JP2014005319A - 熱伝導性粘着組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱伝導性に優れながら、剪断ずれが低減された熱伝導性粘着組成物を提供すること。
【解決手段】熱伝導性粘着組成物は、高重合体および低重合体を含有し、低重合体の含有割合が、高重合体および低重合体の総量に対して、1〜38質量%であり、低重合体のガラス転移温度が20〜150℃であり、低重合体の重量平均分子量が、6.0×102〜5.0×104である、粘着成分と、熱伝導性粒子とを含有し、熱伝導率が、0.3W/m・K以上である。
【選択図】なし
【解決手段】熱伝導性粘着組成物は、高重合体および低重合体を含有し、低重合体の含有割合が、高重合体および低重合体の総量に対して、1〜38質量%であり、低重合体のガラス転移温度が20〜150℃であり、低重合体の重量平均分子量が、6.0×102〜5.0×104である、粘着成分と、熱伝導性粒子とを含有し、熱伝導率が、0.3W/m・K以上である。
【選択図】なし
Description
本発明は、熱伝導性粘着組成物、詳しくは、熱伝導性および粘着性の両方が必要とされる産業分野に用いられる熱伝導性粘着組成物に関する。
従来、熱伝導性粘着組成物においては、アクリル系粘着剤中に熱伝導性のフィラーを含有させることにより、ベースとなる粘着剤に比べて熱伝導性を向上させることが、知られている。
例えば、アクリル系ポリマーと、熱伝導性フィラー(例えば、酸化アルミニウム)とを含有する、熱伝導性難燃性感圧接着剤が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の熱伝導性難燃性感圧接着剤は、高い接着性を維持しながら、十分な熱伝導性を有する。
しかるに、熱伝導性粘着組成物をシート状に成形することにより得られる熱伝導性粘着シートには、面方向におけるずれ(剪断ずれ)を低下させつつ、優れた熱伝導性を得ることが求められている。
しかしながら、特許文献1に記載の熱伝導性難燃性感圧接着剤では、剪断ずれを低下させるべく、熱伝導性フィラーの含有割合を小さくすれば、熱伝導性が低下するという不具合がある。
一方、特許文献1に記載の熱伝導性難燃性感圧接着剤では、優れた熱伝導性を得るべく、熱伝導性フィラーの含有割合を大きくすれば、剪断ずれが大きくなるという不具合がある。
本発明の目的は、熱伝導性に優れながら、剪断ずれが低減された熱伝導性粘着組成物を提供することにある。
上記した目的を達成するため、本発明の熱伝導性粘着組成物は、高重合体および低重合体を含有し、前記低重合体の含有割合が、前記高重合体および前記低重合体の総量に対して、1〜38質量%であり、前記低重合体のガラス転移温度が20〜150℃であり、前記低重合体の重量平均分子量が6.0×102〜5.0×104である、粘着成分と、熱伝導性粒子とを含有し、熱伝導率が、0.3W/m・K以上であることを特徴としている。
また、本発明の熱伝導性粘着組成物では、前記熱伝導性粒子の含有割合が、前記粘着成分100質量部に対して、100〜1000質量部であることが好適である。
また、本発明の熱伝導性粘着組成物では、下記試験により測定される剪断ずれが、1.5mm/時間以下であることが好適である。
剪断ずれ:厚み12μmのポリエステルフィルムからなる基材と、前記基材の両面に積層され、熱伝導性粘着組成物を厚み119μmのシート状に成形することにより得られる2つの熱伝導性粘着層とを備える熱伝導性粘着シートを、20mm×10mmの大きさに裁断した後、前記熱伝導性粘着シートの厚み方向に垂直な面のうちの一方面を厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる裏打ち材に貼着し、次いで、23℃、50%RH環境下で、前記熱伝導性粘着シートの厚み方向に垂直な面のうちの他方面の上端部10mm×10mmの部分を、ステンレス板の下端部に貼着し、その後、80℃環境下で、30分間、静置して貼着状態を安定させた後、前記ステンレス板の上端部を固定して、前記熱伝導性粘着シートの下端部に300gのおもりを取り付け、前記熱伝導性粘着シートを80℃の条件で垂下する。その後、80℃環境下で、1時間放置させたときの、前記熱伝導性粘着シートの前記ステンレス板に対するずれ量を剪断ずれとして測定する。
また、本発明の熱伝導性粘着組成物では、下記試験により測定される剥離接着力が、5N/20mm以上であることが好適である。
剥離接着力:厚み12μmのポリエステルフィルムからなる基材と、前記基材の両面に積層され、熱伝導性粘着組成物を厚み119μmのシート状に成形することにより得られる2つの熱伝導性粘着層とを備える熱伝導性粘着シートを幅20mmに加工して、前記熱伝導性粘着シートをアルミニウム板に接着した後、前記アルミニウム板に対して剥離角度90度で剥離速度300mm/分で前記熱伝導性粘着シートを剥離したときの、剥離強度を剥離接着力として測定する。
また、本発明の熱伝導性粘着組成物では、熱抵抗値が、10cm2・K/W未満であることが好適である。
本発明の熱伝導性粘着組成物は、高重合体および特定の低重合体を含有する粘着成分と、熱伝導性粒子とを含有し、熱伝導率が、特定値以上であるので、熱伝導性に優れながら、剪断ずれが低減されている。
そのため、高い熱伝導性および低い剪断ずれが必要とされる各種分野に好適に用いられる。
本発明の熱伝導性粘着組成物は、粘着成分と、熱伝導性粒子とを含有する。
本発明において、粘着成分は、高重合体および低重合体を含有する。
高重合体は、重合度が、例えば、100以上、好ましくは、1000以上であり、また、例えば、100000以下でもある、単量体の重合体である。
単量体としては、例えば、必須成分として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体が挙げられ、任意成分として、極性基含有単量体、多官能単量体、これらの単量体と共重合可能な共重合可能単量体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体としては、メタクリル酸アルキルエステル系単量体および/またはアクリル酸アルキルエステル系単量体であって、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの、アルキル部分が、直鎖状または分岐状のC1−20のアルキル基である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体のうち、特に接着特性のバランスを取り易いという点から、好ましくは、(メタ)アクリル酸C2−12アルキルエステル、より好ましくは、(メタ)アクリル酸C4−9アルキルエステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体は、単量体中に、例えば、60質量%以上、好ましくは、80質量%以上、例えば、99質量%以下の割合で配合される。
極性基含有単量体としては、例えば、窒素含有単量体、水酸基含有単量体、スルホ基含有単量体、窒素・水酸基併有単量体、窒素・スルホ基併有単量体、水酸基・リン酸基併有単量体、カルボキシル基含有単量体などが挙げられる。
窒素含有単量体としては、例えば、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリジンなどの環状(メタ)アクリルアミド、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド(例えば、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミドなどのN−アルキル(メタ)アクリルアミド、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(t−ブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド)などの非環状(メタ)アクリルアミド、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−モルホリノン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−1,3−オキサジン−2−オン、N−ビニル−3,5−モルホリンジオンなどのN−ビニル環状アミド、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有単量体、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド骨格含有単量体、例えば、N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミドなどのイタコンイミド系単量体などが挙げられる。
水酸基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルなどが挙げられる。
スルホ基含有単量体としては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などが挙げられる。
窒素・水酸基併有単量体としては、例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド(HEAA/HEMA)、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(1−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
窒素・スルホ基併有単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸などが挙げられる。
水酸基・リン酸基併有単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェートなどが挙げられる。
カルボキシル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などが挙げられる。また、カルボキシル基含有単量体として、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのカルボン酸無水物も挙げられる。
これらの極性基含有単量体のうち、熱伝導性粘着組成物に高い接着性と保持力とを付与するという点から、好ましくは、窒素含有単量体、窒素・水酸基含有単量体が挙げられ、より好ましくは、NVP、HEAA/HEMAが挙げられる。
極性基含有単量体は、単量体中に、例えば、5質量%以上、好ましくは、5〜30質量%、より好ましくは、5〜25質量%の割合で配合される。極性基含有単量体の配合割合が上記範囲内であると、熱伝導性粘着組成物に良好な接着性と保持力とを付与することができる。
多官能単量体は、エチレン系不飽和炭化水素基を複数有する単量体であって、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジブチル(メタ)アクリレート、ヘキシジル(メタ)アクリレートなどの2官能以上の多官能単量体が挙げられる。
好ましくは、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの4官能以上の多官能単量体が挙げられる。
多官能単量体は、単量体中に、例えば、2質量%以下、好ましくは、0.01〜2質量%、より好ましくは、0.02〜1質量%の割合で配合される。多官能単量体の配合割合が上記範囲内であると、熱伝導性粘着組成物の接着力を向上させることができる。
共重合可能単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有単量体、例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのアルコキシ基含有単量体、例えば、(メタ)アクリル酸ナトリウムなどの(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含有単量体、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのα−オレフィン、例えば、2−イソシアナートエチルアクリレート、2−イソシアナートエチルメタクリレートなどのイソシアネート基含有単量体、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系単量体、例えば、アルキルビニルエーテルなどのビニルエーテル系単量体、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどの複素環含有(メタ)アクリル酸エステル、例えば、フルオロアルキル(メタ)アクリレートなどのハロゲン原子含有単量体、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基含有単量体、例えば、(メタ)アクリル基含有シリコーンなどのシロキサン骨格含有単量体、例えば、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂環式炭化水素基含有(メタ)アクリレート(C3−20の環状アルキル基である(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、好ましくは、(メタ)アクリル酸C5−7シクロアルキルエステル)、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸フェノキシジエチレングリコールなどの芳香族炭化水素基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの共重合可能単量体のうち、好ましくは、アルコキシ基含有単量体、より好ましくは、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルが挙げられる。アルコキシ基含有単量体を配合することで、熱伝導性粘着組成物の被着体に対する密着性を向上させることができ、被着体からの熱を効率よく伝導させることができる。
共重合可能単量体は、単量体中に、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下の割合で配合される。
これらの単量体は、単独(1種類のみ)で使用することもでき、また、2種以上組み合わせて使用することもできる。
高重合体は、上記した単量体を重合させること(後述)により得られる。
高重合体の重量平均分子量は、例えば、5.0×104を超過し、好ましくは、1.0×105以上、より好ましくは、1.0×106以上であり、また、例えば、1.0×108以下でもある。高重合体の重量平均分子量は、後述する実施例に記載の測定方法によって求められる。
また、高重合体のガラス転移温度は、例えば、20℃未満であり、好ましくは、0℃以下であり、また、例えば、−80℃以上でもある。
高重合体のガラス転移温度は、後述する低重合体のガラス転移温度と同様の方法によって、求められる。
高重合体の含有割合は、粘着成分に対して、例えば、62〜99質量%であり、好ましくは、62.5〜97.5質量%、より好ましくは、65〜95質量%、さらに好ましくは、70〜90質量%である。
低重合体は、重合度が、例えば、1000未満、好ましくは、100未満であり、また、また、例えば、2以上でもある、単量体の重合体である。
単量体としては、上記した高重合体で例示した単量体が挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル系単量体で例示した脂環式炭化水素基含有(メタ)アクリレートとして、上記例示以外にも、橋かけ環構造を有する脂環式炭化水素基含有(メタ)アクリレートなども挙げられる。
橋かけ環構造は、3環以上の脂環式構造を有しており、そのような橋かけ環構造を有する脂環式炭化水素基としては、例えば、下記式(a)で表されるジシクロペンタニル基、下記式(b)で表されるジシクロペンテニル基、下記式(c)で表されるアダマンチル基、下記式(d)で表されるトリシクロペンタニル基、下記式(e)で表されるトリシクロペンテニル基などが挙げられる。
また、脂環式炭化水素基は、例えば、一部の水素原子が、オキシエチルなどのオキシアルキル基などによって置換されていてもよい。
橋かけ環構造を有する脂環式炭化水素基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
単量体は、単独使用または互いに種類が異なる複数種類を併用することができる。
単量体として、好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル系単量体、極性基含有単量体が挙げられる。
単量体が単独使用される場合には、具体的には,例えば、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル系単量体の単独使用、カルボキシル基含有単量体の単独使用が挙げられる。
単量体が互いに種類が異なる複数種類の単量体の組合せである場合には、具体的には、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル系単量体および(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体の組合せ、種類が異なる2種類の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル系単量体の組合せ、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル系単量体および極性基含有単量体(具体的には、窒素含有単量体、水酸基含有単量体、カルボキシル基含有単量体)の組合せが挙げられる。
単量体として、より好ましくは、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル系単量体および(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体の組合せが挙げられ、さらに好ましくは、(メタ)アクリル酸C5−7シクロアルキルエステルおよび(メタ)アクリル酸C4−9アルキルエステルの組合せが挙げられ、さらに好ましくは、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルおよび(メタ)アクリル酸イソブチルの組合せが挙げられる。
(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル系単量体および(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体が組み合わされる場合において、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体の含有割合は、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル系単量体100質量部に対して、例えば、10〜400質量部、好ましくは、30〜200質量部である。
