JP2014016125A - 自動製氷機の運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】見栄えの良い氷塊を生成する自動製氷機の運転方法を提供する。
【解決手段】自動製氷機は、水皿を製氷位置に保持した状態でポンプモータPMを駆動して、蒸発器で冷却された製氷小室に製氷水を噴射供給して氷塊を生成する製氷行程と、蒸発器にホットガスを供給して製氷小室からの氷塊の離脱を促進させる除氷行程とを反復する。製氷行程から除氷行程に移行した時点で前記蒸発器にホットガスを供給すると共に、前記水皿を製氷位置に保持した状態で、前記ポンプモータPMの駆動を継続することで氷塊下面へ製氷水を継続供給する。そして、ポンプモータPMの駆動停止と同期してアクチュエータモータAMを駆動することで、前記製氷小室から水皿を開放させる。
【選択図】図1
【解決手段】自動製氷機は、水皿を製氷位置に保持した状態でポンプモータPMを駆動して、蒸発器で冷却された製氷小室に製氷水を噴射供給して氷塊を生成する製氷行程と、蒸発器にホットガスを供給して製氷小室からの氷塊の離脱を促進させる除氷行程とを反復する。製氷行程から除氷行程に移行した時点で前記蒸発器にホットガスを供給すると共に、前記水皿を製氷位置に保持した状態で、前記ポンプモータPMの駆動を継続することで氷塊下面へ製氷水を継続供給する。そして、ポンプモータPMの駆動停止と同期してアクチュエータモータAMを駆動することで、前記製氷小室から水皿を開放させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷却した製氷小室に製氷水を噴射供給して氷塊を生成する製氷行程と、前記製氷小室を加熱して氷塊の離脱を促進させる除氷行程とを反復する自動製氷機の運転方法に関するものである。
下向きに開口する多数の製氷小室に製氷水を下方から噴射供給して、氷塊を連続的に製造する噴射式自動製氷機が、喫茶店やレストラン等の施設、その他の厨房で好適に使用されている。例えば図3および図5に示すように、自動製氷機に水平に配置した製氷室12には、下方に開口する製氷小室12Aが碁盤目状に多数画成されている。この製氷室12の上面には、圧縮機CM、凝縮器CD、膨張手段EVおよびファンモータFM等から成る冷凍系14に連通する蒸発器EPが蛇行配置されている。更に製氷室12の直下には、各製氷小室12Aの中央に対応する噴射孔18が夫々開設された水皿16が、該製氷室12の側方に位置する支軸16aを介して斜め下方へ傾動可能に枢支されている。この水皿16は、図5の水皿開閉用のアクチュエータモータAMを正逆駆動することで、前記製氷小室12Aを下方から閉成する製氷位置(図3に実線で示す)と、製氷小室12Aを開放する除氷位置(図3に2点鎖線で示す)との間で移動する。また、水皿16の裏面には、分配管22が設けられ、この分配管22は前記噴射孔18と連通している。前記水皿16の下部には、製氷水を貯留する製氷水タンク26が一体的に設けられ、該製氷水タンク26の下部側面にポンプモータPMが設けられて、製氷水を前記水皿16の分配管22を介して噴射孔18から前記製氷小室12Aへ噴射供給するようになっている。
図3に示すように、前記水皿16には、各製氷小室12Aと対応する前記噴射孔18に隣接して戻り孔20が複数開設される。製氷小室12Aで氷結するに至らなかった製氷水は、図3(b)に示すように、前記戻り孔20から製氷水タンク26に回収されて再循環に供される。また、前記製氷室12の上方には、外部給水源に接続して常温の水を供給する給水管32が配設されている。前記給水管32の給水口34は水皿16の上方に開口しており、除氷行程では給水弁WVが開放制御されて、前記水皿16へ常温の水を供給し得るようになっている。なお、製氷水タンク26への給水も、この給水管32により行われる。
