JP2019198458A - 座椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、使用者が着座していない際には容易に移動可能で、使用者が着座している際には移動が抑制される座椅子を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の座椅子は、床面Fに載置され、使用者が腰掛けるために用いられる座椅子1であって、床面Fに下端が接触するように、床面Fに載置される基台2と、使用者が腰掛ける座面31aを上端に有し、基台2に昇降可能に支持される座台3と、基台2と座台3との間に設けられ、基台2に対して座台3を上方に付勢する付勢部4とを備え、座椅子1が、使用者の体重が座面31aに負荷されていない状態では、付勢部4の付勢力により、基台2に対して座台3が上昇して、座台3の下端が床面Fから離間し、使用者の体重が座面31aに負荷されている状態では、付勢部4の付勢力に抗して、基台2に対して座台3が下降して、座台3の下端が床面Fに接触するように構成されることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、座椅子に関する。
従来、たとえば、和室などにおいて、使用者がくつろいで着座するために、座椅子が用いられている。座椅子は、一般的に、床面に対して滑りやすい構造を有しているため、持ち上げることなく床を滑らせて配置場所を容易に変更することができる。また、たとえば、座卓に対面して使用者が着座するために座椅子が用いられる場合には、使用者が立ち上がる際に座卓が邪魔になるが、座椅子を後ろに引くことで、使用者が立ち上がるためのスペースを確保できるので、使用者は容易に立ち上がることができる。
一方で、座椅子は、床面に対して滑りやすいために、使用者が着座した後に移動してしまうという問題がある。せっかく座椅子を最適な位置に配置しても、着座した後に移動してしまうと、使用者は、腰を浮かせて、座椅子の位置調整を行なう必要がある。このような問題を解決するために、たとえば特許文献1に開示されるように、座板の下面に滑り止め用弾性部材を設けて、座椅子の滑り止めが行なわれる。
実開昭53−142906号公報
ところが、特許文献1に開示されているように、座椅子に滑り止め機能を付与することによって、使用者が着座した後に座椅子が移動するという問題は解決することができるが、配置場所を容易に変更することができなくなる。また、たとえば、座卓に対面して使用者が着座するために座椅子が用いられる場合には、使用者が立ち上がる時に、使用者が立ち上がるためのスペースを確保するために座椅子を無理に後ろに引くと、座板の下面の摩擦力が大きいので畳などの床面を痛めるという問題が生じるおそれがあり、逆に座椅子を後ろに引かなければ、使用者が立ち上がるためのスペースを確保することができずに、座卓と座椅子が邪魔になって使用者は容易に立ち上がることができないという問題が生じる。
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、使用者が着座していない際には容易に移動可能で、使用者が着座している際には移動が抑制される座椅子を提供することを目的とする。
本発明の座椅子は、床面に載置され、使用者が腰掛けるために用いられる座椅子であって、前記床面に下端が接触するように、前記床面に載置される基台と、前記使用者が腰掛ける座面を上端に有し、前記基台に昇降可能に支持される座台と、前記基台と前記座台との間に設けられ、前記基台に対して前記座台を上方に付勢する付勢部とを備え、前記座椅子が、前記使用者の体重が前記座面に負荷されていない状態では、前記付勢部の付勢力により、前記基台に対して前記座台が上昇して、前記座台の下端が前記床面から離間し、前記使用者の体重が前記座面に負荷されている状態では、前記付勢部の付勢力に抗して、前記基台に対して前記座台が下降して、前記座台の下端が前記床面に接触するように構成されることを特徴とする。
また、前記付勢部が、前記座台に対して、前記座台の前側よりも後側の方が大きい付勢力を付与するように構成されていることが好ましい。
また、前記付勢部が負荷を受けていない状態において、前記座台が、前記床面に対して、前記座台の前側よりも後側の方が高くなるように構成されていることが好ましい。
また、前記基台の下端および前記座台の下端が、前記床面に摺動接触するように構成され、前記座台の下端が、前記基台の下端よりも、前記床面に対する摩擦係数が大きくなるように形成されていることが好ましい。
また、前記基台が、前記床面に下面が接触する接床部と、前記接床部の水平方向の外周側から上方に延びる上側延在部とを備え、前記座台が、上面に前記座面を有する座部と、前記座部の水平方向の外周側から下方に延びる下側延在部とを備え、前記付勢部が、前記座部の下面と前記接床部の上面との間に設けられ、前記下側延在部が、前記上側延在部の水平方向の外周を囲繞するように配置されることが好ましい。
また、前記基台が、前記床面と転動接触する車輪であることが好ましい。
また、前記基台が、前記床面と転動接触する車輪であり、前記座台が、上面に前記座面を有する座部と、前記座部の水平方向の外周側から下方に延びる下側延在部とを備え、前記付勢部が、前記座部の下面と前記車輪との間に設けられ、前記下側延在部が、前記車輪の水平方向の外側に配置されることが好ましい。
