JP2013536320A - 電気分解法 - Google Patents

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Abstract

電解槽のアノードコンパートメントのpH以下のpHで、少なくとも1種のストリッピング剤の存在下でストリッピング処理を受けた少なくとも1種のブラインを、上記電解槽のアノードコンパートメントに供給する電気分解法であって、上記ブラインが上記処理の前に少なくとも1種の有機化合物を含んでなる電気分解法。

Description

本出願は、2010年8月2日出願の仏国特許出願第1056360号の権利を主張する。上記特許出願の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
参照によって本明細書に組み込まれる特許、特許出願および刊行物のいずれかの開示が、用語が不明確になり得る程度まで本明細書と矛盾する場合は、本明細書が優先されるであろう。
本発明は、電気分解法に関する。より具体的には、本発明は、有機化合物によって汚染され、そして電解槽のアノードコンパートメントに供給されることが意図されるブラインの電気分解のための方法に関する。
SOLVAY SAの名称で出願された(特許文献1)は、電気分解プロセスの反応物として塩および少なくとも1種のカルボン酸を含有する水性組成物の使用を開示する。しかしながら、カルボン酸の存在は、例えば発泡および温度変動などの電解槽のアノードコンパートメントの課題の原因として残っている。
国際公開第2008/152043号パンフレット
本発明は、上記の欠点を防止することを可能にする電気分解法を提供することによってこれらの課題を解決することを目的とする。
この目的のため、本発明は、第1に、電解槽のアノードコンパートメントのpH以下のpHで、少なくとも1種のストリッピング剤の存在下でストリッピング処理を受けた少なくとも1種のブラインを、電解槽のアノードコンパートメントに供給する電気分解法であって、前記ブラインが処理の前に少なくとも1種の有機化合物を含んでなる電気分解法に関する。
この場合、電気分解プロセスおよびストリッピング処理は、全く同一の工業部位に、または異なる工業部位に配置されてもよい。これらの2つのシナリオにおいて、電気分解プロセスおよびストリッピング処理は、全く同一の法人によって、または2つの異なる法人によって動作されてもよい。
このような同じ目的のため、本発明は、
(a)少なくとも1種の有機化合物を含んでなるブラインを供給する工程と、
(b)少なくとも1種のストリッピング剤の存在下で、(a)のブラインの少なくとも1回のストリッピング処理をして、ストリッピングされたブラインを得る工程と、
(c)電解槽のアノードコンパートメントに、(b)のストリッピングされたブラインを供給する工程と、
を含んでなる電気分解法であって、(b)のストリッピング処理が、(c)の電解槽のアノードコンパートメントのpH以下のpHで実行される電気分解法に関する。
本発明の本質的な特徴の1つは、ストリッピング処理が実行されるpH値にある。
アノードコンパートメントのpH以下のpHで実行された少なくとも1回のストリッピング処理を受けたブラインを、電解槽のアノードコンパートメントに供給することによって、電解槽の性能の低下は観察されない。槽の槽電圧および動作温度は不変のままである。これは、特有の電力消費の増加の原因である追加のアノード過電圧を生じることなく、槽の生産性を一定にし、そして生産能力の損失を防ぎ、そのうえ、電流効率を一定にする効果を有する。
本発明による方法において、「ブライン」という用語は、少なくとも1種の塩を含有する水性組成物を意味すると理解される。塩は、有機塩、無機塩または2種の混合物でもよい。無機塩が好ましい。無機塩は、構成要素のアニオンおよびカチオンが炭素−水素結合を含有しない塩である。無機塩は、金属塩化物、金属硫酸塩、金属硫酸水素塩、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属リン酸塩、金属リン酸水素塩、金属ホウ酸塩、およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択されてもよい。アルカリおよびアルカリ土類金属塩化物が好ましい。塩化ナトリウムおよび塩化カリウムがより好ましく、そして塩化ナトリウムが特に好ましい。
ブラインの塩含有量は、一般に、5gの塩/ブラインのkg以上であり、しばしば10g/kg以上、高い頻度で20g/kg以上、一般に30g/kg以上、好ましくは50g/kg以上、より好ましくは100g/kg以上、なおより好ましくは140g/kg以上、さらにより好ましくは160g/kg以上、そして特に好ましくは200g/kg以上である。この塩含有量は、慣例上、電気分解プロセスの動作温度における、特に電解槽のアノードコンパートメントの動作温度における、g/kgで表される塩の溶解度の値以下、好ましくは塩の前記溶解度から20g/kg低下させた値以下、そしてより好ましくは塩の前記溶解度から50g/kg低下させた値以下である。この塩含有量は、習慣的に、270gの塩/ブラインのkg以下、好ましくは250g/kg以下、特に好ましくは230g/kg以下である。
塩化ナトリウム含有量が140g/ブラインのkg以上であり、210g/kg未満であるブラインが特に適切である。
塩化ナトリウム含有量が220g/kg以上であるブラインも特に適切である。
本発明による方法において、有機化合物は、脂肪族化合物、芳香族化合物またはそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択されてもよい。これらの化合物は、任意選択的に、ハロゲン、好ましくはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素、カルコゲン、好ましくは、酸素または硫黄、窒素、リンおよびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有してもよい。ヘテロ原子は好ましくは酸素である。
有機化合物は、SOLVAY(Societe Anonyme)の名称での国際公開第2009/095429号パンフレットに記載されるものであってもよく、上記国際公開の内容、特に、2頁16行〜3頁11行は参照により組み込まれる。
有機化合物は好ましくはカルボン酸である。カルボン酸は、ストリッピング処理の前のブライン中に、酸(プロトン化)型、または酸の誘導体型で存在してもよい。カルボン酸の誘導体は、一般に、カルボン酸塩、カルボン酸エステル、ニトリル、アミドおよびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群で見られる。カルボン酸は、好ましくは、酸(プロトン化)型、カルボン酸塩または2種の混合物の形態で存在する。カルボン酸は、モノカルボン酸またはポリカルボン酸であってもよく、好ましくはモノカルボン酸である。カルボン酸は、好ましくは、炭素原子数が4以上32以下、都合よくは4以上30以下、特に4以上20以下、そして特に6より多く、20以下であるモノカルボン酸である。分子が2個以下の酸素原子を含有するモノカルボン酸も適切である。モノカルボン酸は、好ましくは脂肪酸である。脂肪酸とは、酪酸、カプロン酸、吉草酸、カプリル酸、エナント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、トリコサン酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、ノナコサン酸、メリシン酸、ヘントリアコンタン酸、ラクセロン酸、10−ウンデセン酸、ミリストレイン酸、パルミトオレイン酸、ペトロセリン酸、ペトロセライジン酸、オレイン酸、エライジン酸、ガドレン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ネルボン酸、リノール酸、リノレライジン酸、cis,cis,cis−9,12,15−オクタデカトリエン酸、リノレン酸、α−エレオステアリン酸、β−エレオステアリン酸、アラキドン酸、クルパノドン酸およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される酸を示すことが意図される。
