JP2014012618A - 非晶質シリカの製造装置及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケイ酸アルカリ水溶液の滴下速度を速めるなどの様々な製造条件にも対応可能であり、かつ、連続的にかつ安定的に非晶質シリカを製造することができる非晶質シリカの製造装置を提供する。
【解決手段】ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸を混合して、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸が反応してなる非晶質シリカを製造するための装置であって、鉱酸7を一定の方向に流通させるための流路を有する流通槽1と、流路内を流通している鉱酸7にケイ酸アルカリ水溶液を添加するためのケイ酸アルカリ水溶液添加手段2と、非晶質シリカ8を回収するためのシリカ回収手段3を含む非晶質シリカの製造装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、非晶質シリカの製造装置及び製造方法に関する。
シリカは天然物と合成物に大別することができる。また、これら天然物及び合成物には、各々、結晶質シリカ及び非晶質シリカが存在する。
結晶質シリカ及び非晶質シリカは、多岐にわたる分野で利用されている。特に非晶質シリカは、機能性フィラー材として、インクの増粘剤、紙の填料、ゴム及びプラスチックの充填剤等の様々な用途で利用されている。また、非晶質シリカは、最近では太陽電池用シリコンの原料やパワー半導体用の炭化ケイ素等の原料としても利用されている。
一般的な非晶質シリカの製造方法としては、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸の中和反応を用いた湿式法が挙げられる。
湿式法の中でも、沈降法は、ろ過等の操作が容易であり、製造コストに優れていることが広く知られている。
ここで、沈降法とは、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸を中和反応させる際に、寒天状のケイ酸ゲルが生じないように制御して、非晶質シリカを粒子として析出及び沈降させる方法である。
沈降法を用いた非晶質シリカの製造方法としては、従来より種々のものが提案されている。
一例として、珪酸アルカリ水溶液中に珪酸アルカリ水溶液と鉱酸とを反応系の温度を40〜75℃に保ちながら同時に添加してシリカを析出せしめ、該シリカの凝集を確認した後に、反応系の温度を90〜100℃に昇温することを特徴とする沈降シリカの製造方法が、提案されている(特許文献1)。
他の例として、珪酸アルカリと、珪酸アルカリ以外のアルカリ金属塩とを各々特定の濃度で含有する珪酸アルカリ水溶液に、50℃以下の温度で中和度が20〜40%となるように鉱酸を添加し、次いで80〜95℃まで昇温し、該温度においてpHが3〜6になるまで鉱酸を45〜90分連続的に添加することを特徴とする含水珪酸の製造方法が、提案されている(特許文献2)。
特開平11−228126号公報 特開2000−351618号公報
ケイ酸アルカリ水溶液を反応槽内の鉱酸に滴下して非晶質シリカを生成させる方法において、バッチ式の一般的な反応槽を使用した場合、生成した非晶質シリカが反応槽内の鉱酸の液面を被覆してしまい、その後に供給されるケイ酸アルカリ水溶液と、鉱酸との反応が阻害されるという問題があった。
特に、生産の効率を上げるためにケイ酸アルカリ水溶液の滴下速度を速めた場合や、ケイ酸アルカリ水溶液の粘度の上昇に伴ってケイ酸アルカリ水溶液中に空気が混入した場合や、比重の軽いカーボンや無機フィラーを含むケイ酸アルカリ水溶液を用いた場合などにおいては、生成した非晶質シリカが鉱酸の液面を被覆する現象が生じ易く、連続して安定的に非晶質シリカを製造することが困難であった。
