JP2014019710A - ラクトン重合体及びその製造方法 - Google Patents

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慎太郎 畑中
Atsushi Watabe
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Abstract

【課題】ポリウレタン系樹脂等の原料として有用なラクトン重合体を提供する。
【解決手段】本ラクトン重合体は、式(3)で表される水酸基を有するフルオレン化合物にラクトンが開環付加して得られる重合体である。式(3)中、X、X’は酸素原子、窒素原子、又は単結合を示す。R1、R1’は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、m、m’は0〜5の整数を示す。R6、R6’、R7、R7’はアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、p、p’、q、q’は0〜4の整数を示す。
Figure 2014019710

【選択図】なし

Description

本発明は、フルオレン骨格を有する新規なラクトン重合体、及びその製造方法に関する。
ポリカプロラクトンに代表されるラクトン重合体はエラストマー、ウレタン樹脂、及び塗料等の原料として広く用いられている(特許文献1、2)。特に、ラクトン重合体とジイソシアネートとを反応させて得られるウレタン樹脂は、他のポリオールとジイソシアネートとを反応させて得られるウレタン樹脂に比べ、圧縮永久歪が低く高弾性回復性を有するため、スパンデックス(ポリウレタン弾性繊維)としての使用や、圧縮永久ひずみが小さいことを要求される分野において使用されてきた。
しかし、従来のラクトン重合体はエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の重合開始剤を使用してε−カプロラクトン等のラクトンを開環重合させて得られたものであったため、いずれも結晶化し易く融点が高いため常温においてはワックス状を呈し、ウレタン樹脂を製造する際には加熱溶融する必要がありハンドリング性が悪く、更に、加水分解しやすいことが問題であった。
一方、結晶性が高く立体構造的に嵩高いフルオレン骨格を有する化合物を樹脂原料に配合すると、高屈折率、高耐熱性を有する樹脂が得られることが知られている。しかし、フルオレン骨格を有する化合物は各種樹脂原料との相溶性が低いことが問題であった。
特開平3−52917号公報 特開平11−286531号公報
従って、本発明の目的は、ポリウレタン系樹脂等の原料として有用なラクトン重合体であって、耐加水分解性を有し、ハンドリング性及び各種樹脂原料との相溶性に優れる新規なラクトン重合体を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記ラクトン重合体の製造方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、前記ラクトン重合体と有機ポリイソシアネートとを含有する組成物、該組成物から得られるポリウレタン系樹脂、前記ラクトン重合体と有機ポリイソシアネートとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート、該ウレタン(メタ)アクリレートを含有するウレタン(メタ)アクリレート組成物、ウレタン(メタ)アクリレート組成物から得られるアクリルウレタン系樹脂、前記ラクトン重合体と多価カルボン酸を反応させて得られるポリエステル系樹脂、及び前記ラクトン重合体とエポキシ化合物を反応させて得られるエポキシ系樹脂を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、加水分解しやすいラクトン重合体(ポリラクトン鎖)に、高い結晶性を有し立体構造的に嵩高いフルオレン骨格を有するジオール化合物を付加すると、耐加水分解性が付与され、結晶性が緩和されて低融点化(液状化)することによりハンドリング性が向上すること、前記フルオレン骨格を有するジオール化合物は各種樹脂原料との相溶性が低いが、フルオレン骨格を有するラクトン重合体は各種樹脂原料との相溶性に優れることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体を提供する。
Figure 2014019710
(式(1)中、Ar、Ar’は同一又は異なってアリーレン基を示し、X、X’は同一又は異なって、酸素原子、窒素原子、又は単結合を示す。R1、R1’は同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、m、m’は同一又は異なって、0〜5の整数を示す。Z1は式(2)、Z2は式(2’)で表される。式(2)、(2’)中、R2〜R5は同一又は異なって、水素原子、CH3、又はC25を示す。t、t’は同一又は異なって、3〜7の整数を示し、n、n’は同一又は異なって、0〜100の整数を示し、n+n’は1〜100の整数である。R6、R6’、R7、R7’は同一又は異なってアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、p、p’、q、q’は同一又は異なって0〜4の整数を示す)
本発明は、また、下記式(3)
Figure 2014019710
(式(3)中、Ar、Ar’は同一又は異なってアリーレン基を示し、X、X’は同一又は異なって、酸素原子、窒素原子、又は単結合を示す。R1、R1’は同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、m、m’は同一又は異なって、0〜5の整数を示す。R6、R6’、R7、R7’は同一又は異なってアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、p、p’、q、q’は同一又は異なって0〜4の整数を示す)
で表されるフルオレン骨格を有するジオール化合物に炭素数4〜8のラクトンを開環重合させることにより、前記式(1)
Figure 2014019710
(式(1)中、Ar、Ar’、X、X’、R1、R1’、m、m’、R6、R6’、R7、R7’、p、p’、q、q’は前記に同じ。Z1は式(2)、Z2は式(2’)で表される。式(2)、(2’)中、R2〜R5は、同一又は異なって、水素原子、CH3、又はC25を示す。t、t’は同一又は異なって、3〜7の整数を示し、n、n’は同一又は異なって、0〜100の整数を示し、n+n’は1〜100の整数である)
で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体を得る、フルオレン骨格を有するラクトン重合体の製造方法を提供する。
前記フルオレン骨格を有するラクトン重合体の製造方法において、開環重合させる際に触媒を使用することが好ましく、前記触媒としては、スズ、チタン、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、及び亜鉛から選択される少なくとも1種の金属の化合物、又は陽イオン交換樹脂、硫酸、過塩素酸、BF3、及びパラトルエンスルホン酸から選択される少なくとも1種の酸触媒が好ましい。
前記炭素数4〜8のラクトンとしては、γ−ブチロラクトン、3−メチル−β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン、3−メチル−ε−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロラクトン、3,3,5−トリメチル−ε−カプロラクトン、3,5,5−トリメチル−ε−カプロラクトン、及び3−メチル−δ−バレロラクトンから選択される少なくとも1種が好ましい。
本発明は、更に、下記式(1)
Figure 2014019710
(式(1)中、Ar、Ar’は同一又は異なってアリーレン基を示し、X、X’は同一又は異なって、酸素原子、窒素原子、又は単結合を示す。R1、R1’は同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、m、m’は同一又は異なって、0〜5の整数を示す。Z1は式(2)、Z2は式(2’)で表される。式(2)、(2’)中、R2〜R5は同一又は異なって、水素原子、CH3、又はC25を示す。t、t’は同一又は異なって、3〜7の整数を示し、n、n’は同一又は異なって、0〜100の整数を示し、n+n’は1〜100の整数である。R6、R6’、R7、R7’は同一又は異なってアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、p、p’、q、q’は同一又は異なって0〜4の整数を示す)
で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体と、有機ポリイソシアネートとを含有する組成物を提供する。
