JP2014019139A - 積層シートの製造方法 - Google Patents

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Tsunehiro Muraoka
恒宏 村岡
Atsushi Kawabuchi
篤 川渕
Masaki Keitoku
真輝 慶徳
Masahiro Sato
雅弘 佐藤
Teruro Tagai
照郎 多賀井
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Abstract

【課題】積層フィルムの製造方法が、2枚のシートの対向する面を液状流体を介して貼り合わせる工程を有する、積層フィルムの製造方法であって、2枚のシートが構成する空隙内での液状流体の拡散を物理的な立体構成を使用することなく制御する方法が導入された積層フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】2枚のシートの対向する面を、液状流体を介して貼り合わせる工程を有する、積層シートの製造方法であって、対向する面で構成される空隙内の対向する面上に、液状流体の拡散調整剤が塗布されており、拡散調整剤の塗布厚さが0.01〜1μmであり、前記工程において、対向する面で構成される空隙内で、液状流体が、前記対向する面及び拡散調整剤が塗布された領域に接触して拡散し、液状流体及び前記拡散調整剤が、特定の標準試験で前記液状流体がオーバーフローしていないものである積層シートの製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、積層シートの製造方法に関する。
自動車、航空機、電気・電子機器を含むさまざまな技術分野において積層シートが使用される。
これらの積層フィルムの製造方法では、2枚のシートの対向する面を、水、溶剤、粘着剤、接着剤、液晶等の液状流体を介して貼り合わせる工程を有する場合がある。
例えば、液晶表示装置を製造方法では、液晶パネルと保護パネル又はタッチパネルの貼り合わせる際に、2枚のパネルの間の空隙において接着剤等の液状流体が濡れ広がる状態で、2枚のパネルが液状流体を介して貼り合わされる(例えば、特許文献1)。
特開2009−008851号公報
しかし、2枚のパネルの間の空隙において接着剤等の液状流体が濡れ広がる際に、液状流体が、濡れ広がりすぎて液状流体が2枚のパネルを超えて溢れでたり、不必要な部分に液状流体が濡れ広がると、液状流体がパネルの外部にあるフィルム配線基板等の他の部材を汚染するおそれがあり、液状流体が反応硬化性接着剤である場合には硬化反応を開始することができないことになるおそれがあった。
そこで、さまざまな技術分野で2枚のパネルの間の空隙における液状流体の拡散を制御する簡易で効果的な方法が要請されている。
このような液状流体の拡散を制御する方法として、例えば、特許文献1では、保護カバーの外側縁近傍に光硬化性樹脂であるダム剤でダムを作ってぬれ広がりを防止することが開示されている。
この場合、ダム剤を塗布後、硬化させるために光を照射する工程がふえる、ダム剤の塗布厚みの管理が必要である等のために、積層シートの製造工程が煩雑になる。
例えば、ダム剤の高さが高いと、液晶パネルと保護パネル又はタッチパネルの間の空隙が厚くなり、空隙に充填される接着剤が不足して隙間が発生し外観不良になるなどの表示装置の表示不良の原因になりかねない。
逆にダムの塗布の高さが低いと、液晶パネルと保護パネル又はタッチパネルを貼り合わせたときに接着剤がダム剤を乗り越えやすくなる。
本発明が解決しようとする課題は、積層フィルムの製造方法が、2枚のシートの対向する面を液状流体を介して貼り合わせる工程を有する、積層フィルムの製造方法であって、2枚のシートが構成する空隙内での液状流体の拡散を物理的な立体構成を使用することなく制御する方法が導入された積層フィルムの製造方法を提供することである。
本発明は、2枚のシートの対向する面を、液状流体を介して貼り合わせる工程を有する、積層シートの製造方法であって、
前記対向する面で構成される空隙内の前記対向する面上に、前記液状流体の拡散調整剤が塗布されており、
前記拡散調整剤の塗布厚さが0.01〜1μmであり、
前記工程において、前記対向する面で構成される空隙内で、
前記液状流体が、前記対向する面及び前記拡散調整剤が塗布された領域に接触して拡散し、
