JP6037490B1 - 土木構築物及び土木構築物の施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 植物や生物の生育並びに生息に好ましい環境を提供するとともに、災害時の濁流に強い護岸を構築する土木構築物を提供する。【解決手段】 土木構築物10は、河川側の表面となるように積み上げた複数の自然石12,12,・・・と、前記自然石12の裏側に詰め材13aを敷き詰めた裏込め材層13と、前記裏込め材層13の裏側に形成したコンクリート壁14と、を備えた土木構築物である。 前記各自然石12は、当該自然石12の裏面に棒状部材17の一端側を固定し、前記棒状部材17の後端部を前記コンクリート壁14内に埋設して固定することで、前記コンクリート壁14に連結固定したことを特徴とする。【選択図】 図1A

Description

本発明は、植物や生物の生育並びに生息に好ましい環境を提供するとともに、災害時の濁流に強い護岸に適した土木構築物及び土木構築物の施工方法を提供する技術に関する。
土木構築物としては、特許文献1に示すように、護岸の傾斜した施工面上に、砕石等を充填して、これらの砕石等を互いに係合させた裏込め材層を形成する。そして、前記裏込め材層の上に詰め石等を互いに係合させた詰め材層を形成し、前記詰め材層の表面を覆うように複数の自然石を積み上げている。前記各自然石は、その裏面に固定した棒状部材のアンカーを裏側へ向けて延伸させ、前記アンカーの後端部に形成した板状部材を裏込め材層の内部に埋設している。前記板状部材は裏込め材層の内部で摩擦力を増大させる摩擦力増大手段として機能する。
また、特許文献2に記載の土木構築物では、表面層を形成する各前側自然石に対して後側自然石を、アンカーを介してそれぞれ連結している。前記各前側自然石とアンカーで連結した各後側自然石は、護岸の傾斜した施工面上を覆うように積み上げられる。さらに、前記各前側自然石とアンカーを介した各後側自然石との間にコンクリートを流し込んでコンクリート層を形成して一体化されている。
特許第2983207号公報 特開2010−144425号公報
特許文献1記載の発明は、確かに表面材に自然石を用いることで、周囲の環境に調和する。また、自然石や詰め材層は、通水性を有しているので水中の生物には生育環境として良いものである。しかし、近年は異常気象などの理由から雨量が多いために河川が氾濫する頻度が多くなってきたが、特許文献1の構造では災害時の濁流には弱いものである。つまり、濁流の際には自然石だけでなく詰め材層及び裏込め材層まで破壊されて流されてしまう。
特許文献2記載の発明では、各前側自然石と各後側自然石の間にコンクリート層を形成して一体化しているので、特許文献1に比べて災害時の濁流には強いものである。しかし、この土木構築物は、全体的にコンクリート層であるために通水性がないので、水中の生物が生育できない環境である。たとえ隣り合う自然石の間の隙間を生物の生育環境に良い状態にするとしても限界がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、植物や生物の生育並びに生息に好ましい環境を提供するとともに、災害時の濁流に強い護岸を構築する土木構築物及び土木構築物の施工方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、河川側の表面となるように積み上げた複数の自然石(12)と、前記自然石(12)の裏側に詰め材(13a)を敷き詰めた裏込め材層(13)と、前記裏込め材層(13)の裏側に形成したコンクリート壁(14)と、を備えた土木構築物であって、前記各自然石(12)は、当該自然石(12)の裏面に棒状部材(17a,17b)の一端側を固定し、前記棒状部材(17a,17b)の他端側を前記コンクリート壁(14)内に埋設して固定することで、前記コンクリート壁(14)に連結固定するとともに、前記棒状部材(17a,17b)は、略U字形状をなし、この略U字形状のU字部分を他端側として前記コンクリート壁(14)内に埋設し、略U字形状の2つの一端側をそれぞれ別の自然石(12)の裏面に固定したことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、上記1項において、前記棒状部材(17a,17b)は、その一端側を前記自然石(12)の裏面に穿孔した穴部(12a)に挿入して接着固定したことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、上記1項又は2項に記載の土木構築物において、
前記裏込め材層(13)および前記コンクリート壁(14)の上面に境界層(33)を形成し、前記自然石(12)と前記境界層(33)の上に、積み上げた複数の第二自然石(36)と、前記第二自然石(36)の裏側に形成した第二コンクリート壁(37)とを、備えていることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、上記3項において、前記複数の第二自然石(43)は、前記自然石(12)より後側方向へ後退させた位置にて積み上げられていることを特徴としている。
