以下、添付図面を参照して、本願の開示する塗布装置および塗布液充填方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る塗布装置の構成を示す模式側面図である。なお、以下においては、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1に示すように、第1の実施形態に係る塗布装置1は、載置台10と、第1の移動機構20と、ノズル30と、昇降機構40とを備える。
第1の移動機構20は、基板Wを水平方向に移動させる機構部であり、基板保持部21と、駆動部22とを備える。基板保持部21は、吸引口が形成された水平な上面を有し、吸引口からの吸引によって基板Wを水平な上面に吸着保持する。駆動部22は、載置台10に載置され、基板保持部21を水平方向(ここでは、X軸方向)に移動させる。第1の移動機構20は、駆動部22を用いて基板保持部21を移動させることによって、基板保持部21に保持された基板Wを水平方向に移動させる。
ノズル30は、基板Wの移動方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に延在する長尺状のノズルであり、基板保持部21によって保持される基板Wの上方に配置される。かかるノズル30の構成については、後述する。
昇降機構40は、ノズル30を昇降させる機構部であり、固定部41と、駆動部42とを備える。固定部41は、ノズル30を固定する部材である。また、駆動部42は、固定部41を鉛直方向に移動させる。昇降機構40は、駆動部42を用いて固定部41を鉛直方向に移動させることによって、固定部41に固定されたノズル30を昇降させる。
また、塗布装置1は、厚み測定部50aと、ノズル高さ測定部50bと、ノズル洗浄部60と、ノズル待機部80と、第2の移動機構90と、制御装置100とを備える。
厚み測定部50aは、基板Wの上方(ここでは、昇降機構40)に配置され、基板Wの上面までの距離を測定する測定部である。また、ノズル高さ測定部50bは、基板Wの下方(ここでは、載置台10)に配置され、ノズル30の下端面までの距離を測定する。
厚み測定部50aおよびノズル高さ測定部50bによる測定結果は、後述する制御装置100へ送信され、塗布処理時におけるノズル30の高さを決定するために用いられる。なお、厚み測定部50aおよびノズル高さ測定部50bとしては、たとえばレーザー変位計を用いることができる。
ノズル洗浄部60は、ノズル30の先端部に付着した塗布液を除去する処理部である。かかるノズル洗浄部60の構成については、後述する。
ノズル待機部80は、ノズル30を収容可能な収容空間を有する。収容空間内は、シンナー雰囲気に保たれており、かかる収容空間内にノズル30を待機させておくことにより、ノズル30内の塗布液の乾燥が防止される。かかるノズル待機部80の構成についても、後述する。
第2の移動機構90は、ノズル洗浄部60およびノズル待機部80を水平方向に移動させる機構部であり、載置部91と、支持部92と、駆動部93とを備える。
載置部91は、ノズル洗浄部60およびノズル待機部80を略水平に載置する板状部材である。かかる載置部91は、支持部92によって所定の高さ、具体的には、基板保持部21に保持された基板Wが載置部91の下方を通過可能な高さに支持される。駆動部93は、支持部92を水平方向に移動させる。
かかる第2の移動機構90は、駆動部93を用いて支持部92を水平方向へ移動させることによって、載置部91に載置されたノズル洗浄部60およびノズル待機部80を水平方向へ移動させる。
制御装置100は、塗布装置1の動作を制御する装置である。かかる制御装置100は、たとえばコンピュータであり、図示しない制御部と記憶部とを備える。記憶部には、塗布処理等の各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部は記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって塗布装置1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録されていたものであって、その記録媒体から制御装置100の記憶部にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記録媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
次に、塗布装置1が実行する塗布処理の概略について図2を用いて説明する。図2は、塗布処理の概略説明図である。塗布装置1が実行する塗布処理は、長尺状のノズル30から露出させた塗布液を基板Wに接触させた状態で基板Wを水平方向へ移動させることにより、基板W上に塗布液を塗り広げて塗布膜を形成する処理である。
図2に示すように、ノズル30は、基板Wの移動方向(X軸方向)に対して直交する方向(Y軸方向)に延在する長尺状の部材であり、下端部に形成された長尺状の吐出口Dから塗布液Rを吐出する。
塗布装置1は、まず、ノズル30の吐出口Dから塗布液Rを露出させる。このとき、塗布装置1は、ノズル30内の圧力を制御することによって、吐出口Dから塗布液Rを露出させた状態を維持することができるが、かかる点については、後述する。
つづいて、塗布装置1は、昇降機構40(図1参照)を用いてノズル30を下方へ移動させて、吐出口Dから露出させた塗布液Rを基板Wの上面に接触させる。そして、塗布装置1は、第1の移動機構20(図1参照)を用いて基板Wを水平に移動させる。これにより、基板Wの上面に塗布液Rを塗り広げられて塗布膜が形成される。なお、塗布装置1によって基板Wに形成される塗布膜は、10μm以上の厚膜である。
第1の実施形態に係るノズル30は、塗布液Rを貯留する貯留室を備えており、かかる貯留室に充填された塗布液Rをスリット状の流路を介して吐出口Dから吐出する。貯留室には、塗布液供給系が接続されており、かかる塗布液供給系から塗布液Rが供給されることによって貯留室に塗布液Rが充填される。
ここで、貯留室に塗布液Rを充填した場合、貯留室内において塗布液Rの偏りが生じるおそれがある。貯留室内の塗布液Rに偏りがあると、ノズル30の吐出口Dに作用する水頭圧が不均一となり、膜厚均一性が悪化するおそれがある。このため、ノズル30に対して塗布液Rを充填した後、貯留室内の塗布液Rが平坦化するまで待機しておくことが好ましいが、塗布処理を開始するまでに時間がかかってしまう。特に、塗布装置1が取り扱う塗布液Rは、粘度が数1000cP程度の高粘度の流体であるため、平坦化するまでに多くの時間を要する。
そこで、第1の実施形態に係る塗布装置1は、貯留室に貯留された塗布液Rに対して物理的な力を加えることによって塗布液Rを積極的に平坦化させることとした。これにより、平坦化に要する時間を短縮することができるため、ノズル30への塗布液Rの充填作業を効率化することができる。
以下、平坦化部の構成をノズル30の構成とともに具体的に説明する。図3Aは、ノズル30の構成を示す模式正断面図であり、図3Bは、図3AにおけるAA矢視断面図である。また、図4Aは、ノズル30の模式正面図であり、図4Bは、ノズル30の模式背面図である。
