JP2013518096A - ダルナビル及びダルナビル中間体の調製方法 - Google Patents

ダルナビル及びダルナビル中間体の調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、既存のHAART療法に反応しない多剤耐性HIV−1変異体を保有している患者のHIV/エイズの治療に有用なダルナビル、すなわち非ペプチドプロテアーゼ阻害剤(PI)の調製法に関する。本発明は、更に、ダルナビル中間体、特に(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを立体指向調製するための方法と、前記方法によって得られる特定の新規中間体に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、既存のHAART療法に反応しない多剤耐性HIV−1変異体を保有している患者におけるHIV/エイズの治療に有用なダルナビル、すなわち非ペプチドプロテアーゼ阻害剤(PI)の調製方法に関する。更に、本発明は、ダルナビル中間体の調製方法、及び前記方法によって得られる特定の新規な中間体にも関する。
ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)感染症は、薬剤耐性株の出現により、依然として大きな世界的な健康問題である。而して、薬剤耐性株に起因する、HIV感染症の長期管理のための、また、急性HIV−1感染症のための新しい治療に関する継続したニーズがある。HIV−1プロテアーゼ阻害剤(PI)は、既存の抗レトロウイルス療法に対する有効な追加の薬剤であると判明した。しかしながら、これらの薬剤の成功にもかかわらず、多剤耐性(MDR)を付与する突然変異体の出現は、依然として重大な問題である。ダルナビルは、in vitro及びin vivoにおいて毒性が低い強力な抗ウイルス活性を示す次世代の非ペプチドPIである。前記の薬剤は、耐性菌に対して活性を保持しており、且つ耐性を発現させる傾向が低い。ダルナビルは、PREZISTA(商標)という名称でFDAに認可され、低用量のリトナビル及び他の活性抗HIV剤と併用して投与されている。
ダルナビルの最初の合成は、参照により本明細書に組み込まれるものとするA.K. Ghosh et al. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 8 (1998) 687−690に記載された。アジドエポキシドを、12時間、80℃で、2−プロパノール中でイソブチルアミンと反応させて、アジドアルコールを生成させた。そのアジドアルコールを、水性NaHCOの存在下で、p−ニトロベンゼンスルホニルクロリドで処理して、対応するアジドを生成させ、そしてそれを、酢酸エチル中10%Pd−Cによって水素化して、アミンを得た(収率75〜78%)。このアミンは、12時間、23℃で、3当量のトリエチルアミンの存在下、塩化メチレン中ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体との反応時に、ダルナビル(I)へと転化された。以下のスキーム:
Figure 2013518096
によると、全収率は60〜65%であった。同じ方法は国際公開第WO 99/067254号に記載されている。
アジドエポキシドは、危険な化合物であり、市販されていない。このため、より容易に利用できる類似体でアジドエポキシドを代替する異なる方法が提案された。例えば、PCT特許出願第WO 2005/063770号、第2008/132154号は:
(i)以下のスキーム
Figure 2013518096
に従って、イソプロピルアミンによる(1−オキシラニル−2フェニル−エチル)−カルバミド酸tert−ブチルエステルをアミド化する工程:
(ii)以下のスキーム
Figure 2013518096
に従って、工程(i)で得られた化合物中にp−ニトロフェニルスルホニル基を導入する工程:
(iii)以下のスキーム
Figure 2013518096
に従って、工程(ii)で得られた化合物のニトロ部分を還元する工程:
(iv)以下のスキーム
Figure 2013518096
に従って、工程(iii)で得られた化合物を脱保護する工程:
(v)以下のスキーム
Figure 2013518096
に従って、工程(iv)で得られた化合物を、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体とカップリングさせて、式(I)の化合物を形成させる工程を開示している。
この方法は、上記した方法[国際公開第WO 99/067254号]に比べて、より技術的に進歩した方法であるが、その全収率はまだ中程度である(50〜55%)。中程度の収率は、全収率が不満足なものとなる多段工程に起因していると考えることができる。
従って、上記したような従来技術の方法における課題を解決するだけでなく、安全でもあり、コスト効率も良く、そして工業的に実現可能でもあるダルナビルを調製する方法に関する長年にわたるニーズが存在している。
