JP2014002700A - バスロケーションシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に構築することが可能なバスロケーションシステムを提供する。
【解決手段】バスの位置をバス利用者に通知するバスロケーションシステムであって、バスに搭載されている送信器と、バッテリ動作し、通信範囲内にバスの移動経路を部分的に含む送受信器と、送受信器と通信可能な受信器と、受信器に接続されている報知器を有する。送受信器は、送信器から送信された信号を受信すると、特定の信号を送信する。報知器は、受信器で特定の信号が受信された場合に、バスの位置情報を報知する。送信器と送受信器との間の通信、及び、送受信器と受信器との間の通信が、IEEE802.15.4の規格に従って行われる。
【選択図】図1
【解決手段】バスの位置をバス利用者に通知するバスロケーションシステムであって、バスに搭載されている送信器と、バッテリ動作し、通信範囲内にバスの移動経路を部分的に含む送受信器と、送受信器と通信可能な受信器と、受信器に接続されている報知器を有する。送受信器は、送信器から送信された信号を受信すると、特定の信号を送信する。報知器は、受信器で特定の信号が受信された場合に、バスの位置情報を報知する。送信器と送受信器との間の通信、及び、送受信器と受信器との間の通信が、IEEE802.15.4の規格に従って行われる。
【選択図】図1
Description
本明細書が開示する技術は、バスロケーションシステムに関する。
特許文献1には、バスから送信される情報を最寄の無線端末によって受信し、受信した情報を他の無線端末に順次送信するバスロケーションシステムが開示されている。すなわち、最寄の無線端末で受信された情報は、その隣の無線端末に無線送信され、その無線端末で受信された情報は、さらに隣の無線端末に無線送信される。このように、近距離の無線通信によって情報をリレー式に伝達するバスロケーションシステムが提案されている。
特許文献1のバスロケーションシステムを構築するためには、バスの移動経路上に各無線端末を設置する必要がある。各無線端末を設置するには、各無線端末への電力配線の設置が必要となる。全ての無線端末に対する電力配線を設置するためには、大掛かりな工事が必要であった。すなわち、特許文献1のバスロケーションシステムは、容易に構築することができなかった。
本明細書が開示するバスロケーションシステムは、バスの位置をバス利用者に通知する。このバスロケーションシステムは、送信器と、送受信器と、受信器と、報知器を有する。送信器は、バスに搭載されている。送受信器は、通信範囲内にバスの移動経路を部分的に含んでおり、バッテリからの電力により動作する。受信器は、送受信器の通信範囲内に設置されている。報知器は、受信器に接続されている。送受信器は、送信器から送信された信号を受信すると、特定の信号を送信する。報知器は、受信器で特定の信号が受信された場合に、バスの位置情報を報知する。送信器と送受信器との間の通信、及び、送受信器と受信器との間の通信は、IEEE802.15.4の規格に従って行われる。
なお、報知器は、バスのユーザにバスの位置情報を報知できるものであれば何でもよく、表示装置(画像やランプの点灯によりバスの位置情報を報知)や音響装置(音声によりバスの位置情報を報知)等を用いることができる。また、バスの位置情報は、受信器で受信された信号に基づくバスの位置を示す情報であってもよいし、バスの位置から予測されるバスの到着予測時刻を示す情報であってもよい。
このバスロケーションシステムにおいては、バスが移動経路に沿って走行すると、バスが送受信器の通信範囲内に進入する。すると、送信器が送信する信号が送受信器で受信されるため、送受信器の通信範囲内にバスが存在すること(すなわち、バスの位置)が分かる。送受信器は、送信器からの信号を受信すると、特定の信号を通信範囲内に送信する。すると、通信範囲内に設置されている受信器で特定の信号が受信され、報知器によってバスの位置情報が報知される。このため、バスのユーザは、報知器によってバスの位置を知ることができる。このバスロケーションシステムは、送信器と送受信器の間の通信、及び、送受信器と受信器の間の通信によって構築されている。このため、このバスロケーションシステムは、携帯電話回線等を用いた長距離無線通信が不要であり、低コストでの運用が可能である。なお、送受信器は、少なくとも1つ存在して入ればよく、複数個存在していてもよい。すなわち、前記特定の信号が、複数の送受信器を経由して受信器に送信されてもよい。