●撮像装置(1)●
以下、本発明に係る撮像装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
●撮像装置の構成
図1は、本発明に係る撮像装置の実施の形態を示す斜視図である。図1において、撮像装置100は、撮像装置としての機能を有する撮像装置本体1と撮像装置本体1に着脱可能なストロボユニット2とを有する。
撮像装置本体1には、AF(Auto Focus)補助光用LED(Light Emitting Diode)5と、撮像レンズを含む撮像光学系を構成する鏡胴ユニット50が設けられる。
ストロボユニット2には、ストロボ装置の発光部(不図示)が発光するときの光を照射するためのストロボ窓3と、フォトトランジスタ4が設けられる。
AF補助光用LED5は、暗所でAF動作を補助するために発光する光源として、撮像装置本体1の正面に備えられている。また、AF補助光用LED5は、発光した光がフォトトランジスタ4により受光されることで、撮像装置本体1とストロボユニット2との無線通信手段として機能する。
フォトトランジスタ4は、AF補助光用LED5からの光を受光して撮像装置本体1との無線通信手段として機能するために、受光した光を電圧に変換する。
フォトトランジスタ4が受光できる波長は、撮像装置本体1のAF補助光用LED5の発光波長に対応した値に設定する。このように設定することで、フォトトランジスタ4は、撮像装置本体1と通信する際に外乱光の影響を受けにくくなる。
フォトトランジスタ4は、ストロボユニット2の上面に設けられる。このような位置に設けられることで、フォトトランジスタ4は、ストロボユニット2を撮像装置本体1から取り外した状態でも広い角度からの光を受光して、撮像装置本体1と通信できる。
なお、以上の説明において、撮像装置本体1とストロボユニット2との無線通信手段として、AF補助光用LED5とフォトトランジスタ4とによる可視光通信を説明したが、これに代えて、例えば赤外線や電波等の他の無線通信手段を用いてもよい。
図2は、撮像装置の撮像装置本体1からストロボユニット2を取り外した状態を示す斜視図である。
撮像装置本体1には、上面のストロボユニット2が取り付けられる位置に、撮像装置本体側コネクタ6が設けられる。一方、ストロボユニット2には、撮像装置本体1と接する面に、撮像装置本体側コネクタ6と接続可能なストロボユニット側コネクタ7が設けられる。撮像装置本体側コネクタ6とストロボユニット側コネクタ7により、撮像装置本体1からストロボユニット2への送電ができる。また、撮像装置本体側コネクタ6とストロボユニット側コネクタ7により、撮像装置本体1とストロボユニット2との間で、充電制御信号と発光制御信号との有線通信をすることができる。
●撮像装置のシステム構成 図3は、撮像装置100のシステム構成を示すブロック図である。
上述のように、撮像装置本体1とストロボユニット2とは、撮像装置本体側コネクタ6とストロボユニット側コネクタ7とにより電気的に接続される。
撮像装置本体側コネクタ6とストロボユニット側コネクタ7とが接続されることによって、撮像装置本体1の電池からストロボユニット2に必要な電力を供給するための撮像装置本体1とストロボユニット2との電源ラインが電気的に接続される。
また、撮像装置本体側コネクタ6とストロボユニット側コネクタ7とが接続されることで、ストロボユニット2のストロボユニット電源部20の充電制御を行うための充電制御信号を撮像装置本体1とストロボユニット2との間で有線通信することができる。
さらに、撮像装置本体側コネクタ6とストロボユニット側コネクタ7とが接続されることで、ストロボユニット2の発光制御を行うための発光制御信号を撮像装置本体1とストロボユニット2との間で有線通信することができる。
●撮像装置本体のシステム構成 撮像装置本体1のシステム構成を説明する。撮像装置本体1は、撮像装置本体側コネクタ6のほかに、電池/電源回路11と、検出回路12と、撮像装置本体側無線通信回路13(以下「無線通信回路13」という。)と、CPU(Central Processing Unit)14とを備える。
ストロボユニット2は、ストロボユニット側コネクタ7のほかに、発光部30と、ストロボユニット電源部20と、充電回路21と、切替回路22と、発光制御回路23と、電圧変換供給回路24と、発光制御信号回路25と、ストロボユニット側無線通信回路26(以下「無線通信回路26」という。)とを備える。