(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールは、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体の前駆体であり、そして、ダルナビルの調製のための重要な中間体である。(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールは、文献、例えば、国際公開第WO 99/67254号、第WO 2002/060905号、米国特許第2004/127727号、国際公開第WO 2005/095410号、第WO 2003/024974号、第WO 2003/022853号、第WO 2004/033462号、米国特許第2006/148865号、国際公開第WO 2007/126812号、米国特許第2004/0162340号、第6,867,321号、第2005/256322号、国際公開第WO 2006/132390号(欧州特許第EP 1889826号に対応)、国際公開第WO 2008/034598号、第WO 2008/055970号、及びGhosh et al, J. Org Chem. 69 (2004) 7822−7829に記載されているいくつもの方法で調製し得る。(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを調製するためのいくつかの従来法に共通している特徴は、方法の異なる段階における保護基の使用であって、前記保護基は、酸感受性であり、従って酸性条件下で除去される。前記の酸性条件は、フラノール環を形成する環化方法の必要条件である。(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールの合成において使用される保護基の例としては、ベンジルエーテル保護基、アルキルエーテル保護基及びシリル保護基が挙げられる。
利用可能なプロトコルによる(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールの合成に関する主たる不利な点は、所望の化合物が、まず最初に、ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールのジアステレオマーラセミ混合物の形態で得られる点にある。光学分割法は、一般的に非効率で且つ高コストである。例えば、(i)酵素によって行われる光学分割、この反応は、得られるエナンチオマーのうちのわずか1種だけが、意図される物質の製造に使用され、他のエナンチオマーは廃棄されるので、不効率である;(ii)原材料として光学活性形態を使用すること、このオプションは、光学活性化合物が高価であるので、不経済である;(iii)ラセミ混合物の対応アセテートへの転化、次いで酵素加水分解を行うこと;及び(iv)前記ラセミ混合物を酸化させ、次いで還元工程を行うこと、が挙げられる。利用可能な手順に関する別の明確に不利な点は、酸性条件下で起こり、結果として生成物の収率が低下する同時脱保護(分子間反応)及び閉環プロセス(分子内反応)である。
而して、効率的で安価な、光学活性(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを合成する方法に関する未だ満たされていないニーズが存在する。
第一態様に従って、本発明は、ダルナビル、すなわち式(I)の化合物(化学名称[(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]−カルバミド酸(3R,3aS,6aR)ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステル)を調製する方法を提供する。本明細書で企図されるように、本発明の出願人は、式(I)の化合物が、下式(II):
Figure 2013518096
(式中、Xは脱離基である)の化合物から、製造規模で、調製できる方法を発見した。脱離基の非限定的な例としては、ハロゲン(例えば、Cl、Br、I)又はスルホネート脱離基(例えば、MsO及びTsO)が挙げられる。いくつかの実施態様によれば、XはClである。
本発明の実施態様に従う方法を使用することによって、式(I)の化合物は、前述した5段階ではなく、わずか3つだけの異なる段階で合成できる。いくつかの実施態様によれば、第一及び第二段階は、一段階一緒に実行される。他の実施態様に従って、全プロセスは、「ワンポット」合成として実行される。各可能性は、本発明の個別の実施態様を示している。
段階がより少ないことの関連利益、例えば時間及びコスト節約の関連利益に加えて、改良方法では、形成される廃棄物の量が減る。更に、生成物は、より高い収率で、例えば約80〜90%の収率で得ることができる。
本発明の方法は、以下の工程:
(i)式(II)の3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタン誘導体(式中、Xは脱離基である)を、式(III)の(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシカルボニル誘導体(式中、Rは、ハロゲン、イミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキシスクシンイミジル、オキシベンゾトリアゾリル、4−ニトロフェノキシ、4−メトキシフェノキシ、2−ニトロフェノキシ及びペンタフルオロフェノキシから成る群より選択される)と反応させて、式(IV)の化合物を得る工程:
Figure 2013518096
(ii)その得られた化合物(IV)を、イソブチルアミンと反応させて式(V)の化合物を得る工程;
Figure 2013518096
;そして
(iii)得られた式(V)の化合物を、置換フェニルスルホニル誘導体(例えば、塩化フェニルスルホニル)と反応させて、式(I)の化合物(ダルナビル、化学名称[(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]−カルバミド酸(3R,3aS,6aR)ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステル)を形成させる工程
Figure 2013518096
を含む、式(II)の化合物から始まる式(I)の化合物の合成を含む。上記スキームは、ただの例示を提供しているものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。
一つの実施態様によれば、一段階で、テトラヒドロフラノール誘導体(III)が、調製され、そして化合物(II)と結合される。
また、本発明は、出発原料と、本発明の特定の実施態様に従って調製される化合物から続いて調製される化合物とを含む、本発明に従う方法で使用される化合物の立体異性体にも関する。
式(II)の化合物は、遊離塩基として、又は、いくつかの実施態様に従って塩の形態で,使用できる。ある実施態様によれば、塩は塩酸塩である。式(II)の化合物は、文献に認められるいくつかの方法によって調製し得る。
一つの実施態様では、式(II)の化合物を、ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体(III)と結合させて、式(IV)の化合物を得る。
Figure 2013518096
式中、Rは、ハロゲン(例えば、Cl、Br、I)、イミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキシスクシンイミジル、オキシベンゾトリアゾリル、4−ニトロフェノキシ、4−メトキシフェノキシ、2−ニトロフェノキシ、ペンタフルオロフェノキシ又は活性エステルを形成させるために典型的に使用される他の類似の基である。式(III)の化合物は、従来の方法、例えば国際公開第WO 2005/000249号に記載されている方法で、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールから調製できる。(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールは、カップリング剤によって適当に活性化させて、ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体(III)を生成させ、そしてそれを、式(II)の化合物と結合させて、化合物(IV)を得る。
化合物(III)の調製において使用され得るカップリング剤の非限定的な例としては、カーボネート、例えばビス−(4−ニトロフェニル)カーボネート、及びジスクシニミヂルカーボネート(DSC)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、クロロホルメート、例えばp−ニトロフェニルクロロホルメート、ホスゲン又はトリホスゲンが挙げられる。
いくつかの実施態様によれば、工程(ii)は、溶媒としてイソブチルアミンを使用して、又は、適当な溶媒[適当な溶媒としては、アルコール(例えばエタノール)、エステル(例えば酢酸エチル)、エーテル(例えばTHF)、塩素化溶媒(例えばジクロロメタン)及び他の溶媒(例えばアセトニトリル若しくはトルエン)又はそれらの溶媒どうしとの混合物若しくは水との混合物が挙げられるが、それらに限定されない]中で、式(IV)の化合物を、イソブチルアミンと反応させて、化合物(V)を形成させることによって、行う。いくつかの現在好ましい実施態様によれば、反応は、塩基の存在下で、化合物(IV)のTHF溶液をイソブチルアミンと混合することによって、行う。前記の塩基としては、無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ソーダ灰、及び炭酸カリウム若しくは炭酸ナトリウム、又は有機塩基[例えば非環式アミン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルフェニルアミン、ジイソプロピルエチルアミン及びトリブチルアミン)、環式アミン(例えばN−メチルモルホリン)及び芳香族アミン(ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン及びピリジン)から成る群より選択される第三級アミン]が挙げられるが、それらに限定されない。一つの実施態様によれば、過剰のイソブチルアミンを、塩基として使用できる。いくつかの実施態様によれば、約50℃から還流温度の範囲で反応を行う。その場合、還流温度は、使用される溶媒の沸点に左右される。
