JP5598696B2 - 光受信装置および光受信装置の信号光変換方法 - Google Patents

光受信装置および光受信装置の信号光変換方法 Download PDF

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Description

本発明は、光受信装置および光受信装置の信号光変換方法に関する。
光通信、光情報、光計測等の分野において、例えば、光ファイバ、光導波路等の伝送路により伝送された信号光、または空間伝搬により伝送された信号光を受信して、信号電流に変換する装置(光受信装置)が使用されている。前記伝送路等により伝送された信号光には、例えば、前記伝送路等の特性歪により、その波形幅が広がる等の品質劣化が生じることが知られている。前記伝送路として、例えば、光ファイバを用いた場合には、前記光ファイバの波長依存性により信号光の分散が生じる。この信号光の分散により、信号光の劣化が生じる。この信号光の劣化は、例えば、受信感度等の受信品質の低下につながる。前記受信品質の低下としては、例えば、信号のS/N比の低下等があげられる。
前記信号光の劣化による受信品質の低下を防止可能な光受信装置としては、例えば、差動方式の光受信装置(例えば、特許文献1および2参照)、ヘテロダイン方式の光受信装置(例えば、特許文献3参照)、PIN接合を有するPDを多重化して波長弁別する光受信装置(例えば、特許文献4参照)があげられる。
前記差動方式の光受信装置は、2つのフォトダイオード(PD)を備える。信号光と、励起光源から照射された励起光とを、一方のPDに照射し、他方のPDに前記励起光を照射することで、それぞれのPDから電気信号を発生させる。前記他方のPDから発生した信号の位相が、2つの前記PDの接続により逆転することで、両PDに続く反転増幅器により半導体光増幅器(SOA)の雑音成分を除外する。これにより、この装置では、高感度化が可能である。
前記ヘテロダイン方式の光受信装置では、信号光と、局部発振光源から照射された局発光とを、光合波回路により合波する。この合波光をPDに照射し、前記PDから発生したビート信号を回路で処理する。これにより、この装置では、常に正しい符号極性の信号を復調可能である。この装置では、光検出器においてヘテロダイン検波を行うために、前述のとおり、前記合波光中の前記信号光および前記局発光の両方を、1つのPDで受光する。
前記PIN接合を有するPDを多重化して波長弁別する光受信装置では、各PDで発生する電圧を、各PDに接続された電極により取り出し、その合算により波長成分を特定する。これにより、この装置では、入射光の色成分を容易に検知可能である。また、PDを直列に接続することで、感度を向上可能である。
また、前記信号光の劣化による受信品質の低下を防止可能な光受信装置としては、例えば、図14に示す光受信装置(例えば、非特許文献1参照)、図15に示す光受信装置(例えば、非特許文献2参照)、図16に示す光受信装置(例えば、非特許文献3参照)があげられる。
図14に示す光受信装置1400は、基幹幹線系に用いられる。この光受信装置1400は、逆分散特性を示す光ファイバ1405を有する。この装置1400は、光ファイバ1403により生じた信号光1404の波長分散劣化を分析し、前記逆分散特性を示す光ファイバ1405により、光学分散補償を行う。この光学分散補償された信号光が、PD1401に照射される。
図15に示す光受信装置1500は、信号光と基準光との光学的相関を行い、波形整形する。この光受信装置1500は、位相比較器1506と、光波形整形器1507とを有する。この光受信装置1500では、まず、受信機側において、高速で変調された基準光1505を導入する。ついで、光ファイバ1503により伝送された信号光1504と、前記位相比較器1506を介して前記光波形整形器1507に照射される前記基準光1505とを、前記光波形整形器1507を用いて、光波形レベルで波形相関する。この波形相関された光を、PD1501に照射する。ここで、前記光波形整形器1507には、例えば、非線形性を示す変調器等が用いられる。この変調器に前記信号光が伝送されることにより、波形整形される。
図16に示す光受信装置1600は、IC回路により電気的に分散補償を行う方式(Electrical Dispersion Conpensation)の光受信装置である。この光受信装置1600は、増幅用IC1605と、電気分散補償用IC1606とを有する。この装置1600では、光ファイバ1603により伝送された信号光1604を、PD1601に照射して電気信号に変換した後に、前記増幅用IC1605とそれに続く前記電気分散補償用IC1606とで電気波形を整形する。
特開2003−101480号公報 特開平5−183510号公報 特公平6−66732号公報 特開昭61−115355号公報
「広帯域分散補償ファイバモジュール」、フジクラ技報、103号、2002年10月発行、p.56 M.Yoneyama et al., "40Gbit/s optical gate using optical modulator driven by uni−travelling carrier photodiode", ELECTORONICS LETTERS 34, p.1607−1609(1998) J.Abe et al., "Experimental Investigation of Adaptive Electrical Dispersion Compensation Using Eye Monitoring LSI in 43 Gbit/s RZ−DPSK signal", ECOC2008 p.143−144(2008)
しかしながら、関連技術の光受信装置では、波形整形のために、特別な部品や装置を必要とする。この結果、構成が複雑になるという問題がある。例えば、特許文献1および2に記載の光受信装置には、信号光の劣化による受信品質の低下防止に、信号光と励起光とを合波するための前記合波器または前記光導波路、前記反転増幅器等が必要である。
同様に、特許文献3に記載の光受信装置には、光合波回路、光検出器等が必要である。
