JP2014015991A - 磁気歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】環状パッキンを用いずに入力側と出力側の2つの領域を確実に遮断することができる磁気歯車装置を提供する。
【解決手段】磁気歯車装置1は、外歯車5と、内歯車6と、第1の回転軸3と、第2の回転軸4と、ケース2とを備える。外歯車5は、外側筒31と、外側筒31の内周部に取り付けられた複数の外側磁石片32とを有する。内歯車6は、外歯車5の筒孔に配置された内側筒41と、内側筒41の外周部に取り付けられた複数の内側磁石片42とを有する。第1の回転軸3は、内側筒41に接続されており、第2の回転軸4は、外側筒31に接続されている。ケース2は、内歯車6が配置される第1収納室18と、外歯車5が配置される第2収納室19とを遮断して区画する。そして、ケース2は、内側磁石片42と外側磁石片32との間に配置されるステータ部13を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気引力または斥力を利用して動力を伝達する磁気歯車装置に関するものである。
歯車は、トルクなどの動力を伝達する機械要素である。一般的な歯車は、原動側の歯と従動側の歯が接触することで動力を伝達するため、原動側の歯と従動側の歯との間に摩擦が生じる。したがって、原動側の歯と従動側の歯との間には、潤滑剤が必要になる。また、原動側の歯と従動側の歯との接触による騒音も発生する。そこで、近年、歯の接触の無い磁気歯車が開発されている。磁気歯車は、非接触でトルクを伝達するため、潤滑剤を必要とせず、且つ、無騒音で駆動させることができる。
一方、ロボットや複写機等に用いられる減速機構には、過大なトルクが作用したときにそのトルクを遮断(動力伝達を遮断)するトルクリミッタ機能を有するものが要求されている。磁気歯車は、トルクリミッタ機能を有するため、簡単な構造でトルクリミッタ機能を備えた減速機構を構成することができる。
磁気歯車装置としては、例えば、非特許文献1に記載されているものがある。この非特許文献1に記載された磁気歯車装置は、円筒状のハイスピードロータ及びロースピードロータを有しており、ハイスピードロータの外周面が、ロースピードロータの内周面に対向している。そして、ハイスピードロータの外周面に取り付けた磁石片とロースピードロータの内周面に取り付けた磁石片との間に生じる磁気引力を利用して、ハイスピードロータの動力をロースピードロータに伝達する。
また、ハイスピードロータの外周面に取り付けた磁石片とロースピードロータの内周面に取り付けた磁石片との間には、磁石片の磁束を通す複数の鉄片(磁性歯部)が配置されている。
K.Atallah and D.Howe,「A Novel High−Performance Magnetic Gear」,IEEE Transactions on Magnetics,JULY 2001,Vol.37. No.4,p.2844−2846
しかしながら、非特許文献1に記載された磁気歯車装置では、ハイスピードロータが配置される入力側と、ロースピードロータが配置される出力側の2つの領域を遮断するものではなかった。つまり、入力側と出力側の2つの領域が各ロータの軸と軸受との間を介して連通しており、一方の領域から他方の領域へ気体や液体が侵入してしまう。
一方の領域から他方の領域へ気体や液体が侵入することを防ぐには、例えば、ロータの軸と軸受との間に環状パッキンを介在させて、入力側と出力側の2つの領域を遮断することが考えられる。しかし、この場合は、環状パッキンとロータの軸との間に潤滑剤を介在させるため、潤滑剤が入力側又は出力側の領域に漏れてしまうことがある。
また、環状パッキンによる気密性及び液密性は、環状パッキンに加える圧力により変化する。しかし、環状パッキンの耐圧には限界があるため、入力側の領域と出力側の領域との間で気体や液体が出入りする可能性がある。
さらに、長期間の使用によって環状パッキンが劣化するため、メンテナンスが必要になる。また、ロータの軸と軸受で環状パッキンを押圧するため、ロータの軸と軸受との間に摩擦抵抗が生じて、ロータの回転損失が大きくなる。
本発明は、このような従来技術に鑑みてなされたものであり、環状パッキンを用いずに入力側と出力側の2つの領域を確実に遮断することができる磁気歯車装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明の磁気歯車装置は、外歯車と、内歯車と、第1の回転軸と、第2の回転軸と、ケースとを備えている。
外歯車は、円形の筒孔を有する外側筒と、外側筒の内周部に取り付けられた複数の外側磁石片とを有している。
内歯車は、外歯車の筒孔に配置され、円形の外周部を有する内側筒と、内側筒の外周部に取り付けられた複数の内側磁石片とを有している。
第1の回転軸は、内側筒に接続されており、内側筒と同軸である。
第2の回転軸は、外側筒に接続されており、外側筒と同軸である。
ケースは、内歯車が配置される第1収納室と、外歯車が配置される第2収納室とを遮断して区画する。そして、内側磁石片と外側磁石片との間に配置されるステータ部を有する。
上記構成の磁気歯車装置におけるケースは、内歯車が配置される第1収納室と、外歯車が配置される第2収納室とを遮断して区画する。そして、第1の回転軸の回転は、ケースのステータ部を介して対向する内歯車と外歯車を介して第2の回転軸に伝達される。