図3Aおよび図3Bに示すように、ノズル30は、塗布液Rが貯留される貯留室Sと、この貯留室Sの下部に配置され、貯留室Sに連通するスリット状の流路Cとを備え、流路Cの先端(すなわち、ノズル30の下端面)に形成される吐出口Dから塗布液Rを吐出する。
より具体的には、ノズル30は、ノズル30の背面部および両側面部を形成する第1本体部31と、前面部を形成する第2本体部32と、天井部を形成する蓋部33と、第1本体部31の第2本体部32との対向面に配置される長尺状のランド部34とを備える。そして、第1本体部31、第2本体部32および蓋部33によって形成されるノズル30内部の空間のうち、第1本体部31と第2本体部32とによって挟まれる幅Kの空間が貯留室Sとなり、ランド部34と第2本体部32とで挟まれる幅Kよりも幅狭な幅Gの空間が流路Cとなる。なお、流路Cの幅は、幅Gで一定であり、流路Cの先端に形成される吐出口Dの幅も幅Gである。
この幅Gは、貯留室Sの内部の圧力を貯留室Sの外部の圧力と等しくした状態では、塗布液Rの表面張力が塗布液Rに作用する重力より小さくなり、所定の流量で塗布液Rが吐出口Dから滴下するような値に設定されている。具体的には、幅Gは、予め行われる試験において、幅G、塗布液Rの粘度、ノズル30の材質を変化させ、その場合の塗布液Rの状態を評価することにより求められる。
蓋部33には、貯留室Sに貯留された塗布液Rの液面および貯留室Sの内壁面によって囲まれる密閉空間の圧力を測定する圧力測定部36と、密閉空間内の圧力を調整する圧力調整部110に接続された圧力調整管37とが、蓋部33を貫通してそれぞれ設けられる。圧力測定部36は、制御装置100に電気的に接続されており、測定結果が制御装置100へ入力される。
なお、圧力測定部36は、ノズル30内の密閉空間に連通していればどのような配置であってもよく、たとえば第1本体部31を貫通して設けられてもよい。
圧力調整部110は、真空ポンプなどの排気部111と、N2などのガスを供給するガス供給源112を、切替バルブ113を介して圧力調整管37に接続した構成となっている。かかる圧力調整部110も制御装置100に電気的に接続されており、制御装置100からの指令により切替バルブ113の開度を調整することで、排気部111またはガス供給源112のいずれかを圧力調整管37に接続して、貯留室S内部からの排気量を調整したり、貯留室S内に供給するガスの量を調整したりすることができる。これにより、塗布装置1は、圧力測定部36の測定結果、すなわち、貯留室S内の圧力が所定の値となるように調整することができる。
かかる場合、貯留室Sの内部を排気して貯留室S内の圧力を貯留室S外部の圧力よりも低くすることで、貯留室S内の塗布液Rを上方に引き上げ、吐出口Dから塗布液Rが滴下するのを防ぐことができる。また、貯留室S内にガスを供給することで、塗布液Rの塗布後に貯留室S内に残留する塗布液Rを加圧して押し出したりパージしたりすることができる。
塗布装置1は、貯留室S内に形成される密閉空間の圧力を制御しつつ、塗布液Rの基板Wへの塗布処理を行うが、かかる点については、後述する。
なお、圧力調整部110の構成については、本実施形態に限定されるものではなく、貯留室S内の圧力を制御することができれば、その構成は任意に設定できる。たとえば、排気部111とガス供給源112のそれぞれに圧力調整管37と圧力調整弁を設け、それぞれ個別に蓋部33に接続するようにしてもよい。
また、ノズル30は、塗布液供給部120、中間タンク130、供給ポンプ140および加圧部150を含む塗布液供給系に接続される。
塗布液供給部120は、塗布液供給源121と、バルブ122とを備える。塗布液供給源121は、バルブ122を介して中間タンク130に接続されており、中間タンク130に対して塗布液Rを供給する。また、塗布液供給部120は、制御装置100と電気的に接続されており、かかる制御装置100によってバルブ122の開閉が制御される。
中間タンク130は、塗布液供給部120とノズル30との間に介在するタンクである。かかる中間タンク130は、タンク部131と、第1供給管132と、第2供給管133と、第3供給管134と、液面センサ135とを備える。
タンク部131は、塗布液Rを貯留する。かかるタンク部131の底部には、第1供給管132および第2供給管133が設けられる。第1供給管132は、バルブ122を介して塗布液供給源121に接続される。また、第2供給管133は、供給ポンプ140を介してノズル30の側面部に接続される。
第3供給管134には、加圧部150が接続される。加圧部150は、N2などのガスを供給するガス供給源151と、バルブ152とを備え、タンク部131内へガスを供給することによってタンク部131内を加圧する。かかる加圧部150は、制御装置100と電気的に接続されており、かかる制御装置100によってバルブ152の開閉が制御される。
また、液面センサ135は、タンク部131に貯留された塗布液Rの液面を検知する検知部である。かかる液面センサ135は、制御装置100と電気的に接続されており、検知結果が制御装置100へ入力される。
供給ポンプ140は、第2供給管133の中途部に設けられており、中間タンク130から供給される塗布液Rを所定量ずつノズル30へ供給する。かかる供給ポンプ140は、制御装置100と電気的に接続され、制御装置100によって塗布液Rのノズル30への供給量が制御される。
このように、ノズル30には、塗布液供給部120、中間タンク130、供給ポンプ140および加圧部150を含む塗布液供給系が接続されており、かかる塗布液供給系によってノズル30の側面部から貯留室S内に塗布液Rが供給される。
ここで、上述したように、塗布液Rは高粘度の流体である。このため、かかる塗布液Rを塗布液供給系から貯留室S内へ供給すると、図3Aに示すように、塗布液Rは、塗布液供給系が接続される側に偏った状態で貯留室Sに貯留される。
そこで、第1の実施形態に係る塗布装置1は、貯留室S内に貯留された塗布液Rを平坦化させる平坦化部として、図3Bに示すように、超音波振動子180を備えることとした。
超音波振動子180は、たとえばノズル30の背面部に取り付けられ、かかる背面部を介して貯留室S内の塗布液Rに超音波振動を与える。これにより、塗布液Rを素早く平坦化させることができる。また、超音波振動子180は、制御装置100に電気的に接続されており、制御装置100によってオン・オフが制御される。
超音波振動子180は、図4Aに示すように、ノズル30の長手方向に沿って複数(ここでは、5個)設けられる。これにより、塗布液Rに対してノズル30の長手方向に沿って均等に超音波振動を与えることができる。なお、塗布装置1は、塗布液供給系が接続される側に1個の超音波振動子180を備える構成であってもよい。
また、超音波振動子180による振動によって貯留室S内で塗布液Rが飛び散らないように、超音波振動子180は、貯留室Sのできるだけ下方、具体的には、貯留室Sと流路Cとの境界部の近傍に設けることが好ましい。
また、塗布装置1は、図3Bに示すように、液面検知部160をさらに備える。液面検知部160は、ノズル30の前方に配置され、貯留室Sに貯留された塗布液Rの液面の位置(以下、「液面高さ」と記載する)を検知する。
