JP2013540273A - 効率性の向上したファイバ結合テラヘルツシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】本願発明は、テラヘルツ波を生成し、同時検波するテラヘルツシステムに関する。
【解決手段】テラヘルツ波を生成し、同期検波するテラヘルツシステムであり、テラヘルツシステムはレーザ光源と、2つのTHzアンテナとを備え、2つのTHzアンテナは、それぞれ、光ファイバを介しレーザ光源へ光結合され、レーザ光源の光により動作させられ、一方は送信アンテナとして機能し、他方は受信アンテナとして機能し、2つのTHzアンテナは、それぞれ、半導体チップを有し、半導体チップにはアンテナ導体が接触し、半導体チップは、レーザ光源の波長よりも大きなバンドエッジ波長をもつ少なくとも1つの活性層と、レーザ光源の波長よりも小さなバンドエッジ波長を有し、活性層に隣接する1以上の層とを含み、2つのTHzアンテナのうち少なくとも1つのTHzアンテナの活性層のバンドエッジ波長は、レーザ光源の波長よりも200nm以上大きい。
【選択図】図1

Description

本願発明は、テラヘルツ波を生成し、同期検波するテラヘルツシステムに関する。
テラヘルツ波の周波数は、0.05から20THzの範囲に含まれ、典型的には、0.1から10THzの範囲に含まれる。これらの周波数は電子信号処理を行うには高過ぎるが、他方、フォトニクスの分野で典型的な周波数と比較すると非常に低いので、テラヘルツ波の量子エネルギーは、非常に小さい。よって、テラヘルツ波で動作する測定システムを実現するのは非常に困難であり、このことが理由となりテラヘルツ波は、その特性が満足いく程には生かされておらず、実際の応用がなされていない、電磁スペクトルのうちでも数少ない領域となっている。
本明細書で説明するタイプのテラヘルツシステムは、テラヘルツ波の生成および検波に光電子半導体チップを利用する。よって請求項のプリアンブルに係るタイプのテラヘルツシステムは、レーザ光源と、2つのTHzアンテナとを含み、2つのTHzアンテナは、それぞれ、光ファイバを介しレーザ光源へ光結合され、レーザ光源の光により動作させられ、一方は送信アンテナとして機能し、他方は受信アンテナとして機能する。よって2つのTHzアンテナは、それぞれ、半導体チップを有し、半導体チップにはアンテナ導体が接触し、半導体チップは、レーザ光源の波長よりも大きなバンドエッジ波長をもつ少なくとも1つの感光活性層と、レーザ光源の波長よりも小さなバンドエッジ波長を有し、活性層に隣接する少なくとも1つの層とを含む。アンテナ導体は、典型的には、各半導体チップ上に統合される。レーザ光源は、短パルスを生成する、または、わずかに異なる波長をもつ2つのレーザ波を重畳することにより、THz領域のビート信号を生成することが出来る。本願発明における1つのレーザ光源の波長は、当該光源により生成される光の波長スペクトルの重心として定義される。テラヘルツ波は、そのようなテラヘルツシステムにより生成が可能であり、かつ、送信アンテナのアンテナ導体へ電圧を印加することにより同期検波が可能である。ここで送信アンテナおよび受信アンテナはレーザ光源のコヒーレント放射によって同時に動作させられ、受信アンテナで生成された電流が、受信アンテナのアンテナ導体に接続されたセンサにより測定される。このやり方により、レーザ光源と、受信アンテナまたは送信アンテナとの間の飛行時間(time−of−flight)の異なる遅延での受信信号を検出することが出来、送信アンテナと受信アンテナとの間に配置されたサンプルを検証することが出来る。
このタイプのテラヘルツシステムは例えば、DE10 2007 044 839A1により公知となっている。これらのテラヘルツシステムは、レーザ光源からTHzアンテナへの接続に光ファイバを用いることにより、コンパクトかつ堅牢かつフレキシブルなやり方で実現出来る点で有利である。しかし、このタイプの、従来技術により公知であるテラヘルツシステムはまだ、不十分な大きさのパワーにしか対応できない。送信アンテナの送信パワーが比較的低く、受信アンテナの感度に限界があることにより、測定の積分時間が長くなり、測定が遅くなる点で不利である。また、比較的に材料の厚さが薄い場合であっても、吸収の大きな材料を突き抜けて照射することは出来ず、小さな信号を高い信頼性で検出することは出来ない。
よって、本願発明の目的は、従来技術に匹敵する、効率性の面で改善され、レーザ光源の任意の出力でより大きな送信パワーを実現でき、受信感度が向上し、従来技術と同程度にコンパクトかつ堅牢であるテラヘルツシステムを提供することである。
本願発明によると、上記目的は、独立請求項のプリアンブルに記載される特徴と組み合わせて、独立請求項の特徴を有するテラヘルツシステムにより達成することが出来る。本願発明の有利な発展例および設計例は、従属請求項の特徴から推定される。
よって本願発明においては、2つのTHzアンテナのうち少なくとも1つのTHzアンテナの活性層のバンドエッジ波長は、レーザ光源の波長よりも200nm以上大きい。送信アンテナおよび受信アンテナの両方についてこのことが当てはまることが好ましい。しかし、それぞれが異なるように構成されていてもよく、必ずしも同一のバンドエッジ波長を有する必要はない。活性層のバンドエッジ波長と、レーザ光源の波長との距離を比較的大きくすることによって、活性層の、レーザ光源の光に対する吸収係数を非常に大きく出来る。このことにより、テラヘルツアンテナを動作させる機能をもつレーザ光源の光が、薄く設計される活性層であっても大きく吸収されるという利点がもたらされる。