電池/電源回路11は、撮像装置本体電源の電池の電圧を所望の電圧値に変換し、CPU14に電力を供給する。また、電池/電源回路11は、撮像装置本体側コネクタ6を介して充電回路21に電力を供給する。
検出回路12は、撮像装置本体側コネクタ6と接続していて、ストロボユニット2が撮像装置本体1に接続されたことを検出する。検出回路12が検出した信号は、CPU14に送られる。
無線通信回路13は、ストロボユニット2と無線通信するための回路である。無線通信回路13は、赤外線通信や光通信の場合はLEDあるいは電球などの各種光源が、電波を利用する場合はアンテナなどが用いられる。
CPU14は、デジタル信号処理IC(Integrated Circuit)等で構成される。CPU14は、電池/電源回路11と検出回路12と無線通信回路13とを制御している。CPU14は、撮像プログラムを実行させることによって撮像装置100の各種動作(処理)を制御する。
●ストロボユニットのシステム構成 次に、ストロボユニット2のシステム構成を説明する。
発光部30は、キセノン管などの光源からなり、ストロボユニット電源部20に蓄えたエネルギーによってストロボ発光する。ここで、発光部30が本発明におけるストロボ装置に対応する。
充電回路21は、発光部30をストロボ発光させてストロボ動作を行うために、充電動作を行う。
ストロボユニット電源部20は、充電回路21によって昇圧されたエネルギー(電力)を蓄える。ストロボユニット電源部20は、蓄えた電力を発光部30に供給する。また、ストロボユニット電源部20は、切替回路22を介して蓄えた電力を発光制御回路23や電圧変換供給回路24や発光制御信号回路25などの制御部に供給する。ストロボユニット電源部20は、例えばストロボ装置用のメインコンデンサ、あるいは制御部用の電気二重層コンデンサや二次電池などの各種電池によって構成される。
切替回路22は、ストロボユニット側コネクタ7と接続することで、ストロボユニット2が撮像装置本体1に接続されているか否かを判断する。つまり、切替回路22は、本発明における装着判定部に対応する。
また、切替回路22は、ストロボユニット電源部20に接続している。切替回路22は、ストロボユニット2が撮像装置本体1に接続されていない場合のみ、ストロボユニット電源部20や充電回路21を介した電池/電源回路11からのエネルギーを電圧変換供給回路24に供給する。
電圧変換供給回路24は、切替回路22と発光制御信号回路25と無線通信回路26とに接続する。電圧変換供給回路24は、切替回路22を介して送られたストロボユニット電源部20から送られた電力の電圧を、無線通信回路26と発光制御信号回路25とで使用可能な電圧に降圧する。
そして、電圧変換供給回路24は、降圧した電力を発光制御信号回路25と無線通信回路26とに供給する。
発光制御信号回路25は、発光制御回路23と電圧変換供給回路24と無線通信回路26とに接続する。発光制御信号回路25は、電圧変換供給回路24から供給された電力から、発光部30に供給される電力が指定された発光量になるようなパルス信号を生成する。
また、本発明における電圧判定部と発光制御部は、発光制御信号回路25に対応する。つまり、発光制御信号回路25は、電圧変換供給回路24から供給された電力が、所定電圧(発光部30の最低駆動電圧)であるか否かを判定する。そして、発光制御信号回路25は、所定電圧以上であると判定した場合には生成したパルス信号を第2発光制御信号として発光制御回路23に出力する。一方、所定電圧以下であると判定した場合には、発光制御信号回路25は、発光制御回路23が動作しないように電力を供給しない。
発光制御回路23は、ストロボユニット側コネクタ7に接続する。発光制御回路23は、CPU14から発光部30を制御する第1発光制御信号を受信する。発光制御回路23は、発光制御信号回路25から第2発光制御信号を受信する。
発光制御回路23は、第1発光制御信号または第2発光制御信号を受信して、発光部30の発光開始と停止の制御を行う。ここで、本発明における制御部は、充電回路21と発光制御回路23と電圧変換供給回路24と発光制御信号回路25に対応する。
無線通信回路26は、無線通信回路13との信号を送受信するための回路である。無線通信回路26は、撮像装置本体1からの情報を発光制御信号回路25へ伝達する。
