JP6283086B1 - 仕切護岸の構築方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃棄物海面処分場等の構築に際し、干満差の影響を緩和して目地部の遮水処理を容易かつ確実に実施できる仕切護岸の構築方法を提供する。【解決手段】この仕切護岸の構築方法は、水域を所定の範囲で包囲するようにして仕切護岸2を構築する方法であって、開口部4と開口部よりも通水断面積が小さい通水部5とを残して仕切護岸を堤防状に構築し、開口部を締め切るための構造物を開口部に据え付け、構造物の据え付けにより形成される目地部について遮水処理を行い、次に、通水部を締め切る。【選択図】図1
Description
本発明は、廃棄物海面処分場などのための仕切護岸を構築する方法に関する。
仕切護岸は、一般的に、自然石等による傾斜堤や鋼製矢板やケーソン等を用い、これらを延長して枠状にし、最終的に残った開口部を結合し護岸全体を一体化して締め切る工法により造成される。最終締め切りの開口部は、鋼製矢板やケーソン等のコンクリート構造物を用いて締め切ることができる(たとえば、特許文献1参照)。一方、廃棄物処分場の確保のために管理型海面処分場の建設が進められている。この場合、管理型廃棄物海面処分場は、堤内から堤外への保有水の漏出を防ぐために高い遮水性が要求され、一般に遮水構造が付加された管理型廃棄物埋立護岸が採用されている。
特許文献2は、廃棄物を埋め立て処分する区画を、海域を区切って設けるに際して、遮水壁で区切った区画の一部に、作業船が容易に通過できるような開口部を設けておき、壁を構築する最後の段階でケーソンを用いて、簡単に閉じることができるようにする仕切護岸の構築方法を提案する(要約)。この構築方法は、堤防状の構造物を立設して囲むことにより、廃棄物処分場を構築するに際して、ケーソンのような構造物を用いた護岸本体の一部に、背の低いケーソンのみを海底地盤から立設し、その上部を開けた開口部を設けておき、区域内部での作業船による工事が終わって、その船を出してから、背の低いケーソンを開口に設置して、両側のケーソンとの間で遮水処理を施し、一体化した遮水壁を完成する。
特許文献2の仕切護岸の構築方法では、最終締め切りのために、背の低いケーソンのみを海底地盤から立設し、その上部に作業船が容易に通過できるような開口部を設けておき、この開口部に背の低いケーソンを設置して、両側のケーソンとの間で遮水処理を施し、一体化した遮水壁を完成するが、開口部にケーソンを設置したとき、潮汐の干満差に起因する水流が発生し、ケーソンの目地部における遮水処理の施工が困難となってしまう問題があった。特に、たとえば、瀬戸内海のように干満差の大きい水域では、水流の速度が大きくなり、干満差の影響が大きくなって、場合によっては、かかる遮水処理の施工が不可能になってしまう。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、廃棄物海面処分場等の構築に際し、干満差の影響を緩和して目地部の遮水処理を容易かつ確実に実施できる仕切護岸の構築方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための仕切護岸の構築方法は、水域を所定の範囲で包囲するようにして仕切護岸を構築する方法であって、開口部と前記開口部よりも通水断面積が小さい通水部とを残して仕切護岸を堤防状に構築する工程と、次に、前記通水部が開放された状態で、前記開口部を締め切るための構造物を前記開口部に据え付ける工程と、次に、前記構造物の据え付けにより形成される目地部について遮水処理を行う工程と、次に、前記通水部を締め切る工程と、を有する。
この仕切護岸の構築方法によれば、開口部を締め切っても、通水部を締め切る前は、通水部の存在により、開口部に構造物を据え付けることで形成される目地部(隙間)における水流の流速を低減させることができる。このため、干満差の影響を緩和して目地部の遮水処理を容易かつ確実に実施することができる。
上記仕切護岸の構築方法において、前記遮水処理を行う前に前記目地部における水流の流速を緩和するための流速緩和ゲートを設置することが好ましい。流速緩和ゲートを設置することで、目地部で水流が発生してもその流速を抑えることができ、遮水処理を、品質を損なうことなく確実に行うことができ、目地部における水流が大きい場合等に対応することができる。かかる流速緩和ゲートは、前記目地部の水流入口を暫定的に閉塞するように設置されることが好ましい。
