JP2014015621A - ポリアルファオレフィンの製造プロセス - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑油用途に適した液状ポリα−オレフィンの提供。
【解決手段】液状ポリα−オレフィンを製造するプロセスであって、1以上のC3〜20のα−オレフィンモノマーと、非配位性アニオン活性剤と、一架橋メソメタロセン遷移金属化合物と、助活性剤とを0〜414kPaの水素の存在下において、接触させる工程を含み、モノマー中のエチレンが30容量%を超えず、供給成分中のα−オレフィンの量が、メソ−メタロセン、非配位性アニオン活性剤、助活性剤、モノマー、溶媒または希釈剤の重量を基準として、少なくとも20wt%以上であり、5%を超えないモノマーがオレフィンからアルカンに転換され、得られる液状ポリアルファ−オレフィンの流動点が25℃未満、KV100が2cStから6000cSt、二量体が20w%以下で、粘度指数60以上である液状ポリα−オレフィンを得るプロセス。
【選択図】なし

Description

<米国での優先権主張>
本願は2007年8月1日に出願したUS Serial No. 11/832,287に基づく優先権を主張する。
この発明は、メソメタロセン触媒と非配位性アニオン活性剤、及び任意成分の助活性剤の存在下で液状ポリアルファオレフィン(PAO)を製造するプロセスに関する。
石油業界において、天然の鉱物油ベースの潤滑油の性能を、オリゴマー性液状炭化水素により改良することは、少なくとも過去50年にわたり重要な研究開発の対象であった。これにより、近年多くの合成潤滑油が販売されるようになった。
潤滑油の性能の改良に関する合成潤滑油の工業的研究の努力は、広い温度範囲にわたり有用な粘度、すなわち改良された粘度指数(VI)を示す一方、鉱物油と同等または優れた潤滑性、熱安定性、耐酸化性、及び流動点を示す液状油の開発に向けられてきた。
潤滑油の粘度と温度の関係は、特定の用途に用いる潤滑油を選択するときの、主要な判断基準のひとつである。シングルまたはマルチグレード潤滑油のベースとして一般に用いられている鉱物油は、温度変化に対する粘度変化が相対的に大きい。
このような温度に対する粘度変化が相対的に大きい液状油は、低い粘度指数(VI)を有する、と称される。VIは、実験に基づく数値であり、所定の温度範囲におけるオイルの粘度変化率の指標となる。例えば、高VIオイルは、高温下において低VIオイルよりも薄膜になりにくい。
通常、高VI値のオイルの方が好ましい。これは、高VIオイルは高温下でより高い粘度を有するためである。これは、高温および/または幅広い温度範囲において、高VIオイルの方が潤滑性に優れ、機械部品の接触面の保護に優れることを意味する。VI値はASTM D 2270に従って求められる。
潤滑油に低温環境下での潤滑性が要求される場合、潤滑油の低温物性も重要である。このような低温物性は、ASTM D 97に準拠した純粋液状油の流動点、ASTM D 2983に準拠した純粋またはブレンド液状油の低温ブルックフィールド粘度、または低温見かけ粘度(Cold Cranking Simulator viscosity;CCS)等の他の適切な測定方法により評価することができる。
最近の機械装置やエンジンはより厳しい条件で使用されるため、潤滑油の剪断安定性もより重要になってきている。純粋液状油や潤滑油ブレンド物の剪断安定性は、ASTM D 2603に準拠した超音波剪断安定度試験(sonic shear test)、あるいはCEC L-45-T/A〜Dに準拠した円錐ローラーベアリング剪断試験(tapered roller bearing (TRB) shear test)等の様々な方法で評価することができる。
PAOは、直鎖状アルファ−オレフィン(LAO)モノマーの触媒を用いたオリゴマー化(低分子量生成物への重合)により製造された、種々の炭化水素から成る。これらのモノマーは、一般に1-オクテンから1-ドデセンの範囲であり、1-デセンが好ましい。
しかし、米国特許4,956,122とそこに引用された特許文献に記載されたエチレンと高級オレフィンとの共重合体を含め、エチレンやプロピレン等の低級オレフィンのオリゴマー性共重合体を用いることもできる。
潤滑油の市場において、PAO製品は重要な地位を得ている。
一般に、直鎖アルファ−オレフィンから得られる合成炭化水素液状油(SHF)製品には2種類のクラスがあり、この2種類のSHFのクラスは、PAOとHVI-PAO (高粘度指数PAO)と呼ばれる。一般に、異なる粘度等級のPAOは、促進されたBF3またはAlCl3触媒を用いて製造される。
特に、供給されるオレフィンを、BF3またはAlCl3、あるいは促進されたBF3またはAlCl3の存在下で重合して、PAOを製造することができる。PAOを製造するプロセスは、例えば以下の特許文献に開示されている。
米国特許3,149,178; 3,382,291; 3,742,082; 3,769,363; 3,780,128; 4,172,855 及び4,956,122。これらは参照として本願に組み込まれる。Will, J. G.著「Lubrication Fundamentals」(Marcel Dekker社: New York, 1980年)にも、PAOに関する記載がある。
重合後、一般にPAOの潤滑油製品は残存する不飽和結合を低減させるために水素化される。通常は、90%以上のレベルの水素化が行われる。高粘度PAOは、アルファ−オレフィンをフリーデルクラフト触媒等の上昇流反応器触媒の存在下で重合して製造することができる。
この重合に用いられる触媒には、例えば水、あるいはエタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、カルボン酸、酢酸エチル、プロピオン酸エチル等のエステル、またはジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテルで促進された、三塩化ホウ素、三塩化アルミニウム、四塩化ホウ素、四塩化アルミニウムが含まれる。(例えば、米国特許4,149,178または3,382,291に開示された方法を参照。)
この他のPAO合成方法は、以下の米国特許に開示されている。
米国特許3,742,082 (発明者名Brennan) ; 3,769,363 (発明者名Brennan); 3,876,720 (発明者名Heilman); 4,239,930 (発明者名Allphin); 4,367,352 (発明者名Watts); 4,413,156 (発明者名Watts); 4,434,408 (発明者名Larkin); 4,910,355 (発明者名Shubkin); 4,956,122 (発明者名Watts); 及び5,068,487 (発明者名Theriot)。
別の種類のHVI-PAOは、担持された還元クロム触媒と、アルファ−オレフィンモノマーとによって製造することができる。
このようなPAOは、米国特許4,827,073 (発明者名Wu); 4,827,064 (発明者名Wu); 4,967,032 (発明者名Hoら); 4,926,004 (発明者名Pelrineら);及び4,914,254 (発明者名Pelrine)に開示されている。市販のPAOには、SpectraSynTM 2, 4, 5, 6, 8, 10, 40, 100、及びSpectraSyn UltraTM 150, SpectraSyn UltraTM 300, SpectraSyn UltraTM 1000等がある(ExxonMobil Chemical Company社, Houston, Texas)。
合成PAOは、鉱物油ベースの潤滑油より優れていることから、潤滑油の分野で広く受け入れられており、多数の販売元から販売されている。
潤滑油の性能の改良に関する合成潤滑油の工業的研究の努力は、広い温度範囲にわたり有用な粘度、すなわち改良された粘度指数(VI)を示す一方、鉱物油と同等または優れた潤滑性、熱安定性、耐酸化性、及び流動点を示すPAO液状油の開発に向けられてきた。
これらの比較的新しい合成潤滑油は、鉱物油潤滑油よりも広い操業条件下で、全ての機械的負荷において機械的効率を向上させながら機械的摩擦を低下させる。
潤滑油の性能に対する要求は厳しさを増している。高粘度指数(VI)、低流動点、より低い揮発性、高い剪断安定性、改良された耐磨耗性、改良された熱安定性、耐酸化性、および/または、より広い粘度範囲等の改良された性能を有する新規なPAOは、潤滑油の性能に対する新たな要求に適合しなければならない。
また、このような改良された性能を有する新規なPAOを提供する方法も求められている。
メタロセン触媒系を用いて種々のPAOを製造するための努力もなされてきた。例えば米国特許6,706,828 (US 2004/0147693と同じ)が挙げられる。この特許では、1277 cSt以下のKV100を有するPAOを、特定のメソ型メタロセン触媒により、高圧の水素の存在下で活性剤にメチルアルモキサンを用いて製造している。
第12欄の21行目には「メタロセン触媒の活性化において、任意に中性またはアニオン性のメタル−含有成分、および/または、メタロイド−含有成分を、アルモキサン助触媒とともに用いることができる」と記載されている。第12欄の52-55行目には、「一般に、任意成分の中性またはアニオン性のメタル−含有成分、および/または、メタロイド−含有成分は、メタロセン触媒に対するモル比が約0.1から約10、好ましくは約0.5から約3となる範囲で用いることができる」と記載されている。
また、国際公開WO 02/14384、特に実施例Kには、ジメチルシリル-ビス(2-メチルインデニル)ジルコニウムジクロライドをMAOと組合せて用い、40℃において(水素圧200 psi、または水素1モル)、Tgが-66℃、KV100が1624、VIが341のアイソタクチックポリデセンを製造することが開示されている。
実施例Kでは、おそらくラセミ型のメタロセン触媒が用いられていたと思われる。しかし、WO 02/14384の20ページの1行目には、メタロセン触媒はメソ型であることが示されている。
さらに、WO 99/67347の実施例1には、エチリデンビス(テトラヒドロインデニル) ジルコニウムジクロライドをMAOと組合せて用い、50℃においてMnが11,400でビニリデン二重結合含有量が94%のポリデセンを製造することが開示されている。
この他、ポリデセン等の様々なPAOが、特定の立体規則性を有するポリマーまたはオリゴマーを製造できることが一般には知られていない、様々なメタロセン触媒を用いて製造されている。この例として、国際公開WO 96/23751、欧州特許EP 0 613 873、米国特許5,688,887、米国特許6,043,401、国際公開03/020856(米国特許2003/0055184と同じ)、米国特許5,087,788、米国特許6,414,090、米国特許6,414,091、米国特許4,704,491、米国特許6,133,209、及び米国特許6,713,438が挙げられる。
しかし今日まで、メタロセン触媒で製造されたPAOは市場、特に潤滑油の市場において広範な用途は見出されていない。これは、製造工程の効率が悪いこと、高コストであること、および/または、性能が不十分であることに原因がある。
このような要求に鑑み、この発明は、優れた性能の組合せを有する新規なPAOと、このようなPAOを製造するプロセスを提供することを目的とする。
米国特許6,548,724(米国特許出願2001/0041817及び米国特許6,548,723と同じ)には、特定のメタロセン触媒を、典型的にはメチルアルモキサンと組み合わせてオリゴマーオイルを製造することが開示されている。しかし、米国特許6,548,724の実施例14から18には低粘度(KV100が11.4から6.7 cSt)のデセンPAOをビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、または、ビス(イソプロピル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドと、N,N-ジメチルアナリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートと、トリ−イソブチルアルミニウムとを用いて製造することが開示されている。(下表参照)
Figure 2014015621
2006年6月2日出願のPCT/US06/21231には、ラセミメタロセンと非配位性アニオン性活性剤とを用いて、炭素数5から24のモノマーをさせて液状油を製造することが記載されている。
米国特許出願2004/0220359には、2つの反応ゾーンで用いられ、結晶性成分と無定形成分の両者が含まれるポリマーを製造するための2種触媒系が開示されている。この出願には、特定のメソメタロセン触媒が2種触媒系において有用であることが開示されている。同様に、国際公開WO 2004/046214にも、結晶性成分と無定形成分の両者が含まれるポリマーを製造するための2種触媒系が開示されている。
米国特許出願2004/0220359と国際公開WO 2004/046214により製造された物質は、室温において固体であり、および/または、融点を有する。また、これらのポリマーの流動点は25℃より高いと予想される。
国際公開WO/2007/011832には、メタロセン化合物と、活性剤と、任意成分の助活性剤と、平均炭素数が少なくとも4.1で、C3からC30のアルファ−オレフィンから選択される少なくとも2種類のアルファ−オレフィンモノマーとを、前記の少なくとも2種類の供給アルファ−オレフィンから得られる液状ランダムポリマーを得るために適した条件下で接触される工程を含むプロセスであって、但し、供給モノマー中にエチレンとプロピレンが含まれる場合は、エチレンとプロピレンのいずれかが、供給モノマー中のアルファ−オレフィンの総重量に対しそれぞれ50wt%未満含まれ、好ましくは両者の合計が50wt%未満であるプロセスが開示されている。
米国特許6,414,090には、特定のアルファ−オレフィンポリマーを、二重架橋メタロセン化合物を用いて製造することを開示している。
欧州特許EP0930320 A1には、架橋ビスシクロペンタジエニルメソメタロセン触媒を用いて、優れた光学的特性、機械的特性、及びフィルム特性を有するアタクチックエチレン/アルファ−オレフィン共重合体を製造することが開示されている。これらの共重合体は室温において固体であり、特定の機械的特性を得ることを目的としている。
「Polymerization Behavior of Alpha-olefins with rac- and meso- Type Ansa- metallocene Catalysts: Effects of Cocatalyst and Metallocene Ligand」(Macromol. Chem. Phys、200巻、1587-1594頁、1999年)には、プロピレン、ヘキセン、ブテンを、ジメチルシリルビス(2-メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド(16.7%ラセミ、83.8%メソ)のラセミ/メソ混合物と、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートと、トリエチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウムと組合せ、40℃で重合することが開示されている。
Mnが約6400から約43,200のプロピレンポリマーが得られたことが記載されている。また、Mnが約13000から約2400のブテンポリマーが得られたことが記載されている。また、Mnが約900から約3600のヘキセンポリマーが得られたことが記載されている。
ブテンとヘキセンの重合に関して、トリアルキルアルミニウムの場合のAl/Zrのモル比は500: 1で、活性剤とジルコニウムのモル比は1 : 1であったことが記載されている。重合時に水素を添加したことは記載されておらず、反応中のモノマー濃度は低く、また触媒活性も低いと考えられる。
「Effect of Co-catalyst System on Alpha-olefin Polymerization with rac- and meso- dimethylsilylenebis(2 ,3 ,5-trimethyl cyclopentadienyl) zirconium dichloride」(Macromol. Rapid. Commun. 18巻、581-589頁、1997年)には、プロピレン、ヘキセン、ブテンを、ジメチルシリルビス(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド(57%ラセミ、43%メソ)のラセミ/メソ混合物と、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートと、トリエチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウムと組合せ、40℃で重合することが開示されている。
Mnが約52,000から約267,000のプロピレンポリマーが得られたことが記載されている。また、Mnが約42,000から約64,000のブテンポリマーが得られたことが記載されている。また、Mnが約4,480から約4040のヘキセンポリマーが得られたことが記載されている。
重合に関して、トリアルキルアルミニウムの場合のAl/Zrのモル比は250: 1で、活性剤とジルコニウムのモル比は1 : 1であったことが記載されている。重合時に水素を添加したことは記載されていない。また得られたポリマーは室温において固体と考えられる。
メソメタロセン触媒は、高分子量ポリマーの製造にも用いられる。米国特許公報20040225088 Al及び米国特許5,852,143が参照される。
他の参照文献として欧州特許EP0284708、米国特許US5846896、米国特許US5679812、欧州特許EP0321852、米国特許US4962262、欧州特許EP0513380、米国特許US2004/0230016、および米国特許US6642169が挙げられる。
米国特許公報2007/0043248には、非架橋置換ビスシクロペンタジエニル遷移金属化合物と、非配位性アニオンと、任意成分のアルミニウムアルキルとを用い、0.1から50 psi の水素の存在下で、特に、反応ゾーンの温度を10℃以上上げずに、C3からC24のアルファ−オレフィンモノマーからポリアルファ−オレフィンを製造することが開示されている。
このような非架橋置換ビスシクロペンタジエニル遷移金属化合物は、メソ遷移金属化合物ではない。
国際公開WO/2007/011832には、メタロセン化合物と、活性剤と、任意成分の助活性剤と、平均炭素数が少なくとも4.1で、C3からC30のアルファ−オレフィンから選択される少なくとも2種類のアルファ−オレフィンモノマーとを、前記少なくとも2種類の供給アルファ−オレフィンから成る液状ランダムポリマーを得るために適した条件下で接触される工程を含むプロセスであって、但し、供給モノマー中にエチレンとプロピレンが含まれる場合は、エチレンとプロピレンのいずれかが、供給モノマー中のアルファ−オレフィンの総重量に対しそれぞれ50wt%未満含まれ、好ましくは両者の合計が50wt%未満となるプロセスが開示されている。
国際公開WO 2007/011459には、特定の微細構造を有するポリアルファ−オレフィンを製造するために、非配位性アニオンと組み合わせて用いられる種々のメタロセン触媒が開示されている。
実施例59から62には、メソ型の触媒を水素の非存在下で用いて、mmトライアッド(例えば40%未満)が低く、水素化前の臭素価が最大6の液状油が得られることが開示されている。実施例60では、メソ−エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドと、N,N −ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートと、トリ-イソブチルアルミニウムを用い、50℃で水素の非存在下において、VIが380で、KV100が3758のポリアルファ−オレフィンが製造されている。
この発明は、液状アルファ−オレフィンを製造するプロセスに関し、このプロセスは;
a)反応ゾーンにおいて、0から60 psi (0から414 kPa)の水素の存在下(例えば分圧0から60 psi、ここで分圧は気相プロセスの場合は反応器中の全ガスを基準とし、あるいは、溶液、バルク、またはスラリープロセスの反応物と平衡状態にあるヘッドスペース中の全ガスを基準とする)において、
1以上のC3からC20のアルファ−オレフィンと、
非配位性アニオン活性剤と、ラセミ異性体含有量が約35 wt%未満の一架橋メソメタロセン遷移金属化合物と、
アルキルアルミニウム化合物及びアルキルアルモキサンからなる群から選択される助活性剤とを接触させる工程を含み、
ここで、活性剤対メソ−メタロセンのモル比が10 : 1から0.1 : 1であり、
アルキルアルモキサンが用いられるとき、アルキルアルモキサン対メソ−メタロセンのモル比が0.1 :1未満で用いられることを条件とし、
アルキルアルミニウム化合物が用いられるとき、アルキルアルミニウム化合物対メソ−メタロセンのモル比が2:1から10,000対1で用いられることを条件とし、
反応ゾーンに供給されるモノマー中のエチレンが30容量%を超えないことを条件とし、
メソ−メタロセン、非配位性アニオン活性剤、助活性剤、モノマー、及び溶媒または希釈剤及び製品の重量を基準として、供給成分中のアルファ−オレフィンの量が少なくとも20wt以上%であることを条件とし、
このプロセスの遷移金属化合物1グラムに対する全製品の生産性が少なくとも50,000gであり(ここで、全製品は、反応器を出る生産物の量から未反応モノマーと溶媒を引いた値と定義される)、また、
ii) 5%を超えないモノマーがオレフィンからアルカンに転換され、
流動点が25℃未満、KV100が2 cStから6000 cSt、二量体が20wt%以下、粘度指数60以上の液状ポリアルファ−オレフィンを得る。
さらに、この発明は本願に開示するプロセスで製造されたポリアルファ−オレフィンに関する。
この発明では、周期律表の族の番号付与方法は、Chemical and Engineering News, 63(5), 27 (1985年)に記載された方法に従う。
特に断りのない限り、psiで表示された圧力はpsigを意味する。(psi×6.894757 = kPa)
本願の明細書と特許請求の範囲において、ポリマーまたはオリゴマーがオレフィンから成るというときは、ポリマー中またはオリゴマー中のオレフィンが、そのオレフィンのポリマー化またはオリゴマー化された形態となっていることを意味する。
また、ポリマーという用語には、ホモポリマーとコポリマーが含まれ、コポリマーには2種類以上の化学的に異なるモノマーを有するポリマーが含まれる。
また、オリゴマーという用語にはホモオリゴマーとコオリゴマーが含まれ、コオリゴマーには2種類以上の化学的に異なるモノマーを有するオリゴマーが含まれる。
本願の明細書と特許請求の範囲において、液状油とは、25℃未満の流動点を有することと定義される。
本願の明細書と特許請求の範囲において、オリゴマーとは、20 kg/mol未満の数平均分子量(Mn)を有することであると定義される。
好ましいオリゴマーのMnは15 kg/mol未満であり、好ましくは13 kg/mol未満、好ましくは10 kg/mol未満、好ましくは5 kg/mol未満、好ましくは4 kg/mol未満、好ましくは3 kg/mol未満、好ましくは2 kg/mol未満、好ましくは1 kg/mol未満である。
本願の明細書と特許請求の範囲において、「ポリアルファ−オレフィン」、「ポリアルファ−オレフィン」、「PAO」という用語には、C3以上のアルファ−オレフィンモノマーのホモオリゴマー、コオリゴマー、ホモポリマー、コポリマーが含まれる。
この発明のPAOには、オリゴマー、ポリマー、または両者の組合せが含まれる。
この発明のPAO組成物は、(オリゴマー、ポリマー、または両者の組合せであるかにかかわらず)液状で、Mwが200,000以下である。
本願の明細書と特許請求の範囲において、触媒サイクルにおける活性種は、中性またはイオン化された触媒から成る。
「触媒系」という用語は、例えばメソ−メタロセン/活性剤のペア等の、触媒前駆体/活性剤のペアを意味する。
活性化前のペアについて「触媒系」という用語が用いられる場合は、活性化されていない触媒(プレ触媒)と、活性剤と、任意成分の助活性剤(例えばトリアルキルアルミニウム化合物等)とを意味する。活性化後のペアについて「触媒系」という用語が用いられる場合は、活性化された触媒と、活性剤またはその他の電荷釣合い部位を意味する。
さらに、触媒系には任意成分として、助活性剤、および/または、電荷釣合い部位が含まれる。
「触媒前駆体」はまた、プレ触媒、触媒、触媒化合物、前駆体、メソ−メタロセン、遷移金属化合物、未活性触媒、または遷移金属錯体とも呼ばれる。これらの用語は同義で用いられる。活性剤と助触媒も同義で用いられる。
掃去剤とは一般に、不純物を掃去することによってオリゴマー化またはポリマー化を促進するために用いられる化合物である。いくつかの掃去剤は活性剤としても作用し、助活性剤と呼ばれることがある。
掃去剤ではない助活性剤は、遷移金属化合物と活性触媒を形成させるために、活性剤と組み合わせて用いられる。
いくつかの実施形態では、助活性剤は遷移金属化合物と予備混合されてアルキル化遷移金属化合物を形成する。アルキル化遷移金属化合物は、アルキル化触媒成分、またはアルキル化メソ−メタロセンとも呼ばれる。
本願の明細書と特許請求の範囲において、非配位性アニオン(NCA)とは、金属カチオンに配位していないか、または、金属カチオンに弱く配位しているアニオンを意味する。NCAはオレフィン性またはアセチレン性の不飽和モノマー等の中性ルイス塩基に十分弱く配位して、触媒中心から移動させることができる。
触媒金属カチオンに対し弱く配位し、互換性の錯体を形成可能な金属またはメタロイドが、非配位性アニオンに含まれるか、あるいは用いられる。金属の非限定的例示として、アルミニウム、金、白金が挙げられる。これに適したメタロイドの非限定的例示として、ホウ素、アルミニウム、リン、及びケイ素が挙げられる。
非配位性アニオンのサブクラスは化学量論の活性剤が含まれ、この活性剤は中性でもイオン性でもよい。イオン性活性剤という用語と、化学量論のイオン性活性剤という用語は同義で用いられる。また、中性の化学量論の活性剤という用語と、ルイス酸活性剤という用語は同義で用いられる。
さらに、反応器とは、化学反応が行われる容器を意味する。
本願の明細書と特許請求の範囲において、反応ゾーンとは、高処理能力の実験に適した5mlのガラス瓶から、約10,000ガロン(37,850リットル)またはそれ以上の商業用のサイズの反応器を含むものと定義される。
本願の明細書と特許請求の範囲において、分画された製品とは全製品の一部分であって、炭素数が18以上の部分と定義される。アルケンからアルカンに転換されたというときは、アルケン中の実質的に全ての二重結合がハイドロフィニッシングと呼ばれる水素化により一重結合に転換されたことを意味する。
水素化の程度は、臭素価(ASTM D1159)により求められる。通常、水素化された潤滑油の臭素価は、3未満であり、より好ましくは2未満、好ましくは1未満、または好ましくは0.5未満である。すなわち、「実質的に」とは、臭素価が3未満、2未満、1未満、または0.5未満を意味する。一般に、臭素価が低いほど水素化の程度が高く、酸化安定性がよい。
「イソアルキル」とは、少なくとも1の三級または四級炭素を有する分岐アルキル基または分岐アルキル置換基であり、各炭素鎖の少なくとも一部に、少なくとも1のC1からC18のアルキル分岐を有する分岐アルキル基である。
<ポリアルファ−オレフィン>
好ましい実施形態では、この発明は、ポリアルファ−オレフィン中の全モノマーに対し、カーボン13NMRで測定したとき50モル%以上の1以上のC3からC24のアルファ−オレフィンモノマーが含まれる液状ポリアルファ−オレフィン(PAO)に関し、C3からC24のアルファ−オレフィンモノマーは好ましくは55モル%以上、好ましくは60モル%以上、好ましくは65モル%以上、好ましくは70モル%以上、好ましくは75モル%以上、好ましくは80モル%以上、好ましくは85モル%以上、好ましくは90モル%以上、好ましくは95モル%以上、好ましくは100モル%含まれる。