自動製氷機の製氷行程では、図5に示すように、膨張手段EVを介して気化冷媒を蒸発器EPへ供給し、該冷媒の断熱膨張により製氷小室12Aを強制的に冷却する。また、前記製氷室12を前記水皿16で閉成した状態で、ポンプモータPMを駆動して製氷水タンク26の製氷水を水皿16の噴射孔18から対応の製氷小室12Aに噴射供給する。これにより、製氷小室12A内に氷塊Iが徐々に生成される。この際、氷結するに到らなかった水は、水皿16の戻り孔20から製氷水タンク26へ戻される。なお、給水管32から供給される水道水は、一般にカルキやミネラル等の不純物を含んでいるが、製氷小室12Aに循環供給される製氷水は不純物を除外した水から氷結していくので、生成される氷塊Iはカルキ等の不純物がほぼ存在せず、透明で見栄えが良いものとなる。氷結するに到らなかった水にはカルキ等の不純物が含まれていることになるため、製氷水タンク26に戻される製氷水の不純物の濃度は徐々に高くなる。
図3(b)に示すように、各氷塊Iは、製氷小室12Aの内壁に沿って徐々に生成され、製氷行程の終盤では、図4に示すように、製氷小室12Aの内壁から離れた噴射孔18に対応する周辺部に、円錐形状に窪んだ未氷結部Uが形成される。
自動製氷機の製氷行程が進行し、製氷室12に設けた温度センサTh1が所定の温度低下を検知すると、氷塊Iが生成されたものと判定して除氷行程への移行を指示する。この除氷工程では、図5に示すように、冷凍系14におけるホットガス弁HVを開放してバイパス回路40からホットガスを前記蒸発器EPに供給する。また、前記アクチュエータモータAMを駆動して、前記水皿16を除氷位置へ強制的に移動させる。これにより、ホットガスで加熱された製氷小室12Aと氷塊Iとの氷結部が融解し、該氷塊Iは自重により製氷小室12Aから離脱して図示しない貯氷庫へ落下貯留される。なお、製氷行程および除氷行程を反復する噴射式の自動製氷機については、特許文献1に開示されている。
従来の自動製氷機の運転方法では、図9のタイミングチャートに示すように、除氷行程でホットガス弁HVを開放する際に、アクチュエータモータAMを駆動して水皿16を下方へ傾動させ、ポンプモータPMの駆動も停止して製氷小室12Aへの製氷水の供給を停止する。この製氷水の供給停止により、氷塊Iの下面には前記凹み状の未氷結部Uが形成されるが、図8に示すように、この未氷結部Uには製氷水が表面張力により入り込んだ状態となる。なお、製氷小室12Aはホットガスにより加熱されているが、この熱は製氷小室12Aと氷塊Iとの氷結部の融解に消費され、当該熱は前記氷塊Iの内部へ伝わり難い。そして、前記未氷結部Uに入り込んだ製氷水は、直前の製氷行程で充分冷却されているため、この製氷水は該未氷結部U中で周りの氷に熱を奪われて凍結してしまう。しかるに未氷結部Uに停滞した製氷水は循環していないため、未氷結部Uで凍結した氷は、前述したカルキ等の不純物を多く含んでいるため、凍結すると白濁してしまう。このように未氷結部Uに凍結した氷の白濁により、顧客に供する氷塊Iの見栄えが悪くなってしまう欠点が指摘される。
そこで本発明は、従来の技術に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、見栄えの良い氷塊を生成することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願請求項1に係る自動製氷機の運転方法は、
下向きに開口する多数の製氷小室が画成され、冷凍系に接続する蒸発器が上面に配設された製氷室と、前記各製氷小室に対応する噴射孔を有し、前記製氷小室を下方から閉成する水皿と、前記製氷小室を閉成する製氷位置および該製氷小室を開放する除氷位置の間で前記水皿を移動させるアクチュエータモータと、製氷水を貯留する製氷水タンクと、前記製氷水タンクの製氷水を前記噴射孔から前記製氷小室へ向けて噴射供給するポンプモータとを備え、
前記水皿を製氷位置に保持した状態で前記ポンプモータを駆動して、前記蒸発器で冷却された前記製氷小室に製氷水を噴射供給して氷塊を生成する製氷行程と、前記アクチュエータモータを駆動して前記水皿を除氷位置へ移動させると共に、前記蒸発器にホットガスを供給して製氷小室からの離氷を促進させる除氷工程とを反復する自動製氷機において、
前記製氷行程から除氷行程に移行した時点で前記蒸発器にホットガスを供給すると共に、前記ポンプモータの駆動を継続して前記氷塊の下面へ製氷水を継続供給し、
