JP2013528551A - 摩耗耐性の積重ねローラを有するコンベアベルト - Google Patents

摩耗耐性の積重ねローラを有するコンベアベルト Download PDF

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Abstract

多数のローラセットを有するコンベアベルトであって、各ローラセットが第1ローラ(204)と第2ローラ(202)とを含み、ローラの一方の第1角度方向への駆動が他方のローラの第2の反対の角度方向への回転を引き起こすように第1ローラ(204)は移動して前記第2ローラ(202)と接触することが可能であるコンベアベルト。本発明はまた、ベルトモジュール自体に、および複数のそのようなモジュールを備えたベルトと、第1ローラ(204)を回転させ第2ローラ(202)の方へ移動させる支持面とを備えたコンベアに関する。
【選択図】図14

Description

コンベアベルトは、前進する時にコンベアベルトに沿って対象物を後方へ推進するために使用される固定された積重ねローラを含むこともある。積重ねの下側のローラは、コンベアベルトがコンベアに沿って前進する時、コンベアベルトの下に横たわる支持面上で回転する。積重ねの上部ローラと接触する回転する下部ローラの前方への回転により上部ローラが反対方向に回転し、ローラ上を搬送される対象物をコンベアベルト上で後方へ押すように推進する。上部ローラおよび下部ローラは摩耗するので、下部ローラと上部ローラの間の接触は悪化する。
開示されるコンベアベルトおよびコンベアは、以下の図面を参照して理解することができる。図面中の構成要素は、必ずしも正確な縮尺で描かれていない。
図1は、コンベアの一部の第1の実施形態の上からの斜視図である。 図2は、図1のコンベアで使用されるコンベアベルトモジュールの実施形態の上面図である。 図3は、図2のコンベアベルトモジュールの側面図である。 図4は、図1のコンベアの概略的な端面図であり、コンベアによって搬送される対象物の進路変更を示す。 図5は、図1のコンベアの上からの斜視図であり、コンベアによる対象物の進路変更をさらに示す。 図6Aは、図1のコンベアを使用した対象物の進路変更を連続的に示す概略図の1つである。 図6Bは、図1のコンベアを使用した対象物の進路変更を連続的に示す概略図の1つである。 図6Cは、図1のコンベアを使用した対象物の進路変更を連続的に示す概略図の1つである。 図6Dは、図1のコンベアを使用した対象物の進路変更を連続的に示す概略図の1つである。 図7は、コンベアの一部の第2の実施形態の上からの斜視図である。 図8は、図7のコンベアで使用されるコンベアベルトモジュールの実施形態の上面図である。 図9は、図8のコンベアベルトモジュールの側面図である。 図10は、図7のコンベアの側面図であり、コンベアによって搬送される対象物の変位を示す。 図11は、図7のコンベアの上からの斜視図であり、コンベアによる対象物の変位をさらに示す。 図12は、浮動下部ローラを有するコンベアベルトの実施形態の2つの列の斜め図である。 図13は、図12のコンベアベルトの上からの平面図である。 図14は、浮動下部ローラを有するコンベアベルトの別の実施形態の一部の分解図である。
以下に記載されるのは、ベルトによって搬送される対象物を変位するために使用できるローラを有するコンベアベルトである。特定の実施形態において、コンベアベルトは上部ローラと下部ローラを含むローラセットを備え、下部ローラはベルトの下面の下方に延び、上部ローラはベルトの上面の上方に延びる。上部ローラと下部ローラは、下部ローラが第1の角度方向に駆動されるとき、上部ローラが第2の反対の角度方向に回転するように互いに接触する。ローラがベルトの長手方向と角度を成す方向に回転するケースでは、上部ローラを使用して、対象物が比較的大きい進路変更角度で進路変更され得るように、対象物を横方向かつ後方へ変位することができる。ローラがベルトの長手方向と平行な方向に回転するケースでは、対象物をベルトの移動方向と逆の方向にベルト上で変位することができる。
