JP2014015663A - ガス放出機構付きキャンロール及びそれを備えた長尺基板の処理装置及び処理方法 - Google Patents

ガス放出機構付きキャンロール及びそれを備えた長尺基板の処理装置及び処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 キャンロールの回転運動を長尺基板に良好に伝達しながらキャンロールの外周面と長尺基板との間に形成されるギャップ部にガスを導入する。
【解決手段】 長尺樹脂フィルムFに熱負荷の掛かる処理を施す際に外周面に部分的に巻き付けて冷却する円筒部10からなるキャンロール56であって、円筒部10は、その回転中心軸に略平行に延在し且つ周方向に全周に亘って配設された複数のガス導入路14と、複数のガス導入路14の各々から外周面側に開口する複数のガス放出孔15とを有しており、長尺樹脂フィルムFが巻き付けられる範囲内Aで且つ熱負荷の掛かる範囲内に位置するガス導入路14には真空チャンバー51の外部からガスを供給し、それ以外の領域に位置するガス導入路14にはガスを供給しないように作動するガスロータリージョイント20が設けられている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、スパッタリング等の熱負荷のかかる処理を長尺基板に施す際に該長尺基板を巻き付けて冷却するキャンロール及びそれを備えた処理装置並びに処理方法に関し、特に、効率のよい冷却のため、長尺基板を巻き付ける外周面と長尺基板との間に当該外周面側からガスを放出することが可能なガス放出機構付きキャンロール及びそれを備えた長尺基板の処理装置並びに処理方法に関する。
液晶パネル、ノートパソコン、デジタルカメラ、携帯電話等には、耐熱性樹脂フィルムの上に配線パターンが形成されたフレキシブル配線基板が用いられている。このフレキシブル配線基板は、耐熱性樹脂フィルムの片面若しくは両面に金属膜を成膜した金属膜付耐熱性樹脂フィルムにフォトリソグラフィーやエッチング等の薄膜技術を適用したパターニング処理を施すことによって得られる。近年、フレキシブル配線基板の配線パターンは、ますます繊細化、高密度化する傾向にあり、これに伴って金属膜付耐熱性樹脂フィルムには平坦でシワのないものが求められている。
この種の金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造方法として、従来から、金属箔を接着剤により耐熱性樹脂フィルムに貼り付けて製造する方法(3層基板の製造方法)、金属箔に耐熱性樹脂溶液をコーティングした後、乾燥させて製造する方法(キャスティング法)、耐熱性樹脂フィルムに真空成膜法単独で、又は真空成膜法と湿式めっき法との併用で金属膜を成膜して製造する方法(メタライジング法)等が知られている。
メタライジング法においては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームスパッタリング法等が真空成膜法として用いられている。例えば特許文献1には、ポリイミド絶縁層上にクロム層をスパッタリングした後、銅をスパッタリングして導体層を形成する方法が記載されている。また、特許文献2には、銅ニッケル合金をターゲットとするスパッタリングによる第一の金属薄膜と、銅をターゲットとするスパッタリングによる第二の金属薄膜とがこの順でポリイミドフィルム上に成膜されたフレキシブル回路基板用材料が開示されている。
これらスパッタリング法による成膜は、一般に密着力に優れる反面、真空蒸着法に比べて基材としての耐熱性樹脂フィルムに与える熱負荷が大きいといわれている。そして、成膜の際に耐熱性樹脂フィルムに大きな熱負荷がかかると、フィルムにシワが発生し易くなることも知られている。
そこで、上記ポリイミドフィルムなどの耐熱性樹脂フィルムに対して真空成膜法により成膜を行って金属膜付耐熱性樹脂フィルムを作製する工程では、キャンロールを備えたスパッタリングウェブコータが一般的に使用されている。このウェブコータには、冷却機能を備えたキャンロールが搭載されており、これを回転駆動してその外周面上に画定される搬送経路にロールツーロールで搬送される耐熱性の長尺樹脂フィルムを巻き付けることによって、当該長尺樹脂フィルムを裏面側から冷却しながらその表面に熱負荷のかかるスパッタリング処理を行うことが可能となる。
例えば特許文献3には、スパッタリングウェブコータの一例である巻出巻取式(ロールツーロール方式)の真空スパッタリング装置が開示されている。この巻出巻取式の真空スパッタリング装置には、上記キャンロールの役割を担うクーリングロールが具備されている。更に、クーリングロールの少なくともフィルム送入れ側若しくは送出し側にサブロールが設けられており、これにより耐熱性の長尺樹脂フィルムをクーリングロールに密着する制御が行われている。
ところで、非特許文献1に記載されているように、キャンロールの外周面はミクロ的に見て平坦ではないため、キャンロールの外周面と、そこに接触して搬送される長尺樹脂フィルムとの間には真空空間を介して離間するギャップ部(間隙)が存在している。このため、スパッタリングや蒸着の際に加わるフィルムの熱は、実際には長尺樹脂フィルムからキャンロールに効率よく伝熱されているとはいえず、これが長尺樹脂フィルムのシワ発生の原因になっていた。
この問題を解決するため、キャンロールの外周面と長尺樹脂フィルムとの間のギャップ部にキャンロール側からガスを導入して、当該ギャップ部の熱伝導率を真空に比べて高くする技術が提案されている。例えば特許文献4には、上記ギャップ部にキャンロール側からガスを導入する具体的な方法として、キャンロールの外周面にガスの放出口となる多数の微細な孔を設ける技術が開示されている。また、特許文献5には、キャンロールの外周面にガスの放出口となる溝を設ける技術が開示されている。更に、キャンロール自体を多孔質体で構成し、その多孔質体自身の微細孔をガス放出口とする方法も知られている。