また、このバスロケーションシステムでは、送信器と送受信器との間の通信、及び、送受信器と受信器との間の通信が、IEEE802.15.4の規格に従って行われる。IEEE802.15.4の規格によれば、極めて低い消費電力で通信が可能である。したがって、送受信器に電力を供給するバッテリを長持ちさせることができる。すなわち、送受信器を長時間動作させることができる。したがって、送受信器に外部から電力を供給する外部配線が不要となる。送受信器に外部配線が不要となるため、送受信器を極めて容易に設置することができる。例えば、電力が供給されない一般的なバス停に送受信器を固定するだけで、バスロケーションシステムを構築することができる。このように、このバスロケーションシステムは、極めて容易に設置することができる。
また、本明細書が開示する第2のバスロケーションシステムは、バスの位置をバス利用者に通知する。このバスロケーションシステムは、バスに搭載されている送信器と、バッテリ動作し、通信範囲内にバスの移動経路を部分的に含む送受信器と、送受信器と通信可能な受信器と、受信器に接続されている報知器を有している。送受信器は、送信器から送信された信号を受信すると、特定の信号を送信する。報知器は、受信器で特定の信号が受信された場合に、バスの位置情報を報知する。送信器と送受信器との間の通信、及び、送受信器と受信器との間の通信は、IEEE802.15.4、IEEE802.15.4a、IEEE802.15.4b、IEEE802.15.4c、IEEE802.15.4d、IEEE802.15.4e、IEEE802.15.4f、IEEE802.15.4g、IEEE802.15.4j、IEEE802.15.4k、IEEE802.15.4m、及び、IEEE802.15.4nのうちの少なくとも1つの規格に従って行われる。
このように、上記の規格に従って通信を行っても、IEEE802.15.4と同様に、極めて低い消費電力で通信が可能である。したがって、送受信器に電力を供給するバッテリを長持ちさせることができる。送受信器に外部配線が不要となるため、送受信器を極めて容易に設置することができる。
最初に、以下に説明する実施例の特徴を列記する。なお、ここに列記する特徴は、何れも独立して有効なものである。
(特徴1)バスロケーションシステムは、送受信器が、通信可能なスタンバイ状態と、通信不可能なスリープ状態とに交互に切り換わる。
特徴1の構成によれば、送受信器の消費電力をより低減することができる。また、送受信器の通信範囲内にバスが存在している期間の少なくとも一部において送受信器がスタンバイ状態となれば、送受信器で送信器からの信号を受信することができる。したがって、この構成でも、バスロケーションシステムは好適に動作することができる。
(特徴2)バスロケーションシステムは、バッテリ動作し、IEEE802.15.4の規格に従って通信し、特定の信号を受信すると、受信した特定の信号を受信器に送信する中継器の複数個と、送受信器、受信器、及び、複数の中継器の少なくとも1つと通信可能な管理装置をさらに有する。各中継器は、少なくとも1つの他の中継器と通信可能である。第1の中継器が第2の中継器の通信不良を検出すると、第2の中継器の通信不良を示す情報が、第1の中継器から、他の中継器、送受信器、受信器の少なくとも1つを介して管理装置に送信される。
特徴2の構成によれば、送受信器から送信された特定の信号を、中継器を経由して受信器に送信することができる。また、中継器が複数個存在しているため、1つの中継器がバッテリ切れや故障等によって通信不良となっても、他の中継器を経由して特定の信号を受信器に送信することができる。すなわち、この構成によれば、送受信器と受信器の間の通信の冗長性を確保することができる。さらに、このバスロケーションシステムでは、複数の中継器のうち第2の中継器が通信不良となると、第1の中継器が、その通信不良を検出し、その情報を他の通信機器を介して管理装置に送信する。したがって、システムの管理者は、管理装置で、第2の送受信器で通信不良が発生したことを容易に把握することができる。この構成によれば、バスロケーションシステムを適切にメンテナンスすることができる。
図1に示すバスロケーションシステム10は、バス12に搭載されているバス送受信器14と、バス停を示すポール20(20a〜20c)と、バス停の間に設置されている中間点送受信器30(30a〜30f)と、管理装置50を有している。なお、図1は、バスロケーションシステム10の一部(経路16に沿って設置されている部分)のみを示している。実際のバスのルートはより長く、バスロケーションシステム10は経路16以外のバスのルートにも設置されている。以下では、説明をより明確化するために、図1に示す範囲におけるバスロケーションシステム10について説明する。
