JP2006090691A - 流下式製氷機の運転方法 - Google Patents

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知仁 野村
Hiroyuki Sugie
宏之 杉江
Yasuoki Mizutani
保起 水谷
Kazunori Matsuo
一則 松尾
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Abstract

【課題】2重製氷を防止すると共に、除氷時間を短縮する。
【解決手段】製氷運転に際し、蒸発管14に冷媒を供給すると共に、循環ポンプ40を作動して製氷水散水管34を介して製氷板12の製氷面32に製氷水24を供給する。製氷運転が完了すると、循環ポンプ40を停止すると共に、ホットガス弁HVを開放して蒸発管14にホットガスを供給する。また給水バルブ46を開放し、製氷板12の裏面28に除氷水を供給する。除氷用サーモ52が製氷水供給温度を検知すると、循環ポンプ40を作動して製氷水24の製氷面32への供給を開始し、製氷面32に残留している氷16を製氷水24により速やかに剥離落下させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、流下式製氷機の運転方法に関するものであり、更に詳細には、製氷運転に際して製氷板の表面に製氷水を供給すると共に、製氷板裏面に配置した蒸発器に冷媒を供給して製氷板の表面に氷を生成し、除氷運転に際して製氷板の裏面に除氷水を供給して氷の製氷板からの融解剥離を促進させる流下式製氷機の運転方法に関するものである。
氷を連続的に製造する自動製氷機として、垂直に立設した製氷板の裏面に冷凍系から導出した蒸発管を配設し、この蒸発管に循環供給される冷媒により冷却される前記製氷板の表面(製氷面)に製氷水を散布供給して氷を形成し、得られた氷を剥離して落下放出させる流下式製氷機が知られている。この製氷機は、製氷板での製氷完了を検知して製氷運転から除氷運転に移行すると、前記製氷水の散布供給を停止し、圧縮機から吐出されるホットガスを前記蒸発管に供給すると共に、外部水道源から常温の水を製氷板の裏面に除氷水として散布供給して、氷との氷結面の融解を促進させるようになっている。なお、製氷板を流下した除氷水は、次回製氷運転時の製氷水として使用される。
また、前記製氷板に配設されている蒸発管の出口側に、除氷運転により氷が製氷板から融解剥離することで蒸発管に循環しているホットガスが一挙に温度上昇したことを検知する除氷検知サーモが配設される。そして、この除氷検知サーモの除氷完了温度の検知により、前記ホットガスおよび除氷水の供給を停止して除氷運転を終了するよう構成されている。
図6は、従来の流下式製氷機における製氷および除氷の運転サイクルを示したものである。製氷運転においては、前記蒸発管に冷媒が供給(ON)されると共に、製氷板の製氷面に製氷水が散布供給(ON)される。そして、製氷が完了すると、前記冷媒および製氷水の供給が停止(OFF)されて製氷運転が終了すると共に、ホットガスおよび除氷水が夫々供給(ON)されて除氷運転が開始される。更に、前記除氷検知サーモが除氷完了を検知し、除氷運転を終了して再び製氷運転に移行すると、ホットガスおよび除氷水の供給を停止(OFF)すると共に、冷媒および製氷水の供給を再開させる。すなわち、図6の破線で囲った部分に示すように、除氷運転から製氷運転に移行する際には、除氷水およびホットガスの停止と、製氷水および冷媒の供給とが同時に行なわれるようになっている。
特開平10−170113号公報
従来の流下式製氷機においては、前述したように、除氷検知サーモが除氷完了温度を検知することにより除氷運転から製氷運転に移行するが、その検知温度の設定は経験的に決定されるものであり、該サーモが除氷完了温度を検知した時点においても前記製氷面に氷が残留して、完全に製氷板から除氷されていない場合がある。このように製氷板に氷が残留したまま除氷運転が終了して製氷運転に移行すると、ホットガスおよび除氷水の供給が停止されると同時に、製氷水および冷媒が供給されるので、残留している氷を核として重複して氷が生成されてしまう。すなわち、従来の流下式製氷機では、製造された氷が除氷されずに残留して再び製氷される、所謂2重製氷が行なわれてしまい、変形した氷が成形されてしまう問題があった。