前記液状流体及び前記拡散調整剤が、以下の標準試験で前記液状流体がオーバーフローしていないものである積層シートの製造方法である。
〔標準試験〕
(1)温度25℃、湿度60%の環境で、
(2)前記拡散調整剤を、
縦6.2cm、横4.9cm、厚さ0.07cm、重量5.4gの白板ガラス(プレート1)の一面の各辺端部縁に幅0.6cm、厚み0.5μmで、
縦5.6cm、横4.3cm、厚さ0.1cm、重量6.0gの白板ガラス(プレート2)の一面の各辺端部縁に幅0.3cm、厚み0.5μmで塗布し、
(3)前記プレート1の前記拡散調整剤が塗布された面側の、前記拡散調整剤が塗布されていない長方形領域の中央部に、50ml樹脂シリンジで前記液状流体0.5gを滴下し、
(4)水平に置かれた前記プレート2の前記拡散調整剤が塗布された面側の、前記拡散調整剤が塗布されていない長方形領域と、
前記プレート1の前記拡散調整剤が塗布された面側の、前記拡散調整剤が塗布されていない長方形領域とが重ね合わさるように、前記プレート1を前記プレート2の上に静置してから10分後に、
(5)前記液状流体が、前記プレート2の前記拡散調整剤が塗布された面の外周端部から滲出していない場合に、前記液状流体はオーバーフローしていないと判断する。
本発明によれば、積層フィルムの製造方法が、2枚のシートの対向する面を液状流体を介して貼り合わせる工程を有する、積層フィルムの製造方法であって、2枚のシートが構成する空隙内での液状流体の拡散を物理的な立体構成を使用することなく制御する方法が導入された積層フィルムの製造方法を提供することができる。
標準試験の作業フロー シート2−1及びシート1−1の模式図 実施例1における拡散調整剤の拡散態様の模式図 実施例2における拡散調整剤の拡散態様の模式図 実施例3における拡散調整剤の拡散態様の模式図 実施例4における拡散調整剤の拡散態様の模式図 比較例1における拡散調整剤の拡散態様の模式図
〔シート及び液状流体〕
本発明は、2枚のシートの対向する面を、液状流体を介して貼り合わせる工程を有する。
本発明では、自動車、航空機、電気・電子機器等の各技術分野で目的に応じて所望の材質、例えば、プラスチック、ガラス、セラミックス又は金属からなる群から選ばれる少なくとも1種のシートが使用できる。
2枚のシートは、それぞれ独立にプラスチック、ガラス、セラミックス又は金属であってよい。
光学表示装置において使用されるシートとしては、
光学表示素子(液晶、EL、LED等)パネル(電子ペーパー含む)、
保護パネル、タッチパネル、
タッチパネル機能を有する表示素子パネル及びタッチパネル機能を有する保護パネル等が挙げられる。
液晶表示装置において使用されるシートの材質は、
表示素子パネル用としては、石英ガラス、無アルカリガラス、ソーダガラス、
保護パネル用としては、プラスチックではポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、およびこれらの2種類以上の積層物、ガラスでは石英ガラス、無アルカリガラス、ソーダガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、およびこれらガラスの化学強化処理したもの、
タッチパネル用としては、プラスチックではポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、ガラスでは石英ガラス、無アルカリガラス、ソーダガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、およびこれらガラスの化学強化処理したもの、およびプラスチック、ガラスをフィルム状にしたもの等が挙げられる。
シートの厚みも、自動車、航空機、電気・電子機器等の各技術分野で目的に応じて所望の範囲を選択できるが、
液晶表示装置において使用されるシートの厚みは、
光学表示素子パネル用としては、好ましくは100〜2200μm、
保護パネル用としては、好ましくは100〜1100μm、
タッチパネル用としては、好ましくは10〜1100μm、である。
液状流体の拡散および拡散調整剤の塗布性改善の観点から、プラズマ処理、オゾン処理、各種溶剤処理等の表面加工がされていてもよい。
液状流体は、自動車、航空機、電気・電子機器等の各技術分野で目的に応じて、水、溶剤、粘着剤、接着剤、液晶等の液状流体を選択できる。
