JP2013543513A - シリトールおよび関連化合物の合成方法 - Google Patents

シリトールおよび関連化合物の合成方法 Download PDF

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Abstract

すべて水溶液中で実施される方法を含む、シリトールジボレートおよび関連化合物を合成する方法を提供する。また、反応生成物をリサイクルして、プロセスの効率を増大させる方法を提供する。該方法は、イノシトールの溶液を、シリトールに変換するステップと、溶液中のシリトールを、シリトールジボレートに変換するステップと、溶液からシリトールジボレートを単離するステップとを含む。シリトールジボレートは、反応して、実質的に純粋なシリトールジボレートを形成し、残りの溶液は、シリトールジボレートに効率的にリサイクルされ、次に追加の実質的に純粋なシリトールが提供される。このシリトールジボレートのリサイクルステップは、シリトールの収率を改良するために、様々なプロセスに適用することができる。これらの方法は、高効率であり、高純度の大規模な反応生成物をもたらす。

Description

(関連出願への相互参照)
本願は、2010年10月13日に出願された、「Methods of Synthesis of Scyllitol and Related Compounds」と題する米国仮特許出願第61/455,089号の優先権を主張する。この米国仮特許出願第61/455,089号は、その全体が参考として本明細書に援用される。
(発明の背景)
イノシトールは、各炭素中心においてヒドロキシル基により修飾されているシクロヘキサンである。
Figure 2013543513
したがって、この化合物は、9種類の起こり得る立体異性体で存在する。
Figure 2013543513
起こり得る立体異性体の中でも、ミオ−イノシトールは、天然に最も広く生じる形態である。ミオ−イノシトールは、例えば、ホスファチジルイノシトール(PI)およびPIのリン酸化誘導体などの、真核生物の第2のメッセンジャーを産生するように機能する、生物学的に重要な化合物の構造的な構成成分である。
シロ−イノシトール(シリトールとしても公知)も、天然に生じることが公知である。シリトールは、その最も安定な立体構造において、6つのエクアトリアルな位置にヒドロキシル基を有する椅子型
Figure 2013543513
として表され得る。
タンパク質の折り畳みまたは凝集の障害を予防、処置および診断する方法において、イノシトール立体異性体の使用が報告されている。例えば、特許文献1、非特許文献1を参照のこと。したがって、これらの方法は、例えばアルツハイマー病などのアミロイドーシスの予防、処置および診断において有用であることが証明され得る。シリトールは、アルツハイマー病の処置のためのヒト臨床試験において使用されてきた。特許文献2および特許文献3も参照のこと。したがって、顕著な化学量でイノシトールの化学的に純粋な立体異性体が利用できることは、これらの領域における有効な治療薬の開発において非常に重要である。
化学的、酵素的および微生物的な方法によるシリトールの合成が報告されている。例えば、非特許文献2は、ラネーニッケル触媒によるヘキサヒドロキシベンゼンの水素化によって、シリトールを含むイノシトール立体異性体を形成することを記載している。
非特許文献3は、3−O−ベンジル−1,2−O−イソプロピリデン−6−O−トリフェニルメチル−α−D−グルコフラノースから出発する、シリトールの多段階化学合成を記載している。
特許文献4は、ミオ−イノソーゼを介して、ミオ−イノシトールからシロ−イノシトールを調製するためのプロセスを記載しており、このプロセスでは、酸化後に得られた混合物をエステル化反応に供し、この反応で、十分に結晶化するミオ−イノソーゼのエステルが形成される。次に、このエステルは、還元および加水分解によってシロ−イノシトールに変換される。
ミオ−イノシトールをシロ−イノシトールに変換するプロセスは、酵素的なプロセス、例えば生物変換プロセスであってよい。特許文献5は、ミオ−イノシトールをシロ−イノソーゼに変換するための、NAD非依存性酵素、および立体構造により特異的にシロ−イノソーゼをシリトールに還元する別の酵素を記載している。この参考文献は、ミオ−イノシトールをシロ−イノシトールに変換すると報告されている微生物も記載している。特許文献5の開示は、該プロセスに関するので、参考として本明細書に援用される。特許文献6は、ミオ−イノシトールから、シロ−イノソーゼおよびシロ−イノシトールへの類似の生物変換を記載しており、この開示は、該プロセスに関するので、参考として本明細書に援用される。
非特許文献4は、ラネーニッケルによって糖類のジアステレオ異性体の平衡化を記載しており、この場合、水中のミオ−イノシトールをラネーニッケルと共に還流させて、20〜30%のシロ−イノシトールを含有するイノシトールの混合物を形成する。
シリトールの錯化および精製に有用な試薬も報告されている。例えば、非特許文献5は、水素化ホウ素ナトリウムによってシロ−ミオ−イノソーゼを還元する際中のシリトールジボレートの形成を記載している。
Figure 2013543513
シリトールジボレートは、溶液から白色固体として沈殿し、少量の水で洗浄することができる。Weissbachによれば、該化合物は、ボレート水溶液中、シリトールを100℃で加熱することによって生成することもできる。
非特許文献6は、シリトールジボレートの合成および特徴付けも報告している。それらの方法では、ミオ−イノシトールを、ミオ−イノソーゼ−2に生物学的に酸化し、次に水素化ホウ素ナトリウムを使用してこれを還元して、シリトールおよびミオ−イノシトールのボレート錯体の混合物を得た。これらの錯体は、それらの溶解度の差異により分離することができた。次に、シリトールジボレートは、硫酸およびメタノールを用いる処理によって、シリトールに変換された。Voglらによれば、ミオ−イノシトールをシリトールに直接的に異性化する試みは、成功しなかった。
シリトールを合成するための前述の方法は、毒性のある有機溶媒の使用に一般に頼る、非効率的な多段階による化学的経路を伴うか、またはシリトールの大規模な生成を困難なものにする酵素的または微生物的なステップを必要とする。したがって、シリトールおよびその誘導体の改良された合成方法が必要である。
国際公開第2004/075882号 国際公開第2007/041855号 国際公開第2007/119108号 独国特許発明3405663号明細書 欧州特許出願公開第1674578号明細書 国際公開第2011/100670号
McLaurinら(2000年)、J. Biol. Chem. 275巻:18495頁 Andersonら(1948年)、J. American Chem. Soc. 70巻:2931頁 Kielyら(1968年)、J. American Chem. Soc. 90巻:3289頁 Hussonら(1998年)、J. American Chem. Soc. 307巻:163〜165頁 Weissbach(1958年)、J. Org. Chem. 23巻:329頁 Voglら(1969年)、J. Org. Chem. 34巻:204頁
(発明の要旨)
本発明は、シリトールおよび関連化合物の調製において新しい方法を提供することによって、これらおよび他の問題に対処する。特に該方法は、大規模プロセスを対象とし、ヒトにおいて使用するためのシリトールの大規模な生成に適している。
第1の態様では、
a)適切な出発材料を、シリトールを含む混合物をもたらすプロセスに供するステップと、
b)混合物中のシリトールを、シリトールジボレートに変換するステップと、
c)シリトールジボレートを混合物から単離するステップと
を含む、実質的に純粋なシリトールを調製する方法を提供する。
第1の態様のいくつかの実施形態では、該方法は、単離されたシリトールジボレートをシリトールに変換するステップと、シリトールを、実質的に純粋なシリトールとして単離するステップとをさらに含む。
第1の態様のいくつかの実施形態では、適切な出発材料は、イノシトールである。一実施形態では、イノシトールは、ミオ−イノシトールを含み、好ましくは、イノシトールはミオ−イノシトールである。
第1の態様のいくつかの実施形態では、シリトールを含む混合物をもたらすプロセスは、イノシトールの溶液を非特異的に立体異性化(stereoisomerization)することである。一実施形態では、イノシトールは、ミオ−イノシトールを含み、好ましくは、イノシトールはミオ−イノシトールである。
第1の態様のいくつかの実施形態では、シリトールを含む混合物をもたらすプロセスは、ヘキサヒドロキシベンゼンの溶液を、ラネーニッケルで還元することである。
第1の態様のいくつかの実施形態では、シリトールを含む混合物をもたらすプロセスは、ミオ−イノシトールの溶液がシリトールに変換される生物変換プロセスである。いくつかの実施形態では、生物変換プロセスは、シロ−イノソーゼも生成する。一実施形態では、該プロセスは、シロ−イノソーゼを反応させて、追加のシリトールを形成するステップをさらに含む。
第1の態様のいくつかの実施形態では、溶液は、水溶液である。
第1の態様のいくつかの実施形態では、溶液は、添加される有機溶媒を含有しない。
第1の態様のいくつかの実施形態では、該方法のステップは、シリトールジボレートの単離後の溶液に対して反復される。好ましい実施形態では、該方法のステップは、少なくとも1、2、3、4、5、6、8、10または15回反復される。
第1の態様のいくつかの実施形態では、イノシトールは、シリトールジボレートを単離した後、かつ該方法のステップを反復する前に、溶液に添加される。
第1の態様のいくつかの実施形態では、立体異性化ステップは、触媒によって媒介される。好ましい実施形態では、触媒は、スポンジニッケルである。
第1の態様のいくつかの実施形態では、触媒は、シリトールをシリトールジボレートに変換する前に除去される。
第1の態様のいくつかの実施形態では、立体異性化ステップは、高温で実施される。
第1の態様のいくつかの実施形態では、立体異性化ステップは、pH8〜9で実施される。
第1の態様のいくつかの実施形態では、イノシトールは、ミオ−イノシトールである。
第1の態様のいくつかの実施形態では、シリトールからシリトールジボレートへの変換は、四ホウ酸ナトリウムとの反応を含む。いくつかの実施形態では、シリトールからシリトールジボレートへの変換は、ホウ酸との反応を含む。
第1の態様のいくつかの実施形態では、シリトールからシリトールジボレートへの変換は、高温で実施される。
第1の態様の特定の実施形態では、単離ステップは、濾過を含む。
特定の実施形態では、単離されたシリトールジボレートは、高温で乾燥される。
第1の態様のいくつかの実施形態では、シリトールジボレートの全収率は、少なくとも20%、25%、30%、35%または40%である。第1の態様の好ましい一実施形態では、該方法は大規模プロセスであり、例えば、該プロセスは、約1kg、また約2kg、また約5kg、また約10kg、また約50kg、また約100kgを超え、好ましくは約200kgを超え、また約500kg、また約1000kg、また約5000kg、また約10000kg、また約12000kgを超える実質的に純粋なシリトールジボレートをもたらす。いくつかの実施形態では、該プロセスは、約1〜12000kg、また約10〜12000kg、また約50〜12000kg、また約50〜5000kg、また約50〜3000kg、また約50〜1000kg、また約50〜500kg、好ましくは約50〜300kgの実質的に純粋なシリトールジボレートをもたらす。いくつかの実施形態では、これらの量は、1つのバッチから得られ、すなわちステップa)は、第1の態様に記載の通り、適切な出発材料を用いて一度に実施される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の追加のバッチを、第1のバッチと混合して、多量の実質的に純粋なシリトールジボレートを提供することができる。
第1の態様のいくつかの実施形態では、単離されたシリトールジボレートからシリトールへの変換は、加水分解反応を含む。特定の実施形態では、加水分解反応は、触媒によって媒介される。より具体的な実施形態では、触媒は、酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸である。さらにより具体的な実施形態では、酸は、硫酸または塩酸であり、好ましくは塩酸である。
第1の態様のいくつかの実施形態では、単離されたシリトールジボレートからシリトールへの変換は、高温で実施される。
第1の態様のいくつかの実施形態では、単離されたシリトールジボレートからシリトールへの変換は、pHを測定することによってモニターされる。
第1の態様の特定の実施形態では、該方法は、単離されたシリトールジボレートの変換によって生成されたシリトールの単離をさらに含む。特定の実施形態では、単離されたシリトールジボレートの変換によって生成されたシリトールは、結晶化によって、実質的に純粋なシリトールとして単離される。さらにより具体的な実施形態では、結晶化されたシリトールは、洗浄される。
第1の態様のいくつかの実施形態では、実質的に純粋なシリトールの全収率は、少なくとも20%、25%、30%、35%または40%である。第1の態様の好ましい一実施形態では、該方法は大規模プロセスであり、例えば、該プロセスは、約1kg、また約2kg、また約5kg、また約10kg、また約50kgを超え、好ましくは約100kgを超え、また約200kg、また約500kg、また約1000kg、また約5000kg、また約8000kg、また約10000kg、また約14000kgを超える実質的に純粋なシリトールをもたらす。いくつかの実施形態では、該プロセスは、約1〜14000kg、また約1〜10000kg、また約1〜8000kg、また約1〜5000kg、また約10〜14000kg、また約10〜8000kg、また約50〜14000kg、また約50〜10000kg、また約50〜8000kg、また約50〜5000kg、また約50〜3000kg、また約50〜1000kg、また約50〜500kg、好ましくは約50〜200kgの実質的に純粋なシリトールをもたらす。いくつかの実施形態では、これらの量は、1つのバッチから得られ、すなわちステップa)は、第1の態様に記載の通り、適切な出発材料を用いて一度に実施される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の追加のバッチを、第1のバッチと混合して、多量の実質的に純粋なシリトールを提供することができる。
第1の態様のいくつかの実施形態では、単離されたシリトールジボレートの変換によって生成されたシリトールは、3ppm以下のニッケルを含有する。
第1の態様のいくつかの実施形態では、単離されたシリトールジボレートの変換によって生成されたシリトールは、5ppm以下のアルミニウムを含有する。
第1の態様のいくつかの実施形態では、単離されたシリトールジボレートの変換によって生成されたシリトールは、60ppm以下のホウ素を含有する。
第2の態様では、
a)イノシトールの溶液を、非特異的に立体異性化して、シリトールを含む第1の混合物を提供するステップと、
b)第1の混合物中のシリトールを、シリトールジボレートに変換するステップと、
c)シリトールジボレートを、第1の混合物から単離するステップと、
d)単離されたシリトールジボレートを、シリトールに変換して、シリトールを含む第2の混合物を提供するステップと、
e)実質的に純粋なシリトールを、第2の混合物から単離するステップと
を含む、実質的に純粋なシリトールを調製する方法を提供する。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップc)は、第1のイノシトールの回収溶液をもたらし、第1のイノシトールの回収溶液をステップa)で使用してステップa)からe)を反復することをさらに含む。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)からc)の反復は、第2のイノシトールの回収溶液をもたらし、第2のイノシトールの回収溶液をステップa)で使用してステップa)からe)を反復することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ステップa)からe)を反復する前に、追加のイノシトールが、第1のイノシトールの回収溶液に添加される。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)からe)を反復する前に、追加のイノシトールが、第2のイノシトールの回収溶液に添加される。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップe)は、濾過を含む。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップe)は、ジボレートの回収溶液をもたらし、ジボレートの回収溶液をリサイクルするステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記リサイクルするステップは、f)ジボレートの回収溶液を、回収されたシリトールジボレートに変換することを含む。いくつかの実施形態では、前記リサイクルするステップは、g)回収されたシリトールジボレートを単離することをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記リサイクルするステップは、h)単離された回収されたシリトールジボレートをシリトールに変換して、シリトールを含む第3の混合物を形成することをさらに含む。一実施形態では、前記リサイクルするステップは、i)ステップh)からのシリトールを実質的に純粋なシリトールとして単離することをさらに含む。
第2の態様のいくつかの実施形態では、該方法は、ステップi)の実質的に純粋なシリトールの単離から生じるジボレートの回収溶液のリサイクルをさらに含む。いくつかの実施形態では、その後のジボレートの回収溶液(複数可)のリサイクルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10回実施される。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)は、触媒によって媒介される。いくつかの実施形態では、触媒は、スポンジニッケルである。いくつかの実施形態では、触媒は、ステップb)の前に除去される。いくつかの実施形態では、触媒は、濾過によって除去される。いくつかの実施形態では、この濾過は、約50〜95℃の範囲、好ましくは約70〜95℃の範囲の温度などの高温で実施される。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)は、約90〜100℃の範囲の温度などの高温で実施される。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)は、水性塩基中で実施される。一実施形態では、ステップa)は、約8〜12の範囲のpHで実施される。
