JP2014009391A - 多孔質体の製造方法及び多孔質体 - Google Patents

多孔質体の製造方法及び多孔質体 Download PDF

Info

Publication number
JP2014009391A
JP2014009391A JP2012148351A JP2012148351A JP2014009391A JP 2014009391 A JP2014009391 A JP 2014009391A JP 2012148351 A JP2012148351 A JP 2012148351A JP 2012148351 A JP2012148351 A JP 2012148351A JP 2014009391 A JP2014009391 A JP 2014009391A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastomer
porous body
composite
fine fibers
carbon nanofibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012148351A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5856019B2 (ja
Inventor
Toru Noguchi
徹 野口
Kazuyuki Yokoyama
和幸 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Kogyo Co Ltd filed Critical Nissin Kogyo Co Ltd
Priority to JP2012148351A priority Critical patent/JP5856019B2/ja
Publication of JP2014009391A publication Critical patent/JP2014009391A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5856019B2 publication Critical patent/JP5856019B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】
本発明は、微細な孔を多数有する多孔質体の製造方法及び多孔質体を提供する。
【解決手段】
本発明にかかる多孔質体の製造方法は、工程(a)と、工程(b)と、工程(c)と、工程(d)と、を含む。工程(a)は、エラストマーに、微細繊維を混合し、かつ剪断力によって分散させて複合エラストマーを得る。工程(b)は、複合エラストマーを熱処理し、複合エラストマー中に含まれるエラストマーを分解気化させて微細繊維の網目構造体を得る。工程(c)は、不活性ガス雰囲気の炉内で、溶融した金属材料を前記微細繊維の網目構造体の間に浸透させた後、固化させて微細繊維を含む複合材料を得る。工程(d)は、複合材料を熱処理し、複合材料中の微細繊維を燃焼させて除去し、多孔質体を得る。
【選択図】図2

