JP2014015656A - 二次電池集電体用銅合金圧延箔およびその製造方法 - Google Patents

二次電池集電体用銅合金圧延箔およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧延方向に対して、0°、45°、90°方向の平均0.2%耐力及び導電率が高く、加熱処理、例えば350℃の温度で1時間の熱処理を施した後にも、これらの方向の平均0.2%耐力が高く維持され、二次電池の電気的特性を向上させることができる二次電池集電体用銅合金圧延箔およびその製造方法を提供する。
【解決手段】Cr、ZrおよびTiのうちの少なくとも一種を0.01〜0.6質量%含有し、残部が銅と不可避不純物からなる銅合金圧延箔であって、圧延面の結晶方位分布において、方位差が1°以上である方位差境界の境界線の長さが、1μmあたり10μm以上である二次電池集電体用銅合金圧延箔およびその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、二次電池用集電体に適用可能な銅合金圧延箔に関し、特に、圧延方向に対して、0°、45°、90°方向の0.2%耐力の平均値が高い銅合金圧延箔およびその製造方法に関するものである。
リチウムイオン電池などの二次電池の負極集電体には、銅合金圧延箔が用いられることがある。この場合、銅合金圧延箔は、その表面上に負極活物質を保持して負極集電体として用いられる。
近年の電池容量向上の要求に伴い、この負極活物質について、カーボン系からシリコン(Si)系やスズ(Sn)系への変更が検討されている。これらの新しい活物質は、充・放電の容量が大きい反面、充・放電に伴う体積膨張・収縮量がカーボン系よりも大きい特徴がある。この活物質の膨張・収縮に伴って、負極集電体の銅合金圧延箔がその弾性限度を超えて変形すると、負極の変形や集電帯の折れ、活物質の脱落などを引き起こし、電池容量を低下させる原因となる。従って、0.2%耐力の高い負極集電帯用の銅合金圧延箔が求められている。特に、銅合金圧延箔製造工程における圧延の幅方向が負極電極の長手方向となるため、圧延の幅方向に高い強度が求められる。
上記のように、電池用銅合金圧延箔の0.2%耐力が低いと電池の性能低下の原因となるため、0.2%耐力の高い銅合金圧延箔が求められている。特に、活物質は等方的に体積変化するため、圧延方向に対して0°、45°、90°とあらゆる方向の0.2%耐力が高いことが求められる。さらに、0.2%耐力が高いことと同時に、電池用銅合金圧延箔として導電性が高いことが要求される。
また、電池の組み立て工程において、活物質の固定に使用されるポリアミドのイミド化処理をする際に300〜350℃の熱処理がなされる。このため、電池用に使用される場合には、上記の熱処理によっても銅合金圧延箔が軟化しないことが求められる。
銅合金圧延箔の高強度化に関しては、以下のようにいくつか提案がされている。
特許文献1に開示された発明では、Agを1.5質量%以上3.0質量%未満含有し、AgをCrまたはZrと複合的に析出させることで高強度化している。この方法で、圧延方向の平行方向において0.2%耐力で640MPa以上の高強度が得られている。但し、Agは高価で、埋蔵量も少ないため、汎用材への高濃度添加元素としては適さない。
特許文献2に開示された発明では、Feを高濃度に添加して二相化し、高強度化している。圧延方向の平行方向の0.2%耐力で779MPa以上の高強度が得られている。但し、Fe相は銅相に対して耐食性が著しく劣るために使用が不可能だった。
特許文献3に開示された発明では、Cu−Cr−Zr合金で析出状態を制御し、引張強度と導電性の両立を図っている。但し、引張強度はおおよそ600MPa以下と低い。
特開2008−081835号公報 特開2009−242871号公報 特開2006−283106号公報
したがって、銅合金圧延箔は、電池の集電体の用途に対しては、圧延方向に対して、0°、45°、90°方向の平均0.2%耐力が高く、かつ導電性が高いことが重要となる。しかし、このような銅合金圧延箔は知られていない。
本発明は、圧延方向に対して、0°、45°、90°方向の平均0.2%耐力及び導電率が高く、加熱処理、例えば350℃の温度で1時間の熱処理を施した後にも、これらの方向の平均0.2%耐力が高く維持され、二次電池の電気的特性を向上させることができる二次電池集電体用銅合金圧延箔並びに上記の、0.2%耐力と導電性に優れ、さらに製造適性に優れた二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段により解決された。
(1)Cr、ZrおよびTiのうちの少なくとも一種を0.01〜0.6質量%含有し、残部が銅と不可避不純物からなる銅合金圧延箔であって、
