JP2014001587A - 自動ドアの不正開扉防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】取り付け作業を簡易にして扉本体の外観体裁を損なうことがなく、しかも強度の高い衝立面を備えた不正開扉防止装置を提供する。
【解決手段】扉本体1の下端に長尺状の下部枠4を備え、下部枠4に垂直な衝立面11を形成した塞ぎ具10を取付け、その衝立面10をガイドレール2の溝内に垂下させることにより、扉本体1とガイドレール2との間の隙間を塞ぐようにした自動ドアの不正開扉防止装置において、扉本体1の下部枠4は底面が開口した空間部5を有し、塞ぎ具10は、左右両側上端間に弾力を生じる側面視が略V字形を呈し、その一方の上端縁を扉本体1の正面側から前記下部枠4内面に押し当てながら他方の上端縁を塞ぎ具10の弾力を利用して下部枠4内に押し込むことにより下部枠4に取り付けられて左右両辺が二枚合わせ状の衝立面11を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は自動ドアの不正開扉防止装置、詳しくは、マンション等の入口に設置されている吊下げ式引き戸などの自動ドアにおいて、外部からドアを不正に開動させることを未然に防止する装置に関する。
従来、建物の外部からドアの下部枠(下框)と床面との間の僅かな隙間を通して新聞紙などの薄物を差し込み、建物内部に設置されている開扉用起動センサーに検知させて自動ドアを開動させる不正が問題となり、そのような不正防止装置として特許文献1が提案されている。
特許文献1は、扉本体下端の下部枠に垂直な衝立面を形成した不正開扉防止具を取付け、その衝立面をガイドレール溝内に垂下させることにより、扉本体とガイドレール(床面)との間の隙間を遮蔽し、前記隙間から新聞紙などの差し込みを阻止して不正開扉を防止するとともに併せてすきま風の侵入も防止するものである。
実用新案登録第3157557号公報
上記特許文献1によれば、扉本体の下部枠に隙間塞ぎ用の遮蔽部材を付設する構造であるので、自動ドアの外部に人物等の存在を検出するセンサーや自動ドアの開動を禁止する制御回路などの電気的手段を必要としないこと、また完成した扉本体を解体することなく後付け可能な構成であることでメリットを有するものである。
しかしながら、特許文献1の不正開扉防止具は、垂直な取付面を有する側面視L字状の長尺部材の水平端縁に制止板を下向き一体に折り曲げ形成したもので、その垂直な取付面を扉本体の下部枠(下框)外面にネジ止めすることにより取り付けられる。そのため、不正開扉防止具の一部(取付面)が扉本体の下部正面に露出するので、外観体裁を損なう不具合がある。
また、不正防止具をねじ止めする際には、作業者が不正防止具全体を持ち上げ扉本体の下部枠に押し付け保持することが必要となり、不正防止具の仮止め手段がないことで作業上の不具合がみられる。
本発明は斯る従来事情に鑑み、完成した扉本体を解体、詳しくは側部枠(左側框または右側框)を取り外すことなく、遮蔽部材となる塞ぎ具を扉本体の正面側から後付け可能とし、取り付け作業を簡易にして扉本体の外観体裁を損なうことがなく、しかも強度の高い衝立面を備えた不正開扉防止装置を提供することを目的とする。
斯る本発明の不正開扉防止装置は、扉本体の下端に長尺状の下部枠を備え、該下部枠に垂直な衝立面を形成した塞ぎ具を取付け、その衝立面をガイドレール溝内に垂下させることにより、扉本体とガイドレールとの間の隙間を塞ぐようにした自動ドアの不正開扉防止装置において、前記扉本体の下部枠は底面が開口した空間部を有し、前記塞ぎ具は、左右両側上端間に弾力を生じる側面視が略V字形を呈し、その一方の上端縁を扉本体の正面側から前記下部枠内面に押し当てながら他方の上端縁を前記塞ぎ具の弾力を利用して下部枠内に押し込むことにより下部枠に取り付けられて左右両辺が二枚合わせ状の衝立面を構成することを特徴とする(請求項1)。
扉本体の下部枠に取付けられた塞ぎ具は、V字形各側辺の上端に生ずる外向きの反発力によって前記下部枠内面に掛止されるが、その掛止機能を高めるために好ましくは、前記扉本体の下部枠は、前記空間部の対向する内面に長手方向に沿った掛止縁を有し、前記略V字形の塞ぎ具には、左右両辺の上端を外側へ屈曲させた掛止鍔を形成して前記掛止縁に係合させるようにする(請求項2)。