しかし、これらいずれの技術においても、キャンロールの外周面において長尺樹脂フィルムが巻き付けられていない領域は、長尺樹脂フィルムが巻き付けられている領域に比べてガス放出口での抵抗が低くなるため、キャンロールに供給されるガスが容易にこの長尺樹脂フィルムの巻き付けられていない領域のガス放出口から真空チャンバーの空間に放出されることになる。その結果、キャンロールの外周面とそこに巻き付けられている長尺樹脂フィルムとの間のギャップ部に本来導入されるべき量のガスが供給されず、熱伝導率を高める効果が得られなくなることがあった。
この問題に対しては、キャンロールの外周面から出没するバルブをガス放出口に設け、このバルブを長尺樹脂フィルム面で押さえつけることによってガス放出口を開放する方法(特許文献5)や、キャンロールの外周面のうち長尺樹脂フィルムを送り出してから受け入れるまでに該当する長尺樹脂フィルムの巻き付けられない領域にカバーを取り付けて当該カバー内の圧力を高くし、この領域からチャンバーにガスが放出されるのを防止して、キャンロール外周面と長尺樹脂フィルムとのギャップ部に良好にガスを導入する方法(特許文献6)などが提案されている。
特開平2−98994号公報 特許第3447070号公報 特開昭62−247073号公報 国際公開第2005/001157号パンフレット 米国特許第3414048号明細書 国際公開第2002/070778号パンフレット
"Vacuum Heat Transfer Models for Web Substrates: Review of Theory and Experimental Heat Transfer Data," 2000 Society of Vacuum Coaters, 43rd. Annual Technical Conference Proceeding, Denver, April 15‐20, 2000, p.335 "Improvement of Web Condition by the Deposition Drum Design," 2000 Society of Vacuum Coaters, 50th. Annual Technical Conference Proceeding(2007), p.749
キャンロールを上記したようなガス放出機構付きにすることによって、図1に示すように、長尺樹脂フィルムFが前フィードロール1により導かれてキャンロール2の外周面に接触し始める角度位置から、長尺樹脂フィルムFが後フィードロール3により送り出されて外周面から離れる角度位置までの角度範囲A(この角度範囲Aを長尺樹脂フィルムFの抱き角と称することもある)の範囲内だけにキャンロール2の外周面側からガスを放出することが可能となり、よって、当該外周面と長尺樹脂フィルムFとの間のギャップ部内に効率よくガスを導入することが可能となる。これにより、ギャップ部での熱伝導率が向上してスパッタ成膜中の長尺樹脂フィルムFに掛かる熱負荷を良好に低減させることが可能となる。
しかしながら、上記角度範囲Aのうち、長尺樹脂フィルムFに熱が印加されるのは、カソード4、5、6、及び7のほぼ直下のみであり、これら以外の角度範囲Bの領域では長尺樹脂フィルムFに熱が印加されるわけではないので、カソードの直下に比べてギャップ部内にガスを導入する必要性は低い。また、ギャップ部内にガスを導入することによって、長尺樹脂フィルムFとキャンロール2の外周面との間の摩擦が低減するため、キャンロール2の回転運動を長尺樹脂フィルムFに伝えにくくなり、よってキャンロール2と両フィードロール1、3との同期制御が難しくなることがあった。更に、上記角度範囲Aの全領域に亘って長尺樹脂フィルムFとキャンロール2の外周面とを離間させるということは、長尺樹脂フィルムFをその搬送方向の長い距離に亘って拘束しないことになるので、搬送中の長尺樹脂フィルムFのシワがかえって発生し易くなることがあった。
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたものであり、その課題とするところは、ロールツーロールで搬送される長尺基板(長尺樹脂フィルム)を、キャンロールの外周面に部分的に巻き付けて冷却しながら当該長尺基板にスパッタリング成膜などの熱負荷の掛かる処理を施す場合において、キャンロールの回転運動を長尺基板に良好に伝達しながらキャンロールの外周面と長尺基板との間に形成されるギャップ部(隙間)にガスを導入することが可能な装置及び方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者は、減圧下にある真空チャンバー内においてロールツーロールで長尺基板を搬送し、内部に冷媒が循環するキャンロールの外周面に部分的に長尺基板を巻き付けて冷却しながら当該長尺基板に熱負荷の掛かる処理を施す長尺基板処理装置において、熱負荷による長尺基板のシワ発生を確実に低減させるべくキャンロール外周面とそこに巻き付けられる長尺基板との間に形成されるギャップ部にキャンロール側からガスを導入することが可能なガス導入機構付きキャンロールについて鋭意研究を重ねた。
その結果、回転中心軸に略平行に延在し且つ周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って配設された複数のガス導入路と、これら複数のガス導入路の各々から外周面側に開口する複数のガス放出孔とを備えたキャンロールにおいて、各ガス導入路へのガスの供給を制御して、キャンロール外周面のうちの長尺基板が巻き付けられていない領域に位置するガス導入路のみならず、長尺基板が巻き付けられていて且つ熱負荷が掛からない領域に位置するガス導入路にもガスが供給されないようにすることによって、長尺基板の搬送に支障をきたすことなく外周面と長尺基板との間のギャップ部に良好にガスが導入されて長尺基板をより効果的に冷却し得ることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明が提供するキャンロールは、真空チャンバー内においてロールツーロールで搬送する長尺基板に対して、熱負荷の掛かる表面処理を施す際に外周面に部分的に巻き付けて冷却する円筒部からなるキャンロールであって、前記円筒部は、その回転中心軸に略平行に延在し且つ周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って配設された複数のガス導入路と、これら複数のガス導入路の各々から外周面側に開口する複数のガス放出孔とを有しており、長尺基板が巻き付けられる範囲内で且つ熱負荷の掛かる範囲内に位置するガス導入路には真空チャンバーの外部からガスを供給し、それ以外の領域に位置するガス導入路にはガスを供給しないように作動するガス供給弁が設けられていることを特徴としている。
