JP2014015809A - 鋼矢板の継手部止水工法及び流出防止金物 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価な材料を用いて簡易に作業を行うことができると共に、締切壁の止水性を容易に向上させることのできる鋼矢板の継手部止水工法を提供する。
【解決手段】水底面に向けて打設される多数の鋼矢板11を連設配置して、工事施工区画21の周囲に形成された締切壁10の内部の水をポンプアップすることにより、工事施工区画21を締切作業空間22とする際に、各隣接する鋼矢板11の継手部12から周囲の水が締切作業空間22に流入するのを抑制する継手部止水工法であって、継手部12と近接する部分の締切壁10の外側の水中に目詰材を投入し、締切作業空間22と外側の水面との水頭差によって継手部12の隙間を介して締切作業空間22に流入する水の流れに乗せて、投入した目詰材を継手部12の隙間に引き込むことにより、当該隙間を目詰材によって目詰リさせて、締切作業空間22に流入する漏水の水量を抑制する。
【選択図】図2

Description

本発明は、鋼矢板の継手部止水工法及び流出防止金物に関し、特に締切壁を構成する各隣接する鋼矢板の継手部から周囲の水が締切作業空間に流入するのを抑制する鋼矢板の継手部止水工法及び該工法に用いる流出防止金物に関する。
例えば河川の護岸工事を行う際や、河川に橋脚等を構築する工事を行う際には、河川の一部を工事施工区画として締切壁によって締め切った後に、山留め支保工等を施しながら内部の水をポンプアップして排除することにより、河川に区画形成された工事施工区画を、作業員が立ち入り可能な締切作業空間とする仮設工事を行うのが一般的である。河川に形成した工事施工区画を締切作業空間とする仮設工事では、好ましくはU形やハット形の鋼矢板を用いて、これらの端部のセクション部分を互いに噛み合わせることで継手部を形成しながら、例えばバイブロハンマーを用いて、水面から水底面に向けて多数の鋼矢板を順次打設すると共に、これらの鋼矢板を工事施工区画の周囲を囲むように連設配置して、例えばコの字やロの字の平面形状を有するように連続する締切壁を形成する(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、締切壁によって締め切られた工事施工区画の内部の水をポンプアップする際に、締切壁の周囲の水が、水頭差によって、鋼矢板の継手部の隙間を介して締切壁の内部に流入するのを防止するために、例えば工事施工区画の水深が深くなっている場合には、締切壁を二重に形成すると共に、これらの間に中詰土砂を投入充填して、締切壁の止水性を向上させる工法が採用される。一方、締切壁を二重にすることなく、鋼矢板の継手部にシール材等を施すことによって、継手部の隙間を介して内部に流入する漏水の量が少なくなるように抑制することで止水性を向上させると共に、漏水をポンプアップして排除することにより、締切壁の内部に作業員が立ち入り可能な締切作業空間を保持させる場合もある。
特開平11−36318号公報 特開2000−328533号公報
しかしながら、上記従来の締切壁の止水性を向上させる技術によれば、締切壁を二重に形成する工法では仮設工事が大掛かりになり、締切壁を二重にすることなく継手部にシール材等を施す方法では、高価で作業に手間の掛かるシール材等を用いる必要がある。このため、安価な材料を用いて簡易に作業を行うことができると共に、締切壁の止水性を容易に向上させることを可能にする新たな技術の開発が望まれている。
本発明は、安価な材料を用いて簡易に作業を行うことができると共に、締切壁の止水性を容易に向上させることのできる鋼矢板の継手部止水工法及び該工法に用いる流出防止金物を提供することを目的とする。
