以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。本発明を説明するに当って、関連した公知機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不明にする恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。また、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは、ユーザ、運用者の意図または慣例などによって変わりうる。したがって、その定義は、本明細書の全般に亘った内容に基づいて下されなければならない。
図1は、本発明の一実施形態による放射線検出器の断面を示す図である。
放射線検出器10は、上部電極層101、第1光導電層102、電荷収集層103、第2光導電層104及び下部透明電極層105、及びデータ処理部200を含む。
上部電極層101は、外部から入射される放射線を第1光導電層102に伝達する。ここで、放射線は、X線(X−ray)、α線(α−ray)、γ線(γ−ray)などが利用されうる。
第1光導電層102は、上部電極層101を通じて伝達された放射線によって光導電性を表わす。すなわち、第1光導電層102は、放射線照射によって正電荷(または、正孔)及び負電荷(または、電子)対を生成させる。第1光導電層102は、伝達された放射線の信号強度に比例して、正電荷及び負電荷対を生成させる。上部電極層101上に放射線による照射が必要な人体または物体のような対象体がある場合、対象体の成分によって、第1光導電層102に伝達される放射線量が変わりうる。第1光導電層102は、非晶質セレン(a−Se、amorphous selenium)、As2Se3またはAsなどを含有した非晶質セレン化合物であり得る。
電荷収集層103は、第1光導電層102の光導電性によって生成された電荷(正電荷及び負電荷)を収集して、フローティング電極(floating electrode)で動作する。電荷収集層103が電荷を収集することは、電荷収集層103によって第1光導電層102と電荷収集層103との間に積もる電荷をブロッキングすることを意味する。本発明の一実施形態によれば、電荷収集層103は、メタル層、誘電体層またはメタル層及び誘電体層の組合わせで構成することができる。
第2光導電層104は、判読のための背面光によって光導電性を表わす。第2光導電層104は、伝達された背面光の信号強度に比例して、正電荷及び負電荷対を生成させる。第2光導電層104は、非晶質セレン(a−Se)、As2Se3またはAsなどを含有した非晶質セレン化合物であり得る。
ここで、背面光は、放射線の照射方向の背面から照射される光を意味する。背面光源としては、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、LED(Light Emitting Diode)、FED(Field Emission Display)、レーザのようにピクセル単位で光を照射することができるシステムが利用されうる。
下部透明電極層105は、電荷収集層103によって収集された電荷に対応する電荷が帯電される。下部透明電極層105は、背面光が第2光導電層104に到達されるように透明な物質で形成される。下部透明電極層105は、ITO(Indium Tin Oxide)及びIZO(Indium Zinc Oxide)のような物質で形成されうる。第2光導電層104で背面光によって正電荷及び負電荷対が生成されれば、下部透明電極層105には、電荷収集層103で収集された電荷に対応する逆極性の電荷が帯電される。
データ処理部200は、下部透明電極層105から帯電された電荷に対応する信号を判読して、放射線映像を生成させる。図1の放射線検出器10は、実際利用される放射線検出器の1ピクセルに対応する構造の断面を表わすものであって、放射線映像を構成するピクセルアレイでピクセル別に、またはピクセル列単位で下部透明電極層105に判読された信号を用いて、全体放射線映像が獲得されうる。
図2は、電荷収集層を挟む2つの光導電層の動作を示す図である。
