JP2013542083A - 内部冷却を含む切削工具および切削インサート - Google Patents

Abstract

切削インサート（１０）、器具ホルダ（１５）、および締結具（１３）を含む切削工具。切削インサート（１０）は、刃先（２０）および切削インサート（１０）を共に締結する締結具（１３）を受容するように適合された締結具ボア（１２）および器具ホルダ（１５）を含む。締結具ボア（１２）内のクーラント流動凹部（１１）は、クーラント流動凹部（１１）を通して、締結具（１３）の頭部（１９）へとクーラントを方向付けるように適合されている。器具ホルダ（１５）は、切削インサート（１０）および締結具（１３）を取り外し可能に器具ホルダ（１５）へと締結するように適合されたインサートポケット（２２）および器具ホルダ（１５）から締結具ボア（１２）のクーラント流動凹部（１１）へとクーラントを方向付けるように適合されたクーラントボア（１６）を含む。締結具（１３）の頭部（１９）および締結具ボア（１２）のクーラント流動凹部（１１）は、切削インサート（１０）の刃先（２０）へとクーラント（１７）を方向付ける隙間を規定する。
【選択図】図１

Description

本開示は、金属材料の機械加工するためのインサートを切断するための切削工具に関する。

本明細書中用いられる「金属切削」という用語は、機械加工、旋削、ミリング、穿孔、ボーリング、平削り、形削り、リーミング（例えば、金属（すなわち、金属および合金）材料に行われる材料除去動作）を広範囲に指す。金属切削において用いられる切削工具は典型的には、高負荷および高温を受けることが多い。金属切削時において、切削工具から高負荷が金属ワークピースに付加されると、ワークピースは変形する。ワークピースと切削工具の刃先との間の相対運動に起因して、せん断変形が金属ワークピース中に発生し、その結果ワークピースから金属チップが発生する。切削工具先端または切削インサートは一般的には、工具すくい面を含む。工具すくい面は、先端またはインサートの一部であり、先端またはインサートの刃先においてチップ形成された後、チップと遭遇してさらに変形する。切削インサートはまた、チップのサイズおよび形状を制御するさらなるフィーチャを含み得る。金属切削において得られたチップは、変形および摩擦力に起因して高温になっており、切断火口または切削インサートと一定時間にわたって密接する。

切削インサートは、ワークピースおよび機械加工されたチップとの高負荷および摩擦接触を受けるため、切削インサートおよび特にインサート刃先が極めて高温になる。例えば、超硬合金切削インサートは、硬鋼の切断時において華氏１，８００度（摂氏９８２度）を超える温度まで加熱される場合がある。切削インサート時における高温に起因して、金属切削時における摩耗が増加し、その結果切削インサートの寿命が低減する。工作機械技師は、工具速度を低減することにより、高温に起因する切削インサートの摩耗を少なくとも部分的に低減することができる。しかし、工具速度を低減した場合、金属ワークピース上において得られた機械加工表面の仕上げ品質に悪影響が出る場合がある。これを回避するため、金属切削時に切削インサート刃先を冷却するために、クーラントが用いられることが多い。

金属切削クーラントは切削液とも呼ばれ、ワークピースの潤滑と、低切削速度時の摩擦力の低減とを提供するように機能する。切削速度が高くなると、クーラントは、ワークピースおよび切削インサートを冷却する機能を主に担い、切削インサートからチップをフラッシュ洗浄する作業を支援する。金属切削においてクーラントを用いることにより、切削インサート寿命が大幅に伸び、ワークピースの意図しない変形が低減し、表面仕上げ品質が向上し、チップ除去およびハンドリングが向上する。

従来、外部供給源からのクーラントは、切削インサート刃先とワークピースとの間の界面領域へと送られる。例えば、外部クーラント源からの配管を通じてクーラントを流して、ワークピースおよび切削インサート上にクーラントをフラッドさせることができる。刃先／ワークピース界面領域へクーラントを付加するための別の方法として、クーラントを界面領域にジェット噴射する方法がある。クーラントを付加するためのさらに別の方法においては、クーラントを空気ジェットによってミスト噴射し、このミストを刃先／ワークピース界面領域へと方向付ける方法がある。

クーラントを刃先／ワークピース界面領域に付加するための従来の方法は、非効率である。例えば、クーラントを界面領域とを接触させて切削インサート刃先からの熱除去をより確実に行うために、過量の高価なクーラントを金属切削時において付加する場合が多い。しかし、過量のクーラントが付加された場合でも、界面領域における高公差および界面における継続的チップ生成に起因して、切削インサート刃先の温度を効率的かつ有効に低下させるために必要な最適量よりも低い量のクーラントが界面領域へと送達される、その結果、切削インサート刃先の動作温度が極めて高温のまま放置され、切削インサート寿命の低下に繋がる。

よって、切削動作時における金属切削インサート刃先の温度を低下させるための向上した配置構成が、必要とされている。詳細には、切削動作時における刃先／ワークピース界面へのクーラント送達のための向上したシステムが、必要とされている。

本開示による局面は、切削インサートに関する。切削インサートは、少なくとも１つの刃先と、少なくとも１つの締結具ボアとを含む。少なくとも１つの締結具ボアは、切削インサートを取り外し可能に器具ホルダへと固定するための締結具を受容するように適合される。締結具ボアは、少なくとも１つのクーラント流動凹部を含む。少なくとも１つのクーラント流動凹部は、切削インサートが締結具によって器具ホルダへと固定されたとき、クーラントをクーラント流動凹部を通じて少なくとも１つの刃先へと方向付けるように、適合される。

本開示によるさらなる局面は、切削工具に関する。切削工具は、切削インサートと、器具ホルダと、締結具とを含む。切削インサートは、少なくとも１つの刃先と、少なくとも１つの締結具ボアとを含む。少なくとも１つの締結具ボアは、切削インサートを取り外し可能に器具ホルダへと固定するための締結具を受容するように適合される。少なくとも１つの締結具ボアは、少なくとも１つのクーラント流動凹部を含む。少なくとも１つのクーラント流動凹部は、切削インサートが締結具によって器具ホルダへと固定されたとき、クーラントをクーラント流動凹部を通じて締結具の頭部へと方向付けるように適合される。器具ホルダは、少なくとも１つのインサートポケットを含む。少なくとも１つのインサートポケットは、切削インサートを受容しかつ切削インサートを締結具によって器具ホルダへと固定できるように、適合される。器具ホルダは、少なくとも１つのクーラントボアをさらに含む。少なくとも１つのクーラントボアは、クーラントを器具ホルダから締結具ボアの少なくとも１つのクーラント流動凹部へと方向付けるように、適合される。締結具の頭部と、締結具ボアのクーラント流動凹部とにより、クーラントを切削インサートの刃先へと方向付ける隙間が規定される。