Description

本発明は、微細な孔を多数有する多孔質体の製造方法及び多孔質体に関する。
近年、各種フィルター、燃料電池のセパレーター、衝撃などの緩和材、電極材、防音材、軽量構造体などの多数の分野において、多孔質金属体が注目されている。
カーボンナノファイバーを含む炭素材料を用いた多孔質金属体として、例えば、炭素材料の周囲に金属または金属化合物の被覆層が形成された多孔質複合金属材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような多孔質複合金属材料は、カーボンナノファイバーなどの極めて細い繊維の三次元的な網目構造を基本構造体として形成されていた。このような多孔質複合金属材料における空孔は、カーボンナノファイバー間に形成される微細空孔であるが、さらに小さな孔を有する多孔質金属体が望まれている。
また、nmオーダーのいわゆるナノポーラス(多孔質)構造を有する微細孔ニッケル多孔質体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば、従来のニッケル−アルミニウム合金から強アルカリによってアルミニウムを溶脱して得る方法における成形困難性、処理容器の材質、及び排水の中和処理コストなどの問題点を解決する方法を提案している。しかしながら、この方法によって得られる多孔質体は、ニッケルまたはニッケル−銅合金を用いた場合での方法の提案しかなく、これに用いることができる金属材料が限られた方法であり、他の金属材料への適用は困難である。しかも、この方法による実施例から判断するに、1つの微細孔の拡大写真しか開示されておらず、多数且つ連続的な細孔が形成されているとは言い難い。また、この方法の実施例では15nm程度の孔径しか形成できていない。
特開2005−171358号公報 特開2010−144246号公報
そこで、本発明の目的は、微細な孔を多数有する多孔質体の製造方法及び多孔質体を提供することにある。
本発明にかかる多孔質体の製造方法は、
エラストマーに、微細繊維を混合し、かつ剪断力によって分散させて複合エラストマーを得る工程(a)と、
前記複合エラストマーを熱処理し、該複合エラストマー中に含まれるエラストマーを分解気化させて微細繊維の網目構造体を得る工程(b)と、
不活性ガス雰囲気の炉内で、溶融した金属材料を前記微細繊維の網目構造体の間に浸透させた後、固化させて微細繊維を含む複合材料を得る工程(c)と、
前記複合材料を熱処理し、前記複合材料中の微細繊維を燃焼させて除去し、多孔質体を得る工程(d)と、
を含むことを特徴とする。
本発明にかかる多孔質体の製造方法によれば、強アルカリを用いることなく多孔質体を形成することができるため環境負荷が小さい。また、本発明にかかる多孔質体の製造方法によれば、工程(c)及び工程(d)における条件を満たす金属材料を用いることができるため、多孔質体に用いる金属材料の選択の幅を広げることができる。
本発明にかかる多孔質体の製造方法において、
前記微細繊維は、平均直径が0.5ないし500nmであることができる。
本発明にかかる多孔質体の製造方法において、
前記微細繊維はカーボンナノファイバーであり、
前記工程(c)の前記不活性ガスは窒素ガスであり、
前記工程(d)は酸素を含む雰囲気中で前記複合材料を熱処理してカーボンナノファイバーを燃焼させて除去する工程であり、
前記金属材料はアルミニウムまたはアルミニウム合金であることができる。
本発明にかかる多孔質体は、前記製造方法によって得られることを特徴とする。
本発明にかかる多孔質体は、
金属マトリックス中に平均直径が0.5nm以上5nm未満の細長い孔が形成されたことを特徴とする。
本発明にかかる多孔質体によれば、これまでにない細い直径の孔を有する多孔質構造を得ることができる。
本発明にかかる多孔質体において、前記金属マトリックスは、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることができる。
本発明にかかる多孔質体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金のマトリックス中に平均直径が0.5ないし500nmの細長い孔が形成されたことを特徴とする。
本発明にかかる多孔質体によれば、これまでにない細い直径の孔を有する多孔質構造のアルミニウムまたはアルミニウム合金を得ることができる。
工程(a)を説明する模式図である。 工程(b)及び工程(c)に用いられる複合材料の製造装置100を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施の形態にかかる多孔質体の製造方法は、エラストマーに、微細繊維を混合し、かつ剪断力によって分散させて複合エラストマーを得る工程(a)と、前記複合エラストマーを熱処理し、該複合エラストマー中に含まれるエラストマーを分解気化させて微細繊維の網目構造体を得る工程(b)と、不活性ガス雰囲気の炉内で、溶融した金属材料を前記微細繊維の網目構造体の間に浸透させた後、固化させて微細繊維を含む複合材料を得る工程(c)と、前記複合材料を熱処理し、前記複合材料中の微細繊維を燃焼させて除去し、多孔質体を得る工程(d)と、を含むことを特徴とする。
本実施の形態にかかる多孔質体は、前記製造方法によって得られることを特徴とする。
本実施の形態にかかる多孔質体は、金属マトリックス中に平均直径が0.5nm以上5nm未満の細長い孔が形成されたことを特徴とする。
本実施の形態にかかる多孔質体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金のマトリックス中に平均直径が0.5ないし500nmの細長い孔が形成されたことを特徴とする。
まず、本実施の形態にかかる多孔質体の製造方法について説明する。
(A)工程(a)
工程(a)は、エラストマーに、微細繊維を混合させ、かつ剪断力によって分散させる。
工程(a)は、微細繊維をエラストマー中に分散させる公知の方法を採用することができ、例えば、オープンロール法、密閉式混練法、多軸押出し混練法などを用いて行うことができる。微細繊維については、後述するように、工程(d)において燃焼させて除去することによって多孔質体の孔を形成するために配合される。本実施の形態では、工程(a)について、微細繊維の中でも凝集しやすく分散させにくいカーボンナノファイバーをロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いて分散させる例について述べる。
図1は、2本のロールを用いたオープンロール法による工程(a)を模式的に示す図である。原料となるエラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって観測核がH、30℃で測定した、未架橋体における、ネットワーク成分の第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)が100〜3000μ秒であって、工程(a)において適度な弾性を有することが好ましい。図1に示すように、第1のロール10と第2のロール20とは、所定の間隔d、例えば0.5mm〜1.0mmの間隔で配置され、図1において矢印で示す方向に回転速度V1,V2で正転あるいは逆転で回転する。まず、第2のロール20に巻き付けられたエラストマー30の素練りを行ない、エラストマー分子鎖を適度に切断してフリーラジカルを生成する。カーボンナノファイバーは、通常、側面は炭素原子の6員環で構成され、先端は5員環が導入されて閉じた構造となっているが、構造的に無理があるため、実際上は欠陥を生じやすく、その部分にラジカルや官能基を生成しやすくなっているため、素練りによって生成されたエラストマーのフリーラジカルがカーボンナノファイバーと結びつきやすい状態となる。
