JP2014009391A - 多孔質体の製造方法及び多孔質体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、微細な孔を多数有する多孔質体の製造方法及び多孔質体を提供する。
【解決手段】
本発明にかかる多孔質体の製造方法は、工程(a)と、工程(b)と、工程(c)と、工程(d)と、を含む。工程(a)は、エラストマーに、微細繊維を混合し、かつ剪断力によって分散させて複合エラストマーを得る。工程(b)は、複合エラストマーを熱処理し、複合エラストマー中に含まれるエラストマーを分解気化させて微細繊維の網目構造体を得る。工程(c)は、不活性ガス雰囲気の炉内で、溶融した金属材料を前記微細繊維の網目構造体の間に浸透させた後、固化させて微細繊維を含む複合材料を得る。工程(d)は、複合材料を熱処理し、複合材料中の微細繊維を燃焼させて除去し、多孔質体を得る。
【選択図】図2
Description
エラストマーに、微細繊維を混合し、かつ剪断力によって分散させて複合エラストマーを得る工程(a)と、
前記複合エラストマーを熱処理し、該複合エラストマー中に含まれるエラストマーを分解気化させて微細繊維の網目構造体を得る工程(b)と、
不活性ガス雰囲気の炉内で、溶融した金属材料を前記微細繊維の網目構造体の間に浸透させた後、固化させて微細繊維を含む複合材料を得る工程(c)と、
前記複合材料を熱処理し、前記複合材料中の微細繊維を燃焼させて除去し、多孔質体を得る工程(d)と、
を含むことを特徴とする。
前記微細繊維は、平均直径が0.5ないし500nmであることができる。
前記微細繊維はカーボンナノファイバーであり、
前記工程(c)の前記不活性ガスは窒素ガスであり、
前記工程(d)は酸素を含む雰囲気中で前記複合材料を熱処理してカーボンナノファイバーを燃焼させて除去する工程であり、
前記金属材料はアルミニウムまたはアルミニウム合金であることができる。
金属マトリックス中に平均直径が0.5nm以上5nm未満の細長い孔が形成されたことを特徴とする。
工程(a)は、エラストマーに、微細繊維を混合させ、かつ剪断力によって分散させる。
マー30は、弾性と、粘性と、カーボンナノファイバー40との化学的相互作用と、を有するため、カーボンナノファイバー40を容易に分散することができる。そして、カーボンナノファイバー40の分散性および分散安定性(カーボンナノファイバーが再凝集しにくいこと)に優れた複合エラストマーを得ることができる。
工程(a)によって得られた複合エラストマーは、基材であるエラストマーにカーボンナノファイバーなどの微細繊維が均一に分散されている。例えば、微細繊維がカーボンナノファイバーである場合には、エラストマーがカーボンナノファイバーによって拘束されている状態であるともいえる。そこで、微細繊維としてカーボンナノファイバーを用いた場合について、以下に述べる。
工程(b)は、前記工程(a)で得られた複合エラストマーを熱処理し、該複合エラストマー中に含まれる前記エラストマーを分解気化させて微細繊維の網目構造体を得る。工程(b)における熱処理は、使用されるエラストマーの種類によって種々の条件を選択することができるが、少なくとも熱処理温度は、エラストマーの分解気化する温度以上であって、かつ微細繊維が溶融あるいは分解気化する温度よりも低い温度に設定される。
示す図である。複合材料の製造装置100は、材料を内部に配置することのできる炉50と、炉50を所定温度に加熱するためのヒータ52と、炉50内に不活性ガス例えば窒素ガスを供給する窒素供給源60と、窒素供給源60から炉50内へ供給するガス流量を調整する流量調整器62と、開閉弁82を介して炉50内を減圧する減圧ポンプ80と、圧力調整弁92を介して炉50内からガスを排気するための排気回路90と、を有する。窒素供給源60は筒状の炉50の一方の端部に設けられた供給口54に接続され、排気回路90は炉50の他方の端部側に設けられた排気口56に接続されている。
工程(c)は、不活性ガス雰囲気の炉50内で、溶融した金属材料Bを微細繊維の網目構造体の間に浸透させた後、固化させて微細繊維を含む複合材料を得る。不活性ガスは、工業用に用いることができる公知のガスから適宜選択することができ、例えば窒素ガスを用いることができる。工程(c)において炉50内へ供給される不活性ガスの流量は、所定量に制御されることができる。工程(c)は、工程(b)に引き続いて炉50内に微細繊維の網目構造体と金属材料塊Bとを配置したままで行うことができる。工程(b)によって得られた微細繊維の網目構造体とその上に配置されている金属材料塊Bとを、該金属材料の溶融する温度までヒータ52、52によって昇温・加熱する。このとき炉50内に別途配置もしくは工程(a)において予め複合エラストマーA中に混合されていた金属材料よりも低い温度で還元反応する還元剤例えばマグネシウム粒子を有することができる。これは、炉50の加熱によって金属材料塊Bよりも先に(低温で)気化して炉50内を還元雰囲気とすることになるため、金属材料塊Bの表面を還元し、溶融した金属材料が微細繊維の網目構造体内へ浸透しやすくなるためである。また、このように炉50内を還元雰囲気にすることは、工程(a)において複合エラストマーA内に金属材料の粒子を混合していた場合、その金属材料の粒子の表面の酸化物も還元することができるので好ましい。