同様に、特許文献4に記載の光受信装置には、PDごとに取り出し電極が必要である。
同様に、図14に示す光受信装置1400には、前記光ファイバ1403の分散特性の分析に基づいて設計された前記逆分散特性を示す光ファイバ1405等が必要である。また、設計が困難である。
同様に、図15に示す光受信装置1500には、前記位相比較器1506、前記光波形整形器1507等が必要である。
同様に、図16に示す光受信装置1600には、前記増幅用IC1605、前記電気分散補償用IC1606等が必要である。また、普遍的なICを設計するのは容易ではない。
本発明の目的は、単純な構成で波形整形が可能な光受信装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の光受信装置は、
信号光照射手段と、制御光照射手段と、信号光受光用受光素子と、制御光受光用受光素子とを備え、
前記信号光受光用受光素子は、前記信号光照射手段により照射された信号光を受光し、
前記制御光受光用受光素子は、前記制御光照射手段により照射された制御光を受光し、
前記信号光受光用受光素子と前記制御光受光用受光素子とが、直列接続されていることを特徴とする。
本発明の光受信装置は、単純な構成で波形整形が可能である。
本発明の光受信装置の実施形態1における一例の構成を示すブロック図である。 (a)は、実施形態1において用いられるPDの一例の構成を示す断面図である。(b)は、実施形態1において用いられるPDのその他の例の構成を示す断面図である。 実施形態1により得られる出力信号の波形整形効果の一例を示す図である。 本発明の光受信装置の実施形態2における一例の構成を示すブロック図である。 実施形態2に用いられる多重型PDの一例の構成を示す断面図である。 実施形態2に用いられる多重型PDのその他の例の構成を示す断面図である。 (a)は、本発明の光受信装置の実施形態3において用いられるPDの一例の構成を示す断面図である。(b)は、実施形態3において用いられるPDのその他の例の構成を示す断面図である。 実施形態3に用いられる制御光受光用PDの非線形性に対する制御光電流の波形例を示す図である。 本発明の光受信装置の実施形態4に用いられる多重型PDの一例の構成を示す断面図である。 本発明の光受信装置の実施形態5における一例の構成を示すブロック図である。 実施形態5に用いられる集積型PDの一例の構成を示す断面図である。 (a)は、実施形態5に用いられる集積型PDのその他の例の構成を示す平面図である。(b)は、(a)を示す集積型PDのI−I方向に見た断面図である。 本発明の光受信装置の実施形態6に用いられる集積型PDの一例の構成を示す断面図である。 非特許文献1記載の光受信装置の一例の構成を示すブロック図である。 非特許文献2記載の光受信装置の一例の構成を示すブロック図である。 非特許文献3記載の光受信装置の一例の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の光受信装置および光受信装置の信号光変換方法について、詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
(実施形態1)
図1に、本実施形態の光受信装置の一例の構成を示す。本実施形態の光受信装置では、前記信号光受光用受光素子および前記制御光受光用受光素子として、フォトダイオード(PD)を、前記信号光照射手段として、光ファイバを、前記制御光照射手段として、制御光発生光源を用いた場合を例にとり説明する。図示のとおり、この光受信装置10は、光ファイバ13と、制御光発生光源15と、信号光受光用PD11と、制御光受光用PD12とを主要な構成要素として備える。前記信号光受光用PD11と前記制御光受光用PD12とは、直列に接続されている。本実施形態の光受信装置は、上記のように構成されているため、その構成が単純である。さらに、本実施形態の光受信装置は、その構成が単純であるため、例えば、小型化可能である。なお、本実施形態の光受信装置では、前記信号光受光用PDは、前記制御光受光用PDに対して、直列接続における上流側に位置するが、本発明は、この例に限定されない。前記信号光受光用PDは、例えば、前記制御光受光用PDに対して、直列接続における下流側に位置してもよい。
本実施形態の光受信装置では、前述のとおり、受光素子として、PDを用いているが、本発明は、これに限定されない。受光素子としては、PDの他に、例えば、アバランシェフォトダイオード(APD)、メタルショットキーフォトダイオード(MSM−PD)、フォトトランジスタ等、光信号を電流信号に変換可能な素子があげられる。
前記光ファイバとしては、例えば、従来公知のものが使用可能である。本実施形態の光受信装置では、信号光照射手段として、光ファイバを用いているが、本発明は、これに限定されない。信号光照射手段としては、光ファイバの他に、例えば、ガラス系、樹脂系あるいは半導体等からなる光導波路等の伝送路があげられる。また、信号光照射手段は、伝送路に限定されず、信号光を伝送可能であれば、例えば、空間であってもよい。なお、本発明において、前記「空間」とは、物質が存在しない真空領域、および物質が存在し現象がおこる場所を意味する。前記物質は、例えば、大気等の気体;水等の液体;ガラス等の固体のいずれであってもよい。
前記制御光発生光源としては、例えば、従来公知のものが使用可能である。前記制御光発生光源は、例えば、直流光を発する光源であってよいし、変調された光を発する光源であってもよい。本実施形態の光受信装置では、装置内部に前記制御光発生光源を備えているが、本発明は、この例に限定されない。本実施形態の光受信装置は、例えば、装置外部に設けられた制御光発生光源から発せられた制御光を、装置内部に配置された光ファイバ等の伝送路を通じて、装置内に前記制御光を導いてもよい。
前記信号光受光用PD11および前記制御光受光用PD12は、例えば、図2に示すPIN接合を有するPDであってもよい。図2(a)に、前記PIN接合を有するPDの一例の構成を示す。図2(b)に、前記PIN接合を有するPDの使用時の一例の構成を示す。前記両図および図1において、同一部分には同一符号を付している。本例では、受光素子における光吸収領域は、光吸収層i型である。図2(a)に示すとおり、このPIN接合を有する信号光受光用PD11、およびこのPIN接合を有する制御光受光用PD12では、半導体基板107上に、半導体層n型103と、光吸収層i型102と、半導体層p型101とが、前記順序で積層されている。
