JP2014012808A - 粘着剤組成物、及び粘着シート - Google Patents

粘着剤組成物、及び粘着シート Download PDF

Info

Publication number
JP2014012808A
JP2014012808A JP2012257276A JP2012257276A JP2014012808A JP 2014012808 A JP2014012808 A JP 2014012808A JP 2012257276 A JP2012257276 A JP 2012257276A JP 2012257276 A JP2012257276 A JP 2012257276A JP 2014012808 A JP2014012808 A JP 2014012808A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
sensitive adhesive
weight
monomer
adherend
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012257276A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaoru Miki
香 三木
Michihito Niwa
理仁 丹羽
Masahito Fujita
雅人 藤田
Takahiro Nonaka
崇弘 野中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2012257276A priority Critical patent/JP2014012808A/ja
Priority to TW102114867A priority patent/TW201402744A/zh
Priority to US13/870,240 priority patent/US20130289210A1/en
Priority to KR1020130046932A priority patent/KR20130121759A/ko
Priority to CN2013101531268A priority patent/CN103374274A/zh
Publication of JP2014012808A publication Critical patent/JP2014012808A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J133/00Adhesives based on homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides, or nitriles thereof; Adhesives based on derivatives of such polymers
    • C09J133/04Homopolymers or copolymers of esters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J139/00Adhesives based on homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a single or double bond to nitrogen or by a heterocyclic ring containing nitrogen; Adhesives based on derivatives of such polymers
    • C09J139/04Homopolymers or copolymers of monomers containing heterocyclic rings having nitrogen as ring member
    • C09J139/06Homopolymers or copolymers of N-vinyl-pyrrolidones
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J11/00Features of adhesives not provided for in group C09J9/00, e.g. additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J133/00Adhesives based on homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides, or nitriles thereof; Adhesives based on derivatives of such polymers
    • C09J133/04Homopolymers or copolymers of esters
    • C09J133/06Homopolymers or copolymers of esters of esters containing only carbon, hydrogen and oxygen, the oxygen atom being present only as part of the carboxyl radical
    • C09J133/062Copolymers with monomers not covered by C09J133/06
    • C09J133/066Copolymers with monomers not covered by C09J133/06 containing -OH groups