前記組成物は、更に、鎖延長剤を含有することが好ましい。
本発明は、更にまた、前記組成物から得られるポリウレタン系樹脂を提供する。
本発明は、また、下記式(1)
Figure 2014019710
(式(1)中、Ar、Ar’は同一又は異なってアリーレン基を示し、X、X’は同一又は異なって、酸素原子、窒素原子、又は単結合を示す。R1、R1’は同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、m、m’は同一又は異なって、0〜5の整数を示す。Z1は式(2)、Z2は式(2’)で表される。式(2)、(2’)中、R2〜R5は同一又は異なって、水素原子、CH3、又はC25を示す。t、t’は同一又は異なって、3〜7の整数を示し、n、n’は同一又は異なって、0〜100の整数を示し、n+n’は1〜100の整数である。R6、R6’、R7、R7’は同一又は異なってアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、p、p’、q、q’は同一又は異なって0〜4の整数を示す)
で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体と、有機ポリイソシアネートと、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート、前記ウレタン(メタ)アクリレートを含有するウレタン(メタ)アクリレート組成物、前記ウレタン(メタ)アクリレート組成物から得られるアクリルウレタン系樹脂、下記式(1)
Figure 2014019710
(式(1)中、Ar、Ar’は同一又は異なってアリーレン基を示し、X、X’は同一又は異なって、酸素原子、窒素原子、又は単結合を示す。R1、R1’は同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、m、m’は同一又は異なって、0〜5の整数を示す。Z1は式(2)、Z2は式(2’)で表される。式(2)、(2’)中、R2〜R5は同一又は異なって、水素原子、CH3、又はC25を示す。t、t’は同一又は異なって、3〜7の整数を示し、n、n’は同一又は異なって、0〜100の整数を示し、n+n’は1〜100の整数である。R6、R6’、R7、R7’は同一又は異なってアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、p、p’、q、q’は同一又は異なって0〜4の整数を示す)
で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体と、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステル系樹脂、下記式(1)
Figure 2014019710
(式(1)中、Ar、Ar’は同一又は異なってアリーレン基を示し、X、X’は同一又は異なって、酸素原子、窒素原子、又は単結合を示す。R1、R1’は同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、m、m’は同一又は異なって、0〜5の整数を示す。Z1は式(2)、Z2は式(2’)で表される。式(2)、(2’)中、R2〜R5は同一又は異なって、水素原子、CH3、又はC25を示す。t、t’は同一又は異なって、3〜7の整数を示し、n、n’は同一又は異なって、0〜100の整数を示し、n+n’は1〜100の整数である。R6、R6’、R7、R7’は同一又は異なってアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、p、p’、q、q’は同一又は異なって0〜4の整数を示す)
で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体と、エポキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ系樹脂を提供する。
本発明のフルオレン骨格を有するラクトン重合体は、耐加水分解性を有し、低結晶性で各種樹脂原料との相溶性に優れる。そのため、ポリウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びエポキシ系樹脂等の各種樹脂原料として好適に使用することができる。そして、本発明のフルオレン骨格を有するラクトン重合体を原料として得られるポリウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びエポキシ系樹脂等の樹脂は耐熱性に優れ、高屈折率を有する。特に、ポリウレタン系樹脂は高弾性回復性を有して圧縮永久歪性が低いという特性も有する。そのため、しなやかな伸びと回復性に優れたストレッチ繊維や、建設機械用パッキン、コピー機用ローラー等として好適に使用することができる。
[フルオレン骨格を有するラクトン重合体]
本発明のフルオレン骨格を有するラクトン重合体は、下記式(1)で表される。式(1)中、Ar、Ar’は同一又は異なってアリーレン基を示し、X、X’は同一又は異なって、酸素原子、窒素原子、又は単結合を示す。R1、R1’は同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、m、m’は同一又は異なって、0〜5の整数を示す。Z1は式(2)、Z2は式(2’)で表される。式(2)、(2’)中、R2〜R5は同一又は異なって、水素原子、CH3、又はC25を示す。t、t’は同一又は異なって、3〜7の整数を示し、n、n’は同一又は異なって、0〜100の整数を示し、n+n’は1〜100の整数である。R6、R6’、R7、R7’は同一又は異なってアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、p、p’、q、q’は同一又は異なって0〜4の整数を示す。
Figure 2014019710
Ar、Ar’は同一又は異なってアリーレン基を示し、例えば、フェニレン、ナフチレン、アントリレン、フェナントリレン、及びピレニレン基等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、結晶性を制御し易い点で、フェニレン基が好ましい。
1、R1’は同一又は異なって炭素数2〜4のアルキレン基を示し、例えば、エチレン、2−メチルエチレン、トリメチレン、テトラメチレン基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を挙げることができる。本発明においては、なかでも、エチレン基が、反応性に優れる点で好ましい。
m、m’は同一又は異なって0〜5の整数を示し、好ましくは0〜1の整数、特に好ましくは1である。
t、t’は同一又は異なって3〜7の整数を示し、好ましくは4〜6の整数、特に好ましくは5である。t、t’が上記範囲を外れると、開環重合の重合速度が低下するため好ましくない。
n、n’は同一又は異なって0〜100の整数を示し、好ましくは1〜80の整数、特に好ましくは4〜25の整数である。n、n’が上記範囲を外れると、得られる樹脂が高粘性若しくは高い結晶性を発現するため好ましくない。
「n+n’」は付加されるラクトンモノマーの総量に相当し、1〜100の整数であり、好ましくは1〜20の整数である。「n+n’」が100より大きくなると、例えば塗料として用いた場合、樹脂の結晶性が高くなり伸びや可撓性が低下し、得られる塗膜の物性(例えば、均一性、柔軟性等)が低下するため好ましくない。一方、「n+n’」が1より小さい場合、ラクトン付加の効果が得られない。すなわち、樹脂への柔軟性(可撓性)の付与が困難となり、高結晶性となり各種樹脂原料との相溶性が低下する。
6、R6’、R7、R7’は同一又は異なってアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。前記アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、t−ブチル基等のC1-4アルキル基等を挙げることができる。前記アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル基等のC6-10アリール基等を挙げることができる。前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、3−ブロモベンジル、2−ニトロベンジル、トリフェニルメチル基等を挙げることができる。
p、p’、q、q’は同一又は異なって0〜4の整数を示し、好ましくは0〜2の整数である。
本発明のフルオレン骨格を有するラクトン重合体は、優れた耐加水分解性を有し、湿熱条件下(120℃、100%Rh)で24時間静置(湿熱処理)した後の酸価上昇度は15〜25程度である。また、96時間静置した後の酸価上昇度は150〜250程度である。尚、酸価上昇度は下記式により算出される。また、酸価はJIS K0070に記載の方法に準じて測定される。
