JP2014020167A - 建造物周囲の地盤構築工法並びに該工法に用いられる浸透側溝 - Google Patents

建造物周囲の地盤構築工法並びに該工法に用いられる浸透側溝 Download PDF

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Abstract

【課題】 液状化現象が起ころうとする際に地中に発生する上昇地下水を逃がすことにより、液状化現象の発生を未然に防止することができる建造物周囲の地盤構築工法並びに該工法に用いられる浸透側溝の提供を図る。
【解決手段】 側溝用溝を掘削すると共にトレンチ溝を掘削し、掘削された各溝内に夫々浸透側溝1及び浸透トレンチ2を挿設し、挿設された浸透側溝1と浸透トレンチ2との突合せ箇所を直接若しくは接続枡3を介して接続した状態で、該浸透側溝1及び浸透トレンチ2の周囲を埋め戻すという各工程を経て、建造物Hの周囲における液状化を未然に防ぐことが可能な地盤Gを構築する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建造物を構築する際に地盤に設置する水浸透性を有するトレンチを用いた建造物周囲の地盤構築工法に関し、さらには、該工法を用いられる水浸透性を有する側溝に関するものである。
地震が発生した場合の問題の一つに、地盤の液状化現象が挙げられる。かかる液状化現象とは、地下水位の高い場所若しくは地下水位が何かの要因で上昇した場所で、地震などにより連続した震動が地盤に加えられた際に、該地盤の体積が減少して急激に耐力が失われるとともに、地下水が上昇し砂などと共に地表に噴出する現象である。この液状化現象が発生すると、地盤体積の減少及び地下水の上昇に伴い地盤沈下・不同沈下を生じて、建造物の傾き・倒壊や該建造物周囲の地盤の沈下・崩壊を引き起すこととなる。
上記の問題点を解決すべく、液状化に対抗する地盤構築の方法として、地盤粒度を改良する置換工法や質改良材を混合し強度を増加させる表層混合処理工法、地盤内の地下水を強制排水するウェルポイント工法など、種々の方法が提案されている。
しかしながら、上記置換工法や表層混合処理工法はいずれも、地盤そのものの改良を目的とするものであって、建造物の大きさすなわち地盤改良に必要な面積によっては、作業負担の増加とともに大変なコストの増加を伴うこととなる。併せて上記ウェルポイント工法は、ウェルが建造物の下方に埋設されるものであるため、該ウェルの設置が建造物の新築時に限られることとなり、既に存在する建造物への対策に用いることができない。
したがって、既に建設済み建造物の周囲地盤に着目し、かつ、地盤そのものを改良するのではなく、液状化現象が発生するプロセスからアプローチして、その液状化現象が起ころうとする際に発生する地下水の上昇を逃がすための工夫を施すことにより、未然に液状化現象の発生を防ぐ方法が待たれるところである。
特開2007−239405号公報
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、液状化現象が起ころうとする際に、建造物周囲の地中に発生する上昇地下水を逃がすことにより、液状化現象の発生を未然に防止することができる建造物周囲の地盤構築工法並びに該工法に用いられる浸透側溝を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、建造物周囲の地盤を構築するための工法であって、浸透側溝を埋設するための所要長さ、幅、深さを有する側溝用溝を、建造物の正面地盤に掘削する側溝用溝掘削工程と、浸透トレンチを埋設するための所要長さ、幅、深さを有するトレンチ溝を、前記側溝用溝から建造物の周囲地盤に向けて掘削するトレンチ溝掘削工程と、前記側溝用溝掘削工程により掘削された側溝用溝に所要長さ、幅、高さを有し、少なくとも一部に浸透機能を備える浸透側溝を複数挿設する側溝挿設工程と、前記トレンチ溝掘削工程により掘削されたトレンチ溝に所要長さ、幅、高さを有し、少なくとも一部に浸透機能を備える浸透トレンチを複数挿設するトレンチ挿設工程と、
