JP2012134887A - 無線通信システム、タイミング生成装置および無線通信方法 - Google Patents

無線通信システム、タイミング生成装置および無線通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の無線機の通信モードの切換タイミングを合わせることで、移動体の位置に拘わらず、無線機間の安定した無線通信を実行する。
【解決手段】無線通信システム100では、タイミング生成装置130が、中継装置120との無線通信の可否を判定する通信判定部170と、通信判定部の判定が可となった場合、中継通信モードへの切換を指示する切換情報を無線機に送信し、通信判定部の判定が否となった場合、直接通信モードへの切り換えを指示する切換情報を、中継装置を介して無線機に送信する切換送信部172とを備え、無線機110が、切換情報に従って、無線機自体の通信モードを、中継通信モードまたは直接通信モードに切り換える切換受信部180を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、中継装置を介して無線通信を行う中継通信モードと無線機同士で直接無線通信を行う直接通信モードとを切り換える無線通信システム、タイミング生成装置および無線通信方法に関する。
無線機では、電波のシャドウイング、減衰、妨害、干渉等の電波障害により電波環境が劣化すると、有効な無線通信を継続するのが難しくなる。この場合、無線信号の送信元から無線機まで直進する受信経路が上述した電波障害の影響を受けている可能性が高いので、その受信経路を変更することで電波環境を改善できる場合がある。
例えば、通常時は、衛星からの直接波を受信するアンテナモードで無線通信を遂行し、電波のシャドウイングが発生した時には反射波を受信するアンテナモードに切り換える技術が知られている(例えば、特許文献1)。また、気象条件に応じて通信経路を変化させ、例えば、シャドウイングが発生すると、衛星からの直接波を受信せず、中継局を介して受信する技術も開示されている(例えば、特許文献2)。
特開平5−14251号公報 特開2004−23307号公報
また、車両等の移動体において用いられる無線機では、固定された中継装置との位置関係によって、中継装置との無線通信が可能な場合と不可能な場合があり、中継装置との無線通信が不可能となっている間は、異なる通信経路、例えば、移動体内における他の無線機との直接の通信経路に切り換える技術もある。
例えば、鉄道における無線通信システムでは、移動体である鉄道車両が停車駅に停車している間は、鉄道車両内の複数の無線機間の無線通信を中継装置を介して行い(中継通信モード)、走行中は複数の無線機間で直接無線通信を行っている(直接通信モード)。
無線機は、中継通信モードにおいて中継装置の電波強度を検出し、中継装置との無線通信が不可能であると判定すると、他の無線機との直接通信モードに切り換える。このとき、移動体内の複数の無線機は、その位置や近傍の電波環境が異なり、また、電波強度の検出には個体差もあるので、中継通信モードと直接通信モードとの切換タイミングが異なることとなってしまう。このように鉄道車両内の複数の無線機の通信モードが一斉に切り換わらないと、中継装置と通信可能なエリアの境界(フリンジエリア)において、各無線機の新旧の通信モードが異なる状態が生じ、通信モードの異なる無線機との無線通信ができない等、不便であった。
本発明は、このような課題に鑑み、複数の無線機の通信モードの切換タイミングを合わせることで、移動体の位置に拘わらず、無線機間の安定した無線通信を実行することが可能な無線通信システム、タイミング生成装置および無線通信方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、中継装置と、タイミング生成装置と、無線機とがそれぞれ無線通信可能な、本発明の無線通信システムにおいて、タイミング生成装置は、中継装置との無線通信の可否を判定する通信判定部と、通信判定部の判定が可となった場合、タイミング生成装置と無線機、または、無線機同士が中継装置を中継して無線通信を行う中継通信モードへの切換を指示する切換情報を無線機に送信し、通信判定部の判定が否となった場合、中継装置を介さず、タイミング生成装置と無線機、または、無線機同士で無線通信を直接行う直接通信モードへの切り換えを指示する切換情報を、中継装置を介して無線機に送信する切換送信部とを備え、無線機は、切換情報に従って、無線機自体の通信モードを、中継通信モードまたは直接通信モードに切り換える切換受信部を備えることを特徴とする。
上記課題を解決するために、中継装置または無線機と無線通信可能な本発明のタイミング生成装置は、中継装置との無線通信の可否を判定する通信判定部と、中継装置通信判定部の判定が可となった場合、タイミング生成装置と無線機、または、無線機同士が中継装置を中継して無線通信を行う中継通信モードへの切換を指示する切換情報を無線機に送信し、通信判定部の判定が否となった場合、中継装置を介さず、タイミング生成装置と無線機、または、無線機同士で無線通信を直接行う直接通信モードへの切り換えを指示する切換情報を、中継装置を介して無線機に送信する切換送信部とを備えることを特徴とする。
通信判定部は、中継装置の電波強度に応じて無線通信の可否を判定してもよい。
タイミング生成装置の平面位置を検出する位置検出部をさらに備え、通信判定部は、予め設定された中継装置の平面位置から、位置検出部で検出されたタイミング生成装置の平面位置までの距離に応じて無線通信の可否を判定してもよい。
