JP2014010019A - 干渉計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検体表面の細かい構造を求める測定および動きのある被検体の位相分布を求める測定を、1つの光学系を用いて、行い得る干渉計測装置を提供する。
【解決手段】 参照ミラー26を、基準位置から光軸に沿ってλ/n(λは波長、nは3以上の自然数)ずつ移動させ位相シフトを行う参照ミラー移動手段と、参照ミラー26を、光軸Zに直交する回動軸の周りに回動可能な参照ミラー回動手段と、PBS8で重ね合わされた干渉光束を照射され被検面11の位相分布に応じた干渉縞パターンを、位相シフト毎に撮像する撮像素子16と、位相シフト毎に得られた干渉縞パターンを位相シフト干渉法を用いて演算し、被検面の位相状態を再生する解析装置31を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】 参照ミラー26を、基準位置から光軸に沿ってλ/n(λは波長、nは3以上の自然数)ずつ移動させ位相シフトを行う参照ミラー移動手段と、参照ミラー26を、光軸Zに直交する回動軸の周りに回動可能な参照ミラー回動手段と、PBS8で重ね合わされた干渉光束を照射され被検面11の位相分布に応じた干渉縞パターンを、位相シフト毎に撮像する撮像素子16と、位相シフト毎に得られた干渉縞パターンを位相シフト干渉法を用いて演算し、被検面の位相状態を再生する解析装置31を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、被検体の位相に応じた干渉縞を撮像してホログラム画像情報を得、このホログラム画像情報に基づき被検体の位相分布を計算により再生する干渉計測装置に関する。
従来、干渉計測装置において、被検体表面の細かい構造を求めることができる位相シフト干渉測定法が知られている。この測定法によれば、物体光束と参照光束の位相差を所定長だけずらす毎(例えば1/4波長毎)に干渉縞測定を行い、各位相差毎の干渉縞強度を演算して被検体の位相分布を求めるようになっている(下記特許文献1)。
一方、ホログラフィーの分野においては、動きのある被検体の位相分布を求めるために、軸外し光学系から射出された光束を参照光束として用いる軸外しによる測定方法が知られている(下記特許文献2)。
しかしながら、被検体表面の細かい構造を求めたいという要求、および動きのある被検体の位相を求めたいという要求がある場合に、それぞれに対応する光学系を用いなければならないのでは煩に堪えず、コストやスペースの点から改良の余地があった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、主要部が共通する1つの光学系を用いて、被検体表面の細かい構造を求める測定および動きのある被検体の位相を求める測定の両者を可能とし得る干渉計測装置を提供することを目的とする。
本発明を例示する干渉計測装置の一態様は、
可干渉性のある光を発生する光源部と、前記光源部から射出された光束を2経路に分割する光路分割手段と、一方の光束を被検体に照射して物体光束を生成する対物レンズと、他方の光束を反射して参照光束を生成する参照ミラーと、前記物体光束と前記参照光束を互いに重ね合せるための光束重ね合せ手段と、前記光束重ね合わせ手段により重ねられた2つの光束による干渉縞パターンを取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得した干渉縞パターンに基づいて行われる所定の演算によって、前記被検体の再生画像を構築する再生画像演算手段を有し、
前記参照ミラーが、前記被検体と光学的に共役な位置が基準位置となるように配置された干渉計測装置において、
前記参照ミラーを、前記基準位置から光軸に沿ってλ/n(λは波長、nは3以上の自然数)ずつ移動させ得る参照ミラー移動手段と、
前記参照ミラーを、光軸に直交する回動軸の周りに回動させ得る参照ミラー回動手段と、
前記参照ミラー移動手段および前記参照ミラー回動手段に対して、参照ミラーの移動量および回動量を指示する参照ミラー駆動制御手段とを有し、
前記所定の演算が位相シフト干渉法による演算を含むことを特徴とするものである。
可干渉性のある光を発生する光源部と、前記光源部から射出された光束を2経路に分割する光路分割手段と、一方の光束を被検体に照射して物体光束を生成する対物レンズと、他方の光束を反射して参照光束を生成する参照ミラーと、前記物体光束と前記参照光束を互いに重ね合せるための光束重ね合せ手段と、前記光束重ね合わせ手段により重ねられた2つの光束による干渉縞パターンを取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得した干渉縞パターンに基づいて行われる所定の演算によって、前記被検体の再生画像を構築する再生画像演算手段を有し、