バス12は、図1に示す経路16に沿って走行する。バス送受信器14は、その通信範囲内に、所定の信号を繰り返し無線送信する。バス送受信器14は、IEEE802.15.4の規格に従って信号を送信する。なお、本実施例では、バスが経路16を矢印16の方向に走行する場合と、バスがその逆方向に走行する場合とがある。バス送受信器14が送信する信号は、バスの進行方向を区別できるようになっている。
ポール20は、ポール送受信器22と、制御装置24と、表示装置26と、スピーカ28を有している。ポール送受信器22は、IEEE802.15.4の規格に従って無線通信する。ポール送受信器22は、通信範囲内に、バス12の移動経路16の一部を含んでいる。したがって、バス12がポール送受信器22の通信範囲内に進入すると、バス送受信器14が送信する信号がポール送受信器22で受信される。また、ポール送受信器22の通信範囲内には、隣接する中間点送受信器30が含まれている。したがって、ポール送受信器22は、隣接する中間点送受信器30と通信することができる。制御装置24は、ポール送受信器22、表示装置26、及びスピーカ28と接続されている。制御装置24は、ポール送受信器22から入力される信号に応じて、表示装置26に画像を表示させるとともに、スピーカ28によって表示内容に応じた音声案内を行う。なお、ポール20には図示しない電源配線が接続されている。ポール20は、電源配線から供給される電力によって動作する。
中間点送受信器30は、バッテリを内蔵している。中間点送受信器30は、バッテリから供給される電力によって動作する。中間点送受信器30は、CPUと無線通信アンテナを備えており、IEEE802.15.4の規格に従って無線通信を行う。中間点送受信器30は、通信範囲内に、バス12の移動経路16の一部を含んでいる。したがって、バス12が中間点送受信器30の通信範囲内に進入すると、バス送受信器14が送信する信号が中間点送受信器30で受信される。また、中間点送受信器30の通信範囲内には、隣接する他の中間点送受信器30または隣接するポール送受信器22が含まれている。したがって、中間点送受信器30は、隣接する中間点送受信器30及びポール送受信器22と通信することができる。また、中間点送受信器30は、他のデバイスとの通信を行っていない間においては、図2に示すインターバルで、通信可能なスタンバイ状態と、通信不可能なスリープ状態とに交互に切り換わるように制御される。図2に示すように、スタンバイ状態となる期間はスリープ状態となる期間に比べて極めて短い。スタンバイ状態となる期間の長さは、中間点送受信器30がバス送受信器14から信号を受信するのに十分な長さに設定されている。また、図2に示す制御のインターバルT1は、想定される最大速度でバスが走行する場合に、バスが中間点送受信器30の通信範囲内に進入してから通信範囲外に出るまでに要する時間よりも短く設定されている。したがって、バス12が中間点送受信器30の通信範囲内に存在している間に少なくとも1回は中間点送受信器30がスタンバイ状態となる。したがって、中間点送受信器30は、確実にバス送受信器14からの信号を受信することができる。なお、インターバルT1は、状況に応じて変化しても良いし、常に一定であってもよい。
管理装置50は、バスロケーションシステム10の全体を管理するための装置である。管理装置50は、ポール20cのポール送受信器22cと通信することができる。また、管理装置50は、インターネットに接続されている。管理装置50は、インターネット上に、バスの運行状況を公開する。