前記側溝挿設工程及びトレンチ挿設工程により挿設された浸透側溝と浸透トレンチとの突合せ箇所を接続する接続工程と、前記側溝挿設工程により側溝用溝内に挿設された浸透側溝の周囲を埋め戻す側溝埋設工程と、前記トレンチ挿設工程によりトレンチ溝内に挿設された浸透トレンチの周囲を埋め戻すトレンチ埋設工程と、から構成されている。
また、請求項2に記載の発明は、前記工法において、前記側溝挿設工程の前工程として、側溝用溝内に砕石を敷設する砕石敷設工程を備えた構成を採る。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記工法において、前記接続工程における浸透側溝と浸透トレンチとの突合せ箇所に、接続枡が設置されている構成を採用している。
またさらに、請求項4に記載の発明は、前記工法において、前記接続枡が、浸透構造を備えた構成となっている。
そしてまた、請求項5に記載の発明は、前記工法において用いられる水浸透性を有する側溝であって、所要長さ、幅、高さを有する全体がコンクリートにより成型された側溝本体において、上部には上方が開口したU字状水路が形成されると共に、下部には長さ方向に貫通する中空路が形成されて成り、所定高さ位置より下方領域における一部若しくは全部が透水性コンクリートにより構成されている浸透側溝である。
さらにまた、請求項6に記載の発明は、前記浸透側溝において、透水性コンクリートを構成する所定高さ位置より下方領域が、上部に形成されるU字状水路と下部に形成される中空路との中間位置から下方領域である構成を採用する。
またさらに、請求項7に記載の発明は、前記浸透側溝において、透水性コンクリートを構成する所定高さ位置より下方領域が、上部に形成されるU字状水路における所定中間高さ位置から下方領域である構成を採用している。
本発明にかかる建造物周囲の地盤構築工法によれば、建造物周囲の地盤に施工する工法であるため、新築時にウェル等を建造物下方に埋設する液状化対策と異なり、既存建造物における液状化対策として大変有効であると共に、建造物だけでなくその周囲の地盤に対し、地盤の柔軟化を防止して地盤沈下・不同沈下を未然に防ぐことが可能となる、といった優れた効果を奏する。
また、本発明にかかる浸透側溝によれば、液状化現象が起こる際に発生する上昇地下水を、浸透トレンチを介して集水して効果的に地中から除去することが可能であると共に、浸透構造を備えていることで液状化における水圧で押し上げられることを防止することができ、さらに、浸透側溝内に集水された地下水は、上部U字水路を流れて他の場所へ排水されると共に、地下へ再度浸透させることも可能である、といった優れた効果を奏するものである。
本発明にかかる建造物周囲の地盤構築工法の実施形態を示すフロー図である。(実施例1) 本発明にかかる建造物周囲の地盤構築工法の実施形態を示す平面図である。(実施例1) 本発明にかかる建造物周囲の地盤構築工法の実施形態を示す斜視断面図である。(実施例1) 本発明にかかる建造物周囲の地盤構築工法の実施形態を示す要部拡大図である。(実施例1) 本発明にかかる建造物周囲の地盤構築工法の実施形態を示すフロー図である。(実施例2) 本発明にかかる建造物周囲の地盤構築工法の実施形態を示す要部拡大図である。(実施例2) 本発明にかかる浸透側溝の実施態様を示す正断面図である。(実施例3)
本発明は、建造物Hの周囲の地盤Gの構築に際し、側溝用溝を掘削すると共にトレンチ溝を掘削し、掘削された各溝内に夫々浸透側溝1及び浸透トレンチ2を挿設し、挿設された浸透側溝1と浸透トレンチ2との突合せ箇所を接続した状態で、該浸透側溝1及び浸透トレンチ2の周囲を埋め戻すという各工程を経て、建造物Hの周囲における液状化を未然に防ぐことが可能な地盤Gを構築することを最大の特徴とする。以下、本発明にかかる建造物H周囲の地盤構築工法並びに該工法に用いられる浸透側溝1の実施形態を、図面に基づき説明する。