本開示によるさらなる局面は、内部クーラントシステムを含む切削インサートに関する。切削インサートは、少なくとも１つの刃先と、切削インサートを取り外し可能に器具ホルダへと締結する締結具を受容するように適合された少なくとも１つの締結具ボアと、締結具ボアに隣接して配置された少なくとも１つのスルーキャビティとを含む。少なくとも１つのスルーキャビティは、切削インサートの上面から切削インサートの下面へと延びる。少なくとも１つのスルーキャビティは、切削インサートが締結具によって器具ホルダへと締結されると、クーラント流体を切削インサートを通じて少なくとも１つの刃先へと方向付けるように、適合される。

本開示によるさらなる局面は、切削工具に関する。切削工具は、切削インサートと、器具ホルダと、締結具とを含む。切削インサートは、少なくとも１つの刃先と、切削インサートを取り外し可能に器具ホルダへと締結する締結具を受容するように適合された少なくとも１つの締結具ボアと、少なくとも１つのスルーキャビティとを含む。少なくとも１つのスルーキャビティは、切削インサートが締結具によって器具ホルダへと固定されたとき、クーラントを切削インサートを通じて締結具の頭部へと方向付けるように、適合される。器具ホルダは、少なくとも１つのクーラントボアを含む。少なくとも１つのクーラントボアは、クーラントを器具ホルダから切削インサートの少なくとも１つのスルーキャビティへと方向付けるように、適合される。締結具の頭部と、切削インサートの少なくとも１つのスルーキャビティとにより、クーラントを切削インサートの少なくとも１つの刃先へと方向付ける隙間が規定される。

本明細書中に記載の方法の特徴および利点は、添付図面を参照すれば、より深く理解される。

図１（ａ）は４つのクーラント流動凹部を含む本開示による両面ミリング切削インサートの非限定的実施形態の模式的上面図である。図１（ｂ）は本開示による図１（ａ）の両面ミリング切削インサートおよび締結具の非限定的実施形態の模式的上面図である。図１（ｃ）は本開示による、切削インサートと、締結具と、器具ホルダの一部の非限定的実施形態の模式的断面図であり、切削インサートの締結具ボア中のクーラント流動凹部と、締結具の頭部によって誘導されるクーラント流れとを示す。 本開示による切削（ミリング）器具の非限定的実施形態の模式的側面図であり、複数の締結具によって切削工具のホルダ内に固定された複数の切削インサートを示す。 本開示による切削（ミリング）器具の非限定的実施形態の模式的端面図であり、複数の締結具によって切削工具のホルダ内に固定された複数の切削インサートを示す。 図３（ａ）は本開示による、３つのクーラント流動凹部を含む両面ミリング切削インサートの非限定的実施形態の模式的上面図である。図３（ｂ）は図３（ａ）の両面ミリング切削インサートおよび本開示による締結具の模式的上面図である。図３（ｃ）は切削インサート、締結具の非限定的実施形態の模式的断面図であり、切削インサートの締結具ボア内のクーラント流動凹部と、締結具の頭部によって誘導されたクーラント流れとを示す。 図４（ａ）は本開示による両面ミリング切削インサートの非限定的実施形態の模式的上面図である。両面ミリング切削インサートは、３つのクーラント流動凹部を含み、複数のクーラント流動凹部セグメントを含む。図４（ｂ）は本開示による図４（ａ）の両面ミリング切削インサートおよび締結具の模式的上面図である。図４（ｃ）は切削インサートおよび締結具の非限定的実施形態の模式的断面図であり、切削インサートの締結具ボア中のクーラント流動凹部と、頭部によって誘導されるクーラント流れとを示す。 図５（ａ）は本開示による、４つのクーラント流動凹部を含む片側ミリング切削インサートの非限定的実施形態の模式的上面図である。図５（ｂ）は本開示による、図５（ａ）の片側ミリング切削インサートおよび締結具の模式的上面図である。図５（ｃ）は切削インサートおよび締結具の非限定的実施形態の模式的断面図であり、切削インサートの締結具ボア中のクーラント流動凹部および頭部によって誘導されるクーラント流れを示す。 図６（ａ）は本開示による、４つのクーラント流動凹部を含むボーリング動作のための片側切削インサートの非限定的実施形態の模式的上面図である。図６（ｂ）は本開示による図６（ａ）の片側切削インサートおよび締結具の模式的上面図である。図６（ｃ）はボーリング動作のための切削インサートおよび締結具の非限定的実施形態の模式的折り畳み断面図であり、切削インサートの締結具ボア中のクーラント流動凹部と、締結具の頭部によって誘導されるクーラント流れを示す。 切削工具システムの模式図である。切削工具システムは、ボーリング器具ホルダと、ボーリング切削インサートと、図６（ａ）〜図６（ｃ）に記載の締結具とを含む。 切削工具システムの模式図である。切削工具システムは、ボーリング器具ホルダと、ボーリング切削インサートと、図６（ａ）〜図６（ｃ）に記載の締結具とを含む。 切削工具システムの模式図である。切削工具システムは、ボーリング器具ホルダと、ボーリング切削インサートと、図６（ａ）〜図６（ｃ）に記載の締結具とを含む。 切削工具システムの模式図である。切削工具システムは、ボーリング器具ホルダと、ボーリング切削インサートと、図６（ａ）〜図６（ｃ）に記載の締結具とを含む。 図８（ａ）は本開示による、４つのクーラント流動凹部を含む旋削動作のための両面旋削切削インサートの非限定的実施形態の模式的上面図である。図８（ｂ）は本開示による図８（ａ）の両面旋削切削インサートおよび締結具の非限定的実施形態の模式的上面図である。図８（ｃ）は旋削動作のための切削インサートおよび締結具の非限定的実施形態の模式的折り畳み断面図であり、切削インサートの締結具ボア中のクーラント流動凹部と、締結具の頭部によって誘導されるクーラント流れとを示す。 図８（ａ）〜図８（ｃ）の切削工具システムの非限定的実施形態の模式図である。切削工具システムは、旋削器具ホルダと、旋削切削インサートと、締結具とを含む。 図８（ａ）〜図８（ｃ）の切削工具システムの非限定的実施形態の模式図である。切削工具システムは、旋削器具ホルダと、旋削切削インサートと、締結具とを含む。 図８（ａ）〜図８（ｃ）の切削工具システムの非限定的実施形態の模式図である。切削工具システムは、旋削器具ホルダと、旋削切削インサートと、締結具とを含む。 図８（ａ）〜図８（ｃ）の切削工具システムの非限定的実施形態の模式図である。切削工具システムは、旋削器具ホルダと、旋削切削インサートと、締結具とを含む。 図１０（ａ）は４つのクーラント流動凹部を含む本開示による穿孔動作のための両面穿孔切削インサートの非限定的実施形態の模式的上面図である。図１０（ｂ）は本開示による、図１０（ａ）の穿孔動作のための両面穿孔切削インサートおよび締結具の模式的上面図である。図１０（ｃ）は穿孔動作のための切削インサートおよび締結具の非限定的実施形態の模式的折り畳み断面図であり、切削インサートの締結具ボア中のクーラント流動凹部と、締結具の頭部によって誘導されるクーラント流れとを示す。 本開示による内部クーラントシステムの非限定的実施形態の模式図である。内部クーラントシステムは、一般的な機械加工動作に適合される。 本開示による内部クーラントシステムの非限定的実施形態の模式図である。内部クーラントシステムは、一般的な機械加工動作に適合される。 本開示による内部クーラントシステムの非限定的実施形態の模式図である。内部クーラントシステムは、一般的な機械加工動作に適合される。 本開示による内部クーラントシステムの非限定的実施形態の模式図である。内部クーラントシステムは、一般的な機械加工動作に適合される。 図１２（ａ）は本開示による切削インサートの非限定的実施形態の模式的上面図である。切削インサートは、一般的な機械加工動作に適合され、４つのスルーキャビティを含む。図１２（ｂ）は図１２（ａ）の切削インサートおよび本開示による締結具の模式的上面図である。図１２（ｃ）は本開示による、一般的な機械加工動作のための切削インサートと、締結具と、器具ホルダの一部との非限定的実施形態の模式的折り畳み断面図であり、切削インサート中のスルーキャビティと、締結具の頭部によって誘導されるクーラント流れとを示す。