本発明によれば、使用者が着座していない際には容易に移動可能で、使用者が着座している際には移動が抑制される座椅子を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る座椅子の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る座椅子の平面図である。 図2のA−A線切断端面図であり、使用者の体重が座台に負荷されていない状態を示す図である。 図2の座椅子における(a)座台のA−A線切断端面図、(b)付勢部のA−A線切断端面図、および(c)基台のA−A線切断端面図である。 本発明の第1実施形態に係る座椅子の分解斜視図である。 図2のA−A線切断端面図であり、使用者の体重が座台に負荷されている状態を示す図である。 図2のA−A線切断端面図であり、座台が把持されて座椅子が持ち上げられた状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る座椅子の側面図であり、使用者の体重が座台に負荷されていない状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る座椅子の側面図であり、使用者の体重が座台に負荷されている状態を示す図である。 図8の座椅子の後側の車輪付近の部分拡大側断面図である。 図9の座椅子の後側の車輪付近の部分拡大側断面図である。 本発明の第2実施形態に係る座椅子の裏面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の2つの実施形態(第1実施形態および第2実施形態)に係る座椅子1、10を説明する。ただし、本発明の座椅子は、以下の2つの実施形態に限定されることはない。
本発明の2つの実施形態の座椅子1、10は、図1および図8に示されるように、たとえば畳などの床面Fに載置され、使用者が腰掛けるために用いられる。「座椅子」という用語は、一般的には、和室で用いられる脚のない背もたれ用の椅子を意味する。しかし、本実施形態の座椅子1、10は、「座椅子」のもつ一般的な用語の意味に限定されることはなく、たとえば洋室において用いることも可能である。また、本明細書においては、特に断らない限り、座椅子1、10が略水平な床面Fに載置されていることを想定して、「水平」および「鉛直」の用語が用いられ、「上」および「下」の用語が、鉛直方向の「上」および「下」を意味するものとして用いられる。また、「前」および「後」の用語は、座椅子に着座した状態の使用者から見た「前」および「後」を意味するものとして用いられる。
(第1実施形態)
第1実施形態の座椅子1は、図1に示されるように、床面Fに載置される基台2と、基台2に昇降可能に支持される座台3と、基台2と座台3との間に設けられる付勢部4とを備えている。また、座椅子1は、着座した使用者が背中を凭れ掛けるための背凭れ5を備えている。背凭れ5は、本実施形態では、座台3と一体として成型される。座椅子1は、使用者が着座していない状態(図3の状態)では、付勢部4の付勢力によって、基台2に対して座台3が上昇し、使用者が着座している状態(図6の状態)では、付勢部4の付勢力に抗して、基台2に対して座台3が下降するように構成されている。
基台2は、図1に示されるように、下端が床面Fに接触するように床面Fに載置され、床面Fに対して、付勢部4を介して座台3を支持する部材である。基台2は、付勢部4を介して座台3に接続される。基台2は、本実施形態では、図3〜5に示されるように、床面Fに接触する接床部21と、接床部21の水平方向の外周側から上方に延びる上側延在部22とを備えている。接床部21は、床面Fと接触し、床面Fに対して、付勢部4を介して座台3を支持する。接床部21は、本実施形態では、略矩形の板状に形成され、床面Fに対して略平行に配置される。接床部21は、基台2の下端である下面21bが床面Fに接触するように配置され、接床部21の上面21aにおいて、付勢部4が接続される。上側延在部22は、接床部21とともに、付勢部4を挿入可能な付勢部挿入空間S1(図4(c)および図5参照)を形成する。上側延在部22は、本実施形態では、接床部21の上面21aの水平方向の外周に沿った略矩形の枠状に形成されている。上側延在部22は、上側延在部22の水平方向の内側に、接床部21の上面21aとともに、付勢部4を挿入可能な付勢部挿入空間S1を形成する。付勢部挿入空間S1は、上側延在部22の水平方向の内周と接床部21の上面21aとにより区切られ、基台2の上側に開口を有する空間である。付勢部挿入空間S1は、その水平面内の大きさが、付勢部4が水平方向に広がった時の最大サイズと略同一の大きさになるように形成される(図6参照)。したがって、付勢部挿入空間S1に挿入された付勢部4は、付勢部挿入空間S1内において水平方向に移動しようとしても、上側延在部22の水平方向の内周面に当接するので、基台2に対する水平面内での移動が抑制される。
ただし、基台2は、床面Fに載置され、付勢部4を介して座台3を支持することができれば、上述した構成に限定されることはない。たとえば、基台2は、上述した接床部21および上側延在部22を有し、略円形や略多角形など形状のみ異なる構成とすることも可能であるし、枠状に形成されて、枠内で座台が昇降可能なような構成とすることも可能であるし、以下で述べる第2実施形態の座椅子10ように、床面Fを転動する車輪として構成することも可能である。また、基台2は、使用者が座椅子1に着座した状態で、付勢部4を介して座台3を支持する強度を有していれば、その材質は特に限定されることはなく、木材、樹脂、金属などの任意の材料により形成することができる。
基台2は、本実施形態では、図3および図6に示されるように、基台2の下端(接床部21の下面21b)が床面Fに摺動接触するように構成されている。そして、基台2の下端は、座台3の下端よりも、床面Fに対する摩擦係数(または摺動抵抗)が小さくなるように形成されている。ここで、後に詳しく述べるように、座椅子1は、使用者の体重が座台3に負荷されていない際には、座台3の下端が床面Fに接触しないように構成されている(図3参照)。したがって、座椅子1は、使用者の体重が座台3に負荷されていない際には、座台3の下端が床面Fに接触することなく、座台3の下端よりも摩擦係数の小さい基台2の下端が床面Fに摺動接触するので、床面Fに対して滑らせて容易に移動させることができる。なお、基台2の下端は、座台3の下端より摩擦係数が小さくなるように形成されていればよく、特に限定されることはないが、たとえば公知のテフロン(登録商標)やフェルトなどの摩擦係数の小さい材料が設けられてもよいし、後述するように、座台3の下端に摩擦係数の大きい滑り止め部材34が設けられて、基台2の下端はそのような摩擦係数の大きい部材が設けられない構成とされてもよい。ただし、基台2は、床面Fに対して摺動接触するのではなく、上述したように、車輪として構成されて床面Fに対して転動接触するように構成されていてもよい。