本発明は、水面から水底面に向けて打設される多数の鋼矢板を連設配置することによって工事施工区画の周囲を締め切って形成された締切壁の内部の水をポンプアップすることにより、前記工事施工区画を締切作業空間とする際に、各隣接する鋼矢板の継手部から周囲の水が前記締切作業空間に流入するのを抑制する鋼矢板の継手部止水工法であって、前記継手部と近接する部分の前記締切壁の外側の水中に目詰材を投入し、前記締切作業空間と前記締切壁の外側の水面との水頭差によって前記継手部の隙間を介して前記締切作業空間に流入する水の流れに乗せて、投入した前記目詰材を前記継手部の隙間に引き込むことにより、当該隙間を前記目詰材によって目詰リさせて、前記締切作業空間に流入する漏水の水量を抑制する鋼矢板の継手部止水工法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明の鋼矢板の継手部止水工法は、前記継手部を前記締切壁の外側から囲うようにして、前記継手部と近接する部分の水中に流出防止金物を設置し、該流出防止金物によって囲まれる部分の水中に、前記目詰材を投入することが好ましい。
また、本発明の鋼矢板の継手部止水工法は、前記目詰材が、水よりも比重の小さい粒状物、片状物、又は糸状物からなり、水よりも比重の大きな重量補助材と混合された状態で水中に投入されて沈降した後に、水中で混合状態がバラけて浮遊するものとなっていることが好ましい。
さらに、本発明の鋼矢板の継手部止水工法は、前記目詰材が、おがくずからなり、重量補助材として砂又は土と混合された状態で水中に投入されることが好ましい。
また、本発明は、上記鋼矢板の継手部止水工法に用いる流出防止金物であって、前記締切壁を構成する前記鋼矢板の外周面に沿って縦方向に配置される、水底面から前記鋼矢板の上端までの高さ以上の長さを有する一対の外側添設脚部と、該一対の外側添設脚部の添設縁部とは反対側の部分を接続して設けられた、前記継手部と間隔をおいて配置される仕切面板部と、前記一対の外側添設脚部の添設縁部との間に前記鋼矢板の肉厚よりも大きな間隔を保持した状態で、前記外側添設脚部と各々平行に配置される一対の内側添設脚部と、該一対の内側添設脚部と前記一対の外側添設脚部とをこれらの上端部において各々連結一体化する連結接合部と、上端部分に設けられた吊上げ係止部とを備える流出防止金物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の鋼矢板の継手部止水工法又は該工法に用いる流出防止金物によれば、安価な材料を用いて簡易に作業を行うことができると共に、締切壁の止水性を容易に向上させることができる。
本発明の好ましい一実施形態に係る鋼矢板の継手部止水工法が適用される締切壁を例示する略示平面図である。 鋼矢板の継手部を外側から囲うようにして流出防止金物を設置した状態を示す図1のA部拡大平面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係る鋼矢板の継手部止水工法に用いる流出防止金物の側面図である。 流出防止金物を鋼矢板の継手部と近接する部分の水中に設置する情況を説明する斜視図である。 流出防止金物を鋼矢板の継手部と近接する部分の水中に設置する情況を説明する斜視図である。
本発明の好ましい一実施形態に係る鋼矢板の継手部止水工法は、例えば図1に示すように、河川20の一部を、例えば護岸工事用の工事施工区画21として、鋼矢板11による締切壁10によって締め切った後に、山留め支保工(図示せず)等を施しながら内部の水をポンプアップして排除することにより、河川20に区画形成された工事施工区画21を作業員が立ち入り可能な締切作業空間22とする仮設工事を行う際に採用されたものである。また、本実施形態の継手部止水工法は、簡易に且つ安価に、鋼矢板11の継手部12(図2参照)の隙間から周囲の水が締切作業空間22に流入するのを抑制することで、締切壁10の止水性を向上させることにより、少ないポンプを用いて締切壁10の内部に流入した漏水を汲み上げることを可能にして、締切作業空間22を容易に保持できるようにするための止水工法として採用されたものである。