別の実施形態では、この発明のポリアルファ−オレフィンは、ASTM D 5185で測定したとき、Ti, Hf, および/またはZrの量が、300ppm未満、好ましくは200ppm未満、好ましくは100ppm未満、好ましくは50ppm未満、好ましくは10ppm未満、好ましくは5ppm未満である。
別の実施形態では、この発明のポリアルファ−オレフィンは、ASTM D 5185で測定したとき、第13族金属(好ましくはBまたはAl)の含有量が好ましくは100ppm未満であり、好ましくは50ppm未満、好ましくは10ppm未満、好ましくは5ppm未満である。
別の実施形態では、この発明のポリアルファ−オレフィンは、ASTM D 5185で測定したとき、ホウ素の含有量が好ましくは100ppm未満であり、好ましくは50ppm未満、好ましくは10ppm未満、好ましくは5ppm未満である。
別の実施形態では、この発明のポリアルファ−オレフィンは、ASTM D 5185で測定したとき、アルミニウムの含有量が好ましくは600ppm未満であり、好ましくは500ppm未満、好ましくは400ppm未満、好ましくは300ppm未満、好ましくは200ppm未満、好ましくは100ppm未満、好ましくは50ppm未満、好ましくは10ppm未満、好ましくは5ppm未満である。
別の実施形態では、この発明のポリアルファ−オレフィンは、Mw(重量平均分子量)が好ましくは約200,000以下、好ましくは約250から約200,000、好ましくは約280から約100,000、好ましくは約336から約150,000、好ましくは約336から約100,000 g/molである。
別の実施形態では、この発明のポリアルファ−オレフィンは、Mn(数平均分子量)が好ましくは約200,000未満、好ましくは250から約150,000、好ましくは約250から約125,000、好ましくは280から100,000 g/molである。
別の実施形態では、この発明のポリアルファ−オレフィンは、Mw/Mnが好ましくは1より大きく5未満、好ましくは4未満、好ましくは3未満、好ましくは2.5未満、好ましくは2未満である。あるいは、この発明のポリアルファ−オレフィンは、Mw/Mnが1から3.5、または1から2.5である。
ひとつの実施形態では、ポリアルファ−オレフィンの最終製品は、サイズ排除またはゲル透過クロマトグラフで測定したときユニモーダルなMw/Mn分子量分布を示す。
別の実施形態では、ポリアルファ−オレフィンの最終製品はマルチモーダルな分子量分布を示し、MWDが5より大きい。別の側面では、ポリアルファ−オレフィンの最終製品は、最大のユニモーダル分布のピークの前または後、または前後にショルダーピークを有する。この場合、MWDは、ショルダーピークの数とサイズに応じて、広くても(>5)、狭くても(<5 または <3 または <2)よい。
本願の明細書と特許請求の範囲において、MWDはMw/Mnに等しい。
多くの用途において、優れた剪断安定性、熱安定性、または熱/酸化安定性が要求される場合、MWDができるだけ狭いポリアルファ−オレフィンを用いることが好ましい。
同じ原料と触媒から製造されたPAO液状油でも、粘度が異なればMWDの値は異なる。別言すれば、PAO液状油のMWDの値は、液状油の粘度に依存する。
通常、低粘度の液状油ほどMWDの値が低く(MWDの値が小さい)、高粘度の液状油ほどMWDの値が広い(MWDの値が大きい)。100℃のKvが1000 cSt未満の液状油の大部分は、通常MWDの値が2.5未満であり、一般に約2.0+0.5である。100℃における粘度が100 cStを超える液状油の場合、MWDの値は広く、通常1.8より大きい。
通常、液状油のMWDが狭いほど、剪断安定性が良くなる。このようにMWDが狭い液状油は、TRB試験(CEC- L-45-T/C)または超音波剪断安定度試験(ASTM 2603)において、高応力、または高剪断下での粘度低下が小さく、より厳しい条件下でもより高い高温高剪断(HTHSR)粘度を示し、より厚い潤滑油膜を形成する。これに付随して、良好な潤滑性及び磨耗防止効果が得られる。
剪断安定性またはHTHSR粘度が重要ではない用途の場合、MWDが広い液状油により、良好な粘性、良好なブレンド特性、良好な低温特性、その他の利点が得られる。
Mw、Mn及びMWDは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)法としても知れられているサイズ排除クロマトグラフィー法(SEC)により測定することができ、カラムには中分子量から低分子ポリマー用カラムを用い、溶媒にはテトラヒドロフランを用い、較正用標準にはポリスチレンを用い、室温で測定する。特に断りのない限り、本願に示すMnとMwの値はGPCで求めた値であり、100℃の動粘度から計算した値ではない。
この発明の好ましい実施形態では、この発明のPAOの流動点は25℃未満(ASTM D 97で測定)、好ましくは0℃未満、好ましくは-10℃未満、好ましくは-20℃未満、好ましくは-25℃未満、好ましくは-30℃未満、好ましくは-35℃未満、好ましくは-40℃未満、好ましくは-55℃未満、好ましくは-10から-80℃、好ましくは-15℃から-70℃である。
ピーク融点(Tm)、結晶化温度(Tc)、融解熱量と結晶化度(%結晶化度とも呼ぶ)は以下の方法で測定した。
示差走査熱量測定(DSC)のデータは、TA Instruments社のmodel 2920装置を用いて測定した。7-10 mgのサンプルをアルミニウム製サンプル容器に封入した。DSCのデータは、最初にサンプルを-100℃まで冷却し、次に昇温速度10°C/分で30℃までゆっくり加熱することにより測定した。2回目の冷却サイクルを行う前に、サンプルを30℃に5分間保持した。最初と2回目のサイクルの熱的挙動を記録した。熱的挙動の曲線の下の面積を計測し、融解熱量と結晶化度の評価に用いた。100%結晶化したポリプロピレンの融解熱量の値として、189 J/gを用いた。
%結晶化度は、 [曲線の下の面積(ジュール/g) / B (ジュール/g)]×100 という式から求めた。ここで、Bは主要なモノマー成分のホモポリマーの融解熱量である。Bの値は、「Polymer Handbook」(第4版、John Wiley and Sons社出版、New York、1999年)に記載されている。
本願に示す融点は、特に断りのない限り2回目の融解時のピーク融点である。複数のピーク融点を示すサンプルの場合、高い方のピーク融点を第1融点とした。
この発明のポリアルファ−オレフィンは、Tmが0℃以下であり、好ましくは測定可能なTmを有さない。「測定可能なTmを有さない」とは、DSCの熱サイクル測定の熱吸収において、明瞭な融解挙動が認められないことであると定義される。通常、熱吸収量は20 J/g未満である。
熱放出は、10 J/g未満であることが好ましく、5 J/g未満であることが好ましく、より好ましくは1 J/g未満である。
通常、融点は低い方が好ましく、好ましくは0℃以下、より好ましくは-10℃以下、より好ましくは-20℃以下、より好ましくは-30℃以下、より好ましくは-40℃以下であり、最も好ましくはDSC測定において明確な融点が認められない。
ひとつの側面では、ポリアルファ−オレフィンは、DSC測定において検知可能な低温結晶化を有さない。上記のDSC測定法の熱サイクルの間、PAOに結晶化成分が含まれていれば結晶化が生じる。低温結晶化は、DSCカーブにおける検知可能な熱放出領域として観測される。結晶化の程度は、熱放出量として測定され得る。
低温における熱放出量が多いことは、低温特性がかなり劣ることを意味する。低温結晶化は、その液状油のが低温特性が劣ることを意味し、高性能が要求される用途に適さないことから、通常は好ましくない。
低温結晶化における熱放出量は、20 J/g未満であることが好ましく、10J/g未満であることが好ましく、5 J/g未満であることが好ましく、1 J/g未満であることが好ましく、DSCの熱サイクル測定において、低温結晶化による熱放出が認められないことが最も好ましい。
この発明のポリアルファ−オレフィンは、DSC測定による検知可能な融点を有さない。
この発明の好ましい実施形態では、この発明のポリアルファ−オレフィンは100℃における動粘度が2 cStから約6000 cStまでであり、好ましくは10 cStより大きく約3000 cStまで、好ましくは3 cSt より大きく約1500 cStまでである。
より詳しくは、この発明のポリアルファ−オレフィンは100℃における動粘度が約3 cStから約1000 cSt(例えば150, 300及び600 cSt)、好ましくは約3.5 cStから約1000 cSt、好ましくは約25 cStから約650 cSt、好ましくは6 cStから300 cSt、好ましくは10 cStから1500 cSt、好ましくは20 cStから1000 cSt、好ましくは100 cStから1500 cSt、好ましくは150 cStから約1500 cSt、好ましくは300 cStから3000 cStである。
この発明の別の実施形態では、この発明のPAOはASTM D 445により測定した40℃における動粘度が約4 cStから約300,000 cSt、好ましくは約6 cStから約200,000 cSt、好ましくは約6 cStから約100,000 cSt、または好ましくは10 cStから65,000 cSt、または好ましくは30 cStから150,000 cSt、または好ましくは60 cStから100,000 cSt、または好ましくは300 cStから15,000 cSt、または好ましくは450 cStから150,000 cSt、または好ましくは40℃において600 cStから150,000 cStである。
この発明の好ましい実施形態では、この発明のポリアルファ−オレフィン液状油の粘度指数(VI)は60、好ましくは100、より好ましくは120、好ましくは150、またはより好ましくは200より大きい。VIはASTM D法 2270-93 [1998]に準拠して測定する。
一般に、液状油のVI値は、粘度、製造方法、及び原料組成に依存する。原料組成が同じなら、高粘度の液状油の方が高VI値を示す。
本願の方法によりC3またはC4またはC5の直鎖アルファ−オレフィン(LAO)から製造された液状油のVI値の範囲は65から250である。C6またはC7の場合のVI値の範囲は100から300であるが、液状油の粘度にもよる。1-オクテン、1-ノネン、1-デセンまたは1-ウンデセン、または1-ドデセン、1-テトラ-デセン等のC8からC14の LAOから製造された液状油のVI値の範囲は120から>450であるが、液状油の粘度にもよる。
より詳しくは、1-デセンまたは1-デセンと等価な原料から製造された液状油のVI値の範囲は約100から約500、好ましくは120から約400である。
原料に2種、3種またはそれ以上のアルファ−オレフィンが用いられた場合、例えばC3+C10、C3+C14、C3+C16、C3+C18、C4+C8、C4+C12、C4+C16、C3+C4+C8、C3+C4+C12、C4+C10+C12、C4+C10+C14、C6+C12、C6+C12+C14、C4+C6+C10+C14、C4+C6+C8+C10+C12+C14+C16+C18等の組合せの場合、得られる製品のVIは液状油の粘度と、原料のオレフィン組成に依存する。
最も要求が厳しい潤滑油の用途の場合、高VIの液状油を用いることが好ましい。
別の実施形態では、PAO液状油に顕著な量の軽質成分が含まれていないことが好ましい。このような軽質成分は高揮発性、粘度の不安定性、酸化安定性及び熱安定性低下の原因となる。通常、軽質成分は最終製品から除去される。
一般に、C20以下の炭素数の液状油の量が5 wt%未満であることが好ましく、C24以下の炭素数の液状油の量が10 wt%未満であることがより好ましく、C26以下の炭素数の液状油の量が15 wt%未満であることがより好ましい。
C20以下の炭素数の液状油の量が3 wt%未満であることが好ましく、C24以下の炭素数の液状油の量が5 wt%未満であることがより好ましく、C26以下の炭素数の液状油の量が8 wt%未満であることがより好ましい。
C20以下の炭素数の液状油の量が2 wt%未満であることが好ましく、C24以下の炭素数の液状油の量が3 wt%未満であることがより好ましく、C26以下の炭素数の液状油の量が5 wt%未満であることがより好ましい。
また、これらの軽質炭化水素の量が少ないほど、ノアク揮発性試験(ASTM D5800)で評価した液状油の特性が向上する。通常、ノアク揮発性は液状油の粘度に強く依存する。通常、低粘度の液状油は揮発性が高く、高粘度の液状油は揮発性が低い。
好ましくは、PAO液状油のノアク揮発性は30 wt%未満であり、好ましくは25 wt%未満であり、好ましくは10 wt%未満であり、好ましくは5 wt%未満であり、好ましくは1 wt%未満であり、好ましくは0.5 wt%未満である。
Kv100が約3から約20のPAOのノアク揮発性は30 wt%であり、好ましくは25 wt%未満であり、好ましくは10 wt%未満であり、好ましくは5 wt%未満であり、好ましくは1 wt%未満であり、好ましくは0.5 wt%未満である。
Kv100が40を超えるPAOのノアク揮発性は5 wt%未満であり、好ましくは4 wt%未満であり、好ましくは3wt%未満であり、好ましくは2 wt%未満であり、好ましくは1 wt%未満であり、好ましくは0.5 wt%未満である。
別の実施形態では、この発明のポリアルファ−オレフィンの100℃における動粘度(Kv)は2 cStから6000 cStであり、ASTM D 56により測定した引火点が150℃以上であり、好ましくは200℃である。
別の実施形態では、この発明のポリアルファ−オレフィンの100℃における動粘度(Kv)は4, 5, 6, 7, 8 cSt等から6000 cStであり、整数ではない数字、例えば3.5, 7.5, 10.5等も含まれる。
別の実施形態では、この発明のポリアルファ−オレフィンの誘電率は3未満、通常2.5未満である(ASTM D 924準拠、23℃、1 kHzにおける値)。
別の実施形態では、この発明のポリアルファ−オレフィンの比重は0.6から0.9 g/cm3、好ましくは0.7から0.88 g/cm3である。
この発明のPAO、特に粘度が中間から高粘度(例えばKV100が3 cSt以上)の範囲のPAOは、高性能自動車用エンジンオイル、工業用潤滑油、グリース、様々な種類の自動車用または工業用ギヤオイル、航空機用潤滑油、駆動油または潤滑油、熱媒体用オイル、絶縁油等に適している。
これらのPAOは単独で用いられるか、または、他の液状油と0.1wt%から95 wt%の割合でブレンドして用いられる。他の液状油として、グループ I, II, グループ II+, グループ III, グループ III+ベーストック、またはCO/H2合成ガスのフィッシャー・トロプシュ炭化水素合成反応から生成するワックス成分の水素化異性化に由来する潤滑油ベーストック、または、他のグループIV PAOベーストック、または、グループVまたはグループVIベーストックが挙げられる。
これらのブレンド物は、添加剤と組み合わされて合成潤滑油、または半合成潤滑油として用いられ、あるいは、他のベースストック用の特殊添加剤成分として用いられる。
本願の液状油の動粘度の測定値は、特に断りが無い限り、100℃で測定した値である。動粘性係数は、動粘度の測定値に液状油の密度を掛け算して求めることができる。動粘度の単位はm/sであり、一般に、cStまたはセンチストークスで表される。(1 cSt =10-6m2/sまたは1 cSt = 1mm2/sec)
この発明により製造されたPAOは、C3からC24の内の1以上のオレフィンモノマー、好ましくはC4からC20の内の1以上のアルファ−オレフィンモノマー、好ましくはC5からC20の内の1以上の直鎖アルファ−オレフィンモノマーの、二量体、三量体、四量体、またはそれ以上のオリゴマーである。
あるいは、オレフィン性二重結合から炭素2個離れた位置がアルキル基またはフェニル基で置換されたアルファ−オレフィンを用いることもできる。
一般に、この発明により製造されたPAOは、様々な種類のオリゴマーの混合物である。
ひとつの実施形態では、これらのアルファ−オレフィンから製造された最も低分子量のオリゴマーは、炭素数がC6からC40である。通常このような低分子量のオリゴマーは、炭素数がC20より大きい、より高分子量のオリゴマーから分離され、好ましくは炭素数がC22より大きい、好ましくは炭素数がC24より大きい、好ましくは炭素数がC26より大きい、好ましくは炭素数がC28より大きい、好ましくは炭素数がC30より大きい、好ましくは炭素数がC32より大きい、より高分子量のオリゴマーから分離される。
一般に、例えばC24以上のオリゴマーが高性能液状油に用いられる。
分離された低分子量のオリゴマーオレフィン、または、これらの水素化物に相当するパラフィンは、優れた生分解性、低毒性、粘度等を有することから、切削油、溶媒、塗料用シンナー等の用途に用いられる。
最も好ましい特性の製品を得るために、潤滑油留分から、C40までの比較的低分子量オリゴマーが分離されることがある。
C20、C30、またはこれらより高炭素数の留分中の高性能液状油成分は一般に低粘度であり、良好な低燃費、良好な生分解性、良好な低温流動特性、低揮発性等の理由から、エンジン用潤滑油等の用途に用いられる。
この発明では、オリゴマー化またはポリマー化プロセスは、100℃Kv値が2 cStより大きく、好ましくは3 cStより大きい最終製品が製造されるようにして行われる。
この発明の液状油の製造に用いるプロセス及び触媒は、分子量分布が狭いポリマーを製造できることを特徴とする。この特徴により、この発明のプロセスでは原料に応じて、C20またはC24またはC28またはC30またはより低級の軽質成分が非常に少ない潤滑油製品を、高い選択性で製造することができる。
さらに、分子量分布が狭いことにより、剪断条件下、高温条件下、酸化条件下等での性能の不安定さに影響を及ぼす極端に高分子量の成分は、最終的な潤滑油成分には含まれていない。
この発明のPAOはさらに、他のベースストック(ブループIからVI)、及び添加剤とブレンドすることができる。このような添加剤として、酸化防止剤、耐磨耗剤、摩擦低減剤、分散剤、洗浄剤、腐食防止剤、消泡剤、極圧添加剤、シール膨潤剤、及び任意成分の粘度改質剤等が挙げられる。
一般的な添加剤、その処方、及び用途は「Synthetics, Mineral Oils, and Bio-Based Lubricants, Chemistry and Technology」(L. R. Rudnick著、CRC Press社、Taylor & Francis Group、Boca Raton, FL.)と、「Lubricant AdditivesChemistry and Applications」(L. R. Rudnick著、Marcel Dekker, Inc.社、New York, 2003年)に記載されている。
別の実施形態では、オリゴマー化またはポリマー化プロセスにより製造された直後のPAOは、不飽和オレフィンである。不飽和の程度は、ASTM D 1159に準拠した臭素価測定、または、プロトンあるいはカーボン-13 NMRにより定量することができる。プロトンNMRスペクトル測定により、オレフィン性不飽和結合のタイプを区別し、定量することができる。オレフィン性不飽和結合のタイプは、ビニリデン、1,2-二置換、三置換、またはビニル等である。カーボン-13 NMRスペクトル測定により、プロトンNMRスペクトル測定から求めたオレフィンの分布を確認することができる。
プロトン及びカーボン-13 NMRスペクトル測定のいずれでも、オレフィンオリゴマー中の短鎖分岐(SCB)の量を定量することができる。カーボン-13 NMRスペクトル測定は、分岐の長さの測定において優れている。
プロトンNMRスペクトル測定では、メチル分岐SCBの共鳴スペクトルは1.05-0.7 ppmの範囲にある。長さが明確に異なるSCBは、分岐長分布を測定可能にデコンボリュートされた、または分離した積算値のピークとなった、区別可能なメチルピークを与える。残余のメチレン及びメチンシグナルは、3.0-1.05 ppmの範囲の共鳴ピークとなる。NMRの積算値をCH、CH2、及びCH3濃度に帰属させるために、各積算値のプロトン多重度を補正する必要がある。メチル基の数を得るために、メチル積算値を3で割る。残余の脂肪族積算値については、各メチル基は1つのCHシグナルを含むと見なし、残余の積算値はCH2シグナルであると見なす。CH3/(CH + CH2 + CH3)の比により、メチル基濃度が求められる。
プロトン多重性の補正を行なう必要が無い点を除き、同様の考え方がカーボン-13 NMR法にも適用される。
さらに、13C NMRと1H NMRのスペクトル/構造解析結果を対比することにより、分岐鎖の長さに応じたイオンの区別を行なうことができる。一般に、メチル共鳴ピークは分離した積算値の複数のピークとなり、メチル基(20.5-15 ppm)、プロピル基(15-14.3 ppm)、ブチル以上の長鎖分岐(14.3-13.9 ppm)、エチル基(13.9-7 ppm) 等のピークが得られる。
オレフィンの分析は、プロトンNMRを用いて、オレフィンのアルキル置換パターンに応じて5.9から4.7 ppmの間で細かく分かれるオレフィンのシグナルを利用することにより容易に行うことができる。ビニル基のCHプロトンは5.9-5.7 ppmの範囲で共鳴し、ビニル基のCH2プロトンは5.3から4.85 ppmの範囲で共鳴する。
1,2-二置換オレフィンプロトンは5.5-5.3ppmの範囲で共鳴する。三置換オレフィンのピークは、ビニル基のCHプロトンと5.3-4.85 ppmの領域においてオーバーラップする。この領域におけるビニル基の影響は、ビニル基CHの積分値を2倍して差し引くことにより除去できる。
1,1-二置換オレフィンプロトン、またはビニリデンオレフィンは、4.85-4.6 ppmの領域において共鳴する。プロトン多重度について補正することにより、このオレフィン共鳴を規格化してオレフィン分布のモルパーセントを求めることができ、あるいは、多重度を補正した脂肪族領域(上記のメチル基分析)と比較して分率分析(例えば100カーボン当りのオレフィン量)を求めることができる。
一般に、不飽和結合の量は、液状油の粘度または分子量に強く依存する。低粘度の液状油は不飽和結合の量が多く、臭素価が高い。高粘度の液状油は不飽和結合の量が少なく、臭素価が低い。
重合工程において水素が大量に存在するとき、または水素圧が高いときには、水素が無い場合と比較して臭素価が低くなる。一般に、この発明のプロセスにおいて1-デセンまたは他のLAOから製造された、2 cStから6000 cStのポリアルファ−オレフィンは、未精製の状態でのPAOの臭素価は、液状油の粘度に応じて、60から1未満、好ましくは約30から約0.01、好ましくは約10から約0.5の範囲となる。
この発明のプロセスで製造したPAO液状油中の、1H及び13C-NMRで求められるオレフィン性不飽和のタイプは独特である。このPAO液状油中には、高濃度のビニリデンオレフィンCH2=CR1R2と、二置換オレフィンとが含まれる。
この発明では、ビニリデン及び二置換オレフィン含有量は65モル%より高く、または70モル%より高く、80モル%より高い。このようなタイプのオレフィンは、さらに水素化する際、あるいは官能化する際の反応性が高いことから、このようなオレフィンの分布は好ましい。このようなオレフィンの分布は、容易に水素化されるので、高性能ベースストック用の完全に飽和した炭化水素を得ることができる。
通常、水素化度は、液状油の耐酸化性に影響する。水素化度が高く、同時に臭素価が低い液状油は、耐酸化性が良い。
この発明のPAOは、ビニリデン含有量、及び分散したオレフィンの含有量が高いので、水素化されやすく、低臭素価の液状油を得ることができる。水素化後の臭素価は好ましくは5未満、より好ましくは3未満、より好ましくは2未満、より好ましくは1未満、より好ましくは0.5未満、より好ましくは0.1未満である。一般に、臭素価が低いほど耐酸化性が良い。
好ましい実施形態では、この発明により製造されたPAOは、実質的な量のアタクチックポリマー構造を有する。換言すると、この発明のPAOは、ポリマー鎖に沿って、大部分がアタクチック構造のモノマーユニットの配列を有する。
好ましい実施形態では、この発明により製造されたPAOは、ポリマー中にアタクチック構造を少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも99%含有する。ポリマー中のアタクチック構造の含有量は、下記のカーボン-13NMRで測定することができる。
別の実施形態では、この発明は、下記のカーボン-13核磁気共鳴(NMR)スペクトル法で測定したときのmmトライアッドが90モル%以下、好ましくは80モル%以下、好ましくは70モル%以下、好ましくは60モル%以下、好ましくは50モル%以下、好ましくは40モル%以下、好ましくは30モル%以下、好ましくは20モル%以下、好ましくは10モル%以下、好ましくは5モル%以下のPAOに関する。
別の実施形態では、この発明は、下記のカーボン-13核磁気共鳴(13CNMR)スペクトル法で測定したときのrrトライアッド含有量が20モル%以下、好ましくは10モル%以下、好ましくは5モル%以下を有するPAOに関する。
別の実施形態では、この発明は、下記の13CNMRスペクトル法で測定したときのmrトライアッド含有量が20モル%以上、好ましくは30モル%以上、好ましくは40モル%以上、好ましくは50モル%以上、好ましくは55モル%以上、好ましくは60モル%以上のPAOに関する。
別の実施形態では、この発明は、下記の13CNMRスペクトル法で測定したときのmm/mr比が5未満、好ましくは4未満、好ましくは3未満、好ましくは2未満、好ましくは1未満のPAOに関する。
上記のように、カーボン-13 NMRを、この発明のポリアルファオレフィンのタクティシティの定量的、または定性的分析に用いることができる。カーボン-13NMRは、mm (メソ, メソ)、mr (メソ, ラセミ)、rr (ラセミ, ラセミ)で表されるトライアッドの測定や、試料のモル組成の測定に用いることができる。このようなトライアッドの濃度により、そのポリマーがアイソタクチック、アタクチック、またはシンジオタクチックであるか否かを決定することができる。
PAOのサンプルのNMRスペクトルは、以下のようにして測定することができる。
PAOのサンプル約100 mgから1000 mgを、カーボン-13測定用クロロホルム2-3 mlに溶解させる。データ採取速度を加速するため、約10 mg/ml (溶媒ベース)のクロムアセチルアセトナート緩和剤Cr(acac)3をサンプルに添加する。
NMRスペクトルの分析は、Kim, L、Zhou, J. M.、Chung, H.らがJournal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry 2000年, 38 1687-1697頁に開示した、末端基の共鳴の積分値と帰属により補強され、分析に使用するピークへの末端基の影響を除去する方法に従って行った。デコンボルーションは、Acorn NMR Inc.社のNutsPro NMRデータ分析用ソフトウエアで、85/15 ローレンツ/ガウシアン線型を用いて行なった。
各成分のピークは、mm, mr, rrトライアッドのピークに割り当て毎に、複数のクラスターにまとめ、ベルンズドルフ分布にフィッティングさせた。このようなフィッティングにおける調整可能なパラメータはPrであり、ラセミ型立体化学にモノマーの分率を足したものである。
トライアッド測定(上記のKim著)や、統計的モデル(Bernoullian等)の詳細は、「Polymer Sequence Determination」(James C. Randall著、Academic Press社、New York、1977年)に記載されている。