いくつかの実施態様によれば、反応工程(i)及び(ii)は、化合物(IV)を分離せずに、一段階で実施できる。
いくつかの実施態様によれば、工程(iii)は、ケトン(例えばアセトン)、エステル(例えば酢酸エチル)、エーテル(例えばTHF)、アミド(例えばジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド)、塩素化溶媒(例えばジクロロメタン)及び他の溶媒、例えばアセトニトリル若しくはトルエン、又はそれらの混合物、又はそれらの溶媒のいずれかと水との混合物から選択される適当な溶媒中で、式(V)の化合物を、置換フェニルスルホニル誘導体、例えば置換フェニルスルホニルハリド、例えば、p−アミノベンゼンスルホニルクロリドと反応させることによって、行う。いくつかの実施態様によれば、反応は、約20℃から還流温度の範囲で行われ、そしてその場合、還流温度は、使用される溶媒の沸点に左右される。いくつかの現在好ましい実施態様によれば、反応は、約20℃〜35℃の温度で、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ソーダ灰及び炭酸カリウム)、有機塩基[例えば、非環式アミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリブチルアミン)、環式アミン(例えば、N−メチルモルホリン)、芳香族アミン(例えば、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン及びピリジン)を含む第三級アミン]から選択される塩基の存在下で、行う。
いくつかの実施態様によれば、反応工程(i)、(ii)及び(iii)は、組み合わせて単一工程で実施でき、中間体を分離する必要がない。
更に、本出願人は、式(I)のダルナビルを調製するための前駆体である式(III)の化合物を調製するための前駆体である(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを立体選択的に合成するための新規で有効な方法も本明細書で開示する。而して、更なる態様に従って、本発明は、以下の工程:
(a)一般式HO−CH−CH−Xのエタノール誘導体を、立体制御(立体指向)部分(Y)を含む試薬と反応させて、下式(VI):
Figure 2013518096
(式中、XはOH又は脱離基であり、立体指向部分Yは、中性又は塩基性の条件下で除去可能である)を有する化合物を得る工程;
(b)化合物(VI)を酸化して、下式(VII)
Figure 2013518096
を有するアルデヒドを得る工程;
(c)一般式HO−(CH−Xのブタノール誘導体を、立体指向部分(Y)を含む試薬と反応させて、下式(VIII)
Figure 2013518096
(式中、XはOH又は脱離基であり、立体指向部分Yは、中性又は塩基性の条件下で除去可能である)を有する化合物を得る工程;
(d)化合物(VIII)を酸化させて、下式(IX)
Figure 2013518096
を有するアルデヒドを得る工程;
(e)キラル触媒の存在下で、化合物(VII)と(IX)を立体選択的に結合させて、下式(X);
Figure 2013518096
の化合物を形成させる工程、前記結合工程は、好ましくはアルドール縮合によって行う;及び
(f)工程(e)の生成物から立体指向部分(Y及びY)を除去し、次いで、触媒(好ましくは酸触媒)の存在下で環化することによって、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを形成させる工程
を含む(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールの立体選択的合成方法を提供する。
いくつかの実施態様によれば、X及びXは、それぞれ独立に、OH又は脱離基である。好ましい脱離基の非限定的な例としては、ハロゲン(例えばCl、Br、I)又はスルホネート脱離基(例えば、MsO及びTsO)が挙げられる。例示的実施態様によれば、X及びXは、それぞれOHである。
いくつかの実施態様によれば、Y及びYは、それぞれ独立に、塩基性又は中性条件下で除去できる立体指向部分である。現在の好ましい実施態様では、Y及びYは、嵩高い基である。塩基性又は中性条件下で除去できる立体指向部分の非限定的な例としては、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、p−ニトロベンゼンスルホエトキシカルボニル、プロパルギルオキシカルボニル、ピコリニル、プレニル,o−ニトロベンジルオキシメチル、4−メチオキシフェノキシメチル、グアイアコルメチル、シロキシメチル、例えばトリイソプロピルシロキシメチル、2−シアノエチオキシメチル、2−キノリニルメチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、及び2−[4−ニトロフェニル]エチルスルホネートが挙げられる。各可能性は、本発明の個別の実施態様を示している。いくつかの現在好ましい実施態様によれば、立体指向部分は、Fmocである。他の実施態様によれば、立体指向部分は、ベンジルエーテル保護基、アルキルエーテル保護基、又はシリル保護基ではない。