請求項5記載の発明は、上記1〜4項のうち、何れか1項において、前記複数の自然石(12)と前記裏込め材層(13)、前記複数の自然石(12)の間に河川の水中に臨む開口を備えた透水性管路(21)を埋設し、前記透水性管路(21)は、その外部の水が管路壁から内部へ通過する管路であることを特徴としている。
請求項6記載の発明は、上記5項において、前記透水性管路(21)は、当該透水性管路(21)の開口が河川の水中に臨むようにして前記複数の自然石(12)の間に適宜間隔で配置する出入口用透水性管路(21a)と、前記裏込め材層(13)内に河川の上下流方向に並行して配置する上下流方向透水性管路(21b)と、この上下流方向透水性管路(21b)と前記出入口用透水性管路(21a)とを連結する管路継ぎ手(21C)と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、積み上げた複数の自然石および裏込め材層は、良好な通気性及び通水性を有するので、複数の自然石間の隙間や裏込め材層の詰め材間の隙間に水中生物が生育する環境として良好である。
一方、積み上げた複数の各自然石は、棒状部材を介してコンクリート壁に連結固定されているので、集中豪雨などにより河川が増水して氾濫し、濁流にあっても、破壊されたり流されたりしない強度を確保することができる。
さらに、略U字形状をなす棒状部材は、そのU字部分がコンクリート壁内に埋設されることから、引張、剪断等に対する強度が向上しており、河川の流れに曝される自然石の耐力が大幅に向上する。
また、略U字形状の2つの一端側を、それぞれ別の自然石の裏面に固定していることから、石同士が連結される形となって、自然石を強固に固定することができる。
加えて、本実施形態では、現場にて一段ずつ自然石を積み上げてから、それらの自然石の裏面に穴部を穿孔し、この穴部に棒状部材一端側を挿入した後、瞬間接着剤などにて接着固定、或いはアンカーを打ち込んで棒状部材を固定する。
即ち、自然石が最も安定が良くなるよう、現場にて石の形状に合わせて石積みを行うことが可能であり、結果的に施工性に優れるという利点がある。
また、前記裏込め材層および前記コンクリート壁の上面に境界層を形成し、前記自然石と前記境界層の上に、積み上げた複数の第二自然石と、前記第二自然石の裏側に形成した第二コンクリート壁とを、備えた構造では、集中豪雨などにより河川が増水して氾濫した場合に水位が達するが、積み上げた複数の第二自然石は、第二コンクリート壁にしっかりと固定されているので、濁流に対する強度はさらに増大する。
複数の第二自然石を、前記自然石より後側方向へ後退させた位置に積み上げた構造では、複数の第二自然石が積み上げやすくなるので施工効率が向上する。さらに、河川幅が広くなるので、特に増水した時の濁流の緩和に貢献することが考えられる。
また、前記複数の自然石の間に河川の水中に臨む開口を備えた透水性管路が、裏込め材層に埋設されることで、ウナギなどの大きな水中生物でも通水性が良好な透水性管路内に生育可能となり、生物の生育にさらに優れた環境を形成することができる。
さらに、本発明の土木構築物の施工方法では、複数の自然石を積み上げる場合、まだ自然石の裏面に棒状部材を取り付けていないので、自然石の形状に合わせて石積み作業を行うことが可能である。その結果、施工効率が良好となる。
比較するために、前述の特許文献1のような従来の施工方法では、例えば遠く離れた工場にて予め自然石の裏面に棒状部材を固定してから施工現場に搬送してくるので、それほど多くの自然石を搬送することができない。また、従来の施工方法は既に自然石の表面が決まっているので、積み上げるときの積み上げ面の位置調整が難しくなるために施工効率が低下する。
なお、仮の裏込め材層形成工程は、複数の自然石を積み上げながら詰め材を仮に敷き詰めることで、自然石の設置状態を安定させる効果がある。
本発明の第一の実施形態に係る土木構築物を概略的に示す縦断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る土木構築物の変形例を概略的に示す縦断面図である。 同じく、本発明の第一の実施形態に係る土木構築物の変形例を概略的に示す平面断面図である。 同じく、本発明の第一の実施形態に係る土木構築物の変形例を概略的に示す平面断面図である。 (a)は、自然石の裏面に棒状部材を固定する形態を示す断面図で、(b)〜(e)は、自然石の裏面に固定した棒状部材の様々な形態を示す斜視図である。 第一の実施形態の土木構築物における透水性管路の配管状態を示す斜視図である。 第一の実施形態の土木構築物において透水性管路を配管したときの断面図である 河川側から土木構築物を視た状態を概略的に示す正面図である。 (a),(b)は、第一の実施形態に係る土木構築物の施工方法を示す断面図である。 (a),(b)は、図6から続くもので、土木構築物の施工方法を示す断面図である。 (a),(b)は、図7から続くもので、土木構築物の施工方法を示す断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る土木構築物を概略的に示す断面図である。 境界層内のメッシュの施工状態を示す斜視図である。 本発明の第三の実施形態に係る土木構築物を概略的に示す断面図である。
以下、本発明の第一の実施形態に係る土木構築物について図面を参照して説明する。