ここで、図4Bに示すように、ノズル30の前面部を形成する第2本体部32は、一部が透明部材32aで形成されており、貯留室Sに貯留された塗布液Rを透明部材32aを介して視認することができる。液面検知部160は、たとえばCCD(Charge Coupled Device)カメラであり、ノズル30の前方から透明部材32aを介して貯留室Sの内部を撮影することによって塗布液Rの液面の位置を検知する。液面検知部160による検知結果は、制御装置100へ入力される。これにより、塗布装置1は、塗布液Rの液面高さを容易に検知することができる。
塗布装置1は、液面検知部160による検知結果に基づいて、超音波振動子180のオン・オフを制御する。すなわち、塗布装置1は、液面検知部160による検知結果から、液面の最大高さおよび最小高さの差分を求め、この差分が所定の閾値を超える場合には、超音波振動子180をオンする。そして、塗布装置1は、差分が所定の閾値以下となった場合に、超音波振動子180をオフする。
なお、塗布装置1は、液面検知部160による検知結果に基づいて、超音波振動子180の振動力を変更してもよい。たとえば、塗布装置1は、塗布液の偏りが大きいほど超音波振動子180の振動力を高めてもよい。
次に、塗布処理時の動作について図5および図6A〜図6Cを用いて説明する。図5は、塗布処理における各機器の状態変化を示すタイムチャートである。また、図6A〜図6Cは、塗布処理の様子を示す模式図である。
なお、以下では、貯留室S外部の圧力よりも低い圧力状態を「負圧」と呼ぶ。また、負圧の値を変化させる場合において、たとえば「−400Pa」から「−450Pa」に変化させる場合のように絶対値が大きくなる方向へ変化させる場合には、「圧力を低下させる」あるいは「真空度を高める」と表現する。
また、ノズル30内には、塗布液Rが充填された状態であるものとする。ノズル30内に充填される塗布液Rの量は、基板Wの全面に少なくとも1回以上塗布液Rを塗布することができる量以上であればよい。
また、後述する塗布液充填処理(図8のステップS101参照)においてノズル30内に塗布液Rが充填されてから次の塗布処理(図8のステップS108参照)が開始されるまでの間、貯留室S内の圧力は、所定の値P0に調整される(図5参照)。これにより、塗布液Rは、塗布処理が開始されるまでの間、吐出口Dから滴下することなくノズル30内に保持される。なお、所定の値P0は、貯留室S外部の圧力(大気圧)よりも低い負圧(たとえば、−450Pa)である。
塗布装置1は、塗布処理を開始すると、まず、圧力調整部110を用いて貯留室S内の圧力をP0よりも高いP1(たとえば、−440Pa)に調整する(図5の時間t1参照)。これにより、塗布液Rに作用する重力が、塗布液Rの表面張力および貯留室S内の負圧をわずかに上回り、ノズル30内に保持されていた塗布液Rが吐出口Dから露出する。なお、これに伴い、貯留室S内に貯留された塗布液Rの液面高さがH0からH1へ低下する。
つづいて、塗布装置1は、昇降機構40(図1参照)を用いてノズル30を降下させ、図6Aに示すように、吐出口Dと基板Wとの距離(以下、「ノズルギャップ」と記載する)を所定の距離Z1とする(図5の時間t2参照)。これにより、吐出口Dから露出した塗布液Rが基板Wの上面に接液する。
なお、ノズルギャップZ0は、後述する厚み測定処理(図8のS107参照)によって得られる基板Wの上面までの距離に基づいて算出される。また、ノズルギャップZ1は、試験等によってあらかじめ設定された値である。
つづいて、塗布装置1は、ノズル30を上昇させて、ノズルギャップをZ2(>Z1)とする(図5の時間t3参照)。これにより、吐出口Dから露出した塗布液Rは、図6Bに示すように、基板Wの上面に接液した状態で上方に引き伸ばされた状態となる。また、これに伴い、貯留室S内に貯留された塗布液Rの液面高さがH1からH2へ低下する。なお、ノズルギャップZ2は、基板Wに形成すべき塗布膜の膜厚に応じて設定される。
その後、塗布装置1は、第1の移動機構20(図1参照)を用い、基板WのX軸負方向側の端部がノズル30の直下に配置される位置まで、基板Wを所定の速度で移動させる。これにより、図6Cに示すように、貯留室Sの塗布液Rが吐出口Dから流れ出し、基板Wの上面に塗布液Rが塗布される。
ここで、塗布装置1は、圧力調整部110を用いて貯留室S内の圧力を調整することにより、スキャン方向における膜厚均一性の悪化を防止する。
具体的には、塗布装置1は、貯留室S内の塗布液Rの液面の低下に合わせて、圧力調整部110により貯留室Sの圧力を、P2(たとえば、−430Pa)からP5(たとえば、−400Pa)まで段階的に上昇させる(図5の時間t5〜t8参照)。
貯留室S内の塗布液Rの液面が低下すると、吐出口Dに作用する塗布液Rによる水頭圧が減少する。この間、貯留室S内の圧力と、貯留室Sの外部の圧力とが変化せず一定であるとすると、水頭圧が減少した分だけ塗布液Rを吐出口Dから押し出す力が減少するので、塗布液Rの吐出量は減少する。
したがって、本実施形態においては、貯留室S内の塗布液Rの液面高さの低下に合わせて圧力調整部110により貯留室Sの圧力をP5(−400Pa)まで段階的に上昇させることで、液面低下による吐出口Dにおける水頭圧の減少が補われる。この結果、吐出口Dからの塗布液Rの吐出量が一定に保たれ、基板Wの面内に均一な膜厚の塗布膜を形成することができる。
貯留室S内の圧力の調整は、たとえばノズル30と基板Wとの相対的な移動距離に応じて行うことができる。かかる場合、ノズル30の移動距離と貯留室S内の圧力設定値との相関関係をあらかじめ求めておき、この相関関係に基づいて貯留室S内の圧力を調整するようにすればよい。このような相関関係をあらかじめ求めておくことで、ノズル30の基板Wにおける所定位置での塗布液Rの消費量から水頭圧の減少分を求め、これにより貯留室S内の圧力を調整することができる。
また、貯留室S内の圧力の調整は、貯留室S内の塗布液Rの液面高さに応じて行ってもよい。かかる場合、圧力調整部110により上昇されるべき貯留室S内の圧力の値は、たとえば液面検知部160により検知された塗布液Rの液面の高さに基づいて求められる。
具体的には、塗布開始前の状態における塗布液Rの液面高さと、塗布開始後における塗布液Rの液面高さの差分を求める。そして、かかる差分に塗布液Rの密度を乗ずることで、吐出口Dにかかる水頭圧の減少分を求めることができる。したがって、圧力調整部110により、この水頭圧の減少分だけ貯留室S内の圧力を上昇させることで、吐出口Dにかかる水頭圧が一定となる。これにより、吐出口Dからの塗布液Rの吐出量が一定となり、基板Wの面内に均一な膜厚の塗布膜を形成することができる。
また、たとえば流路Cに他の圧力測定機構を設け、流路Cの塗布液Rに作用する水頭圧を直接求め、この水頭圧が一定となるように圧力調整部110により貯留室S内の圧力を調整することも考えられる。
いずれの場合においても、圧力調整部110により、吐出口Dからの塗布液Rの吐出量が一定となるように、換言すれば吐出口Dの塗布液Rに作用する水頭圧が一定となるように貯留室S内の圧力を調整するので、基板Wの面内に均一な膜厚の塗布膜を形成することができる。