なお、無線通信回路26と発光制御信号回路25への電源供給は、ストロボユニット電源部20から切替回路22と電圧変換供給回路24とを経由して供給されている。
●撮像装置の回路構成 以上の装置構成とシステム構成とからなる撮像装置の回路構成とその動作例について、図1〜3と回路図とを参照して説明する。
図4は、撮像装置100の回路図である。以下、撮像装置100の撮像装置本体1とストロボユニット2との回路構成について説明する。
まず、撮像装置本体1の回路構成を説明する。
撮像装置本体1には、リチウムバッテリー11aとDCDCコンバーター11bとが備えられる。リチウムバッテリー11aとDCDCコンバーター11bとは、電池/電源回路11を構成する。
DCDCコンバーター11bは、リチウムバッテリー11aから供給された電力を所望の電圧に変換する。
また、撮像装置本体1には、撮像装置本体側電源コネクタ61(以下「コネクタ61」という。)と撮像装置本体側充電制御信号コネクタ62(以下「コネクタ62」という。)と撮像装置本体側発光制御信号コネクタ63(以下「コネクタ63」という。)とが備えられる。コネクタ61とコネクタ62とコネクタ63とにより、撮像装置本体側コネクタ6を構成する。
コネクタ61は、DCDCコンバーター11bとストロボユニット側電源コネクタ71とを接続する。コネクタ61により、DCDCコンバーター11bからストロボユニット2に電力を供給できる。
コネクタ62は、CPU14と充電回路21とを接続し、充電制御信号の送受信ができるようにする。充電回路21は、充電制御信号により、ストロボユニット2のメインコンデンサ29などのストロボユニット電源部20の充電動作の開始・停止を行う。
コネクタ63は、ストロボユニット側発光制御信号コネクタ73と接続し、CPU14と、発光制御回路に相当するIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)23a及びタイマー回路25aとを接続する。コネクタ63により、ストロボ発光動作の制御信号を撮像装置本体1とストロボユニット2との間で通信することができる。
CPU14には、無線通信回路13を構成するAF補助光用LED5が接続される。撮像装置本体1とストロボユニット2とは、AF補助光用LED5からの光がストロボユニット2に設けられるフォトトランジスタ4に受光されることで、双方間で無線通信をすることができる。
次に、ストロボユニット2の回路構成を説明する。
ストロボユニット側電源コネクタ71(以下「コネクタ71」という。)は、コネクタ61と接続することで、DCDCコンバーター11bから充電回路21に電力を供給することができる。
ストロボユニット側充電制御信号コネクタ72(以下「コネクタ72」という。)は、コネクタ62と接続することで、CPU14と充電回路21との間で充電制御信号を通信することができる。
ストロボユニット側発光制御信号コネクタ73(以下「コネクタ73」という。)は、コネクタ63と接続することで、CPU14と、発光制御回路に相当するIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)23a及びタイマー回路25aとを接続し、ストロボ発光動作の制御信号を通信することができる。
メインコンデンサ29は、ストロボユニット電源部20に対応し、撮像装置本体1に装着されているときに充電回路21によって昇圧されたエネルギー(電力)を蓄える。メインコンデンサ29は、蓄えた電力を発光部30に供給す
る。
また、メインコンデンサ29は、蓄えた電力を切替回路22を介して電圧変換供給回路24と発光制御信号回路25と発光制御回路23などの制御部に供給する。
切替回路22は、ストロボユニット2が撮像装置本体1から取り外されているときに、メインコンデンサ29に蓄積された電力を電圧変換供給回路24に供給する回路である。切替回路22は、直列に接続された抵抗R1,R2と、直列に接続されたトランジスタTr2と抵抗R3とトランジスタTr1と、で構成される。
抵抗R1の一端とトランジスタTr2のエミッタとは、メインコンデンサ29と充電回路21との接続点と接続している。抵抗R2の一端とトランジスタTr1のエミッタは、接地されている。抵抗R3の一端はトランジスタTr2のベースと接続し、抵抗R3の他端はトランジスタTr1のコレクタと接続している。抵抗R1と抵抗R2の接続点は、トランジスタTr1のベースおよびストロボユニット側装着判定部22fに接続している。ここで、ストロボユニット側装着判定部22fは、ストロボユニット2と撮像装置本体1とが接続しているときには、撮像装置本体1の検出回路12と接続する。