具体的に、重合体として、例えば、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)およびイソブチルメタクリレート(IBMA)の共重合体、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)およびイソボルニルメタクリレート(IBXMA)の共重合体、イソボルニルメタクリレート(IBXMA)およびメチルメタクリレート(MMA)の共重合体、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)およびアクリロイルモルホリン(ACMO)の共重合体、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)およびN,N−ジエチルアクリルアミド(DEAA)の共重合体、1−アダマンチルアクリレート(ADA)およびメチルメタクリレート(MMA)の共重合体、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)およびイソボルニルメタクリレート(IBXMA)の共重合体、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)およびメチルメタクリレート(MMA)の共重合体、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)およびN−ビニル−2−ピロリドン(NVP)の共重合体、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)およびヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)の共重合体、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)およびアクリル酸(AA)の共重合体、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)の単独重合体、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)の単独重合体、イソボルニルメタクリレート(IBXMA)の単独重合体、イソボルニルアクリレート(IBXA)の単独重合体、ジシクロペンタニルアクリレート(DCPA)の単独重合体、1−アダマンチルメタクリレート(ADMA)の単独重合体、1−アダマンチルアクリレート(ADA)の単独重合体、メチルメタクリレート(MMA)の単独重合体などが挙げられる。好ましくは、CHMAおよびIBMAの共重合体が挙げられる。
低重合体は、上記した単量体を、溶液重合法、バルク重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法などによって、得られる。好ましくは、塊状重合法が採用される。
また、低重合体は、上記した単量体と連鎖移動剤とを配合して、重合開始剤の存在下、上記した重合法により得られる。
連鎖移動剤は、低重合体の分子量を調整するために単量体と併用され、具体的には、例えば、オクチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、チオグリセロールなどのチオール化合物、例えば、チオグリコール酸などのチオグリコール酸化合物、例えば、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸t−ブチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸デシル、チオグリコール酸ドデシル、エチレングリコールのチオグリコール酸エステル、ネオペンチルグリコールのチオグリコール酸エステル、ペンタエリスリトールのチオグリコール酸エステルなどのチオグリコール酸エステル化合物、例えば、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。
連鎖移動剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
好ましくは、チオグリコール酸が挙げられる。
連鎖移動剤の配合割合は、単量体100質量部に対して、例えば、0.1〜20質量部、好ましくは、0.2〜15質量部、より好ましくは、0.3〜10質量部である。
重合開始剤として、上記で例示した重合開始剤と同様のものが挙げられ、好ましくは、熱重合開始剤、より好ましくは、過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤は、単独使用または併用することができる。
重合開始剤の配合割合は、単量体100質量部に対して、例えば、0.001〜5質量部、好ましくは、0.01〜3質量部である。
重合開始剤として熱重合開始剤が用いられる場合には、重合条件として、加熱温度が、例えば、50〜200℃であり、加熱時間が、例えば、30分間〜10時間である。
また、低重合体は、市販品を用いることができ、例えば、EBECRYLシリーズ(ダイセル・サイテック社製)なども用いられる。
低重合体の重量平均分子量は、6.0×102〜5.0×104であり、好ましくは、1.0×103〜2.0×104、より好ましくは、2.0×103〜1.0×104である。
低重合体の重量平均分子量が上記範囲内にあれば、熱伝導性粘着組成物の剥離接着力(後述)および剪断ずれ(後述)を向上させることができる。
低重合体の重量平均分子量は、後述する実施例に記載の測定方法によって求められる。
また、低重合体のガラス転移温度は、20〜150℃であり、好ましくは、30〜140℃、より好ましくは、35〜130℃である。
低重合体のガラス転移温度は、低重合体が共重合体の場合には、下記式(1)(Fox式)に基づいて計算される値である。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn (1)
[式中、Tgは共重合体のガラス転移温度(単位:K)、
Tgi(i=1、2、・・・n)は、単量体iが単独重合体を形成するときのガラス転移温度(単位:K)、
Wi(i=1、2、・・・n)は、単量体iの全単量体中の質量分率を表す。]
あるいは、単量体iから調製される低重合体のガラス転移温度Tgiは、文献(例えば、ポリマーハンドブック、粘着ハンドブックなど)、カタログなどに記載された公称値である。
[式中、Tgは共重合体のガラス転移温度(単位:K)、
Tgi(i=1、2、・・・n)は、単量体iが単独重合体を形成するときのガラス転移温度(単位:K)、
Wi(i=1、2、・・・n)は、単量体iの全単量体中の質量分率を表す。]
あるいは、単量体iから調製される低重合体のガラス転移温度Tgiは、文献(例えば、ポリマーハンドブック、粘着ハンドブックなど)、カタログなどに記載された公称値である。
表1に単量体の組成に基づく低重合体のガラス転移温度(Tg)を、列記する。
表中の略語は以下の化合物を示す。
DCPMA:ジシクロペンタニルメタクリレート
DCPA:ジシクロペンタニルアクリレート
IBXMA:イソボルニルメタクリレート
IBXA:イソボルニルアクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
CHA:シクロヘキシルアクリレート
IBMA:イソブチルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
ADMA:1―アダマンチルメタクリレート
ADA:1―アダマンチルアクリレート
NVP:N−ビニル−2−ピロリドン
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート
低重合体のガラス転移温度が上記上限以下であれば、貼り付け性を向上させることができ、また、上記下限以上であれば、剪断ずれを低減させることができる。
DCPMA:ジシクロペンタニルメタクリレート
DCPA:ジシクロペンタニルアクリレート
IBXMA:イソボルニルメタクリレート
IBXA:イソボルニルアクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
CHA:シクロヘキシルアクリレート
IBMA:イソブチルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
ADMA:1―アダマンチルメタクリレート
ADA:1―アダマンチルアクリレート
NVP:N−ビニル−2−ピロリドン
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート
低重合体のガラス転移温度が上記上限以下であれば、貼り付け性を向上させることができ、また、上記下限以上であれば、剪断ずれを低減させることができる。
低重合体の含有割合は、粘着成分(つまり、高重合体および低重合体の総量)に対して、1〜38質量%であり、好ましくは、2.5〜37.5質量%、より好ましくは、5〜35質量%、さらに好ましくは、10〜30質量%である。
低重合体の含有割合が上記上限以下であれば、剪断ずれを低減させることできる。一方、低重合体の含有割合が上記下限以上であれば、剥離接着力を向上させることができる。
粘着成分の含有割合は、熱伝導性粘着組成物に対して、例えば、1〜50質量%、好ましくは、10〜40質量%である。
熱伝導性粒子は、熱伝導性材料から粒子状に形成されており、そのような熱伝導性材料としては、例えば、水和金属化合物が挙げられる。
水和金属化合物は、分解開始温度が150〜500℃の範囲であり、一般式MxOy・nH2O(Mは金属原子、x,yは金属の原子価によって定まる1以上の整数、nは含有結晶水の数)で表される化合物または上記化合物を含む複塩である。