通信判定部は、移動体の前部および後部に設けられ、無線通信が可能であることを移動体の後部で判定し、無線通信ができないことを移動体の前部で判定してもよい。
上記課題を解決するために、中継装置または無線機と無線通信可能なタイミング生成装置を用いた本発明の無線通信方法において、タイミング生成装置は、中継装置との無線通信の可否を判定し、判定が可となった場合、タイミング生成装置と無線機、または、無線機同士が中継装置を中継して無線通信を行う中継通信モードへの切換を指示する切換情報を無線機に送信し、判定が否となった場合、中継装置を介さず、タイミング生成装置と無線機、または、無線機同士で無線通信を直接行う直接通信モードへの切り換えを指示する切換情報を無線機に送信し、無線機は、切換情報に従って、無線機自体の通信モードを、中継通信モードまたは直接通信モードに切り換えることを特徴とする。
本発明の無線通信システムは、移動体の位置に拘わらず、無線機間の安定した無線通信を実行することが可能となる。
鉄道における無線通信システムの概略的な位置関係を示した機能ブロック図である。 無線通信システムの概略的な位置関係を示した機能ブロック図である。 タイミング生成装置の電気的な構成を示した機能ブロック図である。 中継装置の電波強度を説明するための説明図である。 無線機の電気的な構成を示した機能ブロック図である。 鉄道車両が中継エリアから直接エリアに移動する際の通信モードの切換を説明するための説明図である。 中継装置の電気的な構成を示した機能ブロック図である。 無線通信方法の切換処理の流れを示したフローチャートである。 無線通信方法の全体的な処理の流れを示したシーケンス図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
例えば、鉄道における無線通信システムでは、移動体としての鉄道車両内に設けられた複数の無線機間で無線通信を行うことができる。また、鉄道における無線通信システムにおいては、複数の無線機間の無線通信を簡易かつ確実に行うべく、通信周波数として特定の1の周波数を用いている。したがって、複数の無線機のうち、いずれかの無線機同士が無線通信を開始すると、その無線機に通信周波数が占有され、他の無線機は傍受しかできなくなるが、そもそも鉄道車両内で無線機を使用する者は、運転手や車掌等の乗務員に限定されているので問題になることはない。
しかし、上記の通信周波数は、鉄道における無線通信システム内で共通している場合が多いので、停車駅に停車している間、他の鉄道車両の無線機と通信周波数が等しくなり、他の鉄道車両の乗務員がその通信周波数を占有している間、自車両の無線通信を利用できないといった問題が生じ得る。また、停車駅には他の鉄道車両の乗務員のみならず、乗客のスムーズな乗降を促す駅係員も存在し、1つの通信周波数では、乗客に対して十分なサービスを提供できなくなるおそれもある。
そこで、鉄道における無線通信システムでは、停車駅やその近傍において、複数の無線通信回線を提供するトランキングシステムを運用している。トランキングシステムは、中継装置を介して複数の通信回線をまとめて制御し、複数の無線機に複数の無線通信回線を効率よく割り当て、複数の無線機間の並行した無線通信を可能にする技術である。かかるトランキングシステムにより、停車駅近傍における中継装置との無線通信が可能なエリアでは安定かつ効率的な通信を実現することができる。
図1は、鉄道における無線通信システム10の概略的な位置関係を示した機能ブロック図である。特に、図1(a)は、無線通信システム10を構成する各装置の位置関係を、図1(b)は、無線通信システム10において電波環境の異なる各エリアを説明している。無線通信システム10は、図1(a)の如く、複数の無線機110(図1(a)中、110a、110bで示す。)と、中継装置120とを含んで構成される。また、無線通信システム10は、図1(b)の如く、その電波環境に応じて、停車駅12に設けられた中継装置120との無線通信が可能な中継エリア14と、中継エリア14外であり無線機110同士が直接無線通信を行う直接エリア16とに分かれている。
無線機110aは、直接エリア16において鉄道車両102が移動している間、上記特定の1の通信周波数を用いて他の無線機110bと直接、無線通信を実行し(直接通信モード)、中継エリア14において鉄道車両102が停車駅に停車している間、中継装置120を介して他の無線機110bとの無線通信を実行する(中継通信モード)。中継装置120は、複数(例えば4つ)の無線通信回線(以下、「通話チャンネル」と言う。)と制御チャンネルとを用いて、無線通信システム10内の複数の無線機110間の通話を制御する。
無線機110aが他の無線機110bとの無線通信を試みる場合、まず、(1)中継装置120との制御チャンネル(Control Channel:CC)を通じ、無線通信を所望する他の無線機の識別情報を伝達することで発呼し、(2)中継装置120は他の無線機110が無線通信可能であることを確認して、管理している通話チャンネル(Traffic Channel:TC1〜4)のうち空いている通話チャンネル(例えばTC3)を両無線機110a、110bに割り当てる。(3)両無線機110a、110bは割り当てられた通話チャンネル(TC3)を通じて無線通信を開始する。このようにして、無線通信システム10に属する各無線機110は、所望する無線機110との無線通信を実行することができる。