本発明の目的は、ケイ酸アルカリ水溶液の滴下速度を速めるなどの様々な製造条件にも対応可能であり、かつ、連続的にかつ安定的に非晶質シリカを製造することができる装置及び方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、鉱酸を一定の方向に流通させるための流路を有する流通槽と、前記流路内を流通している鉱酸にケイ酸アルカリ水溶液を添加するためのケイ酸アルカリ水溶液添加手段と、非晶質シリカを回収するためのシリカ回収手段とを含む非晶質シリカの製造装置によれば、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1] ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸を混合して、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸が反応してなる非晶質シリカを製造するための装置であって、鉱酸を一定の方向に流通させるための流路を有する流通槽と、前記流路内を流通している鉱酸にケイ酸アルカリ水溶液を添加するためのケイ酸アルカリ水溶液添加手段と、非晶質シリカを回収するためのシリカ回収手段と、を含むことを特徴とする非晶質シリカの製造装置。
[2] 前記流通槽が、前記鉱酸を循環して流通させるための、環状の流路を有する流通槽、または、始点及び終点のある流路を有する流通槽である前記[1]に記載の非晶質シリカの製造装置。
[3] 前記流通槽が、前記鉱酸を循環して流通させるための、環状の流路を有する流通槽であり、前記非晶質シリカの製造装置が、ケイ酸アルカリ水溶液の添加前の鉱酸のpHを調整するためのpH調整手段を含む前記[1]又は[2]に記載の非晶質シリカの製造装置。
[4] 前記pH調整手段が、ケイ酸アルカリ水溶液の添加前の鉱酸のpHを測定するためのpH測定手段と、前記流路内の鉱酸の一部を排出するための鉱酸排出手段と、前記流路に新たな鉱酸を供給するための鉱酸供給手段と、前記pH測定手段によって得られたpHの値に基づいて、前記鉱酸排出手段における鉱酸の排出量と、前記鉱酸供給手段における鉱酸の供給量を調整するための、鉱酸の排出及び供給制御手段と、を含む前記[3]に記載の非晶質シリカの製造装置。
[5] 前記[1]〜[4]のいずれかに記載の非晶質シリカの製造装置を用いた非晶質シリカの製造方法であって、前記流通槽の流路に、pH1.0以下の鉱酸を流通させる鉱酸流通工程と、前記ケイ酸アルカリ水溶液添加手段によって、前記pH1.0以下の鉱酸にケイ酸アルカリ水溶液を添加して、非晶質シリカを生成させる非晶質シリカ生成工程と、生成した非晶質シリカを回収する非晶質シリカ回収工程と、を含む非晶質シリカの製造方法。
[6] 上記ケイ酸アルカリ水溶液が、上記鉱酸中において非晶質シリカを浮上させる作用を有する物質を含む前記[5]に記載の非晶質シリカの製造方法。
本発明によれば、ケイ酸アルカリ水溶液の滴下速度を速めるなどの様々な製造条件下においても、生成した非晶質シリカが鉱酸の液面を被覆するなどの現象が生じず、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸の反応を常に円滑に行なうことができ、連続的にかつ安定的に非晶質シリカを製造することができる。
本発明の製造装置の一例を概念的に示す平面図である。 本発明の製造方法の一例を示すフロー図である。
以下、図1を参照しつつ本発明を説明する。
本発明の非晶質シリカ製造装置9は、流通槽1と、ケイ酸アルカリ水溶液添加装置(ケイ酸アルカリ水溶液添加手段)2と、シリカ回収手段3を有する。
流通槽1は、鉱酸7を一定の方向に流通させるためのものである。
流通槽1の内部は鉱酸7で満たされており、鉱酸7、12、15は、流通槽1の環状の流路内を一定の方向(図1中、時計の回転方向と反対の方向)に流通している。
なお、図1中の環状の流路の内側の部分(図中の長尺の矩形の部分)は、鉱酸7が流通していない部分であり、例えば、薄板状の壁体で仕切られた空洞でもよいし、矩形の断面を有する構造体でもよい。
