JP2014013712A - 有機電界発光素子、面光源、及び照明装置 - Google Patents

有機電界発光素子、面光源、及び照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光取り出し効率に優れ、かつ光取出し層を別途作製する必要がなく、成膜プロセスが簡便でコスト的に有利な透明電極を有する有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】透明基板1、第1の透明電極2、有機発光層3、及び第2の透明電極4をこの順に有する積層体と、積層体の、透明基板1に対して第2の透明電極4を有する側に、積層体と間隔を有して設けられた、有機発光層3で発生した光を反射させる反射体5とを有し、第1の透明電極2は、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を少なくとも1種含有する透明導電層であり、反射体5の積層体側の表面は、反射体5と積層体との距離が最も短い点又は線を1つ有し、その点又は線から離れるにつれて、反射体と積層体との距離が単調に増加する形状を有し、積層体の積層方向における平面視において、反射体が有機発光層3の全体を覆っている、有機電界発光素子。
【選択図】図2

Description

本発明は、有機電界発光素子(「有機EL素子」、「有機エレクトロルミネッセンス素子」と称することもある)、面光源、及び照明装置に関する。
有機電界発光素子は、自発光型の発光装置であり、ディスプレイや照明の用途に期待されている。例えば、有機電界発光ディスプレイは、従来のCRTやLCDと比較して視認性が高く、視野角依存性がない等の表示性能上の利点を有している。また、ディスプレイを軽量化、薄層化できる利点もある。その一方、有機電界発光照明は、軽量化、薄層化が可能であるとの利点に加え、フレキシブルな基板を用いることでこれまで実現できなかった形状の照明を実現できる可能性を有している。
有機電界発光素子は、基板上に陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に、少なくとも1層の有機発光層を含む有機層を有する。有機発光層で発生した光を取り出すために、陽極及び陰極のうち少なくとも一方は、光透過性を有する電極(透明電極)である必要があり、光透過性を有する電極としては酸化インジウム錫(ITO)などが一般的に用いられている。
有機電界発光素子において、有機発光層で発生した光は、透明電極、及び透明基板を通過して有機電界発光素子の外部に取り出されるが、出射媒質と入射媒質と屈折率により決まる臨界角以上の発光光は取り出せず、両媒質の界面で全反射され、有機電界発光素子内部に閉じ込められ、損失となる。古典論的な屈折のスネルの法則による計算では、仮に有機発光層の屈折率nが1.8(非特許文献1によると、有機発光層の屈折率nは1.7〜1.85)で、有機発光層から発光される光の配光分布がランバーシアンである場合には、有機発光層の屈折率と空気の屈折率の差によって、空気までの光取り出し効率は約30%しかないので、残りの約70%の光は、この屈折率差により有機電界発光素子の内部に閉じ込められ、空気まで放射できないという問題がある。
図22に、透明基板、透明電極、有機発光層、反射電極という構成の一般的な有機EL素子の光伝搬原理図を示す。ただし、文献PIONEER R&D Vol.11 No.1,pp21−28によると、有機発光層の屈折率nは1.7〜1.85であり、良く利用される透明電極である錫ドープ酸化インジウム(ITO)(屈折率n=2.0)、ZnO(屈折率n=1.95)、SnO(屈折率n=2.0)、In(屈折率n=1.9〜2.0)、TiO(屈折率n=1.90)は、屈折率が有機発光層を含む有機層の屈折率より大きく、有機層と空気の間の全反射に影響を与えないので、透明電極と有機発光層をまとめて、「有機発光部」とし、有機発光部の屈折率を1.8として表した。
図22において、有機発光部から出射した光線aは有機発光部と空気の屈折率差による全反射臨界角度より放射角度が小さい光線で、空気まで放射できる、しかし、光線bと光線cは全反射臨界角度より大きいので、界面で全反射し、外部に取り出せず、損失になる。光線aの割合は約30%である。
このため、有機電界発光素子において、光取り出し効率を向上させる提案が種々なされている。
特許文献1には、透明基板、光拡散層、透明電極、有機発光層、反射電極をこの順に含む有機電界発光素子が記載されている。この構成によれば、有機発光層から発光した光が光拡散層によって散乱されて、光の進む角度が変換されるため、光を空気まで放射することができる。
特許文献2には、有機電界発光素子と高屈折率の光透過材料と凹面反射体とを有する発光装置が記載されている。この構成によれば、有機発光層から発光した光が高屈折率の光
透過材料を通して凹面反射体に当たり、有機電界発光素子は凹面反射体の焦点に配置されるので、光を小放射角度(略正面)へ変換して、空気へ放射することができる。
特許文献3には、透明基板、光散乱層、透明電極、有機発光層、透明電極、低屈折率アイソレーション層、反射層をこの順に含む有機電界発光素子が記載されている。
特許文献4には、反射電極、有機発光層、透明電極、導光部、反射部を含み、反射部が、光の出射方向に三角形が連続する鋸刃状の断面を有し、かつ前記各三角形の一斜辺が出射面を臨む斜面を形成するように配列された凹凸部からなる有機LED素子が記載されている。
また、特許文献5には、高効率の光取り出しと電気特性の向上とを両立させることを目的として、導電性ナノ粒子とバインダーとからなる第1透明導電層、及び、導電性高分子からなる第2透明導電層がこの順で基板表面に形成された電極を有する有機電界発光素子が記載されている。特許文献5においては、有機層、第1透明導電層、及び第2透明導電層の屈折率の大小関係を調整して光取り出し効率を向上させることが検討されている。
特開2004−296429号公報 特開2004−119147号公報 特許第4685340号公報 特開2003−168553号公報 特開2012−9359号公報
図23に特許文献1の有機EL素子の光伝搬原理図を示す。図23の素子は、図22の素子において、透明基板と有機発光部の間に光取り出し層を追加したものである。光取り出し層を備えることで、図22の光線bと光線cを光取り出し層まで導き、光取り出し層によって散乱させて、光の出射角度を変換することによって空気まで放射されている。
しかし、この構造の素子においては、散乱された光が、素子内部に戻る光線dと光線eも発生する。光線dと光線eを取り出すために、金属反射電極を用いて、光線dと光線eを反射させ、光取り出し層側に放射させるが、金属電極は光を吸収し、特に、高角度側の光の吸収がより多く発生し、損失になる。また、光線は有機EL素子内部を往復するたびに、有機層の吸収による、損失が発生する。
また、特許文献1においては、光取り出し層と透明電極とがそれぞれ別途形成されるため、各層を作成するプロセスが追加され、素子の製造コストの増加が懸念される。更に、光取り出し層自体からガスが発生する可能性があり、それによる素子へのダメージが懸念される。
図24に特許文献2の有機EL素子の光伝搬原理図を示す。図24の有機EL素子は、反射電極/有機層/透明電極という構成を有し、光透過性材料を介在させて透明電極と対向する凹面反射体を有する。凹面反射体の中央には円錐状の凸部が設けられている。この構成では、有機発光層から発光した光が高屈折率の光透過材料を通して凹面反射体に当たり、有機EL素子は凹面反射体の焦点に配置されているので、光を小放射角度(略正面)へ変換して、空気へ放射する。
しかし、有機EL素子から凹面反射面に光を導く光透過材料は、有機発光層と同程度の屈折率を持つ高屈折率材料であれば、コストがかかる。一方、光透過材料が有機発光層の屈折率より小さい場合は、光透過材料と有機EL素子の透明電極間に全反射が生じ、全反射による光が凹面反射面に到達できないので、光取り出し効率を向上させることができない。
また、凹面反射面で反射された光が再び有機層を通過するため、光の一部は有機層に吸
収され、光取り出し効率が低下する。
更に、光の放射角度を略正面に変換するために、有機EL素子を凹面反射体の焦点付近に配置されなければならないので、凹面反射体が有機EL素子より十分に大きく(凹面体のサイズは有機EL素子より少なくとも3倍以上であることが必要と考えられる)でなければ効果はないので、有機EL素子が大型化してしまうという問題もある。
図25に特許文献3の有機EL素子の光伝搬原理図を示す。図25の素子は、図23の素子において、反射層と有機発光部の間に低屈折率層を追加したものである。特許文献1のように、有機EL素子から発光した光が光取り出し層で散乱されて一部の光が取り出され、残る光線fと光線gが有機EL素子へ戻る。ここでは、有機発光層を含む有機層と透明電極とからなる有機発光部と反射層の間に、低屈折率層を設けることにより、有機発光部と低屈折率層の屈折率差による全反射を利用し、高放射角度光光線fが特許文献1のように金属電極に吸収されることなく、有機EL素子の光取り出し層へ反射させ、取り出すことができる。また、低放射角度光光線gは低屈折率層を通過して、反射層により反射され、再び有機EL素子内部に入射し、光取り出し側(空気側)へ放射する。
しかし、この構成の素子においては、再び有機EL素子へ戻された光が、光取り出し層と低屈折率層の間を往復するたびに、有機発光部の光吸収による損失が生じ、光取り出し効率の向上が十分に図れないという問題がある。
また、反射層は銀(Ag)やアルミニウム(Al)のような金属の場合、金属による光の反射率は反射される領域の屈折率により変化し、反射される領域の屈折率が大きいほど、金属における光の反射率が小さく、吸収率が大きい。また、低屈折率層の屈折率が大きいほど、低屈折率層と有機発光層の屈折率の差が小さくなり、全反射される光がより少なくなり、低屈折率層により多く入射するので、金属により吸収される光が増える。
したがって、特許文献3に具体的に記載されている感光性ポリマーや無機層などで構成される低屈折率層では、光取り出し効率の向上は不十分である。
図26に特許文献5の有機EL素子の光伝搬原理図を示す。図26の素子は、透明基板/導電性ナノ粒子を含む透明導電層/導電性高分子を含む導電層/有機層/反射電極という構成を有している。
特許文献5においては、反射電極を用いており、図26に示すように、光線dと光線eは有機層を往復するたびに、吸収される成分が生じるので、取り出される光の損失を生じる。また、導電性ナノ粒子や導電性高分子を含有させて屈折率の異なる透明導電層を形成し、屈折率段差を減らして光取り出し効率を上げることが試みられているが、光の角度を変換するために重要な光散乱微粒子が透明導電層に含まれていないため、特許文献5の手法のみでは、1.1〜1.3倍程度に光取り出し効率を上げるのが限界である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、光取り出し効率に優れ、かつ光取出し層を別途作製する必要がなく、成膜プロセスが簡便でコスト的に有利な透明電極を有する有機電界発光素子を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討し、透明基板、第1の透明電極、少なくとも1層の有機発光層を含む有機層、及び第2の透明電極を有する、両面発光型の有機EL素子において、前記第2の透明電極側に、空気層と、反射体とをこの順で設け、反射体の表面を前記第2の透明電極側に向けて凸を1つ有する特定の形状とすることで、高い光取り出し効率を達成できる有機EL発光素子とすることができることを見出した。
また、前記第1の透明電極を、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を少なくとも1種含有する透明導電層とし、透明導電層に光取り出し機能を付与することで、透明導電層と光取り出し層を別途形成してきた従来構成に比べ、透明導電層と光取り出し層を一緒に形成でき、製造プロセスが簡略化され、かつプロセスが減少されコストダウンにつなが
る。更に、従来のような光取り出し層を形成しないため、それらから発生(透過)するガス等はなくなるため、有機層へのダメージが軽減する。
すなわち、前記課題を解決する手段は、以下のとおりである。
[1]
透明基板、第1の透明電極、有機発光層、及び第2の透明電極をこの順に有する積層体と、
積層体の、透明基板に対して第2の透明電極を有する側に、積層体と間隔を有して設けられた、有機発光層で発生した光を反射させる反射体とを有し、
第1の透明電極は、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を少なくとも1種含有する透明導電層であり、
反射体の積層体側の表面は、反射体と積層体との距離が最も短い点又は線を1つ有し、その点又は線から離れるにつれて、反射体と積層体との距離が単調に増加する形状を有し、
積層体の積層方向における平面視において、反射体が有機発光層の全体を覆っている、有機電界発光素子。
[2]
積層体と反射体との間に、有機発光層の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が存在する、[1]に記載の有機電界発光素子。
[3]
低屈折率層が空気層である[2]に記載の有機電界発光素子。
[4]
反射体の形状が、球面状、円錐状、角錐状、又は三角柱状である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
[5]
反射体の積層体側の表面が、反射体と積層体との距離が最も短い点又は線を1つ有し、その点又は線から離れるにつれて、反射体と積層体との距離が連続的に増加する形状を有する、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
[6]
有機発光層の反射体側の面積をSとし、
積層体の表面と反射体との距離の最大値をDとした場合、
√SとDが、下記式(1)を満たす、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
0.3≦D/√S 式(1)
[7]
積層体の積層方向における平面視において、有機発光層の形状が正方形であり、正方形の一辺の長さをWとし、
積層体の表面と反射体との距離の最大値をDとした場合、
WとDが、下記式(2)を満たす、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
0.5≦D/W 式(2)
[8]
反射体の表面が球面状である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
[9]
積層体の積層方向における平面視において、有機発光層の形状が正方形であり、正方形の一辺の長さをWとし、
反射体の表面の曲率半径をRとした場合、
WとRが下記式(3)を満たす、[8]に記載の有機電界発光素子。
0.1≦R/W≦3 式(3)
[10]
反射体が、金属材料、又は、反射率が90%以上の拡散反射板で構成されている、[1]〜[9]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
[11]
第1の透明電極が一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子と、導電性マトリックスを含有する、[1]〜[10]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