以下において、コンベアベルトの様々な実施形態が開示されている。特定の実施形態が与えられているが、これらの実施形態は開示されたベルトの単なる例証的な実施であり、他の実施形態が可能であることに留意されたい。これらの実施形態の全ては、本開示の範囲内にあることが意図されている。
同じ符号がいくつかの図面を通して対応する部品を示す図面を参照すると、図1は、対象物を進路変更させるよう使用できるコンベア10の実施形態を示す。図1に示すように、コンベア10は、コンベアベルト12およびベルトが相互作用し得る駆動機構14を備えている。図1の実施形態では、コンベアベルト12が、1つに連結されてベルトを形成する複数のコンベアベルトモジュール16を備えている。モジュール16は、ベルト12の幅にわたり延びる横列18に整列され、矢印22で示すベルトの移動方向に一致するベルトの長手方向に沿って延びる縦列20に整列されている。例として、モジュール16は、ベルト12の長手方向に沿って隣接するモジュールに、横軸24によって回動可能に結合されている。モジュール16は、モジュールの内部空間30の中で垂直方向に積み重なって配置された第1または下部ローラ26および第2または上部ローラ28を備えたローラセットを含んでいる。
駆動機構14を使用して、コンベアベルトモジュール16の下部および上部ローラ26、28を駆動させる。図1に示すように、駆動機構14は、コンベアベルト12の長手方向に対して平行でコンベアベルトモジュール16の列20と整列している回転軸を有する複数の長手ローラ32を備えることが可能で、その際1つの長手ローラを各ベルト列に設けるようにする。以下に詳細に説明するように、ベルト12が移動する間長手ローラ32が下部ローラ26に接触するよう配置されるときに、長手ローラおよび下部ローラ間の摩擦力により下部ローラが回転し、これにより上部ローラ28が反対方向に回転する。少なくとも特定の実施形態では、長手ローラ32が、長手ローラ32および下部ローラ26間の滑りを減らす高摩擦力の外面を有している。代替的な実施形態では、駆動機構が、下部ローラ26を回転させるよう使用される摩擦板を備えることができる。このような摩擦板の例を図7に示す。
図2および図3は、コンベアベルトモジュール16の例示的な実施形態を示す。これらの図面に示すように、モジュール16は、前端部42、後端部44、および反対側にある側面46を有する本体40を備えている。さらに、本体40は、上面48および下面50を有している。「前」および「後」といった空間に関する特定の用語を使用するが、これらの用語を本明細書で使用して図1に示す向きのモジュール16を説明する。このため、空間に関する用語は絶対的なものではなく、このように解釈すべきではない。
特定の実施形態では、モジュールの本体40が、高分子材料などの1片の材料から一体に構成されている。他の実施形態では、本体40が、別体の部品、例えば1つに接続されて一体化した本体を形成する別々の半体を備えている。このような実施形態では、本体40を高分子および/または金属材料から形成し得る。
図2に最も明瞭に示すように、コンベアベルトモジュール16は、さらに、本体40から延びる結合部を有している。図2および図3の実施形態では、モジュール16が、本体40の前端部42から延びる1つの結合部52と、隙間56によって隔てられた、本体の後端部44から延びる2つの結合部54とを備えている。このような構成により、モジュール16は、ベルトの長手方向に沿って互いに結合されるよう構成されている。具体的には、1つのモジュール16の結合部52を隣接するモジュールの隙間56に受容することができ、この隣接するモジュール16の結合部52を次に隣接するモジュール16の隙間56によって受容することができる、といったように図1で示すように進む。図3に最も明瞭に示すように、各結合部52、54が、丸い外面58および図1に示すシャフト24など、横軸を受容するよう構成された横方向の開口部60を有している。横軸の直径が開口部60よりも小さい場合、モジュール16がシャフトに対して回動可能に回転することが可能で、逆もまた可能である。