圧延面の結晶方位分布において、方位差が1°以上である方位差境界の境界線の長さが、1μmあたり10μm以上であることを特徴とする二次電池集電体用銅合金圧延箔。
(2)Cr、ZrおよびTiのうちの少なくとも一種を0.01〜0.6質量%含有し、さらにSn、Zn、Mn、Mg、Ag、Si、P、NiおよびFeのうちの少なくとも一種を0.01〜0.95質量%含有し、残部が銅と不可避不純物からなる銅合金圧延箔であって、
圧延面の結晶方位分布において、方位差が1°以上である方位差境界の境界線の長さが、1μmあたり10μm以上であることを特徴とする二次電池集電体用銅合金圧延箔。
(3)350℃で1時間保持する熱処理をされた後、圧延面の結晶方位分布において方位差が1°以上の方位差境界の境界線の長さが、1μmあたり2μm以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の二次電池集電体用銅合金圧延箔。
(4)二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法であって、
Cr、ZrおよびTiのうちの少なくとも一種を0.01〜0.6質量%含有し、残部が銅と不可避不純物からなる合金組成を有した銅合金を溶解(ステップ1)し、鋳造(ステップ2)して得た鋳塊に、900〜1030℃で5分〜4時間の均質化熱処理(ステップ3)を行い、温度700〜1030℃で加工率が40〜95%の高温圧延1(ステップ4)と、冷却速度6〜6000℃/分の中間冷却(ステップ5)と、300〜700℃で加工率が40〜80%の高温圧延2(ステップ6)と、冷却速度6〜6000℃/分の冷却(ステップ7)と、500〜700℃で1〜5時間の熱処理(ステップ8)と、面削(ステップ9)と、0〜150℃で加工率が90.0〜99.9%の冷間圧延(ステップ10)とを施して、
圧延面の結晶方位分布において、方位差が1°以上である方位差境界の境界線の長さが、1μmあたり10μm以上である銅合金圧延箔を得ることを特徴とする二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法。
(5)二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法であって、
Cr、ZrおよびTiのうちの少なくとも一種を0.01〜0.6質量%含有し、さらにSn、Zn、Mn、Mg、Ag、Si、P、NiおよびFeのうちの少なくとも一種を0.01〜0.95質量%含有し、残部が銅と不可避不純物からなる合金組成を有した銅合金を溶解(ステップ1)し、鋳造(ステップ2)して得た鋳塊に、900〜1030℃で5分〜4時間の均質化熱処理(ステップ3)を行い、温度700〜1030℃で加工率が40〜95%の高温圧延1(ステップ4)と、冷却速度6〜6000℃/分の中間冷却(ステップ5)と、300〜700℃で加工率が40〜80%の高温圧延2(ステップ6)と、冷却速度6〜6000℃/分の冷却(ステップ7)と、500〜700℃で1〜5時間の熱処理(ステップ8)と、面削(ステップ9)と、0〜150℃で加工率が90.0〜99.9%の冷間圧延(ステップ10)とを施して、
圧延面の結晶方位分布において、方位差が1°以上である方位差境界の境界線の長さが、1μmあたり10μm以上である銅合金圧延箔を得ることを特徴とする二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法。
(6)前記最終の冷間圧延(ステップ10)の後に、200〜600℃で0.1〜20時間の低温焼鈍(ステップ11)を施すことを特徴とする(4)または(5)に記載の二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法。
本発明の銅合金圧延箔は、二次電池の負極集電体に用いると、充・放電時の膨張・収縮量の大きいSn系やSi系などの活物質が膨張・収縮するのに伴って変形する際に、その変形は弾性変形域内となるので、活物質の形状変化に集電体を追従させることができる。従って、活物質の集電体からの離脱を防止して、二次電池の充・放電のサイクル特性を向上させることができる。
結晶方位を制御するための銅合金圧延箔の製造工程の模式的な工程図である。 本発明例104をEBSD法で解析し、1°以上の方位差境界を線で示したマップである。 比較例304をEBSD法で解析し、1°以上の方位差境界を線で示したマップである。 単位面積あたりの方位差境界の長さの分布を示すグラフである。 本発明例104と比較例305の圧延箔における加熱温度に対する加熱後の0.2%耐力の関係を示すグラフである。 10nmサイズの微細な析出物が方位差境界をピン止めしている様子を示す透過型電子顕微鏡写真である。
