JP2014009365A - 電解銅箔、リチウムイオン二次電池負極電極、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
電解銅箔、リチウムイオン二次電池負極電極、及びリチウムイオン二次電池 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】耐熱性を高めた電解銅箔と、それを用いたリチウムイオン二次電池負極電極及びリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】電解銅箔断面のSIM(走査イオン顕微鏡)画像において、平行線群の間隔が10nm〜100nmの範囲にある縞状コントラストを呈する面積が、全断面積の30〜90%の範囲にある電解銅箔である。リチウムイオン二次電池の負極は前記電解銅箔に防錆処理層を設け、該防錆処理層上に活物質層を設けた構成とする。リチウムイオン二次電池は前記負極電極を組み込んだ二次電池である。
【選択図】図1
【解決手段】電解銅箔断面のSIM(走査イオン顕微鏡)画像において、平行線群の間隔が10nm〜100nmの範囲にある縞状コントラストを呈する面積が、全断面積の30〜90%の範囲にある電解銅箔である。リチウムイオン二次電池の負極は前記電解銅箔に防錆処理層を設け、該防錆処理層上に活物質層を設けた構成とする。リチウムイオン二次電池は前記負極電極を組み込んだ二次電池である。
【選択図】図1
Description
本発明は、電解銅箔、該電解銅箔を集電体とするリチウムイオン二次電池負極電極、該負極電極を組み込んだリチウムイオン二次電池に関する。
リチウム(Li)イオン二次電池は、例えば、正極と、負極集電体の表面に負極活物質層が形成された負極と、非水電解質とを有して構成されており、携帯電話やノートタイプパソコン等に使用されている。
リチウムイオン二次電池の負極は、例えば、両面が平滑な銅箔からなる負極集電体の表面に、負極活物質層としてカーボン粒子を塗布、乾燥し、さらにプレスして形成されている。
上記の銅箔からなる負極集電体としては、電解により製造された、いわゆる「未処理銅箔」に防錆処理を施したものが使用されている。
リチウムイオン二次電池の負極は、例えば、両面が平滑な銅箔からなる負極集電体の表面に、負極活物質層としてカーボン粒子を塗布、乾燥し、さらにプレスして形成されている。
上記の銅箔からなる負極集電体としては、電解により製造された、いわゆる「未処理銅箔」に防錆処理を施したものが使用されている。
リチウムイオン二次電池の負極活物質としては、炭素材料の理論容量を大きく超える充放電容量を持つ次世代の負極活物質の開発が進められている。
例えば、シリコン(Si)や錫(Sn)などのリチウムと合金化可能な金属を含む材料が期待されている。
例えば、シリコン(Si)や錫(Sn)などのリチウムと合金化可能な金属を含む材料が期待されている。
しかしながら、これらの活物質に用いる場合、充放電時のリチウムの吸蔵及び放出に伴う体積変化が大きいため、集電体と活物質との接着状態を良好に維持することが困難な場合がある。
活物質と集電体の密着性を改善するためポリイミドバインダを設けた銅箔が開発されている。
活物質と集電体の密着性を改善するためポリイミドバインダを設けた銅箔が開発されている。
上記のようにポリイミドバインダを使用する場合、ポリイミドの硬化温度が300℃程度の高い温度であることから、耐熱性をさらに高めた銅箔の開発が期待されている。
特許文献1〜9には、リチウムイオン二次電池負極集電体として用いられる電解銅箔についての記載がある。
上記のように、ポリイミドバインダを使用する場合に300℃程度の高い温度で熱処理されるため、耐熱性をさらに高めることが求められている。
本発明は、耐熱性を高めた電解銅箔と、該電解銅箔をリチウムイオン二次電池負極集電体とした負極電極と、該負極電極を組み込んだリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明の電解銅箔は、該電解銅箔断面のSIM(走査イオン顕微鏡)画像において、平行線群の間隔が10nm〜100nmの範囲にある縞状コントラストを呈する組織の面積が全断面積の30〜90%の範囲にあることを特徴とする。
前記縞状コントラストを呈する組織の面積が、前記全断面積の50〜80%の範囲にあることが好ましい。
本発明電解銅箔は、300℃で1時間の熱処理を施した後の引張強度が450MPa以上を有することが好ましい。
本発明電解銅箔は、300℃で1時間の加熱処理後の0.2%耐力が250N/mm2以上であり、伸びが2.5%以上であることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池の負極電極は、上記本発明電解銅箔を集電体とした負極電極である。
本発明のリチウムイオン二次電池は、前記負極電極を組み込んだ二次電池である。
本発明によれば、耐熱性を高めた電解銅箔を提供でき、該電解銅箔をリチウムイオン二次電池の集電体とすることで耐熱性に優れたリチウムイオン二次電池負極電極を提供することができる。
[リチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔の構成]