前記ポンプモータの駆動停止に同期して前記アクチュエータモータを駆動して、前記製氷小室から前記水皿を開放させるようにしたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、除氷行程において、氷塊の下面に向けた製氷水の噴射供給が継続されるので、この噴射供給される製氷水の流れによって、氷塊下面の未氷結部には製氷水が留まらない。このため、未氷結部に停滞した不純物を含む製氷水が凍結して、白濁した氷が形成されることはなく、氷塊の見栄えを向上させることができる。更に、除氷行程中に供給された製氷水が氷塊の下面で氷結することで、透明な氷の収量を高める効果も期待できる。
下向きに開口する多数の製氷小室が画成され、冷凍系に接続する蒸発器が上面に配設された製氷室と、前記各製氷小室に対応する噴射孔を有し、前記製氷小室を下方から閉成する水皿と、前記製氷小室を閉成する製氷位置および該製氷小室を開放する除氷位置の間で前記水皿を移動させるアクチュエータモータと、製氷水を貯留する製氷水タンクと、前記製氷水タンクの製氷水を前記噴射孔から前記製氷小室へ向けて噴射供給するポンプモータとを備え、
前記水皿を製氷位置に保持した状態で前記ポンプモータを駆動して、前記蒸発器で冷却された前記製氷小室に製氷水を噴射供給して氷塊を生成する製氷行程と、前記アクチュエータモータを駆動して前記水皿を除氷位置へ移動させると共に、前記蒸発器にホットガスを供給して製氷小室からの離氷を促進させる除氷工程とを反復する自動製氷機において、
前記製氷行程から除氷行程に移行した時点で前記蒸発器にホットガスを供給すると共に、前記ポンプモータの駆動を継続して前記氷塊の下面へ製氷水を継続供給し、
前記ポンプモータの駆動停止に同期して前記アクチュエータモータを駆動して、前記製氷小室から前記水皿を開放させるようにしたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、除氷行程において、氷塊の下面に向けた製氷水の噴射供給が継続されるので、この噴射供給される製氷水の流れによって、氷塊下面の未氷結部には製氷水が留まらない。このため、未氷結部に停滞した不純物を含む製氷水が凍結して、白濁した氷が形成されることはなく、氷塊の見栄えを向上させることができる。更に、除氷行程中に供給された製氷水が氷塊の下面で氷結することで、透明な氷の収量を高める効果も期待できる。
請求項2に係る発明は、前記除氷行程で継続されている前記ポンプモータの駆動は、前記氷塊の下面で製氷水が氷結しなくなった時点で停止されることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、除氷行程における氷塊下面への製氷水の噴射供給が、氷塊下面で製氷水が氷結しなくなった時点で停止されるので、ポンプモータを停止した後で、氷塊下面の未氷結部に表面張力により製氷水が留まったとしても、この製氷水が氷結することはない。このため、白濁した氷が形成されず、見栄えの良い氷塊が得られる。
請求項2に係る発明によれば、除氷行程における氷塊下面への製氷水の噴射供給が、氷塊下面で製氷水が氷結しなくなった時点で停止されるので、ポンプモータを停止した後で、氷塊下面の未氷結部に表面張力により製氷水が留まったとしても、この製氷水が氷結することはない。このため、白濁した氷が形成されず、見栄えの良い氷塊が得られる。
請求項3に係る発明は前記除氷行程で継続されているポンプモータの駆動中に、外部給水源から前記製氷水タンクへ給水することで、該製氷水タンク内の水温を上昇させることを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、除氷行程において、外部給水源からの給水により水温の上昇した製氷水が製氷小室に供給されるので、氷塊下面の未氷結部に入り込んだ製氷水の凍結をより確実に防ぐことができる。
請求項3に係る発明によれば、除氷行程において、外部給水源からの給水により水温の上昇した製氷水が製氷小室に供給されるので、氷塊下面の未氷結部に入り込んだ製氷水の凍結をより確実に防ぐことができる。
本発明に係る自動製氷機の運転方法によれば、生成される氷塊の見栄えを向上させることができる。