モノカルボン酸は、より好ましくは、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、トリコサン酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、ノナコサン酸、メリシン酸、ヘントリアコンタン酸、ラクセロン酸およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される。
モノカルボン酸は、より好ましくは、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される。
モノカルボン酸は、なおより好ましくは、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される。
モノカルボン酸は、なおより好ましくは、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される。
モノカルボン酸は、また好ましくは、カプリン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される。
モノカルボン酸は、また好ましくは、酪酸、吉草酸およびそれらの混合物からなる群から選択される。
10−ウンデセン酸、ミリストレイン酸、パルミトオレイン酸、ペトロセリン酸、ペトロセライジン酸、オレイン酸、エライジン酸、ガドレン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ネルボン酸、リノール酸、リノレライジン酸、cis,cis,cis−9,12,15−オクタデカトリエン酸、リノレン酸、α−エレオステアリン酸、β−エレオステアリン酸、アラキドン酸、クルパノドン酸およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択されるモノカルボン酸も都合がいい。
モノカルボン酸は、最も好ましくは、酪酸、吉草酸およびそれらの混合物からなる群から選択される。
本発明による方法において、ストリッピング処理の前のブライン中の、ブライン1kgあたりの炭素のgで表される有機化合物の含有量は、一般に0.005g/kg以上、好ましくは0.01g/kg以上、なお好ましくは0.05g/kg以上、さらに好ましくは0.1g/kg以上、より好ましくは0.5g/kgより高く、なおより好ましくは0.75g/kg以上、さらにより好ましくは1g/kg以上、そして最も好ましくは2.5g/kg以上である。この含有量は、一般に、20g/ブラインのkg以下、好ましくは10g/kg以下、そしてより好ましくは5g/kg以下である。
本発明による方法において、ブラインは、有機化合物を含有するブラインを生じる任意のプロセスに由来してもよい。そのようなプロセスの例は、エポキシド、特にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはエピクロルヒドリンを製造するためのプロセス、エポキシドの誘導体、特にエポキシ樹脂を製造するためのプロセス、塩素化された有機生成物、特に1,2−ジクロロエタンを製造するためのプロセス、モノイソシアネートおよびポリイソシアネート、特に4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)またはヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート(HDI)を製造するためのプロセス、ならびにポリカーボネート、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンポリカーボネート(ビスフェノールAポリカーボネート)を製造するためのプロセスである。ブラインは、これらのプロセスのうちの少なくとも2つに由来するブラインの組み合わせでもよい。エポキシドの誘導体、特にエピクロルヒドリンおよびエポキシ樹脂は、SOLVAY(Societe Anonyme)の名称での国際公開第2008/152044号パンフレットに記載されるものであってもよく、上記国際公開の内容、特に、13頁22行〜44頁8行は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明による方法において、ブラインは、好ましくは、エピクロルヒドリンを製造するためのプロセス、エポキシ樹脂を製造するためのプロセス、1,2−ジクロロエタンを製造するためのプロセス、ビスフェノールAポリカーボネートを製造するためのプロセス、またはこれらのプロセスの少なくとも2つの組み合わせ、そしてより好ましくはエピクロルヒドリンを製造するためのプロセス、エポキシ樹脂を製造するためのプロセス、1,2−ジクロロエタンを製造するためのプロセス、またはこれらのプロセスの少なくとも2つの組み合わせに由来する。
本発明による方法において、ブラインは、さらにより好ましくは、エピクロルヒドリンを製造するためのプロセス、なおより好ましくはジクロロプロパノールの脱塩化水素反応によってエピクロルヒドリンを製造するためのプロセス、特に好ましくはジクロロプロパノールの脱塩化水素反応によってエピクロルヒドリンを製造するためのプロセスであって、ジクロロプロパノールの少なくとも一部がグリセロールから得られ、そして前記グリセロールの少なくとも一部が天然グリセロール、すなわち、再生可能な原材料から得られたグリセロールであるプロセスに由来する。天然グリセロールは、SOLVAY(Societe Anonyme)の名称での国際公開第2006/100312号パンフレットに記載されるものであってもよく、上記国際公開の内容、特に、4頁22行〜5頁24行は参照により本明細書に組み込まれる。この場合、ブライン中に存在する有機化合物は、好ましくは、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択されるモノカルボン酸である。この場合、ブラインは、アセトン、アクロレイン、2−ブタノン、イソプロパノール、3−メトキシ−1,2−エポキシプロパン、シクロペンタノン、エピクロルヒドリン、クロロアセトン、ヒドロキシアセトン(アセトール)、実験式C12Oの化合物、1,2,3−トリクロロプロパン、2,3−エポキシ−1−プロパノール(グリシドール)、2−クロロ−2−プロペン−1−オール、シス−3−クロロ−2−プロペン−1−オール、1−メトキシ−3−クロロプロパン−2−オール、3−クロロ−1−プロパン−1−オール、trans−3−クロロ−2−プロペン−1−オール、実験式Cの化合物、実験式C12OClの化合物、実験式C10Clの化合物、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、実験式C10の化合物、2,3−ジクロロ−1−プロパノール、フェノール、グリセロール、1−クロロ−2,3−プロパンジオール、2−クロロ−1,3−プロパンジオール、環式ジグリセロール、グリセルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、酢酸、プロピオン酸、ギ酸、グリコール酸、シュウ酸、乳酸、およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される少なくとも1つの他の有機化合物を含有してもよい。