すなわち、本実施形態の継手部止水工法は、締切壁を構成する鋼矢板の継手部を止水するための従来の方法によれば、例えば締切作業空間側から行う簡易な処置として、ポリフィルム、キャンバー、水膨張ゴム、ウェス等を継手部に施す方法では、漏水の量を僅かしか低減することができず、流入した漏水を汲み上げるためのポンプや、汲み上げた漏水を処理するための処理設備の能力を増強する必要があったり、締切作業空間における作業工程に影響を及ぼすといった技術的課題があったことを鑑みてなされたものである。また、漏水の量を確実に低減するには、潜水工や防水工などの特殊作業が必要になるため、施工コストが増大するといった技術的課題があったことを鑑みてなされたものである。さらに、本実施形態では、河川20の流速が、例えば2m/sec程度と速くなっており、潜水作業が難しくなっているため、締切壁10の外側の河川20側からは、継手部12に対して直接作業することが困難であるといった技術的課題があったことを鑑みてなされたものである。
そして、本実施形態の鋼矢板の継手部止水工法は、水面から水底面に向けて打設される多数の鋼矢板11を連設配置することによって工事施工区画21の周囲を締め切って形成された締切壁10の内部の水をポンプアップすることにより、工事施工区画21を作業員が立ち入り可能な締切作業空間22とする際に、各隣接する鋼矢板11の継手部12(図2参照)から周囲の水が締切作業空間22に流入するのを抑制する止水工法であって、継手部12と近接する部分の締切壁10の外側の水中に目詰材を投入し、締切作業空間22と締切壁10の外側の水面との水頭差によって継手部12の隙間を介して締切作業空間22に流入する水の流れに乗せて、投入した目詰材を継手部12の隙間に引き込むことにより、当該隙間を目詰材によって目詰リさせて、締切作業空間22に流入する漏水の水量を抑制するするようになっている。
また、本実施形態では、図2に示すように、各隣接する鋼矢板11の継手部12を締切壁10の外側から囲うようにして、継手部12と近接する部分の水中に流出防止金物13を設置し、この流出防止金物13によって囲まれる部分の水中に、目詰材を投入するようになっている。
さらに、本実施形態では、図3にも示すように、継手部12と近接する部分の水中に設置される流出防止金物13は、締切壁10を構成する鋼矢板11の外周面に沿って縦方向に配置される、水底面から鋼矢板11の上端までの高さ以上の長さLを有する一対の外側添設脚部14と、これらの一対の外側添設脚部14の添設縁部14aとは反対側の部分を接続して設けられた、鋼矢板11の継手部12と間隔をおいて配置される仕切面板部15と、一対の外側添設脚部14の添設縁部14aとの間に鋼矢板11の肉厚よりも大きな間隔sを保持した状態で、外側添設脚部14と各々平行に配置される一対の内側添設脚部16と、これらの一対の内側添設脚部16と一対の外側添設脚部14とをこれらの上端部において各々連結一体化する連結接合部17と、上端部分に設けられた吊上げ係止部18(図4、図5参照)とを備えている。
本実施形態では、締切壁10は、図1に示すように、例えば15m程度の川幅を有する河川20の一方の対岸に、護岸工事を行うための工事施工区画21を、河川20の一方の対岸に沿って、当該河川20の一部を締め切ることによって形成する際に設けられる。すなわち、例えば河川20の側方の作業ヤード23の地盤面に据え付けた、移動式クレーン等の吊上げ用の重機により、好ましくU形の多数の鋼矢板11を、これらの側縁部分に設けられたセクション部を互いに噛み合わせることで各隣接する鋼矢板11の間に継手部12を形成しながら、例えばバイブロハンマーを用いて、水面から水底面に向けて順次打設してゆくと共に、これらの鋼矢板11を、工事施工区画21の周囲を囲むように連設配置することによって、締切壁10が、例えば河川20の一方の対岸と共に工事施工区画21を締め切るようにして設けられる。
また、本実施液形態では、河川20の一部を締切壁10で締め切って、工事施工区画21を形成したら、締切壁10によって河川20と仕切った工事施工区画21の内部の水をポンプアップすることで、工事施工区画21を、作業員が立ち入り可能な締切作業空間22とする。すなわち、工事施工区画21の内部の水をポンプアップすることで生じる、締切壁10の外側の水面との水頭差によって、締切壁10が工事施工区画21側に倒れこもうとするのを、締切壁10の内側に施工された公知の山留め支保工等(図示せず)によって防止すると共に、締切壁10の外側の水面との水頭差によって鋼矢板11の継手部12の隙間から工事施工区画21に流入する水よりも多い量の水を、ポンプアップすることによって、締切壁10によって締め切られた工事施工区画21に、締切作業空間22を容易に形成することが可能になる。