第2の態様のいくつかの実施形態では、イノシトールは、ミオ−イノシトールである。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップb)は、四ホウ酸ナトリウムとの反応を含む。いくつかの実施形態では、四ホウ酸ナトリウムとの反応は、約75〜95℃の範囲の温度、好ましくは約80〜90℃の範囲の温度などの高温で実施される。いくつかの実施形態では、四ホウ酸ナトリウムとの反応は、約8〜11の範囲、好ましくは約9〜10の範囲のpHで実施される。いくつかの実施形態では、ステップb)は、塩基、好ましくはNaOHを添加して、混合物を、約8〜11、好ましくは約9〜10の範囲内のpHにすることを含む。好ましい一実施形態では、四ホウ酸ナトリウムとの反応は、約80〜90℃の範囲の温度および約9〜10の範囲のpHで実施される。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップb)は、ホウ酸との反応を含む。いくつかの実施形態では、ホウ酸との反応は、約75〜95℃の範囲の温度、好ましくは約80〜90℃の範囲の温度などの高温で実施される。いくつかの実施形態では、ホウ酸との反応は、約8〜11の範囲、好ましくは約9〜10の範囲のpHで実施される。いくつかの実施形態では、ステップb)は、塩基、好ましくはNaOHを添加して、混合物を、約8〜11、好ましくは約9〜10の範囲内のpHにすることを含む。好ましい一実施形態では、ホウ酸との反応は、約80〜90℃の範囲の温度および約9〜10の範囲のpHで実施される。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップb)は、シリトールジボレートを沈殿させることを含む。いくつかの実施形態では、ステップb)は、混合物を、好ましくは20〜30℃の範囲の温度に冷却することを含む。いくつかの実施形態では、ステップb)は、混合物を、約20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供することをさらに含む。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップc)は、濾過を含む。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップd)は、加水分解反応を含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、触媒によって媒介される。いくつかの実施形態では、触媒は、塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸などの酸であり、好ましくは硫酸または塩酸、好ましくは塩酸である。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、酸性水溶液中で実施され、好ましくはこの酸性水溶液は、約1Nの酸、好ましくは1NのHClである。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、単離されたシリトールジボレートを、約8〜12体積の水性酸と混合することを含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、単離されたシリトールジボレートを、約10体積の約1Nの酸、好ましくは1NのHClと混合することを含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、約75〜95℃の範囲、好ましくは約85〜95℃の範囲の温度などの高温で実施される。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップd)は、混合物のpHを測定することによってモニターされる。いくつかの実施形態では、ステップd)は、反応物がpH2.0未満になると完了する。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップd)は、第2の混合物中のシリトールの沈殿を含む。いくつかの実施形態では、前記沈殿は、第2の混合物を、約20〜30℃の範囲の温度に冷却するなどの、冷却することを含む。いくつかの実施形態では、ステップd)は、冷却された混合物を、好ましくは20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供することをさらに含む。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップe)は、濾過を含む。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップf)は、塩基性の水性反応混合物中での、ジボレートの回収溶液の反応を含む。いくつかの実施形態では、塩基性の水性反応混合物を、約80〜90℃の範囲の温度などの高温で反応させる。いくつかの実施形態では、ステップf)は、塩基をジボレートの回収溶液に添加することを含み、好ましくはこの塩基は、反応混合物が約9〜10の範囲のpHになるまで添加される。いくつかの実施形態では、添加される塩基は、NaOHである。いくつかの実施形態では、ステップf)は、回収されたシリトールジボレートを、反応混合物から沈殿させることをさらに含み、好ましくはこの沈殿は、反応混合物を冷却すること、好ましくは約20〜30℃の範囲の温度に冷却することを含む。いくつかの実施形態では、ステップf)は、反応混合物を約20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供することをさらに含む。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップg)は、濾過を含む。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップh)は、加水分解反応を含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、触媒によって媒介され、好ましくはこの触媒は、塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸などの酸であり、好ましくは硫酸または塩酸、好ましくは塩酸である。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、酸性水溶液中で実施され、好ましくはこの酸性溶液は、約1Nの酸、好ましくは1NのHClである。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップh)の加水分解反応は、単離された回収されたシリトールジボレートを、約8〜12体積の水性酸、好ましくは約10体積の約1Nの酸、好ましくは1NのHClと混合することを含む。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップh)の加水分解反応は、高温で、好ましくは約85〜95℃の範囲の温度で実施される。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップh)は、第3の混合物中のシリトールの沈殿を含む。一実施形態では、前記沈殿は、第3の混合物を、好ましくは約20〜30℃の範囲の温度に冷却することを含む。一実施形態では、ステップh)は、第3の混合物を、約20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供することをさらに含む。
第2の態様のいくつかの実施形態では、ステップi)は、濾過を含む。
第2の態様の好ましい一実施形態では、該方法は大規模プロセスであり、例えば、該プロセスは、約1kg、また約2kg、また約5kg、また約10kg、また約50kgを超え、好ましくは約100kgを超え、また約200kg、また約500kg、また約1000kg、また約5000kg、また約8000kg、また約10000kg、また約14000kgを超える実質的に純粋なシリトールをもたらす。いくつかの実施形態では、該プロセスは、約1〜14000kg、また約1〜10000kg、また約1〜8000kg、また約1〜5000kg、また約10〜14000kg、また約10〜8000kg、また約50〜14000kg、また約50〜10000kg、また約50〜8000kg、また約50〜5000kg、また約50〜3000kg、また約50〜1000kg、また約50〜500kg、好ましくは約50〜200kgの実質的に純粋なシリトールをもたらす。いくつかの実施形態では、これらの量は、1つのバッチから得られ、すなわちステップa)は、イノシトールを用いて一度に実施される(すなわち最初にステップa)でイノシトールを使用して、イノシトールの回収溶液を、必要に応じて追加のイノシトールとさらに混合し、第2の態様に記載の通り、ステップa)の方法に従って第1のバッチの一部として処理することができる)。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の追加のバッチを、第1のバッチと混合して、商業ロットの実質的に純粋なシリトールを提供することができる。
第3の態様では、
a)シリトールジボレートをシリトールに変換し、それによって第1のシリトール混合物を形成するステップと、
b)シリトールを、第1のシリトール混合物から固体として単離して、第1の量の実質的に純粋なシリトールおよびジボレートの回収混合物を提供するステップと、
c)ジボレートの回収混合物をリサイクルして、追加量の実質的に純粋なシリトールを提供するステップと
を含む、実質的に純粋なシリトールを調製する方法を提供する。
第3の態様のいくつかの実施形態では、ジボレートの回収混合物の前記リサイクルするステップは、
d)ジボレートの回収混合物を、回収されたシリトールジボレートに変換するステップと、
e)ステップd)由来の回収されたシリトールジボレートを、固体として単離するステップと、
f)回収されたシリトールジボレートをシリトールに変換し、それによって第2のシリトール混合物を形成するステップと、
g)シリトールを、第2のシリトール混合物から固体として単離して、追加量の実質的に純粋なシリトールおよび追加のジボレートの回収混合物を提供するステップと
を含む。
第3の態様のいくつかの実施形態では、リサイクルするステップは、追加のジボレートの回収混合物に対して実施され、必要に応じて、そのリサイクルするステップを、その後の各ジボレートの回収混合物に対して1、2、3、4、5、6、7、8、9または10回反復し、それによって追加量の実質的に純粋なシリトールを提供する。
第3の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)は、加水分解反応を含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、触媒によって媒介され、好ましくはこの触媒は、塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸などの酸であり、好ましくは硫酸または塩酸、好ましくは塩酸である。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、酸性水溶液中で実施され、好ましくはこの酸性水溶液は、約1Nの酸、好ましくは1NのHClである。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、シリトールジボレートを、約8〜12体積の水性酸、好ましくは約10体積の約1Nの酸、好ましくは1NのHClと混合することを含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、約75〜95℃、好ましくは約85〜95℃の範囲の温度などの高温で実施される。
第3の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)は、pHを測定することによってモニターされる。いくつかの実施形態では、ステップa)は、反応物がpH約2.0未満になると完了する。
第3の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)は、第1のシリトール混合物中のシリトールの沈殿を含む。一実施形態では、前記沈殿は、第1のシリトール混合物を冷却すること、好ましくは第1のシリトール混合物を、約20〜30℃の範囲の温度に冷却することを含む。一実施形態では、ステップa)は、冷却したシリトール混合物を、約20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供することをさらに含む。
第3の態様のいくつかの実施形態では、ステップb)は、濾過を含む。
第3の態様のいくつかの実施形態では、ステップd)は、塩基性の水性反応混合物中での、ジボレートの回収混合物の反応を含む。いくつかの実施形態では、ステップd)は、塩基の、ジボレートの回収混合物への添加を含む。いくつかの実施形態では、塩基は、反応混合物が約9〜10の範囲のpHになるまで添加される。いくつかの実施形態では、添加される塩基は、NaOHである。
第3の態様のいくつかの実施形態では、ステップd)は、高温で、好ましくは約80〜90℃の範囲の温度で実施される。
第3の態様のいくつかの実施形態では、ステップd)は、回収されたシリトールジボレートの、反応混合物からの沈殿をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記沈殿は、反応混合物を冷却すること、好ましくは約20〜30℃の温度に冷却することを含む。いくつかの実施形態では、ステップd)は、冷却した反応混合物を、約20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供することをさらに含む。
第3の態様のいくつかの実施形態では、ステップe)は、濾過を含む。
第3の態様のいくつかの実施形態では、ステップf)は、加水分解反応を含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、触媒によって媒介され、好ましくはこの触媒は、塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸などの酸であり、好ましくは硫酸または塩酸、好ましくは塩酸である。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、酸性水溶液中で実施され、好ましくは水性1Nの酸、好ましくは1NのHCl中で実施される。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、単離された回収されたシリトールジボレートを、約8〜12体積の水性酸、好ましくは約10体積の約1Nの酸、好ましくは1NのHClと混合することを含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、高温で、好ましくは約85〜95℃の範囲の温度で実施される。
第3の態様のいくつかの実施形態では、ステップf)は、第2のシリトール混合物中のシリトールの沈殿をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記沈殿は、第2のシリトール混合物を冷却すること、好ましくは約20〜30℃の範囲の温度に冷却することを含む。いくつかの実施形態では、ステップf)は、冷却溶液を約20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供することをさらに含む。
第3の態様のいくつかの実施形態では、ステップg)は、濾過を含む。
第3の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)で使用されるシリトールジボレートは、混合物中のシリトールを反応させて、シリトールジボレートを形成することと、シリトールジボレートを混合物から単離することとを含む、任意の製造プロセスから得られる。
第3の態様の好ましい一実施形態では、該方法は大規模プロセスであり、例えば、該プロセスは、約1kg、また約2kg、また約5kg、また約10kg、また約50kgを超え、好ましくは約100kgを超え、また約200kg、また約500kg、また約1000kg、また約5000kg、また約8000kg、また約10000kg、また約14000kgを超える実質的に純粋なシリトールをもたらす。いくつかの実施形態では、該プロセスは、約1〜14000kg、また約1〜10000kg、また約1〜8000kg、また約1〜5000kg、また約10〜14000kg、また約10〜8000kg、また約50〜14000kg、また約50〜10000kg、また約50〜8000kg、また約50〜5000kg、また約50〜3000kg、また約50〜1000kg、また約50〜500kg、好ましくは約50〜200kgの実質的に純粋なシリトールをもたらす。いくつかの実施形態では、これらの量は、1つのバッチから得られ、すなわちステップa)は、シリトールジボレートを用いて一度に実施される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の追加のバッチを、第1のバッチと混合して、商業ロットの実質的に純粋なシリトールを提供することができる。
第4の態様では、
a)ミオ−イノシトールを含む第1の混合物を、前記ミオ−イノシトールの少なくとも一部をシリトールに変換するプロセスに供し、それによって第2の混合物を形成するステップと、
b)前記第2の混合物中の前記シリトールを、シリトールジボレートに変換し、それによって第3の混合物を形成するステップと、
c)前記シリトールジボレートを、前記第3の混合物から固体として単離して、単離されたシリトールジボレートおよび第1のイノシトールの回収混合物を提供するステップと、
d)前記単離されたシリトールジボレートを、シリトールに変換し、それによって第4の混合物を形成するステップと、
e)前記シリトールを、前記第4の混合物から固体として単離して、単離された実質的に純粋なシリトールおよび第1のジボレートの回収混合物を提供するステップと、
f)前記第1のイノシトールの回収混合物を、追加のミオ−イノシトールと混合して、第5の混合物を形成するステップと、
g)ステップa)からc)を、前記第5の混合物に対して反復して、追加の単離されたシリトールジボレートおよび第2のイノシトールの回収混合物を提供するステップと、
h)ステップd)を、前記追加の単離されたシリトールジボレートに対して反復し、それによって第6の混合物を形成し、ステップe)を、前記第6の混合物に対して反復して、追加の単離された実質的に純粋なシリトールおよび第2のジボレートの回収混合物を提供するステップと
を含む、実質的に純粋なシリトールを調製する方法を提供する。
第4の態様のいくつかの実施形態では、ステップe)およびステップh)において、実質的に純粋なシリトールは、結晶化とその後の濾過によって単離される。いくつかの実施形態では、結晶化されたシリトールは、洗浄される。
第4の態様のいくつかの実施形態では、ステップe)およびステップh)から単離された実質的に純粋なシリトールは、混合される。いくつかの実施形態では、ステップe)およびステップh)から単離された実質的に純粋なシリトールは、混合する前もしくは後に洗浄されるか、または混合の前および後の両方に洗浄される。
第4の態様のいくつかの実施形態では、ステップg)由来の第2のイノシトールの回収混合物をステップf)で使用して、ステップf)からh)を反復して、追加の単離された実質的に純粋なシリトール、第3のイノシトールの回収混合物、および第3のジボレートの回収混合物を提供する。
第4の態様のいくつかの実施形態では、任意のその後のイノシトールの回収混合物(例えば、第3のイノシトールの回収混合物、およびさらに、その後のリサイクルのために生成されたその後のイノシトールの回収混合物)をステップf)で使用して、ステップf)からh)を反復して、追加の単離された実質的に純粋なシリトール、追加のイノシトールの回収混合物、および追加のジボレートの回収混合物を提供する。
第4の態様のいくつかの実施形態では、該方法は、i)ステップe)由来の第1のジボレートの回収混合物を反応させて、回収されたシリトールジボレート混合物を形成するステップと、j)回収されたシリトールジボレートを、回収されたシリトールジボレート混合物から単離するステップと、k)ステップd)およびe)を、回収されたシリトールジボレートに対して反復し、それによって追加の単離された実質的に純粋なシリトールおよび追加のジボレートの回収混合物を提供するステップとをさらに含む。
第4の態様のいくつかの実施形態では、1つまたは複数の他のジボレートの回収混合物(例えば、第2、第3、および追加のジボレートの回収混合物)を使用して、ステップi)からk)を反復して、追加の単離された実質的に純粋なシリトールを提供する。ステップi)からk)を通して、任意のジボレートの回収混合物を個々に得ることができ、またはステップi)からk)を通して、任意の1つもしくは複数のジボレートの回収混合物を混合し、得ることができる。
第4の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)は、立体異性化プロセスを含む。いくつかの実施形態では、ステップa)の立体異性化は、触媒によって媒介される。いくつかの実施形態では、触媒は、スポンジニッケルである。いくつかの実施形態では、触媒は、ステップb)の前に除去される。いくつかの実施形態では、触媒は、濾過によって除去される。いくつかの実施形態では、この濾過は、約50〜95℃の範囲、好ましくは約70〜95℃の範囲の温度などの高温で実施される。いくつかの実施形態では、ステップa)の立体異性化は、約90〜100℃の温度などの高温で実施される。いくつかの実施形態では、ステップa)の立体異性化は、水性塩基中で実施される。一実施形態では、ステップa)の立体異性化は、約8〜12の範囲のpHで実施される。
第4の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)は、酵素的プロセスまたは生物変換プロセスを含む。
第4の態様のいくつかの実施形態では、ステップb)は、四ホウ酸ナトリウムとの反応を含む。いくつかの実施形態では、四ホウ酸ナトリウムとの反応は、約75〜95℃の範囲の温度、好ましくは約80〜90℃の範囲の温度などの高温で実施される。いくつかの実施形態では、四ホウ酸ナトリウムとの反応は、約8〜11の範囲、好ましくは約9〜10の範囲のpHで実施される。いくつかの実施形態では、ステップb)は、塩基、好ましくはNaOHを添加して、混合物を、約8〜11、好ましくは約9〜10の範囲内のpHにすることを含む。好ましい一実施形態では、四ホウ酸ナトリウムとの反応は、約80〜90℃の範囲の温度および約9〜10の範囲のpHで実施される。
第4の態様のいくつかの実施形態では、ステップb)は、ホウ酸との反応を含む。いくつかの実施形態では、ホウ酸との反応は、約75〜95℃の範囲の温度、好ましくは約80〜90℃の範囲の温度などの高温で実施される。いくつかの実施形態では、ホウ酸との反応は、約8〜11の範囲、好ましくは約9〜10の範囲のpHで実施される。いくつかの実施形態では、ステップb)は、塩基、好ましくはNaOHを添加して、混合物を、約8〜11、好ましくは約9〜10の範囲内のpHにすることを含む。好ましい一実施形態では、ホウ酸との反応は、約80〜90℃の範囲の温度および約9〜10の範囲のpHで実施される。
第4の態様のいくつかの実施形態では、ステップb)は、シリトールジボレートを沈殿させることを含む。いくつかの実施形態では、ステップb)は、混合物を、好ましくは20〜30℃の範囲の温度に冷却することを含む。いくつかの実施形態では、ステップb)は、混合物を、約20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供することをさらに含む。
第4の態様のいくつかの実施形態では、ステップc)は、濾過を含む。