次に、第2のロール20に巻き付けられたエラストマー30のバンク32に、カーボンナノファイバー40を投入し、混練する。
さらに、第1のロール10と第2のロール20とのロール間隔dを、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0〜0.5mmの間隔に設定し、混合物をオープンロールに投入して薄通しを複数回行なう。薄通しの回数は、例えば5回〜10回程度行なうことが好ましい。第1のロール10の表面速度をV1、第2のロール20の表面速度をV2とすると、薄通しにおける両者の表面速度比(V1/V2)は、1.05〜3.00であることが好ましく、さらに1.05〜1.2であることが好ましい。このような表面速度比を用いることにより、所望の剪断力を得ることができる。薄通しして得られた複合エラストマーは、ロールで圧延されてシート状に分出しされる。この薄通しの工程では、できるだけ高い剪断力を得るために、ロール温度を好ましくは0〜50℃、より好ましくは5〜30℃の比較的低い温度に設定して行われ、エラストマー30の実測温度も0〜50℃に調整されることが好ましい。このようにして得られた剪断力により、エラストマー30に高い剪断力が作用し、凝集していたカーボンナノファイバー40がエラストマー分子に1本ずつ引き抜かれるように相互に分離し、エラストマー30中に分散される。特に、エラスト
マー30は、弾性と、粘性と、カーボンナノファイバー40との化学的相互作用と、を有するため、カーボンナノファイバー40を容易に分散することができる。そして、カーボンナノファイバー40の分散性および分散安定性(カーボンナノファイバーが再凝集しにくいこと)に優れた複合エラストマーを得ることができる。
より具体的には、オープンロールでエラストマーとカーボンナノファイバーとを混合すると、粘性を有するエラストマーがカーボンナノファイバーの相互に侵入し、かつ、エラストマーの特定の部分が化学的相互作用によってカーボンナノファイバーの活性の高い部分と結合する。カーボンナノファイバーの表面は高度にグラファイト化されていないため、表面に非結晶部分が適度に残されていて活性が高いため、エラストマー分子と結合し易い。次に、エラストマーに強い剪断力が作用すると、エラストマー分子の移動に伴ってカーボンナノファイバーも移動し、さらに剪断後の弾性によるエラストマーの復元力によって、凝集していたカーボンナノファイバーが分離されて、エラストマー中に分散されることになる。本実施の形態によれば、複合エラストマーが狭いロール間から押し出された際に、エラストマーの弾性による復元力で複合エラストマーはロール間隔より厚く変形する。その変形は、強い剪断力の作用した複合エラストマーをさらに複雑に流動させ、カーボンナノファイバーをエラストマー中に分散させると推測できる。そして、一旦分散したカーボンナノファイバーは、エラストマーとの化学的相互作用によって再凝集することが防止され、良好な分散安定性を有することができる。
工程(a)は、前記オープンロール法に限定されず、密閉式混練法あるいは多軸押出し混練法を用いることもできる。要するに、この工程(a)では、凝集したカーボンナノファイバーなどの微細繊維を分離できる剪断力をエラストマーに与えることができればよい。特に、オープンロール法は、ロール温度の管理だけでなく、混合物の実際の温度を測定し管理することができるため、好ましい。
工程(a)は、薄通し後の分出しされた複合エラストマーに架橋剤を混合し、架橋して架橋体の複合エラストマーすることもできるが、エラストマーを分解気化させるためには未架橋のままとすることができる。また、複合エラストマーは、所定形状に成形してもよい。工程(a)において、通常、エラストマーの加工で用いられる配合剤を加えることができる。配合剤としては公知のものを用いることができる。配合剤としては、例えば、架橋剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、軟化剤、可塑剤、硬化剤、補強剤、充填剤、老化防止剤、着色剤などを挙げることができる。例えば充填材としては多孔質体のマトリックス(多孔質体の構造材)となる金属材料として例えばアルミニウムの粒子や工程(c)において還元剤となる例えばマグネシウムの粒子を含むことができる。これらの配合剤は、例えばオープンロールにおけるカーボンナノファイバーなどの微細繊維の投入前にエラストマーに投入することができる。
複合エラストマーは、オープンロール法によって得られたシート状のままでもよいし、複合エラストマーを一般に採用されるゴムの成形加工例えば、射出成形法、トランスファー成形法、プレス成形法、押出成形法、カレンダー加工法などによって所望の形状例えばブロック状や多孔質体の製品形状などに成形してもよい。
(B)複合エラストマー
工程(a)によって得られた複合エラストマーは、基材であるエラストマーにカーボンナノファイバーなどの微細繊維が均一に分散されている。例えば、微細繊維がカーボンナノファイバーである場合には、エラストマーがカーボンナノファイバーによって拘束されている状態であるともいえる。そこで、微細繊維としてカーボンナノファイバーを用いた場合について、以下に述べる。
複合エラストマーは、カーボンナノファイバーによって拘束を受けたエラストマー分子の運動性は、カーボンナノファイバーの拘束を受けない場合に比べて小さくなる。そのため、本実施の形態にかかる複合エラストマーの第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)及びスピン−格子緩和時間(T1)は、カーボンナノファイバーを含まないエラストマー単体の場合より短くなる。なお、架橋体におけるスピン−格子緩和時間(T1)は、カーボンナノファイバーの混合量に比例して変化する。
また、エラストマー分子がカーボンナノファイバーによって拘束された状態では、以下の理由によって、非ネットワーク成分(非網目鎖成分)は減少すると考えられる。すなわち、カーボンナノファイバーによってエラストマーの分子運動性が全体的に低下すると、非ネットワーク成分は容易に運動できなくなる部分が増えて、ネットワーク成分と同等の挙動をしやすくなること、また、非ネットワーク成分(末端鎖)は動きやすいため、カーボンナノファイバーの活性点に吸着されやすくなること、などの理由によって、非ネットワーク成分は減少すると考えられる。そのため、第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は、カーボンナノファイバーを含まないエラストマー単体の場合より小さくなる。
以上のことから、本実施の形態にかかる複合エラストマーは、微細繊維としてカーボンナノファイバーを用いた場合には、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって得られる測定値が以下の範囲にあることが望ましい。
すなわち、未架橋体において、150℃、観測核がHで測定した、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は100ないし3000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は存在しないか、あるいは1000ないし10000μ秒であり、さらに第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.2未満であることができる。
パルス法NMRを用いたハーンエコー法により測定されたスピン−格子緩和時間(T1)は、スピン−スピン緩和時間(T2)とともに物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、エラストマーのスピン−格子緩和時間が短いほど分子運動性が低く、エラストマーは固いといえ、そしてスピン−格子緩和時間が長いほど分子運動性が高く、エラストマーは柔らかいといえる。