さらに、塞ぎ具の掛止機能を強化するために好ましくは、前記塞ぎ具には、外側へ屈曲させた掛止鍔の先端に上向きに屈曲する接合縁を形成し、該接合縁を扉本体の下部枠にビス止めさせるようにする(請求項3)。
上記塞ぎ具は扉本体の正面幅(左右幅)より若干短い単体とすることもよいが、扉本体の下部枠にはガイドレールの溝内に摺動する振れ止を取り付けることが多く、その場合には、塞ぎ具が、一つの長尺塞ぎ具と二つの短尺塞ぎ具からなり、その長尺塞ぎ具は扉本体の下部枠に間隔をおいて配設された振れ止間に取り付けられ、短尺塞ぎ具は前記振れ止の外側に取り付けるものとする(請求項4)。
一方、前記ガイドレールには、レール溝を小幅に設定する溝埋ガイドを装着することが通行者のハイヒールや杖等の引っ掛かりを防止する上で好ましく、その場合には次の構成を採用する。すなわち、前記ガイドレールの溝内には溝埋ガイドが嵌め込み状に装着され、その溝埋ガイドにレール溝幅より小幅なガイド溝が形成され、該ガイド溝内に前記塞ぎ具の衝立面が可動状に挿入されるようにする(請求項5)。
本発明によれば、ガラス部材の四周囲に框部材を取り付け完成している扉本体であっても、框部材を取り外すことなく簡便に塞ぎ具を装着することができるとともに外観体裁を維持し、かつ強度の高い衝立面を有する不正開扉防止装置付き自動ドアを提供することができる。
本発明の第1実施例を示す一部省略せる断面側面図である。 図1における塞ぎ具を示し、(a)は側面図、(b)は斜視図である。 図1における扉本体の下部を示す正面図である。 図1における塞ぎ具の取付操作を説明する側面断面図である。 本発明の第2実施例を示す一部省略せる断面側面図である。 図5における溝埋ガイドの斜視図である。 図5における扉本体の下部を示す正面図である。 本発明における塞ぎ具の変形例の取付状態を示す断面側面図である。 図8における塞ぎ具を示し、(a)は側面図、(b)は斜視図である。 本発明における塞ぎ具の他の変形例の取付状態を示す断面側面図である。 図10における塞ぎ具を示し、(a)は側面図、(b)は斜視図である。 扉本体の変形例であって、それに本発明における塞ぎ具の取付状態を示す断面側面図である。
本発明の実施の形態を図面により説明すれば、図1〜図4は第1実施例を示し、図5〜図7は第2実施例を示す。
先ず第1実施例を説明すると、図1は建造物の出入口に設置され駆動機構の詳細を省略した自動ドアを示し、符号1は扉本体、2は床面に配設されたガイドレールであって、便宜上、扉本体1の左側を屋外側aとし右側を屋内側bとする。
扉本体1は、四周囲枠を構成する框部材によりガラス板3が取り付け支持されるが、その下框として下部枠4を有するもので、この下部枠4に塞ぎ具10が取り付けられる。
下部枠4は、アルミニュームやステンレス等の金属製であって、下半部に下面が開口した空間部5を有しているが空間部5の左右側面は側部枠(左框、右框)により封鎖されている。
この空間部5内には、左右両側寄りに図示省略した掛止具によって合成樹脂製の振れ止6,6が取り付けられ前記ガイドレール2内に滑動するように嵌め合っている。
また、下部枠4の空間部5内には、下位の対向する内面に左右幅方向に渉る切溝状の掛止縁7,7が形成されており、この掛止縁7,7を利用して、例えば、下部枠4にゴム等の軟質材からなる隙間風防止具などのオプション部材を所望により取り付け可能としている。
本発明の前記塞ぎ具10は、下部枠4にオプション部材が取り付けられることなく完成している扉本体1に後付けとして取り付けるようにするものである。
塞ぎ具10は、アルミニュームやステンレス等の金属製であって、図2に例示するように側面視略V字形の成形部材であり、その左右両辺11a,11bを押圧することにより両側上端間が接離して弾力を生じるようにしたものである。
この塞ぎ具10は、V字形である左右両辺11a,11bの上端をそれぞれ外側へ屈曲させた掛止鍔12a,12bを形成し、各掛止鍔12a,12bを前記掛止縁7,7に係合させるようにする。
したがって、塞ぎ具10は、左右両辺11a,11bがそれぞれ衝立面として機能するもの、すなわち二枚合わせの衝立面11が形成された補強構造である。
なお、塞ぎ具10は、その長さ(正面幅)を前記振れ止6,6の間隔と略同じくした長尺塞ぎ具である(図3参照)。