[12]
第1の透明電極が一次粒子径が100nm以下の粒子を更に含有する、[1]〜[11]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
[13]
第1の透明電極における、一次粒子径が100nm以下の粒子の屈折率が、導電性マトリックスの屈折率に比べて高い、[12]に記載の有機電界発光素子。
[14]
第1の透明電極が、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子と、導電性高分子を含む組成物を透明基板上に塗布し、乾燥して得られたものである、[11]〜[13]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
[15]
反射体により反射された光を、透明基板側に更に反射させる第2の反射体を有する、[1]〜[14]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
[16]
第2の反射体が、反射体と透明基板とに接して設けられている、[15]に記載の有機電界発光素子。
[17]
第2の反射体が、透明基板と鋭角をなして設けられている、[16]に記載の有機電界発光素子。
[18]
反射体が、積層体を封止する封止缶内に設けられている、[1]〜[17]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
[19]
反射体が、封止缶内に、反射体と封止缶の間に空洞を有して設けられ、空洞に乾燥剤を有する、[18]に記載の有機電界発光素子。
[20]
第2の透明電極が、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を少なくとも1種含有する透明導電層である、[1]〜[19]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。[21]
第1の透明電極が、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を少なくとも1種含有する第1の層と、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を含まず、一次粒子径が100nm以下の粒子を含む第2の層との二層からなる、[1]〜[20]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
[22]
第1の透明電極を構成する第2の層の構成成分の屈折率と、第1の透明電極を構成する第1の層の構成成分から一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を除いた成分の屈折率との差の絶対値が0.02以下である、[21]に記載の有機電界発光素子。
[23]
[1]〜[22]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を含む面光源。
[24]
[1]〜[22]のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を含む照明装置。
本発明によれば、光取り出し効率に優れ、かつ光取出し層を別途作製する必要がなく、
成膜プロセスが簡便でコスト的に有利な透明電極を有する有機電界発光素子を提供することができる。
本発明の有機電界発光素子の一例の斜視図を示す概略図である。 本発明の有機電界発光素子の一例の断面図を示す概略図である。 本発明の有機電界発光素子の一例を平面視した概略図である。 本発明の有機電界発光素子の一例の斜視図を示す概略図である。 本発明の有機電界発光素子の一例の斜視図を示す概略図である。 本発明の有機電界発光素子の反射体が球面である場合の曲率半径を説明するための概略図である。 実施例1の有機電界発光素子を示す概略図である。 実施例2の有機電界発光素子を示す概略図である。 実施例3の有機電界発光素子を示す概略図である。 実施例4の有機電界発光素子を示す概略図である。 実施例5の有機電界発光素子を示す概略図である。 実施例6の有機電界発光素子を示す概略図である。 計算モデル1の有機電界発光素子を示す概略図である。 計算モデル2の有機電界発光素子を示す概略図である。 計算モデル3の有機電界発光素子を示す概略図である。 計算モデル4の有機電界発光素子を示す概略図である。 計算モデル1〜4において、D/Wと光取り出し効率の倍率との関係を示したグラフである。 計算モデル3において、R/Wと光取り出し効率の倍率との関係を示したグラフである。 計算モデル5の有機電界発光素子を示す概略図である。 計算モデル6の有機電界発光素子を示す概略図である。 計算モデル5〜6において、低屈折率層の屈折率と光取り出し効率の倍率との関係を示したグラフである。 従来の有機電界発光素子の一例を示す概略図である。 特許文献1の有機電界発光素子の一例を示す概略図である。 特許文献2の有機電界発光素子の一例を示す概略図である。 特許文献3の有機電界発光素子の一例を示す概略図である。 特許文献5の有機電界発光素子の一例を示す概略図である。
本発明の有機電界発光素子は、透明基板、第1の透明電極、有機発光層、及び第2の透明電極をこの順に有する積層体と、
前記積層体の、透明基板に対して第2の透明電極を有する側に、前記積層体と間隔を有して設けられた、有機発光層で発生した光を反射させる反射体とを有し、
前記第1の透明電極は、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を少なくとも1種含有する透明導電層であり、
前記反射体の前記積層体側の表面は、反射体と積層体との距離が最も短い点又は線を1つ有し、その点又は線から離れるにつれて、反射体と積層体との距離が単調に増加する形状を有し、
前記積層体の積層方向における平面視において、前記反射体が前記有機発光層の全体を覆っている、有機電界発光素子である。
図1に本発明の有機電界発光素子の一例の概略図(斜視図)を示す。
図1に記載された有機電界発光素子100は、透明基板1、一次粒子径が0.5μm以
上の透明な粒子を少なくとも1種含有する透明導電層(光取り出し性能を有する第1の透明電極)2、有機発光層3、及び第2の透明電極4をこの順に有する積層体10と、前記積層体10の、透明基板1に対して第2の透明電極4を有する側に、前記積層体10と間隔を有して設けられた、反射体5とを有している。積層体10と反射体5との間には有機発光層の屈折率より低い屈折率を持つ低屈折率層(好ましくは空気層)を有している。
前記反射体5の前記積層体10側の表面は、反射体5と積層体10との距離が最も短い点を1つ有し、その点から離れるにつれて、反射体5と積層体10との距離が単調に増加する形状を有している。
図2に、図1の有機電界発光素子を横から見た断面模式図を示す。
図2における積層体10の積層方向Aから平面視した際の概略図を図3に示す。
図3に示すように、前記積層体10の積層方向Aにおける平面視において、前記反射体5が前記有機発光層3の全体を覆っている。点Pは、反射体5と積層体10との距離が最も短い点を表す。Wは、積層体10の積層方向Aにおける平面視において、有機発光層3の形状が正方形である場合の、該正方形の一辺の辺長を表す。
なお、図3には、積層体10のうち、有機発光層3のみを図示し、透明基板1、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を少なくとも1種含有する透明導電層(光取り出し性能を有する第1の透明電極)2、及び第2の透明電極4については図示していない。
図2に本発明の有機電界発光素子の光伝播原理図を示す。図2に記載された本発明の有機電界発光素子100では、有機発光層3から発光した光が、光取り出し性能を有する第1の透明電極2に放射して散乱され、ある割合で光取り出し側(透明基板1側)の正面空気の中に放射し(光線a)、他の光が有機EL素子内に戻る。素子内に戻る光線f、光線g、光線hのうち、光線fが有機発光層の屈折率と低屈折率層の屈折率の差による全反射臨界角度より大きい角度の光であり、全反射を利用して、光取り出し層に戻る。一方、低放射角度光の光線g及び光線hは、有機発光層3と反射体5との間に設けられた低屈折率層に放射し、反射体5の表面で反射されて放射方向を変換され、有機EL素子を避け、正面(透明基板1側)に放射する。これにより、光線fのような高角度光が反射体5によって吸収されることを防ぎ、かつ光線g及び光線hのような低角度光が有機電界発光素子内部に戻ることで有機層に吸収されることを防ぐことができるため、高い光取り出し効率の有機EL発光素子が実現される。
本発明の有機電界発光素子は、前記構成であるが、更に、必要に応じてその他の部材を有していてもよい。
以下、本発明の有機電界発光素子の各部材について説明する。
[透明基板]
本発明の有機電界発光素子に含まれる透明基板について説明する。
透明基板としては、その形状、構造、大きさ、材料等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさは適宜選択することができる。
透明基板の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、ガラス(無アルカリガラス、ソーダライムガラス等)等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド樹脂(PI)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記基板の表面は、その上に設ける光取り出し性能を有する第1の透明電極との密着性を向上させるため、表面活性化処理を行うことが好ましい。前記表面活性化処理としては
、例えばグロー放電処理、コロナ放電処理、ガラス基板のシランカップリング処理などが挙げられる。
透明基板は、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
透明基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましい。
透明基板の可視光範囲内(波長400〜780nm)の透過率は90%以上であることが好ましい。
透明基板の屈折率は、1.3以上1.8以下が好ましく、1.4以上1.7以下がより好ましく、1.4以上1.6以下が更に好ましい。透明基板の屈折率が、1.3以上であると、透明基板と光取り出し性能を有する第1の透明電極の屈折率差が大きくなりすぎず、光取り出し性能を有する第1の透明電極からの光が入射する際、フレネル反射が強くなりすぎず、光取り出し効率が向上しやすい。透明基板の屈折率が、1.8以下であると、透明基板と空気(光出射側)の屈折率差が大きくなりすぎず、フレネル反射が強くなりすぎず、光取り出し効率が向上しやすい。
[第1の透明電極]
本発明の有機電界発光素子における第1の透明電極について説明する。
第1の透明電極は、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子(「光拡散微粒子」、と称することもある。)を少なくとも1種含有する透明導電層である。第1の透明電極は、光取り出し性能を有する透明電極であり、透明電極と光取り出し層の機能を兼ねている。
第1の透明電極は、光拡散微粒子を少なくとも1種含有していれば構成成分に特に制限はないが、例えば、光拡散微粒子と導電性マトリックスとにより構成することができる。
ここで、本明細書における光拡散微粒子の一次粒子径とは、光拡散微粒子1gをメタノール200gに分散させ、ペックマン・コールタ一株式会社製の「マルチサイザーII」精密粒度分布測定装置を使用して、光拡散微粒子の粒子径の測定を行い、体積基準で平均粒子径となるように算出された一次粒子径である。
また、透明電極における「透明」とは、膜厚100nmでの波長500nmの透過率70%以上であることを意味する。透過率は、日立ハイテク社製分光光度計U−3310を用いて測定されるものである。
第1の透明電極の膜厚は、光透過性と抵抗のバランスの観点から、100nm以上5μm以下であることが好ましく、200nm以上3μm以下であることがより好ましく、300nm以上2μm以下であることが更に好ましい。
第1の透明電極の平均厚みは、例えば第1の透明電極の一部を切り取り、走査型電子顕微鏡(S−3400N、日立ハイテク株式会社製)で測定して、求めることができる。
〔光拡散微粒子〕
光拡散微粒子としては、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子であって、光を散乱又は拡散可能なものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、有機粒子であっても、無機粒子であってもよく、2種以上の粒子を含有していても構わない。
ここで、透明な粒子とは、可視光領域、特に450〜750nmの波長の範囲において、透過散乱成分も含めた透過光量(I)と散乱反射成分も含めた反射光量(I)との合計値と、入射光量(I)とから下記の関係式を用いて求められる吸光度(A(λ))が1以下であることを意味する。
A(λ)=−log10{(I+I)/I}
前記有機粒子としては、例えばポリメチルメタクリレート粒子、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、アクリル−スチレン共重合体粒子、メラミン粒子、ポリカーボネート粒子、ポリスチレン粒子、架橋ポリスチレン粒子、ポリ塩化ビニル粒子、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒド粒子、などの樹脂粒子が挙げられる。
前記無機粒子としては、例えばZrO、TiO、Al、In、ZnO、SnO、Sb、などが挙げられる。これらの中でも、TiO、ZrO、ZnO、SnOが特に好ましい。
これらの中でも、前記光拡散微粒子としては、耐溶剤性とバインダー中の分散性の点で架橋状態の樹脂粒子が好ましく、架橋ポリメチルメタクリレート粒子が特に好ましい。
前記光拡散微粒子が、架橋状態の樹脂粒子であることは、溶剤、例えばトルエン中に分散させ、樹脂粒子の溶け難さを見ることで確認することができる。
光拡散微粒子の屈折率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0以上3.0以下が好ましく、1.2以上2.6以下がより好ましく、1.3以上1.7以下が更に好ましい。前記屈折率が、1.0以上3.0以下であると、光拡散(散乱)が強くなりすぎないため、光取り出し効率が向上しやすい。
光拡散微粒子の屈折率は、前記光拡散微粒子の原料となる材料を、屈折率測定に使用するエリプソメーターの光源の波長程度の厚さでシリコン基板上に成膜し、前記膜を前記エリプソメーターにより測定される屈折率である。後述する、一次粒子径が100nm以下の粒子の屈折率も、同様に測定される屈折率である。
光拡散微粒子の一次粒子径は、0.5μm以上10μm以下が好ましく、0.5μm以上6μm以下がより好ましく、1μm以上3μm以下が更に好ましい。前記光拡散微粒子の一次粒子径が10μm以下であると、光が前方散乱になりにくく、光拡散微粒子による光の角度を変換する能力が低下しにくい。
一方で、前記光拡散微粒子の一次粒子径が0.5μm未満であると、可視光の波長より小さくなり、ミー散乱がレイリー散乱の領域に変化する。これにより、光拡散微粒子の散乱効率の波長依存性が大きくなり、有機電界発光素子の色度が変化しやすくなるため好ましくない。