また、前記通水部を仕切ゲートにより締め切り、次に、前記通水部の締め切りのためのブロックを前記通水部に設置し、遮水処理を行うことが好ましい。通水部を仕切ゲートで予め締め切るので、通水部へのブロックの設置および遮水処理を容易に行うことができる。
本発明によれば、廃棄物海面処分場等の構築に際し、干満差の影響を緩和して目地部の遮水処理を容易かつ確実に実施できる仕切護岸の構築方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態による管理型廃棄物海面処分場を概略的に示す上面図およびそのうちの一部を拡大して概略的に示す斜視図である。
図1のように、本実施形態による管理型廃棄物海面処分場1は、水域を所定の範囲で包囲するようにして仕切護岸2を構築することで構成され、内部に廃棄物等を処分することができるようにしたものである。仕切護岸2は、ケーソン等のコンクリート構造物等により堤防状に構築され、その施工過程において、最終締切部3で最終的に締め切られ、仕切護岸2により処分場(護岸)の内(陸側)と外(海側)とが完全に分離される。
図1の拡大斜視図のように、最終締切部3は、複数の下部ケーソン11と、下部ケーソン11に隣接し上部に通水部5を有する通水ケーソン12と、から構成され、通常の構成のケーソン13、13の間に位置する。下部ケーソン11は、上下分割ケーソンの下部に位置し、その上部が開口部4を構成する。
管理型廃棄物海面処分場1の施工過程において、処分場(護岸)の内側においても作業船により施工作業が行われ、効率的な施工に資することになるが、最終締切部3を残して仕切護岸2を閉合した後も、作業船が開口部4を通して出入りするため、開口部4は、かかる作業船の通過可能なサイズ(幅・高さ)になっている。また、通水ケーソン12の上部に設けられる通水部5は、水流の通過を目的としたもので、開口部4よりも通水断面積・サイズ(幅・高さ)が小さくなっており、作業船の通過が不可能である。潮汐の干満差による水流が開口部4および通水部5を通して流れる。なお、通水ケーソン12は、図1では、単数であるが、複数であってもよい。
本実施形態では、図1の最終締切部3における開口部4は、上下分割ケーソンの下部ケーソン11を水底に据え付けることで形成され、その後、開口部4に上部ケーソンを据え付け、次に、ケーソン間の目地部(隙間)の遮水処理を行うが、このとき、最終締切部3における通水部5は開放されており、通水部5を水流が通過するので、目地部における水流の流速が低減する。このため、干満差の影響を緩和して目地部の遮水処理を容易かつ確実に実施することができる。
なお、本明細書において、目地部とは、ケーソン間等に形成される隙間・間げきを意味し、目地部材とは、目地部を仕切るために配置される部材を意味し、目地部材により仕切られた目地部(隙間)に遮水材料が充填されることで遮水処理が行われ遮水部が形成される。
次に、図1の仕切護岸の構成例について図2を参照して説明する。図2は、図1の仕切護岸の構成を示す断面図である。この仕切護岸2の遮水構造は、陸側(処分場内側)において粘性土層を深層混合改良し、遮水シートにより2層構造として遮水する構成である。
処分場1の設置位置の水底は、たとえば、透水係数がk=1.0×10-7m/sec以下である粘性土層G1を有し、十分な遮水性能を有する。護岸下面は、たとえば、改良率50%の深層混合により改良された深層混合処理層G2である。深層混合処理層G2の上に基礎捨石M、ケーソン13が設置される。ケーソン13は、縦方向目地部をアスファルトマスチック等の歴青材料により充填することで遮水構造となっている。
1層目の遮水構造として、ケーソン13の基礎部13aに遮水シート21を設置する。遮水シート21の端部は、アスファルトマスチック等の変形追随する性質を有する歴青材料を打設し充填部23に充填することで定着される。この1層目の遮水構造により、水中コンクリートCW、基礎部13aと遮水シート21との間が確実に埋められて優れた遮水性能を発揮する。
上述のようにして遮水シート21による1層目の遮水構造が構築されてから、ケーソン13の背面(陸側)に裏込石25が投入される。次に、裏込石25の法面に遮水シート26が敷設され、その水底部側の端部が、アスファルトマスチックを流し込んで充填部28を形成することで定着される。このようにして、2層目の遮水構造が構築される。次に、押え捨石29が投入され、水底にカウンター盛土30が構築される。なお、遮水シート21,26は、両面が保護マット21a,26aおよび固化処理土22により保護されている。