放射線が照射されれば、上部電極層101を通じて放射線が第1光導電層102に伝達され、第1光導電層102内で正電荷及び負電荷対が生成される。上部電極層101に印加された高電圧(例えば、4kV)によって電場が形成され、第1光導電層102で生成された正電荷及び負電荷対は、電場に沿って互いに異なる方向に分布される。したがって、電荷収集層103には、正電荷または負電荷が収集される。上部電極層101に負(−)電位が印加されれば、第1光導電層102で発生した正電荷は、上部電極層101に移動し、負電荷は、電荷収集層103に移動する。
電荷収集層103を挟んで形成された第1光導電層102及び第2光導電層104は、回路的な観点で、図2に示したように、直列連結されたキャパシタとして動作する。
キャパシタンスCとエネルギーWは、
の関係にあり、第1光導電層102の電荷量Q1及び第2光導電層104の電荷量Q2は、同一なので、
が成立する。ここで、C1及びC2は、それぞれ第1光導電層102及び第2光導電層104のキャパシタンスを表わし、V1及びV2は、それぞれ第1光導電層102及び第2光導電層104の電圧を表わす。また、
及び
の関係にあるので、
が成立される。
第1光導電層102の厚さd1は、第2光導電層104の厚さd2よりも遥かに厚くなるように形成される。例えば、第1光導電層102の厚さd1は、ほぼ500μmであり、第2光導電層102の厚さd2は、ほぼ7μmないし12μmであり得る。したがって、第2光導電層104にかかる電場E2の大きさは、第1光導電層102にかかる電場E1の大きさよりも大きくなる。また、上部電極層101に映像記録段階で高電圧をかけていて、判読過程ではグラウンドとして設定されるので、第2光導電層104にほとんどの電場がかかるようになる。
図2に示したような構造で、第1光導電層102で生成された電荷(正電荷または負電荷)は、電荷収集層103と第1光導電層102との間のエネルギー障壁の差によってブロッキング(blocking)される。該ブロッキングされた電子は、外部に電場や温度の変化によってエネルギー障壁が低くなれば、電子が障壁を通り過ぎるようになる。第1光導電層102にかかる電場は、相対的に第2光導電層104にかかる電場よりも遥かに小さいために、第1光導電層102と電荷収集層103との間のエネルギー障壁を越えることができる外部エネルギーがないので、電荷が電荷収集層103にブロッキングされる。
電荷収集層103で負電荷がブロッキングされた場合、第2光導電層104に背面光が照射されれば、第2光導電層104の内部で正電荷及び負電荷対が生成される。この場合、第2光導電層104の正電荷は、電荷収集層103側に移動して、電荷収集層103の表面は、中性化(neutralization)される。第2光導電層104で生成された負電荷は、下部透明電極層105に移動して判読される。このような方法で、電荷収集層103で収集された負電荷が判読され、映像処理過程を経て放射線映像が獲得されうる。
電荷収集層103と第1光導電層102との接合面でのエネルギーバンドは、電荷収集層103を構成する伝導性物質の仕事関数と第1光導電層102の仕事関数との差に依存的であり、電荷収集層103と第1光導電層102との厚さ及び比抵抗など物性的な特性によって調節される。
このような原理によって、電荷収集層103に放射線照射による映像に対応する電荷を収集するために、電荷収集層103は、メタル層、誘電体層、またはメタル層及び誘電体層の組合わせで構成することができる。電荷収集層103が、メタル層である場合、銀、銅、金、アルミニウム、カルシウム、タングステン、亜鉛、ニッケル、鉄、プラチナ、錫、鉛、マンガン、コンスタンタン(constantan)、水銀、ニクロム(nichrome)、カーボン、ゲルマニウム、シリコン、ガラス、クォーツ(Quartz)、PET(polyethylene terephthalate)、テフロン(登録商標)などが利用されうる。誘電体層としては、BCB、パリレン(Parylene)、a−C:H(F)、PI(Polyimide)、ポリアリーレンエーテル(Polyarylene ether)、FAC(Fluorinated Amorphous Carbon)のような有機誘電物質、SiO2、Si3N4、ポリシルセスキオキサン(Polysilsequioxane)、メチルシラン(Methyl silane)のような無機誘電物質、Xetogel/Aerogel、PCL(Polycaprolactone)のような多孔性誘電物質などが利用されうる。電荷収集層103をメタル層、誘電体層、またはメタル層及び誘電体層の組合わせで構成すれば、第1光導電層102で生成された電荷を効率的に伝達され、製造が簡単であり、短時間に低コストで放射線検出器を製造することができる。特に、電荷収集層103をドーピングされた半導体を利用する場合に比べて、製造コストを減らし、容易に製造させうる。すなわち、本発明の一実施形態によって、放射線映像の解像度を高め、複雑な製造工程を改善しうる。