酸価上昇=湿熱処理後酸価/湿熱処理前酸価
また、本発明のフルオレン骨格を有するラクトン重合体は各種樹脂原料[例えば、エポキシ化合物、(メタ)アクリル酸エステル(=(メタ)アクリレート)、多価カルボン酸、多価アルコール等]の相溶性に優れ、例えば、フルオレン骨格を有するラクトン重合体1重量部に対して、エポキシ化合物を0.2重量部以上、好ましくは1重量部以上溶解することができる。
また、本発明のフルオレン骨格を有するラクトン重合体は高屈折率を有し、40℃における屈折率は、例えば1.47〜1.62程度である。
前記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体は、例えば、下記式(3)で表されるフルオレン骨格を有するジオール化合物を重合開始剤とし、これに炭素数4〜8のラクトンを開環重合させることにより製造することができる。
Figure 2014019710
式(3)中、Ar、Ar’は同一又は異なってアリーレン基を示し、X、X’は同一又は異なって、酸素原子、窒素原子、又は単結合を示す。R1、R1’は同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、m、m’は同一又は異なって、0〜5の整数を示す。R6、R6’、R7、R7’は同一又は異なってアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、p、p’、q、q’は同一又は異なって0〜4の整数を示す。式(3)中のAr、Ar’、X、X’、R1、R1’、m、m’、R6、R6’、R7、R7’、p、p’、q、q’はそれぞれ式(1)中のAr、Ar’、X、X’、R1、R1’、m、m’、R6、R6’、R7、R7’、p、p’、q、q’に対応する。
炭素数4〜8のラクトンとしては、例えば、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、及びそのアルキル化物や、アルキル化プロピオラクトン等を挙げることができる。具体的には、γ−ブチロラクトン、3−メチル−β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン、3−メチル−ε−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロラクトン、3,3,5−トリメチル−ε−カプロラクトン、3,5,5−トリメチル−ε−カプロラクトン、3−メチル−δ−バレロラクトン等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。工業的には、ε−カプロラクトン、3−メチル−ε−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロラクトンを主に用い、その用途に応じ、3,3,5−トリメチル−ε−カプロラクトン又は3−メチル−δ−バレロラクトンを任意の割合で添加することが有利である。
前記炭素数4〜8のラクトンは、例えば、シクロヘキサノン、メチル置換シクロヘキサノン(例えば、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン等)を、過酸を用いて酸化(バイヤー・ビリガー酸化:Baeyer-Villiger oxidation)することにより製造することができる。
開環重合反応における炭素数4〜8のラクトンの使用量としては、上記式(3)で表されるフルオレン骨格を有するジオール化合物1モルに対して、例えば2〜20モル程度、好ましくは3〜15モル、特に好ましくは3.5〜10モル、最も好ましくは4〜8モルである。炭素数4〜8のラクトンの使用量が上記範囲を下回ると、相溶性、及び柔軟性(可撓性)の付与効果が低下する傾向がある。一方、炭素数4〜8のラクトンの使用量が上記範囲を上回ると、結晶性が高くなり、粘度が上昇する傾向がある。
開環重合反応における反応温度としては、例えば50〜220℃、好ましくは100〜200℃である。反応温度を前記範囲に調整することにより、上記式(3)で表されるフルオレン骨格を有するジオール化合物と炭素数4〜8のラクトンの反応を開始し、且つ、炭素数4〜8のラクトンの開環重合を連続的に行うことができる。反応温度が上記範囲を下回ると、反応速度が遅くなり実用性が低下する傾向がある。一方、反応温度が上記範囲を上回ると、熱分解が起き易くなる傾向がある。
開環重合反応には触媒を用いることが好ましい。前記触媒としては、例えば、スズ、チタン、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、及び亜鉛から選択される少なくとも1種の金属の化合物[例えば、テトラメチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等の有機チタン化合物;オクチル酸スズ、モノブチルスズオキシド、モノブチルスズトリス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、モノブチルスズヒドロキシオキサイド等の有機スズ化合物;酸化第1スズ等の酸化スズ;塩化第1スズ、臭化第1スズ、ヨウ化第1スズ等のハロゲン化スズ;塩化アルミニウム等のハロゲン化アルミニウム]や、アルカリ金属のアルコラート、ブチルリチウム等の有機リチウム化合物等を使用することができる。その他、触媒として、陽イオン交換樹脂(商品名「アンバーリスト15」(オルガノ(株)製)等)、硫酸、過塩素酸、BF3、及びパラトルエンスルホン酸等の酸触媒等も使用することができる。本発明においては、なかでも、取扱い易さ、低毒性、反応性、無着色性、貯蔵安定性等をバランスよく具備する点でスズ化合物、チタン化合物を好適に使用することができ、特に、オクチル酸スズ、塩化第1スズ、テトラブチルチタネートが、少量の使用で優れた触媒活性を有する点で好ましく用いられる。
触媒の使用量としては、上記式(3)で表されるフルオレン骨格を有するジオール化合物と炭素数4〜8のラクトンの総量に対して、例えば0.01〜200ppm、好ましくは0.1〜50ppmである。触媒の使用量が上記範囲を上回ると着色しやすくなり、製品の安定性に悪影響を与える場合がある。一方、触媒の使用量が上記範囲を下回るとラクトンの付加速度が極端に遅くなる傾向がある。
開環重合反応は、無溶媒下で行ってもよく、溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒の存在下で反応を行うと、反応終了後の系内の粘度を低下させる効果が得られ、且つ、反応中の温度コントロールが容易となる。前記溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の活性水素をもたない不活性な溶媒を使用することが好ましい。一方、エステル結合を有する溶媒を使用すると、反応中に炭素数4〜8のラクトンのエステル基とエステル交換を起こし、フルオレン骨格を有するラクトン重合体以外の副生物が生成し易くなるため好ましくない。
前記溶媒の使用量としては、上記式(3)で表されるフルオレン骨格を有するジオール化合物と炭素数4〜8のラクトンの総量に対して0〜80重量%、好ましくは0〜50重量%である。溶媒の使用量が上記範囲を上回ると反応成分濃度が低くなり、ラクトンの付加・開環重合反応速度が遅くなる傾向がある。
開環重合反応は、例えば、フルオレン骨格を有するジオール化合物、炭素数4〜8のラクトン、触媒の順序で反応器に仕込み、次いで反応系内を前記温度に上昇させることにより行うことができる。開環重合反応の経過は、ガスクロマトグラフィー(GC)で反応液中に残存する炭素数4〜8のラクトンの濃度を測定することにより確認することができ、例えば炭素数4〜8のラクトンの濃度が1%以下になった時点を反応の終点とみなすことができる。溶媒の存在下で反応を行った場合、使用した溶媒は反応終了後に除去してもよく、除去しなくてもよい。
開環重合反応は、窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。空気雰囲気下で行うと、得られるフルオレン骨格を有するラクトン重合体が着色し易くなるためである。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法でも行うことができる。
反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、吸着、カラムクロマトグラフィー等の分離精製手段やこれらを組み合わせた手段により分離精製することができる。
上記製造方法により得られるフルオレン骨格を有するラクトン重合体は、耐加水分解性を有し、低結晶性で各種樹脂原料との相溶性に優れる。そのため、樹脂原料へ容易に配合することができる。
[ポリウレタン系樹脂]