鉱酸7を常に一定の方向に流通させることで、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸7の反応によって生成した非晶質シリカ8を、順次、ケイ酸アルカリ水溶液が鉱酸7に添加される位置(以下、「ケイ酸アルカリ水溶液添加位置」ともいう。)から、鉱酸7の流れに乗せて下流方向へと移動させることができる。生成した非晶質シリカ8を下流の方向に移動させることによって、ケイ酸アルカリ水溶液の添加位置の周辺の鉱酸7を、常に、フレッシュな状態(液面が非晶質シリカによって被覆されていない状態)に保つことができ、その結果、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸7の反応が常に円滑に進み、連続的にかつ安定的に非晶質シリカを生成させることができる。
特に、非晶質シリカと他の物質(例えば、カーボン)の混合物からなる固体分を得るために、ケイ酸アルカリ水溶液が、他の物質(例えば、カーボン)を含む場合、当該他の物質が、鉱酸中において非晶質シリカを浮上させる作用を有する物質(例えば、カーボン)であれば、非晶質シリカの浮上が促進されて、鉱酸7の液面が非晶質シリカと当該他の物質(例えば、カーボン)の混合物によって被覆される現象が生じ易くなる。この点、本発明では、非晶質シリカ及び他の物質の混合物が、ケイ酸アルカリ水溶液の添加位置から離れた下流側の地点で浮上するので、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸7の反応が妨げられることはない。
また、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸7が反応することによって反応生成物(非晶質シリカ8)の周辺の鉱酸7のpHは上昇する。しかし、pHの上昇した鉱酸7は、ケイ酸アルカリ水溶液の添加位置に留まることなく、当該添加位置から下流の方向に移動していく。そして、ケイ酸アルカリ水溶液の添加位置には、pHの上昇していない上流側の鉱酸15が、移動してくる。こうして、ケイ酸アルカリ水溶液の添加位置及びその周辺の鉱酸7のpHは、常に、一定の値以下(例えば、1.0以下)に維持される。このため、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸7の反応が、常に、最適のpHの下で進み、良好な性状(非ゲル状で粒子状の形態)を有する非晶質シリカを多量に生成させることができる。
特に、生産効率を上げるためにケイ酸アルカリ水溶液の滴下速度を速めた場合等においては、従来、ケイ酸アルカリ水溶液の添加位置の周辺のpHが一気に上昇することで、次の反応において非晶質シリカ8が生成しない、あるいは非晶質シリカ8がゲル状で生成するという問題があった。この点、本発明では、鉱酸7を常に一定の方向に流通させているので、該添加位置及びその周辺の鉱酸7のpHを一定の値以下(例えば、1.0以下)に維持することができる。なお、非晶質シリカ8がゲル状で生成すると、非晶質シリカ8の回収が困難になると共に、非晶質シリカ8の収量が低下する。
鉱酸7を一定の方向に流通させる方法としては、流通槽1の流路に傾斜を設けて、鉱酸7が一定の方向に流れるように設計してもよく、流通槽1の流路内にポンプ、水車、又はジェット水流等の装置を設置して、鉱酸7が一定の方向に流通するようにしてもよい。
鉱酸7が流通する速度は、特に限定されないが、生成した非晶質シリカ8を速やかに移動させて、ケイ酸アルカリ水溶液の添加位置及びその周辺における鉱酸7を常にフレッシュな状態に保つことができる速度であることが好ましい。
図1に示すように、流通槽1において、鉱酸7を循環させてもよい。鉱酸7を循環させることで、本発明の非晶質シリカの製造装置を構成する各装置(各手段)を統合して制御し管理することができる。