また、本発明が提供する長尺基板の表面処理方法は、真空チャンバー内においてロールツーロールで搬送する長尺基板を、回転中心軸に略平行に延在し且つ周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って配設された複数のガス導入路と、これら複数のガス導入路の各々から外周面側に開口する複数のガス放出孔とを有する円筒部からなるキャンロールの外周面に部分的に巻き付けて冷却しながら、熱負荷の掛かる表面処理を行う長尺基板表面処理方法であって、前記複数のガス導入路のうち、長尺基板が巻き付けられる範囲内で且つ熱負荷の掛かる範囲内に位置するガス導入路には真空チャンバーの外部からガスを供給し、それ以外の領域に位置するガス導入路にはガスを供給しないことを特徴としている。
本発明によれば、キャンロールの外周面のうち、スパッタリングカソードに対向する領域などの熱負荷が掛かる領域における外周面と長尺基板の間のギャップ部だけに確実にガスを導入することができる。これにより、真空チャンバー内へのガスのリークなどの問題を抑えることが可能となり、真空チャンバー内の圧力制御を正確に行うことが可能となる。また、ガス放出機構におけるガス圧力も安定させることができ、常に一定量のガスをキャンロールの外周面とそこに巻き付けられる長尺基板との間のギャップ部に導入することができる。
更に、長尺基板が巻き付けられる領域のうち、熱負荷が掛からない領域にはキャンロールの外周面からガスを放出させないので、この領域では長尺基板をキャンロールの外周面に接触させることが可能となる。これにより、キャンロールの回転運動を長尺基板に良好に伝達させることができるので、長尺基板の安定した搬送が可能になって、シワの発生が抑制される。このように、本発明によれば、極めて効率よく長尺基板の冷却を行うことができ、シワのない高品質の金属膜付耐熱性樹脂フィルムを高い歩留まりで作製することが可能となる。
キャンロールの外周面とそこに巻き付けられるフィルムとの間にキャンロール側からガスが放出されたときの様子を模式的に示す正面図である。 本発明に係るキャンロールが好適に使用されるロールツーロール方式の長尺基板処理装置の一具体例を示す模式的に示す正面図である。 本発明の一具体例のキャンロールをその回転中心軸と平行な面で切断したときの切断図である。 図3のキャンロールが具備するロータリージョイントの斜視図である。 図4のロータリージョイントの正面図及び部分断面図である。 本発明の他の具体例のキャンロールが具備するロータリージョイントの正面図及び部分断面図である。
以下、図2を参照しながら、本発明の長尺基板処理装置の一具体例として、真空成膜装置50について説明する。この図2に示す真空成膜装置50は、スパッタリングウェブコータとも称される装置であり、ロールツーロール方式で搬送される長尺基板の表面にスパッタリングなどの熱負荷のかかる処理を連続的に効率よく施す場合に好適に用いられる。
具体的に説明すると、真空成膜装置50は、真空チャンバー51内に設けられており、巻き出しロール52から巻き出された長尺基板としての耐熱性樹脂フィルム(以下、長尺樹脂フィルムと称する)Fに対して所定の成膜処理を行った後、巻き取りロール64で巻き取るようになっている。これら巻き出しロール52から巻き取りロール64までの搬送経路の途中に、モータで回転駆動されるキャンロール56が配置されている。このキャンロール56の内部には、真空チャンバー51の外部で温調された冷媒が循環している。このキャンロール56の構造については後に詳細に説明する。
真空チャンバー51内は、図示しないドライポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオコイル等の種々の装置が具備されており、これら装置により到達圧力10−4Pa程度まで減圧された後、スパッタリングガスを導入して0.1〜10Pa程度に圧力調整される。このスパッタリングガスにはアルゴンなど公知のガスが使用され、目的に応じて更に酸素などのガスが添加される。真空チャンバー51の形状や材質については、減圧状態に耐え得るものであれば特に限定はなく、種々のものを使用することができる。
巻出ロール52からキャンロール56までの搬送経路には、長尺樹脂フィルムFを案内するフリーロール53と、長尺樹脂フィルムFの張力の測定を行う張力センサロール54とがこの順で配置されている。また、張力センサロール54から送り出されてキャンロール56に向かう長尺樹脂フィルムFは、キャンロール56の近傍に設けられたモータ駆動のフィードロール55によって、モータで回転駆動されるキャンロール56の周速度に対する調整が行われ、これによりキャンロール56の外周面に長尺樹脂フィルムFを密着させて搬送することができる。
キャンロール56から巻取ロール64までの搬送経路にも、上記と同様に、キャンロール56の周速度に対する調整を行うモータ駆動のフィードロール61、長尺樹脂フィルムFの張力測定を行う張力センサロール62、及び長尺樹脂フィルムFを案内するフリーロール63がこの順に配置されている。
上記巻出ロール52及び巻取ロール64では、パウダークラッチ等によるトルク制御によって、長尺樹脂フィルムFの張力バランスが保たれている。また、キャンロール56の回転と、これに連動して回転するモータ駆動のフィードロール55、61により、巻出ロール52から長尺樹脂フィルムFが巻き出されて巻取ロール64に巻き取られるようになっている。
キャンロール56の近傍には、キャンロール56の外周面で画定される搬送経路(すなわち、キャンロール56の外周面のうち、長尺樹脂フィルムFが巻き付けられる角度範囲Aの範囲内に沿ってこれに対向するように、成膜手段としてのマグネトロンスパッタリングカソード57、58、59及び60が設けられている。