また、図2(b)に示すとおり、図2(a)に示す前記両PD11および12は、前記半導体基板107の前記半導体層n型103とは反対側の面に、n型電極201を備え、前記半導体層p型101の前記光吸収層i型102とは反対側の面に、p型電極202を備える。なお、本例では、光吸収領域は、光吸収層i型であるが、この例に限定されない。また、本実施形態の光受信装置に用いられる前記両受光素子は、前記PIN接合を有するPDに限定されず、例えば、低濃度I領域(光吸収層i型)を有さないPN接合を有するPDであってもよい。また、前記両受光素子は、例えば、同様の受光素子であってもよいし、異なる受光素子であってもよい。
前記半導体基板の材料は、特に制限されないが、例えば、InP基板等があげられる。また、前記半導体層n型および前記半導体層p型を形成する材料は、特に制限されないが、例えば、InP半導体等があげられる。前記光吸収層i型を形成する材料としては、例えば、AlGaAs、InGaAsP、InAlGaAs、AlGaAsSb等があげられる。
つぎに、図1および図2(b)に基づき、本実施形態の光受信装置の信号光変換方法を説明する。
まず、前記光ファイバ13により伝送された信号光14を、前記光受信装置10に導入する。導入された前記信号光14を、前記信号光受光用PD11に照射することで、前記信号光14は、前記信号光受光用PD11の前記光吸収層i型102に吸収(受光)される。これにより、前記信号光受光用PD11において、信号光電流が発生する。すなわち、前記信号光受光用PD11は、前記信号光14のみを受光し、制御光を受光しない。以下の実施形態においても、同様である。一方、前記制御光発生光源15による制御光16を、前記制御光受光用PD12に照射することで、前記制御光16は、前記制御光受光用PD12の前記光吸収層i型102に吸収(受光)される。これにより、前記制御光受光用PD12において、制御光信号が発生する。ここで、前記両PD11および12は、それぞれの前記n型電極201と前記p型電極202とを電気配線によって接続することにより、直列に接続されている。これにより、前記信号光電流および前記制御光電流は、電流連続の原理に従い時間的に同期し、かつ両PDで発生する最小電流レベルで、波形幅および信号レベルが規定された信号電流(出力信号)19として外部に取り出される。本実施形態の光受信装置では、この前記信号光電流と前記制御光電流との相関を、前記信号光受光用PDと前記制御光受光用PDとで行うことが可能であり、特別な部品や装置を必要とすることなく、前記信号光を波形整形された信号電流に変換することが可能である。その結果、本実施形態の光受信装置では、信号光の波形劣化による受信品質の低下を防止可能である。以下の実施形態においても、同様である。
図3に基づき、前記信号光電流と前記制御光電流との相関による波形整形の一例を説明する。なお、本実施形態の光受信装置により奏される波形整形効果は、この例に限定されない。
図3(a)に、変調された光を発する光源から発せられた、高速で変調された光を、制御光として用いた場合の波形整形効果を示す。図示のとおり、例えば、前記信号光は、前記光ファイバにより伝送されることで損失が生じ、かつ前記光ファイバの波長分散特性により劣化した状態で、前記信号光受光用PDに照射され、信号光電流を発生させる(信号光電流波形34a)。この場合に、前記高速で変調された光信号(局発光信号)を、前記制御光受光用PDに照射することにより、制御光電流を発生させる(制御光電流波形36a)。前述のとおり、前記信号光受光用PDと前記制御光受光用PDとが、直列に接続されているため、電流連続の原理より相関された波形の信号電流(出力信号)が取り出される。すなわち、波形幅は波形劣化のない制御光に律速され、信号レベルは信号電流ピークが少ない信号光で規定され、信号電流は波形整形される(信号電流波形39a)。
図3(b)に、直流光を発する光源から発せられた直流光を、制御光として用いた場合の波形整形効果を示す。図示のとおり、例えば、光アンプ等により増幅された信号光(信号光電流波形34b)が光受信装置に伝送される場合には、前記直流光を、前記制御光受光用PDに照射することにより、制御光電流を発生させる(制御光電流波形36b)。前述のとおり、前記信号光受光用PDと前記制御光受光用PDとが、直列に接続されているため、電流連続の原理より制御光の電流レベルで規定された信号電流(出力信号)が取り出される(信号電流波形39b)。このような効果は、光リミッタ動作を示すものである。このように、信号レベルを制限することで、例えば、受光素子に続いて接続されるIC等への悪影響を回避可能である。
(実施形態2)
図4に、本実施形態の光受信装置の一例の構成を示す。図示のとおり、この光受信装置40は、光ファイバ43と、制御光発生光源45と、合波手段47と、信号光受光用PDと制御光受光用PDとが同一基板上に設けられた複合型PD41とを主要な構成要素として備える。本実施形態の光受信装置では、前記複合型PD41が、多重型PDである。これらの点を除き、本実施形態の光受信装置は、実施形態1の光受信装置と同様の構成である。本実施形態の光受信装置は、上記のように構成されているため、前記信号光受光用PDと前記制御光受光用PDとを電気的に接続する配線距離を短縮することが可能となり、信号光と制御光との高速相関が容易になる。この結果、波形整形効果をさらに向上可能である。前記合波手段は、信号光と制御光とを合波可能であれば、特に制限されず、例えば、光合波回路等があげられる。
