JP2014020013A - 法面形成用ブロック及び法面構造及び法面形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】施工面が軟弱地盤である場合でも基礎工事等を行うことなく施工することができ、法面形成材の積載が容易で、法面形成用ブロック同士を三次元的に交絡させることができ、河川の左右両岸の法面を形成する際に使用する法面形成用ブロックを一種類のみにすることができ、しかも、施工後の法面からの排水性が良好な法面形成用ブロックを提供する。
【解決手段】剛体からなる主軸2と、剛体からなり主軸2に対して垂直にかつ交差して配設される少なくとも2本の水平材3aと、剛体からなり,主軸2と水平材3aとからなる交差部において,主軸2と水平材3aの双方に対して垂直に立設される少なくとも2本の柱材4とを有し、水平材3aのそれぞれは,主軸2の軸方向垂直断面から見た場合に,同じ方向に配設されており、柱材4のそれぞれは、主軸2の軸方向垂直断面から見た場合に,同じ方向に配設されていることを特徴とする法面形成用ブロック1Aによる。
【選択図】図1

Description

本発明は、軟弱地盤上に基礎工事なしで直接施工でき、傾斜面を強固に補強するとともに、施工が容易で、法面構造の一部として用いた場合に排水性が良好な法面形成用ブロック及びそれを用いた法面構造及び法面形成方法に関する。
従来から、傾斜した法面を保護するためにさまざまな形態の法面形成用ブロックが発明されている。
本願発明者は、以下に示すような先行技術を発明している。
特許文献1には「法面及び護岸擁壁用構造物及びその施工法」という名称で、法面、河岸及び海岸の崩壊、侵食等の防止及び崩壊、侵食等後の早期修復に使用される法面及び護岸擁壁用構造物及びその施工法に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される発明である法面及び護岸擁壁用構造物は、基礎部を柱状とし、その両端の一方には柱状に対し、直角に一方向乃至四方向に突起した構造物からなり、もう一方には柱状の長さ方向に対し、直角面に三方向に突起した構造物からなるもので、三方向の突起した構造物と柱状基礎部との接続部のうち一つは他の2つと段違いとなっていることを特徴とするものである。
特許文献1に開示される構造物を用いることにより、従来の基礎工事を必要とせず、構造物の絡み合わせと、構造物空隙部等に石材、土嚢、植生袋、土壌等をミックスした工法で、雨水排水機能を保持すると共に高強度の法面及び護岸擁壁を提供できる。また、特許文献1に開示される構造物は、法面、河岸及び海岸の崩壊、侵食等の防止及び崩壊、侵食等後の早期修復に好適である。
特許文献2には「ブロックとその金型とそのブロックを用いた施工方法」という名称で、法面及び護岸の形成に用いるブロックとその金型とそのブロックを用いた施工方法に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示される発明であるブロックは、柱状の本体部と、この本体部の一の端部において垂直方向に突設された第1の突起、第2の突起及び第3の突起と、本体部の一の端部よりも大径に形成された他の端部において垂直方向に突設され第1乃至第3の突起よりも高さの高い第4の突起、第5の突起及び第6の突起とを有するブロックであって、第1乃至第3の突起及び第4乃至第6の突起はそれぞれ一の端部及び他の端部において周方向に等配され、第1の突起と第4の突起、第2の突起と第5の突起、第3の突起と第6の突起は、それぞれ本体部の周方向同位置に設けられ、第1の突起は第2の突起と第3の突起と、第4の突起は前記第5の突起と第6の突起とそれぞれ本体部の軸方向にずらして突設されることを特徴とするものである。
上記構成の特許文献2に開示されるブロックによれば、柱状の本体部の3方向に大きさの異なる突起を設けることで、ブロック同士を複雑に絡み合わせることが可能である。また、ブロック自体の重さを減らすことで運搬作業や組立作業を容易にすることができる。
特開2000−54344号公報 特開2004−324398号公報
特許文献1,2に開示されるいずれの発明の場合も、施工面上に載置された法面及び護岸擁壁用構造物,ブロックの荷重を、柱状の基礎部,本体部に、放射状に突設される突起の先端において支える構造になっている。このため、これらの施工面が軟弱地盤である場合は、特許文献1,2に開示される法面及び護岸擁壁用構造物,ブロックが、施工面に沈み込む恐れがあり、軟弱地盤上に施工する場合は、他の従来技術と同様に予め施工面に基礎工事を行う必要があった。
また、特許文献1,2に開示される法面及び護岸擁壁用構造物,ブロックでは、施工面上に載置した際に、柱状の基礎部,本体部が施工面から浮き上がって配置されるため、これらの柱状の基礎部,本体部と施工面との隙間を、法面形成材である、例えば、土砂又は礫又は砕石又は土のう又は植生袋又はこれらから選択される少なくとも2種類の組合せによりしっかりと埋めてやる必要があり、手間がかかるという課題があった。
特に、特許文献1,2に開示される法面及び護岸擁壁用構造物,ブロックのいずれを用いる場合も、その固定に砕石を用いる際には、施工面上に浮いた状態で配設される柱状の基礎部,本体部の隙間を砕石で埋めるために、高度な石組みの技術が必要であり、作業効率を向上し難いという課題があった。
さらに、特許文献1,2に開示される発明においては、柱状の基礎部,本体部に突設される突起同士を交絡させる場合、この突起同士は互いに点で接触して支え合って二次元的に交絡されているに過ぎない。この場合、特許文献1,2に開示される法面及び護岸擁壁用構造物,ブロックに、法面の内部から表面側に押し出すような力が作用した際に、この力に対する抗力が十分に発揮されない恐れがあった。