本発明を液晶表示装置に適用する場合、液状流体としては粘着剤、接着剤が好適である。
液状流体が接着剤である場合、熱硬化性及び/又は光硬化性等の反応硬化性組成物が好ましい。
熱硬化性組成物としては、(メタ)アクリレート化合物と有機過酸化物を含む組成物が挙げられ、光開始剤を含んでもよい。
(メタ)アクリレート化合物としては、ポリイソプレン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレート、アルキル基を有する(メタ)アクリレート、ビシクロ環を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
有機過酸化物の例として、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートが挙げられる。
光硬化性組成物としては、(メタ)アクリレート化合物と光開始剤を含むものが挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物としては、ポリイソプレン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレート、アルキル基を有する(メタ)アクリレート、ビシクロ環を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
例えば、
光開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸メチルエステルなどのアシルフォスフィン酸エステル類;
α−ヒドロキシ、α,α’−ジメチル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ2−2プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2メチル1,4−(メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン1,フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、4−ジフェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンなどのアセトフェノン系化合物;
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ジフェノキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。
光硬化性組成物としては、例えば、
ポリイソプレン、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、光開始剤として1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニル−ケトン、可塑剤として液状ポリブタジエンを含んだ組成物が挙げられる。
液状流体の粘度は、自動車、航空機、電気・電子機器等の各技術分野で目的に応じて、所望の範囲に調整すればよい。
本発明を光学表示装置に適用する場合、液状流体の粘度は、
好ましくは1〜100000mPa・s、より好ましくは1000〜70000mPa・sである。
なお、粘度は、粘度計(東機産業製RC−215)を用い、No.3°×R14ローター、10rpm、25℃±1℃の条件にて測定される。
〔拡散調整剤〕
本発明で使用する拡散調整剤は、所望の液状流体に対して、以下の標準試験で前記液状流体がオーバーフローしていないものを選択する。
(標準試験)
(1)温度25℃、湿度60%の環境で、
(2)拡散調整剤を、
縦6.2cm、横4.9cm、厚さ0.07cm、重量5.4gの白板ガラス(プレート1)の一面の各辺端部縁に幅0.6cm、厚み0.5μmで(図1−2参照)、
縦5.6cm、横4.3cm、厚さ0.1cm、重量6.0gの白板ガラス(プレート2)の一面の各辺端部縁に幅0.3cm、厚み0.5μmで塗布し(図1−1参照)、
(3)前記プレート1の前記拡散調整剤が塗布された面側の、前記拡散調整剤が塗布されていない長方形領域の中央部に、50ml樹脂シリンジで前記液状流体0.5gを滴下し(図1−2参照)、
(4)水平に置かれた前記プレート2の前記拡散調整剤が塗布された面側の、前記拡散調整剤が塗布されていない長方形領域と、