回路90の圧力調整弁92によって炉50内の圧力が一定に保たれるように適宜窒素ガスが排出されるため、一定の流量の窒素ガスを炉50内へ導入することができる。なお、不活性ガスは、窒素ガスに限らず、例えばアルゴンガスなどの公知の不活性ガスを用いることもできる。
工程(d)は、複合材料を熱処理し、複合材料中の微細繊維を燃焼させて除去し、多孔質体を得る。熱処理温度は、微細繊維が燃焼する温度であって、複合材料のマトリックスである金属材料の溶融開始温度より低く設定することができる。
エラストマーは、重量平均分子量が好ましくは5000ないし500万、さらに好ましくは2万ないし300万である。エラストマーの分子量がこの範囲であると、エラストマー分子が互いに絡み合い、相互につながっているので、エラストマーは微細繊維を分散させるために良好な弾性を有している。エラストマーは、粘性を有しているので凝集した微細繊維の相互に侵入しやすく、さらに弾性を有することによって微細繊維同士を分離する効果が大きい。
ほど分子運動性が低く、エラストマーは固いといえる。また、第1のスピン−スピン緩和時間が長いほど分子運動性が高く、エラストマーは柔らかいといえる。
本実施の形態の複合エラストマーは、エラストマーに、微細繊維を混合し、かつせん断力によって微細繊維をエラストマー中に分散させて得られる。微細繊維は、燃焼することによって多孔質体に細長い孔を形成するためのものであり、工程(b)〜工程(d)における処理温度に応じて適宜選択することができる。
多孔質体は、金属マトリックス中に細長い孔の微細空孔が形成されている。この細長い孔は、前述したように、微細繊維の直径によって調整することができ、例えばその平均直径は0.5ないし500nmであることができ、さらに0.5ないし200nmであることができ、特に0.5nm以上100nm未満であることができる。100nm未満の微細空孔を有する多孔質体は、ナノポーラス材料と呼ばれ、機能分離膜などのフィルター、太陽電池などの光学材料、スーパーキャパシタなどの電子材料などで応用することができる。また、これまで実用化されていない5nm未満の微細空孔を有するナノポーラス材料として、細長い孔の平均直径が0.5nm以上5nm未満とすることができる。多孔質体の細長い孔は、従来のような表面付近にのみ形成される微細穴ではなく、多孔質体の表面から内部に延びる連続した網目構造を有することができる。このような網目構造を有することによって、多孔質体の単位体積当たりの微細空孔の表面積を大きくすることができる。
Claims (7)
- エラストマーに、微細繊維を混合し、かつ剪断力によって分散させて複合エラストマーを得る工程(a)と、
前記複合エラストマーを熱処理し、該複合エラストマー中に含まれるエラストマーを分解気化させて微細繊維の網目構造体を得る工程(b)と、
不活性ガス雰囲気の炉内で、溶融した金属材料を前記微細繊維の網目構造体の間に浸透させた後、固化させて微細繊維を含む複合材料を得る工程(c)と、
前記複合材料を熱処理し、前記複合材料中の微細繊維を燃焼させて除去し、多孔質体を得る工程(d)と、
を含む、多孔質体の製造方法。 - 請求項1において、
前記微細繊維は、平均直径が0.5ないし500nmである、多孔質体の製造方法。 - 請求項1または2において、
前記微細繊維はカーボンナノファイバーであり、
前記工程(c)の前記不活性ガスは窒素ガスであり、
前記工程(d)は酸素を含む雰囲気中で前記複合材料を熱処理してカーボンナノファイバーを燃焼させて除去する工程であり、
前記金属材料はアルミニウムまたはアルミニウム合金である、多孔質体の製造方法。 - 請求項1ないし4のいずれか1項の製造方法によって得られた、多孔質体。
- 金属マトリックス中に平均直径が0.5nm以上5nm未満の細長い孔が形成された、多孔質体。
- 請求項5において、
前記金属マトリックスは、アルミニウムまたはアルミニウム合金である、多孔質体。 - アルミニウムまたはアルミニウム合金のマトリックス中に平均直径が0.5ないし500nmの細長い孔が形成された、多孔質体。
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