また、特許文献1,2に開示される法面及び護岸擁壁用構造物,ブロックを用いて河川や水路、道路、谷間等の左右両岸に法面を形成する場合、右岸側に使用する法面及び護岸擁壁用構造物,ブロックと、左岸側に使用する法面及び護岸擁壁用構造物,ブロックは同一形状ではなく、互いに鏡面対称体の関係にある2種類の法面及び護岸擁壁用構造物,ブロックを準備する必要があった。この場合、2種類の金型を準備する必要があり、その生産性を向上することが難しい上、2種類の法面及び護岸擁壁用構造物,ブロックは互いに見分けがつきにくいので、施工時に取り違える恐れもあり煩雑であった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、施工面が軟弱地盤である場合でも設置の際に基礎工事等を行う必要がなく、法面形成材を積載する際の手間がかからず、ブロック同士を強固に交絡させることができ、右岸側に施工するものと左岸側に施工するものとが同一形状であり、しかも、施工後の法面からの排水性が極めて良好な法面形成用ブロック及びそれを用いた法面構造及び法面形成方法を提供することにある。
上記目的を達成するため請求項1記載の発明である法面形成用ブロックは、剛体からなる主軸と、剛体からなり,主軸に対して垂直に,かつ,交差して配設される少なくとも2本の水平材と、剛体からなり,主軸と水平材とからなる交差部において,主軸と水平材の双方に対して垂直に立設される少なくとも2本の柱材とを有し、水平材のそれぞれは,主軸の軸方向垂直断面から見た場合に,同じ方向に配設されており、柱材のそれぞれは、主軸の軸方向垂直断面から見た場合に,同じ方向に配設されていることを特徴とするものである。
上記構成の発明において、主軸は、水平材及び柱材を支持するという作用を有する。また、主軸と水平材は、施工面に直接接触して法面形成用ブロックを支えるという作用を有する。
さらに、水平材は、この請求項1記載の法面形成用ブロックと、土砂又は礫又は砕石又は土のう又は植生袋又はこれらから選択される少なくとも2種類の組合せからなる法面形成材とにより法面を形成する際に、法面形成材中に埋設されて、法面形成材から請求項1記載の法面形成用ブロックが抜け落ちるのを妨げるという作用を有する。
加えて、柱材は、請求項1に記載の法面形成用ブロックと、上述のような法面形成材とにより法面を形成する際に、法面の表面を支えるという作用を有する。
また、複数の請求項1に記載の法面形成用ブロックと上記法面構成材とからなる層構造を複数層積層して法面構造を形成する際に、鉛直上下方向に隣接して形成されるそれぞれの層構造において、鉛直下方側に配置される法面形成用ブロックの柱材の頭部近傍に、鉛直上方側に配置される法面形成用ブロックの交差部が係止されることで、鉛直上下方向に配置される法面形成用ブロックを互いに交絡した状態にするという作用を有する。これにより、鉛直上下方向に配置される法面形成用ブロックが互いに支えあうという作用を有する。
また、請求項1記載の法面形成用ブロックを用いる場合は、右岸側、左岸側のいずれに配置される場合も、その形状は1種類のみでよい。この場合、従来技術のように互いに鏡面対称体の関係にある2種類のブロックを準備する必要がないので、請求項1記載の法面形成用ブロックの生産効率を向上させるという作用を有する。
請求項2記載の発明である法面形成用ブロックは、請求項1記載の法面形成用ブロックであって、水平材及び柱材をそれぞれ3本以上備え、水平材及び柱材は,主軸上に一定間隔毎にセットで配設されていることを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項1記載の発明と同じ作用に加えて、主軸上に少なくとも3セットの水平材及び柱材を一定間隔毎に備えた、長くて大型の法面形成用ブロックを提供するという作用を有する。
また、上述のような長くて大型の請求項2に記載の法面形成用ブロックでは、主軸上に配設される水平材及び柱材からなるセットの間隔は一定であるため、複数の請求項2に記載の法面形成用ブロックと上述の法面構成材とからなる層構造を複数層積層して法面構造を形成する際に、鉛直上下方向に隣接して形成される層構造において、鉛直上方側に配置される請求項2に記載の法面形成用ブロックの全ての交差部に、鉛直下方側に配置される請求項2に記載の法面形成用ブロックの柱材を1本ずつ係止させるという作用を有する。
これにより、鉛直上下方向に配置される請求項2に記載の法面形成用ブロックを、互いに支え合う構造にするという作用を有する。
請求項3記載の発明である法面形成用ブロックは、請求項1又は請求項2に記載の法面形成用ブロックであって、水平材と柱材とをつなぐ補強材を備えることを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明と同じ作用に加えて、水平材と柱材とをつなぐ補強材を備えることで、これらを引き裂くように作用する外力に対する抗力を高めるという作用を有する。
請求項4記載の発明である法面構造は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の法面形成用ブロックと,土砂又は礫又は砕石又は土のう又は植生袋又はこれらから選択される少なくとも2種類の組合せからなる法面形成材と,を交互に積層してなる法面構造であって、法面形成用ブロックと法面形成材とからなる層構造の重なり部において,鉛直下方側に配設される法面形成用ブロックの柱材の頭部近傍に,鉛直上方側に配設される法面形成用ブロックの主軸と水平材とからなる交差部が係止されていることを特徴とするものである。