流通槽1において、鉱酸7を循環させる方法としては、例えば、図1に示すように、環状(略ドーナッツ形状)の流路を有する流通槽1を用いて、鉱酸7が、流路内のケイ酸アルカリ水溶液の添加位置から、流路内のシリカ回収装置(シリカ回収手段)3、pH調整装置(pH調整手段)4が配設された位置を通って、そして再びケイ酸アルカリ水溶液の添加位置へと循環して流通するようにすればよい。
この場合、鉱酸7を循環させるための手段として、上述したポンプ、水車、ジェット水流等の手段が用いられる。該ポンプ等の手段が設置される位置は、好ましくは、ケイ酸アルカリ水溶液の添加位置の上流側の近傍(例えば、図1中のケイ酸アルカリ水溶液添加装置2の右方の領域)である。後述するpH調整装置4を用いる場合、該ポンプ等の手段が設置される位置は、好ましくは、pH調整装置4の下流側でかつケイ酸アルカリ水溶液装置2の上流側の領域である。鉱酸の安定した流通状態を確保する観点から、前記のポンプ等の手段に加えて、ポンプ、水車、ジェット水流等の補助的な手段を、例えば、ケイ酸アルカリ水溶液装置2の下流側でかつpH調整装置4の上流側の領域に配置してもよい。
また、鉱酸を流通させる他の方法としては、例えば、始点及び終点のある流路を有する流通槽を用いて、ケイ酸アルカリ水溶液の添加位置の上流側の地点(始点)から鉱酸を流路に供給して、鉱酸を一定の方向(始点から終点に向かう方向)に流通させて、シリカ回収装置の下流側における鉱酸の流通が終了する地点(終点)において、ポンプ等を用いて鉱酸を回収する方法が挙げられる。ポンプ等を用いて回収した鉱酸は、供給路を経て、ケイ酸アルカリ水溶液の添加位置の上流側に導かれ、該上流側の地点(始点)から再び流路に供給されてもよい。
本発明で用いられる鉱酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等が挙げられる。中でも、薬剤コストの低減の観点から、硫酸が好ましく用いられる。
鉱酸の濃度は、ケイ酸アルカリ水溶液を添加したときに非ゲル状の非晶質シリカが生成する濃度であり、好ましくは10体積%以上、より好ましくは15体積%以上、特に好ましくは20体積%以上である。該濃度が10体積%未満の場合、非晶質シリカが生成しない、あるいは、非晶質シリカと共にゲル状の非晶質シリカが生成して、非晶質シリカの回収が困難となり、かつ、非晶質シリカの収量が低下する。
ケイ酸アルカリ水溶液を添加する直前の鉱酸のpHは、非ゲル状の非晶質シリカを安定的に生成させる観点から、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.9以下である。pHが1.0を超えると、非晶質シリカが生成しない、あるいは、非晶質シリカと共にゲル状の非晶質シリカが生成して、非晶質シリカの回収が困難となり、かつ、非晶質シリカの収量が低下する。
鉱酸のpHを一定の数値(例えば、1.0)以下に保つ方法としては、ケイ酸アルカリ水溶液添加装置2の上流側の地点で、新たな鉱酸を一定の速度(供給量/時間)で供給し、かつ、ケイ酸アルカリ水溶液添加装置2の下流側の地点で、流路内を流通する鉱酸の一部を一定の速度(排出量/時間)で排出させながら、流路内の鉱酸を循環させる方法や、後述するpH調整装置4を用いて制御する方法や、循環している鉱酸7のpHが一定の数値を超えた場合に、流通槽1内の鉱酸7を全て交換する方法等が挙げられる。
ケイ酸アルカリ水溶液添加装置2としては、ケイ酸アルカリ水溶液を鉱酸7に添加できるものであれば特に限定されず、例えば、ケイ酸アルカリ水溶液の粘性等の性状に応じて、重力滴下装置、スラリーポンプ等の中から適宜選択すればよい。
ケイ酸アルカリ水溶液添加装置2を用いてケイ酸アルカリ水溶液を鉱酸7に添加する方法の好ましい一例は、ケイ酸アルカリ水溶液を鉱酸7の液面に滴下する方法である。該方法の好ましい他の例は、鉱酸7の液中に、好ましくは1.0mmφ以上、より好ましくは4.0mmφ以上の排出口を有するノズルを入れて、このノズルの排出口を鉱酸7の下流側に向け、このノズルからケイ酸アルカリ水溶液を鉱酸7中に直接供給する方法である。
