JP2008190181A - 石積み擁壁 - Google Patents
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Abstract
【課題】延び部材を積石又は引き抜き抵抗部材に容易に固着できるようにし、延び部材の長さ調整も自在とし、さらに引き抜き抵抗部材を裏込め材の中に容易に設置できるようにする。
【解決手段】アンカーに形成した挿通孔に金属線の先端部を挿通して折り返し、その折り返し部と金属線中間部を、固定スリーブ又は溶接で固着し、杭に形成した横方向の貫通孔に金属線の後端部を挿通して折り返し、その折り返し部と金属線中間部固定スリーブ又は溶接で固着するので、金属線を積石又は引き抜き抵抗部材に容易に固着でき、金属線の長さ調整も自在であり、杭が棒状であるため裏込め材の中に容易に差し込んで設置できる。
【選択図】 図1
【解決手段】アンカーに形成した挿通孔に金属線の先端部を挿通して折り返し、その折り返し部と金属線中間部を、固定スリーブ又は溶接で固着し、杭に形成した横方向の貫通孔に金属線の後端部を挿通して折り返し、その折り返し部と金属線中間部固定スリーブ又は溶接で固着するので、金属線を積石又は引き抜き抵抗部材に容易に固着でき、金属線の長さ調整も自在であり、杭が棒状であるため裏込め材の中に容易に差し込んで設置できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、海岸、河川、傾斜地などにおいて、護岸、堰堤、ロックフィルダムなどの用途を目的として形成される石積み擁壁に関する。
この種の擁壁は、積石として自然石を用いることで優れた景観を得ることができ、また基本的に生コンクリートや接着剤を用いないので生態系に悪影響を及ぼすことがなく、石と石の間に適度な間隔があるため動植物に良好な生息域を作り出すという特徴を有し、多用されている。この種の擁壁は、例えば下記特許文献1に開示されている。
特許第2983207号公報
特許文献1の擁壁は、積石の背面から丸鋼、ボルトなどの棒状の延び部材を背面側に延び出し、その後端部に金属板、自然石、コンクリートブロックなどの引き抜き抵抗部材を固着するものである。棒状の延び部材を積石に固着する方法は、積石に固定したアンカーに延び部材をねじ込む方法、積石にくり抜いた孔に延び部材を差し込み接着剤で固定する方法などがある。棒状の延び部材を引き抜き抵抗部材に固着する方法は、引き抜き抵抗部材が金属板の場合、金属板に設けたねじ孔にねじ込む方法、金属板に設けた孔に延び部材を差し込んだ後に後端部を折り曲げる方法などがある。引き抜き抵抗部材が自然石やコンクリートブロックの場合は、前記積石に固着する方法と同じである。
このような石積み擁壁は、延び部材を積石又は引き抜き抵抗部材に固着する作業が面倒であり、また、延び部材の長さを自在に調整するのが困難であった。
本発明は、延び部材を積石又は引き抜き抵抗部材に容易に固着できるようにし、延び部材の長さ調整も自在とし、さらに引き抜き抵抗部材を裏込め材の中に容易に設置することができる石積み擁壁を得ることを課題としてなされたものである。
本発明は、延び部材を積石又は引き抜き抵抗部材に容易に固着できるようにし、延び部材の長さ調整も自在とし、さらに引き抜き抵抗部材を裏込め材の中に容易に設置することができる石積み擁壁を得ることを課題としてなされたものである。
本発明は、積石を、長さ方向に多数配列すると共に高さ方向に多数積み上げ、その背面に裏込め材を充填して形成する石積み擁壁において、前記積石の背面に固定したアンカーに金属線の前端部を固着し、該金属線を前記積石の背面方法に延ばし、その後端部を棒状の杭に固着し、前記金属線及び杭を前記裏込め材に埋め込む石積み擁壁であって、前記アンカーに形成した挿通孔に前記金属線の先端部を挿通して折り返し、その折り返し部と金属線中間部を、内部に通した固定スリーブをカシメることで、又は溶接により、前記金属線の前端部を前記アンカーに固着し、前記杭に形成した横方向の貫通孔に前記金属線の後端部を挿通して折り返し、その折り返し部と金属線中間部を、内部に通した固定スリーブをカシメることで、又は溶接することで前記金属線の後端部を前記杭に固着することを特徴とする石積み擁壁である。