第4の態様のいくつかの実施形態では、ステップd)は、加水分解反応を含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、触媒によって媒介される。いくつかの実施形態では、触媒は、塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸などの酸であり、好ましくは硫酸または塩酸、好ましくは塩酸である。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、酸性水溶液中で実施され、好ましくはこの酸性水溶液は、約1Nの酸、好ましくは1NのHClである。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、単離されたシリトールジボレートを、約8〜12体積の水性酸と混合することを含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、単離されたシリトールジボレートを、約10体積の約1Nの酸、好ましくは1NのHClと混合することを含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、約75〜95℃の範囲、好ましくは約85〜95℃の範囲の温度などの高温で実施される。
第4の態様のいくつかの実施形態では、ステップd)は、混合物のpHを測定することによってモニターされる。いくつかの実施形態では、ステップd)は、反応物がpH2.0未満になると完了する。
第4の態様のいくつかの実施形態では、ステップd)は、第4の混合物中のシリトールの沈殿を含む。いくつかの実施形態では、前記沈殿は、第4の混合物を、約20〜30℃の範囲の温度に冷却するなどの、冷却することを含む。いくつかの実施形態では、ステップd)は、冷却した混合物を、好ましくは20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供することをさらに含む。
第4の態様のいくつかの実施形態では、ステップe)は、濾過を含む。
第4の態様のいくつかの実施形態では、ステップi)は、塩基性の水性反応混合物中での、第1のジボレートの回収混合物の反応を含む。いくつかの実施形態では、塩基性の水性反応混合物を、約80〜90℃の範囲の温度などの高温で反応させる。いくつかの実施形態では、ステップi)は、塩基を第1のジボレートの回収混合物に添加することを含み、好ましくはこの塩基は、反応混合物が約9〜10の範囲のpHになるまで添加される。いくつかの実施形態では、添加される塩基は、NaOHである。いくつかの実施形態では、ステップi)は、回収されたシリトールジボレートを、反応混合物から沈殿させることをさらに含み、好ましくはこの沈殿は、反応混合物を冷却すること、好ましくは約20〜30℃の範囲の温度に冷却することを含む。いくつかの実施形態では、ステップi)は、反応混合物を約20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供することをさらに含む。
第4の態様のいくつかの実施形態では、ステップj)は、濾過を含む。
第4の態様の好ましい一実施形態では、該方法は大規模プロセスであり、例えば、該プロセスは、約1kg、また約2kg、また約5kg、また約10kg、また約50kgを超え、好ましくは約100kgを超え、また約200kg、また約500kg、また約1000kg、また約5000kg、また約8000kg、また約10000kg、また約14000kgを超える実質的に純粋なシリトールをもたらす。いくつかの実施形態では、該プロセスは、約1〜14000kg、また約1〜10000kg、また約1〜8000kg、また約1〜5000kg、また約10〜14000kg、また約10〜8000kg、また約50〜14000kg、また約50〜10000kg、また約50〜8000kg、また約50〜5000kg、また約50〜3000kg、また約50〜1000kg、また約50〜500kg、好ましくは約50〜200kgの実質的に純粋なシリトールをもたらす。いくつかの実施形態では、これらの量は、1つのバッチから得られ、すなわちステップa)は、ミオ−イノシトールを用いて一度に実施される(すなわち最初にステップa)でミオ−イノシトールを使用して、イノシトールの回収混合物を、追加のミオ−イノシトールとさらに混合し、第4の態様のステップg)に記載の通り、ステップa)の方法に従って第1のバッチの一部として処理する)。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の追加のバッチを、第1のバッチと混合して、商業ロットの実質的に純粋なシリトールを提供することができる。
第5の態様では、
a)ミオ−イノシトールを含む第1の混合物を、ミオ−イノシトールの少なくとも一部をシリトールに変換するプロセスに供し、それによって第2の混合物を形成するステップと、
b)第2の混合物中のシリトールを、シリトールジボレートに変換し、それによって第3の混合物を形成するステップと、
c)シリトールジボレートを、第3の混合物から固体として単離して、単離されたシリトールジボレートおよび第1のイノシトールの回収混合物を提供するステップと、
d)単離されたシリトールジボレートをシリトールに変換し、それによって第4の混合物を形成するステップと、
e)シリトールを、第4の混合物から固体として単離して、単離された実質的に純粋なシリトールおよび第1のジボレートの回収混合物を提供するステップと、
f)回収されたシリトールジボレート混合物中で、第1のジボレートの回収混合物を反応させて、回収されたシリトールジボレートを形成するステップと、
g)回収されたシリトールジボレートを、回収されたシリトールジボレート混合物から単離するステップと、
h)ステップd)およびe)を、回収されたシリトールジボレートに対して反復し、それによって追加の実質的に純粋なシリトールおよび第2のジボレートの回収混合物を提供するステップと
を含む、実質的に純粋なシリトールを調製する方法を提供する。
第5の態様のいくつかの実施形態では、第2のジボレートの回収混合物をステップf)で使用して、ステップf)からh)を反復し、それによって追加の実質的に純粋なシリトールおよび追加のジボレートの回収混合物を提供する。追加のジボレートの回収混合物は、ステップf)からh)を通してリサイクルされ、それによって追加の実質的に純粋なシリトールおよび追加のジボレートの回収混合物を提供することもできる。
第5の態様のいくつかの実施形態では、該方法は、
i)第1のイノシトールの回収混合物を、追加のミオ−イノシトールと混合して、第5の混合物を形成するステップと、
j)ステップa)からc)を第5の混合物に対して反復して、追加の単離されたシリトールジボレートおよび第2のイノシトールの回収混合物を提供するステップと、
k)ステップd)を、追加の単離されたシリトールジボレートに対して反復し、それによって第6の混合物を形成し、ステップe)を第6の混合物に対して反復して、追加の単離された実質的に純粋なシリトールおよび追加のジボレートの回収混合物を提供するステップと
をさらに含む。
第5の態様のいくつかの実施形態では、1つまたは複数の他のジボレートの回収混合物(例えば、第2または追加のジボレートの回収混合物)を使用して、ステップf)からh)を反復して、追加の単離された実質的に純粋なシリトールを提供する。ステップf)からh)を通して、任意のジボレートの回収混合物を個々に得ることができるか、またはステップf)からh)を通して、任意の1つもしくは複数のジボレートの回収混合物を混合して得ることができる。
第5の態様のいくつかの実施形態では、ステップe)およびステップh)において、実質的に純粋なシリトールは、結晶化とその後の濾過によって単離される。いくつかの実施形態では、結晶化されたシリトールは、洗浄される。
第5の態様のいくつかの実施形態では、ステップe)およびステップh)から単離された実質的に純粋なシリトールは、混合される。いくつかの実施形態では、ステップe)およびステップh)から単離された実質的に純粋なシリトールは、混合する前もしくは後に洗浄されるか、または混合の前および後の両方に洗浄される。
第5の態様のいくつかの実施形態では、ステップj)由来の第2のイノシトールの回収混合物をステップi)で使用して、ステップi)からk)を反復して、追加の単離された実質的に純粋なシリトール、第3のイノシトールの回収混合物、および追加のジボレートの回収混合物を提供する。
第5の態様のいくつかの実施形態では、任意のその後のイノシトールの回収混合物(例えば、第3のイノシトールの回収混合物、およびさらに、その後のリサイクルから生成された追加のイノシトールの回収混合物(複数可))をステップf)で使用して、ステップi)からk)を反復して、追加の単離された実質的に純粋なシリトール、追加のイノシトールの回収混合物、および追加のジボレートの回収混合物を提供する。
第5の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)は、立体異性化プロセスを含む。いくつかの実施形態では、ステップa)の立体異性化は、触媒によって媒介される。いくつかの実施形態では、触媒は、スポンジニッケルである。いくつかの実施形態では、触媒は、ステップb)の前に除去される。いくつかの実施形態では、触媒は、濾過によって除去される。いくつかの実施形態では、この濾過は、約50〜95℃の範囲、好ましくは約70〜95℃の範囲の温度などの高温で実施される。いくつかの実施形態では、ステップa)の立体異性化は、約90〜100℃の温度などの高温で実施される。いくつかの実施形態では、ステップa)の立体異性化は、水性塩基中で実施される。一実施形態では、ステップa)の立体異性化は、約8〜12の範囲のpHで実施される。
第5の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)は、酵素的プロセスまたは生物変換プロセスを含む。
第5の態様のいくつかの実施形態では、ステップb)は、四ホウ酸ナトリウムとの反応を含む。いくつかの実施形態では、四ホウ酸ナトリウムとの反応は、約75〜95℃の範囲の温度、好ましくは約80〜90℃の範囲の温度などの高温で実施される。いくつかの実施形態では、四ホウ酸ナトリウムとの反応は、約8〜11の範囲、好ましくは約9〜10の範囲のpHで実施される。いくつかの実施形態では、ステップb)は、塩基、好ましくはNaOHを添加して、混合物を、約8〜11、好ましくは約9〜10の範囲内のpHにすることを含む。好ましい一実施形態では、四ホウ酸ナトリウムとの反応は、約80〜90℃の範囲の温度および約9〜10の範囲のpHで実施される。
第5の態様のいくつかの実施形態では、ステップb)は、ホウ酸との反応を含む。いくつかの実施形態では、ホウ酸との反応は、約75〜95℃の範囲の温度、好ましくは約80〜90℃の範囲の温度などの高温で実施される。いくつかの実施形態では、ホウ酸との反応は、約8〜11の範囲、好ましくは約9〜10の範囲のpHで実施される。いくつかの実施形態では、ステップb)は、塩基、好ましくはNaOHを添加して、混合物を、約8〜11、好ましくは約9〜10の範囲内のpHにすることを含む。好ましい一実施形態では、ホウ酸との反応は、約80〜90℃の範囲の温度および約9〜10の範囲のpHで実施される。
第5の態様のいくつかの実施形態では、ステップb)は、シリトールジボレートを沈殿させることを含む。いくつかの実施形態では、ステップb)は、混合物を、好ましくは20〜30℃の範囲の温度に冷却することを含む。いくつかの実施形態では、ステップb)は、混合物を、約20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供することをさらに含む。
第5の態様のいくつかの実施形態では、ステップc)は、濾過を含む。
第5の態様のいくつかの実施形態では、ステップd)は、加水分解反応を含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、触媒によって媒介される。いくつかの実施形態では、触媒は、塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸などの酸であり、好ましくは硫酸または塩酸、好ましくは塩酸である。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、酸性水溶液中で実施され、好ましくはこの酸性水溶液は、約1Nの酸、好ましくは1NのHClである。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、単離されたシリトールジボレートを、約8〜12体積の水性酸と混合することを含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、単離されたシリトールジボレートを、約10体積の約1Nの酸、好ましくは1NのHClと混合することを含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、約75〜95℃の範囲、好ましくは約85〜95℃の範囲の温度などの高温で実施される。
第5の態様のいくつかの実施形態では、ステップd)は、混合物のpHを測定することによってモニターされる。いくつかの実施形態では、ステップd)は、反応物がpH2.0未満になると完了する。
第5の態様のいくつかの実施形態では、ステップd)は、第4の混合物中のシリトールの沈殿を含む。いくつかの実施形態では、前記沈殿は、第4の混合物を、約20〜30℃の範囲の温度に冷却するなどの、冷却することを含む。いくつかの実施形態では、ステップd)は、冷却した混合物を、好ましくは20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供することをさらに含む。
第5の態様のいくつかの実施形態では、ステップe)は、濾過を含む。
第5の態様のいくつかの実施形態では、ステップf)は、塩基性の水性反応混合物中での、第1のジボレートの回収混合物の反応を含む。いくつかの実施形態では、塩基性の水性反応混合物を、約80〜90℃の範囲の温度などの高温で反応させる。いくつかの実施形態では、ステップf)は、塩基を第1のジボレートの回収混合物に添加することを含み、好ましくはこの塩基は、反応混合物が約9〜10の範囲のpHになるまで添加される。いくつかの実施形態では、添加される塩基は、NaOHである。いくつかの実施形態では、ステップf)は、回収されたシリトールジボレートを、反応混合物から沈殿させることをさらに含み、好ましくはこの沈殿は、反応混合物を冷却すること、好ましくは約20〜30℃の範囲の温度に冷却することを含む。いくつかの実施形態では、ステップf)は、反応混合物を約20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供することをさらに含む。
第5の態様のいくつかの実施形態では、ステップg)は、濾過を含む。
第5の態様の好ましい一実施形態では、該方法は大規模プロセスであり、例えば、該プロセスは、約1kg、また約2kg、また約5kg、また約10kg、また約50kgを超え、好ましくは約100kgを超え、また約200kg、また約500kg、また約1000kg、また約5000kg、また約8000kg、また約10000kg、また約14000kgを超える実質的に純粋なシリトールをもたらす。いくつかの実施形態では、該プロセスは、約1〜14000kg、また約1〜10000kg、また約1〜8000kg、また約1〜5000kg、また約10〜14000kg、また約10〜8000kg、また約50〜14000kg、また約50〜10000kg、また約50〜8000kg、また約50〜5000kg、また約50〜3000kg、また約50〜1000kg、また約50〜500kg、好ましくは約50〜200kgの実質的に純粋なシリトールをもたらす。いくつかの実施形態では、これらの量は、1つのバッチから得られ、すなわちステップa)は、ミオ−イノシトールを用いて一度に実施される(すなわち最初にステップa)でミオ−イノシトールを使用して、イノシトールの回収混合物を、必要に応じて追加のミオ−イノシトールとさらに混合し、第5の態様に記載の通り、ステップa)の方法に従って第1のバッチの一部として処理することができる)。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の追加のバッチを、第1のバッチと混合して、商業ロットの実質的に純粋なシリトールを提供することができる。
第6の態様では、単離されたシリトールジボレートから実質的に純粋なシリトールを調製し、ジボレートの回収混合物をリサイクルして、さらなるシリトールジボレートを生成し、その後さらなる実質的に純粋なシリトールを生成する方法は、単離されたシリトールジボレートからシリトールを形成するステップを含む任意のプロセスに適用することができる。したがって、
a)シリトールジボレートをシリトールに変換し、それによって第1のシリトール混合物を形成するステップと、
b)シリトールを、第1のシリトール混合物から固体として単離して、第1の量の実質的に純粋なシリトールおよび第1のジボレートの回収混合物を提供するステップと、
c)回収されたシリトールジボレート混合物中で、第1のジボレートの回収混合物を反応させて、回収されたシリトールジボレートを形成するステップと、
d)回収されたシリトールジボレートを、回収されたシリトールジボレート混合物から固体として単離するステップと、
e)回収されたシリトールジボレートをステップa)で使用して、ステップa)からd)を反復し、それによって追加の実質的に純粋なシリトールおよび回収された追加のシリトールジボレートを提供するステップと、
f)必要に応じて、追加の回収されたシリトールジボレートをステップa)で使用して、ステップa)からd)を反復し、それによって追加の実質的に純粋なシリトールおよび追加の回収されたシリトールジボレートを提供するステップと
を含む、実質的に純粋なシリトールを調製する方法を提供する。
第6の態様のいくつかの実施形態では、任意の追加の回収されたシリトールジボレートをステップa)で使用して、ステップa)からd)を逐次的に反復する。
第6の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)で使用されたシリトールジボレートは、前述の第1、第2または第3の態様のいずれかから単離される。
第6の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)は、加水分解反応を含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、触媒によって媒介される。いくつかの実施形態では、触媒は、塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸などの酸であり、好ましくは硫酸または塩酸、好ましくは塩酸である。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、酸性水溶液中で実施され、好ましくはこの酸性水溶液は、約1Nの酸、好ましくは1NのHClである。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、単離されたシリトールジボレートを、約8〜12体積の水性酸と混合することを含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、単離されたシリトールジボレートを、約10体積の約1Nの酸、好ましくは1NのHClと混合することを含む。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、約75〜95℃の範囲、好ましくは約85〜95℃の範囲の温度などの高温で実施される。
第6の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)は、混合物のpHを測定することによってモニターされる。いくつかの実施形態では、ステップa)は、反応物がpH2.0未満になると完了する。
第6の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)は、第1のシリトール混合物中のシリトールの沈殿を含む。いくつかの実施形態では、前記沈殿は、第1のシリトール混合物を、約20〜30℃の範囲の温度に冷却するなどの、冷却することを含む。いくつかの実施形態では、ステップd)は、冷却した混合物を、好ましくは20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供することをさらに含む。
第6の態様のいくつかの実施形態では、ステップb)は、濾過を含む。
第6の態様のいくつかの実施形態では、ステップc)は、塩基性の水性反応混合物中での、第1のジボレートの回収混合物の反応を含む。いくつかの実施形態では、塩基性の水性反応混合物を、約80〜90℃の範囲の温度などの高温で反応させる。いくつかの実施形態では、ステップc)は、塩基を第1のジボレートの回収混合物に添加することを含み、好ましくはこの塩基は、反応混合物が約9〜10の範囲のpHになるまで添加される。いくつかの実施形態では、添加される塩基は、NaOHである。いくつかの実施形態では、ステップc)は、回収されたシリトールジボレートの、反応混合物からの沈殿をさらに含み、好ましくはこの沈殿は、反応混合物を冷却すること、好ましくは約20〜30℃の範囲の温度に冷却することを含む。いくつかの実施形態では、ステップc)は、反応混合物を約20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供することをさらに含む。
第6の態様のいくつかの実施形態では、ステップd)は、濾過を含む。