金属膜のスパッタリング成膜の場合は、これらマグネトロンスパッタリングカソードには図2に示すような板状のターゲットを使用することができるが、板状ターゲットを用いた場合、ターゲット上にノジュール(異物の成長)が発生することがある。これが問題になる場合は、ノジュールの発生がなく、ターゲットの使用効率も高い円筒形のロータリーターゲットを使用することが好ましい。
なお、この図2の長尺樹脂フィルムFの真空成膜装置50は、熱負荷の掛かる処理としてスパッタリング処理を想定したものであるため、マグネトロンスパッタリングカソード57〜60が図示されているが、熱負荷の掛かる処理がCVD(化学蒸着)や蒸着処理などの他のものである場合は、板状ターゲットに代えて他の真空成膜手段が設けられる。
次に、上記真空成膜装置50に好適に使用されるガス放出機構を備えたキャンロール56の一具体例について図3を参照しながら説明する。この図3に示すキャンロール56は、図示しない駆動装置により回転中心軸56aを中心として回転駆動される円筒部10で構成されている。この円筒部10の外周面が長尺樹脂フィルムFを巻き付けて搬送する搬送経路になっている。円筒部10の内周面側には、冷却水などの冷媒が流通する冷媒循環部11が例えばジャケット構造で形成されている。
円筒部10の回転中心軸56a部分に位置する回転軸12は二重配管構造になっており、この回転軸12を介して前述した真空チャンバー51の外部に設けられた図示しない冷媒冷却装置と冷媒循環部11との間で冷媒が循環するようになっており、これによりキャンロール外周面の温度調節が可能となっている。すなわち、冷媒冷却装置で冷却された冷媒は、内側配管12aの内側を経て冷媒循環部11に送られ、ここで長尺樹脂フィルムFの熱を受け取って昇温した後、内側配管12aと外側配管12bとの間の空間を経て再び冷媒冷却装置に戻される。なお、外側配管12bの外側には回転するキャンロールを支持するベアリング13が設けられている。
この円筒部10の肉厚部には、その回転中心軸56aに略平行に延在し且つ周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って複数のガス導入路14が穿設されている。各ガス導入路14は、キャンロール56の回転中心線56a方向に平行に延在している。また、各ガス導入路14は、円筒部10の外周面側(すなわち、キャンロール56の外周面側)に開口する複数のガス放出孔15を有している。これら複数のガス放出孔15は、キャンロール56の回転中心線56a方向に沿って略均等な間隔をあけて穿設されている。
各ガス放出孔15の内径は、キャンロール56の外周面とそこに巻き付けられる長尺樹脂フィルムFとの間に形成されるギャップ部(隙間)に良好にガスを導入できる大きさであれば特に限定されず、例えば内径30μm〜500μm程度にすることができる。また、これらガス導入路14の本数や、各ガス導入路14が有するガス放出孔15の個数は、キャンロール56の外周面で画定される領域のうちの長尺樹脂フィルムFが巻き付けられる領域の面積、ガスの放出量、排気ポンプの能力等により適宜定められる。
一般的には、キャンロール56の外周面の搬送経路部分に、全体に亘ってできるだけ極小の内径のガス放出孔15を狭ピッチにして多数設けた方が熱伝導性を均一化できるという点において好ましい。しかしながら、極小内径の孔を狭ピッチで多数設ける加工技術は困難を伴うので、内径150〜300μm程度の小孔を5〜10mmピッチでキャンロール56の外周面に設けるのが現実的である。図3では、一例としてキャンロール56の回転中心線56aに沿って配設された10個のガス放出孔15が示されている。
各ガス導入路14はガス供給弁としてのロータリージョイント20を介して真空チャンバー51の外部からガスが供給されるようになっている。このロータリージョイント20は、キャンロール56の外周面のうち、長尺樹脂フィルムFが巻き付けられる範囲内で且つ熱負荷の掛かる範囲内に位置するガス導入路14には真空チャンバー51の外部からガスを供給し、それ以外の領域に位置するガス導入路14にはガスを供給しないように作動する。これにより、熱負荷が掛からない領域を除いて、キャンロール56の外周面とそこに巻き付けられる長尺樹脂フィルムFとの間に形成されるギャップ部(間隙)に良好にガスを導入することが可能となる。
上記ロータリージョイント20について、図4を参照しながら具体的に説明する。ロータリージョイント20は、1対の回転リングユニット21と固定リングユニット22とから構成されている。回転リングユニット21は、キャンロール56を構成する円筒部10の側部に同心円状に取り付けられており、キャンロール56と共に中心軸56aを中心として回転するようになっている。一方、固定リングユニット22は、図示しない支持部材等で真空チャンバー51に動かないように支持されている。これら回転リングユニット21及び固定リングユニット22は、互いに対向する部分にそれぞれ摺接面21a、22aを有しており、回転リングユニット21がキャンロール56と共に回転する際、これら摺接面21a、22a同士で摺接するようになっている。
回転リングユニット21には、ガス導入路14の本数と同じ本数のガス供給路23が周方向に均等な間隔をあけて全周に亘って形成されている。これら複数のガス供給路23の各々は、回転リングユニット21の内部で放射状に及び/又はキャンロール56の回転軸56a方向に平行に形成されており、その一端部が当該ガス供給路23と同じ角度位置にあるガス導入路14にガス連結管25を介して連通している。そして、このガス導入路14と接続する一端部とは反対側の他端部は、回転リングユニット21の摺接面21aで開口している。
つまり、各ガス供給路23が回転リングユニット21の摺接面21aで開口している開口部(以降、この開口部を回転開口部23aと称する)の角度位置は、当該ガス供給路23が連通しているガス導入路14の角度位置に一致している。なお、ガス連結管25を介さずにガス供給路23とガス導入路14とを直接連通させてもよい。
一方、固定リングユニット22には2つのガス分配路24が形成されており、これら2つのガス分配路24は、真空チャンバー51外部から供給されるガスを供給する2本のガス供給管26にそれぞれ一端部が連通している。そして、2つのガス分配路24の他端部は、上記回転リングユニット21のガス供給路23の一端部に設けられた回転開口部23aが摺動面21a上で移動する領域のうち、熱負荷が掛かる角度範囲内に対応する領域において開口している。具体的には、ガス分配路24は、キャンロール56の回転に伴って回転開口部23aが形成する軌跡のうち、スパッタリングカソード57〜60に対向する領域の角度範囲に相当する領域で開口する固定開口部24aを摺動面22a上に有している。