このように、塗布装置1は、制御装置100による制御によって、基板Wに塗布液Rを塗布する間、塗布液Rの吐出量が一定となるように、圧力調整部110を制御して貯留室Sの内部の圧力を調整する。これにより、塗布装置1は、スキャン方向における膜厚均一性の悪化を抑えることができる。
また、塗布装置1は、貯留室S内の圧力を調整することによって、塗布液に作用する重力に抗して塗布液Rを保持したり、基板Wに対する塗布液Rの吐出量を制御したりすることが可能である。このため、たとえ粘度が数1000cP程度の高粘度の塗布液Rを扱うために吐出口の幅を広げた場合であっても、吐出口からの液だれや、塗布時の膜厚不良を防ぐことができる。すなわち、高粘度の塗布液を、無駄なく均一に基板W上に塗布することができる。
基板WのX軸負方向側の端部がノズル30の直下まで移動すると、塗布装置1は、ノズル30を降下させて吐出口Dと基板Wを距離Z1まで近づける(図5の時間t9)。それと共に、塗布装置1は、圧力調整部110により貯留室Sの圧力をP6(たとえば、−390Pa)まで上昇させることにより、基板Wに一旦塗布された塗布液Rが貯留室S側に引き込まれ、塗布欠陥が生じるのを防止する。
その後、塗布装置1は、ノズル30をノズルギャップZ0まで上昇させる(図5の時間t10)。これにより、吐出口Dから基板Wへの塗布液Rの供給が停止され、塗布処理が終了する。
次に、上述してきた塗布処理を含む基板処理の処理手順について説明する。図7は、塗布装置1が実行する基板処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図7に示す各処理手順は、塗布装置1が制御装置100の制御に基づいて実行する。
ここで、図7に示すステップS101〜S109の処理は、1つのロットに含まれる複数の基板の全てについて処理が完了するまで繰り返される。なお、1つのロットの基板処理が終了すると、次のロットの基板処理が開始されるが、その前に、ノズル30の先端部を洗浄するノズル洗浄処理が行われる。かかるノズル洗浄処理については、後述する。
図7に示すように、塗布装置1は、ステップS101〜S104の処理とステップS105〜S107の処理とを平行して行い、ステップS104の処理およびステップS107の処理を終えた後に、上述した塗布処理を実行する(ステップS108)。まず、ステップS101〜S104の処理について説明する。
ステップS101〜S104の処理において、塗布装置1は、まず、塗布液充填処理を行う(ステップS101)。ステップS101の塗布液充填処理において、塗布装置1は、まず、ノズル待機部80をノズル30の直下へ移動させた後、ノズル30を降下させてノズル待機部80内に配置する。そして、ノズル30をノズル待機部80内に配置した状態で、ノズル30内への塗布液の充填を行う。
ここで、ノズル待機部80の構成について図8を用いて説明する。図8は、ノズル待機部80の構成を示す模式側断面図である。
図8に示すように、ノズル待機部80は、ノズル30を収容可能な収容空間81を有する。この収容空間81にはシンナーが貯留されており、シンナーが揮発することによって、収容空間81の内部はシンナー雰囲気に保たれる。
また、収容空間81には、ノズル30の吐出口Dの長手方向(Y軸方向)に延在する略平板状の当接部材82が設けられている。かかる当接部材82は、たとえばゴム等の耐薬品性を有する樹脂素材で形成される。
塗布装置1は、ノズル待機部80の収容空間81へ向けてノズル30を降下させることによって、ノズル30の先端面を当接部材82に当接させる。これにより、吐出口Dが当接部材82によって閉塞された状態となる。塗布装置1は、この状態でノズル30内に塗布液Rを充填することにより、塗布液Rの充填中に吐出口Dから塗布液Rが漏れ出ることを防止することができる。特に、ノズル30に対して空の状態から塗布液Rを充填する場合に、吐出口Dからの塗布液Rの漏えいを効果的に防止することができる。
つづいて、塗布液充填処理時の塗布装置1の動作について説明する。塗布装置1は、液面検知部160(図3B参照)の検知結果に基づき、ノズル30へ充填すべき塗布液Rの量(以下、「目標量」と記載する)を決定する。そして、塗布装置1は、供給ポンプ140を動作させて、中間タンク130からノズル30へ目標量分の塗布液Rを供給する(図3A参照)。
このとき、塗布装置1は、圧力調整部110(図3A参照)を用いて貯留室S内の圧力を調整しながら、貯留室Sへの塗布液Rの供給を行う。ここで、塗布液充填処理時における圧力制御の内容について図9を用いて説明する。図9は、塗布液充填処理時における圧力制御の内容を示す図である。
塗布液充填処理時において、貯留室S内の圧力は負圧に調整される。これにより、貯留室S内に残留する塗布液Rが吐出口Dから漏れ出ることを防止することができる。
そして、図9に示すように、塗布装置1は、負圧に調整された貯留室S内の圧力を、液面検知部160によって検知される貯留室Sの液面高さに応じて徐々に低下させながら(すなわち、真空度を高めながら)、塗布液Rの供給を行う。
具体的には、塗布液充填処理の開始時における貯留室S内の圧力は、塗布処理の終了時における貯留室S内の圧力と同じくP6(たとえば、−390Pa)である。一方、塗布液充填処理の終了時における貯留室S内の圧力は、塗布処理の開始前の圧力P0(たとえば、−450Pa)に調整される。そして、塗布装置1は、貯留室Sの液面高さに応じて圧力をP6〜P0まで変化させる。
このように、塗布装置1は、圧力調整部110を制御して、貯留室Sの内部を負圧にし、さらに、負圧にした貯留室Sの内部の圧力を徐々に低下させながら、貯留室Sの内部へ塗布液Rを供給する。
貯留室Sに塗布液Rが充填され、貯留室S内の塗布液Rの液面が上昇すると、吐出口Dに作用する塗布液Rによる水頭圧が増加する。この間、貯留室S内の圧力と、貯留室Sの外部の圧力とが変化せず一定であるとすると、水頭圧が増加した分だけ塗布液Rを上方へ押し上げる力が相対的に弱まるため、塗布液Rが吐出口Dから漏れ出易くなる。
これに対し、第1の実施形態においては、貯留室S内の塗布液Rの液面高さの上昇に合わせて圧力調整部110により貯留室S内の圧力を徐々に低下させることで、塗布液Rを上方へ押し上げる力を補うことができる。このため、塗布液充填処理中に、塗布液Rが吐出口Dから漏れ出ることをより確実に防止することができる。
また、塗布装置1は、貯留室S内への塗布液Rの供給が終了してから塗布処理を開始するまでの間、圧力調整部110を制御して、貯留室S内への塗布液Rの供給が終了した時点における貯留室S内の圧力(すなわちP0)を維持する。このため、一連の基板処理における貯留室S内の圧力制御を効率的に行うことができる。
なお、ここでは、液面高さに応じて圧力を変化させることとしたが、これに限ったものではなく、たとえば予め決められた時間に従って圧力を変化させてもよい。