本実施の形態にかかる複合エラストマーは、微細繊維としてカーボンナノファイバーを用いた場合には、動的粘弾性の温度依存性測定における流動温度が、原料エラストマー単体の流動温度より20℃以上高温とすることができる。本実施の形態の複合エラストマーは、エラストマーにカーボンナノファイバーが良好に分散されているため、エラストマーがカーボンナノファイバーによって拘束されている状態であるともいえる。この状態では、エラストマーは、カーボンナノファイバーを含まない場合に比べて、その分子運動が小さくなり、その結果、流動性が低下する。
(C)工程(b)
工程(b)は、前記工程(a)で得られた複合エラストマーを熱処理し、該複合エラストマー中に含まれる前記エラストマーを分解気化させて微細繊維の網目構造体を得る。工程(b)における熱処理は、使用されるエラストマーの種類によって種々の条件を選択することができるが、少なくとも熱処理温度は、エラストマーの分解気化する温度以上であって、かつ微細繊維が溶融あるいは分解気化する温度よりも低い温度に設定される。
図2は、工程(b)及び工程(c)に用いられる複合材料の製造装置100を模式的に
示す図である。複合材料の製造装置100は、材料を内部に配置することのできる炉50と、炉50を所定温度に加熱するためのヒータ52と、炉50内に不活性ガス例えば窒素ガスを供給する窒素供給源60と、窒素供給源60から炉50内へ供給するガス流量を調整する流量調整器62と、開閉弁82を介して炉50内を減圧する減圧ポンプ80と、圧力調整弁92を介して炉50内からガスを排気するための排気回路90と、を有する。窒素供給源60は筒状の炉50の一方の端部に設けられた供給口54に接続され、排気回路90は炉50の他方の端部側に設けられた排気口56に接続されている。
工程(b)は、炉50内の所定位置に工程(a)で得られた複合エラストマーAを配置し、減圧ポンプ80によって炉50内を減圧して炉50内の空気を排気し、窒素供給源60から炉50内へ窒素ガスを供給して炉50内を窒素雰囲気とする。この減圧と窒素ガス供給という操作を複数回繰り返して不要なガスを排除することが望ましい。そして、炉50内をヒータ52、52によってエラストマーの分解気化する温度例えば200℃〜500℃に加熱する。この加熱によって、エラストマーは分解気化して微細繊維を主体とした網目構造体が得られる。微細繊維の網目構造体は、微細繊維としてカーボンナノファイバーを用いた場合には全体が炭素からなる炭素系材料となる。なお、分解気化したエラストマーは、炉50内から排気によって除去することができ、分解気化したエラストマーの一部を炉50内に残留させることで微細繊維同士を結合する炭化物とすることもできる。微細繊維の網目構造体は、微細繊維同士が接触もしくはエラストマー炭化物によって結着していることによって共連続することができる。このように網目構造体が共連続することによって、工程(d)によって形成される細長い孔が連続することができる。なお、図2に示すように、工程(b)に引き続いて工程(c)を連続的に実施する場合は、工程(c)で用いる金属材料塊Bを工程(b)のときから複合エラストマーAと共に炉50内に配置してもよい。
(D)工程(c)
工程(c)は、不活性ガス雰囲気の炉50内で、溶融した金属材料Bを微細繊維の網目構造体の間に浸透させた後、固化させて微細繊維を含む複合材料を得る。不活性ガスは、工業用に用いることができる公知のガスから適宜選択することができ、例えば窒素ガスを用いることができる。工程(c)において炉50内へ供給される不活性ガスの流量は、所定量に制御されることができる。工程(c)は、工程(b)に引き続いて炉50内に微細繊維の網目構造体と金属材料塊Bとを配置したままで行うことができる。工程(b)によって得られた微細繊維の網目構造体とその上に配置されている金属材料塊Bとを、該金属材料の溶融する温度までヒータ52、52によって昇温・加熱する。このとき炉50内に別途配置もしくは工程(a)において予め複合エラストマーA中に混合されていた金属材料よりも低い温度で還元反応する還元剤例えばマグネシウム粒子を有することができる。これは、炉50の加熱によって金属材料塊Bよりも先に(低温で)気化して炉50内を還元雰囲気とすることになるため、金属材料塊Bの表面を還元し、溶融した金属材料が微細繊維の網目構造体内へ浸透しやすくなるためである。また、このように炉50内を還元雰囲気にすることは、工程(a)において複合エラストマーA内に金属材料の粒子を混合していた場合、その金属材料の粒子の表面の酸化物も還元することができるので好ましい。
炉50内が金属材料の溶融温度以上に昇温すると、還元雰囲気の中で金属材料塊Bが溶融し、例えば微細繊維の網目構造体の内部へと溶融した金属材料が毛細管現象によって浸透する。微細繊維の網目構造体は、エラストマーが分解気化してできた空所を有する多孔質体であり、その空所に金属材料の溶湯が浸透することができる。
炉50内には、供給口54に接続された窒素供給源60から流量調整器62によって流量調整された不活性ガスとしての窒素ガスを導入することができる。窒素供給源60としては、例えば窒素ガスボンベを用いることができ、炉50の排気口56に接続された排出
回路90の圧力調整弁92によって炉50内の圧力が一定に保たれるように適宜窒素ガスが排出されるため、一定の流量の窒素ガスを炉50内へ導入することができる。なお、不活性ガスは、窒素ガスに限らず、例えばアルゴンガスなどの公知の不活性ガスを用いることもできる。
そして、炉50のヒータ52による加熱を停止させ、金属材料の溶湯を冷却・凝固させると、金属のマトリックス中に微細繊維の網目構造体を含む複合材料を製造することができる。
このように、工程(b)に引き続いて工程(c)を実施することもできるが、工程(b)とは別の炉へ微細繊維の網目構造体を移した後、工程(c)を実施することもできる。その場合には、炉内の所定位置に微細繊維の網目構造体を配置した後、減圧ポンプによって炉内を減圧して空気を炉外へ排出し、さらに窒素供給源から炉内へ窒素ガスを供給して炉内を窒素雰囲気とした後に工程(c)を実施することができる。
金属材料は、多孔質体のマトリックスとなる材料であって、多孔質体の用途に合わせて適宜公知の金属材料を選択して用いることができる。金属材料は、その金属を主成分とする合金も含み、例えば鉄及びその合金、アルミニウム及びその合金、マグネシウム及びその合金、銅及びその合金、チタン及びその合金などから適宜選択して、単独でまたは組み合わせて用いることができる。特に、金属材料としては、比較的取り扱いが容易で、また電気抵抗も低いアルミニウム及びその合金を用いることができる。
工程(c)における炉50内の加熱温度は、例えば金属材料がアルミニウムであれば860℃、マグネシウムであれば800℃、チタンであれば1860℃、鉄であれば1500℃、銅であれば1282℃に設定することができる。
工程(c)によって得られた複合材料は、金属材料のマトリックス中に微細繊維が分散された複合材料である。微細繊維は、金属材料のマトリックス中に解繊されて分散された状態で存在し、複合材料全体に三次元的な網目構造を形成することができる。
(E)工程(d)
工程(d)は、複合材料を熱処理し、複合材料中の微細繊維を燃焼させて除去し、多孔質体を得る。熱処理温度は、微細繊維が燃焼する温度であって、複合材料のマトリックスである金属材料の溶融開始温度より低く設定することができる。
微細繊維を効率よく燃焼させて除去するため、工程(d)は、雰囲気中に酸素を含む、例えば大気雰囲気で行うことができる。燃焼させて除去する微細繊維としては、例えばカーボンナノファイバーを用いることができる。