これにより、回転リングユニット21のガス供給路23の回転開口部23aが回転して固定リングユニット22のガス分配路24の固定開口部24aに対向した時のみ、ガス分配路24とガス供給路23とが連通するので、このガス供給路23にガス連結管25を介して連通するガス導入路14にガスが導入される。すなわち、図5に示すように、キャンロール56の回転によって回転するガス導入路14が、長尺樹脂フィルムFがキャンロール56の外周面に巻き付けられる角度範囲Aの範囲内のうち、成膜手段による熱負荷が掛かる領域に位置している時には図5のI−I断面のようにガス分配路24とガス供給路23が連通するのでガスが供給され、それ以外の時には図5のII−II断面のようにガス分配路24とガス供給路23との連通が分断されるのでガスが供給されなくなる。
その結果、キャンロール56の外周面のうち、長尺樹脂フィルムFが巻き付けられる角度範囲Aの範囲内であって且つスパッタリングカソード57〜60によって熱負荷が掛けられる領域のみにおいてキャンロール56の外周面と長尺樹脂フィルムFとの間にガスが導入されて熱伝導が向上し、スパッタ成膜中の長尺樹脂フィルムFの熱負荷が効率よく低減する。この領域では長尺樹脂フィルムFとキャンロール56の外周面との間の摩擦が低減することになるが、角度範囲Aのうち、スパッタ成膜中に熱負荷が掛からない領域であるスパッタリングカソード57〜60が対向していない角度範囲ではガスが放出されないので、長尺樹脂フィルムFをキャンロール56の外周面に接触させることができる。これにより、キャンロールの回転運動をフィルムに良好に伝達することが可能となり、前フィードロール55や後フィードロール61との同期制御が容易になる。
また、長尺樹脂フィルムFが巻き付いていない領域である角度範囲A以外の領域においてもガスを放出しないので、キャンロール56の外周面と長尺樹脂フィルムFとの間のギャップ部内に放出すべきガスを無駄に真空チャンバー51内に放出させることを防ぐことができる。これにより、真空チャンバー51内の圧力制御への悪影響を抑えることができると共に、導入ガスのガス圧を所定の圧力に安定的に維持することが可能となる。また、ガス導入を停止する際に電磁バルブや圧空バルブを使用しないので、回転するキャンロール56の内部に複雑な配線や配管を設ける必要がなく、複雑な制御装置も不要となる。すなわち、製作、運用及びメンテナンス性に優れている。
次に、本発明のキャンロールの他の具体例について説明する。この他の具体例のキャンロールは、長尺基板が巻き付けられる範囲内で且つ熱負荷の掛からない範囲内に位置するガス導入路からガスを吸引するガス吸引弁を有している。具体的には、ロータリージョイントの回転リングユニットは前述した図4に示す回転リングユニット21と同様の構造を有しているが、固定リングユニットに、前述した2つのガス分配路に加えてガス吸引路が形成されていることを特徴としている。つまり、固定リングユニットに形成されたガス吸引路、及び回転リングユニットに形成されたガス供給路によってガス吸引弁が構成される。
図6を参照しながら具体的に説明すると、この固定リングユニット122には、2つのガス分配路24の間に1つのガス吸引路27が設けられている。このガス吸引路27は、後述するように真空チャンバー51の外部等に連通するガス吸引管28に一端部が連通している。そして、ガス吸引路27の他端部は、前述した回転リングユニット21のガス供給路23の一端部に設けられた回転開口部23aが摺動面21a上で移動する領域のうち、抱き角Aの角度範囲内であって且つ熱負荷が掛からない領域に対応する角度範囲内において開口している。
これにより、回転リングユニット21のガス供給路23の回転開口部23aが回転して固定リングユニット122のガス吸引路27の固定開口部27aに対向した時のみ、ガス吸引路27とガス供給路23とが連通するので、ガス吸引管28、ガス吸引路27、及びガス供給路23を介して、抱き角Aの角度範囲内であって且つ熱負荷が掛からない領域に対応する角度範囲内に位置するガス導入路14からガスが吸引される。これにより、長尺樹脂フィルムFをキャンロール56の外周面に接触させることができ、キャンロール56の回転運動を長尺樹脂フィルムFに良好に伝達することが可能となる。
ガス吸引路27に連通するガス吸引管28の端部は、真空チャンバー51の外部に設けた吸引ポンプなどの吸引装置に接続して、吸引したガスを真空チャンバー51の外部に排出してもよいし、真空チャンバー51内に開口部を設けて吸引したガスを真空チャンバー内に放出しても良い。
ガス分配路24の固定開口部24aが摺動面22aで開口する角度範囲は、熱負荷が掛かる領域、例えばスパッタリングカソード57〜60が対向している領域にほぼ一致するように設定すればよく、また、ガス吸引路27の固定開口部27aが摺動面22aで開口する角度範囲は、抱き角Aのうち熱負荷が掛からない領域、例えばスパッタリングカソード58が対向する領域とスパッタリングカソード60が対向する領域との間にほぼ一致するように設定すればよい。なお、キャンロール56の外周面のうち長尺基板が巻き付けられない角度範囲は、スパッタリングカソード60が対向する領域とスパッタリングカソード57が対向する領域との間にほぼ一致することになる。
上記したロータリージョイント20では、回転リングユニット21に設けたガス供給管23の数とガス導入路14の数を一致させて、キャンロール56の周方向において同じ角度位置にあるもの同士を連通させた構造について説明したが、スペースや使用できる配管のサイズ等の制約から、複数本のガス導入路14に対して1つのガス供給路23を連通させることが望ましい場合がある。この場合は、例えばガス供給管23の先端部に分岐管を取り付け、その分岐先を互いに隣接する複数のガス導入路14にそれぞれ連結すればよい。