本発明の好ましい実施形態において、銅合金圧延箔は、圧延面の結晶方位分布において、方位差が1°以上の方位差境界の境界線の長さが、1μmあたり10μm以上である。
方位差粒界について、最初に説明する。
[方位差境界]
圧延箔は板厚減少率(加工率とも言う)が80%以上の高い塑性加工がなされるため、転位強化によって耐力が高められるのが一般的である。転位密度の増加に伴う耐力の向上は、Bailey−Hirschの関係として、各種の合金で認められている(例えば、加藤雅治ら、「マテリアル工学シリーズ3 材料強度学」、(株)朝倉書店、1999年 参照)。しかし、耐力(σ)と転位密度(ρ)は、下記の関係があり、転位密度の上昇に伴う硬化量は飽和する。また、金属材料中に蓄積される転位密度(ρ)は最大でも1015m/m程度であるため、転位強化のみで材料強度を高めることには限界があった。
そこで、本発明者らは、箔圧延前の組織を改良することで、箔圧延中に方位差境界を多く形成させ、粒界強化を含めた方位差境界での強化による更なる強度の向上を試みた。
方位差境界とは、活動転位の堆積によって形成される転位壁、転位セル境界、結晶粒の分断にともなう滑り系の異なる領域同士の境界、小角粒界、大角粒界など、加工に伴って形成される金属組織の境界を含む意味である。そして、圧延銅合金箔の金属組織において、方位差が1°以上の方位差境界の境界線の長さが1μmあたり10μm以上あれば、良好な特性を有することを見出した。
本発明においては、圧延後の箔の結晶方位分布において、方位差が1°以上の方位差境界の長さが、1μmあたり10μm以上の長さである。この長さは、好ましくは12.5μm以上、更に好ましくは13.8μm以上である。この方位差境界の境界線の長さの上限は特に限定されるものではないが、20μm以下が好ましい。方位差境界が長いことは、格子欠陥が多いことに対応し、20μm/μmを上回る場合は、箔圧延後の伸びや、350℃で加熱された際の耐熱性を低下させるため、好ましくない。
また、箔圧延処理である冷間圧延(ステップ10)の後にさらに、350℃で1時間加熱した場合、加熱後の方位差が1°以上の方位差境界の境界線の長さは、1μmあたり2μm以上が好ましく、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは4μm以上である。加熱後の方位差境界の境界線の長さの上限は特に限定されるものではないが、15μm以下が好ましい。
[解析方法]
本発明における上記結晶方位の解析には、FE−SEM/EBSD法を用いる。EBSD法とは、Electron Back Scatter Diffraction(電子後方散乱回折)の略で、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)内で試料に電子線を照射したときに生じる反射電子菊池線回折(菊池パターン)を利用した結晶方位解析技術のことである。FE−SEMは電界放出電子銃(Field Emission電子銃)を利用しているために電子線が細く、空間分解能が高い特徴がある。銅合金圧延箔のように高い加工率の圧延によって材料が強く歪んでいる場合は組織中に高い方位勾配を有するため、結晶方位を精密に測定する方法としてFE−SEM/EBSD法が有効である。一方、照射電子線の径が大きいタングステンフィラメントの電子銃などを用いた場合は複数方位の回折パターンとなってしまい、方位の特定が困難な場合がある。
本実施形態においては、700平方μm以上の試料面積に対し、0.05μmのステップでスキャンし、結晶方位を解析した。解析ソフトには、TSL(社)のOIM version5(商品名)を用いる。
本発明においては、0.05μmの間隔で方位を測定し、隣接測定点の間のなす角度が1°以上である場合、その境界を「結晶方位分布における方位差が1°以上の方位差境界」として定義する。そして、700平方μm以上の測定面積内の方位差境界の全長(境界線の全ての長さの合計)を求め、これを測定面積で割り、面積1μmあたりの方位差境界の長さを算出する。
なお、EBSD法による方位解析において得られる情報は、電子線が試料に侵入する数10nmの深さまでの方位情報を含んでいるが、測定している広さに対して充分に小さいため、本発明では平面情報として組み込まれている。
方位差解析の対象となる2つの結晶方位をx、yとすると、両者の方位関係は下記の回転行列aで表される。
方位差である回転角θxyは下記の式によって求めることができる。(例えば、幾原 雄一 編著「セラミック材料の物理−結晶と界面−」,日刊工業新聞社,1999年 参照。)通常は、解析ソフト内でこのような計算が行われる。
θxy=cos−1{(a11+a22+a33−1)/2}