次に、本発明に係る自動製氷機の運転方法について、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下に説明する。なお、従来技術と同一の部材については、同じ符号で示す。本発明に係る運転方法が実施される自動製氷機の概略は、図3〜図5で既に説明した通りである。本発明は、除氷行程に際して、ホットガス弁を開放した後も、アクチュエータモータの駆動を遅延させて水皿を暫く製氷位置に保持し、この状態でポンプモータの駆動をも遅延継続させて製氷水の噴射供給を暫く行うことで、生成される氷塊の見栄えを向上させるものである。以下の説明では、2つの実施例を挙げ、除氷行程を中心に説明する。
図3〜図5で説明した自動製氷機において、製氷室12に設けた温度センサTh1が製氷完了温度を検知して製氷行程を終了させ、除氷運転へ移行したものとする。なお、除氷行程への切替えは、製氷行程の進行度合いを累積冷却量として算出し、この累積冷却量が目標冷却量に達することで製氷完了を検知する制御方法であってもよい。図1のタイミングチャートに示すように、製氷行程が終了するまでは、バイパス回路40中のホットガス弁HVは閉成(OFF)しており、水皿開閉用のアクチュエータモータAMも、水皿16を製氷小室12Aを下方から閉成する製氷位置で停止(OFF)している。また、ポンプモータPMは駆動(ON)されており、製氷水タンク26の製氷水を水皿16の噴射孔18から製氷小室12Aへ向けて噴射供給している。なお、図4で説明したように、製氷行程完了時に製氷小室12Aに生成される氷塊Iは、前述のように下面に円錐形状に窪んだ未氷結部Uが形成される。
除氷行程の経時的な動作を、図2のフローチャートを参照して説明する。ステップS1で除氷行程が開始されると、ステップ2でホットガス弁HVが開放(ON)され、蒸発器EPへホットガスが供給される。このとき、アクチュエータモータAMには駆動遅延が指示されて停止(OFF)状態を継続し、前記水皿16は製氷位置に保持される。また、ポンプモータPMには停止遅延が指示されて、駆動(ON)状態を継続し、前記製氷小室12Aへの製氷水の噴射供給が維持される。すなわち、ステップ2では、蒸発器EPへのホットガスの供給により製氷小室12Aは加熱されるが、製氷小室12Aに生成された氷塊Iの下面に向けて製氷水は噴射供給される。この際、ホットガスにより製氷小室12Aは加熱されるが、この熱は製氷小室12Aと氷塊Iとの氷結部の融解に消費され、前記未氷結部Uが形成された氷塊Iの下面の温度が直ちに上昇することはない。また、製氷水タンク26中の製氷水は直前の製氷行程で充分冷却されているため、前記氷塊Iの下面へ噴射された製氷水は氷塊Iに熱を奪われて氷結が進行し、前述した未氷結部Uが減少する。この段階で未氷結部Uに供給される製氷水は循環しているため、該未氷結部Uで氷結する氷は、カルキ等の不純物が除去されており、透明で見栄えが良い。
ステップS2でのホットガス弁HVの開放により製氷小室12Aは加熱されるので、温度センサTh1の検知温度は上昇する。ステップS3では、この温度センサTh1の測定値が所定の値T1(実施例では、−2℃)に達したか否かを監視し、肯定(YES)であればステップS4に進んでポンプモータPMの駆動を停止(OFF)し、製氷小室12Aへの製氷水の噴射は停止される。また、前記ポンプモータPMの駆動停止と同期して、アクチュエータモータAMの駆動(ON)を開始する。なお前記所定の温度値T1は、氷塊Iの下面が、製氷水を氷結できない温度に達する値に設定されている。すなわち、温度センサTh1の測定値が所定温度値T1に達すると、氷塊Iの下面は新たな氷をほとんど形成し得ない温度になっている。このように、除氷行程におけるポンプモータPMの駆動は、氷塊Iの下面に噴射供給される製氷水の氷結により、前記未氷結部Uが減少する間継続され、氷塊Iの下面で製氷水が氷結しなくなり、氷塊Iの下面において氷の成長が見込めない状態となった時点で停止される。
ステップS4では前記ホットガス弁HVの開放は継続されているので、図1のタイミングチャートに示すように、温度センサTh1の検知温度は更に上昇する。そして、ステップS4では、ポンプモータPMの駆動が停止(OFF)されて、製氷小室12Aへ向けた製氷水の噴射は停止される。また、アクチュエータモータAMの駆動(ON)が開始されて、水皿16は除氷位置まで下降するので、製氷室12と水皿16との間に氷塊Iを落下させるスペースが確保される。前記ホットガスにより、氷塊Iと製氷小室12Aとの氷結部が融解すると、氷塊Iは自重により製氷小室12Aから離脱落下する。なお、アクチュエータモータAMは、水皿16の除氷位置への到来を、図5の切替えスイッチ30が検知することで、停止制御がなされる。
