JP2014231043A - 塗布装置および封止部の洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スリットノズルの吐出口を封止する封止部に付着した塗布液を適切に除去すること。【解決手段】スリットノズル30と、移動機構と、封止部73と、回転機構と、掻取部74とを備え、スリットノズルは、スリット状の吐出口6が下方に形成され、かかる吐出口から塗布液を吐出する。移動機構は、スリットノズルを基板に対して相対的に移動させる。封止部は、吐出口の長手方向に沿って延在し、吐出口が上方から当接されることによって吐出口を封止する。回転機構は、封止部を回転させることによって封止部における吐出口との当接部を下方に移動させる。掻取部は、移動後の当接部に当接して当接部に付着した塗布液を掻きとる。【選択図】図3
Description
開示の実施形態は、塗布装置および封止部の洗浄方法に関する。
従来、半導体ウェハやガラス基板等の基板に塗布膜を形成する手法として、スピンコート法が知られる。かかるスピンコート法は、基板上に滴下した塗布液を遠心力により基板の全面に塗り広げて塗布膜を形成する方法であるが、滴下された塗布液の大部分が基板外へ飛散してしまう。
そこで、スピンコート法に代わる手法の一つとして、スリットコート法が提案されている。スリットコート法は、スリット状の吐出口を有する長尺状のスリットノズルを走査して基板上に塗布膜を形成する手法である。
かかるスリットコート法によれば、スリットノズルを基板の一端から他端まで1回走査するだけで、塗布液を基板の外に落とすことなく基板上に塗布膜を形成することができるため、スピンコート法と比べて塗布液の使用効率を向上させることができる。
ここで、特許文献1には、スリットノズル内に塗布液を供給する際に、スリットノズルの吐出口に封止部を当接させて吐出口を封止する技術が開示されている。
しかしながら、上述した従来技術のように、スリットノズルの吐出口を封止部で封止することとすると、封止動作を行うごとに、封止部に塗布液が蓄積されるおそれがある。蓄積された塗布液は、乾燥してパーティクルとなり周辺機器等を汚染するおそれがあるため、封止部に付着した塗布液は除去することが好ましい。
実施形態の一態様は、スリットノズルの吐出口を封止する封止部に付着した塗布液を適切に除去することのできる塗布装置および封止部の洗浄方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る塗布装置は、スリットノズルと、移動機構と、封止部と、回転機構と、掻取部とを備える。スリットノズルは、スリット状の吐出口が下方に形成され、かかる吐出口から塗布液を吐出する。移動機構は、スリットノズルを基板に対して相対的に移動させる。封止部は、吐出口の長手方向に沿って延在し、吐出口が上方から当接されることによって吐出口を封止する。回転機構は、封止部を回転させることによって封止部における吐出口との当接部を下方に移動させる。掻取部は、移動後の当接部に当接して当接部に付着した塗布液を掻き取る。
実施形態の一態様によれば、スリットノズルの吐出口を封止する封止部に付着した塗布液を適切に除去することができる。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する塗布装置および封止部の洗浄方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る塗布装置の構成を示す模式図である。なお、以下においては、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1は、第1の実施形態に係る塗布装置の構成を示す模式図である。なお、以下においては、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1に示すように、本実施形態に係る塗布装置1は、載置台10と、第1の移動機構20と、スリットノズル30と、昇降機構40とを備える。
第1の移動機構20は、基板Wを水平方向に移動させる機構部であり、基板保持部21と、駆動部22とを備える。
基板保持部21は、吸引口が形成された水平な上面を有し、吸引口からの吸引によって基板Wを水平な上面に吸着保持する。駆動部22は、載置台10に載置され、基板保持部21を水平方向(ここでは、X軸方向)に移動させる。
第1の移動機構20は、駆動部22を用いて基板保持部21を移動させることによって、基板保持部21に保持された基板Wを水平方向(ここでは、X軸方向)に移動させる。
スリットノズル30は、基板Wの移動方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に延在する長尺状のノズルであり、下方に形成されるスリット状の吐出口6からレジストやアンダーフィル材といった高粘度の塗布液を吐出する。スリットノズル30の具体的な構成については、後述する。
昇降機構40は、スリットノズル30を昇降させる機構部であり、スリットノズル30を固定する固定部41と、かかる固定部41を鉛直方向に移動させる駆動部42とを備える。
昇降機構40は、駆動部42を用いて固定部41を鉛直方向に移動させることによって、固定部41に固定されたスリットノズル30を昇降させる。
また、塗布装置1は、厚み測定部50aと、ノズル高さ測定部50bと、第2の移動機構60と、ノズル待機部70と、制御装置100とを備える。
厚み測定部50aは、基板Wの上方(ここでは、昇降機構40)に配置され、基板Wの上面までの距離を測定する測定部である。ノズル高さ測定部50bは、基板Wの下方(ここでは、載置台10)に配置され、スリットノズル30の下端面までの距離を測定する測定部である。