なお、FE−SEM/EBSD法の他には、TEM/Kikuchi線解析の方法を用いても良い。この方法は、TEM(Transmission Electron Microscope:透過型電子顕微鏡)内で回折図形を解析して結晶方位マップを作成するものである。このマップから同様に結晶方位分布における方位差が1°以上の方位差境界の長さを求めてもよい。
[合金成分と組成]
本発明の二次電池集電体用銅合金圧延箔は、銅合金中の主成分として、Cr、ZrおよびTiのうちの少なくとも一種を合計で0.01〜0.6質量%含有する。箔圧延における回復を抑制し、方位差境界を安定的に増殖させる作用を有する。また、導電性を大きく低下させることなく、耐熱性を向上させる効果がある。Cr、ZrおよびTiが形成する粒子(晶出物や析出物等)が、結晶粒界を含む方位差境界の移動をピン止めする微細な粒子として分散することがそのメカニズムの一つである。
なお、上記の各々で規定した成分の上限を超えて添加した場合に、酸化物、析出物、晶出物などの形態で粗大な第2相として分散し、15μm以下の箔厚(板厚)までの圧延の際に、ピンホールや板切れの原因となるため、好ましくない。また、この結果、導電性が著しく低下するため、好ましくない。Cr、ZrおよびTiの合計量について上記で規定した成分の下限を下回って添加した場合に、耐熱性が低下し、好ましくない。
これら主成分の好ましい範囲は0.01〜0.4質量%、より好ましくは0.02〜0.4質量%、さらに好ましくは0.03〜0.35質量%、特に好ましくは、0.03〜0.25質量%である。
副成分として更にSn、Zn、Mn、Mg、Ag、Si、P、Ni、Feのうちの少なくとも一種を合計で0.01〜0.95質量%含有してもよい。これらは、強度向上の効果がある。
0.95質量%を超えて添加された場合は、酸化物、析出物、晶出物などの形態で粗大な第2相として分散し、15μm以下の箔厚(板厚)までの圧延の際に、ピンホールや板切れの原因となるため、好ましくない。また、導電性を著しく低下させるため、好ましくない。
これらの副成分の含有量は、より好ましくは0.05〜0.90質量%である。また、Sn、Niは、それぞれ0.01〜0.90質量%が好ましく、Znは0.01〜0.50質量%が好ましく、Mn、Mg、Ag、Pはそれぞれ0.01〜0.10質量%が好ましく、Si、Feはそれぞれ0.01〜0.30質量%が好ましい。
また、これらの副成分は、上記各成分単独、特にSi単独、Ag単独、以外に2種成分の組合せ、例えばSnとZnまたはSi、MnとMg、NiとSi、FeとPの組合せ、が好ましいが、3種以上の成分の組合せであってもよい。
ここで、本願において不可避不純物とは、おおむね金属製品において、原料中に存在するものや、製造工程において不可避的に混入するもので、本来は不要なものであるが、微量であり、金属製品の特性に影響を及ぼさないため許容されている不純物である。
[0.2%耐力]
本発明の二次電池集電体用銅合金圧延箔で得られる上記3方向(圧延方向に対して0°、45°および90°)で代表される0.2%耐力の箔圧延後の平均値は、好ましくは550MPa以上、より好ましくは625MPa以上、更に好ましくは700MPa以上である。上限は特に限定されるものではないが、900MPa以下が好ましく、800MPa以下がより好ましい。
また、ポリアミドのイミド化熱処理を模擬した350℃で1時間保持する熱処理の後の上記3つの方向での0.2%耐力の平均値は、好ましくは400MPa以上、より好ましくは470Ma以上、さらに好ましくは540MPa以上である。上限は特に限定されるものではないが、700MPa以下が好ましく、650MPa以下がより好ましい。
このように合金組成と0.2%耐力を制御することで、導電率は50%IACS以上を満足する。
[方位差境界を制御する製造方法]
本発明の実施形態において有効性が見出された方位差境界の条件に制御するための製造方法を説明する。なお、上述したように、圧延後の箔において、方位差が1°以上である方位差境界の境界線の長さが1μmあたり10μm以上であることを満足すれば、その製造方法は特に制限されるものではない。
本発明の製造方法は、Cr、ZrおよびTiのうちの少なくとも一種を0.01〜0.6質量%含有し、残部が銅と不可避不純物からなる合金組成を有するか、または前記副成分を含有する場合は、Cr、ZrおよびTiのうちの少なくとも一種を0.01〜0.6質量%含有し、さらにSn、Zn、Mn、Mg、Ag、Si、P、NiおよびFeのうちの少なくとも一種を0.01〜0.95質量%含有し、残部が銅と不可避不純物からなる合金組成を有した銅合金を溶解(ステップ1)し、鋳造(ステップ2)して得た鋳塊に、900〜1030℃で5分〜4時間の均質化熱処理(ステップ3)を行い、温度700〜1030℃で加工率が40〜95%の高温圧延1(ステップ4)と、冷却速度6℃/分〜6000℃/分の中間冷却(ステップ5)と、300〜700℃で加工率が40〜80%の高温圧延2(ステップ6)と、冷却速度6℃/分〜6000℃/分の冷却(ステップ7)と、500〜700℃で1〜5時間の熱処理(ステップ8)と、面削(ステップ9)と、0〜150℃で加工率が90.0〜99.9%の冷間圧延(ステップ10)からなる。