上記構成の発明において、法面形成用ブロックは、上記請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載される法面形成用ブロックと同じ作用を有する。
また、法面形成材は、その荷重により施工面上に上記請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載される法面形成用ブロックを固定するという作用を有する。これに対して、請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載される法面形成用ブロックは、施工面上に積み重ねられる法面形成材中にその大部分が埋設されることで、法面形成材を保定してその崩壊を妨げるという作用を有する。
さらに、請求項4記載の法面構造においては、鉛直上下方向に配設される法面形成用ブロックが互いに交絡した状態になることで、複数の法面形成用ブロックからなる三次元的な網目構造内に固形状の法面形成材が保持された構造となるので、法面を柔らかく、かつ、強固に保持して補強するという作用を有する。
また、法面形成用ブロックと法面形成材とからなる請求項4記載の法面構造は、その法面のどこからでもスムースに水が排水される。
さらに、請求項4記載の法面構造において、法面形成用ブロックに作用する荷重は、法面形成用ブロックの主軸及び水平材の下面により支えられるため、施工面が軟弱地盤である場合でも、法面形成用ブロックが施工面に沈み込む恐れが少ない。これにより、請求項4記載の発明の施工性が改善される。
加えて、請求項4の法面構造の施工時に、法面形成用ブロックを施工面に載置した際に、法面形成用ブロックと施工面との間に隙間が形成されないので、法面形成材の積載作業を容易にするという作用も有する。
請求項5記載の発明である法面形成方法は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の法面形成用ブロックを配設する第1の工程と、この法面形成用ブロックの水平材上に土砂又は礫又は砕石又は土のう又は植生袋又はこれらから選択される少なくとも2種類の組合せからなる法面形成材を積載する第2の工程と、を交互に繰り返して法面形成用ブロックと法面形成材とからなる層構造を複数層形成する法面形成方法において、鉛直下方側に配設される法面形成用ブロックの柱材の頭部近傍に,鉛直上方側に配設される法面形成用ブロックの主軸と水平材とからなる交差部を係止させながら層構造を積層することを特徴とするものである。
上記構成の発明は、先の請求項4記載の発明を方法の発明として捉えたものである。上記構成の発明において、第1,第2の工程は、法面内部から表面への排水が良好な層構造を形成させるという作用を有する。
また、この層構造を複数層形成するとともに、その際に、鉛直下方側に配設される法面形成用ブロックの柱材の頭部近傍に、鉛直上方側に配設される法面形成用ブロックの主軸と水平材とからなる交差部を係止させながら層構造を積層することで、各層構造内に配設される法面形成用ブロック同士が互いに交絡した状態となり、これにより法面に複数の法面形成用ブロックからなる三次元的な網目構造を形成させるという作用を有する。また、この三次元的な網目構造により固形状の法面形成材を保定するという作用を有する。
本発明の請求項1記載の発明によれば、軟弱地盤上に直に載置して施工した場合でも沈み込みが生じ難い法面形成用ブロックを提供することができる。
また、請求項1記載の法面形成用ブロックの場合、施工面上に載置した場合に、主軸や水平材と、施工面との間に隙間が生じないので、この法面形成用ブロックと法面形成材とを用いて法面構造を形成する際の、法面形成材の積載作業を容易にできる。これにより、請求項1記載の法面形成用ブロックの施工性を向上できる。
さらに、請求項1記載の発明の場合、右岸側、左岸側のいずれの法面を形成する場合でも、従来技術のように、互いに鏡面対称の関係にある2種類のブロックを準備する必要がない。すなわち、請求項1記載の発明によれば、1種類のブロックのみで、右岸側、左岸側の両方の法面を形成することができる。このため、請求項1記載の法面形成用ブロックの生産性、及び、それを用いた法面構造の施工性を向上することができる。
そして、請求項1記載の法面形成用ブロックを用いて法面を形成する場合、その柱材の頭部近傍を、他の法面形成用ブロックの交差部に係止させることができる。この結果、請求項1記載の法面形成用ブロック同士が互いに交絡されてなる三次元的な網目構造が形成されることにより、法面を柔軟にかつ強固に補強することができる。
加えて、請求項1記載の法面形成用ブロックは、剛体からなる棒状の部材を交差させながら連結したものであるため、このような法面形成用ブロックを網目状に配設した場合でも、法面内部から表面への水の流れが妨げられない。すなわち、水が、あたかもざるの目を通過するかのうように、複数の法面形成用ブロックが交絡されてなる網目構造を通過するので、豪雨時などに法面構造が水圧により崩壊するリスクを低減できる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同じ効果に加えて、より大型の(主軸の長さが長くて水平材及び柱材の数が多い)法面形成用ブロックを提供することができる。この場合、所望の区間内に法面構造を形成する際の、法面形成用ブロックの使用数を少なくできる。
