JP2014018748A - エアブロー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓋部材に付着する水の除去を確実に行うことができる低コストでコンパクトなエアブロー装置を提供する。
【解決手段】支持治具2は、上方に開放して給油キャップ10の軸部10aを上方から収容する収容凹部22を有し、収容凹部22に軸部10aを収容した状態で給油キャップ10の頭部10bを収容凹部22の開放口周縁で支持する。エア吐出手段3は、収容凹部22に臨む吐出口33aを2つ有し、収容凹部22に収容された軸部10aの雄ネジ部10cに向けて軸部10aの接線方向で反締付方向XにエアWを吐出する。
【選択図】図5

Description

本発明は、リーク試験により蓋部材に付着した水を除去するエアブロー装置に関する。
従来より、車両には、燃料タンクや該燃料タンクに燃料を給油する際の通路となる燃料給油管といった内部に燃料用空間を有する燃料系部品が設けられ、該燃料系部品は、製造後に気密性を調査するリーク試験(漏れ試験)が一般的に行われている。このリーク試験は、上述の如き燃料系部品に設けられた開口を蓋部材で旋蓋した状態で上記開口周りを水中に没入させて気泡が発生するか否かを見て気密性を確認するものである。
ところで、上述のリーク試験に用いる蓋部材は、製造する各燃料系部品のリーク試験に順次使用するので、水中に没入させた際の水が付着したまま次の燃料系部品の開口を旋蓋すると、シール面に水が介在することでシール性が高まってしまい、製造不良の燃料系部品であってもリーク試験で気泡が発生しなくなるおそれがある。
これを回避するために、燃料系部品のリーク試験後において、例えば、特許文献1に開示されているエアブロー装置を用いて蓋部材に付着する水を十分に除去しておくことが考えられる。上記エアブロー装置は、上下に延びる中空部を有する装置本体と、上記中空部に配設され、ワークの位置決めを行う治具と、該治具を回転させる回転手段と、ワークに対して上方から下方に向けてエアを供給するエアブロアとを備え、水が付着するワークを治具にセットし、回転手段により治具を回転させるとともにワークにエアを吹き付けることにより、遠心力とエア圧とでワークに付着する水を下方に落として除去することができる。
特開2008−86914号公報(段落0010〜0014欄、図1,2)
しかし、特許文献1の如きエアブロー装置は、治具を回転させるための回転手段が必要であるとともに、治具を回転させる際に蓋部材が治具から脱落しないように固定する複数のクランプも必要であり、設備が複雑で大掛かりなものになってコストが嵩み、しかも、治具を回転させるのに広いスペースが必要であり、設備自体も大きくなってしまう。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、蓋部材に付着する水の除去を確実に行うことができる低コストでコンパクトなエアブロー装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、給油キャップにエアを吹き付けて当該給油キャップ自体を回転させるようにしたことを特徴とする。
具体的には、外周面に雄ネジ部を有する軸部、及び該軸部の一端に設けられ、当該軸部の径方向外側に張り出す頭部を備えた蓋部材で、内部に燃料用空間を有する燃料系部品の開口に形成された雌ネジ部に上記雄ネジ部を螺合させて上記開口を施蓋し、当該施蓋された燃料系部品を蓋部材ごと水中に没入させてリーク試験を行った後に、上記蓋部材に付着した水を除去するエアブロー装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明では、上方に開放して上記軸部を上方から収容する収容空間を有し、該収容空間に上記軸部を収容した状態で上記頭部を上記収容空間の開放口周縁で支持する支持治具と、上記収容空間に臨む吐出口を1つ以上有し、当該収容空間に収容された上記軸部の雄ネジ部に向けて上記軸部の接線方向で反締付方向にエアを吐出するエア吐出手段とを備えていることを特徴とする。