このようなステップを経る製造方法により、圧延面の結晶方位分布における方位差が1°以上である方位差境界の境界線の長さを、1μmあたり10μm以上とすることが可能となる。
方位差境界を制御するための銅合金圧延箔の好ましい製造方法は、図1に図示する工程に示すように、ステップ1からステップ10が基本工程である。
以下に、図1に基づくステップ1〜10を順に説明する。
<ステップ1>
ステップ1は所定の合金組成を有する銅合金を溶解する工程である。母材の銅と、銅合金中に含有されるCr、ZrおよびTiのうちの少なくとも一種を0.01〜0.6質量%含有するよう銅合金素材を用意し、溶解する。必要により、さらにSn、Zn、Mn、Mg、Ag、Si、P、NiおよびFeのうちの少なくとも一種を0.01〜0.95質量%含有するように添加して溶解する。
具体的には、上記の各成分を原料として、真空溶解炉により、温度1100〜1300℃で、1〜10時間かけて溶解する。
<ステップ2>
ステップ2は鋳造する工程である。溶解した原料を例えば、0.1〜100℃/秒の冷却速度で冷却して鋳造し、鋳塊(形状は問わない)を得る工程である。これによって、銅合金中の成分が最終的に確定する。
<ステップ3>
ステップ3は均質化熱処理する工程である。900〜1030℃で5分〜4時間保持する工程である。銅合金母相中に添加成分を十分に均質分散させて、鋳造工程における偏析を緩和する。
<ステップ4>
ステップ4は第一回目の高温圧延(高温圧延1)を行う工程である。上記ステップ3で均質化熱処理したものを、そのまま、ステップ4で加工率が特定の値、例えば40〜95%となる高温圧延1を行なう工程である。ここで、高温圧延とは、温度700〜1030℃で圧延することを意味する。
<ステップ5>
ステップ5は中間冷却する工程である。冷却方法は水冷、空冷、ガス冷却などが挙げられる。冷却速度は6℃/分〜6000℃/分とすることが好ましい。冷却は、ステップ6の加工温度まで冷却すればよい。
<ステップ6>
ステップ6は第二回目の高温圧延(高温圧延2)を行う工程である。以後にステップ8とともに説明する。
<ステップ7>
ステップ7は冷却する工程である。冷却方法は水冷、空冷、ガス冷却などが挙げられる。冷却速度は6℃/分〜6000℃/分とすることが好ましい。冷却速度は、さらに好ましくは60℃/分〜4500℃/分、より好ましくは120℃/分〜3000℃/分である。
<ステップ8>
ステップ8は熱処理する工程である。以後にステップ6とともに説明する。
<ステップ9>
ステップ9は画削を行う工程である。酸化スケール除去のために面削を行う一般的な工程である。具体的には、表面の酸化物、表面の荒れ等を削除するため、通常の面削機で面削する。片側表面の面削率は特に制限はないが、通常、0.1〜3.0mmとする。
<ステップ10>
ステップ10は冷間圧延を行う工程である。このステップ10の冷間圧延は、最終の冷間圧延であり、箔圧延する工程である。加工率は、特に制限するものではないが、例えば90.0〜99.9%とする。この冷間圧延工程の加工時の温度は通常0℃〜150℃であり、好ましくは5℃〜100℃である。
この工程で箔の最終厚みを調節する。
これらのステップにおいて、本発明における好ましい条件を組み合わせて行なう。特に下記表1に記載のステップ6およびステップ8を適切に組み合わせることよって、EBSD法によって得られる、圧延面の結晶方位分布における方位差が1°以上である方位差境界の境界線の長さを、1μmあたり10μm以上とすることができ、また各種の相乗効果を発揮するため、この条件を選定することが重要となる。
本発明においては、下記表1における工程の組合せAが好ましい。
以下に、上記工程の組合せAについて、さらに説明する。
<ステップ6>
ステップ6は前述の高温圧延2である。
ステップ6の高温圧延2は、300℃以上700℃以下の加工温度とし、この温度範囲での加工率を40〜80%とする。加工温度は各パス前後で材料上面の温度を放射温度計によって測定する。これらの条件は、動的な再結晶や回復が起きにくい温度帯で加工することによって材料内部における転位などの格子欠陥を高める目的から選定される。
<ステップ8>
ステップ8は前述の熱処理するステップである。
ステップ8の熱処理は、500〜700℃の温度で1〜5時間の範囲で行う。これらの条件は、材料を再結晶させるとともに、その再結晶粒を粗大化させないという観点から選定される。