制御チャンネルは、主として無線機110の呼制御に必要な情報を通信するために用いられ、無線通信システム10内で無線通信の待機状態にある無線機110は、常に中継装置120からの制御チャンネルを受信している。無線機110は、かかる中継装置120からの制御チャンネルを受信できなくなると、中継装置120を通じたトランキングシステムによる他の無線機110との通話ができなくなる。また、制御チャンネルは、待機中か通話中かといったステータスメッセージや数十の文字列からなるショートデータメッセージを伝達することもできる。
また、通話チャンネル(TC)は、無線機110同士の通話に用いられる。中継装置120は、上述した制御チャンネルによって、任意の2つの無線機110が通話可能な状態であることを確認すると、その2つの無線機110に通話チャンネルへのチャンネルの切り換えを指令する。
2つの無線機110は、中継装置120からの指令に応じて、制御チャンネルから通話チャンネルに同時に移行し、通話チャンネルを通じた無線通信を開始する。ただし、中継装置120は、各無線機110に対し、通話チャンネルを占有する通話時間を所定の時間(例えば、30〜60秒)に制限することで、限られた通話チャンネルを特定の無線機110が占有してしまう事態を回避し、他の無線機110による新規の無線通信の要求を受け付け得るようにしている。無線機110は、ユーザによる通話終了操作を受け付けるか、かかる所定の時間が経過した後、速やかに通話チャンネルから制御チャンネルに移行し、待機状態に遷移する。このように、トランキングシステムを用いた無線通信システム10では、限られた通話チャンネルを多数の無線機110で共有し、効率的に運用することができる。
このように、鉄道における無線通信システム10では、無線機110が直接エリア16にある間、1の通信周波数による直接通信モードを実行して煩雑な通信周波数の設定を回避し、無線機110が中継エリア14にある間、中継装置120を介した中継通信モードを実行しトランキングシステムによる安定かつ効率的な無線通信を実現する。
無線通信システム10では、直接通信モードと中継通信モードとの切り換えが必要であることが理解できる。例えば、無線通信システム10の無線機110では、中継通信モードにおいても中継装置120の電波強度を検出し、中継装置120との無線通信が不可能であると判定すると、他の無線機110との直接通信モードに切り換える。
このとき、鉄道車両102内の複数の無線機110は、それぞれの位置や近傍の電波環境が異なり、また、電波強度の検出には個体差もあるので、中継通信モードと直接通信モードとの切換タイミングが異なることとなってしまう。このように鉄道車両102内の複数の無線機110の通信モードが一斉に切り換わらないと、直接エリア16と中継エリア14との境界(フリンジエリア)において、各無線機110の新旧の通信モードが異なる状態が生じる。
例えば、鉄道車両102が停車駅12から遠のいているときに、中継装置120の電波強度の低下に伴って、任意の無線機110が中継通信モードから直接通信モードに切り換わったとする。ここで、任意の無線機110が、特定の通信周波数を用いて他の無線機110との無線通信を試みたとしても、他の無線機110において未だ中継通信モードが維持されている場合、その特定の通信周波数を受信できる状態にないので、無線通信が確立されないといった事態を招くこととなる。本実施形態の無線通信システム10では、複数の無線機110の通信モードの切換タイミングを合わせることで、鉄道車両102の位置に拘わらず、無線機110間の安定した無線通信を実行することができる。
(無線通信システム100)
図2は、本実施形態における無線通信システム100の概略的な位置関係を示した機能ブロック図である。無線通信システム100は、無線機110と、中継装置120と、タイミング生成装置130とを含んで構成される。ここでは、無線機110を用いる移動体として鉄道車両102を挙げているが、それに限らず、移動体としては、バスや、乗客船、飛行機等、様々な乗り物を想定することができる。
無線通信システム100における、無線機110と、中継装置120との無線通信手順は、図1を用いて説明した手順と実質的に等しい。ただし、本実施形態においては、タイミング生成装置130が、無線機110と中継装置120との間に介在し、無線機110における直接通信モードと中継通信モードとの切り換えタイミングを計る点が追加されている。以下、タイミング生成装置130、無線機110、中継装置120の構成をそれぞれ説明した後、無線通信システム100における通信処理(無線通信方法)を詳述する。
(タイミング生成装置130)
図3は、タイミング生成装置130の電気的な構成を示した機能ブロック図である。タイミング生成装置130は、鉄道車両102等の移動体に設置され、送受信回路150と、アンテナ152と、位置検出部154と、メモリ156と、中央制御部158とを含んで構成される。タイミング生成装置130の構成は、後述する無線機110と基本的に等しいが、その目的が異なり、無線機110が他の無線機110との無線通信を目的としているのに対し、そのような複数の無線機110に、直接通信モードと中継通信モードとの切り換えタイミングを提供することを目的としている。また、タイミング生成装置130は、後述する、操作部160、音声入力部162、音声出力部164、表示部166といったマンマシンインターフェースを含んで構成されていてもよい。