なお、請求項2記載の法面形成用ブロックによれば、施工しようとしている法面の平面形状が、直線状であったり、湾曲半径の大きい湾曲した法面を形成する場合に、その施工性を向上できる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は請求項2記載の発明と同じ効果に加えて、より強度の高い法面形成用ブロックを提供することができる。これにより、請求項3記載の法面形成用ブロックを用いてなる法面構造の強度も高めることができる。
請求項4記載の発明における法面形成用ブロックの効果は、請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載の法面形成用ブロックによる効果と同じである。
また、請求項4記載の発明おいて、層構造を法面形成用ブロックと法面形成材とにより構成するとともに、鉛直上下方向の各層構造に配設される法面形成用ブロック同士を互いに交絡させることで、複数の法面形成用ブロックからなる三次元的な網目構造の隙間に、法面形成材が絡まった構造体を形成することができる。
このような請求項4記載の法面構造では、その内部から表面に水をスムースに排出することができるので、豪雨時に崩壊し難い法面構造を提供することができる。
また、請求項4記載の法面構造では、法面形成用ブロック同士が、L字形の交差部において係止された状態となる。このような係止構造を形成することにより、特許文献1,2に開示されるような従来技術に比べて、法面形成用ブロック同士の支持構造をより強固にすることができる。この場合、請求項4記載の法面構造に、流木や流石が接触するなどして大きな外力が作用した場合の抗力を高めることができる。
他方、特定の層構造内に配設される法面形成用ブロック同士は互いに接触していないので、この点は請求項4記載の法面構造の柔軟性として機能する。すなわち、請求項4記載の法面構造に対して水平方向の外力が作用した場合、例えば、地震が起こった場合は、請求項4記載の法面構造自体を柔らかく変形させることで、法面構造の破壊を防止できる。
よって、請求項4記載の法面構造によれば、水害や土石流、又は、地震等の自然災害に強い法面構造を提供することができる。
さらに、請求項4記載の法面構造が排水用の隙間を多く有しているということは、請求項4記載の法面構造に自然な植生が定着し易いことを意味している。従って、請求項4記載の法面構造を用いることで、動植物が生息し易く周囲の自然環境に調和し易い法面構造を提供することができる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明を方法の発明として捉えたものであり、請求項5記載の法面形成方法により形成される法面構造による効果は、請求項4記載の発明による効果と同じである。
また、請求項5記載の法面形成方法によれば、軟弱地盤上に直に請求項4記載の法面構造を施工することができる。この場合、基礎工事の手間を省くことができるので、施工コストを削減できる。
また、請求項5記載の法面形成方法によれば、第1の工程と第2の工程を繰り返すという単純作業を行うだけで、請求項4記載の法面構造を形成することができる。
この場合、施工者側は高度な石組み技術を用いる必要がないので、高い機能を有する法面構造を容易に施工することができる。
よって、土木建築現場においてだけではなく、住宅地や耕地においても日曜大工を行なう程度の労力で容易に施工できる汎用性の高い法面形成方法を提供できる。
本発明の実施例1に係る法面形成用ブロックの斜視図である。 本発明の実施例2に係る法面構造の施工手順を示す斜視図である。 本発明の実施例2に係る法面構造の施工手順を示す斜視図である。 本発明の実施例2に係る法面構造の施工手順を示す斜視図である。 本発明の実施例2に係る法面構造の部分斜視図である。 本発明の実施例2に係る法面構造を水路の左右両岸に配設した状態を示す部分斜視図である。 図6中の符号Qで示す方向から見た矢視図である。 本発明の実施例1の変形例に係る法面形成用ブロックの斜視図である。 本発明の実施例1及びその変形例に係る法面形成用ブロックを用いてなる法面構造の部分斜視図である。
本発明の実施例1に係る法面形成用ブロックについて図1を参照しながら詳細に説明する。
ここでは実施例1に係る法面形成用ブロックの構造について図1を参照しながら説明し、その作用,効果については後段の実施例2において詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1に係る法面形成用ブロックの斜視図である。
図1に示すように、実施例1に係る法面形成用ブロック1Aは、施工面5上に、その中心軸が施工面5と平行に配設される剛体からなる主軸2と、この主軸2に対して垂直にかつ交差して配設される少なくとも2本の剛体からなる水平材3aと、主軸2と水平材3aとの交差部Pにおいて、主軸2及び水平材3aの双方に対して垂直に立設される少なくとも2本の剛体からなる柱材4とにより構成されるものである。
また、実施例1に係る法面形成用ブロック1Aにおいては、主軸2に取設される水平材3aのそれぞれは、主軸2の軸方向垂直断面から見た場合に、同じ方向に配設されているとともに、柱材4のそれぞれも、主軸2の軸方向垂直断面から見た場合に、同じ方向に配設されている。
なお、主軸2、水平材3a及び柱材4はいずれも、水に強く劣化し難い剛体であればどのような材質を用いてもよいが、例えば、鉄筋コンクリートにより構成することが望ましい。
本発明の実施例2に係る法面構造について図2乃至図9を参照しながら説明する。