厚み測定部50aおよびノズル高さ測定部50bによる測定結果は、後述する制御装置100へ送信され、塗布処理時におけるスリットノズル30の高さを決定するために用いられる。なお、厚み測定部50aおよびノズル高さ測定部50bとしては、たとえばレーザー変位計を用いることができる。
第2の移動機構60は、ノズル待機部70を水平方向に移動させる機構部であり、ノズル待機部70を水平に支持する支持部61と、かかる支持部61を水平方向に移動させる駆動部62とを備える。
第2の移動機構60は、駆動部62を用いて支持部61を水平方向へ移動させることによって、支持部61に載置されたノズル待機部70を水平方向へ移動させる。
ノズル待機部70は、塗布動作を終えたスリットノズル30を次の塗布動作が開始されるまで間待機させておく場所である。ノズル待機部70では、スリットノズル30内に塗布液を補充する補充処理や、スリットノズル30の吐出口に付着する塗布液Rを拭き取って吐出口6の状態を整えるプライミング処理などが行われる。ノズル待機部70の構成については、後述する。
制御装置100は、塗布装置1の動作を制御する装置である。かかる制御装置100は、たとえばコンピュータであり、制御部と記憶部とを備える。記憶部には、塗布処理等の各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部は記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって塗布装置1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録されていたものであって、その記録媒体から制御装置100の記憶部にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記録媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
次に、塗布装置1が実行する塗布処理の概略について図2を用いて説明する。図2は、塗布処理の概略説明図である。
図2に示すように、スリットノズル30は、第1の移動機構20(図1参照)による基板Wの移動方向(X軸方向)に対して直交する方向(Y軸方向)に延在する長尺状の部材であり、下方に形成されたスリット状の吐出口6から塗布液Rを吐出する。
塗布装置1は、まず、スリットノズル30の吐出口6から塗布液Rをわずかに露出させる。塗布装置1は、スリットノズル30内の圧力を制御することによって、吐出口6から塗布液Rを露出させた状態を維持する。
つづいて、塗布装置1は、昇降機構40(図1参照)を用いてスリットノズル30を降下させて、吐出口6から露出させた塗布液Rを基板Wの上面に接触させる。スリットノズル30を降下させる距離は、厚み測定部50aおよびノズル高さ測定部50bの測定結果に基づいて決定される。
そして、塗布装置1は、第1の移動機構20(図1参照)を用いて基板Wを水平(ここでは、X軸方向)に移動させる。これにより、基板Wの上面に塗布液Rを塗り広げられて塗布膜が形成される。
このように、塗布装置1は、長尺状のスリットノズル30から露出させた塗布液Rを基板Wに接触させた状態で基板Wを水平方向へ移動させることにより、基板W上に塗布液Rを塗り広げて塗布膜を形成する。なお、塗布装置1によって基板Wに形成される塗布膜は、10μm以上の厚膜である。
上記の塗布処理を終えると、スリットノズル30は、ノズル待機部70へ移動し、次の塗布処理が開始されるまでノズル待機部70で待機する。なお、スリットノズル30の移動は、昇降機構40および第2の移動機構60を用いて行われる。
ここで、ノズル待機部70の構成について図3を参照して説明する。図3は、第1の実施形態に係るノズル待機部70の構成を示す模式図である。
図3に示すように、第1の実施形態に係るノズル待機部70は、ドレインパン71と、溶剤貯留部72と、封止部73と、掻取部74と、プライミング機構75とを備える。
ドレインパン71は、上部が開放された大型の容器であり、たとえばステンレス等の金属で形成される。ドレインパン71の内部には、溶剤貯留部72、封止部73、掻取部74およびプライミング機構75のプライミング部751が収容される。
ドレインパン71は、底部に排出部711を有しており、後述する塗布液Rの補充処理やプライミング処理等においてスリットノズル30から落下する塗布液Rを受け止めて排出部711より外部へ排出する。
塗布処理を終えると、スリットノズル30は、まず、溶剤貯留部72へ移動して待機する。溶剤貯留部72は、塗布液Rを溶かすシンナー等の溶剤Sを貯留する容器である。かかる溶剤貯留部72の内部は、溶剤Sによって溶剤雰囲気に保たれた状態となっている。かかる溶剤雰囲気中にスリットノズル30の吐出口6を配置させておくことで、待機中におけるスリットノズル30内の塗布液Rの乾燥が防止される。なお、溶剤貯留部72の構成については、後述する。
つづいて、たとえば塗布装置1に次の基板Wが搬入されると、スリットノズル30は、封止部73へ移動して塗布液Rの補充処理を受ける。
塗布液Rの補充処理は、スリットノズル30の吐出口6を封止部73で封止した状態で行われる。これにより、補充した塗布液Rが吐出口6から漏れ出ることを防止しつつ、スリットノズル30内に塗布液Rを補充することができる。封止部73の構成については、後述する。
補充処理が完了すると、スリットノズル30は、プライミング機構75へ移動してプライミング処理を受ける。
プライミング処理では、スリットノズル30の吐出口6をプライミング部751に接触させた後、プライミング部751をスリットノズル30の長手方向(Y軸方向)に移動させることによって、吐出口6に付着する塗布液Rを拭き取る。
かかるプライミング処理によって吐出口6の状態が整えられることで、スリットノズル30は、塗布液Rを安定して吐出することが可能となる。プライミング機構75の構成については、後述する。
そして、塗布装置1では、プライミング処理を終えると、新たに搬入された基板Wに対して図2を用いて説明した塗布処理を行う。