本発明の組成物は、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体と有機ポリイソシアネートとを少なくとも含有する。そして、本発明のポリウレタン系樹脂は、前記組成物を重合(若しくは硬化)することにより得られる。
前記組成物中の固形分全量に対する前記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体の含有量としては、例えば30重量%以上、好ましくは50重量%以上、特に好ましくは65重量%以上である。前記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体の含有量が上記範囲を下回ると、高屈折率、耐熱性、及び弾性回復率を有するポリウレタン系樹脂を得ることが困難となる傾向がある。
前記有機ポリイソシアネートとしては、芳香族系、脂肪族系、環式脂肪族系、若しくは脂環式ポリイソシアネート、又はその混合物、付加物、変性物、重合物等公知のポリイソシアネート類を挙げることができる。本発明においては、なかでも、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水素添化ジフェニルメタンジイソシアネート(H12 MDI)、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(クルードMDI)、変性ジフェニルメタンジイソシアネート(変性MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素添化キシリレンジイソシアネート(H−XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等のポリイソシアネート或いはこれらのポリイソシアネートの三量体化合物が好ましい。
前記有機ポリイソシアネートの使用量としては、式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体100重量部に対して、例えば15〜75重量部程度、好ましくは30〜50重量部である。
本発明の組成物には、式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体と有機ポリイソシアネート以外にも他の成分を含有していても良い。他の成分としては、例えば、鎖延長剤、溶媒、架橋剤、難燃剤等を挙げることができる。本発明においては、なかでも鎖延長剤を含有することが好ましい。
本発明の組成物は、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体と有機ポリイソシアネートと鎖延長剤等の他の成分を混合して得られた組成物であってもよく、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体と有機ポリイソシアネートを予め反応させて得られた末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、鎖延長剤等の他の成分を混合して得られる組成物であってもよい。
前記鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヒドラジン、イソホロンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン等のジアミン類を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
鎖延長剤の使用量としては、式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体100重量部に対して、例えば5〜20重量部程度、好ましくは8〜13重量部である。
前記溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等のイソシアネートに対して不活性な溶媒を使用することが好ましい。
本発明のポリウレタン系樹脂は、上記組成物を、例えば、80〜140℃の温度で1〜4時間程度加熱することにより得られる。
上記方法により得られる本発明のポリウレタン系樹脂は耐熱性に優れ、ガラス転移温度は例えば−60℃以上、好ましくは−10〜30℃である。また、5%重量減少温度(Td5)は、例えば250℃以上、好ましくは290℃以上である。
更に、上記方法により得られる本発明のポリウレタン系樹脂は弾性回復性に優れ、弾性回復率(%)は例えば50%以上、好ましくは70%以上である。尚、本発明の弾性回復率は、JIS K 7311に準拠して、23℃において、膜厚50μmのダンベル状試験片(3号:標線間2cm)を、チャック間距離が4cmとなるように固定し、次に、チャック間距離が120cm(300%伸長)となるまで500mm/minの速度で延伸し、これを5回繰返した後、10分放置した後の標線間の長さ(=延伸後の標線間の長さ)を測定し、下記式から算出することができる。
弾性回復率(%)=(延伸後の標線間の長さ−2)/2×100
更にまた、上記方法により得られる本発明のポリウレタン系樹脂は高屈折率を有し、室温における屈折率は、例えば1.44〜1.62程度である。
上記方法により得られる本発明のポリウレタン系樹脂は優れた耐熱性及び弾性回復性を有して圧縮永久歪性が低い。更に、高屈折率を有する。そのため、スパンデックス(ポリウレタン弾性繊維)、熱可塑性ウレタンエラストマー、熱硬化性ウレタンエラストマー、硬質及び軟質ウレタンフォーム、接着剤、合成皮革、塗料等に極めて有利に利用される。
[ウレタン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート組成物、アクリルウレタン系樹脂]
本発明のウレタン(メタ)アクリレートは、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体と有機ポリイソシアネートとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる。
本発明のウレタン(メタ)アクリレート組成物は、上記ウレタン(メタ)アクリレートを含有する。また、本発明のアクリルウレタン系樹脂は前記ウレタン(メタ)アクリレート組成物を重合(若しくは硬化)して得られる。
前記有機ポリイソシアネートとしては、上記ウレタン系樹脂に使用される有機ポリイソシアネートと同様の例を挙げることができる。
前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレートアクリレート等を挙げることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法としては、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体、有機ポリイソシアネート、及びヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法であれば特に限定されず、公知の方法で製造できる。例えば、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体、有機ポリイソシアネート、及びヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを一括混合して反応させる方法、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体と有機ポリイソシアネートを反応させて1分子当たり1個以上のイソシアネート基を含有するウレタンプレポリマーを形成した後、該プレポリマーとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法や、有機ポリイソシアネートとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させて1分子当たり1個以上のイソシアネート基を含有するウレタンプレポリマーを形成した後、該プレポリマーと上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体を反応させる方法などが挙げられる。
上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体、有機ポリイソシアネート、及びヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの反応割合は、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート1モルに対して上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体が例えば0.01〜2モル、好ましくは0.05〜1モル、特に好ましくは0.1〜0.8モルであり、有機ポリイソシアネートが例えば0.01〜10モル、好ましくは0.1〜5モル、特に好ましくは0.5〜3モルである。上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体が0.01モル未満では得られるウレタン(メタ)アクリレート、及びアクリルウレタン系樹脂の伸度が不十分となる傾向がある。一方、有機ポリイソシアネートが0.01モル未満ではウレタン(メタ)アクリレートを得ることが困難となる傾向がある。