鉱酸7に添加されるケイ酸アルカリ水溶液の供給速度(供給量/時間)は、特に限定されないが、供給速度が非常に大きいと、鉱酸7の液面付近のpHが一時的に急上昇し、ゲル状の非晶質シリカが生成するおそれがあるため、適当な一定の速度に調整することが望ましい。
本明細書中、ケイ酸アルカリ水溶液とは、化学式中にケイ酸(SiO)を含む物質を含有するアルカリ性の水溶液をいう。ケイ酸アルカリ水溶液の例としては、シリカ含有鉱物を原料として調製されるケイ酸アルカリ水溶液や、水ガラス等が挙げられる。
シリカ含有鉱物を原料として調製されるケイ酸アルカリ水溶液は、例えば、シリカ含有鉱物粉末とアルカリ水溶液を混合して、pHが11.5以上のアルカリ性スラリーを調製し、液分中のSi濃度が好ましくは6.0質量%以上となるように、上記シリカ含有鉱物粉末中のSiを液分中に溶解させた後、上記アルカリ性スラリーを固液分離することによって得ることができる。上記シリカ含有鉱物としては、珪藻土、珪質頁岩等が挙げられる。
シリカ含有鉱物を原料として調製されるケイ酸アルカリ水溶液中のSiの濃度は、好ましくは6.0質量%以上、より好ましくは8.0質量%以上、特に好ましくは10.0質量%以上である。該濃度が6.0質量%未満であると、ケイ酸アルカリ水溶液を鉱酸に添加した際に非晶質シリカがゲル状で析出することがあり、その結果、非晶質シリカの回収が困難になると共に、非晶質シリカの収量が低下する。
水ガラスとしては、市販のものを使用することができ、例えば、JIS規格により規定される1号、2号、3号の他に、各水ガラスメーカーで製造販売されているJIS規格外の製品も使用することができる。
水ガラス中のSiの濃度は、好ましくは10.0質量%以上、より好ましくは12.5質量%以上、特に好ましくは15.0質量%以上である。該濃度が10.0質量%未満であると、ケイ酸アルカリ水溶液を鉱酸に添加した際に非晶質シリカがゲル状で析出することがあり、その結果、非晶質シリカの回収が困難になると共に、非晶質シリカの収量が低下する。
ケイ酸アルカリ水溶液は、カーボンや、機能性フィラー等の他の物質を含むことができる。例えば、カーボンを含むことによって、炭化ケイ素やシリコンの原料として用い得る、シリカ(SiO)とカーボン(C)の混合物を得ることができる。
ケイ酸アルカリ水溶液を鉱酸に添加する際の非晶質シリカの析出温度は、非晶質シリカの収量を増加させる観点から、好ましくは10〜80℃、より好ましくは40〜70℃、特に好ましくは50〜60℃である。該温度が10℃未満であると、非晶質シリカの収量が低下する。該温度が80℃を超えると、エネルギーコストが上昇するとともに、設備の腐食が生じ易くなる。
シリカ回収装置(シリカ回収手段)3は、鉱酸と非晶質シリカ10から、固体である非晶質シリカ8と、液体である鉱酸7を分離することができる固液分離装置であれば、特に限定されない。
シリカ回収装置3としては、流路に配設される網状のベルトフィーダーや、回収ネットや、掬い取り装置等が挙げられる。掬い取り装置を用いた場合、固体分(非晶質シリカ8及びカーボン等の他の物質)が、鉱酸に対して浮揚性を有していても、これらの固体分を簡便に回収することができる。
本発明の非晶質シリカの製造装置9は、鉱酸7のpHを調整するためのpH調整装置(pH調整手段)4を含むことができる。
pH調整装置4は、ケイ酸アルカリ水溶液添加装置2の上流側に設置される。図1に示すように鉱酸7が流通槽1内を循環している場合、pH調整装置4は、好ましくは、シリカ回収装置3の下流側でかつケイ酸アルカリ水溶液添加装置2の上流側に設置される。pH調整装置4を設置することで、安定的かつ自動的に鉱酸のpHを管理することができる。
pH調整装置4としては、例えば、pH測定装置(pH測定手段)と、鉱酸排出装置(鉱酸排出手段)と、鉱酸供給装置(鉱酸供給手段)と、鉱酸の排出及び供給制御装置(鉱酸の排出及び供給制御手段)とを有するものが挙げられる。pH調整装置4は、鉱酸排出装置において流路内の鉱酸の少なくとも一部を排出するとともに、鉱酸供給装置において流路に新たな鉱酸を供給することによって、鉱酸のpHを調整する。