なお、本発明は、下記の実施形態に示した構成・態様に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の要旨に逸脱しない範囲で、任意に変更することができるものである。
図1乃至図4は、本発明にかかる建造物H周囲の地盤構築工法の第一の実施例を示しており、図1はフローチャート、図2は平面図、図3は斜視断面図、図4は要部拡大図である。
図1に示すように、本実施例にかかる建造物H周囲の地盤構築工法は、側溝用溝掘削工程と、トレンチ溝掘削工程と、側溝挿設工程と、トレンチ挿設工程と、接続工程と、側溝埋設工程と、トレンチ埋設工程と、から構成されている。
側溝用溝掘削工程は、浸透側溝1を埋設するための横溝を掘削する工程である。具体的には、建造物Hの正面地盤Gに、所要長さ、幅、深さを有する側溝用溝を掘削する工程である。このとき、該側溝用溝の全長については、挿設される複数の浸透側溝1の全体長さによって決定され、少なくとも建造物Hの正面長さよりも長く掘削される。また、該側溝用溝の幅及び深さについては、挿設される浸透側溝1の幅及び高さを考慮して決定される。
トレンチ溝掘削工程は、浸透トレンチ2を埋設するための横溝を掘削する工程である。具体的には、建造物Hの周囲地盤Gに、所要長さ、幅、深さを有するトレンチ溝を掘削する工程である。該トレンチ溝は、前記側溝用溝から建造物Hを避けて櫛状あるいは囲い状に掘削されるもので、すなわち該トレンチ溝の少なくとも一端は、前記側溝用溝に繋がった状態に掘削される。このとき、該トレンチ溝の全長については、挿設される複数の浸透トレンチ2の全体長さによって決定される。また、該トレンチ溝の幅及び深さについては、挿設される浸透トレンチ2の幅や高さ、挿設深さ位置を考慮して決定される。
側溝挿設工程は、前記側溝用溝掘削工程により掘削された側溝用溝に、浸透側溝1を挿設する工程である。挿設される側溝1の形態については、特に限定はなく、例えば図4(b)に示すように上方が開口したU字状水路1aを備える側溝1や、図示されていないが上面に取水口を有し内部に中空路を備える側溝1などが考え得る。なお、図3及び図4(a)では、上部にU字状水路1aが形成され且つ下部に略円形の中空路1bが形成された浸透側溝1を採用した場合について示している。該側溝1は、所要長さ、幅、高さを有し、少なくとも一部に浸透機能Fを備えて成る。該浸透機能Fを設ける箇所については、特に限定なく、例えば水路1Aの所定中間高さ位置から下方に浸透機能Fを設ける態様などが考え得る。
ところで、側溝用溝の長さ及び該側溝用溝に挿設される浸透側溝1の長さによって、該側溝用溝に必要な浸透側溝1の挿設数は異なることとなる。すなわち、側溝用溝の長さよりも浸透側溝1の長さが短い場合には、一の側溝用溝に複数の浸透側溝1を継ぎ足し挿設することとなる。
トレンチ挿設工程は、前記トレンチ溝掘削工程により掘削されたトレンチ溝に、浸透トレンチ2を挿設する工程である。挿設されるトレンチ2の形態は、矩形のコンクリートブロックにおいて長さ方向に貫通する中空路2Aが備えられて成る。該トレンチ2は、所要長さ、幅、高さを有し、少なくとも一部に浸透機能Fを備えて成る。該浸透機能Fを設ける箇所については、特に限定なく、例えばトレンチ2全体に浸透機能Fを設けたり、あるいは、中空路2Aの所定中間高さ位置から下方に浸透機能Fを設ける態様などが考え得る。
ところで、トレンチ溝の長さ及び該トレンチ溝に挿設される浸透トレンチ2の長さによって、該トレンチ溝に必要な浸透トレンチ2の挿設数は異なることとなる。すなわち、トレンチ溝の長さよりも浸透トレンチ2の長さが短い場合には、一のトレンチ溝に複数の浸透トレンチを継ぎ足し挿設することとなる。