上記反応は触媒の存在下で行うことが好ましい。前記触媒としては、例えば、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン化合物;オクチル酸スズ、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレート等の有機スズ化合物等を挙げることができる。触媒の使用量は、例えば、全仕込み量(上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体、有機ポリイソシアネート、及びヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの総量)に対し0.01〜10000ppm程度、好ましくは0.2〜5000ppm、特に好ましくは10〜1000ppm、最も好ましくは100〜500ppmである。
本発明のウレタン(メタ)アクリレート組成物は、硬化性成分として上記ウレタン(メタ)アクリレートを少なくとも含有する。ウレタン(メタ)アクリレートの配合量は、ウレタン(メタ)アクリレート組成物中の硬化性成分全体に対して例えば10重量%以上、好ましくは50重量%以上、特に好ましくは80重量%以上である。ウレタン(メタ)アクリレートの配合量が上記範囲を下回ると、得られるアクリルウレタン系樹脂の伸度が不十分となる(柔軟性が低下する)傾向がある。
本発明のウレタン(メタ)アクリレート組成物は、硬化性成分として上記ウレタン(メタ)アクリレート以外に他の(メタ)アクリロイル基含有モノマーを含有していてもよい。他の(メタ)アクリロイル基含有モノマーとしては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。他の(メタ)アクリロイル基含有モノマーの配合量は、ウレタン(メタ)アクリレート組成物中の硬化性成分全体に対して例えば0〜50重量%程度である。他の(メタ)アクリロイル基含有モノマーの配合量が上記範囲を上回ると、得られるアクリルウレタン系樹脂の伸度が不十分となる傾向がある。
本発明のウレタン(メタ)アクリレート組成物を、紫外線を照射することにより硬化させる用途に使用する場合は、光重合開始剤を含有することが好ましい。前記光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフインオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、カンファーキノン等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。光重合開始剤の含有量は、ウレタン(メタ)アクリレート組成物に含まれる硬化性成分100重量部に対して、例えば1〜10重量部程度である。
本発明のウレタン(メタ)アクリレート組成物には粘度調整等のために有機溶剤を添加してもよい。前記有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等のエステル系溶剤;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;ペンタン、ヘキサン等の脂肪族系溶剤;塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤;イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。有機溶剤の配合量は、ウレタン(メタ)アクリレート組成物全体に対して例えば0〜50重量%程度である。
更に、ウレタン(メタ)アクリレート組成物には、上記以外にも必要に応じて種々の添加剤を配合してもよい。前記添加剤としては、例えば、フィラー、染顔料、レベリング剤(例えば、アクリル系、シリコーン系、及びフッ素系のレベリング剤等)、紫外線吸収剤(例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シュウ酸アニリド系、トリアジン系、及びヒンダードアミン系の紫外線吸収剤等)、光安定剤、消泡剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤等を挙げることができる。
本発明のウレタン(メタ)アクリレート組成物は、紫外線又は電子線を照射することにより重合(若しくは硬化)してアクリルウレタン系樹脂を形成することができる。紫外線照射の光源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯等が用いられる。照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、その他の条件により異なるが、長くとも数十秒であり、通常は数秒である。積算光量は例えば500〜2000mJ/cm2程度である。紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。電子線照射の場合は、50〜1000KeVの範囲のエネルギーを持つ電子線を用い、2〜5Mradの照射量とするのが好ましい。
本発明のウレタン(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレート組成物は貯蔵安定性に優れる。また、接着性に優れ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメタクリレート、ポリカーボネート(PC)、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂)等のプラスチックスから木材、金属板、紙等、多種多様の基材に対し優れた接着力を有する。更に、本発明のウレタン(メタ)アクリレート組成物を重合(若しくは硬化)して得られるアクリルウレタン系樹脂は優れた耐熱性を有し、高屈折率を有する。具体的には、ガラス転移温度は例えば−60℃以上、好ましくは10〜60℃である。また、5%重量減少温度(Td5)は例えば250℃以上、好ましくは270℃以上である。室温(25℃)における屈折率は例えば1.44〜1.62程度である。そのため、本発明のウレタン(メタ)アクリレート組成物は、例えば、電子、電気、及び光学用コーティング剤等として好適に使用することができる。
[ポリエステル系樹脂]
本発明のポリエステル系樹脂は、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体と、多価カルボン酸とを反応させて得られる。
前記多価カルボン酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等を挙げることができる。
上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体と多価カルボン酸の反応割合は、式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体のヒドロキシル基と多価カルボン酸成分のカルボキシル基の当量比(ヒドロキシル基/カルボキシル基)が例えば1.0〜1.5、好ましくは1.05〜1.3となる範囲が好ましい。この範囲より小さい場合は、得られるポリエステル系樹脂の強度が不十分となる傾向がある。一方、この範囲より大きい場合は、溶融時の粘度が高くなり扱い難くなる傾向がある。
本発明のポリエステル系樹脂は耐熱性、強度に優れ、高屈折率を有する。そのため、例えば、高屈折材料、プラスチックレンズ等に好適に使用することができる。
[エポキシ系樹脂]
本発明のエポキシ系樹脂は、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体とエポキシ化合物とを反応させて得られる。