モジュール本体40は、さらに、図1で最初に確認される内部空間30を規定する。図2に示すように、内部空間30は、特定の実施形態では、対向する側壁62および対向する端壁64によって規定される、上方または下方から見た場合に略矩形状の断面を備えている。さらに図2に示すように、側壁62は、モジュール本体40の側面46に対して、すなわちモジュール16の長手軸に対して角度を成すよう配置されている。
図2および図3から明らかなように、上部および下部ローラ26、28は、モジュール本体40によって規定される内部空間30の中に少なくとも部分的に収容されている。図3に示すように、ローラ26、28の外面66は、第1の方向へ一方のローラが回転することにより他方のローラが逆方向に回転するように、互いに接触する。下部ローラ26の一部が本体40の下面50の下方に延びており、上部ローラ28の一部が本体の上面48の上方に延びている。このような構成により、図1に関して記載された駆動機構は、下部ローラを回転するよう下部ローラ26と接触することができ、モジュール16を使用するコンベアベルトによって支持される対象物を上部ローラ28によって変位することが可能となる。
各ローラは、ローラに構造を提供する高分子または金属材料で構成されたローラ本体70と、ローラ本体の外面の周りに設けられ外面66を形成する外側層72とを有している。特定の実施形態では、各ローラ26、28の外側層72は、それが接触する機構および/または対象物との滑りを減らす高摩擦材料から構成される。他の実施形態では、上部ローラ28とそれが支持する対象物との間で所望の滑りを可能にするように、下部ローラ26の外側層72のみが高摩擦材料である。図2および図3に示すように、各ローラ26、28は、内部空間30の中で、モジュール本体40によって支持されるローラシャフト74に取り付けられている。特定の実施形態では、シャフト74は本体40に形成された開口部(図示せず)によって支持されている。他の実施形態では、シャフト74は、内部空間30の中に設けられたブラケット(図示せず)によって支持されている。いずれにしてもシャフト74は、それらに関連するローラ26、28が互いにしっかりと接触して一方のローラ(例えば、下部ローラ)の回転により他方のローラ(例えば、上部ローラ)が確実に逆方向に回転するように支持されている。
さらに、図2および図3に示すように、シャフト74、したがってそれらに関連するローラ26、28は、モジュール16およびそれが使用されるコンベアベルトの長手軸に対して角度θで支持されている。特定の実施形態では、角度θは、シャフト74がモジュール16の長手軸に対して略垂直のケースである約1度から、シャフトがモジュールの長手軸と略平行のケースである約89度までのいずれの角度であってもよい。以下に詳細に説明するように、選択された角度は、対象物がコンベアベルトから進路変更する速度に影響を及ぼす。
図4および図5は、コンベア10を用いて対象物Oを進路変更させることを示している。図5に示すように、コンベアベルト12が、矢印22の方向に長手ローラ32に沿って移動する。図4に示すように、下部ローラ26と長手ローラ32との間の接触により、下部ローラが下流方向に矢印76で示す方向に回転する。さらに、このような接触により、長手ローラ32が(下流方向から見た場合に)矢印78で示すように反時計方向に回転する。下部ローラ26の回転により、上部ローラ28が矢印80で示す逆方向の上流方向に回転する。図5で最も明瞭に示すように、上部ローラ28の回転により対象物Oが矢印82で示す横方向および後方向に変位する。上記のように、「後方向」という用語は、対象物Oがコンベアベルト12に対して後方向に変位することを示す相対用語である。しかしながら、ベルト12が矢印22の方向に移動するため、対象物Oは実際には絶対的な意味において後方に移動しない可能性がある。代わりに、下部ローラ26および長手ローラ32間で滑りがないと仮定して、さらに上部ローラ28および対象物O間で滑りがないと仮定して、下流方向の移動が上流方向の移動によって相殺されることで、対象物の長手方向の位置は実質的に変化しないだろう。このようなケースでは、対象物Oは、コンベア10によって単に横方向に変位する。