また、塗布装置1は、ノズル30に対する塗布液Rの供給を、塗布液供給源121から直接ではなく、塗布液供給源121とノズル30との間に設けた中間タンク130から行う。これにより、ノズル30までの配管距離を短くすることができるため、たとえば塗布液Rの粘度が高く、塗布液供給源121からの供給が困難な場合であっても、中間タンク130からノズル30へ塗布液Rを容易に供給することができる。
また、塗布装置1は、中間タンク130からノズル30への供給も困難である場合には、加圧部150を用いてタンク部131内の圧力を高めることによって、中間タンク130からノズル30へ塗布液Rを供給することができる。
また、塗布装置1は、液面センサ135の検知結果に基づき、タンク部131内に貯留されている塗布液Rの量が所定量を下回ったと判定した場合には、塗布液供給部120を制御して、塗布液供給源121からタンク部131へ塗布液Rを供給する。これにより、タンク部131に塗布液Rが補充される。
なお、ここでは、液面検知部がCCDカメラ等の撮像装置である場合の例を示したが、液面検知部は、撮像装置に限ったものではなく、たとえば赤外線センサ等の光学式センサであってもよい。
図7へ戻り、基板処理の説明をつづける。ステップS101の塗布液充填処理を終えると、塗布装置1は、液面検知部160の検知結果に基づき、貯留室S内に充填された塗布液Rの液面が平坦であるか否かを判定する(ステップS102)。たとえば、塗布装置1は、液面の最も高い位置と最も低い位置との差分を求め、かかる差分が所定の範囲内にあれば、液面が平坦であると判定する。
かかる処理において、液面が平坦でない場合(ステップS102,No)、塗布装置1は、上述した平坦化処理を行った後(ステップS103)、再びステップS102の判定を行う。塗布装置1は、液面が平坦になるまで、ステップS102およびステップS103の処理を繰り返し、液面が平坦であると判定すると(ステップS102,Yes)、処理をステップS104のノズルプライミング処理へ移行する。
このように、塗布装置1は、液面検知部160による検知結果に基づいて液面が平坦化したか否かを判定し、液面が平坦化したと判定した場合に、ノズル30を用いた塗布処理を開始させることとしたため、膜厚均一性の悪化を防止することができる。すなわち、液面が平坦ではない場合、言い換えれば、貯留室S内の塗布液Rに偏りがある場合、ノズル30の吐出口Dに作用する水頭圧が不均一となり、膜厚均一性が悪化するおそれがある。このため、本実施形態のように、液面が平坦化した後に塗布処理を開始させることにより、膜厚均一性の悪化を防止することができる。
つづいて、ステップS104のノズルプライミング処理について説明する。ノズルプライミング処理は、ノズル洗浄部60(図1参照)を用いてノズル30の先端を拭き取ることによって、吐出口Dの状態を整える処理のことである。かかるノズルプライミング処理を開始すると、塗布装置1は、基板Wを初期位置(図1に示す位置)へ戻すとともに、第2の移動機構90を用いてノズル洗浄部60をノズル30の直下へ移動させる。そして、塗布装置1は、ノズル洗浄部60を用いて吐出口Dから露出した塗布液Rを拭き取ることによって、吐出口Dの状態を整える。
ここで、ノズル洗浄部60の構成およびノズルプライミング処理の内容について図10を用いて説明する。図10は、ノズル洗浄部60の構成を示す模式斜視図である。
図10に示すように、ノズル洗浄部60は、シンナー吐出部61a,61bと、パッド部62a,62bと、N2噴出部63a,63bと、載置部64と、駆動部65とを備える。
シンナー吐出部61a,61bは、図示しないポンプ等を介してシンナー供給源へ接続されており、かかるシンナー供給源から供給されるシンナーをノズル30の短手方向両側からノズル30の先端部へ向けて吐出する。これにより、ノズル30の先端部に付着する塗布液を溶かすことができる。
パッド部62a,62bは、ノズル30の先端部の形状に沿って略V字状に形成され、ノズル30の先端部の短手方向両面に当接する。後述する駆動部65によってパッド部62a,62bが移動することにより、ノズル30の先端部に付着した塗布液がパッド部62a,62bによって拭き取られる。
N2噴出部63a,63bは、図示しないポンプ等を介してN2供給源へ接続されており、かかるN2供給源から供給されるN2をノズル30の短手方向両側からノズル30の先端部へ向けて噴出する。これにより、ノズル30の先端部が乾燥される。
これらシンナー吐出部61a,61b、パッド部62a,62bおよびN2噴出部63a,63bは、載置部64に載置される。具体的には、ノズル30の延在方向(Y軸方向)と平行に、それぞれシンナー吐出部61a、パッド部62a、シンナー吐出部61b、パッド部62b、N2噴出部63a、N2噴出部63bの順に並べて載置される。
駆動部65は、載置部64をノズル30の延在方向(Y軸方向)と平行な方向に移動させることによって、載置部64に載置されたシンナー吐出部61a,61b、パッド部62a,62bおよびN2噴出部63a,63bをノズル30の延在方向と平行に移動させる。
塗布装置1は、ノズルプライミング処理を行う場合、シンナー吐出部61a,61b、パッド部62a,62bおよびN2噴出部63a,63bのうち、パッド部62a,62bのみを使用する。
具体的には、塗布装置1は、昇降機構40を用いてノズル30を降下させ、ノズル30の先端部がパッド部62a,62bに当接する位置にノズル30を配置させた状態で、駆動部65を用いて載置部64をY軸負方向へ移動させる。これにより、吐出口Dから露出した塗布液Rやノズル30の先端部に付着した塗布液Rがパッド部62a,62bによって拭き取られて、吐出口Dの状態が整えられる。
かかるノズルプライミング処理を終えた後、塗布装置1は、塗布処理を開始する(ステップS108)。このように、塗布装置1は、ノズルプライミング処理によって吐出口Dの状態を整えたうえで塗布処理を開始することにより、塗布処理開始直後における膜厚均一性を高めることができる。しかも、塗布装置1は、塗布処理を開始する直前にノズルプライミング処理を行うこととしたため、吐出口Dが整えられた状態を容易に維持しておくことができる。
なお、ノズル洗浄部60が備えるシンナー吐出部61a,61bおよびN2噴出部63a,63bは、ロット間において行われるノズル洗浄処理時に用いられる。すなわち、ノズル洗浄処理において、塗布装置1は、シンナー吐出部61a,61bからシンナーを、N2噴出部63a,63bからN2を噴出させた状態で、駆動部65を用いて載置部64をY軸負方向へ移動させる。これにより、ノズル洗浄部60は、ノズル30の先端部に対して、シンナー吐出部61aによるシンナー供給、パッド部62aによる拭き取り、シンナー吐出部61bによるシンナー供給、パッド部62bによる拭き取り、N2噴出部63a,63bによるN2噴出を行って、ノズル30を洗浄する。
つづいて、ステップS105〜S107の処理について説明する。塗布装置1は、基板保持部21の上面に載置された基板Wを基板保持部21を用いて吸着保持した後(ステップS105)、ノズル高さ測定処理を行う(ステップS106)。かかるノズル高さ測定処理において、塗布装置1は、ノズル高さ測定部50bを用いてノズル30の下端面までの距離を測定することにより、ノズル30が規定の高さに位置しているか否かを確認する。かかる処理においてノズル高さが既定の高さからずれている場合、塗布装置1は、駆動部42を用いてノズル高さの補正を行ってもよい。