第1の透明電極における光拡散微粒子の含有量は、30体積%以上66体積%以下が好ましく、40体積%以上60体積%以下がより好ましく、45体積%以上55体積%以下が特に好ましい。前記含有量が、30体積%以上であると、第1の透明電極に入射してきた光が光拡散微粒子に散乱される確率が高く、第1の透明電極の光角度を変換する能力が大きいので、第1の透明電極の厚みを大きくしなくても光取り出し効率が向上する。また、前記第1の透明電極の厚みを大きくしなくてよいためコスト低減に繋がり、第1の透明電極の厚みのバラツキが小さくなり、発光面内の散乱効果にバラツキが生じにくい。一方、前記含有量が、66体積%以下であると、前記第1の透明電極の表面が大きく荒れすぎず、内部にも空洞が生じにくいため、前記第1の透明電極の物理的強度が低下しにくい。
第1の透明電極は、光取り出し効率の観点から、前記樹脂粒子と、光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子とを含むことが好ましい。該光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子の具体例及び好ましい範囲は、前記第1の透明電極において説明したものと同様である。
〔一次粒子径が100nm以下の粒子〕
第1の透明電極は、一次粒子径が100nm以下の粒子(以下、「ナノサイズ粒子」と称することもある。)を更に含有することができる。
(導電性マトリックスよりも大きな屈折率を有するナノサイズ粒子)
前記ナノサイズ粒子としては、屈折率が後述する導電性マトリックスの屈折率に比べて高い(大きい)ものが好ましい。ナノサイズ粒子の屈折率が導電性マトリックスの屈折率に比べて大きいと、第1の透明電極全体の屈折率を大きくすることができるため、光取り出し効率を更に向上させることができる。
光学薄膜の膜厚は光の波長より厚い(大きい)場合、例えば数波長分がある場合、光と光学薄膜と相互作用するとき、光学薄膜の物性は、光学薄膜のバルク物性として作用する。光学薄膜のバルク物性(屈折率)は光学薄膜が構成される材料の屈折率の体積平均に対応している。ある光学薄膜に高屈折率材料がドープされると、光学薄膜のバルク物性(屈折率)が大きくなる。従って、導電性マトリックスの屈折率に比べて高い(大きい)屈折率を持つナノサイズ粒子が導電性マトリックスに分散されると、この導電性透明膜(ナノ粒子を含む導電性マトリックス)の屈折率が元々の導電性マトリックスの屈折率より高くなる。
有機発光層から発光される光が有機有機層や透明電極を通して、透過、反射又は全反射して、伝搬する。光が有機発光層の屈折率と同じあるいは大きい屈折率を持つ層に入射する場合、フレネル反射をしながら、全角度の光の大部分がこの層に入射できる、一方、光が有機発光層の屈折率より小さい屈折率を持つ層に入射する場合、屈折率差より全反射が生じ、全反射臨界角度より大きい放射角度の光がこの層に入射できない。
従って、第1透明電極に光がより多く入射できる条件は第1透明電極の屈折率が有機発光層の屈折率と同じあるいは大きい事である。
また、光取出し効率を向上させるためには、より多くの光を光取出し機能がある層に導くことであるので、第1の透明電極の屈折率を大きくすることができると、光取出し効率を向上させることができる。
導電性マトリックスよりも大きな屈折率を有するナノサイズ粒子としては、無機微粒子が好ましく、金属酸化物微粒子であり、例えば、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモンの酸化物の微粒子が好ましく、屈折率の観点から、酸化チタンの微粒子が特に好ましい。酸化チタン微粒子は、光触媒効果を不活性処理したものであることが好ましい。
−光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子−
光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子は、光触媒活性を有していなければ特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(1)酸化チタン微粒子表面をアルミナ、シリカ、及びジルコニアの少なくとも1種で被覆した酸化チタン微粒子、(2)前記(1)の被覆した酸化チタン微粒子の被覆表面に樹脂を被覆してなる酸化チタン微粒子などが挙げられる。前記樹脂としては、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)などが挙げられる。
前記光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子が、光触媒活性を有さないことの確認は、例えばメチレンブルー法により行うことができる。
前記光触媒不活性処理した酸化チタン微粒子における酸化チタン微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記結晶構造は、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼが主成分であることが好ましく、特にルチル構造が主成分であることが好ましい。
前記酸化チタン微粒子は、酸化チタン以外の金属酸化物を添加して複合化させても構わない。
前記酸化チタン微粒子に複合化させることができる金属酸化物としては、Sn、Zr、Si、Zn、及びAlから選択される少なくとも1種の金属酸化物が好ましい。
前記金属酸化物のチタンに対する添加量は、1モル%〜40モル%が好ましく、2モル%〜35モル%がより好ましく、3モル%〜30モル%が更に好ましい。
導電性マトリックスよりも大きな屈折率を有するナノサイズ粒子の平均粒子サイズ(一次粒子径)は、1nm以上100nm以下であることが好ましく、1nm以上30nm以下が更に好ましく、1nm以上25nm以下が特に好ましく、1nm以上20nm以下が最も好ましい。一次粒子径が、100nm以下であれば、分散液が白濁しにくく、沈降が
起きにくいため好ましく、1nm以上であれば、結晶構造がはっきりしてアモルファスにならず、経時でゲル化などの変化が起こりにくいため好ましい。
前記一次粒子径は、例えば、X線回折装置で測定された回折パターンの半値幅からの計算や電子顕微鏡(TEM)撮影像の直径からの統計計算などにより測定することができる。
導電性マトリックスよりも大きな屈折率を有するナノサイズ粒子の形状は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、又は不定形状が好ましい。前記酸化チタン微粒子は、1種を単独で用いてもよいが、2種類以上を併用して用いることもできる。
導電性マトリックスよりも大きな屈折率を有するナノサイズ粒子は、第1の透明電極の屈折率を高くするために、屈折率が2.0以上3.0以下であることが好ましく、2.2以上3.0以下であることがより好ましく、2.2以上2.8以下が更に好ましく、2.2以上2.6以下が特に好ましい。前記屈折率が、2.0以上であれば、第1の透明電極の屈折率を効果的に高めることができ、前記屈折率が、3.0以下であれば粒子が着色するなどの不都合がないので好ましい。
導電性マトリックスよりも大きな屈折率を有するナノサイズ粒子の屈折率は以下のようにして測定することができる。屈折率既知の樹脂材料に導電性マトリックスよりも大きな屈折率を有する粒子をドープし、該粒子が分散された樹脂材料をSi基板、又は石英基板上に塗布膜を形成する。前記塗布膜の屈折率をエリプソメーターで測定し、前記塗布膜を構成する樹脂材料と前記粒子の体積分率から、前記粒子の屈折率が判る。
導電性マトリックスよりも大きな屈折率を有するナノサイズ粒子は、前記第1の透明電極の屈折率を有機層(特に発光層)の屈折率以上に高屈折率化する必要があるという理由から、第1の透明電極中に、第1の透明電極の全体積に対して10体積%以上50体積%以下含有されることが好ましく、15体積%以上50体積%以下含有されることがより好ましく、20体積%以上50体積%以下含有されることが更に好ましい。前記含有量が、10体積%以上であると、第1の透明電極の屈折率を効果的に上げることができ、光取り出し効果が向上するため好ましく、50体積%以下であると、レイリー散乱が強くならず、光取り出し効果が向上するため好ましい。
本発明においては、第1の透明電極の屈折率は、光取り出し効率向上の観点から、有機電界発光素子の有機発光層の屈折率以上であり、有機電界発光装置の発光層などの有機層の屈折率以上であることが好ましく、具体的には、1.7以上2.2以下であることが好ましく、1.7以上2.1以下であることがより好ましく、1.7以上2.0以下であることが更に好ましい。
第1の透明電極は、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子と、導電性高分子を含む組成物を透明基板上に塗布し、乾燥して得られた層であることが好ましい。この粒子の屈折率は導電性マトリックスの屈折率とは異なるために、微粒子散乱による入射してきた光の放射角度を変換する機能も持つ。このように第1の透明電極を塗布法で形成することにより、導電層と拡散層を分離して形成してきた従来構成に比べ、導電層と拡散層を一緒にすることでプロセスが簡略化される、蒸着などの真空プロセスよりもプロセスが減少され省エネルギーであり、コストダウンにつながる。且つ、拡散層を形成しないため、それらから発生(透過)するガス等はなくなるため、有機層へのダメージが軽減するので生産性にも優れる。
第1の透明電極の抵抗は、1Ω/□(Ω/sq.)以上1000Ω/□以下であることが好ましく、1Ω/□以上500Ω/□以下であることがより好ましく、1Ω/□以上3
00Ω/□以下であることが更に好ましい。
第1の透明電極の光透過率は、70%以上99%以下であることが好ましく、75%以上99%以下であることがより好ましく、80%以上99%以下であることが更に好ましい。
〔導電性マトリックス〕
第1の透明電極は、導電性マトリックスを含有することが好ましい。導電性マトリックスは、導電性高分子であることが好ましい。
導電性高分子としては、π共役系導電性高分子、σ共役系導電性高分子が好ましく、π共役系導電性高分子がより好ましい。
σ共役系導電性高分子としては、ポリ(メチルフェニルシラン)、ポリ(メチルプロピルシラン)、ポリ(フェニル−p−ビフェニルシラン)、ポリ(ジヘキシルシラン)等が挙げられる。
(π共役系導電性高分子)
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば特に制限されない。π共役系導電性高分子は、化合物安定性、高導電性という理由から、π共役系複素環式化合物又はπ共役系複素環式化合物の誘導体であることが好ましい。
π共役系導電性高分子としては、脂肪族共役系のポリアセチレン、ポリアセン、ポリアズレン、芳香族共役系のポリフェニレン、複素環式共役系のポリピロール、ポリチオフェン、ポリイソチアナフテン、含ヘテロ原子共役系のポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、混合型共役系のポリ(フェニレンビニレン)、分子中に複数の共役鎖を持つ共役系である複鎖型共役系、これらの導電性ポリマーの誘導体、及び、これらの共役高分子鎖を飽和高分子にグラフト又はブロック共重した高分子である導電性複合体からなる群より選択される少なくとも一種を挙げることができる。
空気中での安定性の点からは、ポリピロール、ポリチオフェン及びポリアニリン又はこれらの誘導体が好ましく、ポリチオフェン、ポリアニリン、又はこれらの誘導体(すなわち、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体、及びポリアニリン誘導体)がより好ましい。
π共役系導電性高分子は無置換のままでも充分な導電性やバインダー樹脂への相溶性を得ることができるが、導電性及び相溶性をより高めるためには、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等の官能基をπ共役系導電性高分子に導入することが好ましい。
π共役系導電性高分子の具体例としては、
ホリピロール類:ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、
ポリチオフェン類:ポリ(チオフェン)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、
ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)、
ポリアニリン類:ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。
(アニオン基を有する高分子ドーパント)
π共役系導電性高分子は、アニオン基を有する高分子ドーパント(「ポリアニオンドーパント」ともいう)と共に用いることが好ましい。すなわち、この場合は、有機導電性高分子化合物(π共役系導電性高分子)とアニオン基を有する高分子ドーパントとを含む有機導電性高分子組成物となる。π共役系導電性高分子にアニオン基を有する高分子ドーパントを組み合わせて用いることにより、高い導電性、導電性の経時安定性改良、積層体状態での耐水性が向上する。
ポリアニオンドーパントとしては、としては、例えば、置換又は未置換のポリアルキレン、置換又は未置換のポリアルケニレン、置換又は未置換のポリイミド、置換又は未置換のポリアミド、及び置換又は未置換のポリエステルのうち少なくともいずれかの構造を有し、かつアニオン基を有する構造単位を含むポリマーが挙げられる。
ポリアニオンドーパントのアニオン基としては、−O−SO 、−SO 、−COO(各式においてXは水素イオン、アルカリ金属イオンを表す。)が挙げられる。
これらの中でも、有機導電性高分子化合物へのドーピング能力の点から、−SO 、−COOが好ましい。
上記ポリアニオンドーパントの中でも、溶媒溶解性及び導電性の点から、ポリイソプレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸を含む共重合体、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリスルホエチルメタクリレートを含む共重合体、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)を含む共重合体、ポリメタリルオキシベンゼンスルホン酸、ポリメタリルオキシベンゼンスルホン酸を含む共重合体、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸を含む共重合体等が好ましい。
ポリアニオンドーパントの重合度は、モノマー単位が10〜100,000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10,000個の範囲がより好ましい。
ポリアニオンドーパントの含有量は、有機導電性高分子化合物1モルに対して0.1〜10モルの範囲であることが好ましく、1〜7モルの範囲であることがより好ましい。ここでモル数は、ポリアニオンドーパントを形成するアニオン基を含むモノマー由来の構造単位数、及び有機導電性高分子化合物を形成するピロール、チオフェン、アニリン等のモ