本開示による切削工具、器具ホルダおよび切削インサートの特定の非限定的実施形態の以下の詳細な説明を鑑みれば、上記の詳細などが理解される。

非限定的実施形態の本記載において、動作例以外の実施形態においてまたは他に明記無き限り、数量または特性を示す数値は全て、あらゆる場合において「約」という用語によって修飾されるものであることが理解されるべきである。よって、明記無き限り、以下の記載に示される数値パラメータは全て概算であり、本開示による切削工具、器具ホルダおよび切削インサートにおいて望ましい特性に応じて異なり得る。最低限でも、均等論を特許請求の範囲に限定することなく、各数値パラメータは、少なくとも記載の有効桁数を鑑みて解釈されるべきであり、また通常のまるめ技術が適用されるべきである。

任意の特許、公開文献または他の援用される開示文献については、当該援用文献が既存の定義、記載または本開示に記載の他の開示文献と抵触しない範囲のみにおいて、全体的または部分的に本明細書中において参考のため援用される。よって、必要な範囲内において、本明細書中に記載のような開示文献は、本明細書中参考のため援用される任意の抵触する文献に優先する。本明細書中参考のため援用される全ての文献またはその一部が、既存の定義、記載または本明細書中に記載の他の文献に抵触する場合、当該援用文献と既存の開示文献との間に抵触が発生しない範囲のみにおいて、当該文献を援用する。

本開示による非限定的局面は、向上した切削インサートに関する。切削インサートは、クーラント（すなわち、切削液）を切削インサートを通じて切削インサートの刃先へと内部的に通過させるか、方向転換させるかかつ／または方向付けるように適合される。クーラントを刃先へと内部的に方向付けることにより、刃先からの熱除去能力が向上する。刃先からの熱除去能力が本発明によって向上することにより、金属切削時において必要なクーラント量が低減し、切削速度の増加が可能となり得、摩擦加熱が低減し、また切削インサートの寿命が増加する。

図１（ａ）は、本開示による両面ミリング切削インサート１０の非限定的実施形態の模式的上面図である。両面ミリング切削インサート１０は、４つのクーラント流動凹部１を含む。４つのクーラント流動凹部１は、切削インサート１０の締結具ボア１２の壁部から材料を除去することにより、得られる。締結具ボア１２の中心点を点「Ｏ」とする。図１（ｂ）は、図１（ａ）に示す両面ミリング切削インサート１０の模式的上面図である。両面ミリング切削インサート１０は、締結具１３を備える。締結具１３は、切削インサートの締結具ボア１２内に配置され、切削インサート１０をミリング器具ホルダ上に固定する（図１（ｂ）中図示せず）。図１（ｃ）は、図１（ｂ）中の線Ｅ−Ｅ（中心線１４）においてとられた断面図である。線Ｅ−Ｅ（中心線１４）は、締結具１３の縦軸に沿って通過する。図１（ｃ）は、内部クーラントボア１６を含むミリング器具ホルダ１５上の切削インサート１０を示す。クーラントの流れを一連の矢印１７によって示す。クーラント流れ１７は、器具ホルダ１５を通過し、クーラントボア１６から現れ、切削インサート１０を通過し、締結具１３の頭部１９によって切削インサート１０の刃先２０へと誘導される。刃先２０は、ミリング動作時においてワークピースと接触するように配置される。

図１（ａ）〜図１（ｃ）から分かるように、切削インサート１０は、少なくとも１つの締結具ボア１２を含む。少なくとも１つの締結具ボア１２は、締結具１３を受容するように適合される。締結具１３は、切削インサート１０を取り外し可能に器具ホルダ１５に固定する。締結具ボア１２は、締結具ボア１２中の複数のクーラント流動凹部を含む。複数のクーラント流動凹部は、締結具ボア１２に沿って軸方向に延びる。クーラント流動凹部１１は、締結具ボア１２を通じて配置された締結具１３によって切削インサート１０が器具ホルダへ固定されたとき、クーラントをクーラント流動凹部１１および締結具１３に沿って切削インサート１０の少なくとも１つの刃先２０へと方向付けるように、適合される。