基台2は、本実施形態では、図2〜図5に示されるように、基台2に対する座台3の昇降方向Dの移動を案内する案内部23を備えている。案内部23は、後述する座台3の被案内部33と協働して、基台2に対する座台3の昇降方向Dの移動を案内するとともに、所定範囲以上の昇降方向Dの移動を規制する。案内部23は、基台2の上側延在部22の上端22aに設けられ、上側延在部22の上端22aから上側延在部22の水平方向の外側に突出する部材として形成されている。案内部23は、座台3の被案内部33に対応する大きさに形成され、被案内部33の延びる方向(座台3の昇降方向D)に沿って移動可能に構成されている。案内部23および被案内部33が、座台3の昇降方向Dに沿って互いに対して相対移動することで、基台2に対して座台3が昇降方向Dに沿って移動することができる。案内部23は、本実施形態では、上側延在部22を形成する4つの枠材のそれぞれに一つずつ、それぞれの枠材の水平方向の略中央に設けられている(図2および図5参照)。しかし、案内部23は、座台3の被案内部33と協働して、基台2に対する座台3の昇降方向Dの移動を案内するとともに、所定範囲以上の昇降方向Dの移動を規制することができれば、その形状や設けられる位置および数は限定されることはなく、たとえば被案内部33が凸状に形成されるのに対応して凹状に形成されてもよいし、上側延在部22の他の位置に設けられていてもよい。なお、所定範囲以上の昇降方向Dの移動の規制については、以下において詳しく述べる。
座台3は、図1に示されるように、使用者が腰掛ける座面31aを上端に有し、使用者が腰掛けるための部材である。座台3は、付勢部4を介して基台2に対して昇降可能に接続される。座台3は、後に詳しく述べるように、使用者が座椅子1に腰掛けていない際には、基台2に対して上昇して、付勢部4を介して基台2に支持され(図3の状態)、使用者が座椅子1に腰掛けている際には、基台2に対して下降して、座台3の下端が床面Fに接触して使用者を支持する(図6の状態)。
座台3は、本実施形態では、図3〜5に示されるように、座台3の上端である上面に座面31aを有する座部31と、座部31の水平方向の外周側から下方に延びる下側延在部32とを備えている。座部31は、使用者が腰掛ける座面31aを有し、付勢部4が接続される。座部31は、本実施形態では、略矩形の板状に形成され、上面に座面31aが設けられ、下面31bに付勢部4が接続される。下側延在部32は、基台2に対して座台3が下降したときに、床面Fに接触する。また、下側延在部32は、座部31とともに、基台2を挿入可能な基台挿入空間S2(図4(a)および図5参照)を形成する。下側延在部32は、本実施形態では、座部31の下面31bの水平方向の外周に沿った略矩形の枠状に形成され、下側延在部32の水平方向の内側に、座部31の下面31bとともに、基台2を挿入可能な基台挿入空間S2を形成する。基台挿入空間S2は、下側延在部32の内周と座部31の下面31bとにより区切られ、座台3の下側に開口を有する空間である。基台挿入空間S2は、水平面内の形状および大きさが基台2の水平面内の形状および大きさと略同一であるように形成される。そして、下側延在部32は、基台2の上側延在部22の水平方向の外周を囲繞するように配置される。したがって、使用者が座椅子1に腰掛けている際には、基台2に対して座台3が下降して、座台3の水平方向の外周側に配置された下側延在部32の下端32bが床面Fに接触して使用者を支持するので(図6の状態)、最も荷重のかかる部位が座椅子1の水平方向の外周側に配置されるので、使用者が着座した際の着座姿勢が安定する。また、基台挿入空間S2の水平面内の形状および大きさが基台2の水平面内の形状および大きさと略同一に形成されることで、基台2に対する座台3の水平方向の移動が抑制され、基台2に対する座台3の水平方向での位置が安定する。
ただし、座台3は、使用者の体重が負荷されていない状態で床面Fに接触することがなく、使用者の体重が負荷されている状態で床面Fに接触するように構成されていればよく、上述した構成に限定されることはない。たとえば、座台3は、上述した座部31および下側延在部32を有し、略円形や略多角形など形状のみ異なる構成としてもよいし、基台を枠状に構成し、基台の枠内に昇降可能に挿入されるような構成としてもよい。また、座台3は、使用者が腰掛けた状態で使用者を支持することができれば、その材質は特に限定されることはなく、木材、樹脂、金属などの任意の材料により形成することができる。
座台3は、本実施形態では、図6に示されるように、使用者が腰掛けて、使用者の体重が負荷されている際に、座台3の下端(下側延在部32の下端32b)が床面Fに摺動接触するように構成されている。そして、座台3の下端は、基台2の下端よりも、床面Fに対する摩擦係数(または摺動抵抗)が大きくなるように形成されている。したがって、座椅子1は、使用者が着座している際には、基台2の下端よりも摩擦係数の大きい座台3の下端が床面Fに摺動接触することにより、床面Fに対する摩擦力が増加し、より滑りにくくなって、着座位置がより安定する。なお、座台3の下端は、基台2の下端よりも摩擦係数が大きくなるように形成されていればよく、特に限定されることはないが、本実施形態では、図3や図4(a)に示されるように、滑り止め部材34が設けられている。滑り止め部材34としては、座台3の下端の摩擦係数が基台2の下端の摩擦係数よりも大きくなるような部材であれば、特に限定されることはなく、たとえば摩擦係数の大きいゴム製のシート状部材を用いることができる。また、座台3の下端は、基台2の下端よりも、床面Fに対する摩擦係数が大きければ大きいほど好ましい。たとえば、基台2の下端の摩擦係数に対する座台3の下端の摩擦係数の比(座台/基台)としては、特に限定されることはないが、前から後に行くほど好ましい順に、1.5以上、3.0以上、6.0以上、20.0以上、50.0以上である。
