JP2014004673A - 交叉リンク昇降台 - Google Patents
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Abstract
【課題】低揚程かつ粗いステップの高さ調節を、単純なX字形交叉リンクの機構を用いて確実かつ容易に操作できる昇降台を得る。省資源・省エネルギーを重視して、構造材にはできるだけ木材を使用し、動力を必要としない。
【解決手段】交叉リンクの先端側支点の一方を固定し、他方で調節する。調節支点(10)は、支点軸を保持するステップ状の調節溝(12)を鋸歯状に、リンクの開閉方向に並べる。そうして鋸歯状の調節溝列の頂点の上方に、調節支点軸(33)が通り抜けられる間隙をあけて背面板(17)を設置した。高さを変更する際には、天板(2)を持ち上げることによって発生する交叉支点(30)まわりの偶力の方向を正逆に切り替えることによって、上昇か下降に対応する。
【選択図】図1
【解決手段】交叉リンクの先端側支点の一方を固定し、他方で調節する。調節支点(10)は、支点軸を保持するステップ状の調節溝(12)を鋸歯状に、リンクの開閉方向に並べる。そうして鋸歯状の調節溝列の頂点の上方に、調節支点軸(33)が通り抜けられる間隙をあけて背面板(17)を設置した。高さを変更する際には、天板(2)を持ち上げることによって発生する交叉支点(30)まわりの偶力の方向を正逆に切り替えることによって、上昇か下降に対応する。
【選択図】図1
Description
本発明は日常的に使用する昇降台の改良に関する。対象とする昇降台とは、物、人または人体の部分その他を載せて安定に保持する機能を有する装置である。調節機能に関しては、数段のステップで高さが変更できれば充分であり、高さの位置精度よりも高さの変更操作が容易かつ迅速であることが優先されるような用途である。実施例は、作業台、テーブル、椅子、枕を挙げており、昇降は手操作による人力操作が適している。
交叉リンクを用いた簡便な昇降台は、古くより枕、椅子、書見台、軽作業たとえば事務作業の脇机などに広く用いられている。それらの多くは、高さすなわち支点の位置をねじ送りによって正確かつ連続的に調節し、かつ高さのロックをねじによって行うものが多い(たとえば特許文献1および2)。また支点の移動を電動装置によって行うものが特許文献3で提案されている。高さ調節のための機械装置は一見便利そうに感じられるが、日常的に使用すると損耗によってがたつきが大きくなり、不快な操作音を発し、加えて潤滑剤による汚れ、故障の修繕などが煩わしいものである。
これに対して、支点の移動を数段階のステップにとどめ、支点軸を簡素な調節機構で保持することによって上記の機械装置の煩わしさを避けたものが特許文献4および5で提案されている。特許文献4では、連結杆(支点軸)をステップ状に並んだ係合溝に保持することによって高さを調節している。また特許文献5では、係合溝がジグザグに連続する変形長孔の中をXリンクのスライド軸が移動することによって高さ調節を行っている。
従来技術はほとんどが、移動支点をねじ送りやガスシリンダなどの機械によって制御している。しかしながら日常生活で触れるものには、木材の温もりを求めて金属製の機械仕掛けを好まない需要者が少なくない。また省資源・省エネルギーの見地からも、日用品には単純な機構が見直されている。特許文献4と5では、ある程度これらの要求を満たしているものの、高さ調節の操作は未だ複雑であり、構造的にも木材に適したものではない。本願では、できるだけ木材を用いる単純な機構で、しかも確実かつ容易に操作できる昇降台を提供しようとするものである。
2本のリンク棒をX字形に交叉させたリンクの対で天板を支える昇降台において、上記の課題を解決するために、リンク対の対向する支点同士の組の一方を固定支点として他方の組を移動支点とする。移動支点の組の基台側か天板側のいずれかの移動支点対を、調節支点としてリンク交叉角すなわち天板高さの調節を行わせる。調節支点の構造は、支点軸を保持するステップ状の調節溝を鋸歯状に、リンクの開閉方向に並べる。そうして鋸歯状の調節溝列の頂点の上方に、調節支点軸が通り抜けられる間隙をあけて背面板を設置した。