前記エポキシ化合物としては、例えば、分子中にエポキシ基を1個以上、好ましくは1〜2個有するエポキシ化合物を挙げることができる。前記エポキシ基は脂環式エポキシ基(環状脂肪族骨格を構成する2つの炭素原子を含んで形成するエポキシ基)であってもよく、脂環式エポキシ基以外のエポキシ基であってもよい。分子中に脂環式エポキシ基を有する化合物の具体例としては、リモネンジオキサイド、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレン−1,2−ジ(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸)エステルなどが挙げられる。分子中に脂環式エポキシ基以外のエポキシ基を有する化合物としては、ビスフェノールA型、F型に代表される各種ビスフェノール型のジグリシジルエーテル[市販品としては、「エピコート828」、「エピコート806」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、「YD−128」(東都化成製)等]、ビスフェノール型エポキシ系樹脂の核水添品[市販品としては、「HBE−100」(新日本理化製)、「YX−4000」(ジャパンエポキシレジン社製)等]が挙げられる。その他に、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル等の環状脂肪族骨格を持ったグリシジルエーテル[市販品としては、「DME−100」(新日本理化製)等]、ノボラック型フェノール樹脂のグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエン(DCPD)等を共重合させたノボラック型フェノール樹脂のグリシジルエーテル、ナフタレン等の多環芳香族のグリシジルエーテル、脂環骨格に末端エポキシを持つエポキシ系樹脂[市販品としては、「EHPE−3150」、「EHPE−3150CE」(以上、(株)ダイセル製)等]、エポキシ基を持ったシリコン樹脂[市販品としては、「A−186」(日本ユニカー製)、「KBM303」、「KBM403」、「KBM42」(以上、信越化学工業製)等]も挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体とエポキシ化合物の反応割合は、エポキシ化合物100重量部に対して上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体が20〜30重量部程度である。上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体が上記範囲を下回ると、樹脂に可撓性を付与することが困難となる傾向がある。一方、エポキシ化合物の使用量が上記範囲を下回ると、エポキシ系樹脂を形成することが困難となる傾向がある。
本発明のエポキシ系樹脂は耐熱性、割れ強度に優れ、高屈折率を有する。そのため、例えば、光学用途、電気用途の透明材料等に好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1(フルオレン骨格を有するジオール化合物を重合開始剤とするラクトン重合体(ラクトン重合体(1))の合成)
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管及びコンデンサーのついた4つ口セパラブルフラスコに、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン438.5g、ε−カプロラクトン561.5g(前記フルオレン骨格を有するジオール化合物1モルに対して4.9モル)、オクチル酸スズ(商品名「スタノクト」、(株)エーピーアイコーポレーション製)0.010g(10ppm)を仕込み、160℃で、残存するε−カプロラクトンがGC分析にて1%を切るまで反応させ、常温で液状のラクトン重合体(1)を得た。得られたラクトン重合体(1)の水酸基価は112.2mgKOH/g、分子量分布(Mw/Mn)は1.13であった。
Figure 2014019710
(式中、n+n’=4.9)
実施例2(フルオレン骨格を有するジオール化合物を重合開始剤とするラクトン重合体(ラクトン重合体(2))の合成)
実施例1と同様の反応装置に、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン219.3g、ε−カプロラクトン780.8g(前記フルオレン骨格を有するジオール化合物1モルに対して13.7モル)、オクチル酸スズ(商品名「スタノクト」、(株)エーピーアイコーポレーション製)0.010g(10ppm)を仕込み、160℃で、残存するε−カプロラクトンがGC分析にて1%を切るまで反応させ、常温でペースト状のラクトン重合体(2)を得た。得られたラクトン重合体(2)の水酸基価は56.1mgKOH/g、分子量分布(Mw/Mn)は1.15であった。融点は26〜33℃であった。
実施例3(フルオレン骨格を有するジオール化合物を重合開始剤とするラクトン重合体(ラクトン重合体(3))の合成)
実施例1と同様の反応装置に、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン146.2g、ε−カプロラクトン853.8g(前記フルオレン骨格を有するジオール化合物1モルに対して22.4モル)、オクチル酸スズ(商品名「スタノクト」、(株)エーピーアイコーポレーション製)0.010g(10ppm)を仕込み、160℃で、残存するε−カプロラクトンがGC分析にて1%を切るまで反応させ、常温でペースト状のラクトン重合体(3)を得た。得られたラクトン重合体(3)の水酸基価は37.4mgKOH/g、分子量分布(Mw/Mn)は1.18であった。融点は38〜44℃であった。
比較例1(エチレングリコールを重合開始剤とするラクトン重合体(ラクトン重合体(4)の合成)
実施例1と同様の反応装置にエチレングリコール45.1g、ε−カプロラクトン954.9g、オクチル酸スズ(商品名「スタノクト」、(株)エーピーアイコーポレーション製)0.010g(10ppm)を仕込み、150℃で、残存するε−カプロラクトンがGC分析にて1%を切るまで反応させ、常温でペースト状のラクトン重合体(4)を得た。得られたラクトン重合体(4)の水酸基価は56.3mgKOH/g、分子量分布(Mw/Mn)は1.36であった。融点は48〜51℃であった。
比較例2(ジエチレングリコールを重合開始剤とするラクトン重合体(ラクトン重合体(5)の合成)
実施例1と同様の反応装置にジエチレングリコール53.8g、ε−カプロラクトン946.2g、オクチル酸スズ(商品名「スタノクト」、(株)エーピーアイコーポレーション製)0.010g(10ppm)を仕込み、170℃で、残存するε−カプロラクトンがGC分析にて1%を切るまで反応させ、常温でペースト状のラクトン重合体(5)を得た。得られたラクトン重合体(5)の水酸基価は56.2mgKOH/g、分子量分布(Mw/Mn)は1.38であった。融点は53〜59℃であった。
比較例3(ネオペンチルグリコールを重合開始剤とするラクトン重合体(ラクトン重合体(6))の合成)
実施例1と同様の反応装置にネオペンチルグリコール52.1g、ε−カプロラクトン947.9g、オクチル酸スズ(商品名「スタノクト」、(株)エーピーアイコーポレーション製)0.010g(10ppm)を仕込み、150℃で、残存するε−カプロラクトンがGC分析にて1%を切るまで反応させ、常温でペースト状のラクトン重合体(6)を得た。得られたラクトン重合体(6)の水酸基価は56.0mgKOH/g、分子量分布(Mw/Mn)は1.36であった。融点は40〜50℃であった。
評価
実施例及び比較例で得られたラクトン重合体と、原料として使用した9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンについて、下記方法により耐加水分解性、屈折率、及び樹脂原料の相溶性を評価した。
(耐加水分解性評価)
実施例2、比較例1〜3で得られたラクトン重合体(2)、(4)、(5)、(6)について酸価を測定し(試験前酸価)、その後、高度加速寿命試験装置(HASTチャンバー)(商品名「EHS−411M」、エスペック(株)製)を使用し、120℃、100%Rhの条件で、50mLのビーカーに前記ラクトン重合体をそれぞれ2g入れたものを湿熱処理(処理条件:120℃、100%Rhで24時間又は96時間)した後、アセトン(中和:20mL)を加えて酸価を測定(試験後酸価)し、下記式により酸価上昇度を算出し、耐加水分解性を評価した。なお、酸価は、JIS K0070に記載の方法に準じて測定した。
酸価上昇=試験後酸価/試験前酸価
(屈折率評価)
ラクトン重合体の屈折率は、多波長アッベ屈折計(商品名「DR−M2」、(株)アタゴ製)を使用し、40℃において測定した。
(樹脂原料の相溶性評価)
実施例及び比較例で得られたラクトン重合体、又は原料として使用した9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン15g、エポキシ組成物5gを、スクリュー缶に仕込み、自転・公転ミキサー(商品名「泡取り錬太郎」、(株)THINKY製)で撹拌し、相溶性を下記基準により評価した。
評価基準
○:透明で均一
×:白濁若しくは、混じらない
上記結果を下記表1にまとめて示す。
Figure 2014019710
*「CEL−2021P」:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、(株)ダイセル製、商品名