上記pH測定装置は、鉱酸のpHを測定するためのものである。鉱酸のpHを測定する場所は、特に限定されないが、pH調整の容易性の観点から、鉱酸排出装置による鉱酸の排出地点の上流側の地点(排出時のpHを測定しうる地点)、及び、鉱酸供給装置による新たな鉱酸の供給地点の下流側の地点(新たな鉱酸の供給後のpHを測定しうる地点)の両方であることが好ましい。
上記鉱酸の排出及び供給制御装置は、pH測定装置によって測定されたpHの数値に基づいて、鉱酸排出装置によって排出すべき鉱酸の量と、鉱酸供給装置によって供給すべき新たな鉱酸の量を調節し、流路内の鉱酸7のpHが一定の数値(例えば、1.0)以下となるように制御するためのものである。
具体的には、鉱酸7を循環させて使用する場合において、シリカ回収装置3の下流側の鉱酸7のpHが上昇した場合(例えば、pHが1.0を超えた場合)、鉱酸7の一部又は全部を排出し、pHの低い新たな鉱酸14(例えば、pHが0.5以下の鉱酸)を、鉱酸供給装置を用いて外部から供給することによって、流路内の鉱酸7のpHの値を、一定の数値(例えば、1.0)以下に保つことができる。
なお、鉱酸排出装置によって排出されたpHの高い鉱酸13は、以降の工程(例えば、回収した非晶質シリカを酸洗浄する工程)において、再使用することができる。これにより、製造システム全体として、効率的に鉱酸を利用することができる。
本発明の非晶質シリカの製造装置9は、シリカ回収装置3において回収された非晶質シリカ11を酸または水で洗浄する洗浄装置5、6を含むことができる。
非晶質シリカを洗浄することで、より高純度の非晶質シリカを得ることができる。
洗浄は、酸を用いた洗浄(酸洗浄)でもよく、水を用いた洗浄(水洗浄)でもよい。また、酸洗浄と水洗浄の両方を行ってもよく、酸洗浄及び水洗浄をそれぞれ複数回繰り返してもよい。
洗浄装置としては、酸洗浄と水洗浄の両方の機能を兼ね備えた装置を用いてもよいし、酸洗浄装置5と水洗浄装置6を組み合わせて用いてもよい。
上記酸洗浄は、非晶質シリカと酸溶液を混合して、pHが3.0未満の酸性スラリーを調製し、非晶質シリカ中に残存する不純物(例えば、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)等)を溶解させた後、上記酸性スラリーをフィルタープレス等の固液分離手段を用いて、非晶質シリカと不純物を含む液分に分離するものである。
上記酸性スラリーのpHは、3.0未満、好ましくは2.0以下である。酸性スラリーのpHを上記範囲内に調整して酸洗浄を行うことにより、非晶質シリカに残存するAl、Fe等の不純物を溶解して液分中へ移行させて、非晶質シリカ中のシリカの含有率を上昇させることができ、より高純度の非晶質シリカを得ることができる。
pHを上記数値範囲内に調整するための酸としては、硫酸、塩酸、シュウ酸等が用いられる。
なお、pH調整を行う際の液温は、処理の効率やエネルギーコスト等の観点から、好ましくは20〜100℃、より好ましくは20〜80℃である。
酸洗浄で得られた不純物を含む液分は、pH値が許容される範囲内で、流通槽1で用いられる鉱酸(例えば、pHの低い新たな鉱酸14)として再使用してもよい。
水洗浄は、非晶質シリカと水を混合することによって、非晶質シリカ中に残存する不純物(例えばナトリウム(Na)、硫黄(S)等)を溶解させた後、フィルタープレス等の固液分離手段を用いて、非晶質シリカと不純物を含む液分に分離するものである。
水洗浄を行うことにより、非晶質シリカの残存するNa、S等の不純物を溶解して液分中に移行させて、非晶質シリカ中のシリカの含有率を上昇させることができ、より高純度の非晶質シリカを得ることができる。
最終的に得られた非晶質シリカは、適宜、乾燥処理及び/又は焼成処理を行うことができる。乾燥処理及び/又は焼成処理の条件は、例えば、100〜1000℃で1〜5時間である。