次に、バスロケーションシステム10の動作について説明する。バス12がポール20aのポール送受信器22aの通信範囲内に進入すると(すなわち、バス12がポール20aに示すバス停に到着すると)、バス送受信器14からの信号がポール20aのポール送受信器22aによって受信される。すると、制御装置24aは、受信した信号からバス12の進行方向を特定する。さらに、制御装置24aは、到着したバス12の行き先等を表示装置26a及びスピーカ28aを用いて案内する。そして、ポール20aを示す識別情報を、バス12の進行方向側で隣接する中間点送受信器30aに送信する。中間点送受信器30aは、ポール20aの識別情報を受信すると、その識別情報をバス12の進行方向側で隣接する中間点送受信器30bに送信する。その後、同様にして、ポール20aの識別情報が、中間点デバイス30bから中間点デバイス30cに送信され、次に、中間点デバイス30cからポール送受信器22bに送信される。ポール送受信器22bがポール20aの識別情報を受信すると、ポール20bの制御装置24bは、バス12が1つ前のバス停(すなわち、ポール20a)に到着したことを表示装置26b及びスピーカ28bを用いて案内する。さらに、制御装置24bは、ポール20aの識別情報を、ポール送受信器22bから中間点送受信器30dに送信する。その後、ポール20aの識別情報は、中間点送受信器30d、30e、30fを経由して、ポール送受信器22cに送信される。ポール20cの制御装置24cは、ポール送受信器22cでポール20aの識別情報を受信すると、バス12が2つ前のバス停(すなわち、ポール20a)に到着したことを表示装置26c及びスピーカ28cを用いて案内する。また、制御装置24cは、ポール送受信器22cでポール20aの識別情報を受信すると、その識別情報をポール送受信器22cから管理装置50に送信する。管理装置50は、受信した識別情報からバスの運行状況を特定し、インターネット上に公開されているバスの運行状況を更新する。以上に説明したように、バス送受信器14からの信号がポール送受信器22aによって受信されると、図1の点線の矢印で示すように、ポール20aの識別情報が、各送受信器を介して、ポール20b、20c及び管理装置50に送られる。このように、近距離無線通信によるリレーを行うことで、長距離の通信が実現される。
次に、バス12がポール20aのバス停を出発して、図3に示すように中間点送受信器30aの通信範囲内に進入した場合のバスロケーションシステム10の動作について説明する。バス12が中間点送受信器30aの通信範囲内に進入すると、バス送受信器14からの信号が中間点送受信器30aによって受信される。なお、上述したように、中間点送受信器30はスタンバイ状態とスリープ状態を繰り返すものの、確実にバス送受信器14からの信号を受信することができる。中間点送受信器30aは、バス送受信器14からの信号を受信すると、受信した信号からバス12の進行方向を特定する。そして、中間点送受信器30aを示す識別情報を、バス12の進行方向側で隣接する中間点送受信器30bに送信する。中間点送受信器30bは、中間点送受信器30aの識別情報を受信すると、その識別情報をバス12の進行方向側で隣接する中間点送受信器30cに送信する。その後、同様にして、中間点デバイス30cが、中間点送受信器30aの識別情報をポール送受信器22bに送信する。ポール送受信器22bが中間点送受信器30aの識別情報を受信すると、ポール20bの制御装置24bは、バス12が中間点送受信器30aの通信範囲内にあることを認識することができる。したがって、制御装置24bは、表示装置26bとスピーカ28bを用いて、バス12の位置情報に応じた案内を行う。例えば、「次のバスは、約x分後に到着します」等の案内を行うことができる。また、「定刻どおり運行しています」、「次のバスが、前のバス停を出発しました」等の案内を行ってもよい。さらに、制御装置24bは、中間点送受信器30aの識別情報を、ポール送受信器22bから中間点送受信器30dに送信する。その後、中間点送受信器30aの識別情報は、中間点送受信器30d、30e、30fを経由して、ポール送受信器22cに送信される。ポール送受信器22cが中間点送受信器30aの識別情報を受信すると、ポール20cの制御装置24cは、バス12が中間点送受信器30aの通信範囲内にあることを認識することができる。したがって、制御装置24cは、表示装置26cとスピーカ28cを用いて、バス12の位置情報に応じた案内を行う。例えば、「次のバスが、約y分後に到着します」等の案内を行うことができる。また、「次のバスが、2つ前のバス停を出発しました」等の案内を行ってもよい。さらに、制御装置24cは、中間点送受信器30aの識別情報を、ポール送受信器22cから管理装置50に送信する。管理装置50は、受信した識別情報に基づいて、インターネット上に公開されているバスの運行状況を更新する。以上に説明したように、バス送受信器14からの信号が中間点送受信器30aによって受信されると、図3の点線の矢印で示すように、中間点送受信器30aの識別情報が、各送受信器を介して、ポール20b、20c及び管理装置50に送られる。