図1のタイミングチャートに示すように、製氷室12の温度は氷塊Iの離脱により更に上昇する。そして、図2のステップS5で、温度センサTh1の測定値が除氷完了温度に達したか否かを確認し、肯定(YES)であればステップS6へ進み、ホットガス弁HVを閉成(OFF)して蒸発器EPへのホットガスの供給を停止する。また、アクチュエータモータAMを再駆動(ON)して水皿16を上昇させる。次にステップS7で、水皿16が製氷位置へ到来したか否かを前記切替えスイッチ30が確認し、肯定(YES)であれば前記アクチュエータモータAMを停止させて、ステップS8で製氷行程へ移行する。
このように実施例1では、図1および図2に示すように、製氷行程から除氷行程に移行した時点で、従来と同じくホットガス弁HVは開放するが、水皿16は製氷位置に保持すると共に、ポンプモータPMの駆動を継続するので、製氷小室12Aに生成された氷塊Iの下面へ製氷水が引き続き噴射供給される。ここで氷塊Iは、直前の製氷行程で0℃以下に冷却されているので、継続供給された製氷水は氷塊Iの下面で熱が奪われて氷結するに到る。実施例1では、製氷水は噴射供給により流れているため、未氷結部Uで氷結する氷は、カルキ等の不純物をほぼ含んでおらず、従って前記未氷結部に白濁した氷が生成されることがなく、氷塊Iの見栄えを向上できる。また、除氷行程中におけるポンプモータPMの駆動は、氷塊Iの下面に噴射供給された製氷水が氷結して未製氷部が減少する間継続されるので、1個当たりの氷塊Iにおける透明な氷の収量を増加させることができる。
実施例1では、除氷運転において温度センサTh1が、氷塊Iの下面が新たな氷を形成しない温度となっている温度値T1を検知することで、ポンプモータPMの駆動を停止させる。このため、ポンプモータPMを停止した後、氷塊Iの未氷結部Uに留まった製氷水が氷結して白濁した氷が形成されるという従来の欠点を効果的に防止できる。
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2は、除氷行程におけるポンプモータPMの駆動中に、外部給水源から製氷水タンク26へ給水を行うものである。図7は、実施例2における除氷行程のフローチャートであって、1点鎖線で囲んだ部分が、図2のフローチャートと相違している。すなわち、実施例2では、ステップ1で除氷行程が開始されると、ステップ2でポンプモータPMの駆動(ON)状態が継続されると共に、給水弁WVが開放(ON)され、ポンプモータPMの駆動中に外部給水源から製氷水タンク26へ常温の水が給水される。また、給水弁タイマのカウントが開始される。なお、ステップ2で、ホットガス弁HVが開放(ON)され、アクチュエータモータAMに駆動遅延が指示されて停止(OFF)状態が継続される点は実施例1と同じである。次いでステップS3に進み、給水弁タイマが所定の時間をカウントアップしたかを確認し、肯定(YES)であればステップS4で給水弁WVが閉成(OFF)され、製氷水タンク26への常温水の供給が停止される。この給水弁タイマの開放時間は、給水弁WVの開放により、製氷水タンク26内の水温を検知する水温センサTh2(図3参照)の検知温度が、後述する温度値T2に充分達するよう設定してある。
給水弁WVの開放により水皿16を介して製氷水タンク26へ常温の水が供給されるので、図6のタイミングチャートに示す如く、製氷水タンク26内の水温を検知する水温センサTh2の検知温度は上昇する。そして、ステップS5で、この水温センサTh2の測定値が所定の値T2(実施例では、2℃)に達したか否かを確認し、肯定(YES)であればステップS6へ進んでポンプモータPMの駆動を停止(OFF)し、製氷小室12Aへの製氷水の噴射は停止される。また、このポンプモータPMの駆動停止に同期させてアクチュエータモータAMの駆動(ON)を開始する。なお前記所定の温度値T2は、製氷水タンク26内の水温が、噴射された氷塊Iの下面に接触している間では氷結することができなくなる温度に設定されている。すなわち、水温センサTh2の測定値が所定温度値T2に達すると、氷塊Iの下面における氷の成長が停止する。このように、除氷行程におけるポンプモータPMの駆動は、氷塊Iの下面に噴射供給される製氷水が氷結して前記未氷結部Uが減少する間継続され、氷塊Iの下面で製氷水が氷結しなくなり、氷塊Iの下面における氷塊Iの成長が見込めない状態となった時点で停止される。なお、図7の実施例2におけるステップS7以降のステップは、図2の実施例1におけるステップS5以降の各ステップと同じである。