前記プレート1の前記拡散調整剤が塗布された面側の、前記拡散調整剤が塗布されていない長方形領域とが重ね合わさるように、前記プレート1を前記プレート2の上に静置してから10分後に(図1−3〜5参照)、
(5)前記液状流体が、前記プレート2の前記拡散調整剤が塗布された面の外周端部から滲出していない場合に、前記液状流体はオーバーフローしていないと判断する(図1−6参照)。
図1に、標準試験の作業フローを示した。
白板ガラスとは、350nm〜2000nmまでの光の透過性が良いクラウンガラス(ガラス光学ハンドブック普及版(朝倉書店)526頁、531頁表9.3及び表9.4)で、液晶パネル、ELパネル、およびタッチパネルの部材として用いられる代表的な光学ガラスであり、
本発明では、好ましくは、
プレート1には、旭白板#7956(Lens One社)、
プレート2には、旭白板#7957(Lens One社)を使用する。
拡散調整剤は、フェルトペン(データチェッカーXSLR1−P(ぺんてる株式会社))を使用して、拡散調整剤を白板ガラス上に、厚さ0.5μmになるように塗布する。
塗布厚さは、非接触表面形状測定機(Zygo社製)にて測定する。
50ml樹脂シリンジは、武蔵エンジニアリング社製のMUSASHIプランジャを使用する使い捨て樹脂シリンジMUSASHIクリアシリンジである。
拡散調整剤は、液状流体を撥き易い材料が好ましく、液状流体との接触角が70°以上を示すものが拡散調整剤に適している。
液状流体が、光学表示装置における積層シートに使用される反応硬化性組成物の場合、
例えば、フッ素系コーティング剤が好ましく、市販品では、AGCセイケミカル社の、
n−ヘキサデカン接触角が70°以上のエスエフコートSNF−B200A、
n−ヘキサデカン接触角が70°以上のエスエフコートSFE−B002H
が好ましく、使用環境の観点から、沸点が110℃以上である、
n−ヘキサデカン接触角が70°以上のエスエフコートSNF−B200A
がより好ましい。
フッ素系コーティング剤の市販品として、さらに、ユニマテック社のノックスバリアST−463、菱光化学社のマーベルコートRFH−01、野田スクリーン社のINT−333QC、ハーベス社のデュラサーフFS−1090H−2.0が挙げられる。
拡散調整剤は、2枚のシートの空隙内にある液状流体の拡散を制御する観点と、均一な接着効果の観点とから、塗布厚さは0.01〜1μmであり、好ましくは0.03〜1μmである。
拡散調整剤は、少なくとも2枚のシートの対向する面に塗布することが必要である。
即ち、この2枚のシートを拡散調整剤が塗布された面が対向するように重ね合わせた際に、2枚のシートのうちの1枚の一面に塗布された拡散調整剤の領域と、他の1枚の一面に塗布された拡散調整剤の領域が対向する部分を少なくとも有している必要がある。
拡散調整剤は、2枚のシートの積層によって構成される空隙内で液状流体が所望の経路で拡散することができるように、2枚のシートの面上に塗布することが好ましい。
拡散調整剤の塗布パターンは、2枚のシートの積層によって構成される空隙内で液状流体が所望の経路で拡散することができるように適切なパターンを選択すればよく、ドット状、線状、面状のいずれでもよく、面状の場合、矩形、楕円形、多角形、フラクタル形等、所望の拡散の経路が実現できるように適宜組合せて選択すればよい。
本発明の製造方法によれば、2枚のシートの対向する面を液状流体を介して貼り合わせる工程を有する積層フィルムの製造方法において、2枚のシートが構成する空隙内での液状流体の拡散を物理的な立体構成を使用することなく制御することができる。
従って、光硬化性樹脂であるダム剤で物理的な立体構成を形成し、液状流体の拡散を制御する場合に比べ、
ダム剤を塗布後、硬化させるために光を照射する工程がふえる、ダム剤の塗布厚みの管理が必要である等のために、積層シートの製造工程が煩雑になる等の課題が発生せず、
例えば、ダム剤の高さが高いと、液晶パネルと保護パネル又はタッチパネルの間の空隙が厚くなり、空隙に充填される接着剤が不足して隙間が発生し外観不良になるなどの表示装置の表示不良の原因となる、あるいは、
逆にダムの塗布の高さが低いと、液晶パネルと保護パネル又はタッチパネルを貼り合わせたときに接着剤がダム剤を乗り越えやすくなる
というデメリットが生じ難いという、効果を有する。
液晶パネルと保護パネル又はタッチパネルを貼り合わせる場合について、具体的に本発明の態様と効果を説明する。