クーラント流動凹部１１は、元々の壁部または締結具ボア１２の表面２３から材料を切断または除去することにより、形成され得る。あるいは、切削インサート１０を金型内においてプレスするかまたは射出機械内に押し出す場合、クーラント流動凹部１１は、工具ダイ内に構築および作成してもよい。クーラント流動凹部１１は、切削インサート１０の上面２１から切削インサート１０の下面２２へと延びる。締結具１３は、締結具ボア表面２３の残りの領域において切削インサート１０と物理的に接触し、切削インサート１０を器具ホルダ１５へと固定する。非限定的実施形態において、切削インサート１０は、上面２１および／または下面２２において、面取り部２４（図１（ｃ）の詳細部を参照）を含む。非限定的実施形態において、クーラント流動凹部１１の断面形状２５は任意のジオメトリでよい（例を非限定的に挙げると、円形の一部、楕円形の一部、線、曲線、スプライン、多角形、またはこれらのジオメトリの任意の組み合わせ）。

図１（ｃ）に示すように、締結具１３は、切削インサート１０を締結具ボア１２内および器具ホルダ１５へと固定する機能以外の機能を果たす。詳細には、締結具１３は、クーラント流れ１７を活性状態の作動中の刃先２０へと誘導または方向付ける。本明細書中用いられる「活性状態の」刃先は、機械加工動作時において刃先がワークピースと接触するように、器具ホルダ上に方向付けられる。再度図１（ｃ）の詳細部分を参照して、頭部１９の下面２６および締結具ボア１２の上縁２８により、周囲隙間２９が規定される。クーラントは隙間２９を通じて流れ、活性状態の刃先２０へと方向付けられる。周囲隙間２９はクーラント出口として機能し、頭部１９の下面２６と、締結具ボア１２の上部（上縁２８および面取り部２４を含む）との間に定義される。

周囲隙間２９は、切削インサート１０の種類および構成を考慮に入れて、特異的な形状に形成され得る。例えば、頭部１９の下面２６は、切削インサートの上面２１上の平坦隆起部２７に対して平行であり得る。このような設計は、切削インサートの刃先および締結具ボアの上縁が同じ高さにあるとき（切削インサートが図１（ｃ）に示すような方向付けになっているとき）、有利である。あるいは、例えば、刃先が締結具ボアの上縁の下側にある設計（切削インサートが図１（ｃ）に示すような方向付けにある設計）において、頭部１９の下面２６は、切削インサートの上面２１上の平坦隆起部２７に対して下方に角度付けされ得る。別の代替例によれば、刃先が概して締結具ボアの上縁の上方にある設計（この設計は、図１（ｃ）の非限定的実施形態に示す特定の設計である）において、例えば、頭部１９の下面２６は、切削インサートの上面２１上の平坦隆起部２７に対して上方に角度付けされ得る。

本明細書中上述しまた図１（ａ）〜図１（ｃ）に示すように、本開示の非限定的実施形態において、切削インサートのための内部クーラントシステムは、切削インサート１０と、締結具１３と、器具ホルダ１５とを含む。締結具ボア１２の壁部はを部分的に切除することで、複数のクーラント流動凹部１１が形成される。切削インサート１０を締結具ボア１２および器具ホルダ１５内に固定するように締結具１３を配置して隙間２９が得られたとき、締結具１３の頭部１９の下面２６は、締結具ボア１２の上縁２８および面取り部２４と所定のジオメトリ関係を有する。クーラント流動凹部１１および隙間２９により、クーラントを器具ホルダ１５内の１つ以上の内部クーラントボア１６から締結具ボア１２と締結具１３との間の界面へと流動させるための通路が得られる。頭部１９の下面２６は、切削インサート１０の種類および構成を考慮に入れることより、クーラント流れ１７を可能な最短距離に沿って活性状態の刃先２０へと特異的に方向付けるように、特異的に設計され得る。本明細書中に記載の切削インサートのための内部クーラントシステムの非限定的実施形態は独自であり、なおかつ簡潔な設計であり、効果的かつ経済的である。締結具１３は、（ｉ）切削インサート１０を器具ホルダ１５へと固定する機能と、（ｉｉ）クーラントを活性状態の刃先２０へと高精度に誘導、通過および／または方向付ける機能との２つの機能を果たす。

図１（ａ）〜図１（ｃ）中に切削インサート１０として図示される切削インサートの非限定的実施形態において、切削インサート１０は、４つの刃先２０を含む。しかし、本明細書中に記載の向上したクーラント送達フィーチャを備えた任意の数の刃先２０（例えば、単一の刃先を有する円形インサートまたは３つ、５つまたはこれ以上の刃先を有する切削インサー）を有する切削インサート１０を提供することが、本開示の範囲内である。さらに、図１（ａ）〜図１（ｃ）に示す非限定的実施形態において、少なくとも１つの締結具ボア１２は、切削インサート１０の側部上において中央に配置される。しかし、締結具ボアを中央に配置する代わりに、切削インサート上の他の任意の適切な位置に配置しかつ／または切削インサートが１つよりも多くの締結具ボアを含み得ることが、本開示の範囲内である。非限定的実施形態において、締結具１３は、器具ホルダ１５内にねじ式に受容される。

任意選択的に、切削インサート１０は、本開示による切削インサートの他の実施形態と共に、１つ以上の工具すくい面およびチップ制御フィーチャと、当業者に公知の他の任意の切削インサートフィーチャとを含み得る。このようなフィーチャは従来のものであり、当業者に公知である。よって、このようなフィーチャについては、本明細書中において詳述を控える。

切削インサート１０は、インサート１０に対して行われる切削動作に適した任意の材料から構成され得る。特定の非限定的実施形態において、切削インサート１０は、本開示による切削インサートの他の実施形態と共に、高速度鋼、コバルト合金、超硬合金、サーメット、セラミック、ダイヤモンド、および多結晶ダイヤモンドから選択された１つ以上の材料から製造される。本開示による切削インサートの多様な実施形態において、切削インサートは、切削インサート製造のために本明細書中において用いられる、当業者に公知の任意の材料を含む。

特定の非限定的実施形態において、切削インサート１０は、本開示による切削インサートの他の実施形態と共に、摩耗被覆を含む。摩耗被覆は、単一の層または複数の層で構成された摩耗被覆であり得る。可能な摩耗被覆の非限定的実施形態の例を挙げると、窒化チタン、炭化チタン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素および酸化ジルコニウムのうち１つ以上がある。本開示による切削インサートの多様な実施形態において、切削インサートは、切削インサート上の摩耗被覆のために本明細書中において用いられる、当業者に公知の任意の適切な材料のコーティングを含む。