実施例2に係る法面構造は、上述の実施例1に係る法面形成用ブロック1Aを用いて形成されるものである。従って、ここでは実施例1に係る法面形成用ブロック1Aの作用、効果についても併せて説明する。また、実施例2に係る法面構造の施工手順が、本発明に係る法面形成方法である。
はじめに、図2乃至図4を参照しながら実施例2に係る法面構造の施工手順について説明する。
図2乃至図4はいずれも本発明の実施例2に係る法面構造の施工手順を示す斜視図である。なお、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
上述のような実施例1に係る法面形成用ブロック1Aを用いた法面構造(実施例2に係る法面構造10A)を形成するには、まず、図2に示すように、平坦な(略平坦の概念も含む)施工面5上に、複数の法面形成用ブロック1Aを、隙間11を開けながら直列状に並べる(第1の工程)。なお、法面形成用ブロック1Aにおいて短い方の水平材3aが配設される側が法面の表面側になる。従って、図2では、図面手前側が法面構造の表面となり、図面奥手側が法面構造の内部側となる。
なお、この第1の工程において、隣り合う法面形成用ブロック1A同士の主軸2のなす角度を適宜変更することで、湾曲した形状の法面も特殊な形状の継手等を用いることなしに形成することができる。
また、実施例1に係る法面形成用ブロック1Aが施工面5上に載置された場合、主軸2の鉛直下方側の面の全体と、水平材3aの鉛直下方側の面の全体が同時に施工面5に接触する(後段で説明する図7を参照)。
この場合、特許文献1,2に開示される従来技術の場合とは異なり、法面形成用ブロック1Aが施工面5上において点でなく面で支えられることになるので、法面形成用ブロック1A上に図示しない法面形成材を積載して荷重を作用させた場合に、法面形成用ブロック1Aの沈み込みを抑制できる。
上述の第1の工程の次は、図4に示すように、直列状に並べられた複数の法面形成用ブロック1Aの水平材3a上に、砕石6や礫7、あるいは、土砂8からなる法面形成材12を、柱材4の頭部近傍4aが裸出する程度の高さにまで積み重ねるとともに、この法面形成材12の上面を平坦な平坦面13にする工程である(第2の工程)。
この時、法面形成用ブロック1Aの柱状の主軸2の縦半分を、法面形成材12の中に埋めることで、法面形成材12による主軸2の固定効果が発揮されるだけでなく、出来あがった法面構造の見映えを良くすることができる。
なお、図4では、法面形成材12として、砕石6、礫7及び土砂8を組み合わせて使用する場合を例に挙げて説明しているが、法面形成材12として上述のうちのいずれか1種類のみを用いても良いし、上述の法面形成材12の他にも土のうや植生袋を単独で、あるいは、上述の法面形成材12と組み合わせて使用しても良い。
なお、個々の固形物の大きさが異なる複数種類の法面形成材12を組み合わせて使用する場合は、固形物の大きさが大きい法面形成材12を法面構造の表面側に、固形物の大きさが小さい法面形成材12を法面構造の内部側に配設すると良い。
また、先にも述べたように、施工面5上に法面形成用ブロック1Aを載置した場合、その主軸2と水平材3aの下面の全体が施工面5と接触するので、主軸2や水平材3aが施工面5から浮き上がった状態にはならない。
このため、法面形成用ブロック1Aの主軸2と水平材3a上に法面形成材12を積載する際に、特殊な技術が必要ないので、誰でも容易に行うことができ、その作業性を向上できる。
より具体的には、特許文献1,2に開示される発明の場合はいずれも、施工面上に従来技術に係る法面及び護岸擁壁用構造物,ブロックを載置した際に、柱状の基礎部,本体部が施工面から浮き上がった状態になるため、これら基礎部,本体部と施工面との間にもしっかりと法面形成材12を充填する必要があり煩雑であった。
特に、法面形成材12として砕石6を使用する場合は、従来技術に係る法面及び護岸擁壁用構造物,ブロックにおける基礎部,本体部と施工面との隙間を埋めるために高度な石組み技術が必要であり、誰もが容易に施工できるというものではなかった。
従って、実施例2に係る法面構造を形成するにあたり、図1に示すような実施例1に係る法面形成用ブロック1Aを使用することで、その施工性及び作業性を大幅に改善することができる。
なお、上述の第1の工程と、上記第2の工程とを1回ずつ行うことにより形成される構造物が、実施例2に係る法面構造における1層分の層構造9に相当するものである(図3を参照)。
このように、実施例2に係る法面構造は、上述の第1の工程と、第2の工程とをセットにして複数回繰り返し行なうことで、図3に示すような層構造9を複数層積み重ねることにより形成されるものである。
さらに、実施例2に係る法面構造は、図3に示すような層構造9の積み重ね方に特徴を有している。この点について、図4及び図5を参照しながら詳細に説明する。
施工面5上に形成された第1層目の層構造9上に、新たに第2層目の層構造9を形成する場合は、図4に示すように、第1層目の層構造9の最上面である平坦面13上に新たな法面形成用ブロック1Aをその向きをそろえながら直列状に配置する第1の工程を行なうのであるが、この時、第1層目の層構造9を構成する法面形成用ブロック1Aの柱材4の頭部近傍4aに、第2層目の層構造9を構成する法面形成用ブロック1Aの交差部Pを係止させる点が本発明の最大の特徴である。
このように、実施例2に係る法面構造10Aを構成する各層構造9に配設される法面形成用ブロック1Aを互いに交絡させることで、法面構造10A全体を一体化することができる。
また、法面形成用ブロック1A同士の交絡構造を、柱材4と交差部Pとの接触により行なうことにより、左右両岸の法面構造を形成するために使用する法面形成用ブロック1Aの形状を、統一された1種類のみにできるという独自の効果も有する。