第一の実施形態の土木構築物10としての護岸は、図1Aに示すように、基本的に、傾斜した切土面2の下側に設置面1が設けられる。前記設置面1の上方側には、切土面2に対して河川側へ形成したコンクリート壁14と、前記コンクリート壁14に対して河川側の位置で形成した裏込め材層13と、前記裏込め材層13に対して河川側の位置で積み上げた複数の自然石12,12,・・・と、を備えている。
加えて、前記設置面1の上には、コンクリートのベース11を形成している。このベース11の上面は、切土面2から河川側に向けて徐々に高くなる傾斜面とすることが望ましい。前述のコンクリート壁14、裏込め材層13、複数の自然石12,12,・・・は、コンクリートのベース11の上面に形成されている。なお、前記ベース11は河川の護岸の施工区間に形成される。また、施工区間の両側には、図5に示すように、コンクリートの小口止め15が形成される。
コンクリート壁14は、本実施形態では、図1Aにおいて例えば河川側に向けて300mm程の厚さを有する。また、コンクリート壁14には、図1A及び図4に示すように、直径50〜75mm程の水抜きパイプ16が適宜間隔で切土面2側から河川側へ貫通している。
裏込め材層13は、例えば河川側に向けて200mm程の厚さを有しており、径80〜300mm程の割石や割栗などの詰め材13aを互いに係合させた状態で敷き詰めて充填している。なお、詰め材13aの大きさは、施工現場の状況に合わせて決定される。したがって、裏込め材層13は、良好な通気性及び通水性を有するので、水中生物にとっての生育環境を良好に維持することができる。
複数の自然石12,12,・・・は、本実施形態では、例えば河川側に向けて300mm程の厚さを有しており、径350mm内外の大きさの自然石12,12,・・・を上方側へ積み重ねた状態で形成している。自然石12に用いる石は、割石あるいは玉石が好適である。
なお、自然石12の大きさは上記の大きさに限定されず、例えば、径500〜600mm程度の巨石であってもよい。
この場合、前述の裏込め材層13は、径80〜300mm程の割石や割栗などの詰め材13aを互いに係合させた状態で敷き詰めて充填することができる。これによって、巨石である自然石12同士に生じる空隙、並びに、詰め材13a同士における空隙を大きく確保することが可能となり、通気性及び通水性が一層良好となり、より大きな水中生物に対する生育環境の向上に貢献する。
また、自然石12として巨石を利用する場合、図1Bに示されるように、巨石19を河川の通常水位まで積み重ねるようにし、通常水位よりも上方の部分は径350mm内外の小さめの自然石12を用いることも可能である。つまり、裏込め材層13を形成する自然石12,12,・・・は、一定の大きさにするのではなく、通常水位までを径500〜600mm程度の巨石とする一方、通常水位よりも上方の部分を径350mm内外の自然石を用いてもよい。
さらに、複数の各自然石12,12,・・・は、例えば図2(a),(b)に示すように、自然石12の裏面のほぼ中央に穴部12aを穿孔し、この穴部12aに棒状部材17としての鋼線の一端側を挿入して例えば瞬間接着剤にて固定する。なお、穴部12aは、棒状部材17を挿入できる寸法であり、自然石12の表面に貫通しない。一方、前記棒状部材17の他端側は、前記自然石12の裏側に対向する位置でコンクリート壁14に固定する。例えば、前記棒状部材17の他端側は、予めコンクリート壁14を施工する位置に伸ばしておき、その後、生コンを流し込むことで、棒状部材17の他端側がコンクリート壁14内に埋め込まれるように固定することができる。
なお、自然石12と棒状部材17との固定は上記の方法に限定されず、例えばアンカーを石に打ち込む方法など、他の固定方法でもよい。これによれば、現場の状況などに合わせ、自然石12に対する棒状部材17の固定位置を適宜選択することが可能となる。例えば、穴部12aは石の中央付近の他、上方寄りに穿設する、或いは下方寄りに穿設するというように、石をより強固に固定できる位置を選択することもできる。
本実施形態における土木構築物を施工する場合、基本的には、自然石12に固定した棒状部材17の他端側は、コンクリート壁14を形成する過程で埋め込んでゆくことが望ましい。しかし、既にコンクリート壁が形成されている場合であっても、前述のように本実施形態の土木構築物10を設けることができる。
また、コンクリート壁14と棒状部材17との固定も、同様に上記の方法に限定されず他の方法でもよい。例えば、施工済みのコンクリート壁14に、ハンマードリルによって穴部を穿孔し、穴部をブロワーによって清掃した後、この穴部へ前記棒状部材17の他端側を挿入し、例えば瞬間接着剤にて固定することができる。この接着固定は、施工が簡単であるので施工効率が向上する。しかし、強い強度を有する接着剤を選ぶことが必要である。
また、本実施形態では、棒状部材17は、直径8mmで、550〜600mmの鋼線を使用しているが、材質、大きさ、形状などは特に限定されない。
さらに、棒状部材17としては鋼線に限定されず、例えばステンレス鋼など、所定の強度を有する他の材料でもよく、形状についても中実或いは中空、角形など、その他の形状でもよい。