これにより、内歯車及び第1の回転軸が配置される側(例えば、入力側)と、外歯車及び第2の回転軸が配置される側(例えば、出力側)との間で気体や液体が出入りすることを防止することができる。
本発明の磁気歯車装置によれば、環状パッキンを用いずに入力側と出力側の2つの領域を確実に遮断することができる。
本発明の磁気歯車装置の一実施形態を示す断面図である。 図1に示すA−A線に沿う断面図である。 本発明の磁気歯車装置の一実施形態に係る内歯車の分解斜視図である。 本発明の磁気歯車装置の一実施形態に係るステータ部の斜視図である。 図4に示すB−B線に沿う断面図である。 図4に示すC−C線に沿う断面図である。 図7Aは本発明の磁気歯車装置の一実施形態に係るステータ部を製造する際に用いる磁性部材の平面図、図7Bは図7Aに示す磁性部材を積層して形成された磁性歯部品を示す側面図、図7Cは図7Bに示す磁性歯部品と合成樹脂を一体成形して補強部及び被覆部を形成した状態を示す側面図である。 本発明の磁気歯車装置の一実施形態に係る内歯車における所定の内側磁石片の中央部がステータ部における所定の磁性歯部の中央部に内歯車の径方向で一致した状態の説明図である。 図8に示す状態から第1の回転軸を回転させた状態を示す説明図である。 図9に示す状態から第1の回転軸を回転させた状態を示す説明図である。 図10に示す状態から第1の回転軸を回転させた状態を示す説明図である。 図11に示す状態から第1の回転軸を回転させた状態を示す説明図である。
以下、本発明の磁気歯車装置を実施するための形態について、図1〜図12を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
1.磁気歯車装置の構成
まず、本発明の磁気歯車装置の一実施形態の構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の磁気歯車装置の一実施形態の断面図である。
図1に示すように、磁気歯車装置1は、ケース2と、第1の回転軸3と、第2の回転軸4と、外歯車5と、内歯車6とを備えている。外歯車5は、第2の回転軸4に固定され、内歯車6は、第1の回転軸3に固定されている。
ケース2は、中空部を有する箱状のケース本体11と、ケース本体11の内部に配置された軸支持部12及びステータ部13とを有している。ケース本体11は、両端が開口された円筒状の筒部14と、筒部14の一方の開口を塞ぐ第1蓋部15と、筒部14の他方の開口を塞ぐ第2蓋部16から構成されている。
ケース本体11の第1蓋部15は、適当な厚みを有する板状に形成されており、筒部14の軸方向に略直交する平面を有している。この第1蓋部15は、筒部14の内側に嵌合され、筒部14と接合されている。また、第1蓋部15は、筒部14の外周面よりも突出する鍔片15aを有している。この鍔片15aは、磁気歯車装置1の設置部(不図示)に、ねじなどの固定部材を用いて固定される。
さらに、第1蓋部15には、第1の回転軸3が貫通する貫通孔が設けられている。第1蓋部15の貫通孔には、軸受21が配置されている。この軸受21は、第1蓋部15に固定されており、第1の回転軸3を回転可能に支持する。
ケース本体11の第2蓋部16は、適当な厚みを有する板状に形成されており、筒部14の軸方向に略直交する平面を有している。この第2蓋部16は、筒部14の内側に嵌合され、筒部14と接合されている。
また、第2蓋部16には、第2の回転軸4が貫通する貫通孔が設けられている。第2蓋部16の貫通孔には、軸受22が配置されている。この軸受22は、第2蓋部16に固定されており、第2の回転軸4を回転可能に支持する。
軸支持部12は、筒部14の内部において第1蓋部15と第2蓋部16の中間部よりも第2蓋部16側に配置されている。この軸支持部12は、適当な厚みを有する円板状に形成されており、第1蓋部15に対向する第1平面12aと、第2蓋部16に対向する第2平面12bとを有している。
軸支持部12の第1平面12a及び第2平面12bには、それぞれ凹部が設けられている。第1平面12aの凹部には、軸受23が配置されている。この軸受23は、軸支持部12に固定されており、第1の回転軸3を回転可能に支持する。また、第2平面12bの凹部には、軸受24が配置されている。この軸受24は、軸支持部12に固定されており、第2の回転軸4を回転可能に支持する。
ステータ部13は、略円筒状に形成されている。このステータ部13の一端部は、第1蓋部15の一方の平面(内面)に液密又は気密に接合されている。また、ステータ部13の他端部は、軸支持部12に嵌合され、軸支持部12と液密又は気密に接合されている。
軸支持部12とステータ部13は、ケース本体11の内部空間を第1収納室18と、第2収納室19に区画する。これら第1収納室18と第2収納室19は、互いに液密又は気密に遮断されている。
第1収納室18は、軸支持部12、ステータ部13及び第1蓋部15に囲まれた空間であり、第2収納室19は、軸支持部12、ステータ部13、筒部14及び第2蓋部16に囲まれた空間である。第1収納室18には内歯車6が配置され、第2収納室19には外歯車5が配置されている。そして、第1収納室18に配置された内歯車6と、第2収納室19に配置された外歯車5との間には、ステータ部13が介在されている。
