JP2013527108A - ガラス上の有機コーティングの接着の改善 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示の一態様によるガラスをコーティングする方法は、ガラスの外面上に無機酸化物を付着させるステップと、次いで、有機官能性シランを、ガラスに、無機酸化物の上から施すステップを含む。好ましい態様によると、この方法は、有機コーティングを、ガラスに、有機官能性シランの上から施すことを含むこともできる。
本開示の別の態様によると、ガラス容器を形成するステップと、ホットエンドコーティングをガラス容器の外面に施すステップと、ガラス容器を焼きなましするステップと、コールドエンドコーティングをガラス容器の外面に施すステップと、ガラス容器を検査するステップと、次いで、無機酸化物をガラス容器の外面上に付着させ、有機官能性シランを、ガラス容器に、無機酸化物の上から施すステップを含めた、ガラス容器を製造する方法を提供する。好ましい態様によると、この方法は、有機コーティングを、ガラス容器に、有機官能性シラン上から施すことを含むこともできる。
本開示は、そのさらなる目的、特徴、利点および態様と一緒となって、以下の説明、添付の特許請求の範囲および添付図面から最も理解されるであろう。
様々なコーティング14〜20を互いに順次に上に重なっている隣接する層として示すが、コーティングの1つまたは複数は、他のコーティングの1つまたは複数の中へ貫入し、またはそれらを貫通し得る。したがって、様々なコーティング14〜20は、任意の所与のコーティングが、どのようにまたはどの程度まで、他のコーティングおよび/または基板12のいずれかと接触するかに関わらず、ガラス容器10に全体的に施されていると適正に記載し得る。同様に、材料がガラス容器10の外面に施されていると記載されているとき、材料は、コーティング14〜20および/またはガラス基板12自体の1つまたは複数と接触し得る。
ガラス容器が形成された後で、しかし焼きなましの前に、ガラス容器を、任意の適切な態様でホットエンドコーティングし得る。例えば、ガラス容器は、例えば、成形機と焼きなまし炉との間のフード下で、1種または複数の金属酸化物でコーティングし得る。ホットエンドコーティング14は、スズ、チタン、バナジウム、ジルコニウム、および/または同様のものの酸化物を含むことができる。
焼きなまし操作において、またはその下流において、ガラス容器は、任意の適切な態様でコールドエンドコーティングし得る。例えば、ガラス容器は、焼きなまし炉の下流または焼きなまし炉の終わりで施される保護有機コーティングでもよい、コールドエンドコーティング16でコーティングし得る。コールドエンドコーティングは、ポリエチレン、ステアレート、オレイン酸、または任意の他の適切な材料(複数可)を含むことができる。
コールドエンドコーティングが施された後、ガラス容器は、任意の適切な特徴について、および任意の適切な態様で検査し得る。例えば、ガラス容器は、ひび、混在物、表面不整、ホットエンドおよび/もしくはコールドエンドコーティング特性、ならびに/または同様のものについて手作業でまたは自動的に検査し得る。
有機官能性シランコーティング19は、例えば、噴霧、回転塗布、ブラッシング、ディッピング、および/または任意の他の適切な施す技術によって、液体または水溶液として施してもよい。有機官能性シランコーティング19の化学的性質は、有機官能性シランコーティング19上に施される有機コーティング20の化学的性質に基づいて選択し得る。例えば、有機コーティング20が、アクリレートの化学的性質に基づいた放射線硬化性材料である場合、適当な有機官能性シランは、アクリレートまたはメタクリレート官能性を含有し得る。有機官能性シランコーティング19の厚さは、施す方法に特有でよく、試行錯誤によって決定し得ることを当業者であれば認識するであろう。例示的なガラス容器の実施形態において、コーティング19は、1つまたは2つの塗布または層を含むことができる。有機官能性シランをコーティングするステップについての製造スピードは、毎分約50個の容器(cpm)〜約600cpmでよい。
硬化後、ガラス容器を、任意の適切な態様でパッケージし得る。