次に、図1の仕切護岸2の最終締切部3を締め切るための施工工程について図3,図4を参照して説明する。図3は、図1の最終締切部3を締め切る施工工程(a)〜(c)を説明するための概略的な斜視図である。図4は、図3(c)に続いて図1の最終締切部3を締め切る施工工程(a)〜(c)を説明するための概略的な斜視図である。なお、図3,図4では、説明の便宜上、陸側および海側から見た斜視図を示す場合がある。
図3(a)に示すように、複数のケーソン13を並べて設置し、通水部5を有する通水ケーソン12および開口部4を形成する複数の下部ケーソン11を設置し、さらに複数のケーソン13を並べて設置する。開口部4と通水部5とにより構成される最終締切部3についての締め切り施工が次のようにして実施される。
図3(a)のように、通水ケーソン12,下部ケーソン11,ケーソン13の各側面に形成される陸側の縦目地部(隙間)に目地部材15を設置する。また、海側では縦目地部から基礎部11dの目地部まで目地部材16を設置する。目地部材15,16には、板状目地部材または袋目地部材を用いる。
次に、図3(b)のように、複数の下部ケーソン11に対応して複数の上部ケーソン14a〜14dを据え付ける。これにより、開口部4は、目地部を残して閉合される。なお、かかる据え付けは、潮止まりのタイミングで行うことが好ましい。
次に、図3(c)のように、ケーソン13,上部ケーソン14a〜14d,通水ケーソン12間の海側の各縦目地部に流速緩和ゲート17をそれぞれ設置し、各縦目地部を仮に締め切る。流速緩和ゲート17を設置することで、目地部における水流が大きい場合等に対応することができる。すなわち、目地部で水流が発生してもその流速を抑えることができ、続いて行われる遮水処理を、品質を損なうことなく確実に行うことができる。流速緩和ゲート17は、たとえば、型鋼等から構成できる。
次に、図4(a)のように、陸側の各縦目地部に目地部材18を設置する。次に、海側の各縦目地部の流速緩和ゲート17を撤去し、目地部材19を設置する。目地部材18,19には、板状目地部材または袋目地部材を用いる。
次に、各縦目地部にアスファルトマスチック等の遮水材料を打設することで、ケーソン13,上部ケーソン14a〜14d,下部ケーソン11,通水ケーソン12間の目地部が遮水材料により充填される。このとき、上部ケーソン14a〜14dと下部ケーソン11との間の横目地部にアスファルトマスチック等の遮水材料も打設されて、横目地部が充填される。
上述のようにして、図3,図4の通水ケーソン12,下部ケーソン11,上部ケーソン14a〜14d,ケーソン13の各側面に形成される目地部および横目地部について遮水処理を施すことができる。
次に、図4(b)のように、通水ケーソン12の通水部5の陸側の縦開口に仕切ゲート20を設置し、通水部5を締め切る。このときの締め切りのタイミングは、指定水位になったときを目標にする。
次に、図4(c)のように、通水ケーソン12の通水部5に締め切りブロック31を据え付ける。続いて、通水部5とブロック31との間の縦目地部,横目地部にアスファルトマスチック等の遮水材料を充填することで、遮水処理を行う。
以上のようにして、仕切護岸2の開口部4と通水部5とによる最終締切部3についての締め切り施工を行うことができる。
次に、図3,図4の上下分割ケーソンの下部ケーソンと上部ケーソンとについて図5を参照して説明する。図5は、本実施形態における上下分割ケーソンの下部ケーソンと上部ケーソンとを示す斜視図である。
図5のように、上下分割ケーソンの下部ケーソン11が水底面に設置され、図1の開口部4が形成された状態で、下部ケーソン11の側面11aと隣接するケーソン13(図3)の側面(図示省略)との間の陸側の目地部に目地部材15(図3(a))を構成するための鉄板15aが配置され、また、海側の目地部に、図3(a)の目地部材16を構成するための鉄板16aが配置される。
下部ケーソン11の上面に破線で示す上部ケーソン14aが据え付けられる(図3(b)参照)。この据え付け後、上部ケーソン14aの側面14eと隣接するケーソン13(図3)の側面(図示省略)との間の陸側の目地部に図4(a)の目地部材18を構成するための鉄板18aが配置され、また、海側の目地部に、図4(a)の目地部材19を構成する鉄板19aが配置される。