さらに、本実施形態では、工事施工区画21に締切作業空間22を形成したら、締切壁10の外側の水面との水頭差によって、鋼矢板11の継手部12の隙間から締切作業空間22に引き続き流入する漏水の流量を抑制するために、例えば締切作業空間22側から行う簡易な処置として、ポリフィルム、キャンバー、水膨張ゴム、ウェス等を継手部12に施すと共に、締切作業空間22に流入する漏水の流量をさらに確実に、且つ効果的に抑制するために、継手部12と近接する部分の締切壁10の外側の水中に目詰材を投入して、鋼矢板11の継手部12の隙間を目詰材によって目詰リさせる。
そして、本実施形態では、工事施工区画21が区画形成された河川20の流速が、例えば2m/sec程度と速くなっていることから、投入した目詰材が、継手部12と近接する部分の締切壁10の外側の水中から流出しなようにするために、鋼矢板11の継手部12を締切壁10の外側から囲うようにして、流出防止金物13が、目詰材が投入されるのに先立って、各々の継手部12と近接する部分の水中に、順次設置されてゆくことになる(図4、図5参照)。
ここで、本実施形態では、図2〜図5に示す流出防止金物13は、上述のように、一対の外側添設脚部14と、一対の外側添設脚部14を接続して設けられた仕切面板部15と、一対の外側添設脚部14と各々平行に配置される一対の内側添設脚部16と、内側添設脚部16と外側添設脚部14とを連結一体化する一対の連結接合部17と、吊上げ係止部18とからなる。
本実施液形態では、一対の外側添設脚部14と仕切面板部15とは、例えば扁平な略コの字断面形状を有する一対の溝形鋼24を、一方の側辺フランジ部24aを溶接等によって密着させた状態で接合一体することによって、両側の他方の側辺フランジ部24aを一対の外側添設脚部14とすると共に、同じ面上に連続して配置された一対の溝形鋼24の中間プレート部24bを仕切面板部15として、容易に形成することができる。一対の溝形鋼24は、水底面から鋼矢板11の上端までの高さ以上の長さLを有しており、これによって、一対の外側添設脚部14及び仕切面板部15もまた、水底面から鋼矢板11の上端までの高さ以上の長さLを有することになる。
また、本実施形態では、流出防止金物13の上端部分として、一対の溝形鋼24の中間プレート部24bの上端部分には、ワイヤー係合穴が、吊上げ係止部18として形成されている(図4、図5参照)。吊上げ係止部18に、例えば吊上げ用の重機から吊り下げられたワイヤー30の下端部を、例えば係合金物31を介して係合することにより、流出防止金物13を、鋼矢板11の継手部12を外側から囲うようにして締切壁10に設置したり、締切壁10から取り外したりする作業を、容易に行うことができるようになっている(図4、図5参照)。
さらに、本実施形態では、各溝形鋼24の他方の側辺フランジ部24aによる一対の外側添設脚部14の各々の上端部には、例えば山形鋼からなる連結接合部17が、一端部を溶接等によって一体接合して、仕切面板部15とは反対側に張り出すようして取り付けられている(図3参照)。これらの連結接合部17の張出し部分には、例えば山形鋼からなる内側添設脚部16が、上端部を溶接等によって一体接合することにより、外側添設脚部14の添設縁部14aとの間に鋼矢板11の肉厚よりも僅かに大きな間隔sを保持した状態で、外側添設脚部14と各々平行に配置されて取り付けられている。一対の内側添設脚部16は、外側添設脚部14よりも短い長さを有しており、山形鋼の一方の側辺部を、仕切面板部15を構成する一対の溝形鋼24の中間プレート部24bと平行に配置すると共に、他方の側辺部を、これらの中間プレート部24bと垂直に配置した状態で取り付けられている(図2参照)。
上述の構成を備える流出防止金物13は、図4及び図5に示すように、例えば吊上げ用の重機を用いて吊り上げて、一対の溝形鋼24による外側添設脚部14及び仕切面板部15を、締切壁10を挟んだ外側(河川20側)に配設すると共に、山形鋼からなる内側添設脚部16を内側(締切作業空間22側)に配設しながら、上方から、一対の外側添設脚部14と一対の内側添設脚部16との間の間隔部分を、鋼矢板11の背側プレート11aに落とし込むようにして下方に移動させることにより、外側添設脚部14の添設縁部14aを背側プレート11aの外側面に添わせる共に、内側添設脚部16を背側プレート11aの内側面に添わせた状態で、締切壁10に設置される。