本発明においては、前記最終冷間圧延(ステップ10)の後に、低温焼鈍(ステップ11)を施してもよい。
低温焼鈍(ステップ11)は、温度200〜600℃で0.1〜20時間の範囲で行うことが好ましい。この熱処理条件を外れると、特に高温及び/又は長時間の熱履歴とした場合には、これ以前のステップ10までに得られていた所望の金属組織から変わってしまい、所定の金属組織と物性が得られなくなることがある。
[箔厚]
本発明の銅合金圧延箔は二次電池集積体に用いられ、電池のエネルギー密度向上の目的のために、特に15μm以下の厚さの銅箔が対象であるが、15μmよりも厚い銅箔に適用することも可能である。具体的には、本発明の銅箔は5〜25μm程度のものに適用することもできる。なお、厚さの下限は特に限定されるものではないが、好ましくは1μm以上であり、5μm以上がより好ましい。
以下に、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
[銅合金圧延箔の製造方法]
本実施形態に係る二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法の実施例について、図1の工程図を参照して説明する。本発明はこれに限定されるものではない。
ステップ1において、原料を真空溶解炉により溶解し、ステップ2において、溶解した原料を0.1〜100℃/秒の冷却速度で冷却して鋳造し、鋳塊を得た。鋳塊は、下記表2に示す合金成分を含有し、残部がCuと不可避不純物により形成された。
ステップ3で900〜1030℃で5分から4時間保持する均質化熱処理を行い、そのまま、ステップ4で加工率が40〜95%の高温圧延1を行った。そして、ステップ5で冷却した。冷却方法は空冷法で行なった。次いで、前記表1に示す条件でステップ6の高温圧延2を行った。材料の加工温度は、放射温度計及び、接触式温度計にて測定した。次にステップ7で冷却し、ステップ8で前記表1に示す条件で熱処理を行った。そして、ステップ9で酸化スケール除去のために面削を行い、ステップ10で加工率が90.0〜99.9%の冷間圧延を行い、6〜15μmの厚さの銅合金圧延箔の供試材を作製した。
これらの銅合金圧延箔の内、本発明例102、112、比較例302については、さらにステップ11として温度200〜600℃で0.1〜20時間の条件で低温焼鈍を行った。
これらの本発明例101〜113および比較例201〜203、301〜305のそれぞれの組成および特性については、下記表2に示す通りである。
なお、各熱処理や圧延の後に、材料表面の酸化や粗度の状態に応じて酸洗浄や表面研磨を行い、また形状に応じてテンションレベラーによる矯正を行った。
前記の通り、表2に示したように、本発明例101〜113と比較例201〜203では、前記表1に記載の製造条件Aに従って高温圧延2(ステップ6)と熱処理(ステップ8)を行って銅合金圧延箔の供試材を作製した。一方、比較例301〜305では、前記表1に記載の製造条件H〜Lとした以外は、各本発明例と同様にして銅合金圧延箔の供試材を作製した。
得られた各銅合金圧延箔について、下記の評価を行った。
[圧延後の1°以上の方位差境界の境界線の長さの測定:(箔圧延後のMBL(Misorientation Boundary Length))]
FE−SEM/EBSD法により、箔圧延後の700平方μmの試料面積に対し、圧延表面から0.05μmのステップでスキャンして測定し、方位差境界を解析した。観測試料の単位面積(1μm)当たりの方位差境界の境界線の長さを求めた。
すなわち、箔圧延後の状態で、EBSD法により、前述した方法によって圧延表面から測定した。方位差が1°以上の方位差を有する方位差境界の境界線の長さを測定し、測定面積で割り戻して単位面積あたりに換算した。圧延表面の加工変質層が厚いためにパターンが鮮明でない場合は、電解研磨の時間を長くして表層の1μm厚前後を溶解した後に測定した。
解析ソフトには、TSL(社)のOIM version5(商品名)を使用した。電子線が方位差境界(例えば、結晶粒界)上を走査した場合に、その境界(粒界)の両隣の領域(結晶)から回折が起き、二つの結晶方位が混在した状態に対応する回折パターンとなる。その場合、EBSD法ではその両者とは全く異なった方位と誤認識する場合がある。本発明のような方位差境界の密度が高い場合は、特にこの影響に注意が必要である。本測定では、このような信頼性の低い走査点の結晶方位は、隣接する信頼性の高い走査点の方位と置き換えることを行った。信頼性が充分である閾値として、上記ソフトのCI値(Confidence Index)が0.05以上であることとした。
