JP2014006208A - 感知方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物の質量に応じた周波数の変化に基づいて、試料液中の対象物を感知するにあたり、簡易な手法で周波数変化を増幅させること。
【解決手段】水晶片31の表面に励振電極32A,32Bを形成すると共に、裏面側に励振電極33A、33Bを形成し、励振電極32A上に吸着層51を固定化する。試料液を吸着層51に供給すると、感知対象物Xが含まれているときには、前記対象物Xが前記吸着層51に捕捉される。次いで、第1の液体を供給すると、第1の液体に含まれる第1の増感物質71が前記対象物Xに結合する。続いて、第2の液体を供給すると、第2の液体に含まれる第2の増感物質81が第1の増感物質71と反応して不溶性物質82を生成し、当該不溶性物質82は電極32A上に沈降する。第1の増感物質71と不溶性物質82の質量に相当する分の質量増加が得られるため、これに対応して周波数変化が増幅される。
【選択図】図5

Description

本発明は、圧電片に設けられた電極上の吸着層に対象物を吸着させ、圧電片の固有振動数の変化に基づいて対象物を感知する感知方法に関する。
溶液中や気体中の微量物質を感知する装置として、水晶振動子によるQCM(Quarts Crystal Microbalance)を用いた感知装置が知られている。この種の感知装置では、水晶発振回路を構成する水晶振動子に物質を例えば抗原抗体反応により吸着させ、このときの質量変化に応じた水晶振動子の固有振動数の変化を利用して、微量物質の定性分析や定量分析を行っている。このため、サンプルの質量が大きいほど振動数の変化量が大きく、精度の高い分析を行うことができる。
しかしながら近年では、ピコオーダーやナノオーダー等の微量物質の計測が要請されており、一般的な抗原抗体反応を利用した感知装置では、振動数の変化量が微小であって高精度な分析に対応できないケースも出てきている。
特許文献1には、QCMセンサーを用いた定量において、ラテックス粒子又は金コロイド粒子よりなる質量増感微粒子を用いて質量増感し、さらに架橋性化合物を作用させて架橋反応による増感を図る技術が記載されている。この手法では、電極と、基質Bと基質Cとを固定化した質量増感微粒子aとの間に測定対象物質を挟み込み、次いで基質Cを有する質量増感微粒子bと、基質Cに反応する基質Dを有する架橋性化合物Eを添加することが行われている。このため、薬剤の種類が多くなる上、予め増感微粒子a,bに夫々基質を固定化する作業が必要であることから、周波数変化の増幅作業を簡便に行うことは難しい。
特開2006−275865
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、対象物の質量に応じた周波数の変化に基づいて、試料液中の対象物を感知するにあたり、簡易な手法で周波数変化を増幅させることができる感知方法を提供することにある。
本発明は、対象物を捕捉するための吸着層を備えた電極を圧電片に設けた圧電振動子を用い、当該圧電振動子を液体に接触させた状態で発振回路により発振させ、前記電極に付着した対象物の質量に応じた周波数の変化に基づいて、試料液中の対象物を感知する方法において、
前記試料液を吸着層に供給する工程と、
次に、前記対象物に結合する第1の増感物質を含む第1の液体を前記吸着層に供給する工程と、
次いで、前記第1の液体を前記吸着層から排出する工程と、
続いて、前記第1の増感物質と反応して不溶性物質を生成する第2の増感物質を含む第2の液体を前記吸着層に供給する工程と、
前記吸着層に液体を供給した後第2の液体を供給する前に、圧電振動子を発振させて発振回路の発振周波数に対応する第1の周波数信号を取得する工程と、
前記吸着層に第2の液体を供給してから、圧電振動子を発振させて発振回路の発振周波数に対応する第2の周波数信号を取得する工程と、を含むことを特徴とする。
試料液中に対象物が含まれるときには、圧電振動子の電極に形成された吸着層に対して試料液を供給すると、前記対象物が前記吸着層に捕捉される。次いで、第1の液体を前記吸着層に供給すると、第1の液体に含まれる第1の増感物質が前記対象物に結合する。続いて、第2の液体を前記吸着層に供給すると、第2の液体に含まれる第2の増感物質が第1の増感物質と反応して不溶性物質を生成し、当該不溶性物質が電極上に沈降する。このように、第1の液体と第2の液体の供給という簡易な手法で、第1の増感物質と不溶性物質の質量に相当する分の質量増加が得られ、これに対応して周波数変化を増幅することができる。