電圧変換供給回路24は、ストロボユニット2が撮像装置本体1から取り外されているときに、切替回路22を介してメインコンデンサ29から供給された電力を発光制御信号回路25と無線通信回路26とに供給する回路である。電圧変換供給回路24は、抵抗R4、コンデンサC1,C2と、トランジスタTr3と、ツェナーダイオードD1と、で構成されている。
抵抗R4の一端とトランジスタTr3のコレクタとは、切替回路22のトランジスタTr2のコレクタに接続している。コンデンサC2の一端とトランジスタTr3のエミッタとは、予備電源P1に接続されている。抵抗R4の他端は、コンデンサC1の一端と接続していて、トランジスタTr3のベースは、ツェナーダイオードD1のカソードと接続している。抵抗R4とコンデンサC1の接続点と、トランジスタTr3とツェナーダイオードD1の接続点とは、接続している。コンデンサC1の他端と、コンデンサC2の他端と、ツェナーダイオードD1のアノードと、は接地されている。
発光制御信号回路25は、タイマー回路25aと、タイマー回路25aの内部にUVLO(Under Voltage Lock-Out:低入力時誤動作防止回路)回路25bを有する。発光制御信号回路25は、予備電源P1に接続する。
発光制御回路23は、IGBT23aにより構成される。IGBT23aは、コネクタ73と発光制御信号回路25に接続する。
無線通信回路26は、撮像装置本体1のAF補助光用LED5からの光を受光するフォトトランジスタ4と抵抗R5により構成される。
発光部30は、キセノン管31とトリガコイル32とトリガコンデンサ33と抵抗34により構成される。
●発光動作 次にストロボユニット2の発光動作について説明する。
撮像装置本体1にストロボユニット2が装着されているとき、ユーザが撮像装置本体1のレリーズスイッチ(不図示)を操作すると、CPU14から第1発光制御信号が出力される。第1発光制御信号は、コネクタ63とコネクタ73とを介し、IGBT23aに入る。
IGBT23aがONになるような第1発光制御信号が入ると、IGBT23aがONになり、トリガコンデンサ33に蓄えられた電荷がトリガコイル32の1次側に流れる。
トリガコイル32の1次側に電荷が流れることで、トリガコイル32の2次側に数kVのトリガ電圧が励起される。
トリガ電圧は、キセノン管31に印加されると、キセノン管31が発光する。
キセノン管31の発光を停止する際は、CPU14からIGBT23aがOFFになるような第1発光制御信号が送信される。その結果、IGBT23aがOFFになり、キセノン管31への放電が停止される。
次に切替回路22の動作について説明する。
ストロボユニット2が撮像装置本体1に接続されている場合、トランジスタTr1のベースは検出回路12を介して接地されるためベース電圧は0となり、トランジスタTr1はオフとなる。そのため、トランジスタTr1のコレクタと接続するトランジスタTr2もオフとなる。その結果、切替回路22は、メインコンデンサ29からの電力を電圧変換供給回路24には供給しない。
一方、ストロボユニット2が撮像装置本体1に接続されていない場合、トランジスタTr1のベースには、抵抗R1,R2で分圧されたメインコンデンサ29の電圧が印加されてオンとなる。そのため、トランジスタTr1のコレクタと接続するトランジスタTr2もオンとなる。その結果、切替回路22は、メインコンデンサ29からの電力を電圧変換供給回路24に供給することができる。
次に電圧変換供給回路24の動作を説明する。
切替回路22から供給された電流の一部がコレクタ側へ供給されることで、トランジスタTr3は、一定の出力電圧をエミッタ側へ出力する。ここで、トランジスタTr3の出力電圧の値は、ツェナーダイオードD1の降伏電圧値とトランジスタTr3のベース−エミッタ間の電圧の和である。
次に、無線通信回路13と、無線通信回路26との動作を説明する。
本実施の形態では、無線通信回路13の構成として、例えばAF補助光用などで使用されるAF補助光用LED5を用いる。また、無線通信回路26の構成として、例えばAF補助光用LED5を受光するためのフォトトランジスタ4を用いる。
AF補助光用LED5は、CPU14に接続されている。AF補助光用LED5は、発光強度や発光間隔あるいは発光時間などの発光態様によりストロボユニット2の制御情報が伝達可能になるように、CPU14により点灯が制御される。