第1の実施形態に係る塗布装置1では、上述したプライミング処理と平行して、掻取部74による封止部73の洗浄処理が行われる。
掻取部74は、封止部73に当接する樹脂製のパッド741と、かかるパッド741を支持する支持部材742とを備える。
掻取部74の支持部材742は、プライミング機構75の可動部に固定される。これにより、掻取部74は、プライミング処理時にプライミング部751とともにY軸方向へ移動して、封止部73に当接するパッド741が封止部73に付着した塗布液Rを掻き落とす。
このように、塗布装置1では、封止部73に付着した塗布液Rを掻取部74によって掻き取ることにより、封止部73に塗布液Rが蓄積されることを防止できる。
ここで、図3に示すように、スリットノズル30の吐出口6は、封止部73の上部に当接する。このため、塗布液Rは、封止部73の上部に付着する。したがって、封止部73に付着した塗布液Rを除去する場合には、封止部73の上部に掻取部74を当接させて掻き取ることが通常考えられる。
しかしながら、塗布液Rを封止部73の上部から掻き落とすこととすると、掻き落とした塗布液Rが封止部73に再度付着するおそれがある。また、掻き落とした塗布液Rが飛散することで溶剤貯留部72やプライミング機構75等の周辺機器にも付着し易くなる。封止部73や周辺機器に付着した塗布液Rは、排出部711から排出されることなくドレインパン71内に残留するため、乾燥してパーティクルとなり周囲を汚染するおそれがある。また、封止部73や周辺機器に塗布液Rが付着することで、塗布装置1の美観が損なわれるおそれもある。
そこで、第1の実施形態に係る塗布装置1では、封止部73を回転可能に構成し、封止部73を回転させることによって封止部73に付着した塗布液Rを下方に移動させたうえで、かかる塗布液Rを掻取部74によって掻き取ることとした。
これにより、掻き取った塗布液Rが封止部73に再付着することを防止することができる。また、掻き取った塗布液Rの周囲への飛散も抑えられるため、周囲機器への塗布液Rの付着も防止することができる。この結果、乾燥した塗布液Rのパーティクルによって周囲が汚染されるおそれもなく、封止部73や周辺機器の美観が損なわれることもない。
このように、塗布装置1によれば、周辺の汚染や美観の悪化を防止しつつ、封止部73に付着した塗布液Rを適切に除去することが可能である。
以下、封止部73の構成および封止部73の洗浄方法について具体的に説明する。まず、封止部73の構成について図4を参照して説明する。図4は、封止部73の模式図である。
図4に示すように、封止部73は、本体部731と、シャフト732とを備える。本体部731は、スリットノズル30の吐出口6の長手方向(ここでは、Y軸方向)に延在する長尺状の部材である。具体的には、本体部731は、長手方向から見た断面形状が円形のローラである。シャフト732は、かかる本体部731の中心軸pと同一軸線上に配置される。
かかる封止部73は、回転機構81に接続され、回転機構81によって中心軸pまわりに回転する。回転機構81は、シャフト732の一端に接続され、シャフト732を中心軸pまわりに回転させることによって封止部73を中心軸pまわりに回転させる。なお、回転機構81は、ドレインパン71の外部に配置される。
封止部73の本体部731は、吐出口6を損傷させ難いゴム等の樹脂で形成される。ここでは、本体部731の全体が樹脂で形成されるものとするが、本体部731は、少なくとも吐出口6と当接する部位が樹脂で形成されていればよい。
次に、スリットノズル30内への塗布液Rの補充処理について図5を参照して説明する。図5は、スリットノズル30およびスリットノズル30に接続される機器の構成を示す模式図である。
図5に示すように、スリットノズル30は、長尺状の本体部3と、本体部3の内部において塗布液Rを貯留する貯留部4と、貯留部4からスリット状の流路5を介して送給される塗布液Rを吐出するスリット状の吐出口6とを備える。
スリットノズル30の本体部3は、前面部を形成する第1壁部31と、スリットノズル30の背面部および両側面部を形成する第2壁部32と、天井部を形成する蓋部33と、第1壁部31と第2壁部32との対向面に配置される長尺状のランド部34とを備える。
これら第1壁部31、第2壁部32、蓋部33およびランド部34によって形成されるスリットノズル30の内部空間が形成される。そして、かかる内部空間のうち、第1壁部31と第2壁部32とによって挟まれる空間が貯留部4であり、第1壁部31とランド部34とによって挟まれる貯留部4よりも幅狭な空間が流路5である。流路5の幅は一定であり、流路5の先端に形成される吐出口6の幅も流路5と同一である。
流路5の幅は、貯留部4の内部の圧力を貯留部4の外部の圧力と等しくした状態では、塗布液Rの表面張力が塗布液Rに作用する重力より小さくなり、所定の流量で塗布液Rが吐出口6から滴下するような値に設定されている。具体的には、流路5の幅は、予め行われる試験において、流路5の幅、塗布液Rの粘度、スリットノズル30の材質を変化させ、その場合の塗布液Rの状態を評価することにより求められる。
蓋部33には、貯留部4に貯留された塗布液Rの液面および貯留部4の内壁面によって囲まれる密閉空間の圧力を測定する圧力測定部37と、密閉空間内の圧力を調整する圧力調整部110に接続された圧力調整管38とが、蓋部33を貫通してそれぞれ設けられる。圧力測定部37は、制御装置100に電気的に接続されており、測定結果が制御装置100へ入力される。
なお、圧力測定部37は、スリットノズル30内の密閉空間に連通していればどのような配置であってもよく、たとえば第1壁部31を貫通して設けられてもよい。