その後、バス12が、他の中間点送受信器30b、30cの通信範囲内に進入した場合にも、各送受信器は、中間点送受信器30aの場合と略同様に動作する。すなわち、バス12が中間点送受信器30bの通信範囲内に進入すると、中間点送受信器30bの識別情報が、進行方向側の各送受信器に順次転送される。バス12が中間点送受信器30cの通信範囲内に進入すると、中間点送受信器30cの識別情報が、進行方向側の各送受信器に順次転送される。したがって、バス12が走行するに従って、ポール20b、20cには、随時バス12の位置情報(すなわち、バス送受信器14と通信した中間点送受信器30の識別情報)が入力され、ポール20b、20cにおいてバス12の位置情報に応じた案内が行われる。また、管理装置50にも同様にして識別情報が随時入力され、インターネット上に公開されているバスの運行状況が随時更新される。
以上に説明したように、このバスロケーションシステム10では、ポール送受信器22と中間点送受信器30の間の近距離無線通信により情報をリレー形式で伝達することで、長距離の通信を実現している。したがって、長距離の無線回線を用いることなく、各バス停でバスの位置情報を案内することができる。また、このバスロケーションシステム10では、各送受信器が、IEEE802.15.4の規格に従って無線通信を行う。IEEE802.15.4の規格によれば、通信時のヘッダの情報量を極めて小さくすることができるため、通信時間を短縮化することができる。これによって、各送受信器の省電力化を実現することができる。このような省電力化によって、各中間点送受信器30のバッテリを長持ちさせることが可能となり、各中間点送受信器30を実用的な期間動作させることが可能となる。
また、上述したように、各中間点送受信器30は、通信可能なスタンバイ状態と、通信不可能なスリープ状態とに交互に切り換わるように構成されている。これによっても、各中間点送受信器30の省電力化が図られており、各中間点送受信器30をより長時間(例えば、数ヶ月、または、一年以上)動作させることが可能となっている。
また、このように各中間点送受信器30がバッテリによって長時間動作することが可能なため、バッテリ以外に電力供給のための機器が不要である。したがって、各中間点送受信器30を設置する際には、電源の配線を設置する必要がない。このため、各中間点送受信器30は、極めて容易に設置することが可能である。すなわち、このバスロケーションシステム10は、極めて容易に構築することができる。例えば、従来型のバス停のポール(電源配線を有さないポール)に中間点送受信器30を固定するだけで、中間点送受信器30の設置が完了する。
なお、上述した実施例では、バス12の進行方向にのみ、各中間点送受信器30の識別情報を送信した。しかしながら、各中間点送受信器30の識別情報を、バス12の進行方向とは反対の方向にも送信してもよい。例えば、図4に示すように、バス送受信器14が中間点送受信器30cと通信した場合を考える。この場合に、中間点送受信器30cは、自身の識別情報を、進行方向側で隣接するポール送受信器22bだけでなく、進行方向と反対側で隣接する中間点送受信器30bにも送信する。中間点送受信器30bは、受信した識別情報を中間点送受信器30aに送信する。中間点送受信器30aは、受信した識別情報をポール送受信器22aに送信する。このような構成によれば、ポール20aの制御装置24aが、表示装置26aとスピーカ28aを用いて「z分発のバスは既に出発しました」等の案内を行うことができる。また、このようにバス12の進行方向とは反対の方向にも識別情報を送信することで、図5に示すように、バス12の後側に管理装置50が存在する場合でも、識別情報を管理装置50に送ることができる。これにより、管理装置50でより確実にバスの位置を把握することが可能となる。
また、上述した実施例1では、各ポール20a〜20cが、バス12の位置情報(例えば、バス送受信器14からの信号を受信した送受信器の識別情報)を受信したときに、その位置情報に応じた案内を行った。しかしながら、バス12の位置情報を一端管理装置50まで送信し、その後、管理装置50が、各ポール20a〜20cに対する案内情報を、各送受信器により構成されるネットワークに送信してもよい。各ポール20a〜20cは、管理装置50からの案内情報を受信した段階で、その案内情報に応じた案内を行う。このような構成でも、適切な案内を行うことができる。