Abstract

【課題】本発明の目的は、−30℃程度から室温にかけての温度で粘着性に優れ、かつ−50℃程度以下でリワーク性を有する粘着剤層を形成する粘着剤組成物を提供することにある。
【解決手段】本発明の粘着剤組成物は、モノマー成分を重合して得られたアクリル系ポリマー、又は上記モノマー成分の部分重合物を含む粘着剤組成物であって、上記モノマー成分は、(メタ)アクリル酸C10-13アルキルエステルと、カルボキシル基を除く極性基含有モノマーとを含み、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が、上記モノマー成分全量に対して40重量%以上80重量%未満であり、上記極性基含有モノマーの含有量が、上記モノマー成分全量に対して7重量%以上であり、上記モノマー成分における、上記極性基含有モノマー及び脂環式モノマーの合計含有量が、上記モノマー成分全量に対して15重量%以上であることを特徴としている。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物に関する。また、本発明は、上記粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着シートに関する。
近年、様々な分野で、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置や、タッチパネルなどの上記表示装置と組み合わせて用いられる入力装置が広く用いられるようになってきた。これらの表示装置や入力装置の製造等においては、光学部材を貼り合わせる用途に透明な粘着シートが使用されている。例えば、タッチパネルやレンズなどと表示装置(LCD等)との貼付に、透明な粘着シートが使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2003−238915号公報 特開2003−342542号公報 特開2004−231723号公報
上記用途に使用される粘着シートについては、室温(23℃)付近だけでなく、−30℃程度の低温でも使用中に粘着シートにより貼り合わされた部材が剥離しないために、−30℃でも粘着できる特性(粘着性)に優れることが要求されてきている。また、近年、光学部材同士を貼り合わせた後、貼り直し等が必要となった場合に、再剥離(リワーク)(特に低温での再剥離)させたいとの要求が高まってきている。特に、−30℃程度でも粘着性に優れ、且つ−50℃程度以下などの−30℃より低い温度で再剥離させたいとの要求が高まってきている。
しかしながら、従来の再剥離が可能な粘着シートは、室温(23℃)付近では粘着性に優れるものの、−30℃程度では粘着力が低減し、被着体から剥離する場合があった。すなわち、−30℃程度から室温(23℃)にかけての幅広い温度で粘着性に優れ、かつ−50℃程度以下などの低い温度で再剥離させられる(リワーク性を有する)粘着シートは知られていないのが現状である。
なお、−30℃程度から室温(23℃)にかけての幅広い温度における粘着性や、−50℃程度以下におけるリワーク性は、光学部材と貼り合わせる用途に限らず、様々な用途で求められている。
従って、本発明の目的は、−30℃程度から室温(23℃)にかけての温度で粘着性に優れ、かつ−50℃程度以下でリワーク性を有する粘着剤層を形成する粘着剤組成物を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、特定のモノマーを特定の割合で含むモノマー成分を重合して得られたアクリル系ポリマー又は部分重合物を含む粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する粘着シートが、−30℃程度から室温(23℃)にかけての温度で粘着性に優れ、かつ−50℃程度以下でリワーク性を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、モノマー成分を重合して得られたアクリル系ポリマー、又は上記モノマー成分の部分重合物を含む粘着剤組成物であって、上記モノマー成分は、炭素数が10〜13であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、カルボキシル基を除く極性基含有モノマーとを含み、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が、上記モノマー成分全量(100重量%)に対して40重量%以上80重量%未満であり、上記極性基含有モノマーの含有量が、上記モノマー成分全量(100重量%)に対して7重量%以上であり、上記モノマー成分における、上記極性基含有モノマー及び脂環式モノマーの合計含有量が、上記モノマー成分全量(100重量%)に対して15重量%以上であることを特徴とする粘着剤組成物を提供する。
上記極性基含有モノマーは、ヒドロキシル基含有モノマー及び窒素原子含有モノマーからなる群より選ばれた1種以上のモノマーであることが好ましい。
また、本発明は、上記粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する粘着シートを提供する。
上記粘着剤層中の、上記アクリル系ポリマーの含有量が50重量%以上であることが好ましい。
上記粘着シートは、光学用粘着シートであることが好ましい。
また、本発明は、下記−30℃における剥離試験では、被着体A及び被着体Bのうちの少なくとも一方が破損するが、下記−50℃における剥離試験では、被着体Aと被着体Bとを破損することなく剥離できる両面粘着シートを提供する。
−30℃における剥離試験:両面粘着シート(サイズ:長さ30mm×幅26mm)の一方の粘着面を下記被着体Aの表面に貼り付け、他方の粘着面を下記被着体Bの表面に貼り付けて、被着体A/両面粘着シート/被着体Bの構成を有する試験片を作製し、該試験片を、圧力5atm、温度50℃の条件で15分間処理し、−30℃の環境下で30分静置した後、−30℃の環境下、上記被着体Aを固定し、上記被着体Bを上記被着体Aの表面に対して垂直方向に引っ張り、被着体Aと被着体Bとを剥離する。
−50℃における剥離試験:両面粘着シート(サイズ:長さ30mm×幅26mm)の一方の粘着面を下記被着体Aの表面に貼り付け、他方の粘着面を下記被着体Bの表面に貼り付けて、被着体A/両面粘着シート/被着体Bの構成を有する試験片を作製し、該試験片を、圧力5atm、温度50℃の条件で15分間処理し、−50℃の環境下で30分静置した後、−50℃の環境下、上記被着体Aを固定し、上記被着体Bを上記被着体Aの表面に対して垂直方向に引っ張り、被着体Aと被着体Bとを剥離する。
被着体A:ガラス板(厚さ0.7mm、サイズ:長さ100mm×幅50mm)
被着体B:スライドガラス(厚さ1.0〜1.3mm、サイズ:長さ76mm×幅26mm)
本発明の粘着剤組成物は、上記構成を有するため、−30℃程度から室温(23℃)にかけての温度で粘着性に優れ、かつ−50℃程度以下でリワーク性を有する粘着剤層を形成できる。また、本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する本発明の粘着シートは、−30℃程度から室温(23℃)にかけての温度で粘着性に優れ、かつ−50℃程度以下でリワーク性を有する。
図1は、実施例におけるガラス/ガラスリワーク性の評価に用いた評価用サンプルを示す概略図(平面図)である。 図2は、実施例におけるガラス/ガラスリワーク性の評価に用いた凧糸を引っ掛けた状態の評価用サンプルを示す概略図(A−A断面図)である。 図3は、実施例におけるフィルムT型剥離試験に用いた評価用サンプルを示す概略図(断面図)である。 図4は、実施例におけるフィルムT型剥離試験に用いた評価用サンプルを示す概略図(平面図)である。
[粘着剤組成物]
本発明の粘着剤組成物は、モノマー成分を重合して得られたアクリル系ポリマー、又は上記モノマー成分の部分重合物を含む。上記粘着剤組成物は、必要に応じて、重合開始剤、シランカップリング剤、オリゴマー、架橋剤、溶剤、添加剤を含有していてもよい。
モノマー成分の部分重合物を含む粘着剤組成物としては、例えば、いわゆる活性エネルギー線硬化型の粘着剤組成物などが挙げられる。モノマー成分を重合して得られたアクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物としては、例えば、いわゆる溶剤型の粘着剤組成物などが挙げられる。
上記「モノマー成分の部分重合物」とは、モノマー成分のうち1又は2以上の成分が部分的に重合した物を意味する。すなわち、例えば、モノマー成分と該モノマー成分の部分重合物との混合物などが挙げられる。
(アクリル系ポリマー)
上記アクリル系ポリマーは、上記モノマー成分から構成(形成)される。上記モノマー成分は、炭素数が10〜13であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(「(メタ)アクリル酸C10-13アルキルエステル」と称する場合がある。)と、カルボキシル基を除く極性基含有モノマー(以下、単に「極性基含有モノマー」と称する場合がある。)とを含む。すなわち、上記アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸C10-13アルキルエステルと、カルボキシル基を除く極性基含有モノマーとを必須のモノマー成分として構成される。
なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」(「アクリル」及び「メタクリル」のうち一方又は両方)を意味し、以下も同様である。また、「アルキル基」は、特に断りのない限り、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を意味する。
また、本明細書において、極性基含有モノマーとは、特に断らない限り、カルボキシル基を含有するモノマーを除く極性基含有モノマー(分子内にカルボキシ基を除く極性基を有するモノマー)を指すものとする。
上記(メタ)アクリル酸C10-13アルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシルが挙げられる。中でも、アクリル酸ドデシル(ラウリルアクリレート)が好ましい。上記(メタ)アクリル酸C10-13アルキルエステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記モノマー成分中に、上記極性基含有モノマーを含ませることによって、当該極性基含有モノマーが適度な極性を有するため、上記粘着剤組成物から形成された粘着剤層は、適度な粘着力を発現できる。
上記極性基含有モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、極性基を有するエチレン性不飽和モノマーが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニルアルコール、アリルアルコールなどのヒドロキシル基(水酸基)含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有モノマー;アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾールなどの複素環含有ビニル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェートなどのリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマーなどが挙げられる。上記極性基含有モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記極性基含有モノマーとしては、特に限定されないが、経時と共に粘着力が高くなりすぎることを抑制できる観点から、ヒドロキシル基含有モノマー及び窒素原子含有モノマーからなる群より選ばれた少なくとも1のモノマー(ヒドロキシル基含有モノマー及び窒素原子含有モノマーからなる群より選ばれた1種以上のモノマー)が好ましい。中でも、適度な粘着力を発現し、かつ室温で適度な弾性率を有する(段差吸収性に優れる)という観点からヒドロキシル基含有モノマー及び窒素原子含有モノマーを共に含むことが好ましい。
上記窒素原子含有モノマーは、分子内に少なくとも1個の窒素原子を有するモノマーである。上記窒素原子含有モノマーとしては、例えば、上記アミド基含有モノマーや上記複素環含有ビニル系モノマーのうち窒素原子を含有するものなどが挙げられ、中でも、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、N−ビニルカプロラクタム(NVC)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)が好ましい。
経時と共に粘着力が高くなりすぎることを抑制できることに加え、偏光板に対する粘着力が増すという観点から、上記窒素原子含有モノマーとしては、例えば、第三級アミノ基を含む窒素原子含有モノマー(第三級アミノ基含有モノマー)が好ましく、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA)、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)が特に好ましい。
上記ヒドロキシル基含有モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。
上記モノマー成分は、さらに、脂環式モノマーを含んでいてもよい。すなわち、上記モノマー成分は、必要に応じて脂環式モノマーを含んでいてもよい。上記脂環式モノマーは、芳香族化合物を除く脂環式化合物であり、分子内に非芳香族性環を有するモノマーである。上記非芳香族性環としては、非芳香族性脂環式環(シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環などのシクロアルカン環;シクロヘキセン環などのシクロアルケン環など)、非芳香族性橋かけ環(例えば、ピナン、ピネン、ボルナン、ノルボルナン、ノルボルネンなどにおける二環式炭化水素環;アダマンタンなどにおける三環式炭化水素環の他、四環式炭化水素環などの橋かけ式炭化水素環など)などが挙げられる。
上記脂環式モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、(メタ)アクリル酸シクロオクチルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどの二環式炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステル;トリシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートなどの三環以上の炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。上記脂環式モノマーとしては、アクリル酸シクロヘキシル(CHA)、メタクリル酸シクロヘキシル(CHMA)、アクリル酸イソボルニル(IBXA)、メタクリル酸イソボルニル(IBXMA)が好ましい。上記脂環式モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記モノマー成分は、室温での適度な粘着力発現と−50℃程度以下でのリワーク性に一層優れるという観点から、極性基含有モノマー及び脂環式モノマーを含むことが好ましい。
上記モノマー成分は、被着体が金属や金属酸化物(例えば、ITOフィルムなどの透明導電性フィルムの透明導電膜等)を含む場合に、被着体に腐食を生じさせにくくなり、常温での印刷段差等の段差を埋める性能(段差吸収性)が一層優れ、経時により粘着力が増大しにくくなるという観点から、カルボキシル基含有モノマーを実質的に含まないことが好ましい。なお、「実質的に含まない」とは、不可避的に混入する場合を除いて能動的に配合はしないことをいい、具体的には、モノマー成分中のカルボキシル基含有モノマーの含有量が、モノマー成分全量(100重量%)に対して、0.05重量%未満が好ましく、より好ましくは0.01重量%未満、さらに好ましくは0.001重量%未満である。上記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸(AA)、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、などが挙げられる。また、これらのカルボキシル基含有モノマーの酸無水物(例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー)も、カルボキシル基含有モノマーとして含まれるものとする。
上記モノマー成分は、さらに、多官能モノマーを含んでいてもよい。上記多官能モノマー(多官能性モノマー)としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなど)、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート(テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。中でも、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)が好ましい。上記多官能モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記モノマー成分は、上記(メタ)アクリル酸C10-13アルキルエステル、上記極性基含有モノマー、上記脂環式モノマー、上記多官能モノマー以外のモノマー(その他のモノマー)を含んでいてもよい。
その他のモノマーとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー、炭素数が1〜9であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(「(メタ)アクリル酸C1-9アルキルエステル」と称する場合がある)、炭素数が14〜24であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(「(メタ)アクリル酸C14-24アルキルエステル」と称する場合がある)などが挙げられる。また、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレンなどのオレフィン類又はジエン類;ビニルアルキルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニルなどが挙げられる。上記その他のモノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
なお、上記(メタ)アクリル酸C1-9アルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニルが挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸C14-24アルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸イソペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸イソヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸イソヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソオクタデシル、(メタ)アクリル酸ドコシル、(メタ)アクリル酸イソドコシル、(メタ)アクリル酸テトラコシル、(メタ)アクリル酸イソテトラコシル、が挙げられる。
モノマー成分中の上記(メタ)アクリル酸C10-13アルキルエステルの含有量は、上記モノマー成分全量(100重量%)に対して、40重量%以上80重量%未満であり、好ましくは45〜78重量%、より好ましくは50〜76重量%である。上記含有量を80重量%未満かつ40重量%以上とすることにより、上記アクリル系ポリマーを含む粘着剤層が、−30℃程度の低温でも粘着性が優れる。また、−50℃程度以下では、粘着力が低下し、再剥離が可能となる。