第6の態様のいくつかの実施形態では、単離されたシリトールジボレートのバッチは、ステップa)で使用するために得られる。単離されたバッチは、溶液、混合物の一部、または固体形態であってよく、シリトールジボレートを実質的に純粋なシリトールに変換することを伴う任意のプロセスから単離することができる。例えば、シリトールジボレートが単離されるプロセスは、本明細書に記載の通りであってよく、このシリトールジボレートは、沈殿物の濾過などによって、固体形態で単離される。シリトールジボレートは、当技術分野で公知のまたは本明細書に記載の方法によって、シリトールに変換することができる。一実施形態では、単離されたシリトールジボレートからシリトールへの変換は、加水分解反応を含む。一実施形態では、加水分解反応は、触媒によって媒介される。一実施形態では、触媒は、酸である。一実施形態では、酸は、塩酸である。一実施形態では、単離されたシリトールジボレートは、固体として得られ、単離されたシリトールジボレートからシリトールへの変換は、i)単離されたシリトールジボレートを、水性酸と混合して、混合物を形成するステップと、ii)混合物を、約85〜95℃に加熱するステップと、iii)混合物を冷却するステップと、iv)冷却した混合物を撹拌して、スラリーを形成するステップとを含む。いくつかの実施形態では、シリトールの単離は、v)ステップiii)由来のスラリーを濾過して、実質的に精製されたシリトールを固体として単離するステップと、vi)必要に応じてフィルターケーキを水ですすぐステップと、vii)必要に応じてフィルターケーキを乾燥させるステップとをさらに含む。この場合、スラリーを濾過して得られる濾液は、ジボレートの回収混合物である。いくつかの実施形態では、ステップi)の混合物は、混合物のpHが6.0未満、5.0未満、4.0未満、3.0未満または2.0未満になるまで塩酸を添加することによって形成される。いくつかの実施形態では、塩酸は、pHが0.5から5.8の範囲になるまで添加される。いくつかの実施形態では、単離されたシリトールジボレートは、約1Nの水性酸と混合され、好ましくはこの酸は、HClである。いくつかの実施形態では、変換は、pHを測定することによってモニターされ、この変換は、溶液のpHが、5.0未満、4.0未満、3.0未満、または好ましくは2.0未満になると完了したとみなされる。いくつかの実施形態では、混合物は、約20〜30℃に2〜4時間にわたって冷却される。いくつかの実施形態では、この混合物は、約20〜30℃で2〜4時間にわたって撹拌される。
第6の態様の好ましい一実施形態では、該方法は大規模プロセスであり、例えば、該プロセスは、約1kg、また約2kg、また約5kg、また約10kg、また約50kgを超え、好ましくは約100kgを超え、また約200kg、また約500kg、また約1000kg、また約5000kg、また約8000kg、また約10000kg、また約14000kgを超える実質的に純粋なシリトールをもたらす。いくつかの実施形態では、該プロセスは、約1〜14000kg、また約1〜10000kg、また約1〜8000kg、また約1〜5000kg、また約10〜14000kg、また約10〜8000kg、また約50〜14000kg、また約50〜10000kg、また約50〜8000kg、また約50〜5000kg、また約50〜3000kg、また約50〜1000kg、また約50〜500kg、好ましくは約50〜200kgの実質的に純粋なシリトールをもたらす。いくつかの実施形態では、これらの量は、1つのバッチから得られ、すなわちステップa)は、シリトールジボレートを用いて一度に実施される(すなわちシリトールジボレートを出発材料として使用して、ステップa)の方法を、第6の態様のステップe)に記載の通り、第1のバッチの一部として回収されたシリトールジボレートに対して反復する)。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の追加のバッチを、第1のバッチと混合して、商業ロットの実質的に純粋なシリトールを提供することができる。
第7の態様では、
a)反応容器内で、水性酸中、シリトールジボレートの混合物を加熱するステップと、
b)混合物を高温で撹拌して、溶液を得るステップと、
c)溶液を冷却して、沈殿したシリトールを含む第2の混合物を提供するステップと、
d)冷却した第2の混合物を撹拌して、沈殿したシリトールを含むスラリーを提供するステップと、
e)スラリーを濾過して、実質的に純粋なシリトールの固体を、ジボレートの回収濾液から単離するステップと、
f)必要に応じて、反応容器を約1体積の水ですすぎ、このすすぎ液を実質的に純粋なシリトールの固体を通して濾過するステップと、
g)必要に応じて、ステップf)を反復するステップと、
h)第2の反応容器中でステップe)由来のジボレートの回収濾液を、必要に応じて、ステップf)およびg)由来のすすぎ液(複数可)と混合して、加熱するステップと、
i)塩基をジボレートの回収濾液に添加し、それによって第2の混合物を形成するステップと、
j)第2の混合物を高温で撹拌するステップと、
k)第2の混合物を冷却するステップと、
l)第2の混合物を撹拌して、第2のスラリーを提供するステップと、
m)第2のスラリーを濾過して、回収されたシリトールジボレートの固体を、第2の濾液から単離するステップと、
n)必要に応じて、反応容器を約1体積の水ですすぎ、このすすぎ液を回収されたシリトールジボレートの固体を通して濾過するステップと、
o)必要に応じて、ステップn)を反復するステップと、
p)回収されたシリトールジボレートの固体をステップa)からf)を通してリサイクルして、追加の実質的に純粋なシリトールの固体および追加のジボレートの回収濾液を提供するステップと、
q)ステップe)およびn)由来の実質的に純粋なシリトールの固体を混合して、第1の量の実質的に純粋なシリトールを提供するステップと
を含む、実質的に純粋なシリトールを調製する方法を提供する。
第7の態様のいくつかの実施形態では、ステップa)は、約10体積の約1Nの酸、好ましくは1NのHClを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約85〜95℃に、好ましくは約2〜3時間にわたって加熱される。
第7の態様のいくつかの実施形態では、ステップb)は、混合物を、約85〜95℃で、好ましくは少なくとも10分間にわたって撹拌することを含む。
第7の態様のいくつかの実施形態では、ステップc)は、約20〜30℃に、好ましくは約3〜4時間にわたって冷却することを含む。
第7の態様のいくつかの実施形態では、ステップd)は、約20〜30℃で撹拌することを含む。
第7の態様のいくつかの実施形態では、ステップh)は、約80〜90℃に、好ましくは約2〜3時間にわたって加熱することを含む。
第7の態様のいくつかの実施形態では、ステップi)は、NaOHを添加すること、好ましくはNaOHを添加してpHを約9〜10の範囲内にすることを含む。
第7の態様のいくつかの実施形態では、ステップj)は、第2の混合物を、約80〜90℃で、好ましくは少なくとも1時間にわたって撹拌することを含む。
第7の態様のいくつかの実施形態では、ステップk)は、第2の混合物を、約20〜30℃に、好ましくは約3〜4時間にわたって冷却することを含む。
第7の態様のいくつかの実施形態では、ステップl)は、冷却した第2の混合物を、約20〜30℃で、好ましくは少なくとも1時間にわたって撹拌することを含む。
第7の態様のいくつかの実施形態では、該方法は、必要に応じて、ステップp)由来の追加のジボレートの回収濾液をリサイクルすることと、必要に応じてステップh)からm)の方法に従って、ステップf)およびg)ですすぎ液と混合して、回収された追加のシリトールジボレートを単離することと、必要に応じて追加のシリトールジボレートをステップa)からf)を通してリサイクルして、追加の実質的に純粋なシリトールを提供することとをさらに含む。
第7の態様のいくつかの実施形態では、シリトールジボレートの回収濾液をリサイクルして、追加の回収されたシリトールジボレートを形成し、追加の回収されたシリトールジボレートをリサイクルするステップは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10回反復される。
第7の態様の好ましい一実施形態では、該方法は大規模プロセスであり、例えば、該プロセスは、約1kg、また約2kg、また約5kg、また約10kg、また約50kgを超え、好ましくは約100kgを超え、また約200kg、また約500kg、また約1000kg、また約5000kg、また約8000kg、また約10000kg、また約14000kgを超える実質的に純粋なシリトールをもたらす。いくつかの実施形態では、該プロセスは、約1〜14000kg、また約1〜10000kg、また約1〜8000kg、また約1〜5000kg、また約10〜14000kg、また約10〜8000kg、また約50〜14000kg、また約50〜10000kg、また約50〜8000kg、また約50〜5000kg、また約50〜3000kg、また約50〜1000kg、また約50〜500kg、好ましくは約50〜200kgの実質的に純粋なシリトールをもたらす。いくつかの実施形態では、これらの量は、1つのバッチから得られ、すなわちステップa)は、シリトールジボレートを用いて一度に実施される(すなわちシリトールジボレートを出発材料として使用して、ステップa)の方法を、第7の態様に記載の通り、第1のバッチの一部として回収されたシリトールジボレートに対して反復する)。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の追加のバッチを、第1のバッチと混合して、商業ロットの実質的に純粋なシリトールを提供することができる。
第8の態様では、
a)反応容器内で、イノシトール、スポンジニッケルおよび約6体積の水(w/wイノシトール)を混合し、それによって混合物を提供するステップと、
b)混合物を、約95〜100℃に加熱するステップと、
c)混合物を、約85〜95℃に冷却し、混合物を濾過して、スポンジニッケルを濾液から除去するステップと、
d)反応容器を、約2体積の水により約50〜60℃ですすぐステップと、
e)すすぎ液を、濾過したニッケルを通して約50〜60℃で濾過するステップと、
f)ステップc)由来の濾液およびステップe)由来のすすぎ液を混合して、第2の混合物を提供するステップと、
g)第2の反応容器内で、第2の混合物をNaと混合して、第3の混合物を提供するステップと、
h)第3の混合物を、約80〜90℃に加熱するステップと、
i)NaOHを第3の混合物に添加して、pHを約9〜10の範囲内にするステップと、
j)第3の混合物を、80〜90℃で撹拌するステップと、
k)第3の混合物を、20〜30℃に約4〜16時間にわたって冷却するステップと、
l)第3の混合物を、約20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供するステップと、
m)スラリーを濾過して、シリトールジボレートの固体を、イノシトールの回収濾液から単離するステップと、
n)必要に応じて、反応容器を約1体積の水ですすぎ、このすすぎ液を固体シリトールジボレートを通して濾過するステップと、
o)必要に応じて、ステップn)を反復するステップと、
p)第7の態様の方法(段落[0147]参照)に従って、単離されたシリトールジボレートを処理して、実質的に純粋なシリトールを提供するステップと、
q)第3の反応容器内で、必要に応じてステップn)およびo)由来のすすぎ液(複数可)と混合されたステップm)由来のイノシトールの回収濾液を、追加のイノシトールおよび追加のスポンジニッケルと混合し、それによって第4の混合物を提供するステップと、
r)ステップb)からo)を反復して、追加の単離されたシリトールジボレートおよび追加のイノシトールの回収濾液を提供するステップと、
s)第7の態様の方法に従って、追加の単離されたシリトールジボレートを処理して、追加の実質的に純粋なシリトールを提供するステップと、
t)ステップp)およびs)由来の実質的に純粋なシリトールの固体を混合して、第2の量の実質的に純粋なシリトールを提供するステップと、
u)必要に応じて、第7の態様の方法由来の第1の量の実質的に純粋なシリトールを、ステップt)由来の第2の量の実質的に純粋なシリトールと混合するステップと
を含む、実質的に純粋なシリトールを調製する方法を提供する。
第8の態様のいくつかの実施形態では、ステップr)由来の追加のイノシトールの回収濾液を、ステップq)からs)に従ってリサイクルして、追加の実質的に純粋なシリトールを提供する。
第8の態様の好ましい一実施形態では、該方法は大規模プロセスであり、例えば、該プロセスは、約1kg、また約2kg、また約5kg、また約10kg、また約50kgを超え、好ましくは約100kgを超え、また約200kg、また約500kg、また約1000kg、また約5000kg、また約8000kg、また約10000kg、また約14000kgを超える実質的に純粋なシリトールをもたらす。いくつかの実施形態では、該プロセスは、約1〜14000kg、また約1〜10000kg、また約1〜8000kg、また約1〜5000kg、また約10〜14000kg、また約10〜8000kg、また約50〜14000kg、また約50〜10000kg、また約50〜8000kg、また約50〜5000kg、また約50〜3000kg、また約50〜1000kg、また約50〜500kg、好ましくは約50〜200kgの実質的に純粋なシリトールをもたらす。いくつかの実施形態では、これらの量は、1つのバッチから得られ、すなわちステップa)は、一度に実施され、第8の態様の方法によって行われる(必要に応じて、第7の態様由来の第1の量のシリトールと混合することを含む)。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の追加のバッチを、第1のバッチと混合して、商業ロットの実質的に純粋なシリトールを提供することができる。
第9の態様では、
a)シリトールジボレートからシリトールを形成することを含む任意のプロセスから、単離されたシリトールジボレートのバッチを得るステップと、
b)第3の態様(段落[0079]参照)、第6の態様(段落[0136]参照)、または第7の態様(段落[0147]参照)の方法に従って、単離されたシリトールジボレートのバッチを処理して、実質的に純粋なシリトールを提供するステップと
を含む、実質的に純粋なシリトールを調製する方法を提供する。
図1は、任意のイノシトール立体異性体またはイノシトール立体異性体の混合物を含有する溶液から出発する、シリトールに至るまでの擬似連続経路のプロセスフロー図である。 図2は、ミオ−イノシトールからシリトールを合成するためのプロセスである。原料の投入量および予測される収率(段階的および全体的の両方)を示す。左の灰色のパネルは、異性化およびシリトールジボレート形成反応を表し、右の灰色のパネルは、加水分解およびジボレート回収反応を表す。 図3は、イノシトールの回収混合物のリサイクルを使用する、リサイクルステップの関数としてのシリトールジボレートの収率である。 図4は、ミオ−イノシトールからシリトールを合成するためのプロセスと、ジボレートの補正収率である。段階1(異性化/ジボレートの形成)の実際の全収率を補正した後の、原料の投入量および予測される収率(段階的および全体的の両方)を示す。
(発明の詳細な説明)
シリトール、およびシリトールジボレートを含む関連化合物を化学的に合成する方法を提供する。全般的な態様では、該方法は、i)イノシトール、好ましくはミオ−イノシトールの溶液から、ある量のシリトールを形成するステップと、ii)シリトールをシリトールジボレートに変換するステップと、iii)シリトールジボレートを単離するステップと、iv)シリトールジボレートをシリトールに変換するステップと、v)実質的に純粋なシリトールを単離するステップとを含む。一態様では、シリトールジボレートを単離した後に残る混合物、すなわちイノシトールの回収混合物は、必要に応じてイノシトールを添加してステップi)にリサイクルして、追加のシリトールを形成することができ、次にこれを処理してシリトールジボレートおよび実質的に純粋なシリトールにすることができる。一態様では、実質的に精製されたシリトールの単離に由来する混合物は、本明細書ではジボレートの回収混合物と呼ばれ、これもリサイクルすることができ、例えばジボレートの回収混合物を反応させて、回収されたシリトールジボレートを形成することができ、これを単離し、ステップiv)にリサイクルして、適切なステップを通して、追加の実質的に純粋なシリトールを形成することができる。これらのリサイクルステップは、改良された効率および実質的に純粋なシリトールの全収率を提供する。一態様では、該方法は、単離されたシリトールジボレートから出発することを含み、この場合、シリトールジボレートは、イノシトールまたは他の適切な出発材料を、純粋でないシリトールに変換するために使用される任意のプロセスから単離することができ、純粋でないシリトールは、シリトールジボレートの形成によって精製される。一態様では、該方法は、イノシトールの溶液を非特異的に立体異性化するステップと、溶液中のシリトールをシリトールジボレートに変換するステップと、溶液からシリトールジボレートを単離し、その後、シリトールジボレートをシリトールに変換するステップと、実質的に純粋なシリトールを単離するステップとを含む。
本明細書に提示した方法は、以下の反応スキームによって全般的に説明することができる。
Figure 2013543513
ステップAは、イノシトール、好ましくはミオ−イノシトールを含む混合物を、当技術分野で公知のまたは本明細書に記載の方法によって、シリトールを含む混合物に変換することを伴う。ステップAは、イノシトールが中間体に変換され、中間体がシリトールに変換される追加のステップを伴うことができる。好ましい方法では、ステップAは、イノシトール(好ましくはミオ−イノシトール)の立体異性化を伴い、この立体異性化によって、ある量のシリトールが、他のイノシトール異性体と共にもたらされる。好ましい一実施形態では、立体異性化は、触媒(例えば、スポンジニッケル)を含み、水性混合物中、高温(例えば、95〜100℃)で実施される。いくつかの実施形態では、触媒は、例えば、高温でセライト(登録商標)を通して濾過し、必要に応じて反応容器をすすいで、セライトを通して濾過することによって除去される。
ステップBは、ステップAで形成されたシリトールを、当技術分野で公知のまたは本明細書に記載の方法によってシリトールジボレートに変換することを伴う。ある場合には、ステップA由来の反応混合物を、高pH(例えば、pH8〜12、また8〜11、好ましくは9〜10)および高温(例えば、80〜90℃)でホウ酸と反応させる。好ましい一実施形態では、ステップA由来の反応混合物を、高pH(例えば、pH8〜12、また8〜11、好ましくは9〜10)および高温(例えば、80〜90℃)でNaと反応させる。シリトールジボレートは、その相対的な不溶性に起因して、沈殿または結晶化によって、例えば、混合物を約20〜30℃に冷却することによって、実質的に純粋な形態で単離することができる。冷却した混合物を撹拌すると、スラリーを形成することができる。ステップCによるシリトールジボレートの単離によって、実質的に純粋な単離されたシリトールジボレートの固体および本明細書でイノシトールの回収混合物(または溶液、濾液、上清)と呼ばれるものがもたらされる。シリトールジボレートは、好ましくは濾過によって単離される。
ステップDは、当技術分野で公知のまたは本明細書に記載の方法によって、実質的に純粋なシリトールジボレートをシリトールに変換することを伴う。好ましい一実施形態では、シリトールジボレートは、加水分解によって、例えば低pHの水性混合物(例えば、pH1〜5、好ましくは1Nの酸、好ましくは塩酸)を、加熱しながら(例えば、70〜95℃、好ましくは85〜95℃)反応させることによって、シリトールに変換される。ステップEによるシリトールの単離によって、実質的に純粋なシリトールの固体および本明細書でジボレートの回収混合物(または溶液、濾液、上清)と呼ばれるものがもたらされる。シリトールは、好ましくは、混合物を冷却し、撹拌してスラリーを形成することによって沈殿させ、濾過によって単離される。
全プロセスは、必要に応じて、イノシトールの回収混合物および/またはジボレートの回収混合物をリサイクルすることを含む。好ましい一実施形態では、全プロセスは、イノシトールの回収混合物およびジボレートの回収混合物の一方または両方をリサイクルすることを含む。イノシトールの回収混合物は、ステップAで使用することができ、好ましい実施形態では、ステップAを実施する前に、追加のイノシトールが添加される。イノシトールの回収混合物のリサイクル自体が、イノシトールの回収混合物の別のバッチをもたらし、これも同様にリサイクルできることを理解されたい。任意のリサイクルされるイノシトールの回収混合物となるステップAの生成物は、ステップEまで残る。同様に、ジボレートの回収混合物は、ジボレートの回収混合物からシリトールジボレートへの第1の変換によってリサイクルすることができる。好ましい一実施形態では、ジボレートの回収混合物は、高pH(例えば、pH9〜10)で加熱され(例えば、80〜90℃)、得られたシリトールジボレートは、例えば約20〜30℃に冷却し、冷却した混合物を撹拌してスラリーを形成することによって、溶液から沈殿する。シリトールジボレートは、ステップCと同様に、得られたスラリーから単離され、ステップEまで残り、追加の実質的に純粋なシリトールおよび追加のジボレートの回収混合物を提供することができ、これら自体も同様にリサイクルすることができる。実質的に純粋なシリトールは、イノシトールの回収混合物またはジボレートの回収混合物のいずれかのリサイクルを反復して生成することもでき、これによって全収率が改良され、これらの溶液のリサイクルによって費用が削減される。シリトールをシリトールジボレートに変換し、実質的に純粋なシリトールジボレートを単離し、これを実質的に純粋なシリトールに変換することによって混合物からシリトールを精製することは、シリトールを調製するための多くのプロセスで使用される。したがって、本明細書に記載のジボレートの回収混合物のリサイクル、例えばステップD、ステップEを伴うプロセス、ならびにリサイクルプロセスR2、その後のステップC、ステップDおよびステップEは、独特のリサイクル法であり、このリサイクル法は、シリトールを生成するための様々な公知のプロセスに適用して、シリトールの全収率を低費用で改良することができる。