座台3は、本実施形態では、図2〜図5に示されるように、基台2に対する座台3の昇降方向Dの移動を案内する被案内部33を備えている。被案内部33は、上述したように、基台2の案内部23と協働して、基台2に対する座台3の昇降方向Dの移動を案内するとともに、所定範囲以上の昇降方向Dの移動を規制する。被案内部33は、図5に示されるように、座台3の下側延在部32の上端32aから、座台3の昇降方向Dに沿って延びる凹状の溝として形成されている。被案内部33が、その延びる方向に沿って、基台2の案内部23に案内されることで、基台2に対して座台3が昇降方向Dに沿って案内される。また、被案内部33は、図3に示されるように、座台3の座部31の下面31bにおいて上側が終端し(上側終端部33a)、下側延在部32の上端32aと下端32bとの間で下側が終端している(下側終端部33b)。被案内部33は、被案内部33の上側終端部33aと下側終端部33bとの間を越えた案内部23の移動を規制し、基台2に対する座台3の所定範囲以上の昇降方向Dの移動を規制する。したがって、たとえば、図7に示されるように、基台2を持たずに座台3を持って座椅子1を持ち上げても、基台2に対する座台3の移動が所定範囲内に規制されるので、基台2が座台3から外れることがなく、座椅子1を容易に持ち運びすることができる。なお、座台3の移動可能な所定範囲は、本実施形態では、被案内部33の上側終端部33aと下側終端部33bとの間で画定されるが、要望に応じて適宜設定が可能である。
付勢部4は、基台2に対して座台3を上方に付勢する部材である。付勢部4は、座台3の昇降方向Dに沿って負荷を受けていない場合は伸長状態にあり、座台3の昇降方向Dに沿って負荷を受けると収縮状態に変化し、座台3の昇降方向Dに沿った負荷が取り除かれると伸長状態に復元する復元力を有している。付勢部4は、図3に示されるように、一方の端部が座台3に接続され、他方の端部が基台2に接続される。付勢部4は、使用者の体重が座台3の座面31aに負荷されていない状態では、座台3の下端が床面Fから離間するように、伸長して、基台2に対して座台3を上昇させ(図3の状態)、使用者の体重が座台3の座面31aに負荷されている状態では、座台3の下端が床面Fに接触するように、収縮して、基台2に対して座台3を下降させる(図6の状態)ように形成されている。付勢部4は、本実施形態では、座台3の座部31の下面31bと基台2の接床部21の上面21aとの間に設けられ、一方の端部である上面4aが座台3の下面31bに接続され、他方の端部である下面4bが接床部21の上面21aに接続される。
付勢部4が座台3に対して付与する付勢力は、使用者の体重が座台3の座面31aに負荷されていない状態では、座台3の下端を床面Fから離間させ、使用者の体重が座台3の座面31aに負荷されている状態では、座台3の下端を床面Fに接触させることができれば、特に限定されることはなく、座台3から受ける力に応じて適宜設定することが可能である。たとえば、付勢部4は、座台3に対して、座台3の前側(背凭れ5のある側とは反対側)よりも後側(背凭れ5のある側)の方が大きい付勢力を付与するように構成されていてもよい。ここで、座椅子は、一般的に、脚のある椅子と比べて、着座部分と背凭れ部分だけで構成され、脚部分が無いので、重心が後側に位置する。座椅子は、重心が後側に位置することによって、たとえば、使用者が着座していないような場合には、後側に傾倒するようなモーメントを受ける。しかし、付勢部4の付勢力を、座台3の前側よりも後側の方を大きくすることで、後側に傾倒するようなモーメントに対抗することができ、座椅子1の後側への傾倒を抑制することができる。付勢部40の付勢力は、たとえば、座椅子1を床面Fに載置して、座台3の座面31aに使用者の体重が負荷されておらず、座台3および背凭れ5の荷重だけが付勢部40に負荷された状態で、座台3の下端が床面Fに対して略平行になるように設計することができる。ただし、付勢部40の付勢力は、座椅子1の後側への傾倒を抑制するように設計されていればよく、同じ状態で、座台3の下端が床面Fに対して略平行からわずかに傾斜するように設計されていても構わない。
付勢部4は、本実施形態では、スポンジなどの樹脂製のクッション材により構成されている。付勢部4は、クッション材により構成されることで、任意の形状および大きさに形成可能であり、たとえば広い面積にすることで、肉厚を薄くしても十分な付勢力を確保することができる。クッション材の肉厚を薄くすることで、基台2および座台3の肉厚も薄くすることが可能で、それによって、座椅子1の床面Fからの座高(着座高さ)を低くすることができる。クッション材を構成する材料としては、特に限定されることはなく、たとえば、ウレタン、ポリウレタン、ポリエチレンなどが例示される。
付勢部4は、図2〜6に示されるように、基台2の付勢部挿入空間S1に対応する形状を有している。より具体的には、付勢部4は、座台3の昇降方向Dに沿って負荷を受けると、昇降方向Dに沿って収縮すると同時に、昇降方向Dに対して略垂直な水平方向にわずかに伸長するが、この水平方向に伸長したときの最大サイズが基台2の付勢部挿入空間S1の水平面内の大きさと略同一になるように形成されている(図6参照)。したがって、付勢部4は、基台2の付勢部挿入空間S1のほぼ全体に亘って配置され、付勢部挿入空間S1内で水平方向に移動しようとしても、上側延在部22の内周に当接して、付勢部挿入空間S1内での水平方向の移動が抑制されるので、座台3に対して水平面内で略均一に付勢力を付与することができる。なお、座台3の昇降方向Dに沿って負荷を受けたときに水平方向に伸張しないような部材(たとえばバネ部材)を付勢部4として用いる場合には、負荷を受ける前の付勢部4と付勢部挿入空間S1とが、水平面内の大きさが略同一になるように形成されてもよい。