なお、かかるノズル高さ測定処理は、ステップS105の前に行っても構わない。また、ノズル高さ測定処理は、ロットごとに繰り返し行われる基板処理のうちの何れか1回(たとえば、最初の1回)についてのみ行うこととしてもよい。
つづいて、塗布装置1は、厚み測定処理を行う(ステップS107)。具体的には、塗布装置1は、基板保持部21に保持された基板Wを駆動部22を用いて厚み測定部50aの下方へ移動させた後、厚み測定部50aを用いて基板Wの上面までの距離を測定する。厚み測定部50aによる測定結果は、制御装置100へ送信される。
なお、基板Wの外縁部は、塗布装置1へ搬送されるまでの各工程によって表面が粗くなっている可能性がある。このため、基板Wの外縁から所定距離(たとえば、2mm程度)内側の位置を厚み測定部50aの測定点とすることが好ましい。
また、塗布装置1は、厚み測定部50aを複数(たとえば、2個)備えており、各厚み測定部50aによって得られた測定結果に基づく値(たとえば、平均値)を基板Wの上面までの距離として決定する。
厚み測定処理を終えると、塗布装置1は、基板Wを塗布処理開始位置(基板WのX軸正方向側の端部がノズル30の直下に配置される位置)へ移動させる。そして、塗布装置1は、ステップS104のノズルプライミング処理が完了していれば直ちに、ノズルプライミング処理が完了していなければノズルプライミング処理の完了後直ちに、塗布処理を行う(ステップS108)。塗布処理の内容については上述したため、ここでの説明は省略する。
ステップS108の塗布処理を終えると、塗布装置1は、処理をステップS101へ戻してステップS101〜S104の処理を行う。また、塗布装置1は、基板搬出処理を行った後(ステップS109)、ステップS101〜ステップS104の処理と平行してステップS105〜S107の処理を再び行う。なお、基板搬出処理は、基板保持部21による基板Wの吸着保持を解除した後、処理済の基板Wを外部装置に受け渡す処理である。
1つのロットに含まれる全ての基板Wについて上述したステップS101〜ステップS109の処理を終えたとき、塗布装置1は、1つのロットに対する一連の基板処理を終了する。
上述してきたように、第1の実施形態に係る塗布装置は、ノズルと、移動機構と、平坦化部とを備える。ノズルは、塗布液が貯留される貯留室と、貯留室に連通するスリット状の流路とを備え、流路の先端に形成される吐出口から塗布液を吐出する。移動機構は、ノズルと基板とを基板の表面に沿って相対的に移動させる。平坦化部は、超音波振動子であり、貯留室に貯留された塗布液の液面を超音波振動によって平坦化する。
したがって、第1の実施形態に係る塗布装置によれば、ノズルへの塗布液の充填作業を効率化することができる。
なお、第1の実施形態では、塗布装置1が、塗布液Rに対して超音波振動を与えることによって塗布液Rを平坦化することとしたが、塗布液Rに与える振動は、超音波振動に限定されない。すなわち、塗布装置1は、超音波振動子180に代えて、他の振動発生部を備えていてもよい。
なお、第1の実施形態では、液面検知部160を用いて貯留室Sの内部を撮像することとしたが(図3B参照)、貯留室Sは長尺状であるため、貯留室Sの内部を長手方向の一端から他端まで撮像するためには、ノズル30からある程度離れた位置に液面検知部160を配置する必要がある。そこで、液面検知部160をノズル30の近傍に配置するための構成について図11A、図11Bおよび図12A、図12Bを用いて説明する。図11A、図11Bおよび図12A、図12Bは、液面検知方法の他の例を示す模式図である。
たとえば、図11Aに示すように、塗布装置1は、ノズル30の前方から塗布液Rの液面を検知する液面検知部を複数(ここでは、液面検知部160a,160bの2台)を備えてもよい。このように、液面検知部を複数設けることで、各液面検知部が検知すべき範囲を小さくすることができるため、液面検知部をノズル30の近傍に配置することができる。
また、図11Bに示すように、塗布装置1は、1台の液面検知部160cと、この液面検知部160cをノズル30の長手方向(Y軸方向)に沿って移動させる駆動部161とを備えていてもよい。これによっても、液面検知部をノズル30の近傍に配置することができる。
また、液面検知部をノズル30の前方に配置したくない場合には、たとえば、図12Aに示すように、液面検知部160dをノズル30の上方に下向きで配置し、光を反射または屈折させるプリズム162を介して塗布液Rの液面を撮像してもよい。
このように、液面検知部160dを、塗布液Rの液面に対して所定の角度で傾斜して配置し、塗布液Rの液面と略平行な方向から見た液面の像をプリズム162を介して撮像することとしてもよい。これにより、液面検知部をノズル30の前方以外の場所に配置することができる。
また、プリズムは、ノズルと一体的に形成されてもよい。たとえば、図12Bに示すように、ノズル30_2は、前面部にプリズム162_2が設けられた透明部材32a_2を備えていてもよい。
(第2の実施形態)
ところで、上述してきた実施形態では、塗布装置が平坦化部として振動発生部を備える場合の例を示したが、塗布装置が備える平坦化部は、振動発生部に限定されない。以下では、平坦化部の他の例について説明する。図13は、平坦化部の他の構成を示す模式側断面図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図13に示すように、ノズル30_1には、超音波振動子180に代えて、攪拌部180_1が平坦化部として設けられる。攪拌部180_1は、貯留室Sの内部に配置され、貯留室S内の塗布液Rを攪拌することによって、貯留室S内の塗布液Rを平坦化する。
攪拌部180_1は、第1の実施形態に係る超音波振動子180と同様、ノズル30_1の長手方向に沿って複数設けられてもよいし、塗布液供給系が接続される側に1個のみ設けられてもよい。なお、攪拌部180_1による攪拌によって貯留室S内で塗布液Rが飛び散らないように、攪拌部180_1は、貯留室Sのできるだけ下方、具体的には、貯留室Sと流路Cとの境界部の近傍に設けることが好ましい。
また、第1の実施形態と同様、塗布装置1は、液面検知部160による検知結果に基づいて、攪拌部180_1のオン・オフを制御する。すなわち、塗布装置1は、液面検知部160による検知結果から、液面の最大高さおよび最小高さの差分を求め、この差分が所定の閾値を超える場合には、攪拌部180_1をオンする。そして、塗布装置1は、差分が所定の閾値以下となった場合に、攪拌部180_1をオフする。
このように、平坦化部は、貯留室に貯留された塗布液を攪拌することによって塗布液の液面を平坦化する攪拌部であってもよい。かかる場合にも、第1の実施形態と同様に、ノズルへの塗布液の充填作業を効率化することができる。なお、塗布装置1は、液面検知部160による検知結果に基づいて、攪拌部180_1の攪拌力を変更してもよい。たとえば、塗布装置1は、塗布液の偏りが大きいほど攪拌部180_1の攪拌力を高めてもよい。