1°以上の方位差境界マップの代表例として、本発明例104の結果を図2に、比較例304の結果を図3に示す。マップにおける黒線が方位差境界を表している。なお、このような境界が六角形状に現れているのは、FE−SEM/EBSD法での解析を0.05μmのステップによるスキャンで行い、1ピクセルを六角形で表示していることに拠る。また、マップにおいて六角形が黒色に塗りつぶされた箇所が散見されるが、これは分解能の限界によって2以上の方位が検知されるなどして、正確に解析できなかった領域である。解析する領域において、このような箇所が5%以下である面を解析対象としている。
図2および図3を比較すると、本発明例104を示した図2の結果では、方位差境界が長く形成されていることがわかる。
また、本発明例104と比較例304について、単位面積当たりの方位差境界の長さの分布を図4に示す。低角度から高角度の全ての角度範囲で、本発明例104(太線)は、比較例304(細線)よりも1°以上の方位差境界が長く形成されていることがわかる。この結果から方位差境界の長さ(MBL)を計算すると、本発明例104では1μmあたり13.8μmであり、比較例304では7.2μmであった。なお、MBLは、各方位の方位差境界の長さの積算値であるので、図4においてはそれぞれの実線の積分値に相当するものである。
[圧延後の0°、45°、90°方向の平均耐力:(箔圧延後のYSave)]
JIS Z2241に準じて引張試験により測定した。ひずみは、カメラ式非接触伸び計によって、単軸引張試験中の標点間距離を測定し、算出した。そして応力−歪み曲線により0.2%耐力を測定した。カメラ式非接触伸び計は(株)島津製作所製DVE−201(商品名)を使用した。CCDカメラ画像により標線マークを自動追尾して伸びを計測するものである。試験片は幅13mmの短冊状とし、圧延方向に対して、0°、45°、90°の3つの方向に試験片を採取して測定し、これらの平均値を算出した。
弾性変形と塑性変形の境界を便宜上つけるために、降伏応力に相当する応力を耐力とし、鋼の降伏時の永久歪みが約0.2%(0.002)であることから、荷重の除荷時の永久歪みが0.2%になる応力を0.2%耐力という。
なお、合格レベルは550MPa以上である。
[圧延後の導電率:(箔圧延後のEC)]
箔圧延後の各銅合金箔の導電率(%IACS)を、室温にて四端子法によって測定した。
[350℃において1時間加熱後の1°以上の方位差境界の境界線の長さ:(350℃1時間加熱後のMBL)]
上記圧延後の試料を、アルゴン(Ar)雰囲気中で350℃にて1時間保持する熱処理を行った後に、加熱前と同様の方法でFE−SEM/EBSD法によって測定した。
なお、合格レベルは2μm/μm以上である。
[350℃において1時間加熱後の0°、45°、90°方向の平均耐力:(350℃1時間加熱後のYSave)]
上記圧延後の試料を、Ar雰囲気中で350℃にて1時間保持する熱処理を行った後に、加熱前と同様の方法で、JIS Z2241に準じて引張試験により測定した。
なお、合格レベルは400MPa以上である。
図5に耐熱性(軟化カーブ)の関係を示す。図5では、加熱温度に対する0.2%耐力の関係をプロットしたものであり、本発明例104と比較例305のものを示した。
また、図6には、350℃で1時間加熱した後の、本発明の銅合金圧延箔の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を示す。10nmサイズの微細な析出物(Cr析出物など)が方位差境界や結晶粒界をピン止め(写真中の矢印部分)していることがわかる。このピン止めにより、銅合金箔の耐熱性が向上している。
表2に示すように、Crの含有量が0.01質量%より少ない比較例201は、箔圧延後では、1°以上の方位差境界の長さ(MBL)は10μm/μmを超え、また0.2%耐力〔平均耐力(YSave)〕も目標レベルであるものの、350℃1時間加熱後では、1°以上の方位差境界の長さ(MBL)は目標レベルを下回り、0.2%耐力〔平均耐力(YSave)〕も225MPaと低かった。一方、CrとZrの合計含有質量%が0.6質量%を超えた比較例202や、副成分のSnが0.97質量%と多い比較例203では、板切れが発生したため、加工を中止した。
また、比較例301〜305と実施例101〜113の比較から、箔圧延後の1°以上の方位差境界の長さ(MBL)を10μm/μm以上に調節するために、ステップ6とステップ8の工程条件の組合せが重要であることがわかる。
比較例301〜305は、いずれも1°以上の方位差境界の長さ(MBL)が、1μmあたり10μm未満であり、箔圧延後の0.2%耐力〔平均耐力(YSave)〕が不十分であった。また、比較例301と305では、これに加えて、350℃1時間加熱後における、1°以上の方位差境界の長さ(MBL)および0.2%耐力〔平均耐力(YSave)〕がいずれも目標を下回った。