前記参照ミラーが、前記被検体と光学的に共役な位置が基準位置となるように配置された干渉計測装置において、
前記参照ミラーを、前記基準位置から光軸に沿ってλ/n(λは波長、nは3以上の自然数)ずつ移動させ得る参照ミラー移動手段と、
前記参照ミラーを、光軸に直交する回動軸の周りに回動させ得る参照ミラー回動手段と、
前記参照ミラー移動手段および前記参照ミラー回動手段に対して、参照ミラーの移動量および回動量を指示する参照ミラー駆動制御手段とを有し、
前記所定の演算が位相シフト干渉法による演算を含むことを特徴とするものである。
本発明の干渉計測装置によれば、1つの光学系で、位相シフト干渉法を用いた測定と軸外し法を用いた測定が可能になる。具体的には、細かい表面構造を有する被検体等において分解能の高い測定が求められる場合等は位相シフト干渉法を用いて測定することができるとともに、動く被検体等の場合は軸外し法を用いて測定することができ、光学系を1つとしたことで、省スペース化および低コスト化を図ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る干渉計測装置について説明する。
図1は本発明の実施形態に係るホログラフィック干渉計測装置(以下、単に干渉計測装置と称する)100の光学系を示す概略図である。この干渉計測装置は、光源からの高可干渉光を分割して物体光束(被検面11からの物体光束)と参照光束(参照面26からの参照光束)を生成し、これら、物体光束と参照光束を重畳せしめて干渉させ、それにより得られた干渉縞パターンを撮像素子により撮像し、この撮像した干渉縞の情報を演算して被検面11の形状画像を再生するものであり、基本構造はマイケルソンタイプとされている。なお、図1および図2においては光束長手方向断面の両側縁部のうちの一方が点線によって示されている。
図1に示すように、レーザーダイオード等により構成される高可干渉光源1より射出された光束のビーム径は、1対の正レンズ2、4(正レンズ2は発散レンズ、正レンズ4はコリメートレンズ)よりなるケプラー型のビームエキスパンダにより拡大される。なお、発散レンズ2、およびコリメートレンズ4の共焦点位置にはピンホールマスク3に形成されたピンホール絞り3aが配置されており、この共焦点から離れた位置を通過する成分が、ピンホールマスク3により除去される。これにより、高次モードのビームが遮光されて、レーザビームの品質を高めることができ、ピンホールマスク3を含むビームエキスパンダ全体によりスペイシャルフィルタが構成される。
光束はさらに1/2波長板5を透過して逆の直線偏光(P偏光とS偏光のうちいずれか一方から他方)に変換され、反射ミラー6で90゜偏向された後、マスク7の開口絞り7aを通過し、偏光ビームスプリッタ(以下、PBSと称する)8に到達する。光束は、このPBS8において、偏光の振動面の振動方向(以下、単に偏光方向と称する)が互いに直交する2つの直線偏光の光束に分岐され、その一方は被検面11に向かい、他方は参照ミラー26に向かう。
すなわち、PBS8の分離面で反射され被検面11に向かう光束は、リレーレンズ14と対物レンズ12を介して被検面11に照射され、この被検面11で反射、回折されて被検面情報を有する物体光束とされ、リレーレンズ14と対物レンズ12を介して元の光路を戻り、PBS8に至る。
他方、PBS8の分離面を透過して参照ミラー(参照面)26に向かう光束は、リレーレンズ21、23および反射ミラー22を介して参照ミラー26に照射され、この参照ミラー26で反射されて参照光束とされ、リレーレンズ23、21および反射ミラー22を介してPBS8に戻る。
なお、本願明細書においては、光源1からの光束が被検面11に照射された後、この被検面11から反射、回折された光束を物体光束と称し、他方、光源1からの光束が参照面26に照射された後、この参照面26で反射された光束を参照光束と称するものとする。
上記物体光束が生成される光路においては、リレーレンズ14と対物レンズ12との間に1/4波長板13が設けられているので、この光路を往復した光束は1/4波長板13を2回通過することにより、位相が1/2波長ずらされた状態でPBS8に戻ることになり、結局、偏光面がP偏光とS偏光の一方から他方に変換されるように回転するので、PBS8を透過することになり、この後、撮像素子16の撮像面に向かう。
他方、上記参照光束が生成される光路においては、参照ミラー26の手前に1/4波長板25が設けられているので、この光路を往復した光束は1/4波長板25を2回通過することにより、位相が1/2波長ずらされた状態でPBS8に戻ることになり、結局、偏光面がP偏光とS偏光の他方から一方に変換されるように回転するので、PBS8の分離面で反射され、この後、撮像素子16の撮像面に向かう。