ケース本体11(筒部14、第1蓋部15及び第2蓋部16)と、軸支持部12は、防錆および磁束漏れを防止のため、腐食に強い非磁性材料によって形成することが望ましい。これらケース本体11及び軸支持部12の材料としては、例えば、オーステナイト系ステンレス、アルミニウム、銅等の金属、又は合成樹脂を挙げることができる。
なお、ステータ部13の材料及び構成については、後で図4〜図6を参照して説明する。
第1の回転軸3及び第2の回転軸4は、防錆および磁束漏れを防止のため、ケース本体11及び軸支持部12と同様に、腐食に強い非磁性材料から形成することが望ましい。第1の回転軸3の軸心及び第2の回転軸4の軸心は、第1蓋部15と第2蓋部16が対向する方向と平行であって、互いに一致している。
第1の回転軸3は、ケース2の第1蓋部15を貫通しており、内歯車6に連結されている。この第1の回転軸3は、内歯車6と同軸に配置されている。そして、第1の回転軸3は、軸受21,23によって第1蓋部15と軸支持部12に回転可能に取り付けられている。
第2の回転軸4は、第1軸部4aと、第1軸部4aの先端に設けられた円板部4bと、円板部4bの第1軸部4aと反対側に設けられた第2軸部4cから構成されている。第1軸部4aは、第2蓋部16を貫通しており、軸受22によって第2蓋部16に回転可能に取り付けられている。この第1軸部4aには、第2の回転軸4に連結する部材が嵌合する嵌合穴4dが形成されている。
第2の回転軸4の円板部4bには、外歯車5が連結されており、第2の回転軸4は、外歯車5と同軸に配設されている。また、第2軸部4cの軸心は、第1軸部4aの軸心と一致している。この第2軸部4cは、軸受24によって軸支持部12に回転可能に取り付けられている。
軸受21,22,23及び24は、それぞれ転動体21a,22a,23a及び24aを有する転がり軸受(ボールベアリング)である。第1の回転軸3を回転可能に支持する軸受21,23は、潤滑剤を用いた金属製の軸受を適用することが好ましい。この金属製の軸受は、第1の回転軸3の高速回転に耐える強度を有する。
一方、第2の回転軸4を回転可能に支持する軸受22,24は、潤滑剤を使用しない樹脂製やセラミック製の軸受を適用することが好ましい。これにより、オイルミストの発生を防止して、第2の回転軸4及び外歯車5が配置される側の領域を清潔な空間にすることができる。
また、樹脂製やセラミック製の軸受は、金属製の軸受よりも強度が低くて高速回転に適していない。しかし、第2の回転軸4は、第1の回転軸3よりも回転速度が遅いため、第2の回転軸4を支持する軸受22,24を樹脂製やセラミック製にすることが可能である。第1の回転軸3の回転速度としては、例えば、1500〜3000rpmとすることができ、第2の回転軸4の回転速度としては、例えば、300〜600rpmとすることができる。
なお、本発明に係る軸受は、転がり軸受に限定されるものではなく、例えば、すべり軸受、流体軸受等を適用することもできる。
[外歯車]
次に、外歯車5の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図2は、図1に示すA−A線に沿う断面図である。なお、図2では、ケース2の筒部14を省略している。
外歯車5は、第2の回転軸4の円板部4bに固定された外側筒31と、外側筒31の内周部に取り付けられた複数の外側磁石片32から構成されている。
外側筒31は、円形の筒孔31aを有している。この外側筒31は、例えば、電磁鋼板、電磁軟鉄などの磁性材料からなる複数の板状部材を積層することにより形成されている。なお、磁性材料からなる複数の板状部材は、カシメ、溶接、接着剤などの固着方法により固着されて一体に形成されている。
このように、磁性材料からなる複数の板状部材を積層して外側筒31を形成すると、重なり合う板状部材間の微細な間隙が抵抗になり、外側筒31の軸方向に流れる渦電流を遮断することができる。そのため、外側筒31は、磁性材料からなる複数の板状部材を積層して形成することが好ましい。なお、渦電流の遮断をより確実にするために、重なり合う板状部材間に電流絶縁材あるいは電流絶縁塗膜を介在させてもよい。
複数の外側磁石片32は、複数の外側磁石片32A,32Bから構成されている。複数の外側磁石片32A,32Bは、それぞれ筒孔31aの軸方向に細長い略棒状に形成された永久磁石である。これら複数の外側磁石片32A,32Bは、筒孔31aの径方向に磁化されている。
外側磁石片32Aと外側磁石片32Bは、筒孔31aの周方向に交互に並べられている。外側磁石片32Aは、外側筒31側がS極であり、ステータ部13の後述する磁性歯部55側がN極である。一方、外側磁石片32Bは、外側筒31側がN極であり、ステータ部13の後述する磁性歯部55側がS極である。したがって、複数の外側磁石片32A,32Bは、異なる磁極が筒孔31aの周方向に隣り合うように並べられている。
本実施の形態では、複数の外側磁石片32A,32Bを磁性材料からなる外側筒31に貼り付けることにより、外側筒31の磁気モーメントを揃えて、大きな表面磁束密度を得ることができる。また、複数の外側磁石片32A,32Bは、磁気吸引力によって外側筒31の内周部に吸着させることができるため、複数の外側磁石片32A,32Bを外側筒31の内周部に簡単に取りつけることができる。