リサイクル法R1は、少なくとも1〜5回、また1〜10回、また1〜15回またはそれより多い回数で反復して実施して、適切には純粋なシリトールジボレートを提供することができる。ステップAからCまでを通してR1をそれぞれ反復して追加のシリトールジボレートを形成する場合、得られたシリトールジボレートは、シリトールへの変換(ステップD)まで個々に残り得るか、またはリサイクルの反復の結果生じる単離されたシリトールジボレートは、シリトールへの変換の前に混合され得ることを理解されたい。図2および実施例に示される通り、このリサイクルステップ由来のシリトールジボレートは、このリサイクルステップを15回反復した後でも、実質的に純粋なシリトールをもたらした。同様に、リサイクル法R2は、少なくとも1〜5回、また1〜10回、また1〜15回またはそれ以上反復して実施して、適切には純粋なシリトールを提供することができる。各リサイクルステップR1によって、ジボレートの回収混合物がもたらされ、このジボレートの回収混合物は、方法R2を使用して個々にリサイクルされ得るか、または様々なジボレートの回収混合物は、リサイクル法R2の実施の前に混合され得ることを理解されたい。同様に、ジボレートの回収混合物が個々にリサイクルされる場合、個々の回収物から得られた単離されたシリトールジボレートは、ステップDによってシリトールに変換する前に混合され得るか、またはステップDによってシリトールに個々に変換され得る。任意選択のリサイクルステップを伴う全プロセスは、シリトールジボレートの最初の形成から、リサイクルステップR1の結果であるシリトールジボレートから、およびリサイクルステップR2の結果であるシリトールジボレートから、ならびにその任意の繰返しからの実質的に純粋なシリトールの単離をもたらし得、単離されたシリトールの各形成物を混合して、実質的に純粋なシリトールの最終的なバッチを提供できることを理解されたい。第1のバッチプロセス(すなわち生成の単回実施)は、最初のステップAが、イノシトールなどの最初の出発材料で実施される任意のプロセスとみなされ、リサイクルステップR1およびR2(例えば、全プロセスの連続的部分または擬似的な連続的部分としてのリサイクル)を伴うかまたは伴わないプロセスによって行われ、得られたすべての実質的に純粋なシリトールは混合されて、シリトールの第1のバッチを形成する。適切には、追加のバッチ由来のまたは追加の生成の実施による純粋なシリトールは、必要に応じて、第1のバッチと混合して、大量の実質的に純粋なシリトールを提供することができる。一般に、本明細書に記載の方法によるシリトールの単一バッチの生成は、約1〜8000kg、また約1〜5000kg、また約10〜8000kg、また約10〜5000kg、また約50〜8000kg、また約50〜5000kg、また約50〜1000kg、また約50〜500kg、また約50〜200kg、または約50〜100kgのシリトールを提供する。リサイクルステップが該プロセスに含まれる場合、生成されるシリトールの量を増大させることができ、例えば、約1〜14000kg、また約1〜10000kg、また約1〜8000kg、また約10〜14000kg、また約10〜10000kg、また約10〜8000kg、また約50〜14000kg、また約50〜10000kg、また約50〜8000kg、また約50〜5000kg、また約50〜2000kg、また約50〜1000kg、また約50〜500kg、また約50〜400kg、また約50〜300kg、または約50〜200kgの実質的に純粋なシリトールを、リサイクルを伴う処理の1つのバッチで生成することができる。
本明細書に記載の方法は、特に、大規模プロセスに適しており、このことは、該方法が工業規模または商業規模で実施され、その結果、大量の実質的に純粋なシリトールが商業使用のため(ヒトへの使用のためなど)に、例えば医薬品として、または栄養補助食品として調製されることを意味する。本明細書に記載の方法のいずれかを、工業または商業規模のプロセスで使用して、約1kg、また約2kg、また約5kg、また約10kg、また約50kgを超える、好ましくは約100kgを超える、また約500kg、また約1000kg、また約5000kg、また約8000kg、また約10000kgを超える、また約14000kgを超える実質的に純粋なシリトールを生成することができ、好ましくは、かかる量は1つのバッチで調製される(すなわち、1つのロットの出発材料が、本明細書に記載の方法に、リサイクルを伴ってかまたはリサイクルなしで利用される)。同様に、後に実質的に純粋なシリトールに変換され得るシリトールジボレートを生成するための方法が提供される場合、該方法を工業または商業規模のプロセスで使用して、約1kg、また約2kg、また約5kg、また約10kg、また約50kg、また約100kg、また約200kg、また約300kg、また約500kg、また約1000kg、また約2000kg、また約3000kg、また約4000kg、また約5000kg、また約8000kg、また約10000kgを超える、また約12000kgを超える、例えば、約1〜12000kg、また約10〜12000kg、また約50〜12000kg、また約50〜10000kg、また約50〜8000kg、また約50〜5000kg、また約50〜000kg、また約50〜3000kg、また約50〜2000kg、また約50〜1000kg、また約50〜500kg、また約50〜300kgの実質的に純粋なシリトールジボレートを生成することができ、かかる量は1つのバッチで調製される(すなわち、1つのロットの出発材料が、本明細書に記載の方法に、リサイクルを伴ってかまたはリサイクルなしで利用される)か、または2つ以上のバッチを混合したものの結果であり得る(すなわち、出発材料の第1のロットによって、1つのバッチ、出発材料の第2のロット 第2のバッチ等が提供され、シリトールへさらに加工し、約500kg、約1000kg、約2000kg、約3000kg、約4000kg、また約5000kg、また約8000kg、また約10000kg、また約14000kgを超えるシリトールを生成する目的で2つ以上のバッチを混合する)。したがって、本明細書に記載の方法は、約1〜14000kg、また約1〜10000kg、また約1〜8000kg、また約1〜5000kg、また約10〜14000kg、また約10〜8000kg、また約10〜5000kg、また約50〜14000kg、また約50〜10000kg、また約50〜8000kg、また約50〜5000kg、また約50〜4000kg、また約50〜3000kg、また約50〜2000kg、また約50〜1000kg、また約50〜500kg、また約50〜300kg、また約50〜200kgのシリトールの商業的な生成に適している。本明細書に記載の方法は、リサイクルステップ(すなわち、イノシトールの回収混合物のリサイクル(シリトールジボレートまたはシリトールの生成における)、またはジボレートの回収混合物のリサイクル(シリトールの生成における)、またはイノシトールの回収混合物およびジボレートの回収混合物の両方のリサイクル(シリトールの生成における)のいずれか)なしでも、かかる大規模な量のシリトールまたはシリトールジボレートを生成するために使用することができ、これらのリサイクルステップは、実質的に純粋なジボレートおよび/または実質的に純粋なシリトールの大規模な生成のための、さらにより費用効果が高く効率的なプロセスを提供することを理解されたい。また、本明細書に記載の方法を、出発材料の1つのバッチと共に使用すると、実質的に純粋なシリトールまたは実質的に純粋なシリトールジボレートの1つのバッチが生成され得ることを理解されたい。例えば、本明細書に記載の様々な態様のいくつかにおけるステップa)の方法を、出発材料に対して一度実施して(いくつかの態様では、ステップa)の方法は、リサイクルステップとして反復することができるが、この方法は、第1のバッチの一部となり得る)、生成物の第1のバッチを提供することができる。ある場合には、このバッチは、多量の所望の生成物と称される。ある場合には、追加のバッチ(すなわち、該プロセスを出発材料の新しいバッチに対して反復する、例えばステップa))を混合して、単一ロットの材料を形成することができる。
本明細書に記載の方法で使用されるイノシトールは、任意の供給源に由来するものであり得、任意の比の立体異性体を含有することができる。しかし、好ましい実施形態では、本明細書に記載の方法に従って使用されるイノシトールは、ミオ−イノシトールである。
当業者に理解され得る通り、用語シリトールおよびシロ−イノシトールは、同義であり、本願全体にわたって交換可能に使用される。用語「実質的に純粋な」は、シリトールに適用される場合、適切な純度であり、ニッケル、アルミニウムおよびホウ素などの不純物が低いレベルであるシリトールが生成され、該シリトールが動物研究およびヒト臨床試験において使用するかまたは全般的に、例えば医薬品もしくは栄養補助食品としてヒトにおいて使用するのに適していることを意味する。一態様では、実質的に純粋なシリトールは、HPLC(w/w)で純度97〜103%、20ppm以下の重金属含量、20ppm以下のニッケル含量、および50ppm以下のアルミニウム含量である。シリトールジボレートは、本明細書で使用される場合、シリトールジボレートの塩錯体、例えば、二カリウム塩錯体または二ナトリウム塩錯体であり、好ましくは、シリトールジボレートは二ナトリウム塩錯体である。用語「実質的に純粋な」は、シリトールジボレートに適用される場合、実質的に純粋なシリトールを生成するために本明細書に記載の方法で使用される、適切な純度のシリトールジボレートが生成されることを意味する。
当業者に理解され得る通り、濃度、温度およびpHなどの反応変数の範囲は、反応の結果に著しい影響を及ぼさずに、わずかに変わり得る。例えば、約80〜90℃の温度範囲は、80から90の範囲内に正確に含まれる必要がないか、または1NのHCl水溶液は、1Nからわずかに変わり得、そしてさらに効率的な反応をもたらし得る。
本明細書に記載の反応ステップは、一般に、反応混合物を全般的に記載しており、かかる混合物は、例えば溶液またはスラリーであり得る。一般に、単離された反応構成成分のリサイクルについて論じる場合、リサイクルされる構成成分は、イノシトールの回収混合物またはジボレートの回収混合物などの混合物として説明される。これらの混合物は、一般に、例えば濾過または遠心分離によって固体生成物から単離され、濾液、上清または溶液と呼ぶこともできる。
本明細書に記載の方法において出発材料として使用されるイノシトールは、天然または合成のいずれかの任意の適切な供給源に由来するものであり得る。イノシトールは、単一の立体異性形態であり得るか、または立体異性体の混合物であり得る。理論に拘泥するものではないが、非特異的な立体異性化反応によって、様々な立体異性体の熱力学的安定性を反映する立体異性体の混合物が生成されると考えられる。対象となる方法で使用される溶液におけるイノシトール立体異性体の最初の分布に関わらず、ある量のシリトールが、イノシトール溶液の非特異的な立体異性化によって、混合物から生成される。非特異的な立体異性化反応によって生成されたシリトールをシリトールジボレートに変換することにより、所望の立体異性体を捕捉し、混合物からその立体異性体を効率的に単離することができる。シリトールがシリトールジボレートに変換された後に残る溶液で非特異的な立体異性化反応を反復することにより、イノシトール出発材料を、シリトールにさらにより効率的に変換することができる。ある場合には、立体異性化を反復する前に、追加のイノシトールを溶液に添加して、第1の反応で喪失したものを補充することができる。
いくつかの実施形態では、イノシトールの溶液は、水溶液である。本明細書に記載の方法におけるイノシトール水溶液の使用は、潜在的に毒性のある高価な有機溶媒の従来の使用を上回る環境上の利益をもたらす。しかし、ある場合には、本明細書に記載の方法を、1つまたは複数の有機溶媒を含有する水溶液中で実施することもできる。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、溶液全体の体積に対して50%以下の体積を構成する。他の実施形態では、有機溶媒は、溶液全体の体積に対して40%、30%、20%、またはさらには10%以下の体積を構成する。好ましい実施形態では、有機溶媒はエタノールであるが、他の有機溶媒にも、本明細書の方法に記載の通り、化学的合成における有用性を見出すことができる。かなり好ましい実施形態では、溶液は、水性であり、添加される有機溶媒を含有しない。
イノシトールからシリトールへの非特異的な立体異性化は、おそらくイノシトール立体異性体の混合物におけるシリトールの平衡レベルが低いことが理由で、相対的に非効率的なプロセスであり得る。前述の通り、一態様では、シリトールを調製するための方法は、シリトールをシリトールジボレートに変換し、シリトールジボレートを混合物から単離した後に残る混合物に対して、非特異的な立体異性化反応を反復することによって、シリトールの合成の効率の増加をもたらす。このプロセスのステップに由来する残りの混合物は、本明細書では、イノシトールの回収混合物、イノシトールの回収上清、イノシトールの回収溶液、またはイノシトールの回収濾液と呼ぶことができる。したがっていくつかの実施形態では、該方法のステップは、シリトールジボレートを単離した後のイノシトールの回収混合物に対して反復される。ステップを反復して追加のシリトールを形成し、次にこのシリトールをシリトールジボレートに変換することによって、第2のイノシトールの回収混合物がもたらされ、この回収混合物も同様にリサイクルすることができる。したがって、イノシトールの回収混合物に対して該方法のステップを反復することは、第1のイノシトールの回収混合物が該プロセスのステップを通して残り、追加のシリトールジボレートおよび第2のイノシトールの回収混合物を形成することを意味すると理解される。次に、第2のイノシトールの回収混合物は、該方法のステップの第2の反復としての該方法のステップを通して残り、シリトールジボレート等を形成する。好ましい実施形態では、該方法のステップは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10回反復される。いくつかの実施形態では、ステップは、イノシトールの回収混合物に対して、1〜5回、1〜6回、1〜7回、1〜8回、1〜9回、1〜10回、1〜11回、1〜12回、1〜13回、1〜14回、1〜15回または15回を超えて反復される。いくつかの実施形態では、該方法のステップは、10回を超えて反復される。
いくつかの実施形態では、イノシトールの回収混合物は、該方法のステップを反復する前に、追加のイノシトールと混合される。追加のイノシトールは、シリトールに変換され、シリトールジボレートへの変換によって混合物から除去されたイノシトールを補充する。また、イノシトールを添加することにより、合成プロセス中に希釈された溶液中のイノシトールの濃度を増大させることができる。例えば、反応混合物は、例えばシリトールジボレートなどの固体反応生成物または立体異性化反応を促進するために使用される固体触媒をすすぐために使用される溶液と混合することができる。したがって、本明細書に記載の方法で使用される溶液に、追加のイノシトールを入れると、該プロセスの速度または効率を増加させることによって、リサイクルされる反応物の全収率を実質的に増加させることができる。該方法のステップを反復してシリトールを形成し、これをシリトールジボレートに変換し、その後これを実質的に精製されたシリトールに変換する前に、イノシトールの回収混合物に添加されるイノシトールは、任意の供給源に由来するものであり得、任意の分布のイノシトール立体異性体を含有し得る。しかし、好ましくは、添加されるイノシトールは、ミオ−イノシトールである。
非特異的な立体異性化反応は、当業者に理解される通り、任意の適切な方法によって達成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、立体異性化ステップは、適切な触媒、特に金属触媒によって媒介される。しかし、イノシトールの非特異的な立体異性化を容易にすることができる他の触媒は、本明細書に記載の方法において有用であり、本方法の範囲に含まれ得る。適切な金属触媒の例には、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウムおよびニッケルが含まれる。金属触媒は、中性金属の形態であり得るか、または適切な金属合金、酸化物、塩もしくは有機金属種の形態であり得る。好ましくは、触媒は、ニッケル、または例えば、スポンジニッケルもしくはラネーニッケルなどの活性化ニッケル種である。最も好ましくは、触媒は、スポンジニッケルである。適切な触媒は、例えばW.R.Grace&Co.、Johnson Mattheyから、または他の業者から市販されている。
非特異的な立体異性化ステップで使用される触媒は、反応を触媒するのに有効な任意の量で用いられ得る。いくつかの実施形態では、触媒は、100%以下(w/wイノシトール)の量で存在する。他の実施形態では、触媒は、85%以下(w/wイノシトール)で存在する。さらに他の実施形態では、触媒は、70%以下(w/wイノシトール)で存在するか、またはさらに低いレベルで存在する。いくつかの実施形態では、スポンジニッケル触媒は、約70〜100%(w/wイノシトール)、また約70〜90%(w/wイノシトール)、また約75〜90%(w/wイノシトール)の量で使用される。活性化ニッケル触媒を利用する実施形態などのいくつかの実施形態では、反応は、水素雰囲気下で実施され得る。好ましい実施形態では、触媒は、シリトールからシリトールジボレートへの変換の前に混合物から除去され、例えば、混合物を高温(例えば、50〜95℃、また70〜95℃、また85〜95℃)で濾過して(例えば、セライトを通して)、触媒を除去することができる。いくつかの実施形態では、濾過された触媒を水ですすぎ、シリトールからシリトールジボレートへの変換の前に、濾液を反応混合物に添加することができる。
いくつかの実施形態では、非特異的な立体異性化ステップは、周囲温度を超える温度で、長時間にわたって実施される。例えば反応は、50℃超で少なくとも30分間、有用に実施され得る。いくつかの実施形態では、反応は、60℃超、70℃超、またはさらには80℃超で実施される。いくつかの実施形態では、反応は、少なくとも1時間、少なくとも2時間、またはさらには少なくとも3時間にわたって実施される。好ましい実施形態では、反応物は、約90〜100℃、また約95〜100℃で少なくとも3時間にわたって実施されるが、他の時間および温度は、本明細書に記載の方法の実施において適切に用いられ得る。
非特異的な立体異性化ステップで使用される溶液のpHは、反応の速度および効率に影響を及ぼすこともあり、反応生成物中に残る汚染物質のレベルにさらに影響を及ぼし得る。いくつかの実施形態では、立体異性化ステップは、塩基性のpHで実施される。いくつかの実施形態では、立体異性化ステップは、pH8〜12で実施される。いくつかの実施形態では、立体異性化ステップは、pH10〜11で実施される。いくつかの実施形態では、立体異性化ステップは、pH8〜11、またpH8〜10で実施される。好ましい実施形態では、ステップは、pH8〜9で実施される。好ましい一実施形態では、水中のイノシトールおよびスポンジニッケルの混合物は、十分に高いpHであり、pHの調節は必要ない。