付勢部4は、本実施形態では、図3〜図5に示されるように、略矩形の板状に形成され、付勢部4の上面4aが座台3の座部31の下面31bに面接触するように接続され、付勢部4の下面4bが基台2の接床部21の上面21aに面接触するように接続される。付勢部4は、基台2および座台3に対して面接触だけで接続されて、取り外し自在に設けられている。付勢部4が、取り外し自在に設けられていることで、使用中のクッション材が劣化したとしても、新しいクッション材に容易に交換することができるので、付勢部4の付勢力を容易に適正範囲に維持することができる。また、接続金具などの機械的な接続手段を用いないで付勢部4を基台2および座台3に接続することで、機械的な接続手段に要する高さを省略することができ、座椅子1の床面Fからの座高を低く抑えることが可能である。
付勢部4は、使用者の体重が座台3の座面31aに負荷されていない状態では、座台3の下端が床面Fから離間するように伸長し、使用者の体重が座台3の座面31aに負荷されている状態では、座台3の下端が床面Fに接触するように収縮するように構成されていればよく、その形状、材質、基台2および座台3との接続方法は、上記構成に限定されることはない。たとえば、付勢部4は、座椅子1の前側よりも後側の方が厚くなるように、座椅子1の前後方向に沿った断面が略台形状に形成されていてもよい。付勢部4の前側よりも後側の方が厚く形成されることで、座台3は、付勢部4が負荷を受けていない状態において、床面Fに対して、座台3の前側よりも後側の方が高くなるように構成される。座台3の前側よりも後側が高くなって、座台3および背凭れ5が床面Fに対して前方に傾斜することで、座椅子1の重心が前方へと移動する。座椅子1の重心が前方に移動することで、座椅子1が後側に傾倒するようなモーメントを軽減することができ、座椅子1の後側への傾倒を抑制することができる。座台3の高さは、たとえば、座椅子1を床面Fに載置して、座台3の座面31aに使用者の体重が負荷されておらず、座台3および背凭れ5の荷重だけが付勢部4に負荷された状態で、座台3の下端が床面Fに対して略平行になるように設計することができる。ただし、座台3の高さは、座椅子1の後側への傾倒を抑制するように設計されていればよく、同じ状態で、座台3の下端が床面Fに対して略平行からわずかに傾斜するように設計されていても構わない。
また、付勢部4は、樹脂製のクッション材に限定されることはなく、たとえば付勢力を有するバネ部材により構成されていてもよい。また、付勢部4と基台2および座台3との接続方法としては、上記構成に限定されることはなく、たとえば接着剤や接着テープなどを採用することが可能であり、付勢部4としてバネ部材を用いる場合には、たとえばボルトおよびナットなどの公知の接続手段を採用することも可能であるし、付勢部挿入空間S1内に伸縮自在に嵌入する方法を採用することができる。
つぎに、主に図5を参照して、本実施形態の座椅子1の組み立て方法を説明する。ただし、以下の説明は一例であり、本発明の座椅子は、以下の説明に限定されることはない。
本実施形態の座椅子1は、図5に示されるように、基台2に付勢部4を介して座台3を接続することにより組み立てられる。
先ず、接床部21の上面21aの水平方向の外周に沿って、上側延在部22が固定されることで、基台2が作製される。接床部21に対する上側延在部22の固定は、特に限定されることはなく、接着剤やビスなどの公知の固定手段により行なわれる。基台2には、上側延在部22の上端22aから上側延在部22の水平方向の外側に突出するように、上側延在部22の上端22aに案内部23が設けられる。
次に、基台2の接床部21の上面21aと、基台2の上側延在部22の水平方向の内周とによって画定される付勢部挿入空間S1に、付勢部4が挿入される。このとき、付勢部4の下面4bと接床部21の上面21aとは、互いに取り外し可能なように、面接触により接続される。
次に、上述した基台2および付勢部4が、座台3の一部として構成される下側延在部32の上側から、下側延在部32により形成される基台挿入空間S2内に挿入される。このとき、基台2の案内部23は、下側延在部32に設けられた被案内部33に沿って下方に移動するが、移動し続けると被案内部33の下側終端部33bに当接するので、下側終端部33bを越えて移動することはない(図7を参照)。
最後に、下側延在部32の上端32aに座部31が固定されることによって、座台3に付勢部4が接続されて、座椅子1の組み立てが完了する。座部31に対する下側延在部32の固定は、特に限定されることはなく、ビスなどの公知の固定手段により行なわれる。このとき、座部31の下面31bと付勢部4の上面4aとは、互いに取り外し可能なように、面接触により接続される。
つぎに、図3、図6および図7を参照して、本実施形態の座椅子1の作用・効果について説明する。ただし、本発明の座椅子は、以下の説明に限定されることはない。
図3は、図2のA−A線切断端面図であり、座台3に使用者の体重が負荷されていない座椅子1の状態を示している。図3に見られるように、座椅子1は、使用者の体重が座台3の座面31aに負荷されていない状態では、付勢部4の付勢力により、基台2に対して座台3が上昇して、座台3の下端(下側延在部32の下端32b)が床面Fから離間するように構成されている。この状態では、座椅子1は、座台3の下端が床面Fに接触することなく、基台2の下端(接床部21の下面21b)だけが床面Fに接触した状態であるので、床面Fに対して滑りやすく、座椅子1を持ち上げることなく床面Fを滑らせながら配置場所を容易に変更することができる。