[内歯車]
次に、内歯車6について図2及び図3を参照して説明する。
図3は、内歯車6の分解斜視図である。
図2に示すように、内歯車6は、外歯車5の筒孔31a内であって、第1収納室18内に配置されている。この内歯車6は、円形の外周部を有する内側筒41と、内側筒41の外周部に取り付けられた複数の内側磁石片42から構成されている。
図3に示すように、内側筒41は、第1の回転軸3が嵌合される円形の筒孔41aを有する円筒状に形成されている。この内側筒41は、例えば、電磁鋼板、電磁軟鉄などの磁性材料からなる複数の板状のリング部材41Aを積層することにより形成されている。複数のリング部材41は、カシメ、溶接、接着剤などの固着方法により固着されて一体成形されている。このように、磁性材料からなる複数のリング部材41Aを積層して内側筒41を形成することにより、内側筒41の軸方向に流れる渦電流を遮断することができる。そのため、内側筒41は、磁性材料からなる複数のリング部材41Aを積層して形成することが好ましい。
複数の内側磁石片42は、それぞれ内側筒41(筒孔41a)の軸方向に長い略長方形の板状に形成された永久磁石である。これら複数の内側磁石片42は、内側筒41(筒孔41a)の径方向に磁化されている。そして、複数の内側磁石片42は、磁化された方向が互いに反対である複数の内側磁石片42A,42Bから構成されている。
図2に示すように、内側磁石片42Aと内側磁石片42Bは、内側筒41の周方向に交互に並べられている。内側磁石片42Aは、内側筒41側がN極であり、ステータ部13の後述する磁性歯部55側ががS極である。一方、内側磁石片42Bは、内側筒41側がS極であり、ステータ部13の後述する磁性歯部55側がN極である。したがって、複数の内側磁石片42A,42Bは、異なる磁極が内側筒41(筒孔41a)の周方向に隣り合うように並べられている。
[ステータ部]
次に、ステータ部13について図4〜図6を参照して説明する。
図4は、ステータ部13の斜視図である。図5は、図4に示すB−B線に沿う断面図である。図6は、図5に示すC−C線に沿う断面図である。
図4及び図5に示すように、ステータ部13は、円筒状に形成されている。このステータ部13は、円筒体であるステータ本体51と、このステータ本体51の軸方向の一端部に連続する蓋部側接合部52と、ステータ本体51の軸方向の他端部に連続する支持部側接合部53とを備えている。
ステータ本体51は、外歯車5の外側磁石片32A,32Bと、内歯車6の内側磁石片42A,42Bとの間に配置される(図1参照)。このステータ本体51は、第1の回転軸3の周方向に沿って所定の間隔をあけて配置された複数の磁性歯部55と、複数の磁性歯部55の間を埋めた補強部56と、磁性歯部55の外側磁石片32A,32Bに対向する面を覆う被覆部57とを有している。
複数の磁性歯部55は、ステータ本体51の軸方向に延びる略棒状に形成されている。つまり、複数の磁性歯部55は、第1の回転軸3及び第2の回転軸4と平行な方向に延びる棒状に形成されている。そして、各磁性歯部55は、ステータ本体51の軸方向(第1の回転軸3及び第2の回転軸4と平行な方向)に複数の磁性片63を積層することにより形成されている。この磁性片63の材料としては、例えば、電磁鋼板を挙げることができる。
後述するように、本実施の形態の磁気歯車装置1では、外歯車5と内歯車6が互いに反対方向に回転する。したがって、ステータ本体51の磁性歯部を連続した1本の棒状に形成すると、磁性歯部の中で渦電流が発生する。そして、磁性歯部に渦電流が発生すると、レンツの法則により外歯車5及び内歯車6の回転に抗する電磁ブレーキが生じてトルク損失となる。
そこで、本実施の形態では、磁性歯部55を複数の磁性片63を積層して形成し、渦電流を遮断している。
図6に示すように、各磁性歯部55は、隣り合う磁性歯部55に対向する面に凹部59を有している。この凹部59は、磁性歯部55の長手方向(ステータ本体51の軸方向)に延びる溝状に形成されている。
補強部56及び被覆部57は、非磁性材料によって一体に形成されている。本実施の形態では、複数の磁性片63を積層することで磁性歯部55を形成しているため、複数の磁性片63間には、僅かな間隙が形成されている。そこで、磁性歯部55の外側磁石片32A,32B(図1参照)に対向する面を被覆部57で覆うことにより、ステータ本体51の内側の空間と外側の空間を遮断する。その結果、第1収納室18と第2収納室19(図1参照)は、互いに液密又は気密に区画される。
なお、磁性歯部55の内側磁石片42A,42Bに対向する面は、非磁性材料によって覆われずに露出されている。しかし、本発明に係るステータ部としては、磁性歯部の内側磁石片に対向する面を非磁性材料によって覆ってもよい。
本実施の形態では、磁性歯部55に凹部59を形成している。そのため、磁性歯部55がステータ部12の径方向にずれて補強部56から外れないようにすることができる。
図5に示すように、蓋部側接合部52は、ステータ本体51と同軸の円筒状に形成されている。蓋部側接合部52の外径は、ステータ本体51の外径と略等しく設定されており、内径は、ステータ本体51の内径よりも小さく設定されている。この蓋部側接合部52は、ケース2の第1蓋部15と液密又は気密に接合されている(図1参照)。