圧力調整部110は、真空ポンプなどの排気部111と、N2などのガスを供給するガス供給源112を、切替バルブ113を介して圧力調整管38に接続した構成となっている。かかる圧力調整部110も制御装置100に電気的に接続されており、制御装置100からの指令により切替バルブ113の開度を調整することで、排気部111またはガス供給源112のいずれかを圧力調整管38に接続して、貯留部4内部からの排気量を調整したり、貯留部4内に供給するガスの量を調整したりすることができる。これにより、塗布装置1は、圧力測定部37の測定結果、すなわち、貯留部4内の圧力が所定の値となるように調整することができる。
かかる場合、貯留部4の内部を排気して貯留部4内の圧力を貯留部4外部の圧力よりも低くすることで、貯留部4内の塗布液Rを上方に引き上げ、吐出口6から塗布液Rが滴下するのを防ぐことができる。また、貯留部4内にガスを供給することで、塗布液Rの塗布後に貯留部4内に残留する塗布液Rを加圧して押し出したりパージしたりすることができる。
なお、圧力調整部110の構成については、本実施形態に限定されるものではなく、貯留部4内の圧力を制御することができれば、その構成は任意に設定できる。たとえば、排気部111とガス供給源112のそれぞれに圧力調整管38と圧力調整弁を設け、それぞれ個別に蓋部33に接続するようにしてもよい。
また、図5に示すように、スリットノズル30は、塗布液供給部120、中間タンク130、供給ポンプ140および加圧部150を含む塗布液供給系に接続される。
塗布液供給部120は、塗布液供給源121と、バルブ122とを備える。塗布液供給源121は、バルブ122を介して中間タンク130に接続されており、中間タンク130に対して塗布液Rを供給する。また、塗布液供給部120は、制御装置100と電気的に接続されており、かかる制御装置100によってバルブ122の開閉が制御される。
中間タンク130は、塗布液供給部120とスリットノズル30との間に介在するタンクである。かかる中間タンク130は、タンク部131と、第1供給管132と、第2供給管133と、第3供給管134と、液面センサ135とを備える。
タンク部131は、塗布液Rを貯留する。かかるタンク部131の底部には、第1供給管132および第2供給管133が設けられる。第1供給管132は、バルブ122を介して塗布液供給源121に接続される。また、第2供給管133は、供給ポンプ140を介してスリットノズル30に接続される。
第3供給管134には、加圧部150が接続される。加圧部150は、N2などのガスを供給するガス供給源151と、バルブ152とを備え、タンク部131内へガスを供給することによってタンク部131内を加圧する。かかる加圧部150は、制御装置100と電気的に接続されており、かかる制御装置100によってバルブ152の開閉が制御される。
また、液面センサ135は、タンク部131に貯留された塗布液Rの液面を検知する検知部である。かかる液面センサ135は、制御装置100と電気的に接続されており、検知結果が制御装置100へ入力される。
供給ポンプ140は、第2供給管133の中途部に設けられており、中間タンク130から供給される塗布液Rをスリットノズル30へ供給する。かかる供給ポンプ140は、制御装置100と電気的に接続され、制御装置100によって塗布液Rのスリットノズル30への供給量が制御される。
塗布液Rの補充処理は、スリットノズル30の吐出口6を封止部73に当接させて吐出口6を封止した状態で、圧力調整部110を用いて貯留部4内の圧力を調整しつつ行われる。
具体的には、塗布装置1は、まず、封止部73へ向けてスリットノズル30を降下させることによって、スリットノズル30の吐出口6を封止部73の本体部731に上方から当接させる。これにより、吐出口6が封止部73によって封止される。
つづいて、塗布装置1は、供給ポンプ140を動作させて、中間タンク130からスリットノズル30の貯留部4へ塗布液Rを補充する。このとき、貯留部4内の圧力は圧力調整部110によって負圧に調整される。そして、塗布装置1は、負圧に調整された貯留部4内の圧力を、徐々に低下させながら(すなわち、真空度を高めながら)、塗布液Rの補充を行う。
このように、塗布装置1は、スリットノズル30の貯留部4内へ塗布液Rを補充する際に、スリットノズル30の吐出口6を封止部73で封止しておくことで、補充処理中に吐出口6から塗布液Rが漏れ出ることを防止することができる。
さらに、塗布装置1では、圧力調整部110を制御して、貯留部4の内部を負圧にし、さらに、負圧にした貯留部4の内部の圧力を徐々に低下させながら、貯留部4の内部へ塗布液Rを供給することで、塗布液Rの漏出をより確実に防止することができる。
すなわち、貯留部4に塗布液Rが供給されて塗布液Rの液面が上昇すると、吐出口6に作用する塗布液Rによる水頭圧が増加する。この間、貯留部4内の圧力と、貯留部4の外部の圧力とが変化せず一定であるとすると、水頭圧が増加した分だけ塗布液Rを上方へ押し上げる力が相対的に弱まるため、封止部73によって封止された吐出口6から塗布液Rが漏れ出る可能性がある。
これに対し、塗布装置1では、貯留部4内の塗布液Rの液面高さの上昇に合わせて圧力調整部110により貯留部4内の圧力を徐々に低下させることで、塗布液Rを上方へ押し上げる力を補うことができる。このため、塗布液Rの補充処理中に、封止部73によって封止された吐出口6から塗布液Rが漏れ出ることをより確実に防止することができる。
なお、塗布装置1は、予め決められた時間に従って貯留部4内の圧力を変化させてもよいし、貯留部4内の塗布液Rの液面を検出する検出部を設け、かかる検出部の検出結果に応じて貯留部4内の圧力を変化させてもよい。
次に、封止部73の洗浄動作について図6A〜図6Dを参照して説明する。図6A〜図6Dは、封止部73の洗浄動作を示す図である。なお、図6A〜図6Dに示す動作は、制御装置100の制御に従って行われる。