これに対し、本発明の実施例101〜113は、いずれも箔圧延後、さらには、350℃1時間加熱後のいずれに対する0.2%耐力〔平均耐力(YSave)〕に優れていた。しかも、本発明の実施例101〜113は、いずれも導電率が50%IACS以上であった。
このように、本発明の実施例101〜113は、圧延方向に対して、0°、45°、90°方向の平均0.2%耐力及び導電率が高く、加熱処理(350℃1時間)を施した後にも、これらの方向の平均0.2%耐力が高く維持され、二次電池集電体用銅合金圧延箔として優れていることがわかる。

Claims (6)

  1. Cr、ZrおよびTiのうちの少なくとも一種を0.01〜0.6質量%含有し、残部が銅と不可避不純物からなる銅合金圧延箔であって、
    圧延面の結晶方位分布において、方位差が1°以上である方位差境界の境界線の長さが、1μmあたり10μm以上であることを特徴とする二次電池集電体用銅合金圧延箔。
  2. Cr、ZrおよびTiのうちの少なくとも一種を0.01〜0.6質量%含有し、さらにSn、Zn、Mn、Mg、Ag、Si、P、NiおよびFeのうちの少なくとも一種を0.01〜0.95質量%含有し、残部が銅と不可避不純物からなる銅合金圧延箔であって、
    圧延面の結晶方位分布において、方位差が1°以上である方位差境界の境界線の長さが、1μmあたり10μm以上であることを特徴とする二次電池集電体用銅合金圧延箔。
  3. 350℃で1時間保持する熱処理をされた後、圧延面の結晶方位分布において方位差が1°以上の方位差境界の境界線の長さが、1μmあたり2μm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池集電体用銅合金圧延箔。
  4. 二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法であって、
    Cr、ZrおよびTiのうちの少なくとも一種を0.01〜0.6質量%含有し、残部が銅と不可避不純物からなる合金組成を有した銅合金を溶解(ステップ1)し、鋳造(ステップ2)して得た鋳塊に、900〜1030℃で5分〜4時間の均質化熱処理(ステップ3)を行い、温度700〜1030℃で加工率が40〜95%の高温圧延1(ステップ4)と、冷却速度6〜6000℃/分の中間冷却(ステップ5)と、300〜700℃で加工率が40〜80%の高温圧延2(ステップ6)と、冷却速度6〜6000℃/分の冷却(ステップ7)と、500〜700℃で1〜5時間の熱処理(ステップ8)と、面削(ステップ9)と、0〜150℃で加工率が90.0〜99.9%の冷間圧延(ステップ10)とを施して、
    圧延面の結晶方位分布において、方位差が1°以上である方位差境界の境界線の長さが、1μmあたり10μm以上である銅合金圧延箔を得ることを特徴とする二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法。
  5. 二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法であって、
    Cr、ZrおよびTiのうちの少なくとも一種を0.01〜0.6質量%含有し、さらにSn、Zn、Mn、Mg、Ag、Si、P、NiおよびFeのうちの少なくとも一種を0.01〜0.95質量%含有し、残部が銅と不可避不純物からなる合金組成を有した銅合金を溶解(ステップ1)し、鋳造(ステップ2)して得た鋳塊に、900〜1030℃で5分〜4時間の均質化熱処理(ステップ3)を行い、温度700〜1030℃で加工率が40〜95%の高温圧延1(ステップ4)と、冷却速度6〜6000℃/分の中間冷却(ステップ5)と、300〜700℃で加工率が40〜80%の高温圧延2(ステップ6)と、冷却速度6〜6000℃/分の冷却(ステップ7)と、500〜700℃で1〜5時間の熱処理(ステップ8)と、面削(ステップ9)と、0〜150℃で加工率が90.0〜99.9%の冷間圧延(ステップ10)とを施して、
    圧延面の結晶方位分布において、方位差が1°以上である方位差境界の境界線の長さが、1μmあたり10μm以上である銅合金圧延箔を得ることを特徴とする二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法。
  6. 前記最終の冷間圧延(ステップ10)の後に、200〜600℃で0.1〜20時間の低温焼鈍(ステップ11)を施すことを特徴とする請求項4または5に記載の二次電池集電体用銅合金圧延箔の製造方法。
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