図3は、PDP基盤の放射線検出器の一例の断面を示す図である。
図3の放射線検出器20は、上部電極層101、第1光導電層102、電荷収集層103、第2光導電層104、下部透明電極層105、中間基板106、及びPDP110を含む。図1に示したように、放射線検出器20は、上部電極層101、第1光導電層102、電荷収集層103、第2光導電層104、下部透明電極層105、及びPDP110が順次に積層されて形成される。中間基板106は、上部電極層101、第1光導電層102、電荷収集層103、第2光導電層104、下部透明電極層105を支持するものであって、ガラスなどが利用されうる。
上部電極層101、第1光導電層102、電荷収集層103、第2光導電層104、下部透明電極層105は、図1の構成と同一である。
PDP110は、背面光としてプラズマ光を提供する。PDP110は、第1基板111、隔壁112、ガス層113、蛍光層114、絶縁層115、電極116、及び第2基板117を含みうる。
第1基板111及び第2基板117は、互いに対向配置される。
隔壁112は、2つの基板111、117の内部にセル構造を形成する。具体的には、隔壁112は、第1基板111と絶縁層115との間に形成されて、密閉されたセル構造を形成させる。隔壁112は、PDP110のピクセルを区分するように形成される。隔壁112は、ピクセル間のクロストークを防止し、2方向に取り囲まれているか、所望のピクセル形状によって、2方向、6方向、8方向などさまざまな形状を有し、基板の解像力を決定する。隔壁112は、既存のPDP製作方法で製作され、各ピクセル内で放射線の反応面積を高めるために、面積及び高さが調整されうる。
ガス層113は、隔壁112によって形成されるセル構造の内部チャンバに含まれて、電極117によってプラズマ発光を起こす。プラズマ光は、下部透明電極層105に提供される。
蛍光層114は、ガス層113で発生したプラズマ光が反射されて、下部透明電極層105にさらに高照度のプラズマ光が伝達されるように形成される。蛍光層114は、図1に示したように、隔壁112と絶縁層115との一側面に形成されうる。蛍光層114は、選択的に含まれうる。
絶縁層115は、第2基板117上に形成され、誘電体層で形成されうる。絶縁層115は、ピクセル単位で配される電極116間のショートを防止し、漏れ電流を防止するための層である。電極116は、ガス層113にプラズマを発生させるための電源を伝達する。
図4Aないし図4Eは、電荷収集層103がメタル層で形成される放射線検出器の動作過程を示す図である。
図4Aないし図4Eの放射線検出器30は、電荷収集層103がメタル層103−1で形成される点を除き、図3の放射線検出器20と同一である。図面で、+は、正電荷を表わし、−は、負電荷を表わす。
図4Aに示したように、X線のような放射線が照射されれば、上部電極層101を通じて放射線が第1光導電層102に伝達され、第1光導電層102内で正電荷及び負電荷対が生成される。上部電極層101に高電圧が印加されて、正電荷及び負電荷が上下に分離される。第1光導電層102に負電位がかかれば、正電荷は、上部電極層101側に移動し、負電荷は、電荷収集層103側に移動する。
第1光導電層102で生成された負電荷は、電荷収集層103に移動して、電荷収集層103は、第1光導電層102の負電荷を収集する。前述したように、電荷収集層103が電荷を収集する動作は、第1光導電層102と電荷収集層103との間の界面に電荷が積もることを意味する。電荷収集層103と第1光導電層102との界面で積もる負電荷は、図2を参照して説明したように、第1光導電層102にかかる弱電場E1によってブロッキングされる。放射線検出器30上に人体のような対象物がある場合、放射線の対象物を透過した程度が、対象物の成分及び形態によって異なるので、第1光導電層102で生成される正電荷及び負電荷対及び電荷収集層103で収集される負電荷の量も変わる。したがって、電荷収集層103によって収集された負電荷は、検出される映像に対応する。