また、本実施形態では、流出防止金物13は、各々の設置箇所において、図2に示すよう、連設配置されて締切壁10を構成する鋼矢板11のうち、背側プレート11aを内側(締切作業空間22側)に配置した鋼矢板11を挟んだ両側に隣接する、背側プレート11aを外側(河川20側)に配置した一対の鋼矢板11の当該背側プレート11aに跨るようにして設置されることにより、背側プレート11aを内側に配置した鋼矢板11と、これの両側の背側プレート11aを外側に配置した一対の鋼矢板11との間の2箇所の継ぎ手部12を、一対の外側添設脚部14及び仕切面板部15によって締切壁10の外側から同時に取り囲んだ状態で、取り付けられることになる。
これによって、各々の設置箇所において流出防止金物13によって囲まれる、締切壁10の外側の継手部12と近接する部分の水中は、河川20の流速が、例えば2m/sec程度と速くなっているにもかかわらず、静穏な状態を保持することが可能になる。流出防止金物13によって囲まれる静穏な状態の水中に目詰材を投入することにより、投入した目詰材を流出させることなく、継手部12と近接する部分の締切壁10の外側の水中に保持させることで、締切作業空間22と締切壁10の外側の水面との水頭差によって継手部12の隙間を介して締切作業空間22に流入する水の流れに乗せて、投入した目詰材を、継手部12の隙間にスムーズに引き込むことが可能になる。
本実施形態では、継手部12と近接する部分の水中に投入される目詰材として、好ましくは、例えば水よりも比重の小さい粒状物、片状物、又は糸状物からなり、水よりも比重の大きな重量補助材と混合された状態で水中に投入されることで沈降した後に、水中で混合状態がバラけて浮遊するものが使用される。
また、特に好ましくは、目詰材として、おがくずからなり、重量補助材として砂又は土と混合された状態で水中に投入されるものを用いることができる。すなわち、例えば袋詰めで購入した、粒状物や片状物となっている市販のおがくずを、山砂の上に巻き出し、例えばおがくずと山砂との配合率を、みかけの体積比で1:2程度とすると共に、適宜水を加えて混合することにより、重量補助材と混合された目詰材を容易に形成することができる。山砂の量が不足すると、おがくずが山砂と共に水中で沈降し難くなる。おがくずと山砂とを混合して得られた目詰材は、例えば団子状に固めた状態で、土のう袋に詰め込んで搬入することができる。
重量補助材と混合された状態で、継手部12と近接する部分の締切壁10の外側の水中に、例えば土のう袋から一気に投入された目詰材は、好ましくは水底まで一気に沈降した後に、水中で混合状態がバラけておがくず等を浮遊させながら、締切作業空間22と締切壁10の外側の水面との水頭差によって継手部12の隙間を介して締切作業空間22に流入する水の流れに乗せて、おがくず等を継手部12の隙間に引き込ませることにより、当該隙間を目詰材によって目詰リさせて、締切作業空間22に流入する漏水の水量を効果的に抑制することが可能になる。
流出防止金物13の設置箇所において、目詰材を水中に投入することによる継手部12の止水工が終了したら、流出防止金物13を締切壁10の他の設置箇所に設置し直しながら、他の継手部12についても、同様の目詰材を水中に投入する作業工程を繰り返すことによって、締切壁10の全体に亘って、締切作業空間22に流入する漏水の水量を効果的に抑制することが可能になる。
したがって、本実施形態によれば、例えばおがくずからなる水よりも比重の小さい粒状物、片状物、又は糸状物を目詰材として、例えば砂や土からなる水よりも比重の大きな重量補助材と混合しただけの安価な材料を用いて、これらを水中に投入するだけの簡易な作業によって、各隣接する鋼矢板11の継手部12の隙間を目詰リさせて、締切壁10の止水性を容易に向上させることが可能になる。