〔液状流体〕
ワールドロックNo.HRJ−21((メタ)アクリレート系光反応硬化性組成物(粘度3500mPa・s、協立化学産業社製))
〔拡散調整剤〕
SNF−B200A(アクリルポリマーのアルキル鎖部分をパーフルオロアルキル基に置き換えたフッ素系コーティング剤、n−ヘキサデカン接触角70度以上(AGCセイミケミカル))
〔標準試験結果〕
(1)温度25℃、湿度60%の環境で、
(2)SNF−B200Aを、
縦6.2cm、横4.9cm、厚さ0.07cm、重量5.4gの白板ガラス(プレート1)の一面の各辺端部縁に幅0.6cm、厚み0.5μmで、
縦5.6cm、横4.3cm、厚さ0.1cm、重量6.0gの白板ガラス(プレート2)の一面の各辺端部縁に幅0.3cm、厚み0.5μmで塗布し、
(3)前記プレート1の前記拡散調整剤が塗布された面側の、前記拡散調整剤が塗布されていない長方形領域の中央部に、50ml樹脂シリンジで前記液状流体0.5gを滴下し、
(4)水平に置かれた前記プレート2の前記拡散調整剤が塗布された面側の、前記拡散調整剤が塗布されていない長方形領域と、
前記プレート1の前記拡散調整剤が塗布された面側の、前記拡散調整剤が塗布されていない長方形領域とが重ね合わさるように、前記プレート1を前記プレート2の上に静置してから10分後に、
(5)前記液状流体が、前記プレート2の前記拡散調整剤が塗布された面の外周端部から滲出していなかった。
プレート1には、旭白板#7956(Lens One社)、
プレート2には、旭白板#7957(Lens One社)
〔シート1〕
材質:旭白板#7956(Lens One社)
寸法:縦6.2cm、横4.9cm、厚さ0.07cm、重量5.4g
〔シート2〕
材質:旭白板#7957(Lens One社)
寸法:縦5.6cm、横4.3cm、厚さ0.1cm、重量6.0g
シート1の一面の各辺端部縁6mmと端部側面に拡散調整剤を、フェルトペン(データチェッカーXSLR1−P(ぺんてる株式会社))を使用して、拡散調整剤を白板ガラス上に、厚さ0.5μmになるように塗布した(シート1−1という、図2下参照)。
シート2の一面の各辺端部縁3mmと端部側面に拡散調整剤を同じフェルトペンを用いて厚さ0.5μmになるように塗布した(シート2−1という、図2上参照)。
シート2の各辺の端部側面に拡散調整剤を同じフェルトペンを用いて厚さ0.5μmになるように塗布した(シート2−2という)。
〔実施例1〕
シート1−1の拡散調整剤を塗布した側の拡散調整剤を塗布していない面に中央部に液状流体0.5gを50ml樹脂シリンジで滴下した。
水平に置かれたシート2−1の拡散調整剤が塗布された面側の拡散調整剤が塗布されていない面と、
シート2−1の拡散調整剤が塗布された面側の拡散調整剤が塗布されていない面とが重ね合わさるように、シート1−1をシート2−1の上に静置してから液状流体の拡散状態を観察した。
液状流体は、シート1−1及び2−1の面に接触しつつ、拡散調整剤が塗布された領域の外縁に沿って拡散し一旦広がりが止まり(液状流体の厚みが300〜400μmであれば2分間は止まっている)(図3−2)、
拡散調整剤が塗布され領域の外縁を越えてシート2−1の端部まで広がっても、
シート2−1端部から流出せずに止まる(液状流体の厚みが400μm×72時間は止まっていた)(図3−3)。
〔実施例2〕
シート1−1の拡散調整剤を塗布した側の拡散調整剤を塗布していない面に中央部に液状流体0.5gを50ml樹脂シリンジで滴下した。
水平に置かれたシート2−2の拡散調整剤が塗布された面側の拡散調整剤が塗布されていない面と、
シート1−1の拡散調整剤が塗布された面側の拡散調整剤が塗布されていない面とが重ね合わさるように、シート1−1をシート2−2の上に静置してから液状流体の拡散状態を観察した。
液状流体は、シート1−1及び2−2の面に接触しつつ、シート1−1の拡散調整剤が塗布された領域を超えて広がるが(図4−2)、
シート2−2の拡散調整剤が塗布された領域の外縁に沿って拡散した後にその外部に流出しない(図4−3)。
〔実施例3〕
シート2−1の拡散調整剤を塗布した側の拡散調整剤を塗布していない面に中央部に液状流体0.5gを50ml樹脂シリンジで滴下した。
水平に置かれたシート1−1の拡散調整剤が塗布された面側の拡散調整剤が塗布されていない面と、