また、電荷収集層103に負電荷が収集されれば、第2光導電層104がキャパシタとして機能して、図4Bに示したように、下部透明電極層105には、電荷収集層103には正電荷が帯電される。下部透明電極層105には、電荷収集層103で収集された負電荷の個数に対応する正電荷が帯電される。
次いで、映像判読過程について説明する。PDP110のピクセルアレイのうち、最初のラインのピクセルをターンオンすれば、最初のラインのピクセルでプラズマ光が放出される。そうすると、PDP110ピクセルの最初のラインに対応するプラズマ光が下部透明電極層105を透過して、第2光導電層104に到逹する。
第2光導電層104は、到達されたプラズマ光によって正電荷及び負電荷対を生成させる。PDP110の最初のラインのピクセルにのみ光が放出されるので、第2光導電層104の最初のラインのピクセルに対応する領域で正電荷及び負電荷対が生成される。図4Cに示したように、第2光導電層104で生成された正電荷及び負電荷は、電荷収集層103に収集された負電荷及び下部透明電極層105に帯電された正電荷によって、電気的引力によって分離される。
図4Dに示したように、下部透明電極層105に帯電された正電荷によって、最初のラインのピクセルに対応する領域で第2光導電層104によって生成された負電荷が、データ処理部200で判読されて映像信号処理されうる。第2光導電層104で生成された正電荷は、電荷収集層103によって収集された負電荷によって電荷収集層103に移動して、電荷収集層103は中性化される。
次いで、図4Eを参照すると、PDP110の最初のラインのピクセル電極をオフし、2番目のラインのピクセル電極に電圧を印加したことを表わす。2番目のラインのピクセルでプラズマ光が発生すれば、第2光導電層104の2番目のラインのピクセルに対応する領域で正電荷及び負電荷対が生成される。第2光導電層104で生成された正電荷及び負電荷は、電荷収集層103に収集された負電荷及び下部透明電極層105に帯電された正電荷によって、電気的引力によって分離される。下部透明電極層105に帯電された正電荷によって、第2光導電層104の2番目のラインに対応する領域で生成された負電荷が、データ処理部200で判読されて映像信号処理されうる。
3番目のラインのピクセルに対しても、前述した動作が行われて、第2光導電層104の3番目のラインに対応する領域で生成された負電荷が、データ処理部200で判読されて映像信号処理されうる。このような動作が、放射線検出器30の全体ピクセルラインに対してすべて行われれば、放射線検出器30の上部に位置される対象体に対する放射線映像が獲得されうる。
図5Aないし図5Dは、図3の電荷収集層103が誘電体層103−2で構成される放射線検出器40の動作を示す。
図5Aないし図5Dの放射線検出器40は、電荷収集層103が誘電体層103−2で形成される点を除き、図3の放射線検出器20と同一である。
図5Aに示したように、放射線が照射されれば、上部電極層101を通じて放射線が第1光導電層102に伝達され、第1光導電層102内で正電荷及び負電荷対が生成される。上部電極層101に高電圧が印加されて、正電荷及び負電荷が上下に分離される。例えば、第1光導電層102に負電位がかかれば、第1光導電層102の正電荷は、上部電極層101側に移動し、負電荷は、誘電体層103−2側に移動する。
第1光導電層102から誘電体層103−2側に移動した負電荷によって、誘電体層103−2の内部で分極が起こり、分極された誘電体層103−2の双極子(dipole)が、図5Bに示したように配列される。
図5Bに示したように、双極子の+極が配されれば、下部透明電極層105には、正電荷が帯電される。下部透明電極層105には、誘電体層103−2で分極された双極子の個数に対応する正電荷が帯電される。
次いで、映像判読過程について説明する。