モノマー成分中に上記(メタ)アクリル酸C1-9アルキルエステルを含む場合、その含有量は、特に限定されないが、例えば、上記モノマー成分全量(100重量%)に対して、0重量%を超え40重量%以下が好ましく、より好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは10〜20重量%である。上記含有量を40重量%以下とすることにより、上記アクリル系ポリマーを含む粘着剤層が、より適度な弾性率を有し、常温(23℃程度)でより高い粘着力を発現することができる。
モノマー成分中の極性基含有モノマー及び脂環式モノマーの合計含有量は、上記モノマー成分全量(100重量%)に対して、15重量%以上(例えば、15〜50重量%)であり、好ましくは18〜40重量%、より好ましくは20〜30重量%である。上記含有量を15重量%以上とすることにより、上記アクリル系ポリマーを含む粘着剤層が、−30℃程度の低温でも粘着性が一層優れる。また、−50℃程度以下では、粘着力が一層低下しやすくなり、再剥離が一層容易となる。
なお、上記極性基含有モノマー及び脂環式モノマーの合計含有量とは、極性基含有モノマーのみを含む場合、極性基含有モノマーのみの含有量であり、極性基含有モノマー及び脂環式モノマーを含む場合は、極性基含有モノマー及び脂環式モノマーの合計含有量である。
モノマー成分中の上記極性基含有モノマーの含有量は、上記モノマー成分全量(100重量%)に対して、7重量%以上(例えば、7〜30重量%)であり、好ましくは8重量%以上25重量%以下、さらに好ましくは10〜20重量%である。上記含有量を7重量%以上30重量%以下とすることにより、−30℃程度から室温にかけての温度で粘着性に一層優れる。また、上記アクリル系ポリマーを含む粘着剤層が、経時と共に粘着力が高くなりすぎることを抑制できる場合がある。なお、モノマー成分中の、ヒドロキシル基含有モノマーの含有量及び窒素原子含有モノマーの含有量の合計量(合計含有量)が上記の範囲を満たすことがより好ましい。
上記極性基含有モノマーとして上記第三級アミノ基含有モノマーを含む場合、第三級アミノ基含有モノマーの含有量は、特に限定されないが、例えば、上記モノマー成分全量(100重量%)に対して、0重量%を超え10重量%以下が好ましく、より好ましくは0重量%を超え5重量%以下、さらに好ましくは0重量%を超え3重量%以下である。上記含有量を10重量%以下とすることにより、粘着剤層が黄変しにくくなる。
上記極性基含有モノマーに対する上記第三級アミノ基含有モノマーの割合は、特に限定されないが、例えば、上記極性基含有モノマーの総量(100重量%)に対して、0重量%を超え20重量%以下が好ましく、より好ましくは0重量%を超え18重量%以下、さらに好ましくは0重量%を超え16重量%以下である。上記極性基含有モノマーに、上記第三級アミノ基含有モノマーが含まれると、偏光板に対する粘着力が増す。
また、モノマー成分中の上記極性基含有モノマーの含有量は、上記モノマー成分全量(100重量%)に対して、15〜30重量%(さらに好ましくは20〜30重量%)であってもよい。極性基含有モノマーの含有量が、上記モノマー成分全量(100重量%)に対して、このような範囲であると、−30℃程度から室温にかけての温度で粘着性に一層優れ、経時と共に粘着力が高くなりすぎることを抑制できる場合がある上に、粘着剤の親水性が上がるために耐加湿白濁性とが向上し、弾性率が高くなるために加工性にも優れる。
モノマー成分中に脂環式モノマーを含む場合、その含有量は、特に限定されないが、例えば、上記モノマー成分全量(100重量%)に対して、0重量%を超え43重量%以下が好ましく、より好ましくは5〜35重量%、さらに好ましくは8〜30重量%、特に好ましくは10〜20重量%である。上記含有量を43重量%以下とすることにより、上記アクリル系ポリマーを含む粘着剤層が、より一層適度な弾性率を有し、常温(23℃程度)で一層高い粘着力を発現することができる。
モノマー成分中に上記多官能モノマーを含む場合、その含有量は、特に限定されないが、例えば、上記モノマー成分全量(100重量%)に対して、0重量%を超え1重量%以下が好ましく、より好ましくは0.001〜0.1重量%、さらに好ましくは0.01〜0.08重量%である。上記含有量を1重量%以下とすることにより、モノマー成分を重合して得られたアクリル系ポリマーのゲル分率が高くなりすぎることを抑制し、アクリル系ポリマーを含む粘着剤層の段差吸収性を向上させやすくなるため好ましい。なお、架橋剤を用いる場合には上記多官能モノマーを用いなくてもよいが、架橋剤を用いない場合には、多官能モノマーを上記の含有量の範囲で使用することが好ましい。
中でも、上記モノマー成分中の上記極性基含有モノマーの含有量が、上記モノマー成分全量(100重量%)に対して、15〜30重量%(さらに好ましくは20〜30重量%)であり、且つ上記脂環式モノマーの含有量が、上記モノマー成分全量(100重量%)に対して、0重量%を超え10重量%以下である場合には、粘着剤の親水性が上がるために耐加湿白濁性が向上し、弾性率が高くなるために加工性にも優れる。
言い換えると、モノマー成分を重合して得られたアクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸C10-13アルキルエステルに由来する構成単位、及びカルボキシル基を除く極性基含有モノマーに由来する構成単位を少なくとも含む。モノマー成分を重合して得られたアクリル系ポリマーは、さらに脂環式モノマーに由来する構成単位、多官能モノマーに由来する構成単位、その他のモノマーに由来する構成単位を含んでいてもよい。また、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位を実質的に含まないことが好ましい。各構成単位は、それぞれ、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
モノマー成分を重合して得られたアクリル系ポリマー(100重量%)中の、(メタ)アクリル酸C10-13アルキルエステルに由来する構成単位の含有量は、40重量%以上80重量%未満であり、好ましくは45〜78重量%、より好ましくは50〜76重量%である。
極性基含有モノマーに由来する構成単位及び脂環式モノマーに由来する構成単位の合計含有量は、15重量%以上(例えば、15〜50重量%)であり、好ましくは18〜40重量%、より好ましくは20〜30重量%である。
極性基含有モノマーに由来する構成単位の含有量は、7重量%以上(例えば7〜30重量%)であり、好ましくは8重量%以上25重量%以下、より好ましくは10〜20重量%である。また、極性基含有モノマーに由来する構成単位の含有量は、15〜30重量%(さらに好ましくは20〜30重量%)であってもよい。
脂環式モノマーに由来する構成単位を含む場合、その含有量は、特に限定されないが、例えば、0重量%を超え43重量%以下が好ましく、より好ましくは5〜35重量%、さらに好ましくは8〜30重量%、特に好ましくは10〜20重量%である。
多官能モノマーに由来する構成単位を含む場合、その含有量は、特に限定されないが、例えば、0重量%を超え1重量%以下が好ましく、より好ましくは0.001〜0.1重量%、さらに好ましくは0.01〜0.08重量%である。
上記極性基含有モノマーに由来する構成単位の含有量が、15〜30重量%(さらに好ましくは20〜30重量%)であり、且つ上記脂環式モノマーに由来する構成単位の含有量が、0重量%を超え10重量%以下であってもよい。また、極性基含有モノマーに由来する構成単位の含有量が、15〜30重量%(さらに好ましくは20〜28重量%)であれば、上記脂環式モノマーに由来する構成単位は含まれていなくてもよい。
(メタ)アクリル酸C10-13アルキルエステルは、−60〜20℃程度に結晶融解温度を有すると考えられ、−60〜20℃程度では側鎖が結晶化する性質(側鎖結晶性)を有する。このため、(メタ)アクリル酸C10-13アルキルエステルから構成されたアクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有し、−30℃程度では弾性率が高くなり、粘着力が低下して剥離しやすくなり、リワーク性を有する。
アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分に、(メタ)アクリル酸C10-13アルキルエステルに加え、さらに含有量が上記範囲となるように極性基含有モノマーを加え、且つ合計含有量が上記範囲となるように極性基含有モノマー及び脂環式モノマーを加えることにより、−30℃程度から常温にかけての広い温度範囲で、(メタ)アクリル酸C10-13アルキルエステルの側鎖が結晶化しにくくなって結晶融解温度が低温にシフトすると考えられる。その結果、−30℃程度から室温(23℃)にかけての温度で粘着性に一層優れる。また、−50℃程度以下の低温では、(メタ)アクリル酸C10-13アルキルエステルの側鎖が結晶化して、アクリル系ポリマーの弾性率が高くなり、粘着力が低下して剥離しやすくなり、リワーク性が向上する。
そのため、上記モノマー成分を重合して得られたアクリル系ポリマー、又は上記モノマー成分の部分重合物を含む粘着剤組成物より形成された粘着剤層は、−30℃程度から常温にかけての温度において粘着性に優れ、−50℃程度より低い温度では粘着力が低下しやすく剥離しやすくなるため、−50℃程度以下の低温ではリワーク性に優れる。
なお、上述した実施形態では、(メタ)アクリル酸C10-13アルキルエステルを必須成分として含むモノマー成分を用いることを記載したが、本発明の範囲はこのような範囲には限定されない。例えば、(メタ)アクリル酸C10-13アルキルエステルを用いる代わりに、(メタ)アクリル酸C1-9アルキルエステルと(メタ)アクリル酸C14-24アルキルエステルとを適宜併用することによっても、上記と同様の効果が得られる場合がある。(メタ)アクリル酸C1-9アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸C14-24アルキルエステルとしては、例えば、上述のものが挙げられる。
上記モノマー成分を重合して得られるアクリル系ポリマーは、例えば、上記モノマー成分や、上記モノマー成分の部分重合物(上記モノマー成分と上記モノマー成分の部分重合物の混合物など)を、公知慣用の重合方法により重合して調製することができる。上記モノマー成分の重合方法としては、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法、熱や活性エネルギー線照射による重合方法(熱重合方法、活性エネルギー線重合方法)などが挙げられる。中でも、透明性、耐水性、コストなどの点で、溶液重合方法、活性エネルギー線重合方法が好ましい。モノマー成分や、モノマー成分の部分重合物は、特に限定されないが、酸素との接触を避けて(例えば窒素雰囲気下など)、重合されることが好ましい。
上記活性エネルギー線重合(光重合)に際して照射される活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に紫外線が好ましい。また、活性エネルギー線の照射エネルギー、照射時間、照射方法などは特に限定されず、光重合開始剤を活性化させて、モノマー成分の反応を生じさせることができればよい。
上記の溶液重合に際しては、各種の一般的な溶剤を用いることができる。このような溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などの有機溶剤が挙げられる。上記溶剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
モノマー成分の重合に際しては、重合反応の種類に応じて、光重合開始剤(光開始剤)や熱重合開始剤などの重合開始剤を用いることができる。上記重合開始剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。光重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、例えば、上記モノマー成分全量(100重量部)に対して、0.01〜1重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5重量部である。
上記ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどが挙げられる。上記アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−(t−ブチル)ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。上記α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。上記芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。上記光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。上記ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインなどが挙げられる。上記ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルなどが挙げられる。上記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノンなどが挙げられる。上記ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。上記チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが挙げられる。
上記熱重合開始剤としては、例えばアゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルマレエートなど)、レドックス系重合開始剤などが挙げられる。中でも、特開2002−69411号公報に開示されたアゾ系重合開始剤が好ましい。上記アゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリアン酸などが挙げられる。上記熱重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、例えば、上記モノマー成分全量(100重量部)に対して、0.05〜0.5重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜0.3重量部である。
上記アクリル系ポリマーは、例えば、本発明の粘着剤組成物における必須成分として用いられる。
上記部分重合物は、上記モノマー成分から構成(形成)される部分重合物である。上記部分重合物は、上述の重合方法(例えば、活性エネルギー線重合方法など)により、アクリル系ポリマーとすることができる。
上記部分重合物のモノマー成分の重合率は、特に限定されないが、例えば、本発明の粘着剤組成物を取り扱いや塗工に適した粘度とする点から、5〜20重量%が好ましく、より好ましくは5〜15重量%である。
上記重合率は、以下のようにして求められる。
部分重合物の一部をサンプリングして、試料とする。該試料を精秤しその重量を求めて、「乾燥前の部分重合物の重量」とする。次に、試料を130℃で6時間乾燥して、乾燥後の試料を精秤しその重量を求めて、「乾燥後の部分重合物の重量」とする。そして、「乾燥前の部分重合物の重量」及び「乾燥後の部分重合物の重量」から、130℃で2時間の乾燥により減少した試料の重量を求め、「重量減少量」(揮発分、未反応モノマー重量)とする。得られた「乾燥前の部分重合物の重量」及び「重量減少量」から、下記式より、モノマー成分の部分重合物の重合率(重量%)を求める。
モノマー成分の部分重合物の重合率(重量%)=[1−(重量減少量)/(乾燥前の部分重合物の重量)]×100
上記部分重合物は、例えば、本発明の粘着剤組成物における必須成分として用いられる。
本発明の粘着剤組成物には、架橋剤が含まれていてもよい。上記架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられる。中でも、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましい。上記架橋剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記イソシアネート系架橋剤(多官能イソシアネート化合物)としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類などが挙げられ、その他、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物(例えば、商品名「コロネートL」(日本ポリウレタン工業(株)製など)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート付加物(例えば、商品名「コロネートHL」(日本ポリウレタン工業(株)製など)なども用いられる。
上記エポキシ系架橋剤(多官能エポキシ化合物)としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。市販品としては、例えば、商品名「テトラッドC」(三菱ガス化学(株)製)などを用いることができる。
上記架橋剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤層のゲル分率を好ましい範囲内に制御する観点から、モノマー成分全量(100重量部)に対して、0.001〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.01〜3重量部である。
本発明の粘着剤組成物には、−30℃程度から室温にかけての加湿環境下における粘着性が一層向上する観点から、シランカップリング剤が含まれていてもよい。上記シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、官能基(例えば、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、イソシアネート基、スチリル基、ポリスルフィド基など)を有するものを用いることができる。中でも、特にガラス被着体への粘着性の向上の観点から、エポキシ基を有するシランカップリング剤(エポキシ基含有シランカップリング剤)が好ましい。具体的には、例えば、具体的には、例えば、ビニルトリメトキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのメルカプト基含有シランカップリング剤;γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリロキシ基含有シランカップリング剤;γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシランなどのメタクリロキシ基含有シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基含有シランカップリング剤;p−スチリルトリメトキシシランなどのスチリル基含有シランカップリング剤;ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のポリスルフィド基含有シランカップリング剤などが挙げられる。上記シランカップリング剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記シランカップリング剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、モノマー成分全量(100重量部)に対して、0.01〜2重量部が好ましく、より好ましくは0.03〜1重量部である。
本発明の粘着剤組成物には、室温での粘着性の向上の観点から、オリゴマーが含まれていてもよい。なお、上記オリゴマーは、上記アクリル系ポリマー及び上記モノマー成分の部分重合物とは異なるオリゴマー(重合体)である。上記「異なる」とは、構成モノマー種及びその量が完全一致ではないことを意味する。