ポリデセンとポリドデセンの立体化学の測定例は、2006.年6月2日出願のPCT/US2006/021231を参照されたい。
この発明の別の実施形態では、ポリアルファ−オレフィン製品中には、1,2-二置換オレフィンがZモル%以上存在する。ここで、Z = 8.420*Log(V) - 4.048であり、Vは100℃で測定したポリアルファ−オレフィンの動粘度cSt である。Z は好ましくは7モル%以上、好ましくは5モル%以上である。
1,2-二置換オレフィン含有量の測定方法は、2006.年6月2日出願のPCT/US2006/021231を参照されたい。
別の実施形態では、飽和ポリアルファ−オレフィンは、下式で表されるユニットを、Zモル%より多く含有する。
Figure 2014015621
ここで、j、k、及びmはそれぞれ独立して3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22であり、nは1から350の整数である。
Z = 8.420×Log(V) - 4.048であり、ここで、Vは100℃において測定した、ポリアルファ−オレフィンの動粘度(cSt)である。
好ましい実施形態では、この発明により製造された製品のC20以上の炭化水素に対する選択性は70%以上であり、C20以上の炭化水素に対する選択性は好ましくは80%以上であり、好ましくは90%以上であり、好ましくは95%以上であり、好ましくは98%以上であり、好ましくは99%以上である。
<プロセス>
この発明は、液状アルファ−オレフィンを製造する改良されたプロセスに関する。
この改良されたプロセスでは、0から60 psi (0から414 kPa)の水素の存在下(例えば分圧0から60 psi、ここで分圧は気相プロセスの場合は反応器中の全ガスを基準とし、あるいは、溶液、バルク、またはスラリープロセスの反応物と平衡状態にあるヘッドスペース中の全ガスを基準とする)において、約35wt%未満のラセミ異性体を有するメソ−メタロセン触媒と、1以上の非配位性アニオン活性剤と、アルキルアルミニウム化合物及び任意にアルキルアルモキサンからなる群から選択される助活性剤とを用い、ここで、アルキルアルモキサン対メソ−メタロセンのモル比が0.1 :1未満となり、アルキルアルミニウム化合物対メソ−メタロセンのモル比が2:1から10,000対1の範囲となることが条件であり、活性剤対メソ−メタロセンのモル比が10 : 1から0.1 : 1の範囲であることが条件である。
メソ−メタロセン触媒は、飽和または不飽和の、架橋されたビス(シクロペンタジエニル)遷移金属化合物である。メソ−メタロセン触媒は、一重または二重架橋されている。
好ましい触媒の一種は、高度に置換されたメソ-メタロセン触媒から成る。このメタロセン触媒は、高い触媒活性を有し、得られる製品の100℃での動粘度は3cStから約6000cStである。
この発明のプロセスの一側面では、供給オレフィン及び溶媒(使用される場合)を処理、または窒素ガスでパージすることにより、例えば過酸化物、酸素、硫黄、窒素含有化合物、および/またはアセチレン性化合物等の触媒毒を除去することが含まれる。
このような処理により、触媒活性が30%以上増加し、または触媒活性が50%以上増加し、または触媒活性が100%以上増加し、または触媒活性が200%以上増加し、または触媒活性が500%以上増加し、または触媒活性が1000%以上増加し、または触媒活性が2000%以上増加すると考えられる。
多くの場合、精製、またはガスパージをしないでオレフィンや溶媒を用いると、転化率が非常に低くなるか(例えば5%未満)、全く反応しない。
好ましい実施形態では、この発明は液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス(好ましくは連続または半連続またはバッチプロセス)に関し、
反応ゾーンにおいて、任意に0から60 psi (0から414 kPa)の水素の存在下(例えば分圧0から60 psi、ここで分圧は気相プロセスの場合は反応器中の全ガスを基準とし、あるいは、溶液、バルク、またはスラリープロセスの反応物と平衡状態にあるヘッドスペース中の全ガスを基準とする)において、
1以上のC3からC20のアルファ−オレフィンと、
非配位性アニオン活性剤と、ラセミ異性体含有量が約35 wt%未満の一架橋メソメタロセン遷移金属化合物と、
アルキルアルミニウム化合物及び任意にアルキルアルモキサンからなる群から選択される助活性剤とを接触させる工程を含み、
活性剤対メソ−メタロセンのモル比が10 : 1から0.1 : 1であり、ここで、
アルキルアルモキサンが用いられるとき、アルキルアルモキサン対メソ−メタロセンのモル比が0.1 :1未満でが用いられることを条件とし、
アルキルアルミニウム化合物が用いられるとき、アルキルアルミニウム化合物対メソ−メタロセンのモル比が2:1から10,000対1で用いられることを条件とし、
反応ゾーンに供給されるモノマー中のエチレンが30容量%を超えないことを条件とし、
メソ−メタロセン、非配位性アニオン活性剤、助活性剤、モノマー、溶媒または希釈剤及び製品の重量を基準として、供給成分中のアルファ−オレフィンの量が少なくとも20wt以上%(または25wt%以上、または30wt%以上)であることを条件とし、
このプロセスの遷移金属化合物1グラムに対する分画製品の生産性が少なくとも50,000gであり(ここで、全製品は、反応器を出る生産物の量から未反応モノマーと溶媒を引いた値と定義される)、また、
ii) 5%を超えないモノマーがオレフィンからアルカンに転換され、
二量体が20wt%以下、流動点が25℃未満、KV100が2から6000cSt、または3から6000cSt、粘度指数60以上の液状ポリアルファ−オレフィンを得る。
供給成分中のアルファ−オレフィンモノマーの量と、反応器に供給されるモノマー中のエチレンの容積%は、安定運転中の1時間当りのメソ-メタロセン触媒、非配位性アニオン活性剤、助活性剤、モノマー、溶媒または希釈剤の供給重量に基づいて定められる。
また別の実施形態では、メソ-メタロセン触媒は下式で表され、
Figure 2014015621
ここで、Mは中心金属であって、第4族金属、好ましくはチタン、ジルコニウム、またはハフニウム、好ましくはジルコニウム、またはハフニウムであり;
Cp及びCp*は、いずれもMに結合したシクロペンタジエニル環であって、0から4個の置換基S"で置換された同一または異なるシクロペンタジエニル環であり、
置換基S"はそれぞれ独立してヒドロカルビル基、置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置換されたハロカルビル基、シリルカルビル基、ゲルミルカルビル基のいずれかであるか、
またはCp及びCp*は、同一または異なるシクロペンタジエニル環であって、いずれかの隣接する置換基S"が任意に結合して、置換または非置換、飽和、一部不飽和、または芳香族環または多環式の置換基を形成し;
A'は架橋基であり;
X1とX2はそれぞれ独立して、ヒドリド基、 ヒドロカルビル基、置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置換されたハロカルビル基、シリルカルビル基、置換されたシリルカルビル基、ゲルミルカルビル基、置換されたゲルミルカルビル基のいずれかであるか;
または、X1とX2は金属原子に結合し、さらに互いに結合して炭素原子を約3個から約20個含むメタラサイクル環を形成するか;
または、X1とX2の両者はともに、オレフィン、ジオレフィン、またはアラインリガンドであり;
または、上記のXリガンドを遷移金属成分に供与可能なメチルアルモキサン等のルイス酸活性剤が用いられる場合、X1とX2はそれぞれ独立して、ハロゲン、アルコキシド、アリルオキシド、アミド、ホスフィド、または他の一価のアニオン性リガンドであるか、
またはX1とX2は結合して、アニオン性のキレートリガンドを形成する。
別の側面では、反応系中には、反応系の重量に対し、オレフィンモノマーが20wt%以上(好ましくは30, 40, 50, 60, 70, 80, 85 wt%以上)存在する。反応系とは、触媒、活性剤、助活性剤、モノマー溶媒または希釈剤、及び製品であると定義される。
ひとつの実施形態では、反応系中のメソ-メタロセン触媒化合物の濃度は、供給オレフィン1グラムに対し50マイクログラム未満であり、好ましくは供給オレフィン1グラムに対し40, 30, 20, 10, 5または1マイクログラム未満である。
この発明のプロセスにより製造されるポリアルファ−オレフィンは、実質的にアタクチックポリマーであり、上記のカーボン-13 NMRスペクトル法で測定した mmトライアッドが90 mole %以下であり、好ましくは80 mole %以下であり、好ましくは70 mole %以下であり、好ましくは60 mole %以下であり、好ましくは50 mole %以下であり、好ましくは40 mole %以下であり、好ましくは30 mole %以下であり、好ましくは20 mole %以下であり、好ましくは10 mole %以下である。
連続とは、中断または停止することなく操業されるシステムを意味する。例えば、ポリマーを製造する連続プロセスは、反応物(モノマーや触媒成分、溶媒、および/または触媒毒掃去剤等)が連続的に1以上の反応器へ導入され、生成したポリマーが連続的に取出されるプロセスである。
半連続とは、定期的な中断を伴いながら操業されるシステムを意味する。例えば、ポリマーを製造する半連続プロセスは、反応物(モノマーや触媒成分、および/または掃去剤等)が連続的に1以上の反応器へ導入され、生成したポリマーが間欠的に取出されるプロセスである。
バッチプロセスは連続でも半連続でもない。
この発明の好ましい実施形態では、反応温度は、連続または半連続操業、除熱、触媒供給速度、原料供給速度、または溶媒供給速度等のいずれかの方法で制御される。
通常、触媒溶液、原料オレフィン、および/または溶媒、および/または掃去剤は、室温または外気温で供給されるか、または、所定の温度まで予備冷却して供給される。このため、これらを反応器に供給することにより、反応熱を奪って一定の反応温度を保つことができる。
このような操業方法により、30分以上にわたり、好ましくは全反応期間中、所望の反応温度に対し20℃以内の範囲で制御することができ、通常好ましくは所望の反応温度に対し10℃以内の範囲、好ましくは所望の反応温度に対し5℃以内の範囲、好ましくは所望の反応温度に対し3℃以内の範囲、好ましくは所望の反応温度に対し1℃以内の範囲で制御することができる。
通常、半連続操業では、少量の液状原料を保有する反応器は、所望の反応温度に対し10℃以内の範囲に予備加熱される。この液状原料は、原料オレフィン、触媒成分、溶媒、または前回操業時のポリアルファ−オレフィン残分、または前回操業時のポリアルファ−オレフィン製品、またはその他の適切な液から成る。通常、原料オレフィンの一部、溶媒、または前開操業時のPAO残分、または前回操業時のPAO製品が、好ましい液状原料である。
反応器が所定の温度になったとき、原料オレフィン、触媒成分、所定量の水素、溶媒、及び他の成分を、所定の供給速度で連続的に供給する。助活性剤または掃去剤の使用予定量の全量または一部を、液状原料に添加することができる。あるいは、効率を最大にするため、助活性剤または掃去剤の使用予定量の全量または一部を、原料オレフィンストリーム、または溶媒ストリームに添加することができる。
重合反応が始まると熱が放出される。反応熱を極力一定に保つため、1以上の以下に述べる方法、または公知の方法により除熱する。
除熱方法のひとつは、反応器の内容物のサイドストリームを熱交換器に循環させることである。このサイドストリームをポンプにより熱交換器に循環させて冷却し、このサイドストリームを反応ゾーンへポンプで送り返す。このサイドストリームの循環速度と冷却度により、反応ゾーンの温度を制御することができる。
また、反応速度が反応温度を一定に保てるほど高くない場合は、所定の反応温度に保つために、反応器を外部から加熱する。
別の反応温度を一定に保つ方法は、原料オレフィンまたは溶媒の、供給速度または温度を制御する方法である。
反応物の添加が終了したら所定の時間反応を継続し、原料オレフィンの転化量を最大にする。
連続操業は半連続操業とほぼ同様であり、反応器が原料成分で所定のレベルまで満たされたとき、全原料成分の供給を継続しながら、所定量の反応生成物混合物を反応器から取り出す点が異なる。
原料成分の供給速度と、反応生成物を反応器から取り出す量とにより反応時間または滞留時間が決まる。これらは、オレフィンの転化率および反応器の生産性を高くして、操業の経済性を高めるため、予め設定される。
この発明のプロセスでは、最適な結果を得るためにいくつかの要因をバランスさせる。
その第1は、触媒成分の選択である。非配位性アニオン(NCA)と、少量のトリアルキルアルミニウムで活性化されたメソ-メタロセン触媒は、効果的な触媒である。ジハライド化合物またはジアルキル化合物のメソ-メタロセン触媒を用いることができる。
通常、ジアルキル型のメソ-メタロセン触媒は、NCA活性剤との相互作用により活性触媒種を与える、活性な化合物である。
しかし、ジハライド型のメソ-メタロセン触媒を用いる場合、トリ-アルキルアルミニウム、または他のアルキル化剤を併用して、ジハライド型をジアルキル型に転換する必要がある。この場合、トリ-アルキルアルミニウムとメソ-メタロセン触媒とのモル比は4から5000、好ましくは8から1000である。
メソ-エチレンビス(l-インデニル)ジルコニウムジアルキル、またはメソ-ジメチルシリルビス(2-メチルインデニル)ジルコニウムジアルキル等の、メソ-メタロセンジアルキルを用いる場合、最適な触媒活性を得るために、少量のトリ-アルキルアルミニウムを用いる。この場合、トリ-アルキルアルミニウムとメソ-メタロセン触媒とのモル比は2から500、好ましくは3から200、より好ましくは3から100、または3から10である。
NCAの使用量も重要である。メソ-メタロセン触媒とNCAとのモル比は10から0.1の範囲である。より好ましいモル比は1近くから1、または0.5から2である。
さらに、メソ-メタロセン触媒の濃度も重要である。最も高い触媒活性、潤滑油用途に適した生成物に対する最も高い選択性、及び最善の温度制御性と操作性を得るための、オレフィン原料1グラム当りのメソ-メタロセン触媒の量は、触媒0.001ミリグラム/オレフィン原料1グラムから、触媒1ミリグラム/オレフィン原料1グラムの範囲である。触媒成分の量が多すぎると、温度制御が難しくなり、潤滑油用途の生成物産出に対する選択性に影響し、触媒コストが不経済になる。
反応器中の水素の量も重要である。通常、水素の量は少ない方が好ましい。水素のヘッド圧は通常60 psi (414 kPa)以下、好ましくは50 psi (345 kPa)未満、好ましくは30 psi (207 kPa)未満、好ましくは20 psi (138 kPa)未満、好ましくは10 psi (69 kPa)未満である。あるいは、供給原料組成物中の水素の量は、濃度が1 ppmから30,000 ppm、好ましくは5から10,000 ppm、好ましくは51,000 ppmである。通常、この少量の水素は、触媒活性を促進するために用いられる。
意外にも、反応媒体中の水素圧または水素濃度がこのようなレベルの場合、出発物質のアルファ−オレフィンは、相当するアルカンに容易に水素化されないことが見出された。実際、低レベルの水素が反応媒体中に存在する場合、触媒活性が顕著に増加することが見出された。
これは、水素濃度が低レベルであることにより、高ビニリデン含有量のオレフィンポリマーが得られる点、及び、米国特許6,043,401等に開示された公知の方法によって後に官能化することができる置換されたオレフィンが得られる点で好ましい。
従って、反応器中の水素の圧力を60 psi以下 (例えば0から60 psi (414 kPa)の水素分圧)、より好ましくは40 psi (276 kPa)以下、好ましくは20 psi (138 kPa)以下、好ましくは10 psi (69 kPa)以下、好ましくは5 psi (34 kPa)以下にする。ここで、水素分圧は、気相法プロセスの反応器中の全ガスを基準とし、あるいは、溶液、バルク、またはスラリープロセスの反応物と平衡状態にあるヘッドスペース中の全ガスを基準とする。
水素を低圧にすることは不飽和ポリマーの製造に有利なだけでなく、原料の水素化による低価値のアルカンの生成を最小限にするためにも重要である。
また、最小限の水素を用いることが望ましく、好ましくは、水素は少なくとも1 psi (7 kPa)存在し、好ましくは、水素は少なくとも5 psi (34 kPa)存在する。通常、反応器に水素を5から60 psi (34から414 kPa)添加することが好ましい。
反応時間または滞留時間も、供給オレフィンの転化率に影響する。通常、反応時間または滞留時間が長いほど、供給オレフィンの転化率も高くなる。
しかし、高転化率と高生産性とをバランスさせるため、反応時間または滞留時間は通常1分から30時間であり、より好ましくは5分から16時間であり、より好ましくは10分から10時間である。トータル滞留時間は、1基の反応器、あるいは直列または並列に配置された複数の反応器の使用、あるいは反応物の供給速度調整によって達成することができる。
NCAおよび/または助活性剤で活性化されたメソ-メタロセン触媒の適切な選択と、反応条件の適切な選択により、使用するメソ-メタロセン触媒1グラム当りの全生産量が1.5キログラム以上となる高触媒生産性をもって、ポリアルファ−オレフィンを製造することができる。
反応条件には、使用する触媒の量、助活性剤または掃去剤としてのトリアルキルアルミニウムの適正量、滞留時間または反応時間、水素の量が含まれる。
このような高生産性は、プロセスの経済性が高くなるので商業的に重要である。
好ましい実施形態では、この発明のプロセスの生産性は、1グラムの遷移金属化合物(TMC)に対する全製品が少なくとも1.5 kgであり、好ましくは1グラムのTMCに対する全製品が少なくとも5 kgであり、好ましくは1グラムのTMCに対する全製品が少なくとも10 kgであり、好ましくは1グラムのTMCに対する全製品が少なくとも50kgであり、好ましくは1グラムのTMCに対する全製品が少なくとも60 kgであり、好ましくは1グラムのTMCに対する全製品が少なくとも80 kgであり、好ましくは1グラムのTMCに対する全製品が少なくとも100 kgである。「全製品」とは、反応器を出る生産物の総重量から未反応モノマーと溶媒を差し引いた重量と定義される。
別の好ましい実施形態では、この発明のプロセスの生産性は、1グラムの非配位性アニオン活性剤化合物(NCAAC)に対する全製品が少なくとも1.5 kgであり、好ましくは1グラムのNCAACに対する全製品が少なくとも5 kgであり、好ましくは1グラムのNCAACに対する全製品が少なくとも10 kgであり、好ましくは1グラムのNCAACに対する全製品が少なくとも20 kgであり、好ましくは1グラムのNCAACに対する全製品が少なくとも50 kgであり、好ましくは1グラムのNCAACに対する全製品が少なくとも80 kgであり、好ましくは1グラムのNCAACに対する全製品が少なくとも100 kgである。
好ましい実施形態では、この発明のプロセスの生産性は、1グラムの遷移金属化合物に対する分画生成物が少なくとも1.5 kgであり、好ましくは1グラムの遷移金属化合物に対する分画生成物が少なくとも5 kgであり、好ましくは1グラムの遷移金属化合物に対する分画生成物が少なくとも10 kgであり、好ましくは1グラムの遷移金属化合物に対する分画生成物が少なくとも20kgであり、好ましくは1グラムの遷移金属化合物に対する分画生成物が少なくとも40 kgであり、好ましくは1グラムの遷移金属化合物に対する分画生成物が少なくとも65 kgであり、好ましくは1グラムの遷移金属化合物に対する分画生成物が少なくとも80 kgであり、好ましくは1グラムの遷移金属化合物に対する分画生成物が少なくとも100 kgである。「分画生成物」とは、全製品中の炭素数が18を超える分画であると定義される。
メソ-メタロセン触媒、または非配位性アニオン活性剤の生産性が高いことが重要である場合が多い。これは、これらの成分が触媒系の中でも比較的高価であるためである。
好ましい実施形態では、この発明により製造された製品のC24以下の炭化水素に対する選択性が60%以下であり、好ましくはC24以下の炭化水素に対する選択性が50%以下であり、好ましくは40%以下であり、好ましくは20%以下であり、好ましくは10%以下であり、好ましくは5%以下であり、好ましくは1%以下である。(断りの無い限り、%は重量パーセントである。)
好ましい実施形態では、この発明により製造された製品のC10二量体(すなわち、C20生成物)に対する選択性が60%以下であり、好ましくはC10二量体に対する選択性が50%以下であり、好ましくは40%以下であり、好ましくは30%以下であり、好ましくはC10二量体に対する選択性が20%以下であり、好ましくはC10二量体に対する選択性が10%以下であり、好ましくはC10二量体に対する選択性が5%以下であり、好ましくはC10二量体に対する選択性が1%以下である。(断りの無い限り、%は重量パーセントである。)
好ましい実施形態では、この発明により製造された潤滑油または高性能液状油の選択性が10%以上であり、好ましくは20%以上であり、好ましくは40%以上であり、好ましくは50%以上であり、好ましくは70%以上であり、好ましくは80%以上であり、好ましくは90%以上であり、好ましくは95%以上であり、好ましくは99%以上である。(断りの無い限り、%は重量パーセントである。)
好ましい実施形態では、この発明により製造された製品のC20以上の炭化水素に対する選択性が50%以上であり、好ましくはC20以上の炭化水素に対する選択性が60%以上であり、好ましくはC20以上の炭化水素に対する選択性が70%以上であり、好ましくは80%以上であり、好ましくは90%以上であり、好ましくは95%以上であり、好ましくは98%以上であり、好ましくはC20以上の炭化水素に対する選択性が99%以上である。
通常、半連続操業、またはバッチ操業、または連続操業において、生成物を抜き出して反応を終了させた後の未精製生産物は、メタロセン触媒、活性剤、助活性剤に由来する顕著な量の金属、及び他のヘテロ原子を含む触媒成分を含有している。
通常、このような触媒成分は公知の方法でさらに加工される前に、未精製生産物ストリームから除去される。例えば、触媒成分は少量の酸素、二酸化炭素、空気、水、アルコール、酸、その他種々の触媒毒成分を添加することにより不活性化される。また、未精製生産物は水酸化ナトリウム水溶液、または塩酸水溶液と、水で洗浄され、有機液層と分離される。有機液層には一般に、未反応オレフィン、オレフィンオリゴマー、及び溶媒が含有される。
あるいは、反応器から直接抜き出された未精製生産物、または酸素、二酸化炭素、空気、水、アルコール、酸等で不活性化された未精製生産物は、固形吸着材を用いて触媒成分、掃去剤成分、その他のヘテロ原子含有化合物を吸着することにより処理される。これは好ましい方法であり、下記の実施例でも用いられている。
この方法では、空気等の触媒が未精製生産物に添加され、次に固形吸着材が添加される。あるいは、アルミナ、酸性クレイ、CeliteTM、粉末セルロース、または公知の濾過助剤等の固形吸着材が、未精製生産物に添加される。このスラリーを予め定められた時間、通常5分以上、撹拌する。次に、固形分を濾別し、濾液を蒸留または分留する。この方法は2006年7月19日出願の特許出願USSN 60/831,995に詳しく開示されている。
通常、このようにして処理された未精製生産物は、金属成分、及びその他のヘテロ原子化合物の含有量が減少している。これは、下流側の装置の付着汚れ、または触媒による付着汚れを防止する上で好ましい。
蒸留またはその他の公知の方法により、未精製生産物を、製品留分と、溶媒及び未反応オレフィン原料とに分離する。製品留分は、さらに軽質留分と残留留分に分留される。このような留分は一般に、1分子当り1つの不飽和二重結合を有する。通常、二重結合はビニリデンであり、1,2-二置換オレフィンまたは三置換オレフィンがいくらか含まれる。
これらのオレフィンは、別の機能性液状油への官能化に適し、あるいは、芳香族を含む化合物によるアルキル化、無水マレイン化、CO/H2によるヒドロホルミル化等の、公知のオレフィン官能化反応による性能向上添加剤への官能化に適している。
潤滑油留分の分子は、炭素数が20を超えていること、またはを24超えること、30を超えること、32を超えること、36を超えていることが好ましい。一般に、C20未満、またはC24未満、またはC30未満、またはC32未満、またはC36未満の軽質留分は、分留または高温真空下でのフラッシュ蒸留により、潤滑油留分から分離される。
不飽和度が高い軽質留分は、添加剤、アルキル化洗剤、ヒドロホルミル化等の様々な化学合成反応の原料として使用でき、あるいは、切削油や、必要であれば水素化した後、工作油として使用できる。
一般に、C30未満、または沸点が華氏75°以下の軽質留分は、〜160℃で<1ミリトールの真空蒸留を少なくとも2時間行うか、または薄膜蒸留、または他の分留方法により分離される。
一般に、残留留分は初留点が華氏75°より高く、潤滑油業界で華氏75°+留分として好まれている。次に、残留留分を水素化または水素添加して、完全に飽和した液状パラフィン油にされる。
通常、炭素数18未満、または20未満、または24未満、または30未満、または32未満の軽質炭化水素を僅かしか含まないか、または全く含まない残留留分は、臭素価が2以下であれば、潤滑油のベースストックまたは高性能液状油として用いることができる。臭素価が2を超える場合は、公知の潤滑油水素添加プロセスにより容易に水素化して臭素価が2未満の(通常は大幅に2を下回る)完全に飽和したパラフィン液状油にすることができる。通常、臭素価が低いほど耐酸化性が良くなるので好ましい。
このような水素添加された飽和炭化水素パラフィンは、高性能潤滑油のベースストックに用いられ、または、配合処理されて高性能機能性液状油として用いられる。典型的な潤滑油、または機能性液状油の配合処方は「Synthetic Lubricants and High- -Performance Functional Fluids」第2版(L. R. Rudnick、R. L. Shubkin著、Marcel Dekker, Inc.社、N.Y. 1999年) と、その参照文献に記載されている。
別の実施形態では、この発明のプロセスにはさらに、典型的な水素添加条件下で、この発明のPAO製品と水素とを水素化触媒に接触させ、ほぼ飽和したパラフィン性PAOを製造する工程が含まれる。
<メソ-メタロセン触媒成分>
本願の明細書と請求項において、「ヒドロカルビルラジカル」、「ヒドロカルビル」、及び「ヒドロカルビル基」という用語は同義で用いる。また、「基」、「ラジカル」及び「置換基」という用語も同義で用いる。
本願では、「ヒドロカルビルラジカル」とは直鎖、分岐、または環状のC1-C100のラジカルを意味する。環状のヒドロカルビルラジカルは、芳香族または非芳香族化合物である。「ヒドロカルビルラジカル」には下記に定義する、置換されたヒドロカルビルラジカル、ハロカルビルラジカル、置換されたハロカルビルラジカル、シリルカルビルラジカル、及びゲルミルカルビルラジカルが含まれると定義される。
置換されたヒドロカルビルラジカルは、少なくとも1の水素原子が、少なくとも1のNR*2, OR*, SeR*, TeR*, PR*2, AsR*2, SbR*2, SR*, BR*2, SiR*3, GeR*3, SnR*3, PbR*3等の官能基で置換されているか、あるいは少なくとも1の、-O-, -S-, -Se-, -Te-, -N(R*)-, =N-, -P(R*)-, =P-, -As(R*)-, =As-, -Sb(R*)-, =Sb-, -B(R*)-, =B-, -Si(R*)2-, -Ge(R*)2-, -Sn(R*)2-, -Pb(R*)2-等の非炭化水素原子、または基が、ヒドロカルビルラジカルに挿入されたラジカルである。ここで、R*はそれぞれ独立してヒドロカルビルまたはヒドロカルビルラジカルであり、2以上のR*が結合して置換または非置換で飽和の構造、一部不飽和の構造、または芳香族環または多環式の構造を形成してもよい。