なお、前記除氷完了温度を高めに設定しておけば、完全な除氷を達成することは可能であるが、この場合は除氷運転が長くなって日産製氷能力が低下すると共に、除氷水の消費水量が嵩む難点が指摘される。
本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、2重製氷を防止すると共に、除氷時間を短縮し得るようにした流下式製氷機の運転方法を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る流下式製氷機の運転方法は、
製氷運転に際して製氷板の表面に製氷水供給手段により製氷水を供給すると共に、その裏面に蛇行配置された蒸発器に冷媒を供給し、製氷板の表面に氷が生成されたことを検知して除氷運転に移行したときに、製氷板の表面への製氷水の供給を停止すると共に、蒸発器への冷媒の供給を停止した後、製氷板の裏面に除氷水を供給して氷の製氷板からの融解剥離を促進させる流下式製氷機の運転方法において、
前記除氷運転の終了前に、前記製氷板の表面に製氷水を供給するように前記製氷水供給手段を制御手段で制御し、該製氷水により表面に残留している氷を剥離するようにしたことを特徴とする。
本発明に係る流下式製氷機の運転方法によれば、除氷運転終了前に、製氷水を製氷板の表面へ供給するようにしたので、該表面上に残留している氷は該製氷水によって確実に剥離され、2重製氷を防止することが可能となり、形状の整った良質な氷を製造することができると共に、除氷時間の短縮を図ることが可能となる。
また、除氷運転時に製氷板の表面へ製氷水を断続的に供給するようにした場合には、連続供給の場合に比べて製氷水による氷の融解が抑えられるので、除氷運転中の比較的早い段階で製氷水の供給を行なうことができる。従って、製氷水を除氷運転時に連続供給する場合よりも更に除氷効率が上昇するので、除氷時間の短縮が可能となって製氷能力を向上し得る。更に、除氷運転時における製氷水の供給を断続的にすることで、該製氷水が貯氷庫内へ飛散する量を少なくすることができる。
また、除氷運転終了前に製氷板の表面に製氷水の供給を開始したときに、除氷水の裏面への供給を停止することで、除氷運転において使用する除氷水の量を従来に比べて少なくし得る。
次に、本発明に係る流下式製氷機の運転方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
図1は、実施例1に係る流下式製氷機の運転方法が好適に実施される流下式製氷機10の概略構成を示すものであって、所定間隔離間して対向配置した垂直な一対の製氷板12,12の対向面間に、冷凍系から導出して横方向に蛇行する蒸発管(蒸発器)14が密着固定されて製氷部Mが構成されている。製氷部Mの直下には、除氷運転により各製氷板12から剥離されて落下する氷16を、下方に配設した貯氷庫18に案内する案内板20が対応して夫々傾斜配置されている。また、各案内板20には複数の通孔22,22が穿設されており、製氷運転の際に製氷板12の表面(製氷面)32に供給された製氷水24の未氷結分は、該通孔22,22を介して下方に位置する製氷水タンク26に回収されるようにしてある。また、前記製氷水タンク26には、除氷運転に際して製氷板12の裏面28に供給された除氷水30を回収貯留し得るよう構成される。
前記製氷部Mの上方には、製氷水24を各製氷板12の製氷面32に供給可能な製氷水散水管34および除氷水30を前記裏面28に供給可能な除氷水散水管36を夫々有した2重管38が配設されている。前記製氷水散水管34は、製氷機内に配設された製氷水供給手段としての循環ポンプ40を介して前記製氷水タンク26から導出した製氷水供給管42に接続されて、製氷運転時に前記製氷水タンク26からポンプ圧送される製氷水24を、各製氷板12の氷結温度にまで冷却されている製氷面32に散布流下させ、該製氷面32に半球状の氷を生成するよう構成される。また前記循環ポンプ40は、流下式製氷機10の製氷運転および除氷運転を切換制御可能な制御手段44に接続されて運転制御され、製氷運転時および除氷運転時における製氷水24の供給・停止が切換えられるよう設定してある。
前記2重管38の内部に設けられる除氷水散水管36は、外部水道源(図示せず)に接続されて、除氷水供給手段としての給水バルブ46が介挿された除氷水供給管48と連通接続され、除氷運転時に、両製氷板12,12の裏面28,28に常温の水(除氷水30)を散布供給して、その昇温による除氷促進を行なうよう構成される。すなわち、除氷運転に際して、前記蒸発管14にホットガスを循環させて両製氷板12,12を加熱し、各製氷面32と氷16との氷結面を融解させると共に、除氷水散水管36から除氷水30を前記裏面28,28に流下させることにより、その融解を促進するようになっている。なお、前述した如く、前記製氷板12の裏面28を流下した除氷水30は、製氷水24と同様に製氷水タンク26に回収され、これが次回の製氷水24として使用される。また、除氷水30の除氷水散水管36への供給・停止を切換え可能な給水バルブ46は、前記制御手段44に接続されて作動制御され、除氷運転時における除氷水30の供給・停止が切換えられるよう設定してある。
前記蒸発管14の出口側に、前記制御手段44に接続された除氷完了検知手段としての除氷用サーモ52が密着的に配設され、蒸発管14を流通するホットガス(高温冷媒)の温度を検知するよう構成される。そして、除氷運転完了時において製氷板12,12から氷16が剥離することにより急激に温度上昇するホットガスの温度が、予め設定された除氷完了温度に達したことを除氷用サーモ52が検知したときに、前記制御手段44が除氷運転を終了して製氷運転へ移行するよう設定されている。
また前記制御手段44は、除氷運転中において前記除氷完了温度よりも約10℃〜20℃程度低温の製氷水供給温度(製氷水供給開始条件)を除氷用サーモ52が検知した際に、前記循環ポンプ40を制御して、製氷水散水管34から製氷水24を製氷面32に供給するようになっている。すなわち、除氷が完了する前に製氷面32に製氷水24を供給して、該製氷面32に残留している氷16の融解剥離を促進するようにしてある。なお、前記除氷完了温度および製氷水供給温度については、流下式製氷機10の製氷能力や設置場所等によって、適宜好適な値に設定すればよい。但し、製氷水供給温度については、除氷完了温度よりも大幅に低く設定すると、氷16と製氷板12との融解が進行していない状態で製氷水24を供給することとなり、除氷完了までに要する製氷水24の供給量が増大してしまうので、好ましくは、該除氷完了温度よりも10℃程度低く設定するのがよい。実施例1では、除氷完了検知手段としての除氷用サーモ52が、製氷水供給開始検知手段を兼ねている。
実施例1の流下式製氷機10における冷却機構については、従来の製氷機と基本的に同一であって、圧縮機54で圧縮された気化冷媒が、吐出管68を経て凝縮器56で凝縮液化し、ドライヤ58で脱湿された後キャピラリーチューブ60で減圧され、蒸発管14に流入してここで一挙に膨張して蒸発し、製氷板12,12と熱交換を行なって、各製氷板12を氷点下にまで冷却させる。この蒸発管14で蒸発した気化冷媒と未蒸発の液化冷媒とは、気液混相状態でアキュムレータ62に流入し、ここで気液分離がなされる。そして気相冷媒は、吸入管64を経て圧縮機54に帰還し、液相冷媒は当該アキュムレータ62内に貯留される。
前記圧縮機54の吐出管68からホットガス管66が分岐され、このホットガス管66はホットガス弁HVを経て、蒸発管14の入口側に連通されている。このホットガス弁HVは、除氷運転の際にのみ開放し、製氷運転時は閉成する制御がなされる。すなわち除氷運転においては、前記圧縮機54から吐出されたホットガスがホットガス管66を介して蒸発管14に流入し、製氷板12,12との間で熱交換した後に、該蒸発管14から流出したホットガスは、アキュムレータ62に流入し、このアキュムレータ62中に滞留している液相冷媒を加熱して蒸発させ、気相冷媒として吸入管64から圧縮機54に再び帰還させるようになっている。
(実施例1の作用)
次に、実施例1に係る流下式製氷機10の運転方法について説明する。図2のフローチャートに示すように、製氷が完了した際には、前記制御手段44が前記循環ポンプ40を停止させて、製氷水散水管34からの製氷水24の供給を停止させると共に、前記ホットガス弁HVを開放することで蒸発管14への冷媒の供給を停止させて、製氷運転を終了する(S1)。