上記オリゴマーとしては、特に限定されないが、例えば、分子内に環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル(「環含有(メタ)アクリル酸エステル」と称する場合がある)、及び、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを必須のモノマー成分として構成されたオリゴマーであることが好ましい。
上記環含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、(メタ)アクリル酸シクロオクチルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの二環式の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステル;ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートなどの三環以上の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル等の(メタ)アクリル酸アリールオキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールアルキルエステルなどの芳香族性環を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。中でも、重合阻害を起こしにくいという観点から、三環以上の脂肪族炭化水素環(特に、三環以上の橋かけ式炭化水素環)を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、より好ましくはメタクリル酸ジシクロペンタニル(DCPMA)である。なお、環含有(メタ)アクリル酸エステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記環含有(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、特に限定されないが、粘着剤層が適度な柔軟性を有するという観点から、例えば、上記オリゴマーを構成するモノマー成分全量(100重量%)に対して、10〜90重量%が好ましく、より好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは35〜80重量%である。
上記オリゴマーにおける上記直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの炭素数が1〜20のアルキル基(直鎖又は分岐鎖状のアルキル基)を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。中でも、メタクリル酸メチル(MMA)が好ましい。なお、上記直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記オリゴマーにおける上記直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、特に限定されないが、粘着剤層が適度な弾性率を有するという観点から、例えば、上記オリゴマーを構成するモノマー成分全量(100重量%)に対して、10〜90重量%が好ましく、より好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは20〜60重量%である。
上記オリゴマーを構成するモノマー成分は、特に限定されないが、さらに、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、カルボキシル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー、イミド基含有モノマーなどを含んでいてもよい。
上記オリゴマーは、オリゴマーを構成するモノマー成分を公知乃至慣用の重合方法により重合することによって形成される。上記オリゴマーの重合方法としては、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法、活性エネルギー線照射による重合方法(活性エネルギー線重合方法)などが挙げられる。
上記オリゴマーの重合に際しては、各種の一般的な溶剤が用いられる。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などの有機溶剤が挙げられる。なお、溶剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
また、上記オリゴマーの重合に際しては、公知乃至慣用の重合開始剤が使用されてもよい。具体的には、重合開始剤としては、例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(AMBN)、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン等の過酸化物系開始剤などが挙げられる。なお、溶液重合を行う場合には、油溶性の重合開始剤が好ましく用いられる。重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。上記重合開始剤の使用量は、通常の使用量であればよく、例えば、上記オリゴマーを構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、0.1〜15重量部の範囲から適宜選択される。
上記オリゴマーの重合に際しては、分子量を調整するために、連鎖移動剤を使用することができる。上記連鎖移動剤としては、例えば、2−メルカプトエタノール、α−チオグリセロール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、オクチルメルカプタン、t−ノニルメルカプタン、ドデシルメルカプタン(ラウリルメルカプタン)、t−ドデシルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、チオグリコール酸、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸t−ブチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸デシル、チオグリコール酸ドデシル、エチレングリコールのチオグリコール酸エステル、ネオペンチルグリコールのチオグリコール酸エステル、ペンタエリスリトールのチオグリコール酸エステル、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。中でも、チオグリコール酸、α−チオグリセロールなどが特に好ましい。なお、連鎖移動剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記連鎖移動剤の含有量(使用量)は、特に限定されないが、オリゴマーの分子量を適切な範囲に調整できるという観点から、上記オリゴマーを構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、0.1〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.2〜15重量部、さらに好ましくは0.3〜10重量部である。
上記オリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、1000〜30000であり、好ましくは1000〜20000、より好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜4000である。上記オリゴマーの重量平均分子量を1000以上とすることにより、粘着力や保持特性が向上する。一方、上記オリゴマーの重量平均分子量を30000以下とすることにより、室温における粘着力が向上する。
上記オリゴマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により測定することができる。より具体的には、例えば、GPC測定装置として、商品名「HLC−8120GPC」(東ソー(株)製)を用いて、下記の条件にて測定し、標準ポリスチレン換算値により算出することができる。
(分子量測定条件)
・サンプル濃度:約2.0g/L(テトラヒドロフラン溶液)
・サンプル注入量:20μL
・カラム:商品名「TSKgel,SuperAWM−H+superAW4000+superAW2500」(東ソー(株)製)
・カラムサイズ:各6.0mmI.D.×150mm
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流量:0.4mL/min
・検出器:示差屈折計(RI)
・カラム温度(測定温度):40℃
上記オリゴマーのガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、20〜300℃が好ましく、より好ましくは30〜300℃、より好ましくは40〜300℃である。上記オリゴマーのガラス転移温度を20℃以上とすることにより、室温における粘着力が向上する傾向がある。一方、上記オリゴマーのガラス転移温度を300℃以下とすることにより、粘着剤層が適度な柔軟性を有し、粘着力や段差吸収性が向上する傾向がある。
上記オリゴマーのガラス転移温度(Tg)は、下記式で表されるガラス転移温度(理論値)である。
1/Tg = W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
上記式中、Tgはオリゴマーのガラス転移温度(単位:K)、Tgiはモノマーiがホモポリマーを形成した際のガラス転移温度(単位:K)、Wiはモノマーiのモノマー成分全量中の重量分率を表す(i=1、2、・・・、n)。なお、上記はオリゴマーがモノマー1、モノマー2、・・・、モノマーnのn種類のモノマー成分から構成される場合の計算式である。
本発明の粘着剤組成物中の上記オリゴマーの含有量は、特に限定されないが、上記アクリル系ポリマーとの相溶性、及び室温における粘着性が向上するという観点から、上記アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100重量部)に対して、1〜10重量部が好ましく、より好ましくは1.5〜8重量部、さらに好ましくは2〜5重量部である。なお、本発明の粘着剤組成物中の上記アクリル系ポリマーの量は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分の総和と等しい。
本発明の粘着剤組成物には、溶剤が含まれていてもよい。上記溶剤としては、特に限定されないが、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メタノール、ブタノール等のアルコール類などの有機溶剤が挙げられる。上記溶剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の粘着剤組成物は、必要に応じて、架橋促進剤、粘着付与樹脂(ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノールなど)、老化防止剤、充填剤、着色剤(顔料や染料など)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤などの公知の添加剤(その他の添加剤)を、本発明の効果を損なわない範囲内で含有してもよい。
本発明の粘着剤組成物は、特に限定されないが、例えば、必須の成分である上記モノマー成分を重合して得られたアクリル系ポリマー又は上記モノマー成分の部分重合物、必要に応じて加えられる、上記モノマー成分、上記重合開始剤、上記シランカップリング剤、上記オリゴマー、上記溶剤、上記架橋剤、上記添加剤等を混合して調製することができる。上記モノマー成分を重合して得られたアクリル系ポリマーを必須成分とする粘着剤組成物は、特に限定されないが、例えば、上記モノマー成分を重合して得られたアクリル系ポリマー、必要に応じて加えられる上記モノマー成分、上記架橋剤、上記シランカップリング剤、上記オリゴマー、上記添加剤等を溶剤に溶かして調製することができる。上記モノマー成分の部分重合物を必須成分とする粘着剤組成物は、特に限定されないが、例えば、上記モノマー成分の部分重合物、必要に応じて加えられる、上記モノマー成分、上記重合開始剤、上記シランカップリング剤、上記オリゴマー、上記溶剤、上記架橋剤、上記添加剤等を混合して調製することができる。
[粘着シート]
本発明の粘着シートは、本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤層(「本発明の粘着剤層」と称する場合がある。)を、少なくとも1層有することが好ましい。本発明の粘着シートは、本発明の粘着剤層以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、基材、本発明の粘着剤層以外の粘着剤層(他の粘着剤層)、その他の層(例えば、中間層、下塗り層など)などを有していてもよい。本発明の粘着剤層以外の層は、それぞれ、1層のみ設けられていても、2層以上設けられていてもよい。なお、「粘着シート」には、「粘着テープ」の意味も含むものとする。即ち、本発明の粘着シートは、テープ状の形態を有する粘着テープであってもよい。
本発明の粘着シートは、片面のみが粘着剤層表面(粘着面)である片面粘着シートであってもよいし、両面が粘着剤層表面である両面粘着シートであってもよい。本発明の粘着シートは、特に限定されないが、被着体同士の貼り合わせに用いることができる等の観点から、両面粘着シートであることが好ましく、より好ましくは両面が本発明の粘着剤層表面である両面粘着シートである。
本発明の粘着シートは、基材(基材層)を有さない粘着シート、いわゆる「基材レスタイプ」の粘着シート(「基材レス粘着シート」と称する場合がある)であってもよいし、基材を有する粘着シートであってもよい。上記基材レス粘着シートとしては、例えば、本発明の粘着剤層のみからなる両面粘着シートや、本発明の粘着剤層と本発明の粘着剤層以外の粘着剤層(「他の粘着剤層」と称する場合がある)からなる両面粘着シート等が挙げられる。上記基材を有する粘着シートとしては、例えば、基材の片面側に本発明の粘着剤層を有する片面粘着シートや、基材の両面側に本発明の粘着剤層を有する両面粘着シートや、基材の一方の片面側に本発明の粘着剤層を有し、他方の片面側に他の粘着剤層を有する両面粘着シート等が挙げられる。
上記の中でも、透明性などの光学物性向上の観点から、基材レス粘着シートが好ましく、より好ましくは、本発明の粘着剤層のみからなる基材を有さない両面粘着シートである。また、本発明の粘着シートが基材を有する粘着シートである場合には、特に限定されないが、加工性の観点から、基材の両面側に本発明の粘着剤層を有する両面粘着シートであることが好ましい。なお、上記の「基材(基材層)」とは、本発明の粘着シートを被着体(光学部材等)に使用(貼付)する際には、粘着剤層とともに被着体に貼付される部分であり、粘着シートの使用(貼付)時に剥離されるセパレータ(剥離ライナー)は含まない。
(基材)
上記基材としては、特に限定されないが、プラスチックフィルムや、反射防止(AR)フィルム、偏光板、位相差板などの各種光学フィルムが挙げられる。上記プラスチックフィルムなどの素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、商品名「アートン」(環状オレフィン系ポリマー;JSR(株)製)、商品名「ゼオノア」(環状オレフィン系ポリマー;日本ゼオン(株)製)等の環状オレフィン系ポリマーなどのプラスチック系材料が挙げられる。上記プラスチック系材料は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記基材は、特に限定されないが、例えば、透明基材が好ましい。上記「透明基材」とは、例えば、可視光波長領域における全光線透過率(JIS K 7361−1に準じる)が85%以上である基材が好ましく、さらに好ましくは88%以上である基材をいう。また、上記透明基材のヘーズ(JIS K 7136に準じる)は、例えば、1.5%以下が好ましく、より好ましくは1.0%以下である。上記透明基材としては、PETフィルムや、商品名「アートン」(JSR(株)製)、商品名「ゼオノア」(日本ゼオン(株)製)などの無配向フィルムなどが挙げられる。
上記基材の厚さは、特に限定されないが、例えば、12〜75μmが好ましい。なお、上記基材は単層および複層のいずれの形態を有していてもよい。また、上記基材の表面には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理等の物理的処理、下塗り処理等の化学的処理などの公知慣用の表面処理が適宜施されていてもよい。
(粘着剤層)
本発明の粘着剤層は、上記アクリル系ポリマーを必須の成分として含む。本発明の粘着剤層中の上記アクリル系ポリマーの含有量は、特に限定されないが、−30℃程度から室温(23℃)にかけての温度における粘着性に一層優れ、−50℃程度以下でリワーク性に一層優れ、かつ段差吸収性に優れた粘着剤層が形成されるという観点から、例えば、粘着剤層の重量(総重量)100重量%に対して、50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。
本発明の粘着剤層は、上記アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物を、乾燥、硬化などさせることにより形成される。また、本発明の粘着剤層は、上記モノマー成分の部分重合物を含む粘着剤組成物を硬化(例えば、熱硬化や紫外線などの活性エネルギー線照射による硬化など)させてアクリル系ポリマーとすることにより形成される。
本発明の粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、10μm〜1mmが好ましく、より好ましくは100〜500μm、さらに好ましくは150〜350μmである。上記厚さが10μm以上であることにより、段差吸収性に優れる。上記厚さが1mm以下であることにより、粘着剤層の変形が起きにくくなり、加工性が向上する。
本発明の粘着剤層のゲル分率は、特に限定されないが、20〜90重量%が好ましく、より好ましくは30〜85重量%、さらに好ましくは40〜80重量%である。上記ゲル分率を90重量%以下とすることにより、粘着剤層の凝集力がある程度小さくなり、粘着剤層が軟らかくなるため、段差部分に追従しやすくなり、段差吸収性が向上する。一方、上記ゲル分率が20重量%未満では、粘着剤層が軟らかくなりすぎるため、粘着シートの加工性が低下する。また、高温環境下や高温高湿環境下において、気泡や浮きが生じやすく、耐発泡剥がれ性が低下する。上記ゲル分率は、多官能モノマー及び/又は架橋剤の種類や含有量(使用量)などにより制御することができる。
上記ゲル分率(溶剤不溶分の割合)は、酢酸エチル不溶分として求めることができる。具体的には、粘着剤層を、酢酸エチル中に室温(23℃)で7日間浸漬した後の不溶分の浸漬前の試料に対する重量分率(単位:重量%)として求められる。より具体的には、上記ゲル分率とは、以下の「ゲル分率の測定方法」により算出される値である。
(ゲル分率の測定方法)
粘着剤層を約1g採取し、その重量を測定し、該重量を「浸漬前の粘着剤層の重量」とする。次に、採取した粘着剤層を酢酸エチル40gに7日間浸漬した後、酢酸エチルに不溶解な成分(不溶解部分)を全て回収し、回収した全不溶解部分を130℃で2時間乾燥させて酢酸エチルを除去した後、その重量を測定して「不溶解部分の乾燥重量」(浸漬後の粘着剤層の重量)とする。そして、得られた数値を以下の式に代入して算出する。
ゲル分率(重量%)=[(不溶解部分の乾燥重量)/(浸漬前の粘着剤層の重量)]×100
本発明の粘着剤層における可溶分(ゾル分)の重量平均分子量は、特に限定されないが、1.0×105〜5.0×106であることが好ましく、より好ましくは2.0×105〜2.0×106、さらに好ましくは3.0×105〜1.0×106である。上記ゾル分の重量平均分子量が1.0×105未満では、粘着力が低下する場合がある。また、上記ゾル分の重量平均分子量が、5.0×106より大きいと弾性率が上昇し、粘着力が低下する場合がある。