接続工程は、前記側溝挿設工程及びトレンチ挿設工程により挿設された浸透側溝1と浸透トレンチ2との突合せ箇所を接続する工程である。接続に際しては、浸透トレンチ2の中空路2Aを流れる水Wが浸透機能Fを有する浸透側溝1の側壁から該側溝1の水路1A内に浸透・流下すべく、図4(a)に示すように、該浸透側溝1の側壁外面に浸透トレンチ2の端面をそのまま突合せて接続すれば足りるが、スムーズな流れを確保すべく、図4(b)に示すように、該突合せ箇所における浸透側溝1の側壁に水路1Aへの貫通孔を設ける態様も可能である。
このとき、前記浸透側溝1と浸透トレンチ2との突合せ箇所には、接続枡3を設置する態様も考え得る。すなわち、上記した浸透側溝1の側壁に貫通孔を設ける態様は手間がかかり作業上煩雑となることから、浸透トレンチ2の中空路2Aから浸透側溝1の水路1A内へスムーズな水Wの流れを確保すると共に該浸透側溝1と浸透トレンチ2との接続を容易にすべく、かかる突合せ箇所に接続枡3を設置することが望ましい。
かかる接続枡3の形態については、特に限定はなく、通常用いられる接続枡3を用いればよいが、少なくとも一部に浸透構造Fが備えられていることが好ましい。該浸透構造Fを設ける箇所については、特に限定なく、例えば接続枡3全体を浸透構造Fとしたり、あるいは、所定中間高さ位置から下方のみを浸透構造Fとする態様などが考え得る。
側溝埋設工程は、前記側溝挿設工程により側溝用溝内に挿設された浸透側溝1の周囲を埋め戻す工程である。このとき、埋設される側溝1の機能上、該浸透側溝1の全てが地中Gに埋没することなく、その上面が地上に表出した状態となるように埋め戻されることとなる。
トレンチ埋設工程は、前記トレンチ挿設工程によりトレンチ溝内に挿設された浸透トレンチ2の周囲を埋め戻す工程である。このとき、埋設されるトレンチ2の機能上、該浸透トレンチ2の全てを地中Gに埋没させ、地上に表出箇所が無いように埋め戻されることとなる。
以上の工程を経て構築される本実施例にかかる建造物H周囲の地盤構築工法について、次に、その作用効果すなわち液状化の原因を成す地下水Wによる地盤浸水が起こった際の上昇地下水Wの流れ、について説明する。
図3に示すように、地震等により地下水Wの地盤浸水が起こった際、該地下水Wは、建造物H周囲の地中Gに埋設されている浸透トレンチ2の中空路2A内に浸入することとなる。すなわち、該浸透トレンチ2の一部または全部には浸透機能Fが備えられていることから、該浸透機能Fにより地下水Wは中空路2Aに浸入する。そして中空路2Aに浸入した地下水Wは、該中空路2A内を通って側溝1方向へ流下する。
中空路2A内を側溝1方向へ流下した地下水Wは、今度は該浸透側溝1の水路1A内へ流入する。このとき、接続枡3が設置されている場合には、地下水Wが一旦接続枡3内に流入し、その後に浸透側溝1の水路1A内へ流入することとなる。浸透側溝1の水路1A及び接続枡3内に流入した地下水Wは、該水路1A若しくは接続枡3内に蓄積されあるいは水路1Aを通って所定方向へ流下することとなる。
浸透側溝1は浸透機能Fを備えているため、水路1A内に流入した地下水は、該浸透機能Fを介して最終的に側溝1周囲の別の地中Gへ再度浸透させられることになる。このとき、接続枡3に浸透構造Fが備えられている場合は、同様に該接続枡3内に流入した地下水が該親等構造を介して接続枡3周囲の地中Gに再度浸透させられることとなる。
本実施例にかかる建造物周囲の地盤構築工法における地下水の流れは以上の通りであって、液状化の原因を成す地下水による地盤浸水が起こった際に、該地下水を地中Gから効率よく流出させて逃がすことで、地盤Gの液状化現象の発生を未然に防止すると共に、流出させた地下水を再度地中Gへ浸透させることで、地下水の地中還元を可能ならしめるものである。
図5及び図6は、本発明にかかる建造物H周囲の地盤構築工法の第二の実施例を示しており、図5はフローチャート、図6は要部拡大図である。