一方、ストロボユニット2側では、フォトトランジスタ4のコレクタ側が予備電源P1に、エミッタ側が抵抗R5と発光制御信号回路25(タイマー回路25aとUVLO回路25b)に接続されている。
次に、タイマー回路25aとUVLO回路25bの動作を説明する。
タイマー回路25aは、予備電源P1から電力が供給される。タイマー回路25aと無線通信回路26は、予備電源P1を供給するストロボユニット2が撮像装置本体1から取り外されたときのみ動作する。そのため、ストロボユニット2は、撮像装置本体1に装着した状態で使用する際に誤動作してしまうことを避けることができる。
フォトトランジスタ4は、AF補助光用LED5の光を受光すると、発光強度に対応した電流が抵抗R5に流れる。
フォトトランジスタ4と抵抗R5に発生した電圧がタイマー回路25aへ印加されることで、所定のパルス幅の第2発光制御信号が、タイマー回路25aの出力端子より出力される。
タイマー回路25aの出力端子は、IGBT23aのゲート端子へ接続されている。第2発光制御信号は、IGBT23aのゲート端子をオンまたはオフにすることができる。このため、撮像装置100によれば、撮像装置本体1から遠隔操作でストロボユニット2の発光制御を行うことができる。
UVLO回路25bは、電圧変換供給回路24から供給された電力が、所定電圧(発光部30の最低駆動電圧)であるか否かを判定する。
そして、UVLO回路25bは、所定電圧以上である場合には、生成したパルス信号を第2発光制御信号としてIGBT23aに出力する。一方、所定電圧以下である場合には、UVLO回路25bは、IGBT23aが動作しないように電力を供給しない。
●実施の形態に係る作用・効果 以上説明した実施の形態によれば、切替回路22により、ストロボユニット2が撮像装置本体1に非装着状態である場合には、ストロボユニット2をストロボユニット電源部20の電力により動作させることができる。また、切替回路22により、ストロボユニット2が撮像装置本体1に装着状態である場合には、発光部30と制御部とを撮像装置本体1の電池/電源回路11の電力によりストロボユニット2を動作させることができる。
そのため、以上説明した実施の形態によれば、遠隔操作時のメインコンデンサ29と制御部とに電力を供給する電池を、電池/電源回路11とは別にストロボユニット2に搭載する必要がないため、遠隔操作できるストロボユニット2を小型化することができる。
また、以上説明した実施の形態では、ストロボユニット電源部20の電圧が所定電圧以下であるか否かを判定し、所定電圧以下であると判定した場合にストロボ装置と制御部の動作を停止するUVLO回路25bを備える。このため、以上説明した実施の形態によれば、メインコンデンサ29と制御部とを駆動する電池を備えないストロボユニット2を遠隔操作する際の電圧低下による誤動作を防止することができる。
ここで、以上説明した実施の形態では、ストロボユニット電源部20が発光部30の発光エネルギーを蓄えるメインコンデンサ29である。このため、以上説明した実施の形態によれば、遠隔操作できるストロボユニット2を小型化することができる。
また、以上説明した実施の形態では、メインコンデンサ29は、切替回路22が装着状態であると判定した場合にのみ電池/電源回路11により充電されるため、ストロボユニット2用の充電器などを用意することなく利用することができる。
また、以上説明した実施の形態では、装着判定部が非装着状態であると判定した場合には、制御部が、撮像装置本体から無線通信により受信する制御信号に基づいてストロボ装置の動作を制御するため、ストロボユニット2の誤動作を防止することができる。
また、以上説明した実施の形態では、UVLO回路25bにより判定される所定電圧は、発光部30の最低駆動電圧であるため、電圧低下による誤動作を防止することができる。
さらに、以上説明した実施の形態では、無線通信は光通信により実現される。そのため、例えば撮像装置本体1のAF補助光用LED5を利用してストロボユニット2に受光用のフォトトランジスタ4を設けるだけで容易に無線通信を実現することができる。
●撮像装置(2)● 次に、本発明に係る撮像装置の別の実施の形態について、主に回路構成とその動作例の相違点を中心に説明する。
図5は、撮像装置の別の実施の形態に係る回路図である。