送受信回路150は、中央制御部158が出力した音声信号、テキスト信号および制御信号を高周波に変調し、アンテナ152を通じて送信すると共に、アンテナ152を通じて受信した音声信号、テキスト信号および制御信号を復調して中央制御部158に出力する。送受信回路150は、無線機110や中継装置120と直接、無線通信を確立することができる。また、送受信回路150は、中継装置120から定期的に発信される無線信号の電波強度(受信レベル)を測定する機能も有する。
位置検出部154は、GPS(Global Positioning System)、VICS(Vehicle Information and Communication System)、慣性センサ等を用いてタイミング生成装置130の平面位置(平面座標)を検出する。メモリ156は、RAM、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成され、特定の通信周波数、中継装置120の制御チャネルの周波数、他の無線機110の識別子等を記憶する。
中央制御部158は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路により、タイミング生成装置130全体を管理および制御する。また、本実施形態において、中央制御部158は、通信判定部170、切換送信部172としても機能する。
通信判定部170は、タイマ等を用いて定期的に中継装置120との無線通信の可否を判定し、その判定結果を切換送信部172に送信する。この際、通信判定部170は、送受信回路150を通じ、中継装置120の電波強度に応じて無線通信の可否を判定してもよい。尚、タイミング生成装置130は、無線通信を行うことが想定される1または複数の中継装置120の制御チャンネルの周波数を予めメモリ156に記憶しておき、かかる周波数をサーチして、中継装置120の存在を把握する。ここでは、中継装置120の電波強度を挙げて説明しているが、中継装置120からの受信信号のエラー率やビーコンの強度等を用いることもできる。
図4は、中継装置120の電波強度を説明するための説明図である。図4では、縦軸に電波強度、横軸に中継装置120と無線機110との距離を示している。例えば、停車駅12付近の中継エリア14において、無線機110が、中継装置120を介して他の無線機110と無線通信を実行しているとする。ここで、鉄道車両102が停車駅12から移動すると、図4に示すように、中継装置120と無線機110との距離が大きくなるに連れ、中継装置120から定期的に発信される報知用の信号の電波強度が減衰する。
そして、中継装置120と無線機110との距離が所定の値より大きくなると、電波強度が所定の閾値以下となって、中継装置120との無線通信が不安定になる。かかる位置が中継エリア14と直接エリア16の境界となる。通信判定部170は、中継装置120の電波強度が所定の閾値以下となることで、タイミング生成装置130が上記境界を通過したと判断し、その判定結果を切換送信部に送信する。判定結果は、中継装置120との無線通信の可否を示すが、中継装置120との無線通信が不可能という判定結果は、無線通信を十分安定して行うことができないことを示し、厳密に不可能を示すものではない。
また、通信判定部170において、直接エリア16から中継エリア14へ移動したときの通信モードの切り換えに用いる所定の閾値と、中継エリア14から直接エリア16へ移動したときの通信モードの切り換えに用いる所定の閾値とを異ならせて設定することで、ヒステリシス特性を構築してもよい。例えば、直接エリア16から中継エリア14へ移動したときの通信モードの切り換えに用いる所定の閾値を、上記境界に対応する閾値より高く設定し、通信判定部170に、中継装置120の電波強度が十分に高くなってはじめて中継装置120との無線通信が可能と判定させる。このとき、中継エリア14から直接エリア16へ移動したときの通信モードの切り換えに用いる所定の閾値を境界に対応する閾値と等しく設定する。かかるヒステリシス特性によって、中継装置120との無線通信の可否が、電波強度の揺らぎによって切り換わることがなくなり、後述する切換情報が煩雑に何度も送信される事態を回避できる。
また、通信判定部170は、上記電波強度の測定に代えて、または加えて、予め設定された中継装置120の平面位置から、位置検出部154で検出されたタイミング生成装置130の平面位置までの距離を導出し、導出された距離が予め定められた中継エリア14に相当する距離を超えているか否かによって無線通信の可否を判定してもよい。かかる構成により、送受信回路150による電波強度の実際の測定を要さないので、処理負荷や消費電力量の削減を図ることができる。ただし、通信判定部170が位置検出部154で検出された平面位置を用いる構成では、中継装置120が何らかの原因で機能していない場合でも、そのエリアを中継エリア14と見なしてしまうことになるので、送受信回路150による電波強度と位置検出部154による平面位置とを併用するのが望ましい。
また、通信判定部170は、中継装置120の電波強度や、中継装置120とタイミング生成装置130との距離に応じて、タイミング生成装置130の電源を省電力モードに切り換える。
通信判定部170は、中継装置120の電波強度や中継装置120との距離を把握しているため、中継装置120の電波強度や中継装置120との距離によっては、当面、通信モードの切り換えが必要ないことを把握することもできる。したがって、現在の中継装置120の電波強度や中継装置120との距離が、通信モードの切り換えが必要ない範囲にある間、タイミング生成装置130の電源を省電力モード(スリープモード)にして、電力の消費を抑制する。