より具体的に説明すると、引用文献1,2に開示される従来技術の場合は、柱状の基礎部,本体部に放射状に取設される突起を互いに交差させることで、従来技術に係る法面及び護岸擁壁用構造物,ブロック同士を交絡させているのであるが、この場合、形成される法面に対して柱状の基礎部,本体部を垂直に配設しつつ、出来あがった法面を平坦にするためには、柱状の基礎部,本体部に放射状に取設される突起のいずれか1つの取り付け位置をずらしておく必要があった。
この場合、例えば、水路や河川、道路、谷間の左右両岸に法面を形成する場合は、1種類の統一された形状の法面及び護岸擁壁用構造物,ブロックでは対処することができず、鏡面対称の関係にある2種類の法面及び護岸擁壁用構造物,ブロックを作製する必要があった。この場合、当然に、2種類の金型を別々に準備する必要があり、その生産性を向上し難かった。また、出来あがった従来技術にかかる法面及び護岸擁壁用構造物,ブロックを施工時に取り違えないように注意する必要もあり煩雑であった。
これに対して、実施例2に係る法面構造の場合は、図4に示すような法面形成用ブロック1A同士の交絡構造を採用することで、右岸側、左岸側のどちらの法面を形成する場合でも、使用する法面形成用ブロック1Aの形状を1種類のみにすることができる。
また、実施例2に係る法面構造の場合、法面形成用ブロック1A同士の交絡は、引用文献1,2に開示される従来技術のように二次元方向において行なわれるものではなく、三次元方向において行なわれるものであるため(図4を参照)、従来技術の場合よりもより強固にかつ確実に法面形成用ブロック1A同士を交絡させることができる。
なお、実施例2に係る法面構造10Aを形成する際に使用する法面形成用ブロック1Aの形状を全て同じにすることで、各層構造9に配設される法面形成用ブロック1Aの柱材4の全てに、他の法面形成用ブロック1Aの交差部Pを係止させることができる。
ここで実施例1に係る法面形成用ブロック1Aを用いてなる法面構造10Aの作用,効果について図5を参照しながら説明する。
図5は本発明の実施例2に係る法面構造の部分斜視図である。なお、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。また、図5では砕石6や礫7、あるいは、土砂8からなる法面形成材12の記載は省略している。
図5に示すように、実施例2に係る法面構造10Aでは、鉛直方向に積層される層構造9において、鉛直下方側に配設される法面形成用ブロック1Aの柱材4の頭部近傍4aに、鉛直上方側に配設される法面形成用ブロック1Aの交差部Pが係止されている。
この場合、鉛直下方側に配設される法面形成用ブロック1Aと、鉛直上方側に配設される法面形成用ブロック1Aとは互いに支え合って、双方の動きを規制するように作用する。
その一方で、先の図4に示すように、同じ層構造9内に配設される法面形成用ブロック1A同士は隙間11を形成しながら配設されているので、法面形成材12の存在を無視すれば、直列状に配設される個々の法面形成用ブロック1Aは、その上段に配設される法面形成用ブロック1Aの交差部Pから離れる方向への移動が可能である。
従って、実施例2に係る法面構造10Aは、法面形成用ブロック1A同士が鉛直方向に互いに交絡し合って支え合う堅牢な構造と、法面形成用ブロック1A同士が水平方向に隙間11を形成しながら配設されることによる柔軟な構造とを同時に併せ持っている。
このような実施例2に係る法面構造10Aでは、法面形成用ブロック1A同士の鉛直方向に互いに交絡していることで、法面構造10Aの局所に流木や流石が接触して大きな外力が作用した場合に、交絡し合う全ての法面形成用ブロック1Aによりその力を支えることができるので、法面構造10Aの破損を防止することができる。
その一方で、例えば、地震が発生した場合は、法面形成用ブロック1A同士が水平方向に隙間11を形成しながら配設されることで、実施例2に係る法面構造10Aを柔軟に変形させることができる。これにより、法面構造10Aの局所に応力が集中する等により法面構造10Aが崩壊するのを防止できる。
さらに、実施例2に係る法面構造10Aでは、複数の法面形成用ブロック1Aにより形成される三次元的な網目構造内に法面形成材12が保持される構造であるので、法面構造10Aの内部から表面への排水も極めて良好である。このため、法面構造10Aが内部の水圧により倒壊する恐れも極めて少ない。
従って、実施例2に係る法面構造10Aによれば、水害や土石流、あるいは、地震等の自然災害に強い法面構造を提供することができる。
加えて、実施例2に係る法面構造10Aにおける排水用の隙間は、動植物の生育場所としても最適であることから、周囲の自然環境と調和し易い法面構造を提供することができる。
さらに、実施例2に係る法面構造10Aに草木類が生育した場合、法面構造10Aを構成する法面形成用ブロック1Aと法面形成材12との交絡に加え、草木類の根茎との法面構造10Aとの交絡によって、実施例2に係る法面構造10Aの強度を一層高めることができる。
ここで、図6,7を参照しながら実施例2に係る法面構造10Aの使用例について説明する。
図6は本発明の実施例2に係る法面構造を水路の左右両岸に配設した状態を示す部分斜視図であり、図7は図6中の符号Qで示す方向から見た矢視図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。また、図6,7では、法面形成材12の記載は省略した。
図6,7に示すように、実施例1に係る法面形成用ブロック1Aを用いることで、左右両岸の法面構造10Aを1種類の法面形成用ブロック1Aのみで形成することができる。