水和金属化合物としては、例えば、水酸化アルミニウム[Al2O3・3H2O;またはAl(OH)3]、ベーマイト[Al2O3・H2O;またはAlOOH]、水酸化マグネシウム[MgO・H2O;またはMg(OH)2]、水酸化カルシウム[CaO・H2O;またはCa(OH)2]、水酸化亜鉛[Zn(OH)2]、珪酸[H4SiO4;またはH2SiO3;またはH2Si2O5]、水酸化鉄[Fe2O3・H2Oまたは2FeO(OH)]、水酸化銅[Cu(OH)2]、水酸化バリウム[BaO・H2O;またはBaO・9H2O]、酸化ジルコニウム水和物[ZrO・nH2O]、酸化スズ水和物[SnO・H2O]、塩基性炭酸マグネシウム[3MgCO3・Mg(OH)2・3H2O]、ハイドロタルサイト[6MgO・Al2O3・H2O]、ドウソナイト[Na2CO3・Al2O3・nH2O]、硼砂[Na2O・B2O5・5H2O]、ホウ酸亜鉛[2ZnO・3B2O5・3.5H2O]などを挙げることができる。
また、熱伝導性材料としては、上記した水和金属化合物の他に、例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ガリウム、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化銅、酸化ニッケル、アンチモン酸ドープ酸化スズ、炭酸カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、銅、銀、金、ニッケル、アルミニウム、白金、カーボン(ダイヤモンドを含む)なども挙げられる。
熱伝導性材料として、好ましくは、熱伝導性粘着組成物に高い熱伝導性と難燃性とを付与するという理由から、水和金属化合物、より好ましくは、水酸化アルミニウムが挙げられる。
熱伝導性粒子の形状は、粒子状(粉末状)であれば特に限定されず、例えば、バルク状、針形状、板形状、層状であってもよい。バルク形状には、例えば、球形状、直方体形状、破砕状またはそれらの異形形状が含まれる。
熱伝導性粒子のサイズは、特に限定されず、例えば、1次平均粒子径として、例えば、0.1〜1000μm、好ましくは、0.5〜200μm、より好ましくは、0.7〜100μm、さらに好ましくは、1〜80μmである。熱伝導性粒子の1次粒子径は、レーザー散乱法における粒度分布測定法によって測定された粒度分布に基づいて、体積基準の平均粒子径、より具体的には、D50値(累積50%メジアン径)として求められる。
これら熱伝導性粒子は、市販されており、例えば、水酸化アルミニウムからなる熱伝導性粒子として、商品名「ハイジライトH−100−ME」(昭和電工社製)、商品名「ハイジライトH−10」(昭和電工社製)、商品名「ハイジライトH−32」(昭和電工社製)、商品名「ハイジライトH−31」(昭和電工社製)、商品名「ハイジライトH−42」(昭和電工社製)、商品名「ハイジライトH−43M」(昭和電工社製)、商品名「B103ST」(日本軽金属社製)などが挙げられ、例えば、水酸化マグネシウムからなる熱伝導性粒子として、商品名「KISUMA 5A」(協和化学工業社製)などが挙げられる。
また、窒化ホウ素からなる熱伝導性粒子として、商品名「HP−40」(水島合金鉄社製)、商品名「PT620」(モメンティブ社製)などが挙げられ、例えば、酸化アルミニウムからなる熱伝導性粒子として、商品名「AS−50」(昭和電工社製)、商品名「AS−10」(昭和電工社製)などが挙げられ、例えば、アンチモン酸ドープ酸化スズからなる熱伝導性粒子として、商品名「SN−100S」(石原産業社製)、商品名「SN−100P」(石原産業社製)、商品名「SN−100D(水分散品)」(石原産業社製)などが挙げられ、例えば、酸化チタンとしてからなる熱伝導性粒子として、商品名「TTOシリーズ」(石原産業社製)などが挙げられ、例えば、酸化亜鉛からなる熱伝導性粒子として、商品名「SnO−310」(住友大阪セメント社製)、商品名「SnO−350」(住友大阪セメント社製)、商品名「SnO−410」(住友大阪セメント社製)などが挙げられる。
これらの熱伝導性粒子は、単独使用または併用することができる。
熱伝導性粒子の含有割合は、粘着成分100質量部に対して、例えば、100〜1000質量部、好ましくは、110〜900質量部、より好ましくは、150〜700質量部、さらに好ましくは、200〜400質量部である。
また、熱伝導性粒子の含有割合は、熱伝導性粘着組成物に対して、例えば、55質量%以上、好ましくは、60質量%以上、より好ましくは、65質量%以上であり、例えば、90質量%以下でもある。
熱伝導性粒子の配合割合が上記範囲内であると、熱伝導性粘着組成物に優れた熱伝導性と優れた接着(粘着)性とを付与することができる。
次に、熱伝導性粘着組成物を製造する方法について説明する。
熱伝導性粘着組成物を製造するには、例えば、高重合体および低重合体を配合して、粘着成分を調製し、調製した粘着成分と熱伝導性粒子とを配合する。また、高重合体、低重合体および熱伝導性粒子を一度に配合することもできる。
さらには、高重合体を形成するための単量体を含有する単量体組成物と、低重合体および熱伝導性粒子とを配合した後、単量体を重合させることもできる。
好ましくは、単量体組成物と、低重合体および熱伝導性粒子とを配合した後、単量体を重合させる。
単量体組成物を調製するには、まず、上記した単量体に重合開始剤を配合する。
重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤、熱重合開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、アニソールメチルエーテルなどが挙げられる。
アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−(t−ブチル)ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。
α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。
芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。
光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。
ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインなどが挙げられる。
ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3、3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、デシルチオキサントンなどが挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4′−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)ヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレートなどのアゾ系重合開始剤、例えば、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルマレエート、ジ−t−t−ヘキシルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素などの過酸化物系重合開始剤、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、例えば、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組み合わせなどのレドックス系重合開始剤などが挙げられる。
これらの重合開始剤は、単独(1種類のみ)で使用することもでき、また、2種以上組み合わせて使用することもできる。
これらの重合開始剤のうち、重合時間を短くすることができる利点などから、好ましくは、光重合開始剤が挙げられる。より好ましくは、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤として光重合開始剤を配合する場合には、光重合開始剤は、例えば、単量体100質量部に対して、例えば、0.01〜5質量部、好ましくは、0.05〜3質量部の割合で配合される。
また、重合開始剤として熱重合開始剤を配合する場合には、熱重合開始剤は、特に限定されず、利用可能な割合で配合される。
次いで、単量体組成物を調製するには、必要により、単量体の一部を重合させる。
単量体の一部を重合させるには、光重合開始剤を配合している場合には、単量体と光重合開始剤との混合物に紫外線を照射する。紫外線を照射するには、光重合開始剤が励起されるような照射エネルギーで、単量体組成物の粘度(BH粘度計、No.5ロータ、10rpm、測定温度30℃)が、例えば、5〜30Pa・s、好ましくは、10〜20Pa・sになるまで、照射する。
また、熱重合開始剤を配合している場合には、単量体と熱重合開始剤との混合物を、例えば、熱重合開始剤の分解温度以上、具体的には、20〜100℃程度の重合温度で、光重合開始剤を配合している場合と同様に、単量体組成物の粘度(BH粘度計、No.5ロータ、10rpm、測定温度30℃)が、例えば、5〜30Pa・s、好ましくは、10〜20Pa・sになるまで加熱する。
なお、単量体の一部を重合させて単量体組成物を調製する場合には、まず、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体、極性基含有単量体および共重合可能単量体から選択される単量体(第1の単量体)と、重合開始剤とを配合して、上記したように、単量体(第1の単量体)の一部を重合させ、その後、次に述べる低重合体の配合時に、多官能単量体(第2の単量体)を配合することもできる。