上部電極層101を接地連結し、この状態で、PDP110のピクセルアレイの最初のラインのピクセルをターンオンすれば、最初のラインのピクセルでプラズマ光が放出される。そうすると、放出されたプラズマ光は、PDP110ピクセルの最初のラインに対応する領域の下部透明電極層105を透過して、第2光導電層104に到逹する。
第2光導電層104は、到達されたプラズマ光によって正電荷及び負電荷対を生成させる。図5Cに示したように、PDP110の最初のラインのピクセルにのみ光が放出されるので、第2光導電層104の最初のラインのピクセルに対応する領域で正電荷及び負電荷対が生成される。該生成された正電荷及び負電荷は、誘電体層103−2に分極された双極子及び下部透明電極層105に帯電された正電荷によって、電気的引力によって分離される。
図5Dに示したように、下部透明電極層105に帯電された正電荷によって、最初のラインのピクセルに対応する領域で第2光導電層104によって生成された負電荷が、データ処理部200で判読されて映像信号処理されうる。第2光導電層104で生成された正電荷は、誘電体層103−2によって分極された双極子によって誘電体層103−2に移動する。
次いで、PDP110の最初のラインのピクセルをオフし、2番目のラインのピクセル電極に電圧を印加すれば、2番目のラインに対応する領域で、第2光導電層104の2番目のラインのピクセルに対応する領域でのみ正電荷及び負電荷対が生成される。該生成された正電荷及び負電荷は、誘電体層103−2の双極子及び下部透明電極層105に帯電された正電荷によって、電気的引力によって分離される。下部透明電極層105に帯電された正電荷によって、第2光導電層104の2番目のラインに対応する領域で生成された負電荷が、データ処理部200で判読されて映像信号処理されうる。
次いで、三番目のラインのピクセルに対しても、前述した動作が行われて、第2光導電層104の3番目のラインに対応する領域で生成された負電荷が、データ処理部200で判読されて映像信号処理されうる。このような動作が、放射線検出器40の全体ピクセルラインに対してすべて行われれば、対象体に対する放射線映像が獲得されうる。
図6Aないし図6Dは、図3の電荷収集層103が誘電体層103−2及びメタル層103−1で構成される放射線検出器の動作過程を示す図である。
図6Aないし図6Dの放射線検出器50は、電荷収集層103が誘電体層103−2 及びメタル層103−1で形成される点を除き、図3の放射線検出器20と同一である。
図6Aに示したように、放射線が照射されれば、上部電極層101を通じて放射線が第1光導電層102に伝達され、第1光導電層102内で正電荷及び負電荷対が生成される。上部電極層101に高電圧が印加されて、正電荷及び負電荷が上下に分離される。例えば、上部電極層101に負電位がかかれば、第1光導電層102の正電荷は、上部電極層101側に移動し、第1光導電層102の負電荷は、誘電体層103−2側に移動する。
第1光導電層102から誘電体層103−2側に移動した負電荷によって、誘電体層103−2の内部で分極が起こり、分極された誘電体層103−2の双極子が、図6Bに示したように配される。
図6Bに示したように、双極子の+極が配されれば、メタル層103−1には、双極子に対応する正電荷が帯電される。また、下部透明電極層105には、メタル層103−1で帯電された正電荷によって負電荷が帯電される。下部透明電極層105には、誘電体層103−2で分極された双極子の個数に対応する負電荷が帯電される。
次いで、映像判読過程について説明する。上部電極層101を接地連結し、この状態で、PDP110のピクセルアレイの最初のラインのピクセルをターンオンすれば、最初のラインのピクセルでプラズマ光が放出される。そうすると、プラズマ光は、PDP110ピクセルの最初のラインに対応する領域の下部透明電極層105を透過して、第2光導電層104に到逹する。
第2光導電層104は、到達されたプラズマ光によって正電荷及び負電荷対を生成させる。図6Cに示したように、PDP110の最初のラインのピクセルにのみ光が放出されるので、第2光導電層104の最初のラインのピクセルに対応する領域でのみ正電荷及び負電荷対が生成される。第2光導電層104で生成された正電荷及び負電荷は、メタル層103−1に収集された正電荷及び下部透明電極層105に帯電された負電荷によって、電気的引力によって分離される。