熱処理中に複合材料から微細繊維が燃焼しやすいように、工程(d)を行う前に、予め複合材料の表面には微細繊維の一部が表れていることができる。そのために、例えば、複合材料を薄く切り出すことができる。また、複合材料の表面を切削あるいはエッチングすることができる。また、例えば、工程(a)で得られた複合エラストマーを薄膜に形成しておくことで、薄膜の複合材料を得ることができ、微細繊維が複合材料の表面に表れることができる。
複合材料のマトリックスとなる金属材料は、微細繊維が燃焼する温度で溶融しないものである。熱処理温度は、微細繊維の燃焼する温度よりも例えば30℃以上高い温度に設定することができる。
微細繊維として例えば10nm級のカーボンナノファイバーを用いた複合材料を大気雰囲気中で熱処理した場合、そのカーボンナノファイバーの燃焼し始める温度が410℃であるとき、工程(d)における熱処理温度は440℃以上の温度に設定することができる。
また、工程(d)における熱処理温度は、金属材料の溶融開始温度より低い温度に設定することができ、例えば、鉄(融点1093℃)の場合には750℃以下に設定することができ、アルミニウム(融点660℃)の場合には640℃以下に設定することができ、マグネシウム(融点560℃)の場合には540℃以下に設定することができ、銅(融点1065℃)の場合には750℃以下に設定することができ、チタン(融点1660℃)の場合には750℃以下に設定することができる。
また、工程(a)〜(c)以外の方法で金属マトリックス中に微細繊維が分散した複合材料を得ることができるのであれば、その複合材料を用いて工程(d)のように熱処理して多孔質体を得ることができる。
(F)エラストマー
エラストマーは、重量平均分子量が好ましくは5000ないし500万、さらに好ましくは2万ないし300万である。エラストマーの分子量がこの範囲であると、エラストマー分子が互いに絡み合い、相互につながっているので、エラストマーは微細繊維を分散させるために良好な弾性を有している。エラストマーは、粘性を有しているので凝集した微細繊維の相互に侵入しやすく、さらに弾性を有することによって微細繊維同士を分離する効果が大きい。
エラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって、30℃、観測核がHで測定した、未架橋体におけるネットワーク成分のスピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が好ましくは100ないし3000μ秒、より好ましくは200ないし1000μ秒である。前記範囲のスピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)を有することにより、エラストマーは、柔軟で充分に高い分子運動性を有することができ、すなわち微細繊維を分散させるために適度な弾性を有することになる。また、エラストマーは粘性を有しているので、エラストマーと微細繊維とを混合したときに、エラストマーは高い分子運動により微細繊維相互の隙間に容易に侵入することができる。スピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が100μ秒より短いと、エラストマーが充分な分子運動性を有することができない傾向がある。また、スピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が3000μ秒より長いと、エラストマーが液体のように流れやすくなり、弾性が小さいため、微細繊維を分散させることが困難となる傾向がある。
また、エラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって30℃、観測核がHで測定した、架橋体における、ネットワーク成分のスピン−スピン緩和時間(T2n)が100ないし2000μ秒であることが好ましい。その理由は、上述した未架橋体と同様である。すなわち、前記の条件を有する未架橋体を本発明の製造方法によって架橋化すると、得られる架橋体のT2nはおおよそ前記範囲に含まれる。
パルス法NMRを用いたハーンエコー法によって得られるスピン−スピン緩和時間は、物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、パルス法NMRを用いたハーンエコー法によりエラストマーのスピン−スピン緩和時間を測定すると、緩和時間の短い第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)を有する第1の成分と、緩和時間のより長い第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する第2の成分とが検出される。第1の成分は高分子のネットワーク成分(骨格分子)に相当し、第2の成分は高分子の非ネットワーク成分(末端鎖などの枝葉の成分)に相当する。そして、第1のスピン−スピン緩和時間が短い
ほど分子運動性が低く、エラストマーは固いといえる。また、第1のスピン−スピン緩和時間が長いほど分子運動性が高く、エラストマーは柔らかいといえる。
パルス法NMRにおける測定法としては、ハーンエコー法でなくてもソリッドエコー法、CPMG法(カー・パーセル・メイブーム・ギル法)あるいは90゜パルス法でも適用できる。ただし、本発明にかかるエラストマーは中程度のスピン−スピン緩和時間(T2)を有するので、ハーンエコー法が最も適している。一般的に、ソリッドエコー法および90゜パルス法は、短いT2の測定に適し、ハーンエコー法は、中程度のT2の測定に適し、CPMG法は、長いT2の測定に適している。
微細繊維としてカーボンナノファイバーを用いる場合には、エラストマーは、主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、カーボンナノファイバー特にその末端のラジカルに対して親和性を有する不飽和結合または基を有するか、もしくは、このようなラジカルまたは基を生成しやすい性質を有する。かかる不飽和結合または基としては、二重結合、三重結合、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、ニトリル基、ケトン基、アミド基、エポキシ基、エステル基、ビニル基、ハロゲン基、ウレタン基、ビューレット基、アロファネート基および尿素基の官能基から選択される少なくともひとつであることができる。
カーボンナノファイバーは、通常、側面は炭素原子の6員環で構成され、先端は5員環が導入されて閉じた構造となっているが、構造的に無理があるため、実際上は欠陥を生じやすく、その部分にラジカルや官能基を生成しやすくなっている。本実施の形態では、エラストマーの主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、カーボンナノファイバーのラジカルと親和性(反応性または極性)が高い不飽和結合や基を有することにより、エラストマーとカーボンナノファイバーとを結合することができる。このことにより、カーボンナノファイバーの凝集力にうち勝ってその分散を容易にすることができる。そして、エラストマーと、カーボンナノファイバーと、を混練する際に、エラストマーの分子鎖が切断されて生成したフリーラジカルは、カーボンナノファイバーの欠陥を攻撃し、カーボンナノファイバーの表面にラジカルを生成すると推測できる。