ハロカルビルラジカルとは、ヒドロカルビル中の1以上の水素原子が少なくとも1のハロゲン(例えばF, Cl, Br, I)、またはハロゲンを含有する基(例えばCF3)で置換されたラジカルである。
置換されたハロカルビルラジカルは、ハロカルビルの少なくとも1の水素原子またはハロゲン原子が、少なくとも1のNR*2, OR*, SeR*, TeR*, PR*2, AsR*2, SbR*2, SR*, BR*2, SiR*3, GeR*3, SnR*3, PbR*3等の官能基で置換されているか、または、少なくとも1の-O-, -S-, -Se-, -Te-, -N(R*)-, =N-, -P(R*)-, =P-, -As(R*)-, =As-, -Sb(R*)-, =Sb-, -B(R*)-, =B-, -Si(R*)2-, -Ge(R*)2-, -Sn(R*)2-, -Pb(R*)2-等の、非炭素原子または非炭素基がハロカルビルラジカルに挿入されているラジカルである。ここで、R*はそれぞれ独立してヒドロカルビルラジカルであるか、または、少なくとも1のハロゲン原子が元のハロカルビルラジカルに残っていることを条件として、ハロカルビルラジカルである。
さらに、2以上のR*が結合して置換または非置換で飽和の構造、一部不飽和の構造、または芳香族環または多環式の構造を形成してもよい。
シリルカルビルラジカル(シリルカルビル基とも呼ばれる)は、対象とする1以上の原子にシリル官能基が直接結合した基である。この例には、SiH3, SiH2R*, SiHR*2, SiR*3, SiH2 (OR*), SiH(OR*)2, Si(OR*)3, SiH2(NR*2), SiH(NR*2)2, Si(NR*2)3等が含まれる。ここでR*はそれぞれ独立してヒドロカルビルまたはハロカルビルラジカルであり、2以上のR*が結合して置換または非置換で飽和の構造、一部不飽和の構造、または芳香族環または多環式の構造を形成してもよい。
ゲルミルカルビルラジカル(ゲルミルカルビル基とも呼ばれる)は、表示した1以上の原子にゲルミル官能基が直接結合した基である。この例には、GeH3, GeH2R*, GeHR*2, GeR5 3, GeH2(OR*), GeH(OR*)2, Ge(OR*)3, GeH2(NR*2), GeH(NR*2)2, Ge(NR*2) 3等が含まれる。ここでR*はそれぞれ独立してヒドロカルビルまたはハロカルビルラジカルであり、2以上のR*が結合して置換または非置換で飽和の構造、一部不飽和の構造、または芳香族環または多環式の構造を形成してもよい。
極性ラジカルまたは極性基は、表示した1以上の原子にヘテロ原子官能基が直接結合した基である。極性基には、周期律表の1-17族のヘテロ原子(炭素と水素を除く)が含まれ、ヘテロ原子は、単独、または共有結合、またはイオン結合、ファン・デル・ワールス力、水素結合等の他の相互作用で他の元素に結合している。
官能性のヘテロ原子を含む基の例には、カルボン酸、酸ハライド、カルボキシエステル、カルボン酸塩、カルボン酸無水物、アルデヒド及びそのカルコゲン(14族)類似体、アルコール、フェノール、エーテル、パーオキサイド及びヒドロパーオキサイド、カルボン酸アミド、ヒドラジド及びイミド、アミジンその他のアミドの窒素類似体、ニトリル、アミン及びイミン、アゾ、ニトロ、他の窒素化合物、含硫酸、含セレン酸、チオール、スルフィド、スルホキシド、スルホネート、ホスフィン、ホスフェート、他のリン化合物、シラン、ボラン、ボレート、アラン、アルミネートが含まれる。
官能基は、アルミナやシリカ等の無機担体材料や、有機ポリマー担体材料も含まれるよう、広く解釈される。
好ましい極性基の例には、NR*2, OR*, SeR*, TeR*, PR*2, AsR*2, SbR*2, SR*, BR*2, SnR*3, PbR*3 等が含まれ、ここでR*はそれぞれ独立して上記に定義したヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ハロカルビル、または置換されたハロカルビルラジカルであり、2以上のR*が結合して置換または非置換で飽和の構造、一部不飽和の構造、または芳香族環または多環式の構造を形成してもよい。
「置換または非置換のシクロペンタジエニルリガンド」、「置換または非置換のインデニルリガンド」、「置換または非置換のフルオレニルリガンド」、及び「置換または非置換のテトラヒドロインデニルリガンド」という用語を用いるときは、前記のリガンドの置換基はヒドロカルビル基、置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置換されたハロカルビル基、シリルカルビル基、ゲルミルカルビル基のいずれかである。
置換は所与のヘテロシクロペンタジエニルリガンド、ヘテロインデニルリガンド、ヘテロフルオレニルリガンド、ヘテロテトラヒドロインデニルリガンドの環内で行われ、各リガンドがさらに置換されるか、または非置換であってもよい。
いくつかの実施形態では、炭化水素置換基はそれぞれ独立して、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘネイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘネイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、ヘプタコセニル、オクタコセニル、ノナコセニル、トリアコンテニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル、トリデシニル、テトラデシニル、ペンタデシニル、ヘキサデシニル、ヘプタデシニル、オクタデシニル、ノナデシニル、エイコシニル、ヘネイコシニル、ドコシニル、トリコシニル、テトラコシニル、ペンタコシニル、ヘキサコシニル、ヘプタコシニル、オクタコシニル、ノナコシニル、トリアコンチニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、ヘプタジエニル、オクタジエニル、ノナジエニル、及びデカジエニルの各異性体、及び、メチル、エチル、エテニルから成る群から選択される。
さらに、飽和、一部飽和、及び、芳香環及び多環式構造であって、上記の置換基で置換された構造を有する異性体群も含まれる。このような異性体の例には、例えばフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、プロピルフェニル、ジプロピルフェニル、ベンジル、メチルベンジル、ナフチル、アントラセニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、ノルボニル、ノルボネニル、アダマンチル等が含まれる。
本願において、置換基が列挙されているときは、その置換基と、その置換基が上記により置換された形態の置換基を意味する。
アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基には、環状異性体も含む異性体が含まれ、例えばブチル基にはn-ブチル、2-メチルプロピル、1-メチルプロピル、ターシャリ-ブチル、及びシクロブチル(置換されたシクロプロピル異性体の類似体を含む)が含まれ、ペンチル基にはn-ペンチル、シクロペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1-エチルプロピル、及びネオペンチル(置換されたシクロブチル異性体及びシクロプロピル異性体の類似体を含む)が含まれ、ブテニルには1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、l-メチル-2-プロペニル、2-メチル-l-プロペニル及び2-メチル-2-プロペニル(及びシクロブテニル異性体とシクロプロペニル異性体)のE及びZ型が含まれる。
置換された環状化合物には、全ての異性体が含まれ、例えば、メチルフェニルにはオルト-メチルフェニル、メタ-メチルフェニル、及びパラ-メチルフェニルが含まれ、ジメチルフェニルには2、3-ジメチルフェニル、2、4-ジメチルフェニル、2、5-ジメチルフェニル、2、6-ジフェニルメチル、3、4-ジメチルフェニル、及び3、5-ジメチルフェニルが含まれる。シクロペンタジエニル及びインデニルリガンドの例は、下記のリガンドの項において説明する。
「環炭素原子」とは、環状構造の一部となっている炭素原子である。この定義によれば、インデニルリガンドは9個の環炭素原子を有し、シクロペンタジエニルリガンドは5個の環炭素原子を有し、フルオレニルリガンドは13個の環炭素原子を有する。
従って、インデンは2つのアルキルラジカル置換基を有するCp環と等価であり、フルオレンは4つのアルキルラジカル置換基を有するCp環と等価である。また、環状環は水素化されていてもよく、例えばジ-ヒドロ-、またはテトラ-ヒドロ-インデニルリガンド、ジ-ヒドロ-、テトラ-ヒドロ-、またはオクタ-ヒドロ-フルオレニルリガンドが適している。
本願のメタロセン触媒は「メソ」型であり、これは、式(1) [ (Cp-A'-Cp*)MX1 X2]で表される化合物が中心金属Mを含む対称面を有し、さらに、中心金属Mを貫くC2V-対称軸または擬似C2V-対称軸を有することを意味する。
遷移金属化合物は対象要素を有し、対称群に属する。これらの要素及び群は周知であり、F. Albert Cottonの「Chemical Applications of Group Theory」(第2版、Wiley- Interscience社、1971年)が参照される。
擬似C2V-対称軸等の擬似対称性とは、同じ対称操作であるが、リガンド骨格の置換基が同一である必要は無く、置換基が同様のサイズと立体構造的嵩高さを有していれば良いことを意味する。同様のサイズの置換基は、互いの炭素数の差が4以内で、同様の形状である。
例えば、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル及びiso-ブチル置換基(例えば一級のC1-C4置換基)は同様のサイズと立体構造的嵩高さであるとされる。同様に、iso-プロピル、sec-ブチル、1-メチルブチル、1-エチルブチル、及び1-メチルフェニル置換基(例えば二級のC3-C6置換基)は同様のサイズと立体構造的嵩高さであるとされる。フェニル、トリル、キシリル、及びメシチル置換基(C6-C9アリル置換基) は同様のサイズと立体構造的嵩高さであるとされる。
また、擬似C2V-対称軸を有する化合物において、架橋置換基が同様である必要は全く無い。これは、架橋置換基は触媒の活性サイトから遠く離れているためである。従って、擬似C2V-対称軸を有する化合物の架橋置換基が、例えばMe2Si、MeEtSi、MePhSi置換基等であっても、残余のリガンド構造が適切であれば、擬似C2V-対称軸を有するとされる。換言すれば、C2V-対称軸を有するメソ-メタロセン触媒は、この発明に適している。いくつかの実施形態では、Cl対称軸を有するメタロセンも、この発明で用いることができる。
この発明で用いられるメソ-メタロセン触媒(プレ-触媒)は、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムを含むシクロペンタジエニル、インデニル、またはフルオレニル化合物である。
一般に、この発明で用いられるチタノセン、ジルコノセン、ハフノセンは下式で表される。
Figure 2014015621
ここで、Mは中心金属であって、第4族金属、好ましくはチタン、ジルコニウム、またはハフニウム、好ましくはジルコニウム、またはハフニウムであり;
Cp及びCp*は、いずれもMに結合したシクロペンタジエニル環であって、0から4個の置換基S"で置換された同一または異なるシクロペンタジエニル環であり、
置換基S"はそれぞれ独立してヒドロカルビル基、置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置換されたハロカルビル基、シリルカルビル基、ゲルミルカルビル基のいずれかであるか、
またはCp及びCp*は、同一または異なるシクロペンタジエニル環であって、いずれかの隣接する2つの置換基S"が任意に結合して、置換または非置換、飽和、一部不飽和、または芳香族環または多環式の置換基を形成し;
A'は架橋基であり;
X1とX2はそれぞれ独立して、ヒドリド基、 ヒドロカルビル基、置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置換されたハロカルビル基、シリルカルビル基、置換されたシリルカルビル基、ゲルミルカルビル基、置換されたゲルミルカルビル基のいずれかであるか;
または、X1とX2は金属原子に結合し、さらに互いに結合して炭素原子を約3個から約20個含むメタラサイクル環を形成するか;
または、X1とX2の両者はともに、オレフィン、ジオレフィン、またはアラインリガンドであるか;
または、上記のXリガンドを遷移金属成分に供与可能なメチルアルモキサン等のルイス酸活性剤が用いられる場合、X1とX2はそれぞれ独立して、ハロゲン、アルコキシド、アリルオキシド、アミド、ホスフィド、または他の一価のアニオン性リガンドであるか、
またはX1とX2は結合して、アニオン性のキレートリガンドを形成する。
好ましくは、式(I)で表されるメソ-メタロセン触媒の場合、A'は
R'2C, R'2Si, R'2Ge, R'2CCR'2, R'2CCR'2CR'2, R'2CCR'2CR'2CR'2, R'C=CR', R'C=CR'CR'2,
R'2CCR'=CR'CR'2, R'C=CR'CR'=CR', R'C=CR'CR'2CR'2, R'2CSiR'2, R'2SiSiR'2,
R'2CSiR'2CR'2, R'2SiCR'2SiR'2, R'C=CR'SiR'2, R'2CGeR'2, R'2GeGeR'2, R'2CGeR'2CR'2,
R'2GeCR'2GeR'2, R'2SiGeR'2, R'C=CR'GeR'2, R'B, R'2C-BR', R'2C-BR'-CR'2, R'N, R'P, O, S,
Se, R'2C-O-CR'2, R'2CR'2C-O-CR'2CR'2, R'2C-O-CR'2CR'2, R'2C-O-CR'=CR', R'2C-S-CR'2,
R'2CR'2C-S-CR'2CR'2, R'2C-S-CR'2CR'2, R'2C-S-CR'=CR', R'2C-Se-CR'2,
R'2CR'2C-Se-CR'2CR'2, R'2C-Se-CR'2CR'2, R'2C-Se-CR'=CR', R'2C-N=CR', R'2C-NR'-CR'2,
R'2C-NR'-CR'2CR'2, R'2C-NR'-CR'=CR', R'2CR'2C-NR'-CR'2CR'2, R'2C-P=CR', 及び
R'2C-PR'-CR'2から成る群から選択される。
CpがCp*とは異なる場合、R'はC1-C5を含むヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ハロカルビル、置換されたハロカルビル、シリルカルビルまたはゲルミルカルビル基、任意に2以上の隣接するRが結合して置換または非置換、飽和、一部不飽和、環状または多環式の置換基のいずれかである。
以下は、式(I)で表されるメソ-メタロセン触媒成分の構成部位の例である。以下のリストは説明のためのものであり、この発明を限定するものではない。可能性のある構成部位の全ての組合せを互いに入れ替えることにより、多数の最終的成分が形成され得る。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基が含まれるヒドロカルビルラジカル、及び芳香族ラジカルが本願に記載されている場合、この用語には全ての異性体が含まれる。
例えばブチル基にはn-ブチル、2-メチルプロピル、ターシャリ-ブチル、及びシクロブチルが含まれ、ペンチル基にはn-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1-エチルプロピル、ネオペンチル、シクロペンチル、及びメチルシクロブチルが含まれ、ブテニルには1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、l-メチル-2-プロペニル、2-メチル-l-プロペニル及び2-メチル-2-プロペニルのE及びZ型が含まれる。ラジカルが他の基に結合している場合も含まれ、例えば、プロピルシクロペンタジエニルには、n-プロピルシクロペンタジエニル、イソプロピルシクロペンタジエニル、及びシクロプロピルシクロペンタジエニルが含まれる。
一般に、以下に示すリガンドまたは基には、その異性体の全てが含まれる。例えばジメチルシクロペンタジエニルには、1,2-ジメチルシクロペンタジエニルと1,3 -ジメチルシクロペンタジエニルが含まれ、メチルインデニルには、1-メチルインデニル、2-メチルインデニル、3-メチルインデニル、4-メチルインデニル、5-メチルインデニル、6-メチルインデニル、及び7-メチルインデニルが含まれ、メチルエチルフェニルには、オルト-メチルエチルフェニル、メタ-メチルエチルフェニル、及びp-メチルエチルフェニルが含まれる。遷移金属成分の構成員については、以下に示す種のいずれかの組合せから選択される。これらには、金属成分としてチタン、ジルコニウム、ハフニウムのいずれかと、以下に示す2つのリガンド(Cp及びCp*)とが含まれる。
メチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、トリメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、エチルシクロペンタジエニル、ジエチルシクロペンタジエニル、プロピルシクロペンタジエニル、ジプロピルシクロペンタジエニル、ブチルシクロペンタジエニル、ジブチルシクロペンタジエニル、ペンチルシクロペンタジエニル、ジペンチルシクロペンタジエニル、ヘキシルシクロペンタジエニル、ジヘキシルシクロペンタジエニル、ヘプチルシクロペンタジエニル、ジヘプチルシクロペンタジエニル、オクチルシクロペンタジエニル、ジオクチルシクロペンタジエニル、ノニルシクロペンタジエニル、ジノニルシクロペンタジエニル、デシルシクロペンタジエニル、ジデシルシクロペンタジエニル、ウンデシルシクロペンタジエニル、ドデシルシクロペンタジエニル、トリデシルシクロペンタジエニル、テトラデシルシクロペンタジエニル、ペンタデシルシクロペンタジエニル、ヘキサデシルシクロペンタジエニル、ヘプタデシルシクロペンタジエニル、オクタデシルシクロペンタジエニル、ノナデシルシクロペンタジエニル、エイコシルシクロペンタジエニル、ヘネイコシルシクロペンタジエニル、ドコシルシクロペンタジエニル、トリコシルシクロペンタジエニル、テトラコシルシクロペンタジエニル、ペンタコシルシクロペンタジエニル、ヘキサコシルシクロペンタジエニル、ヘプタコシルシクロペンタジエニル、オクタコシルシクロペンタジエニル、ノナコシルシクロペンタジエニル、トリアコンチルシクロペンタジエニル、シクロヘキシルシクロペンタジエニル、フェニルシクロペンタジエニル、ジフェニルシクロペンタジエニル、トリフェニルシクロペンタジエニル、テトラフェニルシクロペンタジエニル、トリルシクロペンタジエニル、ベンジルシクロペンタジエニル、フェネチルシクロペンタジエニル、シクロヘキシルメチルシクロペンタジエニル、ナフチルシクロペンタジエニル、メチルフェニルシクロペンタジエニル、メチルトリルシクロペンタジエニル、メチルエチルシクロペンタジエニル、メチルプロピルシクロペンタジエニル、メチルブチルシクロペンタジエニル、メチルペンチルシクロペンタジエニル、メチルヘキシルシクロペンタジエニル、メチルヘプチルシクロペンタジエニル、メチルオクチルシクロペンタジエニル、メチルノニルシクロペンタジエニル、メチルデシルシクロペンタジエニル、ビニルシクロペンタジエニル、プロペニルシクロペンタジエニル、ブテニルシクロペンタジエニル、インデニル、メチルインデニル、ジメチルインデニル、トリメチルインデニル、テトラメチルインデニル、ペンタメチルインデニル、メチルプロピルインデニル、ジメチルプロピルインデニル、メチルジプロピルインデニル、メチルエチルインデニル、メチルブチルインデニル、エチルインデニル、プロピルインデニル、ブチルインデニル、ペンチルインデニル、ヘキシルインデニル、ヘプチルインデニル、オクチルインデニル、ノニルインデニル、デシルインデニル、フェニルインデニル、(フルオロフェニル)インデニル、(メチルフェニル)インデニル、ビフェニルインデニル、(ビス(トリフルオロメチル)フェニル)インデニル、ナフチルインデニル、フェナンチリルインデニル、ベンジルインデニル、ベンゾインデニル、シクロヘキシルインデニル、メチルフェニルインデニル、エチルフェニルインデニル、プロピルフェニルインデニル、メチルナフチルインデニル、エチルナフチルインデニル、プロピルナフチルインデニル、(メチルフェニル)インデニル、(ジメチルフェニル)インデニル、(エチルフェニル)インデニル、(ジエチルフェニル)インデニル、(プロピルフェニル)インデニル、(ジプロピルフェニル)インデニル、テトラヒドロインデニル、メチルテトラヒドロインデニル、エチルテトラヒドロインデニル、プロピルテトラヒドロインデニル、ブチルテトラヒドロインデニル、フェニルテトラヒドロインデニル、フルオレニル、テトラヒドロフルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、アルキルまたはシリル置換フルオレニル又はヒドロフルオレニル、(ジフェニルメチル)シクロペンタジエニル、トリメチルシリルシクロペンタジエニル、トリエチルシリルシクロペンタジエニル、トリメチルゲルミルシクロペンタジエニル、トリフロロメチルシクロペンタジエニル、シクロペンタ[b]チエニル、シクロペンタ[b]フラニル、シクロペンタ[b]セレノフェニル、シクロペンタ[b]テルロフェニル、シクロペンタ[b]ピロリル、シクロペンタ[b]ホスホリル、シクロペンタ[b]アーソリル、シクロペンタ[b]スチボリル、メチルシクロペンタ[b]チエニル、メチルシクロペンタ[b]フラニル、メチルシクロペンタ[
b]セレノフェニル、メチルシクロペンタ[b]テルロフェニル、メチルシクロペンタ[b]ピロリル、メチルシクロペンタ[b]ホスホリル、メチルシクロペンタ[b]アーソリル、メチルシクロペンタ[b]スチボリル、ジメチルシクロペンタ[b]チエニル、ジメチルシクロペンタ[b]フラニル、ジメチルシクロペンタ[b]ピロリル、ジメチルシクロペンタ[b]ホスホリル、トリメチルシクロペンタ[b]チエニル、トリメチルシクロペンタ[b]フラニル、トリメチルシクロペンタ[b]ピロリル、トリメチルシクロペンタ[b]ホスホリル、エチルシクロペンタ[b]チエニル、エチルシクロペンタ[b]フラニル、エチルシクロペンタ[b]ピロリル、エチルシクロペンタ[b]ホスホリル、ジエチルシクロペンタ[b]チエニル、ジエチルシクロペンタ[b]フラニル、ジエチルシクロペンタ[b]ピロリル、ジエチルシクロペンタ[b]ホスホリル、トリエチルシクロペンタ[b]チエニル、トリエチルシクロペンタ[b]フラニル、トリエチルシクロペンタ[b]ピロリル、トリエチルシクロペンタ[b]ホスホリル、プロピルシクロペンタ[b]チエニル、プロピルシクロペンタ[b]フラニル、プロピルシクロペンタ[b]ピロリル、プロピルシクロペンタ[b]ホスホリル、ジプロピルシクロペンタ[b]チエニル、ジプロピルシクロペンタ[b]フラニル、ジプロピルシクロペンタ[b]ピロリル、ジプロピルシクロペンタ[b]ホスホリル、トリプロピルシクロペンタ[b]チエニル、トリプロピルシクロペンタ[b]フラニル、トリプロピルシクロペンタ[b]ピロリル、トリプロピルシクロペンタ[b]ホスホリル、ブチルシクロペンタ[b]チエニル、ブチルシクロペンタ[b]フラニル、ブチルシクロペンタ[b]ピロリル、ブチルシクロペンタ[b]ホスホリル、ジブチルシクロペンタ[b]チエニル、ジブチルシクロペンタ[b]フラニル、ジブチルシクロペンタ[b]ピロリル、ジブチルシクロペンタ[b]ホスホリル、トリブチルシクロペンタ[b]チエニル、トリブチルシクロペンタ[b]フラニル、トリブチルシクロペンタ[b]ピロリル1、トリブチルシクロペンタ[b]ホスホリル、エチルメチルシクロペンタ[b]チエニル、エチルメチルシクロペンタ[b]フラニル、エチルメチルシクロペンタ[b]ピロリル、エチルメチルシクロペンタ[b]ホスホリル、メチルプロピルシクロペンタ[b]チエニル、メチルプロピルシクロペンタ[b]フラニル、メチルプロピルシクロペンタ[b]ピロリル、メチルプロピルシクロペンタ[b]ホスホリル、ブチルメチルシクロペンタ[b]チエニル、ブチルメチルシクロペンタ[b]フラニル、ブチルメチルシクロペンタ[b]ピロリル、ブチルメチルシクロペンタ[b]ホスホリル、シクロペンタ[c]チエニル、シクロペンタ[c]フラニル、シクロペンタ[c]セレノフェニル、シクロペンタ[c]テルロフェニル、シクロペンタ[c]ピロリル、シクロペンタ[c]ホスホリル、シクロペンタ[c]アーソリル、シクロペンタ[c]スチボリル、メチルシクロペンタ[c]チエニル、メチルシクロペンタ[c]フラニル、メチルシクロペンタ[c]セレノフェニル、メチルシクロペンタ[c]テルロフェニル、メチルシクロペンタ[c]ピロリル、メチルシクロペンタ[c]ホスホリル、メチルシクロペンタ[c]アーソリル、メチルシクロペンタ[c]スチボリル、ジメチルシクロペンタ[c]チエニル、ジメチルシクロペンタfc]フラニル、ジメチルシクロペンタ[c]ピロリル、ジメチルシクロペンタ[c]ホスホリル、トリメチルシクロペンタ[c]チエニル、トリメチルシクロペンタ[c]フラニル、トリメチルシクロペンタ[c]ピロリル、トリメチルシクロペンタ[c]ホスホリル、エチルシクロペンタ[c]チエニル、エチルシクロペンタ[c]フラニル、エチルシクロペンタ[c]ピロリル、エチルシクロペンタ[c]ホスホリル、ジエチルシクロペンタ[c]チエニル、ジエチルシクロペンタ[c]フラニル、ジエチルシクロペンタ[c]ピロリル、ジエチルシクロペンタ[c]ホスホリル、トリエチルシクロペンタ[c]チエニル、トリエチルシクロペンタ[c]フラニル、トリエチルシクロペンタ[c]ピロリル、トリエチルシクロペンタ[c]ホスホリル、プロピルシクロペンタ[c]チエニル、プロピルシクロペンタ[c]フラニル、プロピルシクロペンタ[c]ピロリル、プロピルシクロペンタ[c]ホスホリル、ジプロピルシクロペンタ[c]チエニル、ジプロピルシクロペンタ[c]フラニル、ジプロピルシクロペンタ[c]ピロリル、ジプロピルシクロペンタ[c]ホスホリル、トリプロピルシクロペンタ[c]チエニル、トリプロピルシクロペンタ[c]フラニル、トリプロピルシクロペンタ[c]ピロリル、トリプロピルシクロペンタ[c]ホスホリル、ブチルシクロペンタ[c]チエニル、ブチルシクロペンタ[c]フラニル、ブチルシクロペンタ[c]ピロリル、ブチルシクロペンタ[c]ホスホリル、ジブチルシクロペンタ[c]チエニル、ジブチルシクロペンタ[c]フラニル、ジブチルシクロペンタ[c]ピロリル、ジブチルシクロペンタ[c]ホスホリル、トリブチルシクロペンタ[c]チエニル、トリブチルシクロペンタ[c]フラニル、トリブチルシクロペンタ[c]ピロリル、トリブチルシクロペンタ[c]ホスホリル、エチルメチルシクロペンタ[c]チエニル、エチルメチルシクロペンタ[c]フラニル、エチルメチルシクロペンタ[c]ピロリル、エチルメチルシクロペンタ[c]ホスホリル、メチルプロピルシクロペンタ[c]チエニル、メチルプロピルシクロペンタ[c]フラニル、メチルプロピルシクロペンタ[c]ピロリル、メチルプロピルシクロペンタ[c]ホスホリル、ブチルメチルシクロペンタ[c]チエニル、ブチルメチルシクロペンタ[c]フラニル、ブチルメチルシクロペンタ[c]ピロリル、ブチルメチルシクロペンタ[c]ホスホリル、ペンタメチルシクロペンタジエニル、テトラヒドロインデニル、メチルテトラヒドロインデニル、及びジメチルテトラヒドロインデニル。
上記の複数の非架橋リガンドは、本願に開示するA置換基により、架橋されていてもよい。
この発明の好ましい実施形態では、NCAとともに用いられる場合、CpはCp*と同じであり、置換されたシクロペンタジエニル、インデニル、テトラヒドロインデニル、またはフルオレニルリガンドの内のいずれかである。