支持部側接合部53は、蓋部側接合部52と同様に、ステータ本体51と同軸の円筒状に形成されている。支持部側接合部53の外径及び内径は、ステータ本体51の外径及び内径と略等しく設定されている。この支持部側接合部53は、ケース2の軸支持部12と液密又は気密に接合されている(図1参照)。
本実施の形態では、蓋部側接合部52を第1蓋部15に接着剤を用いて接合し、支持部側接合部53を軸支持部12と一体成形している。なお、支持部側接合部53は、接着剤を用いて軸支持部12に接合してもよい。また、蓋部側接合部52を第1蓋部15と一体成形してもよい。
また、蓋部側接合部52と第1蓋部15の接合及び支持部側接合部53と軸支持部12の接合は、接着剤を用いることに限定されず、両者を液密又は気密に接合するその他の方法を用いてもよい。その他の方法としては、例えば、一方に雄ねじ部を設け、他方に雌ねじ部を設けて両者をねじ結合する方法や、両者をテーパ嵌合させる方法を挙げることができる。
蓋部側接合部52及び支持部側接合部53は、ステータ本体の補強部56及び被覆部57と同様に非磁性材料によって形成されており、補強部56及び被覆部57と共に磁性歯部55を固定する。これら蓋部側接合部52、支持部側接合部53、補強部56及び被覆部57の材料としては、合成樹脂が好ましい。これにより、ステータ部13を樹脂と金属の一体成形で簡単に製造することができる。
[ステータ部の製造方法]
次に、ステータ部13の製造方法について、図7を参照して説明する。
図7Aは、ステータ部13を製造する際に用いる磁性部材の平面図である。図7Bは、磁性部材を積層して形成された磁性歯部品を示す側面図である。図7Cは、磁性歯部品と合成樹脂を一体成形して補強部及び被覆部を形成した状態を示す側面図である。
まず、磁性歯部55を形成する磁性部材61について説明する。
図7Aに示すように、磁性部材61は、例えば、電磁鋼板、電磁軟鉄などの磁性材料からなり、中央部に円形の貫通孔を有する円環状に形成されている。
磁性部材61は、円環状の連結片62と、連結片62の外周部に連続する複数の磁性片63とを有している。複数の磁性片63は、それぞれ連結片62の径方向の外側に突出しており、連結片62の周方向に所定の間隔をあけて配置されている。各磁性片63は、略長方形の板状に形成されており、一方の短辺が連結片62に連続している。各磁性片63の2つの長辺には、それぞれ切欠き63aが形成されている。切欠き63aは、略半円状に形成されている。なお、本発明に係る磁性片の切欠きは、略半円状に限定されず、三角形や四角形など任意の形状にすることができる。
次に、ステータ部13の製造工程について説明する。
ステータ部13を製造するには、まず、上述した磁性部材61を軸方向に積層し、数点をカシメ、溶接、接着剤などの固着方法により固着して一体に仮形成する。これにより、図7Bに示す磁性歯部品65が組み立てられる。磁性歯部品65では、複数の磁性片63が磁性部材61の軸方向に積み重なって磁性歯部55を形成し、複数の切欠き63aが磁性部材61の軸方向に積み重なって凹部59を形成する。
続いて、金属製の磁性歯部品65と非磁性材料である合成樹脂とを不図示の型を用いて一体成形する。その結果、図7Cに示すように、蓋部側接合部52、支持部側接合部53、補強部56(図6参照)及び被覆部57が形成される。このとき、非磁性材料である合成樹脂が磁性歯部55の凹部59に入り込んで補強部56の一部を形成する。そのため、磁性歯部55と補強部56との結合を強固にすることができ、磁性歯部55が補強部56から外れないようにすることができる。
なお、本実施の形態では、蓋部側接合部52、支持部側接合部53、補強部56(図6参照)及び被覆部57と一緒に、軸支持部12を一体成形する。
その後、連結片62を切削する。これにより、複数の磁性歯部55がそれぞれ独立して設けられた状態になり、円筒状のステータ部13が完成する。
本実施の形態では、渦電流を遮断するために、複数の磁性片63を積層して磁性歯部55を形成する。本実施の形態では、複数の磁性片63と連結片62からなる磁性部材61を積層して複数の磁性歯部55を形成した。これにより、円状に並ぶ複数の磁性歯部55を効率良く形成することができる。
一方、磁性歯部55が連結片62によって一体に繋がっていると、磁性歯部全体に磁束が通ることになる。また、磁極の固有振動数を歯車の回転数の数倍にするためには、ステータ部13の磁性歯部55に剛性が必要となる。そのため、ステータ部13の磁性歯部55は、剛性があり、且つ、独立して形成されていることが好ましい。
そこで、本実施の形態では、隣り合う磁性歯部55間を補強部56で埋めて磁性歯部55の剛性を高めた。これにより、磁性歯部55の変形を防止することができる。
また、連結片62を切削して複数の磁性歯部55を独立して形成した。これにより、磁性歯部55の長手方向に流れる渦電流が遮断され、トルク損失を軽減することができる。
なお、本実施の形態では、磁性歯部55の材料として、電磁鋼板を採用したが、本発明に係る磁性歯部は、これに限定されない。本発明に係る磁性歯部としては、例えば圧粉磁心を用いてもよい。圧粉磁心は、鉄粉同士が絶縁されているため、電気抵抗が高い。