切換送信部172は、通信判定部170の判定が否から可となった場合、直接通信モードから中継通信モードへの切換を指示する切換情報を複数の無線機110に一斉に送信し、通信判定部170の判定が可から否となった場合、中継通信モードから直接通信モードへの切り換えを指示する切換情報を、中継装置120を介して複数の無線機110に一斉に送信する。
後述するように、無線機110は、かかる切換情報を受けて、無線機自体の通信モードを、直接通信モードから中継通信モードに、または、中継通信モードから直接通信モードに切り換える。ここでは、鉄道車両102内の無線機110が、それぞれの位置における中継装置120の電波強度の違いまたは中継装置120との距離の違いに拘わらず、タイミング生成装置130の切換情報に従って、一度に通信モードを変更するため、それぞれの通信モードが同期し、無線機110間の安定した無線通信を実行することが可能となる。
また、無線機110は、タイミング生成装置130からの切換情報に従いさえすれば、他の無線機110との同期をとれるので、それぞれで中継装置120の電波強度または距離をセンシティブに導出しなくて済むので、例えば、他の無線機110との無線通信処理に集中することができる。
切換送信部172は、中継エリア14と直接エリア16との境界を跨ぐ度に切換情報を1回送信すれば足りるが、無線機110の位置やその近傍の電波環境によっては、その1回の切換情報を正常に取得できない場合もある。したがって、切換送信部172は、所定の時間間隔で切換情報を2回以上予備的に送信してもよい。こうすることで、無線機110の通信モードの切換漏れを防止することができる。ただし、当該無線通信システム100では、特定の通信周波数を複数の鉄道車両102で共通に利用していることから、他の鉄道車両102内の無線機110を妨害しないよう、切換情報を送信する回数に上限を設けるのが望ましい。
直接通信モードにおいて、各無線機110は、特定の1の通信周波数を利用し、その特定の通信周波数によって受信を待ち受けるので、タイミング生成装置130の切換送信部172は、同通信周波数によって切換情報を送信する。したがって、直接通信モードから中継通信モードへの切換情報を送信するタイミングで、任意の無線機110間で無線通信が実行されていると、その通信周波数を利用することができない。この場合、切換送信部172は、任意の無線機110間の無線通信が終了してからその通信周波数を用いて速やかに切換情報を送信する。
このとき、任意の無線機110が無線通信をしている間、他の無線機110も通信周波数を利用できないため、通信モードの切換遅延が他の無線機110の無線通信の利便性に影響することはなく、通信モードの切換漏れも基本的には生じない。
(無線機110)
図5は、無線機110の電気的な構成を示した機能ブロック図である。無線機110は、鉄道車両102等の移動体内で乗務員に携帯され、送受信回路150と、アンテナ152と、位置検出部154と、メモリ156と、中央制御部158と、操作部160と、音声入力部162と、音声出力部164と、表示部166とを含んで構成される。また、無線機110における中央制御部158は、通信判定部170、切換受信部180、モード切換部182としても機能する。
上述したように、無線機110の構成はタイミング生成装置130と基本的に等しい。したがって、図3を用いてタイミング生成装置130として既に述べた送受信回路150と、アンテナ152と、位置検出部154と、メモリ156と、中央制御部158と、通信判定部170とは、実質的に機能が等しいので重複説明を省略し、機能の異なる、操作部160と、音声入力部162と、音声出力部164と、表示部166と、切換受信部180と、モード切換部182とを主として説明する。
操作部160は、PTT(Push To Talk)を含む、操作キー、十字キー、ジョイスティック、ジョグダイヤル、タッチパネル等で構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。音声入力部162は、マイク、入力アンプ、LPF(Low Pass Filter)等で構成され、マイクで収音された音声を電気的な音声信号に変換し、中央制御部158に出力する。
音声出力部164は、出力アンプ、スピーカ等で構成され、中央制御部158が出力した音声信号を音声として出力する。表示部166は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等で構成され、中央制御部158の制御指令に応じて、文字パターン(英字、数字も含む)やアイコン(図形)等、無線通信に関する様々な情報を表示する。
切換受信部180は、タイミング生成装置130から送信される切換情報に従って、無線機自体の通信モードを、中継通信モードまたは直接通信モードに切り換える。
本実施形態では、無線機110がタイミング生成装置130の切換情報に従って、一度に通信モードを切り換えることを特徴としている。したがって、直接エリア16において、無線機110は、他の無線機110との無線通信を行っている間以外では、特定の通信周波数でタイミング生成装置130からの切換情報の待受状態となり、タイミング生成装置130からの切換情報を受けて、中継装置120の制御チャンネルの待受状態に切り換わる。また、中継エリア14において、無線機110は、中継装置120が提供する無線チャンネルを待ち受け、タイミング生成装置130によって間接的に無線機110の受信周波数が変更され、タイミング生成装置130からの切換情報を受けて、特定の通信周波数の待受状態に切り換わる。