また、本実施形態では、例えばポリフィルム、キャンバー、水膨張ゴム、ウェス等による簡易な処置を継手部12に施した場合には、例えば毎分600リットル程度の漏水があったものが、例えば毎分30リットル程度の漏水になる等、締切壁10からの漏水がほとんど無くなると共に、ポンプの台数や釜場の掘削箇所を減らすことが可能になる。さらに、処置すべき漏水の量を低減して、簡易な処理設備によって低コストで漏水を処置することが可能になと共に、潜水工や防水工などの特殊作業を必要とせず、簡単、確実に漏水の量を低減することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、継手部を締切壁の外側から囲うようにして、水中に流出防止金物を設置する必要は必ずしも無く、流出防止金物を設置しなくても、継手部と近接する部分の水中を静穏な状態を保持できる場合には、目詰材を継手部と近接する部分の水中に投入するだけで、本発明を実施することができる。また、工事施工区画や締切壁は、河川に形成されたものである必要は必ずしもなく、海、湖、池、沼等のその他の水域に形成されたものであっても良い。さらに、流出防止金物は、2箇所の継ぎ手部を同時に取り囲んだ状態で取り付ける必要は必ずしも無く、1箇所や3箇所以上の継ぎ手部を取り囲んだ状態で取り付けることもできる。
10 締切壁
11 鋼矢板
12 継手部
13 流出防止金物
14 外側添設脚部
14a 添設縁部
15 仕切面板部
16 内側添設脚部
17 連結接合部
18 吊上げ係止部
20 河川
21 工事施工区画
22 締切作業空間
24 溝形鋼
24a 側辺フランジ部
24b 中間プレート部
L 水底面から鋼矢板の上端までの高さ以上の長さ
s 鋼矢板の肉厚よりも大きな間隔

Claims (5)

  1. 水面から水底面に向けて打設される多数の鋼矢板を連設配置することによって工事施工区画の周囲を締め切って形成された締切壁の内部の水をポンプアップすることにより、前記工事施工区画を締切作業空間とする際に、各隣接する鋼矢板の継手部から周囲の水が前記締切作業空間に流入するのを抑制する鋼矢板の継手部止水工法であって、
    前記継手部と近接する部分の前記締切壁の外側の水中に目詰材を投入し、前記締切作業空間と前記締切壁の外側の水面との水頭差によって前記継手部の隙間を介して前記締切作業空間に流入する水の流れに乗せて、投入した前記目詰材を前記継手部の隙間に引き込むことにより、当該隙間を前記目詰材によって目詰リさせて、前記締切作業空間に流入する漏水の水量を抑制する鋼矢板の継手部止水工法。
  2. 前記継手部を前記締切壁の外側から囲うようにして、前記継手部と近接する部分の水中に流出防止金物を設置し、該流出防止金物によって囲まれる部分の水中に、前記目詰材を投入する請求項1記載の鋼矢板の継手部止水工法。
  3. 前記目詰材は、水よりも比重の小さい粒状物、片状物、又は糸状物からなり、水よりも比重の大きな重量補助材と混合された状態で水中に投入されて沈降した後に、水中で混合状態がバラけて浮遊するものとなっている請求項1又は2記載の鋼矢板の継手部止水工法。
  4. 前記目詰材は、おがくずからなり、重量補助材として砂又は土と混合された状態で水中に投入される請求項3記載の鋼矢板の継手部止水工法。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項記載の鋼矢板の継手部止水工法に用いる流出防止金物であって、
    前記締切壁を構成する前記鋼矢板の外周面に沿って縦方向に配置される、水底面から前記鋼矢板の上端までの高さ以上の長さを有する一対の外側添設脚部と、該一対の外側添設脚部の添設縁部とは反対側の部分を接続して設けられた、前記継手部と間隔をおいて配置される仕切面板部と、前記一対の外側添設脚部の添設縁部との間に前記鋼矢板の肉厚よりも大きな間隔を保持した状態で、前記外側添設脚部と各々平行に配置される一対の内側添設脚部と、該一対の内側添設脚部と前記一対の外側添設脚部とをこれらの上端部において各々連結一体化する連結接合部と、上端部分に設けられた吊上げ係止部とを備える流出防止金物。
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