別のユーザIDと関連付けられていた場合などが該当する。このようにすることで、電子ペン収容ユニット3は、誤操作等に起因してユーザ定義情報に不備が生じるのを抑制することができる。なお、この場合、好適には、コンピュータ装置2又は電子ペン収容ユニット3は、音声又は画面出力により、ユーザ定義情報に不備が生じる旨をユーザに通知してもよい。
(変形例8)
ユーザID確定ボタン33は、プッシュボタンであったが、これに限らず、電子ペン収容ユニット3は、ユーザがユーザIDとペンIDとを関連付けたい場合に操作可能なインターフェース(指示手段)を有していればよい。
(変形例9)
電子ペンシステム10は、第1の関連付け処理及び第2の関連付け処理の両方を実行したが、これに代えて、ユーザID確定ボタン33の操作に基づく第2の関連付け処理のみを実行してもよい。
(変形例10)
上記した実施形態では、電子ペン、ドットパターン(コード化パターン)、記入情報に、アノト方式を用いていたが、アノト方式を用いることに限定はされない。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。図23は、第2実施形態における電子ペンシステム10Aのシステム構成図を示す。第2実施形態では、電子ペンシステム10Aは、複数の電子ペン収容ユニット3(3A、3B)を備える点で、第1実施形態と異なる。その他、第1実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
電子ペン収容ユニット3A、3Bは、ハブ8を介して共にコンピュータ装置2に接続する。電子ペン収容ユニット3Aは、それぞれペンIDが「pen01」〜「pen04」の電子ペン1A〜1Dを収容し、かつ、電子ペン1A〜1Dによる各解答用紙5A〜5Dへの記入に基づき生成された記入情報を各電子ペン1A〜1Dから受信する。電子ペン収容ユニット3Bは、それぞれペンIDが「pen05」〜「pen08」の電子ペン1E〜1Hを格納し、かつ、電子ペン1E〜1Hによる各解答用紙5E〜5Hへの記入に基づき生成された記入情報を各電子ペン1E〜1Hから受信する。また、電子ペン収容孔31A、31Bには、第1実施形態と同様、各収容孔31に対して、ユーザID確定ボタン33がそれぞれ設けられている。
そして、電子ペンシステム10Aは、第1実施形態と同様、第1の関連付け処理及び第2の関連付け処理を並行して行う。まず、第1の関連付け処理について説明する。
電子ペン収容ユニット3A、3Bは、いずれかの収容孔31に電子ペン1が収容されたことを検知した場合、当該収容孔31に対応するユーザIDと、当該電子ペン1から読み取ったペンIDとの組を、コンピュータ装置2に送信する。コンピュータ装置2は、電子ペン収容ユニット3A、3Bの全ての収容孔31が電子ペン1を収容したか否かの判定を行う。具体的には、まず、コンピュータ装置2は、図24に示すように、各ユーザIDに対応するユーザ名及びペンIDが対応付けられていないユーザ定義情報を初期状態として記憶手段25に記憶している。そして、コンピュータ装置2は、電子ペン収容ユニット3A、3Bの全ての収容孔31に対応するユーザID及びペンIDの組を受信した場合、受信したユーザID及びペンIDの組に基づき、ユーザIDにペンIDを関連付けてユーザ定義情報として記憶する。
なお、電子ペン1が収容孔31から取り出されることも勘案し、電子ペン収容ユニット3A、3Bは、例えば所定時間幅ごとに電子ペン1が収容されている収容孔31に対応するユーザID及びペンIDの組をコンピュータ装置2へ送信するとよい。そして、この場合、コンピュータ装置2は、上述の所定時間幅内に、電子ペン収容ユニット3A、3Bの全ての収容孔31に対応するユーザID及びペンIDの組を受信した場合、当該ユーザID及びペンIDの組に基づきユーザ定義情報を追加又は変更するとよい。
次に、第2の関連付け処理について説明する。電子ペン収容ユニット3A、3Bは、いずれかの収容孔31に電子ペン1が収容された後、当該収容孔31に対応するユーザID確定ボタン33が押下されたことを検知した場合、対応するペンID及びユーザIDの組をコンピュータ装置2へ送信する。また、電子ペン収容ユニット3A、3Bは、電子ペン1が収容孔31に収容された際に送信するペンID及びユーザIDの組と区別するため、ペンID及びユーザIDの組に加え、指定収容孔31に対応するユーザIDの確定を指示するための情報(「ユーザID確定指示情報」とも呼ぶ。)をコンピュータ装置2へ送信する。そして、コンピュータ装置2は、ユーザID確定指示情報を受信した場合、当該ユーザID確定指示情報と共に送信されたユーザID及びペンIDの組を関連付けてユーザ定義情報として記憶する。
[処理フロー]