図6は、鉄道車両が中継エリア14から直接エリア16に移動する際の通信モードの切換を説明するための説明図である。中継エリア14において、図6(a)に示すように、無線通信を行っていない無線機110は、(1)中継装置120の制御チャンネルを受信している。したがって、タイミング生成装置130は、中継装置120の電波強度や中継装置120との距離に応じて、通信モードを直接通信モードに切り換えるべきと判断すると、(2)中継装置120に対し、特定の通信周波数への割り当てを要求し、中継装置120は、制御チャンネルを通じて各無線機110にその特定の通信周波数に最優先で切り換えさせる信号を送信する。各無線機110は、その切換指示を受け、無線機自体の通信周波数を直接通信モードにおける特定の通信周波数に変更し、タイミング生成装置130は、(3)特定の通信周波数を通じて切換情報を無線機110に送信する。
また、図6(b)に示すように、無線通信を実行している無線機110は、(1)通話チャンネルによって通話しているので、所定の期間が経過するまで制御チャンネルを受信することができない。しかし、通話チャンネルには制御情報が重畳されており、タイミング生成装置130が(2)中継装置120に対し、特定の通信周波数への割り当てを要求すると、無線通信の受信状態にある無線機110では、(3)その制御情報を受信して、タイミング生成装置130が通信周波数の変更を所望していることを把握できるので、通話チャンネルによる無線通信を停止し、無線機自体の通信周波数を強制的に特定の通信周波数に変更することができる。タイミング生成装置130は、(4)特定の通信周波数を通じて切換情報を無線機110に送信する。
ただし、無線通信の送信状態にある無線機110では、制御情報を受信することができないので、その通信状態によっては特定の通信周波数への切換タイミングを逃すおそれがある。この場合、後述するモード切換部182による自発的な通信モードの切り換えによって特定の通信周波数への切り換えが実行される。
無線通信システム100は、あくまで電波を用いるシステムなので、鉄道車両102内の複数の無線機110は、その位置や近傍の電波環境が異なると、タイミング生成装置130との無線通信を確立できない場合(切換情報を受信できない場合)がある。また、無線機110の電源が、切換情報が送信された後に投入された場合、タイミング生成装置130がいずれの通信モードを送信したのか把握することができない。さらに、タイミング生成装置130が不調であったり、停止している場合に、適切な切換情報が送信されない可能性もある。かかる場合において、タイミング生成装置130からの切換情報にのみ依存すると、無線機110の通信モードが異なる状態に陥り、有効な無線通信を実行できなくなるおそれがある。そこで、無線通信システム100では、このようなイレギュラーな場合に、各無線機110が自発的に通信モードを設定または切り換えることが可能となるようにモード切換部182を設けている。
モード切換部182は、通信判定部170の判定が否から可となった場合、無線機自体の通信モードを直接通信モードから中継通信モードへ切り換え、通信判定部170の判定が可から否となった場合、無線機自体の通信モードを中継通信モードから直接通信モードへ切り換える。
ただし、モード切換部182をタイミング生成装置130の切換送信部172と並行して動作させると、鉄道車両102内の無線機110の位置によっては、モード切換部182が、切換送信部172からの切換情報を受信する前に通信モードを切り換えてしまい、やはり各無線機110で通信モードが異なることになる。本実施形態では、タイミング生成装置130と無線機110との通信モードの切り換えのタイミングを異ならせて、このような事態を回避する。
例えば、モード切換部182は、直接エリア16から中継エリア14へ移動したときの通信モードの切り換えに用いる所定の閾値を、切換送信部172が用いる所定の閾値より高くすることで、切換送信部172より先に中継通信モードに切り換わるのを回避し、また、中継エリア14から直接エリア16へ移動したときの通信モードの切り換えに用いる所定の閾値を、切換送信部172が用いる所定の閾値より低くすることで、切換送信部172より先に中継通信モードに切り換わるのを回避する。こうして、結果的に、タイミング生成装置130のヒステリシス特性の閾値の差より、無線機110のヒステリシス特性の閾値の差が大きくなる。
(中継装置120)
図7は、中継装置120の電気的な構成を示した機能ブロック図である。中継装置120は、停車駅12近傍に固定的に設置され、送受信回路190と、アンテナ192と、メモリ156と、中央制御部158とを含んで構成される。また、中継装置120における中央制御部158は、トランキング制御部194としても機能する。図3を用いてタイミング生成装置130として既に述べたメモリ156と、中央制御部158とは、実質的に機能が等しいので重複説明を省略し、機能の異なる送受信回路190と、アンテナ192と、トランキング制御部194とを主として説明する。中継装置120は、主として、停車駅12近傍における無線機110同士、または、タイミング生成装置130と無線機110とを中継する役割を担う。
送受信回路190は、複数の無線通信回線によって無線通信を実行できるように複数(ここでは5つ)設けられ、アンテナ192も送受信回路190の無線通信回線の数に応じて複数設けられている。送受信回路190は、無線通信回線毎に、中央制御部158が出力した音声信号、テキスト信号および制御信号を高周波に変調し、アンテナ192を通じて送信すると共に、アンテナ192を通じて受信した音声信号、テキスト信号および制御信号を復調して中央制御部158に出力する。送受信回路190は、制御チャンネルを介して、各無線機110からの発呼要求を受け付ける。