図6は、図2のA−A線切断端面図であり、座台3に使用者の体重が負荷されている座椅子1の状態を示している。図6に見られるように、座椅子1は、使用者の体重が座台3の座面31aに負荷されている状態では、付勢部4の付勢力に抗して、基台2に対して座台3が下降して、座台3の下端(下側延在部32の下端32b)が床面Fに接触するように構成されている。この状態では、座椅子1は、基台2の下端(接床部21の下面21b)に加えて、座台3の下端も床面Fに接触して、(図3の状態と比べると)床面Fとの接触面積が増加するので、床面Fに対して滑りにくくなって移動が制限され、着座位置が安定する。座椅子1は、本実施形態では、座台3の下端が、基台2の下端よりも、床面Fに対する摩擦係数(または摺動抵抗)が大きくなるように形成されているので、座台3の下端が床面Fに接触した際に、より摩擦力が増加するので、より滑りにくくなって、着座位置がより安定する。
以上に示したように、本実施形態の座椅子1は、使用者が着座していない際には、床面Fに対して滑り易く、容易に移動可能であり、使用者が着座している際には、床面Fに対して滑りにくく、移動が抑制される。つまり、座椅子1は、使用者が着座していない状態で、持ち上げることなく床面Fを滑らせて配置場所を容易に変更することができるとともに、使用者が着座した後には、床面F上を移動するのが抑制されて、着座位置が安定する。そして、たとえば、座卓に対面して使用者が着座するために座椅子1が用いられる場合には、使用者が立ち上がる際に座卓が邪魔になるが、座椅子1を床面Fに沿って後ろに引くことで、使用者が立ち上がるためのスペースを確保できるので、使用者は容易に立ち上がることができる。
また、座椅子1は、図3および図6に示されるように、基台2および座台3がそれぞれ、案内部23および被案内部33を備えることで、使用者の体重が座台3に負荷されていない状態と負荷された状態との間を移行する際に、基台2に対する座台3の昇降方向Dの移動が案内されて、基台2に対する座台3の水平方向の移動が抑制される。また、座椅子1は、座台3の下側延在部32の水平方向の内側に形成される基台挿入空間S2(図4(a)および図5参照)の水平面内の形状および大きさを基台2の水平面内の形状および大きさと略同一とすることで、基台2に対して座台3が水平方向で移動しようとしても、基台2が下側延在部32の内周に当接して、基台2に対する座台3の水平方向の移動が抑制される。このように、基台2に対する座台3の水平方向の移動を抑制することで、基台2に対して座台3が水平方向にずれることが抑制されるので、使用者は安心して座椅子1に腰掛けることができる。
図7は、図2のA−A線切断端面図であり、座台3が把持されて座椅子1が持ち上げられた状態を示している。図7に見られるように、座台3が持ち上げられると、基台2に対して座台3が昇降方向Dの上側に移動するが、座台3の被案内部33の下側終端部33bが基台2の案内部23に当接することで、基台2に対する座台3の昇降方向Dの上側への移動が停止する。これにより、持ち上げられる座台3の動きに追従して、基台2も一緒に持ち上げられる。したがって、基台2を把持することなく座台3のみを把持して座椅子1を持ち上げても、基台2が座台3から外れることがなく、基台2とともに持ち上げることができるので、座椅子1の持ち運びが容易である。
(第2実施形態)
つぎに、図8〜12を参照して、本発明の第2実施形態に係る座椅子10を説明する。図8〜12では、上述した第1実施形態に係る座椅子1と同一の構成要素に同じ符号が付されている。以下においては、第2実施形態の座椅子10について、第1実施形態の座椅子1との相違点を中心に説明し、第1実施形態の座椅子1と共通する点の説明は省略する。
第2実施形態の座椅子10は、図8に示されるように、床面Fに載置される基台20と、基台20に昇降可能に支持される座台3と、基台20と座台3との間に設けられる付勢部40とを備えている。また、座椅子10は、着座した使用者が背中を凭れ掛けるための背凭れ5を備えている。背凭れ5は、本実施形態では、座台3と一体として成型される。座椅子10は、使用者が着座していない状態(図8の状態)では、付勢部40の付勢力によって、基台20に対して座台3が上昇し、使用者が着座している状態(図9の状態)では、付勢部40の付勢力に抗して、基台20に対して座台3が下降するように構成されている。
基台20は、本実施形態では、図8に示されるように、床面Fと転動接触する車輪である。以下では、基台を車輪という。車輪20は、下端が床面Fに接触するように床面Fに載置され、床面Fに対して、付勢部40を介して座台3を支持する部材である。車輪20は、床面F上を転動可能に構成される。車輪20は、座台3との間に付勢部40が設けられ、付勢部40を介して座台3に回転可能に接続される。車輪20は、本実施形態では、付勢部40とともに、座台3に接続されるキャスタ装置6の一部として構成されて、座台3に接続される。ただし、車輪20は、座台3に対して回転可能に接続され、付勢部40を介して座台3を支持することができれば、キャスタ装置6以外の装置を用いて座台3に接続されてもよい。
キャスタ装置6は、図10に詳しく示されるように、車輪20と、フレーム61と、フレーム61内に収容される付勢部40と、フレーム61内に収容され、床面Fに対して略平行に延びる、車輪20の車軸62と、フレーム61内に収容され、車軸62を回転可能に支持する軸受部材63と、床面Fに対して略垂直に延びる回転軸を中心として水平面内で回転可能にフレーム61が取り付けられる取付部材64とを備えている。キャスタ装置6は、取付部材64を介して、座台3の座部31の下面31bに(図示された例では後述する介在部材35を介して)取り付けられる。キャスタ装置6では、軸受部材63が座椅子10の昇降方向Dに沿って移動可能にフレーム61内に収容され、フレーム61内の固定壁と軸受部材63との間に付勢部40が設けられる。車輪20は、付勢部40を介して、フレーム61およびフレーム61が接続される座台3を支持する。