この発明により2 cSt以上のPAOを製造するために好ましい触媒系には、以下のメソ−メタロセン化合物(プレ−触媒)が含まれる。
ジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、メチルフェニルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(インデニル)ハフニウムジメチル、ジフェニルシリルビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシリルビス(インデニル)ハフニウムジメチル、メチルフェニルシリルビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、メチルフェニルシリルビス(インデニル)ハフニウムジメチル、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジメチル、メチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(インデニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、メチルフェニルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルメチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロラ
イド、ジメチルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジメチル、ジフェニルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジメチル、メチルフェニルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、メチルフェニルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジメチル、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジメチル、メチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリルビス(4,7-ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(4,7-ジメチルインデニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルシリルビス(4,7-ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリルビス(4,7-ジメチルインデニル)ジルコニウムジメチル、メチルフェニルシリルビス(4,7-ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルシリルビス(4,7-ジメチルインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(4,7-ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(4,7-ジメチルインデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(4,7-ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(4,7-ジメチルインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(4,7-ジメチルインデニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(4,7-ジメチルインデニル)ハフニウムジメチル、ジフェニルシリルビス(4,7-ジメチルインデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシリルビス(4,7-ジメチルインデニル)ハフニウムジメチル、メチルフェニルシリルビス(4,7-ジメチルインデニル)ハフニウムジクロライド、メチルフェニルシリルビス(4,7-ジメチルインデニル)ハフニウムジメチル、エチレンビス(4,7-ジメチルインデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(4,7-ジメチルインデニル)ハフニウムジメチル、メチレンビス(4,7-ジメチルインデニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(4,7-ジメチルインデニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリルビス(2-メチル-4-ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(2-メチル-4-ナフチルインデニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルシリルビス(2-メチル-4-ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルシリルビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリルビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、メチルフェニルシリルビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルシリルビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(2,3ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ジフェニルシリルビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシリルビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、メチルフェニルシリルビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、メチルフェニルシリルビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、エチレンビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、メチレンビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリルビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルシリルビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリルビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、メチルフェニルシリルビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルシリルビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ジフェニルシリルビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシリルビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、メチルフェニルシリルビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、メチルフェニルシリルビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、エチレンビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、メチレンビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、及びメチレンビス(3-トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル。
特に、以下の触媒種のメソ体が好ましい。
ジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(4,7-ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(4,7-ジメチルインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(4,7-ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(4,7-ジメチルインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(インデニル)ハフニウムジメチル、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジメチル、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリルビス(4,7-ジメチルインデニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(4,7-ジメチルインデニル)ハフニウムジメチル、エチレンビス(4,7-ジメチルインデニル)ハフニウムジクロライド、及びエチレンビス(4,7-ジメチルインデニル)ハフニウムジメチル。
他の好ましい触媒種には、ジフェニルメチルインデン(シクロペンタジエニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソ-プロピリデン(シクロペンタジエニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソ-プロピリデン(3-メチルシクロペンタジエニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリル(シクロペンタジエニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、お呼びこれらのジメチル類似体、またはハフニウムメタロセン類似体が含まれる
この発明で用いられるメソ-メタロセン触媒のラセミ異性体含有量は約35wt%未満であり、好ましくは30wt%以下であり、好ましくは25wt%以下であり、より好ましくは20wt%以下であり、好ましくは15wt%以下であり、より好ましくは10wt%以下であり、さらに好ましくは5wt%以下である。
<活性剤及び触媒活性化>
触媒前駆体は、非配位性アニオン活性剤等の活性剤で活性化されたとき、オレフィンをポリマー化またはオリゴマー化する活性触媒を形成する。
用いられる活性剤には、トリフェニルボロン、トリス-ペルフルオロフェニルボロン、トリス-ペルフルオロフェニルアルミニウム等のルイス酸活性剤、および/または、ジメチルアニリニウムテトラキスペルフルオロフェニルボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキスペルフルオロフェニルボレート、ジメチルアニリニウムテトラキスペルフルオロフェニルアルミネート等のイオン性活性剤が含まれる。
助活性剤は、活性剤と組み合わせて用いられたとき遷移金属錯体をアルキル化することができる化合物であり、活性触媒が形成される。
助活性剤には、メチルアルモキサン等のアルモキサン、修飾されたメチルアルモキサン等の修飾されたアルモキサン、トリメチルアルミニウム、トリ-イソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、及びトリ-イソプロピルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、トリ-n-デシルアルミニウムまたはトリ-n-ドデシルアルミニウム等のアルキル化アルミニウムが含まれる。
助活性剤は、プレ-触媒がジヒドロカルビル、またはジヒドリド錯体ではない場合、ルイス酸活性剤及びイオン性活性剤と組み合わせて用いられる。
助活性剤は、供給原料ストリーム、または触媒ストリーム、または反応器に、1または複数のストリームにおいて、供給原料中または反応器中の不純物を不活性化するための掃去剤として添加されることがある。
多くの場合、ジアルキル化された形態のメソ-メタロセン化合物が用いられる場合でも、促進効果を高めるため、または反応系の不純物を掃去するために、少量の助活性剤が触媒系または反応系に添加される。
特に好ましい助活性剤には、式R3Alで表されるアルキルアルミニウム化合物が含まれ、ここで各Rはそれぞれ独立してC1からC18のアルキル基であり、好ましくは、各Rはそれぞれ独立してメチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、イソ-ブチル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、イソ-ヘキシル、n-ヘプチル、イソ-ヘプチル、n-オクチル、イソ-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、及びこれらの異性体から成る群から選択される。
この発明を実施する際、イオン性活性剤(助活性剤と組み合わせて用いられることがある)を用いることができる。
好ましくは、[Me2PhNH][B(C6F5)4]、[Ph3C][B(C6F5)4]、[Me2PhNH][B((C6H3-3,5-(CF3)2)) 4]、
[Ph3C][B((C6H3-3,5-(CF3)2))4]、[NH4][B(C6H5)4]、[R2PhNH][B(C6F5)4]、
[R2PhNH][B((C6H3-3,5-(CF3)2))4]、[R3PhN][B(C6F5)4]、[R3PhN][B((C6H3-3,5-(CF3)2))4]等の、ディスクリートイオン性活性剤、または、B(C6F5) 3またはB(C6H5) 3等のルイス酸活性剤を用いることができる(ここでR=C1からC20 のラジカル、Phはフェノール基、Meはメチル基)。
助活性剤を使用する場合、他の好ましい助活性剤は、メチルアルモキサン等のアルモキサン、修飾されたメチルアルモキサン等の修飾されたアルモキサン、トリ-イソブチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、及びトリ-イソプロピルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、トリ-n-デシルアルミニウムまたはトリ-n-ドデシルアルミニウム等のアルキル化アルミニウムである。
イオン化活性剤、または、中性またはイオン性の化学量論的活性剤を使用することもこの発明の範囲に含まれる。化学量論的活性剤は、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、 トリスペルフルオロフェニルボロンメタロイド前駆体、またはCメタロイド前駆体、ポリハロゲン化ヘテロテロボランアニオン(国際公開WO 98/43983)、ホウ酸(米国特許5,942,459)またはこれらの組合せ等である。
中性の化学量論的活性剤の一例として、三置換ボロンテルリウム、三置換ボロンアルニミウム、三置換ボロンガリウム、三置換ボロンインジウム、またはこれらの組合せ等が挙げられる。3つの置換基はそれぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、ハロゲン、置換アルキル基、アリール基、アリールハライド基、アルコキシ基、及びハライドから選択される。好ましくは、3つの置換基はそれぞれ独立して、ハロゲン、モノまたは多環式アリール(ハロ置換されたものを含む)、アルキル、アルケニル化合物、またはこれらの組合せから選択される。
好ましい3つの置換基は、炭素数が1から20のアルケニル基、炭素数が1から20のアルキル基、炭素数が1から20のアルコキシ基、及び炭素数が3から20のアリール基(置換されたアリール基を含む)である。
より好ましくは、3つの置換基は、炭素数が1から4のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、またはこれらの組合せである。
さらに好ましくは、3つの置換基は、好ましくはフッ素化されたアリール基である。
最も好ましくは、中性の化学量論的活性剤はトリスペルフルオロフェニルボロン、またはトリスペルフルオロナフチルボロンである。
イオン性化学量論的活性剤には、イオン化化合物の残余のイオンに付随するが、残余のイオンに配位していないか、または緩やかに配位する、活性なプロトンまたは他のカチオンが含まれる。
このような化合物や同様の化合物は、本願に参照として組み込まれる欧州特許公開EP-A-0 570 982, EP-A-0 520 732, EP-A-0 495 375, EP-B1-0 500944, EP-A-0 277 003及びEP-A-0 277 004、並びに、1994年8月3日出願の米国特許出願No. 08/285,380に開示されている。
イオン性触媒は、遷移金属化合物とB(C6F6)3等の活性剤と反応させて調製することができる。この反応により、遷移金属化合物の加水分解性リガンド(X')が([B(C6F5) 3(X')]-)等のアニオンとなり、このアニオンが、反応により生じたカチオン性遷移金属種を安定化させる。
触媒は、イオン性化合物または組成物の活性剤成分を用いて調製することができ、好ましくはイオン性化合物または組成物の活性剤成分を用いて調製される。しかし、この発明には、中性化合物を用いて活性剤を調製することも含まれる。
この発明のプロセスで用いられるイオン性触媒システムの調製において、活性剤成分として有用な化合物は、好ましくはプロトンを供与可能なブロンステッド酸であるカチオンと、互換性の非配位性アニオンから成る。このアニオンは相対的に大きく(嵩高く)、2つの化合物が組み合わされたとき形成される活性触媒種を安定化させる。また、このアニオンは不安定であり、オレフィン性、ジオレフィン性、及びアセチレン性の不飽和混合物、またはエーテル、ニトリル等の他のルイス塩基によって置き換えられる。
2つのタイプに分類される互換性の非配位性アニオンが、欧州特許出願EPA 277,003とEPA 277,004 (1988年公開)に開示されている。 このアニオン性配位錯体は、1)荷電した中心金属またはメタロイドコアを遮蔽し、共有結合的に配位した複数の親油性基を有し、2)アニオンは、カルボラン、メタラカルボラン、ボラン等の複数のホウ素原子を含む。
好ましい実施形態では、化学量論的活性剤にはカチオン及びアニオン成分が含まれる。化学量論的活性剤は、式(L**-H)d+ (Ad-)で表わされ、ここでL**は中性のルイス塩基;Hは水素;(L**-H)d+はブロンステッド酸で、Ad-は電荷d-の非配位性アニオン;dは1から3の整数である。
カチオン成分(L**-H)d+にはブロンステッド酸が含まれ、ブロンステッド酸は、プロトン、プロトン化されたルイス塩基、または、アルキル化されたプレ触媒からアルキル基またはアリール基等の部位を引き抜くことができるか、またはプロトン化することができる、還元性のルイス酸等である。
活性化カチオン(L**-H)d +は、アルキル化された遷移金属触媒前駆体にプロトンを供与して、遷移金属カチオンを生じることができるブロンステッド酸であり、アンモニウム化合物、オキソニウム化合物、ホスホニウム化合物、シリリウム化合物、及びこれらの混合物が含まれ、好ましくはメチルアミン、アニリン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N-メチルアニリン、ジフェニルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、メチルジフェニルアミン、ピリジン、p-ブロモN,N-ジメチルアニリン、p-ニトロ-N,N-ジメチルアニリンのアンモニウム塩、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンに由来するホスホニウム、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドルフラン及びジオキサン等のエーテルに由来するオキソニウム化合物、ジエチルチオエーテル化合物及び、テトラヒドロチオフェン等のチオエーテルに由来するスルホニウム、及びこれらの組合せである。
活性化カチオン(L**-H)d +は銀、トロピリウム、カルベニウ化合物、フェロセニウム化合物及びこれらの混合物等の部位であり、好ましくはカルボニウム化合物及びフェロセニウム化合物であり、最も好ましくはトリフェニルカルボニウムである。
(Ad-)
アニオン成分Ad-には、[Mk+ Qn]d-で表わされる成分が含まれ、ここで、kは1から3の整数;nは2から6の整数;n - k = d;M周期律表の第13族から選択される元素であって、好ましくはホウ素またはアルミニウム;Qはそれぞれ独立してヒドリド基、架橋または未架橋ジアルキルアミド基、ハライド基、アルコキシド基、アリルオキシド基、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置換ハロカルビル基、及びハロ置換ヒドロカルビル基のいずれかであり;1以下のQがハライドであることを条件に、Qは最大20個の炭素原子を有する。
好ましくは、各Qは炭素数1から20のフッ素化されたヒドロカルビル基であり、より好ましくは各Qはフッ素化されたアリール基であり、最も好ましくは、各Qはペンタフルオリルアリール基である。
好ましいAd-の例には、本願に参照として組み込まれる米国特許5,447,895に開示された二ホウ化化合物も含まれる。
この発明の改良された触媒の調製において、助活性剤と組み合わせられ、活性化助触媒として用いられるホウ素化合物の非限定的例示として:
トリメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(ターシャリ-ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(ターシャリ-ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ターシャリ-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(セカンダリ-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリ(ターシャリ-ブチル)アンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、ジメチル(ターシャリ-ブチル)アンモニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリ(ターシャリ-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリ(ターシャリ-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリ(ターシャリ-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリ(ターシャリ-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリ(ターシャリ-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、N,N-ジメチル-(2,4,6-トリメチルアニリニウム)テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート等の三置換アンモニウム塩、及び、ジ-(イソ-プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及び、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等の二置換アンモニウム塩、及び、トリ(o-トリル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(2,6-ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピリウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリエチルシリリウムテトラフェニルボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラフェニルボレート、トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トロピリウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-
ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリエチルシリリウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、及び、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート等の他の塩が挙げられる。
最も好ましくは、イオン性化学量論的活性剤(L**-H)d +(Ad-)は、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペルフルオロビフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、またはトリフェニルカルベニウムテトラ(ペルフルオロフェニル)ボレートである。
触媒前駆体は、助触媒、またはメタロイド-フリーのシクロペンタジエニドイオンを含む非配位性アニオンから成る活性剤によっても活性化される。これらは、2002年5月16日公開の米国特許出願2002/0058765 A15に開示されている。この発明では、触媒前駆体に助活性剤を添加することが必要である。
「互換性」非配位性アニオンとは、形成された錯体が分解したとき、中性状態まで変化しないアニオンを意味する。さらに、このアニオンは、アニオン性の物質またはフラグメントをカチオンに転移させない。従って、このアニオンから、中性の遷移金属化合物と、中性の副生物は生じない。
この発明で用いる非配位性アニオンは、互換性があり、遷移金属錯体のカチオンの+1の電荷をバランスさせることにより安定化させるが、重合中にエチレン性またはアセチレン性の不飽和モノマーによる置き換えが可能な程度の不安定さを保持するものである。
このようなタイプの助触媒は、掃去剤と共に用いることもできる。このような掃去剤の非限定的例示として、トリイソブチルアルミウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリエチルアルミウム、またはトリメチルアルミウム等が挙げられる。
この発明のプロセスでは、助触媒化合物または活性剤化合物を用いる。助触媒化合物または活性剤化合物は、当初は中性ルイス酸であるが、アルキル化遷移金属化合物と反応してカチオン性金属錯体と非配位性アニオンとを形成するか、あるいは、ツヴイッターイオン錯体を形成する。
アルキル化メソ-メタロセン化合物は、触媒前駆体と助活性剤との反応により形成される。例えばトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンまたはアルミニウムがヒドロカルビルリガンドを引き抜いて、この発明のカチオン性遷移金属錯体を安定化させる非配位性アニオンを与える。第4族類縁メソ-メタロセン化合物に関する欧州特許EP-A-0 427 697及びEP-A-0 520 732の説明が参照される。また、欧州特許EP-A-0 495 375に開示された方法と化合物が参照される。第4族類縁化合物によるツヴイッターイオン錯体の形成は、米国特許5,624,878; 5,486,632; 5,527,929が参照される。