また、上述した実施例1では、識別情報が単一の経路で送信されたが、実施例2では識別情報を複数の経路で送信可能なバスロケーションシステムについて説明する。図6に示す実施例のバスロケーションシステム100は、実施例1と同様のポール20及び中間点送受信器30を有する。さらに、バスロケーションシステム100は、中継送受信器40(40a〜40e)を有する。中継送受信器40は、IEEE802.15.4の規格に従って通信する。各中継送受信器40は、他の中継送受信器40、中間点送受信器30、及び、ポール送受信器22と通信することができる。すなわち、バスロケーションシステム100内の各送受信器は、図6の点線で示された通信経路で通信することができる。なお、中継送受信器40a〜40eは、バス送受信器14と通信可能であってもよいし、通信不可能であってもよい。また、中継送受信器40a〜40eは、経路16とは異なる経路を走行するバスに搭載されているバス送受信器と通信可能であってもよい。
実施例2のバスロケーションシステム100では、何れかの中間点送受信器30でバス送受信器14からの信号が受信されると、その中間点送受信器30の識別情報を、複数の通信ルートでバス12の進行方向側のポール20に送信することができる。例えば、図6に示すように中間点送受信器30aでバス送受信器14からの信号が受信された場合を考える。この場合、通常は、中間点送受信器30aの識別情報が、矢印102に示す通信ルートでポール20bに送られる。但し、中間点送受信器30bが通信不良となり矢印102の通信ルートで通信できなくなった場合は、ルーティングプロトコルにより経路が再生成され、自動的に矢印104の通信ルートにて送信される。このように、複数のルートで中間点送受信器30の識別情報を送信できるようにネットワークを構築することにより、通信の信頼性向上を図ることができる。
また、実施例2のバスロケーションシステム100では、何れかの送受信器で通信不良が生じた場合にも、システムを適切に運用することができる。例えば、実施例1(図1)のバスロケーションシステム10では、中間点送受信器30fが通信不良となった場合には、それよりも上流側(図1の左側)の送受信器(22a、22b、30a〜30e)と管理装置50との間の通信が遮断されるため、システムの運用に支障をきたす。これに対し、実施例2(図6)のバスロケーションシステム100では、中間点送受信器30cで通信不良が生じても、その他の送受信器は管理装置50と直接または間接的に通信可能である。したがって、システムの運用を継続することができる。また、バスロケーションシステム100では、中間点送受信器30cが通信不良となると、ポール20bのポール送受信器、中間点送受信器30d、及び、中継送受信器40dが、中間点送受信器30cの通信不良を検出することもできる。これらの送受信器は、直接または他の送受信器を介して、中間点送受信器30cが通信不良である旨の情報を管理装置50に送信する。したがって、管理装置50では、中間点送受信器30cの通信不良を瞬時に把握することができる。なお、実施例1のバスロケーションシステム10でも通信不良の把握は可能な場合がある。しかしながら、実施例1のバスロケーションシステム10では、ネットワークがメッシュ状になっていないため、通信不良の情報が確実に管理装置50に届かない可能性がある。また、管理装置50側から定期的なチェックが必要となるため、瞬時に通信不良を把握できない場合がある。
また、実施例1または2のバスロケーションシステムにおいては、上述した以外の種々の情報も送信することができる。
例えば、管理装置50は、ポール20cに緊急地震速報を送信することができる。ポール20cで受信された緊急地震速報は、中間点送受信器30や中継送受信器40を介して他のポール20a、20bに送信される。各ポール20a〜20cでは、受信した緊急地震速報を表示するとともに、スピーカにより警告を行う。これによって、バス停の周辺の人に適切な対応を促すことができる。
また、管理装置50は、ポール20cに地域情報(例えば、自治体から発信された情報)等を送信することができる。ポール20cで受信された地域情報は、中間点送受信器30や中継送受信器40を介して他のポール20a、20bに送信される。各ポール20a〜20cでは、受信した地域情報を表示する。これによって、バス停でバスを待っている利用者に、地域情報を伝えることができる。