第2の発明では、第1の発明において、上記吐出口は、同じ高さで等間隔に上記収容空間に複数臨んでいることを特徴とする。
第1の発明では、吐出口から吐出されるエアが蓋部材の雄ネジ部を接線方向に押すので、蓋部材は、軸部が収容空間に収容された状態のまま軸部の軸心周りに回転し始める。さらに、吐出口から吐出されるエアは蓋部材の雄ネジ部に向けて反締付方向に吐出されるので、雄ネジ部を接線方向に押したエアは、その後、雄ネジ部のネジ山に沿って斜め上方に進路を変えて蓋部材の頭部を下方から押すようになる。したがって、収容空間の開放口周縁と頭部との間の摩擦抵抗値が下がり、蓋部材の回転が高速になるので、蓋部材に付着する水に大きな遠心力が加わり、当該水を飛散させて除去することができる。また、吐出口から吐出されるエアによって蓋部材の頭部を下方から押す力が増すと、蓋部材が浮き上がって吐出口から吐出されるエアが収容空間の開放口周縁と頭部との間から収容空間内に飛散した水と共に外側方に排出される。したがって、蓋部材の軸部周りから除去された水を効率良く収容空間から排出して蓋部材の軸部周りへの再付着を防止することができる。さらに、蓋部材は、浮き上がってエアが頭部と収容空間の開放口周縁との間から外側方に排出されると、頭部を下方から押す力が減ることにより頭部が沈んで再び収容空間の開放口周縁に支持され、その後、吐出口から吐出されるエアによって浮き沈みを繰り返す。したがって、蓋部材の複雑な形状部分に水が入り込んでいても、浮き沈みによる振るい落とし動作により、蓋部材に付着する水を確実に除去することができる。それに加えて、蓋部材の水を除去する際に、特許文献1の如き治具を回転させる必要がなく、さらには、治具に蓋部材を固定するクランプも必要がないので、設備をコンパクトで、且つ、低コストなものにできる。
第2の発明では、各吐出口から吐出されたエアが雄ネジ部を反締付方向に均等に押すので、蓋部材の回転が安定してさらに高速回転となり、蓋部材に付着する水に大きな遠心力が加わって当該水を確実に飛散させて除去することができる。
本発明の実施形態に係るエアブロー装置の斜視図であり、エアブロー装置に給油キャップをセットする直前の状態を示す。 本発明の実施形態に係るエアブロー装置の斜視図であり、エアブロー装置に給油キャップをセットした直後の状態を示す。 本発明の実施形態に係るエアブロー装置の平面図である。 図2のA−A線における断面図である。 図3のB−B線における断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るエアブロー装置1を示す。該エアブロー装置1は、車両の燃料系部品である燃料給油管(図示せず)の製造ラインに配置され、製造した燃料給油管のリーク試験を行った後、当該リーク試験時に使用する樹脂製給油キャップ10(蓋部材)に付着した水を除去するためのものである。
該給油キャップ10は、図4に示すように、外周面に雄ネジ部10c(右ネジ)を有する略円筒形状の軸部10aと、該軸部10aの上端(一端)に設けられ、当該軸部10aの径方向外側に張り出す頭部10bとを備え、図示しない燃料給油管の給油口(開口)に形成された雌ネジ部に上記雄ネジ部10cを螺合させて上記給油口を施蓋し、当該施蓋された燃料給油管を給油キャップ10ごと水中に没入させてリーク試験を行うようになっている。
上記軸部10aの一端には、該軸部10aの径方向外側に延出する円板状の延出部10hが一体に形成されている。
該延出部10hには、略円盤状の蓋部10gが上方から外嵌合していて、該蓋部10gの外周壁、上記軸部10aの上端側及び上記延出部10hで下方に開放するとともに蓋部10gの外周縁に沿って延びる環状凹部10dが凹設されている。
該環状凹部10dには、燃料給油管の給油口を給油キャップ10で施蓋した際に、燃料給油管と上記軸部10aとの間をシールするゴム製のOリング10fが上記軸部10a上端の外周面に沿って配設されている。