エラストマーとしては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPR,EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロブチルゴム(CIIR)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、ブタジエンゴム(BR)、エポキシ化ブタジエンゴム(EBR)、エピクロルヒドリンゴム(CO,CEO)、ウレタンゴム(U)、ポリスルフィドゴム(T)などのエラストマー類;オレフィン系(TPO)、ポリ塩化ビニル系(TPVC)、ポリエステル系(TPEE)、ポリウレタン系(TPU)、ポリアミド系(TPEA)、スチレン系(SBS)、などの熱可塑性エラストマー;およびこれらの混合物を用いることができる。特に、エラストマーの混練の際にフリーラジカルを生成しやすい極性の高いエラストマー、例えば、天然ゴム(NR)、ニトリルゴム(NBR)などが好ましい。また、極性の低いエラストマー、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)であっても、混練の温度を比較的高温(例えばEPDMの場合、50℃〜150℃)とすることで、フリーラジカルを生成するので本発明に用いることができる。
(G)微細繊維
本実施の形態の複合エラストマーは、エラストマーに、微細繊維を混合し、かつせん断力によって微細繊維をエラストマー中に分散させて得られる。微細繊維は、燃焼することによって多孔質体に細長い孔を形成するためのものであり、工程(b)〜工程(d)における処理温度に応じて適宜選択することができる。
微細繊維は、平均直径が0.5ないし500nmであることができる。微細繊維の平均直径によって多孔質体の孔の径が決まるため、多孔質体の用途によって望ましい平均直径を有する微細繊維を適宜選択することができる。同じ配合量であれば、微細繊維の平均直径が小さいほど多孔質体の孔の表面積が大きくなる。
微細繊維は、カーボンナノファイバーであることができる。複合エラストマーは、カーボンナノファイバーを0.01〜50重量%の割合で含むことができる。カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmであることができ、さらに0.5ないし200nmであることができ、特に0.5nm以上100nm未満であることができる。また、カーボンナノファイバーは、5nm未満のこれまでにないナノポーラス材料とするために、平均直径が0.5nm以上5nm未満であることができる。さらに、カーボンナノファイバーは、ストレート繊維状であっても、湾曲繊維状であってもよい。カーボンナノファイバーは、工程(b)において一般的なエラストマーの分解気化温度で安定であり、工程(c)において不活性ガス中における金属材料の溶融温度において安定であり、そして工程(d)において金属材料の溶融前に燃焼することができる種類が比較的多いことでも有用である。
本発明の詳細な説明において微細繊維の平均直径及び平均長さは、電子顕微鏡による例えば5,000倍の撮像(微細繊維のサイズによって適宜倍率は変更できる)から200箇所以上の直径及び平均長さを計測し、その算術平均値として計算して得ることができる。また、多孔質体の空孔の平均直径も同様にして測定し、計算して得ることができるが、微細繊維のサイズから推測することもできる。
カーボンナノファイバーとしては、例えば、いわゆるカーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維などが例示できる。カーボンナノチューブは、炭素六角網面のグラフェンシートが円筒状に閉じた単層構造あるいはこれらの円筒構造が入れ子状に配置された多層構造を有する。すなわち、カーボンナノチューブは、単層構造のみから構成されていても多層構造のみから構成されていても良く、単層構造と多層構造が混在していてもかまわない。また、部分的にカーボンナノチューブの構造を有するカーボンナノファイバーも使用することができる。なお、カーボンナノチューブという名称の他にグラファイトフィブリルナノチューブといった名称で称されることもある。
単層カーボンナノチューブもしくは多層カーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、気相成長法などによって望ましいサイズに製造される。アーク放電法は、大気圧よりもやや低い圧力のアルゴンや水素雰囲気下で、炭素棒でできた電極材料の間にアーク放電を行うことで、陰極に堆積した多層カーボンナノチューブを得る方法である。また、単層カーボンナノチューブは、前記炭素棒中にニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜてアーク放電を行い、処理容器の内側面に付着するすすから得られる。レーザーアブレーション法は、希ガス(例えばアルゴン)中で、ターゲットであるニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜた炭素表面に、YAGレーザーの強いパルスレーザー光を照射することによって炭素表面を溶融・蒸発させて、単層カーボンナノチューブを得る方法である。気相成長法は、ベンゼンやトルエン等の炭化水素を気相で熱分解し、カーボンナノチューブを合成するもので、より具体的には、流動触媒法やゼオライト担持触媒法などが例示できる。
カーボンナノファイバーは、エラストマーと混練される前に、あらかじめ表面処理、例えば、イオン注入処理、スパッタエッチング処理、プラズマ処理などを行うことによって、エラストマーとの接着性やぬれ性を改善することができる。
(H)多孔質体
多孔質体は、金属マトリックス中に細長い孔の微細空孔が形成されている。この細長い孔は、前述したように、微細繊維の直径によって調整することができ、例えばその平均直径は0.5ないし500nmであることができ、さらに0.5ないし200nmであることができ、特に0.5nm以上100nm未満であることができる。100nm未満の微細空孔を有する多孔質体は、ナノポーラス材料と呼ばれ、機能分離膜などのフィルター、太陽電池などの光学材料、スーパーキャパシタなどの電子材料などで応用することができる。また、これまで実用化されていない5nm未満の微細空孔を有するナノポーラス材料として、細長い孔の平均直径が0.5nm以上5nm未満とすることができる。多孔質体の細長い孔は、従来のような表面付近にのみ形成される微細穴ではなく、多孔質体の表面から内部に延びる連続した網目構造を有することができる。このような網目構造を有することによって、多孔質体の単位体積当たりの微細空孔の表面積を大きくすることができる。
複合材料中において微細繊維同士が接触していることによって、この細長い孔は多孔質体の表面から内部へ連続する網目構造の孔として形成することができる。孔の連続性を高めるためには、微細繊維の配合量を多くすることによって達成することができる。また、工程(b)において、エラストマーを完全に除去せず、炭化したエラストマーを微細繊維同士の連結のために残しておくことで、より確実に多孔質体の孔を連結した状態にすることができる。
多孔質体の細長い孔は、金属マトリックス中に微細繊維を燃焼することで得られたものであることができる。そのため、多孔質体は、微細繊維が燃焼する温度で溶融しないマトリックス中に前記した平均直径を有する細長い孔が形成されたものであることができる。金属マトリックスとしては、各製造工程における温度条件に適合し、用途に応じて適宜選択することができるが、軽量であること、電気抵抗が低いこと、加工しやすいことなどの理由からアルミニウムまたはアルミニウム合金を採用することができる。
多孔質体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金のマトリックス中に平均直径が0.5ないし500nmの細長い孔が形成され、比表面積が100m/g以上であることができる。比表面積は、窒素吸着法を用いて測定することができる。
10 第1のロール、20 第2のロール、30 エラストマー、40 カーボンナノファイバー、50 炉、52 ヒータ、60 窒素供給源、80 減圧ポンプ、90 排気回路、A 複合エラストマー、B アルミニウム塊