そして、前記制御手段44は、前記給水バルブ46を開放し、除氷水散水管36から除氷水24を製氷板12,12の裏面28,28に供給すると共に、前記ホットガス弁HVの開放により蒸発管14にホットガスが供給されて、除氷運転が開始される(S2)。すなわち、図3に示すように、製氷運転から除氷運転へ切換わる際には、冷媒および製氷水24の供給を停止(OFF)すると同時に、ホットガスおよび除氷水の供給を開始(ON)する。この除氷運転の開始により、製氷面32に氷結していた氷16の氷結面は、ホットガスおよび除氷水30の供給によって融解を始める。
除氷運転により氷16の製氷面32との氷結面の融解が進行するにつれて、蒸発管14の出口側でのホットガスの温度は次第に上昇する。そして、除氷運転の開始後、所要時間経過して除氷完了が近づいたところで、前記除氷用サーモ52が製氷水供給温度を検知する(S3)。この時、製氷面32上の氷16は、該製氷面32との融解がある程度進行しており、その自重で製氷板12から剥離落下するものや、未だに氷結面が融解することなく残留しているものもある。前記除氷用サーモ52が製氷水供給温度を検知すると、前記制御手段44は、循環ポンプ40を作動して製氷水24を製氷水散水管34へ圧送し、製氷水24の製氷面32への供給を開始(ON)する。更に、前記制御手段44は給水バルブ46を閉成し、除氷水散水管36からの除氷水30の供給を停止(OFF)させる(S4)。
すなわち、前記製氷板12との融解がある程度進行した氷16と製氷板12との氷結面の融解が、製氷水24により更に促進されると共に、該製氷水24の水流によって氷16は製氷板12から完全に剥離して、従来問題となっていた2重製氷を防止することができ、半球状の良質な氷16が得られる。そして、両製氷板12,12から全ての氷16が完全に剥離すると、前記ホットガスの温度が急激に上昇し、前記除氷用サーモ52は除氷完了温度を検知する(S5)。このとき前記制御手段44は前記ホットガス弁HVを閉成し、ホットガスの蒸発管14への供給を停止(S6)させて除氷運転を終了させる(S7)と共に、冷媒を供給して製氷運転を開始させる。
前述したように、除氷用サーモ52が除氷完了温度を検知する前に、製氷板12の製氷面32に製氷水24を流すことで、その物理的な力によって氷16を速やかに剥離落下させることができるから、除氷時間を短縮して日産製氷能力を向上し得る。また、図3に示すように、除氷運転が完了する前に除氷水30の前記裏面28への供給を停止させているから、使用する除氷水30の量を少なくすることができる。
なお、実施例1に係る流下式製氷機10の運転方法では、図3に示すように、除氷完了前に製氷水24を供給すると同時に、除氷水30の供給を停止するようにしたが、従来のように、ホットガスの供給を停止して除氷運転が終了する時に、除氷水30の供給を停止するようにしてもよい。
次に、実施例2に係る流下式製氷機の運転方法について説明する。なお、実施例2で使用する流下式製氷機の構成は、基本的に実施例1の構成と同じなので、異なる部分についてのみ説明する。すなわち、実施例1では、除氷用サーモ52が製氷水供給温度を検知した際に、制御手段44により循環ポンプ40を制御して製氷水24を連続的に供給するように設定されていたが、実施例2では、このときに製氷水24の供給を断続的に行なうように制御手段44が循環ポンプ40を制御するよう設定されている。そして、除氷用サーモ52が除氷完了温度を検知したときに、製氷水24の断続供給を停止し、通常の製氷運転、すなわち製氷水24を連続的に供給するように、制御手段44が循環ポンプ40を制御するよう設定されている。なお、説明中の「断続的な供給」とは、製氷水24の供給・停止を周期的または非周期的に繰り返すことを意味しており、製氷水24の供給・停止を一定の間隔で繰り返す間欠的な供給を含むものである。また、実施例2における製氷水供給温度は、実施例1での製氷水供給温度よりも低い値であり、例えば、除氷完了温度よりも25℃〜35℃程度低温に設定してある。