図6Dに示したように、下部透明電極層105に帯電された負電荷によって、最初のラインのピクセルに対応する領域で第2光導電層104によって生成された正電荷が、データ処理部200で判読されて映像信号処理されうる。
次いで、PDP110の最初のラインのピクセルをオフし、2番目のラインのピクセル電極に電圧を印加すれば、2番目のラインに対応する領域で、第2光導電層104の2番目ラインのピクセルに対応する領域でのみ正電荷及び負電荷対が生成される。該生成された正電荷及び負電荷は、メタル層103−1に収集された正電荷及び下部透明電極層105に帯電された負電荷によって、電気的引力によって分離される。下部透明電極層105に帯電された負電荷によって、第2光導電層104の2番目のラインに対応する領域で生成された正電荷が、データ処理部200で判読されて映像信号処理されうる。
次いで、3番目のラインのピクセルに対しても、前述した動作が行われて、第2光導電層104の3番目のラインに対応する領域で生成された正電荷が、データ処理部200で判読されて映像信号処理されうる。このような動作が、放射線検出器50の全体ピクセルラインに対してすべて行われれば、対象体に対する放射線映像が獲得されうる。
図7は、本発明の本発明の一実施形態による放射線検出方法を示すフローチャートである。
上部電極層101に高電圧が印加され(710)、この状態で放射線が照射される(720)。そうすると、第1光導電層102で正電荷及び負電荷対が生成される(730)。該生成された正電荷及び負電荷対が、それぞれ上部電極層101及び電荷収集層103側に分離され、正電荷または負電荷が、電荷収集層103に累積されて収集される(740)。例えば、上部電極層101に負(−)電位が印加されれば、電荷収集層103には、負電荷が収集されうる。これにより、下部透明電極層105には、電荷収集層103に収集された電荷に対応する逆極性の電荷に帯電される。
上部電極層101に高電圧印加が中断され、接地連結される(750)。プラズマ光のような背面光が照射されれば(760)、それにより、第2光導電層104で正電荷及び負電荷対が生成される(770)。
第2光導電層104で生成された正電荷または負電荷が、下部透明電極層105から電荷収集層103に収集された電荷に対応する信号を判読する(780)。あらゆるピクセルアレイ全体に対して信号が判読されれば、該判読された信号を用いて放射線映像を生成させる(790)。
電荷収集層103は、誘電体層103−2である場合、電荷収集層103の分極された正電荷または負電荷によって、電荷収集層103で分極による双極子が生成されて配列される。そうすると、下部透明電極層105では、電荷収集層103で配列された双極子に対応して帯電が起こり、それにより、第2光導電層104で生成された正電荷または負電荷が、下部透明電極層105に引かれて、第2光導電層104から伝達された電荷を用いて、下部透明電極層105で電荷収集層103の双極子に対応する信号が判読されうる。
電荷収集層103は、メタル層103−1及び誘電体層103−2を含んで構成され、誘電体層103−2が第1光導電層102に接し、メタル層103−1が第2光導電層104に接する場合、第1光導電層102で生成されて電荷収集層103側に分離された正電荷または負電荷によって、誘電体層103−2で分極による双極子が生成されて配列される。このような双極子の配列によって、メタル層103−1に双極子に対応する電荷が帯電される。
これにより、下部透明電極層105にメタル層103−1によって帯電された電荷と逆極性の電荷、例えば、正電荷が帯電され、信号判読段階では、第2光導電層104で背面光によって生成された正電荷が、下部透明電極層105に帯電された正電荷に引かれて、下部透明電極層105で誘電体層103−2の双極子またはメタル層103−1で帯電された電荷に対応する信号が判読されうる。
以上の説明は、本発明の一実施形態に過ぎず、当業者ならば、本発明の本質的特性から外れない範囲で変形された形態で具現することができる。したがって、本発明の範囲は、前述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載の内容と同等な範囲内にある多様な実施形態が含まれるように解析しなければならない。