図4および図5に関連して上述した横方向への進路変更を、図6A〜6Dに示す。これらの図では、コンベアベルト12が矢印22で示すように上方から下方に移動する。アウトフィードコンベア84が、コンベアベルト12の一方の側に位置している。特定の実施形態では、アウトフィードコンベア84が、コンベアベルト12が移動する方向以外の方向に進路変更した対象物を搬送するよう構成されるように、それ自身の従動コンベアベルトを備えている。他の実施形態では、アウトフィードコンベア84が、非従動コンベア、例えば、対象物が例えば重力の下で沿うように移動し得る複数の自由に回転するホイールを備えている。いずれにせよアウトフィードコンベア84は、コンベアベルト12によって進路変更された対象物を受け取るよう構成されている。
図6Aに示すように、対象物Oは、矢印86によって示される方向にコンベアベルト12に沿って移動し進路変更領域88に近づく。図6Bを参照すると、対象物Oが進路変更領域88に入ると、対象物が上流ローラ28に作用される。特定の実施形態では、上部ローラ28は、進路変更領域でのみベルトの下部ローラ26に接触する駆動機構(図示せず)によって進路変更領域88で動作する。このようなケースでは、下部ローラ26、および上部ローラ28は、進路変更領域88に入ると回転を開始する。図6Bに示すように、上部ローラ28の回転により、対象物Oは矢印90で示す横方向且つ後方向に変位する。上述のように、対象物Oのベルト12に対する後方移動は、ベルトの運動による対象物の前方移動と実質的に等しくなり得る。このようなケースでは、対象物Oは、絶対的な意味において前後に顕著に移動しない。したがって、図6Cに示すように、対象物Oはコンベア84に向けて主に横方向に移動する。換言すれば、対象物Oは、約90度の進路変更角度でコンベアベルト12から進路変更される。特に、このような進路変更角度は、積層構造ではない単一ローラを備えている他のコンベアベルトが実現可能な進路変更角度よりも実質的に大きい。図6Dを続けて参照すると、コンベアベルト12から完全に進路変更した対象物Oを示しており、対象物を矢印92で示す方向にコンベア84によって運ぶことができる。
上述のような約90度の進路変更動作は、1度〜89度までの間(図2参照)で選択されるいかなる角度θでも起こる。このため、(以下で説明するように)滑りおよびギヤ効果がないと仮定すると、対象物は、選択された上部ローラ28の角度に拘わらず、約90度の角度でコンベアベルト12から進路変更する。しかしながら、選択された角度は、対象物が進路変更する速度に影響を及ぼす。具体的には、角度θが大きくなるほど対象物が速く進路変更する。特に、上部ローラ28がベルトの長手方向に対して45度に位置する場合、滑りおよびギヤ効果がないと再び仮定すると、対象物はベルトの移動速度にほぼ等しい速度でベルトから進路変更する。
図7は、搬送される対象物の位置を制御するよう使用し得るコンベア100の実施形態を示す。図7に示すように、コンベア100は、コンベアベルト102と、ベルトが相互作用し得る駆動機構104とを備えている。図7の実施形態では、コンベアベルト102は、ベルトを形成するよう1つに結合されている複数のコンベアベルトモジュール106を備えている。モジュール106は、ベルト102の幅にわたり延びる横列108に整列され、矢印112で示すベルトの移動方向に一致するベルトの長手方向に沿って延びる縦列110に整列されている。例として、モジュール106は、ベルト102の長手方向に沿って隣接するモジュールに、横軸114によって回動可能に結合されている。図1に示すモジュール16と同じように、モジュール106は、モジュールの内部空間120の中で垂直方向に積み重なって配置された第1または下部ローラ116および第2または上部ローラ118を備えたローラセットを有している。
駆動機構104を使用して、コンベアベルトモジュール106の下部および上部ローラ116、118を駆動させる。図7に示すように、駆動機構104は、下部ローラ116を回転するよう使用される摩擦板を含んでもよい。少なくとも特定の実施形態では、摩擦板は、板と下部ローラ116との間の滑りを減らす高摩擦の上面を有している。