ノマー由来の構造単位数で定義される。ポリアニオンドーパントの含有量が、有機導電性高分子化合物1モルに対して0.1モル以上であれば、有機導電性高分子化合物へのドーピング効果が大きくなり、導電性が充分に発現する。その上、溶媒への分散性及び溶解性が高くなり、均一な分散液を得ることが容易である。また、ポリアニオンドーパントの含有量が、有機導電性高分子化合物1モルに対して10モル以下であると、有機導電性高分子化合物を多く含有させることができ、充分な導電性が得られやすい。
(水又は有機溶剤への可溶性)
導電性高分子は、塗布性の観点から、水又は有機溶剤に可溶であることが好ましい。より具体的には、導電性高分子は、水又は含水率が5質量%以下で誘電率が2〜30の有機溶剤中に少なくとも1.0質量%で可溶であることが好ましい。ここで、「可溶」とは溶剤中に単一分子状態又は複数の単一分子が会合した状態で溶解しているか、粒子径が300nm以下の粒子状に分散されている状態を指す。
一般に、有機導電性高分子は親水性が高く、水、又は水を主成分とする溶媒に溶解するが、このような有機導電性高分子を有機溶剤に可溶化するには、有機導電性高分子を含む組成物中に、有機溶剤との親和性を上げる化合物や、有機溶剤中での分散剤等を添加する方法が挙げられる。また、有機導電性高分子とポリアニオンドーパントを用いる場合は、ポリアニオンドーパントの疎水化処理を行うことが好ましい。
有機溶剤としては、例えば、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などが好適である。
導電層は、上記各種材料を、透明基板の上方に、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、エクストルージョンコート法等の公知の薄膜形成方法で塗布し、乾燥、光及び/又は熱照射することにより作製することができる。好ましくは、光照射による硬化が、迅速硬化の点から有利である。更には、光硬化処理の後、光重合開始剤による拡散層の硬化(重合反応)を止める上で加熱処理することも好ましい。この場合、加熱温度としては、60℃〜105℃が好ましく、70℃〜100℃がより好ましく、70℃〜90℃が更に好ましい。
光照射の光源は、光重合開始剤の反応する波長(吸収波長)付近であればいずれでもよく、吸収波長が紫外領域の場合、光源として、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、メタルハライド灯、キセノン灯、太陽光等が挙げられる。波長350nm〜420nmの入手可能な各種レーザー光源をマルチビーム化して照射してもよい。また、吸収波長が赤外領域の場合、光源としてはハロゲンランプ、キセノンランプ、高圧ナトリウムランプが挙げられ、波長750nm〜1,400nmの入手可能な各種レーザー光源をマルチビーム化して照射してもよい。
光照射による光ラジカル重合の場合は、空気又は不活性気体中で行うことができるが、ラジカル重合性モノマーの重合の誘導期を短くするか、又は重合率を十分に高める等のために、できるだけ酸素濃度を少なくした雰囲気とすることが好ましい。前記酸素濃度範囲は0〜1,000ppmが好ましく、0〜800ppmがより好ましく、0〜600ppmが更に好ましい。照射する紫外線の照射強度は、0.1mW/cm〜100mW/cmが好ましく、塗布膜表面上での光照射量は、100mJ/cm〜10,000mJ/cmが好ましく、100mJ/cm〜5,000mJ/cmがより好ましく、100mJ/cm〜1,000mJ/cmが特に好ましい。前記光照射量が、100mJ/cm未満であると、導電層が十分に硬化せず、導電層上に他の層を塗布する際に溶解、また、基板洗浄時に崩壊することがある。一方、前記光照射量が、10,000mJ
/cmを超えると、導電層の重合が進み過ぎ表面が黄変し、透過率が低下し、光取り出し効率が低下することがある。また、光照射工程での温度は、15℃〜70℃が好ましく、20℃〜60℃がより好ましく、25℃〜50℃が特に好ましい。前記温度が、15℃未満であると、光重合による導電層の硬化に時間がかかることがあり、70℃を超えると、光重合開始剤自体に影響を及ぼし、光重合(硬化)できなくなることがある。
[有機層]
本発明の有機電界発光素子は、少なくとも1層の有機発光層を含む有機層を有する。
有機層は、少なくとも1層の有機発光層を有し、必要に応じて正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。
−−発光材料−−
前記発光材料は、燐光発光材料、蛍光発光材料等のいずれも好適に用いることができる。
前記発光材料は、ホスト化合物との間で、イオン化ポテンシャルの差(ΔIp)と電子親和力の差(ΔEa)が、1.2eV>△Ip>0.2eV、及び/又は1.2eV>△Ea>0.2eVの関係を満たすドーパントであることが、駆動耐久性の観点で好ましい。
前記発光層中の発光材料は、前記発光層中に一般的に発光層を形成する全化合物質量に対して、0.1質量%〜50質量%含有されるが、耐久性、外部量子効率の観点から1質量%〜50質量%含有されることが好ましく、2質量%〜50質量%含有されることがより好ましい。
−−−燐光発光材料−−−
前記燐光発光材料としては、一般に、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体を挙げることができる。
前記遷移金属原子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、金、銀、銅、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金であり、更に好ましくはイリジウム、白金である。
前記錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry, Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer−Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
前記錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
これらの中でも、燐光発光材料としては、例えば、US6303238B1、US6097147、WO00/57676、WO00/70655、WO01/08230、WO01/39234A2、WO01/41512A1、WO02/02714A2、WO02/15645A1、WO02/44189A1、WO05/19373A2、WO2004/108857A1、WO2005/042444A2、WO2005/042550A1、特開2001−247859、特開2002−302671、特開2002−117978、特開2003−133074、特開2002−235076、特開2003−123982、特開2002−170684、EP1211257、特開2002−
226495、特開2002−234894、特開2001−247859、特開2001−298470、特開2002−173674、特開2002−203678、特開2002−203679、特開2004−357791、特開2006−93542、特開2006−261623、特開2006−256999、特開2007−19462、特開2007−84635、特開2007−96259等の各公報に記載の燐光発光化合物などが挙げられる。これらの中でも、Ir錯体、Pt錯体、Cu錯体、Re錯体、W錯体、Rh錯体、Ru錯体、Pd錯体、Os錯体、Eu錯体、Tb錯体、Gd錯体、Dy錯体、Ce錯体が好ましく、Ir錯体、Pt錯体、又はRe錯体がより好ましく、金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも一つの配位様式を含むIr錯体、Pt錯体、又はRe錯体が更に好ましく、発光効率、駆動耐久性、色度等の観点で、3座以上の多座配位子を含むIr錯体、Pt錯体、又はRe錯体が特に好ましい。
前記燐光発光材料の具体例として、以下の化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014013712
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Figure 2014013712
−−−蛍光発光材料−−−
前記蛍光発光材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ピラン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、縮合多環芳香族化合物(アントラセン、フェナントロリン、ピレン、ペリレン、ルブレン、又はペンタセンなど)、8−キノリノールの金属錯体、ピロメテン錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、又はこれらの誘導体などを挙げることができる。
−−ホスト材料−−
前記ホスト材料としては、正孔輸送性に優れる正孔輸送性ホスト材料(正孔輸送性ホストと記載する場合がある)及び電子輸送性に優れる電子輸送性ホスト化合物(電子輸送性ホストと記載する場合がある)を用いることができる。
−−−正孔輸送性ホスト材料−−−
前記正孔輸送性ホスト材料としては、例えば、以下の材料を挙げることができる。即ち、ピロール、インドール、カルバゾール、アザインドール、アザカルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、イミダゾール、チオフェン、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、又はそれらの誘導体などが挙げられる。
これらの中でも、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、芳香族第三級アミン化合物、チオフェン誘導体、分子内にカルバゾール基を有するものが好ましく、t−ブチル置換カルバゾール基を有する化合物がより好ましい。
−−−電子輸送性ホスト材料−−−
前記電子輸送性ホスト材料としては、例えば、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、フッ素置換芳香族化合物、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、又はそれらの誘導体(他の環と縮合環を形成してもよい)、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体等を挙げることができる。これらの中でも、耐久性の点から金属錯体化合物が好ましく、金属に配位する少なくとも1つの窒素原子又は酸素原子又は硫黄原子を有する配位子をもつ金属錯体がより好ましい。前記金属錯体電子輸送性ホストとしては、例えば特開2002−235076号公報、特開2004−214179号公報、特開2004−221062号公報、特開2004−221065号公報、特開2004−221068号公報、特開2004−327313号公報等に記載の化合物が挙げられる。
前記正孔輸送性ホスト材料、電子輸送性ホスト材料の具体例として、以下の化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2014013712
Figure 2014013712
Figure 2014013712
−正孔注入層、正孔輸送層−
前記正孔注入層、又は前記正孔輸送層は、陽極又は陽極側の層から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。これらの層に用いられる正孔注入材料、正孔輸送材料は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。具体的には、ピロール誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、チオフェン誘導体、有機シラン誘導体、カーボン、等を含有する層が好ましい。
前記正孔注入層、又は前記正孔輸送層には、電子受容性ドーパントを含有させることができる。前記正孔注入層、又は正孔輸送層に導入する電子受容性ドーパントとしては、電子受容性で有機化合物を酸化する性質を有すれば、無機化合物でも有機化合物でも使用できる。
具体的には、無機化合物は塩化第二鉄や塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、五塩化アンチモンなどのハロゲン化金属、五酸化バナジウム、及び三酸化モリブデンなどの金属酸化物などが挙げられる。有機化合物の場合は、置換基としてニトロ基、ハロゲン、シアノ基、トリフルオロメチル基などを有する化合物、キノン系化合物、酸無水物系化合物、フラーレンなどを好適に用いることができる。
これらの電子受容性ドーパントは、単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。電子受容性ドーパントの使用量は、材料の種類によって異なるが、正孔輸送層材料に対して0.01質量%〜50質量%が好ましく、0.05質量%〜40質量%が更に好ましく、0.1質量%〜30質量%が特に好ましい。
前記正孔注入層、又は正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
前記発光層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1nm〜5μmが好ましく、5nm〜1μmがより好ましく、10nm〜500nmが更に好ましい。
前記発光層の形成方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、LB法などの方法が挙げられる。これ
らの中でも、抵抗加熱蒸着、コーティング法が特に好ましい。
−電子注入層、電子輸送層−
前記電子注入層、又は前記電子輸送層は、陰極又は陰極側の層から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。これらの層に用いる電子注入材料、電子輸送材料は低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
具体的には、ピリジン誘導体、キノリン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、フタラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、トリアジン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、シロールに代表される有機シラン誘導体、等を含有する層が好ましい。
前記電子注入層、又は電子輸送層には、電子供与性ドーパントを含有させることができる。前記電子注入層、又は電子輸送層に導入される電子供与性ドーパントとしては、電子供与性で有機化合物を還元する性質を有していればよく、Liなどのアルカリ金属、Mgなどのアルカリ土類金属、希土類金属を含む遷移金属や還元性有機化合物などが好適に用いられる。金属としては、特に仕事関数が4.2eV以下の金属が好適に使用でき、具体的には、Li、Na、K、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Cs、La、Sm、Gd、及びYbなどが挙げられる。また、還元性有機化合物としては、例えば、含窒素化合物、含硫黄化合物、含リン化合物などが挙げられる。