さらに棒状部材17の後端側は、図2(b)に示すように、単に直線状に伸びていてもよく、あるいは、コンクリート壁14から簡単に抜けないようにするために、図2(c)に示すようにL字形状に、あるいは図2(d)に示すようにカール状に折り曲げた抜け止めを施すこともできる。
また、棒状部材17は、図2(e)に示すように、平面視で略U字形状に折り曲げたU字状棒状部材17aとすることも可能である。この場合は、図1Cに示されるように、U字形状の2つの一端側を、それぞれ別の2つの自然石12,12に形成した穴部12a,12aに挿入して固定用接着剤により、それぞれ固定する。つまり、一つのU字状棒状部材17aが、2つの自然石12,12に対し、跨って連結している状態となり、棒状部材17aのU字部分がコンクリート壁14の内部に埋まるように施工される。
その結果、U字状棒状部材17aの引張力や剪断力等に対する強度が向上し、コンクリート壁14から簡単には抜けないという極めて強い構造となり、又、自然石12同士の連結による強度の向上を同時に達成することができる。
さらに、施工現場となる護岸工事の現場にて、U字状棒状部材17aを自然石12に対して固定するようにしているため、予め棒状部材が固定されている石を施工現場へ輸送する場合と比較すると、自然石や棒状部材と云った資材を単独で運ぶ形になることから、運搬作業の煩雑さを軽減することができる。
加えて、図1C及び図2(e)の構造を更に発展させた形態として図1D及び図2(f)に示される変形例がある。これらの図に示される変形例では自然石12に対し、2本の棒状部材17a,17b、又は2本のU字状棒状部材17aの一端側を固定し、他端側をコンクリート壁14の内部に埋設するようにしている。
これによれば、並列配置される左右の自然石12同士を、棒状部材によって連結し、且つ2本の棒状部材によってコンクリート壁14の内部に緊結する形となることから、より強固に護岸を構築することが可能となり、河川の増水や濁流に対する耐久力を更に向上させることができる。
なお、最も側端に位置する自然石12は、その構造上、直線状の棒状部材17と、U字状棒状部材17bとを接続している。
また、最上段の自然石12と裏込め材層13の上面は、図1Aに示されるように、例えば天端コンクリート18Bで覆うようにしても良いし、天端コンクリート18Bを打設する際に、内部にメッシュ34並びにコンクリートスペーサ35を敷きつめてからコンクリートを打設するようにしても良い。ここで、メッシュ34及びコンクリートスペーサ35については、さらに後述する。
以上のことから、第一の実施形態に係る土木構築物10は、積み上げた複数の自然石12,12,・・・および裏込め材層13は、良好な通気性及び通水性を有するので、自然石12,12,・・・間の隙間や裏込め材層13の詰め材13a,13a,・・・間の隙間に水中生物が生育する環境として良好である。
一方、積み上げた複数の各自然石12,12,・・・は、棒状部材17,17,・・・を介してコンクリート壁14に連結固定されているので、集中豪雨などにより河川が増水して氾濫し、濁流にあっても、破壊されたり流されたりしない強度を確保して構築することができる。
次に、上記の第一の実施形態の土木構築物10において、より大きな水中生物が生育できるようにするために、下記の水中生物育成用構造物20を追加施工することについて説明する。
水中生物育成用構造物20は、基本的に、該当する河川が年間を通して渇水時の水位より下側となる位置に形成される。水中生物育成用構造物20は、図3ないしは図5に示すように透水性管路21で構成されている。
なお、図5では、すべての自然石12,12,・・・を図示せずに省略しているが、実際には施工区間全体にわたって自然石12,12,・・・が積み上げられている。
透水性管路21としては、例えば断面が円形あるいは他の形状の筒状管路であって、外部の水が管路壁から内部へ通過する管路である。本実施形態の透水性管路21としては、“集水ポラコン”〔商品名〕を使用することができる。この“集水ポラコン”は骨材粒度を限定して特殊なセメントベース11によって結合し、連続性空隙を形成したフィルター材を筒壁としたコンクリート管路である。この“集水ポラコン”は通水性(あるいは透水性)の効率が良好で、目詰まりをしない点で優れている。しかし、透水性管路21としては、“集水ポラコン”に限定されず、筒壁に多くの貫通孔を形成した筒状管路であっても、他の形態であってもよい。また、透水性管路21はコンクリート製に限定されず、塩ビ管などの樹脂製あるいは他の材質でもよい。
水中生物育成用構造物20は、本実施形態では、直径200mm〜300mmの透水性管路21である“集水ポラコン”を継ぎ合わせて形成している。例えば、透水性管路21の開口が河川の水中に臨むようにして複数の自然石12,12,・・・の間に適宜間隔で配置する出入口用透水性管路21aと、裏込め材層13内に河川の上下流方向に並行して配置する上下流方向透水性管路21bと、この上下流方向透水性管路21bと前記出入口用透水性管路21aとを連結する直方体形状の管路継ぎ手21cを備えている。
なお、透水性管路21は、複数の自然石12,12,・・・の間に配置されたり、裏込め材層13内に配置されたりするので、透水性管路21は上記の外圧に対し耐久性のある強度とするために、透水性管路21の管路壁の厚さを大きくすることで、対応することができる。