また、管理装置50は、ポール20cに買い物情報を送信することができる。ポール20cで受信された買い物情報は、中間点送受信器30や中継送受信器40等を介して他のポール20a、20bに送信される。各ポール20a〜20cでは、受信した買い物情報を表示する。これによって、バス停でバスを待っている利用者に、買い物情報を伝えることができる。また、各ポール20a〜20cとバス利用者の携帯電話との間で通信を可能とし、付近の店舗で利用可能なクーポン等の情報を携帯電話でダウンロードできるようにしてもよい。
また、各ポール20a〜20cに、車椅子利用者であることを通知するための操作部(例えば、タッチパネルやプッシュボタン等)を付加してもよい。車椅子利用者が当該操作部を操作すると、そのポール20から、中間点送受信器30や中継送受信器40等を介して、バス12のバス送受信器14にその旨の情報が送信される。このように、バス12がバス停に到着する以前に車椅子利用者の存在が通知されることで、事前に車椅子のためのスペースを確保する等を行うことができる。これによって、車椅子利用者をスムーズにバスに乗車させることが可能となり、バスの停車時間を短縮化することができる。また、管理装置50からバス送受信器14に車いす利用者の情報を送信できるようにしてもよい。
また、上述した実施例では、管理装置がポール送受信器22cと通信したが、他の送受信器と通信するように構成されていてもよい。すなわち、管理装置は、各送受信器で構成されるネットワークに接続できれば、どの様な構成であってもよい。
また、上述した実施例では、各送受信器が、IEEE802.15.4の規格に従って無線通信を行う。しかしながら、IEEE802.15.4の規格に代えて、IEEE802.15.4a、IEEE802.15.4b、IEEE802.15.4c、IEEE802.15.4d、IEEE802.15.4e、IEEE802.15.4f、IEEE802.15.4g、IEEE802.15.4j、IEEE802.15.4k、IEEE802.15.4m、及び、IEEE802.15.4nのうちの少なくとも1つの規格に従って無線通信が行われてもよい。これらの規格によっても、通信時のヘッダの情報量を極めて小さくすることができるため、通信時間を短縮化することができる。これによって、各送受信器の省電力化を実現することができる。したがって、各中間点送受信器30のバッテリを長持ちさせることが可能となり、各中間点送受信器30を実用的な期間動作させることが可能となる。
また、上述した実施例において、各送受信器の間の無線通信は、700MHzから2.5GHzの間の何れかの周波数で行われることが好ましい。特に、920MHz帯(915〜928MHz)、950MHz帯(950〜956MHz)、2.4GHz帯(2400〜2483.5MHz)で行われることが好ましい。例えば、IEEE802.15.4の規格では、2.4GH帯が使用される。また、IEEE802.15.4dの規格では、920MHz帯が使用される。また、IEEE802.15.4eの規格では、920MHz帯と2.4GHz帯が使用される。また、IEEE802.15.4gの規格では、920MHz帯と2.4GHz帯が使用される。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:バスロケーションシステム
12:バス
14:バス送受信器
16:経路
20:ポール
22:ポール送受信器
24:制御装置
26:表示装置
28:スピーカ
30:中間点送受信器
40:中継送受信器
50:管理装置
12:バス
14:バス送受信器
16:経路
20:ポール
22:ポール送受信器
24:制御装置
26:表示装置
28:スピーカ
30:中間点送受信器
40:中継送受信器
50:管理装置
Claims (4)
- バスの位置をバス利用者に通知するバスロケーションシステムであって、
バスに搭載されている送信器と、
バッテリ動作し、通信範囲内にバスの移動経路を部分的に含む送受信器と、
送受信器と通信可能な受信器と、
受信器に接続されている報知器、
を有し、
送受信器は、送信器から送信された信号を受信すると、特定の信号を送信し、
報知器は、受信器で特定の信号が受信された場合に、バスの位置情報を報知し、
送信器と送受信器との間の通信、及び、送受信器と受信器との間の通信が、IEEE802.15.4の規格に従って行われる、
ことを特徴とするバスロケーションシステム。 - 送受信器が、通信可能なスタンバイ状態と、通信不可能なスリープ状態とに交互に切り換わる請求項1のバスロケーションシステム。
- バッテリ動作し、IEEE802.15.4の規格に従って通信し、特定の信号を受信すると、受信した特定の信号を受信器に送信する中継器の複数個と、