これらの電子供与性ドーパントは、単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。電子供与性ドーパントの使用量は、材料の種類によって異なるが、電子輸送層材料に対して0.1質量%〜99質量%が好ましく、1.0質量%〜80質量%が更に好ましく、2.0質量%〜70質量%が特に好ましい。
前記電子注入層、又は前記電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
−正孔ブロック層、電子ブロック層−
前記正孔ブロック層は、陽極側から有機発光層に輸送された正孔が陰極側に通り抜けることを防止する機能を有する層であり、通常、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として設けられる。
一方、前記電子ブロック層は、陰極側から有機発光層に輸送された電子が陽極側に通り抜けることを防止する機能を有する層であり、通常、有機発光層と陽極側で隣接する有機化合物層として設けられる。
前記正孔ブロック層を構成する化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。電子ブロック層を構成する化合物の例としては、例えば前述の正孔輸送材料として挙げたものが利用できる。
前記正孔ブロック層及び電子ブロック層の厚みは、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、前記正孔ブロック層及び電子ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
[第2の透明電極]
本発明の有機電界発光素子に含まれる第2の透明電極について説明する。
第2の透明電極を構成する成分は、透明電極を形成することができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。第2の透明電極を構成する成分としては、例えば、有機化合物を含有していてもよく、無機化合物を含有していてもよく、これらの混合物を含有していてもよい。
第2の透明電極を構成する成分としては、第1の透明電極を構成することができる成分と同様の成分を使用することができる。また、第2の透明電極を構成する好ましい成分及び第2の透明電極の好ましい態様の範囲もまた、第1の透明電極と同様である。
更に、第2の透明電極を構成する成分として、有機電界発光素子の透明電極として一般的に使用される金属酸化物を好ましく使用することができる。このような金属酸化物としては、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)(屈折率(n)=2.0)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、ZnO(屈折率(n)=1.95)、SnO(屈折率(n)=2.0)、In(屈折率(n)=1.9〜2.0)、TiO(屈折率(n)=1.90)などが挙げられる。これらの中でも、ITO、IZOが特に好ましい。
第2の透明電極は、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子(光拡散微粒子)を少なくとも1種以上含有することが好ましい。上記光拡散微粒子として使用することができる粒子の範囲は、第1の透明電極が含有する光拡散微粒子と同様であり、好ましい範囲もまた同様である。
第2の透明電極における光拡散微粒子の含有量は、第1の透明電極と同様の範囲から適宜選択することができ、好ましい範囲もまた同様である。
第2の透明電極が光拡散微粒子を含有する場合、第2の透明電極は導電性マトリックスを含有することが好ましい。上記導電性マトリックスとして使用することができるマトリックスの範囲は、第1の透明電極が含有することができる導電性マトリックスと同様であり、好ましい範囲もまた同様である。
有機発光層から発光された光が素子内部を伝搬する時、層間反射をより少なくために、第2の透明電極の屈折率は有機発光層の屈折率に近いほうが良く、1.65〜2.2であることが好ましい。
また、光拡散機能を持つ第2の透明電極はより多く光を第2の透明電極に導くために、第2の透明電極の屈折率は1.7〜2.0であることが更に好ましい。
第2の透明電極の平均厚みは、20nm〜200nmであることが好ましく、40nm〜100nmであることがより好ましい。
また、第2の透明電極は以下のような態様であってもよい。
すなわち、第2の透明電極は、陰極として機能することが好ましく、通常、上述の発光層を構成する有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機EL装置の用途、目的に応じて、公知の電極材料のなかから適宜選択することができる。
陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。具体例としてはアルカリ金属(例えば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、及びイッテルビウム等の希土類金属などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらのなかでも、陰極を構成する材料としては、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01質量%〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
なお、陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されており、これらの広報に記載の材料は、本発明においても適用することができる。
陰極の形成方法については、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などのなかから、前記した陰極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。例えば、陰極の材料として、金属等を選択する場合には、その1種単独又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って行うことができる。
陰極を形成するに際してのパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
本発明において、陰極の配置位置は、発光層に電界を印加し得るように設けられれば、特に制限はなく、発光層上の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
また、陰極と前記有機化合物層との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1nm〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層とみることもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
第2の透明電極の屈折率は、1.65〜2.2であることが好ましい。
第2の透明電極の平均厚みは、20nm〜200nmであることが好ましく、40nm〜100nmであることがより好ましい。
第2の透明電極を陰極とする場合、陰極の材料を1nm〜10nmの厚さに薄く成膜し、さらにITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
第2の透明電極の可視光範囲内(波長400〜780nm)の透過率は90%以上であることが好ましい。
[反射体]
本発明の有機電界発光素子は、少なくとも、透明基板、光取り出し性能を有する第1の透明電極、有機発光層、及び第2の透明電極をこの順に有する積層体と、前記積層体の透明基板に対して第2の透明電極を有する側に、前記積層体と間隔を有して設けられた反射体とを有する。
前記反射体の前記積層体側の表面は、反射体と積層体との距離が最も短い点又は線を1つ有し、その点又は線から離れるにつれて、反射体と積層体との距離が単調に増加する形状を有する。
ここで、距離とは、「最短距離」のことを表す。
「距離が単調に増加する」とは、距離が連続的に増加する場合のみならず、距離が変化しない場合も含む。
反射体は、有機発光層で発生し、反射体側に進んだ光を、より多く前記積層体を避けて透明基板の方向に進むように反射し、有機発光層等に吸収されることを防ぐため、効率良く光取り出し面より光を取り出すことを可能にする。
反射体の光反射率は、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上である。ここで、上記反射率は、可視光範囲内(波長400〜780nm、典型的にd線:波長587nm)に対する値である。
反射体を構成する材料は特に限定されない。材料としては、例えば、金属もしくは金属酸化物が挙げられ、好ましくは、アルミニウム、銀、金、及びクロムなどの金属である。
反射体の形成方法は特に限定されない。例えば、蒸着、Metal Injection Molding(MIM)法(金属粉末射出成形法)、メッキ、切削成形、蒸着法などが挙げられ、部品製造効率化、形状形成の精密性の観点からは、MIM法が好ましい。
MIM法については、特に限定されず、従来公知の方法を参照して実施できる。MIM法の一例としては、特開平6−2004号公報などに記載されている。
蒸着法で反射体を作製する場合は、封止缶にAgなど反射層材料を蒸着し平面反射体を作製し、ガラスレンズなど曲面を持つ型に、Agなど反射層材料を蒸着し、曲面反射体を作成し、接着剤で合体させてもよい。
反射体は上記金属のほか、反射率が90%以上の拡散反射板により構成されることも好ましい。反射率が90%以上の拡散反射板としては、例えば、古河電工製の易成形光反射板MCPOLYCAなどが挙げられる。ここで、上記反射率は、可視光範囲内(波長400〜780nm、典型的にd線:波長587nm)に対する値である。
低屈折率層に入射した光が有機層に戻らないように、光の角度を変換するために前記反射体の前記積層体側の表面が、反射体と積層体との距離が最も短い点又は線を1つ有し、その点又は線から離れるにつれて、反射体と積層体との距離が連続的に増加する形状を有することが好ましい。
例えば、本発明の有機電界発光素子における、透明基板が平板で、光取り出し層、第1の透明電極、有機発光層、及び第2の透明電極もそれぞれ該透明基板の反射体側の表面に平行な表面を有するように積層された場合、反射体の形状としては、前記有機発光層側に向かって1つの凸を有する形状が好ましい。このような形状としては、曲面を有する形状(好ましくは球面状)、円錐状、角錐状、又は三角柱状であることが好ましく、曲面を有する形状(好ましくは球面状)がより好ましい。同じ高さの凸面反射体では、球面の曲率が最も大きく、光の角度変換能力が大きいので、球面状が好ましい。球面状の反射体としては、具体的には、凸面鏡が挙げられる。なお、球面としては完全な球面ではなく、略球面も含むものとする。
図4に本発明の有機電界発光素子の一例の概略図(斜視図)を示す。図4に記載された有機電界発光素子100は、図1に対して、反射体6の表面が四角錐状である点のみが異なる。
図5に本発明の有機電界発光素子の一例の概略図(斜視図)を示す。図5に記載された有機電界発光素子100は、図1に対して、反射体6の表面が三角柱状である点のみが異なる。
本発明の有機電界発光素子においては、前記積層体の積層方向における平面視において、前記反射体が前記有機発光層の全体を覆っている。これは、別の言い方をすると、前記有機発光層を前記反射体側の有機発光層の表面に垂直な方向に投影した投影面が、前記反
射体を前記有機発光層の表面に垂直な方向に投影した投影面に、全て含まれるとも言える。すなわち、前記反射体が、前記有機発光層の表面の全体に渡って対向するように設けられている。このようにすることで、有機発光層から出射し、反射体で反射された光が、前記積層体を避けて透明基板の方向に進むため、有機発光層等に吸収されることを防ぎ、光取出し効率を向上させることができる。
有機発光層の反射体側の表面の面積をSとする。
前記積層体の表面と前記反射体との距離の最大値をD(図2参照)とした場合、
√SとDが、下記式(1)を満たすことが、光取り出し効率の観点から好ましい。ただし、Dと√Sの単位は同じ(例えばDの単位及び√Sの単位はともに「mm」)である。
0.3≦D/√S 式(1)
D/√Sは、0.5以上であることがより好ましく、0.8以上であることが更に好ましい。
また、有機電界発光素子の厚みをより薄くできるという観点からは、D/√Sは1.5以下であることが好ましい。
前記積層体の積層方向における平面視において、前記有機発光層の形状が正方形であり、該正方形の一辺の辺長をW(図2及び図3参照)とすると、WとSの関係は、W=√Sとなる。
前記積層体の表面と前記反射体との距離の最大値をD(図2参照)とした場合、
WとDが、下記式(2)を満たすことが、光取り出し効率の観点から好ましい。ただし、DとWの単位は同じ(例えばDの単位及びWの単位はともに「mm」)である。
0.5≦D/W 式(2)
D/Wは、0.8以上であることがより好ましく、1.0以上であることが更に好まし
い。
また、有機発光素子の体積をより小さくできるという観点からは、D/Wは2.0以下であることが好ましい。
DとWのそれぞれの値は特に限定されないが、例えば、Dは10mm〜300mm程度であり、20mm〜200mmが好ましい。Wは30mm〜500mmが好ましい。
反射体が曲面を有する形状(好ましくは球面状)である場合は、前記積層体の積層方向における平面視において、前記有機発光層の形状が正方形であり、該正方形の辺長をWとし、
前記反射体の曲面の曲率半径をRとした場合、
WとRが下記式(3)を満たすことが、光取り出し効率の観点から好ましい。ただし、RとWの単位は同じ(例えばRの単位及びWの単位はともに「mm」)である。
0.1≦R/W≦3 式(3)
R/Wは、0.2以上1.5以下であることがより好ましく、0.3以上1.3以下であることが更に好ましい。
Rの値は特に限定されないが、例えば、Rは5mm〜1000mm程度であり、10mm〜800mmが好ましい。
図6に、反射体の表面が球面状である場合の曲率半径Rを説明するための模式図を示す。表面が球面状の反射体は、一例として、図6に示すように半径Rの球を直線Bで切った形状(斜線部で表される形状)を有する。
反射体の前記積層体側の表面は、反射体と積層体との距離が最も短い点又は線を1つ有し、その点又は線から離れるにつれて、反射体と積層体との距離が単調に増加する形状を
有する。前記点又は線の位置は特に限定されないが、光が有機層に戻ることを防ぎやすいという観点からは、前記点又は線は、反射体の中心にあることが好ましい。
また、前記積層体の積層方向における平面視において、前記反射体の中心が前記有機発光層の中心と重なっていることが好ましい。
有機発光層と反射体の中心が重なっていると、反射される光が対称性よく透明基板側に放射するので、均一の面発光が得られ、好ましい。
反射体は、有機電界発光素子における前記積層体を封止する封止缶内に設けられていることが好ましい。
[低屈折率層]
本発明の有機電界発光素子は、少なくとも、透明基板、光取り出し性能を有する第1の透明電極、有機発光層、及び第2の透明電極を有する積層体と、前記凸構造を有する反射体との間に低屈折率層を有することが好ましい。