このように、設置された透水性管路21は、護岸内での通水性(あるいは透水性)が良好な状態となることから、本実施形態の水中生物育成用構造物20は、小魚をはじめ、ウナギなどの大きな水中生物の生育に適した環境を河川内にもたらすことが可能となる。
次に、第一の実施形態の土木構築物10の施工方法について説明する。
土木構築物10の施工方法としては、一つの例として、図6(a)に示すように、傾斜した切土面2の下側に設けた設置面1の上に、コンクリートのベース11を河川の護岸の施工区間に形成する。
次に、複数の自然石12,12,・・・をベース11上に横並びに積み上げる。この場合、各自然石12,12,・・・を積み上げる際に、自然石12のどの面を用いても石積みできるので、施工効率が良好である。この工程を「自然石積み上げ工程」という。
複数の自然石12,12,・・・が施工区間あるいは適宜の短い区間に積み上げられる際に、裏込め材層13は、図6(a)に示すように複数の自然石12,12,・・・とコンクリート壁14の仮想境界面14aとの間に、径80〜300mm程の割石や割栗などの詰め材13aを互いに係合させた状態で、自然石12の高さの半分より低い位置まで敷き詰めて(充填して)形成する。この工程を「仮の裏込め材層形成工程」という。この工程は必ずしも行わなくてもよいが、複数の自然石12,12,・・・を積み上げながら詰め材13aを仮に敷き詰めることで、自然石12の設置状態を安定させる効果がある。
次に、図6(b)に示すように、各自然石12の裏面のほぼ中央位置に、例えばドリルで穴部12aを開ける。穴部12aは、棒状部材17を挿入できる寸法であり、自然石12の表面に貫通しない。
次いで、例えば瞬間接着剤などの固定用接着剤を前記穴部12aに注入した後に、棒状部材17の一端側を挿入する。棒状部材17は一例として直径8mm、550〜600mmの鋼線であり、棒状部材17の他端側が後工程で形成するコンクリート壁14の仮想境界面14aより裏側方向へ長く配置している。
なお、棒状部材17は、材質、大きさ、形状などは特に限定されず、前述の説明通り、図2(b)〜(e)に示すように種々の形態とすることができる。この工程を「棒状部材形成工程」という。
次に、裏込め材層13は、図7(a)に示すように、径80〜300mm程の割石や割栗などの詰め材13aを互いに係合させた状態で、自然石12の上部位置まで敷き詰めて充填して形成する。裏込め材層13の切土面2側は、コンクリート壁14の仮想境界面14aの位置で積み上げた状態となる。この工程を「裏込め材層形成工程」という。
次に、コンクリート壁14は、図7(b)に示すように生コンが前記裏込め材層13と切土面2との間に自然石12の頭部の位置まで流し込まれることで形成される。
したがって、複数の自然石12,12,・・・は、棒状部材17を介してコンクリート壁14にしっかりと連結固定される。この工程を「コンクリート壁形成工程」という。
次に、2段目の複数の自然石12,12,・・・が積み上げられる。2段目以降は上記の1段目の複数の自然石12,12,・・・の積み上げる工程とほぼ同じ工程を繰り返す。
例えば、2段目の「自然石積み上げ工程」では、図8(a)に示すように、1段目の自然石12の上に、2段目の自然石12を前述の1段目の自然石12の上に積み上げる。
なお、1段目の自然石12は、ベース11上の比較的平坦な面に積み上げるので積み上げやすいものであった。これに比べて2段目の自然石12は、1段目の自然石12の上に積み上げるために平坦な面ではないので、積み上げる自然石12の面の位置を調整する必要がある。
しかし、本実施形態の施工方法は、従来とは異なり、自然石12のどの面を用いても石積みができるので、2段目以降の自然石12の積み上げであっても施工効率が良好である。つまり、本実施形態の施工方法では自然石12の面を、既に積まれている自然石12の状況に合わせて、最も安定が良くなるよう適宜選択して石積みを行うことができる。
比較するために、前述の特許文献1に示すような従来の施工方法では、例えば遠く離れた工場などにて、予め自然石12の裏面に棒状部材17を固定してから施工現場に搬送するため、それほど多くの自然石12を一度に搬送することができない。また、すでに自然石12の表面側(水に面する面)が決められてしまっているので、石を積み上げる際に、積み上げ面の位置調整が難しくなるために施工効率が低下する。
2段目の「仮の裏込め材層形成工程」では、2段目の複数の自然石12,12,・・・が施工区間あるいは適宜の短い区間に積み上げられる際に、裏込め材層13は、図8(a)に示すように2段目の複数の自然石12,12,・・・とコンクリート壁14の仮想境界面14aとの間に、径80〜300mm程の割石や割栗などの詰め材13aを互いに係合させた状態で、2段目の自然石12の高さの半分より低い位置まで敷き詰めて形成する。
次に、2段目の「棒状部材形成工程」では、図8(a)に示すように、2段目の各自然石12の裏面のほぼ中央位置に、例えばドリルで穴部12aを開け、例えば瞬間接着剤などの固定用接着剤を前記穴部12aに注入した後に、棒状部材17の一端側を挿入して固定する。棒状部材17の他端側は、後工程で形成するコンクリート壁14の仮想境界面14aより裏側方向へ長くなるように設置される。