いくつかの実施形態では、非特異的な立体異性化ステップは、水溶液中で、好ましくは約4〜8体積、また約5〜7体積、また約6体積の水(w/wイノシトール)中で実施される。いくつかの実施形態では、立体異性化ステップは、4〜8体積、また5〜7体積、また6体積の水中で、約70〜100%、また約70〜90%、また約75〜90%のスポンジニッケル触媒を用いて、周囲温度を超える温度で、好ましくは約90〜100℃または約95〜100℃で実施される。いくつかの実施形態では、立体異性化は、約90〜100℃または約95〜100℃で、約1時間、約1〜2時間、約1〜3時間、約1〜4時間または約1〜5時間にわたって実施される。いくつかの実施形態では、立体異性化の後でありシリトールからシリトールジボレートへの変換の前に、混合物を濾過して、例えばセライト(登録商標)を通して濾過することによって、ニッケル触媒を除去する。混合物は、好ましくは約70〜95℃、また約85〜95℃で濾過される。いくつかの実施形態では、濾過されたニッケル触媒を水ですすぎ、得られた濾液を、反応物の濾液と混合する。いくつかの実施形態では、触媒を、約1〜3体積、また約2体積の水により約50〜60℃ですすぐ。いくつかの実施形態では、立体異性化は、i)反応容器中、イノシトール、好ましくはミオ−イノシトール、スポンジニッケルおよび約4〜8体積の水(w/wイノシトール)を混合し、それによって混合物を提供するステップと、ii)混合物を約95〜100℃に加熱するステップと、iii)混合物を約85〜95℃に冷却し、混合物を濾過して、濾液からスポンジニッケルを除去するステップと、iv)約1〜3体積の水により約50〜60℃で反応容器をすすぐステップと、v)濾過したニッケルを介して約50〜60℃ですすぎ液を濾過するステップと、vi)ステップiii)由来の濾液およびステップv)由来のすすぎ液を混合して、第2の混合物を提供するステップとを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、ステップii)において約95〜100℃に約1〜5時間、また1〜4時間、また1〜3時間にわたって加熱される。いくつかの実施形態では、ステップi)において約6体積の水が使用され、75〜90%(w/wイノシトール(inositiol))のスポンジニッケルが使用される。いくつかの実施形態では、ステップiv)において、2体積の水が使用される。いくつかの実施形態では、イノシトール、好ましくはミオ−イノシトールは、水中、好ましくは約6体積の水(w/wイノシトール)中で、金属触媒、好ましくはスポンジニッケル、より好ましくは約75〜90%(w/wイノシトール)のスポンジニッケルと混合され、混合物は、好ましくは約95〜100℃に、好ましくは約1〜3時間にわたって加熱される。混合物を、好ましくは約85〜95℃に冷却し、濾過すると、触媒が除去される。必要に応じて、反応容器を、好ましくは約2体積の水ですすぎ、そのすすぎ液を、濾過した触媒を通して、好ましくは約50〜60℃で濾過する。元の濾液および任意選択のすすぎ液は、混合し、シリトールからシリトールジボレートへの変換に使用することができる。
本明細書に記載の方法は、イノシトールの立体異性化による、シリトールからシリトールジボレートへの変換ステップを含む。次に、相対的に不溶性のシリトールジボレートは、混合物から実質的に純粋な形態で容易に単離することができる。シリトールからシリトールジボレートに変換する具体的な方法は、本明細書に記載の方法にとってそれ程重要ではなく、例えば、高pHにおけるホウ酸塩の適切な供給源との反応によって、例えばpH約8〜12、また約8〜11、また約9〜10におけるホウ酸または四ホウ酸ナトリウムとの反応によって行うことができる。しかし、好ましい実施形態では、変換は、イノシトール異性体の混合物中に存在するシリトールを四ホウ酸ナトリウム(Na)と反応させて、シリトールジボレートを生成することを含む。当業者は、他の試薬によって、シリトールからシリトールジボレートを有用に生成することができ、したがって、他の試薬も本明細書に記載の方法における使用に適することを理解されたい。
ホウ素による最終生成物の汚染を回避するために、シリトールからシリトールジボレートへの変換を行うのに必要な量以下の試薬を使用することが望ましいことがある。例えば、いくつかの実施形態では、変換反応のために、シリトールに対して約4当量以下のホウ素が提供される。いくつかの実施形態では、シリトールに対して約3当量以下のホウ素が提供される。好ましい実施形態では、シリトールに対して約2当量以下のホウ素が提供される。あるいは、変換反応で使用される四ホウ酸ナトリウムの量は、非特異的な立体異性化反応で使用されるイノシトールの量に対して表すことができる。例えば、いくつかの実施形態では、変換反応のために、イノシトールに対して約1.6当量以下のホウ素が提供される。いくつかの実施形態では、イノシトールに対して約1.2当量以下のホウ素が提供される。好ましい実施形態では、イノシトールに対して約0.8当量以下のホウ素が提供される(例えば、イノシトールに対して約0.2当量のNa)。いくつかの実施形態では、イノシトールに対して約0.15〜0.5当量、また約0.15〜0.3当量、または約0.2当量のNaが使用される。
四ホウ酸ナトリウム(Na)との反応によるシリトールからシリトールジボレートへの変換は、好ましくは高温で、適切な時間にわたって実施される。例えば反応は、50℃超で少なくとも30分間にわたって、有用に実施され得る。いくつかの実施形態では、反応は、60℃超、70℃超、またはさらには80℃超で実施される。いくつかの実施形態では、反応は、少なくとも45分間、少なくとも1時間、またはさらには少なくとも1.5時間にわたって実施される。好ましい実施形態では、反応は、約75〜95℃、また約80〜90℃、また約80〜85℃で約1〜5時間、また約1〜3時間、また約1〜1.5時間にわたって実施されるが、他の時間および温度も、反応において適切に用いることができる。いくつかの実施形態では、四ホウ酸ナトリウム(Na)を用いるシリトールからシリトールジボレートへの変換は、好ましくは高pHで、例えばpH約8〜11、好ましくはpH約9〜10で実施される。いくつかの実施形態では、イノシトールの立体異性化由来のシリトールの混合物は、Naと混合され、その混合物は、約65〜95℃、また約75〜95℃、また約80〜85℃、好ましくは約80〜90℃に加熱され、塩基、好ましくはNaOHは、混合物がpH約8〜11、好ましくはpH約9〜10になるまで添加される。好ましい実施形態では、pH約8〜11、好ましくはpH約9〜10の混合物は、約75〜95℃、好ましくは約80〜90℃で、約1〜5時間、また約1〜3時間、また約1〜1.5時間にわたって加熱される。いくつかの実施形態では、シリトールからシリトールジボレートへの変換は、vii)第2の反応容器中、立体異性化プロセスのステップvi)(段落[0186]参照)から得られた第2の混合物を、Naと混合して、第3の混合物を提供するステップと、viii)第3の混合物を約80〜90℃に加熱するステップと、ix)塩基、好ましくはNaOHを、第3の混合物に添加して、pHを約9〜10の範囲内にするステップと、x)pH約9〜10の第3の混合物を、約80〜90℃でかき混ぜるステップと、xi)第3の混合物を約20〜30℃に冷却するステップと、xii)第3の混合物を約20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供するステップと、xiii)スラリーを濾過して、イノシトールの回収濾液からシリトールジボレートを単離するステップと、xiv)必要に応じて、第2の反応容器を約0.5〜2体積の水ですすぎ、そのすすぎ液を、固体シリトールジボレートを通して濾過するステップと、xv)必要に応じてステップxiv)を反復するステップとを含む。いくつかの実施形態では、ステップvii)において、約0.15〜0.3当量、また約0.2当量のNaが使用される。いくつかの実施形態では、混合物は、ステップviii)で、約80〜90℃に2〜3時間にわたって加熱される。いくつかの実施形態では、NaOHは、ステップix)で、約5〜10分間かけて第3の混合物に添加される。いくつかの実施形態では、第3の混合物は、ステップx)で、約80〜90℃、約pH9〜10で約1時間にわたってかき混ぜられる。いくつかの実施形態では、第3の混合物は、ステップxi)で、20〜30℃に約4〜16時間にわたって冷却される。いくつかの実施形態では、第3の混合物は、ステップxii)で、約20〜30℃で少なくとも1時間にわたって撹拌される。いくつかの実施形態では、第2の反応容器は、ステップxiv)で、必要に応じてステップxv)で、約1体積の水ですすがれる。いくつかの実施形態では、混合物は、20〜30℃に冷却される。いくつかの実施形態では、混合物は、20〜30℃で撹拌される。いくつかの実施形態では、混合物は、20〜30℃に1〜20時間、また1〜16時間、また4〜16時間にわたって冷却され、次に20〜30℃で撹拌される。いくつかの実施形態では、混合物は、少なくとも1時間、また1〜3時間、また1〜2時間、また約1時間にわたって撹拌される。得られたシリトールジボレート沈殿物は、液体と混合された固体沈殿物を分離するための当技術分野で公知の方法によって、混合物から単離される。例えば、シリトールジボレート沈殿物は、デカンテーション、遠心分離、沈殿等によって単離される。好ましい一実施形態では、シリトールジボレートは、混合物を濾過することによって単離される。いくつかの実施形態では、得られた固体は、水で洗浄される。シリトールジボレートの単離によって回収された、得られた混合物(例えば、溶液、上清、濾液)(固体シリトールジボレートの洗浄に由来する溶液を添加して、または添加せずに)は、イノシトールの回収混合物、イノシトールの回収溶液、イノシトールの回収上清、またはイノシトールの回収濾液とも呼ばれ、これらは、本明細書に記載の通り、立体異性化ステップの反復で使用することによってリサイクルすることができる。
本明細書に記載の方法は、混合物からシリトールジボレートを単離するステップをさらに含む。前述の通り、シリトールジボレートは、水溶液に相対的に不溶性であり、したがって変換反応の生成物は、いくつかの実施形態では、沈殿させ、沈殿した材料を、従来の方法によって、例えばデカンテーション、遠心分離、濾過等によって回収することにより、混合物から単離することができる。好ましい実施形態では、シリトールジボレートは、濾過によって、溶液から単離することができる。単離されたシリトールジボレートが、ホウ素または他の水溶性の汚染物質によって汚染されるのを最小限に抑えるために、例えば水中で沈殿物をスラリー化することによって、単離した材料を洗浄することが望ましいことがある。洗浄ステップは、沈殿したシリトールジボレートから望ましくないイノシトール異性体を除去することもできる。単離され、必要に応じて洗浄されたシリトールジボレートは、所望に応じて、例えば45〜55℃で加熱することによって、さらに乾燥させることができる。あるいは、固体シリトールジボレートは、単離されたシリトールジボレート生成物の分解を引き起こすことなく、例えば80〜85℃、またはさらには115〜120℃などのより高い温度で乾燥させることもできる。かかる乾燥によって、シリトールジボレートの取扱いをより容易にすることができ、保存中の単離した材料における微生物増殖を最小限に抑えることができる。シリトールジボレートの単離によって回収された、得られた混合物(例えば、溶液、上清、濾液)(固体シリトールジボレートの洗浄に由来する溶液を添加して、または添加せずに)は、イノシトールの回収混合物、イノシトールの回収溶液、イノシトールの回収上清、またはイノシトールの回収濾液とも呼ばれ、これらは、本明細書に記載の通り、立体異性化ステップの反復で使用することによってリサイクルすることができる。立体異性化ステップを反復する前に、追加のイノシトール(好ましくはミオ−イノシトール)をイノシトールの回収混合物に添加することができる。この溶液のリサイクルによって、追加のシリトールジボレートが提供され、このシリトールジボレートは、実質的に精製されたシリトールに変換され、それによって全プロセスの収率を改良することができる。
本明細書に記載の方法で得られるシリトールジボレートの収率は、様々なステップで使用される条件に応じて変わり得る。いくつかの実施形態では、シリトールジボレートの全収率は、少なくとも20%、25%、30%、35%または40%である。いくつかの実施形態では、シリトールジボレートの全収率は、それより高いことがある。
別の態様では、イノシトールの溶液を非特異的に立体異性化するステップと、溶液中のシリトールをシリトールジボレートに変換するステップと、シリトールジボレートを溶液から単離するステップと、単離されたシリトールジボレートをシリトールに変換するステップとを含む、新しい化学合成法を提供する。非特異的に立体異性化するステップと、溶液中のシリトールをシリトールジボレートに変換するステップと、シリトールジボレートを単離するステップとは、前述の通り実施することができる。
単離されたシリトールジボレートからシリトールへの変換は、任意の適切な方法によって実施することができる。いくつかの実施形態では、変換ステップは、加水分解反応を含む。特定の実施形態では、加水分解反応は、触媒によって媒介される。好ましい実施形態では、触媒は、例えば塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸などの鉱酸などの酸であるが、他の剤は、シリトールジボレートからシリトールへの加水分解を有用に触媒することができる。好ましくは、シリトールジボレートからシリトールへの加水分解を触媒するのに、硫酸または塩酸、好ましくは塩酸が使用される。
いくつかの実施形態では、単離されたシリトールジボレートからシリトールへの変換は、高温で、かつ/または長時間にわたって実施され得る。反応で使用される水溶液の相対的体積も、本発明の範囲内で所望に応じて変わり得る。例えば反応は、50℃超で少なくとも30分間、有用に実施することができる。いくつかの実施形態では、反応は、60℃超、70℃超、80℃超、またはさらには85℃超で実施される。いくつかの実施形態では、反応は、約75〜95℃、好ましくは約85〜95℃の範囲の温度で実施される。いくつかの実施形態では、反応は、少なくとも45分間、少なくとも1時間、またはさらには少なくとも1.5時間にわたって実施される。いくつかの実施形態では、反応は、約1〜5時間、また約1〜3時間、また約1.5〜3時間、また約1.5〜2.5時間、また約2〜3時間にわたって実施される。いくつかの実施形態では、加水分解反応は、少なくとも1体積の水溶液、少なくとも2体積の水溶液、少なくとも5体積の水溶液、またはさらにはより多い体積の水溶液中で実施される。いくつかの実施形態では、反応は、約6〜14体積、また約8〜12体積、また約10体積の約0.5〜2Nの酸、また約0.5〜1.5Nの酸、好ましくは約1Nの酸中で実施され、好ましくは、この酸はHClである。好ましい実施形態では、変換反応は、約10体積の約1NのHCl中、約85〜95℃で約1.5〜2.5時間にわたって実施される。
いくつかの実施形態では、変換反応をモニターして、反応の進行を評価することができる。酸は、加水分解反応中に消費されるので、かかるモニタリングは、例えば、溶液のpHを測定することによって実施することができる。いくつかの実施形態では、単離されたシリトールジボレートからシリトールへの変換は、例えばH NMRなどの分光学的技術もしくはクロマトグラフィー技術により、または他の適切な技術によりモニターされる。好ましい実施形態では、単離されたシリトールジボレートからシリトールへの変換は、pHを測定することによってモニターされる。いくつかの実施形態では、単離されたシリトールジボレートからシリトールへの変換は、反応後の溶液のpHが、2.0未満、3.0未満、4.0未満、または5.0未満になると完了したとみなされる。好ましい実施形態では、単離されたシリトールジボレートからシリトールへの変換は、反応後の溶液のpHが、2.0未満になると完了したとみなされる。
変換反応後、シリトールは、任意の適切な方法を使用して、溶液から単離することができる。いくつかの実施形態では、溶解したシリトールは、クロマトグラフィーまたは他の適切な方法によって、溶液から直接単離することができる。いくつかの実施形態では、溶解したシリトールは、単離の前に沈殿させ、または結晶化することができる。例えば、シリトールジボレートからシリトールへの変換後に得られた混合物は、好ましくは約20〜30℃に、好ましくは約3〜4時間にわたって冷却され、次に、約20〜30℃で、好ましくは約1〜2時間にわたって撹拌され得る。実質的に純粋なシリトールは、得られたスラリーから単離することができる。いくつかの実施形態では、単離されたシリトールジボレートの変換によって生成されたシリトールは、結晶化によって単離される。
固体シリトール生成物は、任意の適切な方法によって、例えば遠心分離または濾過によって、液相から有用に分離することができる。好ましい実施形態では、固体シリトールは、濾過によって単離される。しかし当業者は、液相から反応生成物を分離する他の方法を、該プロセスで用いることもでき、これらの方法は、本発明の範囲に含まれることを理解されたい。好ましい実施形態では、固体シリトール生成物は、液相から単離した後に洗浄される。
前述の通り、シリトールジボレートの最初の単離後に残った溶液(すなわちイノシトールの回収混合物)は、生成物の収率を増大させるために、有用にリサイクルすることができる。同様にして、ある場合には、単離されたシリトールジボレートをシリトールに変換し、シリトールを溶液から単離した後に残る溶液に対して、該方法のステップを反復することが望ましいことがある。得られた溶液は、ジボレートの回収混合物、ジボレートの回収溶液、ジボレートの回収上清、またはジボレートの回収濾液と呼ばれる。このジボレートの回収溶液は、反応してシリトールジボレートを形成することができ、このシリトールジボレートは、前述の方法によって単離することができる。次に、回収されたシリトールジボレートは、シリトールジボレートからシリトールを形成するために、前述の方法のステップによって処理することができる。いくつかの実施形態では、該ステップは、回収されたシリトールジボレート試料に対して、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15回、またはさらにはそれより多い回数で反復され、例えば、回収されたシリトールジボレート試料の1つのバッチからシリトールへの変換は、ステップの第1の反復になり、第2の回収されたシリトールジボレート試料からシリトールへの変換は、ステップの第2の反復になる等である。回収/リサイクルプロセスの範囲を明確にするために、立体異性化ステップ、シリトールからシリトールジボレートへの変換ステップ、シリトールジボレートの単離ステップ、およびシリトールへの変換ステップによって取り込まれるイノシトールの最初の反応では、シリトールを固体として単離して得られたジボレートの回収溶液は、第1のジボレートの回収溶液である。同様に、シリトールジボレートが、ジボレートの回収溶液を伴わない任意の他のプロセスから得られ、シリトールおよび単離されるシリトールに変換される場合、得られたジボレートの回収溶液は、第1のジボレートの回収溶液である。この第1のジボレートの回収溶液をリサイクルして、第1の回収されたシリトールジボレートを形成することができ、シリトールの単離によってシリトールに変換することができ、このステップから得られたジボレートの回収溶液は、第2のジボレートの回収溶液である。第2のジボレートの回収溶液から第2の回収されたシリトールジボレートへの変換、シリトールへの変換、およびシリトールの単離によって、第3のジボレートの回収溶液等が得られる。リサイクルプロセスで使用される回収されたシリトールジボレート試料は、回収されたシリトールジボレートの任意の組合せ、例えば第1の回収されたシリトールジボレートの2つ以上のバッチの組合せ、第1の回収されたシリトールジボレートおよび第2の回収されたシリトールジボレートの組合せ等であってよく、またはこのリサイクルプロセスでは喪失しなかった、回収されたシリトールジボレートおよびシリトールジボレートの組合せであってもよいが、それに限定されるものではない。収率の改良は、わずか1回のリサイクルによって、すなわちステップを介して第1の回収ジボレート溶液の1つのバッチをシリトールに変換することによって、得ることができる。好ましい一実施形態では、リサイクルステップは、第1の回収ジボレート溶液の少なくとも2つのバッチに対して実施される。
別の態様では、シリトールを調製するプロセスを改良する方法を提供し、その改良は、シリトールジボレートからシリトールを形成するステップを含む任意のプロセスに適用することができる。様々なプロセスが、イノシトールの他の異性体などの不純物を含む混合物におけるシリトールの形成を伴う。例えば、ミオ−イノシトール溶液を非特異的に立体異性化すること、ヘキサヒドロキシベンゼン溶液をラネーニッケルで還元すること、ミオ−イノシトール溶液を生物変換プロセスに供してシリトールおよび/またはシロ−イノソーゼを生成すること(必要に応じてシロ−イノソーゼを反応させて追加のシリトールを形成することをさらに含む)は、すべてシリトールを提供するが、このシリトールは、混合物から精製される必要がある。かかる混合物からシリトールを精製するための公知の一方法は、シリトールのジボレート錯体を形成することであり、この錯体は、例えば、前述の通り混合物から容易に沈殿させて、不純物からシリトールジボレートを単離することができる。次に、単離されたシリトールジボレートを反応させて、シリトールを形成することができ、このシリトールは、実質的に純粋な形態で単離することができる。したがって、実質的に純粋なシリトールを調製するための様々な公知のプロセスのいずれかは、そのプロセスの一部としてシリトールジボレートの形成を伴うことができ、本明細書に提示の方法によって改良することができる。提供される方法は、単離されたシリトールジボレートから実質的に精製されたシリトールに変換することと、例えば濾過によってシリトールを単離することと、残りの溶液(例えば、上清または濾液であり、シリトールは濾過によって収集される)をリサイクルして、回収されたシリトールジボレートを形成することとを含み、この回収されたシリトールジボレートを追加のシリトールに変換し、それによってシリトールの全収率を改良することができる。濾液は、必要に応じて、濾過されたシリトールの水性洗浄によって得られる濾液と混合される。かかる濾液または上清は、ジボレートの回収上清(またはジボレートの回収濾液、ジボレートの回収溶液、もしくはジボレートの回収混合物)と呼ばれ、シリトールジボレートに変換し戻すことができる。