前記金属線は、直径2.5〜4.0mmのステンレス線とすることができる。直径が2.5mmに満たないと、積石の崩れを防止するための引張強度が十分でなく、4.0mmを越えると、必要な引き抜き力に対して過剰なものとなり、また、金属線をアンカー又は杭に固着するときの金属線の折り返し作業が容易でなくなる。
前記杭は、直径10〜25mm、長さ150〜500mmの丸鋼、又は各辺が10〜25mm、長さ150〜500mmの角鋼棒(断面が正方形又は長方形のもの)に耐腐食メッキを施したものとすることができる。直径が10mm、長さが150mmに満たないと、積石の崩れを防止するための引き抜き抵抗が不十分となり、直径又は辺が25mm、長さ400mmを越えるものは必要な引き抜き抵抗に対して過剰なものとなり、また、太すぎることで裏込め材に埋め込む作業が容易でなくなる。
本発明の石積み擁壁は前記の構成であるので、金属線を積石又は杭に固着する作業を、金属線をアンカーまたは杭の貫通孔に挿通し折り曲げて固定スリーブをカシメることで、又は溶接により容易に行うことができ、そのときに金属線の長さも自由に設定できる。また、引き抜き抵抗部材を棒状の杭としたので、裏込め材の中に容易に配置することができる。
以下、実施例を表した図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は実施例の石積み擁壁1の断面図、図2、3は積石と金属線の接続状態の説明図、図4は杭と金属線の接続状態の説明図、図5、6は石積み擁壁1の構築方法の説明図である。
擁壁1は、積石2を長さ方向に多数配列すると共に高さ方向に多数積み上げ、その背面に裏込め材14を充填して形成する。積石は自然石が望ましいが、コンクリート製の擬石を用いることもできる。各積石2の背面にはアンカー4を打ち込む。アンカー4は、いわゆる石引アンカーと呼ばれるもので、筒状の本体の後端に砲弾状塊6を差し込んで積石に穿設した穴に打ち込むことで、砲弾状塊6が本体に食い込み、拡開部7が開いてアンカー4が積石に固定される。アンカー4の先端部分には直径方向の貫通孔5が設けられており、この貫通孔5を、金属線を挿通する挿通孔として利用できる。図2に示すように、金属線3の先端部をアンカー4の貫通孔5に挿通し、折り返した後、金属線の中間部3aと折り返し部3bとを固定スリーブ12で固定し、金属線3の前端部を前記アンカー4に固着する。固定スリーブ12は金属製の筒で、プライヤーや万力などの工具でカシメる(押し潰す)ことで金属線を固定できるものである。また、スリーブをカシメる方法に代えて、溶接で金属線の中間部3aと折り返し部3bとを固定することもできる。
図3は、アンカー4の貫通孔5にシャックル9を取り付け、シャックル9を、金属線3を挿通する挿通孔として用いた例である。このように、アンカーに形成する挿通孔は金属線を挿通できる構成であればどのようなものでもよい。
図4に示すように、金属線3の先端部を杭10に設けられた横方向(直径方向)の貫通孔11に挿通し、折り返した後、金属線の中間部3aと折り返し部3bとを固定スリーブ12で固定し、金属線3の後端部を杭10に固着する。また、スリーブをカシメる方法に代えて、溶接で金属線の中間部3aと折り返し部3bとを固定することもできる。
積石として直径300mm内外の自然石、金属線として太さ3.2mmのステンレス線、杭として太さ13mm長さ200mmの溶融亜鉛メッキ普通丸棒を用い、図1の石積み擁壁1を構築した後、各積石を外側に引っ張る引張試験を行った結果、全て2.5kNの引張力に耐え、十分な引張強度が確認された。
次に、図5、6に基づいて石積み擁壁1の構築方法を説明する。図5は基礎13の上に一段目の積石2(予め背面に金属線3杭10を取り付けてある)を設置し、背面に適当な高さまで裏込め材14(砕石、栗石など)を充填した状態である。このとき、杭10は裏込め材14を適宜高さまで充填した後に裏込め材に差し込むことで容易に設置することができる。すなわち、杭10は棒状であるので、容易に裏込め材に差し込むことができる。なお、基礎13は例えばコンクリートブロック、現場打ちコンクリートなどで、形状は本実施例に示すものに限られるものではなく、場合によっては基礎を省略することもできる。符号15は地山の斜面に設置する吸い出し防止材である。