この構造によって、高さ調節操作は極めて単純かつ容易となった。すなわち、天板を持ち上げる際にリンクの交叉支点に作用する偶力の方向によって上昇と下降を切り替えることができる。しかしながら、使用中に予期しない外力が加わると思いがけないステップ移動のおそれがある。そこで、使用中に調節溝から調節支点軸が抜け出すのを防ぐために、調節溝と背面板の間の空隙にロッカを出し入れするようにした。
調節支点は、本昇降台の中で最も荷重が集中する部分である。通常はこのような部分には強度のある金属や合成樹脂を使用するが、家具あるいは手作業の用途には最大限木材を使用したものが好まれる。この調節支点に木材を使用するために、隣接する溝底を結ぶ線を木目から充分に傾斜させることにより、溝底が同一の木目に並ぶことがなく、したがって木目に沿う破断を生じ難いようにした。
また、調節支点におけるステップ変更操作を誤りなく行うためには、交叉支点に作用する偶力の方向を正しく定める必要がある。それを規制する確実な手段として、天板の周縁に取っ手を設けて引き上げ位置を指定した。取っ手が邪魔になる場合には、引上げ位置を適当な表示で指定しても良い。
本発明によって、高さの切り替えがきわめて単純な操作で可能となり、交叉リンクの機能を有効に利用することができるようになった。全てを人力で行うので電力を消費せず、かつ木材を最大限に使用できる構造を実現した。家具として長く使用しても、機構部の損耗による金属粉や潤滑剤による汚れを生じることがなく、作動時の不快な騒音などもない。これは、資源とエネルギーを節約しつつ生活の質の向上に資するものである。
実施例を兼ねて本願発明の基本的要件を説明する。本実施例は多目的の作業台であり、図1および図3は昇降台が立ち上った状態を、図2は着床した状態を示す。図1に表示する「前方」と「後方」は、リンクの構造を説明するためのものであり、リンクを装備した機器本体の用途とは関係がない。ここでは、調節支点内を調節支点軸が移動する方向を表し、調節支点軸の移動とともに天板が上昇する方向を前方とする。図3は図1における後方視であり、図1は図3において中心より左方を見るA−A視である。
先ず、図1ないし図4を用いて本願請求項1に関わる交叉リンクの基本構造を説明する。交叉リンク(以下リンクと記述)3は内側リンク棒31と外側リンク棒32を交叉支点30にて枢結して構成されている。基台1は前側に固定支点11を、後側に調節支点10を備え、天板2は前側に固定支点21を、後側に移動支点20を備えている。外側リンク棒32の下端は固定支点11に支点ピン35によって枢支され、上端は移動支点20の案内路22に支点ピン34によって前後方向に摺動自在に保持されている。内側リンク棒31の上端は固定支点21に支点ピン36によって枢支され、下端は調節支点軸33によって調節支点10に拘束保持されている。図3に示すように、リンクと4か所の支点は左右対称に配置されて対をなしている。
次に本願の請求項1に関わる調節支点の構造を説明する。図1および図4に示すように、調節支点10は前後方向に並んだ鋸歯状の調節溝列12と、これに対向する背面板17を前後で連結固定した構造である。調節溝列12は、必要な数の溝13と後方の端部19および前方の端部18から構成される。溝13は調節支点軸33と同一またはわずかに大きい半径を有し、溝の後側からほぼ垂直に立ち上がる垂直面14と、溝の前側から前方へ適当な傾斜で延びる斜面15に接し、鋸歯状突起の斜面15と垂直面14は頂部16に滑らかに接続する。傾斜角は、高さの切替操作を滑らかに行うために、25度から45度の範囲が好適である。
高さ調節のステップは、調節溝の間隔を詰めると増やすことが出来るが、木材の強度によって制約を受ける。通常は調節支点10を一体の木材で製作するので、調節溝は木目の方向に並ぶ。ここで鋸歯状突起が根元から欠損する場合には、木目の方向に裂け目を生じて欠損する。この裂け目は木材にとって最も弱い破断面であるで、この破断面の面積を小さくすることは危険であり、避けなければならない。つまり、調節ステップ間隔は木材強度によっても規制される。