また、上記蓋部10gの上面には、当該蓋部10gの中心部分を通って径方向全長に亘って延びる板状の把持部10eが突設され、該把持部10e、上記蓋部10g及び上記延出部10hで上記頭部10bを構成している。
上記エアブロー装置1は、上記給油キャップ10を支持する支持治具2を備え、該支持治具2は、略直方体形状の金属製治具本体21を備えている。
該治具本体21の略中央には、上方に開放する横断面が円形状の収容凹部22(収容空間)が凹設され、該収容凹部22には、上記給油キャップ10の軸部10aを上方から収容可能となっている。
上記収容凹部22の開放口周縁には、環状突条部23が突設され、上記収容凹部22に上記軸部10aを収容した状態で上記頭部10bを上記環状突条部23で支持するようになっている。
また、上記収容凹部22の底部中央には、当該収容凹部22に溜まる水を排出する排出孔24が上下に貫通形成されている(図3乃至図5参照)。
さらに、上記治具本体21の上面には、互いに対向する一対の略L字状ガイド板25が上記環状突条部23を取り囲むように突設されている。
該各ガイド板25の各辺は、上記治具本体21の4辺のうちの隣り合う2辺に沿うように設けられ、上記給油キャップ10の軸部10aを上記収容凹部22に上方から挿入する際、上記頭部10bの水平方向の大まかな位置を決めて上記軸部10aを上記収容凹部22に案内するようになっている。
上記治具本体21には、図3に示すように、上記収容凹部22内周面の接線方向で、且つ、水平方向に延びて上記収容凹部22にエアWを流入させるエア流入通路33が平面視で点対称に一対形成されている。
該各エア流入通路33は、平面視で反時計回りの方向を向くように上記収容凹部22に臨む吐出口33aを有し、該各吐出口33aは、同じ高さで等間隔に上記収容凹部22に臨んでいる。
また、上記治具本体21の側方には、図1及び図2に示すように、圧縮されたエアWを供給するエアブロア31が配置されている。
該エアブロア31と上記各エア流入通路33との間には、上記エアブロア31から供給されるエアWを上記各エア流入通路33に送るための通路となる一対のエア配管32が配索され、上記エアブロア31、各エア配管32、各エア流入通路33及び各吐出口33aでエア吐出手段3を構成している。
そして、上記エアブロア31から供給される圧縮されたエアWは、各エア配管32及び各エア流入通路33を介して上記各吐出口33aから上記収容凹部22に収容された給油キャップ10の雄ネジ部10cに向けて上記軸部10aの接線方向で反締付方向に吐出されるようになっている。
次に、燃料給油管(図示せず)のリーク試験後における上記エアブロー装置1を用いた給油キャップ10に付着する水の除去について説明する。
まず、作業者は、図示しない燃料給油管の給油口の雌ネジ部に上記給油キャップ10の雄ネジ部10cを螺合させて上記給油口を施蓋した状態で上記燃料給油管の給油口周りを水中に没入させてリーク試験を行った後、燃料給油管から水に濡れた給油キャップ10を取り外す。
次いで、作業者は、給油キャップ10の頭部10b側を手に持って、図1及び図2に示すように、給油キャップ10の軸部10aを治具本体21の収容凹部22に上方から挿入する。すると、図4及び図5に示すように、給油キャップ10の頭部10bが上記治具本体21の環状突条部23に支持される。
その後、作業者は、エアブロア31を起動させて両吐出口33aからエアWを吐出させる。すると、図3に示すように、エアWが給油キャップ10の雄ネジ部10cを軸部10aの接線方向で反締付方向に押し、軸部10aが収容凹部22に収容された状態のまま軸部10aの軸心周りに給油キャップ10が平面視で反締付方向X(反時計回り)に回転し始める。
しかる後、給油キャップ10の雄ネジ部10cを押すエアWは、図5に示すように、雄ネジ部10cのネジ山に沿って斜め上方に進路を変えて頭部10bの環状凹部10dに入り込んで頭部10bを下方から押すようになる。したがって、環状突条部23と頭部10bとの間の摩擦抵抗値が下がり、給油キャップ10の回転が高速になるので、給油キャップ10に付着する水に大きな遠心力が加わり、当該水を飛散させて除去することができる。