実施例2では、製氷行程から除氷行程に移行した時点で、従来と同じくホットガス弁HVは開放するが、水皿16は製氷位置に保持すると共に、ポンプモータPMの駆動を継続し、更に給水弁WVを開放する。これにより、製氷小室12Aに生成された氷塊Iの下面に、製氷水が噴射供給されると共に、この噴射供給される製氷水の温度を高めることができる。このため、氷塊Iの未氷結部U中に白濁した氷が形成されるのをより確実に防ぐことができる。また、実施例2では、除氷行程中に水温センサTh2が、噴射された製氷水が氷結することができなくなる温度である温度値T2を検知することで、ポンプモータPMの駆動が停止される。このため、ポンプモータPMを停止した後、氷塊Iの未氷結部Uに留まった製氷水が氷結して白濁した氷が形成される欠点をより効果的に防止できる。
(変更例)
(1) 実施例1では、ステップS3において、ポンプモータの駆動を停止し、アクチュエータモータを駆動させる指標として、製氷室に設けた温度センサの検知温度を用いる例を挙げて説明したが、ステップS3の指標は、タイマによる所定時間の計測であってもよい。すなわち、除氷行程の開始によりホットガス弁を開放してから、氷塊の下面で製氷水が氷結しなくなるまでの時間(温度センサの検知温度がT1に達するまでの時間)を経験的に決定しておき、ホットガス弁を開放してから当該時間を計測した時点で、ポンプモータの駆動を停止すると共にアクチュエータモータを駆動させるようにしてもよい。
(2) 実施例2では、ステップS5において、ポンプモータの駆動を停止し、アクチュエータモータを駆動させる指標として、製氷水タンクに設けた水温センサの検知温度を用いる例を挙げて説明したが、ステップS5の指標は、タイマによる所定時間の計測であってもよい。すなわち、除氷行程の開始により給水弁を開放してから、製氷水タンク内の水温が、氷塊の下面に接触している時間では氷結出来ない温度に到達する時間を経験的に決定しておき、給水弁を開放してから当該時間を計測した時点で、ポンプモータの駆動を停止すると共にアクチュエータモータを駆動させるようにしてもよい。
また、実施例2においても実施例1のように、製氷室に設けた温度センサの検知温度を指標として、ポンプモータの駆動を停止する制御を行うようにしてもよい。
(1) 実施例1では、ステップS3において、ポンプモータの駆動を停止し、アクチュエータモータを駆動させる指標として、製氷室に設けた温度センサの検知温度を用いる例を挙げて説明したが、ステップS3の指標は、タイマによる所定時間の計測であってもよい。すなわち、除氷行程の開始によりホットガス弁を開放してから、氷塊の下面で製氷水が氷結しなくなるまでの時間(温度センサの検知温度がT1に達するまでの時間)を経験的に決定しておき、ホットガス弁を開放してから当該時間を計測した時点で、ポンプモータの駆動を停止すると共にアクチュエータモータを駆動させるようにしてもよい。
(2) 実施例2では、ステップS5において、ポンプモータの駆動を停止し、アクチュエータモータを駆動させる指標として、製氷水タンクに設けた水温センサの検知温度を用いる例を挙げて説明したが、ステップS5の指標は、タイマによる所定時間の計測であってもよい。すなわち、除氷行程の開始により給水弁を開放してから、製氷水タンク内の水温が、氷塊の下面に接触している時間では氷結出来ない温度に到達する時間を経験的に決定しておき、給水弁を開放してから当該時間を計測した時点で、ポンプモータの駆動を停止すると共にアクチュエータモータを駆動させるようにしてもよい。
また、実施例2においても実施例1のように、製氷室に設けた温度センサの検知温度を指標として、ポンプモータの駆動を停止する制御を行うようにしてもよい。