さらに別の中性ルイス酸は公知であり、アニオンリガンドの引き抜きに適している。特にE. Y. -X. ChenとT.J. Marksの総説「Cocatalysts for Metal-Catalyzed Olefin Polymerization: Activators, Activation Processes, and Structure- Activity Relationships」(Chem. Rev., 100, 1391-1434頁、2000年)が参照される。
非配位性アニオン前駆体のカチオンがブロンステッド酸のとき、触媒前駆体と活性剤のモル比は、どのような値でもよい。ブロンステッド酸は、例えばプロトンまたはプロトン化ルイス塩基(水を除く)、あるいは、フェロセニウムまたは銀カチオン、または、ナトリウム、マグネシウム、リチウム等のアルカリ、またはアルカリ土類金属カチオン等の還元性ルイス酸である。これらの活性剤を組合わせて、触媒を活性化することもできる。
イオン性または中性の化学量論的活性剤(例えばNCA)を用いる場合、触媒前駆体:活性剤のモル比は、1:10から1:1、1:10から10:1、1:10から2:1、1:10から3:1、I:10から5:l、1:2から1.2:1、1:2から10:1、1:2から2:1、I:2から3:l、1:2から5:1、1:3から1.2:1、1:3から10:1、1:3から2:1、1:3から3:1、1:3から5:1、1:5から1:1、1:5から10:1、1:5から2:1、1:5から3:1、1:5から5:1、1:1から1:1.2である。
触媒前駆体:助活性剤のモル比は、1:500から1:1,1:250から1:1,1:100から100:1、1:75から75:1、1:50から50:1、1:25から25:1、1:15から15:1、l:10から10:1、1:5から5:1,1:2から2:1、1:100から1:1、1:75から1:1、1:50から1:1、1:25から1:1、1:15から1:1、1:10から1:1、1:5から1:1、1:2から1:1、I:10から2:1である。
好ましい活性剤、及び活性剤/助活性剤の組合せには、トリメチル、トリエチル、トリ-n-プロピル、トリ-n-ヘキシル、トリ-n-ブチル、トリ-n-オクチル、トリ-n-ドデシル、トリ-n-イソプロピル、トリ-イソブチル、トリ-イソペンチル等のトリアルキルアルミニウムと、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、またはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンとの混合物、並びに、トリメチルアルミニウムと、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートまたはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンとの混合物が含まれる。
いくつかの実施形態では、メチルアルモキサン、改質されたメチルアルモキサン、またはアルキルアルモキサンとの混合物を単独、または複数の助活性剤成分のうちの1つとして用いることもできる。
しかし、アルモキサンを用いる必要がないか、または望ましくない場合がある。これは、一般にアルモキサン化合物は、トリアルキルアルミニウムまたはトリアルキルホウ素化合物より高価であるためである。
いくつかの実施形態では、掃去剤が用いられる。
一般に、掃去剤として有用なアルキルホウ素またはアルキルアルミニウム化合物は、一般式RXJZ2で表わされる。ここで、Jはアルミニウムまたはホウ素;RXはC1からC20のアルキル基から選択され、同一でも異なっていもよい;各Zは独立してRX、または、RXと異なるハロゲン(Cl, Br, I)、アルコキシド(ORX)等の一価のアニオン性リガンドである。
最も好ましいアルキルアルミニウム化合物には、トリエチルアルミニウム, ジエチルアルミニウムクロライド、トリ-イソ-ブチルアルミニウム、トリ- n-オクチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリメチルアルミニウム等が含まれる。
好ましいアルキルホウ素には、トリエチルボロンが含まれる。
掃去剤成分は、メチルアルモキサン、及び修飾されたメチルアルモキサンを含むアルモキサン、及び修飾されたアルモキサンである。
別の実施形態では、アルキルアルモキサン化合物(例えばメチルアルモキサン、及び改質されたメチルアルモキサン)は、反応ゾーン中に供給されるオレフィン1グラムに対し3ミリグラム (mg)未満存在し、好ましくは供給されるオレフィン1グラムに対し1ミリグラム (mg)未満存在し、好ましくは供給されるオレフィン1グラムに対し0.5ミリグラム (mg)未満存在する。
触媒の活性種は、反応混合物中において均一であるか、コロイド状であるか、または、固体に担持されている場合は固形状である。
<担持触媒>
PAOの製造に、担持触媒または担持触媒系を用いることができる。
均一な担持触媒を調製するには、触媒前駆体を適切な溶媒に溶解させることが好ましい。「均一な担持触媒」という用語は、触媒前駆体、活性剤、および/または活性化された触媒が、多孔質の担体の内部の細孔表面を含め、担体のアクセス可能な表面に均一に分布状態にあることを意味する。
担持触媒のいくつかの実施形態では、均一な担持触媒が好ましい。他の実施形態では、このような制約は無い。
有用な担持触媒系は、その他の配位触媒系を担持するために有効な方法で調製することができる。有効とは、そのようにして調製された触媒を、均一系プロセスにおいて、オレフィンのオリゴマー化またはポリマー化に使用できることを意味する。触媒前駆体、活性剤、助活性剤(使用される場合)、適切な溶媒、および担体は、どのような順序で添加されてもよいし、同時に添加してもよい。
ひとつの方法では、トルエン等の適切な溶媒に溶解された活性剤を、担体用材料とともに1分間から10時間撹拌することにより、担持された触媒を調製することができる。溶液の全容積(触媒溶液の容積、活性剤溶液の容積、または両者の容積)は、担体の細孔容積より大きい。しかし、いくつかの実施形態では、溶液の全容積を、スラリーまたはゲルが形成される容積よりも小さくする(細孔容積の約90%から400 %、好ましくは約100から200%)。撹拌中にこの混合液を、30-200℃の範囲に加熱することもできる。
前工程で適切な溶媒が用いられている場合、または溶液にするために溶媒が用いられている場合には、この混合液に、固形状の触媒前駆体を添加することができる。あるいは、液状の触媒前駆体を添加することができる。あるいは、混合液を濾過し、得られた固形物と、触媒前駆体溶液とを混合する。または、混合液を真空乾燥した後、触媒前駆体溶液と混合する。
得られた触媒混合物を1分間から10時間撹拌した後、担持された触媒を溶液から濾別して真空乾燥するか、または、エバポレーションにより溶媒を除去する。
あるいは、触媒前駆体と活性剤とを溶媒中で混合して、溶液を調製する。次に、この溶液に担体を添加して、得られた溶液を1分間から10時間撹拌する。活性剤/触媒前駆体溶液の全容積は、担体の細孔容積より大きい。しかし、いくつかの実施形態では、溶液の全容積を、スラリーまたはゲルが形成される容積よりも小さくする(細孔容積の約90%から400 %、好ましくは約100から200%)。
撹拌後、室温において、溶媒を真空下で10-16時間以上乾燥する。しかし、これより高温または低温において、これより長時間または短時間乾燥することもできる。
活性剤を用いずに、触媒前駆体を担持させることもできる。この場合、活性剤(及び任意成分の助活性剤)は、スラリープロセスの液相部に添加する。
例えば、触媒前駆体の溶液と、担体用材料とを、約1分間から10時間混合する。得られたプレ触媒混合物を溶液から濾別し、真空乾燥またはエバポレーションにより、溶媒を除去して乾燥させる。触媒前駆体溶液の全容積は、担体の細孔容積より大きい。しかし、いくつかの実施形態では、溶液の全容積を、スラリーまたはゲルが形成される容積よりも小さくする(細孔容積の約90%から400 %、好ましくは約100から200%)。
さらに、2以上の異なる触媒前駆体を、上記の担持方法によって同じ担体上に担持させることもできる。
また、2以上の活性剤、または1の活性剤と1の助活性剤とを、同じ担体上に担持させることもできる。
一般に、適切な担体粒子は、ポリマーまたは耐火性酸化物材料であり、いずれも多孔質であることが好ましい。
この発明では、平均粒径が10 μmより大きい担体を用いる。直系が0.1 mmから0.5 mmで、長さが0.1 mmから1 mmの押出形状の固形担体を用いることができる場合もある。重合プロセスを向上させるため、ハニカム形状や、四葉形状等の他の押出形状や、異なるサイズの固形担体を用いることもできる。
この発明の実施形態では、例えばタルク、無機酸化物、塩化マグネシウム等の無機塩化物、またはポリスチレン、ポリオレフィンやポリマー組成物等の樹脂担体、またはその他の有機担体等の種々の担体を用いることができる。
いくつかの実施形態では、第2族、第3族、第4族、第5族、第13族または第14族の金属、またはメタロイド酸化物が含まれる無機酸化物を、担体用材料として用いる。いくつかの実施形態では、シリカ、アルミナ、シリカ-アルミナ及びこれらの混合物が含まれる触媒担体用材料を用いる。他の無機酸化物を単独、またはシリカ、アルミナ、シリカ-アルミナと組み合わせて用いることもできる。このような無機酸化物の例はマグネシア、チタニア、ジルコニア等である。
モンモリロナイトやこれと同等のクレイ等の、ルイス酸性材料を担体として用いることもできる。この場合、担体は活性剤成分にもなる。しかし、別の活性剤をさらに用いることもできる。
あるいは、MCM-41として知られる特殊な種類の固体担体を用いることもできる。MCM-41は、新しい種類のユニークな結晶性担体であり、第2成分で改質することにより、細孔サイズと酸性度を調整することができる。この材料の詳細と改質方法は、米国特許5,264,203に開示されている。
担体用の材料は、様々な方法で前処理することができる。例えば、無機酸化物を焼成し、あるいはアルキルアルミニウム、またはメチルアルモキサン等のアルモキサン、またはこの両者等の脱水化剤による化学処理を行うことができる。
上記のように、この発明では樹脂担体を用いることもできる。例えば、国際公開WO 95/15815と米国特許5,427,991の開示を参照することができる。これらに開示された方法により、特に樹脂担体が多孔質材料である場合、この発明の触媒成分、活性剤、または触媒系を樹脂担体に吸着させることができる。あるいは、ポリマー鎖上の官能基、またはポリマー鎖中の官能基に、この発明の触媒成分、活性剤、または触媒系を、化学結合させることができる。
有用な触媒担体は表面積が10-700 m2/g、および/または、細孔容積が0.1-4.0 cc/g、および/または、平均粒径が10-500 μmである。いくつかの実施形態では、表面積が50-500 m2/g、および/または、細孔容積が0.5-3.5 cc/g、および/または、平均粒径が20-200 μmである。別の実施形態では、表面積が100-400 m2/g、および/または、細孔容積が0.8-3.0 cc/g、および/または、平均粒径が30-100 μmである。
一般に、有用な担体は細孔径が10-1000オングストロームであり、または50-500オングストローム、または75-350オングストロームである。
メソ-メタロセン触媒、および/または、メソ-メタロセン触媒/希釈剤の組合せは、固体担体1グラムに対する触媒前駆体の担持量が10-100マイクロモルとなるように担持され、または固体担体1グラムに対する触媒前駆体の担持量が20-80マイクロモルとなるように担持され、または固体担体1グラムに対する触媒前駆体の担持量が40-60マイクロモルとなるように担持される。
しかし、固形状触媒前駆体の総量が担体の細孔容積を超えない限り、これらよりも多量または少量の担持量でもよい。
メソ-メタロセン触媒、および/または、メソ-メタロセン触媒/活性剤の組合せは、バルク、スラリー、固定床重合を行なうために、あるいは必要に応じて、担持させることができる。オレフィン重合技術に関して、特にアルモキサン活性化触媒に関して、様々な担持方法が知られている。いずれの方法もこの発明に適している。例えば米国特許5,057,475及び5,227,440を参照されたい。
担持されたイオン性触媒の例は、国際公開WO 94/03056に開示されている。米国特許5,643,847と国際公開WO 96/04319Aには特に有効な方法が開示されている。例えば米国特許5,422,325, 5,427,991, 5,498,582 及び5,466,649、または国際公開WO 93/11172 とWO 94/07928に開示されているように、ポリマーと無機酸化物のいずれも担体として用いることができる。
別の好ましい実施形態では、メソ-メタロセン触媒、および/または活性剤(担体有りまたは無し)は、反応器に供給される前に、アルキルアルミニウム化合物、好ましくはトリアルキルアルミニウム化合物と組み合わされる。
好ましくは、アルキルアルミニウム化合物は式R3Alで表され、ここでRはそれぞれ独立してClからC20のアルキル基であり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、n-ブチル、ペンチル、イソペンチル、n-ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、n-ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、n-オクチル、ノニル、イソノニル、n-ノニル、デシル、イソデシル、n-デシル、ウンデシル、イソウンデシル、n-ウンデシル、ドデシル、イソドデシル、及びn-ドデシル、好ましくはイソブチル、n-オクチル、n-ヘキシル、及びn-ドデシルから成る群から選択される。
好ましくは、アルキルアルミニウム化合物は、トリ-イソブチルアルミニウム、トリ- n-オクチルアルミニウム、トリ- n-ヘキシルアルミニウム、及びトリ- n-ドデシルアルミニウムから成る群から選択される。
触媒組成物は単独、または、ポリマーまたはオリゴマーブレンド物の製造用として公知の、他の重合触媒と組み合わせて用いることができる。モノマーと触媒を選択することにより、ポリマーまたはオリゴマーブレンド物を、各触媒単独の製造条件と同じ製造条件で製造することができる。
MWD値が大きいポリマーは、混合触媒系で製造されたポリマーから得られ、達成することができる。MWD値が大きい液状油は、液状油ブレンド物の特性を向上させるので、MWD値が大きい液状油を製造することが好ましい場合がある。混合触媒は、2以上の触媒前駆体と、2以上の活性剤とから成る。
<モノマー>
好ましい実施形態では、この発明の触媒化合物は、1以上の不飽和モノマーのオリゴマー化またはポリマー化に用いられる。好ましいモノマーにはC3からC24のアルファ−オレフィン、好ましくはC3からC20のアルファ−オレフィンが含まれる。
いくつかの実施形態では、好ましいモノマーには直鎖、分岐または環状アルファ−オレフィンが含まれ、好ましくはC3からC20のアルファ−オレフィン、好ましくはC4からC14のアルファ−オレフィン、より好ましくはC8からC12のアルファ−オレフィンが含まれる。
好ましいオレフィンモノマーは、例えば1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン、3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、及び1-テトラデセンの内の1以上である。
好ましい実施形態では、この発明プロセスによりホモオリゴマーまたはコオリゴマーが製造される。(本願において、コオリゴマーは二種類、三種類、四種類またはそれ以上の種類のモノマーからなる。)
本願において好ましいオリゴマーには、上記のC3からC20のアルファ−オレフィンのホモオリゴマーまたはコオリゴマーが含まれる。
好ましい実施形態では、本願のオリゴマーはC8からC12のアルファ−オレフィンのホモオリゴマーである。
また別の好ましい実施形態では、本願のオリゴマーはプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、または1-ドデセンのホモオリゴマーである。
好ましくは、本願のオリゴマーは1-オクテン、1-ノネン、1-デセンのホモオリゴマーである。
別の実施形態では、本願のオリゴマーは、C3からC20のアルファ−オレフィンから選択される二種類または三種類以上のモノマーから成るコオリゴマーである。
PAOを製造するための混合供給原料については、PCT US2006/027591の8頁の段落[0029]から16頁の段落[044]を参照されたい。
PAOの製造に用いられるアルファ−オレフィンの非限定的例示としてC3からC24のアルファ−オレフィンとC3からC14のアルファ−オレフィン、例えばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセンが挙げられ、4-フェニル-1-ブテンが好ましい。
好ましいポリアルファ−オレフィンは、ポリプロピレン、ポリ-lブテン、ポリ-1-ペンテン、ポリ-1-ヘキセン、ポリ1-ヘプテン、ポリ-1-オクテン、ポリ-1-ノネン、ポリ-1-デセン、ポリl-ウンデセン、ポリ-1-ドデセン、ポリ-1-トリデセン、及びポリ-1-テトラデセンであり、最終製品にC12からC18の高級オレフィンの二量体が含まれていてもよい。
ひとつの実施形態では、有用なPAOはC3からC20のアルファ−オレフィンから製造された炭素数がC20以上のオリゴマーまたはポリマーであり、別の実施形態では、C3からC14のアルファ−オレフィンから製造された炭素数がC24以上のオリゴマーまたはポリマーである。
好ましいオレフィンには、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、及び1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセンが含まれる。
ひとつの実施形態では、オレフィンはプロピレンであり、得られたポリマーは五量体以上のプロピレンのオリゴマーの混合物、またはプロピレンのポリマーである。
別の実施形態では、オレフィンは1-ブテンであり、得られたPAOは五量体以上の1-ブテンのオリゴマーの混合物である。
別の実施形態では、オレフィンは1-ペンテンであり、得られたPAOは1-ペンテンの四量体及び五量体以上の混合物である。
別の実施形態では、オレフィンは1-ヘキセンであり、得られたPAOは1-ヘキセンの四量体及び五量体(及びそれ以上)の混合物である。
別の実施形態では、オレフィンは1-ヘプテンであり、得られたPAOは1-ヘプテンの三量体及び四量体以上の混合物である。
別の実施形態では、オレフィンは1-オクテンであり、得られたPAOは1-オクテンの三量体及び四量体以上の混合物である。
別の実施形態では、オレフィンは1-ノネンであり、得られたPAOは1-ノネンの三量体及び四量体以上の混合物である。
別の実施形態では、オレフィンは1-デセンであり、得られたPAOは1-デセンの二量体、三量体及び四量体以上の混合物である。
別の実施形態では、オレフィンは1-ウンデセンであり、得られたPAOは1-ウンデセンの三量体及び四量体以上の混合物である。
別の実施形態では、オレフィンは1-ドデセンであり、得られたPAOは1-ドデセンの二量体及び三量体以上の混合物である。
別の実施形態では、複数のモノマーはプロピレンおよび/またはブテンから成り、またはプロピレンおよび/またはブテンと、C8からC20のアルファ−オレフィンから選択される他のアルファ−オレフィンから成る。
原料にC14からC20の高級直鎖アルファ−オレフィンを用いる場合、これらの高級直鎖アルファ−オレフィンと、C3からC12の直鎖アルファ−オレフィンとを組み合わせて用いることが好ましい。
このような高級直鎖アルファ−オレフィンだけから製造されたポリマーまたはオリゴマーは、通常高いVI値を有する一方、結晶化しやすいため、液状油の低温流動性が損なわれる。
通常、これらの高級アルファ−オレフィンを、C3からC12の低級アルファ−オレフィンと共重合させることがより好ましい。これにより得られた共重合体は、結晶化または固化しにくい。従って、このような共重合体は優れた低温流動性、高VI値、及び他の潤滑特性を有する。
好ましい実施形態では、PAOは二種類以上のモノマーから成り、あるいは三種類以上のモノマーから成り、あるいは四種類以上のモノマーから成り、あるいは五種類以上のモノマーから成る。
例えば、原料としてC3、C4、C6、C12-アルファ−オレフィン混合物、C3、C12-アルファ−オレフィン混合物、C3、C12 、C14 -アルファ−オレフィン混合物、C4、C12-アルファ−オレフィン混合物、C4、C12、C14-アルファ−オレフィン混合物、C4、C14-アルファ−オレフィン混合物、C6、C12-アルファ−オレフィン混合物、C6、C12、C14-アルファ−オレフィン混合物、C5、C12、C14-アルファ−オレフィン混合物、C6、C10、C14 -アルファ−オレフィン混合物、C6、C8、C12 -アルファ−オレフィン混合物、C8、C10、C12 -直鎖アルファ−オレフィン混合物、またはC6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14-直鎖アルファ−オレフィン混合物、またはC4、C6、C8、C10、C12、C14、C18-直鎖アルファ−オレフィン混合物を用いることができる。
別の実施形態では、PAOには40 wt%未満のエチレンが含まれる。
C3からC6のアルファ−オレフィンの共重合体の場合、成分のひとつとしてエチレンを有することが好ましいことがある。この場合、原料中に1から40 wt%のエチレンが含まれることが好ましい。
別の実施形態では、原料中に40 wt%のエチレンと60 wt%の1-ブテンが含まれることが好ましく、または、30 wt%のエチレンと70 wt%の1 -ブテンが含まれることが好ましく、または、20 wt%のエチレンと80 wt%の1 -ブテンが含まれることが好ましく、または、10 wt%のエチレンと90 wt%の1-ブテンが含まれることが好ましく、または、5 wt%のエチレンと95 wt%の1-ブテンが含まれることが好ましく、または、40 wt%のエチレンと60 wt%のプロピレンが含まれることが好ましく、または、30 wt%のエチレンと70 wt%のプロピレンが含まれることが好ましく、または、20 wt%のエチレンと80 wt%のプロピレン、10 wt%のエチレンと90 wt%のプロピレン、5 wt%のエチレンと95 wt%のプロピレンが含まれることが好ましい。
C7からC18のアルファ−オレフィンの場合、これより少量のエチレンが好ましく、0から20 wt%のエチレンが好ましい。
好ましい実施形態では、本願のPAOは、少なくとも60 wt%の炭素数が3から24の成分と、0.5から40 wt%のエチレンとから成り、ここでポリアルファ−オレフィン中の少なくとも80%のエチレンが、カーボン13 NMRで測定したとき、1から35未満の炭素が連続する態様で存在する。
好ましくは、本願のPAOは少なくとも70 wt%の炭素数が5から24の成分と(好ましくは少なくとも80 wt%、好ましくは少なくとも85 wt%、好ましくは少なくとも90 wt%、好ましくは少なくとも95 mole%)と、0.5から40 wt%のエチレンとから成り、ここで、カーボン13 NMRで測定したとき、少なくとも80%のポリアルファ−オレフィン中のエチレンが (好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも 98、好ましくは100%)、1から35未満の炭素(好ましくは1から30、好ましくは1から25、好ましくは1から20、好ましくは1から15、好ましくは1から10、好ましくは1から5)が連続する態様で存在する。
さらに、エチレンシーケンスが連続する態様はランダムであり、製品中に顕著な量の長いポリ- エチレン鎖が存在しない態様である。
この発明のC4からC20のアルファ−オレフィンは、いくつかの商業生産プロセスで行われているエチレン成長プロセスにより直接製造され、または、C3からC20のアルファ−オレフィンは、CO/H2合成ガスからフィッシャー・トロプシュ合成反応により製造され、または、内部オレフィンとエチレンとのメタセシス反応により製造され、または、高温下でフィッシャー・トロプシュ合成反応のワックスまたは石油ワックスをクラッキングして製造され、または、その他のアルファ−オレフィン合成方法によって製造される。
この発明の原料は、好ましくは少なくとも10wt%がアルファ−オレフィン、好ましくは少なくとも20wt%がアルファ−オレフィン、少なくとも50wt%がアルファ−オレフィン、少なくとも70wt%がアルファ−オレフィン、少なくとも80wt%がアルファ−オレフィン、(好ましくは直鎖アルファ−オレフィン),少なくとも90wt%がアルファ−オレフィン、(好ましくは直鎖アルファ−オレフィン)、または100%がアルファ−オレフィン(好ましくは直鎖アルファ−オレフィン)である。
一側面では、オレフィン性の供給成分は、メソ−メタロセン、非配位性アニオン活性剤、助活性剤、モノマー、溶媒、希釈剤、および/または製品の総重量に対し、少なくとも20 wt%以上存在する。
別の側面では、オレフィン性の供給成分は、メソ−メタロセン、非配位性アニオン活性剤、助活性剤、モノマー、溶媒、希釈剤、および/または製品の総重量に対し、少なくとも30 wt%以上、好ましくは40 wt%以上、好ましくは50 wt%以上、より好ましくは60wt%以上、さらに好ましくは70 wt%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90 wt %以上存在する。
原料中のオレフィンは、希釈されていてもよい。例えば、本願で使用可能なワックスクラッキングにより製造された原料には、10から90 wt%の範囲のアルファ−オレフィンが含まれる。あるいは、フィッシャー・トロプシュ合成プロセスから供給される原料には2から50 wt%の範囲のアルファ−オレフィンが含まれる。これらはいずれも、原料オレフィンとして用いることができる。
しかし、内部オレフィン、分岐オレフィン、パラフィン、環状パラフィン、芳香族(例えばトルエンおよび/またはキシレン)を含むアルファ−オレフィン混合物であっても、本願発明の原料として用いることができる。このような非アルファ−オレフィン成分は希釈効果を有し、アルファ−オレフィンの重合には実質的に影響しないと考えられる。換言すれば、この発明のプロセスは混合物中のアルファ−オレフィンを選択的に重合させ、他の成分の反応を生じさせない。
従って、オリゴマー化またはポリマー化触媒を用いてアルファ−オレフィンを選択的に反応させることにより、混合物からアルファ−オレフィンが分離されるので、混合物から成る原料中のアルファ−オレフィンを他の成分から分離する工程が不要になる。
これは経済的に有利であり、例えばフィッシャー・トロプシュ合成プロセスから供給される原料には、アルファ−オレフィン、内部オレフィン、分岐オレフィン、およびこれらに対応するアルカンが含まれる。このような混合物は、本願に開示するオリゴマー化方法に従って用い、アルファ−オレフィンを選択的に反応させることができる。アルファ−オレフィンを単離するための分離工程は不要である。
この発明の原料の別の例は、内部オレフィンとエチレンのメタセシス反応により製造されたアルファ−オレフィンであり、このアルファ−オレフィンには、内部オレフィンが混入している。
このオレフィン混合物を、本願のポリマー化/オリゴマー化プロセスにより反応させ、アルファ−オレフィンを選択的に潤滑油にすることができる。すなわち、このアルファ−オレフィンから内部オレフィンやその他の炭化水素を分離することなく、アオレフィン原料として用いることができる。これにより、プロセスの経済性が著しく向上する。