実施例2に係る流下式製氷機の運転方法では、図4のフローチャートに示すように、製氷が完了した際には、前記制御手段44が前記循環ポンプ40を停止させて、製氷水散水管34からの製氷水24の供給を停止させると共に、前記ホットガス弁HVを開放することで蒸発管14への冷媒の供給を停止させて、製氷運転を終了する(S8)。
そして、前記制御手段44は、前記給水バルブ46を開放し、除氷水散水管36から除氷水30を製氷板12,12の裏面28,28に供給すると共に、前記ホットガス弁HVの開放により蒸発管14にホットガスが供給されて、除氷運転が開始される(S9)。すなわち、図5のタイミングチャートに示すように、製氷運転から除氷運転へ切換わる際には、冷媒および製氷水24の供給を停止(OFF)すると同時に、ホットガスおよび除氷水30の供給を開始(ON)する。この除氷運転の開始により、製氷面32に氷結していた氷16の氷結面は、ホットガスおよび除氷水30の供給によって融解を始める。
除氷運転により氷16の製氷面32との氷結面の融解が進行するにつれて、蒸発管14の出口側でのホットガスの温度は次第に上昇する。そして、除氷運転の開始から所要時間経過したところで、前記除氷用サーモ52が製氷水供給温度を検知する(S10)。
前記除氷用サーモ52が製氷水供給温度を検知すると、前記制御手段44は、製氷水24を製氷水散水管34へ断続的に圧送するよう循環ポンプ40を制御して、製氷水24の断続供給を開始する(製氷水断続供給開始:S11)。すなわち、実施例2の制御手段44は、製氷水24を断続的に供給するようプログラムされており、図5に示すように、製氷水24の供給・停止を一定間隔で繰り返すよう循環ポンプ40を作動制御する。具体的には、製氷水供給温度を検知すると、製氷水24を製氷面32へ、例えば5秒間供給した後に5秒間停止するというサイクルを繰り返して、製氷水24の断続供給がなされる。なお、製氷水24の供給・停止の間隔は、5秒〜10秒程度が好適であるが、これに限られるものではない。また、製氷水24の供給・停止を、必ずしも実施例2の如く一定間隔で行なう必要はなく、例えば、製氷水24の供給時間だけを長く設定したり、その逆であっもよい。更に、前記除氷用サーモ52が検知する温度に応じて製氷水24の供給・停止時間を自動的に変更し、除氷の進行状況に合わせた製氷水24の断続供給を行なうようにしてもよい。
すなわち実施例2の運転方法は、除氷時に製氷水24を断続的に供給することで、前記製氷板12との融解がある程度進行した氷16と製氷板12との氷結面の融解が更に促進されると共に、該製氷水24の断続的な水流によって氷16は製氷板12から完全に剥離して、従来問題となっていた2重製氷を防止することができ、半球状の良質な氷16を得ることができる。また、実施例1の連続供給の場合に比べて製氷水24による氷16の融解が抑えられるので、除氷運転中の比較的早い段階で製氷水24の供給を行ない得る。従って、連続供給の場合よりも更に除氷効率が上昇するので、除氷時間の短縮が可能となって製氷能力を更に向上し得る。更に、除氷運転時における製氷水24の供給を断続的にすることで、該製氷水24が貯氷庫18内へ飛散する量を少なくすることができる。
ここで、前記製氷水供給温度については、実施例1と同様に、流下式製氷機10の製氷能力や設置場所等によって、適宜好適な値に設定すればよい。すなわち、除氷運転時における製氷水24の断続供給を開始するタイミングは、適宜変更可能である。しかしながら、製氷水供給温度を除氷完了温度よりも大幅に低く設定した場合、氷16と製氷板12との融解がほとんど進行していない状態で製氷水24を供給することとなり、除氷完了までに要する製氷水24の供給量が増大してしまうので、好ましくは、該除氷完了温度よりも30℃程度低く設定するのがよい。
除氷が更に進行し、製氷板12から全ての氷16が完全に剥離すると、前記ホットガスの温度が急激に上昇し、前記除氷用サーモ52は除氷完了温度を検知する(S12)。このとき前記制御手段44は、製氷水24の断続供給を終了させる(S13)と共に、該製氷水24を製氷面32に連続的に供給する通常運転に切り替える。これと同時に、前記制御手段44は、ホットガス弁HVを閉成してホットガスの蒸発管14への供給を停止させると共に、給水バルブ46を閉成して除氷水30の供給を停止させて(S14)、除氷運転を終了する(S15)。