溝の深さすなわち溝底から頂部までの高さは、調節支点軸33の半径以上が必要である。これよりも洩いと、使用中の振動などによって調節支点軸が溝から外れるおそれがある。また深さの上限は調節支点軸の直径付近が好適である。これよりも深いと、調節支点軸を移動させて天板の高さを変更する操作に円滑を欠くことになる。頂部16と背面板17の間隙は、調節支点軸33の直径よりもわずかに大きくして、調節支点軸が滑らかに通り抜けるようになっている。溝の数は用途に応じて任意に設定できるが、3ないし6がよく使用される。
移動支点20は公知のものであり、案内路22の上下幅は支点ピン34の直径よりわずかに大きくして、支点ピンががたつきなく滑らかに摺動するようにしてある。図3において、左右の調節支点軸33あるいは支点ピン34ないし36は左右に分離されているが、左右を通して一体の軸としても良い。こうすることによって、載置荷重による軸あるいはピンの曲げ応力が軽減されるとともに、これらに係合する支点やリンク部材の負荷も軽減される。
次に本実施例の操作方法を説明する。図2は天板2が着床した状態であり、基台側の調節支点10は天板に当接し、固定支点側はリンク棒と交叉支点および上下の固定支点を介して、天板の荷重が基台に負荷される。こうして天板の荷重(自重+載置物)は4隅の支点を介して基台に負荷され、安定する。高さを調節するには、天板を引き上げて調節支点の調節支点軸を、調節溝列の中で所望の高さに対応する溝にはめ込めばよい。図1は3段目の溝に調節支点軸を保持した状態であり、天板およびリンクの自重によって調節支点軸33は溝13に安定的に収まり、保持される。
この昇降台を試作して、高さ調節の機構を研究した結果、下記の原理が明らかになった。本昇降台は基台と天板が平行かつ、リンク長が等しい対称形リンクであるから、天板のどの部分を持って引き上げても、リンク交叉角Rを閉じる方向に動作すると予想していた。しかしながら、実際には持ち上げ力を作用させる天板の場所によって異なる動きをする。すなわち、調節支点軸が垂直面14に沿って動いて当該溝の後方の頂部16を越える場合と、調節支点軸が斜面15に沿って動いて当該溝の前方の頂部16を越える場合とがある。この予期していなかった作用に着目して本発明を完成したのである。
図5および図6は、図1に示す昇降台の動作を説明する図であり、リンク棒31、32はそれぞれ1本の直線で表してある。図5において、前方の取っ手23Fを天板部分とリンクの重量より少し大きな力Pで持ち上げると、天板部分は基台と平行な姿勢を保ったままで上昇し、調節支点軸33は2段目の溝から斜面に沿って前方へ移動して3段目の溝に移る。更に引上げ動作を続けると、図6に示すように4段目の溝に到達する。
この機構を図5によって説明する。23Fを力Pで引上げると、天板とリンクからなる可動部分全体には上向きの力が働き、リンク交叉角Rを閉じる方向に変化しようとする。また一方で、リンク支点30を支点とする反時計回りの偶力Cが発生して、調節支点軸33に対しては溝底に向かう力として作用する。また同時に、リンクを閉じようとする力が調節支点軸33に働く。これら2つの力が合成されて調節支点軸33を前方へ移動させる、すなわち斜面にそって上段側へ移す力が働くのである。こうして最上段の溝に達した図6の状態で、さらに取っ手23Fを引上げると、調節支点軸33は図7に示す矢印Fの様に移動して前方の端部18に行き止る。取っ手を離すと調節支点軸は4段目の溝に戻って安定する。