12 製氷室,12A 製氷小室,14 冷凍系,16 水皿,18 噴射孔,
26 製氷水タンク,AM アクチュエータモータ,EP 蒸発器,I 氷塊,
PM ポンプモータ,U 未氷結部
26 製氷水タンク,AM アクチュエータモータ,EP 蒸発器,I 氷塊,
PM ポンプモータ,U 未氷結部
Claims (3)
- 下向きに開口する多数の製氷小室(12A)が画成され、冷凍系(14)に接続する蒸発器(EP)が上面に配設された製氷室(12)と、前記各製氷小室(12A)に対応する噴射孔(18)を有し、前記製氷小室(12A)を下方から閉成する水皿(16)と、前記製氷小室(12A)を閉成する製氷位置および該製氷小室(12A)を開放する除氷位置の間で前記水皿(16)を移動させるアクチュエータモータ(AM)と、製氷水を貯留する製氷水タンク(26)と、前記製氷水タンク(26)の製氷水を前記噴射孔(18)から前記製氷小室(12A)へ向けて噴射供給するポンプモータ(PM)とを備え、
前記水皿(16)を製氷位置に保持した状態で前記ポンプモータ(PM)を駆動して、前記蒸発器(EP)で冷却された前記製氷小室(12A)に製氷水を噴射供給して氷塊(I)を生成する製氷行程と、前記アクチュエータモータ(AM)を駆動して前記水皿(16)を除氷位置へ移動させると共に、前記蒸発器(EP)にホットガスを供給して製氷小室(12A)からの離氷を促進させる除氷工程とを反復する自動製氷機において、
前記製氷行程から除氷行程に移行した時点で前記蒸発器(EP)にホットガスを供給すると共に、前記ポンプモータ(PM)の駆動を継続して前記氷塊(I)の下面へ製氷水を継続供給し、
前記ポンプモータ(PM)の駆動停止に同期して前記アクチュエータモータ(AM)を駆動して、前記製氷小室(12A)から前記水皿(16)を開放させるようにした
ことを特徴とする自動製氷機の運転方法。 - 前記除氷行程で継続されている前記ポンプモータ(PM)の駆動は、前記氷塊(I)の下面で製氷水が氷結しなくなった時点で停止される請求項1記載の自動製氷機の運転方法。
- 前記除氷行程で継続されているポンプモータ(PM)の駆動中に、外部給水源から前記製氷水タンク(26)へ給水することで、該製氷水タンク(26)内の水温を上昇させる請求項1または2記載の自動製氷機の運転方法。
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JP2012154942A JP2014016125A (ja) | 2012-07-10 | 2012-07-10 | 自動製氷機の運転方法 |
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JP2012154942A JP2014016125A (ja) | 2012-07-10 | 2012-07-10 | 自動製氷機の運転方法 |
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JP2014016125A true JP2014016125A (ja) | 2014-01-30 |
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ID=50110969
Family Applications (1)
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JP2012154942A Pending JP2014016125A (ja) | 2012-07-10 | 2012-07-10 | 自動製氷機の運転方法 |
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JP (1) | JP2014016125A (ja) |
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2012
- 2012-07-10 JP JP2012154942A patent/JP2014016125A/ja active Pending
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