吸収される光子毎に正確に一組の電子とホールとが生成され、入射する(beamed−in)光のパワーを一定とすると、生成される電荷キャリアの移動度は、光子エネルギーが大きく短波長である光によって生成された場合の方が、光子エネルギーが小さく長波長であるが吸収される光を用いた場合よりも小さい。よって短波長の光は本質的に、入射する光のパワーに対し可能な限り効果的であるべき光電効果にとって好ましくない。さらに、高いエネルギーをもつ光子の過剰なエネルギーは、典型的には半導体コンポーネントの機能を損なうこととなる熱に変換される。しかし光電効果は、テラヘルツ波の生成および検波において、工程の一部にしか過ぎない。テラヘルツ波の光電効果による変換において、高周波数であるという特徴が、吸収層が非常に薄いということを特に有利であるとするならば、全く新しい評価が生まれることとなる。そこで、いずれの場合であっても、非常に薄い層における大きな光の吸収が必要となってくる。このことは、本明細書で説明する短波長の光によって達成可能である。よって全体として、送信アンテナに関しては、大きなTHz送信パワーが達成され、受信アンテナに関しては、非常に高いTHz感度が達成される。なぜならば、高周波数特性が非常に薄い活性層により最適化され、良好な光吸収が、バンドエッジ波長よりも200nm以上大きな光源の波長によって達成可能だからである。よって、活性層の厚さが厚すぎることにより十分に迅速に反応しない、高いパワーを有しない、または、光の吸収が少なすぎるので十分な感度を有しないというTHzアンテナの課題を解決することが出来る。
説明する利点は、THzアンテナのうち少なくとも1つのTHzアンテナの活性層のバンドエッジ波長が、レーザ光源の波長より250nm以上大きい場合、特に顕著となる。これは、感光材料から形成される活性層の吸収係数が、少なくとも最初の段階において、バンドエッジ波長から、より小さな波長にかけて、非常に急激に上昇するからである。活性層のバンドエッジ波長と、レーザ光源の波長との間の距離を大きくすることを可能にするには、活性層のバンドエッジ波長が、隣接層のバンドエッジ波長より300nm以上短いのが有利である。
ここで、それぞれの場合において、λ=hc/ΔEに従ってバンドギャップΔEに関連し、よって、価電子帯と伝導帯との間の距離に関連する波長λをバンドエッジ波長とし、ここでhはプランク定数であり、cは光の速度である。よってバンドギャップは、各層の層厚さに依存し得る。バンドギャップ、またそれに従ってバンドエッジ波長は温度に依存するので、通常のやり方で定められる、典型的には10〜40℃、好ましくは20℃である動作温度におけるそれらの値を用いる。
レーザ光源の波長と、活性層に隣接する少なくとも1つの層のバンドエッジ波長との距離が小さ過ぎないことにより、THzアンテナの効率性を格段に低下させ不都合を生じさせる熱のさらなる生成に繋がる、レーザ光源からの光の隣接層での吸収を、確実に防ぐことが出来る。
本明細書で言及する特定の特徴が、送信アンテナのみ、または受信アンテナのみに特定の状況において適用されていても、当然ながら、それら特徴が両方のTHzアンテナに適用されれば特に有利である。有用な実施形態においては、レーザ光源と、THzアンテナのうち一方との間に好ましくは制御可能である光遅延回路が接続され、これにより、2つのTHzアンテナを動作させる光制御信号のタイムスロットを相対的にずらすことが出来る。これにより、テラヘルツ波の減衰および飛行時間の遅延が、送信アンテナと受信アンテナとの間に配置されたサンプルによって正確に求められる。
活性層を形成し、THzアンテナのうち少なくとも1つのTHzアンテナに属する半導体材料のバンドエッジ波長は1600nm以上であり、言及された条件を満たすことが有利である。よって量子井戸効果により活性層自体が、短いバンドエッジ波長を有し得、それでいて、どのような場合であってもレーザ光の波長への距離は十分に長い。ここで用いられる活性層は、例えば、およそ1650nmのバンドエッジ波長を有するInGaAsから形成されてよく、または、好ましくはInGaAsを主に含有している。よって活性層は、例えば、ベリリウムがドープされたInGaAs、よってInGaAs:Beにより形成されてよい。THzアンテナの半導体チップの基板は、InPから形成されてよい。活性層、および当該活性層に隣接する1以上の層は、例えば、当該基板上にエピタキシャル成長させられてよい。
THzアンテナの少なくとも1つのアンテナの活性層の最大厚さは、レーザ光源の光の侵入深さに対応し、これによりテラヘルツ波の生成または検波にとって重要な迅速な応答性を達成する。侵入深さは、レーザ光源からの入射光のビーム強度が、光が放射される表面でのビーム強度の1/eの割合まで低下する深さとして定義される。
典型的には、THzシステムの少なくとも受信アンテナは、光伝導体をベースとする。送信アンテナも同様であってよい。光伝導体をベースとするTHzアンテナの半導体チップは、1つか、若しくはいくつかの活性層を含んでよい。よって原則として、1つの活性層、または複数の活性層のそれぞれは、2つの隣接層の間に埋め込まれる。よって隣接層は、再結合層として機能する。半導体チップは、活性層および再結合層が複数回、交互に配置される周期的な層構造を有し、例えば100以上の活性層が設けられるのが特に有利である。これにより、一方では十分に迅速な光伝導体を実現するべく活性層を非常に薄く設計出来るが、それと同時に、レーザ光源からの入射光によって高い光電流を達成することが出来る。高い光電流を得ることは、効率性の高いテラヘルツシステムを実現するにあたり重要なことである。これにより、光伝導体をベースとするTHzアンテナの活性層は、12nmよりも厚くてはならず、好ましくは10nm以下の厚さであり、活性層のそれぞれが最大で8nm未満、より好ましくは6nm以下の厚さである場合に、特に良好な結果が得られる。再結合層は、例えば、最大で10nmの厚さとなるよう、また典型的にはおよそ8nmの厚さとなるよう設計されてよい。よって、活性層および再結合層によって形成される層構造は、表面上にて、または横の端面上にて、アンテナ導体と接触してよい。
十分に短いバンドエッジ波長を有するInAlAsは、光伝導体における、活性層に隣接する1以上の層の材料として有用である。よって、再結合層として機能する1以上の層は、好ましくは主にInAlAsを含有しており、例えば、電子トラップまたは再結合中心を備えたInAlAsから形成される。