第2の単量体の含有割合は、第1の単量体100質量部に対して、例えば、0.001〜10質量部、好ましくは、0.01〜1質量部である。
これにより、単量体組成物が調製される。
なお、単量体組成物は、単量体の一部が重合した場合には、上記した粘度を有するシロップとして調製される。
この方法では、次いで、調製した単量体組成物に、低重合体および熱伝導性粒子を配合する。
すなわち、低重合体および熱伝導性粒子を、上記した配合割合となるように、単量体組成物に配合する。好ましくは、低重合体および熱伝導性粒子を、順次、単量体組成物に配合する。
これにより、単量体組成物、低重合体および熱伝導性粒子を含有する熱伝導性粘着剤原料を調製する。
なお、低重合体、単量体組成物および/または熱伝導性粘着剤原料には、必要により、分散剤(例えば、ノニオン性界面活性剤など)、粘着付与剤、シランカップリング剤、可塑剤、充填材、老化防止剤、着色剤などの添加剤を適宜の割合で配合することもできる。
また、低重合体、熱伝導性粒子および/または添加剤などは、有機溶剤などの溶媒中に分散または溶解した状態で、単量体組成物および/または熱伝導性粘着剤原料に配合することができる。
得られた熱伝導性粘着剤原料の粘度(BM粘度計、No.4ロータ、12rpm、測定温度23℃)は、例えば、50Pa・s以下、好ましくは、5〜40Pa・s、より好ましくは、10〜35Pa・sである。
なお、熱伝導性粘着剤原料には、気泡を含有させることもできる。気泡を含有した熱伝導性粘着剤原料を用いて、後述するように熱伝導性粘着シートを作製することにより、熱伝導性粘着シートを発泡体とすることもできる。
図1は、本発明の熱伝導性粘着組成物から得られる熱伝導性粘着シートの製造方法を説明する工程図であって、(a)は、ベースフィルムの上に熱伝導性粘着剤原料を塗布する工程、(b)は、熱伝導性粘着剤原料の塗膜の上にカバーフィルムを配置する工程、(c)は、熱伝導性粘着剤原料を重合させる工程、(d)は、熱伝導性粘着層を基材の両面に積層する工程を示す。
次いで、熱伝導性粘着シートの製造方法について図1を参照して説明する。
図1(a)に示すように、熱伝導性粘着シート6を製造するには、まず、ベースフィルム1の剥離処理が施された面に熱伝導性粘着剤原料2を塗布する。
ベースフィルム1は、剥離ライナーを含み、具体的には、例えば、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルムなど)、例えば、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体など)からなるフッ素系フィルム、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)からなるオレフィン系樹脂フィルム、例えば、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム(ナイロンフィルム)、レーヨンフィルムなどのプラスチック系基材フィルム(合成樹脂フィルム)、例えば、上質紙、和紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙などの紙類、例えば、これらを複層化した複合体などが挙げられる。
なお、熱伝導性粘着剤原料2が光重合開始剤を含有している場合には、熱伝導性粘着剤原料2に対する紫外線の照射を妨げないように、紫外線を透過するベースフィルム1を使用する。
熱伝導性粘着剤原料2をベースフィルム1に塗布するには、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーターなどが用いられる。
熱伝導性粘着剤原料2の塗工厚みとしては、例えば、10〜10000μm、好ましくは、50〜5000μm、より好ましくは、100〜3000μmである。
この方法では、次いで、図1(b)に示すように、熱伝導性粘着剤原料2の塗膜の上にカバーフィルム3を配置する。カバーフィルム3を塗膜の上に配置するには、カバーフィルム3の剥離処理が施された面が塗膜に接触するように、配置する。
カバーフィルム3としては、例えば、上記したベースフィルム1と同様のフィルムが挙げられる。また、熱伝導性粘着剤原料2が光重合開始剤を含有している場合には、熱伝導性粘着剤原料2に対する紫外線の照射を妨げないように、紫外線を透過するカバーフィルム3を使用する。
この方法では、その後、図1(c)に示すように、熱伝導性粘着剤原料2中の単量体を重合させる。
熱伝導性粘着剤原料2中の単量体を重合させるには、上記したように、光重合開始剤を配合している場合には、熱伝導性粘着剤原料2に紫外線を照射し、熱重合開始剤を配合している場合には、熱伝導性粘着剤原料2を加熱する。
なお、低重合体、熱伝導性粒子および/または添加剤を溶媒に分散または溶解させて熱伝導性粘着剤原料2に配合した場合には、上記したように熱伝導性粘着剤原料2を塗工し、乾燥させて、溶媒を除去することができる。
これにより、熱伝導性粘着剤原料2が熱伝導性粘着組成物となり、熱伝導性粘着組成物は、裏面にベースフィルム1が積層され、表面にカバーフィルム3が積層された熱伝導性粘着層4に形成される。
その後、図1(d)に示すように、熱伝導性粘着層4を、基材5の両面に積層する。
具体的には、まず、熱伝導性粘着剤層4を2つ用意し、続いて、図1(c)の仮想線および矢印で示すように、各カバーフィルム3を熱伝導性粘着層4からそれぞれ引き剥がし、その後、図1(d)に示すように、2つの熱伝導性粘着層4を基材5の表面および裏面にそれぞれ貼着する。
基材5としては、上記したベースフィルム1と同様のものが挙げられる。基材5の厚みは、例えば、1〜1000μm、好ましくは、5〜500μmである。
これにより、基材5と、その両面に積層される熱伝導性粘着層4とを備える熱伝導性粘着シート6を得る。
なお、熱伝導性粘着シート6の表側の熱伝導性粘着層4の表面には、ベースフィルム1が積層され、熱伝導性粘着シート6の裏側の熱伝導性粘着層4の裏面には、ベースフィルム1が積層されている。各ベースフィルム1は、熱伝導性粘着シート6の使用時には、剥離ライナーとして熱伝導性粘着層4から引き剥がされる。
得られた熱伝導性粘着シート6の厚み(2つのベースフィルム1の厚みを除く。)は、例えば、10〜10000μm、好ましくは、50〜5000μm、より好ましくは、100〜3000μmである。
熱伝導性粘着シート6の総厚みが上記下限以上であれば、十分な接着力と保持力とを得ることができる。また、熱伝導性粘着シート6の総厚みが上記上限以下であれば、十分な熱伝導性を得ることができる。
熱伝導性粘着シート6の熱伝導率(後述の実施例に記載の方法により測定する。)は、0.3W/m・K以上、好ましくは、0.4W/m・K以上、より好ましくは、0.5W/m・K以上であり、また、例えば、10W/m・K以下でもある。
熱伝導性粘着シート6の熱伝導率が上記下限以上であれば、熱伝導性が要求される用途に用いることができる。
また、熱伝導性粘着シート6の剪断ずれ(後述の実施例に記載の方法により測定する。)は、例えば、1.5mm/時間以下、好ましくは、1.2mm/時間以下、さらに好ましくは、1.0mm/時間以下、とりわけ好ましくは、0.8mm/時間以下、最も好ましくは、0.5mm/時間以下であり、また、0mm/時間以上でもある。
熱伝導性粘着シート6の剪断ずれが上記上限以下であれば、被着体に対する面方向の保持力を向上させることができる(つまり、剪断ずれが増大することを防止できる)ので、上記特性が要求される分野に好適に用いることができる。
また、熱伝導性粘着シート6の剥離角度90度の剥離接着力(後述の実施例に記載の方法により測定する。)は、例えば、5N/20mm以上、好ましくは、7N/20mm以上、より好ましくは、10N/20mm以上、さらに好ましくは、15N/20mm以上、とりわけ好ましくは、20N/20mm以上であり、また、例えば、100N/20mm以下、好ましくは、50N/20mm以下でもある。
剥離角度90度の剥離接着力が上記下限以上であれば、被着体に対する厚み方向の接着力を向上させることができるので、上記特性が要求される分野に好適に用いることができる。
また、熱伝導性粘着シート6の熱抵抗(後述の実施例に記載の方法により測定する。)は、例えば、12cm2・K/W未満、好ましくは、10cm2・K/W未満であり、また、例えば、2cm2・K/W以上でもある。熱伝導性粘着シートの熱抵抗が上記上限未満であれば、熱伝導性粘着シートとしての機能が十分に発揮できる。
なお、熱伝導性粘着シート6における熱伝導性粘着層4のガラス転移温度は、例えば、−70〜−10℃、好ましくは、−65〜−15℃である。熱伝導性粘着層4のガラス転移温度は、上記した低重合体のガラス転移温度の測定方法と同様の方法によって求められる。
そして、熱伝導性粘着組成物から形成される熱伝導性粘着層4を備える熱伝導性粘着シート6は、高重合体および特定の低重合体を含有する粘着成分と、熱伝導性粒子とを含有し、熱伝導率が、特定値以上であるので、熱伝導性に優れながら、剪断ずれが低減されている。
そのため、熱伝導性粘着シート6は、熱伝導性に優れるため、半導体装置、ハードディスク、LED装置(テレビジョン、照明、ディスプレイなど)、EL装置(有機ELディスプレイ、有機EL照明など)、キャパシタ、バッテリー(リチウムイオンバッテリーなど)、パワーモジュールなどの用途、とりわけ、高い熱伝導性および低い剪断ずれの両方が必要とされるLED装置の用途に好適に用いることができる。