図6Aに示すように、補充処理後の封止部73には、本体部731の上部に塗布液Rが付着した状態となっている。塗布装置1は、まず、回転機構81(図4参照)を用いて封止部73を回転させることによって、塗布液Rが付着した部位を移動させる。これにより、封止部73に付着した塗布液Rは、封止部73の下部に付着した状態となる(図6Bおよび図6C参照)。
なお、ここでは、塗布液Rを本体部731の真下に移動させる場合の例を示すが、塗布装置1は、少なくとも本体部731の最上部よりも下方、より好ましは、本体部731の下半分に塗布液Rを移動させればよい。
そして、塗布装置1は、図6Dに示すように、封止部73の下部に移動させた塗布液Rを掻取部74を用いて掻き取る。掻取部74は、プライミング機構75が備える駆動部753(図9参照)によってプライミング部751とともに封止部73の長手方向(Y軸方向)に移動して、封止部73の下部に当接するパッド741が塗布液Rを掻き取る。
掻取部74は、封止部73の下部に付着した塗布液Rを掻き取るため、封止部73の上部に付着した塗布液Rを掻き取る場合と比較して、掻き取った塗布液Rの封止部73や周辺機器への付着を防止できる。したがって、乾燥した塗布液Rのパーティクルによって周囲が汚染されるおそれもなく、また、封止部73や周辺機器の美観が損なわれることもない。
このように、塗布装置1によれば、周辺の汚染や美観の悪化を防止しつつ、封止部73に付着した塗布液Rを適切に除去することができる。
ところで、上記の例では、塗布液Rの補充処理を行うごとに、封止部73に付着した塗布液Rを封止部73の真下に移動させて掻取部74で掻き取ることとしたが、封止部73の洗浄動作は、上述した例に限定されない。以下に、封止部73の洗浄動作の変形例について図7Aおよび図7Bを参照して説明する。図7Aおよび図7Bは、封止部73の洗浄動作の変形例を示す図である。
図7Aに示すように、塗布装置1は、補充処理を終えるごとに、塗布液R同士が互いに重ならない程度に封止部73を所定角度ずつ回転させてもよい。これにより、本体部731には、補充処理ごとに塗布液Rが順次付着していき、本体部731に付着した塗布液Rは、本体部731の下部へ向かって徐々に移動していく。
ここで、プライミング処理は、補充処理後に毎回実施される。このため、プライミング機構75と連動して動作する掻取部74は、補充処理が終了するごとに、言い換えれば、封止部73が所定角度回転するごとに動作する。この結果、掻取部74は、本体部731の下部まで到達した塗布液Rを順次掻き取っていくこととなる。
このように、塗布装置1は、塗布液Rの補充処理が終了するごとに、補充処理が複数回行われた後に塗布液Rが封止部73の下部に到達する所定の角度で封止部73を回転させ、封止部73の下部に到達した塗布液Rを掻取部74で順次掻き取るようにしてもよい。
次に、溶剤貯留部72の構成について図8を参照して説明する。図8は、溶剤貯留部72の模式図である。
図8に示すように、溶剤貯留部72は、上面721にスリット状の開口部721aを有する長尺状の容器であり、溶剤S(図3参照)が貯留されることによって内部が溶剤雰囲気に保たれている。開口部721aの縁部には、樹脂部材722が設けられており、スリットノズル30の吐出口6を開口部721aに挿入する際に、開口部721aの縁部にスリットノズル30が接触して損傷することを防止することができる。
次に、プライミング機構75の構成について図9および図10を参照して説明する。図9は、プライミング機構75の構成を示す模式図であり、図10は、プライミング機構75が備えるプライミング部751の構成を示す模式図である。
図9に示すように、プライミング機構75は、プライミング部751と、プライミング部751を水平に支持する支持部752と、支持部752をスリットノズル30の長手方向(Y軸方向)に移動させる駆動部753とを備える。なお、支持部752の一部および駆動部753は、ドレインパン71の外部に配置される。
図10に示すように、プライミング部751は、スリットノズル30の吐出口6およびその周辺部に洗浄液を供給する洗浄液供給機構160a〜160cと、スリットノズル30の吐出口6およびその周辺部に接触可能な接触部材170a,170bと、スリットノズル30の吐出口6およびその周辺部に乾燥ガスを供給するガス供給機構180とを備える。
プライミング部751は、Y軸正方向に、洗浄液供給機構160a、接触部材170a、洗浄液供給機構160b、接触部材170b、洗浄液供給機構160cおよびガス供給機構180の順に並べて配置される。
洗浄液供給機構160a〜160cは、スリットノズル30の吐出口6およびその周辺部に洗浄液、例えばレジスト液の溶剤を供給する複数の洗浄液ノズル161と、当該複数の洗浄液ノズル161を支持する支持体162とを有している。洗浄液ノズル161には、支持体162の側面に取り付けられた配管コネクタ163を介して、洗浄液供給管(図示せず)が接続されている。さらに洗浄液供給管は、内部に洗浄液を貯留する洗浄液供給源(図示せず)に連通している。
支持体162には、その上面中央部に溝部164が形成されている。上記複数の洗浄液ノズル161は、この溝部164の両側の内側面から突出して設けられている。溝部164は、スリットノズル30が通過する大きさに形成されている。そして、溝部164内を通過するスリットノズル30の吐出口6およびその周辺部に対して、洗浄液ノズル161から洗浄液が供給されるように構成される。
接触部材170a,170bには、スリットノズル30の洗浄時に当該スリットノズル30と接触して摺動する材料、例えばフッ素含有エラストマ等のゴムが用いられる。接触部材170aの上部形状は、スリットノズル30の下部形状に適合している。
ガス供給機構180は、スリットノズル30の吐出口6およびその周辺部に乾燥ガス、例えば窒素ガス等の不活性ガスを供給する複数のガスノズル181と、当該複数のガスノズル181を支持する支持体182とを有している。ガスノズル181には、支持体182の側面に取り付けられた配管コネクタ183を介して、ガス供給管(図示せず)が接続されている。さらにガス供給管は、内部に乾燥ガスを貯留するガス供給源(図示せず)に連通している。