次に、図25、26を参照して、第2実施形態において、電子ペン収容ユニット3A、3B、及びコンピュータ装置2が実行する処理手順について具体的に説明する。
(1)第1の関連付け処理
図25は、第2実施形態における第1の関連付け処理の処理手順を示すフローチャートの一例である。図25に示すフローチャートは、繰り返し実行される。
まず、電子ペン収容ユニット3Aの任意の収容孔31に電子ペン1が収容された場合、電子ペン収容ユニット3Aは、電子ペン1の端子113との通電により、電子ペン1の収容孔31への収容を検知する(ステップS501A)。そして、電子ペン収容ユニット3Aは、収容孔31に収容された電子ペン1の端子113を介して当該電子ペン1のペンIDを読み取る(ステップS502A)。そして、電子ペン収容ユニット3Aは、電子ペン1の収容孔31への収容位置により一意に定まるユーザID及び読み取ったペンIDをコンピュータ装置2へ送信する(ステップS503A)。
同様に、電子ペン収容ユニット3Bの任意の収容孔31に電子ペン1が収容された場合、電子ペン収容ユニット3Bは、電子ペン1の端子113との通電により、電子ペン1の収容孔31への収容を検知する(ステップS501B)。そして、電子ペン収容ユニット3Bは、収容孔31に収容された電子ペン1の端子113を介して当該電子ペン1のペンIDを読み取る(ステップS502B)。そして、電子ペン収容ユニット3Bは、電子ペン1が収容孔31への収容位置により一意に定まるユーザID及び読み取ったペンIDをコンピュータ装置2へ送信する(ステップS503B)。
そして、コンピュータ装置2は、電子ペン収容ユニット3A、3Bから送信されるユーザID及びペンIDを受信し、受信したユーザID及びペンIDの組を記憶手段25に記憶させる(ステップS501C)。そして、コンピュータ装置2は、送信されたユーザID及びペンIDに基づき、電子ペン収容ユニット3A、3Bの全ての収容孔31に電子ペン1が収容された状態であるか否か判定する(ステップS502C)。例えば、コンピュータ装置2は、電子ペン収容ユニット3A、3Bの全ての収容孔31に対応するユーザID及びペンIDの組を受信した場合に、電子ペン収容ユニット3A、3Bの全ての収容孔31に電子ペン1が収容された状態であると判断する。そして、電子ペン収容ユニット3A、3Bの全ての収容孔31に電子ペン1が収容されていない場合(ステップS502C;No)、コンピュータ装置2は、再びステップS601へ処理を戻し、引き続き電子ペン収容ユニット3A、3BからユーザID及びペンIDの組を受信する。
一方、電子ペン収容ユニット3A、3Bの全ての収容孔31に電子ペン1が収容された状態である場合(ステップS502C;Yes)、コンピュータ装置2は、受信したユーザID及びペンIDの組に基づき、各ペンIDをユーザIDに対応付けて、ユーザ定義情報として記憶手段25に記憶させる(ステップS503C)。なお、この場合、コンピュータ装置2は、音声又は/及び表示画面により「ユーザIDとペンIDとをペアリングします」などのペンIDとユーザIDとの対応付けを反映させる旨の出力を行うようにしてもよい。
(2)第2の関連付け処理
図26は、第2実施形態における第2の関連付け処理の処理手順を示すフローチャートの一例である。図26に示すフローチャートは、繰り返し実行される。
まず、ユーザが自己の電子ペン1を収容させた収容孔31に対応するユーザID確定ボタン33を押下すると、電子ペン収容ユニット3Aは、当該ユーザID確定ボタン33が押下されたことを検知する(ステップS601A)。次に、電子ペン収容ユニット3Aは、ユーザID確定ボタン33に対応する指定収容孔31に電子ペン1が収容されているか否か判定する(ステップS602A)。そして、指定収容孔31に電子ペン1が収容されていない場合(ステップS602A;No)、電子ペン収容ユニット3Aは、当該ユーザID確定ボタン33は誤って操作されたものであると判断し、フローチャートの処理を終了する。一方、指定収容孔31に電子ペン1が収容されている場合(ステップS602A;Yes)、電子ペン収容ユニット3Aは、指定収容孔31に対応するユーザIDと、指定収容孔31に収容されている電子ペン1のペンIDとをコンピュータ装置2へ送信する(ステップS603A)。このとき、電子ペン収容ユニット3Aは、電子ペン1が収容孔31に収容された際に送信するユーザID及びペンIDの組と区別するため、ユーザID及びペンIDの組と共に、ユーザID確定指示情報をコンピュータ装置2に送信する。