なお、図5のように、下部ケーソン11の内部には、中詰砂11bが投入され、また、下部ケーソン11の上面外周に横目地部11cが形成される。また、陸側では、目地部材の鉄板15aが設置されてから、下部ケーソン11の基礎部11dにおいて、図2のように遮水シート21による1層目の遮水構造の施工を行うことができる。
次に、上部ケーソン間の縦目地部を仮に締め切るための流速緩和ゲートについて図6を参照して説明する。図6は、図3(c)の流速緩和ゲート17を示す正面図(a)、b部の拡大図(b)およびc-c線方向の部分断面図(c)である。
図6(a)〜(c)のように、図3(c)の上部ケーソン14aと14bとの間の縦目地部40の海側には、一対のL型鋼17aとH形鋼17cとから構成される流速緩和ゲート17が設置される。一対のL型鋼17aは、上部ケーソン14a,14bの縦目地部40近傍に縦方向に配置され、複数のアンカーボルト17bにより固定されることで、H形鋼17cを案内し保持する縦方向レールが構成される。この一対のL型鋼17aによる縦方向レール内にH形鋼17cを上部から差し込むことで、暫定的な流速緩和ゲート17を構築することができる。なお、下部ケーソン11,11間の目地部には、図3(a)の目地部材16として板状目地部材16bが設置され、その板状目地部材16bの上部に、H形鋼17cを受けて支持する受け部16cが設けられている。
次に、図4(b)(c)の通水ケーソンの通水部を締め切るための仕切ゲートおよびブロックについて図7〜図10を参照して説明する。図7は、図4(b)(c)の仕切ゲートが設置された通水ケーソンおよび締め切りブロックを概略的に示す斜視図である。図8は、図7の通水ケーソンの仕切ゲートを陸側から見た概略的な正面図(a)および締め切り完了前の仕切ゲートを上部から見た概略的な上面図(b)である。図9は、図7の通水部に据え付けられた締め切りブロックおよび締め切り完了後の図8の仕切ゲートを概略的に示す要部上面図である。図10は、図7の締め切りブロックが据え付けられて遮水処理がされた通水ケーソン上部の図9のA-A線方向の断面図(a)およびB-B線方向の断面図(b)である。
図7のように、通水ケーソン12の通水部5は、陸側の開口面に仕切ゲート20(図4(b))が設置されることで、締め切られる。続いて、コンクリート製の締め切りブロック31がクレーン(図示省略)により吊り下げられて通水部5内に据え付けられる。この据え付けのとき、締め切りブロック31はその側面に設けられたガイドプレート31cによりガイドされ、底面の凸部31bが通水部5の底面の凹部5bに嵌め込まれるようになっている。また、図9のように、締め切りブロック31の前面(陸側)側の側面に設けられた反力壁31dが通水部5の陸側の開口面近傍の凸部12aに当接し、凸部12aからの反力を受けるようになっている。
また、図7,図9のように、締め切りブロック31の側面には、2つの溝形部材31fが取り付けられており、通水部5の対応する側面にも2つの溝形部材5aが取り付けられており、締め切りブロック31が通水部5内に据え付けられた後に、溝形部材31f,5a間に仕切プレート41が差し込まれて、通水部5の側面と締め切りブロック31の側面との間に目地部48,49が形成される。
次に、図7の仕切ゲート20の設置について図8,図9を参照して説明する。図8(a)のように、仕切ゲート20は、鉄板等から全体として平板状に構成され、通水ケーソン12の通水部5の陸側の開口面を閉塞するようにパッキン20dを介して設置される。すなわち、図8(b)のように、通水ケーソン12において通水部5の陸側の開口面近傍両側にL型部材20aが縦方向に取り付けられ、下部には横方向に受け部材(図示省略)が取り付けられた状態で、仕切ゲート20がL型部材20aの間に上部から差し込まれる。仕切ゲート20の裏面側(海側)には凸状のストッパ20cとゴム材料等の弾性部材からなるパッキン20dが取り付けられている。次に、L型部材20aに設けられた複数のボルト20bを締め付けることで、仕切ゲート20を通水ケーソン12側に対し図9のようにストッパ20cが通水ケーソン12側に当たるまで押し付ける。この押し付けによりパッキン20dが圧縮され弾性変形をする。このようにして、仕切ゲート20は設置され、通水部5の陸側開口面を閉塞し、パッキン20dにより通水部5における水流を遮断することができる。