本実施形態のリチウム(Li)イオン二次電池負極集電体用電解銅箔は、リチウムイオン二次電池の負極集電体を構成し、断面のSIM(走査イオン顕微鏡)画像において、平行線群の間隔が10nm〜100nmの範囲にある縞状コントラストを呈する組織の面積が、全断面積の30〜90%の範囲にある電解銅箔と、電解銅箔の活物質層を設ける表面に設けられた防錆処理層とを有する。
本実施形態のリチウム(Li)イオン二次電池負極集電体用電解銅箔は、リチウムイオン二次電池の負極集電体を構成し、断面のSIM(走査イオン顕微鏡)画像において、平行線群の間隔が10nm〜100nmの範囲にある縞状コントラストを呈する組織の面積が、全断面積の30〜90%の範囲にある電解銅箔と、電解銅箔の活物質層を設ける表面に設けられた防錆処理層とを有する。
ここで、本実施形態に係る縞状コントラストとは、図1に示すように電解銅箔の断面のSIM画像において観察される平行線群の間隔が10nm〜100nmの範囲にある領域を示す。
例えば、画像解析ソフトにより、SIM画像において観察される平行線群の間隔が10nm〜100nmの範囲を抽出することで、上記の縞状コントラストを呈する組織の面積を算出することができる。
例えば、画像解析ソフトにより、SIM画像において観察される平行線群の間隔が10nm〜100nmの範囲を抽出することで、上記の縞状コントラストを呈する組織の面積を算出することができる。
例えば、サンプルとなる電解銅箔に対してFIB(集束イオンビーム)を照射してサンプルの断面を切り出し、切り出した断面をイオンビームの入射方向に対して45℃傾けてSIM画像を取得する。
サンプルの大きさは適宜選択できるが、例えば150×100×0.013mm3程度である。
SIM画像の大きさは適宜選択できるが、例えば10×16μm2程度である。
サンプルの大きさは適宜選択できるが、例えば150×100×0.013mm3程度である。
SIM画像の大きさは適宜選択できるが、例えば10×16μm2程度である。
本実施形態の電解銅箔において、縞状コントラストを呈する組織の面積が、全断面積の30〜90%の範囲である。30%を下回る、もしくは90%を上回ると300℃で1時間の加熱によって引張強度の低下が見られ好ましくない。
上記の縞状コントラストを呈する組織の面積は、好ましくは全断面積の50〜80%の範囲である。
上記の縞状コントラストを呈する組織の面積は、好ましくは全断面積の50〜80%の範囲である。
本実施形態のリチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔は、防錆処理層が形成されている。
防錆処理層は、例えば、クロメート処理層、あるいはNi又はNi合金めっき層、Co又はCo合金めっき層、Zn又はZn合金めっき層、Sn又はSn合金めっき層、或いは上記各種めっき層上にさらにクロメート処理層を設けたもの等の無機防錆処理、あるいは、ベンゾトリアゾール等の有機防錆処理層である。
さらに、シランカップリング剤処理層等が形成されていてもよい。
上記無機防錆処理、有機防錆処理、シランカップリング剤処理は、活物質との密着強度を高め、電池の充放電サイクル効率の低下を防ぐ役割を果たす。
防錆処理層は、例えば、クロメート処理層、あるいはNi又はNi合金めっき層、Co又はCo合金めっき層、Zn又はZn合金めっき層、Sn又はSn合金めっき層、或いは上記各種めっき層上にさらにクロメート処理層を設けたもの等の無機防錆処理、あるいは、ベンゾトリアゾール等の有機防錆処理層である。
さらに、シランカップリング剤処理層等が形成されていてもよい。
上記無機防錆処理、有機防錆処理、シランカップリング剤処理は、活物質との密着強度を高め、電池の充放電サイクル効率の低下を防ぐ役割を果たす。
本実施形態のリチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔は、断面のSIM(走査イオン顕微鏡)画像において、平行線群の間隔が10nm〜100nmの範囲にある縞状コントラストを呈する組織の面積が、全断面積の30〜90%の範囲にあることにより、従来の電解銅箔より耐熱性が高められている。
上記の耐熱性が高められた本実施形態の電解銅箔を負極集電体とし、該集電体表面に活物質層を施しリチウムイオン二次電池の負極電極とすることで、ポリイミドバインダを用いても活物質と集電体の密着性を良好に改善でき、集電体がリチウムの吸蔵・放出に伴う活物質層の膨張・収縮による応力を受けても、電池の充放電サイクル効率の低下が小さく、集電体としてしわ等の変形、破断等を抑制することができる。
上記の耐熱性が高められた本実施形態の電解銅箔を負極集電体とし、該集電体表面に活物質層を施しリチウムイオン二次電池の負極電極とすることで、ポリイミドバインダを用いても活物質と集電体の密着性を良好に改善でき、集電体がリチウムの吸蔵・放出に伴う活物質層の膨張・収縮による応力を受けても、電池の充放電サイクル効率の低下が小さく、集電体としてしわ等の変形、破断等を抑制することができる。
[リチウムイオン二次電池負極電極及びそれを用いたリチウムイオン二次電池の構成と製造方法]
本実施形態のリチウムイオン二次電池負極電極は、上記の本実施形態のリチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔を集電体とし、該集電体の前記防錆処理層が形成された面に活物質層が形成された構成である。