送信アンテナは光伝導体の代わりにフォトダイオードをベースとするものであってもよい。原則として、好ましくは少なくとも主にInGaAsから形成される活性層は、最大で400nmの厚さを有し、好ましくは300nm未満の厚さを有する。フォトダイオードの迅速な応答性に関して特に有利な実施形態において、フォトダイオードの活性層の厚さは、200nmまたは100nm未満である。結成層に隣接し、ここでは接触層として示す1以上の層は、例えばInGaAsPまたはInGaAlAsを含有し、好ましくは主にこれらの材料のいずれかから形成される。よって典型的には、ここでも2つの隣接層が提供され、これらの間に活性層が配置され、隣接層のうち一方はpドープ層であり、他方はnドープ層である。これらの4つの要素からなる層のバンドエッジ波長は、混合比を変化させることによって設定することが出来る。これらの層のバンドエッジ波長は、活性層のバンドエッジ波長よりも小さくなくてはならないが、伝導帯と価電子帯との間の隔たりは、フォトダイオードの良好な機能を得るには大きすぎてはならない。典型的には、1200nmのバンドエッジ波長を有する境界層が、InP上の、1650nmのバンドエッジ波長を有するInGaAsの活性層にとっては最下限となる。これらの層は1250nmより大きな波長に対し十分に透明であり、このことによって、境界層において吸収を生じることなく、レーザ光の波長から活性層のバンドエッジ波長までの距離を所望される程度に大きなものに出来る。送信アンテナの特に高い効率性は、フォトダイオードを用いることにより達成することが出来る。
隣接層、またはTHzアンテナのうち少なくとも1つのTHzアンテナの隣接層の少なくとも1つを導波路として機能させてもよい。その隣接層内へレーザ光源からの光が光ファイバを通じて結合され、当該THzアンテナをレーザ光源へと接続し、当該層によって定められる平面に光を伝搬させることが出来る。よって、コンパクトな構成を実現出来、また達成出来るので有利であり、これにより、レーザ光源の光の光子エネルギーが活性層で非常に効果的に吸収されるようにすることが出来る。少なくとも1つの隣接層を、レーザ光源の光が供給される導波路として設計することにより、フォトダイオードベースの送信アンテナが用いられた場合に特に有用となる。
テラヘルツシステムのレーザ光源の波長は、例えば、ファイバテレコミュニケーション分野においていわゆるOバンドと呼ばれる1260〜1360nmの間であってよく、好ましくは、1260〜1310nmの間である。活性層のバンドエッジ波長までの望ましい距離、および、少なくとも1つの隣接層のバンドエッジ波長までの望ましい距離に関してはさらに、光ファイバの分散が殆ど無視出来る程度であり、例えばSSMF標準の単一モードファイバを用いることが出来るという利点がある。このことによりさらに、パルス層を利用した際に、THzアンテナの機能を妨げるパルス拡がりを避けることが出来るという特に大きな利点が生まれる。
THzアンテナを動作させるレーザ光源としてパルスレーザを用いた場合、両方のTHzアンテナが光伝導体をベースとするものであれば特に有利である。なぜならパルスレーザを用いると、高い送信パワーと高い受信感度が特に良好に実現できるからである。パルスシステムとしてテラヘルツシステムを実施した場合、適した波長をもつ、任意のフェムトセカンドパルスレーザを用いることが出来る。
他の実施形態において、レーザ光源は2モードレーザまたは2つのレーザからなるシステムである。レーザ光源は、2つのレーザ波のビート信号を生成するよう構成され、ビート信号のビート周波数は0.05THz以上でなくてはならず、典型的には、0.05〜20THzの間であり、好ましくは、0.1〜10THzの間である。これにより、適した周波数および波長をもつテラヘルツ波を生成することが出来る。2モードレーザまたは2つのレーザからなるシステムを用い、対応して生成されるビート信号によってTHzアンテナを動作させる実施形態においては、送信アンテナがフォトダイオードをベースとするものである場合に特に満足のいく結果に繋がる。なぜならば、送信パワーが小さすぎることによる問題は、ビート信号による動作の場合に特に重大となるが、この問題は、フォトダイオードをベースとする送信アンテナを用いることにより避けることが可能だからである。
以下、図1〜13を参照し、本願発明の実施形態を説明する。
図1は、テラヘルツ波を生成し、同期検波するテラヘルツシステムの概略図である。 図2は、図1のテラヘルツシステムの受信アンテナの平面図である。 図3は、図2の受信アンテナの半導体チップの断面を切り取った断面図である。 図4は、図3に対応し、図2および3の実施形態の変形例に係る受信アンテナの半導体チップの断面を切り取った断面図である。 図5は、図1のテラヘルツシステムの送信アンテナの平面図である。 図6は、テラヘルツアンテナの活性層の吸収係数の波長への依存性を示す。 図7は、比較的厚い感光活性層への侵入深さに依存する放射強度のグラフを示す。 図8は、図7に対応し、同じ波長であるが、活性層の厚さが大幅に小さい場合の放射強度のグラフを示す。 図9は、図7および8に対応する、波長の短い光に関する、図8と同様に層厚さが小さい活性層の放射強度のグラフを示す。 図10は、図1に対応する、他の実施形態に係るテラヘルツシステムの平面図である。 図11は、テラヘルツシステムの送信アンテナの半導体チップの断面を切り取った断面図である。 図12は、送信アンテナ内のフォトダイオードの斜視図である。 図13は、図10のテラヘルツシステムの送信アンテナの全体を示す斜視図である。
図1に示すテラヘルツシステムは、レーザ光源1、送信アンテナ2および受信アンテナ3を含む。送信アンテナ2および受信アンテナ3は、それぞれ、レーザ光源1からの光により動作させられるTHzアンテナである、ビームスプリッタ4は、レーザ光源1の出力の後方に配置される。送信アンテナ2および受信アンテナ3は、それぞれ、光ファイバ5を介して、ビームスプリッタ4の2つの出力のいずれかへ接続される。
ここでレーザ光源1はパルスレーザである。このパルスレーザのモードコム(mode comb)の重心は、Oバンドに含まれる。よってモードコムの重心として定義されるレーザ光源1の波長は、1310nmである。ここで光ファイバ5は、例えばこの波長においてゼロ分散となるSMF28などのタイプのSSMF光導波路である。両方のTHzアンテナを動作させる光制御信号の相対的なタイムスロットをシフトさせられる制御可能な光遅延回路6は、一方の光ファイバ5の入力か、またはその途中に配置される。ここで遅延回路6は、例えば、変化する電界を受け得る遅延導体(delay conductor)を含んでよい。最後に、テラヘルツシステムにより検証され、送信アンテナ2と受信アンテナ3との間に配置されるサンプル7が示される。