上記分岐管を使用する場合は、キャンロール56の外周面のうちの長尺樹脂フィルムFが巻き付けられない領域に同時に存在するガス導入路14の本数を1つのガス供給路23から分岐する配管の本数に一致させることが好ましい。例えば、図5に示すように3本のガス導入路14が長尺樹脂フィルムFが巻き付けられない領域に同時に存在するのであれば、各分岐管は3本に分岐する構造を有しているのが好ましい。但し、ガスの導入をよりきめ細かく制御することが望まれる場合は、長尺樹脂フィルムFが巻き付けられていない領域に同時に存在するガス導入路14の本数を2若しくは3以上の整数で等分した数に各分岐管から分岐する配管の本数を一致させることがより好ましい。
これまで、ガス供給弁やガス吸引弁として図5や図6に示す回転する摺接面を備えたロータリージョイントを例に挙げて説明してきたが、ガス供給弁やガス吸引弁はこれらに限定されるものではなく、例えば磁石の吸引力や反発力を利用して弁の開閉を行って、ガスの供給や吸引、及び長尺樹脂フィルムが巻き付いていない領域へのガスの供給停止を行っても良い。
なお、上記した本発明の一具体例のキャンロール56が具備するロータリージョイントは、回転リングユニット21及び固定リングユニット22の形状が中心軸方向から見てほぼ同一のリング状部材であり、それらの摺動面21a、22aはキャンロール56の中心軸56aに対して垂直に形成されていたが、所定の角度範囲内に位置するガス導入路14にのみガスを供給して効果的にギャップ部にガスを導入し得るものであれば、かかる形状に限定されるものではない。
例えば、回転リングユニット21の内径と固定リングユニット22の外径とをほぼ同じ大きさにして回転リングユニット21の内側に固定リングユニット22が嵌めこまれるようにしてもよい。この場合は、回転リングユニット21の内周部と固定リングユニット22の外周部とが互いに摺動する摺動面となり、ここに各開口部が設けられることになる。なお、ロータリージョイントの摺動部分からのガスのリークを防ぐため、公知のガスシール手段を設けることが好ましい。
なお、非特許文献2によれば、導入ガスがアルゴンガスの場合、導入ガス圧力が500Paでギャップ間距離が約40μm以下の時、ギャップ間の熱伝導率は250(W/m・K)となる。本発明の長尺基板の処理装置においても、同様の導入ガス圧力条件を想定した場合、キャンロール56の外周面と長尺樹脂フィルムFとの間に形成されるギャップ部の距離は40μmになると考えられるが、この程度のギャップ部の距離であれば、そこからリークするガス量は、長尺基板真空成膜装置が通常備える真空ポンプで排気可能である。
更に、導入ガスをスパッタリング雰囲気のガスと同じものにしておけば、スパッタリング雰囲気を汚染することもない。また、上述の通り、キャンロール56の外周面のうち長尺樹脂フィルムFが巻き付けられない領域ではガス導入路14へガスを供給する前にガス供給を遮断するので、ガス漏れのリスクを減らすことができる。
以上、長尺基板として耐熱性樹脂フィルムを例に挙げて本発明の一具体例の長尺基板処理装置の説明を行ったが、本発明の長尺基板処理装置で使用する長尺基板には、他の樹脂フィルムはもちろんのこと、金属箔や金属ストリップなどの金属フィルムを用いることができる。樹脂フィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのような比較的耐熱性に劣る樹脂フィルムやポリイミドフィルムのような耐熱性樹脂フィルムを挙げることができる。
金属膜付耐熱性樹脂フィルムを作製する場合は、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム又は液晶ポリマー系フィルムから選ばれる耐熱性樹脂フィルムが好適に用いられる。なぜなら、これらを用いて得られる金属膜付耐熱性樹脂フィルムは、金属膜付フレキシブル基板に要求される柔軟性、実用上必要な強度、配線材料として好適な電気絶縁性に優れているからである。
金属膜付耐熱性樹脂フィルムの製造は、上述したような真空成膜装置に長尺基板として上記の耐熱性樹脂フィルムを用い、その表面に金属膜をスパッタリング成膜すれば得られる。例えば、上述したような成膜装置(スパッタリングウェブコータ)50を用いて耐熱性樹脂フィルムをメタライジング法で処理することにより耐熱性樹脂フィルムの表面にNi系合金等から成る膜とCu膜とが積層された構造体を有する金属膜付長尺耐熱性樹脂フィルムを得ることができる。
このような構造体を有する金属膜付耐熱性樹脂フィルムは成膜処理後は別工程に送られ、そこでサブトラクティブ法により所定の配線パターンを有するフレキシブル配線基板に加工される。ここで、サブトラクティブ法とは、レジストで覆われていない金属膜(例えば、上記Cu膜)をエッチングにより除去してフレキシブル配線基板を製造する方法のことである。
上記したNi系合金等から成る膜はシード層と呼ばれ、金属膜付耐熱性樹脂フィルムに必要とされる電気絶縁性や耐マイグレーション性等の特性により適宜その組成が選択されるが、一般的にはNi−Cr合金、インコネル、コンスタンタン、モネル等の公知の合金で形成される。なお、金属膜付長尺耐熱性樹脂フィルムの金属膜(Cu膜)をより厚くしたい場合は、湿式めっき法を用いることがある。この場合は、電気めっき処理のみで金属膜を形成する方法か、あるいは一次めっきとしての無電解めっき処理と、二次めっきとしての電解めっき処理等の湿式めっき処理とを組み合わせて行う方法で処理される。この湿式めっき処理には、一般的な湿式めっき条件を採用することができる。
上記本発明の具体例では、金属膜付耐熱性樹脂フィルムとして、長尺樹脂フィルムFにNi-Cr合金やCu等の金属膜を積層した構造体を例にとって説明したが、上記金属膜のほか、目的に応じて酸化物膜、窒化物膜、炭化物膜等の成膜に本発明の成膜方法を用いることもできる。
また、上記本発明の具体例では、長尺基板真空成膜装置に関して説明してきたが、本発明の長尺基板処理装置には、減圧雰囲気下の真空チャンバー内で長尺基板にスパッタリング等の真空成膜を施す処理以外に、プラズマ処理やイオンビーム処理等の熱負荷の掛かる処理も含まれる。これらプラズマ処理やイオンビーム処理により長尺基板の表面が改質されるが、その際、長尺基板に熱負荷が掛かる。このような場合においても、本発明のキャンロール及びこれを用いた長尺基板の成膜装置を用いることが効果的であり、これにより処理雰囲気に多量の導入ガスをリークさせることなく熱負荷による長尺基板のシワ発生を抑制することができる。