ここで、低屈折率層とは、有機発光層より低い屈折率を有する層であり、屈折率が1.6以下であることが好ましく、1.5以下がより好ましく、1.4以下が更に好ましく、1.1以下が特に好ましく、1.05以下が最も好ましい。
低屈折率層を有することで、前記積層体から高角度で低屈折率層へ進もうとするする光は低屈折率層との界面で全反射され、透明基板側に戻り、光取り出し効率の向上に寄与する。
低屈折率層は、上記屈折率の条件を満たしていれば、その形態は特に限定されない。低屈折率層は、低屈折率の材料(例えば、LaF、BK7、SiO、MgF、NaF、KF、Bi、NaAl14など)からなる層であってもよいし、気体層であってもよい。前記気体層を構成する気体としては、酸素、窒素、二酸化炭素、空気などが挙げられる。また真空であってもよい。屈折率が低く、製造が容易であり、コストがかからないという理由から、低屈折率層は気体層であることが好ましく、空気により構成される層(空気層)、或は、窒素により気体層であることがより好ましい。
空気層の形成方法には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、後述する封止缶裏面(内側)に対して、反射体を付与し基板の有機層側を封止する際に、所望の厚さの空気層となるように基板を封止する位置を調節することにより形成することができる。
[第2の反射体]
本発明の有機電界発光素子は、前記反射体(以下、便宜的に「第1の反射体」と呼ぶ)とは別の第2の反射体を有することが好ましい。
第2の反射体は、第1の反射体により反射された光を更に反射して、有機電界発光素子の透明基板側に取り出しやすくなるように配置されることが好ましい。
また、第2の反射体が、第1の反射体と透明基板とに接するように設けられていることが好ましい(第1の反射体と第2の反射体が一体化していることが好ましい)。これにより、第2の反射体が後述する封止材料を兼ねることができる。この場合、第2の反射体が、前記透明基板と鋭角をなして設けられている態様も好ましい。
第2の反射体の反射面の形状は特に限定されず、平板状の反射体でもよいし、凸面や凹面を有していてもよい。
[第1の透明電極を構成する第2の層(第1の透明電極の平坦化層)]
本発明の有機電界発光素子は、前記第1の透明電極を、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を少なくとも1種含有する第1の層と、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を含まず、一次粒子径が100nm以下の粒子を含む第2の層(以下、「第1の透明
電極の平坦化層」と称することもある。)との二層からなる透明電極とすることができる。
上記第1の透明電極を構成する第2の層の構成成分は、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子(光拡散微粒子)を含まないことを除き、第1の透明電極を構成する第1の層の構成成分と同じ成分を使用することができる。また、第1の透明電極を構成する第2の層の好ましい構成成分及び好ましい態様の範囲は、光拡散微粒子を含まないことを除き、第1の透明電極の範囲について述べたものと同様である。
前記第1の透明電極を構成する第2の層の構成成分の屈折率と、前記第1の透明電極を構成する第1の層の構成成分から一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を除いた成分の屈折率との差の絶対値が0.02以下であることが好ましい。第1の透明電極を構成する第2の層の屈折率をこのように調節することにより、第1の透明電極を構成する第1の層と第2の層との界面で生じる全反射等の影響による光取り出しの損失を防ぐことが出来る。
前記第1の透明電極を構成する第2の層の膜厚は、第1の層と第2の層とを含む第1の透明電極全体の平坦性と、前記第2の層の透明性との両立の観点から、50nm以上4μm以下であることが好ましく、100nm以上1μm以下であることがより好ましく、200nm以上500nm以下であることが更に好ましい。
[第1の透明電極よりも抵抗が低い配線]
本発明の有機電界発光素子において、第1の透明電極と透明基板との間に、前記第1の透明電極よりも抵抗が低い配線(「補助配線」ともいう)を有することが好ましい。第1の透明電極よりも抵抗が低い配線を有することで、第1の透明電極と配線をあわせた透明電極としての全体の抵抗を下げることができ、有機電界発光素子の発光面が大面積となった場合においても電圧降下を抑制して、発光ムラを防止することができる。拡散を用いた光取出しでは、発光面が広く且つ発光ムラが無いように均一に発光することで、有機層や基板内部に閉じ込められた光を効率良く取り出すことが出来る。本発明の有機電界発光素子としては、第1の透明電極と基板との間に補助配線を有し、第1の透明電極が補助配線を覆っている構成がより好ましい。特に、塗布法により第1の透明電極を形成することで、配線を覆うように第1の透明電極を設けることができるため、有機電界発光素子において、配線が有機層に接触しない構成とすることができ、有機発光層の全ての面で発光が可能となる。
補助配線としては、金属を含有してなることが好ましく、銀、アルミニウム、金、銅、を含有してなることがより好ましく、銀、又はアルミニウムを含有してなることが更に好ましい。
補助配線は、上記金属を真空蒸着してフォトリソグラフィーやマスクを用いたエッチングなどにより形成することができる。また、上記金属を含む導電性インクの印刷、塗布等によって形成することもできる。
補助配線の厚みは、第1の透明電極と配線をあわせた透明電極の低抵抗化、補助配線により表面に凹凸形状が形成されるのを抑止する観点から、10nm以上3μm以下であることが好ましく、30nm以上1μm以下であることがより好ましく、50nm以上500nm以下であることが更に好ましい。
補助配線の幅は、第1の透明電極と配線をあわせた透明電極の低抵抗化、遮光性の観点から、1μm以上1mm以下であることが好ましく、5μm以上500μm以下であることがより好ましく、10μm以上200μm以下であることが更に好ましい。
[封止材料]
本発明の有機電界発光素子は、水分、窒素酸化物、硫黄酸化物、オゾン等による劣化を防ぐために、封止材料により封止されていることが好ましい。
封止方法としては、本発明の有機電界発光素子を封止材料で形成した封止缶に封入する方法や、本発明の有機電界発光素子の透明基板を、光取り出し性能を有する第1の透明電極、少なくとも1層の有機発光層を含む有機層、及び第2の透明電極よりも大きくし(前記積層体の積層方向における平面視において、透明基板が光取り出し性能を有する第1の透明電極、有機層、及び第2の透明電極の全体を覆っていて、かつこれらより大きくし)、透明基板を蓋として、透明基板と反射体と間を封止材料により封止して、光取り出し性能を有する第1の透明電極、少なくとも1層の有機発光層を含む有機層、及び第2の透明電を封入する方法などがある。
封止缶を形成する材料、大きさ、形状、構造は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
封止缶の材料(封止材料)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、各種無機化合物又は有機化合物からなる単層構造又は積層構造であってもよい。無機化合物としては、SiNx、SiON、SiO、Al、TiOが挙げられ、有機化合物としては、シリコン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマーが挙げられる。バリア層の厚さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよいが、0.1〜10μmとすることが好ましく、より好ましくは、0.1〜5μmであり、より好ましくは、0.2〜3μmである。封止層の厚みが、0.1μm未満であると、大気中の酸素及び水分の透過を防ぐ封止機能が不充分であることがあり、10μmを超えると、光線透過率が低下し、透明性を損なうこと、また、無機材料を単層で用いる場合、応力差により割れ、隣接層との剥離等、バリア性が損なわれる可能性がある。封止層の光学的性質は、光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましい。
封止層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CVD法、真空蒸着法、スパッタ法などが挙げられる。
また、本発明においては、封止材料として、反射材を用いることが好ましい。
これにより、反射体で反射された光が、封止材料に吸収されないため、光取り出し効率が向上する。
前記封止缶と第1の透明電極、第2の透明電極及び有機層を含む有機電界発光素子との間の空間には、乾燥剤(水分吸収剤又は不活性液体)を封入してもよい。
前記水分吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
前記不活性液体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類;パーフルオロアルカン、パーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤;塩素系溶剤、シリコーンオイル類などが挙げられる。
特に、反射体と封止缶の間に乾燥剤を設置することが好ましい。
反射体が、封止缶内に、反射体と封止缶の間に空洞を有して設けられ、前記空洞に乾燥剤を有することが好ましい。
前記有機電界発光素子は、フルカラーで表示し得る装置として構成することができる。
前記有機電界発光素子をフルカラータイプのものとする方法としては、例えば「月刊ディスプレイ」、2000年9月号、33〜37ページに記載されているように、色の3原色(青色(B)、緑色(G)、赤色(R))に対応する光をそれぞれ発光する層構造を基板上に配置する3色発光法、白色発光用の層構造による白色発光をカラーフィルタ層を通
して3原色に分ける白色法、青色発光用の層構造による青色発光を蛍光色素層を通して赤色(R)及び緑色(G)に変換する色変換法、などが知られている。
この場合は、青色(B)、緑色(G)、赤色(R)の画素ごとにレーザーパワー、厚みを適宜調整することが好ましい。
また、上記方法により得られる、異なる発光色の層構造を複数組み合わせて用いることにより、所望の発光色の平面型光源を得ることができる。例えば、青色及び黄色の発光装置を組み合わせた白色発光光源、青色(B)、緑色(G)、及び赤色(R)の有機電界発光素子を組み合わせた白色発光光源、等である。
前記有機電界発光素子は、例えば、面光源、照明装置、コンピュータ、車載用表示器、野外表示器、家庭用機器、業務用機器、家電用機器、交通関係表示器、時計表示器、カレンダ表示器、ルミネッセントスクリーン、音響機器等をはじめとする各種分野において好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<シミュレーションによる光取り出し効率の見積もり>
下記モデルを用い、市販の光線追跡ソフト(ZEMAX Development Corporationの製品ZEMAX−EE)で、以下の内容のシミュレーションを行った。
光取り出し効率、及び各有機電界発光素子の光取り出し効率の向上倍率は、下記の式により定義される。
光取り出し効率=透明基板側の正面空気(光取り出し側)に出射される光エネルギー/有機発光層から発光された光エネルギー
倍率=実施素子の光取り出し効率/参考素子1の光取り出し効率
1.参考素子1(計算モデル1)
シミュレーションに利用した計算モデル1は図13に示すように、“空気/透明基板(BK7、オハラ社製、屈折率(n)=1.5、減衰係数k=0、厚み1mm)/透明基板側にある透明電極と有機発光層を含む有機発光部(屈折率(n)=1.8、透過率0.9、厚み2μm、発光領域は2mm×2mmの正方形)/Ag反射電極(屈折率(n)=0.18、減衰係数k=3.4、厚み100nm)”という積層体により構成される有機EL素子である。
素子サイズは50mm×50mmの正方形である。すなわち、積層体の積層方向における平面視において、有機発光層の形状が正方形であり、該正方形の辺の長さWが50mmである。
透明基板側にある透明電極を含む有機発光部の構成は、“透明電極/正孔注入層と輸送層/有機発光層/電子注入層と輸送層”であることとしている。
文献PIONEER R&D Vol.11 No.1,pp21−28によると、発光層の屈折率nは1.7〜1.85である。また、良く利用される透明電極、錫ドープ酸化インジウム(ITO)(屈折率(n)=2.0)、ZnO(屈折率(n)=1.95)、SnO(屈折率(n)=2.0)、In(屈折率(n)=1.9〜2.0)、TiO(屈折率(n)=1.90)は、屈折率が有機層の屈折率より大きく、発光層と空気の間の全反射に影響を与えないので、透明電極を含む有機発光部の屈折率を1.8とした。また、有機発光層から発光した光が、有機発光素子の積層体を通して、空気に放射する。有機発光素子を構成する有機材料が光に対する吸収特性を持っているので、光が有機層を通ると、有機材料の減衰係数に依存して吸収される、また、有機発光素子の積層体
における層間や、有機発光素子と空気間にある屈折率差によって、有機発光素子内部(反射体側)に反射される光が存在する。有機発光素子内部に反射された光が反射電極や、反射体により再び光取出し側に反射され、有機層を通して、空気に放射する。光が有機層を通る度に、有機材料の減衰係数に依存して吸収される。ここでは、光が有機層を通る度の吸収率を10%とした。
有機発光部から透明基板まで(屈折率(n)=1.8以内にある)放射する光の配光分布はランバーシアン分布とした。
有機電界発光素子としては、Vol 459/14 May 2009/doi:10.1038/nature08003に開示されている下記の構造のものを用いた。
Glass(オハラS−LAH53、屈折率n=1.8)/ITO(厚み90nm)/MeO−TPD:NDP−2(厚み45nm)/NPB(厚み10nm)/TCTA:Ir(MDQ)(acac)(厚み6nm)/TCTA(厚み2nm)/TPBi:FIrpic(4nm)/TPBi(厚み2nm)/TPBi:Ir(ppy)/TPBi(10nm)/Bphen:Cs(厚み25nm)/Ag(厚み100nm)
Figure 2014013712
なお、特開2008−70198号公報の段落〔0002〕に記載されているように発光層から発光し、透明基板内に放射した光の配光分布はランバーシアン分布であるとした。
計算モデル1をシミュレーションした光取り出し効率は約32%であった。これから、各計算モデルについてシミュレーションした光取り出し効率の倍率は、この光取り出し効
率に対する倍率である。
2.空気ギャップDと光取り出し効率の関係のシミュレーション(計算モデル2)
透明基板、光取り出し性能を有する第1の透明電極、有機発光層、及び第2の透明電極をこの順に有する積層体と、前記積層体の透明基板に対して第2の透明電極側に設けられた銀で形成された平面状の反射体とを有する有機電界発光素子(素子の概略図を図14に示す)を想定し、前記積層体と前記反射体との距離の最大値(空気ギャップ)Dと光取り出し効率の関係を見積もった。
計算モデル2の構成は以下のとおりである。