上記の「可溶分(ゾル分)の重量平均分子量」は、以下の測定方法により算出される。
(可溶分(ゾル分)の重量平均分子量の測定方法)
粘着剤層:約1gを採取し、平均孔径0.2μmの多孔質テトラフルオロエチレンシート(商品名「NTF1122」、日東電工(株)製)に包んだ後、凧糸で縛る。(「サンプル」と称する)次に、サンプルを、酢酸エチルで満たした50ml容器に入れ、23℃にて1週間(7日間)静置する。その後、容器中の酢酸エチル溶液(抽出されたゾル分を含む)を取り出して、減圧乾燥させて、溶媒(酢酸エチル)を揮発させ、ゾル分を得る。
上記ゾル分をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させて、GPC測定装置として、商品名「HLC−8120GPC」(東ソー(株)製)を用いて、ポリスチレン換算値により、以下のGPCの測定条件で測定してゾル分の重量平均分子量(Mw)を測定する。
(GPCの測定条件)
サンプル濃度:0.2重量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:10μl
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流量(流速):0.6mL/min
カラム温度(測定温度):40℃
カラム:商品名「TSKgelSuperHM−H/H4000/H3000/H2000」(東ソー(株)製)
検出器:示差屈折計(RI)
本発明の粘着剤層の融点は、特に限定されないが、例えば、−60〜0℃であることが好ましく、より好ましくは−50〜−10℃であり、さらに好ましくは−40〜−15℃もしくは−30〜−10℃である。上記融点が0℃より高いと、−30℃から室温で粘着力を発現できない。なお、上記融点は、特に限定されないが、例えば、粘着剤層を測定用サンプルとして、示差走査熱量測定(DSC)により、JIS K 7121に準拠して測定することができる。具体的には、例えば、測定装置として、TA instruments社製、装置名「Q−2000」を用い、−80℃から80℃まで昇温速度10℃/分の条件で測定することができる。より具体的には、後述の(評価)の「(5)融点」に記載の方法によって測定することができる。
上記他の粘着剤層(本発明の粘着剤層以外の粘着剤層)としては、特に限定されないが、例えば、ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などの公知の粘着剤から形成された公知慣用の粘着剤層が挙げられる。上記粘着剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の粘着シートの粘着剤層表面(粘着面)は、使用時まではセパレータ(剥離ライナー)により保護されていてもよい。なお、本発明の粘着シートが両面粘着シートである場合、各粘着面は、2枚のセパレータによりそれぞれ保護されていてもよいし、両面が剥離面となっているセパレータ1枚により、ロール状に巻回される形態で保護されていてもよい。セパレータは粘着剤層の保護材として用いられており、本発明の粘着シートを被着体に貼付する際に剥がされる。また、セパレータは粘着剤層の支持体の役割も担う。なお、セパレータは必ずしも設けられていなくてもよい。
上記セパレータとしては、慣用の剥離紙などを使用でき、特に限定されないが、例えば、剥離剤層を有する基材、フッ素ポリマーからなる低接着性基材や無極性ポリマーからなる低接着性基材などが挙げられる。上記剥離剤層を有する基材としては、例えば、シリコーン系剥離剤、長鎖アルキル系剥離剤、フッ素系剥離剤、硫化モリブデン系剥離剤等の剥離剤により表面処理されたプラスチックフィルムや紙等が挙げられる。上記フッ素系ポリマーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体等が挙げられる。また、上記無極性ポリマーとしては、例えば、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)等が挙げられる。なお、セパレータは公知乃至慣用の方法により形成することができる。また、セパレータの厚さ等も特に限定されない。
本発明の粘着シートの製造方法は、公知乃至慣用の製造方法を用いることができる。本発明の粘着シートの製造方法は、本発明の粘着剤組成物の組成などによって異なり、特に限定されないが、例えば、以下の(1)〜(3)などの方法が挙げられる。なお、本発明の粘着シートが両面粘着シートである場合は、それぞれの面の粘着剤層を形成する方法は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
(1)モノマー成分の部分重合物、必要に応じて、モノマー成分、重合開始剤、溶剤、架橋剤、シランカップリング剤、オリゴマー、添加剤等を含む本発明の粘着剤組成物を、基材又はセパレータ上に塗布(塗工)して粘着剤組成物層を形成し、該粘着剤組成物層を硬化(例えば、熱硬化や紫外線などの活性エネルギー線照射による硬化)させて粘着剤層を形成する方法。
(2)アクリル系ポリマー、必要に応じて、モノマー成分、架橋剤、添加剤、シランカップリング剤、オリゴマーを溶剤に溶かした粘着剤組成物(溶液)を、基材又はセパレータ上に塗布(塗工)し、乾燥及び/又は硬化させて粘着剤層を形成する方法。
(3)上記(1)で製造した粘着シートをさらに乾燥させる方法。
上記(1)〜(3)における硬化方法としては、生産性に優れ、厚みのある粘着剤層が得られるという観点から、活性エネルギー線により硬化させる方法(特に紫外線により硬化させる方法)が好ましい。なお、活性エネルギー線による硬化は、空気中の酸素に阻害される場合があるため、例えば、粘着剤層上にセパレータを貼り合わせる、窒素雰囲気下で硬化させる等により、酸素を遮断することが好ましい。
上記アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物を用いて本発明の粘着シートを製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、上記(2)の方法が好ましい。上記部分重合物を含む粘着剤組成物を用いて本発明の粘着シートを製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、上記(1)又は(3)の方法が好ましく、より好ましくは粘着剤組成物層を紫外線照射して硬化させる上記(1)の方法である。
なお、上記の本発明の粘着シートの製造方法における塗布(塗工)には、公知のコーティング法を用いることが可能であり、慣用のコーター、例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター、コンマコーター、ダイレクトコーターなどを用いることができる。
本発明の粘着シートの厚さ(総厚さ)は、特に限定されないが、10μm〜1mmが好ましく、より好ましくは100〜500μm、さらに好ましくは150〜350μmである。上記厚さが10μm以上であることにより、段差部分に追従しやすくなり、段差吸収性が向上する。なお、本発明の粘着シートの厚さは、本発明の粘着シートの一方の粘着面から他方の粘着面までの厚さである。上記本発明の粘着シートの厚さには、セパレータの厚さは含まれない。
本発明の粘着シートは高い透明性を有していることが好ましい。本発明の粘着シートのヘイズ(JIS K 7136に準じる)は、例えば、2%以下が好ましく、より好ましくは1%以下である。上記ヘイズが2%以下であることにより、粘着シートを介して貼り合わせた光学製品や光学部材の透明性や外観が良好となる。また、本発明の粘着シートの全光線透過率(可視光波長領域における全光線透過率)(JIS K 7361−1に準じる)は、特に限定されないが、85%以上が好ましく、より好ましくは90%以上である。上記全光線透過率が85%以上であることにより、粘着シートを介して貼り合わせた光学製品や光学部材の透明性や外観が良好となる。ヘイズ及び全光線透過率は、例えば、粘着シートにガラス板等を貼り合わせ、ヘイズメーターを用いて測定することができる。具体的には、後述の(評価)の「(2)ヘイズ及び全光線透過率」に記載の方法によって測定することができる。
本発明の粘着シートの常温(23℃)における180°ピール粘着力(180°引き剥がし粘着力)(対ガラス、引張速度:300mm/分、温度23℃)は、特に限定されないが、例えば、5.0N/20mm以上(例えば5.0〜50N/20mm)であることが好ましく、より好ましくは7.0N/20mm以上(例えば7.0〜40N/20mm)より好ましくは10N/20mm以上(例えば10〜30N/20mm)である。本発明の粘着シートが、両面粘着シートである場合には、少なくとも一方の粘着面の常温(23℃)における180°ピール粘着力が上記範囲を満たすことが好ましく、両側の粘着面が上記範囲を満たすことがより好ましい。180°ピール粘着力は、例えば、後述の(評価)の「(6−1)180°ピール粘着力 対ガラス」に記載の方法によって測定することができる。
本発明の粘着シートの常温(23℃)における180°ピール粘着力(180°引き剥がし粘着力)(対偏光板、引張速度:300mm/分、温度23℃)は、特に限定されないが、例えば、4.0N/20mm以上(例えば4.0〜50N/20mm)であることが好ましく、より好ましくは6.0N/20mm以上(例えば6.0〜40N/20mm)より好ましくは8.0N/20mm以上(例えば8.0〜30N/20mm)である。本発明の粘着シートが、両面粘着シートである場合には、少なくとも一方の粘着面の常温(23℃)における180°ピール粘着力が上記範囲を満たすことが好ましく、両側の粘着面が上記範囲を満たすことがより好ましい。180°ピール粘着力は、例えば、後述の(評価)の「(6−2)180°ピール粘着力 対偏光板」に記載の方法によって測定することができる。
本発明の粘着シートは、下記<−30℃における剥離試験>では被着体A及び被着体Bのうちの少なくとも一方が破損するが、下記<−50℃における剥離試験>では、被着体Aと被着体Bとを破損することなく剥離できる両面粘着シートであることが好ましい。 なお、下記<−30℃における剥離試験>では被着体A及び被着体Bのうちの少なくとも一方が破損するが、下記<−50℃における剥離試験>では、被着体Aと被着体Bとを破損することなく剥離できる両面粘着シートは、本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する粘着シートであってもよいし、本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有さない粘着シートであってもよい。
<−30℃における剥離試験>
両面粘着シート(サイズ:長さ30mm×幅26mm)の一方の粘着面と下記被着体Aの表面とを貼り合わせ、他方の粘着面と下記被着体Bの表面とを貼り合わせ、被着体A/両面粘着シート/被着体Bの構成を有する試験片を作製する。次に、上記試験片を、オートクレーブに投入し、圧力5atm、温度50℃の条件で15分間処理し、温度−30℃で30分静置した後、−30℃の環境下で、上記被着体Aを固定し、上記被着体Bを上記被着体Aの表面に対して垂直方向に引っ張り、被着体Aと被着体Bとを剥離させる。被着体Bを剥離させる際の引張速度は、10〜1000mm/分が好ましく、より好ましくは100〜500mm/分である。被着体Aは、ガラス板(松浪硝子工業(株)製、厚さ0.7mm、サイズ:長さ100mm×幅50mm)である。被着体Bは、スライドガラス(商品名「S1112」、松浪硝子工業(株)製、厚さ1.0〜1.3mm、サイズ:長さ76mm×幅26mm)である。より具体的には、後述の(評価)の「(3)ガラス/ガラスリワーク性」に記載の方法で行う試験などが挙げられる。
<−50℃における剥離試験>
両面粘着シート(サイズ:長さ30mm×幅26mm)の一方の粘着面と下記被着体Aの表面とを貼り合わせ、他方の粘着面と下記被着体Bの表面とを貼り合わせ、被着体A/両面粘着シート/被着体Bの構成を有する試験片を作製する。次に、上記試験片を、オートクレーブに投入し、圧力5atm、温度50℃の条件で15分間処理し、温度−50℃で30分静置した後、−50℃の環境下で、上記被着体Aを固定し、上記被着体Bを上記被着体Aの表面に対して垂直方向に引っ張り、被着体Aと被着体Bとを剥離させる。被着体Bを剥離させる際の引張速度は、10〜1000mm/分が好ましく、より好ましくは100〜500mm/分である。被着体Aは、ガラス板(松浪硝子工業(株)、厚さ0.7mm、サイズ:長さ100mm×幅50mm)である。被着体Bは、スライドガラス(商品名「S1112」、松浪硝子工業(株)製、厚さ1.0〜1.3mm、サイズ:長さ76mm×幅26mm)である。より具体的には、後述の(評価)の「(3)ガラス/ガラスリワーク性」に記載の方法で行う試験などが挙げられる。
本発明の粘着シートの下記の<フィルムT型剥離試験>における−30℃の粘着力は、特に限定されないが、例えば、5〜50Nであることが好ましく、より好ましくは6〜40N、さらに好ましくは7〜35Nである。−30℃の粘着力が5N以上であることにより、−30℃でも粘着シートが被着体から剥離しにくい。本発明の粘着シートの下記の<フィルムT型剥離試験>における−50℃の粘着力は、特に限定されないが、例えば、0〜3Nであることが好ましく、より好ましくは0〜2.5N、さらに好ましくは0〜2Nである。−50℃の粘着力が3N以下であることにより、−50℃では、粘着シートから被着体が剥離する。
本発明の粘着シートは、下記の<フィルムT型剥離試験>における−30℃の粘着力が5〜50N(好ましくは6〜40N、より好ましくは7〜35N)であり、且つ−50℃の粘着力が0〜3N(好ましくは0〜2.5N、より好ましくは0〜2N)であることが好ましい。下記の<フィルムT型剥離試験>における粘着力が上記範囲を満たすことにより、−30℃でも粘着性を有し、−40℃以下(特に−50℃以下)では、粘着力が下がるため貼り合わされた被着体がフィルムのような曲がりやすい部材であっても、被着体を曲げることなく剥離できる。
<フィルムT型剥離試験>
両面粘着シート(サイズ:長さ50mm×幅20mm、厚さ175μm又は150μm)の一方の粘着面とポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)(サイズ:長さ150mm×幅20mm、厚さ100μm)の表面とを貼り合わせ、他方の粘着面とPETフィルム(サイズ:長さ150mm×幅20mm、厚さ100μm)の表面とを貼り合わせ、PETフィルム/両面粘着シート/PETフィルムの構成を有する試験片を作製する。次に、上記試験片を、オートクレーブに投入し、圧力5atm、温度50℃の条件で15分間処理し、−30又は−50℃の何れかの温度環境下で30分静置する。試験片を静置した温度と同じ温度環境下で、下記の条件で、T型剥離試験を行い、剥離力(N)を測定する。より具体的には、後述の(評価)の「(4)フィルムT型剥離試験」に記載の方法で行う試験などが挙げられる。
装置 : 商品名「オートグラフ」、(株)島津製作所製
サンプル幅 : 20mm
引張速度 : 300mm/分
引張方向 : CD方向(長手(MD)方向と直交方向)
繰り返し数 : n=3
本発明の粘着シートは、−30℃程度から室温(23℃)にかけての温度で粘着性に優れ、かつ−50℃程度以下でリワーク性を有する。本発明の粘着シートは、例えば、被着体同士を一旦貼り合わせた後に、再度剥離(再剥離)した場合でも、剥離した被着体を再利用することができる再剥離が可能な粘着シート(再剥離型粘着シート)として好ましく用いることができる。
本発明の粘着シートは、特に限定されないが、光学用途、接合用途、保護用途などに好適に用いられる。中でも、光学用途の粘着シート(光学用粘着シート)であることが好ましい。より具体的には、例えば、光学部材を貼り合わせる用途(光学部材貼り合わせ用)や、光学部材が用いられた製品(光学製品)の製造用途などに用いられる光学用粘着シートである。
上記光学部材としては、光学的特性(例えば、偏光性、光屈折性、光散乱性、光反射性、光透過性、光吸収性、光回折性、旋光性、視認性など)を有する部材であれば、特に限定されないが、例えば、表示装置(画像表示装置)や入力装置等の光学製品を構成する部材又はこれらの機器(光学製品)に用いられる部材が挙げられ、例えば、偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、導光板、反射フィルム、反射防止フィルム、透明導電フィルム(ITOフィルムなど)、意匠フィルム、装飾フィルム、表面保護板、プリズム、レンズ、カラーフィルター、透明基板や、さらにはこれらが積層されている部材が挙げられる。
上記表示装置(画像表示装置)としては、例えば、液晶表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、PDP(プラズマディスプレイパネル)、電子ペーパーなどが挙げられる。また、上記入力装置としては、タッチパネルなどが挙げられる。
上記光学部材としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのプラスチック材料、ガラス、金属などからなる部材(例えば、シート状やフィルム状、板状の部材など)などが挙げられる。なお、「光学部材」には、上記の通り、被着体である表示装置や入力装置の視認性を保ちながら加飾や保護の役割を担う部材(意匠フィルム、装飾フィルムや表面保護板等)も含むものとする。
本発明の粘着シートは、−30℃程度から室温(23℃)にかけての幅広い温度範囲で粘着性を有する。その上、−50℃程度以下において、貼り合わされた部材に大きな力を加えることなく剥離できるため、曲がりやすい部材(例えば、プラスチック系材料からなるフィルム状の部材など)であっても、曲げることなく剥離できる。そのため、本発明の粘着シートは、例えば、ITO膜などの破損しやすい膜が設けられたプラスチック系光学部材(例えば、透明導電フィルムなど)を貼り合わせる用途に用いられる光学用粘着シートであることが好ましい。また、本発明の粘着シートは、力を加えると割れやすい部材(例えば、ガラスからなる光学部材などの高剛性の光学部材など)であっても、割れることなく剥離できる。そのため、ガラスセンサー、ガラス製表示パネル(LCDなど)、タッチパネルの透明電極付きガラス板等のガラスからなる光学部材を貼り合わせる用途に用いられる光学用粘着シートであることが好ましい。
本発明の粘着シートを介して貼り合わされた部材(例えば光学部材など)を剥離する方法としては、特に限定されないが、例えば、貼り合わせた2つの部材のうち少なくとも一方の部材に、該部材の少なくとも法線方向に力を加えて剥離する方法(例えば、先端部分の形状が楔形である工具の先端部分を粘着シートの側面から差し込むことにより力を加えて剥離する方法など)、貼り合わせた2つの部材を、厚さ方向に引っ張ることにより剥離する方法(粘着シートと部材の接着面に対して、垂直な方向に引っ張ることにより剥離する方法)、貼り合わせた2つの部材を、相対的に平行移動させて剥離する方法、貼り合わせた2つの部材を、一方の部材と粘着シートとの接着面内と、他方の部材と粘着シートとの接着面内に特定した互い平行な仮想直線がねじれ位置の関係となるように、2つの部材の少なくとも一方を移動させる方法(粘着シートの一方の粘着面側と他方の粘着面側がねじれるように、2つの部材の少なくとも一方を移動させる方法)が挙げられる。
なお、「2つの部材を相対的に平行移動させる」とは、本発明の粘着シートを介して貼り合わされた2つの部材の対向する面の離間距離を実質的に一定に保ったまま、2つの部材の少なくとも一方を移動させることである。例えば、2つの部材が平板状の部材である場合には、2つの部材(平板)が平行関係を保ったまま、2つの部材の少なくとも一方を移動させることである。
上記剥離方法によれば、本発明の粘着シートを介して貼り合わされた2つの部材を、その2つの部材の少なくとも一方が、曲がりやすい部材や、薄厚で柔軟性に乏しい部材であっても、該部材に破損、割れ、歪み(変形)が生じるような力(負荷)が実質的に加わることなく、剥離することができる。