圧粉磁心によって磁性歯部を形成した場合は、磁性歯部の電気抵抗が高くなるため、磁性歯部に渦電流が流れにくくなる。その結果、磁気歯車装置1におけるトルク損失を軽減することができる。また、圧粉磁心は安価であるため、圧粉磁心により磁性歯部を形成すると材料費のコストを低減することができる。さらに、圧粉磁心は成形性がよいため、連結片と磁性片から構成される磁性部材を容易に製造することができる。
2.磁気歯車装置の動作
次に、磁気歯車装置1の動作について図8〜図12を参照して説明する。
図8は、内歯車6における内側磁石片42Aa,42Abの中央部が、ステータ部13における磁性歯部55A,55Bの中央部に内歯車6の径方向で一致した状態の説明図である。
図8に示す状態におけるステータ部13の磁性歯部55A,55Bに注目すると、内側磁石片42Aa,42Abの中央部に対向する側がN極となり、反対側がS極となっている。そして、磁性歯部55A,55BのS極は、外歯車5の外側磁石片32Aa,32Abに対向している。
したがって、内側磁石片42Aaと磁性歯部55Aとの間、及び内側磁石片42Abと磁性歯部55Bとの間に生じる磁気吸引力は、半径方向のみならず周方向にも釣り合っている。また、磁性歯部55Aと外側磁石片32Aaとの間、及び磁性歯部55Bと外側磁石片32Abとの間に生じる磁気吸引力は、半径方向のみならず周方向にも釣り合っている。
図8に示す状態から第1の回転軸3を矢印R1方向に回転させると、第1の回転軸3と共に内歯車6が矢印R1方向に回転する。そして、内歯車6における内側磁石片42Ba,42Bbの中央部が、ステータ部13における磁性歯部55C,55Dの中央部に内歯車6の径方向で一致する。
なお、矢印R1方向は、第1の回転軸3の軸心を中心とした回転方向である。
図9は、内歯車6における内側磁石片42Ba,42Bbの中央部が、磁性歯部55C,55Dの中央部に内歯車6の径方向で一致した状態の説明図である。
内側磁石片42Ba,42Bbの中央部が、磁性歯部55C,55Dの中央部に内歯車6の径方向で一致すると、磁性歯部55C,55Dにおける内側磁石片42Ba,42Bbに対向する側がS極となり、反対側がN極となる。このとき、磁気吸引力の釣り合いが崩れ、磁性歯部55Cと外歯車5の外側磁石片32Baとの間、及び磁性歯部55Dと外側磁石片32Bbとの間に周方向の磁気吸引力が生じる。
これにより、外歯車5が矢印R2方向に回転し、外歯車5の外側磁石片32Ba,32Bbの中央部と、磁性歯部55C,55Dの中央部が外歯車5の径方向で一致する。その結果、磁気歯車装置1は、図9に示すような釣り合い状態になる。
なお、矢印R2方向は、第1の回転軸3の軸心を中心とした回転方向であり、矢印R1方向と反対の方向である。
図9に示す状態から第1の回転軸3及び内歯車6を矢印R1方向に回転させると、内歯車6の内側磁石片42Ac,42Adの中央部が、ステータ部13における磁性歯部55E,55Fの中央部に内歯車6の径方向で一致する。
図10は、内歯車6における内側磁石片42Ac,42Adの中央部が、磁性歯部55E,55Fの中央部に内歯車6の径方向で一致した状態の説明図である。
内側磁石片42Ac,42Adの中央部が、磁性歯部55E,55Fの中央部に内歯車6の径方向で一致すると、磁性歯部55E,55Fにおける内側磁石片42Ac,42Adに対向する側がN極となり、反対側がS極となる。このとき、磁気吸引力の釣り合いが崩れ、磁性歯部55Eと外歯車5の外側磁石片32Acとの間、及び磁性歯部55Fと外側磁石片32Adとの間に周方向の磁気吸引力が生じる。
これにより、外歯車5が矢印R2方向に回転し、外歯車5の外側磁石片32Ac,32Adの中央部と、磁性歯部55E,55Fの中央部が外歯車5の径方向で一致する。その結果、磁気歯車装置1は、図10に示すような釣り合い状態になる。
図10に示す状態から第1の回転軸3及び内歯車6を矢印R1方向に回転させると、内歯車6の内側磁石片42Bc,42Bdの中央部が、ステータ部13における磁性歯部55G,55Hの中央部に内歯車6の径方向で一致する。
図11は、内歯車6における内側磁石片42Bc,42Bdの中央部が、磁性歯部55G,55Hの中央部に内歯車6の径方向で一致した状態の説明図である。
内側磁石片42Bc,42Bdの中央部が、磁性歯部55G,55Hの中央部に内歯車6の径方向で一致すると、磁性歯部55G,55Hにおける内側磁石片42Bc,42Bdに対向する側がS極となり、反対側がN極となる。このとき、磁気吸引力の釣り合いが崩れ、磁性歯部55Gと外歯車5の外側磁石片32Bcとの間、及び磁性歯部55Hと外側磁石片32Bdとの間に周方向の磁気吸引力が生じる。
これにより、外歯車5が矢印R2方向に回転し、外歯車5の外側磁石片32Bc,32Bdの中央部と、磁性歯部55G,55Hの中央部が外歯車5の径方向で一致する。その結果、磁気歯車装置1は、図11に示すような釣り合い状態になる。
図11に示す状態から第1の回転軸3及び内歯車6を矢印R1方向に回転させると、内歯車6の内側磁石片42Aa,42Abの中央部が、ステータ部13における磁性歯部55I,55Jの中央部に内歯車6の径方向で一致する。
図12は、内歯車6における内側磁石片42Aa,42Abの中央部が、磁性歯部55I,55Jの中央部に内歯車6の径方向で一致した状態の説明図である。