本実施形態のリチウムイオン二次電池負極電極は、上記の本実施形態のリチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔を集電体とし、該集電体の前記防錆処理層が形成された面に活物質層が形成された構成である。
上記の活物質層は、活物質、バインダー、溶媒を混練りしスラリー状としたものを負極集電体に塗布、乾燥、プレスしたものである。
バインダーとしては、例えばポリイミドバインダーを用いることができる。
バインダーとしては、例えばポリイミドバインダーを用いることができる。
また、活物質層が、カーボン、シリコン、ゲルマニウム、または錫を主成分とする活物質で形成されている。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池は、正極及び負極を備えるリチウムイオン二次電池であって、負極電極は上記の本実施形態のリチウムイオン二次電池負極電極で構成されている。
本実施形態における活物質層は、リチウムを吸蔵・放出する物質であり、リチウムを合金化することにより吸蔵する活物質であることが好ましい。このような活物質材料としては、例えば、カーボン、シリコン、ゲルマニウム、錫、鉛、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、アルミニウム、カリウム、インジウムなどが挙げられる。これらの中でも、カーボン、シリコン、ゲルマニウム、及び錫がその高い理論容量から好ましく用いられる。従って、本実施形態において用いる活物質層は、カーボン、シリコン、ゲルマニウム、または錫を主成分とする層であることが好ましく、特に本実施形態の電解銅箔を集電体とするリチウムイオン二次電池に好ましく採用できる活物質はシリコンである。
本実施形態における活物質層は、例えば、活物質をバインダー、溶剤とともにスラリー状にして、塗布、乾燥、プレスすることにより形成する方法が望ましい。
本実施形態においては、集電体は厚みの薄いものであることが好ましく、活物質層は、集電体の片面または両面上に形成することができる。
本実施形態における活物質層には、例えば、予めリチウムが吸蔵または添加されていてもよい。リチウムは、活物質層を形成する際に添加してもよい。すなわち、リチウムを含有する活物質層を形成することにより、活物質層にリチウムを含有させる。また、活物質層を形成した後に、活物質層にリチウムを吸蔵または添加させてもよい。活物質層にリチウムを吸蔵または添加させる方法としては、電気化学的にリチウムを吸蔵または添加させる方法が挙げられる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池において用いる非水電解質は、溶媒に溶質を溶解した電解質である。非水電解質の溶媒としては、リチウムイオン二次電池に使用される溶媒であれば特に限定されないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネートや、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートが挙げられる。好ましくは、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒が用いられる。また、上記環状カーボネートと、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどのエーテル系溶媒や、γ−ブチロラクトン、スルホラン、酢酸メチル等の鎖状エステル等との混合溶媒を用いてもよい。
非水電解質の溶質としては、リチウムイオン二次電池に用いられる溶質であれば特に限定されるものではなく、例えば、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiC(CF3SO2)3、LiC(C2F5SO2)3、LiAsF6、LiClO4、Li2B10Cl10、Li2B12Cl12などが挙げられる。特に、LiXFy(式中、XはP、As、Sb、B、Bi、Al、Ga、またはInであり、XがP、AsまたはSbのときyは6であり、XがB、Bi、Al、Ga、またはInのときyは4である。)と、リチウムペルフルオロアルキルスルホン酸イミドLiN(CmF2m+1SO2)(CnF2n+1SO2)(式中、m及びnはそれぞれ独立して1〜4の整数である。)またはリチウムペルフルオロアルキルスルホン酸メチドLiC(CpF2p+1SO2)(CqF2q+1SO2)(CrF2r+1SO2)(式中、p、q及びrはそれぞれ独立して1〜4の整数である。)との混合溶質が好ましく用いられる。これらの中でも、LiPF6とLiN(C2F5SO2)2との混合溶質が特に好ましく用いられる。
また、非水電解質として、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンなどのポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質や、LiI、Li3Nなどの無機固体電解質を用いることができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池の電解質は、例えば、イオン導電性を発現させる溶質としてのリチウム化合物とこれを溶解・保持する溶媒が電池の充電時や放電時あるいは保存時の電圧で分解しない限り、制約なく用いることができる。