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における、モノマー成分を構成するモノマーの配合組成(用いたモノマーの種類と配合量)、及び粘着剤組成物の配合組成(用いた成分の種類と配合量)を表1に示した。
(実施例1)
ラウリルアクリレート(LA)75重量部、アクリル酸イソボルニル(IBXA)13重量部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)6重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)6重量部を混合した混合物に、光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名「イルガキュア184」、BASFジャパン(株)製)0.05重量部、及び2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア651」、BASFジャパン(株)製)0.05重量部を、4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、温度30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線を照射して、光重合させることにより、部分重合モノマーシロップ(モノマー成分の部分重合物)を得た。
この部分重合モノマーシロップ:100重量部に、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA、多官能モノマー):0.035重量部、シランカップリング剤(商品名「KBM403」、信越化学工業(株)製):0.3重量部、光重合開始剤(追加開始剤)としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名「イルガキュア184」、BASFジャパン(株)製):0.05重量部、及び、光重合開始剤(追加開始剤)としての2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア651」、BASFジャパン(株)製):0.05重量部を均一に混合して、粘着剤組成物を得た。
上記粘着剤組成物を、剥離フィルム(商品名「MRF#38」、三菱樹脂(株)製)の剥離処理された面上に、厚みが175μmとなるように塗布して、粘着剤組成物層を形成した。次いで、もう一方の粘着剤組成物層の表面と、剥離フィルム(「MRN#38」、三菱樹脂(株)製)の剥離処理された面とを貼り合わせ、照度:4mW/cm2、光量:1200mJ/cm2の条件にて紫外線照射を行い、光硬化させて粘着剤層を形成し、粘着シートを作製した。
(実施例2〜7及び比較例1〜3)
表1に示すように、モノマー成分の種類と配合量、及び粘着剤組成物の組成と配合量を変更し、実施例1と同様にして、粘着剤組成物および粘着シートを得た。
なお、実施例3、5、7、14で使用したオリゴマーAは以下のようにして調製した。
モノマー成分として、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA、メタクリル酸ジシクロペンタニル)(商品名「FA−513M」、日立化成工業(株)製)60重量部、メタクリル酸メチル(MMA)40重量部、連鎖移動剤としてのα−チログリセロール3.5重量部、重合溶媒としての酢酸エチル100重量部を、4つ口フラスコに投入した。そして、窒素雰囲気下にて70℃で1時間攪拌した後、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部を投入し、70℃で2時間反応させ、続いて80℃で2時間反応させた。その後、反応液を130℃の温度雰囲気下に投入し、酢酸エチル、連鎖移動剤、及び未反応モノマーを乾燥除去させ、固形状のオリゴマーAを得た。上記オリゴマーAの重量平均分子量は4000であった。また、上記オリゴマーAのガラス転移温度(Tg)は130℃であった。
(実施例8)
ラウリルアクリレート(LA)73重量部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)21重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)6重量部を混合した混合物に、光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名「イルガキュア184」、BASFジャパン(株)製)0.1重量部、及び2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア651」、BASFジャパン(株)製)0.1重量部を、4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、温度30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線を照射して、光重合させることにより、部分重合モノマーシロップ(モノマー成分の部分重合物)を得た。
この部分重合モノマーシロップ:100重量部に、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA、多官能モノマー):0.01重量部、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA、第三級アミノ基含有モノマー)0.5重量部、シランカップリング剤(商品名「KBM403」、信越化学工業(株)製):0.3重量部を均一に混合して、粘着剤組成物を得た。
上記粘着剤組成物を、剥離フィルム(商品名「MRF#38」、三菱樹脂(株)製)の剥離処理された面上に、厚みが150μmとなるように塗布して、粘着剤組成物層を形成した。次いで、もう一方の粘着剤組成物層の表面と、剥離フィルム(「MRN#38」、三菱樹脂(株)製)の剥離処理された面とを貼り合わせ、照度:4mW/cm2、光量:1200mJ/cm2の条件にて紫外線照射を行い、光硬化させて粘着剤層を形成し、粘着シートを作製した。
(実施例9〜14)
表1に示すように、モノマー成分の種類と配合量、及び粘着剤組成物の組成と配合量を変更し、実施例8と同様にして、粘着剤組成物および粘着シートを得た。
(評価)
上記の実施例及び比較例で得られた粘着剤組成物、粘着シートについて、ゲル分率、ヘイズ及び全光線透過率、ガラス/ガラスリワーク性、フィルムT型剥離試験、融点、180°ピール粘着力を評価した。評価方法を以下に示す。評価結果は表1に示した。
(1)ゲル分率
ゲル分率の測定は、上記「ゲル分率の測定方法」に従って測定した。
(2)ヘイズ及び全光線透過率
上記の実施例及び比較例で得られた粘着シートから、一方の剥離フィルム(MRN#38)を剥がし、粘着シートをガラス板(商品名「スライドガラスS111」、松浪硝子工業(株)社製、厚み1.0mm、ヘイズ0.1%)に貼り合わせ、さらに他方の剥離フィルムを剥がすことにより、試験片とした。
上記試験片について、ヘイズメーター(装置名「HM−150」、株式会社村上色彩技術研究所製)により、JIS K 7136に準じて、ヘイズ(%)、及びJIS K 7361−1に準じて全光線透過率(%)を測定した。
(3)ガラス/ガラスリワーク性
(評価用サンプルの作製)
図1は、ガラス/ガラスリワーク性の評価に使用した評価用サンプルを示す説明図(平面図)である。図2は、ガラス/ガラスリワーク性の評価に使用した、凧糸を引っ掛けた状態の評価用サンプルを示す説明図(A−A断面図)である。
上記の実施例及び比較例で得られた粘着シートから、シート片(サイズ:長さ30mm×幅26mm)を切り出した。切り出したシート片から一方の剥離フィルム(MRN#38)を剥離して、一方の粘着面にスライドガラス(a)12を貼り合わせ、他方の剥離フィルム(MRF#38)を剥離して、他方の粘着面にガラス板(b)13を貼り合わせ、上記シート片11を介して、スライドガラス(a)12(サイズ:長さ76mm×幅26mm、厚さ1.0mm)とガラス板(b)13(サイズ:長さ100mm×幅50mm、厚さ0.7mm)とが貼り合わされた図1及び図2に示す評価用サンプルを作製した。そして、スライドガラス(a)12/粘着シート11/ガラス板(b)13の構成を有する評価用サンプルを得た。なお、図1に示すように、スライドガラス(a)12は、端部から55mmの位置に、幅方向に凧糸引張り部分14を有している。
<−30℃における剥離試験>
上記評価用サンプルをオートクレーブに投入し、圧力5atm、温度50℃の条件で15分間、オートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後、上記評価用サンプルをオートクレーブから取り出し、取り出した評価用サンプルを、温度−30℃で30分静置した。次に、図2のように、スライドガラス(a)12の凧糸引張り部分14に凧糸15を引っ掛けた。次いで、−30℃の環境下で、ガラス板(b)13を引張り試験機に金属の治具を用いて固定し、引張試験機を使用して、凧糸15をガラス板(b)13の表面に対して垂直方向(図2に示す引張方向)に、温度−30℃、引張速度300mm/分の条件で引っ張り、スライドガラス(a)12とガラス板(b)13とを剥離させた。スライドガラス(a)12及びガラス板(b)13を剥離させた後のスライドガラス(a)12及びガラス板(b)13の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
スライドガラス(a)及びガラス板(b)が割れることなく剥離した場合を「良好(○)」、スライドガラス(a)及びガラス板(b)のうちの少なくとも一方が破損した場合を「不良(×)」と、ガラス/ガラスリワーク性(−30℃)を評価した。
<−50℃における剥離試験>
上記評価用サンプルをオートクレーブに投入し、圧力5atm、温度50℃の条件で15分間、オートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後、上記評価用サンプルをオートクレーブから取り出し、取り出した評価用サンプルを、温度−50℃で30分静置した。次に、図2のように、スライドガラス(a)12の凧糸引張り部分14に凧糸15を引っ掛けた。次いで、−50℃の環境下で、ガラス板(b)13を引張り試験機に金属の治具を用いて固定し、引張試験機を使用して、凧糸15をガラス板(b)13の表面に対して垂直方向(図2に示す引張方向)に、温度−50℃、引張速度300mm/分の条件で引っ張り、スライドガラス(a)12とガラス板(b)13とを剥離させた。スライドガラス(a)12及びガラス板(b)13を剥離させた後のスライドガラス(a)12及びガラス板(b)13状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
スライドガラス(a)及びガラス板(b)が割れることなく剥離した場合を「良好(○)」、スライドガラス(a)及びガラス板(b)のうちの少なくとも一方が破損した場合を「不良(×)」と、ガラス/ガラスリワーク性(−50℃)を評価した。
(4)フィルムT型剥離試験
(評価用サンプルの作製)
図3は、フィルムT型剥離試験に使用した評価用サンプルを示す説明図(断面図)である。図4は、フィルムT型剥離試験に使用した評価用サンプルを示す説明図(平面図)である。
上記の実施例及び比較例で得られた粘着シートから、シート片(サイズ:長さ50mm×幅20mm、厚さ175μm又は150μm)を切り出した。切り出したシート片から一方の剥離フィルム(MRN#38)を剥離して、一方の粘着面をポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)(i)22(商品名「A4100」、東洋紡績(株)製、サイズ:長さ150mm×幅20mm、厚さ100μm)の表面と貼り合わせ、他方の剥離フィルム(MRF#38)を剥離して、他方の粘着面をPETフィルム(ii)23(商品名「A4100」、東洋紡績(株)製、サイズ:長さ150mm×幅20mm、厚さ100μm)と貼り合わせ、シート片21を介してPETフィルム(i)22及びPETフィルム(ii)23が貼り合わされた評価用サンプル(図3、4)を作製した。そして、PETフィルム(i)22/粘着シート(シート片)21/PETフィルム(ii)23の構成を有する評価用サンプルを得た。
<フィルムT型剥離試験>
上記評価用サンプルをオートクレーブに投入し、圧力5atm、温度50℃の条件で15分間、オートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後、上記評価用サンプルをオートクレーブから取り出し、取り出した評価用サンプルを、−30℃、−50℃のそれぞれの温度環境下で30分静置した。次いで、30分間静置した温度と同じ温度環境下で、PETフィルム(i)の端部24、PETフィルム(ii)の端部25を引っ張り試験機にチャック(つかみ具)で固定し、下記の条件で、PETフィルム(i)の端部24を図3に示す引張方向(図3に示す矢印方向)に引っ張り、PETフィルム(i)22とPETフィルム(ii)23とを剥離し、剥離させる際の最大荷重を測定した。試験は3回行い(n=3)、平均値をフィルムT型剥離力(N)とした。
装置(引っ張り試験機):商品名「オートグラフ」、(株)島津製作所製
サンプル幅 : 20mm
引張速度 : 300mm/分
引張方向 : CD方向(図3に示す矢印方向、シート片21とPETフィルム(i)22及びPETフィルム(ii)23との接着面に対して垂直方向)
繰り返し数 : n=3
また、フィルムT型剥離力が2N未満の場合を、「剥離性に優れる(粘着性が劣る)(○)」、フィルムT型剥離力が、2N以上5N未満の場合を「剥離性がやや劣る(粘着性が良好)(△)」、フィルムT型剥離力が、5N以上の場合を「剥離性が劣る(粘着性に優れる)(×)」と、剥離性を評価した。
なお、−30℃のフィルムT型剥離試験におけるフィルムT型剥離力、及び剥離性の評価結果は、表1の「フィルムT型剥離力(−30℃)(N)」及び「剥離性評価(−30℃)」の欄にそれぞれ示した。−50℃のフィルムT型剥離試験におけるフィルムT型剥離力、及び剥離性の評価結果は、表1の「フィルムT型剥離力(−50℃)(N)」及び「剥離性評価(−50℃)」の欄にそれぞれ示した。
(5)融点
上記の実施例及び比較例で得られた粘着シートの粘着剤層を2〜3mg採取し、アルミ製容器に入れ、クリンプしたものを測定用サンプルとした。上記測定用サンプルを、示差走査熱量計(DSC)(測定装置:装置名「Q−2000」、TA Instruments社製)により、JIS K 7121に準拠して、−80℃から80℃まで昇温速度10℃/分の条件で測定したときの吸熱ピークトップ温度(Tm)を融点(℃)とした。
なお、サンプルが結晶化しないため融点が測定できない場合は「測定不可(×)」とした。
なお、未測定の場合は、「融点(℃)」に、「−」と示した。
(6−1)180°ピール粘着力 対ガラス
上記の実施例及び比較例で得られた粘着シートから、長さ100mm、幅20mmのシート片(100mm×20mmのシート片)を切り出し、得られたシート片から一方の剥離フィルム(MRN#38)を剥離し、粘着面(測定面と反対面)にPETフィルム(商品名「ルミラー S−10」、東レ(株)製、厚さ50μm)を貼付(裏打ち)して、短冊状のシート片を作製した。
次いで、上記短冊状のシート片から他方の剥離フィルム(MRF#38)を剥離して、もう一方の粘着面(測定面)をガラス板(松浪硝子工業(株)製、厚さ0.7mm)に、23℃雰囲気下で、2kgローラーを1往復させることにより圧着し、測定サンプルを作製した。
上記測定サンプルを、23℃、50%RHの雰囲気中で30分間放置した後、引張試験機を用いて、180°剥離試験を行い、ガラス板に対する180°ピール粘着力(180°引き剥がし粘着力)(N/20mm)を測定した。測定は、23℃、50%RHの雰囲気下、剥離角度180°、引張速度300mm/分の条件で行った。
(6−2)180°ピール粘着力 対偏光板
上記の実施例及び比較例で得られた粘着シートから、長さ100mm、幅20mmのシート片(100mm×20mmのシート片)を切り出し、得られたシート片から一方の剥離フィルム(MRN#38)を剥離し、粘着面(測定面と反対面)にPETフィルム(商品名「ルミラー S−10」、東レ(株)製、厚さ50μm)を貼付(裏打ち)して、短冊状のシート片を作製した。
次いで、上記短冊状のシート片から他方の剥離フィルム(MRF#38)を剥離して、もう一方の粘着面(測定面)を偏光板(日東電工(株)製、厚さ250μm)に、23℃雰囲気下で、2kgローラーを1往復させることにより圧着し、測定サンプルを作製した。
上記測定サンプルを、23℃、50%RHの雰囲気中で30分間放置した後、引張試験機を用いて、180°剥離試験を行い、偏光板に対する180°ピール粘着力(180°引き剥がし粘着力)(N/20mm)を測定した。測定は、23℃、50%RHの雰囲気下、剥離角度180°、引張速度300mm/分の条件で行った。
なお、未測定の場合は、「180°ピール粘着力 対偏光板(N/20mm)」に、「−」と示した。
(7)耐加湿白濁性
実施例および比較例で得られた粘着シートから、長さ100mm、幅50mmのシート片(100mm×50mmのシート片)を切り出した。切り出したシート片から一方の剥離フィルム(MRN#38)を剥離して、ハンドローラーを用いて、一方の粘着面にガラス板(松波硝子工業(株)製、厚さ0.7mm、サイズ:長さ100mm×幅50mm)を貼り合わせ、他方の剥離フィルム(MRF#38)を剥離して、他方の粘着面にも同じガラス板(松波硝子工業(株)製、厚さ0.7mm、サイズ:長さ100mm×幅50mm)を貼り合わせ、シート片を介して2枚のガラス板が貼り合わされたガラス板/粘着シート(シート片)/ガラス板の構成を有する評価用サンプルを得た。
上記評価用サンプルをオートクレーブに投入し、圧力5atm、温度50℃の条件で15分間、オートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後、上記評価用サンプルをオートクレーブから取り出し、取り出した評価用サンプルを、加湿環境下(温度85℃、湿度85%RH)で100時間静置した。次いで、室温環境下(温度23℃、湿度50%RH)で24時間静置した。その後、評価用サンプルの粘着剤の白濁の有無を目視で確認し、以下の基準で評価した。
白濁が見られない場合を「優れる(◎)」、評価用サンプルの4隅部分の粘着剤のみが白濁している場合を「良好(○)」、評価用サンプルの外周の粘着剤のみが白濁している場合を「やや劣る(△)」、評価用サンプルの粘着剤全体が白濁している場合を「劣る(×)」と、耐加湿白濁性を評価した。
Figure 2014012808
表1で用いたモノマー成分の略号は以下のとおりである。
LA:ラウリルアクリレート
IBXA:アクリル酸イソボルニル
NVP:N−ビニル−2−ピロリドン
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル
DMAEA:ジメチルアミノエチルアクリレート
DMAPAA:ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
AA:アクリル酸
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
表1の結果から明らかなように、実施例1〜14の粘着シートは、室温の粘着性に優れ、且つ−30℃の粘着性にも優れていた。また、−50℃では、リワーク性に優れていた。また、実施例4〜7の粘着シートは、耐加湿白濁性が特に優れていた。また、実施例8〜14の粘着シートは、偏光板に対する粘着力が特に優れていた。
11 シート片(粘着シート)
12 スライドガラス(a)
13 ガラス板(b)
14 凧糸引張り部分
15 凧糸
21 シート片(粘着シート)
22 ポリエチレンテレフタレートフィルム(i)(PETフィルム(i))
23 ポリエチレンテレフタレートフィルム(ii)(PETフィルム(ii))
24 ポリエチレンテレフタレートフィルム(i)の端部(PETフィルム(i)の端部)
25 ポリエチレンテレフタレートフィルム(ii)の端部(PETフィルム(ii)の端部)