送受信器、受信器、及び、複数の中継器の少なくとも1つと通信可能な管理装置、
をさらに有し、
各中継器が、少なくとも1つの他の中継器と通信可能であり、
第1の中継器が第2の中継器の通信不良を検出すると、第2の中継器の通信不良を示す情報が、第1の中継器から、他の中継器、送受信器、受信器の少なくとも1つを介して管理装置に送信される、
ことを特徴とする請求項1または2のバスロケーションシステム。 - バスの位置をバス利用者に通知するバスロケーションシステムであって、
バスに搭載されている送信器と、
バッテリ動作し、通信範囲内にバスの移動経路を部分的に含む送受信器と、
送受信器と通信可能な受信器と、
受信器に接続されている報知器、
を有し、
送受信器は、送信器から送信された信号を受信すると、特定の信号を送信し、
報知器は、受信器で特定の信号が受信された場合に、バスの位置情報を報知し、
送信器と送受信器との間の通信、及び、送受信器と受信器との間の通信が、
IEEE802.15.4、
IEEE802.15.4a、
IEEE802.15.4b、
IEEE802.15.4c、
IEEE802.15.4d、
IEEE802.15.4e、
IEEE802.15.4f、
IEEE802.15.4g、
IEEE802.15.4j、
IEEE802.15.4k、
IEEE802.15.4m、及び、
IEEE802.15.4n、
のうちの少なくとも1つの規格に従って行われる、
ことを特徴とするバスロケーションシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012140402A JP2014002700A (ja) | 2012-05-23 | 2012-06-22 | バスロケーションシステム |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012117739 | 2012-05-23 | ||
JP2012117739 | 2012-05-23 | ||
JP2012140402A JP2014002700A (ja) | 2012-05-23 | 2012-06-22 | バスロケーションシステム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014002700A true JP2014002700A (ja) | 2014-01-09 |
Family
ID=50035793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012140402A Pending JP2014002700A (ja) | 2012-05-23 | 2012-06-22 | バスロケーションシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014002700A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016029530A (ja) * | 2014-07-25 | 2016-03-03 | アイチシステム株式会社 | 交差点車両衝突防止装置 |
JP2020135755A (ja) * | 2019-02-25 | 2020-08-31 | レシップホールディングス株式会社 | 第1のサーバと第1のサーバのためのコンピュータプログラム |
JP2021009452A (ja) * | 2019-06-28 | 2021-01-28 | トヨタ自動車株式会社 | 車椅子乗車情報送信システム及び車椅子乗車情報表示システム |
-
2012
- 2012-06-22 JP JP2012140402A patent/JP2014002700A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7260750B2 (ja) | 2019-02-25 | 2023-04-19 | レシップホールディングス株式会社 | バス管理サーバとバス管理サーバのためのコンピュータプログラム |
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JP7200854B2 (ja) | 2019-06-28 | 2023-01-10 | トヨタ自動車株式会社 | 車椅子乗車情報システム |
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