また、正極に用いる正極活物質としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、LiMnO2、LiCo0.5Ni0.5O2、LiNi0.7Co0.2Mn0.1O2などのLi含有遷移金属酸化物や、MnO2などのLiを含有していない金属酸化物が例示される。また、この他にも、Liを電気化学的に挿入・脱離する物質であれば、制限なく用いることができる。
本実施形態によれば、耐熱性が高められたリチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔を用いていることで、ポリイミドバインダを用いても活物質と集電体の密着性が良好に改善され、充放電サイクル効率の低下を抑制でき、充放電により集電体にしわ等の変形、あるいは破断が発生するのを抑制することができ、長期間安定した性能を維持するリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔は、例えば、電解銅箔の活物質層を設ける表面に粗化処理が施され、当該粗化処理が施された表面に前記防錆処理層が設けられていることが好ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔は、300℃で1時間の熱処理を施した後の引張強度が450MPa以上を有することが好ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔は、300℃で加熱処理後の0.2%耐力が250N/mm2以上であり、伸びが2.5%以上であることが好ましい。
従来のカーボン系の負極構成活物質層を形成する場合は、例えば、負極活物質であるカーボン、バインダーであるポリフッ化ビニリデン樹脂、溶媒であるN−メチルピロリドンからなるペーストを作り銅箔の両面に塗布、乾燥を行う。
この場合は、例えば、150℃前後の温度で乾燥を行う。150℃前後の温度では電解銅箔の引張強さ、0.2%耐力、伸びはほとんど変化しない。例えば上記の特許文献1に記載されている、硫酸銅−硫酸電解液にメルカプト基を持つ化合物、塩化物イオン、並びに分子量10000 以下の低分子量膠及び高分子多糖類を添加した電解液を使って製造した電解銅箔は、10μm箔の室温での引張強さは300〜350N/mm2であるが、150℃前後の温度で乾燥を行ってもその性能はほとんど変化しない。
さらに上記のようにカーボン活物質の場合は充放電時にその体積膨張がせいぜい10%程度であるため、充放電サイクル効率が著しく小さくなったり、充放電による集電体の変形が起こったり破断したりするというようなことはない。
この場合は、例えば、150℃前後の温度で乾燥を行う。150℃前後の温度では電解銅箔の引張強さ、0.2%耐力、伸びはほとんど変化しない。例えば上記の特許文献1に記載されている、硫酸銅−硫酸電解液にメルカプト基を持つ化合物、塩化物イオン、並びに分子量10000 以下の低分子量膠及び高分子多糖類を添加した電解液を使って製造した電解銅箔は、10μm箔の室温での引張強さは300〜350N/mm2であるが、150℃前後の温度で乾燥を行ってもその性能はほとんど変化しない。
さらに上記のようにカーボン活物質の場合は充放電時にその体積膨張がせいぜい10%程度であるため、充放電サイクル効率が著しく小さくなったり、充放電による集電体の変形が起こったり破断したりするというようなことはない。
また、上記の特許文献2に記載されている、硫酸銅−硫酸電解液から製造した10μm厚さの電解銅箔は、室温での引張強さは570N/mm2前後、伸びは7%前後であるが、150℃前後の温度で乾燥を行うとその性能は変化し、引張強さは230N/mm2前後、伸びは25%前後になる。しかし、カーボン活物質の場合は充放電時にその体積膨張がせいぜい10%程度であるため、上記のような引張強さが小さく、伸びが大きい箔でも充放電サイクル効率が著しく小さくなったり、充放電による集電体の変形が起こったり破断したりするというようなことはない。
これに対して、例えば活物質としてシリコンを含むシリコン系材料を使う場合は、充放電時の活物質の膨張、収縮を防ぐためにバインダーにポリイミド系の樹脂を使う場合がある。この場合乾燥、キュア温度はカーボン系の活物質を使う場合より高く、例えば300℃程度の温度で0.5〜1.5時間ほど乾燥、キュアを行う。
上記のような高い温度で熱処理を行うと、上記の特許文献1及び特許文献2の電解銅箔では、箔が焼鈍され軟化して、充放電サイクル効率が著しく小さくなり、充放電時の活物質の膨張収縮により箔に変形、破断が発生しやすくなる。
上記のような高い温度で熱処理を行うと、上記の特許文献1及び特許文献2の電解銅箔では、箔が焼鈍され軟化して、充放電サイクル効率が著しく小さくなり、充放電時の活物質の膨張収縮により箔に変形、破断が発生しやすくなる。
箔が変形する場合、箔には降伏点以上の応力がかかったと考えることができる。降伏点とは弾性から塑性に変わるところの応力である。箔に弾性領域の応力がかかっても変形が起こることはない。しかし、塑性領域の応力がかかった場合は変形する。
従って、乾燥、キュアにより箔が加熱された後であっても、降伏点が大きい箔の場合は、充放電により活物質が膨張収縮し、集電体である箔に応力がかかった場合でも変形が起こる可能性は極めて低い。