Claims (6)

  1. モノマー成分を重合して得られたアクリル系ポリマー、又は前記モノマー成分の部分重合物を含む粘着剤組成物であって、
    前記モノマー成分は、炭素数が10〜13であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、カルボキシル基を除く極性基含有モノマーとを含み、
    前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が、前記モノマー成分全量(100重量%)に対して40重量%以上80重量%未満であり、
    前記極性基含有モノマーの含有量が、前記モノマー成分全量(100重量%)に対して7重量%以上であり、
    前記モノマー成分における、前記極性基含有モノマー及び脂環式モノマーの合計含有量が、前記モノマー成分全量(100重量%)に対して15重量%以上であることを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 前記極性基含有モノマーが、ヒドロキシル基含有モノマー及び窒素原子含有モノマーからなる群より選ばれた1種以上のモノマーである請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 請求項1または2に記載の粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する粘着シート。
  4. 前記粘着剤層中の、前記アクリル系ポリマーの含有量が50重量%以上である請求項3に記載の粘着シート。
  5. 光学用粘着シートである請求項3または4に記載の粘着シート。
  6. 下記−30℃における剥離試験では、被着体A及び被着体Bのうちの少なくとも一方が破損するが、下記−50℃における剥離試験では、被着体Aと被着体Bとを破損することなく剥離できることを特徴とする両面粘着シート。
    −30℃における剥離試験:両面粘着シート(サイズ:長さ30mm×幅26mm)の一方の粘着面を下記被着体Aの表面に貼り付け、他方の粘着面を下記被着体Bの表面に貼り付けて、被着体A/両面粘着シート/被着体Bの構成を有する試験片を作製し、該試験片を、圧力5atm、温度50℃の条件で15分間処理し、−30℃の環境下で30分静置した後、−30℃の環境下、前記被着体Aを固定し、前記被着体Bを前記被着体Aの表面に対して垂直方向に引っ張り、被着体Aと被着体Bとを剥離する。
    −50℃における剥離試験:両面粘着シート(サイズ:長さ30mm×幅26mm)の一方の粘着面を下記被着体Aの表面に貼り付け、他方の粘着面を下記被着体Bの表面に貼り付けて、被着体A/両面粘着シート/被着体Bの構成を有する試験片を作製し、該試験片を、圧力5atm、温度50℃の条件で15分間処理し、−50℃の環境下で30分静置した後、−50℃の環境下、前記被着体Aを固定し、前記被着体Bを前記被着体Aの表面に対して垂直方向に引っ張り、被着体Aと被着体Bとを剥離する。
    被着体A:ガラス板(厚さ0.7mm、サイズ:長さ100mm×幅50mm)
    被着体B:スライドガラス(厚さ1.0〜1.3mm、サイズ:長さ76mm×幅26mm)
JP2012257276A 2012-04-27 2012-11-26 粘着剤組成物、及び粘着シート Pending JP2014012808A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012257276A JP2014012808A (ja) 2012-04-27 2012-11-26 粘着剤組成物、及び粘着シート
TW102114867A TW201402744A (zh) 2012-04-27 2013-04-25 壓感黏著組合物及壓感黏著片材
US13/870,240 US20130289210A1 (en) 2012-04-27 2013-04-25 Pressure-sensitive adhesive composition and pressure-sensitive adhesive sheet
KR1020130046932A KR20130121759A (ko) 2012-04-27 2013-04-26 점착제 조성물 및 점착 시트
CN2013101531268A CN103374274A (zh) 2012-04-27 2013-04-27 压敏胶粘剂组合物和压敏胶粘片