本実施形態では、図12に示されるように、複数の車輪20(および付勢部40)が座台3に接続されている。より具体的には、車輪20(および付勢部40)は、座台3の前側(背凭れ5のある側とは反対側、図中左側)より後側(背凭れ5のある側、図中右側)の方が多くなるように配置される(図示された例では、座台3の前側に2つ、座台3の後側に3つ)。これにより、付勢部40は、全体として、座台3に対して、座台3の前側よりも後側の方が大きくなる付勢力を付与するように構成される。ここで、上述したように、座椅子は、一般的に、脚のある椅子と比べて、重心が後側に位置し、後側に傾倒するようなモーメントを受ける。しかし、本実施形態の座椅子10では、座台3の前側よりも後側の方が、付勢力が大きくなるように構成されているので、後側に傾倒するようなモーメントに対抗することができ、座椅子10の後側への傾倒を抑制することができる。本実施形態では、図8に示されるように、座椅子10を床面Fに載置して、座台3の座面31aに使用者の体重が負荷されておらず、座台3および背凭れ5の荷重だけが付勢部40に負荷された状態で、座台3の下端が床面Fに対して略平行になるように、付勢部40の付勢力が設計されている。ただし、付勢部40の付勢力は、座椅子10の後側への傾倒を抑制するように設計されていればよく、同じ状態で、座台3の下端が床面Fに対して略平行からわずかに傾斜するように設計されていても構わない。
複数の車輪20は、本実施形態では、図12に示されるように、座台3の基台挿入空間S2の水平面内にすべて配置されている。つまり、座台3の下側延在部32は、複数の車輪20の水平方向の外側に配置される。したがって、使用者が座椅子10に腰掛けている際には、車輪20に対して座台3が下降して、座台3の水平方向の外周側に配置された下側延在部32の下端32bが床面Fに接触して使用者を支持するので(図9および図11の状態)、最も荷重のかかる部位が座椅子10の水平方向の外周側に位置し、使用者が着座した際の着座姿勢が安定する。
車輪20は、本実施形態では、付勢部40が負荷を受けていない状態で、座台3からの距離が座台3の前側よりも後側の方が大きくなるように、座台3に接続されている。より具体的には、図8は、座台3および背凭れ5の荷重だけが付勢部40に負荷された状態を示しているが、この図8を参照すると、座台3の前側(図中左側)のキャスタ装置6は、座台3の座部31の下面31bに直接取り付けられるのに対して、座台3の後側(図中右側)のキャスタ装置6は、介在部材35を介して、座台3の座部31の下面31bに間接的に取り付けられる。これにより、座台3は、付勢部40が負荷を受けていない状態において、床面Fに対して、座台3の前側よりも後側の方が高くなるように構成される。座台3の前側よりも後側の方が高くなって、座台3が前方に傾斜することで、座台3に取り付けられた背凭れ5も前方に傾斜し、それによって、座椅子10の重心が前方へと移動する。これにより、座椅子10は、座台3および背凭れ5の荷重が付勢部40に負荷されても、後側に傾倒するようなモーメントを軽減することができ、後側への傾倒を抑制することができる。本実施形態では、図8に示されるように、座椅子10を床面Fに載置して、座台3の座面31aに使用者の体重が負荷されておらず、座台3および背凭れ5の荷重だけが付勢部40に負荷された状態で、座台3の下端が床面Fに対して略平行になるように、座台3の高さが設計されている。ただし、座台3の高さは、座椅子10の後側への傾倒を抑制するように設計されていればよく、同じ状態で、座台3の下端が床面Fに対して略平行からわずかに傾斜するように設計されていても構わない。
車輪20は、付勢部40を介して座台3を支持することができれば、設けられる位置や数は上述した例に限定されることはない。たとえば、座台3の前側と後側に同じ数の車輪20が設けられてもよい。また、座台3の後側の車輪が、座台3の前側の車輪と同様に、介在部材35を介さずに、座台3の座部31の下面31bに直接取り付けられてもよい。また、車輪20は、使用者が座台3に着座した際に座台3を支持する強度を有していれば、その材質は特に限定されることはなく、樹脂や金属などの任意の材料により形成することができる。
付勢部40は、車輪20に対して座台3を上方に付勢する部材である。付勢部40は、座台3の昇降方向Dに沿って負荷を受けていない場合は伸長状態にあり、座台3の昇降方向Dに沿って負荷を受けると収縮状態に変化し、座台3の昇降方向Dに沿った負荷が取り除かれると伸長状態に復元する復元力を有している。付勢部40は、一方の端部が座台3側に接続され、他方の端部が車輪20側に接続される。付勢部40は、本実施形態では、図10に詳しく示されるように、座台3の座部31の下面31bと車輪20との間に設けられる。より具体的には、付勢部40は、座部31の下面31bに間接的に取り付けられたキャスタ装置6のフレーム61内の固定壁と、車輪20の車軸62を支持する軸受部材63との間に設けられる。付勢部40は、使用者の体重が座台3の座面31aに負荷されていない状態では、座台3の下端が床面Fから離間するように、伸長して、基台2に対して座台3を上昇させ(図8および図10の状態)、使用者の体重が座台3の座面31aに負荷されている状態では、座台3の下端が床面Fに接触するように、収縮して、基台2に対して座台3を下降させる(図9および図11の状態)ように形成される。
付勢部40は、本実施形態では、図8に示されるように、複数の車輪20のそれぞれに対して1つずつ設けられた複数の付勢部により構成される。複数の車輪20のそれぞれに設けられる個々の付勢部40は、複数の付勢部40が、全体として、使用者の体重が座台3に負荷されていない状態で、座台3の下端を床面Fから離間させ、使用者の体重が座台3に負荷されている状態で、座台3の下端を床面Fに接触させるような付勢力を有していればよく、所定の付勢力を有するように適宜設定することができる。たとえば、上述したように、複数の付勢部40を、全体として、座台3の前側よりも後側の方が大きくなる付勢力を座台3に対して付与するように構成するためには、複数の付勢部40のそれぞれの付勢力をすべて同じにして、座台3の前側より後側の方を車輪20および付勢部40の数が多くなるようにしてもよいし、座台3の前側と後側で車輪20および付勢部40の数を同じにして、座台3の後側に配置される付勢部40の付勢力が前側より大きくなるようにしてもよい。付勢部40は、本実施形態では、図10に示されるように、コイルバネなどのバネ部材により構成されるが、上述した所定の付勢力を有していれば、バネ部材に限定されることはない。