Claims (7)

  1. エラストマーに、微細繊維を混合し、かつ剪断力によって分散させて複合エラストマーを得る工程(a)と、
    前記複合エラストマーを熱処理し、該複合エラストマー中に含まれるエラストマーを分解気化させて微細繊維の網目構造体を得る工程(b)と、
    不活性ガス雰囲気の炉内で、溶融した金属材料を前記微細繊維の網目構造体の間に浸透させた後、固化させて微細繊維を含む複合材料を得る工程(c)と、
    前記複合材料を熱処理し、前記複合材料中の微細繊維を燃焼させて除去し、多孔質体を得る工程(d)と、
    を含む、多孔質体の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記微細繊維は、平均直径が0.5ないし500nmである、多孔質体の製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記微細繊維はカーボンナノファイバーであり、
    前記工程(c)の前記不活性ガスは窒素ガスであり、
    前記工程(d)は酸素を含む雰囲気中で前記複合材料を熱処理してカーボンナノファイバーを燃焼させて除去する工程であり、
    前記金属材料はアルミニウムまたはアルミニウム合金である、多孔質体の製造方法。
  4. 請求項1ないし4のいずれか1項の製造方法によって得られた、多孔質体。
  5. 金属マトリックス中に平均直径が0.5nm以上5nm未満の細長い孔が形成された、多孔質体。
  6. 請求項5において、
    前記金属マトリックスは、アルミニウムまたはアルミニウム合金である、多孔質体。
  7. アルミニウムまたはアルミニウム合金のマトリックス中に平均直径が0.5ないし500nmの細長い孔が形成された、多孔質体。
JP2012148351A 2012-07-02 2012-07-02 多孔質体の製造方法 Expired - Fee Related JP5856019B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012148351A JP5856019B2 (ja) 2012-07-02 2012-07-02 多孔質体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012148351A JP5856019B2 (ja) 2012-07-02 2012-07-02 多孔質体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014009391A true JP2014009391A (ja) 2014-01-20
JP5856019B2 JP5856019B2 (ja) 2016-02-09