図8および図9は、コンベアベルトモジュール106の例示的実施形態を示す。モジュール106は、図2および図3に示すモジュール16と多くの点で同様である。このため、図8および図9に示すように、モジュール106は、前端部124、後端部126、および反対側の側面部128を有する本体122を備えている。さらに、本体122は、上面130および下面132を有している。さらに、空間的な専門用語を使用して、図7に示すモジュール106の向きを反映させるが絶対的なことを意図するものではない。
図8に最も明瞭に示すように、コンベアベルトモジュール106は、さらに、本体122から延びる結合部を有している。図8および図9の実施形態では、モジュール106は、本体122の前端部124から延びる1つの結合部134と、隙間135によって隔てられた、本体の後端部126から延びる2つの結合部136とを備えている。図3に最も明瞭に示すように、各結合部134、136は、丸い外面138と、図7に示すシャフト114などの横軸を受容するよう構成された横方向の開口部140とを有している。横軸の直径が開口部140よりも小さい場合、モジュール106はシャフトに対して回動可能に回転するが、その逆も同様である。
モジュールの本体122は、さらに、図7で最初に確認される内部空間120を規定する。図8に示すように、内部空間120は、特定の実施形態では、対向する側壁142および対向する側壁144によって規定された、上部または下部から見た場合に略矩形の断面を備えている。さらに図8に示すように、モジュール106の側壁142は、モジュール本体122の側面128に対して略平行であり、したがってモジュールの長手軸に対して略平行である。
図8および図9から明らかなように、下部および上部ローラ116、118は、モジュール本体122によって規定される内部空間120の中に少なくとも部分的に含まれている。図9に示すように、ローラ116、118の外面146は、第1の方向へ一方のローラが回転することにより他方のローラが逆方向に回転するように、互いに接触する。下部ローラ116の一部が本体122の下面132の下方に延びており、上部ローラ118の一部が本体の上面130の上方に延びている。このような構成により、図7に関連して説明される駆動機構は、下部ローラ116を回転させるように下部ローラ116と接触することができ、モジュール116を使用するコンベアベルトによって支持されている対象物を上部ローラ118によって変位することが可能である。
各ローラ116、118は、ローラに構造を提供する高分子または金属材料から構成されるローラ本体148と、ローラ本体の外面の周りに設けられ外面146を形成する外側層150とを備えている。特定の実施形態では、各ローラ116、118の外側層150は、それが接触する機構および/または対象物との滑りを減らす高摩擦材料から構成される。
図8および図9の双方で示すように、各ローラ116、118が、内部空間120の中で、モジュール本体122によって支持されているローラシャフト152に取り付けられている。特定の実施形態では、シャフト152は本体122に形成された開口部(図示せず)によって支持されている。他の実施形態では、シャフト152は、内部空間120の中に設けられたブラケット(図示せず)によって支持されている。いずれにせよシャフト152は、それらに関連するローラ116、118が互いに密着して位置し、一方のローラ(例えば、下部ローラ)の回転により他方のローラ(例えば、上部ローラ)が確実に逆方向に回転するよう支持されている。さらに図8および図9の双方に示すように、シャフト152は、モジュール106およびモジュールを使用するコンベアベルトの長手軸に対して略垂直になるよう向けられる。
図10および図11は、コンベア100上の対象物Oの変位を示す。図11に示すように、コンベアベルト102は、矢印112の方向に駆動機構104に沿って移動する。図10に示すように、下部ローラ116と駆動機構104との間の接触により、下部ローラが矢印154で示す下流方向に回転する。下部ローラ116の回転により、上部ローラ118が矢印156で示す反対の上流方向に回転する。図10および図11の双方で示すように、上部ローラ118の回転により、矢印158で示すベルト102に対して後方向に対象物Oが変位する。下部ローラ116と駆動機構114との間の滑りを仮定せず、さらに、上部ローラ118と対象物Oとの間の滑りを仮定しない場合、対象物の絶対位置は、その上流方向の運動によるその下流方向の運動の相殺により、実質的に変化しない。このようなケースでは、対象物Oが、絶対的な意味で所定に位置に保持される。このような機能により、ベルト102によって提供される対象物の輸送を、駆動機構104を対象物が停止する位置でベルトの下部ローラ116に係合させることによって、選択的に止めることができる。