次に、通水ケーソン12と締め切りブロック31との間の遮水処理について図9,図10を参照して説明する。図10(a)(b)のように、通水ケーソン12には、砂等の中詰材42が充填され、その上に割石43が敷かれ、コンクリート板44が配置され、締め切りブロック31側のコンクリート板45の上部には砂等の中詰材46が充填され、蓋コンクリート47で覆われる。通水ケーソン12の陸側において、割石43上にはコンクリート板44,45と同じ厚みでアスファルトマスチック等の遮水材料が充填されて水平遮水部50が形成される。水平遮水部50は、図7のように締め切りブロック31の底面から突き出た型枠用板31eによる型枠内に遮水材料を打設することで形成できる。
また、図9の通水部5の側面と締め切りブロック31の側面とにおいて、反力壁31dと溝形部材31f,5aに配置された仕切プレート41との間の縦目地部48にアスファルトマスチック等の遮水材料が充填されて鉛直遮水部51が形成される。同様に、図9の仕切プレート41と海側の仕切プレート41(図7)との間の縦目地部49も遮水材料が充填されて同様の鉛直遮水部が形成される。
以上のようにして、通水ケーソン12の通水部5を仕切ゲート20により締め切り、次に、締め切りブロック31を通水部5に設置してから、遮水処理を行い、水平遮水部50、鉛直遮水部51等を形成することで、通水ケーソン12の通水部5を締め切ることができる。
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。たとえば、図2の仕切護岸の構成は、一例であって、他の構成であってもよいことはもちろんである。
また、通水部を有する通水ケーソンは、本実施形態では、単数としたが、本発明はこれに限定されず、複数であってもよく、たとえば、図1の開口部4の両わきに配置したり、片側に複数配置することができる。この場合、通水部における必要通水断面積を考慮して適宜通水ケーソンの個数を決めることができる。
また、通水ケーソン12の通水部5を締め切る仕切ゲート20は、そのまま残してよいが、ブロック31による締め切り完了後、撤去するようにしてもよい。
また、本実施形態では、最終締切部の開口部は上下分割ケーソンの下部ケーソンが設置されることで形成されたが、本発明はこれに限定されず、上下分割ケーソンを用いない構造についても適用できることはもちろんであり、たとえば、開口部がケーソン等の構造物が存在せずに水底から水面まで所定幅に構成されるような最終締切部を有する仕切護岸にも適用可能である。
本発明の仕切護岸の構築方法によれば、干満差の影響を緩和して目地部の遮水処理を容易かつ確実に実施できるので、廃棄物海面処分場等を効率的にかつ確実に構築することができる。
1 管理型廃棄物海面処分場、処分場
2 仕切護岸
3 最終締切部
4 開口部
5 通水部
7 仕切ゲート
11 下部ケーソン
12 通水ケーソン
13 ケーソン
14a〜14d 上部ケーソン
15,16 目地部材
17 流速緩和ゲート
18,19 目地部材
20 仕切ゲート
31 ブロック
40 縦目地部
41 仕切プレート
48,49 縦目地部
50 水平遮水部
51 鉛直遮水部
2 仕切護岸
3 最終締切部
4 開口部
5 通水部
7 仕切ゲート
11 下部ケーソン
12 通水ケーソン
13 ケーソン
14a〜14d 上部ケーソン
15,16 目地部材
17 流速緩和ゲート
18,19 目地部材
20 仕切ゲート
31 ブロック
40 縦目地部
41 仕切プレート
48,49 縦目地部
50 水平遮水部
51 鉛直遮水部
Claims (4)
- 水域を所定の範囲で包囲するようにして仕切護岸を構築する方法であって、
開口部と前記開口部よりも通水断面積が小さい通水部とを残して仕切護岸を堤防状に構築する工程と、
次に、前記通水部が開放された状態で、前記開口部を締め切るための構造物を前記開口部に据え付ける工程と、
次に、前記構造物の据え付けにより形成される目地部について遮水処理を行う工程と、
次に、前記通水部を締め切る工程と、を有する仕切護岸の構築方法。 - 前記遮水処理を行う前に前記目地部における水流の流速を緩和するための流速緩和ゲートを設置する請求項1に記載の仕切護岸の構築方法。
- 前記流速緩和ゲートは、前記目地部の水流入口を暫定的に閉塞するように設置される請求項2に記載の仕切護岸の構築方法。
- 前記通水部を仕切ゲートにより締め切り、次に、前記通水部の締め切りのためのブロックを前記通水部に設置し、遮水処理を行う請求項1乃至3のいずれか1項に記載の仕切護岸の構築方法。
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