また、平坦化部は、ノズルの姿勢を変更することによって貯留室に貯留された塗布液の液面を平坦化する姿勢変更部であってもよい。かかる点について図14Aおよび図14Bを用いて説明する。図14Aは、平坦化部の他の構成を示す模式側断面図であり、図14Bは、図14Aに示す平坦化部による平坦化処理の様子を示す図である。
図14Aに示すように、ノズル30_2には、超音波振動子180に代えて、姿勢変更部180_2が平坦化部として設けられる。姿勢変更部180_2は、たとえばノズル30_2の背面部に設けられ、ノズル30の長手方向中央部を通る水平軸を中心としてノズル30を、X軸方向と平行な回転軸まわりに回転させる。
塗布装置1は、液面検知部160による検知結果に基づいて、姿勢変更部180_2を制御する。すなわち、塗布装置1は、液面検知部160による検知結果から、液面の最大高さおよび最小高さの差分を求め、この差分が所定の閾値を超える場合には、姿勢変更部180_2を制御して、液面が高い側が上側に、液面が低い側が下側になる方向にノズル30_2を傾ける。
たとえば、図14Bに示すように、Y軸負方向側の液面高さがY軸正方向側の液面高さよりも高いとする。かかる場合、塗布装置1は、姿勢変更部180_2を制御して、ノズル30_2のY軸負方向側が上側に、Y軸正方向側が下側になるように、ノズル30_2を傾ける。これにより、Y軸負方向側の塗布液Rが重力によってY軸正方向側へ移動して、液面が平坦化される。
なお、塗布装置1は、液面の最大高さおよび最小高さの差分に応じて角度を調整してもよい。すなわち、塗布装置1は、塗布液Rの液面が平坦化されるにつれて、ノズル30_2の傾斜を徐々に緩めてもよい。そして、塗布装置1は、差分が所定の閾値以下となった場合に、ノズル30_2が水平になるように姿勢変更部180_2を制御する。
このように、平坦化部は、ノズルを傾けることによって貯留室に貯留された塗布液の液面を平坦化する姿勢変更部であってもよい。かかる場合にも、第1の実施形態と同様に、ノズルへの塗布液の充填作業を効率化することができる。なお、ここでは、姿勢変更部が、ノズルの短手方向と平行な回転軸回まわりにノズルを回転させる場合の例を示したが、姿勢変更部は、ノズルの長手方向と平行な回転軸まわりにノズルを回転させてもよい。これにより、ノズルの短手方向に生じた塗布液の偏りを解消することができる。
(第3の実施形態)
ところで、上述してきた各実施形態では、貯留室内の塗布液に生じた偏りを平坦化部によって解消することとしたが、たとえば、貯留室に形成される塗布液の供給口の形状や配置等を変更することにより、貯留室内に塗布液の偏りを生じ難くすることも可能である。以下では、かかる点について図15Aおよび図15Bを用いて説明する。図15Aは、第3の実施形態に係るノズルの構成を示す模式側断面図である。また、図15Bは、液供給口の構成を示す模式正断面図である。
図15Aに係るノズル30_3は、第1本体部31_3の内部に、貯留室S内へ充填される塗布液Rを一時的に貯留する一時貯留部35を備える。
一時貯留部35は、塗布液Rを貯留する一時貯留室35aと、一時貯留室35aと貯留室Sとを連通する通路35bとを備える。一時貯留室35aは、貯留室Sと同程度の長さを有する長尺状の空間である。また、通路35bは、一時貯留室35aの上部から貯留室Sへ向かって斜め上方に延在する通路であり、流路Cの長手方向に沿って延在するスリット形状を有する。なお、ノズル30_3は、通路35bおよび液供給口35cを備えていればよく、一時貯留室35aを備えていなくてもよい。
第3の実施形態において、中間タンク130の第2供給管133は、供給ポンプ140を介して一時貯留部35の一時貯留室35aに接続される。すなわち、第3の実施形態において塗布液供給系は、ノズル30_3の背面部に接続される。塗布液Rは、中間タンク130からノズル30_3の一時貯留室35aへ供給された後、通路35bを通って貯留室Sへ供給される。
通路35bの先端部には、図15Bに示すように、貯留室Sに連通し、流路Cの長手方向に沿って延在するスリット状の液供給口35cが形成される。これにより、塗布液Rは、貯留室Sの長手方向に沿って均等に貯留室S内に供給される。したがって、貯留室S内に塗布液Rの偏りを生じ難くすることができる。
かかる液供給口35cは、ランド部34(流路C)と貯留室Sとの境界部の近傍、具体的には、ランド部34(流路C)のわずかに上方に配置される。このように、貯留室Sのできるだけ下側から塗布液Rを供給することにより、塗布液Rを充填する際に塗布液Rに気泡が混入することを防止することができる。
このように、第3の実施形態に係るノズルは、貯留室の内部と貯留室の外部とを連通し、外部から供給される塗布液を貯留室の内部へ供給する液供給口を備える。かかる液供給口は、流路の長手方向に延在するスリット形状を有する。したがって、第3の実施形態に係るノズルによれば、貯留室内に塗布液の偏りを生じ難くすることができる。
(第4の実施形態)
また、貯留室に対して液供給口を複数形成し、各液供給口から供給される塗布液の量を個別に制御することによって、貯留室内に塗布液の偏りを生じ難くすることもできる。以下では、かかる点について説明する。図16は、塗布液充填処理に関する機器と第4の実施形態に係るノズルとの接続関係を示す模式図である。
図16に示すように、第4の実施形態に係るノズル30_4には、液供給口35c_1,35c_2,35c_3が形成される。これら液供給口35c_1,35c_2,35c_3は、ノズル30_4の長手方向に延在するスリット形状を有しており、液供給口35c_1および液供給口35c_3はそれぞれノズル30_4の長手方向両端部に、液供給口35c_2はノズル30_4の長手方向中央部にそれぞれ設けられる。このように、液供給口35c_1,35c_2,35c_3は、ノズル30_4の長手方向に沿って並べて配置される。
また、液供給口35c_1,35c_2,35c_3には、塗布液供給部120_4が接続される。塗布液供給部120_4は、塗布液供給源121_4と、バルブ122_4a〜122_4cとを備える。図16に示すように、液供給口35c_1〜35c_3は、それぞれバルブ122_4a〜122_4cを介して塗布液供給源121_4に接続される。また、塗布液供給部120_4は、制御装置100に電気的に接続されており、制御装置100によってバルブ122_4a〜122_4cの開閉が制御される。
制御装置100は、バルブ122_4a〜122_4cの開閉を個別に制御することにより、貯留室S内に充填された塗布液Rの液面を素早く平坦化させることができる。
具体的には、制御装置100は、塗布液充填処理中における貯留室S内の液面高さを液面検知部160を用いて検知し、かかる検知結果に応じてバルブ122_4a〜122_4cの開度、あるいは、開閉時間を個別に制御する。
たとえば、貯留室Sの長手方向中央部における塗布液Rの液面が長手方向端部における液面よりも低い場合、制御装置100は、バルブ122_4a,122_4cと比較してバルブ122_4bの開度を大きくする、あるいは、開時間を長くする。これにより、ノズル30_4の長手方向中央部に配置された液供給口35c_2からより多くの塗布液Rが供給されて、液面の偏りが解消される。