一般通念に反して、望ましくない工程ステップを用いる必要なしに、ガラス容器への有機コーティングの有効な結合を伴うガラス容器を生産することは今や可能である。通常、有機コーティングは、ホットおよび/またはコールドエンドコーティングで処理されたガラス容器にあまり接着せず、火炎、コロナ、またはプラズマエネルギーを、ガラス容器に施して、ガラス容器への有機コーティングの接着が可能となることを達成しなくてはならないことが理解されてきた。
SnO2/ポリエチレンコーティングを有するガラスボトルを様々な外面条件で調製し、次いで、平均接着強さに関して比較した。下記で、例のボトルの各々の調製、それに続いて接着の結果を比較する表を記載する。
第1のセットのガラスボトルには、SnO2/ポリエチレンコーティングのみが含まれ、有機コーティングを施す前はその他の点では無処理であった。
第2のセットのガラスボトルには、SnO2/ポリエチレンコーティングが含まれ、35質量%プロパンおよび65質量%ブタンからなるガスによる火炎処理にさらに供した。火炎ジェットとボトルの外面との間の距離は、約15mmであり、ボトル回転スピードは約100rpmであり、処理時間はボトルについて2往復(前方へおよび後方へ)を含めて約60秒であった。火炎による前処理後のボトル表面温度は、約220〜240°Fであり、ボトル表面での火炎温度は約1,800°Fであった。
第3のセットのガラスボトルには、SnO2/ポリエチレンコーティングが含まれ、Electro Technic Products(Chicago、IL)からのコロナ表面処理装置モデルBD80を使用してコロナ処理にさらに供した。出力電圧は、約250kVの最大スケールに設定し、処理装置電極とボトル表面との間の距離は約3〜5mmであった。ボトル回転スピードは約100rpmであり、処理期間は約3分であった。
第4のセットのガラスボトルには、SnO2/ポリエチレンコーティングが含まれ、アルゴンを使用してプラズマ処理にさらに供した。処理には、約10l/分のアルゴン流量、約20V DCのアーク電圧、約100Aのアーク電流が含まれ、プラズマジェットとボトル表面との間の距離は約15mmに設定した。ボトル回転スピードは約100rpmであり、処理時間はボトルについて2往復(前方へおよび後方へ)を含めて約80秒であった。
第5のセットのガラスボトルには、SnO2/ポリエチレンコーティングが含まれ、有機官能性シランコーティングがそこに施された。
第6のセットのガラスボトルには、SnO2/ポリエチレンコーティングが含まれ、上記の火炎処理にさらに供し、有機官能性シランコーティングがそこに施された。
第7のセットのガラスボトルは、SnO2/ポリエチレンコーティング、無機酸化物コーティング、有機官能性シランコーティング、および有機コーティングを含めて、本開示によって調製した。Bohle America、Inc.(Charlotte、NC)から入手可能なPYROSILブランドプロフェッショナルキットを使用して、無機酸化物コーティングを施した。熱分解火炎(pyrolytic flame)とボトル表面との間の距離は約15mmであり、ボトル回転スピードは約100rpmであり、処理時間は約80秒であった。処理後のボトル温度は、約220°F(約104℃)であった。シラン付着の間のボトル温度は約90〜120°F(約32〜49℃)であり、約1mlのシランを使用して、シランをブラシで付着させ、完了するのに約30秒かかった。付着後にシランを約10分間寝かせた。
全てのセットのガラスボトルを、約15.5〜21℃(60〜70°F)の室温でおよび約30〜50%の湿度で約30〜35秒間乾燥させた。
次いで、全てのセットのガラスボトルを、約120〜150秒間赤外乾燥に曝露した。赤外線乾燥機は1kWのリフレクターパワーを使用し、リフレクターチューブとボトル表面との間の距離は、約9cm〜約14cmの範囲であった。赤外乾燥の終わりのボトル温度は、約76.7〜82.2℃(170〜180°F)であった。
このように、上記の目的および目標の1つまたは複数を少なくとも部分的に満足させるガラス容器をコーティングする方法およびガラス容器を製造する方法を開示してきた。本開示をいくつかの例示的な実施形態と併せて示してきており、さらなる改変および変形を考察してきた。上記の考察に照らして、他の改変および変形は容易に自ずと当業者に示唆される。
Claims (23)
- (a)ガラス上に無機酸化物を付着させるステップと、次いで