レーザ光源1を形成するパルスレーザは、例えばプラセオジムがドープされたファイバパルスレーザであってもよく、または例えばInGaAsP/InP材料系をベースとする半導体パルスレーザであってもよい。光ファイバ5はレーザ光源1の波長において分散を生じないので、回折格子または特別なファイバによる分散補償は必要ではない。分散補償の複雑な調整を省略することができ、光ファイバ5のファイバ長さは、最大数メートルであってよく、その長さを変更しても問題ない。
図2は、図1のテラヘルツシステムの受信アンテナ3を示す。受信アンテナ3は、InPの基板8を有する半導体チップをベースとしている。この基板8には、それぞれ電気接点10を介して感光領域11へ接続される2つのアンテナ導体9が載置される。受信アンテナ3をレーザ光源1へと接続する光ファイバ5は、レーザ光源1がそのファイバ5を介して光感光領域11を上方から照らすことが出来るように配されている。レーザ光源1からの光が入射すると、感光領域11は導電状態となる。よって、受信アンテナ3が、レーザ光源1からの光と時間的に関連する電磁波によって誘起される電界の影響を同時に受けると、2つの導波路9の間に電流が流れる。この電流はセンサSによって測定することが出来る。センサSは概略的にのみ示されており、アンテナ導体9へと接続される。よって、レーザ光源1によって動作させられる送信アンテナ2によって生成されるテラヘルツ波は、受信アンテナ3により同期検波が可能である。
図3は、受信アンテナ3の詳細を示す断面図である。その詳細には、特に、感光領域11が含まれる。感光領域11において、20〜100という数の多数の活性層12を含む基板8上に光伝導体が配置される。これらの活性層12は、特定の状況ではベリリウムがドープされるInGaAsから形成され、それぞれの層は、実施形態に応じて、12nm、10nm、8nmまたは場合によっては6nmと薄い層厚さを有する。活性層12のそれぞれは2つの隣接する2つの隣接する層13の間に埋め込まれる。隣接する層13はそれぞれ、およそ8nmの厚さを有し、電子トラップまたは再結合中心を有するInAlAsをドープすることにより形成される。よって活性層12、および活性層12に隣接し、かつ基板8上にエピタキシャル成長させられる層13は、半導体チップの基板8上方に、周期性をもつ層構造を形成する。隣接する層13のバンドエッジ波長は、およそ900nmであり、よって、レーザ光源11の波長より大幅に小さい。ここで、活性層12と交互に形成される隣接する層13は、活性層12の厚さが薄いことに起因し、活性層12において光が入射することによって放出される電荷キャリアを非常に迅速に再度捕捉する、再結合層として機能する。
活性層12の厚さが薄ければ薄い程、活性層12における電荷キャリアに対する再結合層の効果は良好になる。しかし、薄い埋め込み層の場合、いわゆる量子井戸効果が起こり、実効バンドエッジ波長がより短い波長へとシフトする。InP基板上の厚さが大きいInGaAsのバンドエッジ波長は1650nmであるが、図3の層12の厚さが12nmの場合、実効バンドエッジ波長は1600nmとなる。再結合層の機能を最適化するには、活性層の厚さはさらに薄く、10nm、8nmまたは6nmであるのが有利である。よって、バンドエッジ波長は、およそ1550nm、1500nmおよび1450nmへとシフトする。これらのバンドエッジ波長は、INGaAsのGaおよびInの混合比を適切に選択することによって幾分さらに大きくすることも出来る。これにより、波長が1550nmであり、従来のテラヘルツシステムにおいて同等のTHzアンテナを励起するのに適用されるレーザ光源で、吸収は生じなくなる。しかしここで用いている、厚さが12nmであり、バンドエッジが1600nmである層に対し、1550nmの波長ですでに光吸収が生じている。熱に変換される過剰な光子エネルギーは非常に小さい。よってこのことは、従来の観察によると、非常に好ましい波長関係を示している。しかし、12nmという薄さの各層における吸収は非常に小さいので、十分な光電効果は、構造の周期的な繰り返しによってのみ得ることが出来る。実現できたのは、例えば、100の周期であり、このことによって、吸収層の合計の厚さは、1.2μmとなる。この厚さは、当該波長における光の侵入深さに対応する。この一式の層の作成には、高コストな分子ビームエピタキシ装置を用いた、手間が多く長い時間を要するエピタキシ処理が必要となる。当該機能をより少ない数の層で実現出来れば、製造は単純かつ低コストとなる。このことは、本明細書で提案されるように、レーザ波長を短波長とし、これにより、求められるように、吸収材料の実効バンドエッジ波長に対する波長差を、少なくとも200nm、より好ましくは250nmと設定することによって可能となる。光の侵入深さはかなり浅くなり、そして、合計厚さをこの侵入深さより大きくすることによっては何ら改善はもたらされないので、活性層12の数を例えば20とするなど、周期の数はかなり小さい数とすることが出来る。周期の数を小さく、また一式の層全体の厚さを小さくすることにより、図3に示すような複雑なメサ構造および側面接触は必要ではなくなり、図4に示すような、接点が頂部に存在する単純な平面構造を用いる事が出来る。
レーザ光源1とTHZアンテナとの間にファイバ接続を用いた場合の特に有利な波長は、いわゆるテレコミュニケーション分野におけるOバンドであるおよそ1310nmである。この波長によりファイバはゼロ分散となり、短パルスの送信において特に必要となりうる、実施が困難な分散補償を省略することが可能となる。1310nmの波長および12nmの厚さである活性層を用い、実効バンドエッジ波長が1600nmである場合、290nmの波長距離は非常に大きい。このことが意味するのは、ファイバを介した非常に良好かつ単純なパルス送信の利点を、層の周期の数が非常に小さいアンテナの利点と併せて得ることが出来るということである。Oバンドよりもわずかに小さな波長を用いることももちろん可能ではあるが、およそ1310nmの有利なレーザ波長を用いることにより、さらに薄い活性層12を間に挟んだ再結合層の効果を最適化できる可能性が大きくなる。活性層12を形成するInGaAsの最適な混合比を選択した場合のレーザ波長から実効エッジ波長までの距離は、それでもおよそ250nmまたは200nmと大きいので、10nmまたは8nmの厚さの層を用いても良好な光吸収を実現する点で有利である。特定の状況下においてこの距離は、6nm程度の層厚さであっても実現することが出来る。よって、1310nmという有利なレーザ波長は、これまでそうであったように、活性層12の実効バンドエッジとの大きな波長差を有する最適化された薄層と組み合わせて用いる事が出来る。
図3においては層12、13のうち数層のみが示されており、層12、13の内層は省略されている。図3からわかるのは、アンテナ導体9に接続され、ここでは光伝導体に対し横方向に、かつ端面に接する電気接点10である。
図4は、図3の詳細に対応する、同様のTHzアンテナの一部を切り取った断面図であり、当該アンテナは、図2および3の受信アンテナ3の代わりに用いることが出来、図2および3の受信アンテナとは光伝導体の接触の仕方のみが異なる。同様の要素には同様の参照符号が付されている。光伝導体を形成する層12、13は、ここで、より大きな表面を有してもよく、特定の状況下では、基板8の表面全体に析出形成されてもよい。図3に示す設計とは異なり、ここでは、光伝導体は、端面には接触せず、最も上に位置する層13の表面に接触している。
図5は送信アンテナ2を示す。送信アンテナ2は、センサSではなくアンテナ導体9が、非常に概略的に示す電圧源に接続される点のみ、受信アンテナ3と異なる。上述した受信アンテナ3の要素と対応する要素には、同様の参照符号が付されている。レーザ光源1からの光パルスが送信アンテナ2の感光領域11に当たると、アンテナ導体9に電圧Uが印加されることによって、短パルス電流が、アンテナ導体9間を流れる。これにより、送信アンテナ2は、フェムトセカンド領域(典型的には数100fs以下)の光パルスをもつパルス長さに対応して、テラヘルツ領域の周波数を有し、上述した受信アンテナ3で同期検波出来る電磁波を放射することとなる。
図6は、活性層12の吸収係数αの入射光の波長λに対する依存性を示す、対数表現である。λ1で示される活性層12のバンドエッジ波長では吸収係数αがほぼ一定となることを容易に認めることが出来る。大きな波長λにおいて活性層12は透明である。これは、対応する光の光子エネルギーが、電子を価電子帯から伝導帯へ移動させる程、十分に大きくないからである。しかしバンドエッジ波長から離れると、より小さな波長λでは、吸収係数αが急激に上昇することが認められる。従来のテラヘルツシステムでは、THzアンテナの感光材料のバンドエッジ波長よりもわずかだけ小さい波長を有する光源を用いて、THzアンテナを動作させ、かつ入念に考えられたやり方によって、可能な限り感光材料における熱の発生を抑えようとしていた。このやり方は、動作させるのに用いる光の光子エネルギーと、価電子帯と伝導帯との間のバンド距離との差によって与えられる過剰エネルギーが熱に変換されるといった理解に基づいている。従来のテラヘルツシステムに典型的な励起波長を、図6においてλ2として示す。吸収係数αはまだ、この波長の光に対しては相対的に小さい。
図7は、波長λ2をもつ光が、活性層12の材料と同じ材料から成るが比較的に厚さdが大きい層でどのように吸収されるかを示す。ここで、放射強度Iは、位置座標xに依存するものとして示されており。各座標系のx軸は、言及される層の垂直方向を示す。吸収係数αは波長λ2に対して小さいが、比較的厚さdが大きいので、光の大部分が当該層で吸収される。図7の条件は、THzアンテナを実現する組み合わせた光伝導体に用いられる条件と対応する。よって、ここでは光子エネルギーは光電効果をトリガするのに丁度十分な量でしかないので、光電効果の効率性が最適化されている。
図8は、図7に対応し、光伝導体が、上述したタイプのTHzアンテナでテラヘルツ波の生成または検波を十分に迅速に行うよう、層厚さdがより小さい場合の放射強度Iのグラフを示す。図8に示す放射強度Iのグラフから推論出来るように、バンドエッジ波長に近い波長λ2をもつ光は、その非常に小さな割合のみが吸収される。このことが理由となり、対応して少数の電荷キャリアのみが伝導帯へと移動させられる。波長λ2においてエネルギーバランスの面で原則的に非常に効果的な光電効果にも関わらず、非常に薄い層では非常に少ない光電荷キャリアだけが生成され、よって、光電子半導体チップをベースとする各THzアンテナの効率性は、非常に低いものとなる。
最後に図9は、図7および8に対応し、図8と同様に層厚さdが小さく、図6ではλ3として示される非常に小さい波長をもつレーザ光源1の光を用いた場合の放射強度Iのグラフを示す。小さな層厚さdにも関わらず、非常に大きな割合の光が吸収され、よって吸収係数αが大きいので、比較的多数の電荷キャリアが伝導体に移動させられる。より多量の熱が生成され、光電効果がエネルギーバランスの面では効率性が低下するものの、レーザ光源1によって動作する図1のテラヘルツシステムのTHzアンテナがなぜ、効率性の面の非常に良好に動作するのかを、このことが示している。
本明細書で提案する解決法ではまず、適用される感光材料のバンドエッジ波長よりも波長がわずかだけ大きいフェムトセカンドレーザを使用せず、レーザ波長がちょうど吸収され、これにより光電効果の効率性が最適化されるようなバンドエッジを有するようにテラヘルツアンテナの感光層を必ずしも設計しない。対照的に、実現可能なテラヘルツ周波数のバンド幅、および光電子半導体チップの光からテラヘルツ波への変換、またはテラヘルツ波の検波における効率性の最適化が主な目的となる。よって、光電効果の効率性よりも上記の最適化をより考慮し、最適化を実現する新たな指針を提供する。テラヘルツ波に関する効率性は、以下の構成により向上させられる。THzアンテナに用いられ、可能な限り小さなバンドエッジエネルギー(バンドギャップ)で、よって可能な限り大きなバンドエッジ波長で用いられる、好ましくはInP基板の上方に設けられるInGaAsをベースとした感光層(活性層12)を開発した。加えて、励起させるべく、バンドエッジエネルギーよりもはるかに大きな光子エネルギーでレーザ光線が照射される。よって、可能な限り大きなバンドエッジ波長を有する材料が、可能な限り短い波長のレーザで励起されるべきである。
感光層の厚さを可能な限り薄くすることにより、テラヘルツ周波数の特性を向上させられる。しかしながら、同時に、高効率性を達成するべくレーザ光は大きく吸収されるべきである。このことは、波長差を大きくすること、および吸収係数を大きくすることにより可能となる。特に重要なのは、例えば、図3および4に示すようなInGaAs/InAlAs多層光伝導体などのナノメートルの薄層において特に、バンドエッジ距離を大きくすることであり、これにより層は、量子井戸効果によってさらに透明となる。有利であることが多い、大きなバンド距離を有する境界層間への感光層の埋め込みによって大きな吸収が起こらないように、レーザ光の波長の短さには制限が設けられるべきであり、これにより、所望されない位置での光損失を避けられる。
ファイバ接続システムに対する要求があることにより、レーザ波長がさらに制限されることとなっている。オープンビーム格子配置(open−beam grating arrangements)などの複雑な構成を追加的に用いることなくパルス送信が可能となるよう、レーザ波長において分散を補償することの出来るファイバか、または分散が無視できる程度に小さいファイバが求められている。このことにより、1310nmのいわゆるOバンドと呼ばれる波長が最適である。なぜなら、この波長において、SSMFの分散がゼロとなり、InP上の好ましい材料であるInGaAsのバンドエッジ波長までの十分に大きな波長距離が得られ、通常通りの境界表面を透明なやり方で設計することが出来るからである。
図10は、上述したテラヘルツシステムとはレーザ光源1'および送信アンテナ2'が異なる、他のテラヘルツシステムを示す。ここでも同様の要素には、同様の参照符号が付される。特に、同様の受信アンテナ3が用いられている。ここで、レーザ光源1'は、それぞれわずかに異なる波長をもつ2つのレーザ14と、2つのレーザ14のレーザ放射を重畳し、これにより生成されるビート信号を光ファイバ5に供給する、2つの入力および2つの出力を有するカプラ15とを含む、システムによって構成されている。よってビート信号は、およそ1THzのビート周波数を有する。2つのレーザ14のうち少なくとも一方の波長を制御することが出来れば、このビート周波数は調整することが可能である。ビート信号を生成し、このビート信号を光ファイバ5へ供給する2モードレーザを、このように構成されたレーザ光源1'の代わりに用いることも可能である。
ここで送信アンテナ2'は、上述した実施形態とは異なる、フォトダイオードをベースとする光電子半導体チップによって実現することも可能である。図11は、この光電子半導体チップの断面図を示す。ここでも、感光性の活性層12'は、InPから形成される半導体チップの基板8'の上方に配置される。活性層12'は、ドープされていないInGaAsから形成され、100nmよりわずかに小さな層厚さを有する。よって活性層12'は、1260〜1360nmであるレーザ光源1'の波長よりもはるかに大きな、およそ1650nmのバンドエッジ波長を有し、この値の周辺で調整可能であることが好ましい。
活性層12'は、隣接する、nドープInGaAsPから形成される層13'によって基板8'から隔てられている。活性層12'の上方には、他のpドープInGaAsPの層13"が隣接して配置されている。InGaAsPの代わりに、対応してドープされたInGaAlAsを層13'、13"に用いることも出来る。よって、層13'、13"は、バンドエッジ波長がレーザ光源1'の波長よりもはるかに小さく、およそ1200nmとなるように設計される。
活性層12'に隣接する層13'、13'は、フォトダイオードのp−n遷移を可能とする接触層として機能するだけではない。さらに、レーザ光源1'の光に対し透明な層13'は、レーザ光源1'の光を水平方向に供給する導波路層として機能する。この光は、図11において矢印で示される。図11において明らかに認められるように、2つの光ファイバ5のうち一方を通り、送信アンテナ2'の半導体チップの端面へと供給されるレーザ光源1'からの光は、層13'を通って伝搬し、活性層12'へと到達する。ここで光は吸収され、フォトダイオードを逆バイアスがかかった状態とする。このことにより、レーザ光源1'の選択されたビート周波数によって、送信アンテナ2'から放射されるテラヘルツ波が生成されることとなる。
図12は、送信アンテナ2'の詳細を、光ファイバ5の一端と併せて示す斜視図である。特にこの詳細には、フォトダイオードが含められている。ここでも同様の要素には、同様の参照符号が付される。送信アンテナ2'のコンポーネントは、縮尺通りには示されていない。活性層12'に隣接する層13'、13"上に配置される電気接点10'も示す。
図13は、送信アンテナ2'を形成する半導体チップの全体を示す。ここで、基板8'上に配置され、薄い絶縁層によって基板8'から隔てられる2つのアンテナ導体9'が示される。アンテナ導体9'の一方はnドープ層13'に接続され、他方は、接点10'を介してpドープ層13"へ接続される。図11および12に示され、アンテナ導体9'よりも数桁分小さいフォトダイオードは、アンテナ導体9'の間に位置し、送信アンテナ2'の感光領域11'を形成する。送信アンテナ2'の、2つのストリップ導電体を介してアンテナ導体9'に接続され、フォトダイオードの電圧より低く設定される電圧源への接続は、図13において概略的に示されている。光ファイバ5の出力に光結合される結合表面16は、基板8'の端面に示される。
フォトダイオードの速度および周波数挙動は、実質的に、大きなバンド距離を有する吸収層からpドープ境界層またはnドープ境界層への、生成された光電荷キャリアの輸送時間にとって決定づけられる。通常、輸送時間は、逆方向に印加される電圧により向上する。輸送時間をさらに短くする技術としては、電荷キャリアの輸送距離を短くする、つまり、吸収層の厚さを薄くする方法がある。しかしこの方法では、光の吸収性および効率性も大幅に低下する。このことに対処する方法としては、本明細書で説明するように、縦方向ではなく横方向に層を照らす方法がある。層の厚さを大きくする設計方法によって吸収量を大きくすることが出来るが、光変調による平均化が起き、周波数挙動を低下させる。よって、より良好な対策は、短い波長に対して大きな吸収係数を有する活性層12'を、より短い波長で励起することである。よって図6〜9に示す関係は、送信アンテナ2'に関しても当てはまる。感光層12'は大きなバンド距離をもち、よって小さなバンドエッジ波長を有する層13'、13"のp−n遷移の間に埋め込まれる。これら層13'、13"での光吸収はフォトダイオードの機能および効率性に干渉し、よって、レーザ光源1'の波長を層13'、13"のバンドエッジ波長より大きくなるよう選択することによって避ける。隣接する層13'、13"の機能および透明性の良好なバランスは、境界となるこれら層13'、13"のバンドエッジ波長を1150〜1200nmとすることによって達成することが出来る。このことにより送信アンテナ2'の動作は、Oバンドの波長で動作させられることによって、効率的なものとなる。