つまり、上記したLED装置は、ヒートシンクやシャーシなどの放熱部材に対して、垂直または平行に実装されており、発熱部材としてLEDを備えている。そして、LED装置は、熱伝導性粘着シート6によって、放熱部材に対して接着されている。
そのようなLED装置では、熱伝導性粘着シート6によって、LEDの発光に起因する熱を効率的にヒートシンクやシャーシに伝導しながら、熱伝導性粘着シート6が面方向の強い剪断力を受けても、LEDと、ヒートシンクやシャーシとの剪断ずれを低減して、それらを強固に接着することができる。
図1(d)の実施形態では、熱伝導性粘着組成物からなる熱伝導性粘着層4を、基材5の両面に積層することにより、2つの熱伝導性粘着層4と1つの基材5とを備える熱伝導性粘着シート6を作製しているが、例えば、図1(c)に示すように、基材5を備えず、ベースフィルム1(剥離ライナー)およびカバーフィルム3(剥離ライナー)に挟まれる熱伝導性粘着層4からなる熱伝導性粘着シート6とすることもできる。
また、この熱伝導性粘着層4は、熱伝導性と難燃性とに優れるため、半導体装置、ハードディスク、LED装置(テレビジョン、照明、ディスプレイなど)、EL装置(有機ELディスプレイ、有機EL照明など)、キャパシタ(コンデンサなど)、バッテリー(リチウムイオンバッテリーなど)、パワーモジュールなどの用途に好適に用いることができる。
以下、本発明を各実施例および各比較例に基づいて説明するが、本発明はこれらに何ら限定されない。
実施例1
(低重合体の調製)
シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)60質量部、イソブチルメタクリレート(IBMA)40質量部、および、連鎖移動剤としてチオグリコール酸4質量部を攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに投入した。そして、70℃にて窒素雰囲気下で1時間攪拌した後、90℃まで昇温し、重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシ−2−エチル(商品名「パーヘキシルO」、日油社製)0.005質量部およびジ−t−t−ヘキシルパーオキサイド(商品名「パーヘキシルD」、日油社製)0.01質量部を混合した。さらに、100℃で1時間攪拌後、1時間かけて150℃まで昇温し、150℃で1時間攪拌した。次いで、1時間かけて170℃まで昇温し、170℃で60分間攪拌した。次に、170℃の状態で減圧し、1時間攪拌して残留単量体を除去し、低重合体を得た。
(低重合体の調製)
シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)60質量部、イソブチルメタクリレート(IBMA)40質量部、および、連鎖移動剤としてチオグリコール酸4質量部を攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに投入した。そして、70℃にて窒素雰囲気下で1時間攪拌した後、90℃まで昇温し、重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシ−2−エチル(商品名「パーヘキシルO」、日油社製)0.005質量部およびジ−t−t−ヘキシルパーオキサイド(商品名「パーヘキシルD」、日油社製)0.01質量部を混合した。さらに、100℃で1時間攪拌後、1時間かけて150℃まで昇温し、150℃で1時間攪拌した。次いで、1時間かけて170℃まで昇温し、170℃で60分間攪拌した。次に、170℃の状態で減圧し、1時間攪拌して残留単量体を除去し、低重合体を得た。
得られた低重合体の重量平均分子量は3400であり、ガラス転移温度は、40℃であった。
(単量体組成物の調製)
第1の単量体として、アクリル酸2−エチルヘキシル85質量部、アクリル酸2−メトキシエチル9質量部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)7質量部、および、ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)1質量部を配合して、それらを混合して、単量体の混合物を得た。
(単量体組成物の調製)
第1の単量体として、アクリル酸2−エチルヘキシル85質量部、アクリル酸2−メトキシエチル9質量部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)7質量部、および、ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)1質量部を配合して、それらを混合して、単量体の混合物を得た。
得られた混合物に、光重合開始剤として、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュアー651」、チバ・ジャパン社製)0.05質量部、および、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュアー184」、チバ・ジャパン社製)0.05質量部を配合した。
次いで、混合物に紫外線を照射して、粘度(BH粘度計、No.5ローター、10rpm、測定温度30℃)が約20Pa・sになるまで重合し、単量体の一部が重合した単量体の部分重合物(シロップ)を調製した。
調製した単量体の部分重合物97.5質量部に、低重合体として、メタクリル酸シクロヘキシルとメタクリル酸イソブチルとの共重合体(重量平均分子量:約3400、ガラス転移温度40℃)2.5質量部と、第2の単量体として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「KAYARAD DPHA−40H」、日本化薬社製)0.05質量部と、分散剤として商品名「プライサーフA212E」(ノニオン性界面活性剤、第一工業製薬社製)1質量部とを配合して混合し、単量体組成物を調製した。
得られた単量体組成物100質量部と、水酸化アルミニウム粒子(商品名「ハイジライトH−32」、形状:破砕状、1次平均粒子径:8μm、昭和電工社製)250質量部とを配合し、混合して熱伝導性粘着剤原料を調製した。
調製した熱伝導性粘着剤原料を、片面に剥離処理が施されているポリエチレンテレフタレート製の剥離ライナーであるベースフィルム(商品名「ダイアホイルMRF38」、三菱化学ポリエステルフィルム社製)の剥離処理面の上に塗布し(図1(a)参照。)、続いて、熱伝導性粘着剤原料の塗膜の上に、片面に剥離処理が施されているポリエチレンテレフタレート製の剥離ライナーであるカバーフィルム(商品名「ダイアホイルMRF38」、三菱化学ポリエステルフィルム社製)を、剥離処理面が塗膜と接触するように、積層した(図1(b)参照。)。
次いで、熱伝導性粘着剤原料に、紫外線(照度約5mW/cm2)を両側(両方の剥離ライナー)から3分間照射した。
これにより、熱伝導性粘着剤原料中の単量体を重合させて、熱伝導性粘着組成物からなる厚み119μmの熱伝導性粘着層を形成した(図1(c)参照)。
なお、熱伝導性粘着組成物において、高重合体(重量平均分子量:3.5×106、ガラス転移温度−35℃)および低重合体を含有する粘着成分が調製されている。
その後、熱伝導性粘着層を2つ用意し、続いて、各一方の剥離ライナー(カバーフィルム)を熱伝導性粘着層からそれぞれ引き剥がし(図1(c)の矢印および仮想線参照)、2つの熱伝導性粘着層を、厚みが12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ルミラーS−10」、東レ社製)の両面にそれぞれ貼り合わせた(図1(d)参照)。
これにより、ポリエチレンテレフタレートフィルムと、その両面に設けられた熱伝導性粘着層とを備える、総厚(剥離ライナー(ベースフィルム)の厚みを除く。つまり、ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚み12μmおよび各熱伝導性粘着剤層の厚み119μm。以下同様。)が250μmの熱伝導性粘着シートを作製した。なお、熱伝導性粘着シートの表面および裏面には、それぞれ、ベースフィルムが積層されていた。
実施例2
部分重合物(シロップ)の配合部数を95質量部に変更するとともに、低重合体の配合部数を5質量部に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
部分重合物(シロップ)の配合部数を95質量部に変更するとともに、低重合体の配合部数を5質量部に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
実施例3
部分重合物(シロップ)の配合部数を90質量部に変更するとともに、低重合体の配合部数を10質量部に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
部分重合物(シロップ)の配合部数を90質量部に変更するとともに、低重合体の配合部数を10質量部に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
実施例4
部分重合物(シロップ)の配合部数を80質量部に変更するとともに、低重合体の配合部数を20質量部に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
部分重合物(シロップ)の配合部数を80質量部に変更するとともに、低重合体の配合部数を20質量部に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
実施例5
部分重合物(シロップ)の配合部数を75質量部に変更するとともに、低重合体の配合部数を25質量部に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