本開示の非限定的局面によれば、内部クーラントシステムを含む切削工具は、以下を含む：クーラント（すなわち、切削液）を切削インサートの少なくとも１つの活性状態の刃先へと通過させ、方向転換させかつ／または方向付けるように適合された少なくとも１つの内部クーラント流動凹部を含む切削インサートと、クーラントを器具本体内に通過させて切削インサートの内部クーラント流動凹部のうち少なくとも１つ内へと送った後、切削インサートの少なくとも１つの活性状態の刃先へと送るように適合された器具本体。クーラントを内部的に刃先へと方向付けることにより、金属切削に必要なクーラント量の低減が可能になり、切削速度の増加が可能になり、摩擦加熱が低減し、その結果切削インサート寿命が延びる。

図２（ａ）は、本開示による切削工具４０の非限定的実施形態の側面図を示す。図２（ｂ）は、切削工具４０の前端面図である。切削工具４０は、以下を含む：図１（ｃ）に示すシステムと設計が実質的に類似するクーラント送達システムを含むミリング器具ホルダ４１と、上記に示しかつ図１（ａ）〜図１（ｃ）に示す切削インサート１０に実質的に設計が類似する５つのインデックス可能な切削インサート４２ａ〜４２ｅと、上記に示しかつ図１（ｂ）および図１（ｃ）に示す締結具１３と実質的に設計が類似する５つの締結具４３ａ〜４３ｅ。非限定的実施形態において、締結具４３ａ〜４３ｅは、器具ホルダ４１内にねじ式に受容される。

図３（ａ）〜図３（ｃ）は、両面ミリング切削インサート５０の別の非限定的実施形態を示す。両面ミリング切削インサート５０は、本開示による内部クーラントシステムを含む。図３（ａ）は、３つのクーラント流動凹部５１を含む切削インサート５０の上面図を示す。３つのクーラント流動凹部５１は、締結具ボア５２の壁部に沿って形成される。図３（ｂ）は、切削インサート５０の上面図を示し、締結具ボア５２内に設けられた締結具５３をさらに示す。図３（ｃ）は、切削インサート５０および締結具５２の図３（ｂ）中の線Ｐ−Ｐ（線５４としても示す）に沿ってとられた断面図を示す。図３（ｃ）の断面図は、器具ホルダ（図示せず）からクーラント流路５６を通じたクーラント流れ５５を示す。クーラント流路５６は、切削インサート５０のクーラント流動凹部５１と、締結具５３との間に規定される。クーラント出口として機能する周囲隙間６１が、締結具ボア５２の上部６２と、締結具５３の頭部６４の下面６３との間に規定される。下面６３は、切削インサート５０の種類および構成を考慮に入れて特異的な形状に形成され、これによりクーラント流れ５５を高精度に刃先６５へと方向付ける。

図４（ａ）〜図４（ｃ）は、本開示による内部クーラントシステムを含む両面ミリング切削インサートの別の非限定的実施形態を示す。図４（ａ）は、切削インサート７０の上面図を示す。切削インサート７０は、３つのクーラント流動凹部７１を含む。３つのクーラント流動凹部７１は、締結具ボア７２の壁部に沿って規定される。図４（ｂ）は、切削インサート７０の上面図を示し、締結具ボア７２内に配置された締結具７３をさらに示す。図４（ｃ）は、図４（ｂ）中の線Ｒ−Ｒ（線７５としても示す）に沿ってとられた切削インサート７０および締結具７３の断面図である。切削インサート７０は、図３（ａ）〜図３（ｃ）に示す切削インサート５０と類似しているが、図４（ｃ）に示すように、切削インサート７０の各クーラント流動凹部７１は、複数のセグメント７１ａ、７１ｂおよび７１ｃを含む。図４（ｃ）に示す実施形態において、セグメント７１ａは、９０度未満の角度を締結具７３の軸７７と形成し、セグメント７１ｂは、締結具７３の軸７７に対して実質的に平行であり、セグメント７１ｃもまた、締結具７３の軸７７と９０度未満の角度を形成する。図４（ｃ）はまた、締結具７３の頭部と切削インサート７０との間に規定された隙間により、クーラント流れ７８が切削インサート７０を通じて切削インサート７０の刃先へと方向付けられる様子を示す。

図５（ａ）〜図５（ｃ）は、本開示による内部クーラントシステムを含む片側ミリング切削インサートの非限定的実施形態を示す。図５（ａ）は、切削インサート８０の上面図である。切削インサート８０は、締結具ボア８２の壁部に沿って４つの凹所８１を含む。図５（ｂ）は、切削インサート８０の上面図であり、締結具ボア８２内に設けられた締結具８３をさらに示す。図５（ｃ）は、図５（ｂ）中の線Ａ−Ａ（線８５としても示す）に沿ってとられた切削インサート８０および締結具８３の断面図である。図５（ｃ）の断面図に示すように、クーラント出口として機能する周囲隙間９１が、締結具ボア８２の上部９２と、締結具８３の頭部９４の下面９３との間に規定される。下面９３は、締結具ボア８２の上部９２と相互作用して、クーラント流れ９５を高精度に刃先９６へと方向付けるように、特異的な形状に形成される。

図６（ａ）〜図６（ｃ）は、本開示による内部クーラントシステムを含む片側ボーリング切削インサートの非限定的実施形態を示す。図６（ａ）は、切削インサート１００の上面図を示す。切削インサート１００は、４つのクーラント流動凹部１０１を締結具ボア１０２の壁部に沿って含む。図６（ｂ）は、切削インサート１００の上面図であり、締結具ボア１０２内に設けられた締結具１０３をさらに示す。図６（ｃ）は、図６（ｂ）中のＢ−Ｂ（すなわち、折り畳み断面図線１０５）に沿ってとられた断面図である。図６（ｂ）中のＢ−Ｂ（すなわち、折り畳み断面図線１０５）は、点Ｎ１においてクーラント流動凹部１０１を通過し、切削インサート１００の中心点において方向転換し、点Ｎ２において元々の締結具ボア周囲１０６を通過する（図６（ａ）を参照）。クーラント出口として機能する周囲隙間１１１が、締結具ボア１０２の上部１１２と、締結具１０３の頭部１１４の下面１１３との間に規定される。下面１１３は、クーラント流れ１１５が活性状態の刃先１１６へと高精度に方向付けられるように、特異的な形状に形成される。