先に説明した実施の形態における撮像装置100では、ストロボユニット2の切替回路22や電圧変換供給回路24などの制御部の電源としてメインコンデンサ29からの電力を分圧して用いていた。一方、本実施の形態における撮像装置100aでは、制御部の電源としてストロボユニット2に制御部電源28を備える点が異なる。
制御部電源28は、電気二重層コンデンサ28aを有する。電気二重層コンデンサ28aとは、電気二重層という物理現象を利用することで蓄電効率が高められたコンデンサ(キャパシタ)である。制御部電源28は、切替回路22のトランジスタTr2のエミッタ側に接続される。
なお、制御部電源28の蓄電手段として、電気二重層コンデンサ28aに代えて二次電池などの各種電池(不図示)を用いることもできる。
電気二重層コンデンサ28aは、コネクタ71と充電回路21との間の電源ラインから電源P2を得る。電気二重層コンデンサ28aは、切替回路22や電圧変換供給回路24などの制御部のための電力を、発光部30用のメインコンデンサ29とは別に蓄電する。
このとき、電気二重層コンデンサ28aは、ストロボユニット2が撮像装置本体1に装着状態であるときには電源ラインを通じて、リチウ
ムバッテリー11aから電源P2を得て充電を行う。一方、ストロボユニット2が撮像装置本体1に非装着状態である場合には、電気二重層コンデンサ28aは、メインコンデンサ29から充電するようにしてもよい。
●実施の形態に係る作用・効果 以上説明した実施の形態によれば、ストロボユニット電源部20がメインコンデンサ29と制御部電源28とを備えるため、ストロボユニット2を遠隔操作で使用する際に安定して電力を供給することができる。
また、以上説明した実施の形態によれば、制御部電源28が、撮像装置本体電源またはストロボ用コンデンサにより充電される電気二重層コンデンサまたは二次電池であるため、大幅な電圧変換を行うことなく制御部に電力を供給することができる。
また、以上説明した実施の形態によれば、制御部電源28は、装着判定部が装着状態であると判定した場合には電池/電源回路11により充電され、装着判定部が非装着状態であると判定した場合にはメインコンデンサ29により充電されるため、ストロボユニット2を小型化することができる。
●撮像装置(3)● 次に、本発明に係る撮像装置別のさらに別の実施の形態について、先に説明した実施の形態と異なる装置構成と回路構成の相違点を中心に説明する。
図6は、本発明に係る撮像装置200の実施の形態を示す斜視図である。撮像装置200は、ストロボユニット2の上面に表示用LED8と動作切替スイッチ9を備える。
また、撮像装置200は、ストロボユニット2の図6における右側面に、発光量切替スイッチ10を備える。
表示用LED8は、ストロボユニット2を遠隔操作で使用する際に、動作可能な電力を有するか否かを撮像装置200のユーザに通知するための手段である。
動作切替スイッチ9は、ストロボ装置に遠隔操作での動作を受け付けるかどうかを選択するためのスイッチである。
発光量切替スイッチ10は、ストロボユニット2の発光部30のストロボ発光量をユーザの所望の発光量に切り替えるためのスイッチである。
図7は、撮像装置200の回路図である。表示用LED8は、抵抗R6とともに電圧変換供給回路24のコンデンサC2に接続する。動作切替スイッチ9は、切替回路22のトランジスタTr2のエミッタ側と制御部電源28との間に設けられる。発光量切替スイッチ10は、発光制御信号回路25に接続する。
動作切替スイッチ9がオフの状態では、制御部電源28に蓄積されたエネルギーは切替回路22と電圧変換供給回路24に供給されない。このため、無線通信での動作は行われず、表示用LED8は消灯状態である。
一方、動作切替スイッチ9がオンの状態では、制御部電源28に蓄積されたエネルギーは切替回路22と電圧変換供給回路24に供給される。このとき、表示用LED8が点灯して、無線通信でのストロボユニット2の動作が可能である。
なお、動作切替スイッチ9がオンの状態であっても、制御部電源28に蓄積されたエネルギーが低下し、電圧変換供給回路24の最低駆動電圧を下回った場合には、電圧変換供給回路24がオフになり表示用LED8が消灯する。つまり、この場合には、ユーザはストロボユニット2が遠隔操作で動作可能であるか否かを目視で判断することができる。