本発明の感知方法を実施する感知装置の一例を示す縦断面図である。 センサユニットの一例を示す分解斜視図である。 センサユニットに用いられる水晶振動子の一例を示す平面図である。 感知装置における回路構成を示す概略図である。 感知装置を用いて行われる本発明の感知方法を示す工程図である。 感知方法を示す工程図である。 感知方法を示す工程図である。 感知方法を示すフローチャートである。 本発明の感知方法を実施する感知装置の他の例を示す縦断面図である。
本発明の感知方法を実施する感知装置の一例について、図1〜図4を参照して説明する。この感知装置では、感知センサである水晶センサを備えており、この水晶センサはセンサユニット1に収納されている。例えばセンサユニット1は、図1及び図2に示すように、支持体11、封止部材12、配線基板2、圧電振動子である水晶振動子3、流路形成部材13及び上部カバー14を下側からこの順番で積層して構成されている。
水晶センサ4は配線基板2上に水晶振動子3を設けてなり、この水晶振動子3は、図2及び図3に示すように、例えばATカットの圧電片である円板状の水晶片31の表面側及び裏面側に、夫々例えば金(Au)などからなる励振電極を設けて構成されている。この例では、図3(a)、(b)に示すように、水晶片31の裏面側に第1の励振電極33A及び第2の励振電極33Bを互いに離間して配置すると共に、表面側に前記励振電極33A、33Bに対する第1の励振電極32A及び第2の励振電極32Bを備えた共通の励振電極(共通電極)32を配置している。従って、図4に示すように、第1の励振電極33A及び第1の励振電極32Aにより第1の振動領域3Aが形成され、第2の励振電極33B及び第1の励振電極32Bにより第2の振動領域3Bが形成されている。
前記裏面側の第1の励振電極33A及び第2の励振電極33Bは、夫々引出電極331,332を介して、図2に示すように、水晶センサ4をセンサユニット1に装着した時に、配線基板2上に引き回された導電路22、24に夫々電気的に接続されている。また、前記表面側の第1の励振電極32A及び第2の励振電極32Bを備えた共通電極32は、裏面側へ回り込むように形成された引出電極321を介して、水晶センサ4をセンサユニット1に装着した時に、配線基板2上に形成された導電路23に電気的に接続されている。配線基板2の端部領域には、各導電路22〜24と夫々接続される接続端子25〜27が形成されている。そして、これら導電路22、24は、図4に示すように、第1の発振回路4A及び第2の発振回路4Bに夫々接続され、共通電極42は発振回路4A、4Bのアース側に接続される。尚、図3(a)は水晶振動子3の表面側、同図(b)は裏面側を夫々示している。
前記第1の励振電極32Aの表面には、図4に示すように、感知対象物を捕捉して吸着するための第1の吸着層51が形成されている。感知対象物XがCRP(C反応性タンパク)である抗原である場合を例にして説明すると、第1の吸着層51は、例えば感知対象物Xである抗原と反応することにより、当該感知対象物Xを捕捉する例えば抗CRP抗体等の抗体Aにより構成される。一方、第2の励振電極32Bの表面には第2の吸着層52が形成され、この吸着層52は、例えば抗ウサギIgG抗体等の感知対象物Xと反応しない抗体Bにより構成される。ここで、反応とは、抗原抗体反応のように、対象物(抗原)と吸着膜(抗体)との結合により、対象物の分に相当する質量付加が行われることをいう。この例では、第1の吸着層51に感知対象物Xが結合するため、第1の振動領域3Aを構成する電極32A,33Aが反応電極対となり、第2の振動領域3Bを構成する電極32B,33Bがリファレンス電極対となる。ここで、リファレンス電極対に第2の吸着層52を設けるのは、測定環境を反応電極対に近づけると共に、感知対象物に硫黄(S)が含まれている場合には、例えば金よりなる電極と硫黄との反応を防ぐためである。
水晶振動子3は、図1及び図2に示すように、配線基板2に形成された貫通孔21を塞ぐように装着されており、水晶センサ4は、この図2に示すように、弾性体からなる流路形成部材13と、リング状の弾性体からなる封止部材12とにより夫々表面側及び裏面側が押し付けられた状態でセンサユニット1に取り付けられる。図1及び図2中15は液体供給管、16は液体排出管であり、液体供給管15を介して供給された液体が流路形成部材13と水晶振動子3との間の流路である液体供給領域17を通流して液体排出管16から排出されるように構成されている。
また、液体供給管15には、図1に示すように、例えば夫々バルブV1〜V4を備えた供給路61a,62a,63a,64aを介して、試料液の供給源61、第1の液体の供給源62、第2の液体の供給源63、緩衝液の供給源64に夫々接続されている。前記第1の液体とは第1の増感物質71を含む液体であり、前記第1の増感物質71とは感知対象物Xと結合し、かつ後述する第2の増感物質81と反応して不溶性物質82を生成するものをいう。この例では、第1の増感物質71は、前記感知対象物と結合する吸着成分72と、この吸着成分72と結合すると共に前記第2の増感物質81と反応して不溶性物質82を生成する反応成分73とを含むものである。具体的には、例えば前記第1の増感物質71の吸着成分72は感知対象物Xの増感用抗体Cよりなる。この増感用抗体Cは例えば感知対象物Xが抗体Aと反応(結合)する部位とは異なる部位にて反応するもの、例えば感知対象物XがCRPである場合には、抗体Aとは異なる抗CRP抗体等が用いられる。但し、反応が確認されているものであれば増感用抗体Cとして抗体Aと同じものを用いるようにしてもよい。
また、前記第1の増感物質71の反応成分73としては、例えばアルカリフォスファターゼ(ALP)が用いられる。このALPとは、分子量が80000〜100000程度の、アルカリ性条件下でリン酸エステル化合物を加水分解する酵素である。例えばこのALPと増感用抗体Cとを、予めアミンカップリングすることにより反応させて、増感用抗体CにALPが付加した第1の増感物質71を生成しておく。そして、この第1の増感物質71をゲル濾過や透析により精製することにより第1の液体を得る。
前記第2の液体は、前記第1の増感物質71の反応成分73と反応して不溶性物質82を生成する第2の増感物質81を含むものである。前記反応成分73がALPである場合には、第2の増感物質81としては、例えばALPの基質であるBCIP(5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルリン酸)とNBT(ニトロブルーテトラゾリウムクロライド)の混合物が用いられ、第2の液体はBCIPとNBTとを混合した溶液よりなる。また、緩衝液とは、試料液、第1の液体及び第2の液体と反応しない液体例えばリン酸バッファーよりなる。
第1の増感物質71の反応成分73であるALPに、第2の増感物質81であるBCIP/NBTを作用させると、ALPがBCIPを酸化する過程で、NBTが酸化されて、不溶性物質82であるNBTホルマザンが生成する。この不溶性物質82とは、水晶振動子3に供給される液体である試料液、第1の液体、第2の液体及び緩衝液に溶解しない性質の物質をいう。
このような試料液、第1の液体、第2の液体及び緩衝液は、例えばシリンジポンプ等に貯留されており、夫々所定の流量で供給路61a〜64a及び液体供給管15を介してセンサユニット1の液体供給領域17に供給される。また、液体排出管16の下流側には排液部65が設けられている。
水晶センサ4の説明に戻ると、図4に示すように、前記第1の振動領域3Aを発振させるための第1の発振回路4A、第2の振動領域3Bを発振させるための第2の発振回路4Bの発振出力(周波数信号)は、スイッチ部41により交互に周波数測定部42に取り込まれるように構成されている。この周波数測定部42は、例えば周波数カウンターや、例えば特開2006−258787号等に記載されているように回転ベクトルの速度を求める手法などによって、周波数を検出するように構成されている。この周波数測定部42にて得られた各振動領域3A、3Bの各々の発振周波数は、データ処理部43に送られ、例えば演算部である差分取得プログラム44によって比較され(差分を取られ)、例えば表示部45に表示される。尚、図4中46はCPU、40はバスである
次に、上述の感知装置を用いて行われる本発明の感知方法において、図5〜図8を参照して、感知対象物Xの有無を検出する場合を例にして説明する。先ず、水晶振動子3において、図5及び図6(a)に示すように、第1の励振電極32Aの表面に抗体Aを固定化して第1の吸着層51を形成すると共に、第2の励振電極32Bの表面に抗体Bを固定化して第2の吸着層52を形成する。次いで、この水晶振動子3をセンサユニット1内に収納して図2に示すように気密に一体化すると共に、配線基板2に形成された接続端子25〜27を介して振動領域3A、3Bと発振回路4A、4Bとを夫々電気的に接続する。
続いて、バルブV4を開いて緩衝液を供給路64a及び液体供給管15を介してセンサユニット1内に所定の流量で供給する(ステップS1)。これにより、緩衝液はセンサユニット1の液体供給領域17を通流していき、当該液体供給領域17の内部は気相から液相に変化する。そして、各発振回路4A、4Bにより例えば9MHzの周波数で水晶振動子3(振動領域3A、3B)を発振させ、周波数測定部42においてこれら振動領域3A、3Bの各々の発振周波数の測定を開始して、夫々の発振回路4A,4Bの発振周波数を取得する(ステップS2)。このとき取得した振動領域3Aの発振周波数が第1の周波数信号に相当する。なお、発振周波数の測定は、緩衝液をセンサユニット1内に供給する前に開始するようにしてもよい。
緩衝液を液体供給領域17に満たすように供給した後、バルブV4を閉じて緩衝液の供給を停止し、バルブV1を開いて試料液を供給路61a及び液体供給管15を介してセンサユニット1内に所定の流量で供給する(ステップS3)。これにより試料液は、センサユニット1の液体供給領域17を通流していき、当該試料液中に感知対象物Xが含まれる場合には、図5及び図6(b)に示すように、感知対象物Xが抗原抗体反応により第1の吸着層51に速やかに吸着(結合)する。一方、感知対象物Xは抗体Bとは反応しないため、第2の吸着層52には吸着しない。
こうして、第1の吸着層51と感知対象物Xとの反応が十分に進行する時間、センサユニット1に試料液を供給した後、バルブV1を閉じて試料液の供給を停止し、バルブV2を開いて第1の液体の供給を開始する(ステップS4)。これにより第1の液体は、センサユニット1の液供給領域17を通流していく。そして、図5及び図7(a)に示すように、第1の液体中に含まれる第1の増感物質71の吸着成分72(増感用抗体C)は、第1の吸着層51に捕捉された感知対象物Xに抗原抗体反応により結合する。一方、第2の吸着層52には感知対象物Xが吸着されていないため、第2の吸着層52には吸着せずに通流していく。感知対象物Xと第1の増感物質71の吸着成分との反応が十分に進行する時間、センサユニット1に第1の液体を供給した後、バルブV2を閉じて第1の液体の供給を停止し、バルブV4を開いて緩衝液の供給を開始する(ステップS5)。これにより緩衝液が前記液供給領域17を通流していくため、当該液供給領域17つまり励振電極32A,32B上の第1の液体が排出される。
こうして、液供給領域17内を緩衝液で置換した後、バルブV4を閉じて緩衝液の供給を停止し、バルブV3を開いて第2の液体の供給を開始する(ステップS6)。これにより第2の液体は前記液供給領域17を通流していき、第2の増感物質81であるBCIP/NBTは、既述のように第1の増感物質71の反応成分73であるALPと速やかに反応して前記不溶性物質82を生成する。この不溶性物質82は、図5及び図7(b)に示すように、感知対象物Xに結合したALPの周囲のみならず、増感用抗体Cや感知対象物Xの周囲に付着すると共に、第1の励振電極32A上に沈降していく。一方、第2の励振電極52上にはALPが存在しないため、第2の液体を供給しても、BCIP/NBTとの反応が発生せず、不溶性物質82は生成しない。図7(b)では、第1の励振電極32A側で生成した不溶性物質82が、第2の液体の通流により液供給領域17内に形成された液流れに沿って、第2の励振電極32B側に移動していく様子を示している。
ここで、第1の液体の通流と第2の液体の通流との間に緩衝液を通流させるのは、第1の液体中のALPと第2の液体中のBCIP/NBTとの反応は速やかに進行するため、第1の液体と第2の液体とが通流する供給路や液体供給管15内でのこれらの反応を抑えるためである。
こうして、試料液中に感知対象物Xが含まれている場合には、第1の励振電極32A側において、感知対象物Xが抗原抗体反応によって第1の吸着層51へ捕捉される。そして、この第1の吸着層51に捕捉された感知対象物Xに対して第1の増感物質71の吸着成分72が抗原抗体反応により結合する。さらに、第1の吸着層51上の感知対象物Xに結合した第1の増感物質71の反応成分73と第2の増感物質81との反応によって不溶性物質82の生成が起こり、当該不溶性物質82が第1の励振電極32Aに沈降する。
前記第1の増感物質71は反応成分73としてALPを用いているが、このALPは分子量が80000〜100000と大きいので、第1の増感物質71を感知対象物Xに結合させただけでも、質量の付加効果が得られる。さらに、第1の増感物質71中のALPと第2の増感物質81であるBCIP/NBTとの反応は速やかに進行し、大量の不溶性物質82を生成する。この不溶性物質82は、既述のようにALPや感知対象物X、増感用抗体Cや第1の吸着層51に分子間力により付着した状態である。このため、第1の励振電極32A(第1の吸着層51)の表面では、第2の液体の液流れが形成されていても、不溶性物質82が第1の励振電極32A表面に留まるため、第1の励振電極32Aでは非常に大きな質量が付加されることになる。
従って、第1の振動領域3Aでは、捕捉された感知対象物Xの質量のみならず、前記感知対象物Xに結合した第1の増感物質71の質量と、第2の励振電極32A側に付着した不溶性物質82の質量に相当する分の質量付加効果が起こり、発振周波数が低下する。こうして、第2の液体を供給してから、これら振動領域3A、3Bの各々の発振回路4a,4Bの発振周波数を取得する(ステップS7)。このとき取得した振動領域3Aの発振周波数が第2の周波数信号に相当する。そして、第2の液体を供給する前に取得した第1の周波数信号との差分を取り、この差分に基づいて感知対象物Xの有無を判定する(ステップS8)。この第2の周波数信号を取得するタイミングは、例えば1の励振電極3A(第1の吸着層51)へ第2の液体の供給を開始してから、第1の増感物質71の反応成分73と第2の増感物質81との反応が十分に進行する時間経過後である。具体的には、例えば第2の液体をセンサユニット1に供給してから1200秒後のタイミングである。
上述の例では、第1の周波数信号を取得するタイミングで各振動領域3A、3Bの発振周波数を取得して両者の差分を取る(第2の液体供給前の差分データ)と共に、第2の周波数信号を取得するタイミングで各振動領域3A、3Bの発振周波数を取得して両者の差分を取る(第2の液体供給後の差分データ)。こうして、第2の液体供給後の差分データから第1の液体供給前の差分データを差し引くことにより、感知対象物Xの質量に対応する周波数データを算出し、このデータに基づいて、感知対象物Xの有無が判定される。この判定は、例えばデータ処理部43において、予め設定された閾値と比較して、前記周波数データが閾値以上であれば感知対象物Xが「有る」とし、閾値未満であれば感知対象物Xが「無い」とすることにより行なわれる。この判定結果や周波数データは例えば表示部45に表示される。この例では、第2の振動領域3Bの発振周波数は温度変化や水溶液そのものの粘度、あるいは対象物以外の物質の付着などの外乱によるものであることから、第1の振動領域3Aの発振周波数から第2の振動領域3Bの発振周波数を差し引くと、外乱による周波数の変動分を補償した、対象物の吸着に起因する周波数の差分が得られる。このため、感知対象物Xの有無について精度の高い計測を行うことができる。
上述の実施の形態によれば、既述のように、試料液中に感知対象物Xが存在する場合には、捕捉された感知対象物Xの質量のみならず、前記感知対象物Xに結合した第1の増感物質71の質量と、第2の励振電極32A側に沈降した不溶性物質82の質量に相当する質量付加効果が起こる。このため、感知対象物Xが微量であっても、第1の増感物質71と不溶性物質82の質量に相当する分、周波数変化が増幅される。これにより、感知対象物Xを感度良く感知することができる。
また、第1の吸着層51に第1の増感物質71を含む第1の液体を供給し、当該第1の液体を排出してから第2の増感物質81を含む第2の液体を供給すればよいので、簡易な手法で周波数変化を増幅することができる。さらに、薬剤は第1の増感物質71を構成する吸着成分72と反応成分73、及び第2の増感物質82のみであるので使用する薬剤が少なくて済み、予め調製する薬剤は第1の増感物質71のみであるため、調製作業も容易である。
さらにまた、第1の増感物質71の吸着成分72を感知対象物X(抗原)の抗体とし、反応成分73を酵素であるALP、第2の増感物質81をALPの基質であるBCIP/NBTとしている。このため、感知対象物Xへの第1の増感物質71の結合、及び第1の増感物質71と第2の増感物質81の反応とが速やかに起こる。これにより、試料液、第1の液体及び第2の液体を第1の吸着層51の表面を通流するように供給しても、既述の反応が十分に進行する。従って、試料液、第1の液体及び第2の液体を所定の流量で所定時間通流させることにより、確実に周波数の増幅作用を確保することができるので、当該増幅作用を得るにあたってスループットの低下を抑えられる。
また、上述の例では、液体をセンサユニット1に通流しながら供給しているので、第1の液体と第2の液体との間に緩衝液を第1の吸着層51の表面を通流するように供給することにより、第1の吸着層51の表面から第1の液体の排出を行うことができ、当該排出作業を容易に行うことができる。
また、不溶性物質82は例えば分子量が約500と小さいので、第2の液体を第1の吸着層51の表面に通流させることにより、第1の励振電極32Aに沈降しない分の不溶性物質82は液流れに沿って液体供給領域17から排出されていく。従って、不溶性物質82がセンサーユニット1の流路内を塞いで第2の液体の通流を妨げ、励振電極32B(第2の吸着層52)側に不溶性物質82が沈降してしまうといった事態の発生が抑えられ、安定した計測を行うことができる。
続いて、第1の増感物質71と第2の増感物質81の他の例について、表1を参照して説明する。表1に示すように、第1の増感物質71の反応成分73がALPである場合には、第2の増感物質81はナフトールAS−BIリン酸(Fast Red)を用いることができる。この場合、ALPとFast Redとの反応によりアゾ色素よりなる不溶性物質82が生成する。
また、第1の増感物質71の反応成分73を西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)とし、第2の増感物質82をジアミノベンジジン(DAB:Diamino benzidine)、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB:3,3’,5,5’-Tetramethylbenzidine)、3-アミノ-9-エチルカルバゾール(AEC:3-amino-9-ethylcarbazole)のいずれかとしてもよい。HRPは、分子量が40,000程度であって、ペルオキシド構造を酸化的に切断してヒドロキシル基に分解する酵素であり、DAB、TMB、AECは夫々HRPの基質である。
この場合、第1の増感物質71は、増感用抗体CとHRPとをアミンカップリングすることにより結合させて構成され、この第1の増感物質71をゲル濾過や透析により精製することにより第1の液体が得られる。また、第2の液体は、第2の増感物質82であるDAB、TMB、AECを単体で使用する。そして、第2の増感物質81がDABである場合には、HRPとDABとの反応により不溶性物質82である酸化DABが生成する。また、第2の増感物質81がTMBである場合には、HRPとTMBとの反応により不溶性物質82である酸化TMBが生成する。さらに、第2の増感物質81がAECである場合には、HRPとAECとの反応により不溶性物質82である酸化AECが生成する。
Figure 2014006208
以上において、ALPやHRPと増感用抗体Cとは予め結合させておくことが好ましいが、吸着成分72を感知対象物Xに抗原抗体反応により結合させた後、反応成分73を供給するようにしてもよい。このように、第1の増感物質71を構成する吸着成分72を吸着層51に供給してから、反応成分73を吸着層51に供給する場合も、第1の増感物質71を含む第1の液体を前記吸着層51に供給する工程の実施に含まれる。
また、本発明の感知方法を実施する感知装置は、図9に示すように構成してもよい。この例は、反応電極対91を備えた水晶振動子9Aと、リファレンス電極92を備えた水晶振動子9Bを用意し、一方のセンサユニット1Aには反応電極対91Aを備えた水晶振動子9A、他のセンサユニット1Bにはリファレンス電極対91Bを備えた水晶振動子9Bを設けたものである。前記反応電極対91には第1の吸着層51が形成され、リファレンス電極対92には第2の吸着層52が形成されている。夫々のセンサユニット1A,1Bには、供給路61a〜64aを介して試料液、第1の液体、第2の液体及び緩衝液が夫々供給されるように構成されている。例えば試料液、第1の液体、第2の液体及び緩衝液は、センサユニット1A及びセンサユニット1Bに同じタイミングで供給される。そして、水晶振動子9Aを発振させるための第1の発振回路4A、水晶振動子9Bを発振させるための第2の発振回路4Bの夫々の発振出力(周波数信号)は、スイッチ部41により交互に周波数測定部42に取り込まれ、既述の手法で、周波数の差分データが取得されるように構成されている。
この例においては、反応電極対91とリファレンス電極対92とが夫々別個のセンサユニット1A,1Bに設けられているので、反応電極対91側で生成した不溶性物質82がリファレンス電極側92に移動していくおそれがない。このため、より精度の高い計測を行うことができる。
以上において、後述の実施例より明らかなように、第2の液体供給後における第1の振動領域3Aの発振周波数の変化分は非常に大きい。従って感知対象物Xの有無を判定する定性分析を行う場合には、前記吸着層51に液体を供給した後第2の液体を供給する前に取得した発振周波数(第1の周波数信号)と、第2の液体を吸着層51に供給してから取得した発振周波数(第2の周波数信号)との差に基づいて判定するようにしてもよい。従って、吸着層51に緩衝液を供給した後、第2の液体供給前においては、どのタイミングの振動領域3Aの発振周波数であっても、第2の液体供給後の振動領域3Aの発振周波数との差分を取ることにより、感知対象物Xの有無を判定することができる。また、試料液供給前に緩衝液を供給する必要は必ずしもなく、試料液をセンサユニット1に供給することにより、液供給領域17を気相から液相に置換するようにしてもよい。
以上において、本発明の感知方法は、試料中の感知対象物の定量分析にも適用できる。図1に示すセンサユニット1を例にして説明すると、例えばセンサユニット1に緩衝液を供給し、試料液を供給する前に、水晶振動子3を発振させて発振周波数(第1の周波数信号)を取得しておく。そして、センサユニット1に第2の液体を供給してから、水晶振動子3を発振させて発振周波数(第2の周波数信号)を取得する。こうして、例えば第2の液体を供給してからの各振動領域3A、3Bの発振周波数の差分を取ると共に、この差分から、緩衝液供給後試料液供給前に取得した各振動領域3A、3Bの発振周波数との差分を差し引くことにより、感知対象物Xの質量に対応する周波数データを算出する。そして、予め取得しておいた周波数と質量との相関関係を示す検量線に基づいて、感知対象物Xの質量を求める。
また、本発明では、例えば前記吸着層に液体を供給した後第2の液体を供給する前に取得した第1の周波数信号と、前記吸着層に第2の液体を供給してから取得した第2の周波数信号とを表示部45に表示し、これらの周波数信号の差に基づいて、オペレータが感知対象物Xの有無の判定や、感知対象物Xの定量を行うようにしてもよい。前記第1の周波数信号及び第2の周波数信号は、発振周波数の測定開始から所定時間毎又は予め設定されたタイミングで取得したデータを表示部45に表示してもよいし、発振周波数の測定開始から取得したデータを連続的にプロットしてグラフ化したものを表示してもよい。
さらに、上述の例では、緩衝液、試料液、第1の液体及び第2の液体を吸着層51の表面を通流するように供給したが、このときの通流速度や供給時間は液体の種類毎に変えるようにしてもよい。例えば試料液、第1の液体及び第2の液体では、夫々の反応を十分に進行させるために、夫々の液体の通流速度や供給時間の最適化を図るようにしてもよい。さらに、例えば液体排出管16に開閉バルブを設け、試料液、第1の液体及び第2の液体を供給するときに、所定時間開閉バルブを閉じて、第1の液体等を吸着層の表面近傍に滞留させ、夫々の反応を十分に進行させてから、液体の通流を再開するようにしてもよい。
さらにまた、本発明では、第1の液体を吸着層に供給した後、第2の液体を供給する前に、第1の液体を吸着層から排出する工程を実施する必要がある。吸着層51の表面に第1の液体が存在するときに第2の液体を供給すると、吸着層51に感知対象物Xが捕捉されていない場合であっても、第1の液体に含まれる第1の増感物質71と第2の液体に含まれる第2の増感物質81との反応が起こり、不溶性物質82が生成して吸着層51上に沈降する。既述のように、前記不溶性物質は吸着層51(励振電極32A)に分子間力によって付着しているため、不溶性物質82が生成してから第2の液体を吸着層51から排出しても、不溶性物質82の一部は残存してしまい、精度の高い計測を行うことができなくなるおそれがあるからである。
但し、緩衝液、試料液、第1の液体及び第2の液体は、必ずしも吸着層51の表面を通流するように供給する必要はない。第1の液体を吸着層51に供給した後、第2の液体を供給する前に、第1の液体を吸着層51から排出する工程を実施するようにすれば、感知対象物が含まれないときの第1の増感物質71と第2の増感物質82との反応が抑えられるからである、ここで、第1の液体を吸着層51から排出する工程の実施は、オペレータが吸着層51から第1の液体を除去する作業を行うようにしてもよいし、既述の例のように第1の液体を緩衝液で置換することにより行ってもよい。また、第1の液体をポンプ等により吸引して除去するようにしてもよく、上述のセンサユニット1にて第1の液体を液供給領域17から吸引除去する場合には、第1の液体の供給後に緩衝液を供給する必要はない。さらに、バルブV1〜V4の切り替えは手動にて行ってもよいし、自動的に操作を行うようにしてもよい。
さらに、本発明では、第1の増感物質71の反応成分73として、ALPとHRPとを組み合わせて用いてもよい。また、第1の増感物質71の反応成分73がALPの場合に、第2の増感物質81として、BCIP/NBTとFast Redとを組み合わせて用いてもよいし、第1の増感物質71の反応成分73がHRPの場合に、第2の増感物質81として、DAB、TMB、AECのいずれか又は全てを組み合わせて用いてもよい。また、本発明では、ATカット以外の水晶振動子を用いるようにしてもよい。
図1に示す感知装置を用い、感知対象物XとしてCRP(抗原)を含む試料液をセンサユニット1に通流させて、発振周波数の変化を測定した。このとき、第1の励振電極32Aの表面に抗CRP抗体よりなる抗体Aを第1の吸着層51として形成すると共に、第2の励振電極32Bの表面に抗ウサギIgG抗体よりなる抗体Bを第2の吸着層52として形成し、第1の増感物質71としては、吸着成分72が抗体Aとは異なる抗CRP抗体よりなる増感用抗体C、反応成分73がALPであるものを用いた。そして、センサユニット1に緩衝液と、試料液と、第1の液体と、緩衝液と、第2の液体とをこの順番で夫々5μl/minの流量で600秒間供給し、試料液を供給しているときと、第1の液体を供給しているときと、第2の液体を供給しているときの発振周波数を夫々取得した。発振周波数の取得のタイミングは、各液体のセンサユニット1への供給開始から1200秒後である。
センサユニット1内に試料液を供給してから、夫々のタイミングで取得した発振周波数を表2に示す。この発振周波数は、夫々のタイミングで取得した発振周波数と緩衝液を供給しているときに取得した発振周波数との差分を示したものである。
Figure 2014006208
この結果、第2の液体を供給後の発振周波数のデータは、反応電極対とリファレンス電極対との間で大きく異なり、第1の増感物質71と第2の増感物質81との反応によって不溶性物質82を生成させることにより、大きな質量付加効果を得ることができ、周波数変化を大きく増幅できることが確認された。なお、第2の液体供給後においてはリファレンス電極対においても、周波数変化が大きくなっている。これは液体供給領域17における第2の液体の流れに沿って、第1の励振電極32A側にて生成した不溶性物質82が第2の励振電極32Bに流れていき、当該励振電極32Bに沈降したことにより起こったものと推察される。
1 センサユニット
3 水晶振動子
3A,3B 振動領域
4 水晶センサ
4A,4B 発振回路
51 第1の吸着層
71 第1の増感物質
72 吸着成分
73 反応成分
81 第2の増感物質
82 不溶性物質
42 周波数測定部

Claims (6)

  1. 対象物を捕捉するための吸着層を備えた電極を圧電片に設けた圧電振動子を用い、当該圧電振動子を液体に接触させた状態で発振回路により発振させ、前記電極に付着した対象物の質量に応じた周波数の変化に基づいて、試料液中の対象物を感知する方法において、
    前記試料液を吸着層に供給する工程と、
    次に、前記対象物に結合する第1の増感物質を含む第1の液体を前記吸着層に供給する工程と、
    次いで、前記第1の液体を前記吸着層から排出する工程と、
    続いて、前記第1の増感物質と反応して不溶性物質を生成する第2の増感物質を含む第2の液体を前記吸着層に供給する工程と、
    前記吸着層に液体を供給した後第2の液体を供給する前に、圧電振動子を発振させて発振回路の発振周波数に対応する第1の周波数信号を取得する工程と、
    前記吸着層に第2の液体を供給してから、圧電振動子を発振させて発振回路の発振周波数に対応する第2の周波数信号を取得する工程と、を含むことを特徴とする感知方法。
  2. 前記試料液、第1の液体及び第2の液体は、前記吸着層の表面を通流するように供給することを特徴とする請求項1記載の感知方法。
  3. 前記第1の増感物質は、前記対象物と結合する吸着成分と、この吸着成分と結合し、前記第2の増感物質と反応して不溶性物質を生成する反応成分とを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の感知方法。
  4. 前記第1の増感物質の吸着成分は前記対象物の抗体であり、前記第1の増感物質の反応成分はアルカリフォスファターゼ及び西洋ワサビペルオキシダーゼの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項3記載の感知方法。
  5. 前記第2の増感物質は、前記第1の増感物質の反応成分がアルカリフォスファターゼであるときには、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルリン酸とニトロブルーテトラゾリウムクロライドとの混合物、及びナフトールAS−BIリン酸の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項4記載の感知方法。
  6. 前記第2の増感物質は、西洋ワサビペルオキシダーゼであるときには、ジアミノベンジジン、3,3’,5,5’テトラメチルベンジジン及び3-アミノ-9-エチルカルバゾールの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項4記載の感知方法。
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