ここでプラズマ処理とは、公知のプラズマ処理方法、例えばアルゴンと酸素の混合ガス又はアルゴンと窒素の混合ガスによる減圧雰囲気下において放電を行うことにより、酸素プラズマ又は窒素プラズマを発生させて長尺基板を処理する方法のことである。また、イオンビーム処理とは、強い磁場を印加した磁場ギャップでプラズマ放電を発生させて、プラズマ中の陽イオンを陽極による電解でイオンビームとして目的物(長尺基板)へ照射する処理である。このイオンビーム処理には、公知のイオンビーム源を用いることができる。なお、これらプラズマ処理やイオンビーム処理は、ともに減圧雰囲気下で行われる。
図2に示す成膜装置(スパッタリングウェブコータ)を用いて金属膜付長尺耐熱性樹脂フィルムを作製した。長尺基板としての耐熱性樹脂フィルム(長尺樹脂フィルムF)には、幅500mm、長さ800m、厚さ25μmの宇部興産株式会社製の耐熱性ポリイミドフィルム「ユーピレックス(登録商標)」を使用した。
キャンロールには、図3に示すようなジャケットロール構造のガス導入機構付きキャンロール56を使用した。このキャンロール56の円筒部10には、直径900mm、幅750mmのアルミ製のものを使用し、その外周面にハードクロムめっきを施した。この円筒部10の肉厚部に、キャンロール56の回転中心軸56a方向に平行に延在する内径4mmのガス導入路14を周方向に均等な間隔をあけて全周に亘って360本穿設した。なお、ガス導入路14の両端のうち先端側は有底にして円筒部10を貫通しないようにした。
各ガス導入路14には、円筒部10の外表面側(すなわちキャンロール56の外周面側)に開口する内径0.2mmのガス放出孔15を47個設けた。これら47個のガス放出孔15は、円筒部10の外表面に画定される長尺樹脂フィルムFの搬送経路の両端部からそれぞれ20mm内側の線の間の領域に、長尺樹脂フィルムFの進行方向に対して直交する方向において10mmのピッチで配設した。つまり、キャンロール56の外周面のうち両端部からそれぞれ145mmまでの領域にはガス放出孔15を設けなかった。
上記したように、円筒部10には360本のガス導入路14が全周に亘って周方向に均等に且つ回転中心軸56aに略平行に延在するように配設されている。図2の紙面上側の12時の位置を角度0°としたとき、前フィードロールは角度20°位置でキャンロールと接触し、後フィードロールは角度340°位置でキャンロールと接触している。スパッタ成膜における熱負荷が発生する領域は、成膜中に熱電対を用いて測定した結果、角度40°〜140°の領域と角度220°〜320°の領域であった。そこで、ガスを導入するガス分配路24の固定開口部24aを角度35°〜145°、及び角度215°〜125°で開口し、ガス吸引路27の固定開口部27aを角度150°〜210°で開口した。このガス吸引路27の他端は真空チャンバー51内で開口し、吸引したガスを真空チャンバー51内に放出するようにした。
長尺樹脂フィルムFに成膜する金属膜としては、シード層であるNi−Cr膜の上にCu膜を成膜するものとし、そのため、マグネトロンスパッタターゲット57にはNi−Crターゲットを用い、マグネトロンスパッタターゲット58、59、60にはCuターゲットを用いた。巻き出しロール51と巻き取りロール64の張力は80Nとした。キャンロール56は水冷により20℃に制御しているが、長尺樹脂フィルムFとキャンロール56との熱伝導効率が良好でないと冷却効果は期待できない。
この成膜装置の巻き出しロール51側に、巻回された長尺樹脂フィルムFをセットし、その一端をキャンロール56を経由させて巻き取りロール64に取り付けた。この状態で、真空チャンバー51内の空気を複数台のドライポンプを用いて5Paまで排気した後、更に、複数台のターボ分子ポンプとクライオコイルを用いて3×10−3Paまで排気した。
次に回転駆動装置を起動して、長尺樹脂フィルムFを搬送速度3m/分で搬送させながら、アルゴンガスを300sccmで導入するとともにマグネトロンスパッタカソード57、58、59、60に10kWの電力を印加して電力制御した。更にキャンロール56には150sccmでアルゴンガスを導入した。このようにしてロールツーロールで搬送される長尺樹脂フィルムFに対してその片面にNi−Cr膜からなるシード層及びその上に成膜されるCu膜を連続して成膜する処理を開始した。
上記表面処理の際、成膜中のキャンロール56の外周面上の長尺樹脂フィルムFの表面の観察が可能な観察窓から、ガス導入が行われているキャンロール56の外周面上の長尺樹脂フィルムFの表面を観察したところ、マグネトロンスパッタリングカソード57、58、59、60の成膜ゾーンを通過した成膜直後の長尺樹脂フィルムFに表れやすい、シワの原因となる進行方向と平行な方向のキャンロール56の外周面からの長尺樹脂フィルムFの浮きが見られることは無かった。更に、キャンロール56と長尺樹脂フィルムFの搬送速度にズレが生じる事は無く、搬送制御の同期が可能であった。
比較のため、ガス吸引路27の他端を真空チャンバー51内で開口することに代えて、ガス吸引路27(角度150°〜210°)にもガスを導入してキャンロール56に100sccmでアルゴンガスを導入した以外は上記と同様にして耐熱性ポリイミドフィルムからなる長尺樹脂フィルムFに成膜処理を施した。
上記成膜処理の際、成膜中のキャンロール56の外周面上の長尺樹脂フィルムFの表面の観察が可能な観察窓から、ガス導入が行われているキャンロール56の外周面上の長尺樹脂フィルムFの表面を観察したところ、マグネトロンスパッタリングカソード57、58、59、60の成膜ゾーンを通過した成膜直後の長尺樹脂フィルムFに表れやすい、シワの原因となる進行方向と平行な方向のキャンロール56の外周面からの長尺樹脂フィルムFの若干の浮きが見られることがあった。更に、キャンロール56と長尺樹脂フィルムFの搬送速度にズレが生じる事があり、搬送制御の同期が難しくキャンロール56の搬送速度にバラツキが多くなった。
10 円筒部
11 冷媒循環部
12 回転軸
13 ベアリング
14 ガス導入路