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012103117 2012-04-27
JP2012103117 2012-04-27
JP2012126915 2012-06-04
JP2012126915 2012-06-04
JP2012257276A JP2014012808A (ja) 2012-04-27 2012-11-26 粘着剤組成物、及び粘着シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014012808A true JP2014012808A (ja) 2014-01-23

Family

ID=49460131

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012257276A Pending JP2014012808A (ja) 2012-04-27 2012-11-26 粘着剤組成物、及び粘着シート

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20130289210A1 (ja)
JP (1) JP2014012808A (ja)
KR (1) KR20130121759A (ja)
CN (1) CN103374274A (ja)
TW (1) TW201402744A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015189940A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 アイカ工業株式会社 粘着剤組成物
JP2016017119A (ja) * 2014-07-07 2016-02-01 旭硝子株式会社 両面粘着フィルム、粘着層付き透明面材、および積層体
JP2016017113A (ja) * 2014-07-07 2016-02-01 日東電工株式会社 粘着シート
KR20160117268A (ko) * 2015-03-31 2016-10-10 린텍 코포레이션 점착 시트
JP2016535324A (ja) * 2013-12-20 2016-11-10 エルジー・ケム・リミテッド 光学フィルム
JP2017141471A (ja) * 2017-04-17 2017-08-17 リンテック株式会社 粘着性組成物、粘着剤および粘着シート
JP2017183309A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 リンテック株式会社 半導体加工用シート
JP2018203829A (ja) * 2017-05-31 2018-12-27 王子ホールディングス株式会社 粘着シート
WO2020158484A1 (ja) * 2019-01-30 2020-08-06 日東電工株式会社 粘着シート、粘着層付き光学フィルム、積層体、および画像表示装置
JP2020122140A (ja) * 2019-01-30 2020-08-13 日東電工株式会社 粘着シート、粘着層付き光学フィルム、積層体、および画像表示装置
JP2020532631A (ja) * 2017-09-22 2020-11-12 エルジー・ケム・リミテッド 偏光板保護層用の無溶剤型光硬化性樹脂組成物、これの硬化物を含む偏光板及び画像表示装置
WO2021066036A1 (ja) * 2019-10-03 2021-04-08 王子ホールディングス株式会社 粘着シート
WO2021066037A1 (ja) * 2019-10-03 2021-04-08 王子ホールディングス株式会社 粘着シート及び粘着シートの製造方法
WO2022019260A1 (ja) * 2020-07-22 2022-01-27 日東電工株式会社 粘着シートおよび粘着層付きフィルム
WO2024038849A1 (ja) * 2022-08-19 2024-02-22 日東電工株式会社 粘着剤組成物、粘着剤層、粘着シート、粘着剤層付光学部材、画像表示装置、及びタッチパネル

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014172999A (ja) * 2013-03-08 2014-09-22 Nitto Denko Corp 粘着シート
KR102488350B1 (ko) * 2018-12-21 2023-01-13 주식회사 엘지화학 아크릴계 점착제 조성물, 편광판 및 디스플레이 장치
JP2022136543A (ja) * 2021-03-08 2022-09-21 日東電工株式会社 光学用粘着剤組成物

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04178482A (ja) * 1990-11-09 1992-06-25 Nitto Denko Corp 感圧接着剤及び表面保護部材
KR101061939B1 (ko) * 2007-12-12 2011-09-05 주식회사 엘지화학 편광판용 아크릴계 점착제 조성물
JP5342174B2 (ja) * 2008-05-23 2013-11-13 日東電工株式会社 粘着剤組成物およびその利用
US8067504B2 (en) * 2009-08-25 2011-11-29 3M Innovative Properties Company Acrylic pressure-sensitive adhesives with acylaziridine crosslinking agents
JP5518436B2 (ja) * 2009-11-09 2014-06-11 日東電工株式会社 光学用粘着シート

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016535324A (ja) * 2013-12-20 2016-11-10 エルジー・ケム・リミテッド 光学フィルム
JP2015189940A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 アイカ工業株式会社 粘着剤組成物
JP2016017119A (ja) * 2014-07-07 2016-02-01 旭硝子株式会社 両面粘着フィルム、粘着層付き透明面材、および積層体
JP2016017113A (ja) * 2014-07-07 2016-02-01 日東電工株式会社 粘着シート
KR20160117268A (ko) * 2015-03-31 2016-10-10 린텍 코포레이션 점착 시트
JP2016190939A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 リンテック株式会社 粘着シート
KR102413010B1 (ko) * 2015-03-31 2022-06-27 린텍 코포레이션 점착 시트
JP2017183309A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 リンテック株式会社 半導体加工用シート
JP2017141471A (ja) * 2017-04-17 2017-08-17 リンテック株式会社 粘着性組成物、粘着剤および粘着シート
JP2018203829A (ja) * 2017-05-31 2018-12-27 王子ホールディングス株式会社 粘着シート
JP2020532631A (ja) * 2017-09-22 2020-11-12 エルジー・ケム・リミテッド 偏光板保護層用の無溶剤型光硬化性樹脂組成物、これの硬化物を含む偏光板及び画像表示装置
JP7024065B2 (ja) 2017-09-22 2022-02-22 杉金光電(蘇州)有限公司 偏光板保護層用の無溶剤型光硬化性樹脂組成物、これの硬化物を含む偏光板及び画像表示装置
JP2020122140A (ja) * 2019-01-30 2020-08-13 日東電工株式会社 粘着シート、粘着層付き光学フィルム、積層体、および画像表示装置
CN111902275A (zh) * 2019-01-30 2020-11-06 日东电工株式会社 粘合片、带有粘合层的光学膜、层叠体和图像显示装置
WO2020158484A1 (ja) * 2019-01-30 2020-08-06 日東電工株式会社 粘着シート、粘着層付き光学フィルム、積層体、および画像表示装置
WO2021066036A1 (ja) * 2019-10-03 2021-04-08 王子ホールディングス株式会社 粘着シート
WO2021066037A1 (ja) * 2019-10-03 2021-04-08 王子ホールディングス株式会社 粘着シート及び粘着シートの製造方法
JP2021059619A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 王子ホールディングス株式会社 粘着シート及び粘着シートの製造方法
WO2022019260A1 (ja) * 2020-07-22 2022-01-27 日東電工株式会社 粘着シートおよび粘着層付きフィルム
WO2024038849A1 (ja) * 2022-08-19 2024-02-22 日東電工株式会社 粘着剤組成物、粘着剤層、粘着シート、粘着剤層付光学部材、画像表示装置、及びタッチパネル

Also Published As

Publication number Publication date
US20130289210A1 (en) 2013-10-31
KR20130121759A (ko) 2013-11-06
TW201402744A (zh) 2014-01-16
CN103374274A (zh) 2013-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014012808A (ja) 粘着剤組成物、及び粘着シート
JP6722267B2 (ja) 粘着剤組成物、粘着剤層、粘着シート、光学部材、及びタッチパネル
KR102053001B1 (ko) 판의 박리 방법
US20150368516A1 (en) Double-sided pressure-sensitive adhesive sheet, laminate and method for peeling plates
JP6001316B2 (ja) 粘着シート
JP6114004B2 (ja) 粘着剤組成物、及び粘着シート
JP5968587B2 (ja) 光学用粘着シート、光学フィルムおよび表示装置
JP5518436B2 (ja) 光学用粘着シート
JP6001255B2 (ja) 粘着シート
JP2013006892A (ja) 光学用両面粘着シート
JP2013122035A (ja) 粘着シート
JP6407527B2 (ja) 光学用粘着剤層、粘着シート、光学部材、及びタッチパネル
JP6223795B2 (ja) 板の剥離方法
JP2013032483A (ja) 光学用両面粘着シート、光学部材、タッチパネル、画像表示装置、及び剥離方法
JP2010189545A (ja) 両面粘着シートおよび粘着型光学部材
JP2012153788A (ja) 光学用粘着シート
JP5860297B2 (ja) アクリル系粘着テープ
JP2014172999A (ja) 粘着シート