部分重合物(シロップ)の配合部数を75質量部に変更するとともに、低重合体の配合部数を25質量部に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
実施例6
部分重合物(シロップ)の配合部数を70質量部に変更するとともに、低重合体の配合部数を30質量部に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
部分重合物(シロップ)の配合部数を70質量部に変更するとともに、低重合体の配合部数を30質量部に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
実施例7
部分重合物(シロップ)の配合部数を65質量部に変更するとともに、低重合体の配合部数を35質量部に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
部分重合物(シロップ)の配合部数を65質量部に変更するとともに、低重合体の配合部数を35質量部に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
比較例1
部分重合物(シロップ)の配合部数を60質量部に変更するとともに、低重合体の配合部数を40質量部に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
部分重合物(シロップ)の配合部数を60質量部に変更するとともに、低重合体の配合部数を40質量部に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
比較例2
部分重合物(シロップ)の配合部数を100質量部に変更するとともに、低重合体を配合しなかった以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
部分重合物(シロップ)の配合部数を100質量部に変更するとともに、低重合体を配合しなかった以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
比較例3
部分重合物(シロップ)の配合部数を100質量部に変更するとともに、低重合体を配合せず、また、水酸化アルミニウム粒子を配合しなかった以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
部分重合物(シロップ)の配合部数を100質量部に変更するとともに、低重合体を配合せず、また、水酸化アルミニウム粒子を配合しなかった以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
比較例4
低重合体を以下のように調製し、かかる低重合体を配合した以外は、実施例6と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
(低重合体の調製)
トルエン100質量部、シクロヘキシルメタクリレート100質量部、および、連鎖移動剤としてチオグリコール酸1質量部を攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに投入した。そして、70℃にて窒素雰囲気下で1時間攪拌した後、重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシ−2−エチル(商品名「パーヘキシルO」、日油社製)0.005質量部およびジ−t−t−ヘキシルパーオキサイド(商品名「パーヘキシルD」、日油社製)0.01質量部を混合した。さらに、90℃で1時間攪拌後、1時間かけて100℃まで昇温し、100℃で5時間攪拌した。次に、170℃の状態で減圧し、1時間攪拌して残留単量体を除去し、低重合体を得た。
低重合体を以下のように調製し、かかる低重合体を配合した以外は、実施例6と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
(低重合体の調製)
トルエン100質量部、シクロヘキシルメタクリレート100質量部、および、連鎖移動剤としてチオグリコール酸1質量部を攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに投入した。そして、70℃にて窒素雰囲気下で1時間攪拌した後、重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシ−2−エチル(商品名「パーヘキシルO」、日油社製)0.005質量部およびジ−t−t−ヘキシルパーオキサイド(商品名「パーヘキシルD」、日油社製)0.01質量部を混合した。さらに、90℃で1時間攪拌後、1時間かけて100℃まで昇温し、100℃で5時間攪拌した。次に、170℃の状態で減圧し、1時間攪拌して残留単量体を除去し、低重合体を得た。
得られた低重合体の重量平均分子量は40000であり、ガラス転移温度は、55℃であった。
比較例5
低重合体を以下のように調製し、かかる低重合体を配合した以外は、実施例6と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
(低重合体の調製)
トルエン100質量部、シクロヘキシルメタクリレート100質量部、および、連鎖移動剤としてチオグリコール酸10質量部を攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに投入した。そして、70℃にて窒素雰囲気下で1時間攪拌した後、重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシ−2−エチル(商品名「パーヘキシルO」、日油社製)0.005質量部およびジ−t−t−ヘキシルパーオキサイド(商品名「パーヘキシルD」、日油社製)0.01質量部を混合した。さらに、100℃で1時間攪拌後、1時間かけて150℃まで昇温し、150℃で1時間攪拌した。次に、170℃の状態で減圧し、1時間攪拌して残留単量体を除去し、低重合体を得た。
低重合体を以下のように調製し、かかる低重合体を配合した以外は、実施例6と同様に処理して、熱伝導性粘着シートを作製した。
(低重合体の調製)
トルエン100質量部、シクロヘキシルメタクリレート100質量部、および、連鎖移動剤としてチオグリコール酸10質量部を攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに投入した。そして、70℃にて窒素雰囲気下で1時間攪拌した後、重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシ−2−エチル(商品名「パーヘキシルO」、日油社製)0.005質量部およびジ−t−t−ヘキシルパーオキサイド(商品名「パーヘキシルD」、日油社製)0.01質量部を混合した。さらに、100℃で1時間攪拌後、1時間かけて150℃まで昇温し、150℃で1時間攪拌した。次に、170℃の状態で減圧し、1時間攪拌して残留単量体を除去し、低重合体を得た。
得られた低重合体の重量平均分子量は500であり、ガラス転移温度は、55℃であった。
(評価)
(1)重量平均分子量
低重合体、および、高重合体(低重合体および熱伝導性粒子を含有しない粘着成分)の重量平均分子量は、GPC装置(装置名:HLC−8220GPC、東ソー社製)を用いて測定をそれぞれ求めた。測定条件は下記の通りであり、標準ポリスチレン換算により重量平均分子量を求めた。
・サンプル濃度:0.2mass%(テトラヒドロフラン(THF)溶液)
・サンプル注入量:10μl
・溶離液:THF
・流速:0.6ml/min
・測定温度:40℃
・カラム:
サンプルカラム;TSKguardcolumn SuperHZ−H(1本)+TSKgel SuperHZM−H(2本)
リファレンスカラム;TSKgel SuperH−RC(1本)
・検出器:示差屈折計(RI)
(2)ガラス転移温度
A. 低重合体および高重合体のガラス転移温度
低重合体および高重合体のガラス転移温度を、Foxの式に基づいて計算した。その結果を表2に示す。
(1)重量平均分子量
低重合体、および、高重合体(低重合体および熱伝導性粒子を含有しない粘着成分)の重量平均分子量は、GPC装置(装置名:HLC−8220GPC、東ソー社製)を用いて測定をそれぞれ求めた。測定条件は下記の通りであり、標準ポリスチレン換算により重量平均分子量を求めた。
・サンプル濃度:0.2mass%(テトラヒドロフラン(THF)溶液)
・サンプル注入量:10μl
・溶離液:THF
・流速:0.6ml/min
・測定温度:40℃
・カラム:
サンプルカラム;TSKguardcolumn SuperHZ−H(1本)+TSKgel SuperHZM−H(2本)
リファレンスカラム;TSKgel SuperH−RC(1本)
・検出器:示差屈折計(RI)
(2)ガラス転移温度
A. 低重合体および高重合体のガラス転移温度
低重合体および高重合体のガラス転移温度を、Foxの式に基づいて計算した。その結果を表2に示す。
B. 熱伝導性粘着層のガラス転移温度
各実施例および各比較例の熱伝導性粘着層のガラス転移温度をDSC(示差熱分析)により求めた。具体的には、島津製作所製の示差走査熱量計(型番:DSC−50)を用いて、以下の手順に従って求めた。
[1]熱伝導性粘着層を5mg程度秤量し、アルミニウム製のセルに仕込み、測定用サンプルを調製する。
[2]調製した測定用サンプルを上記した示差走査熱量計にセットし、N2雰囲気下(N2流量、40ml/分)にて一旦200℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた後、取り出して放冷(急冷)させる。