従って、上記の特許文献6に記載されているように、室温において引張り強さが400N/mm2以上、伸びが4.5%〜13%ある電解銅箔を用いたとしても、必ずしも充放電による膨張、収縮で箔に変形が起こらない、とは言えない。乾燥、キュアによる加熱後でも降伏点が大きい箔こそ、箔変形を起こさない箔であると言える。
ここで、降伏点は引張試験により測定を行うが、電解銅箔の場合はこの点がはっきりしない。こうした場合、通常0.2%ひずみが発生したときの値をとり降伏点に代用する。これを0.2%耐力と呼んでいる。
電解銅箔の場合、室温において大きな0.2%耐力をもつことが、加熱後でも大きな降伏点をもつことと必ずしも一致するわけではない。
特許文献6に記載されているように、室温における引張強さが400N/mm2以上ある材料でも、加熱により焼鈍され0.2%耐力が小さくなる材料では好ましくない。加熱した後の0.2%耐力がある一定の値以上を有することが重要である。
また伸びが小さい場合には、充放電サイクルを多数回繰り返すうちに充放電サイクル効率の低下が大きい傾向がある。
充放電サイクル効率の低下を小さくするためには、0.2%耐力で250N/mm2以上であり、伸びが2.5%以上であることが好ましい。
また伸びが小さい場合には、充放電サイクルを多数回繰り返すうちに充放電サイクル効率の低下が大きい傾向がある。
充放電サイクル効率の低下を小さくするためには、0.2%耐力で250N/mm2以上であり、伸びが2.5%以上であることが好ましい。
本実施形態において、0.2%耐力、伸びは、日本工業規格(JIS K 6251)に定められた方法により、測定した値であり、引張強さは、日本工業規格(JIS Z 2241)に定められた方法により、測定した値である。
本実施形態のリチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔は、上記のように従来の電解銅箔より耐熱性が高められている。
特に、上記電解銅箔上に負極構成活物質層を形成し、300℃で0.5〜1.5時間の加熱処理後にその0.2%耐力が250N/mm2以上、伸びが2.5%以上ある電解銅箔の少なくとも一方の面に防錆処理して集電体として用いることで、リチウムの吸蔵・放出に伴う活物質薄膜の膨張・収縮による応力を受けても、電池の充放電サイクル効率の低下、集電体としてしわ等の変形、破断等を抑制することができる。
特に、上記電解銅箔上に負極構成活物質層を形成し、300℃で0.5〜1.5時間の加熱処理後にその0.2%耐力が250N/mm2以上、伸びが2.5%以上ある電解銅箔の少なくとも一方の面に防錆処理して集電体として用いることで、リチウムの吸蔵・放出に伴う活物質薄膜の膨張・収縮による応力を受けても、電池の充放電サイクル効率の低下、集電体としてしわ等の変形、破断等を抑制することができる。
集電体用電解銅箔としては、電池の充放電サイクル効率の低下、リチウムの吸蔵・放出に伴う活物質層の膨張・収縮による応力によるしわ等の変形、破断等に対して、300℃で0.5〜1.5時間加熱処理後にその0.2%耐力が250N/mm2以上であることとともに、伸びが2.5%以上であることも重要な要素である。
300℃で0.5〜1.5時間加熱処理後にその0.2%耐力が250N/mm2以上であっても、伸びが2.5%より小さなものでは、集電体としてしわ等の変形、破断等は発生しないが、電池の充放電サイクル効率の低下は大きくなる傾向が見られる。
[リチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔の製造方法]
本実施形態のリチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔は、例えば、硫酸−硫酸銅水溶液を電解液とし、白金属元素又はその酸化物元素で被覆したチタンからなる不溶性陽極と該陽極に対向させて設けられたチタン製陰極ドラムとの間に該電解液を供給し、陰極ドラムを一定速度で回転させながら、両極間に直流電流を通電することにより陰極ドラム表面上に銅を析出させ、析出した銅を陰極ドラム表面から引き剥がし、連続的に巻き取る方法により製造される。
本実施形態のリチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔は、例えば、硫酸−硫酸銅水溶液を電解液とし、白金属元素又はその酸化物元素で被覆したチタンからなる不溶性陽極と該陽極に対向させて設けられたチタン製陰極ドラムとの間に該電解液を供給し、陰極ドラムを一定速度で回転させながら、両極間に直流電流を通電することにより陰極ドラム表面上に銅を析出させ、析出した銅を陰極ドラム表面から引き剥がし、連続的に巻き取る方法により製造される。
本実施形態のリチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔は、硫酸−硫酸銅電解液に次のA又はBのいずれかの有機添加剤、及び塩化物イオンを添加し製造することができる。
A:テトラメチルチオ尿素
B:B−1;テトラメチルチオ尿素
B−2;ニカワ、ゼラチン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、デンプン、セルロース系水溶性高分子(カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)等の高分子多糖類、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド
B−3;B−1とB−2から選ばれた一種以上の添加剤の組み合わせ
A:テトラメチルチオ尿素
B:B−1;テトラメチルチオ尿素
B−2;ニカワ、ゼラチン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、デンプン、セルロース系水溶性高分子(カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)等の高分子多糖類、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド
B−3;B−1とB−2から選ばれた一種以上の添加剤の組み合わせ
なお本明細書においては、製造時に電解銅箔が陰極ドラム表面に接していた側の面を光沢面;「S面」、逆の面を粗面;「M面」と称している。
製造された電解銅箔(未処理銅箔)に対して、例えば、クロメート処理、あるいはNi又はNi合金めっき、Co又はCo合金めっき、Zn又はZn合金めっき、Sn又はSn合金めっき、或いは上記各種めっき層上にさらにクロメート処理を施したもの等の無機防錆処理、あるいは、ベンゾトリアゾール等の有機防錆処理を施す。
さらに、例えばシランカップリング剤処理等が施されて、リチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔として使用される。
上記無機防錆処理、有機防錆処理、シランカップリング剤処理は活物質との密着強度を高め、電池の充放電サイクル効率の低下を防ぐ役割を果たす。
さらに、例えばシランカップリング剤処理等が施されて、リチウムイオン二次電池負極集電体用電解銅箔として使用される。
上記無機防錆処理、有機防錆処理、シランカップリング剤処理は活物質との密着強度を高め、電池の充放電サイクル効率の低下を防ぐ役割を果たす。
また電解銅箔表面に粗面化処理を行う。この粗面化処理としては、例えば、めっき法、エッチング法等が好適に採用できる。
めっき法は、未処理電解銅箔の表面に凹凸を有する薄膜層を形成することにより表面を粗面化する方法である。めっき法としては、電解めっき法及び無電解めっき法が採用することができる。
めっき法は、未処理電解銅箔の表面に凹凸を有する薄膜層を形成することにより表面を粗面化する方法である。めっき法としては、電解めっき法及び無電解めっき法が採用することができる。
めっき法による粗面化としては、銅や銅合金などの銅を主成分とするめっき膜を、未処理電解銅箔表面に形成する方法が好ましい。
電気めっきにより粗面化する方法としては、例えば、特許文献7に開示された、プリント回路用銅箔に対し一般的に用いられているめっきによる粗面化方法が好ましく用いられる。すなわち、いわゆる「やけめっき」により、粒粉状銅めっき層を形成した後、この粒粉状銅めっき層の上に、その凹凸形状を損なわないように「被せめっき」を行い、実質的に平滑なめっき層を堆積させて粒粉状銅をいわゆるコブ状銅とする粗面化方法である。
エッチング法による粗面化としては、例えば、物理的エッチングや化学的エッチングによる方法が適している。物理的エッチングにはサンドブラスト等でエッチングする方法があり、化学エッチングには処理液として、無機または有機酸と酸化剤と添加剤を含有する液が多数提案されている。例えば特許文献8では、無機酸+過酸化水素+トリアゾールなどの腐食防止剤+界面活性剤が開示されている。また、特許文献9には、無機酸+過酸化物+アゾール+ハロゲン化物を含有する液が開示されている。
通常は酸と酸化剤にキレート剤などの添加剤を付与した浴であり、銅の結晶粒界を優先的に溶解するものである。例えば、特許文献9に開示されている液組成の他に、メック株式会社のCZ−8100、同8101、三菱ガス化学株式会社のCPE−900などの市販品が採用できる。
通常は酸と酸化剤にキレート剤などの添加剤を付与した浴であり、銅の結晶粒界を優先的に溶解するものである。例えば、特許文献9に開示されている液組成の他に、メック株式会社のCZ−8100、同8101、三菱ガス化学株式会社のCPE−900などの市販品が採用できる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
[未処理銅箔の製造]
銅70〜130g/l−硫酸80〜140g/lの酸性銅電解浴に表1に示す組成の添加剤をそれぞれ添加し製箔用電解液を調製した。なお、実施例では塩化物イオン濃度を全て30ppmに調整したが、塩化物イオン濃度は電解条件により適宜変更するものであり、この濃度に限定されるものではない。
調製した電解液を用い、アノードには貴金属酸化物被覆チタン電極、カソードにはチタン製回転ドラムを用いて表1に示す電解条件(電流密度、液温)の下に、12μm厚みの未処理銅箔を電解製箔法によって、実施例1〜8の未処理銅箔を製造した。
また比較例1〜6も表1に示す組成の電解液により12μmとなるように未処理銅箔の製造を行い、未処理銅箔の製造を行った。
銅70〜130g/l−硫酸80〜140g/lの酸性銅電解浴に表1に示す組成の添加剤をそれぞれ添加し製箔用電解液を調製した。なお、実施例では塩化物イオン濃度を全て30ppmに調整したが、塩化物イオン濃度は電解条件により適宜変更するものであり、この濃度に限定されるものではない。
調製した電解液を用い、アノードには貴金属酸化物被覆チタン電極、カソードにはチタン製回転ドラムを用いて表1に示す電解条件(電流密度、液温)の下に、12μm厚みの未処理銅箔を電解製箔法によって、実施例1〜8の未処理銅箔を製造した。