空気/透明基板(屈折率n=1.5、減衰係数k=0、厚み1mm)/光取り出し性能を有する第1の透明電極(微粒子拡散散乱膜。バインダーポリマーの屈折率nb=1.8、減衰係数k=0。架橋アクリル系粒子の一次粒子径(φ)=1.5μm、屈折率np=1.49、減衰係数k=0、微粒子の体積充填率50%。散乱膜膜厚5μm)/透明電極と有機発光層を含む有機発光部(屈折率n=1.8、吸収率10%、膜厚2μm、発光領域は2mm×2mmの正方形(図14の斜線部分))/空気層(屈折率n=1.0、減衰係数k=0、ギャップ距離D)/Ag反射体(屈折率n=0.18、減衰係数k=3.4、厚み1mm)
ここでは、透明電極を含む有機発光部の構成は、“正孔注入層と輸送層/有機発光層/電子注入層と輸送層/透明電極”であること想定している。
光取り出し層は高屈折率ポリマーに拡散される微粒子による構成される微粒子拡散散乱膜である。高屈折率ポリマーとしてはウレタン(屈折率n=1.5)に高屈折率ナノ粒子(TiO、屈折率n=2.6、平均粒径100nm以下)を適切に分散させて、屈折率nb=1.8になったものを用いた。
また、微粒子としては架橋アクリル系粒子で、一次粒子径1.5μm、(屈折率n=1.49、減衰係数k=0)を用いた。
光取出し性能を持つ第1透明電極は導電性高屈折率ポリマーに拡散される微粒子による構成される微粒子拡散散乱膜である。導電性高屈折率ポリマーとしてはPEDOT−PSS(CleviosTM)に高屈折率ナノ粒子(TiO、屈折率n=2.6、平均粒径100nm以下)を適切に分散させて、屈折率nb1.8になったものを用いた。また、微粒子としては架橋アクリル系粒子で、一次粒子径1.5μm(屈折率n=1.49、減衰係数k=0)を用いた。
有機発光層は、積層体の積層方向における平面視において、形状が正方形となるように形成し、該正方形の辺長をWとした。
計算モデル2について、“空気ギャップD/有機発光層の辺長W”をパラメーターとして、シミュレーションを行い、計算モデル1の光取り出し効率に対する光取り出し効率の倍率を求めた。
3.凸面構造反射体による光取り出し効率の向上する効果、単面光取り出し層(計算モデル3)
透明基板、光取り出し性能を有する第1の透明電極、有機発光層、及び第2の透明電極をこの順に有する積層体と、該積層体の透明基板に対して第2の透明電極側に、前記積層体と間隔を有して設けられた、表面が曲率半径Rの球面状の反射体とを有する有機電界発光素子(素子の概略図を図15に示す)を想定し、シミュレーションを行った。
図15の素子は、透明基板1、光取り出し性能を有する第1の透明電極2、有機発光層、及び第2の透明電極を含む有機発光部20をこの順に有する積層体と、前記有機発光部20に対向して、間隔を有して設けられた、表面が曲率半径Rの球面状の反射体6とを有する。
計算モデル3の構成は以下のとおりである。
空気/透明基板(屈折率n=1.5、減衰係数k=0、厚み1mm)/光取り出し性能
を有する第1の透明電極(微粒子拡散散乱膜。バインダーポリマーの屈折率nb=1.8、減衰係数k=0。架橋アクリル系粒子の一次粒子径(φ)=1.5μm、屈折率np=1.49、減衰係数k=0、微粒子の体積充填率50%。散乱膜膜厚5μm)/透明電極と有機発光層を含む有機発光部(屈折率n=1.8、吸収率10%、膜厚2μm、発光領域は2mm×2mmの正方形(図15の斜線部分))/空気層(屈折率n=1.0、減衰係数k=0、ギャップ距離D/表面が曲率半径Rの球面状のAg反射体(屈折率n=0.18、減衰係数k=3.4)
有機発光層は、積層体の積層方向における平面視において、形状が正方形となるように形成し、該正方形の辺長をWとした。
また、積層体の積層方向における平面視において、反射体の中心が有機発光層の中心と重なるものとした。
計算モデル3について、“空気ギャップD/有機発光層の辺長W”、と、“球面状反射体の曲率半径R/有機発光層の辺長W”をパラメーターとして、光取り出し効率の倍率との関係を求めた。
4.反射体の凸面構造による光取り出し効率の向上、両面光取り出し層(計算モデル4)
透明基板、光取り出し性能を有する第1の透明電極、有機発光層、光取り出し性能を有する第2の透明電極をこの順に有する積層体と、該積層体の第2の光取り出し層に対向して、間隔を有して設けられた、表面が曲率半径Rの球面状の反射体とを有する有機電界発光素子(素子の概略図を図16に示す)を想定し、シミュレーションを行った。
図16の素子は、透明基板1、光取り出し性能を有する第1の透明電極2、有機発光層を含む有機層21、及び光取り出し性能を有する第2の透明電極4をこの順に有する積層体と、前記有機発光部20に対向して、間隔を有して設けられた、表面が曲率半径Rの球面状の反射体6とを有する。
計算モデル4の構成は以下のとおりである。
空気/透明基板(屈折率n=1.5、減衰係数k=0、厚み1mm)/光取り出し性能を有する第1の透明電極(微粒子拡散散乱膜。バインダーポリマーの屈折率nb=1.8、減衰係数k=0。架橋アクリル系粒子の一次粒子径(φ)=1.5μm、屈折率np=1.49、減衰係数k=0、微粒子の体積充填率50%。散乱膜膜厚5μm)/有機発光層を含む有機層(屈折率n=1.8、吸収率10%、膜厚2μm、発光領域は2mm×2mmの正方形(図16の斜線部分))/光取り出し性能を有する第2の透明電極(微粒子拡散散乱膜。バインダーポリマーの屈折率nb=1.8、減衰係数k=0。架橋アクリル系粒子の一次粒子径1.5μm、屈折率np=1.49、減衰係数k=0、微粒子の体積充填率50%。散乱膜膜厚5μm)/空気層(屈折率n=1.0、k=0、ギャップ距離D/表面が曲率半径Rの球面状のAg反射体(屈折率n=0.18、減衰係数k=3.4)
有機発光層は、積層体の積層方向における平面視において、形状が正方形となるように形成し、該正方形の辺長をWとした。
また、積層体の積層方向における平面視において、反射体の中心が有機発光層の中心と重なるものとした。
計算モデル4について、“空気ギャップD/有機発光層の辺長W”、と、“反射体凸面構造の曲率半径R”をパラメーターとして、計算モデル3と同じようにシミュレーションを行い、計算モデル1の光取り出し効率に対する光取り出し効率の倍率を求めた。
5.低屈折率層の屈折率による光取り出し効率の向上、凸面構造反射体(計算モデル5)
透明基板、光取り出し性能の有する第1の透明電極、有機発光層、及び第2の透明電極をこの順に有する積層体と、該積層体の透明基板に対して第2の透明電極側に、前記積層体と間隔を有して設けられた、表面が曲率半径Rの球面状の反射体とを有し、前記積層体と反射体との間に低屈折率層を有する有機電界発光素子(素子の概略図を図19に示す)を想定し、シミュレーションを行った。
図19の素子は、透明基板1、光取り出し性能の有する第1の透明電極2、有機発光層、及び第2の透明電極を含む有機発光部20をこの順に有する積層体と、前記有機発光部20に対向して、間隔を有して設けられた、表面が曲率半径Rの球面状の反射体5とを有し、前記積層体と反射体5との間に低屈折率層22を有する。
計算モデル5の構成は以下のとおりである。
空気/透明基板(屈折率n=1.5、減衰係数k=0、厚み1mm)/光取り出し性能を有する第1の透明電極(微粒子拡散散乱膜。バインダーポリマーの屈折率nb=1.8、減衰係数k=0。架橋アクリル系粒子の一次粒子径(φ)=1.5μm、屈折率np=1.49、減衰係数k=0、微粒子の体積充填率50%。散乱膜膜厚5μm)/透明電極を含む有機発光部(屈折率n=1.8、吸収率10%、膜厚2μm、発光領域は2mm×2mmの正方形(図19の斜線部分))/低屈折率層(屈折率n=1.0〜1.8、減衰係数k=0、ギャップ距離D=W=50mm)/表面が曲率半径Rの球面状のAg反射体(屈折率n=0.18、減衰係数k=3.4、凸面曲率R=0.75W)
有機発光層は、積層体の積層方向における平面視において、形状が正方形となるように形成し、該正方形の辺長をW(=50mm)とした。
また、積層体の積層方向における平面視において、反射体の中心が有機発光層の中心と重なるものとした。
計算モデル5について、低屈折率層の屈折率をパラメーターとして、光取出し効率を計算した。シミュレーションを行い、計算モデル1の光取出し効率に対する光取出し効率の倍率を求めた。
6.低屈折率層の屈折率による光取り出し効率の向上、平面状の反射体(計算モデル6)
透明基板、光取り出し性能の有する第1の透明電極、有機発光層、及び第2の透明電極をこの順に有する積層体と、該積層体の透明基板に対して第2の透明電極側に、前記積層体と間隔を有して設けられた、平面状の反射体とを有し、前記積層体と反射体との間に低屈折率層を有する有機電界発光素子(素子の概略図を図20に示す)を想定し、シミュレーションを行った。
図20の素子は、透明基板1、光取り出し性能の有する第1の透明電極2、有機発光層、及び第2の透明電極を含む有機発光部20をこの順に有する積層体と、前記有機発光部20に対向して、間隔を有して設けられた、平面状の反射体5rとを有し、前記積層体と反射体5rとの間に低屈折率層を有する。
計算モデル6の構成は以下のとおりである。
空気/透明基板(屈折率n=1.5、減衰係数k=0、厚み1mm)/光取り出し性能を有する第1の透明電極(微粒子拡散散乱膜。バインダーポリマーの屈折率nb=1.8、減衰係数k=0。架橋アクリル系粒子の一次粒子径(φ)=1.5μm、屈折率np=1.49、減衰係数k=0、微粒子の体積充填率50%。散乱膜膜厚5μm)/透明電極を含む有機発光部(屈折率n=1.8、吸収率10%、膜厚2μm、発光領域は2mm×2mmの正方形(図20の斜線部分))/低屈折率層(屈折率n=1.0〜1.8、減衰係数k=0、ギャップ距離D=W=50mm)/平面状のAg反射体(屈折率n=0.18、減衰係数k=3.4)
有機発光層は、積層体の積層方向における平面視において、形状が正方形となるように形成し、該正方形の辺長をW(=50mm)とした。
計算モデル6について、低屈折率層の屈折率をパラメーターとして、光取出し効率を計算した。シミュレーションを行い、計算モデル1の光取出し効率に対する光取出し効率の倍率を求めた。
<シミュレーション結果>
図17には、計算モデル2〜計算モデル4について、空気ギャップD/素子の辺長Wをパラメーターとしてに対して、平面Ag反射体と表面が曲率半径Rの球面状のAg反射体の素子の光取り出し効率向上の結果を纏めた。平面Ag反射体の場合は、各空気ギャップ
Dで素子モデルの光取り出し効率を求めた。凸表面が曲率半径Rの球面状のAg反射体(層)の場合は、曲率半径Rを変化させ、各空気ギャップDの最適な曲率半径Rで光取り出し効率を求めた。より詳細には、計算モデル3と計算モデル4に対して、各々空気ギャップDの時、凸面の曲率半径Rを変化させて、素子の光取出し効率を計算し、光取出し効率が最大となる曲率半径Rを求め、該曲率半径Rにおける空気ギャップDの最適化した光取出し効率を求めた。
空気層があるだけで、空気ギャップの距離DがWに対して小さいと、光取り出し効率の向上は不十分であることがわかった。平面Ag反射体と表面が曲率半径Rの球面状のAg反射体の素子のそれぞれのモデルでも、空気ギャップの距離Dは有機EL素子辺長Wの0.5倍未満の時は光取り出し効率の向上は不十分であり、空気ギャップの距離Dは有機EL素子辺長Wの0.5倍以上になると、光取り出し効率の向上倍率は安定するようになる。
また、空気ギャップの距離Dは有機EL素子辺長Wの0.25倍より小さい場合、凸面構造反射体(層)の構成の有機EL素子の光取り出し効率の向上は平面反射体とあまり変らない、或は、平面反射体構成より低い。しかし、空気ギャップの距離Dは有機EL素子辺長Wの0.25倍以上になると、表面が曲率半径Rの球面状の反射体の光取り出し効率の向上倍率が平面反射体より大きくなる。空気ギャップの距離Dは有機EL素子辺長Wの0.5倍より大きくなると、凸面構造がある反射体の光取り出し効率の向上倍率と平面反射体の間の差が安定化する。
図18には、例として、計算モデル3について、表面が曲率半径Rの球面状の反射体の球面の曲率半径R/素子の辺長Wをパラメーターとしているとき、空気ギャップの距離Dを変化させて最適化した曲率半径R/素子の辺長Wの範囲を示した。より詳細には、計算モデル3に対して、凸面の曲率半径Rをパラメーターとした時、空気ギャップDを変化させて最適化し、該最適なDにおける素子の最適化した光取出し効率を計算する。表面が曲率半径Rの球面状の反射体の曲率半径R/素子の辺長Wは0.1〜3が好ましく、0.2〜1.5がより好ましい。
図21に、計算モデル5及び6の結果を示した。より詳細には、計算モデル5及び6に対して、低屈折率層の屈折率をパラメーターとした時、光取り出し効率の倍率の関係を示した。
図21より、低屈折率層の屈折率が1.6以下であると、光取り出し効率の倍率が向上し、屈折率が1.3以下であるとより好ましく、低屈折率層が空気層の場合に最も好ましいことが分かる。
また、図21より、反射体が、球面状の凸構造を有する反射体の場合は、平面状の反射体の場合よりも、効果的であることが分かった。
<有機電界発光素子の作製例>
以下、本発明の有機電界発光素子の作製例を具体的に示すが、これらは一例であって、本発明はこれらの具体例に限定されない。
[実施例1]
図7に実施例1の有機電界発光素子の概略図を示す。図7の有機電界発光素子100は、透明基板1、光取り出し性能を有する第1の透明電極2、有機発光層、及び第2の透明電極を含む有機発光部20とこの順に有する積層体と、有機発光部20に対向するように、間隔有して設けられた反射体5とを有する。反射体5の有機発光部20側の表面は、反射体5と有機発光部20との距離が最も短い点を1つ有し、その点から離れるにつれて、反射体5と有機発光部20との距離が単調に増加する形状を有している。
図7における積層体の積層方向から平面視において、反射体5が有機発光層の全体を覆っている。
図7の有機電界発光素子は、前記反射体5とは別の第2の反射体6を有している。第2の反射体6は、反射体5により反射された光を更に反射させることができ、有機電界発光
素子のサイズを小さくしても光取り出し効率を向上させることができるため、省スペース化に寄与する。第2の反射体6は平板反射体である。第2の反射体6は、透明基板1と反射体5とに接して設けられている。透明基板1と反射体5と第2の反射体6とで前記積層体は封止されているため、外部からの水分などの浸入を防ぐことができる。
[実施例2]
図8に実施例2の有機電界発光素子の概略図を示す。図8の有機電界発光素子100は、実施例1の有機電界発光素子において、第2の透明電極4を、光取り出し性能を有する第2の透明電極8としたものである。
[実施例3]
図9に実施例3の有機電界発光素子の概略図を示す。図9の有機電界発光素子100は、実施例1の有機電界発光素子において、封止缶8の内側に反射体5を形成し、透明基板1と封止缶8とを接して配置することで、前記積層体は封止し、外部からの水分などの浸入を防ぐことができる。
また、反射体5は、封止缶8の底部との間に空洞を有するように形成されており、前記空洞には乾燥剤を封入している。乾燥剤を反射体5と封止缶9の間に封入することで、乾燥剤による光の吸収や光路妨害を避けることができる。
[実施例4]
図10に実施例4の有機電界発光素子の概略図を示す。図10の有機電界発光素子100は、実施例3の有機電界発光素子において、第2の透明電極4を、光取り出し性能を有する第2の透明電極8としたものである。
[実施例5]
図11に実施例5の有機電界発光素子の概略図を示す。図11の有機電界発光素子100は、実施例1の有機電界発光素子において、第2の反射体6を、透明基板1と鋭角をなすように配置し(反射体5とは鈍角をなすように配置し)たものである。このように第2の反射体6を配置することで、透明基板1側に反射される光の量を多くすることができ、光取り出し効率の向上に寄与する。