また、撮像素子16のPBS8側には偏光板15が設けられており、干渉光束を構成する物体光束と参照光束の各偏光面の方向を合致させて、撮像素子16上に良好な干渉像を生成し得るように構成されている。
なお、撮像素子16の後段には被検面11の像が結像される結像面17が配置されるようになっている。この結像面17は、図1で示すように撮像素子16の撮像面から距離を置いて配設することが可能であるが、撮像素子16の撮像面の位置と一致させることも可能である。
また、撮像素子16には、解析装置31が接続されており、撮像素子16により撮像された干渉像はこの解析装置31で解析され、被検面11の位相分布に基づく被検面形状が再生される。この被検面形状の再生画像は表示装置32に表示される。
なお、上記解析装置31における再生の手法は、得られた干渉縞パターン情報をFFT演算(高速フーリエ変換法を用いた演算)によってフーリエ変換情報に変換し、この変換された情報の一部を用いて再生画像を表示装置32に表示させることにより行われる。
ところで、本実施形態装置は、動きのある被検体の位相分布を求める測定と、被検体表面の細かい構造(位相分布)を求める測定とを一つの光学系のみを用いて行うことができるようになっている。従来は、各測定について、それぞれ別の光学系が用いられていたが、スペース的にも、コスト的にも効率が悪いという問題があった。そこで、本実施形態装置は、参照ミラー駆動制御部40からの指示に応じ、参照ミラー26を光軸Z方向に移動させて位相シフト干渉測定が可能となるようにしており、この位相シフト干渉測定を用いるか否かに応じ、参照ミラー26を光軸Zに直交する回動軸を中心として回動させて軸外し光学系を構成するか否かの切替えを行うようにしている。
すなわち、被検体表面の細かい構造(位相分布)等の高分解能測定を行う場合には、参照ミラー26を光軸Z方向に位相シフトさせるとともに、参照ミラー26が光軸Zに対して垂直となるようにして軸外しの状態とならないように構成されている。一方、動きのある被検体等の測定を行う場合には、参照ミラー26を光軸Z方向に移動させず、また、参照ミラー26を光軸Zに対して直交する面から傾けて、軸外しの状態となるように構成されている。
このことについて以下に詳述する。
このことについて以下に詳述する。
<被検体表面の細かい構造等を求める測定>
本実施形態に係る干渉計測装置では、参照ミラー駆動制御部40からの指示に応じて、ピエゾ素子等の直線移動手段(参照ミラー移動手段)が、参照ミラー26を光軸Zに沿って所定長ずつ、矢印B方向に移動させるようになっている。すなわち、PBS8と被検面11との間の往復光路長と、PBS8と参照面26との間の往復光路長との光路長差が、λ/n(nは3以上の整数である:後述する例においては、nは4とされている)ずつ変化するように設定されており、光路長差が変化する度に撮像素子16における干渉縞画像の撮像が行われる。
したがって、nが4のときには、1サイクルで4つの干渉縞パターンが得られることになる。
本実施形態に係る干渉計測装置では、参照ミラー駆動制御部40からの指示に応じて、ピエゾ素子等の直線移動手段(参照ミラー移動手段)が、参照ミラー26を光軸Zに沿って所定長ずつ、矢印B方向に移動させるようになっている。すなわち、PBS8と被検面11との間の往復光路長と、PBS8と参照面26との間の往復光路長との光路長差が、λ/n(nは3以上の整数である:後述する例においては、nは4とされている)ずつ変化するように設定されており、光路長差が変化する度に撮像素子16における干渉縞画像の撮像が行われる。
したがって、nが4のときには、1サイクルで4つの干渉縞パターンが得られることになる。
一方、解析装置31においては、被検面11の位相分布を求める際に、位相シフト干渉法による演算を行っている。
位相シフト干渉法では、干渉を生じる2つの光束間の光路差に対する干渉縞パターンの変化から被検体の位相分布を求める。上述したように、参照光束側の経路中にはピエゾ素子が設けられており、これにより参照光束の位相を変化させることができる。逐次、位相を変化させる度に干渉縞パターンを撮像し、それを計算機に取り込み、それらの干渉縞パターンから被検面形状の複素振幅分布を求める。なお、ピエゾ素子に替えて光軸上の厚みを可変とし得る波長板を用いて参照光の位相を変化させることも可能である。
演算速度が速いことから、一般的には4枚の干渉縞パターンを得る4バケット法(あるいは3バケット法)が用いられるが、5枚の干渉縞パターンを得る5バケット以上の手法も取り得る。
位相シフト干渉法では、被検面11の位相分布の複素振幅を完全な形で求め得るので、鮮明な干渉縞像が得られ高精度の被検面測定が可能となる。
したがって、位相シフト干渉法を用いることで、被検面11の細かい構造を求めることが可能である。