「YD−128」:ビスフェノールA型エポキシ系樹脂、新日鐵化学(株)製、商品名
実施例4(ポリウレタンの合成)
実施例1と同様の反応装置に、ジメチルホルムアミド689.2g、実施例2で得られたラクトン重合体(2)198.6g(0.100モル)、1,4−ブタンジオール18.0g(0.200モル)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート78.8g(0.315モル)を仕込み、80℃で5時間反応させ、粘度41380mPa・s、固形分30%のポリウレタン用組成物(1)を得た。得られたポリウレタン用組成物(1)を離型紙にバーコーダーで塗膜し、オーブンを使用し80℃で2時間、次いで120℃で2時間加熱処理を行い、溶媒(ジメチルホルムアミド)を揮発させることで、膜厚50μmのポリウレタンフィルム(1)を得た。
比較例4(ポリウレタンの合成)
実施例2で得られたラクトン重合体(2)に代えて、比較例1で得られたラクトン重合体(4)を使用した以外は実施例4と同様にしてポリウレタン用組成物(2)を得、膜厚50μmのポリウレタンフィルム(2)を得た。得られたポリウレタン用組成物(2)は粘度54500mPa・s、固形分30%であった。
比較例5(ポリウレタンの合成)
実施例2で得られたラクトン重合体(2)に代えて、比較例3で得られたラクトン重合体(6)を使用した以外は、実施例4と同様にしてポリウレタン用組成物(3)を得、膜厚50μmのポリウレタンフィルム(3)を得た。得られたポリウレタン用組成物(3)は粘度35400mPa・s、固形分30%であった。
(ポリウレタンフィルムの評価)
実施例4、比較例4、5で得られた膜厚50μmのポリウレタンフィルムについて、その機械特性をJIS K 7311に準拠して測定した。また、屈折率、耐熱性、ガラス転移温度、及び弾性回復率は下記方法で測定した。
(屈折率)
ポリウレタンフィルムの屈折率は、屈折率・膜厚測定装置(商品名「MODEL 2010 PRISM COUPLER」、Metricon製、セキテクノトロン(株)製)を使用し、室温において測定した。
(耐熱性)
ポリウレタンフィルムの5%重量減少温度(Td5、℃)は、示差熱−熱重量同時測定(TG/DTA)(セイコーインスツルメント(株)製)を用いて測定した。
(ガラス転移温度)
ポリウレタンフィルム(幅5mm、厚さ1mm)のガラス転移温度(Tg、℃)は、粘弾性スペクトロメータ(DMS)(セイコーインスツルメント(株)製)を使用して測定した。
(弾性回復率)
ポリウレタンフィルムの弾性回復率は、JIS K 7311に準拠して、23℃において、膜厚50μmのダンベル状試験片(3号:標線間2cm)を、チャック間距離が4cmとなるように固定し、次に、チャック間距離が120cm(300%伸長)となるまで500mm/minの速度で延伸し、これを5回繰返した後、10分放置して標線間の長さ(=延伸後の標線間の長さ)を測定し、下記式から算出した。
弾性回復率(%)=(延伸後の標線間の長さ−2)/2×100
上記結果を下記表2にまとめて示す。
Figure 2014019710
*PCL:ラクトン重合体
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
1,4−BG:1,4−ブタンジオール
実施例5(ウレタンアクリレートの合成)
撹拌機、温度計、混気ガス導入管及びコンデンサーのついた4つ口セパラブルフラスコにイソホロンジイソシアネート(商品名「VESTANAT IPDI」、エボニックデグサ ジャパン(株)製))26.51g(0.12モル)、ジブチルヒドロキシトルエン(商品名「アイオノールCP」、ジャパンケムテック(株)製)0.080g、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)(商品名「ネオスタンU?100」、日東化成(株)製)0.030gを仕込み、反応系内温度を70℃にした後、実施例1で得られたラクトン重合体(1)59.62g(0.06モル)を滴下で加えて反応させ、残存イソシアネート基が5.8%となった時点で2−ヒドロキシエチルアクリレート13.85g(0.12モル)を加え、更に、残存イソシアネート基が0.1%以下になるまで反応を行い、ウレタンアクリレート(1)を得た。
(ウレタンアクリレートの評価)
(貯蔵安定性)
ウレタンアクリレート(1)について、−10℃、5℃、23℃で1週間保存した後の結晶化の状態を目視により観察し、貯蔵安定性を下記基準により評価した。
評価基準
〇:全く結晶化していなく、液状である
△:少し結晶物が存在する
×:結晶化していてワックス状又は固形である
上記結果を下記表3にまとめて示す。
Figure 2014019710
実施例6(アクリルウレタンフィルムの形成)
実施例5で得られたウレタンアクリレート(1)100gに溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル50g、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名「Irgacure184」、チバ・ジャパン(株)製)を2.5g配合し、均一になるまで撹拌した。こうして得られた液状組成物をアプリケーターバーを用いてガラス板上に200μm厚で塗布し、熱風乾燥オーブンにて120℃、3分間乾燥し、その後、速やかにUV照射装置にて紫外線を照射(ピーク照度550mW/cm2、積算光量1700mJ/cm2)して硬化させ、アクリルウレタンフィルム得た。
実施例7(アクリルウレタン塗膜の形成)
実施例5で得られたウレタンアクリレート(1)100gに溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル50g、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名「Irgacure184」、チバ・ジャパン(株)製)を2.5g配合し、均一な樹脂液になるまで撹拌した。こうして得られた液状組成物をアプリケーターバーを用いて基材に20μm厚で塗布し、熱風乾燥オーブンにて120℃、3分間乾燥し、その後、速やかにUV照射装置にて紫外線を照射(ピーク照度550mW/cm2、積算光量1700mJ/cm2)して硬化させ、アクリルウレタン塗膜を得た。
尚、前記基材としては、PETフィルム(商品名「コスモシャインA4100」、東洋紡績(株)製)、ポリカーボネート(PC)樹脂板(日本テストパネル(株)製)、及びABS樹脂板(日本テストパネル(株)製)を使用した。
(アクリルウレタンフィルムの評価)
実施例6で得られたアクリルウレタンフィルムの機械物性はJIS K 7311に準じて測定した。また、アクリルウレタンフィルムの屈折率、ガラス転移温度、耐熱性は下記方法で測定した。
(屈折率)
アクリルウレタンフィルム(幅5mm、厚さ1mm)の屈折率は、屈折率・膜厚測定装置(商品名「MODEL 2010 PRISM COUPLER」、Metricon製、セキテクノトロン(株)製)を使用し、室温において測定した。
(ガラス転移温度)
アクリルウレタンフィルム(幅5mm、厚さ1mm)のガラス転移温度(Tg、℃)は、粘弾性スペクトロメータ(DMS)(セイコーインスツルメント(株)製)を使用して測定した。
(耐熱性)
アクリルウレタンフィルム(幅5mm、厚さ1mm)の5%重量減少温度(Td5、℃)は、示差熱−熱重量同時測定(TG−DTA)(セイコーインスツルメント(株)製)を用いて測定した。
上記結果を下記表4にまとめて示す。
Figure 2014019710
(アクリルウレタン塗膜の評価)
実施例7で得られたアクリルウレタン塗膜の密着性、透明性は下記方法で測定した。
(密着性:碁盤目試験法)
碁盤目試験法JIS K 5600に準じて試験を実施した。具体的には、基材に貼着した状態のアクリルウレタン塗膜にカッターで碁盤目(100目)にキズを入れ、セロハンテープ(ニチバン(株)製、24mm幅)を密着させた後、垂直方向に引っ張り、アクリルウレタン塗膜が基材から剥離せずに残存した碁盤目の数から下記基準により密着性を評価した。
評価基準
(点数)(剥離せずに残存した碁盤目の数)
5点:100個
4点:80〜99個
3点:50〜79個
2点:30〜49個
1点:0〜29個
(透明性)
全光線透過率(%)を、濁度計(商品名「NDH−2000」、日本電色工業(株)製)を使用し、JIS K 7361−1に準拠して測定した。
上記結果を下記表5にまとめて示す。
Figure 2014019710

Claims (14)

  1. 下記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体。
    Figure 2014019710