エポキシ樹脂、ジクロロプロパノールおよびエピクロロヒドリンを調製するためのプロセスは、SOLVAYの名称での国際公開第2005/054167号パンフレット、同第2006/100311号パンフレット、同第2006/100312号パンフレット、同第2006/100313号パンフレット、同第2006/100314号パンフレット、同第2006/100315号パンフレット、同第2006/100316号パンフレット、同第2006/100317号パンフレット、同第2006/106153号パンフレット、同第2007/054505号パンフレット、同第2006/100318号パンフレット、同第2006/100319号パンフレット、同第2006/100320号パンフレット、同第2006/106154号パンフレット、同第2006/106155号パンフレット、同第2007/144335号パンフレット、同第2008/107468号パンフレット、同第2008/101866号パンフレット、同第2008/145729号パンフレット、同第2008/110588号パンフレット、同第2008/152045号パンフレット、同第2008/152043号パンフレット、同第2009/000773号パンフレット、同第2009/043796号パンフレット、同第2009/121853号パンフレット、同第2008/152044号パンフレット、同第2009/077528号パンフレット、同第2010/066660号パンフレット、同第2010/029039号パンフレット、同第2010/029153号パンフレット、同第2011/054769号パンフレットおよび同第2011/054770号パンフレットに開示されるものなどであることが可能である。上記国際公開の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。本発明による方法において、「ストリッピング」という用語は、物質を溶解するか、または溶解しない気体、純粋な材料の蒸気またはそれらの混合物(ストリッピング剤)を使用する吹き込み(以下、エントレインメント(entrainment)ともいう。)による物質の分離を意味することが理解される。
本発明による方法において、前記ストリッピング剤は、空気、低酸素空気、窒素、酸素、塩素、塩化水素、蒸気、二酸化炭素およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択されてもよい。蒸気、空気および低酸素空気は、好ましいストリッピング剤であり、そして蒸気はより好ましいストリッピング剤である。蒸気および低酸素空気の混合物が適切であり得る。
ストリッピング剤が蒸気を含有する場合、それを、ストリッピング処理の間、ブラインに添加してもよく、またはブラインから生じてもよく、または一部分が、ストリッピング処理の間、ブラインに添加されて、そして他の部分がブラインから生じてもよい。このようなストリッピング剤がブラインから生じることは非常に適切である。このようなストリッピング剤を、一部分として、または全体としてブラインに添加する場合、前記一部分または全体はあらゆるものに由来してもよい。特に、ブラインが、エピクロルヒドリンを製造するためのプロセスに少なくとも部分的に由来する場合、ストリッピング剤は、エピクロルヒドリンを製造するためのプロセスのあらゆる工程に由来してもよく、特に、グリセロールからジクロロプロパノールを製造する工程に由来してもよい。この場合、蒸気は、ジクロロプロパノール生産プラントからの流れを冷却および/または凝縮する工程で生じる。
本発明による方法において、ストリッピング処理は、ストリッピング領域で実行される。「ストリッピング領域」という表現は、ブラインとストリッピング剤が接触している領域を意味することが理解される。
本発明による方法において、ストリッピング剤が蒸気である場合、ストリッピング処理は、一般に、10℃以上、しばしば30℃以上、高い頻度で40℃以上、そして特に60℃以上、特に80℃以上、特に90℃以上の温度で実行される。この温度は、一般に、200℃以下、しばしば160℃以下、高い頻度で140℃以下、とりわけ120℃以下、そして特に100℃以下である。
本発明による方法において、ストリッピング剤が、空気、低酸素空気、窒素、酸素、塩素、塩化水素、二酸化炭素およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される場合、特に、ストリッピング剤が、空気または低酸素空気である場合、ストリッピング領域のブラインの温度は、一般に、10℃以上、しばしば30℃以上、高い頻度で40℃以上、そして特に60℃以上である。ストリッピング領域のこの温度は、一般に、100℃以下、しばしば90℃以下、高い頻度で85℃以下、とりわけ80℃以下である。この場合、ストリッピング領域のブラインの温度は、一般に、ストリッピング剤のフロー速度次第であり、そしてストリッピング剤のフロー速度が十分に高い限り、15℃〜35℃の温度範囲が適切であり得る。
本発明による方法において、ストリッピング処理の温度は、しばしばストリッピング領域のブラインの温度である。
本発明による方法において、ストリッピング処理は、一般に50mbar(絶対圧)以上、しばしば100mbar(絶対圧)以上、高い頻度で200mbar(絶対圧)以上、とりわけ500mbar(絶対圧)以上、そして特に600mbar(絶対圧)以上の圧力下で実行される。この圧力は、一般に5bar(絶対圧)以下、しばしば3bar(絶対圧)以下、高い頻度で2bar(絶対圧)以下、とりわけ1.5bar(絶対圧)以下、そして特に1.3bar(絶対圧)以下である。0.7bar絶対以上1.2bar(絶対圧)以下の圧力が非常に適切である。
本発明による方法において、ストリッピング処理のpHは、好ましくは、電解槽のアノードコンパートメントのpHよりも少なくとも0.1pH単位、より好ましくは少なくとも0.5pH単位、さらにより好ましくは少なくとも1pH単位、なおより好ましくは少なくとも2pH単位、そしてとりわけ好ましくは少なくとも2.5pH単位低い。このpHは、一般に、電解槽のアノードコンパートメントのpHよりも多くとも5pH単位、そして好ましくは多くとも4pH単位低い。
本発明による方法において、電解槽のアノードコンパートメントのpHは、一般に、7以下、しばしば6以下、高い頻度で5以下、特に4.5以下である。電解槽のアノードコンパートメントのpHは、一般に、1以上、しばしば2以上、高い頻度で2.5以上である。4.2±0.5のpHが非常に適切である。
本発明による方法において、ストリッピング処理のpHは、一般に、6.5以下、しばしば5以下、高い頻度で3以下、特に2.5以下である。ストリッピング処理のpHは、一般に、0以上、しばしば0.5以上、高い頻度で1以上、特に1.5以上である。
本発明による方法において、ストリッピング処理のpHは、しばしば、ストリッピング領域のブラインのpHである。