図5に示すように、本実施例にかかる建造物H周囲の地盤構築工法は、側溝用溝掘削工程と、トレンチ溝掘削工程と、砕石敷設工程と、側溝挿設工程と、トレンチ挿設工程と、接続工程と、側溝埋設工程と、トレンチ埋設工程と、から構成されている。すなわち、本実施例は、上記第一の実施例における側溝挿設工程の前工程として砕石敷設工程が備えられるものであって、該砕石敷設工程以外の各工程については上記第一の実施例と同様であるため、説明は省略する。
砕石敷設工程は、側溝挿設工程の前工程として備えられるものであって、側溝用溝掘削工程によって掘削された側溝用溝内に、砕石4を敷設する工程である。敷設される砕石4の形態については、特に限定はないが、例えば単粒度砕石が使用される。なお、砕石4の具体的敷設箇所は、側溝挿設工程において挿設される浸透側溝1の下方及び側方の三方若しくは何れか二方に砕石4が位置するように敷設する。
なお、浸透側溝1と浸透トレンチ2との突合せ箇所に接続枡3を設置する態様を採用する場合には、該接続枡3の周囲にも砕石4を敷設する態様が採り得る。
本実施例において、かかる砕石敷設工程を備えることで、浸透側溝1の水路1A内に流入した地下水を再度地中Gへ浸透させる際に、該地下水の浸透スピードを向上させると共に、側溝1周囲の土壌の軟化を防止し、さらには、液状化の原因を為す地盤浸水が起こった際の水圧による側溝1の浮上を防止することが可能となる。
該砕石敷設工程を行うに際し、側溝用溝の底面を除く側面に透水シートを予め敷く態様が考え得る。かかる透水シートを敷くことで、敷設された砕石4間の隙間に周囲の土壌の侵入を防止することができ、該砕石4の目詰まり防止に資することとなる。
本実施例にかかる建造物H周囲の地盤構築工法における地下水の流れについては、浸透側溝1の水路1A内に流入した地下水を最終的に側溝1周囲の別の地中Gへ再浸透させる際に、敷設された砕石4層を介して地中浸透が為される以外は、上記第一の実施例と同様である。本実施例によれば、流出させた地下水を再度地中Gへ浸透させる際の浸透スピードを向上させ、地下水の地中還元効率の向上に資することとなる。
図7は、本発明にかかる浸透側溝1の実施形態を示す正断面図である。
図7に示すように、本発明にかかる浸透側溝1は、前記建造物H周囲の地盤構築工法において使用される側溝1であって、所要長さ、幅、高さを有する全体がコンクリートにより成型された側溝本体1Bにおいて、上部には上方が開口したU字状水路1aが形成されると共に、下部には長さ方向に貫通する中空路1bが形成されて構成されており、いわゆるU字状水路1aと中空路1bとの二つの水路1Aが上下に備わる構成態様である。
U字状水路1aと中空路1bとは、側溝本体1Bを為すコンクリートにより隔てられているが、必要に応じてU字状水路1aと中空路1bとを貫通する孔を所定箇所に備える態様も可能である。
該浸透側溝1は、側溝本体1Bの所定高さ位置より下方領域における一部若しくは全部が透水性コンクリートにより成型されている。なお、浸透側溝1における浸透コンクリートF以外の部分は、通常のコンクリート製となる。このとき、浸透コンクリートF部分の位置・大きさについては、浸透側溝1の浸透効率や埋設対象地盤Gの地質などを考慮して決定すればよい。
かかる透水性コンクリートを構成する所定高さ位置より下方領域について、図7(a)に示すように上部に形成されるU字状水路1aと下部に形成される中空路1bとの中間位置から下方領域とする態様が考えられ、あるいは、図7(b)に示すように上部に形成されるU字状水路1aにおける所定中間高さ位置から下方領域とする態様も可能である。
かかる浸透側溝1は、側溝本体1Bの一部若しくは全部が透水性コンクリートにより成型されているため、U字状水路1aあるいは中空路1b内に流入した地下水を効果的に地中Gへ浸透させることが可能であり、しかもU字状水路1aと中空路1bとに水路1Aが二段構造を採用していることから、該U字状水路1aが通常の側溝1としての機能を果たすと共に、液状化の原因を成す地下水による地盤浸水が起こった際の上昇地下水をU字状水路1aと中空路1bとで分担して受け入れることで、該地下水の許容量が向上して、液状化現象の未然防止に資することとなる。