次に、裏込め材14を一段目の積石2の上端付近まで充填し、二段目の積石2を積み上げる。その後さらに裏込め材14を適宜高さまで充填し、二段目の杭10を裏込め材14に差し込んで設置する。この状態が図6である。このようにして、三段目より上の積石を次々に積み上げ、図1の石積み擁壁1を構築することができる。
1 擁壁
2 積石
3 金属線
3a 中間部
3b 折り返し部
4 アンカー
5 貫通孔
6 砲弾状塊
7 拡開部
8 貫通孔
9 シャックル
10 杭
11 貫通孔
12 固定スリーブ
13 基礎
14 裏込め材
15 吸い出し防止材
2 積石
3 金属線
3a 中間部
3b 折り返し部
4 アンカー
5 貫通孔
6 砲弾状塊
7 拡開部
8 貫通孔
9 シャックル
10 杭
11 貫通孔
12 固定スリーブ
13 基礎
14 裏込め材
15 吸い出し防止材
Claims (3)
- 積石を、長さ方向に多数配列すると共に高さ方向に多数積み上げ、その背面に裏込め材を充填して形成する石積み擁壁において、
前記積石の背面に固定したアンカーに金属線の前端部を固着し、該金属線を前記積石の背面方法に延ばし、その後端部を棒状の杭に固着し、前記金属線及び杭を前記裏込め材に埋め込む石積み擁壁であって、
前記アンカーに形成した挿通孔に前記金属線の先端部を挿通して折り返し、その折り返し部と金属線中間部を、内部に通した固定スリーブをカシメることで、又は溶接により、前記金属線の前端部を前記アンカーに固着し、
前記杭に形成した横方向の貫通孔に前記金属線の後端部を挿通して折り返し、その折り返し部と金属線中間部を、内部に通した固定スリーブをカシメることで、又は溶接することで前記金属線の後端部を前記杭に固着することを特徴とする石積み擁壁。 - 前記金属線が直径2.5〜4.0mmのステンレス線であることを特徴とする請求項1の石積み擁壁。
- 前記杭が直径10〜25mm、長さ150〜500mmの丸鋼、又は各辺が10〜25mm、長さ150〜500mmの角鋼棒に耐腐食メッキを施したものであることを特徴とする請求項1又は2の石積み擁壁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007024594A JP2008190181A (ja) | 2007-02-02 | 2007-02-02 | 石積み擁壁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007024594A JP2008190181A (ja) | 2007-02-02 | 2007-02-02 | 石積み擁壁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008190181A true JP2008190181A (ja) | 2008-08-21 |
Family
ID=39750521
Family Applications (1)
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JP2007024594A Pending JP2008190181A (ja) | 2007-02-02 | 2007-02-02 | 石積み擁壁 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2008190181A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100947248B1 (ko) | 2009-09-09 | 2010-03-11 | 주식회사 석송 | 사면보호용 스톤구조물 및 그 시공방법 |
CN102296571A (zh) * | 2011-06-08 | 2011-12-28 | 西安理工大学 | 锚固面板堆石坝及其构建方法 |
JP6037490B1 (ja) * | 2016-06-11 | 2016-12-07 | 有限会社福井工業 | 土木構築物及び土木構築物の施工方法 |
-
2007
- 2007-02-02 JP JP2007024594A patent/JP2008190181A/ja active Pending
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