なお、実施例2に係る流下式製氷機10の運転方法では、図5に示すように、除氷完了時に除氷水30の供給を停止するようにしたが、実施例1のように製氷水24の断続供給を開始すると同時に除氷水30の供給を停止するようにしてもよい。
また、実施例1および2では、除氷完了検知手段と製氷水供給開始検知手段を除氷用サーモで兼用させたが、別々の温度センサ等を用いてもよい。更に、製氷水供給開始検知手段としては、除氷運転が開始されたときからカウントを始めるタイマを採用でき、該タイマに設定された製氷水供給開始時間(製氷水供給開始条件)に至ったときに、製氷水の連続供給または断続供給を開始させるようにすればよい。なお、この場合の製氷水供給開始時間は、除氷完了に要する時間より短かく設定される。またタイマを用いる場合の除氷完了検知手段としては、温度センサ(除氷用サーモ)や除氷完了時間を計時するタイマを用いることができる。
製氷部の構成は、実施例1および2に限定されるものでなく、一枚の製氷板の裏面に蒸発管が蛇行配置されるものであってもよく、また製氷板は傾めに配置されているものであってもよい。更に、除氷完了検知手段として除氷用サーモを用いる場合に、該サーモにより温度検知する対象は、ホットガスに限定されるものでなく、除氷運転の完了により温度変化する製氷板自体の温度を検知するものであってもよい。
実施例1に係る流下式製氷機を示す概略構成図である。 実施例1に係る流下式製氷機の運転方法を示したフローチャート図である。 実施例1に係る流下式製氷機の運転サイクルを示すタイミングチャート図である。 実施例2に係る流下式製氷機の運転方法を示したフローチャート図である。 実施例2に係る流下式製氷機の運転サイクルを示すタイミングチャート図である。 従来の流下式製氷機の運転サイクルを示すタイミングチャート図である。
符号の説明
12 製氷板,14 蒸発管(蒸発器),16 氷,24 製氷水,28 裏面
30 除氷水,32 製氷面(表面),40 循環ポンプ(製氷水供給手段)
44 制御手段,46 給水バルブ(除氷水供給手段)
52 除氷用サーモ(除氷完了検知手段,製氷水供給開始検知手段)

Claims (4)

  1. 製氷運転に際して製氷板(12)の表面(32)に製氷水供給手段(40)により製氷水(24)を供給すると共に、その裏面(28)に蛇行配置された蒸発器(14)に冷媒を供給し、製氷板(12)の表面(32)に氷(16)が生成されたことを検知して除氷運転に移行したときに、製氷板(12)の表面(32)への製氷水(24)の供給を停止すると共に、蒸発器(14)への冷媒の供給を停止した後、製氷板(12)の裏面(28)に除氷水(30)を供給して氷(16)の製氷板(12)からの融解剥離を促進させる流下式製氷機の運転方法において、
    前記除氷運転の終了前に、前記製氷板(12)の表面(32)に製氷水(24)を供給するように前記製氷水供給手段(40)を制御手段(44)で制御し、該製氷水(24)により表面(32)に残留している氷(16)を剥離するようにした
    ことを特徴とする流下式製氷機の運転方法。
  2. 除氷運転の完了を検知する除氷完了検知手段(52)が除氷完了を検知する前に、予め設定された製氷水供給開始条件を製氷水供給開始検知手段(52)が検知したときに、前記制御手段(44)が製氷水供給手段(40)を制御して製氷水(24)の供給を開始するようにした請求項1記載の流下式製氷機の運転方法。
  3. 前記除氷運転の終了前に前記表面(32)に製氷水(24)を供給する場合は、前記制御手段(44)が製氷水供給手段(40)を制御して製氷水(24)の供給を断続的に行なうようにした請求項1または2記載の流下式製氷機の運転方法。
  4. 前記除氷運転の終了前に前記製氷板(12)の表面(32)への製氷水(24)の供給を開始したときに、前記除氷水(30)を供給する除氷水供給手段(46)を前記制御手段(44)で制御して、製氷板(12)の裏面(28)への除氷水(30)の供給を停止するようにした請求項1〜3の何れかに記載の流下式製氷機の運転方法。
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