内側磁石片42Aa,42Abの中央部が、磁性歯部55I,55Jの中央部に内歯車6の径方向で一致すると、磁性歯部55I,55Jにおける内側磁石片42Aa,42Abに対向する側がN極となり、反対側がS極となる。このとき、磁気吸引力の釣り合いが崩れ、磁性歯部55Iと外歯車5の外側磁石片32Aeとの間、及び磁性歯部55Jと外側磁石片32Afとの間に周方向の磁気吸引力が生じる。
これにより、外歯車5が矢印R2方向に回転し、外歯車5の外側磁石片32Ae,32Afの中央部と、磁性歯部55I,55Jの中央部が外歯車5の径方向で一致する。その結果、磁気歯車装置1は、図12に示すような釣り合い状態になる。
磁性歯部55I,55Jは、矢印R1方向で磁性歯部55A,55Bに隣り合う。つまり、図8に示す状態から図12に示す状態になるまでに、内側磁石片42Aa,42Ab(内歯車6)は、矢印R1方向へ磁性歯部55のピッチ角度だけ回転する。そして、外歯車5は、矢印R2方向へ磁性歯部55のピッチ角度よりも小さい角度(本例では、磁性歯部55のピッチ角度の1/5程度)だけ回転する。
本実施の形態の磁気歯車装置1では、内歯車6が配置される第1収納室18と、外歯車5が配置される第2収納室19とを遮断して区画するケース2を備えている。第1の回転軸3は、内歯車6の内側筒41に接続され、第2の回転軸4は、外歯車5の外側筒31に接続されている。そして、内歯車6の内側磁石片42A,42Bと外歯車5の外側磁石片32A,32Bは、ケース2のステータ部13を介して対向している。
第1の回転軸3及び内歯車6の回転は、ステータ部13を介して外歯車5及び第2の回転軸4に伝達される。したがって、内歯車6及び第1の回転軸3が配置される側(例えば、入力側)と、外歯車5及び第2の回転軸4が配置される側(例えば、出力側)との間で気体や液体が出入りすることを防止することができる。
また、本実施の形態の磁気歯車装置1は、第1収納室18と第2収納室19とを遮断して区画するケース2を備えているため、環状パッキンを用いる必要が無く、長時間使用しても、第1収納室18と第2収納室19との間で気体や液体が出入りすることが無い。また、外歯車5と内歯車6は非接触で回転を伝達するため、外歯車5及び内歯車6が磨耗することが無い。したがって、磁気歯車装置1は、半永久的にメンテナンスを必要としない。
また、環状パッキンを用いないため、潤滑剤を使用する必要が無く、内歯車6及び第1の回転軸3が配置される側(例えば、入力側)と、外歯車5及び第2の回転軸4が配置される側(例えば、出力側)のうちの少なくとも一方を清潔で衛生的な環境にすることができる。さらに、環状パッキンを用いる場合よりも、第1及び第2の回転軸3,4の回転損失を小さくすることができる。
また、第1収納室18と第2収納室19とを遮断するケース2が固定される部材である(回転する部分では無い)ため、第1収納室18と第2収納室19との間の気密性或いは液密性を容易に高めることができる。
また、本実施の形態の磁気歯車装置1では、外歯車5の外側筒31及び内歯車6の内側筒41を磁性材料によって形成した。これにより、複数の外側磁石片32A,32B及び複数の内側磁石片42A,42Bで外側筒31及び内側筒41の磁気モーメントを揃えて、大きな表面磁束密度を得ることができる。
しかし、磁気歯車装置1では、内歯車6から外歯車5に、又は外歯車5から内歯車6にステータ部13の磁性歯部55を介して磁場が作用する。そこで、磁気歯車装置1では、外側筒31及び内側筒41を磁性材料からなる複数の板状部材を積層することにより形成した。これにより、外側筒31及び内側筒41の軸方向に流れる渦電流を遮断して、トルク損失(渦電流損)を軽減することができる。
3.変形例
以上、本発明の磁気歯車装置の実施の形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の磁気歯車装置は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述の一実施形態では、第1の回転軸3を挟んで対向する2つの内側磁石片を1組として、各組の内側磁石片における中央部を所定の磁性歯部55の中央部に内歯車6の径方向で順番に一致させる構成とした。しかしながら、本発明の磁気歯車装置としては、内側磁石片の中央部を1つずつ順番に磁性歯部55の中央部に一致させる構成であってもよい。
また、上述の一実施形態では、磁性歯部55に凹部59を設けて、磁性歯部55がステータ部12の径方向にずれて補強部56から外れないようにした。しかし、本発明に係る磁性歯部としては、隣り合う磁性歯部に向かって突出する突部が形成されていてもよい。これにより、磁性歯部の突部が補強部に入り込むため、磁性歯部がステータ部の径方向にずれて補強部から外れないようにすることができる。
また、磁性歯部に形成する突部の形状としては、例えば、磁性歯部の長手方向に延びる突条にしてもよい。しかし、磁性歯部に形成する突部としては、突条に限定されるものではなく、形状を適宜設定できる。例えば、突起を有する磁性部材61と、突起を有していない磁性部材を交互に積層することにより磁性歯部を形成してもよい。
また、上述の一実施形態では、磁性片63を第1及び第2の回転軸3,4の軸方向に積層してステータ部13の磁性歯部55を形成した。しかしながら、本発明に係るステータ部の磁性歯部は、磁性片を積層して形成することに限定されるものではなく、1つの棒状部材から形成してもよい。