いくつかの実施形態では、回収されたジボレート混合物は、混合物を加熱し、塩基を添加して塩基性水性混合物にし、シリトールジボレートを混合物から沈殿させることによって、シリトールジボレートに変換される。いくつかの実施形態では、回収されたジボレート混合物は、i)混合物を加熱するステップと、ii)混合物のpHを約9〜10に調節するステップと、iii)シリトールジボレートを混合物から沈殿させるステップとに従って、シリトールジボレートに変換される。いくつかの実施形態では、ジボレートの回収混合物は、i)混合物を、好ましくは約80〜90℃に加熱するステップと、ii)塩基を添加して、pH約9〜10の混合物を提供するステップと、iii)混合物を冷却して、シリトールジボレート沈殿物を提供するステップと、iv)冷却した混合物を撹拌して、スラリーを提供するステップとに従って、シリトールジボレートに変換し戻すことができる。いくつかの実施形態では、ジボレートの回収混合物は、i)混合物を約80〜90℃に加熱するステップと、ii)塩基を添加して、pH約9〜10の混合物を提供するステップと、iii)混合物を、好ましくは約20〜30℃に冷却して、シリトールジボレート沈殿物を提供するステップと、iv)冷却した混合物を、好ましくは約20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供するステップとに従って、シリトールジボレートに変換し戻すことができる。いくつかの実施形態では、ジボレートの回収混合物は、i)混合物を約80〜90℃に加熱するステップと、ii)塩基を添加して、pH約9〜10の混合物を提供するステップと、iii)混合物を約20〜30℃に冷却するステップと、iv)混合物を撹拌して、シリトールジボレート沈殿物を含むスラリーを提供するステップとに従って、シリトールジボレートに変換し戻すことができる。所望のシリトールジボレートは、液体とミックスされた固体沈殿物を分離するための当技術分野で公知の方法によって、例えば、デカンテーション、遠心分離、沈殿等、好ましくは濾過によって、得られたスラリーから固体として単離することができる。いくつかの実施形態では、ジボレートの回収混合物は、i)混合物を加熱するステップと、ii)混合物のpHを約9〜10に調節するステップと、iii)シリトールジボレートを混合物から沈殿させるステップと、iv)シリトールジボレートを固体として単離するステップとに従って、シリトールジボレートに変換し戻すことができる。いくつかの実施形態では、ジボレートの回収混合物は、i)混合物を約80〜90℃に加熱するステップと、ii)塩基を添加して、pH約9〜10の混合物を提供するステップと、iii)混合物を冷却して、シリトールジボレート沈殿物を提供するステップと、iv)シリトールジボレートを固体として単離するステップとに従って、シリトールジボレートに変換し戻すことができる。
いくつかの実施形態では、ジボレートの回収混合物は、i)混合物を約80〜90℃に加熱するステップと、ii)塩基を添加して、pH約9〜10の混合物を提供するステップと、iii)混合物を約20〜30℃に冷却するステップと、iv)冷却した混合物を約20〜30℃で撹拌して、シリトールジボレート沈殿物を含むスラリーを提供するステップと、iv)シリトールジボレートを固体として単離するステップとに従って、シリトールジボレートに変換し戻すことができる。いくつかの実施形態では、ジボレートの回収混合物は、i)混合物を約80〜90℃に約2〜3時間にわたって加熱するステップと、ii)NaOHを添加して、pH約9〜10の混合物を提供するステップと、iii)混合物を、約20〜30℃に約3〜4時間にわたって冷却するステップと、iv)混合物を約20〜30℃で少なくとも1時間にわたって撹拌して、シリトールジボレート沈殿物を含むスラリーを提供するステップと、v)スラリーを濾過して、シリトールジボレートを固体として提供するステップとに従って、シリトールジボレートに変換し戻すことができる。ステップv)由来のジボレートの回収混合物も、同様にリサイクルすることができる。いくつかの実施形態では、ジボレートの回収混合物は、i)混合物を加熱するステップと、ii)混合物のpHをpH約9〜10に調節するステップと、iii)混合物を冷却することによって、シリトールジボレートを沈殿させるステップと、iv)冷却した溶液を撹拌して、スラリーを提供するステップと、iv)シリトールジボレートを固体として単離するステップとに従って、シリトールジボレートに変換し戻すことができる。
いくつかの実施形態では、i)好ましくは反応容器中、水性酸、好ましくは約1NのHCl中で、シリトールジボレートの混合物を約85〜95℃に加熱するステップと、ii)混合物を、高温で、好ましくは約85〜95℃で撹拌して、溶液を得るステップと、iii)溶液を、好ましくは約20〜30℃に冷却するステップと、iv)溶液を、好ましくは約20〜30℃で撹拌して、スラリーを提供するステップと、v)スラリーを濾過して、ジボレートの回収濾液から実質的に純粋なシリトールの固体を単離するステップと、vi)必要に応じて、反応容器を約0.5〜2体積の水ですすぎ、このすすぎ液を実質的に純粋なシリトールの固体を通して濾過するステップと、vii)必要に応じて、ステップvi)を反復するステップとを含む、実質的に純粋なシリトールを調製する方法を提供する。得られたジボレートの回収濾液は、viii)第2の反応容器中、ステップv)由来のジボレートの回収濾液を、必要に応じてステップvi)およびvii)由来のすすぎ液(複数可)と混合して、好ましくは約80〜90℃に加熱するステップと、ix)塩基、好ましくはNaOHを、ジボレートの回収濾液に添加して、pHを約9〜10の範囲内にし、それによって第2の混合物を形成するステップと、x)第2の混合物を、高温で、好ましくは約80〜90℃で撹拌するステップと、xi)第2の混合物を、好ましくは約20〜30℃に冷却するステップと、xii)第2の混合物を、好ましくは約20〜30℃で撹拌して、第2のスラリーを提供するステップと、xiii)第2のスラリーを濾過して、回収されたシリトールジボレートの固体を、追加のジボレートの回収濾液から単離するステップと、xiv)必要に応じて、第2の反応容器を、約0.5〜2体積の水、好ましくは約1体積の水ですすぎ、このすすぎ液を回収されたシリトールジボレートの固体を通して濾過するステップと、xv)必要に応じて、ステップxiv)を反復するステップと、xvi)ステップi)からvii)を通して回収されたシリトールジボレートの固体をリサイクルして、追加の実質的に純粋なシリトールの固体および追加のジボレートの回収濾液を提供するステップと、xvii)必要に応じて、ステップv)およびxvi)由来の実質的に純粋なシリトールの固体を混合するステップとに従ってリサイクルすることができる。いくつかの実施形態では、ステップi)で使用されるシリトールジボレートは、ステップxiii)から単離され、または本明細書に記載の通り、必要に応じてすすいで回収したシリトールジボレートの任意のバッチに由来するものであってよい(すなわち、この方法によって調製された、回収されたシリトールジボレートであり得る)。いくつかの実施形態では、ステップi)で使用されるシリトールジボレートは、本明細書に記載の回収されたシリトールジボレートである。いくつかの実施形態では、ステップi)で使用されるシリトールジボレートは、シリトールの精製を伴う任意のプロセスから、シリトールジボレートを形成することによって単離される。
本明細書に記載の方法で得られるシリトールの収率は、様々なステップで使用される条件に応じて変わり得る。いくつかの実施形態では、シリトールの全収率は、少なくとも20%、25%、30%、35%または40%である。
本明細書で提供される方法は、例えばヒトにおける使用に適した高純度の生成物を大規模に生成するという追加の利点をもたらす。特に、本方法に従って生成されるシリトールジボレートおよびシリトールは、合成法の高い効率にも関わらず、相対的に低レベルの不純物を含有する。いくつかの実施形態では、該方法は、100ppm以下のニッケルまたはアルミニウムを含有するシリトールを提供する。いくつかの実施形態では、該方法は、50ppm以下のニッケルまたはアルミニウムを含有するシリトールを提供する。好ましい実施形態では、該方法は、20ppm以下のニッケルまたはアルミニウムを含有するシリトールを提供する。かなり好ましい実施形態では、該方法は、20ppm、また10ppm、また5ppm、また3ppm以下のニッケルを含有するシリトールを提供する。他のかなり好ましい実施形態では、該方法は、50ppm、また30ppm、また20ppm、また10ppm、また5ppm以下のアルミニウムを含有するシリトールを提供する。さらに他の実施形態では、該方法は、約300ppm、また約200ppm、また約100ppm、また約60ppm以下のホウ素を含有するシリトールを提供する。試料におけるこのような不純物のレベルの低さは、本明細書に記載の回収方法およびリサイクル方法を使用して、例えばイノシトールの回収混合物のリサイクルを使用して、ジボレートの回収混合物から回収されたジボレートをリサイクルして達成される。
本発明の範囲またはその任意の実施形態から逸脱することなく、他の適切な改変および適応が、本明細書に記載の方法および適用に加えられ得ることを、当業者は容易に理解されよう。ここで本発明を詳説してきたが、例示のみを目的として本明細書に含まれ、本発明を限定するものではない以下の実施例を参照することによって、本発明をより明確に理解されよう。
(実施例)
以下の実施例は、本明細書に記載の方法を例示するために使用され、本発明のプロセスに含まれるバッチに言及するものであり、これらのバッチは、リサイクルステップを伴うかまたは伴わないプロセスに含まれる内部バッチであると理解される。出発材料の1つのロットまたはバッチから、最終的な量の回収されたシリトールに至る全プロセスは、実質的に純粋なシリトールの最終的なバッチを表し、該プロセスに含まれる内部バッチ(例えば、サブセットバッチ)を混合して、シリトールの最終的なバッチを形成することができる。シリトールの全収率および量は、該プロセスが本明細書に記載のリサイクルステップを含むか含まないかに関わらず、最終的なバッチ(例えば、内部バッチまたはサブセットバッチの組合せ)に基づいて決まる。
リサイクルされた濾液を用いてすべて水溶液系で実施される(all−aqueous)プロセスを使用するミオ−イノシトールからのシリトールの合成
シリトールを、以下に示すスキームに従って、ミオ−イノシトールから効率的に調製した。
Figure 2013543513
該プロセスの全収率は、例えば図1に示す通り、不溶性シリトールジボレートを単離し、その溶液(すなわちイノシトールの回収溶液)を、必要に応じてミオ−イノシトールを添加して追加の異性化に供し、ジボレートを形成した後に残る溶液をリサイクルすると、著しく増大し得ることを発見した。
図2は、ジボレートの6つのバッチからなるプロセスについて予測される収率と共にバッチツリーを示しており、このプロセスにおいて、その後の各バッチでは、先のジボレートの調製物由来のジボレートの濾液(すなわちジボレートの回収濾液)を使用する。さらに、38.4%の最初のミオ−イノシトール投入量を、リサイクルされた濾液を使用して、ジボレートのバッチに添加する。7種類の量(合計)のシリトールを、すべて水溶液系で実施される単離を使用して調製し、その後、ジボレートに変換することによって、濾液からシリトールを回収した。反応は、主に、12Lおよび22Lのジャケット付き反応器内で実行した。
方法
シリトールジボレートの調製
シリトールジボレートを調製するための第1のステップは、水中にてほぼ還流状態でのスポンジニッケルにより媒介されるミオ−イノシトールの異性化をして、ほぼ22%のシリトール(HPLCで判定した)からなるイノシトールの混合物を得ることを含む。粗反応混合物をニッケルから分離した後、四ホウ酸ナトリウムを用いて80〜90℃およびpH9〜10で処理することによって、シリトールをシリトールジボレートに選択的に変換する。次に、冷却することによって、シリトールジボレートを結晶化し、17〜20%の収率および>99%のHPLC純度(AUC)で単離する。ジボレートのすべての6つのバッチは、予測通り進行した(表1)。異性化反応は、95〜100℃に加熱するのに2〜3時間を必要とし、分析のために1、2および3時間後に、それぞれをサンプリングした。5つすべての反応が、H NMRによるミオ/シロ比2〜3:1(一般的)をもたらしたが、1つを除いて全てのバッチが、>20%AUC(HPLC分析)のシロ−イノシトールをもたらした(表2)。ジボレートの形成は、1時間以内にH NMRでミオ/シロ比>60:1(一般的)をもたらし、その後の結晶化は、14〜16時間(終夜)にわたって進行した。得られたジボレートスラリーを、非常に急速に濾過し、大型の白色結晶として単離した。ジボレートのフィルターケーキは、H NMRスペクトルが一致し、98.7%〜99.2%AUCのHPLC純度および46.8%〜56.4%の湿気レベルを有することが見出された。ニッケルおよびアルミニウム分析によって、ニッケルでは<1ppmから17ppm、アルミニウムでは<1ppmから28ppmの範囲のレベルが明らかになった。湿気含量を補正した収率は、17.1%から20.3%の範囲であった。
Figure 2013543513
ジボレートの産出量を、フィルターケーキの重量として、湿気含量を補正した収率と共に報告する。
Figure 2013543513
より高い最高温度設定の温度制御モジュールに切り替える前に、83℃でサンプリングした。
15分後にサンプリングした。
品質を保証する目的で、リサイクルする前のジボレートの濾液で、遊離試験を実施することが有益となり得る。この遊離試験は、例えば、濾液のHPLC分析に基づいて行うことができる。表3に、代表的なジボレートの濾液に関するHPLCデータを報告する。全般的に、未知の微量の不純物が徐々に増加するように見える一方で、公知の主要な不純物のレベルが、徐々に減少するように見える。このことは、低レベルの不純物が、経時的に徐々に増加する可能性があることと一致する。また、1/10規模の追加のリサイクルから得られた濾液を、HPLCによって分析して、この現象のより詳しい全体像を得た(表8)。これらの結果に基づくと、リサイクルされた濾液では、>37%の収率の出発ミオ−イノシトールが達成され得ると予測される。
Figure 2013543513
シリトールの調製
シリトールジボレートからシリトールへの変換は、塩酸によって媒介される加水分解を介して達成した。該プロセスは、2当量の塩化ナトリウムおよびホウ酸を生成する。反応を、10体積の1NのHCl中、85〜95℃で実施し、その後、結晶化することによって、収率60〜65%で純度>99.9%(HPLC)のシリトールを得た。
予測通り、シリトールの7つのバッチが進行した。加水分解反応物を、85〜95℃に1.5〜2.5時間にわたって加熱すると、この最中に、スラリーが溶液になった。バッチのすべてについて、第1の分析(10分から1時間後のH NMR)では、検出可能なレベルのジボレートは明らかにならなかった(pHおよそ0.5)。バッチを、20〜30℃に3〜4時間にわたって冷却し、次に20〜30℃で1〜2時間撹拌した。得られたシリトールのスラリーを、非常に急速に濾過し、大型の白色結晶として単離した(92〜95%固体)。真空乾燥を75〜80℃で実施したが、<0.1%湿気(オーブンKF)に達するのに16時間未満の時間を要した。収率は57〜66%の範囲であり、材料は一致するH NMR、IRおよびXRPDデータを有した(表4および5)。ニッケルおよびアルミニウムレベルは低く、ホウ素レベルは、60ppm近くで一致していた。表5に報告した追加のデータには、DSC、ナトリウムレベル、粒径および強熱残分(ROI)が含まれる。
残留ホウ素レベルを低減するために、バッチ12に改変を加えた(バッチ7〜11は56〜73ppm)。先のバッチは、最初に反応器をすすぐために使用した2つのフィルターケーキ洗浄液を利用した。第1の洗浄後、反応器には一般に最小限の生成物が残っていたので、そのフィルターケーキに、第2の洗浄を直接的に利用することを決定した。このことは、ただ1つの実験結果であり、バッチ12のホウ素レベルは、観測された中でも最小であった。
Figure 2013543513
シリトールは、遊離HPLC法を使用して分析した。
XRPDパターンは、先の作業で観測されたパターンと一致した。
Figure 2013543513
バッチ8および9の上限粒径データ(およそX95)は、900μmを超えたが、これは、使用した機器の許容される精度範囲外である。また、バッチ8〜10の試料を、粒径分析のためにParticle Technology Labs(Downers Grove、IL)に送付した。PTLの結果を括弧内に示す。
シリトールバッチの調製から収率のすべてを入手した時点で、最終的なシリトールの産出量722.3g(35.3%)は、予測した産出量769g(37.6%、図2)より2.3%低かったことに注目すべきである。この差異は、ジボレートについて予測した段階1の収率(20%)を、実際の段階1の全収率(19%)で置き換えることによって説明することができる。この適切な置換により、シリトールの全産出量は733g(35.8%)であると予測された。図4参照。さらに、シリトール3〜5gの喪失は、ジボレートの各ロットのサンプリングに起因すると説明することができる。
回収されたジボレートの調製
シリトールをそれぞれ単離した後、化合物を85〜95℃に加熱し、pHを9〜10に増加させ、次に20〜30℃に冷却することによって、ジボレートのバッチを酸性濾液から回収した。大規模な生成のための装置の使用を最適化するために、加水分解の濾液のそれぞれからジボレートを別個に回収するのではなく、シリトールバッチ7〜9由来の3つの濾液を混合し、回収されたジボレートの1つのバッチを調製するために使用した。バッチ10〜13については、別個に回収を実施した。
回収されたジボレートの5つのバッチは、濾液を80〜90℃に1〜2時間にわたって加熱し、腐食剤でpHを9.0に調節し、バッチを80〜83℃で1時間かき混ぜ、20〜30℃に2.5〜4.5時間にわたって冷却し(バッチ10から得たバッチは、14時間冷却した)、20〜30℃で2時間にわたって撹拌すると、予測通りに進行した。表6に、回収されたジボレートの5つのバッチに関するデータをまとめる。収率は、29〜35%の範囲であり、HPLC純度は>99.9%であった。ニッケルおよびアルミニウムレベルは、その後回収された各ジボレートで増大していたが、得られたシリトールのバッチでは、低レベルのままであった(表6)。
Figure 2013543513
ジボレートの産出量を、フィルターケーキの重量として、湿気含量を補正した収率と共に報告する。
ジボレートは、HPLCで分析した。
理論に拘泥するものではないが、ニッケルおよびアルミニウムレベルの増大について考えられる説明は、ニッケルおよびアルミニウムの水酸化物および塩化物塩の溶解度に基づくものである。加水分解ステップの最中、回収されたジボレートの第1のバッチにおける34ppmのニッケルおよび9ppmのアルミニウムは、対応する可溶性の塩化物に変換され、この塩化物は濾液に残り、したがって許容されるシリトールをもたらす。酸性濾液が、回収されたジボレートのその後のバッチ(pH9〜10)に変換されると、ニッケルおよびアルミニウムの得られた不溶性の水酸化物塩は、ジボレートと共に沈殿する。このプロトコルをそれぞれ繰り返すことにより、回収されたジボレートの得られる質量は減少し、それによってニッケルおよびアルミニウムのレベルが増大した。
この実施例は、リサイクルに起因する汚染の潜在的可能性に関して、最悪の事態を表すように設計した。これらのデータは、この手法によって、許容される汚染物質のレベルでシリトールが得られることを示しているが、リサイクル条件は、正常な生成が行われている最中に用いることができる。具体的には、回収されたジボレートを、新しいジボレートとブレンドして、その後のジボレートのバッチに存在する残留ニッケルおよびアルミニウムの量を低減することができる。
ジボレート濾液の追加の1/10規模のリサイクル
該プロセスの別の態様では、前述の通り、第1の5回のリサイクルを実施した後、ジボレートの濾液のリサイクルを、1/10規模で10回継続した。この行為の目的は、このリサイクルプロトコルで不具合を生じる点が観測され得るかどうかを決定するものであった。最初に、これらの追加のジボレートバッチの質を、前述のバッチと単に比較した。ただし、最初の評価後に、ジボレートの最後のバッチをシリトールに持ち越した。原則として、この反応は、ジボレートの濾液の15回目の成功裏のリサイクルを表し、ジボレートの収率を45%近くまで上げる。
ジボレートの濾液の、1/10規模による10回の追加のリサイクルが完了した。これらの反応は、異性化の分析(H NMR)およびジボレート形成の分析(H NMR)に関して予測された通りに進行し、H NMRスペクトルが一致し、HPLC純度が>99.9%のジボレートのバッチ(バッチ14〜23)をもたらした。表7に、これらの実験データをまとめる。15回リサイクルした後のジボレートの質は、許容されるが、収率は変動しながら減少したように見える(図3)。第1の8回の反応および第2の8回の反応についての平均収率は、それぞれ18.9%および15.7%であった。表8に、1/10規模のリサイクルのそれぞれについてのHPLCプロファイルを一覧にする。これらのデータは、HPLCで観測された各構成成分の相対量が、相対的に一定であったことを示している。
Figure 2013543513
産出量を、フィルターケーキの重量として報告し、収率を、湿気含量を補正する。