支持体182には、その上面中央部に溝部184が形成されている。上記複数のガスノズル181は、この溝部184の両側の内側面から突出して設けられている。溝部184は、スリットノズル30が通過する大きさに形成されている。そして、溝部184内を通過するスリットノズル30の吐出口6およびその周辺部に対して、ガスノズル181から乾燥ガスが供給されるようになっている。
かかるプライミング機構75を用いてプライミング処理を行う場合には、まず、スリットノズル30の吐出口6およびその周辺部が接触部材170a,170bに当接する位置にスリットノズル30を移動させる。
つづいて、各洗浄液供給機構160a〜160cの洗浄液ノズル161から洗浄液を吐出すると共に、ガス供給機構180のガスノズル181から乾燥ガスを噴出する。そして、洗浄液の供給と乾燥ガスの供給を開始するのとほぼ同時に、駆動部753によりスリットノズル30の長手方向に沿ってプライミング部751を所定の速度で移動させる。
これにより、スリットノズル30の吐出口6およびその周辺部に付着した塗布液Rが接触部材170a,170bによって拭き取られて、吐出口6の状態が整えられる。
上述してきたように、第1の実施形態に係る塗布装置1は、スリットノズル30と、第1の移動機構20と、封止部73と、回転機構81と、掻取部74とを備える。スリットノズル30は、スリット状の吐出口6が下方に形成され、かかる吐出口6から塗布液Rを吐出する。第1の移動機構20は、スリットノズル30を基板Wに対して相対的に移動させる。封止部73は、吐出口6の長手方向に沿って延在し、吐出口6が上方から当接されることによって吐出口6を封止する。回転機構81は、封止部73を回転させることによって封止部73における吐出口6との当接部を下方に移動させる。掻取部74は、移動後の当接部に当接して当接部に付着した塗布液Rを掻き取る。
したがって、第1の実施形態に係る塗布装置1によれば、封止部73に付着した塗布液Rを適切に除去することができる。
(第2の実施形態)
ところで、上述した第1の実施形態では、プライミング機構75に連動して可動する掻取部74を用いて封止部73に付着した塗布液Rを掻き取る場合の例を示したが、掻取部の構成は、上記の例に限定されない。そこで、第2の実施形態では、掻取部の他の構成例について説明する。
ところで、上述した第1の実施形態では、プライミング機構75に連動して可動する掻取部74を用いて封止部73に付着した塗布液Rを掻き取る場合の例を示したが、掻取部の構成は、上記の例に限定されない。そこで、第2の実施形態では、掻取部の他の構成例について説明する。
図11は、第2の実施形態に係るノズル待機部の構成を示す模式図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図11に示すように、第2の実施形態に係るノズル待機部70Aは、第1の実施形態に係るノズル待機部70が備える掻取部74に代えて、掻取部74Aを備える。また、ノズル待機部70Aは、溶剤吐出部76をさらに備える。
ここで、第2の実施形態に係る掻取部74Aの構成について図12を参照して説明する。図12は、第2の実施形態に係る掻取部74Aの模式図である。
図12に示すように、掻取部74Aは、封止部73の長手方向に沿って延在する長尺状の樹脂製のパッド743と、かかるパッド743を支持する支持部材744とを備える。支持部材744は、たとえばドレインパン71の底面に固定される。
このように、第2の実施形態に係る掻取部74Aは、パッド743が長尺状である点および非可動式である点において第1の実施形態に係る掻取部74と異なる。
溶剤吐出部76は、図11に示すように、封止部73に対してシンナー等の溶剤を吐出するノズル761と、かかるノズル761を支持する支持部材762とを備える。かかる溶剤吐出部76の支持部材762も掻取部74Aの支持部材744と同様、たとえばドレインパン71の底面に固定される。
溶剤吐出部76は、封止部73の長手方向に沿って複数並べて配置され、封止部73の長手方向に沿って付着する塗布液Rに対して溶剤を一様に吐出することができる。
なお、溶剤吐出部76のノズル761は、図11に示すように、封止部73の下部よりも上方から封止部73の下部に向けて斜め下方に溶剤を吐出することが好ましい。これにより、仮に、溶剤吐出部76から吐出される溶剤によって封止部73に付着した塗布液Rが飛散したとしても、塗布液Rはドレインパン71の底面に向かって飛散するため、溶剤貯留部72やプライミング機構75等の周辺機器に付着し難く、ドレインパン71内を清潔に保つことができる。
ただし、ノズル761の向きはこれに限ったものではなく、たとえば封止部73の下部よりも下方から斜め上方に向けられていてもよい。
次に、上記の掻取部74Aおよび溶剤吐出部76を用いて行われる封止部73の洗浄動作について図13を参照して説明する。図13は、第2の実施形態に係る封止部73の洗浄動作を示す図である。
図13に示すように、塗布装置1は、塗布液Rの充填処理の終了後、溶剤吐出部76から溶剤を吐出させ、この状態で、回転機構81(図4参照)を用いて封止部73を回転させる。封止部73に付着した塗布液Rは、掻取部74Aのパッド743を通過することによって、封止部73から掻き取られてドレインパン71に落下する。
このように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態に係る掻取部74と同様、周辺の汚染や美観の悪化を防止しつつ、封止部73に付着した塗布液Rを適切に除去することができる。
また、第2の実施形態では、溶剤吐出部76を用いて封止部73に対して溶剤を吐出することとした。これにより、塗布液Rが溶剤によって溶解されるため、封止部73から塗布液Rを容易に除去することができる。