図6の状態で逆に後方の取っ手23Bを力Pで引き上げた場合は、まず34を支点としてPと逆方向の力が36に作用し、それによってリンク支点30を支点とする時計回りの偶力Dが発生する。同時にPが34を持ち上げる力によって35を支点とする時計回りの偶力も発生する。これらの偶力が合わさって、調節支点軸33に対しては溝の垂直面に向かう力として作用する。これと可動部分全体に働く上向きの力とが合成されて、調節支点軸33を垂直面に沿って上に移動させ、図7に矢印Bで示すように背面板17に当って行止る。そこで取っ手23Bに掛けている力をゆっくり抜くと、調節支点軸は背面板に沿って後方へ移り、天板を下降させながらリンク角Rを開き、終に後方の端部19に至る。
なお、23Bが34よりも後方寄りに設けられているので、Pによってリンク角を閉じようとする力は上記の偶力を超えることはない。ここで調節支点軸33が背面板に当ってから、更にPを強めて上方へ引き上げると、リンク角は開閉せず、その位置で止まり自己ロック状態となる。また調節支点33が背面板のいずれかの位置にあるとき、前方の取っ手23Fを持って下降を止めると、調節支点軸はその位置の直下にある途中の溝に収まる。
以上説明したように、交叉リンクに作用させる偶力の方向を選択しつつ操作することによって本願発明の昇降台は優れた利便性を発揮する。そのために天板に取っ手を設けて、夫々の取っ手にいずれの方向の偶力が発生するかを表示することによって、使用者は容易に正しく使いこなすことが可能となる。この操作案内は、本実施例のように取っ手を設ける形に限定されるものではなく、天板の周縁部に何らかの表示を施せばよい。この取っ手または表示についての構造要件が請求項4に関わる発明である。
調節支点内の溝に調節支点軸が収まった状態は安定であるものの、天板の縁に不用意に力を掛けたり昇降台全体を振動させたりすると、調節支点軸が溝から抜け出て一気に後方の端部まで移動してリンクを畳んでしまうおそれがある。これを防止するための請求項2に関わる発明を、図8によって説明する。調節支点10の後方の端面から前後方向にロッカ孔41があけられ、前方の端部18に達している。右側の調節支点に図示しているように、ロッカを挿入した状態では、調節溝列の頂部16と背面板17との間隙はロッカの軸部が塞いでいるので、調節支点軸は溝の中に拘束されて移動することはない。
ロッカ孔の直径は、調節溝列の頂部16と背面板17との間隙よりも僅かに小さくしてある。ロッカ40の軸部は、ロッカ孔41より僅かに小さく、かつ滑らかに挿入できる寸法とし、頭部は抜きさしの際に操作しやすい寸法形状であればよい。また図示は省略してあるが、挿入状態から脱落しないように何らかの係止措置を講じるのが良い。係止の方法は公知のものでよく、たとえばロッカ孔内に弾力ある摩擦体を装着することによって、ロッカの抜き差しに適度の抵抗を持たせると、ロッカが不用意に抜けることはない。
この調節支点軸の拘束機構は図8のものに限定されることなく、調節溝列の頂部16と背面板17との間隙を塞ぐことができるならばどのような構造でも差し支えない。本実施例では丸棒を前後方向に抜き差しするが、たとえば間隙より僅かに厚さが小さい平板を調節支点の側方から左右方向に抜き差ししても同様な効果が得られる。しかしその様な方法では、平板の保持機構が本実施例よりも複雑となる。
請求項1に関わる調節支点の他の形式を図9および図10によって説明する。図9は食卓あるいは会議机として使用される比較的大きな昇降台である。基本的な構造は実施例1および2と共通であるが、調節支点の調節溝列が上記2例とは異なる。この実施例では、揚程が大きくかつ調節支点にかかる負荷が相対的に大きい。それゆえに昇降ステップを必要最小限の3ステップとして、調節溝列の頂部16を広くとり、鋸歯突起の根元破断の危険性を小さくしてある。
次に図11および図12によって請求項3に関わる発明を説明する。本実施例は本願発明を椅子に適用した昇降椅子である。椅子の場合には、調節支点を使用者の前側とするか、後ろ側とするかによって操作方法が正反対となるので、使用者の身体的条件や好みによっていずれかを選択することが出来る。ここでは、調節支点を前側に置いているので、背もたれ部分を持ち上げることによって高さが段階的に上がり、座板の前端を持ち上げることによって最低位置まで下ろすことが出来る。