Family

ID=50106355

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012148351A Expired - Fee Related JP5856019B2 (ja) 2012-07-02 2012-07-02 多孔質体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5856019B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109128104B (zh) * 2018-08-09 2021-09-07 云南科威液态金属谷研发有限公司 一种低熔点泡沫金属的制备装置、方法及低熔点泡沫金属

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63171802A (ja) * 1987-01-08 1988-07-15 Kobe Steel Ltd 多孔質金属焼結体の製造方法
JP2007002277A (ja) * 2005-06-21 2007-01-11 Toyota Motor Corp 細孔体及びその製造方法
JP2007059647A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Denso Corp 熱電変換素子およびその製造方法
JP2007077482A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Nissin Kogyo Co Ltd 多孔質材及びその製造方法、複合金属材料及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63171802A (ja) * 1987-01-08 1988-07-15 Kobe Steel Ltd 多孔質金属焼結体の製造方法
JP2007002277A (ja) * 2005-06-21 2007-01-11 Toyota Motor Corp 細孔体及びその製造方法
JP2007059647A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Denso Corp 熱電変換素子およびその製造方法
JP2007077482A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Nissin Kogyo Co Ltd 多孔質材及びその製造方法、複合金属材料及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5856019B2 (ja) 2016-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4224428B2 (ja) 金属材料の製造方法、炭素繊維複合金属材料の製造方法
JP2007039649A (ja) 複合材料
JP2007039638A (ja) 炭素繊維複合材料
JP2006028587A (ja) 炭素繊維複合金属材料及びその製造方法
JP2007039648A (ja) 繊維複合材料及びその製造方法
JP4177244B2 (ja) 多孔質複合金属材料の製造方法
JP4201789B2 (ja) 多孔質材及びその製造方法、複合金属材料の製造方法
JP5856019B2 (ja) 多孔質体の製造方法
JP4201794B2 (ja) 多孔質複合材料及びその製造方法、複合材料の製造方法
JP4490893B2 (ja) 多孔質材の製造方法
JP5197288B2 (ja) 繊維複合材料
JP4394630B2 (ja) 表面処理された電子放出材料の製造方法
JP4512583B2 (ja) 炭素繊維複合金属材料の製造方法
JP4394655B2 (ja) 電子放出材料、電極基板、電子放出装置及びフィールド・エミッション・ディスプレイ並びに照明装置
JP5085291B2 (ja) 複合金属材料の製造方法及び複合金属材料
JP5639329B2 (ja) 複合金属材料の製造方法及び複合金属材料
JP5085341B2 (ja) 炭素繊維複合材料の製造方法及び炭素繊維複合金属材料の製造方法
JP4490901B2 (ja) 電子放出性薄膜の製造方法、電極基材及び電子放出装置
JP4217704B2 (ja) ケイ素系複合材料の製造方法
JP2005255788A (ja) 炭素繊維複合材料及びその製造方法、炭素繊維複合成形品及びその製造方法、炭素繊維複合ガラス材料及びその製造方法、炭素繊維複合ガラス成形品及びその製造方法
JP2008208445A (ja) 炭素繊維複合金属材料及びその製造方法
JP4321863B2 (ja) 多孔質材及びその製造方法
JP3880055B2 (ja) 炭素繊維複合材料の製造方法、炭素繊維複合成形品の製造方法、炭素繊維複合金属材料の製造方法及び炭素繊維複合金属成形品の製造方法
JP2009161844A (ja) 炭素繊維複合金属材料の製造方法及び炭素繊維複合金属材料
JP4177243B2 (ja) 炭素繊維複合金属材料の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140813

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141010

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150422

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150721

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20150728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150909

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5856019

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees