JP2014005416A - 高機能発泡成形体、及びその製造方法 - Google Patents

高機能発泡成形体、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 天然資源を有効活用して石油由来の合成樹脂材料の使用を減らすことができ、しかも、添加した機能性材料の効果も向上できる高機能発泡成形体、並びに製造コストを抑えつつも成形時の発泡性および機能性材料の歩留りを改善できる高機能発泡成形体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 発泡剤として水を用いて成形されたガス透過性を有する発泡成形体であって、
親水性の天然高分子材料と;成形時に天然高分子材料と混練される熱可塑性樹脂と;発泡成形体のガス透過性を利用して所要の機能を発揮する機能性材料とを含んで発泡成形体を成形し、かつ、前記機能性材料を、セル壁に添着またはセル内に収容されるようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、発泡成形体の改良、詳しくは、天然資源を有効に活用して合成樹脂材料の使用量を減らすことができ、また、添加した機能性材料の機能を向上促進できる高機能発泡成形体、並びに成形時の発泡性および機能性材料の歩留りをも改善できる高機能発泡成形体の製造方法に関するものである。
周知のとおり、発泡成形体は、樹脂成形時に発泡剤を気化させて内側に無数のセル(空隙)を形成した材料であり、その構造的な特性を利用して断熱材や緩衝材など、産業上の幅広い分野で利用されている。また特に、建築用断熱材の用途では、安価で施工性に優れた発泡成形体が建築現場で大量に使用されている。
しかし、上記発泡成形体の主材料を、石油由来の合成樹脂材料(ポリスチレンやポリプロピレン、ポリエチレンなど)に頼ると、発泡成形体の使用量が多い分、石油資源を膨大に消費することとなる。そのため、石油資源の枯渇が問題となっている現代において限りある資源を効率的に利用しているとは言い難い。
そこで、従来においては、合成樹脂材料の使用を抑えるために、親水性の天然高分子材料(デンプン等)を発泡成形体の主材料(全体の50wt%程度)に用いる技術が開発され、これらに添加物を加えて板状または棒状に押出成形する技術もいくつか公知となっている(例えば、特許文献1〜6参照)。
また、上記従来技術の中には、デンプンのα化等を促進させて成形性を高めるために水発泡を採用したものも既に存在する。なお、水発泡の採用は、ガス透過性を有する断熱材において、セル内に残った化学発泡剤が空気と置換して断熱性が低下する問題を解消できるため、断熱効果の持続性が増す効果もある。
しかし、水発泡を採用する場合、単に水を注入してスクリューで混練するだけでは、発泡成形体中に微細なセルを均一に形成することは難しい。そのため、気泡造核剤を添加して気泡を細かく分散させる必要があるが、造核剤を追加すると添加剤のコストが嵩み、製造コストが高く付き易い。
一方、ガス透過性を有する断熱材では、調湿機能や防虫機能、芳香機能などを有する機能性材料を添加することも多いが、上記従来の成形法のように、これらの機能性材料を練り込んで添加すると、機能性材料の多くがセル壁中に埋没してしまうため、空気との接触から隔離された状態となって充分な効果を発揮できない。
しかも、揮発性を有する機能性材料を押出成形機に投入する前に主材料に添加すると、添加した機能性材料がシリンダ内ですぐに気化して逆流し、投入口から外に逃げてしまうため、機能性材料の歩留りが悪化する。そのため、成形時には樹脂材料中に機能性材料を多めに添加する必要が生じる。
特開2003―41041号公報 特開2003―2997号公報 特開2004―352822号公報 特開2005―89718号公報 特開2010―260631号公報 特許第4594445号公報
本発明は、上記問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、天然資源を有効活用して石油由来の合成樹脂材料の使用を減らすことができ、しかも、添加した機能性材料の効果も向上できる高機能発泡成形体、並びに製造コストを抑えつつも成形時の発泡性および機能性材料の歩留りを改善できる高機能発泡成形体の製造方法を提供することにある。
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
即ち、本発明は、発泡剤として水を用いて成形されたガス透過性を有する発泡成形体であって、
親水性の天然高分子材料と;成形時に天然高分子材料と混練される熱可塑性樹脂と;発泡成形体のガス透過性を利用して所要の機能を発揮する機能性材料とを含んで発泡成形体を成形し、かつ、前記機能性材料を、セル壁に添着またはセル内に収容されるようにした点に特徴がある。
なお、上記機能性材料としては、発泡成形体のガス透過性と密接に関連する吸湿機能、防虫機能、芳香機能または脱臭機能を有するものが好適に使用される。また、上記天然高分子の主成分には、α化により良好な成形性が発揮されるデンプンを使用することが好ましい。
また、上記機能性材料にセルロース系粉体を使用すれば、良好な吸湿効果を得ることができる。一方、上記機能性材料に、揮発性成分を有する材料を使用すれば、良好な防虫効果や芳香効果が得られる。
また更に、上記発泡成形体を、厚みの大きい板状または棒状に成形する場合には、所定の断面形状となるように集束させた複数のストランド状発泡体を互いに融着させた構造とするのが好ましい。
そしてまた、上記発泡成形体をプラスチック押出成形機を用いて製造する場合には、
ホッパーから投入された親水性の天然高分子材料と熱可塑性樹脂を、シリンダ内で加熱しながら混練する第一のステップと;この第一のステップで混練した材料に、機能性材料を分散させた水を、水が蒸発しない条件下で注入する第二のステップと;この第二のステップで注入した水と混練材料とを加熱しながら高圧力化で再度混練する第三のステップと;この第三のステップで混練した材料を、押出ダイスのノズルから外部に押し出し、大気圧下で水を蒸発させて材料を発泡させる第四のステップとを踏むことで効率的な製造を行うことができる。
また、より機能性に優れた発泡成形体を得るには、上記第二のステップにおいて、機能性材料である平均粒径500μm以下の粉体を分散させた水、若しくは機能性材料である親油性の液体をO/W型に分散させた水を注入するのが好ましい。
本発明では、親水性の天然高分子と合成樹脂を主材料とする発泡成形体において、機能性材料を分散させた水を注入して水発泡を行うことで、機能性材料をセル壁に添着またはセル内に収容することが可能となる。これにより、ガス透過性を有する発泡成形体において機能性材料の効果をより強く発揮させることが可能となる。
なお、上記機能性材料の効果が向上する理由は、セル壁中に埋没する機能性材料が少なくなって、機能性材料がセル内を通過する空気と接触し易くなるためであり、特に発泡成形体のガス透過性と密接に関連する調湿機能や防虫機能、芳香機能を備えた機能性材料を添加する場合に顕著な効果を奏する。
また、成形時において水発泡を利用して上記機能性材料を添加すれば、水中に分散した機能性材料が気泡造核剤として働くことで、発泡成形体中に微細なセルを均一に形成することも可能となる。そのため、別途造核剤を追加しなくても成形時の発泡性を改善することができる。
しかも、上記機能性材料を、押出成形機のシリンダの中間部位において水と一緒に注入すれば、揮発性を有する機能性材料が気化して投入口側に逆流する心配もなくなるため、機能性材料の歩留りも改善することができる。よって、機能性材料を添加量を抑えて製造コストの低減も図れる。
したがって、本発明により、天然素材を有効に活用して石油資源の無駄使いが抑えられるだけでなく、添加した機能性材料の効果も向上できる高機能発泡成形体、およびこの高機能発泡成形体を低コストかつ高品質に製造できる技術を提供できることから、本発明の実用的利用価値は頗る高い。
本発明の実施例1における高機能発泡成形体の断面を表わす顕微鏡拡大写真である。 本発明の実施例1における機能性材料の添着イメージを表現した概念図である。
次に、本発明を実施するための具体的態様及び好ましい条件について説明する。
[高機能発泡成形体の構成]
まず、本発明の発泡成形体は、主材料である親水性の天然高分子材料と熱可塑性樹脂、及び添加材である機能性材料とを含んで構成する。また、発泡成形体の内側には、直径100〜3000μm程度の微小なセルを無数に形成する(図1参照)。そして発泡成形体には、厚み方向へのガス透過性を付与する。
なお、上記発泡成形体にガス透過性を付与する手段としては、熱可塑性樹樹脂の選択や天然高分子材料と熱可塑性樹脂の割合の調整によって、ガス透過性の高いセル膜を形成する方法と、発泡成形体を連続気泡型に成形する方法とがあるが、機能性材料が液体の場合には、前者の手段を採用するのが好ましい。
また、上記機能性材料については、粉末状のものを使用する場合にはセル壁に添着されるように、また液体状のものを使用する場合にはセル内に収容されるように発泡成形体を形成する。また発泡成形体のセル内は、断熱効果の持続性の観点から発泡ガスでなく空気で満たされていることが望ましい。
一方、上記発泡成形体を、厚みの大きい板状または棒状に成形する場合には、発泡成形体の内側にセルができるだけ均一に形成されるように、直径5〜20mmのストランド状発泡体を所定の断面形状となるように集束して、互いに融着させる構造を採用するのが好ましい。またその場合には、押出成形を採用して融着までを一連に行うのが望ましい。
[親水性の天然高分子]
本発明で使用する親水性の天然高分子としては、デンプンやペクチン、コンニャクマンナン、グアガム、アラビアガムなどの植物多糖、または寒天やカラギーナン、アルギン酸などの海藻多糖などを採用することができる。また他にも、親水性であれば微生物多糖や動物多糖などを使用することもできる。
また、上記親水性の天然高分子については、一つの材料を単独で使用することも複数の材料を混ぜて使用することも可能であるが、どちらを選択する場合でも、デンプンを主成分とすることが好ましい。これは、デンプンのα化(糊化)を利用することで発泡成形体の成形性(発泡性)が良好となるためである。
[熱可塑性樹脂]
本発明で使用する熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂またはポリ塩化ビニル樹脂などを採用することができる。その中でも、コスト面およびリサイクル面を考慮する場合にはポリプロピレン、発泡性を考慮する場合にはポリスチレンを選択するのが好ましい。
[機能性材料]
本発明で使用する機能性材料としては、吸湿機能、防虫機能または芳香機能を有する粉体もしくは液体が好適に採用される。またそれ以外にも、発泡成形体のガス透過性を利用して機能が発揮される材料であれば、例えば、脱臭機能や抗菌機能、防カビ機能を有する材料を使用することもできる。
なお、上記吸湿機能を有する機能性材料としては、紙粉や木粉、竹粉、籾粉、薬草残渣粉などのセルロース系粉体、または多孔質体である炭粉やシリカゲル、珪藻土、ゼオライト、酸化アルミニウムの粉体を使用することができる。そして、これらを添加することで断熱材に求められる調湿効果を付与することができる。
また、上記防虫機能を有する機能性材料には、公知の防虫・防蟻剤を使用することができ、具体的には、ヒノキチオールやホウ酸ナトリウム、ピレスロイド様防蟻剤(シラフルオフェン等)、ピレスロイド系防蟻剤、カーバメイト系防蟻剤、トリアジン系防蟻剤、クロルニコチル系防蟻剤(イミダクロプリド等)などを使用できる。
また更に、上記芳香機能を有する機能性材料には、芳香成分(揮発性成分)を有する薬剤を使用することができ、具体的には、ヒノキチオールや精油(エッセンシャルオイル)などの植物から抽出した天然香料、または天然香料の成分等を人工的に合成した合成香料などを使用することができる。
そしてまた、上記機能性材料に粉体状のものを使用する場合には、図2に示すように機能性材料の粒子がセルの内壁に添着されるように粉体の粒径を調整する必要がある。具体的な数値としては、100〜3000μmのセル径に対し、使用する粉体の平均粒径を1〜500μmとするのが望ましい。
[高機能発泡成形体の製造方法]
次に本発明の発泡成形体を、プラスチック押出成形機を用いて製造する方法について説明する。まず、第一のステップとして、水を含ませた状態の親水性の天然高分子材料と熱可塑性樹脂をホッパーから投入し、これらをシリンダ内で加熱しながらスクリューによって混練する。なお、この時点では水が蒸発する加熱・圧力条件であっても構わない。
そして次に、第二のステップとして、上記第一のステップで混練した材料に、機能性材料を分散させた水あるいは機能性材料を溶解させた水を、水が蒸発しない加熱・圧力条件下で注入する。これは、注入した水がすぐに蒸発して注入管内の水が逆流する危険を防止するためである。
その後、第三のステップとして、上記第二のステップで注入した水と混練材料とを加熱しながら高圧力化で再度混練する。そして最後に、第四のステップとして、上記第三のステップで混練した材料を、押出ダイスのノズルから外部に押し出し、大気圧下で水を蒸発させて材料を発泡させる。
なお、上記第四のステップにおいて、混練材料を複数のノズルからストランド状に押出成形する場合には、冷めて固まらない内にこれらを収束して全体を軽くプレスすることにより、ストランド状発泡体同士を融着させて、発泡成形体を所定の断面形状の板状または棒状に成形することができる。
もちろん、発泡成形体を板状に成形する場合には、Tダイを用いた押出成形も採用できる。また、より機能性に優れた発泡成形体を得るには、上記第二のステップにおいて、機能性材料である平均粒径500μm以下の粉体を分散させた水、若しくは機能性材料である親油性の液体をO/W型に分散させた水(エマルジョン)を注入するのが好ましい。
[親水性天然高分子、熱可塑性樹脂、機能性材料および水の配合割合]
本発明の高機能発泡成形体を製造する方法として、上記発泡剤に水を用いた押出成形法を採用する場合には、材料である親水性天然高分子、熱可塑性樹脂、機能性材料および水の配合割合を、重量比で25〜45:25〜55:15〜25:1〜10とするのが好ましい。なお、機能性材料の量が多い場合には、一部をホッパーから投入することもできる。
『効果の実証試験』
以下に説明する実施例1〜7及び比較例A,Bの発泡成形体で、本発明の効果の実証試験を行った。なお本試験では、ポリプロピレンにプライムポリマー社のプライムポリプロ(登録商標)、ポリエチレンにプライムポリマー社のハイゼックス(登録商標)、ポリスチレンにPSジャパン社のPSJポリスチレン(登録商標)を使用した。
また本試験では、上記合成樹脂材料に加え、ポリプロピレン(50%)及びポリエチレン(50%)から成るR-PO(再利用ポリオレフィン)を熱可塑性樹脂として使用した。また、紙粉には平均粒径30〜200μmの粉体、木粉には平均粒径50〜500μmの粉体、炭粉には平均粒径5〜500μmの粉体を使用した。また防蟻剤には、ホウ酸ナトリウム(エコパウダー社のエコボロンPRO(製品名))を使用した。
「実施例1」
この実施例1では、材料にデンプン(30wt%)、R-PO(5wt%)、ポリプロピレン(40wt%)、紙粉(17wt%)、木粉(5wt%)、水(3wt%)を使用し、これらの材料を混練したものを水発泡で押出成形して発泡成形体を作製した。その結果、発泡倍率の大きい平均セル径600μm、比重0.0262g/cm3の発泡成形体が得られた。
また、上記発泡成形体の断面構造について調べたところ、比較的サイズの揃ったセルが均一に分散して形成されていることが分かった。また、上記発泡成形体が、調湿機能及び表面が平滑な木質感を有する外観を有していることも確認できた。なお、本実施例では、機能性材料である紙粉の一部をホッパーから投入した。
「実施例2」
この実施例2では、上記実施例1のポリプロピレン(40wt%)をポリエチレン(40wt%)に替えて発泡成形体を作製した。その結果、平均セル径600μm、比重0.0312g/cm3の柔らかい質感の発泡成形体が得られた。なお、発泡成形体の機能については、実施例1と同様の調湿効果が認められ。外観も良好であった。
「実施例3」
この実施例3では、材料にデンプン(35wt%)、ポリスチレン(45wt%)、紙粉(17wt%)、水(3wt%)を使用して発泡成形体を作製した。その結果、平均セル径600μm、比重0.0356g/cm3の固めの質感の発泡成形体が得られた。なお、発泡成形体の機能ついては、実施例1と同様の調湿効果が認められ、外観も良好であった。
「実施例4」
この実施例4では、材料にデンプン(32wt%)、R-PO(4.5wt%)、ポリプロピレン(43wt%)、紙粉(16.5wt%)、炭粉(1.5wt%)、水(2.5wt%)を使用して発泡成形体を作製した。その結果、平均セル径600μm、比重0.0291g/cm3の発泡成形体が得られた。なお、発泡成形体の機能については、調湿効果が認められ、外観も黒色で良好であった。
「実施例5」
この実施例5では、材料にデンプン(35wt%)、R-PO(4.5wt%)、ポリプロピレン(37.5wt%)、紙粉(18.5wt%)、防蟻剤(1wt%)、水(3.5wt%)を使用して発泡成形体を作製した。その結果、平均セル径600μm、比重0.0326g/cm3の発泡成形体が得られた。なお、発泡成形体の機能については、防蟻効果が認められ、外観も良好であった。
「実施例6」
この実施例6では、材料にデンプン(35wt%)、R-PO(5wt%)、ポリプロピレン(40wt%)、紙粉(17.5wt%)、ヒノキチオール(0.5wt%)、水(2wt%)を使用して発泡成形体を作製した。その結果、平均セル径600μm、比重0.0321g/cm3の発泡成形体が得られた。なお発泡成形体の機能については、ヒノキの芳香効果が認められ、外観も良好であった。
また、上記芳香剤として添加したヒノキチオールは、防虫・防蟻剤でもあるため、発泡成形体には防虫・防蟻機能も付与されていると考えられる。また、ヒノキチオールは水に溶け難い非水溶性の抽出液であるため、本実施例では発泡剤である水に分散させてエマルジョンの状態で添加した。
「実施例7」
この実施例7では、材料にデンプン(35wt%)、R-PO(5wt%)、ポリプロピレン(40wt%)、紙粉(16.5wt%)、木粉(5wt%)、ヒノキチオール(1wt%)、水(2wt%)を使用して発泡成形体を作製した。その結果、平均セル径600μm、比重0.0265g/cm3の発泡成形体が得られた。なお発泡成形体の機能については、ヒノキの芳香効果および調湿効果が認められ、外観も良好であった。
「比較例A」
この比較例Aでは、材料にデンプン(25wt%)、R-PO(5wt%)、ポリプロピレン(40wt%)、紙粉(15wt%)、木粉(5wt%)、化学発泡剤(10wt%)を使用して、発泡成形体を水発泡を採用せずに作製した。その結果、平均セル径2000μm、比重0.0587g/cm3の発泡成形体が得られたが、膨らみが弱く(発泡倍率が低く)セルも粗くなった。
「比較例B」
この比較例Bでは、材料に親水性天然高分子を使用せずに、R-PO(30wt%)、ポリプロピレン(40wt%)、紙粉(20wt%)、木粉(5wt%)、水(5wt%)を使用して発泡成形体を作製した。その結果、平均セル径1500μmおよび比重0.245g/cm3の発泡成形体が得られたが、発泡倍率が比較例Aよりも更に低くセルも粗くなった。
[実証試験の総括]
上記試験結果の内容をまとめたものを以下の[表1]に示す。この[表1]を見ても分かるように、本発明の構成および製造方法を採用することによって、発泡成形体の成形性を向上できるだけでなく、発泡成形体に優れた調湿機能、防蟻機能、芳香機能を付与することが可能となる。
本発明は、概ね上記のように構成されるが、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、高機能発泡成形体の用途は、建築用断熱材に限らず発泡樹脂材料が使用される包装用の緩衝材やベルメットの衝撃吸収部材、救命胴衣等の浮力材に使用することもでき、何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
近年、様々なタイプの建築用断熱材が市場に出回っているが、調湿・防蟻・芳香機能などを備えたより付加価値の高い製品が要望されている。そのような中で、本発明は、少量の添加剤を付与するだけで断熱材に優れた機能を付与することができ、しかも、石油使用量も抑えられる環境に優しい技術であることから、その産業上の利用価値は非常に高い。
A 機能性材料
S セル壁

Claims (9)

  1. 発泡剤として水を用いて成形されたガス透過性を有する発泡成形体であって、
    親水性の天然高分子材料と;成形時に天然高分子材料と混練される熱可塑性樹脂と;発泡成形体のガス透過性を利用して所要の機能が発揮される機能性材料とを含んで成り、
    更に前記機能性材料が、セル壁に添着またはセル内に収容されていることを特徴とする高機能発泡成形体。
  2. 機能性材料が調湿機能、防虫機能、芳香機能または脱臭機能を有していることを特徴とする請求項1記載の高機能発泡成形体。
  3. 親水性の天然高分子材料の主成分がデンプンであることを特徴とする請求項1または2に記載の高機能発泡成形体。
  4. 機能性材料としてセルロース系粉体が使用されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の高機能発泡成形体。
  5. 機能性材料が揮発性成分を有していることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の高機能発泡成形体。
  6. 所定の断面形状となるように集束された複数のストランド状発泡体が互いに融着した構造であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の高機能発泡成形体。
  7. プラスチック押出成形機を用いた発泡成形体の製造方法であって、
    ホッパーから投入された親水性の天然高分子材料と熱可塑性樹脂を、シリンダ内で加熱しながら混練する第一のステップと;この第一のステップで混練された材料に、機能性材料の分散した水あるいは機能性材料が溶解した水を、当該水が蒸発しない条件下で注入する第二のステップと;この第二のステップで注入された水と混練材料とを加熱しながら高圧力化で再度混練する第三のステップと;この第三のステップで混練された材料を、押出ダイスのノズルから外部に押し出し、大気圧下で水を蒸発させて材料を発泡せしめる第四のステップとを含むことを特徴とする高機能発泡成形体の製造方法。
  8. 第二のステップにおいて、機能性材料である平均粒径500μm以下の粉体を分散させた水を注入することを特徴とする請求項7記載の高機能発泡成形体の製造方法。
  9. 第二のステップにおいて、機能性材料である親油性の液体をO/W型に分散させた水を注入することを特徴とする請求項7記載の高機能発泡成形体の製造方法。
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