(b)有機官能性シランを、ガラスに、無機酸化物の上から施すステップと
を含む、ガラスをコーティングする方法。 - 前記ステップ(a)が、火炎熱分解によって行われる、請求項1に記載の方法。
- 前記ステップ(a)の無機酸化物が、SiO2である、請求項1に記載の方法。
- (c)ステップ(b)の後に、有機コーティングを、ガラスに、有機官能性シランの上から施すステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- (d)前記有機コーティングを硬化させるステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
- 前記ステップ(a)の前に、コールドエンドコーティングをガラスに施すステップを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記ステップ(a)の前に、ホットエンドコーティングをガラスに施すステップを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記ステップ(a)の前に、ホットエンドコーティングをガラスに施し、次いでコールドエンドコーティングをガラスに施すステップと、ガラスを検査するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
- (a)ガラス容器基板(12)を形成するステップと、
(b)ホットエンドコーティング(14)をガラス容器基板の外面に施すステップと、
(c)ガラス容器を焼きなましするステップと、
(d)前記ステップ(c)の間または後に、コールドエンドコーティング(16)をガラス容器の外面に施すステップと、
(e)ガラス容器を検査するステップと、
(f)無機酸化物コーティング(18)をガラス容器の外面上に付着させるステップと、次いで
(g)有機官能性シランコーティング(19)をガラス容器に、無機酸化物コーティングの上から施すステップと
を含む、ガラス容器を製造する方法。 - 前記ステップ(f)が、火炎熱分解によって行われる、請求項9に記載の方法。
- 前記ステップ(f)の無機酸化物が、SiO2である、請求項9に記載の方法。
- (h)ステップ(g)後に、有機コーティング(20)をガラス容器に、有機官能性シランの上から施すステップと、次いで
(i)前記有機コーティングを硬化させるステップと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。 - (a)無機酸化物をガラス容器基板(12)の外面上に付着させるステップと、
(b)前記ステップ(a)の後に、有機官能性シランを、ガラス容器に、無機酸化物の上から施すステップと、次いで
(c)有機コーティング(20)を、ガラス容器に、有機官能性シランの上から施すステップと
を含む、ガラス容器をコーティングする方法。 - 前記ステップ(a)が、火炎熱分解によって行われる、請求項13に記載の方法。
- (d)前記有機コーティング(20)を硬化させるステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
- 前記ステップ(a)の前に、ホットエンドコーティング(14)をガラス容器基板に施すステップ、またはコールドエンドコーティング(16または18または19)をガラス容器基板に施すステップの少なくとも1つの、少なくとも1つのさらなるステップを含む、請求項15に記載の方法。
- 前記ホットエンドコーティングが、SnO2である、請求項16に記載の方法。
- 前記無機酸化物が、ケイ素をベースとする無機酸化物である、請求項13に記載の方法。
- 前記ケイ素をベースとする無機酸化物が、SiO2である、請求項18に記載の方法。
- 請求項1、9または13に記載の方法によって作製されるガラス容器。
- ガラス基板(12)、該基板上の無機酸化物コーティング(18)、および無機酸化物コーティング上の有機官能性シランコーティング(19)を含む、ガラス容器。
- 前記無機酸化物が、シリカ(SiO2)である、請求項21に記載の容器。
- 前記有機官能性シランコーティング(19)上の有機コーティング(20)を含む、請求項21に記載の容器。
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