塞ぎ具10を扉本体1に取り付けるには、扉本体1を自動ドアとして設置する前、あるいは既設の場合は下部枠4がガイドレール2から十分な間隔をおくよう持ち上げた状態で塞ぎ具10を扉本体1の空間部5近傍に配置し、図4(a)に示すように、一辺11bの掛止鍔12bを扉本体1の一方の正面側から空間部5の開口を通して掛止縁7に押し当て係合させる。次いで、塞ぎ具10の他辺11aを指等で強く押し込むことにより、図4(a)の破線で示すように、両辺に生じる弾力に抗して掛止鍔12aを空間部5内に押入れ、かつ掛止鍔12aを空間部5内の掛止縁7に係合させる。それにより、図4(b)に示すように、左右両辺11a,11bが二枚合わせとなった衝立面が垂直状に組み付けられる。
なお、上記塞ぎ具10は、図3の振れ止6,6間に装着された長尺塞ぎ具であって、両振れ止6,6の外側には、側面視形状を同じくするが長さを短くした短尺塞ぎ具10a,10bを同様にして取り付ける。
斯る塞ぎ具10が装着された扉本体1を出入口に自動ドアとして設置した状態が図1であり、それによれば、塞ぎ具10がガイドレール2の溝内に突出するので、扉本体1の下部枠4とガイドレール2との間が前記塞ぎ具10に遮蔽され、出入口の屋外側aから新聞紙等の薄物を屋内側bへ差し込む不正行為を阻止することができる。
また、塞ぎ具10は左右両辺11a,11bが二枚合わせとなった補強構造であるので、新聞紙より硬質な部材が使用される場合でも遮蔽部材として対応可能である。
図5〜図7に基づいて本発明の第2実施例を説明する。
第2実施例は、図5に示すように前述したガイドレール2内に溝埋ガイド20を埋設した床面構造に適用する不正開扉防止装置であり、塞ぎ具については、第1実施例に使用した塞ぎ具10と長さが異なる以外は同一形態を例示する。
ガイドレール2は、前述した振れ止6を使用する一般的形状においてはレール溝幅(奥行幅)が広いために通行者の靴のヒールや傘先等が挟まるなどの不具合がある。その不具合を解消するために溝埋ガイド20が採用される。
溝埋ガイド20は、硬質な合成樹脂成形材であって、ガイドレール2の溝内に表面を面一にして嵌め込むとともにビス止め等により固定したもので、図6に例示するように、中心部に長手方向に沿ったガイド溝21が形成され、ガイド溝21の一端部にはガイド溝21の溝幅を拡幅した導入口21aが形成されている。
図5に示すように、扉本体1に装着した前記塞ぎ具10は、その左右両辺11a,11bからなる衝立面11の所定高さが溝埋ガイド20のガイド溝21内に挿入され、その状態で扉本体1が開閉動作をする。
この扉本体1が開閉動作をする際には、塞ぎ具10の衝立面11が前記ガイド溝21に沿って移動するので、衝立面11自体が振れ止の機能を兼用する。
したがって、扉本体1の下部枠4には、図7に示すように振れ止が付設されることなく塞ぎ具10が下部枠1の正面幅に相当する長尺形態となり、また、衝立面11が振れ止の機能を兼用しても、左右両辺11a,11bの二枚合わせであることにより補強される。
なお、塞ぎ具10により、出入口の屋外側aと屋内側bが遮蔽されるので、不正開扉を防止し得ることは前記第1実施例と同様である。
次に、図8〜図11は、前記第1実施例および第2実施例で説明した塞ぎ具10の変形例10A,10Bを示す。各変形例は基本形態を塞ぎ具10と同じくするので、説明の重複を避けるために同一部位は同一の名称、符号をもって説明する。
塞ぎ具10Aは、第8図および第9図に示すように、一方の掛止鍔12aの先端をさらに上向きに立ち上げて接合縁13aを形成したものである。
この塞ぎ具10Aは、その一辺11bの掛止鍔12bを扉本体1の空間部5内の掛止縁7に押し当て係合させた後に他辺11aを空間部5内に押入れ、前記接合縁13aを掛止縁7上部に両辺の反発力により接合して仮止めする。その仮止め状態において、扉本体1の下部枠4の外面より数か所にサッシビス等を打ち込んでビス止14する。
これにより、塞ぎ具10Aの取り付け状態が補強されるので、不正開扉の防止機能が強化されるとともに、塞ぎ具10Aに振れ止機能を兼用させる場合に堅固なドア支持構造が得られる。