このように、制御装置100は、液面検知部160の検知結果に応じてバルブ122_4a〜122_4cを個別に制御することによって、塗布液充填処理中に塗布液Rの液面に偏りが生じた場合であっても、かかる偏りを素早く解消して平坦化させることができる。
なお、ここでは、ノズル30_4に3つの液供給口35c_1〜35c_3が形成される場合の例を示したが、ノズルに形成される液供給口は、4つ以上であってもよい。かかる場合、塗布液供給部は、ノズルに形成される液供給口の個数に応じた個数のバルブを備えていればよい。また、ノズルは、スリット状の液供給口を1つのみ備えていてもよい。かかる場合、1つの液供給口に対して複数のバルブをノズルの長手方向に沿って接続すればよい。
また、ここでは、液供給口35c_1,35c_2,35c_3に対して塗布液供給部120_4が直接接続される場合の例を示したが、第1の実施形態と同様に、中間タンクを介在させてもよい。
(第5の実施形態)
貯留室内の圧力制御方法および塗布液充填方法は、上述してきた各実施形態において説明してきた方法に限定されない。以下では、貯留室内の圧力制御方法および塗布液充填方法の他の例について図17および図18を用いて説明する。図17は、塗布液充填処理に関する機器と第5の実施形態に係るノズルとの接続関係を示す模式図である。また、図18は、図17における圧力調整管周辺の模式拡大図である。
図17に示すように、第5の実施形態に係るノズル30_5の貯留室Sには、塗布液Rが満杯に充填される。すなわち、ノズル30_5の内部は、塗布液Rで満たされた状態となっている。
ノズル30_5の蓋部33には、圧力測定部36_5と、圧力調整管37_5とが、蓋部33を貫通してそれぞれ設けられる。圧力測定部36_5および圧力調整管37_5は、蓋部33の略中央に設けられる。
圧力測定部36_5は、制御装置100に電気的に接続されており、貯留室S内部の圧力を測定して測定結果を制御装置100へ出力する。
圧力調整管37_5は、貯留室S内の圧力を調整する圧力調整部110_5に接続される。圧力調整部110_5は、排気部111_5と、ガス供給源112_5と、切替バルブ113_5とを備える。かかる圧力調整部110_5の構成は、上述した圧力調整部110と同様であるため、ここでの説明は省略する。
さらに、圧力調整管37_5は、貯留室Sへ塗布液Rを供給する塗布液供給部120_5にも接続される。塗布液供給部120_5は、塗布液供給源121_5と、バルブ122_5とを備える。かかる塗布液供給部120_5の構成は、上述した塗布液供給部120と同様であるため、ここでの説明は省略する。
第5の実施形態において、塗布液Rは、塗布液供給部120_5の塗布液供給源121_5から圧力調整管37_5を介して貯留室Sへ供給される。このように、第5の実施形態に係る圧力調整管37_5は、液供給管としても機能する。
図18に示すように、圧力調整管37_5は、塗布液Rである程度満たされた状態となっている。具体的には、圧力調整管37_5は、塗布液供給部120_5への分岐点よりも上方まで塗布液Rが満たされることが好ましい。また、圧力調整管37_5は、基板Wに対して少なくとも1回以上塗布を行うことができる量の塗布液Rで満たされることが好ましい。
また、圧力調整管37_5は、透明な部材で形成されており、圧力調整管37_5の内部に存在する塗布液Rが外部から視認可能となっている。
第5の実施形態では、液面検知部160_5が、圧力調整管37_5内における塗布液Rの液面高さを検知する。そして、制御装置100は、かかる液面検知部160_5による検知結果に応じて、すなわち、圧力調整管37_5内における塗布液Rの液面高さに応じて、塗布液Rの吐出量が一定となるように圧力調整部110_5を制御して貯留室Sの内部の圧力を調整する。
このように、第5の実施形態では、圧力調整管37_5内における液面高さを検知することとしたため、貯留室S内における液面高さを検知する場合と比較して、液面検知部160_5による検知範囲を小さくすることができる。したがって、第5の実施形態によれば、液面監視を容易化することができる。
また、第5の実施形態では、貯留室S内が塗布液Rで満たされた状態となっているため、貯留室S内において塗布液Rの偏りが生じるおそれがない。したがって、塗布液充填処理中あるいは塗布液充填処理後において、貯留室S内に充填された塗布液Rの偏りがなくなるまで待つ必要がない。
なお、ここでは、圧力調整管37_5に対して塗布液供給部120_5が直接接続される場合の例を示したが、圧力調整管37_5と塗布液供給部120_5との間に中間タンクを介在させてもよい。
(第6の実施形態)
また、ノズルは、液供給口にバッフルを取り付けることによって、液供給口から貯留室へ供給される塗布液をさらに均一化させてもよい。かかる点について図19Aおよび19Bを用いて説明する。図19Aは、第6の実施形態に係るノズルの構成を示す模式側断面図である。また、図19Bは、図19Aに示すH部の模式拡大図である。
図19Aに示すように、第6の実施形態に係るノズル30_6は、第3の実施形態に係るノズルと同様、第1本体部31_6に一時貯留部35を備える。そして、ノズル30_6は、貯留室S内にバッフル38を備える。なお、ノズル30_6は、通路35bおよび液供給口35cを備えていればよく、一時貯留室35aを備えていなくてもよい。
バッフル38は、ノズル30_6の長手方向に延在する長尺状の部材であり、たとえば側面視においてL字の形状を有する。
図19Bに示すように、バッフル38は、液供給口35cよりも上方において第1本体部31_6に固定される。また、バッフル38の最下部は、液供給口35cよりも下方に配置される。
これにより、液供給口35cから供給された塗布液Rは、バッフル38によって流れが規制されて、バッフル38の最下部とランド部34の上端部との間から略水平に貯留室S内へ流れ出る。
このように、ノズル30_6は、液供給口35cにバッフル38を設けることにより、ノズル30_6の短手方向における塗布液Rの偏りを防止することができるため、液供給口35cから貯留室Sへ供給される塗布液Rをさらに均一化させることができる。
なお、バッフル38は、液供給口35cよりも上方において第1本体部31_6に固定したときに、最下部が液供給口35cよりも下方に配置される形状であればよく、図示のようにL字状に限定されない。
また、温度変化により変形するバイメタルや電圧を印加することによって変形する機能シートをノズル内に設け、これらバイメタルや機能シートの変形する性質を利用して貯留室S内の塗布液Rの液面を平坦化してもよい。
なお、上述してきた各実施形態では、基板を水平方向へ移動させることによって、基板の上面に塗布液を塗布する場合の例を示したが、これに限ったものではなく、ノズルを水平方向へ移動させることによって、基板の上面に塗布液Rを塗布することとしてもよい。
また、上述してきた各実施形態では、塗布装置が1つのノズルを備える場合の例を示したが(図1参照)、塗布装置は、ノズルおよび昇降機構を、基板の移動方向に沿って複数セット備えていてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。