以下、上述した、被検面11における細かい構造を求める際における、解析装置31での所定の演算について具体的に説明する。
ここで、撮像素子16の撮像面(x,y)で撮像される干渉縞パターンの強度分布Iは、光束の複素振幅をU0(x,y)、被検面11で生じる位相差をφ(x,y)、とおけば、下式(1)で表わされる。
位相シフト量φを波長λのn分の1、たとえばn=4として、各位相シフト量φをλ/4とした場合、位相シフト操作を行う毎に(位相差がpλ/n(ただし、p=0、1、2、3)となったときに)干渉縞パターンを取得し、下式(2)により表わされる4枚の干渉縞パターンの強度分布 Ip (p=0、1、2、3)を解析装置31に送出する。
次に、上記各式(3)〜(6)において、撮像面で得られる強度Iと上記未知数U、φを求めるようにすれば、被検面11上における位相分布を求めることができる。換言すれば、未知数がI、U、φの3つであるから、被検面11上における位相分布を求めるためには、少なくとも3枚の干渉縞パターンを得ること(バケット法でいえば3バケット以上であること)が必要となる。
なお、バケット法を用いた場合、位相シフト量の精度に応じた正確な位相差量が求められる。
<動きのある被検体の位相分布等を求める測定>
本実施形態に係る干渉計測装置では、参照ミラー駆動制御部40からの指示に応じて参照ミラー26を光軸Zに直交する回動軸(図示せず)を中心として矢印A方向に回動するようになっている。参照ミラー26が、この回動軸を中心として回動することで光軸Zに対して直交する面から傾いた状態となると、参照ミラー26への入射光L1が光軸Zに平行に入射したとしても、反射光束(参照光束)L2は光軸Zに対して傾いた軸外し光束となる。参照ミラー(参照面)26と撮像素子の撮像面16は光学的に概ね共役な配置となっているので、参照ミラー26の傾きに関わらず物体光束と参照光束が撮像素子16の撮像面で重なるように照射され干渉縞パターンが形成される。このような手法は、反射後の光束が光軸Zに対して傾くことから、軸外し法と称され、撮像面で得られた1枚の画像に基づき、解析装置31において所定の演算を施すことにより被検面11の位相分布を求めることができる。また、参照ミラー26と、撮像素子16の撮像面とは共役の位置関係とされているため、参照ミラー26の傾きが変化して、参照光束の射出方向が変化しても上記撮像面を移動させる必要はない。
本実施形態に係る干渉計測装置では、参照ミラー駆動制御部40からの指示に応じて参照ミラー26を光軸Zに直交する回動軸(図示せず)を中心として矢印A方向に回動するようになっている。参照ミラー26が、この回動軸を中心として回動することで光軸Zに対して直交する面から傾いた状態となると、参照ミラー26への入射光L1が光軸Zに平行に入射したとしても、反射光束(参照光束)L2は光軸Zに対して傾いた軸外し光束となる。参照ミラー(参照面)26と撮像素子の撮像面16は光学的に概ね共役な配置となっているので、参照ミラー26の傾きに関わらず物体光束と参照光束が撮像素子16の撮像面で重なるように照射され干渉縞パターンが形成される。このような手法は、反射後の光束が光軸Zに対して傾くことから、軸外し法と称され、撮像面で得られた1枚の画像に基づき、解析装置31において所定の演算を施すことにより被検面11の位相分布を求めることができる。また、参照ミラー26と、撮像素子16の撮像面とは共役の位置関係とされているため、参照ミラー26の傾きが変化して、参照光束の射出方向が変化しても上記撮像面を移動させる必要はない。
なお、位相シフト干渉法を用いた場合には、後述するように少なくとも3枚の画像を撮像し、それらを互いに演算する必要があるが、上記軸外し法を用いることにより1枚の画像を得るだけで済み、動きのある被検体の観察に対応することができる。また、この軸外し法を用いれば、空気の擾乱の影響を大幅に緩和することもできる。
なお、本願明細書および本願特許請求範囲において「共役」という用語は、完全に共役となる状態のみを指称するのではなく、本発明の効果を奏する範囲における共役位置からのずれを許容するものとして用いる。
以下、上述した、動きのある被検体を再生する際における、解析装置31での所定の演算について具体的に説明する。
上式(7)において、右辺の第1項および第2項が0次光の強度を示し、第3項および第4項の一方が実像、他方が虚像の強度を示すものであり、この第3項および第4項のいずれかを求めることにより、被検面の位相分布を求めることができる。軸外し法を用いれば、このように、参照光束を傾けることでフーリエ変換面で0次光と±1次光等の回折光との重なりを減らすことができる。参照ミラー26の回動量を増加させ、光軸Z対して大きく傾ければ、0次光と±1次の回折光がそれだけ離れるので分離することが容易である。