次に、2段目の「裏込め材層形成工程」では、裏込め材層13は、図8(b)に示すように、径80〜300mm程の割石や割栗などの詰め材13aを互いに係合させた状態で、2段目の自然石12の頭部の位置まで敷き詰めて充填して形成する。裏込め材層13の切土面2側は、コンクリート壁14の仮想境界面14aの位置で積み上げた状態となる。
次に、2段目の「コンクリート壁形成工程」では、コンクリート壁14は、図8(b)に示すように生コンが、前記裏込め材層13と切土面2との間に2段目の自然石12の頭部の位置まで流し込まれる。2段目の複数の自然石12,12,・・・も、棒状部材17を介してコンクリート壁14にしっかりと連結固定される。
3段目以降も、同じ工程を繰り返す。
最上段の自然石12の積み上げでは、図1Aに示すように、最上段の裏込め材層13の上部を、例えば80mm程の割石や割栗(「RC80」という)などの詰め材13aを互いに係合させ、さらに、目つぶし層18Aを設けるために40mm程の割石や割栗(「RC40」という)を投入して転圧する。
その後、転圧された目つぶし層18Aの上部に、メッシュ34とスペーサ35を敷きつめてから、天端コンクリート18Bを打設する。
なお、水中生物育成用構造物20は、上述のように第一の実施形態の土木構築物10の施工の過程で、透水性管路21を配管して形成する。
次に、本発明の第二の実施形態に係る土木構築物について図面を参照して説明する。
第二の実施形態の土木構築物30は、前述の第一の実施形態の土木構築物10と同様に、図9に示すように、傾斜した切土面2の下側に設けた設置面1の上に、コンクリートのベース11を形成している。第一の実施形態と異なる点は、前記ベース11の上面に、高さ方向で下方側土木構築物31と上方側土木構築物32の構造となっていることである。
下方側土木構築物31は、一年間を通じて河川の通常の水位を超える高さまで構築されている。ただし、氾濫して増水した場合を除く。この下方側土木構築物31は、前述の第一の実施形態の土木構築物10と同様の構造で形成されているので、詳しい説明は省略する。
すなわち、下方側土木構築物31は、ベース11の上面に、切土面2から河川側に向けて順にコンクリート壁14と、裏込め材層13と、積み上げた自然石12,12,・・・と、を備えている。複数の各自然石12,12,・・・は、棒状部材17,17,・・・を介してコンクリート壁14に連結固定されている。
したがって、積み上げた複数の自然石12,12,・・・および裏込め材層13は、良好な通気性及び通水性を有するので、自然石12間の隙間や裏込め材層13の詰め材13a間の隙間に水中生物が生育する環境として良好である。
また、下方側土木構築物31は、前述の第一の実施形態の土木構築物10における水中生物育成用構造物20を追加施工することもできる。ここで、水中生物育成用構造物20については前述の第一の実施形態と同様であるので、その詳しい説明を省略する。
下方側土木構築物31における裏込め材層13の上部には80mm程の割石や割栗(RC80)などの詰め材13aが敷き均らされ、さらに目つぶしのために40mm程の砕石(RC40)が投入され、且つ転圧が施された状態となっている。
転圧された部分には、複数のコンクリートスペーサ35が、適宜の間隔で設置されているとともに、これらのコンクリートスペーサ35上にメッシュ34が敷きつめられている。これによって、メッシュ34は下方側土木構築物31の上部に沿いながら、河川の上下流方向に並行配置された状態となる。メッシュ34、コンクリートスペーサ35を含む裏込め材層13の上面には、生コンクリートが打設されて境界層33が形成され、当該部分の強度向上が図られている。
メッシュ34は、図10に示されるように、鋼線によって100mm×100mmの格子形状に形成されているとともに、その下部に載置されるコンクリートスペーサ35は50mm×50mm角の立方体形状に形成されたものが一例としてあげられる。勿論、メッシュ34やコンクリートスペーサ35の形状、寸法、材料等の形態は特に限定されない。
上方側土木構築物32は、境界層33の上面に形成されている。すなわち、上方側土木構築物32は、境界層33の上面に、切土面2から河川側に向けて順に第二裏込め材層38と、第二コンクリート壁37とを備えている。さらに、第二コンクリート壁37から河川側には前記下方側土木構築物31の自然石12,12,・・・の上に積み上げた複数の第二自然石36,36,・・・を備えている。
第二裏込め材層38は、例えば切土面2から河川側に向けて300mm程の厚さを有しており、径40mm程の砂利(RC40)を敷き詰めて充填している。第二コンクリート壁37は、例えば第二裏込め材層38から河川側に向けて200mm程の厚さを有する。
複数の第二自然石36,36,・・・は、下方側土木構築物31の自然石12と同じように、例えば第二コンクリート壁37から河川側に向けて300mm程の厚さを有しており、これによって上方側土木構築物32は、径350mm程の大きさの自然石36,36,・・・を上方側へ積み重ねた状態で形成されることとなる。この場合は、複数の第二自然石36,36,・・・は第二コンクリート壁37にてしっかり固定されるので、前述の棒状部材17は必要としない。
最上段の第二自然石36,36,・・・と第二コンクリート壁37と第二裏込め材層38の上面は、例えば天端コンクリート39で覆われている。