図10に示すテラヘルツシステムは、ファイバ結合された連続波テラヘルツシステム(CWシステム)であり、テラヘルツアンテナは、1310nm±50の範囲のレーザ光により動作させられ、よって、効率よく動作する。少なくとも一方の波長が制御可能であるレーザ14からの光ファイバ5と結合される光は、同じ偏光方向でカプラ15内で事前に重畳させられ、ビート信号が生成される。テラヘルツアンテナを動作させるのに用いられる2つの出力信号の時間シフトまたは位相シフトは、2つのレーザ14の2つの波長のうち一方に用いられる遅延導体または位相変調デバイスによって構成される遅相回路6で制御することにより、設定および変調が可能である。
本明細書で提案するテラヘルツシステムを実現する基本的な原理は、チップを最適化する、些細なものに見えるパラメータの重要性が、以前までは認識されておらず、または、誤って解釈されてさえいたという事実に基づく。このパラメータは、励起光と吸収材料のバンドエッジとの間の波長差、またはエネルギー差である。ここで、従来は、光の波長は出来るだけ大きく、かつそれでいて吸収され得るものが有利とされていた。なぜならばこれにより、任意の光パワーが、可能な限り大きい数の電子とホールとの組へと変換され、つまり、光パワーの光電荷キャリアへの変換の効率性が最適化されるからである。対照的に、短い波長および高い光子エネルギーにより、生成される電荷キャリアが少なく、過剰なエネルギーは、理由がないわけではないが不利なものとして見なされる、より多くの熱の生成へと繋がる。
光混合器の最適化、よってTHzアンテナ全体としての最適化を優先事項とすれば、全く異なる見方が出来る。以下、吸収層の厚さが可能な限り薄いものであることがなぜ、光伝導体の速度、およびフォトダイオードの速度を最適化するのに重要なパラメータであるのかについて説明する。しかし薄層は、十分に大きな程度だけ、励起光を吸収出来なければならない。さもなくば、効率性は失われてしまう。厚さの薄い層(速度)および高い光吸収(速度(効率性)は、可能な限り短く、よって、バンドエッジよりも可能な限り大きなエネルギーをもつ波長を用いることによって、同時に達成することが出来る。バンドエッジは、その名前が示唆するものとは異なるかも知れないが、透明である状態から一気に高い一定の吸収係数へ飛ぶステップ関数ではない。むしろ、吸収係数の急激な上昇は、バンドエッジ領域において始まり、この上昇は、バンドエッジ領域をはるかに超えて、エネルギーの高く波長の短い領域まで続く。このことは図6において明らかに認められる。より短い光の波長において吸収係数はより大きな割合で大きくなり、光の大きな吸収、よって、高効率性は、高速度性という面での最適化を可能とするサブμm程度の薄い層でも達成することが出来る、ということが突き止められる。
テラヘルツシステムのコンポーネントまたは構成の技術的な実現においては、光の波長は無制限に小さくするのではなく、限界がある。ファイバ結合パルスシステムおよびCWシステムにおいて、InP上のInGaAsの感光層を用いた場合の最適な波長領域は、いわゆるテレコミュニケーション分野においてOバンドと呼ばれる1310nm±50nmである。
従来の1550nmのファイバシステムにおける光伝導体は、深いトラップを有するInAlAs層の間に埋め込まれ、InP基板上にMBEによって成長させられるLT−InGaAsナノ層をベースとする。InGaAsの光伝導体層が薄ければ薄い程、InAlAsの境界層に求められる効果は大きなものとなる。上述した構造においてInGaAsは12nmの厚さをもつ。これらの薄層で十分に高い吸収を得るには、この構造が例えば100回、周期的に繰り返され、InGaAsの合計の厚さは、1.2μmとなる。
InGaAs層の厚さをさらに薄くすることによって原理上は、InAlAsの効果、およびコンポーネントの特性のさらなる最適化へと繋がる。しかし、InGaAsの厚さを薄くすることにより、量子井戸効果がより大きくなる。このことが意味するのは、1650nmの薄さのInGaAsのサブバンドエネルギーレベルが、量子井戸効果により、およそ1600nmへとシフトするということである。層厚さをさらに薄くすることにより、材料は最終的に1550nmに対し透明となり、層を薄くすることによる最適化は、1550nmの光では不可能である。しかし、本明細書で提案するような短い波長を用いることにより、InGaAs/InAlAs光伝導体の最適化が可能となる。薄い層および大きな量子井戸効果であっても、(例えば1550nmである)バンドエッジ波長はまだ十分にレーザ波長から離れており、よって、1310nmでの(当然ながら、さらに短い波長での)良好な吸収は維持できる。
なお、量子井戸効果のない従来の光伝導体層においても、短い波長および薄い吸収層を適用することが出来る。光電荷キャリアが表面に生成され、電場が表面接触により効果的に動作する。このことは、電気接点の距離がおよそ1μm程度である、いわゆる指先接触(finger contacts)において特に有利である。接点までの距離は、1または2μmの深さまで生成されない光電荷キャリアではより長く、電場は、材料の深い部分においては、その影響が非常に弱くなる。図3に示すタイプのメサ構造および側面接触は、非常に重要な改善を可能とし得る。しかしこのメサ構造は技術的に非常に複雑であり、距離が短い指先接触では実現が困難である。よって、短波長の励起による表面に近い位置での光電荷キャリアの生成は、迅速に機能する光伝導体の機能および効果を向上させる、意義深い対策方法である。