本発明にかかる建造物周囲の地盤構築工法並びに該工法に用いられる浸透側溝1は、地中Gにおいて液状化の原因を成す地下水による地盤浸水が起こった場合に、該地下水を地中Gから効率よく流出させて逃がすことで、地盤Gの液状化現象の発生を未然に防止することが可能であると共に、該地下水を受け入れる側溝1が水浸透性を備えることで、地下水の地中Gへの再浸透を図るものであって、本発明の産業上の利用可能性は大である。
1 浸透側溝
1A 水路
1B 側溝本体
1a U字状水路
1b 中空路
2 浸透トレンチ
2A 中空路
3 接続枡
4 砕石
5 透水シート
F 浸透コンクリート(浸透機能,浸透構造)
H 建造物
G 地盤(地中)
W 地下水(水)

Claims (7)

  1. 建造物周囲の地盤構築工法であって、
    浸透側溝を埋設するための所要長さ、幅、深さを有する側溝用溝を、建造物の正面地盤に掘削する側溝用溝掘削工程と、
    浸透トレンチを埋設するための所要長さ、幅、深さを有するトレンチ溝を、前記側溝用溝から建造物の周囲地盤に向けて掘削するトレンチ溝掘削工程と、
    前記側溝用溝掘削工程により掘削された側溝用溝に所要長さ、幅、高さを有し、少なくとも一部に浸透機能を備える浸透側溝を複数挿設する側溝挿設工程と、
    前記トレンチ溝掘削工程により掘削されたトレンチ溝に所要長さ、幅、高さを有し、少なくとも一部に浸透機能を備える浸透トレンチを複数挿設するトレンチ挿設工程と、
    前記側溝挿設工程及びトレンチ挿設工程により挿設された浸透側溝と浸透トレンチとの突合せ箇所を接続する接続工程と、
    前記側溝挿設工程により側溝用溝内に挿設された浸透側溝の周囲を埋め戻す側溝埋設工程と、
    前記トレンチ挿設工程によりトレンチ溝内に挿設された浸透トレンチの周囲を埋め戻すトレンチ埋設工程と、
    からなることを特徴とする建造物周囲の地盤構築工法。
  2. 前記建造物周囲の地盤構築工法において、
    前記側溝挿設工程の前工程として、側溝用溝内に砕石を敷設する砕石敷設工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の建造物周囲の地盤構築工法。
  3. 前記建造物周囲の地盤構築工法において、
    前記接続工程における浸透側溝と浸透トレンチとの突合せ箇所に、接続枡が設置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の建造物周囲の地盤構築工法。
  4. 前記建造物周囲の地盤構築工法において、
    前記接続枡が、浸透構造を備えて成ることを特徴とする請求項3に記載の建造物周囲の地盤構築工法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の建造物周囲の地盤構築工法において用いられる水浸透性を有する側溝であって、
    所要長さ、幅、高さを有する全体がコンクリートにより成型された側溝本体において、上部には上方が開口したU字状水路が形成されると共に、下部には長さ方向に貫通する中空路が形成されて成り、所定高さ位置より下方領域における一部若しくは全部が透水性コンクリートにより構成されていることを特徴とする浸透側溝。
  6. 前記浸透側溝において、透水性コンクリートを構成する所定高さ位置より下方領域が、上部に形成されるU字状水路と下部に形成される中空路との中間位置から下方領域であることを特徴とする請求項5に記載の浸透側溝。
  7. 前記浸透側溝において、透水性コンクリートを構成する所定高さ位置より下方領域が、上部に形成されるU字状水路における所定中間高さ位置から下方領域であることを特徴とする請求項5に記載の浸透側溝。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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