「Alpha Olefins Applications Handbook」(G. R. Lappin、J. D. Sauer編、Marcel Dekker, Inc.社、N. Y.、1989年)の第3章「Routes to Alpha-Olefins」に記載されているように、この発明の原料オレフィンは、C4からC20のアルファ−オレフィンを含む、その他の直鎖アオレフィンプロセスで製造されたオレフィンの混合物でもよい。
好ましい実施形態では、この発明により製造されたPAOは、4-メチル-l-デセン、4-エチル-l-デセン、または4-メチル-l-ヘキセン、4-メチル-l-ペンテン、または4-フェニル-1-ブテン等の、アルファ-不飽和部から少なくとも炭素2個、または好ましくは炭素3個離れた位置に分岐鎖を有するモノマーを含む。
これらのモノマーは、製造プロセスにおいて直鎖アルファ−オレフィン中に存在するか、または、故意に添加されていてもよい。わずかに分岐を有するアルファ−オレフィンと、完全に直鎖のアルファ−オレフィンとの共重合体は、より優れた低温特性を有する。
ひとつの実施形態では、1-ブテンが原料、または原料オレフィンの1つとして他のアルファ−オレフィンと併用される場合、1-ブテンは、商業プロセスにより製造された純粋な1-ブテンであってもよい。または、1-ブテンは、石油化学コンビナートまたは石油精製から容易に得られる、C4混合物中の一成分であってもよい。
米国特許5,859,159 Aには、このようなC4混合物、例えばBBストリーム(butane-ブテン ストリーム)、またはラフィネート1ストリームまたはラフィネート2ストリームについて、さらに詳細に記述されている。
C4混合物は、エチレン/プロピレン製造プロセスにおける軽質ナフサのスチームクラッキング、イソ-ブテンの大部分が除去されるMTBEプロセス、C4ストリームを製造するためのFCC-操作、および/または、そのたの石油精製プロセスにより得られる。
このようなC4混合物が原料として用いられる場合、1-ブテンのみが本願の触媒系により反応する。他のC4成分であるcis- ブテン, trans-2-ブテン, iso-ブテン, n-ブタン及びiso-ブタンは、希釈剤としてのみ作用し、重合触媒とは反応せず、また重合触媒を阻害しない。
このようなC4混合物は、ポリ-1-ブテン、あるいはエチレンまたはその他のC5からC20のアルファ−オレフィンとの共重合体を製造する際の、有用で経済的な原料である。
別の実施形態では、プロピレンが原料、または原料オレフィンの1つとして他のアルファ−オレフィンと併用される場合、化学プラントで製造された純粋なプロピレンを用いることができる。または、1-ブテンは、石油化学コンビナートまたは石油精製から容易に得られる、C4混合物中の一成分であってもよい。あるいは、同様にしてプロピレンとプロパンの混合ストリーム(PPストリーム)を用いることができる。
プロピレンは選択的に重合され、プロパンは希釈剤として作用するが反応には関与しない。このPPストリームには、プロピレンが10 wt%から95 wt%含まれる。
別の実施形態では、PP (プロピレン/プロパン)混合物と、C4ストリームとを、オレフィン原料またはオレフィン原料の1つとして用いることができる。このような原料は、プロピレン-1-ブテン共重合体、または他の高級アルファ−オレフィンと組み合わせてターポリマーまたはそれ以上の液状ポリマーを製造するための原料として用いることができる。
<ポリマー化、オリゴマー化プロセス>
<反応器のタイプと操業方法>
好ましい反応器は、2mlから10,000ガロン(37,850リットル)、またはそれ以上のサイズのものである。この範囲内であれば、どのような反応器でもよい。しかし、実用上は、製品を製造するための反応器は少なくとも1.5リットル以上必要である。
あるいは、反応ゾーンはチューブラー反応器でも良い。チューブラー反応器では、触媒系、供給原料、溶媒、リサイクルガス等が長いチューブに供給され、反応は、反応物がチューブを通過しているときに生じる。
一般に、チューブの直径は1インチから3フィートであり、チューブの長さは数フィートから1000フィート(305m)以上である。チューブの直径と長さは、滞留時間、生産量等を制御するために用いられる。転化率、及び生産量を最大にするため、触媒やその他の供給原料は、チューブに沿って間隔が異なる複数の点において注入することができる。
通常、商業生産では、容積が1リットル以上の反応器を用いることが好ましい。
生産設備には、生産性、製品の品質、及びプロセスの効率を極力高くするために、複数の反応器を、直列、並列、または直列及び並列に配置することができる。通常、反応器とこれに付随する装置は、良好な反応速度と触媒活性を得るために、前処理される。通常、反応は不活性雰囲気下で行われ、触媒系と供給原料は、触媒を不活性化する物質や触媒毒とは接触しない。通常、触媒を不活性化する物質、または触媒毒と成る化合物は、極性の酸素化合物、窒素化合物、硫黄化合物、またはアセチレン性化合物である。
この発明において、メソ-メタロセン触媒によるポリマー化、またはオリゴマー化には、溶液法、スラリー法、バルク法等のポリマー化、またはオリゴマー化プロセス等の様々なプロセスと、様々なタイプの反応器を用いることができる。
いくつかの実施形態では、固形または担持触媒を用いる場合には、スラリープロセス、連続固定床プロセス、またはプラグフロープロセスが適する。
好ましい実施形態では、モノマーと、メソ-メタロセン触媒と、活性剤および/または助活性剤/掃去剤との接触は、液相、固相、またはスラリー相において行われ、好ましくは連続撹拌式タンク反応器中、または連続チューブラー反応器中で行われる。
この発明のプロセスは、連続撹拌式タンク反応器中、または連続チューブラー反応器中、または直列また並列で操業される1以上の反応器中で行われる。これらの反応器は、内部冷却手段を備えていても備えていなくてもよい。また供給モノマーは、冷却されても、冷却されなくてもよい。一般的なプロセス条件は、米国特許5,705,577の記載を参照されたい。
固体に担持された触媒を反応に用いる場合、スラリー法ポリマー化/オリゴマー化プロセスは、下記の温度、圧力、及び滞留時間と同様の範囲において操業される。
スラリー法ポリマー化またはオリゴマー化プロセスでは、固体触媒の懸濁液、プロモータ、モノマー、及びコモノマーが添加される。
希釈剤を含むスラリー懸濁液が、間欠的または連続的に反応器から取出される。次に、生産物から濾過、遠心分離、または沈降によって触媒が除去される。次に濾液を蒸留して、溶媒、未反応成分、及び軽質成物を除去する。溶媒、及び未反応成分、または軽質成物の一部または全部がリサイクルされ再使用される。
担持されていない触媒溶液を用いる場合、反応が終了したとき、または生成物が反応器(CSTR等)から取出されたとき、生成物には溶解性、または懸濁性の混合触媒成分が含まれている。これらの成分は、好ましくは不活性化されるか、除去される。公知の触媒不活性化方法、または水洗により、触媒成分を除去することができる。
一般に反応は、化学量論量、または過剰量の空気、水分、アルコールイソプロパノール等を添加することにより、不活性化される。次にこの混合物を希釈された水酸化ナトリウムで洗浄することにより、触媒成分が除去される。
次に、残留有機液層蒸留して溶媒と未反応オレフィンとを除去する。この溶媒と未反応オレフィンは、リサイクルされ再使用されるか、または、未反応オレフィンをさらに潤滑油に転換する。
蒸留により、C18からC3またはそれ以下の軽質反応生成物がさらに除去される。軽質成分は、さらに反応させる際の希釈剤として用いることができる。あるいは、このような軽質オレフィン生成物はビニリデン不飽和結合を有しているので、別の化学合成反応のオレフィン性原料として用いることができ、特に、更なる官能化と、高性能液状油への転換に適している。あるいは、これらの軽質オレフィン生成物を水素化して、高品質パラフィン溶媒として用いることができる。
この発明プロセスでは、1以上の遷移金属化合物と、1以上の活性剤と、助活性剤または掃去剤と、1以上のモノマーとを接触させて、ポリマー、またはオリゴマーを製造する。この触媒は担持されており、特に単独、直列または並列に配置された反応器での、公知のスラリー法、溶液法、またはバルク法操業に適している。
触媒、活性剤または助活性剤が溶解性化合物の場合、反応を溶液法により行うことができる。成分のひとつが反応媒体中、または供給液中に完全に溶解しなくても、反応開始時、または反応の途中や反応の後半に、溶液タイプまたはスラリータイプの操業を行うことができる。
いずれの場合でも、溶媒中に溶解または懸濁した触媒成分は、不活性雰囲気下(通常、窒素またはアルゴン雰囲気下)の反応器に供給され、ポリマー化、またはオリゴマー化を生起させる。ここで、溶媒は、トルエンまたはその他の入手が容易な芳香族溶媒、または脂肪族溶媒、または供給されるアルファ−オレフィンストリーム等である。
ポリマー化、またはオリゴマー化は、バッチ操業で行うことができる。この場合、全原料油成分が反応器に添加され、所定の転化率に達するまで反応させる。所定の転化率は一部転化、または完全転化のいずれでもよい。
次に、触媒を水や空気に接触させること、あるいはアルコールや不活性化剤を含む溶媒の添加、または固形吸着剤の添加等の、あらゆる可能な方法で不活性化する。次に、触媒成分を公知の水洗法や、固形吸着剤を用いた場合には濾過によって除去する。
ポリマー化、またはオリゴマー化を、半連続操業で行うこともできる。この場合、供給原料及び触媒系成分は、触媒系成分と原料オレフィンとの比率を一定に保つために、連続的及び半連続的に反応器へ供給される。全ての原料と触媒成分が添加された後、反応を所定時間継続する。次に、バッチ操業についての説明と同様の方法で触媒を不活性化させて、反応を中断する。
ポリマー化、またはオリゴマー化を、連続操業で行うこともできる。この場合、供給原料及び触媒系成分は、触媒系成分と原料オレフィンとの比率を一定に保つために、連続的及び同時に反応器へ供給される。反応生成物は、連続撹拌式タンク反応器(CSTR)における操業のように、連続的に反応器から取出される。反応物の滞留時間は、予め決められた転化率と触媒濃度によって制御される。取出された生成物は、他の操業方法と同様の手段によって、別の反応器内で不活性化される。
好ましい実施形態では、この発明でPAOを製造するプロセスは、連続操業プロセスである。好ましくは、連続操業プロセスは、a) 反応器に、1以上のC3からC24のアルファ−オレフィンを含む供給ストリームを連続的に導入する工程と、b) 反応器に、メソ-メタロセン触媒化合物と活性剤とを連続的に導入する工程と、c) 反応器から、ポリアルファ−オレフィンを連続的に取出す工程とが含まれる。
<水素の効果>
別の実施形態では、このプロセスは反応器の全圧に対する水素の分圧を0.1から60 psi (0.69 to 414 kPa)に保つ工程が含まれ、好ましくは0.5から50psi(3.5から345kPa)、好ましくは1.0から40psi(6.9から276kPa)、好ましくは2.0から30psi(13.8から207kPa)、好ましくは3から20psi(20.7から137.9kPa)未満、好ましくは5から15psi(34.5から103.5kPa)、好ましくは1から10psi(6.9から69kPa) に保つ。
あるいは、水素が反応器中に存在する場合は1から30000重量ppm存在し、好ましくは3000ppm未満、好ましくは150ppm未満、好ましくは750ppm未満、好ましくは500ppm未満、好ましくは250ppm未満、好ましくは100ppm未満、好ましくは50ppm未満、好ましくは25ppm未満、好ましくは10ppm未満、好ましくは5ppm未満存在する。
オリゴマー化またはポリマー化の間、水素は僅かしか消費されないか、全く消費されない。従って、反応終了後、過剰な水素ガスを回収することができる。
<反応器の全圧>
別の実施形態では、反応器中にエチレンが存在する場合、エチレンの分圧は1000 psi (6897 kPa)未満に保たれ、好ましくは500 psi (2449 kPa)未満、好ましくは200 psi (1379 kPa)未満、好ましくは50 psi (345 kPa)未満、好ましくは30 psi (207 kPa)未満、好ましくは10 psi (69 kPa)未満に保たれる。
別の実施形態では、反応器中にプロピレン、プロピレンストリーム、C4ストリーム、1-ブテン、または1-ペンテンが存在する場合、これらの成分の分圧の合計は通常1000 psi (6897 kPa)未満に保たれ、好ましくは1000 psi (6897 kPa)未満、好ましくは500 psi (2449 kPa)未満、好ましくは200 psi (1379 kPa)未満、好ましくは50 psi (345 kPa)未満、好ましくは30 psi (207 kPa)未満、好ましくは10 psi (69 kPa)未満に保たれる。
適切な軽質オレフィンの分圧により、適正な比率のオレフィンが反応系に導入されることを確実にし、あるいは、反応系に供給されるエチレンまたはプロピレンまたはブテンまたはこれらの組合せと、その他のオレフィンとの適正な比率が保たれる。
上記のように、反応器内には窒素やアルゴン等の不活性ガスも存在するため、反応器の全圧は、ガス性の供給原料の分圧の合計値よりも高い。
<触媒添加方法の選択>
この発明では、直列または並列に配置された1以上の反応器を用いることができる。遷移金属化合物、活性剤、及び、必要であれば助活性剤を、溶媒またはアルファ−オレフィン供給ストリーム中に溶解またはスラリー化して、反応器へ供給する。遷移金属化合物、活性剤、及び、必要であれば助活性剤を、反応器に別々に供給し、反応器に入る直前にインラインで活性化するか、または、予め活性化して、反応器へ活性化した触媒の溶液またはスラリーとして供給する。
ポリマー化/オリゴマー化は、単独反応器による操業、または連続反応器による操業の、いずれでも行うことができる。単独反応器による操業では、モノマー、または複数のモノマー、触媒/活性剤/助活性剤、任意成分の掃去剤、及び任意成分の改質剤を、連続的に単独反応器へ供給する。
連続反応器による操業では、前記の各成分を、2以上の直列に連結された反応器の各々に添加する。触媒成分を、直列に連結された反応器の内の最初の反応器へ供給することができる。触媒成分を、直列に連結された各反応器反応器へ供給することもできる。
好ましい実施形態のひとつでは、反応器内において、オレフィンの存在下でプレ触媒を活性化させる。
別の実施形態では、ジクロライド型のメソ-メタロセン触媒等のプレ触媒を、アルキルアルミニウム化合物、特にトリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、および/または、トリ-n-オクチルアルミニウム等により前処理し、次に他の触媒成分と原料オレフィンを保有する反応器へ供給する。あるいは、他の触媒成分を添加して完全に活性触媒にした後、原料オレフィンを保有する反応器へ供給する。
別の実施形態では、メソ-メタロセンプレ触媒を、活性剤、および/または助活性剤と混合し、これにより活性化した触媒を、掃去剤または助活性剤を含むオレフィンストリームと共に反応器へ供給する。
別の実施形態では、助活性剤の一部または全部を、原料オレフィンと予め混合して反応器へ供給し、同時に、メソ-メタロセン触媒と活性剤、および/または助活性剤を含む別の触媒溶液を反応器へ供給する。
<触媒毒掃去剤>
いくつかの実施形態では、触媒活性をさらに高めるために、少量の触媒毒掃去剤をオレフィン供給ストリームに添加する。触媒毒掃去剤は、アルキルアルミニウム化合物(トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム)またはメチルアルモキサン等の助活性剤と同じでも、異なっていてもよい。
好ましい実施形態では、モノマーを反応器に導入する前に、アルキルアルミニウム化合物、好ましくはトリアルキルアルミニウム化合物と接触させる。
別の好ましい実施形態では、メソ-メタロセン触媒および/または活性剤を反応器に供給する前に、アルキルアルミニウム化合物、好ましくはトリアルキルアルミニウム化合物と組み合わせる。
一般に、掃去剤は、例えば米国特許5,153,157, 5,241,025、国際公開WO-A-91/09882, WO-A-94/03506, WO-A-93/14132, WO 95/07941に開示された第13族有機金属化合物等の、有機金属化合物である。
このような化合物の例には、トリエチルアルミニウム、トリエチルボラン、トリ-イソ-ブチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウム ヒドリド、メチルアルモキサン、イソ-ブチルアルモキサン、及びトリ-n- オクチルアルミニウムが含まれる。
このような、金属またはメタロイド中心に結合した嵩高、またはC1-C20の直鎖ヒドロカルビル基を有する掃去剤化合物は、活性触媒に対する有害な作用を最小にする。掃去剤の例にはトリエチルアルミニウムが含まれ、より好ましくは、トリ-イソ-ブチルアルミニウム、トリ-イソ-プレニルアルミニウム等の嵩高い化合物、及びトリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、またはトリ-n-ドデシルアルミニウム等の長い直鎖アルキル置換アルミニウム化合物が含まれる。
好ましくは、アルキルアルミニウム化合物は、トリイソブチルアルミニウム、トリn-オクチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、及びトリ-n-ドデシルアルミニウムからなる群から選択される。
アルモキサンを掃去剤として用い、他の活性剤と共に添加することもできる。アルモキサンの例は、例えばメチルアルモキサン、[Me2HNPh]+[B(pfp)4]- またはB(pfp)3である。ここで、pfpはペルフルオロフェニル(C6F5)基、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。
<供給原料の精製>
この発明のプロセスの一実施形態では、原料オレフィンまたは溶媒を前処理して、水また水分、過酸化物、酸素含有有機物質、窒素含有有機物質、またはアセチレン性化合物等の触媒毒を除去する。原料オレフィン、または溶媒を使用する場合、溶媒やパージガス(通常は窒素)は一般的な精製方法で精製することができる。
液状の原料を用いる場合、液状の原料を真空下で1から60分間脱気し、溶解していたガスを除去する。あるいは、原料オレフィン、溶媒、またはパージガスを、活性化したモレキュラーシーブ(3 A, 4A, 5 Aまたは13Xモレキュラーシーブ)または、市販の活性アルミナ、活性シリカ、その他の精製用固体から成る吸着床を通過させて精製する。このような精製用固体は、微量の水、アルコール、窒素化合物、またはその他の極性不純物を除去することができる。
あるいは、原料オレフィン、溶媒、またはパージガスを、活性化された酸素除去固形触媒(脱酸素触媒)により精製することもできる。通常、脱酸素触媒には、還元された酸化状態の銅、クロム、および/または他の金属の酸化物が含まれている。
米国特許6987152に、原料の精製例が開示されている。原料の品質と、目標とする純度に応じて、最善の結果を得るために、上記の方法の1または2または全てを組合わせることができる。
この発明では、供給原料を精製しない場合と比較して、供給原料を精製するにより触媒の生産性が少なくとも20%から1000%増加する。この改良されたプロセスには、原料オレフィンから、過酸化物、酸素、硫黄、窒素含有化合物、または微量不純物等の触媒毒を除去する処理が含まれる。この処理により、触媒の生産性が増加する(一般に10倍以上)。
好ましくは、原料オレフィンをモレキュラーシーブ、活性アルミナ、シリカゲル、酸素除去触媒、および/または、精製用クレイと接触させて、原料オレフィン中のヘテロ原子を含む化合物の濃度を、好ましくは50 ppm未満、好ましくは10 ppm未満まで低下させる。
一般に、原料オレフィン、溶媒、希釈剤を前処理し、反応器と触媒中への不純物の混入に注意してメソ-メタロセン触媒を使用すれば、反応は順調に行われる。
いくつかの実施形態では、メソ-メタロセン触媒、特に担持されたメソ-メタロセン触媒を用いる場合、触媒系には、1以上の掃去剤化合物が含まれる。ここで、掃去剤化合物とは、反応環境から極性の不純物を除去する化合物を意味する。このような不純物は、触媒活性と安定性を阻害する。
一般に、精製工程は反応成分を反応器へ導入する前に行われる。しかし、精製工程を行っても、掃去剤無しでポリマー化またはオリゴマー化を行うことは困難である。通常、重合プロセスでは、少なくとも少量の掃去剤(上記のもの)が用いられている。
<反応温度>
この発明のPAOを、均一溶液プロセス、またはバルクプロセスで製造することもできる。
一般に、これらのプロセスには、連続操業される反応器中でポリマー化またはオリゴマー化を行うことが含まれる。この反応器にモノマーと触媒とを供給し、ポリマーを製造する。凝縮や温度分布が生じないようにするため、または低減するために、この反応器内を撹拌する。
一般に、反応器内の温度制御は、重合熱と、反応器冷却とをバランスさせることにより行なわれる。反応器の冷却は、反応器のジャケット、冷却コイル、反応器内容物を冷却するための反応物のサイドストリーム、自動冷却、予め冷却された原料、液媒体(希釈剤、モノマー、または溶媒)の気化、またはこれらを組み合わせて行うことができる。断熱された反応器に予め冷却された原料を供給することによって、冷却することもできる。
反応器の温度は、使用される触媒と、目的とする製品にも依存する。ある触媒系では、高温では低分子量の製品が得られ、低温では高分子量の製品が得られる。
一般に、反応器の温度は、好ましくは10℃から250℃の範囲内であり、好ましくは10℃から220℃、好ましくは20℃から180℃、好ましくは30℃から170℃の範囲内である。
一般に、反応温度をできるだけ高精度で所定の範囲内に制御することが重要である。液状油の剪断安定性をできるだけ高くする目的で分子量分布の狭い液状油を製造する場合、反応器内の温度分布と、重合反応中の温度の変動を最小にすることが好ましい。
直列または並列の複数の反応器を用いる場合、分子量分布の広がりを最小限にするために、温度を所定の範囲内で一定に保つことが好ましい。
分子量分布が広い液状油を製造する場合は、反応温度に分布をつけ、または変動させることが好ましい。あるいは、直列の反応器の操業では、2番目の反応器の温度が、最初の反応器の温度と異なることが好ましい。並列の反応器の操業では、2つの反応器の温度が異なることが好ましい。あるいは、複数の種類のメソ-メタロセン触媒を用いてMWDを故意に広げることもできる。
<反応圧力>
この発明の反応器の全圧は、約0.1気圧から100気圧(1.5 psiから1500 psi)、好ましくは0.5気圧から75気圧(8 psiから1125 psi)、最も好ましくは1.0気圧から50気圧(15 psiから750 psi)である。
反応を窒素雰囲気下、または水素を用いて行うことができる。あるいは、プロピレン、プロピレンストリーム、1-ブテン、C4ストリーム、1-ペンテン等の他の揮発性成分の分圧下で行うこともできる。
触媒の活性を高めるため、反応器に少量の水素を添加することが好ましい場合がある。水素の添加量は、触媒の活性が向上する範囲内にとどめることが好ましい。しかし、オレフィン、特に原料アルファ−オレフィンの水素化が生じるほど、水素の添加量を高くすることはできない。これは、アルファ−オレフィンが飽和パラフィンに転換されることは、この発明のプロセスの効率にとって有害であるためである。
<滞留時間>
反応時間、または反応器内の滞留時間は、使用される触媒の種類、使用される触媒の量、及び所望の転化率に依存する。
通常、使用する触媒の量を予め決めておくことができる。大量の触媒を用いると、短い反応時間で高い転化率を得ることができる。しかし、大量の触媒を用いると、製造プロセスの経済性が低下し、反応熱と反応温度の制御が難しくなる。従って、触媒活性が高く、メソ-メタロセン触媒と活性剤の使用量が最小になる触媒を選択することが好ましい。
触媒系が、メソ-メタロセン触媒と、ルイス酸またはNCA成分を含むイオン性プロモータとから成る場合、メソ-メタロセン触媒の使用量は一般に、供給されるアルファ−オレフィン1g当り、メソ-メタロセン触媒0.01μgから500μg (または0.5mg)の範囲である。
通常、好ましい範囲は、供給されるアルファ−オレフィン1g当り、メソ-メタロセン触媒0.1μgから100μg である。
さらに、NCA活性剤に対するメソ-メタロセン触媒のモル比の範囲は、0.1から10、好ましくは0.5から5、好ましくは0.5から3である。
アルキルアルミニウム化合物を助活性剤として用いる場合、Alに対するメソ-メタロセン触媒のモル比の範囲は、1から1000、好ましくは2から500、好ましくは4から400である。
一般に、できるだけ短い反応時間内で、原料オレフィンの転化率をできるだけ高く(100%近く)することが好ましい。しかし、CSTR操業では、100%未満の最適転化率において反応を行うことが好ましい場合がある。原料の一部転化、あるいはできるだけ狭いMWDの製品が好ましい場合がある。これは、原料の一部転化により、MWDの増加を避けられるためである。
反応によるアルファ−オレフィンの転化が100%未満の場合には、製品、及び溶媒/希釈剤から分離された未反応原料は、プロセスの効率を高めるためにリサイクルされる。
この発明のプロセスで好ましい滞留時間は、1分から30時間の範囲、より好ましくは5分から16時間の範囲、より好ましくは10分から10時間の範囲である。
<溶媒または希釈剤>
単独の反応器、並列または直列に構成された反応器のいずれのプロセスも用いることができる。
液相プロセスには、オレフィンモノマーと上記の触媒系とを、適切な溶媒または希釈剤中で接触させて、所望のポリマーまたはオリゴマーを製造するために十分な時間、オレフィンモノマーを反応させる工程が含まれる。
溶媒または希釈剤には、脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素のいずれも用いることができる。芳香族炭化水素としてトルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、 t-ブチルベンゼンが好ましい。ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、イソペンタン、オクテン、NorparまたはIsopar溶媒(ExxonMobil Chemical Company社、Houston, Texas)等のアルカンも好ましい。
触媒成分を溶解させるためには、トルエンが最も好ましい。Norpar、Isoparまたはヘキサンは、反応希釈剤として好ましい。トルエンとNorpar、またはトルエンとIsoparの混合物を、溶媒または希釈剤として用いることができる場合がある。
プロセスを簡素化し、反応器の効率を高めるために、反応器にできるだけ少量の溶媒または希釈剤を添加することが好ましい。
低温で高粘度の液状油を製造する場合、反応熱の移動、撹拌、生成物のハンドリング、濾過操作等を容易にするために、溶媒または希釈剤を添加することがある。
通常、反応器に50 wt%未満の追加の溶媒または希釈剤を添加し、好ましくは30 wt%未満、好ましくは20 wt%未満、好ましくは10 wt%未満の希釈剤を添加し、好ましくは反応器に追加の溶媒または希釈剤を添加しない。
通常、反応系には、触媒、活性剤、または助活性剤に由来する少量の溶媒または希釈剤が含まれる。
上記の水素が存在しないか、少量の水素しか存在しないプロセスは、不飽和二重結合を多く含むポリマーまたはオリゴマーの製造に好適である。このような二重結合は、多くの特性を備える機能化液状油へ容易に転換することができる。
このようなMWが300を超えるポリマーの転換の例は、無灰分散剤に見られる。無灰分散剤の場合、ポリマーを無水マレイン酸と反応させてPAO-無水琥珀酸とし、次にアミン、アルコール、ポリエーテルアルコールと反応させて、分散剤、洗剤、または機能性添加剤へ転換させる。このような添加の例は、「Lubricant Additives: Chemistry and Application」(Leslie R. Rudnick著、Marcel Dekker, Inc社、2003年、143-170頁)に記載されている。.