塞ぎ具10Bは、図10および図11に示すように、左右両方の掛止鍔12a,12bのそれぞれの先端に上向きの接合縁13a,13bを形成したものであり、さらに図11のA部拡大図に示すように、掛止鍔12a,12bと接合縁13a,13bの境界部(角部)に内側から外側に打出した突起縁15を数か所に形成したものである。
この塞ぎ具10Bは、前述のように扉本体1の空間部5内に装着する際に、左右の前記突起縁15をそれぞれ空間部5内の掛止縁7に掛止させることにより安定して仮止めし、その状態において、扉本体1の下部枠4の外面より数か所にサッシビス等を打ち込んで左右接合縁13a,13bをビス止14する。
これにより、塞ぎ具10Bの取り付け状態は塞ぎ具10Aよりさらに補強することができる。
図12は、扉本体の変形例であって、それに塞ぎ具を装着する場合を示すものである。
すなわち、扉本体1’が下部枠4の空間部5内に掛止縁7を具備しない構造であって、それに塞ぎ具を装着する場合であり、塞ぎ具として前記塞ぎ具10Bの使用を例示する。
扉本体1’の空間部5に掛止縁7が形成されていないので、塞ぎ具10Bは一方の接合縁13bを空間部5の内面に押し当てながら他方の接合縁13aを空間部5内に押入れて両辺の反発力により空間部5の内面に接合させる。その際、塞ぎ具10Bの掛止縁12a,12bの底面が図示のように扉本体1の下部枠4の底縁と面一となるよう仮止めする。その仮止め状態において、扉本体1’の下部枠4の外面より数か所にサッシビス等を打ち込んでビス止14する。
したがって、このビス止14により、掛止縁7を備えていない扉本体1’であっても、塞ぎ具10Bを扉本体1’に確実に取り付けることができる。
なお、上記実施例において塞ぎ具10,10A,10Bは、扉本体1への取付状態において左右両辺11a,11bが密着する構造を説明したが、その構造の場合、第2実施例のような溝埋ガイド20との組み合わせにおいてガイド溝21の溝幅を小さくすることができて好適である。
しかし、第1実施例のように溝埋ガイドを組込まない形態の塞ぎ具10,10A,10Bは、扉本体1の取付状態においてもなお左右両辺11a,11bが略V字形に拡開している形状とすることも任意である。
1:扉本体
2:ガイドレール
4:下部枠
5:空間部
6:振れ止
7:掛止縁
10,10A,10B:塞ぎ具
11:衝立面
11a:左辺
11b:右辺
12a,12b:掛止鍔
13a,13b:接合縁
14:ビス止
15:突起縁
20:溝埋ガイド
21:ガイド溝
21a:導入口

Claims (5)

  1. 扉本体の下端に長尺状の下部枠を備え、該下部枠に垂直な衝立面を形成した塞ぎ具を取付け、その衝立面をガイドレール溝内に垂下させることにより、扉本体とガイドレールとの間の隙間を塞ぐようにした自動ドアの不正開扉防止装置において、
    前記扉本体の下部枠は底面が開口した空間部を有し、
    前記塞ぎ具は、左右両側上端間に弾力を生じる側面視が略V字形を呈し、その一方の上端縁を扉本体の正面側から前記下部枠内面に押し当てながら他方の上端縁を前記塞ぎ具の弾力を利用して下部枠内に押し込むことにより下部枠に取り付けられて左右両辺が二枚合わせ状の衝立面を構成することを特徴とする吊下げ式自動ドアの不正開扉防止装置。
  2. 前記扉本体の下部枠は、前記空間部の対向する内面に長手方向に沿った掛止縁を有し、
    前記略V字形の塞ぎ具には、左右両辺の上端を外側へ屈曲させた掛止鍔を形成して前記掛止縁に係合させるようにした前記請求項1記載の自動ドアの不正開扉防止装置。
  3. 前記塞ぎ具には、外側へ屈曲させた掛止鍔の先端に上向きに屈曲する接合縁を形成し、該接合縁を扉本体の下部枠にビス止めさせるようにした請求項1又は2記載の自動ドアの不正開扉防止装置。
  4. 前記塞ぎ具が、一つの長尺塞ぎ具と二つの短尺塞ぎ具からなり、その長尺塞ぎ具は扉本体の下部枠に間隔をおいて配設された振れ止間に取り付けられ、短尺塞ぎ具は前記振れ止の外側に取り付けられる前記請求項1記載の自動ドアの不正開扉防止装置。
  5. 前記ガイドレールの溝内には溝埋ガイドが嵌め込み状に装着され、その溝埋ガイドにレール溝幅より小幅なガイド溝が形成され、該ガイド溝内に前記塞ぎ具の衝立面が可動状に挿入される請求項1記載の自動ドアの不正開扉防止装置。
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