このように本実施形態の干渉計測装置においては、1つの光学系を用いて、位相シフト干渉測定および軸外し法を採用した干渉測定の両者を行うことができる。これにより、省スペース化および低コスト化を達成しつつ、被検面11の細かい構造についての位相分布測定、および動きのある被検体の位相分布測定を、各々良好に行うことができる。
<変形例>
撮像素子16の撮像面上における、物体光束の照射域と参照光束の照射域のうち参照光束の照射域をより広範囲とすることができれば、回折の影響を抑制して良好な干渉縞パターンを得ることができる。
撮像素子16の撮像面上における、物体光束の照射域と参照光束の照射域のうち参照光束の照射域をより広範囲とすることができれば、回折の影響を抑制して良好な干渉縞パターンを得ることができる。
そこで、上述した実施形態装置の変形例である、図2に示す干渉計測装置200においては、参照光束通過経路において、往路(参照ミラー26へ向かう光路L1)とは異なる経路を辿るように復路(参照ミラー26から戻る光路L2)を設けるようにしている。なお、図2に示す変形例は、上記経路以外の点については、図1に示す実施形態のものと同様であるので、共通する部分については、部材の符号を共通化させ、その詳しい説明は省略する。
すなわち、上記往路(PBS30−レンズ21−反射ミラー22−レンズ23−PBS24)に対して、上記復路(PBS24−レンズ27−反射ミラー28−レンズ29−PBS30)を別の経路として形成する。また、往路に配設されたレンズ21およびレンズ23による光学倍率よりも、復路に配設されたレンズ27およびレンズ29による光学倍率の方が大きくなるように設定する。このように設定することで参照光束の照射範囲を物体光束の照射範囲よりも広い範囲とすることができ、回折の影響を抑制することができる。
上記変形例においては、参照光束通過経路において、往路と復路を設けているが、物体光束通過経路において、往路と復路を設けるようにしてもよい。ただし、この場合には、往路に配設されたレンズによる光学倍率よりも、復路に配設されたレンズによる光学倍率の方が小さくなるように設定する。このように設定することによって参照光束の照射範囲を物体光束の照射範囲より広い範囲とすることができ、回折の影響を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の干渉計測装置としてはこれらに限られるものではなく、その他の種々の変更態様を採用することができる。例えば、干渉計測装置の光学配置としても種々の態様の変更が可能であり、レンズや絞りの配置も適宜変更可能である。
また、上記実施形態においては、高可干渉光であるレーザー光を用いているが、1〜数波長程度(位相シフトを行うため、および誤差を許容するため)の可干渉距離があれば、水銀ランプ等からの光束のように、低可干渉光であってもよい。この場合、PBS8から被検面11までの距離と、PBS8から参照ミラー26までの距離とを等距離とする必要がある。ただし、干渉は被検面11からの物体光束と参照面26からの参照光束との間での干渉のみを考慮すればよく、光路内に配された1/2波長板5、1/4波長板13、25および偏光板15等の平板は反射光に対する干渉を考慮しなくてもよいことになるので、これらの平板を光軸Zに直交する平面に対して傾ける必要がない。
また、上記実施形態においては、参照ミラー26を平面鏡としているが、さらに好ましくは、被検面が放物面に近い場合は参照ミラーを平面鏡とすることが好ましく、被検面が双曲面や楕円面に近い場合は、参照ミラーを球面鏡とすることが好ましい。
また、上記実施形態においては、被検面11から反射、回折された物体光束を用いて被検面の位相分布(被検面形状)を求めるようにしているが、被検面11を透過した物体光束を用いて被検体の位相分布(この場合は被検体の内部の屈折率分布による情報を含むことになる)を求めるようにしてもよい。
1 レーザー光源(光源)
2 発散レンズ
3 ピンホールマスク
3a ピンホール
4 コリメートレンズ
5 1/2波長板
6、22、28 反射ミラー
7 マスク
7a 開口絞り
8、24、30 PBS(偏光ビームスプリッタ)
11 被検面
12 対物レンズ
13、25 1/4波長板
14、21、23、27、29 リレーレンズ
15 偏光板
16 撮像素子
17 結像面
26 参照ミラー(参照面)
31 解析装置
32 表示装置
40 参照ミラー駆動制御部
100、200 干渉計測装置
2 発散レンズ
3 ピンホールマスク
3a ピンホール
4 コリメートレンズ
5 1/2波長板
6、22、28 反射ミラー
7 マスク
7a 開口絞り
8、24、30 PBS(偏光ビームスプリッタ)
11 被検面
12 対物レンズ
13、25 1/4波長板
14、21、23、27、29 リレーレンズ