図12および図13は、上部ローラ202および下部ローラ204を備えるローラセットを有するモジュール式コンベアベルト200中のベルトモジュール199の2つの列を示し、下部ローラはベルト内のキャビティ206の中で浮いている。上部ローラ202は回転のため車軸208に取り付けられ、車軸208の両端はコンベアベルトの上面212から直立する支柱210にしっかり支持されている。この例で示されるように、コンベアベルトの移動方向216に対して斜めの回転軸214を車軸が規定する。下部ローラ204は上部ローラより短く、キャビティ206内に配置され、上部ローラの回転軸214と平行な回転軸上で回転する。下部ローラはコンベアベルトの下面213の下に突出する。コンベアフレームに取り付けられた下に横たわる支持面などの駆動機構、例えば作動ローラ220の外周218または搬送路パンまたは摩耗ストリップと接触しているとき、下部ローラは、コンベアベルトが前進すると支持面の上を回転しながら進む。コンベアベルトがベルト移動方向216に前進する時、下部ローラ204はその回転軸に対して垂直な第1方向222に回転する。下部ローラと上部ローラとの間の接触により上部ローラがその回転軸214に対して同じく垂直な反対の第2方向223に回転するが、ベルト移動方向216に対して後方への移動成分により、それが上部ローラ上に支持されている搬送対象物をコンベアベルトの上側212に沿って後方へ押す。
図13に最もよく示されるように、コンベアベルト200の厚さにわたりその上面と下面との間に延びる各キャビティ206は、六角形の断面を有する円筒状の壁224によって規定されるような六角形の形状である。下部ローラ204は、下部ローラの軸方向端部を囲みかつローラの車軸の端部を支持するリングなどの六角形フレーム226の中に取り付けられる。六角形リングの外側面積はキャビティの六角形面積よりもわずかに小さいものであり、それによりリングが上部ローラ202の方へまたそれから離れるように壁に案内されてキャビティに沿って摺動できるように十分緩やかにキャビティ内に嵌合するが、リングがキャビティ内を回転し、下部ローラの回転方向を変え得るほどの間隔は空いていない。したがってリング226の外面の六角形状はリングの係止構造を形成し、壁の六角形構造は、下部ローラの回転方向を維持し、その一方で下部ローラが上部ローラの方へおよびそれから離れてキャビティに沿って浮動することを許容する相補的係止構造を壁に提供する。明らかに他の多角形または非円形形状も、リングの回転を防止するのに必要な係止構造を提供するであろう。
キャビティ壁224の高さは、キャビティに沿った垂直移動範囲をリングと下部ローラ204に提供するためにリング226の高さを越える。下部ローラが、下に横たわる支持面218に乗っているとき、支持表面は、下部ローラを第1方向222に回転させることに加えて、下部ローラを上に向かって上部ローラ202に押し付けて、上部ローラを反対の第2方向223に回転させる。その結果、上部ローラおよび下部ローラが摩耗するにつれ、浮動下部ローラは、減少したローラ直径を補うためにより長い距離を支持面によって上方へ本質的に押され、上部ローラと摩擦接触する。ローラが新しい場合、下部ローラは、上部ローラと接触しているとき、ローラが摩耗しているときよりもキャビティ内で下側に位置している。支持面がコンベア搬送経路に沿って下部ローラと係合しない場合、摩耗した下部ローラは重力の影響下にキャビティ内の最下位置まで降下し、上部ローラとの接触から切り離される。