[3]その後、上記した示差走査熱量計を室温まで冷却させた後、再び上記のサンプルをセットし、−40℃まで冷却し、再度上記(2)と同様に200℃まで昇温させて測定をする。
[4]このときの吸熱開始温度をガラス転移温度とする。
各実施例および各比較例の熱伝導性粘着層のガラス転移温度をDSC(示差熱分析)により求めた。具体的には、島津製作所製の示差走査熱量計(型番:DSC−50)を用いて、以下の手順に従って求めた。
[1]熱伝導性粘着層を5mg程度秤量し、アルミニウム製のセルに仕込み、測定用サンプルを調製する。
[2]調製した測定用サンプルを上記した示差走査熱量計にセットし、N2雰囲気下(N2流量、40ml/分)にて一旦200℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた後、取り出して放冷(急冷)させる。
[3]その後、上記した示差走査熱量計を室温まで冷却させた後、再び上記のサンプルをセットし、−40℃まで冷却し、再度上記(2)と同様に200℃まで昇温させて測定をする。
[4]このときの吸熱開始温度をガラス転移温度とする。
その結果を表2に示す。
(3)熱伝導率および熱抵抗
熱伝導率および熱抵抗の測定は、図2に示す熱特性評価装置を用いて実施した。
(3)熱伝導率および熱抵抗
熱伝導率および熱抵抗の測定は、図2に示す熱特性評価装置を用いて実施した。
具体的には、1辺が20mmの立方体となるように形成されたアルミニウム製(A5052、熱伝導率:140W/m・K)の一対のブロック(ロッドと称する場合もある。)L間に、各実施例および各比較例の熱伝導性粘着シート6(20mm×20mm、両方のベースフィルムを剥離したもの)を挟み込み、一対のブロックLを熱伝導性粘着シート6で貼り合わせた。
そして、一対のブロックLが上下となるように発熱体(ヒーターブロック)Hと放熱体(冷却水が内部を循環するように構成された冷却ベース板)Cとの間に配置した。具体的には、上側のブロックLの上に発熱体Hを配置し、下側にブロックLの下に放熱体Cを配置した。
このとき、熱伝導性粘着シート6で貼り合わされた一対のブロックLは、発熱体Hおよび放熱体Cを貫通する一対の圧力調整用ネジTの間に位置している。なお、圧力調整用ネジTと発熱体Hとの間にはロードセルRが配置されており、圧力調整用ネジTを締め込んだときの圧力が測定されるように構成されており、かかる圧力を熱伝導性粘着シート6に加わる圧力とした。
具体的には、この試験において、圧力調整用ネジTを、熱伝導性粘着シート6に加わる圧力が25N/cm2(250kPa)となるように締め込んだ。
また、下側のブロックLおよび熱伝導性粘着シート6を放熱体C側から貫通するように接触式変位計の3本のプローブP(直径1mm)を設置した。このとき、プローブPの上端部は、上側のブロックLの下面に接触した状態になっており、上下のブロックL間の間隔(熱伝導性粘着シート6の厚み)を測定可能に構成されている。
発熱体Hおよび上下のブロックLには温度センサーDを取り付けた。具体的には、発熱体Hの1箇所に温度センサーDを取り付け、各ブロックLの5箇所に上下方向に5mm間隔で温度センサーDをそれぞれ取り付けた。
測定はまず初めに、圧力調整用ネジTを締め込んで、熱伝導性粘着シート6に圧力を加え、発熱体Hの温度を80℃に設定するともに、放熱体Cに20℃の冷却水を循環させた。
そして、発熱体Hおよび上下のブロックLの温度が安定した後、上下のブロックLの温度を各温度センサーDで測定し、上下のブロックLの熱伝導率(W/m・K)と温度勾配から熱伝導性粘着シート6を通過する熱流束を算出するとともに、上下のブロックLと熱伝導性粘着シート6との界面の温度を算出した。そして、これらを用いて圧力における熱伝導率(W/m・K)および熱抵抗(cm2・K/W)を、下記の熱伝導率方程式(フーリエの法則)を用いて算出した。
Q=−λgradT
R=L/λ
Q:単位面積あたりの熱流速
gradT:温度勾配
L:シートの厚み
λ:熱伝導率
R:熱抵抗
(4)剪断ずれ(保持力)
熱伝導性粘着シートを、20mm×10mmの大きさに裁断した後、一方のベースフィルムを熱伝導性粘着層から引き剥がして、熱伝導性粘着シートの剥離面を25μm厚のPETフィルム(裏打ち材)に貼付けた。
R=L/λ
Q:単位面積あたりの熱流速
gradT:温度勾配
L:シートの厚み
λ:熱伝導率
R:熱抵抗
(4)剪断ずれ(保持力)
熱伝導性粘着シートを、20mm×10mmの大きさに裁断した後、一方のベースフィルムを熱伝導性粘着層から引き剥がして、熱伝導性粘着シートの剥離面を25μm厚のPETフィルム(裏打ち材)に貼付けた。
次いで、他方のベースフィルムを熱伝導性粘着層から引き剥がし、23℃、50%RH環境下で、熱伝導性粘着シートの剥離面の上端部10mm×10mmをステンレス(SUS304BA)板の下端部に載置して、2kgのローラーで1往復することにより、熱伝導性粘着シートをステンレス板に貼着した。
その後、80℃環境下で、30分間、静置して貼着(接着)状態を安定させた(養生)後、ステンレス板の上端部を固定して、熱伝導性粘着シートおよびPETフィルム(裏打ち材)の下端部に300gのおもりを取り付け、熱伝導性粘着シートを80℃の条件で垂下した。その後、80℃環境下で、1時間放置させたときの、熱伝導性粘着シートのステンレス板に対するずれ量(移動距離)を剪断ずれとして測定した。
(5)剥離接着力(90度剥離試験)
熱伝導性粘着シートの一方のベースフィルムを熱伝導性粘着層から引き剥がして、熱伝導性粘着シートの剥離面を厚さ25μmのPETフィルム(裏打ち材)に貼り合わせ、これを幅20mm、長さ150mmに切断した。
(5)剥離接着力(90度剥離試験)
熱伝導性粘着シートの一方のベースフィルムを熱伝導性粘着層から引き剥がして、熱伝導性粘着シートの剥離面を厚さ25μmのPETフィルム(裏打ち材)に貼り合わせ、これを幅20mm、長さ150mmに切断した。
熱伝導性粘着シートから他方のベースフィルムを引き剥がし、23℃、50%RH雰囲気下で、熱伝導性粘着シートの剥離面をアルミニウム板(#1050)に貼り付け、PETフィルムの上から2kgローラーを1往復させて、熱伝導性粘着シートをアルミニウム板に押し付けた。これにより、熱伝導性粘着シートをアルミニウム板に接着した。
23℃で30分間養生した後、万能引張試験機『TCM−1kNB』(ミネベア社製)を用い、剥離角度90度、引っ張り速度300mm/分で、熱伝導性粘着シートをアルミニウム板から剥離するときの90度剥離接着力(剥離強度)を、JIS Z 0237に準じて測定した。
各実施例および各比較例の熱伝導性粘着組成物の配合処方と評価とを表2に示す。
4 熱伝導性粘着層(熱伝導性粘着組成物)
6 熱伝導性粘着シート
6 熱伝導性粘着シート
Claims (5)
- 高重合体および低重合体を含有し、前記低重合体の含有割合が、前記高重合体および前記低重合体の総量に対して、1〜38質量%であり、前記低重合体のガラス転移温度が20〜150℃であり、前記低重合体の重量平均分子量が6.0×102〜5.0×104である、粘着成分と、
熱伝導性粒子とを含有し、
熱伝導率が、0.3W/m・K以上であることを特徴とする、熱伝導性粘着組成物。 - 前記熱伝導性粒子の含有割合が、前記粘着成分100質量部に対して、100〜1000質量部であることを特徴とする、請求項1に記載の熱伝導性粘着組成物。
- 下記試験により測定される剪断ずれが、1.5mm/時間以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱伝導性粘着組成物。
剪断ずれ:厚み12μmのポリエステルフィルムからなる基材と、前記基材の両面に積層され、熱伝導性粘着組成物を厚み119μmのシート状に成形することにより得られる2つの熱伝導性粘着層とを備える熱伝導性粘着シートを、20mm×10mmの大きさに裁断した後、前記熱伝導性粘着シートの厚み方向に垂直な面のうちの一方面を厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる裏打ち材に貼着し、次いで、23℃、50%RH環境下で、前記熱伝導性粘着シートの厚み方向に垂直な面のうちの他方面の上端部10mm×10mmの部分を、ステンレス板の下端部に貼着し、その後、80℃環境下で、30分間、静置して貼着状態を安定させた後、前記ステンレス板の上端部を固定して、前記熱伝導性粘着シートの下端部に300gのおもりを取り付け、前記熱伝導性粘着シートを80℃の条件で垂下する。その後、80℃環境下で、1時間放置させたときの、前記熱伝導性粘着シートの前記ステンレス板に対するずれ量を剪断ずれとして測定する。 - 下記試験により測定される剥離接着力が、5N/20mm以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱伝導性粘着シート。
剥離接着力:厚み12μmのポリエステルフィルムからなる基材と、前記基材の両面に積層され、熱伝導性粘着組成物を厚み119μmのシート状に成形することにより得られる2つの熱伝導性粘着層とを備える熱伝導性粘着シートを幅20mmに加工して、前記熱伝導性粘着シートをアルミニウム板に接着した後、前記アルミニウム板に対して剥離角度90度で剥離速度300mm/分で前記熱伝導性粘着シートを剥離したときの、剥離強度を剥離接着力として測定する。 - 熱抵抗値が、10cm2・K/W未満であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱伝導性粘着組成物。
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