調節支点を椅子の前側とすれば、調節支点そのもののサイズを小さくして足元で邪魔にならないようにしなければならない。そのために、リンクはリンク棒の長さを必要最小限とするので、図11にKで示すように調節支点も小さくならざるを得ない。調節支点が小さくなると、調節溝列に掛かる負荷が大きくなり、それに耐える構造が必要となる。そこで、K部を拡大した図12に示すように、調節溝列に水平から仰角Qの傾斜を持たせた。
仰角Qの必要量を図12によって説明する。上段側(図において右側)の溝の溝底と垂直面との接続点から、木目に平行な線を下段側の溝底まで延長すると、溝底との間にmの余裕を生じるようにQを決める。これによって調節溝に挟まれた鋸歯突起が、図示の「予想される破断位置」から欠損する危険性は非常に低くなる。調節支点軸が受ける荷重は、常に上記の接続点よりも低い位置で溝底に作用するので、その作用点に位置する木目が、下段側の溝底よりも深い位置を通るような幾何学的条件を満足すれば、鋸歯突起が溝底から頂部に到る間で破損するおそれはない。
この傾斜角Qは、調節溝間隔の中の最小の間隔Sと、調節支点軸の半径rおよび余裕値mから、「tanQ=(r+m)/S」として決定される。本実施例ではQは15度である。余裕値mは、主として木目の蛇行を考慮して決めるが、実用的には5mm程度である。寸法的な制約や意匠性の観点から調節支点の大きさに制限があり、なおかつ木材にこだわる場合に、この構造は木製の調節支点を可能にするものである。
また本実施例の椅子には、椅子としての使用上にも特徴的な効用がある。図12において、調節支点軸が天板(椅子の座板)の低位置(図中左)から高位置(図中右)に移動するとき、調節支点軸自体の高さはステップ毎に低くなる。この動きは、リンク棒の反対側(座板の背もたれ側)では逆の動きとなり、座板が低い位置では後部が下がり、座板が高い位置では後部が上がる。すなわち、座板を低くしてくつろぐときには、深く掛けるのに適した後部の低い傾斜となり、座板を高くして手仕事などをするときにはほぼ水平となる。
これまでの実施例は、すべて交叉支点から4つの支点までの距離が等しい基本的な形式のリンクで説明した。しかしながら本発明はこれに限らず、不等長のリンクあるいは非対称のリンクにも同様に適用できる。図13は非対称リンクへの応用例であり、交叉支点と4つの支点との距離のうちのいずれかを異ならせる、すなわちリンク支点をリンク棒の長さ中心からずらせたものである。本実施例は非対称リンクの特性が生かされる応用形態のひとつとして、枕に本発明を適用したものである。
図13において、リンク部分の基本構造は、図1および図2の実施例1と共通である。51は天板であるが、枕本体を支える支持枠を兼ねており、図1における天板2と固定支点21および移動支点20を一体としたものである。枕50は外包材52の中にクッション53が充填され、傾動姿勢で低い側の端部に前垂れ54が接続する。前垂れ54は長さを詰めて表示してあり、少なくとも使用者の上半身を受ける長さを有する。天板の左右縁には破線で示す取っ手55が設けられている。
本実施例におけるリンクの特徴は、交叉支点30から4つの支点までの距離が、1箇所のみ他よりも短いことである。図示のように、交叉支点30から調節支点33、基台側固定支点35および天板側移動支点34までの距離はいずれもLであり、唯一天板側固定支点36までの距離がNである。この形式の非対称リンクでは、NとLの比によって、昇降量あたりの傾動角を調節することが出来る。本実施例において、NはLの80%である。
調節支点軸33が溝列の後端19に収まると、天板51は基台1に着床して、両者は平行となるように設定されている。この状態から取っ手55を持ち上げて、調節支点軸を1段ずつ移して行くと、リンクが閉じられて天板が上昇するが、支点間の距離が短い固定支点36は移動支点34よりも上昇量が少ない。こうして生じる傾き量は、上昇とともに増大するので、低い位置では通常の使用に適したほぼ水平状態となり、高い位置では、たとえばテレビの視聴に適した大きな傾斜となる。