ローラセットの別の実施形態の分解図が図14に示される。この例において、円形キャビティ228が、概ね円形の円筒状壁230によって境界を定められる。相手方円形リング232が下部ローラ204を支持し、囲む。車軸234の両端は、リングに保持されている。車軸はローラ内の穴を通って伸びる。壁の高さHは、キャビティに沿った垂直運動範囲235をリングに提供するためにリングの高さhよりも高い。円形リングがキャビティ内で回転しないように、および下部ローラの回転軸236の向きを変えないように、リングの外面239の溝238の形態の係止構造が、円筒状壁に直径方向反対側の位置において形成された一対の嵌め合い用垂直リブ240の形態にある係止構造と協働する。キャビティの下端部のリップ242がキャビティの開口をコンベアベルトの下側において制限し、リングがキャビティから出ることを防止する保持構造として機能する。同様のリップが図12および13のコンベアベルトの各キャビティの下端部に形成されている。上部ローラ202は車軸244に取り付けられ、車軸244の端部は基部246から直立する耳245に保持されており、基部246はベルトの上側に溶接されるか、そうでなければ装着される。基部はキャビティの上端部でリングを保持するカバーを形成し、中央穴248を有し、その穴を通って下部ローラの突出部が延びて上部ローラと回転接触する。図12および13のローラセットにおけるように、図14のリングはキャビティ内で、適切な向きから逸れることなく、ローラ摩耗を補うために必要な位置に浮くことができる。
例示を目的として、特定の実施形態を上述の説明および図面において詳しく開示してきたが、本開示の範囲から逸脱することなく、その変形形態および修正形態が作製され得ることが当業者に理解されよう。

Claims (20)

  1. 上側および反対の下側と、
    複数のローラセットであって、各ローラセットが、前記上側から外方に突出する上部ローラと、前記上部ローラの下の下部ローラとを含み、前記ローラの一方の第1方向への駆動が他方のローラの反対の第2方向への回転を引き起こすように前記下部ローラが移動して前記上部ローラと接触することが可能である、複数のローラセットと、
    を備えることを特徴とするコンベアベルト。
  2. 請求項1に記載のコンベアベルトにおいて、前記下部ローラが、重力によって前記上部ローラとの接触から切り離されて移動するように配置されることを特徴とするコンベアベルト。
  3. 請求項1に記載のコンベアベルトにおいて、前記下部ローラが、前記コンベアベルトの前記下側において前記下部ローラを駆動する駆動機構と接触することによって移動して前記上部ローラと接触するように配置されることを特徴とするコンベアベルト。
  4. 請求項1に記載のコンベアベルトにおいて、前記コンベアベルトが、前記上側および下側において開口する複数のキャビティを備え、各キャビティが前記下部ローラの1つを収容し、前記下部ローラが前記キャビティに沿って前記上側と前記下側の間を移動可能であることを特徴とするコンベアベルト。
  5. 請求項1に記載のコンベアベルトにおいて、
    前記上側および下側において開口し、前記上側と下側との間を前記コンベアベルトを貫通して延びる壁によって境界を定められる複数のキャビティであって、各キャビティが前記下部ローラの1つを収容する複数のキャビティと、
    前記下部ローラのそれぞれを前記キャビティの1つの中で回転可能に支持するフレームであって、前記フレームは前記上部ローラの方へおよびそれから離れるように前記キャビティの前記壁に沿って摺動可能であるフレームと、
    をさらに備えることを特徴とするコンベアベルト。
  6. 請求項5に記載のコンベアベルトにおいて、前記下部ローラの回転方向を維持するために前記壁の係止構造と協働する前記フレームの係止構造をさらに備えることを特徴とするコンベアベルト。
  7. 請求項6に記載のコンベアベルトにおいて、前記フレームの前記係止構造が前記フレームの溝を備え、前記壁の前記係止構造が前記溝に収容されるリブを備えることを特徴とするコンベアベルト。
  8. 請求項6に記載のコンベアベルトにおいて、前記フレームが、前記係止構造を形成する非円形の外面を有し、前記壁の前記係止構造が、非円形でありかつ前記フレームの前記外面の形状と一致するように成形された前記壁の前記係止構造によって形成されることを特徴とするコンベアベルト。