なお、溶剤吐出部76は、第1の実施形態に係るノズル待機部70に設けられてもよい。かかる場合、たとえば溶剤吐出部76を掻取部74に取り付けるなどして掻取部74とともに移動可能に構成することにより、溶剤吐出部76を封止部73の長手方向に複数配置しなくとも、封止部73の長手方向に沿って付着する塗布液Rに対して溶剤を吐出することができる。
上述してきたように、第2の実施形態では、掻取部74Aが、封止部73の長手方向に沿って延在する長尺状のパッド743を封止部73に当接させ、回転機構81による封止部73の回転によって、封止部73における吐出口6との当接部に付着した塗布液Rを掻き取ることとした。したがって、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、封止部73に付着した塗布液Rを適切に除去することができる。
(第3の実施形態)
また、封止部73の構成も、上述してきた各実施形態において示した構成に限定されない。そこで、第3の実施形態では、封止部73の他の構成例について説明する。図14は、第3の実施形態に係るノズル待機部の構成を示す模式図である。
また、封止部73の構成も、上述してきた各実施形態において示した構成に限定されない。そこで、第3の実施形態では、封止部73の他の構成例について説明する。図14は、第3の実施形態に係るノズル待機部の構成を示す模式図である。
図14に示すように、第3の実施形態に係るノズル待機部70Bは、第1の実施形態に係るノズル待機部70が備える封止部73および掻取部74に代えて、それぞれ封止部73Bおよび掻取部74Bを備える。
掻取部74Bは、第1の実施形態に係る掻取部74が備えるパッド741と同様のパッド745と、かかるパッド745を支持する支持部材746とを備える。支持部材746は、プライミング機構75に固定され、パッド745は、溶剤貯留部72の開口部721aの上方に配置される。
封止部73Bは、図14に示すように溶剤貯留部72内に配置される。また、封止部73Bは、昇降機構によって昇降可能に構成される。かかる点について図15を参照して説明する。図15は、昇降機構の構成を示す図である。
図15に示すように、封止部73Bは、回転機構81(図示せず)によって回転可能に構成されるとともに、昇降機構82によって昇降可能に構成される。
昇降機構82は、封止部73Bのシャフト732を支持する支持部材821と、かかる支持部材821を鉛直方向に移動させる昇降部822とを備える。図15に示すように、昇降機構82を用いて封止部73Bを降下させることで、封止部73Bを溶剤貯留部72内の溶剤Sに完全に浸漬させることができる。また、昇降機構82を用いて支持部材821を上昇させることで、封止部73Bを溶剤貯留部72の内部から取り出して溶剤貯留部72の上方に位置させることができる。
次に、封止部73Bによる吐出口6の封止動作について図16を参照して説明する。図16は、第3の実施形態に係る封止部73Bによる封止動作を示す図である。
第3の実施形態において、スリットノズル30に対する塗布液Rの補充処理は、待機場所である溶剤貯留部72において行われる。すなわち、スリットノズル30は、塗布処理終了後、溶剤貯留部72へ移動して待機し、塗布装置1に次の基板Wが搬入された場合に、その場で塗布液Rの補充処理に移行する。
なお、スリットノズル30の待機中において、封止部73Bの本体部731は、溶剤貯留部72内の溶剤Sに全てが浸漬された状態となっていることが好ましい。これにより、仮に、待機中のスリットノズル30から塗布液Rが滴り落ちたとしても、滴り落ちた塗布液Rが封止部73Bに付着して汚染されることがない。ただし、これに限らず、封止部73Bは、スリットノズル30の待機中において少なくともその一部が溶剤Sに浸漬されていればよい。
塗布液Rの補充処理が開始されると、図16に示すように、昇降機構82(図15参照)が封止部73Bを上昇させてスリットノズル30の吐出口6に当接させる。これにより、スリットノズル30の吐出口6が封止部73Bによって封止された状態となる。
スリットノズル30の下方への移動は、溶剤貯留部72の開口部721aの縁部に設けられた樹脂部材722によって規制されるため、封止部73Bの位置を固定とした場合には、吐出口6が適切に封止されるように封止部73Bの位置を精密に決める必要がある。これに対し、封止部73Bは、昇降機構82によって昇降可能に構成されるため、封止部73Bを固定的に設ける場合と比べて封止部73Bの位置を精密に決める必要がない。
なお、塗布装置1は、封止部73Bまたは昇降機構82に封止部73Bとスリットノズル30の吐出口6との接触を検知する検知部を備えていてもよい。また、昇降機構82の支持部材821は、バネ等の弾性部材を介して封止部73Bのシャフト732を支持してもよい。これらの構成により、スリットノズル30の吐出口6をより確実に封止することができる。
次に、第3の実施形態に係る封止部73Bの洗浄動作について図17Aおよび図17Bを参照して説明する。図17Aおよび図17Bは、第3の実施形態に係る封止部73Bの洗浄動作を示す図である。
図17Aに示すように、塗布装置1は、昇降機構82を用いて封止部73Bを上昇させることによって、封止部73を溶剤貯留部72から取り出して溶剤貯留部72の上方に位置させる。つづいて、塗布装置1は、回転機構81を用いて封止部73Bを回転させることによって、封止部73Bの塗布液Rが付着した部位を封止部73Bの下部へ移動させる。
その後、スリットノズル30に対してプライミング処理が行われることにより、掻取部74Bのパッド745がプライミング部751とともにY軸方向に移動して、図17Bに示すように、封止部73Bの下部へ移動した塗布液Rを溶剤貯留部72内に掻き落とす。