同様に、ユーザが自己の電子ペン1を収容させた収容孔31に対応するユーザID確定ボタン33を押下すると、電子ペン収容ユニット3Bは、当該ユーザID確定ボタン33が押下されたことを検知する(ステップS601B)。次に、電子ペン収容ユニット3Bは、ユーザID確定ボタン33と対応する指定収容孔31に電子ペン1が収容されているか否か判定する(ステップS602B)。そして、指定収容孔31に電子ペン1が収容されていない場合(ステップS602B;No)、電子ペン収容ユニット3Bは、当該ユーザID確定ボタン33は誤って操作されたものであると判断し、フローチャートの処理を終了する。一方、指定収容孔31に電子ペン1が収容されている場合(ステップS602B;Yes)、電子ペン収容ユニット3Bは、指定収容孔31に対応するユーザIDと、指定収容孔31に収容されている電子ペン1のペンIDとをコンピュータ装置2へ送信する(ステップS603B)。このとき、電子ペン収容ユニット3Bは、ユーザID及びペンIDの組と共に、指定収容孔31に対応するユーザIDを確定させる旨のユーザID確定指示情報をコンピュータ装置2に送信する。
そして、コンピュータ装置2は、電子ペン収容ユニット3A、3Bから送信されるユーザID及びペンIDを受信し、受信したユーザID及びペンIDの組を記憶手段25に記憶させる(ステップS601C)。また、コンピュータ装置2は、ユーザID及びペンIDと共にユーザID確定指示情報を受信する。そして、コンピュータ装置2は、送信されたユーザIDに、当該ユーザIDと共に送信されたペンIDを対応付けてユーザ定義情報として記憶手段25に記憶させる(ステップS602C)。なお、この場合、コンピュータ装置2は、音声又は/及び表示画面により「ユーザIDとペンIDとをペアリングします」などのペンIDとユーザIDとの対応付けを反映させる旨の出力を行うようにしてもよい。
[第2実施形態の作用効果]
第2実施形態の電子ペンシステム10Aによれば、使用する電子ペン1が多い場合であっても、コンピュータ装置2により適切にユーザ定義情報を生成又は変更することができる。また、複数の電子ペン収容ユニット3が設置されることで、各ユーザの位置に応じて各電子ペン収容ユニット3を柔軟に設置でき、かつ、電子ペン収容ユニット3において通信可能な電子ペン1の数に制限があった場合であっても、好適に電子ペン1から記入情報を電子ペン収容ユニット3が受信することができる。
また、第1の関連付け処理では、コンピュータ装置2が全ての電子ペン収容ユニット3の収容孔31に電子ペン1が収容されたか判定する。これにより、電子ペンシステム10Aは、全ての電子ペン収容ユニット3の収容孔31に電子ペン1が収容されたか好適に判定することができる。従って、電子ペンシステム10Aは、ユーザが電子ペン1を収容すべき収容孔31を間違えて他の収容孔31に自己の電子ペン1を収容した場合等に、一つのペンIDを複数のユーザIDに重複して関連付けることや、あるペンIDがどのユーザIDにも対応しなくなるように関連付けを行うのを抑制することができる。
さらに、電子ペン収容ユニット3A、3Bは、各収容孔31に収容された電子ペン1のペンIDと、当該収容孔31に対応付けられたユーザIDとの関連付けを個別に行うためのユーザID確定ボタン33を備える。これにより、電子ペン収容ユニット3は、あるユーザが使用する特定の電子ペン1を故障等により交換する場合などに、全ての電子ペン1を各収容孔31に収容させることなく、ユーザID確定ボタン33が押下されるタイミングに基づき、所望の電子ペン1のペンIDをユーザIDに関連付けることができる。
[第2実施形態の変形例]
次に、第2実施形態の変形例について説明する。第2実施形態では、第1実施形態の変形例2、4〜10及び以下に述べる変形例11、12を任意に組み合わせて適用可能である。
(変形例11)
第1実施形態の変形例1と同様、電子ペン収容ユニット3A、3Bは、複数の収容孔31ごとに一つのユーザID確定ボタン33が設けられていてもよい。この場合、好適には、図22(B)に示すように、各電子ペン収容ユニット3A、3Bに対してそれぞれ一つのユーザID確定ボタン33が設けられるとよい。このようにすることで、電子ペンシステム10Aは、ユーザのユーザID確定ボタン33への操作に基づき、各電子ペン収容ユニット3A、3BごとにユーザIDとペンIDとの関連付けを行うことができる。
(変形例12)
第2実施形態では、電子ペン収容ユニット3A、3Bの全ての収容孔31が電子ペン1を収容しているか否かの判定(図25のステップS502C参照)をコンピュータ装置2が実行した。これに代えて、電子ペン収容ユニット3A、3Bが通信を行い、互いに又は一方に対し、電子ペン1が収容孔31に収容された際に特定したユーザID及びペンIDの組、または、収容孔31による電子ペン1の収容数に関する情報を送信することで、電子ペン収容ユニット3A、3Bのいずれか一方又は両方がステップS502Cに相当する判定を行ってもよい。そして、電子ペン収容ユニット3A又は/及び3Bは、全ての収容孔31に電子ペン1が収容されたと判断した場合、ユーザIDとペンIDとの対応情報Iupをコンピュータ装置2へ送信する。