高い位置の大きな傾斜角で使用する際には、使用者の身体荷重が枕を遠ざける方向に作用して、枕は逃げようとする。それを防ぐためには基台1の底面に、床に絡んで滑り難くするような摩擦材を貼り付ける方法があるが、床面によっては効果が期待できない。それに比べて本実施例では、前垂れ54を上半身で押えるので、床の状況に関わりなく枕が遠ざかってしまうことがない。
枕を下げるときには、天板の移動支点側端部56を持ち上げると、実施例1と同様に調節支点軸33は溝から垂直に上がり、背面板17に沿って19側へ移動すると共に天板が着床する。なおここで、端部56を持ち上げる代わりに、取っ手55を図示CLで示す方向の偶力を加えつつ持ち上げても、全く同じ作用効果を生じる。これにより、使用者は枕に頭を載せたままで手を伸ばして、取っ手55を操作して高さの調節が可能となる。本実施例は、床に仰臥してテレビを視聴するという用途に格別に好適なものである。
本明細書においては家具を中心にして日用品に本発明を適用した例で説明した。
比較的小さな負荷であって、精細な高さ調節を必要としない用途は本願実施例以外にも様々な分野に存在する。たとえば商品の展示台、花瓶など装飾具の台、作業場の工具台など、広い応用が期待できる。また、本明細書では木製品を中心に記述しているが、金属や合成樹脂を活用すれば、さらに用途が広がると考えられる。
比較的小さな負荷であって、精細な高さ調節を必要としない用途は本願実施例以外にも様々な分野に存在する。たとえば商品の展示台、花瓶など装飾具の台、作業場の工具台など、広い応用が期待できる。また、本明細書では木製品を中心に記述しているが、金属や合成樹脂を活用すれば、さらに用途が広がると考えられる。
1 基台、10 調節支点、11 固定支点
12 調節溝列、13 溝、 14 垂直面、15 斜面、16 頂部、17背面板
2 天板、20 移動支点、21 固定支点、22 案内路、23 取っ手
3 リンク、30 交叉支点、31 内側リンク棒、32 外側リンク棒
R リンク交叉角
33 調節支点軸、34〜36 支点ピン
40 ロッカ、41 ロッカ孔
50 枕、51 天板、54 前垂れ、55 取っ手
12 調節溝列、13 溝、 14 垂直面、15 斜面、16 頂部、17背面板
2 天板、20 移動支点、21 固定支点、22 案内路、23 取っ手
3 リンク、30 交叉支点、31 内側リンク棒、32 外側リンク棒
R リンク交叉角
33 調節支点軸、34〜36 支点ピン
40 ロッカ、41 ロッカ孔
50 枕、51 天板、54 前垂れ、55 取っ手
Claims (4)
- 基台上に立設された交叉リンク対で天板を支える昇降台であって、リンク対の基台側と天板側のそれぞれにおいて対向位置するいずれかの支点対を固定支点とし、他方の支点対を移動支点とする昇降台において、基台側あるいは天板側のいずれかの移動支点対を、調節支点軸を保持する鋸歯状の調節溝をリンクの開閉方向に配列した調節溝列と、調節溝列との間に調節支点軸を挿通させる間隙をもって向い合う背面板とからなる調節支点とすることを特徴とする交叉リンク昇降台。
- 調節支点の調節支点軸を挿通させる間隙に、調節支点軸を調節溝内に拘束するロッカを出し入れ自在とすることを特徴とする請求項1記載の交叉リンク昇降台。
- 調節支点の調節溝列が、リンク中央から外方へ上がり勾配に配列されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の交叉リンク昇降台。 - 天板周縁を持ち上げることによって、調節支点内の支点軸が調節溝列に押し付けられる方向のトルクを発生する天板周縁の操作位置、および調節支点内の支点軸が背面板に押し付けられる方向のトルクを発生する天板周縁の操作位置に、高さ調節取っ手または操作位置の標示を備えたことを特徴とする請求項1、2、または3に記載の交叉リンク昇降台。
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