また比較例1〜6も表1に示す組成の電解液により12μmとなるように未処理銅箔の製造を行い、未処理銅箔の製造を行った。
上記の実施例1〜8、比較例1〜6に対して、画像解析ソフトを用いて電解銅箔の断面のSIM画像における縞状コントラストを呈する結晶粒の占める面積を算出した。結果を表1(縞状密度)に示す。
ここでは、実施例1〜8、比較例1〜6の各サンプルに対してFIB(集束イオンビーム)を照射して150×100×0.013mm3のサンプルの断面(カソードドラムの回転方向に対して垂直な断面)を切り出し、ビームの入射方向に対して断面を45℃傾けてSIM画像を取得した。SIM画像の大きさは10×16μm2とした。
ここでは、実施例1〜8、比較例1〜6の各サンプルに対してFIB(集束イオンビーム)を照射して150×100×0.013mm3のサンプルの断面(カソードドラムの回転方向に対して垂直な断面)を切り出し、ビームの入射方向に対して断面を45℃傾けてSIM画像を取得した。SIM画像の大きさは10×16μm2とした。
図1は上記の実施例3のSIM画像である。
破線で囲った部分Xは、平行線群の間隔が10nm〜100nmの範囲にある縞状コントラストを呈する組織の代表的な場所を示している。TEMで解析したところ、この縞状コントラストを呈する組織は、双晶が平行線群の間隔で積層されたものであり、各平行線は双晶境界であることを確認した。
破線で囲った部分Xは、平行線群の間隔が10nm〜100nmの範囲にある縞状コントラストを呈する組織の代表的な場所を示している。TEMで解析したところ、この縞状コントラストを呈する組織は、双晶が平行線群の間隔で積層されたものであり、各平行線は双晶境界であることを確認した。
[負極集電体の作成]
実施例1〜8及び比較例1〜6に対して、クロメート処理を施して集電体(A1〜A8,B1〜B6)とした。
実施例1〜8及び比較例1〜6に対して、クロメート処理を施して集電体(A1〜A8,B1〜B6)とした。
銅箔表面のクロメート処理の条件は以下のようである。
クロメート処理条件:
重クロム酸カリウム 1〜10g/L
浸漬処理時間 2〜20秒
クロメート処理条件:
重クロム酸カリウム 1〜10g/L
浸漬処理時間 2〜20秒
[負極集電体の引張強さ、0.2%耐力、伸び、及び表面粗さの測定]
各集電体(A1〜A8,B1〜B6)の300℃で1時間の加熱処理前後の引張強さ、0.2%耐力、伸びを表2に示す。
各集電体(A1〜A8,B1〜B6)の300℃で1時間の加熱処理前後の引張強さ、0.2%耐力、伸びを表2に示す。
なお、引張強さ、0.2%耐力、伸びは、引張試験機(インストロン社製1122型)を用いて測定した値である。
[リチウムイオン二次電池用負極電極の作成]
活物質については、平均粒子径100nmのシリコン系粒子を使用した。
活物質64%に、アセチレンブラック粉(AB)16%、ポリアミック酸溶液20%を混合してスラリーを調製した。次いで、上記電解銅箔に上記スラリーを塗布し、塗工膜をほぼ均一なシートとし、乾燥し、プレス機で圧縮して集電体上に活物質層を密着接合させ、更に減圧乾燥させて試験電極(負極)を作製した。この後、アルゴン雰囲気下において300℃で焼結し、20φに打ち抜き電極とした。
活物質については、平均粒子径100nmのシリコン系粒子を使用した。
活物質64%に、アセチレンブラック粉(AB)16%、ポリアミック酸溶液20%を混合してスラリーを調製した。次いで、上記電解銅箔に上記スラリーを塗布し、塗工膜をほぼ均一なシートとし、乾燥し、プレス機で圧縮して集電体上に活物質層を密着接合させ、更に減圧乾燥させて試験電極(負極)を作製した。この後、アルゴン雰囲気下において300℃で焼結し、20φに打ち抜き電極とした。
[リチウムイオン二次電池の作成]
上記の電極を負極とし、金属リチウム箔を対極、参照極として1.3モルのLiPF6/エチレンカーボネート(EC)+エチルメチルカーボネート(EMC)+ジメチルカーボネート(DMC)(EC:EMC:DMC=2:5:3(体積比))溶液を電解液として、三極セルを作製した。
上記の電極を負極とし、金属リチウム箔を対極、参照極として1.3モルのLiPF6/エチレンカーボネート(EC)+エチルメチルカーボネート(EMC)+ジメチルカーボネート(DMC)(EC:EMC:DMC=2:5:3(体積比))溶液を電解液として、三極セルを作製した。
[充放電試験]
この三極セルにおける負極の評価を次の方法により温度25℃で行った。
Cレート算出
試験極中の活物質量によりCレートを以下の通りに算出した。
Si:1C=4,000mAh/g
初回条件
充電:0.1C相当電流で定電流充電し、0.02V(対Li/Li+)到達後、定電位充電し、充電電流が0.05C相当に低下した時点で終了した。
放電:0.1C相当電流で定電流放電し、1.5Vになった時点で終了した。
充放電サイクル条件
初回充放電試験を実施した後、同じ0.1C相当電流で100サイクルまで充放電を繰り返した。
この三極セルにおける負極の評価を次の方法により温度25℃で行った。
Cレート算出
試験極中の活物質量によりCレートを以下の通りに算出した。
Si:1C=4,000mAh/g
初回条件
充電:0.1C相当電流で定電流充電し、0.02V(対Li/Li+)到達後、定電位充電し、充電電流が0.05C相当に低下した時点で終了した。