多層構造においては、割り込んで配置される周囲の層の吸収により、重要な意味をもつ短い波長へのシフトには限界がある。しかし、InGaAsに対し100nm未満の波長が用いられない限り、そのような限界は問題とならない。
プラセオジムのドープに基づくファイバ増幅器が、Oバンドに関し存在する。モード結合した半導体レーザも、代替として考え得る。特にInPをベースとする、1310nmの波長をもつ対応するパルスレーザも適用可能である。
好ましくは、強力な送信機として統合されたTHzアンテナを有するフォトダイオードが、ファイバベースのCWシステムに適用される。ここで、上述した光伝導体は、コヒーレントな受信機として機能する。
フォトダイオードに関しても、機能速度を最適化するべく、吸収層の厚さを可能な限り薄くする。フォトダイオードの速度は、輸送時間によって制限される。このことが意味するのは、光電荷キャリアをドープされていない吸収層で生成し、その後、その上層または下層である(より大きなバンド距離をもつ)pドープ層またはpドープ層へと移動させる必要があるということである。吸収層の厚さは、ここでも、最適化するのに重要な条件である。しかし、層を薄くすることにより、吸収および効果も減少する。改善に必要な第1ステップは、薄層への横方向の光線照射である。吸収層は、典型的には、導波路層の上方に統合される。統合されたいわゆるテーパ(taper)によって支持されるガラスファイバからの光が対向する導波路へと照射され、その後、一定のパス距離の後に、上方に配置される吸収層へ結合される。典型的な0.3μmの吸収層であっても、距離を大きく(7〜20μm)することにより、十分な吸収が得られる。
テラヘルツの応用には、テレコミュニケーション分野での応用に求められるよりもより大きな周波数が求められる。よって、さらに薄い吸収層が望ましい。変調の平滑化(smoothing)を避けるべく、吸収材の長さは、励起する光ビート信号の長さよりも大幅に短くなければならないので、さらに長さを長くすることは出来ない。
ここでも、厚さが薄いが効果的である吸収層を有するフォトダイオードの速度を速くするべく、光制御信号の波長は、可能な限り短くするべきである。ここでも、吸収材の境界層が制約となる。InP材料系の導波路には、典型的には、1150〜1200nmmの(若しくはさらに大きな)バンドエッジが求められる。およそ1250nm未満の波長の光は、導波路で吸収さるので、吸収材まで到達しないか、または大幅に減衰されている。
波長の短さの制約はCWシステムにおいても当てはまる。ここでも、重心がOバンドの1310nm±50nmにあるビート信号で動作させること、および、可能な限り厚さの薄い吸収層を用いてこの波長領域でのフォトダイオードおよび光伝導体の最適化を行うことが最適である。

Claims (9)

  1. テラヘルツ波を生成し、同期検波するテラヘルツシステムであり、
    レーザ光源と、
    2つのTHzアンテナと
    を備え、
    前記2つのTHzアンテナは、それぞれ、光ファイバを介し前記レーザ光源へ光結合され、前記レーザ光源の光により動作させられ、一方は送信アンテナとして機能し、他方は受信アンテナとして機能し、
    前記2つのTHzアンテナは、それぞれ、半導体チップを有し、
    前記半導体チップにはアンテナ導体が接触し、前記半導体チップは、前記レーザ光源の波長よりも大きなバンドエッジ波長をもつ少なくとも1つの活性層と、前記レーザ光源の前記波長よりも小さなバンドエッジ波長を有し、前記少なくとも1つの活性層に隣接する1以上の層とを含み、
    前記2つのTHzアンテナの少なくとも1つのTHzアンテナの前記少なくとも1つの活性層は、前記少なくとも1つの活性層に隣接する前記1以上の層の間に配置され、前記レーザ光源の前記光の、入射放射強度の1/eの割合まで強度が低下する深さとして定義される侵入深さに対応する最大厚さを有し、
    前記2つのTHzアンテナのうち少なくとも1つのTHzアンテナの前記少なくとも1つの活性層を形成する半導体材料は、1600nm以上のバンドエッジ波長を有し、
    前記2つのTHzアンテナのうち少なくとも1つのTHzアンテナの前記少なくとも1つの活性層の前記バンドエッジ波長は、前記レーザ光源の前記波長よりも200nm以上大きい、テラヘルツシステム。
  2. 前記2つのTHzアンテナのうち少なくとも1つのTHzアンテナの前記少なくとも1つの活性層の前記バンドエッジ波長は、前記レーザ光源の前記波長よりも250nm以上大きい、請求項1に記載のテラヘルツシステム。
  3. 前記2つのTHzアンテナのうち少なくとも1つのTHzアンテナの前記少なくとも1つの活性層を形成する半導体材料は、InGaAsを含有する、請求項1または2に記載のテラヘルツシステム。
  4. 前記2つのTHzアンテナのうち少なくとも1つのTHzアンテナは、光伝導体をベースとする、請求項1から3のいずれか1項に記載のテラヘルツシステム。
  5. 前記送信アンテナは、フォトダイオードをベースとする、請求項1から4のいずれか1項に記載のテラヘルツシステム。
  6. 前記少なくとも1つの活性層に隣接する前記1以上の層は、InGaAsP、InAlAsまたはInGaAlAsを含有する、請求項1から5のいずれか1項に記載のテラヘルツシステム。
  7. 前記2つのTHzアンテナうち少なくとも1つのTHzアンテナの前記隣接する1以上の層、または前記隣接する1以上の層のうち少なくとも1つの層は、前記隣接する1以上の層のうちの1つの層が定める平面で伝搬するように、前記レーザ光源の前記光が結合される導波路として機能する、請求項1から6のいずれか1項に記載のテラヘルツシステム。
  8. 前記レーザ光源の前記波長は、1260から1360nmの範囲に含まれる、請求項1から7のいずれか1項に記載のテラヘルツシステム。
  9. 前記レーザ光源はパルスレーザ、若しくは0.1THzのビート周波数をもつ2つのレーザ波のビート信号を生成する2モードレーザまたは2つのレーザを有するシステムである、請求項1から8のいずれか1項に記載のテラヘルツシステム。
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