図1では、流通槽1内に、ケイ酸アルカリ水溶液添加装置2、シリカ回収装置3、pH調整装置4を、循環する流路に沿って配設しているが、流路を循環させない形態も可能である。また、連続的な製造方法の他、バッチ式の製造方法も可能である。
本発明の非晶質シリカの製造方法は、流通槽1の流路に、pH1.0以下の鉱酸を流通させる鉱酸流通工程と、ケイ酸アルカリ水溶液添加手段2によって、前記pH1.0以下の鉱酸にケイ酸アルカリ水溶液を添加して、非晶質シリカを生成させる非晶質シリカ生成工程と、生成した非晶質シリカを回収する非晶質シリカ回収工程と、を含む。
非晶質シリカが回収された後の鉱酸は、図1に示すように、循環させて用いることができる。
本発明の非晶質シリカの製造方法は、非晶質シリカ回収工程で回収された非晶質シリカを酸で少なくとも一回洗浄する酸洗浄工程、及び/又は、非晶質シリカ回収工程で回収された非晶質シリカを水で少なくとも一回洗浄する水洗浄工程、を含むことができる。
1 流通槽
2 ケイ酸アルカリ水溶液添加装置(ケイ酸アルカリ水溶液添加手段)
3 シリカ回収装置(シリカ回収手段)
4 pH調整装置(pH調整手段)
5 酸洗浄装置(酸洗浄手段)
6 水洗浄装置(水洗浄手段)
7、12、15 鉱酸
8、11 非晶質シリカ
9 非晶質シリカの製造装置
10 鉱酸と非晶質シリカ
13 pHの高い鉱酸
14 pHの低い新たな鉱酸

Claims (6)

  1. ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸を混合して、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸が反応してなる非晶質シリカを製造するための装置であって、
    鉱酸を一定の方向に流通させるための流路を有する流通槽と、
    前記流路内を流通している鉱酸にケイ酸アルカリ水溶液を添加するためのケイ酸アルカリ水溶液添加手段と、
    非晶質シリカを回収するためのシリカ回収手段と、
    を含むことを特徴とする非晶質シリカの製造装置。
  2. 前記流通槽が、前記鉱酸を循環して流通させるための、環状の流路を有する流通槽、または、始点及び終点のある流路を有する流通槽である請求項1に記載の非晶質シリカの製造装置。
  3. 前記流通槽が、前記鉱酸を循環して流通させるための、環状の流路を有する流通槽であり、前記非晶質シリカの製造装置が、ケイ酸アルカリ水溶液の添加前の鉱酸のpHを調整するためのpH調整手段を含む請求項1又は2に記載の非晶質シリカの製造装置。
  4. 前記pH調整手段が、ケイ酸アルカリ水溶液の添加前の鉱酸のpHを測定するためのpH測定手段と、前記流路内の鉱酸の一部を排出するための鉱酸排出手段と、前記流路に新たな鉱酸を供給するための鉱酸供給手段と、前記pH測定手段によって得られたpHの値に基づいて、前記鉱酸排出手段における鉱酸の排出量と、前記鉱酸供給手段における鉱酸の供給量を調整するための、鉱酸の排出及び供給制御手段と、を含む請求項3に記載の非晶質シリカの製造装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の非晶質シリカの製造装置を用いた非晶質シリカの製造方法であって、
    前記流通槽の流路に、pH1.0以下の鉱酸を流通させる鉱酸流通工程と、
    前記ケイ酸アルカリ水溶液添加手段によって、前記pH1.0以下の鉱酸にケイ酸アルカリ水溶液を添加して、非晶質シリカを生成させる非晶質シリカ生成工程と、
    生成した非晶質シリカを回収する非晶質シリカ回収工程と、
    を含む非晶質シリカの製造方法。
  6. 上記ケイ酸アルカリ水溶液が、上記鉱酸中において非晶質シリカを浮上させる作用を有する物質を含む請求項5に記載の非晶質シリカの製造方法。
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