つぎに、図8〜図11を参照して、本実施形態の座椅子10の作用・効果について説明する。ただし、本発明の座椅子は、以下の説明に限定されることはない。
図8および図10を参照すると、座椅子10は、使用者の体重が座台3の座面31aに負荷されていない状態では、付勢部40の付勢力により、車輪20に対して座台3が上昇して、座台3の下端(下側延在部32の下端32b)が床面Fから離間するように構成されている。この状態では、座椅子10は、座台3の下端が床面Fに接触することなく、車輪20の下端だけが床面Fに接触した状態であるので、床面Fに対して滑りやすく(車輪20が転動しやすく)、座椅子10を持ち上げることなく床面Fを滑らせながら配置場所を容易に変更することができる。
図9および図11を参照すると、座椅子10は、使用者の体重が座台3の座面31aに負荷されている状態では、付勢部40の付勢力に抗して、車輪20に対して座台3が下降して、座台3の下端(下側延在部32の下端32b)が床面Fに接触するように構成されている。この状態では、座椅子10は、車輪20の下端に加えて、座台3の下端も床面Fに接触して、(図8および図10の状態と比べると)床面Fとの接触面積が増加するので、床面Fに対して滑りにくくなって移動が制限され、着座位置が安定する。また、座椅子10は、本実施形態では、座台3の下端(下側延在部32の下端32b)に滑り止め部材34が設けられているので、座台3の下端が床面Fに接触した際に、より摩擦力が増加するので、より滑りにくくなって、着座位置がより安定する。
以上に示したように、本実施形態の座椅子10は、使用者が着座していない際には、床面Fに対して滑り易く、容易に移動可能であり、使用者が着座している際には、床面Fに対して滑りにくく、移動が抑制される。つまり、座椅子10は、使用者が着座していない状態で、持ち上げることなく床面Fを滑らせて配置場所を容易に変更することができるとともに、使用者が着座した後には、床面F上を移動するのが抑制されて、着座位置が安定する。そして、たとえば、座卓に対面して使用者が着座するために座椅子10が用いられる場合には、使用者が立ち上がる際に座卓が邪魔になるが、座椅子10を床面Fに沿って後ろに引くことで、使用者が立ち上がるためのスペースを確保できるので、使用者は容易に立ち上がることができる。
1、10 座椅子
2、20 基台
21 接床部
21a 接床部の上面
21b 接床部の下面
22 上側延在部
22a 上側延在部の上端
22b 上側延在部の下端
23 案内部
3 座台
31 座部
31a 座面(座部の上面)
31b 座部の下面
32 下側延在部
32a 下側延在部の上端
32b 下側延在部の下端
33 被案内部
33a 上側終端部
33b 下側終端部
34 滑り止め部材
35 介在部材
4、40 付勢部
4a 付勢部の上面
4b 付勢部の下面
5 背凭れ
6 キャスタ装置
61 フレーム
62 車軸
63 軸受部材
64 取付部材
D 座台の昇降方向
F 床面
S1 付勢部挿入空間
S2 基台挿入空間

Claims (7)

  1. 床面に載置され、使用者が腰掛けるために用いられる座椅子であって、
    前記床面に下端が接触するように、前記床面に載置される基台と、
    前記使用者が腰掛ける座面を上端に有し、前記基台に昇降可能に支持される座台と、
    前記基台と前記座台との間に設けられ、前記基台に対して前記座台を上方に付勢する付勢部と
    を備え、
    前記座椅子が、
    前記使用者の体重が前記座面に負荷されていない状態では、前記付勢部の付勢力により、前記基台に対して前記座台が上昇して、前記座台の下端が前記床面から離間し、
    前記使用者の体重が前記座面に負荷されている状態では、前記付勢部の付勢力に抗して、前記基台に対して前記座台が下降して、前記座台の下端が前記床面に接触するように構成される、
    座椅子。
  2. 前記付勢部が、前記座台に対して、前記座台の前側よりも後側の方が大きい付勢力を付与するように構成されている、請求項1記載の座椅子。
  3. 前記付勢部が負荷を受けていない状態において、前記座台が、前記床面に対して、前記座台の前側よりも後側の方が高くなるように構成されている、請求項1または2記載の座椅子。
  4. 前記基台の下端および前記座台の下端が、前記床面に摺動接触するように構成され、
    前記座台の下端が、前記基台の下端よりも、前記床面に対する摩擦係数が大きくなるように形成されている、請求項1記載の座椅子。
  5. 前記基台が、
    前記床面に下面が接触する接床部と、
    前記接床部の水平方向の外周側から上方に延びる上側延在部と
    を備え、
    前記座台が、
    上面に前記座面を有する座部と、
    前記座部の水平方向の外周側から下方に延びる下側延在部と
    を備え、
    前記付勢部が、前記座部の下面と前記接床部の上面との間に設けられ、
    前記下側延在部が、前記上側延在部の水平方向の外周を囲繞するように配置される、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の座椅子。
  6. 前記基台が、前記床面と転動接触する車輪である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の座椅子。
  7. 前記基台が、前記床面と転動接触する車輪であり、
    前記座台が、
    上面に前記座面を有する座部と、
    前記座部の水平方向の外周側から下方に延びる下側延在部と
    を備え、
    前記付勢部が、前記座部の下面と前記車輪との間に設けられ、
    前記下側延在部が、前記車輪の水平方向の外側に配置される、
    請求項1〜3および6のいずれか1項に記載の座椅子。
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