以上のことから、第二の実施形態に係る土木構築物30では、下方側土木構築物31は、第一の実施形態と同様に、積み上げた複数の自然石12,12,・・・および裏込め材層13は、良好な通気性及び通水性を有するので、自然石12,12,・・・間の隙間や裏込め材層13の詰め材13a,13a,・・・間の隙間に水中生物が生育する環境として良好である。
一方、積み上げた複数の各自然石12,12,・・・は、棒状部材17,17,・・・を介してコンクリート壁14に連結固定されているので、集中豪雨などにより河川が増水して氾濫し、濁流にあっても、破壊されたり流されたりしない強度・耐久力を備えている。
また、上方側土木構築物32は、集中豪雨などにより河川が増水して氾濫した場合に水位が達するが、積み上げた複数の第二自然石36,36,・・・は、第二コンクリート壁37にしっかり固定されているので、濁流に対する強度は下方側土木構築物31よりさらに増大している。
次に、第二の実施形態の土木構築物30の施工方法について説明する。
下側土木構築物31の施工方法としては、一つの例として、前述の第一の実施形態の土木構築物10の施工方法と同様であるので、詳しい説明は省略する。
上側土木構築物32の施工方法としては、下側土木構築物31の最上段の自然石12,12,・・・の上に第二自然石36,36,・・・を積み上げる。
次に、境界層33の上面において、第二コンクリート壁37と第二裏込め材層38との間に、第二自然石36の高さの型枠を設置する。前記型枠と切土面2との間に、40mm程の砕石(RC40)を投入して第二裏込め材層38を形成する。その後、前記型枠と第二自然石36,36,・・・との間に生コンを流し込んでから前記型枠を引き上げて取り出し、第二コンクリート壁37を形成する。
次に、2段目の第二自然石36,36,・・・が積み上げられる。2段目以降は上記の1段目の第二自然石36,36,・・・の積み上げの工程とほぼ同じ工程を繰り返すので、詳しい説明は省略する。
最上段の第二自然石36,36,・・・と第二コンクリート壁37と第二裏込め材層38の上面は、天端コンクリート39で覆うように形成し、天端コンクリート39の上面は盛り土で覆う。
次に、本発明の第三の実施形態に係る土木構築物について図面を参照して説明する。
第三の実施形態の土木構築物40は、図11に示すように、傾斜した切土面2の下側に設けた設置面1の上に、コンクリートのベース11を形成している。第一の実施形態と異なる点は、高さ方向で下方側土木構築物41と上方側土木構築物42とが連続せず、段違いの構造となっていることである。
つまり、この第三の実施形態の土木構築物40は、前述の第二の実施形態の土木構築物30とほぼ同様の構造で形成されているが、異なる点は上方側土木構築物42が下方側土木構築物41の位置より切土面3側にずれていることである。
下方側土木構築物41は、その上部が、一年間を通じて河川の通常の水位よりも余裕を持った高さとなる位置まで構築されている。ただし、氾濫して増水した場合を除く。この下方側土木構築物41は、前述の第二の実施形態の下方側土木構築物31と同様の構造で形成されているので、詳しい説明は省略する。
すなわち、下方側土木構築物41は、ベース11の上面に、切土面2から河川側に向けて順にコンクリート壁14と、裏込め材層13と、積み上げた自然石12と、を備えている。複数の各自然石12,12,・・・は、棒状部材17,17,・・・を介してコンクリート壁14に連結固定されている。また、境界層46は、第二実施形態の境界層33と同様である。
したがって、積み上げた複数の自然石12,12,・・・および裏込め材層13は、良好な通気性及び通水性を有するので、自然石12,12,・・・間の隙間や裏込め材層13の詰め材13a,13a,・・・間の隙間に水中生物が生育する環境として良好である。
また、下方側土木構築物41は、前述の第一の実施形態の土木構築物10における水中生物育成用構造物20を追加施工することもできる。水中生物育成用構造物20については、前述の第一の実施形態と同様であるので、詳しい説明を省略する。
上方側土木構築物42は、境界層46の上面に形成されている。前述の第二の実施形態の上方側土木構築物32と異なる点は、第二自然石43が下方側土木構築物41の自然石12の位置から切土面3側にずれていることである。この実施の形態では、上方側土木構築物42の切土面3は、下方側土木構築物41の切土面2より300mmほど河川側に対して反対側にずれて段付きの状態に形成している。
すなわち、上方側土木構築物42は、段付きの切土面3から河川側に向けて第二裏込め材層45を備えている。さらに、境界層46の上面に、河川側に向けて順に第二コンクリート壁44と、積み上げた複数の第二自然石43,43,・・・を備えている。
第二裏込め材層45は、例えば切土面3から河川側に向けて300mm程の厚さを有しており、径40mm程の砂利(RC40)を敷き詰めて充填している。
第二コンクリート壁44は、例えば第二裏込め材層45から河川側に向けて200mm程の厚さを有する。
複数の第二自然石43,43,・・・は、前記下方側土木構築物41の自然石12と同じように、例えば第二コンクリート壁44から河川側に向けて300mm程の厚さを有しており、径350mm程の大きさの自然石43,43,・・・を上方側へ積み重ねた状態で形成している。この場合は、複数の第二自然石43,43,・・・は第二コンクリート壁44にてしっかり固定されるので、前述の棒状部材17は必要としない。