また、実施例1に係る法面形成用ブロック1Aを用いて実施例2に係る法面構造10Aを形成する場合は、法面形成用ブロック1A同士の隙間11が、鉛直方向に一直線上に配置されないよう注意するとよい。より具体的には、法面形成用ブロック1A同士の隙間11が、鉛直方向にジグザグ状に配置されるように各層構造9を形成することが望ましい。
法面形成用ブロック1Aの隙間11を鉛直方向にジグザグ状に配置することで、隙間11が連続する部分を変形し難くすることができ、これにより法面構造10Aを破損し難くすることができる。
また、実施例1に係る法面形成用ブロック1Aは、メートル単位の大型のものにしても良いし、数十センチ単位の小型のものにしてもよい。前者の場合は、河川や道路、谷間等の法面を形成する場合のように、大掛かりな土木工事を行う際に適している。他方、後者の場合は、テラス状の田畑の法面の形成や補修、耕地の用水路の形成や補修、あるいは、住宅等の建築物の周囲の法面の形成や補修に利用することができる。
実施例2に係る法面構造10Aは、上述の通り、単純作業である第1,第2の工程を繰り返すことで容易に形成することができるため、日曜大工を行なう程度の労力で容易に施工できる。従って、災害時でも十分な強度と耐久性を有する簡易な法面形成方法を提供することができる。
ここで、実施例1の変形例に係る法面形成用ブロックについて図8,9を参照しながら説明する。
先の図1に示すような実施例1に係る法面形成用ブロック1Aの主軸2を直角に配置して、実施例2に係る法面構造10Aにコーナーを形成しようとすると、主軸2に対して交差して取設される水平材3aの長い方が干渉し合って、上手くコーナーを形成することができないという課題があった。
このような事情に鑑み開発されたのが図8に示すような実施例1の変形例に係る法面形成用ブロックである。
図8は本発明の実施例1の変形例に係る法面形成用ブロックの斜視図である。なお、図1乃至図7に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。ここでは法面形成用ブロック1Aとの相違点について説明する。
実施例1の変形例に係る法面形成用ブロック1Bは、主軸2に垂設される水平材3bの交差部Pからの長さが、柱材4の長さよりも短く構成されたものである。
図9は本発明の実施例1及びその変形例に係る法面形成用ブロックを用いてなる法面構造の部分斜視図である。なお、図1乃至図8に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図9に示すように、実施例1に係る法面形成用ブロック1Aと、その変形例に係る法面形成用ブロック1Bとを組み合わせて使用することで、図9中の符号Rで示すようなコーナーを有する法面構造10Bを形成することができる。
この場合、法面形成用ブロック1Aと法面形成用ブロック1Bとを用いてコーナーRを形成することで、法面形成用ブロック1Aの水平材3aと、法面形成用ブロック1Bの水平材3aとが干渉するのを防止できる。
また、法面形成用ブロック1Bを使用する場合でも、法面形成用ブロック1Aを使用する場合と同様に、その柱材4の頭部近傍4aに、他の法面形成用ブロック1Aの交差部P、又は、他の法面形成用ブロック1Bの交差部Pを係止させることができるので、法面形成用ブロック1A及び法面形成用ブロック1Bからなる法面構造10Bも、堅牢さと柔軟性を同時に備えた構造にすることができる。
この場合、実施例1に係る法面形成用ブロック1Aの汎用性を高めることができる。
なお、実施例1に係る法面形成用ブロック1Aの水平材3aの長さの制約は特にないが、実施例2に係る法面構造10Aの表面側に配設される水平材3aの長さを、柱材4の長さよりも短くしておくことで、法面構造10Aの表面において水平材3aが障害になるのを防止できるとともに、施工時の作業性も向上できる。さらに、実施例2に係る法面構造10Aの表面側に配設される水平材3aの長さを統一しておくことで、法面形成用ブロック1Aの見映えを良くすることができる。
また、実施例1に係る法面形成用ブロック1Aの柱材4の長さについても特に制約はないが、柱材4の長さにより層構造9の鉛直方向の高さが決まる。このため、柱材4の長さが短い場合は、施工の手間やコストがかかるものの、法面形成用ブロック1Aを密に配設することができるので、高い強度を有する法面構造を提供できる。他方、柱材4の長さを長くすると、法面形成用ブロック1Aが疎らに配設されることになるので、施工性が高まる反面、法面形成材12の組合せ方によっては、十分な強度が発揮されない場合もある。この場合は、法面形成材12として重量のある砕石6を多用することで法面構造10A,10Bの強度の低下を補うことができる。
さらに、実施例2に係る法面構造10Aの内部側に配設される水平材3aの長さにも特に制約はないが、柱材4の長さよりも水平材3aの長さを長くすることで、法面構造10Aの安定性と強度を高めることができる。また、実施例2に係る法面構造10Aの内部側に配設される水平材3aの長さをそろえておく必要性も特にはないが、施工性を考えると、法面構造10Aの内部側に配設される水平材3aの長さが一定であることが好ましい。
実施例1に係る法面形成用ブロック1Aの他の変形例について説明する。
上述の図1では、主軸2上に、水平材3aと柱材4とからなる組み合わせを2セット設ける場合を例に挙げて説明しているが、これらの組み合わせの数は2セット以上でもよい(図示せず)。