さらに、吐出口33aから吐出されるエアWによって給油キャップ10の頭部10bを下方から押す力が増すと、給油キャップ10が浮き上がって吐出口33aから吐出されるエアWが環状突条部23と頭部10bとの間から収容凹部22内に飛散した水と共に外側方に排出される。したがって、給油キャップ10の軸部10a周りから除去された水を効率良く収容凹部22から排出して給油キャップ10の軸部10a周りへの再付着を防止することができる。
そして、給油キャップ10は、浮き上がってエアWが頭部10bと環状突条部23との間から外側方に排出されると、頭部10bを下方から押す力が減ることにより沈んで再び環状突条部23に支持され、その後、吐出口33aから吐出されるエアWによって浮き沈みを繰り返す。したがって、給油キャップ10の複雑な形状部分、例えば、環状凹部10dのような箇所に水が入り込んでいても、浮き沈みによる振るい落とし動作により、給油キャップ10に付着する水を確実に除去することができる。
尚、給油キャップ10から除去された後、環状突条部23と頭部10bとの間から外側方に排出されなかった水は、排出孔24から排出される。
以上より、本発明の実施形態によると、給油キャップ10の水を除去する際に、特許文献1の如き治具を回転させる必要がなく、さらには、支持治具2に給油キャップ10を固定するクランプも必要ないので、設備をコンパクトで、且つ、低コストなものにできる。
また、上記2つの吐出口33aは、平面視で点対称の位置において収容凹部22に臨んでいるので、各吐出口33aから吐出されたエアWは、雄ネジ部10cを反締付方向に均等に押すようになる。したがって、給油キャップ10の回転が安定してさらに高速回転となり、給油キャップ10に付着する水に大きな遠心力が加わって当該水を確実に飛散させて除去することができる。
尚、本発明の実施形態では、吐出口33aが2つ設けてあるが、1つ以上設けてあればよく、複数設ける場合は、同じ高さで等間隔に収容凹部22に臨むようにするのが好ましい。
また、本発明の実施形態では、燃料給油管のリーク試験を行った際に当該燃料給油管の給油口を施蓋する給油キャップに付着した水を除去するのに上記エアブロー装置1を用いたが、これに限らず、燃料タンクのリーク試験を行った際に当該燃料タンクの開口を施蓋する密封栓(蓋部材)に付着した水を除去するのに上記エアブロー装置1を用いてもよく、内部に燃料用空間を有する燃料系部品のリーク試験を行った際に当該燃料系部品の開口を施蓋する蓋部材に付着した水を上記エアブロー装置1で除去することができる。
本発明は、リーク試験により蓋部材に付着した水を除去するエアブロー装置に適している。
1 エアブロー装置
2 支持治具
3 エア吐出手段
10 給油キャップ(蓋部材)
10a 軸部
10b 頭部
10c 雄ネジ部
22 収容凹部(収容空間)
33a 吐出口
W エア

Claims (2)

  1. 外周面に雄ネジ部を有する軸部、及び該軸部の一端に設けられ、当該軸部の径方向外側に張り出す頭部を備えた蓋部材で、内部に燃料用空間を有する燃料系部品の開口に形成された雌ネジ部に上記雄ネジ部を螺合させて上記開口を施蓋し、当該施蓋された燃料系部品を蓋部材ごと水中に没入させてリーク試験を行った後に、上記蓋部材に付着した水を除去するエアブロー装置であって、
    上方に開放して上記軸部を上方から収容する収容空間を有し、該収容空間に上記軸部を収容した状態で上記頭部を上記収容空間の開放口周縁で支持する支持治具と、
    上記収容空間に臨む吐出口を1つ以上有し、当該収容空間に収容された上記軸部の雄ネジ部に向けて上記軸部の接線方向で反締付方向にエアを吐出するエア吐出手段とを備えていることを特徴とするエアブロー装置。
  2. 請求項1に記載のエアブロー装置において、
    上記吐出口は、同じ高さで等間隔に上記収容空間に複数臨んでいることを特徴とするエアブロー装置。
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