別の実施形態では、この発明により製造されるポリアルファ−オレフィンは、水素化される。特に、好ましくは、ポリアルファ−オレフィンを上記のように処理して、ヘテロ原子含有化合物を600ppm未満まで削減し、次に水素と水素化触媒に接触させることにより、臭素価が2未満のポリアルファ−オレフィンを製造する。
好ましい実施形態では、処理されたポリアルファ−オレフィンはヘテロ原子含有化合物を100ppm未満含み、好ましくはヘテロ原子含有化合物を10ppm未満含む。(ヘテロ原子含有化合物とは、炭素と水素以外の原子を少なくとも1つ含む化合物である。)
好ましくは、水素化触媒は担持された第7, 8, 9, 及び10族金属から成る群から選択される。好ましくは、水素化触媒はシリカ、アルミナ、クレイ、チタニア、ジルコニア、または混合参加金属担体、または一般にMCM-41物質または関連する物質(米国特許5,264,203に開示されている)として知られているメソポーラス物質に担持された、Ni, Pd, Pt, Co, Rh, Fe, Ru, Os, Cr, Mo, 及びWの1以上から成る群から選択される。
好ましい水素化触媒は、珪藻土に担持されたニッケル、あるいは、アルミナまたはMCM-41に担持された白金またはパラジウム、あるいは、アルミナに担持されたコバルト-モリブデンである。
通常、珪藻土に担持された高ニッケル含有量の触媒、例えば60% Niの触媒が用いられる。あるいは、 Co-Moの担持率が高い担持触媒が用いられる。
あるいは、水素化触媒は、珪藻土、シリカ、アルミナ、クレイ、またはシリカ-アルミナに担持されたニッケルである。あるいは、MCM-41またはその類似物に担持されたPdまたはPtである。
好ましい実施形態では、ポリアルファ−オレフィンと、水素及び水素化触媒とを、25°Cから350℃、好ましくは100℃から300℃において接触させる。
別の好ましい実施形態では、ポリアルファ−オレフィンと、水素及び水素化触媒とを、5分から100時間、好ましくは5分から24時間接触させる。
別の好ましい実施形態では、ポリアルファ−オレフィンと、水素及び水素化触媒とを、水素圧25 psiから2500 psi、好ましくは100から2000 psiにおいて接触させる。
別の好ましい実施形態では、水素化プロセスにより、ポリアルファ−オレフィン中のmmトライアッドの数が1から80%低下する。
PAOの水素化についての詳細は、米国特許5,573,657、及びPAOの水素化に関する詳細な解説が記載されている「Lubricant Base Oil Hydrogen Refining Processes」(Lubricant Base Oil and Wax Processing」の119から152頁、Avilino Sequeira, Jr.著、Marcel Dekker, Inc.社、NY、1994年)を参照されたい。
この水素化プロセスは、バッチ操業のスラリー反応器で行われる。または、水素化プロセスは、連続撹拌タンク反応器(CSTR)で行われ、この場合、水素化触媒の濃度は、供給されるPAOに対し0.001 wt%から20 wt%であり、好ましくは供給されるPAOに対し0.01 wt%から10 wt%である。
水素とポリアルファ−オレフィンを連続的に反応器に供給し、所定の滞留時間、通常5分から10時間の滞留時間水素化を行ない、不飽和オレフィンを完全に水素化する。通常、触媒の添加量はごく僅かであり、触媒の不活性化をぎりぎりで補える程度である。
水素化触媒と水素化されたPAOは、連続的に反応器から取出される。生成した混合物を濾過し、遠心分離または沈降によって固形水素化触媒を除去する。水素化触媒を再生し、再使用することができる。
水素化されたPAOは、そのまま用いることができる。または、必要であればさらに蒸留または分留して、特定成分組成物にすることができる。
水素化触媒が長時間不活性化の兆候を示さないときは、通常全反応物の0.1 wt%から10%の範囲の一定量の触媒を反応器中に保持しておき、水素とPAOを一定の供給速度でを連続的に供給するともに、水素化されたPAOを反応器から取出しながら、撹拌タンク水素化プロセスを続行することができる場合がある。
また、水素化プロセスを固定床プロセスで行うこともできる。この場合、固体水素化触媒をチューブラー反応器の内部に充填し、反応温度まで加熱する。水素とPAOの供給は、反応器の頂部または底部から同時に行うか、あるいは、向流で行い、水素、PAO、及び触媒間の接触を最大にして最善の熱管理が行うことができる。
PAOと水素の供給速度は、原料中の不飽和オレフィンが完全に水素化されるか、および/または、このプロセスにおいて所望のmmトライアッド転化率が得られる適切な滞留時間となるように調整する。
水素化されたPAO液状油をそのまま用いることができる。または、必要であればさらに蒸留または分留して、軽質成分を得ることができる。通常、水素化されたPAO液状油の最終製品の臭素価は2未満である。
この発明の新規なポリアルファ−オレフィンは、単独または他の液状油とブレンドし使用したとき、ユニークな潤滑特性を示す。
別の実施形態では、この発明の新規な潤滑油は、この発明により製造されたPAOと、1以上の他のベースストックとで構成され、適切な粘度グレードとなるように処方される。他のベースストックには、グループIからグループVIで、100℃における粘度が1.5から100 cStのベースストックが含まれる。
さらに、1以上の増粘剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、耐磨耗剤、洗剤/分散剤/インヒビター(DDI)パッケージ、および/または防錆剤等の添加剤が添加される。好ましい実施形態では、この発明のPAOには、1以上の分散剤、洗剤、フリクションモディファイア、トラクション改良剤、乳化破壊剤、消泡剤、発色剤(染料)、および/または防曇剤等が添加される。
このような、完全に配合処方された潤滑油は、自動車のクランクケースオイル(エンジンオイル)、工業油、グリース、ハイドロリックオイル、ギヤオイル、熱媒体、またはガスタービンエンジンオイル等に用いられる。上記の添加剤は、最終的な潤滑油の配合処方に用いられる添加剤の一例である。
合成潤滑油、半合成潤滑油、一部合成潤滑油、または機能性液状油の配合処方におけるPAOの使用に関する更なる情報は、「Synthetic Lubricants and High- Performance Functional Fluids」(第2版、L. Rudnickら、Marcel Dekker, Inc.社、N.Y、1999年)に記載されている。配合処方における添加剤の使用に関する更なる情報は、「Lubricants and Lubrications」(T. Mang及びW. Dresel著、Wiley- VCH GmbH社、 Weinheim 2001年) に記載されている。
この発明の様々な側面を、以下に列挙する項1から項16に示す。ひとつの実施形態では、
項1.この発明は、液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセスであって、
a)反応ゾーンにおいて、0から60 psi (0から414 kPa)の水素の存在下(例えば分圧0から60 psi(0から414 kPa)、ここで分圧は気相プロセスの場合は反応器中の全ガスを基準とし、あるいは、溶液、バルク、またはスラリープロセスの反応物と平衡状態にあるヘッドスペース中の全ガスを基準とする)において、
1以上のC3からC20のアルファ−オレフィンと、
非配位性アニオン活性剤と、ラセミ異性体含有量が約35 wt%未満の一架橋メソメタロセン遷移金属化合物と、
アルキルアルミニウム化合物及びアルキルアルモキサンからなる群から選択される助活性剤とを接触させる工程を含み、
ここで、活性剤対メソ−メタロセンのモル比が10 : 1から0.1 : 1であり、
アルキルアルモキサンが用いられるとき、アルキルアルモキサン対メソ−メタロセンのモル比が0.1 :1未満で用いられることを条件とし、
アルキルアルミニウム化合物が用いられるとき、アルキルアルミニウム化合物対メソ−メタロセンのモル比が2:1から10,000対1で用いられることを条件とし、
反応ゾーンに供給されるモノマー中のエチレンが30容量%を超えないことを条件とし、
供給成分中のアルファ−オレフィンの量が、メソ−メタロセン、非配位性アニオン活性剤、助活性剤、モノマー、及び溶媒または希釈剤の重量を基準として、少なくとも20wt以上%であることを条件とし、
i) このプロセスの遷移金属化合物1グラムに対する全製品の生産性が少なくとも50,000gであり(ここで、全製品は、反応器を出る生産物の量から未反応モノマーと溶媒を引いた値と定義される)、また、
ii) 5%を超えないモノマーがオレフィンからアルカンに転換され、
流動点が25℃未満、KV100が2 cStまたは3 cStから6000cSt、二量体が20wt%以下で、粘度指数60以上の液状ポリアルファ−オレフィンを得る、液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
項2.前記メソ-メタロセン触媒が下式で表され、
Figure 2014015621
ここで、Mは中心金属であって、第4族金属、好ましくはチタン、ジルコニウム、またはハフニウム、好ましくはジルコニウム、またはハフニウムであり;
Cp及びCp*は、いずれもMに結合したシクロペンタジエニル環であって、0から4個の置換基S"で置換された同一または異なるシクロペンタジエニル環であり、
置換基S"はそれぞれ独立してヒドロカルビル基、置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置換されたハロカルビル基、シリルカルビル基、ゲルミルカルビル基のいずれかであるか、
またはCp及びCp*は、同一または異なるシクロペンタジエニル環であって、いずれかの隣接する置換基S"が任意に結合して、置換または非置換、飽和、一部不飽和、または芳香族環または多環式の置換基を形成し;
A'は架橋基であり;
X1とX2はそれぞれ独立して、ヒドリド基、 ヒドロカルビル基、置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置換されたハロカルビル基、シリルカルビル基、置換されたシリルカルビル基、ゲルミルカルビル基、置換されたゲルミルカルビル基のいずれかであるか;
または、X1とX2は金属原子に結合し、さらに互いに結合して炭素原子を約3個から約20個含むメタラサイクル環を形成するか;
または、X1とX2の両者はともに、オレフィン、ジオレフィン、またはアラインリガンドであり;
または、上記のXリガンドを遷移金属成分に供与可能なメチルアルモキサン等のルイス酸活性剤が用いられる場合、X1とX2はそれぞれ独立して、ハロゲン、アルコキシド、アリルオキシド、アミド、ホスフィド、または他の一価のアニオン性リガンドであるか、
またはX1とX2は結合して、アニオン性のキレートリガンドを形成する、項.1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
項3.Mがチタン、ジルコニウム、またはハフニウムである、項2に記載のプロセス。
項4.Kv100が150以上である、項1から3のいずれか1項に記載のプロセス。
項5.Kv100が300以上である、項1から3のいずれか1項に記載のプロセス。
項6.Kv100が600以上である、項1から3のいずれか1項に記載のプロセス。
項7.流動点が-10℃以下である、項1から6のいずれか1項に記載のプロセス。
項8.オレフィンからアルカンへ転換されるモノマーが10%を超えない、項1から7のいずれか1項に記載のプロセス。
項9.製品の収率が95%を超える、項1から8のいずれか1項に記載のプロセス。
項10.全製品の95%より多い量が、18より多い炭素原子を有する、項1から9のいずれか1項に記載のプロセス。
項11.プロセスが、連続プロセス、または半連続プロセスである、項1から10のいずれか1項に記載のプロセス。
項12.メソ-メタロセンが、メソ-ジメチルシリルビス(2-メチルインデニル)ジルコニウムジハライド、またはメソ-エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジハライドである、項1から11のいずれか1項に記載のプロセス。
項13.メソ-メタロセンが、メソ-ジメチルシリルビス(2-メチルインデニル)ジルコニウムジアルキル、またはメソ-エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジアルキルである、項1から11のいずれか1項に記載のプロセス。
項14.助活性剤が式R'3Alで表され、R'がそれぞれ独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、イソ-ブチル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、イソ-ヘキシル、n-ヘプチル、イソ-ヘプチル、n-オクチル、イソ-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、及びこれらの異性体、から成る群から選択される、項1から11のいずれか1項に記載のプロセス。
項15.非配位性アニオン活性剤が、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジアルキルフェニルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリ-アルキルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラ-アルキルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジアルキルフェニルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリチルテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリス(ペルフルオロナフチル)ボロン、トリ-アルキルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、または、テトラ-アルキルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレートのいずれかである、項1から14のいずれか1項に記載のプロセス。
項16.モノマーが、プロピレン,1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、1-ウンエイコセン、1-ドコセン、1-トリコセン、1-テトラコセン、1-ペンタコセン、1-ヘキサコセン、4-メチル-1-ペンテン、4-フェニル-1-ブテン、及び5-フェニル-1-ペンテンからなる群から選択される1以上のモノマーである、項1から15のいずれか1項に記載のプロセス。
別の側面では、この発明は以下に関する。
項17.液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセスであって、
a) 反応ゾーンにおいて
1以上のC5からC18のアルファ−オレフィンモノマーと、
非配位性アニオン活性剤と、
15 wt%未満のラセミ異性体を含むメソ-メタロセン遷移金属化合物と、
アルキルアルミニウム化合物(AlR3、R = C1からC20のヒドロカルビル基)及びアルキルアルモキサン (アルキルアルモキサン対メタロセンのモル比が0.1 :1未満であることを条件とする)とから成る群から選択される助活性剤とを、
任意に最大55psiの水素の存在下で接触させ、ここで、
活性剤対メタロセンのモル比が10 : 1から0.1 : 1の範囲であり、助活性剤対メタロセンのモル比が2:1から10,000:1の範囲であり、
反応ゾーンに供給されるモノマー中のエチレン、および/または、プロピレンが30容量%を超えず、反応ゾーンに供給されるモノマー中のC5からC18のモノマーが少なくとも70容量%(存在する全モノマーを基準とする)であることを条件とし、
i) このプロセスの、遷移金属化合物1グラムに対する全分画生成物の生産性が少なくとも40,000gで、
ii) 反応中に反応ゾーンの温度が10℃を超えて上昇することが無く、
iii) 5%を超えないオレフィンモノマーがアルケンからアルカンに転換され、
iv) 収率が95%を超え、
v) C20以上の生成物に対する選択性が少なくとも95%であり、
b) 二量体の含有量が20 wt%以下、KV100が3から1000 cSt、粘度指数が100以上、流動点が-10℃以下の液状ポリアルファ−オレフィン製品を得る、液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
項18.前記メソ-メタロセン触媒が下式で表され、
Figure 2014015621
ここで、Mは中心金属であって、第4族金属、好ましくはチタン、ジルコニウム、またはハフニウム、好ましくはジルコニウム、またはハフニウムであり;
Cp及びCp*は、いずれもMに結合したシクロペンタジエニル環であって、0から4個の置換基S"で置換された同一または異なるシクロペンタジエニル環であり、
置換基S"はそれぞれ独立してヒドロカルビル基、置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置換されたハロカルビル基、シリルカルビル基、ゲルミルカルビル基のいずれかであるか、
またはCp及びCp*は、同一または異なるシクロペンタジエニル環であって、いずれかの隣接する置換基S"が任意に結合して、置換または非置換、飽和、一部不飽和、または芳香族環または多環式の置換基を形成し;
A'は架橋基であり;
X1とX2はそれぞれ独立して、ヒドリド基、 ヒドロカルビル基、置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置換されたハロカルビル基、シリルカルビル基、置換されたシリルカルビル基、ゲルミルカルビル基、置換されたゲルミルカルビル基のいずれかであるか;
または、X1とX2は金属原子に結合し、さらに互いに結合して炭素原子を約3個から約20個含むメタラサイクル環を形成するか;
または、X1とX2の両者はともに、オレフィン、ジオレフィン、またはアラインリガンドであり;
または、上記のXリガンドを遷移金属成分に供与可能なメチルアルモキサン等のルイス酸活性剤が用いられる場合、X1とX2はそれぞれ独立して、ハロゲン、アルコキシド、アリルオキシド、アミド、ホスフィド、または他の一価のアニオン性リガンドであるか、
またはX1とX2は結合して、アニオン性のキレートリガンドを形成する、項.17に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
項19.Mがチタン、ジルコニウム、またはハフニウムである、項18に記載のプロセス。
項20.Kv100が150以上である、項17から19のいずれか1項に記載のプロセス
項21. Kv100が300以上である、項17から19のいずれか1項に記載のプロセス。
項22.Kv100が600以上である、項17から19のいずれか1項に記載のプロセス。
項23.流動点が-10℃以下である、項17から22のいずれか1項に記載のプロセス。
項24.オレフィンからアルカンへ転換されるモノマーが10%を超えない、項17から23のいずれか1項に記載のプロセス。
項25.製品の収率が95%を超える、項17から24のいずれか1項に記載のプロセス。
項26.全製品の95%より多い量が、18より多い炭素原子を有する、項17から25のいずれか1項に記載のプロセス。
項27.プロセスが、連続プロセス、または半連続プロセスである、項17から26のいずれか1項に記載のプロセス。
項28.メソ-メタロセンが、メソ-ジメチルシリルビス(2-メチルインデニル)ジルコニウムジハライド、またはメソ-エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジハライドである、項17から27のいずれか1項に記載のプロセス。
項29.メソ-メタロセンが、メソ-ジメチルシリルビス(2-メチルインデニル)ジルコニウムジアルキル、またはメソ-エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジアルキルである、項17から27のいずれか1項に記載のプロセス。
項30.助活性剤が式R'3Alで表され、R'がそれぞれ独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、イソ-ブチル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、イソ-ヘキシル、n-ヘプチル、イソ-ヘプチル、n-オクチル、イソ-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、及びこれらの異性体、から成る群から選択される、項17から27のいずれか1項に記載のプロセス。
項31.非配位性アニオン活性剤が、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジアルキルフェニルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリ-アルキルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラ-アルキルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジアルキルフェニルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリチルテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリス(ペルフルオロナフチル)ボロン、トリ-アルキルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、または、テトラ-アルキルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレートのいずれかである、項17から30のいずれか1項に記載のプロセス。
項32.モノマーが、プロピレン,1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、1-ウンエイコセン、1-ドコセン、1-トリコセン、1-テトラコセン、1-ペンタコセン、1-ヘキサコセン、4-メチル-1-ペンテン、4-フェニル-1-ブテン、及び5-フェニル-1-ペンテンからなる群から選択される1以上のモノマーである、項17から31のいずれか1項に記載のプロセス。
動粘度(cSt)は、ASTM D 445により40℃と100℃で測定した。流動点はASTM D 97により測定した。粘度指数(VI)はASTM D 2270により測定した。
以下の実施例は、この発明に関する説明を目的とした非限定的例示である。
全ての実施例で用いた1-デセンは、1リットルの未処理の1-デセンに、20グラムの活性化した13Xモレキュラーシーブ(乾燥窒素気流下で、少なくとも4時間200℃で焼成して活性化した)と、10グラムのOxi-Clear触媒(Altech Associates, Inc社、Deerfield, IL 60115から購入)とを混合し、乾燥窒素雰囲気のグローブボックス中で少なくとも2日間処理して精製した。
グローブボックス中でモレキュラーシーブと脱酸素触媒を濾過により除去し、精製された1-デセンを得た。または、窒素雰囲気下で、1-デセンを活性化された13Xモレキュラーシーブのみを有するベッドに流通させて精製した。
全ての実施例において、メタロセンまたは非配位性アニオンの原液は、これらの化合物を精製トルエンに溶解させ、溶液1グラムに化合物が1 mg含まれる濃度となるように調製した。
TIBAの原液も同様にして調製し、溶液1グラムにTIBAが20 mg含まれる濃度とした。
<実施例1>
反応フラスコに、精製1-デセン50グラムと、TIBA原液3.173グラムとを入れ、窒素雰囲気下において35℃まで加熱した。このフラスコに、20グラムのトルエン中に、0.430 mgのメソ-エチレンビス(1-インデニル)ジルコニウムジクロライド(触媒A、Boulder Scientific Co.社)と、0.8012 mgのジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性剤B、Strem Chemicals, Inc. 社)と、0.079グラムのTIBA原液とを含む触媒溶液を添加した。
35℃に20時間保った後、イソプロパノールを2 ml添加した。反応混合物を100 mlのNaOH水溶液 (5 wt%)で洗浄した後、脱イオン水100 mlで2回洗浄した。この有機生成物を、1 mm-Hgの真空下において160℃で蒸留して軽質成分を除去した。
得られた潤滑油の特性を、表1に示す。
実施例2から8は、反応温度が異なる点を除き、実施例1と同様にして行なった。
実施例1から8における触媒の生産性と、製品の特性を表1に示す。
実施例9から14は、0.922 mgのトリチル(テトラペンタフルオロフェニル)ボレート(活性剤D、Strem Chemicals, Inc社)、または0.8012 mgの活性剤Bで活性化した、0.456 mgのメソ-ジメチルシリルビス (テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド (触媒C)を用いた点を除き、実施例1と同様にして行なった。
実施例9から14における触媒の生産性と、製品の特性を表2に示す。
<比較例15から17>
反応フラスコに、精製した1-デセン90グラムを入れ、窒素雰囲気下で、50℃、70℃、または125℃まで加熱した。0.585グラムの10 wt%メチルアルモキサントルエン溶液(Aldrich Chemical Co社)と、1.736 mgの触媒Aとを含む触媒溶液を、発熱を避けながら、徐々に反応フラスコに添加した。所定の反応温度に20時間保った後、2 mlのイソプロパノールを添加した。生成物を、実施例1と同様にして処理した。
得られた潤滑油成分の特性を、表3に示す。
比較例18は、1.736 mgの触媒Aの代わりに、0.585グラムのメソ-ジメチルシリルビス (2-メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド (触媒E)を用いた点を除き、比較例15から17と同様にして行なった。
結果を表3に示す。
比較例15から18は比較例である。
これらの比較例では、助触媒としてMAOを用い、水素を添加しなかった点を除き、反応条件はこの発明の実施例と同様である。これらの比較例の触媒生産性、全製品/メタロセン1gは50,000未満であった。
表3(比較例)のデータと、米国特許6,548,724のデータと、本願の表1、表2を比較すると、この発明の実施例では、全製品g/メタロセン1gで表わされる触媒生産性が50,000より大きく、はるかに高い触媒生産性を有することが分かる。
これに対し、米国特許6,548,724の実施例、及びこの発明の比較例では、触媒生産性が50,000g/メタロセン1g未満である。生産性が高いことは、商業生産において重要である。
さらに、表1に示すように、製造されたポリマーのオレフィンのタイプでは、顕著な量の、1,2-二置換オレフィン末端が認められる。このような1,2-二置換オレフィン末端は、後工程で水素化することにより、構造Aのパラフィンを製造することができる。構造Aの量は、予想通りZモル%より高い。ここで、Z= 8.420*Log(V) - 4.048であり、Vは100℃におけるポリアルファ−オレフィンの動粘性率である。
Figure 2014015621
転化率Wt%と、生成物選択性とは、ヘキサデセンを内部標準に用いたガスクロマトグラフィーにより測定した。Mn及びMwは、上記の方法で測定した。
Figure 2014015621
Cは,Albemarle Corporation社の、メソ-ジメチルシリルビス[テトラヒドロインデニル] ZrCl2であった。
C’は、室温においてトルエン溶液から再結晶させたCである。
Figure 2014015621
本願に示した全ての刊行物は、先行技術文献や試験方法を含め、本願の明細書の記載に反しない範囲で、本願に参照としてその全てが組み込まれる。前述の一般的記載や実施形態の記載から明らかなように、この発明の実施形態を説明し開示したが、この発明の要旨から逸脱しない範囲で様々な改変が可能である。従って、この発明は実施形態にのみ限定されるものではない。また、オーストラリア特許法の適用において、"comprising"と"including"は同義語とする。

Claims (19)

  1. 液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセスであって、
    a) 反応ゾーンにおいて、
    1以上のCからC20のアルファ−オレフィンモノマーと、
    非配位性アニオン活性剤と、
    ラセミ異性体含有量が約35wt%未満の、一架橋メソメタロセン遷移金属化合物と、
    アルキルアルミニウム化合物及びアルキルアルモキサンからなる群から選択される助活性剤とを、0から60psi(0から414kPa)の水素の存在下において接触させる工程を含み、
    ここで、活性剤対メソ−メタロセンのモル比が10:1から0.1:1であり、
    アルキルアルモキサンが用いられるときは、アルキルアルモキサン対メソ−メタロセンのモル比が0.1:1未満で用いられることを条件とし、
    アルキルアルミニウム化合物が用いられるときは、アルキルアルミニウム化合物対メソ−メタロセンのモル比が2:1から10,000対1で用いられることを条件とし、
    反応ゾーンに供給されるモノマー中のエチレンが30容量%を超えないことを条件とし、
    供給成分中のアルファ−オレフィンモノマーの量が、メソ−メタロセン、非配位性アニオン活性剤、助活性剤、モノマー、及び溶媒または希釈剤の重量を基準として、少なくとも20wt%以上であることを条件とし、
    i) このプロセスの遷移金属化合物1グラムに対する全製品の生産性が少なくとも50,000gであり(ここで、全製品は、反応器を出る生産物の量から未反応モノマーと溶媒を引いた値と定義される)、また、
    ii) 5%を超えないモノマーがオレフィンからアルカンに転換され、
    b) 流動点が25℃未満、KV100が2cStから6000cSt、二量体が20w%以下で、粘度指数60以上の液状ポリアルファ−オレフィンを得る、液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  2. 前記メソ-メタロセン触媒が下式で表され、
    Figure 2014015621
    ここで、Mは第4族金属の中心金属であり;
    Cp及びCp*は、いずれもMに結合したシクロペンタジエニル環であって、0から4個の置換基S”で置換された同一または異なるシクロペンタジエニル環であり、
    置換基S”はそれぞれ独立してヒドロカルビル基、置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置換されたハロカルビル基、シリルカルビル基、ゲルミルカルビル基のいずれかであるか、
    またはCp及びCp*は、同一または異なるシクロペンタジエニル環であって、いずれかの隣接する置換基S”が任意に結合して、置換または非置換、飽和、一部不飽和、または芳香族環または多環式の置換基を形成し;
    A’は架橋基であり;
    とXはそれぞれ独立して、ヒドリド基、 ヒドロカルビル基、置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置換されたハロカルビル基、シリルカルビル基、置換されたシリルカルビル基、ゲルミルカルビル基、置換されたゲルミルカルビル基のいずれかであるか;
    または、XとXは金属原子に結合し、さらに互いに結合して炭素原子を約3個から約20個含むメタラサイクル環を形成するか;
    または、XとXの両者はともに、オレフィン、ジオレフィン、またはアラインリガンドであり;
    または、上記のXリガンドを遷移金属成分に供与可能なメチルアルモキサン等のルイス酸活性剤が用いられる場合、XとXはそれぞれ独立して、ハロゲン、アルコキシド、アリルオキシド、アミド、ホスフィド、または他の一価のアニオン性リガンドであるか、
    またはXとXは結合して、アニオン性のキレートリガンドを形成する、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  3. Mがチタン、ジルコニウム、またはハフニウムである、請求項2に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  4. Kv100が150以上である、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  5. Kv100が300以上である、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  6. オレフィンからアルカンへ転換されるモノマーが5%を超えない、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  7. 製品の収率が95%を超える、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  8. 全製品の95%より多い量が、18より多い炭素原子を有する、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  9. メソ-メタロセンが、メソ-ジメチルシリルビス(2-メチルインデニル)ジルコニウムジハライド、またはメソ-エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジハライドである、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  10. メソ-メタロセンが、メソ-ジメチルシリルビス(2-メチルインデニル)ジルコニウムジアルキル、またはメソ-エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジアルキルである、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  11. 助活性剤が式R’Alで表され、R’がそれぞれ独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、イソ-ブチル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、イソ-ヘキシル、n-ヘプチル、イソ-ヘプチル、n-オクチル、イソ-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、及びこれらの異性体、から成る群から選択される、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  12. 非配位性アニオン活性剤が、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジアルキルフェニルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリ-アルキルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラ-アルキルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、N,N-ジアルキルフェニルアニリニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリチルテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、トリス(ペルフルオロナフチル)ボロン、トリ-アルキルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレート、または、テトラ-アルキルアンモニウムテトラキス(ペルフルオロナフチル)ボレートのいずれかである、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  13. 20wt%未満のラセミ異性体が存在する、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  14. ポリアルファ−オレフィンに、300ppm未満の第4族金属またはアルミニウムが含まれる、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  15. ポリアルファ−オレフィンに、100ppm未満の第13族金属が含まれる、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  16. ポリアルファ−オレフィンのMw/Mnが1.5から3.5の範囲である、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  17. ポリアルファ−オレフィンの融点が0℃以下であるか、または、測定可能な融点が存在しない、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  18. ポリアルファ−オレフィンの凝固熱が20J/g未満である、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
  19. ポリアルファ−オレフィンの粘度指数が100以上である、請求項1に記載の液状ポリアルファ−オレフィンを製造するプロセス。
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