放電:0.1C相当電流で定電流放電し、1.5Vになった時点で終了した。
充放電サイクル条件
初回充放電試験を実施した後、同じ0.1C相当電流で100サイクルまで充放電を繰り返した。
上記評価による100サイクル後の集電体両面の放電容量保持率を表3に示す。
なお、100サイクル後の放電容量保持率は次式により算出した。
(サイクル後放電容量保持率%)=[(サイクル後の放電容量)/(最大放電容量)]×100
なお、100サイクル後の放電容量保持率は次式により算出した。
(サイクル後放電容量保持率%)=[(サイクル後の放電容量)/(最大放電容量)]×100
また、サイクル後における実施例1〜8、比較例1〜6の各リチウムイオン二次電池を解体して、各負極の負極集電体におけるしわの発生の有無を調べ、その結果を表3に合わせて示した。また、電池特性に関する総合評価として、放電容量保持率がM面、S面ともに75%以上、しわの発生が無いものを◎、放電容量保持率がM面、S面ともに65%以上でしわの発生がないものを○、それ以外を×とした。
表1、2、3に示したように、断面のSIM(走査イオン顕微鏡)画像において、平行線群の間隔が10nm〜100nmの範囲にある縞状コントラストを呈する組織の面積が、全断面積の30〜90%の範囲にある電解銅箔を用い、防錆処理を施した負極集電体は、300℃1時間加熱後の引張強度が高く、充放電サイクルを繰り返しても容量の低下が小さくなる。また、充放電により集電体にしわが発生するのを抑制することができた。
以上のように、本実施例のリチウムイオン二次電池負極集電体として、断面のSIM(走査イオン顕微鏡)画像において、平行線群の間隔が10nm〜100nmの範囲にある縞状コントラストを呈する組織の面積が全断面積の30〜90%の範囲にある電解銅箔に防錆処理層を形成し、さらに負極構成活物質層を形成した電解銅箔を用いることで、充放電により集電体にしわ等の変形が発生するのを抑制することができ、充放電サイクルを繰り返しても容量保持率の低下が起こらない高寿命で、小型化可能なリチウムイオン二次電池を提供することができる。
なお、本実施例は活物質がシリコンの場合について記載したが、シリコンの酸化物、カーボン、ゲルマニウム、錫を主成分とする活物質を使った場合でも、充放電により集電体にしわ等の変形が発生するのを抑制することができ、充放電サイクルを繰り返しても容量保持率の低下が起こらない高寿命で、小型化可能なリチウムイオン二次電池を提供することができる。
Claims (6)
- 断面のSIM(走査イオン顕微鏡)画像において、平行線群の間隔が10nm〜100nmの範囲にある縞状コントラストを呈する組織の面積が全断面積の30〜90%の範囲にある電解銅箔。
- 前記縞状コントラストを呈する組織の面積が、前記全断面積の50〜80%の範囲にある請求項1に記載の電解銅箔。
- 300℃で1時間の熱処理を施した後の引張強度が450MPa以上を有する請求項1または2に記載の電解銅箔。
- 前記電解銅箔において、300℃で1時間の加熱処理後の0.2%耐力が250N/mm2以上であり、伸びが2.5%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の電解銅箔。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電解銅箔を集電体としたリチウムイオン二次電池の負極電極。
- 請求項5に記載の負極電極を組み込んだリチウムイオン二次電池。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012144611A JP2014009365A (ja) | 2012-06-27 | 2012-06-27 | 電解銅箔、リチウムイオン二次電池負極電極、及びリチウムイオン二次電池 |
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CN106663816A (zh) * | 2015-06-18 | 2017-05-10 | Ls美创有限公司 | 用于锂二次电池的电解铜箔及包含该电解铜箔的锂二次电池 |
-
2012
- 2012-06-27 JP JP2012144611A patent/JP2014009365A/ja active Pending
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TWI651420B (zh) * | 2015-06-18 | 2019-02-21 | 南韓商Kcf科技有限公司 | 用於鋰二次電池之電解銅箔以及包含彼之鋰二次電池 |
US10418635B2 (en) | 2015-06-18 | 2019-09-17 | Kcf Technologies Co., Ltd. | Electrolytic copper foil for lithium secondary battery and lithium secondary battery comprising the same |
CN106663816B (zh) * | 2015-06-18 | 2020-02-11 | Kcf技术有限公司 | 用于锂二次电池的电解铜箔及包含该电解铜箔的锂二次电池 |
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