最上段の第二自然石43,43,・・・と第二コンクリート壁44と第二裏込め材層45の上面は、例えば天端コンクリート47で覆われており、天端コンクリート47の上面は盛り土で覆っている。
以上のことから、第三の実施形態に係る土木構築物40では、第二の実施形態の土木構築物30と同様の効果を奏する。
すなわち、下方側土木構築物41は、第一の実施形態と同様に、積み上げた複数の自然石12,12,・・・および裏込め材層13は、良好な通気性及び通水性を有するので、自然石12,12,・・・間の隙間や裏込め材層13の詰め材13a,13a,・・・間の隙間に水中生物が生育する環境として良好である。
一方、積み上げた複数の各自然石12,12,・・・は、棒状部材17,17,・・・を介してコンクリート壁14に連結固定されているので、集中豪雨などにより河川が増水して氾濫し、濁流にあっても、破壊されたり流されたりしないように強度を構築することができる。
また、上方側土木構築物42は、集中豪雨などにより河川が増水して氾濫した場合に水位が達するが、積み上げた複数の第二自然石43,43,・・・は、第二コンクリート壁44にしっかり固定されているので、濁流に対する強度は下方側土木構築物41よりさらに増大する。
また、第二の実施形態の上方側土木構築物32と異なる点として、上方側土木構築物42が下方側土木構築物41の位置より切土面3側にずれていることで、複数の第二自然石43,43,・・・が積み上げやすくなるので施工効率が向上することと、河川幅が広くなるので特に増水した時の濁流の緩和に貢献することが考えられる。
次に、第三の実施形態の土木構築物40の施工方法は、前述の第二の実施形態の土木構築物30の施工方法とほとんど同じであるので、詳しい説明は省略する。
本発明は、土木建設業およびその関連事業、あるいは土木建設業に関わる他の業務などにおいて、利用可能性を有する。
1 設置面 2 切土面
3 切土面
10 土木構築物(第一の実施形態の) 11 ベース
12 自然石 12a 穴部
13 裏込め材層 13a 詰め材
14 コンクリート壁 14a 仮想境界面
15 小口止め 16 水抜きパイプ
17 棒状部材 17a 17b U字状棒状部材
18A 目つぶし層 18B 天端コンクリート
19 巨石
20 水中生物育成用構造物 21 透水性管路
21a 出入口用透水性管路 21b 上下流方向透水性管路
21c 管路継ぎ手
30 土木構築物(第二の実施形態の) 31 下方側土木構築物
32 上方側土木構築物 33 境界層
34 メッシュ 35 コンクリートスペーサ
36 第二自然石 37 第二コンクリート壁
38 第二裏込め材層 39 天端コンクリート
40 土木構築物(第三の実施形態の) 41 下方側土木構築物
42 上方側土木構築物 43 第二自然石
44 第二コンクリート壁 45 第二裏込め材層
46 境界層 47 天端コンクリート

Claims (6)

  1. 河川側の表面となるように積み上げた複数の自然石と、前記自然石の裏側に詰め材を敷き詰めた裏込め材層と、前記裏込め材層の裏側に形成したコンクリート壁と、を備えた土木構築物であって、
    前記各自然石は、当該自然石の裏面に棒状部材の一端側を固定し、前記棒状部材の他端側を前記コンクリート壁内に埋設して固定することで、前記コンクリート壁に連結固定するとともに、
    前記棒状部材は、略U字形状をなし、この略U字形状のU字部分を他端側として前記コンクリート壁内に埋設し、略U字形状の2つの一端側をそれぞれ別の自然石の裏面に固定したことを特徴とする土木構築物。
  2. 前記棒状部材は、その一端側を前記自然石の裏面に穿孔した穴部に挿入して接着固定したことを特徴とする請求項1に記載の土木構築物。
  3. 請求項1又は2に記載の土木構築物において、
    前記裏込め材層および前記コンクリート壁の上面に境界層を形成し、前記自然石と前記境界層の上に、積み上げた複数の第二自然石と、前記第二自然石の裏側に形成した第二コンクリート壁とを、備えていることを特徴とする土木構築物。
  4. 前記複数の第二自然石は、前記自然石より後側方向へ後退させた位置にて積み上げられていることを特徴とする請求項3に記載の土木構築物。
  5. 前記複数の自然石と前記裏込め材層、前記複数の自然石の間に河川の水中に臨む開口を備えた透水性管路を埋設し、
    前記透水性管路は、その外部の水が管路壁から内部へ通過する管路であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の土木構築物。
  6. 前記透水性管路は、当該透水性管路の開口が河川の水中に臨むようにして前記複数の自然石の間に適宜間隔で配置する出入口用透水性管路と、前記裏込め材層内に河川の上下流方向に並行して配置する上下流方向透水性管路と、この上下流方向透水性管路と前記出入口用透水性管路とを連結する管路継ぎ手と、を備えたことを特徴とする請求項5に記載の土木構築物。
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