図７（ａ）〜図７（ｄ）は、本開示によるボーリング器具の非限定的実施形態を示す。この実施形態において、ボーリング器具１２０は、ボーリング器具ホルダ１２１と、図６（ａ）〜図６（ｃ）に示すようなボーリング切削インサート１００と、図６（ｂ）および図６（ｃ）に示すような締結具１０３とを含む。図７（ａ）は、切削工具１２０の作業端の斜視図であり、締結具１０３と切削インサート１００との間にクーラント流れ１２５が発生する。図７（ｂ）は、切削工具１２０の作業端の上面図であり、締結具１０３と切削インサート１００との間にクーラント流れ１２５が発生する。図７（ｃ）は、（切削インサート１００および締結具１０３が取り外されている）器具ホルダ１２１の上面図であり、内部クーラントボア１２２、１２３および１２４が器具ホルダ１２１内に形成されている様子を示す。図７（ｄ）は、器具ホルダ１２１および切削インサート１００の上面図であり、クーラント流動凹部１０１と締結具ボア１２２との間の位置関係を示す。図７（ｃ）に示すように、クーラントは、器具ホルダ１２１の長さに沿ってボア１２４を通過し、ボア１２３内へと移動し、ボア１２２から出て行く。ボア１２２は、器具ホルダ１２１のインサートポケットの表面上に配置される。図７（ａ）、図７（ｂ）および図７（ｄ）に示すように、ボア１２２から現れたクーラントは、インサート１００の内部を通過し、切削インサート１２０と締結具１０３との間に規定された隙間からクーラント流れ１２５とし現れる。このようにして、クーラントを器具ホルダ１２１を通じて軸方向に送り、切削インサート１００の内部へと流入させ、その後切削インサート１００の刃先へと方向付けることができる。

図８（ａ）〜図８（ｃ）は、本開示による内部クーラントシステムを含む旋削切削インサート１３０の非限定的実施形態を示す。図８（ａ）は、切削インサート１３０の上面図である。切削インサート１３０は、締結具ボア１３２の壁部に沿って形成された４つのクーラント流動凹部１３１を含む。図８（ｂ）は、切削インサート１３０の上面図であり、締結具ボア１３２内に配置された締結具１３３をさらに示す。図８（ｃ）は、図８（ｂ）中のＣ−Ｃ（すなわち、折り畳み断面図線１３５）に沿ってとられた断面図である。図８（ｂ）中のＣ−Ｃ（すなわち、折り畳み断面図線１３５）は、点Ｍ２においてクーラント流動凹部１３１を通過し、切削インサート１３０の中心点において方向転換し、点Ｍ１において元々の締結具ボア周囲１３４を通過する（図８（ａ）を参照）。図８（ｃ）の詳細部に示すように、クーラント出口として機能する周囲隙間１４１が、締結具ボア１３２の上部１４２と、締結具１３３の頭部１４４の下面１４３との間に規定される。下面１４３は、切削インサート１３０の種類および構成を考慮しかつクーラント流れ１４５を切削インサート１３０の活性状態の刃先１４６へと高精度に方向付けるように、特異的な形状に形成される。Ｍ１における元々の締結具ボア周囲１３４と、締結具１３３との間の接触により、締結具が器具ホルダのインサートポケットへと部分的に固定される。

図９（ａ）〜図９（ｄ）は、本開示による切削工具の非限定的実施形態を示す。旋削器具１５０は、旋削器具ホルダ１５１と、図８（ａ）〜図８（ｃ）に示すような旋削切削インサート１３０と、図８（ｂ）および図８（ｃ）に示すような締結具１３３とを含む。図９（ａ）は、切削工具１５０の斜視図である。図９（ｂ）は、切削工具１５０の作業端の上面図である。図９（ａ）および図９（ｂ）はどちらとも、クーラント出口として機能する周囲隙間１４１からクーラント流れ１５９を送る様子を示す。周囲隙間１４１は、締結具１３３のと、切削インサート１３０との間に規定される（図８（ｃ）を参照）。図９（ｃ）は、器具ホルダ１５１の上面図であり、切削インサート１３０および締結具１３３は取り外されており、内部クーラントボア１５２、１５３、１５４、１５５および１５６を示す。図９（ｄ）は、器具ホルダ１５１および切削インサート１５０を示す上面図であり、クーラント流動凹部１３１のうちの１つ（図８を参照）と、クーラントボア１５２との間の位置関係を示す。クーラントボア１５２は、ポケット配置面１５７に対して垂直である。クーラントがボアから流れる事態を回避するため、内部クーラントボア１５３、１５４および１５５の端部を位置決めねじ（図示せず）によって遮断することができる。

図１０（ａ）〜図１０（ｃ）は、穿孔切削インサート１６０の別の非限定的実施形態を示す。穿孔切削インサート１６０は、本開示による内部クーラントシステムを含む。図１０（ａ）は、切削インサート１６０の上面図である。切削インサート１６０は、締結具ボア１６２の壁部に沿って４つのクーラント流動凹部１６１を含む。図１０（ｂ）は、切削インサート１６０の上面図であり、締結具ボア１６２内に配置された締結具１６３をさらに示す。図１０（ｃ）は、図１０（ｂ）中のＨ−Ｈ（すなわち、折り畳み断面図線１６５）に沿ってとられた断面図である。図１０（ｂ）中のＨ−Ｈ（すなわち、折り畳み断面図線１６５）は、点Ｌ２においてクーラント流動凹部１６１を通過し、切削インサート１６０の中心点において方向転換し、点Ｌ１において元々の締結具ボア周囲１６４を通過する（図１０（ａ）を参照）。図１０（ｃ）の詳細図に示すように、クーラント出口として機能する周囲隙間１７１が、締結具ボア１６２の上部１７２と、締結具１６３の頭部１７４の下面１７３との間に規定される。下面１７３は、切削インサート１６０の種類および構成を考慮して特異的な形状に形成され、これにより、クーラント流れ１７５が活性状態の刃先１７６へ向かって高精度に方向付けられる。

さらに、図１０（ａ）および図１０（ｃ）に示すように、各クーラント流動凹部１６１は、複数のセグメント１６１ａおよび１６１ｂを含む。セグメント１６１ａは、締結具１６３の軸１７７と共に角度を規定し、セグメント１６１ｂは、締結具１６３の軸１７７と共に反対方向において角度を規定する。