15 偏光板
16 撮像素子
17 結像面
26 参照ミラー(参照面)
31 解析装置
32 表示装置
40 参照ミラー駆動制御部
100、200 干渉計測装置
Claims (7)
- 可干渉性のある光を発生する光源部と、前記光源部から射出された光束を2経路に分割する光路分割手段と、一方の光束を被検体に照射して物体光束を生成する対物レンズと、他方の光束を反射して参照光束を生成する参照ミラーと、前記物体光束と前記参照光束を互いに重ね合せるための光束重ね合せ手段と、前記光束重ね合わせ手段により重ねられた2つの光束による干渉縞パターンを取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得した干渉縞パターンに基づいて行われる所定の演算によって、前記被検体の再生画像を構築する再生画像演算手段を有し、
前記参照ミラーが、前記被検体と光学的に共役な位置が基準位置となるように配置された干渉計測装置において、
前記参照ミラーを、前記基準位置から光軸に沿ってλ/n(λは波長、nは3以上の自然数)ずつ移動させ得る参照ミラー移動手段と、
前記参照ミラーを、光軸に直交する回動軸の周りに回動させ得る参照ミラー回動手段と、
前記参照ミラー移動手段および前記参照ミラー回動手段に対して、参照ミラーの移動量および回動量を指示する参照ミラー駆動制御手段とを有し、
前記所定の演算が位相シフト干渉法による演算を含むことを特徴とする干渉計測装置。 - 前記位相シフト干渉法を用いて画像の干渉縞情報を得る場合には、前記参照ミラー回動手段を駆動して、前記参照ミラーから反射した前記参照光束の光路が前記参照ミラーに入射する際の経路を戻るように、前記参照ミラーの傾きが調整されてなることを特徴とする請求項1記載の干渉計測装置。
- 前記参照ミラーの基準位置と前記画像取得手段の配設位置が光学的に共役であることを特徴とする請求項1または2記載の干渉計測装置。
- 前記参照ミラー移動手段がピエゾ素子からなることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の干渉計測装置。
- 前記参照ミラー回動手段は、前記参照ミラーを前記光軸に直交する回動軸の周りに回動せしめて、前記光軸に沿って入射した該参照ミラーへの入射光に対し該参照ミラーからの反射光が軸外しの状態で射出して、前記参照ミラーの傾きを調整するように構成された参照ミラー回動手段であることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の干渉計測装置。
- 前記光路分割手段と前記参照ミラーとの間の少なくとも一部において、該参照ミラーへ向かう光束が通過する往路と、該参照ミラーから反射された参照光束が通過する復路とが、互いに別経路となるように構成され、
往路に配された光学系よりも復路に配された光学系が高倍率に設定されていることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載の干渉計測装置。 - 前記光路分割手段と前記被検体との間の少なくとも一部において、該被検体へ向かう光束が通過する往路と、該被検体から反射、回折された物体光束が通過する復路とが、互いに別経路となるように構成され、
往路に配された光学系よりも復路に配された光学系が低倍率に設定されていることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載の干渉計測装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012146133A JP2014010019A (ja) | 2012-06-28 | 2012-06-28 | 干渉計測装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022215499A1 (ja) * | 2021-04-09 | 2022-10-13 | 富士フイルム株式会社 | ホログラフィー装置及び細胞の評価方法 |
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2012
- 2012-06-28 JP JP2012146133A patent/JP2014010019A/ja active Pending
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WO2022215499A1 (ja) * | 2021-04-09 | 2022-10-13 | 富士フイルム株式会社 | ホログラフィー装置及び細胞の評価方法 |
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