このように、第3の実施形態では、昇降機構82が封止部73Bを上昇させることによって溶剤貯留部72内の溶剤Sから封止部73Bの全てを露出させ、回転機構81が封止部73Bを回転させることによって封止部73Bの吐出口6との当接部を移動させた後、掻取部74Bが、かかる当接部に当接して当接部に付着した塗布液Rを溶剤貯留部72内へ掻き落とすこととした。
このように、第3の実施形態では、掻取部74Bによって掻き取られた塗布液Rを溶剤貯留部72内に落下させることとしたため、溶剤貯留部72の外部やプライミング機構75だけでなく、ドレインパン71にも塗布液Rが付着しにくく、長期間に亘って塗布装置1の美観を維持することができる。
なお、封止部73Bの洗浄処理を終えると、封止部73Bは、昇降機構82によって降下されて再び溶剤Sに浸漬させる。これにより、仮に、封止部73Bに塗布液Rが残存していたとしても、かかる塗布液Rを溶剤Sによって溶解させて封止部73Bから除去することができる。
ところで、上述してきた各実施形態では、封止部として、長手方向から見た断面形状が円形のローラを用いた場合の例について説明したが、封止部の構成は、上述してきた例に限定されない。そこで、以下では、封止部の他の構成例について図18A〜図18Cを参照して説明する。図18A〜図18Cは、封止部の他の構成例を示す図である。
たとえば、図18Aに示すように、封止部73Cの本体部731Cは、長手方向(Y軸方向)から見た断面形状が円の一部を直線的にカットしたような形状、言い換えれば、曲線部と直線部とを有する形状であってもよい。
また、図18Bに示すように、封止部73Dの本体部731Dは、長手方向(Y軸方向)から見た断面形状が多角形(ここでは、八角形)であってもよい。
このように、封止部は、長手方向から見た断面形状の少なくとも一部に直線部を有する形状であっても構わない。
また、図18Cに示すように、封止部73Eは、複数の回転ローラ733と、かかる回転ローラ733に掛け渡されたベルト734と、回転ローラ733を回転させる図示しない駆動部とを備えるベルトコンベアであってもよい。
かかる場合、スリットノズル30の吐出口6が当接しやすいように、上部にはたとえば2個の回転ローラ733を配置してベルト734による平坦面を形成し、また、掻取部による掻取動作が行いやすいように、下部にはたとえば1個の回転ローラ733を配置してベルト734による曲面を形成してもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
W 基板
R 塗布液
S 溶剤
1 塗布装置
6 吐出口
30 スリットノズル
70,70A,70B ノズル待機部
71 ドレインパン
72 溶剤貯留部
73,73B〜73E 封止部
74,74A,74B 掻取部
75 プライミング機構
81 回転機構
82 昇降機構
R 塗布液
S 溶剤
1 塗布装置
6 吐出口
30 スリットノズル
70,70A,70B ノズル待機部
71 ドレインパン
72 溶剤貯留部
73,73B〜73E 封止部
74,74A,74B 掻取部
75 プライミング機構
81 回転機構
82 昇降機構
Claims (9)
- スリット状の吐出口が下方に形成され、該吐出口から塗布液を吐出するスリットノズルと、
前記スリットノズルを基板に対して相対的に移動させる移動機構と、
前記吐出口の長手方向に沿って延在し、前記吐出口が上方から当接されることによって該吐出口を封止する封止部と、
前記封止部を回転させることによって前記封止部における前記吐出口との当接部を下方に移動させる回転機構と、
移動後の前記当接部に当接して該当接部に付着した塗布液を掻き取る掻取部と
を備えることを特徴とする塗布装置。 - 前記封止部は、
少なくとも前記当接部が樹脂で形成されること
を特徴とする請求項1に記載の塗布装置。 - 前記封止部は、
長手方向から見た断面形状の少なくとも一部に直線部を有すること
を特徴とする請求項1または2に記載の塗布装置。 - 溶剤が貯留される溶剤貯留部
をさらに備え、
前記封止部は、
少なくとも一部が前記溶剤貯留部内の溶剤に浸漬されること
を特徴とする請求項1、2または3に記載の塗布装置。 - 前記封止部を昇降させる昇降機構
をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の塗布装置。 - 前記掻取部は、
前記昇降機構が前記封止部を上昇させることによって前記溶剤貯留部内の溶剤から前記封止部の全てを露出させるとともに、前記回転機構が前記当接部を下方に移動させた後、前記当接部に当接して該当接部に付着した塗布液を前記溶剤貯留部内へ掻き落とすこと
を特徴とする請求項5に記載の塗布装置。 - 前記掻取部は、
前記封止部に当接するパッドを備え、該パッドを前記封止部の長手方向に移動させることによって、前記当接部に付着した塗布液を掻き取ること
を特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の塗布装置。 - 前記掻取部は、
前記封止部の長手方向に沿って延在する長尺状のパッドを備え、前記回転機構によって回転する前記封止部に該パッドが摺接することにより前記当接部に付着した塗布液を掻き取ること
を特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の塗布装置。 - スリット状の吐出口が下方に形成され、該吐出口から塗布液を吐出するスリットノズルの該吐出口を、該吐出口の長手方向に沿って延在する封止部に上方から当接させることによって、該吐出口を封止する封止工程と、
前記封止部を回転させることによって前記封止部における前記吐出口との当接部を下方に移動させる回転工程と、
移動後の前記当接部に当接して該当接部に付着した塗布液を掻き取る掻取部によって、前記当接部に付着した塗布液を掻き取る掻取工程と
を含むことを特徴とする封止部の洗浄方法。
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