トランキング制御部194は、送受信回路190を通じ、複数(例えば4つ)の通話チャンネルと1つの制御チャンネルとを用いて、無線通信システム100内の複数の無線機110間の通話を制御する。トランキング制御部194は、図1を用いて説明したように、例えば、(1)制御チャンネルを通じ、無線機110から無線通信を所望する他の無線機の識別情報を受信し、(2)その識別情報をメモリ156に記憶している識別情報と照合し、照合結果に基づいて、識別情報に対応する他の無線機110との無線通信を試み、他の無線機110が無線通信可能であることを確認して、空いている通話チャンネルを両無線機110に割り当て、(3)その通話チャンネルを通じて両無線機110に無線通信を開始させる。
また、トランキング制御部194は、中継装置120からの制御指令に応じて、制御チャンネルまたは通信チャンネルを通じ、無線通信システム100内の無線機110に通信周波数を特定の通信周波数に変更するよう指令することができる。
以上、説明した無線通信システム100では、複数の無線機の通信モードの切換タイミングを合わせることで、中継エリア14と直接エリア16との境界における新旧の通信モードが異なる状態となる時間がなくなり、無線機110を発呼したが応答しないといった事態を回避することができる。こうして、無線機110の鉄道車両102の位置に拘わらず、無線機間の安定した無線通信を実行することが可能となる。
また、タイミング生成装置130の切換情報により、無線機110の通信モードが自動的に切り換わるため、例えば、鉄道における運転手や車掌は、煩雑な通信モードの手動切換を行わなくてよくなり、安全確認等の業務に集中することができる。
(無線通信方法)
次に、上述した無線通信システム100を用いて、無線通信を実行する無線通信方法について説明する。図8は、無線通信方法の切換処理の流れを示したフローチャートであり、図9は、無線通信方法の全体的な処理の流れを示したシーケンス図である。
図8(a)のフローチャートを参照すると、タイミング生成装置130の通信判定部170は、タイマの計時により所定の時間が経過すると(S250におけるYES)、送受信回路150を通じ、中継装置120の電波強度を測定させ、中継装置120との無線通信の可否を判定する(S252)。
タイミング生成装置130の切換送信部172は、現在の通信モードが直接通信モードであって(S254におけるYES)、通信判定部170が中継装置120との無線通信が可能と判定した場合(S256におけるYES)、タイミング生成装置130と無線機110、または、無線機110同士が中継装置120を中継して無線通信を行う中継通信モードへの切換を指示する切換情報を無線機110に送信し(S258)、通信判定部170が中継装置120との無線通信が不可能となりそうと判定した場合(S256におけるNO)、切換情報は送信しない。
タイミング生成装置130の切換送信部172は、現在の通信モードが中継通信モードであって(S254におけるNO)、通信判定部170が中継装置120との無線通信が不可能となりそうと判定した場合(S260におけるNO)、中継装置120を介さず、タイミング生成装置130と無線機110、または、無線機110同士で無線通信を直接行う直接通信モードへの切り換えを指示する切換情報を無線機110に送信し(S262)、通信判定部170が中継装置120との無線通信が可能と判定した場合(S260におけるYES)、切換情報は送信しない。
図8(b)のフローチャートを参照すると、無線機110の切換受信部180は、タイミング生成装置130から切換情報を受信すると(S270におけるYES)、その切換情報が中継通信モードへの切換を指示する場合(S272におけるYES)、すでに中継通信モードに切り換わっているか否か判定し(S274)、直接通信モードであれば(S274におけるNO)、無線機自体の通信モードを、中継通信モードに切り換える(S276)。また、その切換情報が直接通信モードへの切換を指示する場合(S272におけるNO)、すでに直接通信モードに切り換わっているか否か判定し(S278)、中継通信モードであれば(S278におけるNO)、無線機自体の通信モードを、直接通信モードに切り換える(S280)。
図9では、2つの無線機110a、110bと中継装置120とタイミング生成装置130とを挙げて説明する。例えば、直接エリア16において、2つの無線機110a、110bは、直接通信モードによる直接の無線通信を行う(S300)、2つの無線機110a、110bを含め無線通信が行われていないときに通信判定部170が中継装置との無線通信が可能となったと判定すると(S302)、切換送信部172は、中継通信モードに切り換えさせるための切換情報を各無線機110に送信する(S304)。かかる切換情報を受けて、無線機110a、110bは、中継通信モードに切り換える(S306)。
中継通信モードでは、各無線機110a、110bは、中継装置120からの制御チャンネルを受信する(S308)。任意の無線機110aが、無線機110bとの無線通信を試みると、制御チャンネルを通じて、無線機110bの識別情報を中継装置120に送信し(S310)、中継装置120は、無線機110bが無線通信可能であることを確認して、空いている通話チャンネルを両無線機110a、110bに割り当てる(S312)。両無線機110は割り当てられた通話チャンネルを通じ、中継装置を介して無線通信を開始する(S314)。