発光量切替スイッチ10は、発光制御信号回路25のタイマー回路25aに接続されている。発光量切替スイッチ10を操作することで、ストロボユニット2では、タイマー回路25aの出力パルス幅を切り替えることができる。つまり、ストロボユニット2では、発光量切替スイッチ10により発光部30の発光量を切り替えることができる。
●実施の形態に係る作用・効果 以上説明した実施の形態では、動作切替スイッチ9を備え、ユーザが遠隔操作でストロボユニット2を使用するときのみ動作するか否かを選択できる。このため、以上説明した実施の形態によれば、本来AF補助光用LED5からの光を受光するフォトトランジスタ4に外部からの光が入光することによる誤動作を防止できるため、ストロボユニット電源部に充電されたエネルギーの消費を抑え動作時間を長くすることができる。
また、以上説明した実施の形態によれば、表示用LED8を備えることにより、ストロボユニット2が遠隔操作で動作可能な状態であるか否かをユーザが容易に判断することができる。
さらに、以上説明した実施の形態によれば、発光量切替スイッチ10を備えることにより、撮影時のストロボ発光量をユーザ所望の発光量に制御することができる。
●露出条件に対応したストロボユニットの動作処理 次に、撮像装置200においてストロボユニット2が撮像装置本体1に非装着状態の場合に、露出条件に対応してストロボユニット2を動作させる処理について説明する。
以上説明した撮像装置200では、ストロボユニット2が撮像装置本体1に非装着状態の場合に、発光時期や発光強度をAF補助光用LED5とフォトトランジスタ4により通信しているものの、撮像装置本体1の撮影条件などの設定状態は通信していない。このため、撮像装置200では、以下に説明するように、適正な撮影条件をマニュアルで設定できるようにしてもよい。
図8は、撮像装置200に係る露出条件に対応した動作処理を示すフローチャートである。
まず、撮影を行う前にストロボユニット2は、撮像装置本体1に装着状態である。このときに、撮像装置本体1のCPU14は、ユーザにより撮像装置本体1の調光スイッチ(不図示)が操作されたか否かをチェックする(S101)。調光スイッチが操作されてONにならなければ(S101:No)、CPU14は、S101の処理を繰り返す。
調光スイッチがONになった場合には(S101:Yes)、CPU14は、発光量切替スイッチ10の発光量をチェックする(S102)。
次に、CPU14は、発光部30のプリ発光を行い、測光を行う(S103)。プリ発光時に、CPU14は、プリ発光の測光結果に基づいて、発光量切替スイッチ10により設定されているストロボ発光量において適正な露出となるようなISO感度や絞り、シャッター時間などの撮影条件を演算する(S104)。撮影条件の演算後、その撮影条件はCPU14に接続する撮像装置本体1の記憶部(不図示)に一時的に保持される。
CPU14は、ストロボユニット2が非装着状態であるか(ストロボユニット2が取り外されたか)否かをコネクタ62などの状態から判断する(S105)。ストロボユニット2が取り外されていない場合には(S105:No)、CPU14は、S105の処理を繰り返す。
ストロボユニット2が取り外された場合には(S105:Yes)、CPU14は、AF補助光用LED5のAF動作時の補助光動作をOFFに設定する(S106)。
CPU14は、レリーズスイッチ(不図示)が軽く操作(レリーズ1)されたか否かを判断する(S107)。レリーズ1がされないときは(S107:No)、CPU14は、S107の処理を繰り返す。
レリーズ1がされると(S107:Yes)、CPU14は、AF処理を行う(S108)。
AF処理後、CPU14は、レリーズスイッチが長押し(レリーズ2)されたか否かを判断する(S109)。レリーズ2がされないときは(S109:No)、CPU14は、S109の処理を繰り返す。
レリーズ2がされると(S109:Yes)、CPU14は、撮影動作を開始する(S110)。
撮影動作が開始されると同時に、CPU14は、ストロボユニット2を動作させる無線通信を行うために、AF補助光用LED5を点灯させる(S111)。
AF補助光用LED5の光を受光したストロボユニット2が、発光部30を発光させることで(S112)、撮影が終了する。
以上説明した実施の形態では、撮像装置本体1にストロボユニット2が装着されているときに撮影条件を演算してストロボユニット2内に保持しておくことで、その後取り外した状態の撮影においても適正な露出の撮影を行うことができる。