ジボレートの濾液の15回目のリサイクルから生じたジボレートから、高い質のシリトールが得られると分かることが望ましいことであった。この目的のために、ジボレートのバッチ22を、シリトールに持ち越したが、得られた材料(バッチ23)は、0.3%であることが見出されたROI%以外のすべての仕様を満たした(表9)。この結果および前述の収率の低下に基づくと、ジボレートの濾液は、8〜10回を超えてリサイクルされることは好ましくない。次に、ジボレートバッチ16(8回目のリサイクル)をシリトール(バッチ24)に持ち越すことを決定した。再度、材料は、ROI%以外のすべての仕様を満たした(表9)。両方の試料を、ROIのために再提示すると、バッチ24は<0.1%のROIを有することが見出され、バッチ23は0.5%ROIを有することが見出された。理論に拘泥するものではないが、この矛盾は、試料を消化するために使用した硫酸の汚染から生じ得る。利用可能な金属分析によって、低レベルの残留金属が明らかになったので、高ROIの供給源が何であるかは明らかにならなかった。ROI分析から得た残渣に対するICP分析では、0.3%〜0.5%ROIレベルの原因になるのに十分高いレベルの任意の要素は同定されなかった。さらなるリサイクルが実行可能であり得る一方、この情報に基づくと、ジボレートの濾液を5回リサイクルすることが推奨される。
Figure 2013543513
Figure 2013543513
保持時間は、表3に報告したものとわずかに異なっているが、このことは、分析方法の展開中に行なったHPLC法の改変によるものであることに留意されたい。
Figure 2013543513
再提示した試料からの結果を、括弧内に報告する。
加水分解反応−pHによる分析
前述の加水分解反応を、H NMRによって分析して、シリトールジボレートが完全に消費されることを決定した。この分析では、反応が完了していた(80℃でわずか10分後に)ことが常に実証された。これらの結果に基づき、この反応が失敗する最も可能性の高い理由は、塩酸の投入量が足りないかどうか、塩基性の汚染物質が反応器に添加されたかどうか、またはシリトールジボレートの投入量が多すぎたかどうかであると結論付けた。これらの潜在的偏差のすべてには、通常よりも高いpHが伴い得る。pHの測定による反応分析は、該プロセスを単純化し、サイクル時間を著しく低減させ得る。
このことをさらに調査するために、ジボレートのフィルターケーキ(バッチ15、15.75g、36.5%LOD、36.3mmol)を、DI水(90mL、9.6体積)でスラリー化し、そのスラリーを85〜87℃に加熱して(pH9.7)、実験を実行した。濃HClを、8つの一定分量(8×1mL、合計96.5mmol)に添加し、それぞれHClを入れて10〜20分後に、反応物のpHを記録し、試料をH NMRによって分析した(表10)。HClの第4の添加後、スラリーは溶液(pH5.8)になり、HClの第5の添加後、ジボレートは、H NMRでは検出されなかった(pH1.1)。HClの残りの添加後のpHは、0.5に達した(一般的)。これらの結果に基づくと、加水分解反応のために一般に使用されるHClのほぼ60%が必要とされ、反応は、1.1〜5.7のpHで完了する。この実験は、反応の進行中にpHを測定することによって、反応を有用にモニターできることを示している。
Figure 2013543513
結論
前述の結果は、シリトールジボレートおよびシリトール(ジボレートの6つのバッチおよびシリトールの7つのバッチ)を調製するための、すべて水溶液系で実施されるプロセスを実証している。この評価では、ジボレートの濾液のリサイクル(すなわちイノシトールの回収濾液の、異性化反応へのリサイクル)、炭素処理の排除、すべて水溶液系で実施されるシリトールの単離、および加水分解濾液からのジボレートの回収に焦点を当てた。反応は、主に12Lおよび22Lのジャケット付き装置内で、長い保持時間で実行された。この手順は、全収率を17%から35%に増大させることに成功した(先の実験室での実験に基づいて予測される通り)。シリトールの質は、標準の生成手順を使用して得られる材料に匹敵するものであった。さらに、この廃棄物流をリサイクルことに関して、不具合を生じる点があるかどうかを見出すために、ジボレートの濾液を、10回の繰返しに対し1/10規模で、さらにリサイクルした。この研究では、シリトールの収率または質に有害作用を及ぼすことなく、ジボレートの濾液を5回、成功裏にリサイクルできることが明らかになった。ジボレートの濾液の追加のリサイクルが実行され得る可能性がある。これらの実施例に記載のプロセスは、シリトールの大規模な生成に向けてスケールアップしており、188.0kgから292kgの範囲のシリトールジボレートのいくつかのロット、ならびにHPLCで99.9%以上の純度、11ppmから225ppmのホウ素レベル、0.18ppmから0.63ppmのアルミニウムレベル、および0.27ppmから1.4ppmのニッケルレベルを有するシリトール87.0kgから108.6kgの範囲の最終的な材料をもたらし、これにより、本明細書に記載の方法が、製薬上の使用またはヒトによる消費のためにシリトールを商業的に生成するのに適していると実証された。これらのプロセスは、さらにスケールアップされ得るか、またはバッチを混合して、約500kg、また約1000kg、また約2000kg、また約3000kg、また約4000kg、また約5000kgを超えるシリトールジボレート、例えば約1〜5000kg、また約10〜5000kg、また約50〜5000kg、また約50〜4000kg、また約50〜3000kg、また約50〜2000kg、また約50〜1000kg、また約50〜500kg、また約50〜300kgのシリトールジボレート、および約500kg、また約1000kg、また約2000kg、また約3000kg、また約4000kg、また約5000kgを超えるシリトールの、効率的かつ対費用効果の高い生成をもたらすことができる。したがって、本明細書に記載の方法は、約1〜5000kg、また約10〜5000kg、また約50〜5000kg、また約50〜4000kg、また約50〜3000kg、また約50〜2000kg、また約50〜1000kg、また約50〜500kg、また約50〜200kgのシリトールを商業的に生成するのに適している。
実験手順
すべての原料を、さらなる精製なしに使用した。すべての残留金属の分析を、Robertson Microlit Laboratories Inc.に委託した。プロトンNMRスペクトルを、Bruker AV300を使用して300MHzで得た。すべての他の分析法は、Albany Molecular Research,Inc.(Albany、NY)によって実施された。
Figure 2013543513
Figure 2013543513
Figure 2013543513
Figure 2013543513
本明細書で言及したすべての特許文書、特許出願文書および他の刊行済み参考文献は、あたかもそれぞれが参考として本明細書に個々に具体的に援用されているかのように、それらの全体が参考として本明細書に援用される。
具体例を提供してきたが、先の説明は例示的なものであり、制限的ではない。前述の実施形態の特徴の任意の1つまたは複数は、本発明における任意の他の実施形態の1つまたは複数の特徴と、任意の方式で組み合わせることができる。さらに、本発明の多くの変形形態は、本明細書を再検討することによって当業者には明らかになろう。したがって本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を、それらの等価物の完全な範囲と共に参照することによって決定されるべきである。

Claims (81)

  1. a)シリトールジボレートをシリトールに変換し、それによって第1のシリトール混合物を形成するステップと、
    b)前記シリトールを、前記第1のシリトール混合物から固体として単離して、第1の量の実質的に純粋なシリトールおよびジボレートの回収混合物を提供するステップと、
    c)前記ジボレートの回収混合物をリサイクルして、追加量の実質的に純粋なシリトールを提供するステップと
    を含む、実質的に純粋なシリトールを調製する方法。
  2. ステップa)が、加水分解反応を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記加水分解反応が、シリトールジボレートを、約8〜12体積の約1Nの酸と混合することを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記1Nの酸が、1NのHClである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記加水分解反応が、約75〜95℃の範囲の温度で実施される、請求項4に記載の方法。
  6. ステップa)が、前記第1のシリトール混合物中のシリトールの沈殿をさらに含む、請求項5に記載の方法。
  7. ステップb)が、濾過を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記ジボレートの回収混合物をリサイクルするステップが、
    d)前記ジボレートの回収混合物を、回収されたシリトールジボレートに変換するステップと、
    e)ステップd)由来の前記回収されたシリトールジボレートを、固体として単離するステップと、
    f)前記回収されたシリトールジボレートをシリトールに変換し、それによって第2のシリトール混合物を形成するステップと、
    g)前記シリトールを、前記第2のシリトール混合物から固体として単離して、追加量の実質的に純粋なシリトールおよび追加のジボレートの回収混合物を提供するステップと
    を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. ステップd)が、塩基性の水性反応混合物中での、前記ジボレートの回収混合物の反応を含む、請求項8に記載の方法。
  10. ステップd)が、約80〜90℃の範囲の温度で実施される、請求項9に記載の方法。
  11. ステップd)が、前記反応混合物中の前記回収されたシリトールジボレートの沈殿をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. ステップe)が、濾過を含む、請求項8〜11のいずれかに記載の方法。
  13. ステップf)が、加水分解反応を含む、請求項8〜12のいずれかに記載の方法。
  14. ステップf)の前記加水分解反応が、回収されたシリトールジボレートを、約8〜12体積の約1Nの酸と混合することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. ステップf)の前記1Nの酸が、1NのHClである、請求項14に記載の方法。
  16. ステップf)の前記加水分解反応が、約75〜95℃の範囲の温度で実施される、請求項15に記載の方法。
  17. ステップf)が、前記第2のシリトール混合物中のシリトールの沈殿をさらに含む、請求項8〜16のいずれかに記載の方法。
  18. ステップg)が、濾過を含む、請求項8〜17のいずれかに記載の方法。
  19. a)ミオ−イノシトールを含む第1の混合物を、前記ミオ−イノシトールの少なくとも一部をシリトールに変換するプロセスに供し、それによって第2の混合物を形成するステップと、
    b)前記第2の混合物中の前記シリトールを、シリトールジボレートに変換し、それによって第3の混合物を形成するステップと、
    c)前記シリトールジボレートを、前記第3の混合物から固体として単離して、単離されたシリトールジボレートおよび第1のイノシトールの回収混合物を提供するステップと、
    d)前記単離されたシリトールジボレートを、シリトールに変換し、それによって第4の混合物を形成するステップと、
    e)前記シリトールを、前記第4の混合物から固体として単離して、単離された実質的に純粋なシリトールおよび第1のジボレートの回収混合物を提供するステップと、
    f)前記第1のイノシトールの回収混合物を、追加のミオ−イノシトールと混合して、第5の混合物を形成するステップと、
    g)ステップa)からc)を、前記第5の混合物に対して反復して、追加の単離されたシリトールジボレートおよび第2のイノシトールの回収混合物を提供するステップと、
    h)ステップd)を、前記追加の単離されたシリトールジボレートに対して反復し、それによって第6の混合物を形成し、ステップe)を、前記第6の混合物に対して反復して、追加の単離された実質的に純粋なシリトールおよび第2のジボレートの回収混合物を提供するステップと
    を含む、実質的に純粋なシリトールを調製する方法。
  20. ステップf)で前記第2のイノシトールの回収混合物を使用して、ステップf)からh)が、反復される、請求項19に記載の方法。
  21. i)ステップe)由来の前記第1のジボレートの回収混合物を反応させて、回収されたシリトールジボレート混合物を形成するステップと、
    j)前記回収されたシリトールジボレートを、前記回収されたシリトールジボレート混合物から単離するステップと、
    k)ステップd)およびe)を、前記回収されたシリトールジボレートに対して反復し、それによって追加の単離された実質的に純粋なシリトールおよび追加のジボレートの回収混合物を提供するステップと
    をさらに含む、請求項19に記載の方法。
  22. ステップa)が、立体異性化プロセスを含む、請求項19に記載の方法。
  23. 前記立体異性化プロセスが、触媒によって媒介される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記触媒が、スポンジニッケルである、請求項23に記載の方法。
  25. 前記立体異性化プロセスが、約90〜100℃の範囲の温度で実施される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記立体異性化プロセスが、水性塩基中で実施される、請求項25に記載の方法。
  27. ステップa)が、生物変換プロセスを含む、請求項19に記載の方法。
  28. ステップb)が、四ホウ酸ナトリウムとの反応を含む、請求項19〜26のいずれかに記載の方法。
  29. ステップb)が、約75〜95℃の範囲の温度で実施される、請求項28に記載の方法。
  30. ステップb)の前記反応が、約8〜11の範囲のpHで実施される、請求項29に記載の方法。
  31. ステップb)が、前記第3の混合物中のシリトールジボレートを沈殿させることを含む、請求項30に記載の方法。
  32. ステップc)が、濾過を含む、請求項19〜31のいずれかに記載の方法。
  33. ステップd)が、加水分解反応を含む、請求項19〜32のいずれかに記載の方法。
  34. 前記加水分解反応が、シリトールジボレートを、約8〜12体積の約1Nの酸と混合することを含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記1Nの酸が、1NのHClである、請求項34に記載の方法。
  36. 前記加水分解反応が、約75〜95℃の範囲の温度で実施される、請求項35に記載の方法。
  37. ステップd)が、前記第4の混合物中のシリトールを沈殿させることをさらに含む、請求項36に記載の方法。
  38. ステップe)が、濾過を含む、請求項19〜37のいずれかに記載の方法。
  39. ステップi)が、塩基性の水性反応混合物中での、前記第1のジボレートの回収混合物の反応を含む、請求項21に記載の方法。
  40. ステップi)が、約80〜90℃の範囲の温度で実施される、請求項39に記載の方法。
  41. ステップi)が、前記回収されたシリトールジボレート混合物中の前記回収されたシリトールジボレートの沈殿をさらに含む、請求項40に記載の方法。
  42. ステップj)が、濾過を含む、請求項21〜41のいずれかに記載の方法。
  43. a)ミオ−イノシトールを含む第1の混合物を、前記ミオ−イノシトールの少なくとも一部をシリトールに変換するプロセスに供し、それによって第2の混合物を形成するステップと、
    b)前記第2の混合物中の前記シリトールを、シリトールジボレートに変換し、それによって第3の混合物を形成するステップと、
    c)前記シリトールジボレートを、前記第3の混合物から固体として単離して、単離されたシリトールジボレートおよび第1のイノシトールの回収混合物を提供するステップと、
    d)前記単離されたシリトールジボレートをシリトールに変換し、それによって第4の混合物を形成するステップと、
    e)前記シリトールを、前記第4の混合物から固体として単離して、単離された実質的に純粋なシリトールおよび第1のジボレートの回収混合物を提供するステップと、
    f)回収されたシリトールジボレート混合物中で、前記第1のジボレートの回収混合物を反応させて、回収されたシリトールジボレートを形成するステップと、
    g)前記回収されたシリトールジボレートを、前記回収されたシリトールジボレート混合物から単離するステップと、
    h)ステップd)およびe)を、前記回収されたシリトールジボレートに対して反復し、それによって追加の実質的に純粋なシリトールおよび第2のジボレートの回収混合物を提供するステップと
    を含む、実質的に純粋なシリトールを調製する方法。
  44. ステップa)が、立体異性化プロセスを含む、請求項43に記載の方法。
  45. 前記立体異性化プロセスが、触媒によって媒介される、請求項44に記載の方法。
  46. 前記触媒が、スポンジニッケルである、請求項45に記載の方法。
  47. 前記立体異性化プロセスが、約90〜100℃の範囲の温度で実施される、請求項46に記載の方法。
  48. 前記立体異性化プロセスが、水性塩基中で実施される、請求項47に記載の方法。
  49. ステップa)が、生物変換プロセスを含む、請求項43に記載の方法。
  50. ステップb)が、四ホウ酸ナトリウムとの反応を含む、請求項43〜49のいずれかに記載の方法。
  51. ステップb)が、約75〜95℃の範囲の温度で実施される、請求項50に記載の方法。
  52. ステップb)が、約8〜11の範囲のpHで実施される、請求項51に記載の方法。
  53. ステップb)が、前記第3の混合物中のシリトールジボレートを沈殿させることを含む、請求項52に記載の方法。
  54. ステップc)が、濾過を含む、請求項43〜53のいずれかに記載の方法。
  55. ステップd)が、加水分解反応を含む、請求項43〜54のいずれかに記載の方法。
  56. 前記加水分解反応が、シリトールジボレートを、約8〜12体積の約1Nの酸と混合することを含む、請求項55に記載の方法。
  57. 前記1Nの酸が、1NのHClである、請求項56に記載の方法。
  58. 前記加水分解反応が、約75〜95℃の範囲の温度で実施される、請求項57に記載の方法。
  59. ステップd)が、前記第4の混合物中のシリトールを沈殿させることをさらに含む、請求項43〜58のいずれかに記載の方法。
  60. ステップe)が、濾過を含む、請求項43〜59のいずれかに記載の方法。
  61. ステップf)が、塩基性水性反応混合物中での、前記第1のジボレートの回収混合物の反応を含む、請求項60に記載の方法。
  62. ステップf)が、約80〜90℃の範囲の温度で実施される、請求項61に記載の方法。
  63. ステップf)が、前記回収されたシリトールジボレート混合物中の前記回収されたシリトールジボレートの沈殿をさらに含む、請求項43〜62のいずれかに記載の方法。
  64. ステップg)が、濾過を含む、請求項43〜63のいずれかに記載の方法。
  65. a)イノシトールの溶液を、非特異的に立体異性化して、シリトールを含む第1の混合物を提供するステップと、
    b)前記第1の混合物中のシリトールを、シリトールジボレートに変換するステップと、
    c)前記シリトールジボレートを、前記第1の混合物から単離するステップと、
    d)前記単離されたシリトールジボレートを、シリトールに変換して、シリトールを含む第2の混合物を提供するステップと、
    e)実質的に純粋なシリトールを、前記第2の混合物から単離するステップと
    を含む、実質的に純粋なシリトールを調製する方法。
  66. 前記非特異的な立体異性化が、触媒によって媒介される、請求項65に記載の方法。
  67. 前記触媒が、スポンジニッケルである、請求項66に記載の方法。
  68. 前記非特異的な立体異性化が、約90〜100℃の範囲の温度で実施される、請求項66または67に記載の方法。
  69. 前記非特異的な立体異性化が、水性塩基中で実施される、請求項68に記載の方法。
  70. ステップb)が、四ホウ酸ナトリウムとの反応を含む、請求項65〜69のいずれかに記載の方法。
  71. ステップb)が、約75〜95℃の範囲の温度で実施される、請求項70に記載の方法。
  72. ステップb)が、約8〜11の範囲のpHで実施される、請求項71に記載の方法。
  73. ステップb)が、シリトールジボレートを沈殿させることを含む、請求項72に記載の方法。
  74. ステップc)が、濾過を含む、請求項65〜73のいずれかに記載の方法。
  75. ステップd)が、加水分解反応を含む、請求項65〜74のいずれかに記載の方法。
  76. 前記加水分解反応が、シリトールジボレートを、約8〜12体積の約1Nの酸と混合することを含む、請求項75に記載の方法。
  77. 前記1Nの酸が、1NのHClである、請求項76に記載の方法。
  78. 前記加水分解反応が、約75〜95℃の範囲の温度で実施される、請求項77に記載の方法。
  79. ステップd)が、前記第4の混合物中のシリトールを沈殿させることをさらに含む、請求項65〜78のいずれかに記載の方法。
  80. ステップe)が、濾過を含む、請求項65〜79のいずれかに記載の方法。
  81. 1kgを超える実質的に純粋なシリトールが単離される、請求項1〜80のいずれかに記載の方法。
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