タイミング生成装置130の通信判定部170は、中継通信モードの間であっても、中継装置120との通信可否を判定しており、無線機110a、110bの無線通信が完了した後、通信判定部170の判定が否となると(S316)、切換送信部172は、中継装置120に特定の通信周波数への割り当てを要求するための切換情報を送信し(S318)、中継装置120は、制御チャンネルを通じてその特定の通信周波数に最優先で切り換えさせる信号を通じて無線機110a、110bに切換情報を送信し(S320)、無線機110a、110bは、再び、直接通信モードに切り換わる(S322)。
かかる無線通信方法においても、複数の無線機の通信モードの切換タイミングを合わせることで、移動体の位置に拘わらず、無線機間の安定した無線通信を実行することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、無線機110とタイミング生成装置130とを異なる装置として説明しているが、無線機110の中央制御部158を通信判定部170、切換送信部172として機能させることで、無線機110をタイミング生成装置130として利用することもできる。
なお、本明細書の無線通信方法における各工程は、必ずしもフローチャートやシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
本発明は、中継装置を介して無線通信を行う中継通信モードと無線機同士で直接無線通信を行う直接通信モードとを切り換える無線通信システム、タイミング生成装置および無線通信方法に利用することができる。
100 …無線通信システム
110 …無線機
120 …中継装置
130 …タイミング生成装置
170 …通信判定部
172 …切換送信部
180 …切換受信部

Claims (6)

  1. 中継装置と、タイミング生成装置と、無線機とがそれぞれ無線通信可能な無線通信システムであって、
    前記タイミング生成装置は、
    前記中継装置との無線通信の可否を判定する通信判定部と、
    前記通信判定部の判定が可となった場合、前記タイミング生成装置と前記無線機、または、前記無線機同士が前記中継装置を中継して無線通信を行う中継通信モードへの切換を指示する切換情報を前記無線機に送信し、前記通信判定部の判定が否となった場合、前記中継装置を介さず、前記タイミング生成装置と前記無線機、または、前記無線機同士で無線通信を直接行う直接通信モードへの切り換えを指示する切換情報を、前記中継装置を介して前記無線機に送信する切換送信部と、
    を備え、
    前記無線機は、
    前記切換情報に従って、無線機自体の通信モードを、前記中継通信モードまたは前記直接通信モードに切り換える切換受信部
    を備えることを特徴とする無線通信システム。
  2. 中継装置または無線機と無線通信可能なタイミング生成装置であって、
    前記中継装置との無線通信の可否を判定する通信判定部と、
    前記中継装置通信判定部の判定が可となった場合、前記タイミング生成装置と前記無線機、または、前記無線機同士が前記中継装置を中継して無線通信を行う中継通信モードへの切換を指示する切換情報を前記無線機に送信し、前記通信判定部の判定が否となった場合、前記中継装置を介さず、前記タイミング生成装置と前記無線機、または、前記無線機同士で無線通信を直接行う直接通信モードへの切り換えを指示する切換情報を、前記中継装置を介して前記無線機に送信する切換送信部と、
    を備えることを特徴とするタイミング生成装置。
  3. 前記通信判定部は、前記中継装置の電波強度に応じて無線通信の可否を判定することを特徴とする請求項2に記載のタイミング生成装置。
  4. 前記タイミング生成装置の平面位置を検出する位置検出部をさらに備え、
    前記通信判定部は、予め設定された前記中継装置の平面位置から、前記位置検出部で検出された前記タイミング生成装置の平面位置までの距離に応じて無線通信の可否を判定することを特徴とする請求項2または3に記載のタイミング生成装置。
  5. 前記通信判定部は、予め設定された前記中継装置の平面位置から、前記タイミング生成装置の平面位置を検出する位置検出部で検出された平面位置までの距離に応じて前記タイミング生成装置の電源を省電力モードに切り換えることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のタイミング生成装置。
  6. 中継装置または無線機と無線通信可能なタイミング生成装置を用いた無線通信方法であって、
    前記タイミング生成装置は、
    前記中継装置との無線通信の可否を判定し、
    前記判定が可となった場合、前記タイミング生成装置と前記無線機、または、前記無線機同士が前記中継装置を中継して無線通信を行う中継通信モードへの切換を指示する切換情報を前記無線機に送信し、前記判定が否となった場合、前記中継装置を介さず、前記タイミング生成装置と前記無線機、または、前記無線機同士で無線通信を直接行う直接通信モードへの切り換えを指示する切換情報を前記無線機に送信し、
    前記無線機は、
    前記切換情報に従って、無線機自体の通信モードを、前記中継通信モードまたは前記直接通信モードに切り換えることを特徴とする無線通信方法。
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