図5に、本実施形態に用いられる前記多重型PDの基本構成を示す。図6に、前記多重型PDの使用時の構成例を示す。前記両図および図4において、同一部分には同一符号を付している。図5に示すとおり、この多重型PD41では、PIN接合を有する制御光受光用PD412と、PIN接合を有する信号光受光用PD411とが、半導体基板407上に、前記順序で積層されている。前記制御光受光用PD412では、半導体層n型406と、光吸収層i型405と、半導体層p型404とが、前記半導体基板407側から前記信号光受光用PD411側に向かって、前記順序で積層されている。前記信号光受光用PD411では、半導体層n型403と、光吸収層i型402と、半導体層p型401とが、前記制御光受光用PD412側から、前記順序で積層されている。
また、図6に示すように、図5に示す前記多重型PD41は、前記半導体基板407の前記半導体層n型406とは反対側の面に、n型電極601を備え、前記半導体層p型401の前記光吸収層i型402とは反対側の面に、p型電極602を備える。この多重型PD41では、前記信号光受光用PD411は信号光を選択的に受光可能であり、前記制御光受光用PD412は制御光を選択的に受光可能である。前記信号光受光用PD411と前記制御光受光用PD412とは、電気的に直列に接続されている。なお、本実施形態に用いられる多重型PDは、この例に限定されず、例えば、前記PIN接合を有する信号光受光用PDと前記PIN接合を有する制御光受光用PDとが、前記半導体基板上に、前記順序で積層されていてもよい。
つぎに、図4および図6に基づき、本実施形態の光受信装置の信号光変換方法を説明する。
まず、前記光ファイバ43により伝送されて、前記光受信装置40に導入された信号光44と、前記制御光発生光源45による制御光46とを、前記合波手段47により合波する。これにより、前記信号光44と前記制御光46とを含む合波光48を発生させる。前記合波光48は、前記多重型PD41における前記信号光受光用PD411の前記半導体層p型401に照射される(図6において、上側の面)。前述のとおり、前記信号光受光用PD411は、前記合波光48の前記信号光44を選択的に受光可能である。このため、照射された前記合波光48に含まれる前記信号光44は、前記信号光受光用PD411の前記光吸収層i型402に吸収(受光)される。これにより、前記信号光受光用PD411において、信号光電流が発生する。一方、前記制御光受光用PD412は、前記信号光受光用PD411を透過した前記合波光48の前記制御光46を選択的に受光可能である。このため、照射された前記合波光48に含まれる前記制御光46は、前記制御光受光用PD412の前記光吸収層i型405に吸収(受光)される。これにより、前記制御光受光用PD412において、制御光電流が発生する。
前述のとおり、前記信号光受光用PD411と前記制御光受光用PD412とが、電気的に直列に接続されている。このため、両PDで発生した光キャリアは、両PDに接続された外部電源により印加された逆電界によってドリフトし、電流として収集される。ここで、本実施形態の光受信装置においても、実施形態1と同様に、前記信号光電流および前記制御光電流は、電流連続の原理に従い時間的に同期し、かつ両PDで発生する最小電流レベルで規定された信号電流(出力信号)49として外部に取り出される。すなわち、本実施形態の光受信装置は、前記多重型PD内部で、前記信号光電流と前記制御光電流との時間的相関を行うことが可能である。この時間的相関は、光キャリアの誘電緩和時間で規定され、本実施形態の光受信装置では、極めて高速に行われる。このため、前記制御光を、高速で変調された光信号とした場合には、前記信号光を、より波形整形された信号電流に変換可能である。これにより、信号光の波形劣化による受信品質の低下をより防止可能である。また、前記制御光を、直流光とした場合には、実施形態1と同様に、信号電流(出力信号)のピークレベルを制御光の電流レベルで規定可能である。すなわち、光リミッタ動作を示す。
本実施形態の光受信装置では、前述のとおり、前記PIN接合を有する信号光受光用PDは、信号光を選択的に受光可能であり、前記PIN接合を有する制御光受光用PDは、制御光を選択的に受光可能である。前記両PDを、信号光および制御光をそれぞれ選択的に受光可能にするには、例えば、下記式(I)を満たすように、前記信号光の波長、前記制御光の波長および前記両PDそれぞれの前記光吸収層i型のバンドギャップエネルギーを設定すればよい。ただし、本実施形態の光受信装置は、この例に限定されない。

(1.23/λ1)>Eg1>(1.23/λ2)>Eg2 (I)

前記式(I)において、各符号の意味は下記のとおりである。
λ1:前記信号光の波長(μm)
λ2:前記制御光の波長(μm)
Eg1:前記信号光受光用PDの光吸収層i型のバンドギャップエネルギー(eV)
Eg2:前記制御光受光用PDの光吸収層i型のバンドギャップエネルギー(eV)
前記式(I)を満たす場合の一例を、具体的に説明する。前記信号光の波長λ1が、例えば、1.3μmである場合には、前記制御光発生光源から発せられる制御光の波長λ2を、例えば、前記信号光の波長λ1より長波長である1.5μmに設定する。前記両光吸収層i型を、例えば、InGaAsP層とすることで、前記信号光受光用PDの前記光吸収層i型のバンドギャップエネルギーEg1を、0.92eVと、前記制御光受光用PDの前記光吸収層i型バンドギャップエネルギーEg2を、0.77eVと設定する。このように設定して、前記式(I)を満たすことで、前記信号光受光用PDは、前記合波光の前記信号光を選択的に受光可能となり、前記制御光受光用PDは、前記合波光の前記制御光を選択的に受光可能となる。これにより、本実施形態の効果を得ることができる。
また、前記制御光の波長を、例えば、前記信号光の波長より短い波長に設定する場合は、下記式(II)を満たすように、前記信号光の波長、前記制御光の波長および前記両PDそれぞれの前記光吸収層i型のバンドギャップエネルギーを設定すればよい。なお、この場合には、前記多重型PDは、例えば、前記信号光受光用PDと前記制御光受光用PDとが、前記半導体基板上に、前記順序で積層された形態であってもよい。

(1.23/λ2)>Eg2>(1.23/λ1)>Eg1 (II)

前記式(II)において、各符号の意味は下記のとおりである。
λ1:前記信号光の波長(μm)
λ2:前記制御光の波長(μm)
Eg1:前記信号光受光用PDの光吸収層i型のバンドギャップエネルギー(eV)
Eg2:前記制御光受光用PDの光吸収層i型のバンドギャップエネルギー(eV)
(実施形態3)
本実施形態の光受信装置は、図1に示す実施形態1の光受信装置に用いられる制御光用PDの光吸収領域が、入射される制御光の強度と前記制御光により発生する光電流の強度とが非線形の関係を示す光吸収領域であることを特徴とする。この点を除いて、本実施形態の光受信装置は、実施形態1の光受信装置と同様の構成である。この制御光用PDは、例えば、図7に示すPIN接合を有するPD72であってもよい。図7(a)に、前記PIN接合を有するPDの一例の構成を示す。図7(b)に、前記PIN接合を有するPDの使用時の一例の構成を示す。前記両図、図1および図2において、同一部分には同一符号を付している。本例では、受光素子における光吸収領域は、光吸収層i型である。図7(a)に示すとおり、このPIN接合を有する制御光受光用PD72では、半導体基板107上に、半導体層n型103と、光吸収層i型702と、半導体層p型101とが、前記順序で積層されている。前記光吸収層i型702では、入射される制御光の強度と前記制御光により発生する光電流の強度とが非線形の関係を示す。
また、図7(b)に示すとおり、図7(a)に示す前記制御光受光用PD72は、前記半導体基板107の前記半導体層n型103とは反対側の面に、n型電極201を備え、前記半導体層p型101の前記光吸収層i型702とは反対側の面に、p型電極202を備える。なお、本実施形態の光受信装置に用いられる前記制御光受光用PDは、前記PIN接合を有するPDに限定されず、例えば、低濃度I領域(光吸収層i型)を有さないPN接合を有するPDであってもよい。
前記半導体基板の材料は、特に制限されないが、例えば、InP基板等があげられる。また、前記半導体層n型および前記半導体層p型を形成する材料は、特に制限されないが、例えば、InP半導体等があげられる。
前記非線形の関係を示す光吸収層は、例えば、以下の3つの方法により形成可能である。
第1の方法は、光吸収層形成時に、結晶欠陥を導入する方法である。このようにすることで、発生した光キャリアが欠陥により捕獲され、非線形性を発生する。結晶構造を積層中に、例えば、光吸収層を低温で形成させることにより、前記欠陥を生成することができる。この欠陥の程度により、後述の図8に示すパターン1、パターン2の非線形性が得られる。
第2の方法は、光吸収層に鉄、酸素等の半導体結晶中に深い準位を形成可能な不純物を、添加する方法である。前記「深い準位」とは、例えば、禁制帯におけるドナー準位とアクセプター準位との間に存在する準位を意味する。このようにすることで、深い準位(深い不純物準位)が形成され、光キャリアが捕獲されて非線形性を発生する。形成される不純物準位の素性、すなわち禁制帯中でのエネルギーレベル、およびその添加量により、後述の図8に示す非線形性が得られる。
第3の方法は、光吸収層を超格子構造により形成する方法である。超格子構造は、2種以上の半導体材料からなる薄膜半導体構造を、繰り返し積層することにより形成される。この超格子構造を形成する半導体材料により、バンド構造が相違する。すなわち、電子・正孔が同一井戸層に閉じ込められる構造(TYPEI型)、または閉じ込められない構造(TYPEII型)等がある。前記両TYPEは、入力光強度に対し異なる非線形性を示す。TYPEI型では、光強度が増加した場合、超格子内で発生した光キャリアの内部電界効果により、吸収端波長領域では光吸収係数が減少する。このため、後述の図8に示すパターン1の非線形性が得られる。また、TYPEII型では、光強度が増加した場合、光吸収係数が増大する方向にあり、後述の図8に示すパターン2の非線形性が得られる。TYPEI型の超格子構造を形成する材料としては、例えば、AlGaAs/GaAs、InP/InGaAsP、InAlAs/InGaAlAs等の組み合わせがあげられる。またTYPEII型の超格子構造を形成する材料としては、例えば、InAlGaAs/InGaAsP、InAlGaAs/InGaAsSb等の組み合わせがあげられる。
つぎに、図1、図3、図7(b)および図8に基づき、本実施形態の光受信装置の信号光変換方法を説明する。
まず、光ファイバ13により伝送された信号光14を、光受信装置10に導入し、信号光受光用PD11に照射する。これにより、前記信号光受光用PD11において、信号光電流が発生する。一方、制御光発生光源15による制御光16を、前記制御光受光用PD72に照射することで、前記制御光16は、前記光吸収層i型702に吸収(受光)される。これにより、前記制御光受光用PD72において、制御光電流が発生する。ここで、前記両PD11および72は、それぞれの前記n型電極201と前記p型電極202とを電気配線によって接続することにより、直列に接続されている。これにより、実施形態1と同様に、前記信号光電流および前記制御光電流は、電流連続の原理に従い時間的に同期し、かつ両PDで発生する最小電流レベルで、波形幅および信号レベルが規定された信号電流(出力信号)19として外部に取り出される。なお、本実施形態の光受信装置における電流波形整形は、例えば、実施形態1で例示した図3と同様である。
本実施形態の光受信装置では、制御光電流の波形に特徴がある。前述のとおり、前記制御光用PD72の光吸収層i型702では、入射される制御光の強度と前記制御光により発生する光電流の強度とが非線形の関係を示す。図8に基づき、前記非線形性の一例を説明する。なお、前記非線形性は、この例に限定されない。
図示のとおり、パターン1では、光入力強度の増加に対し光電流が抑圧されて発生する。このような特性を示す前記制御光受光用PD72に制御光を入射させると、飽和特性を示す制御光電流が得られる。この場合、図3に示す波形整形の原理により信号電流を、制御光電流波形に規定された波形に整形することが可能である。この結果、例えば、電流波形のピークを抑圧したリミッタ効果が奏される。
一方、パターン2では、光入力強度の増加に対し光電流が誇張されて発生する。このような特性を示す前記制御光受光用PD72に制御光を入射させると、急峻なピークの制御光電流が得られる。この場合、図3に示す波形整形の原理により劣化した信号光波形の整形が可能である。
入射する光の強度Pとこの光により発生する光電流Iとは、受光素子では通常、下記式(III)で表される直線的な比例関係を示す。

I=A×η×P (III)

前記式(III)において、各符号の意味は下記のとおりである。
A:光波長で決定される定数(A/W)
η:素子構造で決定される変換効率
P:入射する光の強度(W)
I:発生する光電流(A)
本実施形態の光受信装置において、前記非線形性は、特に制限されない。例えば、入射される制御光の強度が10倍変化した際に、その変化に対して光電流絶対値が、例えば、20%以上の非線形変化を示す。例えば、入力光強度0.1mWにおいて、光電流0.1mAが発生する場合、入力光強度を1mWに増加させることにより発生する光電流が、例えば、0.8mA以下(図8におけるパターン1に対応)、または1.2mA以上(図8パターン2に対応)である非線形性を示す。前記変化に対して光電流絶対値は、50%以上の非線形変化を示すことが好ましい。
本実施形態の光受信装置では、前述のとおり、制御光用PDの光吸収領域が、入射される制御光の強度と前記制御光により発生する光電流の強度とが非線形の関係を示す光吸収領域である。このため、例えば、変調性能を有する制御光発生光源を用いなくとも、制御光電流の波形を容易に制御可能となる。なお、本実施形態の光受信装置により奏される非線形性およびそれに伴う波形整形効果は、この例に限定されない。
(実施形態4)
本実施形態の光受信装置は、図4に示す実施形態2の光受信装置に用いられる多重型PDにおける制御光用PDの光吸収領域が、入射される制御光の強度と前記制御光により発生する光電流とが非線形の関係を示す光吸収領域であることを特徴とする。この点を除いて、本実施形態の光受信装置は、実施形態2の光受信装置と同様の構成である。図9に、この多重型PD91の一例の構成を示す。同図において、図4および図5と同一部分には同一符号を付している。図示のとおり、この多重型PD91では、PIN接合を有する制御光受光用PD912と、PIN接合を有する信号光受光用PD411とが、半導体基板407上に、前記順序で積層されている。前記制御光受光用PD912では、半導体層n型406と、光吸収層i型905と、半導体層p型404とが、前記半導体基板407側から前記信号光受光用PD411側に向かって、前記順序で積層されている。前記信号光受光用PD411では、半導体層n型403と、光吸収層i型402と、半導体層p型401とが、前記制御光受光用PD912側から、前記順序で積層されている。前記光吸収層i型905では、入射される制御光の強度と前記制御光により発生する光電流の強度とが非線形の関係を示す。前記光吸収層i型905は、例えば、実施形態3における光吸収層i型702と同様である。
本実施形態の光受信装置において、前記光吸収層が前記非線形性を示す効果は、前述の図8に示す実施形態3と同様である。すなわち、信号光電流および制御光電流は、電流連続の原理に従い時間的に同期し、かつ両PDで発生する最小電流レベルで規定された信号電流(出力信号、図4の符号49)として外部に取り出される。本実施形態の光受信装置では、前述のとおり、制御光用PDの光吸収領域が、入射される制御光の強度と前記制御光により発生する光電流の強度とが非線形の関係を示す光吸収領域である。このため、実施形態2で奏される効果に加えて、例えば、変調性能を有する制御光発生光源を用いなくとも、制御光電流の波形を容易に制御可能となる。
(実施形態5)
図10に、本実施形態の光受信装置の一例の構成を示す。図示のとおり、この光受信装置100は、光ファイバ43と、制御光発生光源45と、合波手段47と、信号光受光用PDと制御光受光用PDとが同一基板上に設けられた複合型PD111とを主要な構成要素として備える。本実施形態において、前記複合型PD111が、集積型PDである。これらの点を除き、この光受信装置100は、前述の光受信装置40と同様の構成である。本実施形態の光受信装置は、上記のように構成されているため、前記信号光受光用PDと前記制御光受光用PDとを電気的に接続する配線距離を短縮することが可能となり、信号光と制御光との高速相関が容易になる。この結果、本発明の波形整形効果をさらに向上させることが可能である。
図11に、本実施形態に用いられる集積型PDの基本構成を示す。図12に、前記集積型PDの使用時の構成例を示す。図12(a)は、前記集積型PDの平面図である。図12(b)は、図12(a)のI−I方向に見た断面図である。図10から12において、同一部分には同一符号を付している。図11に示すとおり、この集積型PD111では、PIN接合を有する信号光受光用PD1011と、PIN接合を有する制御光受光用PD1012とが、半導体基板1007上に、並列して配置されている。前記信号光受光用PD1011と前記制御光受光用PD1012とは、アイソレーション溝1008により、分離されている。前記信号光受光用PD1011では、半導体層n型1003と、光吸収層i型1002と、半導体層p型1001とが、前記半導体基板1007側から前記順序で積層されている。前記制御光受光用PD1012では、半導体層n型1006と、光吸収層i型1005と、半導体層p型1004とが、前記半導体基板1007側から前記順序で積層されている。この集積型PD111では、前記信号光受光用PD1011は信号光を選択的に受光可能であり、前記制御光受光用PD1012は制御光を選択的に受光可能である。この集積型PD111は、2つのPIN接合を有するPDが、導波路構造により集積化されているため、例えば、他の導波路素子との集積化が容易である。
また、図12に示すように、図11に示す前記集積型PD111は、前記半導体層p型1001の前記光吸収層i型1002とは反対側の面に、p型電極1202aを備える。前記半導体層n型1003の前記半導体基板1007とは反対側の面に、n型電極1201aを備える。前記半導体層p型1004の前記光吸収層i型1005とは反対側の面に、p型電極1202bを備える。前記半導体層n型1006の前記半導体基板1007とは反対側の面に、n型電極1201bを備える。前記信号光受光用PD1011と前記制御光受光用PD1012とは、電極間配線1203により電気的に直列に接続されている。前記n型電極1201aおよび1201b、並びに前記p型電極1202aおよび1202bは、例えば、金(Au)を含む積層電極である。
つぎに、図10および図12に基づき、本実施形態の光受信装置の信号光変換方法を説明する。
まず、前記光ファイバ43により伝送されて、前記光受信装置100に導入された信号光44と、前記制御光発生光源45による制御光46とを、前記合波手段47により合波し、前記信号光44と前記制御光46とを含む合波光48を発生させる。前記合波光48は、前記集積型PD111における前記信号光受光用PD1011に照射される(図12(b)において、左側の面)。前述のとおり、前記信号光受光用PD1011は、前記合波光48の前記信号光44を選択的に受光可能である。このため、照射された前記合波光48に含まれる前記信号光44は、前記信号光受光用PD1011の前記光吸収層i型1002に吸収(受光)される。これにより、前記信号光受光用PD1011において、信号光電流が発生する。一方、前述のとおり、前記制御光受光用PD1012は、前記信号光受光用PD1011を透過した前記合波光48の前記制御光46を選択的に受光可能である。このため、照射された前記合波光48に含まれる前記制御光46は、前記制御光受光用PD1012の前記光吸収層i型1005に吸収(受光)される。これにより、前記制御光受光用PD1012において、制御光電流が発生する。
前述のとおり、前記信号光受光用PD1011と前記制御光受光用PD1012とが、電気的に直列に接続されている。このため、両PDで発生した光キャリアは、両PDに接続された外部電源により印加された逆電界によってドリフトし、電流として収集される。ここで、本実施形態の光受信装置においても、実施形態1と同様に、前記信号光電流および前記制御光電流は、電流連続の原理に従い時間的に同期し、かつ両PDで発生する最小電流レベルで規定された信号電流(出力信号)109として外部に取り出される。すなわち、本実施形態の光受信装置は、前記集積型PD内部で、前記信号光電流と前記制御光電流との時間的相関を行うことが可能である。この時間的相関は、光キャリアの誘電緩和時間で規定され、本実施形態の光受信装置では、極めて高速に行われる。このため、前記制御光を、高速で変調された光信号とした場合には、前記信号光を、より波形整形された信号電流に変換可能である。これにより、信号光の波形劣化による受信品質の低下をより防止可能である。また、前記制御光を、直流光とした場合には、実施形態1と同様に、信号電流(出力信号)のピークレベルを制御光の電流レベルで規定可能である。すなわち、光リミッタ動作を示す。なお、上記以外の点は、実施形態2と同様であり、例えば、前記式(I)または前記式(II)を満たすことが好ましい。
(実施形態6)
本実施形態の光受信装置は、図10に示す実施形態5の光受信装置に用いられる集積型PDにおける制御光用PDの光吸収領域が、入射される制御光の強度と前記制御光により発生する光電流の強度とが非線形の関係を示す光吸収領域であることを特徴とする。この点を除いて、本実施形態の光受信装置は、実施形態5の光受信装置と同様の構成である。図13に、この集積型PD131の一例の構成を示す。同図において、図10および図11と同一部分には同一符号を付している。図13に示すとおり、この集積型PD131では、PIN接合を有する信号光受光用PD1011と、PIN接合を有する制御光受光用PD1312とが、半導体基板1007上に、並列して配置されている。前記信号光受光用PD1011と前記制御光受光用PD1312とは、アイソレーション溝1008により、分離されている。前記信号光受光用PD1011では、半導体層n型1003と、光吸収層i型1002と、半導体層p型1001とが、前記半導体基板1007側から前記順序で積層されている。前記制御光受光用PD1312では、半導体層n型1006と、光吸収層i型1305と、半導体層p型1004とが、前記半導体基板1007側から前記順序で積層されている。前記光吸収層i型1305では、入射される制御光の強度と前記制御光により発生する光電流の強度とが非線形の関係を示す。前記光吸収層i型1305は、例えば、実施形態3における光吸収層i型702と同様である。
本実施形態の光受信装置において、前記光吸収層が前記非線形性を示す効果は、前述の図8に示す実施形態3と同様である。すなわち、信号光電流および制御光電流は、電流連続の原理に従い時間的に同期し、かつ両PDで発生する最小電流レベルで規定された信号電流(出力信号、図10の符号109)として外部に取り出される。本実施形態の光受信装置では、前述のとおり、制御光用PDの光吸収領域が、入射される制御光の強度と前記制御光により発生する光電流の強度とが非線形の関係を示す光吸収領域である。このため、実施形態5で奏される効果に加えて、例えば、変調性能を有する制御光発生光源を用いなくとも、制御光電流の波形を容易に制御することが可能となる。
前述のとおり、本発明の光受信装置は、単純な構成で波形整形が可能である。この結果、信号光の波形劣化による受信品質の低下を防止可能である。本発明の光受信装置の用途としては、例えば、光通信機器、光情報処理装置、光計測装置等があげられる。ただし、その用途は限定されず、広い分野に適用可能である。
10、40、100 光受信装置
11 信号光受光用PD(PIN接合を有する信号光受光用PD)
12、72 制御光受光用PD(PIN接合を有する制御光受光用PD)
13、43 光ファイバ(信号光照射手段)
14、44 信号光
15、45 制御光発生光源(制御光照射手段)
16、46 制御光
19、49、109 信号電流(出力信号)
34a、34b 信号光電流波形
36a、36b 制御光電流波形
39a、39b 信号電流波形
41 複合型PD(多重型PD)
47 合波手段
48 合波光
101、401、404、1001、1004 半導体層p型
102、402、405、702、905、1002、1005、1305 光吸収層i型(光吸収領域)
103、403、406、1003、1006 半導体層n型
107、407、1007 半導体基板
111、131 複合型PD(集積型PD)
201、601、1201a、1201b n型電極
202、602、1202a、1202b p型電極
411、1011 PIN接合を有する信号光受光用PD
412、912、1012、1312 PIN接合を有する制御光受光用PD
1008 アイソレーション溝
1203 電極間配線
1400、1500、1600 光受信装置
1401、1501、1601 PD
1403、1503、1603 光ファイバ
1404、1504、1604 信号光
1405 分散補償用光ファイバ
1505 基準光
1506 位相比較器
1507 光波形整形器
1605 増幅用IC
1606 電気分散補償用IC

Claims (13)

  1. 信号光照射手段と、制御光照射手段と、信号光受光用受光素子と、制御光受光用受光素子と、前記信号光と前記制御光とを合波する合波手段とを備え、
    前記信号光受光用受光素子は、前記信号光照射手段により照射された信号光を受光し、
    前記制御光受光用受光素子は、前記制御光照射手段により照射された制御光を受光し、
    前記信号光受光用受光素子と前記制御光受光用受光素子とが、直列接続されており、
    前記信号光受光用受光素子および前記制御光受光用受光素子は、前記信号光受光用受光素子と前記制御光受光用受光素子とが、同一基板上に設けられた複合型受光素子であり、
    前記信号光の波長、前記制御光の波長、前記信号光受光用受光素子の光吸収領域のバンドギャップエネルギー、および前記制御光受光用受光素子の光吸収領域のバンドギャップエネルギーが、下記式(I)または(II)を満たすことにより、
    前記信号光受光用受光素子は、前記合波光の前記信号光を選択的に受光可能であり、
    前記制御光受光用受光素子は、前記合波光の前記制御光を選択的に受光可能であり、
    前記信号光受光用受光素子および前記制御光受光用受光素子の少なくとも一方が、PIN接合を有する受光素子であり、
    前記PIN接合を有する受光素子の光吸収領域の形成材料が、AlGaAs、InGaAsP、InAlGaAs、AlGaAsSbからなる群から選択される少なくとも一つを含む
    ことを特徴とする光受信装置。

    (1.23/λ1)>Eg1>(1.23/λ2)>Eg2 (I)
    (1.23/λ2)>Eg2>(1.23/λ1)>Eg1 (II)

    λ1:前記信号光の波長(μm)
    λ2:前記制御光の波長(μm)
    Eg1:前記信号光受光用受光素子の光吸収領域のバンドギャップエネルギー(eV)
    Eg2:前記制御光受光用受光素子の光吸収領域のバンドギャップエネルギー(eV)
  2. 前記複合型受光素子が、前記信号光受光用受光素子と前記制御光受光用受光素子とが積層された多重型受光素子、または前記信号光受光用受光素子と前記制御光受光用受光素子とが集積された集積型受光素子であることを特徴とする請求項1記載の光受信装置。
  3. 前記制御光受光用受光素子の光吸収領域は、入射される制御光の強度と前記制御光により発生する光電流の強度とが非線形の関係を示す光吸収領域であることを特徴とする請求項1または2記載の光受信装置。
  4. 前記制御光受光用受光素子の光吸収領域が、半導体中に深い準位を形成する不純物を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の光受信装置。
  5. 前記制御光受光用受光素子の光吸収領域が、超格子構造を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の光受信装置。
  6. 前記超格子構造の形成材料が、AlGaAs/GaAs、InP/InGaAsP、InAlAs/InGaAlAs、InAlGaAs/InGaAsPおよびInAlGaAs/InGaAsSbからなる群から選択される少なくとも一つの組み合わせを含むことを特徴とする請求項記載の光受信装置。
  7. 前記制御光照射手段は、変調された光を発する光源または直流光を発する光源を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の光受信装置。
  8. 請求項1または2記載の光受信装置を使用し、
    前記信号光と前記制御光とを、前記合波手段により合波し、
    前記合波光を、前記信号光受光用受光素子と前記制御光受光用受光素子とに照射し、
    前記信号光受光用受光素子において、前記合波光の前記信号光が選択的に受光されて信号光電流を発生させ、
    前記制御光受光用受光素子において、前記合波光の前記制御光が選択的に受光されて制御光電流を発生させ、
    前記信号光電流と前記制御光電流とを相関させることにより、前記信号光を、波形整形された信号電流に変換することを特徴とする光受信装置の信号光変換方法。
  9. 前記制御光受光用受光素子の光吸収領域は、入射される制御光の強度と前記制御光により発生する光電流の強度とが非線形の関係を示す光吸収領域であることを特徴とする請求項記載の光受信装置の信号光変換方法。
  10. 前記制御光受光用受光素子の光吸収領域が、半導体中に深い準位を形成する不純物を含むことを特徴とする請求項8または9記載の光受信装置の信号光変換方法。
  11. 前記制御光受光用受光素子の光吸収領域が、超格子構造を含むことを特徴とする請求項から10のいずれか一項に記載の光受信装置の信号光変換方法。
  12. 前記超格子構造の形成材料が、AlGaAs/GaAs、InP/InGaAsP、InAlAs/InGaAlAs、InAlGaAs/InGaAsPおよびInAlGaAs/InGaAsSbからなる群から選択される少なくとも一つの組み合わせを含むことを特徴とする請求項11記載の光受信装置の信号光変換方法。
  13. 前記制御光を、変調された光または直流光とすることを特徴とする請求項から12のいずれか一項に記載の光受信装置の信号光変換方法。
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