[実施例6]
図12に実施例6の有機電界発光素子の概略図を示す。図12の有機電界発光素子100は、実施例5の有機電界発光素子において、第2の透明電極を、光取り出し性能を有する第2の透明電極としたものである。
以下、各部材の具体的な作製方法について説明する。
(光取り出し性能を有する透明電極用導電層塗布液1の調製)
PEDOT−PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)、屈折率:1.5)(CLEVIOSTM)に酸化チタン粒子(平均粒径150nm以下)が分散されたスラリー材をドープし、オムニミキサーにて十分に攪拌し導電性バインダ材料を得る。
PEDOT−PSSと酸化チタン粒子の体積割合は必要な屈折率が得られる割合とすればよく、純粋な酸化チタンではPEDOT:酸化チタン=7:3〜6:4程度となるが、混合物、シェルコア構造を持った粒子では必要な屈折率が得られるよう適宜割合を調整すればよい。
酸化チタンの代わりに屈折率の高い透明な粒子(例えば酸化ジルコニウム粒子等、粒状の透明材料)やスラリーやゾル状態のものを加えても良い。
続いて、光拡散微粒子(一次粒子径1.5μmの架橋アクリル系粒子)「材料名:MX
−150」をスターラーにて攪拌しながら前記「導電性バインダ材料」にドープする。更にオムニミキサーにて拡散粒子を十分に分散させる。
架橋アクリル系等の樹脂粒子の代わりに径が1〜10μm程度の無機材料(酸化ジルコニウム、酸化チタン等)を加えても良い。
導電性バインダの屈折率は1.8(PEDOT−PSS+酸化チタンスラリー)、拡散粒子の屈折率は1.49(架橋アクリル系粒子の場合)で屈折率差が十分に大きく、薄膜でも光取り出しに十分な拡散を得る。
導電性バインダ材料と拡散粒子の体積比は導電性バインダ:拡散粒子MX−150では50:50程度であるが平坦性を考慮し70:30〜80:20程度まで落としても良い。
(第1の透明電極を形成する第2の層(平坦化層)用導電層塗布液2の調製)
PEDOT−PSS(CLEVIOSTM)に酸化チタン粒子(平均粒径150nm以下)が分散されたスラリー材をドープし、オムニミキサーにて十分に攪拌し導電性バインダ材料を得る。
PEDOT−PSSと酸化チタン粒子の体積割合は必要な屈折率が得られる割合とすればよく、酸化チタンでは7:3〜6:4程度となる。
酸化チタンの代わりに屈折率の高い透明な粒子(例えば酸化ジルコニウム粒子等、粒状の透明材料)を加えても良い。
(ガラス基板表面処理)
ガラス基板はシランカップリング処理を行い、光取り出し性能を有する第1の透明電極−ガラス間の密着性を高める。
(フォトリソ補助配線の成膜)
光取り出し性能を有する第1の透明電極(第1の透明電極を形成する第1の層)または第1の透明電極を形成する第2の層(平坦化層)成膜後、真空蒸着機にて補助配線としてアルミニウムを200nmないし100nm成膜した。
フォトリソ工程により、補助配線形状に形成した。
補助配線の形成は下記マスクによる方法であってもよい。
(マスク補助配線の成膜)
光取り出し性能を有する第1の透明電極(第1の透明電極を形成する第1の層)または第1の透明電極を形成する第2の層(平坦化層)成膜後、真空蒸着機にて補助配線としてアルミニウムを200nm、金属マスクにより成膜する。マスクにより、エッチングで得られる配線形状より丸みを帯びた形状となる。
(光取り出し性能を有する第1の透明電極の成膜)
前記光取り出し性能を有する透明電極用導電層塗布液1をエッジコーターにて1〜40μm、前記透明基板上に塗布する。
塗布後、環境120℃内で乾燥、硬化させ、光取り出し性能を有する第1の透明電極を得た。
(第1の透明電極を形成する第2の層(平坦化層)の成膜)
光取り出し性能を有する第1の透明電極の表面の凹凸の度合いによっては第1の透明電極を形成する第2の層(平坦化層)用導電層塗布液2を光取り出し性能を有する第1の透明電極上に塗布しても良い。
第1の透明電極を形成する第2の層(平坦化層)により、平坦性の確保のほか、拡散効果の調整にも使用できる。第1の透明電極(第1の透明電極を形成する第1の層)と第1の透明電極を形成する第2の層(平坦化層)の屈折率を変えても良い。
(有機層の作成)
前記、手法で作成した第1の透明電極(第1の透明電極を形成する第1の層)又は第1の透明電極を形成する第2の層(平坦化層)上に、真空蒸着装置により、HAT−CNを10nm、下記構造式で表される4,4’,4”−トリス(N,N−(2−ナフチル)−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)(99.8%)と下記構造式で表されるF4−TCNQ(0.2%)を厚みが150nmになるように共蒸着させ、正孔注入層を形成した。
次に、前記正孔注入層上に、正孔輸送層としてα−NPD(Bis[N−(1−naphthyl)−N−phenyl]benzidine)を厚みが7nmとなるように真空蒸着法にて形成した。
次に、前記正孔輸送層上に、下記構造式で表される有機材料Aを真空蒸着して、厚み3nmの第2の正孔輸送層を形成した。
次に、第2の正孔輸送層上に、ホスト材料として下記構造式で表される有機材料Bと、該有機材料Bに対して40質量%の燐光発光材料である下記構造式で表される発光材料Aをドープした有機発光層を30nmの厚みに真空蒸着した。
次に、有機発光層上に電子輸送層として下記構造式で表されるBAlq(Bis−(2−methyl−8−quinolinolato)−4−(phenyl−phenolate)−aluminium(III))を厚みが39nmとなるように真空蒸着した。
次に、電子輸送層上に、下記構造式で表されるBCP(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)を電子注入層として、厚みが1nmとなるように蒸着した。
次に、電子注入層上にバッファ層としてLiFを厚みが1nm、その上に光取り出し性能を有する透明電極用導電層塗布液1を用いて光取り出し性能を有する第2の透明電極を形成した。また、陰極としての機能を実現するために、前記バッファ層の上、又は第2の透明電極の上に、1nm〜10nmのAlやAgの薄膜を蒸着することもできる。
作製した積層体を、真空から窒素雰囲気下の部屋に移し、封止缶にて封止する。なお、封止缶の内側には予め吸湿材を貼っておいた。
Figure 2014013712
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(第2の透明電極の成膜)
PEDOT−PSS(CLEVIOSTM)、もしくはPEDOT−PSS(CLEVIOSTM)に酸化チタン粒子(平均粒径150nm以下)が分散されたスラリー材をドープし、オムニミキサーにて十分に攪拌したものを塗布液とする。これを、エッジコーターにて有機層上に塗布した。
なお、第2の透明電極を光取り出し性能を有するものとする場合は、光取り出し性能を有する第1の透明電極と同様に光拡散性微粒子を添加すればよい。
(反射体の作製、及び封止)
1.凸面がある封止パッケージ(実施例1、2、5、6)
封止パッケージに所望の凸構造を形成する方法としてMIM法:金属粉末射出成形法)/Metal Injection Molding が良く知られている。
MIM法を用いて底部に凸面の形状をパッケージ成型時に形成した後に高い反射率の金属(Al等)をコートすることによって底部に凸形状反射ミラーを持つ封止パッケージが得られる。このパッケージに有機電界発光素子を実装することによって所望の構造の反射体を得ることができる。
2.乾燥剤を凸部に封入する場合(実施例3、4)
上記1の方法では乾燥剤を凸部に封入することができない。この構成の場合、樹脂を射出成型してへこみを持った凸部を形成した後に凸側に高い反射率の金属(Al等)をコートすることによって反射ミラー部材を形成する。この反射ミラーをパッケージに接着固定する際にへこみ部分に乾燥剤を挿入することによって乾燥剤を挿入した凸部ミラーを持ったパッケージが得られる。このパッケージに有機電界発光素子を実装することによって所望の構造を得ることができる。
1 透明基板
2 光取り出し性能を有する第1の透明電極
3 有機発光層
4 第2の透明電極
5、5r 反射体
6 第2の反射体
7 封止缶
8 光取り出し性能を有する第2の透明電極
10 積層体
20 有機発光部(透明電極と有機発光層を含む)
21 有機層(有機発光層を含む)
22 低屈折率層
100 有機電界発光素子
a〜h 光線
P 中心点

Claims (24)

  1. 透明基板、第1の透明電極、有機発光層、及び第2の透明電極をこの順に有する積層体と、
    前記積層体の、透明基板に対して第2の透明電極を有する側に、前記積層体と間隔を有して設けられた、有機発光層で発生した光を反射させる反射体とを有し、
    前記第1の透明電極は、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を少なくとも1種含有する透明導電層であり、
    前記反射体の前記積層体側の表面は、反射体と積層体との距離が最も短い点又は線を1つ有し、その点又は線から離れるにつれて、反射体と積層体との距離が単調に増加する形状を有し、
    前記積層体の積層方向における平面視において、前記反射体が前記有機発光層の全体を覆っている、有機電界発光素子。
  2. 前記積層体と前記反射体との間に、有機発光層の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が存在する、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記低屈折率層が空気層である請求項2に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記反射体の形状が、球面状、円錐状、角錐状、又は三角柱状である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  5. 前記反射体の前記積層体側の表面が、反射体と積層体との距離が最も短い点又は線を1つ有し、その点又は線から離れるにつれて、反射体と積層体との距離が連続的に増加する形状を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  6. 前記有機発光層の前記反射体側の面積をSとし、
    前記積層体の表面と前記反射体との距離の最大値をDとした場合、
    √SとDが、下記式(1)を満たす、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
    0.3≦D/√S 式(1)
  7. 前記積層体の積層方向における平面視において、前記有機発光層の形状が正方形であり、該正方形の一辺の長さをWとし、
    前記積層体の表面と前記反射体との距離の最大値をDとした場合、
    WとDが、下記式(2)を満たす、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
    0.5≦D/W 式(2)
  8. 前記反射体の表面が球面状である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  9. 前記積層体の積層方向における平面視において、前記有機発光層の形状が正方形であり、該正方形の一辺の長さをWとし、
    前記反射体の表面の曲率半径をRとした場合、
    WとRが下記式(3)を満たす、請求項8に記載の有機電界発光素子。
    0.1≦R/W≦3 式(3)
  10. 前記反射体が、金属材料、又は、反射率が90%以上の拡散反射板で構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  11. 前記第1の透明電極が前記一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子と、導電性マトリックスを含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  12. 前記第1の透明電極が一次粒子径が100nm以下の粒子を更に含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  13. 前記第1の透明電極における、前記一次粒子径が100nm以下の粒子の屈折率が、前記導電性マトリックスの屈折率に比べて高い、請求項12に記載の有機電界発光素子。
  14. 前記第1の透明電極が、前記一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子と、導電性高分子を含む組成物を前記透明基板上に塗布し、乾燥して得られたものである、請求項11〜13のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  15. 前記反射体により反射された光を、前記透明基板側に更に反射させる第2の反射体を有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  16. 前記第2の反射体が、前記反射体と前記透明基板とに接して設けられている、請求項15に記載の有機電界発光素子。
  17. 前記第2の反射体が、前記透明基板と鋭角をなして設けられている、請求項16に記載の有機電界発光素子。
  18. 前記反射体が、前記積層体を封止する封止缶内に設けられている、請求項1〜17のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  19. 前記反射体が、前記封止缶内に、反射体と封止缶の間に空洞を有して設けられ、前記空洞に乾燥剤を有する、請求項18に記載の有機電界発光素子。
  20. 前記第2の透明電極が、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を少なくとも1種含有する透明導電層である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  21. 前記第1の透明電極が、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を少なくとも1種含有する第1の層と、一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を含まず、一次粒子径が100nm以下の粒子を含む第2の層との二層からなる、請求項1〜20のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
  22. 前記第1の透明電極を構成する第2の層の構成成分の屈折率と、前記第1の透明電極を構成する第1の層の構成成分から一次粒子径が0.5μm以上の透明な粒子を除いた成分の屈折率との差の絶対値が0.02以下である、請求項21に記載の有機電界発光素子。
  23. 請求項1〜22のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を含む面光源。
  24. 請求項1〜22のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を含む照明装置。
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