  9. 請求項5に記載のコンベアベルトにおいて、前記フレームと前記下部ローラを前記キャビティ内に保持する各キャビティ内の保持構造をさらに備えることを特徴とするコンベアベルト。
  10. 請求項9に記載のコンベアベルトにおいて、前記保持構造が、前記コンベアベルトの前記下側において前記キャビティの前記壁に沿ったリップを備えることを特徴とするコンベアベルト。
  11. 請求項5に記載のコンベアベルトにおいて、前記キャビティが円筒状であり、前記フレームが、前記下部ローラを囲みかつ前記キャビティの内側面積よりもわずかに小さい外側面積を有するリングであることを特徴とするコンベアベルト。
  12. 請求項11に記載のコンベアベルトにおいて、前記キャビティが円形であり、前記リングの前記外側面積が円形であることを特徴とするコンベアベルト。
  13. 請求項11に記載のコンベアベルトにおいて、前記キャビティが多角形であり、前記リングの前記外側面積が多角形であることを特徴とするコンベアベルト。
  14. コンベアベルトであって、
    上側および反対の下側と、
    前記コンベアベルトを貫通して前記上側から前記下側へ延びる複数のキャビティと、
    複数のローラセットであって、各ローラセットが、前記上側から外方に突出する上部ローラと、前記キャビティ内に移動可能に収容される下部ローラとを含む複数のローラセットと
    を含むコンベアベルトと、
    前記コンベアベルトの下に横たわり、下から前記下部ローラと接触することにより前記下部ローラを第1方向に回転させかつ前記下部ローラを前記上部ローラに押し付けて前記上部ローラを反対の第2方向に回転させる駆動機構と
    を備えることを特徴とするコンベア。
  15. 請求項14に記載のコンベアにおいて、前記コンベアベルトが、前記下部ローラのそれぞれを回転可能に支持するローラフレームを含み、前記ローラフレームおよび前記下部ローラが、前記上部ローラの方へおよびそれから離れるように前記キャビティに沿って摺動可能であることを特徴とするコンベア。
  16. 請求項15に記載のコンベアにおいて、前記ローラフレームが前記下部ローラを囲むリングであり、前記キャビティが前記キャビティに沿って移動する前記リングを案内する壁によって境界を定められることを特徴とするコンベア。
  17. 請求項14に記載のコンベアにおいて、前記駆動機構が前記コンベアベルトの前記下側に支持面を含み、前記コンベアベルトが前進すると、前記支持面上で前記下部ローラが回転することを特徴とするコンベア。
  18. コンベアベルトモジュールにおいて、
    前記モジュールの厚さを貫通して延びる1つ以上のキャビティと、
    第1および第2ローラの複数のセットであって、各第1ローラが前記キャビティの1つに収容され、第1回転軸を有し、各第2ローラが前記キャビティの上で前記ベルトモジュールに固定され、前記第1回転軸と平行な第2回転軸を有する第1および第2ローラの複数のセットと、を備え、
    前記第1ローラおよび前記第2ローラが接触しているときに前記第1軸上での前記第1ローラの回転により前記第2ローラが前記第2軸上で反対の第2方向に回転するように、前記第1ローラは前記キャビティに沿って摺動し、前記第2ローラと接触するおよび前記第2ローラとの接触を切り離すことが可能である
    ことを特徴とするコンベアベルトモジュール。
  19. 請求項18に記載のコンベアベルトモジュールにおいて、前記第1ローラのそれぞれを回転可能に支持して囲むリングと、前記キャビティのそれぞれの境界を定め、前記リングが前記第2ローラの方へおよびそれから離れるように前記キャビティに沿って摺動するためのガイド部を提供する円筒状壁とをさらに備えることを特徴とするコンベアベルトモジュール。
  20. 請求項19に記載のコンベアベルトモジュールにおいて、前記リングを前記キャビティに拘束するために前記第2ローラの反対側の前記キャビティ端部に保持構造をさらに備えることを特徴とするコンベアベルトモジュール。
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