15 ガス放出孔
20 ガスロータリージョイント
21 回転リングユニット
22 固定リングユニット22
23 ガス供給路
24 ガス分配路
25 ガス連結管
26 ガス供給管
27 ガス吸引路
28 ガス吸引管
50 成膜装置
51 真空チャンバー
52 巻出ロール
53、63 フリーロール
54、62 張力センサロール
55、61 フィードロール
56 キャンロール
56a 回転中心軸
57、58、59、60 マグネトロンスパッタリングカソード
64 巻取ロール
F 長尺樹脂フィルム
A 抱き角
B 抱き角のうちで熱負荷が掛からない角度範囲

Claims (16)

  1. 真空チャンバー内においてロールツーロールで搬送する長尺基板に対して、熱負荷の掛かる表面処理を施す際に外周面に部分的に巻き付けて冷却する円筒部からなるキャンロールであって、
    前記円筒部は、その回転中心軸に略平行に延在し且つ周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って配設された複数のガス導入路と、これら複数のガス導入路の各々から外周面側に開口する複数のガス放出孔とを有しており、長尺基板が巻き付けられる範囲内で且つ熱負荷の掛かる範囲内に位置するガス導入路には真空チャンバーの外部からガスを供給し、それ以外の領域に位置するガス導入路にはガスを供給しないように作動するガス供給弁が設けられていることを特徴とするキャンロール。
  2. 前記ガス供給弁が、前記円筒部に伴って回転する回転リングユニットと、該回転リングユニットに摺接する固定リングユニットとからなるロータリージョイントによって構成され、回転リングユニットは前記複数のガス導入路にそれぞれ連通する複数のガス供給路を有し、各ガス供給路の一端部は、これに連通するガス導入路のキャンロール外周面上の角度位置と同じ角度位置で固定リングユニットとの摺接面において開口しており、固定リングユニットは前記真空チャンバー外部に連通するガス分配路を有し、該ガス分配路は、前記ガス供給路の一端部が前記摺動面上で移動する領域のうち、前記熱負荷が掛かる角度範囲内に対応する領域において開口していることを特徴とする、請求項1に記載のキャンロール。
  3. 前記長尺基板が巻き付けられる範囲内で且つ熱負荷の掛からない範囲内に位置するガス導入路からガスを吸引するガス吸引弁を更に有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のキャンロール。
  4. 前記ガス吸引弁が、前記固定リングユニットに設けられた、一端部が前記真空チャンバー外部に連通すると共に他端部が前記摺動面で開口するガス吸引路から構成され、該ガス吸引路の該他端部は、前記ガス供給路の前記一端部が摺動面上で移動する領域のうち、長尺基板が巻き付けられる角度範囲内であって且つ前記熱負荷が掛からない領域に対応する角度範囲内で開口していることを特徴とする、請求項3に記載のキャンロール。
  5. 前記ガス吸引路の一端部が、前記真空チャンバー内で開口するか、あるいは前記真空チャンバーの外部に設けられた吸引装置に連通していることを特徴とする、請求項4に記載のキャンロール。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のキャンロールが搭載されていることを特徴とする長尺基板処理装置。
  7. 前記熱負荷の掛かる処理が、プラズマ処理又はイオンビーム処理であることを特徴とする、請求項6に記載の長尺基板処理装置。
  8. プラズマ処理又はイオンビーム処理を行う機構が、前記キャンロールの外周面で画定される搬送経路に対向していることを特徴とする、請求項7に記載の長尺基板処理装置。
  9. 前記熱負荷の掛かる処理が真空成膜手段を用いた真空成膜処理であることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の長尺基板真空成膜装置。
  10. 前記真空成膜手段がマグネトロンスパッタリングであることを特徴とする、請求項8に記載の長尺基板真空成膜装置。
  11. 真空チャンバー内においてロールツーロールで搬送する長尺基板を、回転中心軸に略平行に延在し且つ周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って配設された複数のガス導入路と、これら複数のガス導入路の各々から外周面側に開口する複数のガス放出孔とを有する円筒部からなるキャンロールの外周面に部分的に巻き付けて冷却しながら、熱負荷の掛かる表面処理を行う長尺基板の表面処理方法であって、
    前記複数のガス導入路のうち、長尺基板が巻き付けられる範囲内で且つ熱負荷の掛かる範囲内に位置するガス導入路には真空チャンバーの外部からガスを供給し、それ以外の領域に位置するガス導入路にはガスを供給しないことを特徴とする長尺基板の表面処理方法。
  12. 前記複数のガス導入路のうち、長尺基板が前記キャンロールに巻きつけられる範囲内で且つ前記長尺基板に熱負荷が掛からない範囲内に位置するガス導入路からガスを吸引して、前記長尺基板に熱負荷が掛からない範囲内における長尺基板とキャンロールの外周面との間の隙間のガスを除去することを特徴とする、請求項11に記載の長尺基板の表面処理方法。
  13. 前記吸引したガスは、前記真空チャンバー内に放出されるか、又は前記真空チャンバーの外部に設けた吸引ポンプにより真空チャンバーの外部に排出されることを特徴とする、請求項12に記載の長尺基板の表面処理方法。
  14. 前記熱負荷の掛かる表面処理が、前記キャンロールの外周面に巻き付けられる長尺基板に対して施されるプラズマ処理又はイオンビーム処理であることを特徴とする、請求項11〜13に記載の長尺基板の表面処理方法。
  15. 請求項11〜14に記載の前記熱負荷の掛かる表面処理が、前記キャンロールの外周面に巻き付けられる長尺基板に対して施される真空成膜処理であることを特徴とする長尺基板の成膜方法。
  16. 前記真空成膜処理がスパッタリング処理であることを特徴とする、請求項15に記載の長尺基板の成膜方法。
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