    (式(1)中、Ar、Ar’は同一又は異なってアリーレン基を示し、X、X’は同一又は異なって、酸素原子、窒素原子、又は単結合を示す。R1、R1’は同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、m、m’は同一又は異なって、0〜5の整数を示す。Z1は式(2)、Z2は式(2’)で表される。式(2)、(2’)中、R2〜R5は同一又は異なって、水素原子、CH3、又はC25を示す。t、t’は同一又は異なって、3〜7の整数を示し、n、n’は同一又は異なって、0〜100の整数を示し、n+n’は1〜100の整数である。R6、R6’、R7、R7’は同一又は異なってアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、p、p’、q、q’は同一又は異なって0〜4の整数を示す)
  2. 下記式(3)
    Figure 2014019710
    (式(3)中、Ar、Ar’は同一又は異なってアリーレン基を示し、X、X’は同一又は異なって、酸素原子、窒素原子、又は単結合を示す。R1、R1’は同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、m、m’は同一又は異なって、0〜5の整数を示す。R6、R6’、R7、R7’は同一又は異なってアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、p、p’、q、q’は同一又は異なって0〜4の整数を示す)
    で表されるフルオレン骨格を有するジオール化合物に炭素数4〜8のラクトンを開環重合させることにより、下記式(1)
    Figure 2014019710
    (式(1)中、Ar、Ar’、X、X’、R1、R1’、m、m’、R6、R6’、R7、R7’、p、p’、q、q’は前記に同じ。Z1は式(2)、Z2は式(2’)で表される。式(2)、(2’)中、R2〜R5は、同一又は異なって、水素原子、CH3、又はC25を示す。t、t’は同一又は異なって、3〜7の整数を示し、n、n’は同一又は異なって、0〜100の整数を示し、n+n’は1〜100の整数である)
    で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体を得る、フルオレン骨格を有するラクトン重合体の製造方法。
  3. 開環重合させる際に触媒を使用する請求項2に記載のフルオレン骨格を有するラクトン重合体の製造方法。
  4. 触媒が、スズ、チタン、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、及び亜鉛から選択される少なくとも1種の金属の化合物である請求項3に記載のフルオレン骨格を有するラクトン重合体の製造方法。
  5. 触媒が、陽イオン交換樹脂、硫酸、過塩素酸、BF3、及びパラトルエンスルホン酸から選択される少なくとも1種の酸触媒である請求項3に記載のフルオレン骨格を有するラクトン重合体の製造方法。
  6. 炭素数4〜8のラクトンがγ−ブチロラクトン、3−メチル−β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン、3−メチル−ε−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロラクトン、3,3,5−トリメチル−ε−カプロラクトン、3,5,5−トリメチル−ε−カプロラクトン、及び3−メチル−δ−バレロラクトンから選択される少なくとも1種である請求項2〜5の何れか1項に記載のフルオレン骨格を有するラクトン重合体の製造方法。
  7. 下記式(1)
    Figure 2014019710
    (式(1)中、Ar、Ar’は同一又は異なってアリーレン基を示し、X、X’は同一又は異なって、酸素原子、窒素原子、又は単結合を示す。R1、R1’は同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、m、m’は同一又は異なって、0〜5の整数を示す。Z1は式(2)、Z2は式(2’)で表される。式(2)、(2’)中、R2〜R5は同一又は異なって、水素原子、CH3、又はC25を示す。t、t’は同一又は異なって、3〜7の整数を示し、n、n’は同一又は異なって、0〜100の整数を示し、n+n’は1〜100の整数である。R6、R6’、R7、R7’は同一又は異なってアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、p、p’、q、q’は同一又は異なって0〜4の整数を示す)
    で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体と、有機ポリイソシアネートとを含有する組成物。
  8. 更に、鎖延長剤を含有する請求項7に記載の組成物。
  9. 請求項7又は8に記載の組成物から得られるポリウレタン系樹脂。
  10. 下記式(1)
    Figure 2014019710
    (式(1)中、Ar、Ar’は同一又は異なってアリーレン基を示し、X、X’は同一又は異なって、酸素原子、窒素原子、又は単結合を示す。R1、R1’は同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、m、m’は同一又は異なって、0〜5の整数を示す。Z1は式(2)、Z2は式(2’)で表される。式(2)、(2’)中、R2〜R5は同一又は異なって、水素原子、CH3、又はC25を示す。t、t’は同一又は異なって、3〜7の整数を示し、n、n’は同一又は異なって、0〜100の整数を示し、n+n’は1〜100の整数である。R6、R6’、R7、R7’は同一又は異なってアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、p、p’、q、q’は同一又は異なって0〜4の整数を示す)
    で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体と、有機ポリイソシアネートと、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート。
  11. 請求項10に記載のウレタン(メタ)アクリレートを含有するウレタン(メタ)アクリレート組成物。
  12. 請求項11に記載のウレタン(メタ)アクリレート組成物から得られるアクリルウレタン系樹脂。
  13. 下記式(1)
    Figure 2014019710
    (式(1)中、Ar、Ar’は同一又は異なってアリーレン基を示し、X、X’は同一又は異なって、酸素原子、窒素原子、又は単結合を示す。R1、R1’は同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、m、m’は同一又は異なって、0〜5の整数を示す。Z1は式(2)、Z2は式(2’)で表される。式(2)、(2’)中、R2〜R5は同一又は異なって、水素原子、CH3、又はC25を示す。t、t’は同一又は異なって、3〜7の整数を示し、n、n’は同一又は異なって、0〜100の整数を示し、n+n’は1〜100の整数である。R6、R6’、R7、R7’は同一又は異なってアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、p、p’、q、q’は同一又は異なって0〜4の整数を示す)
    で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体と、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステル系樹脂。
  14. 下記式(1)
    Figure 2014019710
    (式(1)中、Ar、Ar’は同一又は異なってアリーレン基を示し、X、X’は同一又は異なって、酸素原子、窒素原子、又は単結合を示す。R1、R1’は同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、m、m’は同一又は異なって、0〜5の整数を示す。Z1は式(2)、Z2は式(2’)で表される。式(2)、(2’)中、R2〜R5は同一又は異なって、水素原子、CH3、又はC25を示す。t、t’は同一又は異なって、3〜7の整数を示し、n、n’は同一又は異なって、0〜100の整数を示し、n+n’は1〜100の整数である。R6、R6’、R7、R7’は同一又は異なってアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、p、p’、q、q’は同一又は異なって0〜4の整数を示す)
    で表されるフルオレン骨格を有するラクトン重合体と、エポキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ系樹脂。
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