この場合、水平材3a又は柱材4の間隔を一定にすることで、このような他の変形例に係る法面形成用ブロックを用いて法面構造を形成する場合に、全ての柱材4の頭部近傍4aに、他の変形例に係る法面形成用ブロックの交差部Pを係止させることができる。
このような他の変形例に係る法面形成用ブロックを用いることによれば、直線状の法面構造を効率よく形成することができる。この場合、実施例1の他の変形例に係る法面形成用ブロックを構成する主軸2の長さが長くなるほど、また、主軸2に配設される水平材3aと柱材4とからなる組み合わせの数が密であるほど、出来上がった法面構造の強度が高くなる。他方、主軸2の長さが短いほど、また、主軸2上に取設される水平材3aと柱材4とからなる組み合わせの数が疎らなほど、出来上がった法面構造の柔軟性が高くなる。
従って、形成しようとする法面構造の目的に応じて、主軸2の長さや、主軸2に取設する水平材3aと柱材4とからなる組み合わせの数を設定するとよい。
さらに、先の図1では実施例1に係る法面形成用ブロック1Aの水平材3aとして、柱状の剛体を用いているが、法面形成材12との摩擦を高めるために、水平材3aの表面に複数の突起を形成しておいてもよい(図示せず)。この場合、施工面5上に、上述のような法面形成用ブロックが浮き上がった状態で載置されることがないように突起の形成位置に注意する必要がある。
具体的には、法面構造10A又は法面構造10Bの内部側に配設される水平材3aの端部に尾翼状に突起を設けてもよいし、同じく水平材3aの胴部に主軸2と平行な突起を設けても良い。
このような、水平材3aに突起を有する法面形成用ブロックによれば、上述のような実施例1に係る法面形成用ブロック1Aの効果に加えて、法面形成材12から水平材3aを抜け難くすることができる。この場合、本発明に係る法面形成用ブロックと法面形成材12との連関が一層緊密になり、壊れ難い法面構造を提供することができる。
加えて、特に図示しないが、実施例1に係る法面形成用ブロック1Aは、その柱材4と法面構造内に埋設される方の水平材3aとをつなぐ補強材を備えていてもよい。なお、この補強材は筋交いのように棒状のものでも良いし、直角三角形状の平板体でもよい。
このような補強材を備えることで、実施例1に係る法面形成用ブロック1Aの強度を高めることができ、さらには、このような法面形成用ブロック1Aを用いてなる法面構造10A,10Bの強度を高めることができる。
以上説明したように本願発明は、施工面が軟弱地盤である場合でも基礎工事等を行うことなく施工することができ、法面形成材の積載が容易で、法面形成用ブロック同士を三次元的に交絡させることができ、河川の左右両岸の法面を形成する際に使用する法面形成用ブロックを一種類のみにすることができ、しかも、施工後の法面からの排水性が極めて良好な法面形成用ブロック及び法面構造及び法面形成方法であり、建築や土木に関する分野において利用可能である。
1A,1B…法面形成用ブロック 2…主軸 3a,3b…水平材 4…柱材 4a…頭部近傍 5…施工面 6…砕石 7…礫 8…土砂 9…層構造 10A,10B…法面構造 11…隙間 12…法面形成材 13…平坦面 P…交差部 R…コーナー

Claims (5)

  1. 剛体からなる主軸と、
    剛体からなり,前記主軸に対して垂直に,かつ,交差して配設される少なくとも2本の水平材と、
    剛体からなり,前記主軸と前記水平材とからなる交差部において,前記主軸と前記水平材の双方に対して垂直に立設される少なくとも2本の柱材とを有し、
    前記水平材のそれぞれは,前記主軸の軸方向垂直断面から見た場合に,同じ方向に配設されており、
    前記柱材のそれぞれは、前記主軸の軸方向垂直断面から見た場合に,同じ方向に配設されていることを特徴とする法面形成用ブロック。
  2. 前記水平材及び前記柱材をそれぞれ3本以上備え、
    前記水平材及び前記柱材は,前記主軸上に一定間隔毎にセットで配設されていることを特徴とする請求項1記載の法面形成用ブロック。
  3. 前記水平材と前記柱材とをつなぐ補強材を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の法面形成用ブロック。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の法面形成用ブロックと,土砂又は礫又は砕石又は土のう又は植生袋又はこれらから選択される少なくとも2種類の組合せからなる法面形成材と,を交互に積層してなる法面構造であって、
    前記法面形成用ブロックと前記法面形成材とからなる層構造の重なり部において,鉛直下方側に配設される前記法面形成用ブロックの前記柱材の頭部近傍に,鉛直上方側に配設される前記法面形成用ブロックの前記主軸と前記水平材とからなる前記交差部が係止されていることを特徴とする法面構造。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の法面形成用ブロックを配設する第1の工程と、前記法面形成用ブロックの前記水平材上に土砂又は礫又は砕石又は土のう又は植生袋又はこれらから選択される少なくとも2種類の組合せからなる法面形成材を載置する第2の工程と、を交互に繰り返して前記法面形成用ブロックと前記法面形成材とからなる層構造を複数層形成する法面形成方法において、
    鉛直下方側に配設される前記法面形成用ブロックの前記柱材の頭部近傍に,鉛直上方側に配設される前記法面形成用ブロックの前記主軸と前記水平材とからなる前記交差部を係止させながら前記層構造を積層することを特徴とする法面形成方法。
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