シート2−1の拡散調整剤が塗布された面側の拡散調整剤が塗布されていない面とが重ね合わさるように、シート2−1をシート1−1の上に静置してから液状流体の拡散状態を観察した。
液状流体は、シート1−1及び2−1の面に接触しつつ、拡散調整剤が塗布された領域の外縁に沿って拡散し一旦広がりが止まり(図5−2)、
拡散調整剤が塗布され領域の外縁を越えてシート2−1の端部まで広がるが、シート2−1端部側面は濡れない(図5−3)。
〔実施例4〕
シート2−2の拡散調整剤を塗布した側の拡散調整剤を塗布していない面に中央部に液状流体0.5gを50ml樹脂シリンジで滴下した。
水平に置かれたシート1の拡散調整剤が塗布された面側の拡散調整剤が塗布されていない面と、
シート2−2の拡散調整剤が塗布された面側の拡散調整剤が塗布されていない面とが重ね合わさるように、シート2−2をシート1−1の上に静置してから液状流体の拡散状態を観察した。
液状流体は、シート1−1及び2−2の面に接触しつつ、シート1−1の拡散調整剤が塗布され領域の外縁に沿って拡散し(図6−2)、
拡散調整剤が塗布され領域の外縁を越えてシート2−2の端部を超えてまで広がるが、シート2−2端部側面は濡れない(図6−3)。
〔比較例1〕
シート2の一面の中央部に液状流体0.5gを50ml樹脂シリンジで滴下した。
水平に置かれたシート1−1の拡散調整剤が塗布された面側の拡散調整剤が塗布されていない面の中央部と、
シート2の液状流体が付着した面の中央部とが重ね合わさるように、シート2をシート1−1の上に静置してから液状流体の拡散状態を観察した。
液状流体は、シート1−1及び2の面に接触しつつ、拡散調整剤が塗布された領域の外縁を超えて(図7−2)、
シート2の端部まで広がり、さらにシート2端部側面を濡らす(図7−3)。

Claims (5)

  1. 2枚のシートの対向する面を、液状流体を介して貼り合わせる工程を有する、積層シートの製造方法であって、
    前記対向する面で構成される空隙内の前記対向する面上に、前記液状流体の拡散調整剤が塗布されており、
    前記拡散調整剤の塗布厚さが0.01〜1μmであり、
    前記工程において、前記対向する面で構成される空隙内で、
    前記液状流体が、前記対向する面及び前記拡散調整剤が塗布された領域に接触して拡散し、
    前記液状流体及び前記拡散調整剤が、以下の標準試験で前記液状流体がオーバーフローしていないものである積層シートの製造方法。
    〔標準試験〕
    (1)温度25℃、湿度60%の環境で、
    (2)前記拡散調整剤を、
    縦6.2cm、横4.9cm、厚さ0.07cm、重量5.4gの白板ガラス(プレート1)の一面の各辺端部縁に幅0.6cm、厚み0.5μmで、
    縦5.6cm、横4.3cm、厚さ0.1cm、重量6.0gの白板ガラス(プレート2)の一面の各辺端部縁に幅0.3cm、厚み0.5μmで塗布し、
    (3)前記プレート1の前記拡散調整剤が塗布された面側の、前記拡散調整剤が塗布されていない長方形領域の中央部に、50ml樹脂シリンジで前記液状流体0.5gを滴下し、
    (4)水平に置かれた前記プレート2の前記拡散調整剤が塗布された面側の、前記拡散調整剤が塗布されていない長方形領域と、
    前記プレート1の前記拡散調整剤が塗布された面側の、前記拡散調整剤が塗布されていない長方形領域とが重ね合わさるように、前記プレート1を前記プレート2の上に静置してから10分後に、
    (5)前記液状流体が、前記プレート2の前記拡散調整剤が塗布された面の外周端部から滲出していない場合に、前記液状流体はオーバーフローしていないと判断する。
  2. 前記液状流体が、反応硬化性組成物である請求項1記載の積層シートの製造方法。
  3. 前記液状流体が、光反応硬化性組成物である請求項2記載の積層シートの製造方法。
  4. 前記2枚のシートが、それぞれ独立にプラスチック、ガラス、セラミックス又は金属である請求項1〜3のいずれか1項記載の積層シートの製造方法。
  5. 前記2枚のシートの1枚が光学表示素子パネル、他の1枚が保護パネル又はタッチパネルである請求項1〜4のいずれか1項記載の積層シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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