pHは、様々な手段で測定可能である。pH感応性電極を使用する測定が非常に適切である。そのような電極は、ストリッピング処理の前のブライン中、そしてストリッピング条件下のストリッピング媒体中で安定であるべきであり、そしてブラインを汚染しないべきである。pH測定用ガラス電極が特に適切である。そのような電極の例は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,(Copy Right)2005,Wiley−VCH Verlag GmbH & Co.KGaA,Weinheim 10.1002/14356007.e19_e01,pp.8−15に記載されている。METTLER TOLEDO(登録商標)によって供給される405−DPAS−SC−K85型、またはENDRESS+HAUSER(登録商標)によって供給されるCeragel CPS71およびOrbisint CPS11型の電極は、使用可能な電極の例である。
電解槽のアノードコンパートメントのpHは、アノードコンパートメントに供給されるブライン中で、または原位置で電気分解条件下のアノードコンパートメントにおけるブライン中で、または原位置以外でアノードコンパートメントに供給されるブラインから採取された、もしくはアノードコンパートメントから採取され、そしてpH測定装置の良好な実用寿命を確実にするために適切な温度および圧力にされた試料において測定されてもよい。電解槽のアノードコンパートメントのpHは、好ましくは、原位置での電気分解条件下、アノードコンパートメント中で測定される。
ストリッピング処理のpHは、原位置でストリッピング処理の前にブライン中で、またはストリッピング条件下のストリッピング媒体中のブライン中で、または原位置以外でストリッピング処理の前にブラインから採取された試料において、またはストリッピング媒体から採取され、そしてpH測定装置の良好な実用寿命を確実にするために適切な温度および圧力にされたブラインの試料において測定されてもよい。
原位置以外での測定に関して、25℃の温度および1barの圧力が適切な温度および圧力の例である。例えば、25℃および1barでのブラインのpHと、ストリッピング領域または電解槽のアノードコンパートメントの温度および圧力条件下のブラインのpHとの相関関係を確立するために、ブラインのpHに及ぼす温度および圧力の影響が決定されてもよい。
一般に、ストリッピング処理および電解槽のアノードコンパートメントのpHを測定する手段は異なってもよい。それらは、しばしば同一である。高い頻度で、同じ型のpH感応性電極が使用される。
一般に、ストリッピング処理および電解槽のアノードコンパートメントのpHを測定するための条件は異なってもよい。高い頻度で、電解槽のアノードコンパートメントのpHは、アノードコンパートメントの動作条件で測定されたものであり、そしてストリッピング処理のpHは、この処理の動作条件で測定されたものである。
本発明による方法の第1の実施形態において、ブラインのpHは、ストリッピング処理の前に所望の値にされ、そして処理の間、自然にこの値に保持される。
本発明による方法の第2の実施形態において、ブラインのpHは、ストリッピング処理の前に所望の値にされ、そして、ストリッピング処理の間の好ましいpH範囲内に残りながらも、処理の間、自然に変化する。
本発明による方法の第3の実施形態において、ブラインのpHは、ストリッピング処理の前に所望の値にされて、ストリッピング処理の間、この値に保持される。
本発明による方法の第4の実施形態において、ブラインのpHは所望の値にされて、ストリッピング処理の間、この値に保持される。
本発明による方法の第5の実施形態において、ブラインのpHは所望の値にされ、そしてストリッピング処理の間の好ましいpH範囲内に残りながら、ストリッピング処理の間、自然に変化する。
第1の実施形態および第2の実施形態が好ましい。
本発明による方法において、ストリッピング処理が実行されるpHは、好ましくは制御される。
本発明による方法において、pHは、所望の範囲内に制御されて、保持されてもよい。この手順は、とりわけ、本発明による方法の第3および第4の実施形態において使用される。
所望の範囲にpHを保持するために、pHは測定されて、必要に応じて調節される。
pHは、連続的に、または周期的に測定されてもよい。後者の場合、測定は、一般に、ストリッピング処理の期間の少なくとも80%にわたって、しばしば期間の少なくとも90%にわたって、高い頻度で期間の少なくとも95%にわたって、そして特に期間の少なくとも99%にわたって、所望のpH範囲内でpHを保持するように十分な頻度で実行される。
pHは、酸性化合物の添加によって、または塩基性化合物の添加によって、選択された範囲内に調節および/または保持されてもよい。無機酸および塩基が好ましい。気体状および/または水溶液の塩化水素がより好ましい酸性化合物である。固体および/または水溶液および/または水性懸濁液の水酸化ナトリウムがより好ましい塩基性化合物であり、水酸化ナトリウムの水溶液が特に好ましい。
pHは、自動化モードで、または非自動化モードで調節されてもよい。pHの制御が制御ループの名称で既知の閉回路において実行される自動化モードを使用することが好ましい。そのような制御ループは、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,(Copy Right)2005,Wiley−VCH Verlag GmbH & Co.KGaA,Weinheim 10.1002/14356007.e19_e01,pp.24−27に記載されている。PHD型PROMINENT(登録商標)DULCOMETER(登録商標)システムは、自動化pH制御の、および使用されてもよい調整器具の例である。
本発明による方法において、ストリッピング処理は、連続式モードまたはバッチ式モードで実行されてもよい。「連続式モード」という表現は、ブラインおよびストリッピング剤が、ストリッピング処理の期間の少なくとも50%、好ましくはこの期間の少なくとも90%、そしてより好ましくはこの期間の少なくとも95%に及ぶ期間にわたって中断されない様式で、ストリッピング領域に供給されるモードを意味することが理解される。ストリッピング処理の期間は、ブラインおよびストリッピング剤を接触させた瞬間と、この接触が中断される瞬間との間の経過時間である。「バッチ式モード」という表現は、他のあらゆる動作モードを意味することが理解される。ストリッピング処理は、好ましくは、連続式モードで実行される。
本発明による方法において、ストリッピング処理が連続的に実行される場合、ストリッピング剤およびブラインは、並流的に、または向流的に、または逆流的にストリッピング領域に供給されてもよい。ストリッピング領域に向流的に供給することが好ましい。
本発明による方法において、ストリッピング処理が連続的に実行される場合、ストリッピング剤およびブラインの流れの運動の方向は垂直もしくは水平でもよく、またはブラインの流れに関しては垂直、そしてストリッピング剤の流れに関しては水平でもよく、またはブラインの流に関しては水平、そしてストリッピング剤の流れに関しては垂直でもよい。両方の流れに関して垂直方向の運動が好ましい。
本発明による方法において、ストリッピング処理の間に導入されるストリッピング剤の全量と、ストリッピングされるブラインの量との間の重量比は、一般に0.01以上、しばしば0.02以上、高い頻度で0.05以上、そして特に0.07以上である。この重量比は、一般に50以下、しばしば10以下、高い頻度で1以下、特に0.5以下である。
本発明による方法において、ストリッピング剤が蒸気であり、そして垂直に、そして向流的に循環するブラインおよびストリッピング剤が供給されるストリッピング領域において、ストリッピング処理が連続式モードで実行される場合、1時間あたりの蒸気のkgで表される上昇する蒸気のフロー速度(V)と、1時間あたりのブラインのkgで表される下降するブラインのフロー速度(W)との間の比率(τ)は、好ましくは次式に相当する。
τ=α.[1/(K−1)].{1+(X/X)[K(q−1)−1]}
式中、
αは、0.9以上、好ましくは0.95以上、そしてより好ましくは0.98以上であり、そして5以下、好ましくは4以下、より好ましくは2.5以下、そして特に好ましくは2以下であり、
=(Porg/P)(1/Sorgtd(Morg/Vbrine)、
q=1+[CPlf −CPlF )]/(ΔHvap)t
orgは、ブライン中に含有される有機化合物の蒸気圧力であり、
Pは、システムの全圧力であり、
orgは、炭素のg/ブラインのLで表されるブライン中の有機化合物の溶解度であり、
orgは、炭素のg/有機化合物のmolで表される有機化合物のモル質量であり、
brineは、L/molで表されるブラインのモル体積であり、
は、炭素のg/ブラインのkgで表されるストリッピング領域の底部のブラインの有機化合物含有量であり、
は、炭素のg/ブラインのkgで表されるストリッピング領域の上部に入るブラインの有機化合物含有量であり、
PIfは、ブラインインレット温度tでストリッピング領域の上部に入るブラインの比熱であり、kJ/(ブラインのkg.K)で表され、
PIFは、ブラインアウトレット温度tでストリッピング領域の底部を出るブラインの比熱であり、kJ/(ブラインのkg.K)で表され、そして
(ΔHvap)tは、ブラインインレット温度tでの水の潜在的気化熱であり、kJ/蒸気のkgで表される。
本発明による方法において、ストリッピング処理は、一般に、ストリッピング領域で実行され、そしてストリッピング領域は、例えば、“Perry’s Chemical Engineers’ Handbook” in the 14th section of the 7th Edition,1997に記載されるものなどの、あらゆる種類の装置または装置の組み合わせを含んでもよい。
本発明の方法の特定の一実施形態において、ストリッピング領域は、少なくとも1つのストリッピングカラムを含んでなる。
この特定の実施形態の第1の態様において、ストリッピング領域は、単一のストリッピングカラムを含んでなる。
この特定の実施形態の第2の態様において、ストリッピング領域は、2つ以上のストリッピングカラムを含んでなる。
この第2の態様の第1の変形において、カラムは、連続的にブラインによって、そしてストリッピング剤によって供給される。
この第2の態様の第2の変形において、カラムは、並行してブラインによって、そして連続的にストリッピング剤によって供給される。
この第2の態様の第3の変形において、カラムは、並行してブラインによって、そしてストリッピング剤によって供給される。
ストリッピング領域が単一であるストリッピングカラムを含んでなる場合、上記の通り開発された式は非常に適切である。
ストリッピング処理が実行される装置は、一般に、ストリッピング条件に耐える材料で製造されるか、または被覆される。この材料は、炭素鋼、ステンレス鋼、エナメル化鋼、圧縮鋼、チタン、チタン合金およびニッケル合金、ポリマー、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂などの樹脂を使用するコーティング、ならびにそれらの少なくとも2種の組み合わせからなる群から選択されてよい。ポリマーは、例えば、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニルおよび塩素化ポリ塩化ビニルなどの塩素化ポリマー、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー、およびポリ(ペルフルオロプロピルビニルエーテル)などのペルフッ素化ポリマー、例えば、フッ化ポリビニリデンおよびエチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマーなどの部分的にフッ素化されたポリマーなどのフッ素化ポリマー、ポリスルホンおよびポリスルフィド、特に芳香族のものなどの硫黄含有ポリマーが可能である。ポリマーは、バルクで、または凝縮された適当な形態で、またはコーティングとして使用されてもよい。材料は、好ましくは、チタンおよびチタン合金からなる群から、そしてより好ましくは、チタン合金からなる群から選択される。チタン合金は、好ましくは、チタンおよびパラジウム、チタンおよびルテニウムまたはチタン、ニッケルおよびモリブデンを含んでなる合金から選択される。チタンおよびパラジウムまたはチタンおよびルテニウムを含んでなる合金がとりわけ好ましく、そしてチタンおよびパラジウムを含んでなる合金が特に非常に好ましい。
本発明による方法において、ストリッピング処理の後、一般に、少なくとも2つのフラクションは回収される。第1のフラクションは、ストリッピング処理の前にブライン中に最初に存在するストリッピング剤および有機化合物の第1の部分を含んでなる。第2のフラクションは、ストリッピング処理の前にブライン中に存在するブラインおよび有機化合物の第2の部分を含んでなる。
本発明による方法において、ストリッピング処理は、ストリッピング処理の後に得られる第1のフラクションに存在する有機化合物の量が、一般に、ストリッピング処理の前にブライン中に存在する有機化合物の量の90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上、さらに好ましくは99.9%以上、そして非常に特に好ましくは99.99%以上であるような条件で実行される。
本発明による方法において、第2のフラクションのkgあたりの炭素のgで表される第2のフラクションの有機化合物の含有量は、一般に5gの炭素/第2のフラクションのkg未満、好ましくは1g/kg以下、より好ましくは0.5g/kg以下、さらにより好ましくは0.1g/kg以下、なおより好ましくは0.05g/kg以下、なおより好ましくは0.01g/kg以下である。この含有量は、一般に第2のフラクションのkgあたり0.0001gの炭素以上である。
本発明による方法において、有機化合物が、炭素原子数が4以上20以下であるモノカルボン酸である場合、好ましくは、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択され、第2のフラクションのkgあたりの炭素のgで表される第2のフラクションの酸の含有量は、一般に、5gの炭素/第2のフラクションのkg未満、好ましくは1g/kg以下、より好ましくは0.5g/kg以下、さらにより好ましくは0.1g/kg以下、より好ましくは0.05g/kg以下、そしてなおより好ましくは0.01g/kg以下である。この含有量は、一般に第2のフラクションのkgあたり0.0001gの炭素以上である。この場合、第2のフラクションのkgあたりの炭素のgで表される第2のフラクションの酪酸の含有量は、一般に0.5gの炭素/第2のフラクションのkg未満、好ましくは0.1g/kg以下である。この場合、第2のフラクションのkgあたりの炭素のgで表される第2のフラクションの吉草酸(ペンタン酸)の含有量は、一般に0.1gの炭素/第2のフラクションのkg未満、好ましくは0.02g/kg以下、より好ましくは0.01g/kg以下である。この場合、第2のフラクションのkgあたりの炭素のgで表される第2のフラクションのカプロン酸(ヘキサン酸)の含有量は、一般に0.1gの炭素/第2のフラクションのkg未満、好ましくは0.02g/kg以下、より好ましくは0.01g/kg以下である。この場合、第2のフラクションのkgあたりの炭素のgで表される第2のフラクションのカプリル酸(オクタン酸)の含有量は、一般に0.01gの炭素/第2のフラクションのkg未満、好ましくは0.005g/kg以下である。この場合、第2のフラクションのkgあたりの炭素のgで表される第2のフラクションのカプリン酸(デカン酸)の含有量は、一般に0.015gの炭素/第2のフラクションのkg未満、好ましくは0.010g/kg以下である。この場合、第2のフラクションのkgあたりの炭素のgで表される第2のフラクションのラウリン酸(ドデカン酸)の含有量は、一般に0.005gの炭素/第2のフラクションのkg未満、好ましくは0.002g/kg以下である。
本発明による方法において、有機化合物が、炭素原子数が4以上20以下であるモノカルボン酸である場合、好ましくは、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択され、本発明によるブラインの処理によって、前記酸の含有量を、ブラインが関係する電気分解プロセスを中断させない値まで低下させることが可能となる。この効果は予想外である。実際に、それらの解離型(塩基)および非解離型(酸)の間の酸の分布にかかわりなく、したがって、ストリッピング処理が実行されるpHにかかわりなく、ストリッピング剤によるエントレインメントを経た非解離型(酸)の除去によって酸解離平衡は酸型にシフトし、したがって、ストリッピング剤によるそれらの完全な除去がもたらされる。
本発明による方法において、ストリッピング処理の後に得られる第1のフラクションに、いずれかのその後の処理を行ってもよい。この処理は、蒸留、蒸発、ストリッピング、液液抽出、液液相分離、液体−固体相分離、吸着、吸収、完全もしくは部分的凝縮、凝固およびそれらの少なくとも2種のあらゆる組み合わせからなる群から選択されてもよい。このような後処理は、一般に、第1の部分では、後処理の前に第1のフラクションに存在する大部分の有機化合物、および第2の部分では、後処理の前に第1のフラクションに存在する大部分のストリッピング剤を回収することが意図される。第2の部分は、ストリッピング処理に、またはストリッピング処理の上流にリサイクルされてもよい。
第1の好ましい後処理は、特に、ストリッピング剤が蒸気を含んでなる場合、液液相分離操作からなる。この分離は、一般に、前記第1の部分を構成する少なくとも1つの有機相と、前記第2の部分を構成する少なくとも1つの水相とが得られる結果を生じる。相分離操作は、沈殿操作、融合操作またはそれらの組み合わせでもよい。有機化合物が、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される場合、酸無機化合物は、第1のフラクションに都合よく添加されてもよい。酸化合物は、液液相分離操作の前および/またはその間に添加されてもよい。無機酸が好ましい酸無機化合物である。気体状および/または水溶液の塩化水素がより好ましい酸化合物である。添加される酸の量は、液液相分離操作の終わりに得られる水相のpHが一般に4以下、好ましくは3以下、より好ましくは2以下であるような量である。この添加される酸の量は、液液相分離操作の終わりに得られる水相のpHが一般に0.5以上、好ましくは1以上であるような量である。沈殿および融合操作は、一般に、90℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下の温度で実行される。沈殿および融合操作は、一般に、10℃以上、好ましくは25℃以上、より好ましくは35℃以上、特に好ましくは50℃以上の温度で実行される。
第2の好ましい後処理は、特に、有機化合物が、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される場合、液液抽出操作からなる。この分離は、一般に、前記第1の部分を構成する少なくとも1つの有機相と、前記第2の部分を構成する少なくとも1つの水相が得られる結果を生じる。
液液抽出から生じる有機相は、高温酸化装置に送られてもよい。液液抽出操作が実行される温度およびpHは、上記の液液相分離処理と同様である。
後処理が、液液相分離操作、液液抽出操作またはそれらの組み合わせである場合、有機相の少なくとも一部は、ストリッピング処理の上流または下流にリサイクルされてもよい。特に、ブラインがエピクロルヒドリンを製造するためのプロセス、好ましくは、ジクロロプロパノールの脱塩化水素反応によってエピクロルヒドリンを製造するためのプロセス、特に好ましくは、ジクロロプロパノールの脱塩化水素反応によってエピクロルヒドリンを製造するためのプロセスであって、ジクロロプロパノールの少なくとも一部がグリセロールから得られ、そして前記グリセロールの少なくとも一部が天然グリセロールであるプロセスに由来する場合、有機相の前記部分は、これらの製造プロセスのいずれか、特に、グリセロールからジクロロプロパノールを製造するためのプロセスにリサイクルされてもよい。このシナリオは、有機化合物が、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される場合、非常に適切である。
本発明による方法において、ストリッピング処理の後に得られる第1のフラクションは、ストリッピング処理の上流または下流にリサイクルされてもよい。例えば、高温酸化処理に送られてもよい。ストリッピング剤が、空気、低酸素空気、窒素、酸素、塩素、蒸気、二酸化炭素およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される場合には、後者の処理は非常に適切である。
本発明による方法において、ストリッピング処理の後に得られる第2のフラクションは、電解槽のアノードコンパートメントに供給される前に、あらゆる後処理が行われてもよい。この処理は、熱調節、希釈、濃縮、蒸留、蒸発、沈殿、融合、液液抽出、濾過、結晶化、吸着、酸化、還元、中和、錯体形成、沈殿および塩添加操作、ならびにそれらの少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択されてよい。これらの処理は、その内容、特に11頁13行〜29頁7行が参照により本明細書に組み込まれる、SOLVAY(Societe Anonyme)による国際公開第2008/152043号パンフレット、およびその内容、特に1頁24行〜27頁26行が参照により本明細書に組み込まれる、SOLVAY(Societe Anonyme)による国際公開第2009/095429号パンフレットに記載されるものであってもよい。
本発明による方法は、一般に、ストリッピング処理以外に、希釈、濃縮、蒸留、蒸発、液体/液体抽出、濾過、結晶化、吸着、酸化、還元、中和、錯体形成、沈殿、好気性細菌処理、嫌気性細菌処理、およびそれらの少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの操作を含んでなる。
本発明による方法において、ブラインは、したがって、ストリッピング処理の前に、電解槽のアノードコンパートメントのpH以下のpHで、少なくとも1つの操作を行ってもよい。この処理は、希釈、濃縮、蒸留、蒸発、沈殿、融合、液液抽出、濾過、結晶化、吸着、酸化、還元、中和、錯体形成沈殿操作、ならびにそれらの少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択されてもよい。これらの処理は、その内容、特に11頁13行〜29頁7行が参照により本明細書に組み込まれる、SOLVAY(Societe Anonyme)による国際公開第2008/152043号パンフレット、およびその内容、特に1頁24行〜27頁26行が参照により本明細書に組み込まれる、SOLVAY(Societe Anonyme)による国際公開第2009/095429号パンフレットに記載されるものであってもよい。
本発明による方法のもう1つの特定の実施形態において、ブラインは、エピクロルヒドリンとモノアルコールおよび/またはポリオールの間の反応によって、エピクロルヒドリンの誘導体、特にエポキシ樹脂を製造するためのプロセスであって、エピクロルヒドリンがジクロロプロパノールの脱塩化水素反応によって得られ、その少なくとも一部はグリセロールから得られ、前記グリセロールの少なくとも一部が天然グリセロールであるプロセスに由来する。この実施形態において、このブラインはエピクロルヒドリンおよび/またはジクロロプロパノールを含有し、そして前記ブラインに、本発明による方法のストリッピング処理より前に、一方で、ブライン中に含有されるエピクロルヒドリンおよび/またはジクロロプロパノールの大部分、ならびに他方では、エピクロルヒドリンが減少したブラインを回収することを意図する処理が行われる。
本発明による方法のさらにもう1つの特定の実施形態において、ブラインは、ジクロロプロパノールおよびモノアルコールおよび/またはポリオールの間の反応によって、エポキシ樹脂を製造するためのプロセスであって、ジクロロプロパノールの少なくとも一部はグリセロールから得られ、前記グリセロールの少なくとも一部が天然グリセロールであるプロセスに由来する。この実施形態において、このブラインはエピクロルヒドリンおよび/またはジクロロプロパノールを含有し、そして前記ブラインに、本発明による方法のストリッピング処理より前に、一方で、ブライン中に含有されるエピクロルヒドリンおよび/またはジクロロプロパノールの大部分、ならびに他方では、エピクロルヒドリンが減少したブラインを回収することを意図する処理が行われる。
上記これらの3つの実施形態においてに、ブラインは、一般に、エピクロルヒドリンまたはジクロロプロパノール以外の少なくとも1種の有機化合物を含有する。この有機化合物は、しばしばモノカルボン酸であり、そして酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択されるカルボン酸であることが多い。
これらの実施形態の第1の変形において、次いで、エピクロルヒドリンおよび/またはジクロロプロパノールが減少したブラインに、本発明による方法のストリッピング処理の前に、酸化処理を行う。
これらの実施形態の第2の変形において、エピクロルヒドリンおよび/またはジクロロプロパノールが減少したブラインに、本発明による方法のストリッピング処理を行い、次いで、前記ストリッピング処理から得られたブラインに、電解槽のアノードコンパートメントに供給される前に、酸化処理を行う。
これらの実施形態の第3の変形において、エピクロルヒドリンおよび/またはジクロロプロパノールが減少したブラインを酸性化し、次いで沈殿操作を行う。この操作によって、本発明によるストリッピング処理の前にブライン中に含有される酸の少なくとも一部を分離することが可能となる。
本発明による方法において、電解槽は、塩化アルカリ電気分解の水銀電解槽または隔膜電解槽または膜電解槽でもよい。この種類の電気分解は、SOLVAY(Societe Anonyme)の名称での国際公開第2008/152043号パンフレットに記載されるものであってもよく、上記国際公開の内容、特に、31頁18行〜37頁13行は参照により本明細書に組み込まれる。電解槽は、好ましくは塩化アルカリ電気分解の膜電解槽である。
本発明による方法において、電解槽は、好ましくは塩化アルカリ電気分解の膜電解槽であり、そしてブラインは、エピクロルヒドリンの製造のためのプロセス、なおより好ましくはジクロロプロパノールの脱塩化水素反応によってエピクロルヒドリンを製造するためのプロセスであって、ジクロロプロパノールの少なくとも一部がグリセロールから得られ、前記グリセロールの少なくとも一部が再生可能な原材料から得られたプロセスに由来する。
本発明による方法において、電解槽は、好ましくは塩化アルカリ電気分解の水銀電解槽または隔膜電解槽または膜電解槽であり、そしてブラインは、エピクロルヒドリンの製造、エピクロルヒドリン誘導体の製造、1,2−ジクロロエタンの製造、ポリカーボネートの製造、およびそれらの少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択されるプロセスに由来する。
以下の実施例は、本発明を例示することが意図されているが、しかしながら、本発明を限定することはない。
実施例1(本発明による)
(a)17% g/gのNaClと、69mg/LのTOC(全有機炭素)に相当するカプロン酸とを含有する水性ブライン500.4gを、試験の間に放出される蒸気を排出および凝縮するための傾斜凝縮器に連結されたガラス蒸留ヘッドを備えた1リットル丸底フラスコに入れた。丸底フラスコおよび蒸留ヘッドに、サーモウェルと、さらには熱電対を装備した。ブラインのpHを、25℃で測定し、濃塩酸の添加によって2.0の値まで調節した。大気圧で沸騰付近の温度(105℃)までブラインを加熱し、そしてブラインに浸漬された毛管によって、蒸気を一定フロー速度で導入した。26分かけて50gの蒸気を注入した後、ブラインは17mg/LのTOCを含有し、そして周囲温度で測定したそのpHは2.11であった。
(b)膜によって分離されたアノードを含むアノードコンパートメントと、カソードを含むカソードコンパートメントとを備えた0.6Lの電解槽で電気分解試験を実行した。アノードは、電気化学コーティングで被覆されたチタンからなった。カソードは、電気化学コーティングで被覆されたニッケルから製造された。膜は、Asahi Glas Company−Flemion F8020型の膜であった。カソードコンパートメントに、32% g/gのNaOHを含有する水性組成物を連続的に供給した。アノードコンパートメントは、18%のNaClおよび18mg/LのTOCに相当するカプロン酸を含有する水性組成物を供給した。アノードコンパートメントのpHは4であった。アノードとカソードとの間に、電極1mあたり4kAの電流密度が適用された。槽は85℃に保持され、そして1bar(絶対圧)の圧力で操作した。測定された槽電圧は、実際に、同一条件ではあったが、アノードコンパートメントに供給された水性組成物が18%のNaClを含有し、カプロン酸を含有しないものを用いて実行された参照試験で測定された槽電圧と同一であった。
比較例2(本発明によらない)
(a)17% g/gのNaClと、82mg/LのTOC(全有機炭素)に相当するカプロン酸とを含有する水性ブライン496.7gを、試験の間に放出される蒸気を排出および凝縮するための傾斜凝縮器に連結されたガラス蒸留ヘッドを備えた1リットル丸底フラスコに入れた。丸底フラスコおよび蒸留ヘッドに、サーモウェルと、さらには熱電対を装備した。ブラインのpHを、25℃で測定し、1N塩酸の添加によって5.5の値まで調節した。大気圧で沸騰付近の温度(105℃)までブラインを加熱し、そしてブラインに浸漬された毛管によって、蒸気を一定フロー速度で導入した。ブラインのpHを、1N塩酸の通常の添加によって、その初期値に保持した。26分かけて50gの蒸気を注入した後、ブラインは54mg/LのTOCを含有し、そしてそのpHは5.4であった。
(b)電気分解試験は、実施例1(b)に記載された条件に従って、アノードコンパートメントに供給される水性組成物が18% g/gのNaClからなり、そして55mg/LのTOCに相当するカプロン酸を含有するという点を変更して実行した。アノードコンパートメントのpHは4であった。測定された槽電圧は、同一条件ではあったが、アノードコンパートメントに供給された水性組成物が18% g/gのNaClを含有し、カプロン酸を含有しないものを用いて実行された参照試験で測定された電圧より20mV高かった。

Claims (16)

  1. 電解槽のアノードコンパートメントのpH以下のpHで、少なくとも1種のストリッピング剤の存在下でストリッピング処理を受けた少なくとも1種のブラインを、前記電解槽のアノードコンパートメントに供給する電気分解方法であって、前記ブラインが前記処理の前に少なくとも1種の有機化合物を含んでなる電気分解方法。
  2. (a)少なくとも1種の有機化合物を含んでなるブラインを供給する工程と、
    (b)少なくとも1種のストリッピング剤の存在下で、前記(a)のブラインの少なくとも1回のストリッピング処理をして、ストリッピングされたブラインを得る工程と、
    (c)電解槽のアノードコンパートメントに、前記(b)のストリッピングされたブラインを供給する工程と、
    を含んでなる電気分解方法であって、前記(b)のストリッピング処理が、前記(c)の前記電解槽のアノードコンパートメントのpH以下のpHで実行される電気分解方法。
  3. 前記ブラインが、ストリッピング処理の前に、ブライン1kgあたり140g以上のNaClの含有量で少なくとも塩化ナトリウムを含有する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記有機化合物がモノカルボン酸であって、その炭素原子数が4以上20以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記モノカルボン酸が脂肪酸である請求項4に記載の方法。
  6. 前記有機化合物がモノカルボン酸であって、その炭素原子数が6より多く、20以下である、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記モノカルボン酸が、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される、請求項4または5に記載の方法。
  8. ブライン1kgあたりの炭素のgで表される、前記ストリッピング処理の前の前記ブライン中の前記有機化合物の含有量が、0.005g/kg以上20g/kg以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. ブライン1kgあたりの炭素のgで表される、前記ストリッピング処理の前の前記ブライン中の前記有機化合物の含有量が0.75g/kg以上である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記ストリッピング処理のpHが、前記電解槽の前記アノードコンパートメントのpHよりも少なくとも0.1pH単位低い、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記ストリッピング剤が、空気、低酸素空気、窒素、酸素、塩素、塩化水素、蒸気、二酸化炭素およびそれらの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記ストリッピング剤が蒸気であり、そして前記ストリッピング処理が、垂直に、そして向流的に循環するブラインおよびストリッピング剤が供給されるストリッピング領域において連続式モードで実行され、1時間あたりの蒸気のkgで表される上昇する蒸気のフロー速度(V)と、1時間あたりのブラインのkgで表される下降するブラインのフロー速度(W)との間の比率(τ)が、次式、すなわち、
    τ=α.[1/(K−1)].{1+(X/X)[K(q−1)−1]}
    ただし、
    αは、0.9以上5以下であり、
    =(Porg/P)(1/Sorgtd(Morg/Vbrine)、
    q=1+[CPlf −CPlF )]/(ΔHvap)t
    orgは、前記ブライン中に含有される前記有機化合物の蒸気圧力であり、
    Pは、前記システムの全圧力であり、
    orgは、炭素のg/ブラインのLで表されるブライン中の前記有機化合物の溶解度であり、
    orgは、炭素のg/有機化合物のmolで表される前記有機化合物のモル質量であり、
    brineは、L/molで表される前記ブラインのモル体積であり、
    は、炭素のg/ブラインのkgで表される前記ストリッピング領域の底部の前記ブラインの有機化合物含有量であり、
    は、炭素のg/ブラインのkgで表される前記ストリッピング領域の上部に入る前記ブラインの有機化合物含有量であり、
    PIfは、ブラインインレット温度tで前記ストリッピング領域の上部に入る前記ブラインの比熱であり、kJ/(ブラインのkg.K)で表され、
    PIFは、ブラインアウトレット温度tで前記ストリッピング領域の底部を出る前記ブラインの比熱であり、kJ/(ブラインのkg.K)で表され、そして
    (ΔHvap)tは、ブラインインレット温度tでの水の潜在的気化熱であり、kJ/蒸気のkgで表される前記式
    に相当する、請求項11に記載の方法。
  13. 希釈、濃縮、蒸留、蒸発、液液抽出、濾過、結晶化、吸着、酸化、還元、中和、錯体形成、沈殿、好気性細菌処理、嫌気性細菌処理、塩添加およびそれらの少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される前記ストリッピング操作以外の少なくとも1つの操作を含んでなる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記電解槽が、塩化アルカリ電気分解の水銀電解槽または隔膜電解槽または膜電解槽であり、そして前記ブラインが、エピクロルヒドリンの製造、エピクロルヒドリン誘導体の製造、1,2−ジクロロエタンの製造、ポリカーボネートの製造、およびそれらの少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択されるプロセスに由来する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記電解槽が塩化アルカリ電気分解の膜電解槽であり、そして前記ブラインがエピクロルヒドリンの製造のためのプロセスに由来する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ブラインが、ジクロロプロパノールの脱塩化水素反応によってエピクロルヒドリンを製造するためのプロセスであって、前記ジクロロプロパノールの少なくとも一部がグリセロールから得られ、前記グリセロールの少なくとも一部が再生可能な原材料から得られたプロセスに由来する、請求項15に記載の方法。
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