図１１（ａ）〜図１１（ｄ）は、本開示による穿孔器具１８０の非限定的実施形態を示す。穿孔器具１８０は、穿孔器具ホルダ１８１と、２つの穿孔切削インサート１８２および１８３（穿孔インサート１８２は周囲インサートとして機能し、穿孔インサート１８３は中心インサートとして機能する）と、図１０（ｃ）に示す締結具１６３と同じ２つの締結具とを含む。穿孔切削インサート１８２および１８３双方のクーラント流動凹部のジオメトリおよび形状は、図１０（ａ）〜図１０（ｃ）を参照して説明した穿孔切削インサート１６０のものと同じである。穿孔切削インサート１８２および１８３はそれぞれ、各切削インサート内の締結具ボア内にねじ式に受容された締結具１６３によって固定される。図１１（ａ）は、穿孔器具１８０の斜視図であり、図１１（ｂ）は、穿孔器具１８０の上面図である。図１１（ｃ）は、器具ホルダ１８１の上面図である（図中、周囲穿孔インサート１８２を配置するためのポケット配置面１９７は、ページから外側に向かう）。図１１（ｃ）は、内部クーラントボア１９０〜１９６が器具ホルダ１８１を通過してポケット配置面上に退出する様子を示す。図１１（ｄ）は、器具ホルダ１８１の下面図である（図中、中心穿孔インサート１８３を配置するためのポケット配置面１９８は、ページから外側に向かう）。図１１（ｄ）は、内部クーラントボア１９０〜１９６が器具ホルダ１８１を通過し、ポケット配置面上に退出する様子を示す。図１１（ｃ）および図１１（ｄ）から分かるように、（器具ホルダ１８１のポケット配置面１９８からクーラントボア１９４によって内部的に接続された）２つのクーラントボア１９５および１９６が、中心穿孔インサート１８３のためのポケット配置部上に退出し、よって、２つのクーラント流れ１８６および１８７が中心穿孔インサートの刃先へと方向付けられる。１つのクーラントボア１９３のみが周囲穿孔インサート１８２を支持するポケット配置部１９７上に退出し、その結果、単一のクーラント流れ１８５のみが周囲穿孔インサートの刃先へと方向付けられる。しかし、所望であれば、クーラント流れを２つ以上のクーラント出口から周囲穿孔インサート１８２へと提供するように、器具ホルダ１８０を容易に改変することが可能である。

図１２（ａ）〜図１２（ｃ）は、切削インサートの別の非限定的実施形態を示す。切削インサートは、内部クーラントシステムを含み、本開示による一般的な機械加工動作に合わせて適合される。図１２（ａ）は、切削インサート２１０の上面図である。切削インサート２１０は、４つのスルーキャビティ２１１を含む。４つのスルーキャビティ２１１は、上面２１４から締結具ボア２１２に隣接する切削インサート２１０の下面２１６へと延びる。図１２（ｂ）は、切削インサート２１０の上面図である。切削インサート２１０は、締結具ボア２１２を通じて締結具２１３を含む。図１２（ｃ）は、図１２（ｂ）中のＶ−Ｖ（すなわち、折り畳み断面図線２１５）に沿った断面図である。図１２（ｂ）中のＶ−Ｖ（すなわち、折り畳み断面図線２１５）は、スルーキャビティ２１１を通じて送られ、切削インサート２１０の中心点において方向転換し、切削インサート２１０のスルーキャビティ２１１を含まない断面を通過する。さらに、各スルーキャビティ２１１は、一対の側部突起２１７を含む。これらの側部突起２１７は、上面２１４および下面２１６双方の上の各スルーキャビティ２１１の側面に位置し、クーラント流れ２２５を制限する側方ブロックとして機能する。隙間２２１は、クーラント出口２２１として機能し、スルーキャビティ２１１の上部２２２と、締結具２１３の頭部２２４の下面２２３との間に規定される。下面２２３は、クーラント流れ２２５が活性状態の刃先２２６に向かって高精度に方向付けられるように、切削インサート２０の種類および構成を考慮して特異的な形状に形成される。さらに、頭部２２４の下面２２３が締結具２１３によって器具ホルダ上へ固定されると、切削インサート２１０上の側部突起２１７により小隙間が規定される。特定の非限定的実施形態において、スルーキャビティ２１１が（円筒型穴の場合において）穿孔された後、切削インサート２１０を焼結炉へ配置する。あるいは、非限定的に、切削インサート２１０を金型内に押圧するかまたは粉末射出機械中に押し出す場合、スルーキャビティを工具ダイ内に形成してもよい。スルーキャビティ２１１は、任意の適切なジオメトリを持ち得る（例を非限定的に挙げると、円形、楕円形、線、曲線（単数または複数）、スプライン（単数または複数）、多角形、およびこれらのジオメトリのうち任意の組み合わせ）。

本開示による特定の非限定的実施形態において、締結具は、ねじ、ボルト、クランプ、ピン、リベット、および切削インサートを器具ホルダへと固定するのに適した当業者にこれまで公知であった他の任意の締結具から選択され得る。このような締結具を構築するための可能な材料を挙げると、例えば、スチール、ステンレススチール、チタン、チタン合金、および器具ホルダへの切削インサートの固定の使用のために適した機械的特性、耐食性を有する当業者にこれまで公知であった他の任意の材料がある。さらに、締結具は、ある構成を有するべきであり、切削インサートの作動中の刃先へと（耐食性の特性を有し得る）クーラントを方向付けるために適した１つ以上の材料を含む。

本開示について、多様な例示的な実施形態、例示的実施形態および非限定的実施形態を参照して記載してきた。しかし、当業者であれば、多様な代替例、改変例または開示の実施形態（その一部）のうちのいずれかの組み合わせが、特許請求の範囲のみによって定義された本発明の範囲から逸脱することなく可能であることを認識する。よって、本開示は、本明細書中に明記されていないさらなる実施形態を包含することが企図および理解される。このような実施形態は、例えば本明細書中に記載される実施形態の開示されたステップ、構成要素、構成成分、コンポーネント、要素、フィーチャ、局面などのうちいずれかを組み合わせかつ／または改変することにより、得ることができる。よって、本開示は、多様な例示的実施形態、例示的実施形態および非限定的実施形態の記載に限定されず、特許請求の範囲のみによって限定される。よって、本明細書中に多様に記載される発明に機能を付加するように特許請求の範囲を補正することが可能であることが理解される。

Claims (21)

1. 切削インサートであって、
   少なくとも１つの刃先と、
   前記切削インサートを取り外し可能に器具ホルダへと締結する締結具を受容するよう適合された少なくとも１つの締結具ボアと、
   少なくとも１つのクーラント流動凹部であって、前記切削インサートが、締結具により器具ホルダへと締結されると、前記クーラント流動凹部を通して、前記少なくとも１つの刃先へと、クーラントを方向付けるように適合される前記締結具ボア内の前記少なくとも１つのクーラント流動凹部と、
   を含む、切削インサート。
2. 前記クーラント流動凹部は、複数のクーラント流動凹部セグメントを含む、請求項１に記載の切削インサート。
3. 前記切削インサートは基板を含み、前記基板は、高速度鋼、コバルト合金、超硬合金、サーメット、セラミックおよびダイヤモンドのうち１つ以上を含む、請求項１もしくは請求項２に記載の切削インサート。
4. 前記切削インサートは、摩耗被覆を含む、請求項１もしくは請求項２に記載の切削インサート。
5. 前記摩耗被覆は、窒化チタン、炭化チタン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素および酸化ジルコニウムのうち１つ以上を含む、請求項４に記載の切削インサート。
6. 切削工具であって、
   器具ホルダと、
   締結具と、
   切削インサートと
   を含み、
   前記切削インサートは、
   少なくとも１つの刃先と、
   前記切削インサートを取り外し可能に前記器具ホルダへと締結する締結具を受容するよう適合された少なくとも１つの締結具ボアと、
   少なくとも１つのクーラント流動凹部であって、前記切削インサートが、締結具により器具ホルダへと締結されると、前記クーラント流動凹部を通して、前記少なくとも１つの刃先へと、クーラントを方向付けるように適合される前記締結具ボア内の前記少なくとも１つのクーラント流動凹部と
   を含み、
   前記器具ホルダは、
   前記器具ホルダから前記締結具ボアの前記少なくとも１つのクーラント流動凹部へと前記クーラントを方向付けるよう適合された少なくとも１つのクーラントボア
   を含み、
   前記締結具の前記頭部および前記締結具ボアの前記少なくとも１つのクーラント流動凹部は、前記切削インサートの前記少なくとも１つの刃先へと前記クーラントを方向付ける隙間を規定する、
   切削工具。
7. 前記切削インサートの前記クーラント流動凹部は、複数のクーラント流動凹部セグメントを含む、請求項６に記載の切削工具。
8. 前記切削インサートは基板を含み、前記基板は、高速度鋼、コバルト合金、超硬合金、サーメット、セラミックおよびダイヤモンドのうち１つ以上を含む、請求項６もしくは請求項７に記載の切削工具。
9. 前記切削インサートは、摩耗被覆を含む、請求項６もしくは請求項７に記載の切削工具。
10. 前記摩耗被覆は、窒化チタン、炭化チタン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素および酸化ジルコニウムのうち１つ以上を含む、請求項９に記載の切削工具。
11. 前記切削工具は、ミリング器具、ボーリング器具、旋削器具、穿孔器具および一般的な機械加工器具のうち１つである、請求項６もしくは請求項７に記載の切削工具。
12. 内部クーラントシステムを有する切削インサートであって、
    少なくとも１つの刃先と、
    前記切削インサートを取り外し可能に器具ホルダへと締結する締結具を受容するよう適合された少なくとも１つの締結具ボアと、
    前記締結具ボアに隣接して配置された少なくとも１つのスルーキャビティと
    を含み、
    前記少なくとも１つのスルーキャビティは、前記切削インサートの上面から前記切削インサートの下面へと延び、前記切削インサートが締結具により器具ホルダへと締結されると、前記切削インサートを通して、前記少なくとも１つの刃先へとクーラント流体を方向付けるように適合される、
    切削インサート。
13. 前記少なくとも１つのスルーキャビティに隣接するように配置され、前記少なくとも１つの刃先へと前記クーラントをさらに方向ずける様に適合させた前記切削インサートの各前記上面および前記下面上に少なくとも２つの側部突起をさらに含む、請求項１２に記載の切削インサート。
14. 前記切削インサートは基板を含み、前記基板は、高速度鋼、コバルト合金、超硬合金、サーメット、セラミックおよびダイヤモンドのうち１つ以上を含む、請求項１２の切削インサート。
15. 前記切削インサートは摩耗被覆を含む、請求項１２に記載の切削インサート。
16. 前記摩耗被覆は、窒化チタン、炭化チタン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素および酸化ジルコニウムのうち１つ以上を含む、請求項１５に記載の切削インサート。
17. 内部クーラントシステムを有する切削工具であって、
    切削インサートと、
    器具ホルダと、
    締結具と
    を含み、
    前記切削インサートは、
    少なくとも１つの刃先と、
    前記切削インサートを取り外し可能に前記器具ホルダへと締結する締結具を受容するよう適合された少なくとも１つの締結具ボアと、
    少なくとも１つのスルーキャビティであって、前記切削インサートが、前記締結具により前記器具ホルダへと締結されると、前記切削インサートを通して、前記締結具の頭部へと方向付けるように適合される前記少なくとも１つのスルーキャビティと
    を含み、
    前記器具ホルダが、
    前記器具ホルダから前記切削インサートの前記少なくとも１つのスルーキャビティへと前記クーラントを方向付けるように適合された少なくとも１つのクーラントボアを
    含み、
    前記締結具の前記頭部および前記切削インサートの前記少なくとも１つのスルーキャビティは、前記切削インサートの前記少なくとも１つの刃先へと前記クーラントを方向付ける隙間を規定する、
    切削工具。
18. 前記切削インサートは、基板を含み、前記基板は、高速度鋼、コバルト合金、超硬合金、サーメット、セラミックおよびダイヤモンドのうち１つ以上を含む、請求項１７に記載の切削工具。
19. 前記切削インサートは、摩耗被覆を含む、請求項１７の切削工具。
20. 前記摩耗被覆は、窒化チタン、炭化チタン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素および酸化ジルコニウムのうちの１つ以上を含む、請求項１９の切削工具。
21. 前記切削工具は、ミリング器具、ボーリング器具、旋削器具、穿孔器具および一般的な機械加工器具のうち１つである、請求項１７の切削工具。