また、上述の一実施形態では、円環状の複数の磁性部材61をその軸方に積層して磁性歯部55を形成した。しかし、本発明に係る磁性歯部としては、複数の磁性部材61を周方向に徐々にずらしながらその軸方に積層して形成してもよい。この場合は、磁性歯部がステータ部の軸方向に対してスキューされる。すなわち、磁性歯部は、ステータ部の中心軸回りに回転するように捻れた形状になる。
これにより、磁気回路がステータ部の周方向にずれて配置され、磁性歯部を通る磁束の急激な変化を抑制することができる。また、ステータ部と、外歯車の外側磁石片及び内歯車の内側磁石片との引力及び斥力を小さく抑えることができる。その結果、磁気歯車装置のコギングトルクを小さくすることができる。
また、上述の一実施形態では、外側筒31及び内側筒41を円筒状に形成した。しかしながら、本発明に係る外側筒は、円形の筒孔を有していればよく、外径は三角形や四角形などの多角形にしてもよい。また、本発明に係る内側筒は、円形の外周部を有していればよく、筒孔は三角形や四角形などの多角形であってもよい。
また、上述の一実施形態では、複数の板状部材を積層することにより、外側筒31及び内側筒41を形成した。しかしながら、本発明に係る外側筒及び内側筒は、板状部材を積層して形成することに限定されず、例えば、一様な円筒部材であってもよく、また、2つ以上の筒状部材を軸方向に接合して形成してもよい。
また、上述の一実施形態では、外歯車5に外側磁石片32A,32Bを設け、内歯車6に内側磁石片42A,42Bを設ける構成とした。しかし、本発明に係る外側磁石片及び内側磁石片としては、磁束が集中する磁束収束部を有するものであってもよい。このような構成にすることにより、内歯車6と外歯車5との間に生じる磁気吸引力を増大させることができる。その結果、大きな伝達トルクを得ることができ、かつ、伝達効率を向上させることができる。
本発明は、入力側と出力側との環境を遮断することが要求される機器、例えば、薬品用機器、医用機器、食品用機器、船のスクリュー、半導体製造装置、フラットパネル製造装置等に適用できるものである。
1…磁気歯車装置、 2…ケース、 3…第1の回転軸、 4…第2の回転軸、 5…外歯車、 6…内歯車、 11…ケース本体、 12…軸支持部、 13…ステータ部、 14…筒部、 15…第1蓋部、 16…第2蓋部、 18…第1収納室、 19…第2収納室、 21,22,23,24…軸受、 31…外側筒、 31a…筒孔、 32A,32B…外側磁石片、 41…内側筒、 41a…筒孔、 42A,42B…内側磁石片、 51…ステータ本体、 52…蓋部側接合部、 53…支持部側接合部、 55…磁性歯部、 56…補強部、 57…被覆部、 59…凹部、 61…磁性部材、 62…連結片、 63…磁性片、 63a…切欠き、 65…磁性歯部品

Claims (6)

  1. 円形の筒孔を有する外側筒と、前記外側筒の内周部に取り付けられた複数の外側磁石片とを有する外歯車と、
    前記外歯車の前記筒孔に配置され、円形の外周部を有する内側筒と、前記内側筒の外周部に取り付けられた複数の内側磁石片とを有する内歯車と、
    前記内側筒に接続され、前記内側筒と同軸の第1の回転軸と、
    前記外側筒に接続され、前記外側筒と同軸の第2の回転軸と、
    前記内歯車が配置される第1収納室と、前記外歯車が配置される第2収納室とを遮断して区画するケースと、を備え、
    前記ケースは、前記内側磁石片と前記外側磁石片との間に配置されるステータ部を有する磁気歯車装置。
  2. 前記ステータ部は、
    前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸と平行な方向に複数の磁性片を積層することにより形成され、所定の間隔をあけて前記外歯車の前記外側筒と同心円状に並ぶ複数の磁性歯部と、
    前記複数の磁性歯部の間を埋めた非磁性材料からなる複数の補強部と、
    前記複数の補強部に連続して形成され、前記複数の磁性歯部の前記外側磁石片に対向する面又は前記内側磁石片に対向する面を覆った非磁性材料からなる被覆部と、
    を有する請求項1に記載の磁気歯車装置。
  3. 前記複数の磁性歯部には、隣り合う磁性歯部に対向する面に凹部が形成されている請求項1又は2に記載の磁気歯車装置。
  4. 前記複数の磁性歯部には、隣り合う磁性歯部に向かって突出する突部が形成されている請求項1又は2に記載の磁気歯車装置。
  5. 前記ケースは、
    箱状のケース本体と、
    前記ケース本体の内部に配置され、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸を回転可能に支持する軸支持部と、
    前記軸支持部と共に前記ケース本体の内部を前記第1収納室と前記第2収納室に区画する前記ステータ部と、
    を有する請求項1〜4のいずれかに記載の磁気歯車装置。
  6. ケース本体は、
    両端が開口された筒部と、
    前記筒部の一方の開口を塞ぎ、前記第1の回転軸が貫通する第1蓋部と、
    前記筒部の他方の開口を塞ぎ、前記第2の回転軸が貫通する第2蓋部と、
    を有する請求項5に記載の磁気歯車装置。
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