及びXは、互いに同じか又は異なっていてもよい。Y及びYは、互いに同じか又は異なっていてもよい。
理論又は作用機序によって束縛されることを望まないが、立体指向基の嵩高性は、所望の異性体、すなわち、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オール立体異性体)へのアルドール縮合の立体化学に影響を及ぼすと考えられる。Fmoc又は類似の基(例えばp−ニトロベンゼンスルホエトキシカルボニル)のような嵩高い立体指向基で、従来技術で公知の酸不安定保護基を置換することは、以下の効果を有すると考えられる:(a)Fmoc誘導体は、一般的に、従来技術で言及される酸不安定保護基とは対照的に、結晶を形成する傾向を有する;(b)Fmoc基の強力な紫外線吸収の故に、TLC及びHPLCによる反応の管理は、より容易である;(c)Fmoc基の除去は、(例えば、DBU、又はテトラブチルアンモニウムフルオリド及びピリジンフッ化水素のようなフッ化物アニオンの触媒量を使用することによる)中性条件において、単純且つ定量的である;そして特に、(d)嵩高いFmoc基が存在していると、右側の立体選択的方向における反応を実行するのに役立つ。
いくつかの現在好ましい実施態様によれば、化合物VI及びVIIIの酸化は、トリエチルアミンの存在下で、SO−ピリジン錯体によって実行される。
(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを調製する方法が行われる溶媒は、反応を妨げない限りは、特に制限されない。適当な溶媒の非限定的な例としては、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族溶媒、エーテル溶媒、アルコール溶媒、エステル溶媒、水、塩素化炭化水素、プロトン性極性溶媒、非プロトン性極性溶媒、混合溶媒、それらのイオン性液体など、及びそれらの任意の混合物が挙げられる。各可能性は、本発明の個別の実施態様を示している。
構造VI、VII及びIX(式中、Y及びYは両方ともFmocである)によって表される化合物は、新規化合物であり、それ自体クレームされる。
別の態様によれば、本発明は、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを調製するために、構造VI、VII、VIII及びIXを有する化合物の使用を提供する。いくつかの実施態様によれば、本方法は、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを、式(I)のダルナビルに転化する工程を更に含む。いくつかの現在好ましい実施態様によれば、本発明は、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを調製するために、構造VI、VII、及びIX(式中、Y及びYは両方ともFmocである)を有する化合物を使用することを提供する。いくつかの現在好ましい実施態様によれば、本発明は、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを調製するために、構造VI、VII、VIII及びIX(式中、Y及びYは両方ともFmocである)を有する化合物を使用することを提供する。
いくつかの実施態様によれば、立体選択的アルドール縮合は、キラル触媒の存在下で実行される。いくつかの実施態様によれば、キラル触媒は、キラルアミノ酸及びそれらの誘導体、例えば、有機塩及び無機塩、金属を有する錯体、又はペプチドから選択されるが、それらに限定されない。一つの実施態様によれば、キラル触媒はバリンである。別の実施態様によれば、キラル触媒はジペプチドである。更に別の実施態様によれば、キラル触媒はプロリン以外である。更に別の実施態様によれば、キラル触媒は、キラル環式第二アミンであり、好ましくはプロリン又は5,5−ジメチルチアゾリジニウム−4−カルボン酸である。各可能性は、本発明の個別の実施態様を示している。
いくつかの実施態様によれば、立体選択的アルドール縮合の生成物からの立体指向部分(Y及びY)の除去は、塩基性条件下;あるいは、穏やかな塩基性条件下;あるいは中性条件下で行われ、前記の各可能性は本発明の別々の実施態様を表している。現在好ましい実施態様によれば、立体指向部分は、1,8−ジアザビシクロウンデック−7−エン(DBU)によって、又はフッ化物アニオン、例えばテトラブチルアンモニウムフルオリド又はピリジンフッ化水素によって、中性条件下で、除去し得る。別の実施態様によれば、立体指向部分の除去は、当業において公知の条件下で実行し得る。
及びYが除去された生成物を環化して(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを得ることは、酸触媒の存在下で好ましく実施される。酸触媒の非限定的な例としては、ルイス酸、例えばクロロ亜鉛、塩化アルミニウム、四塩化チタンなど、無機酸、例えば塩酸、フッ化水素酸、硫酸、タングステン酸、有機酸、例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及び固体酸、例えば酸性イオン交換樹脂又はゼオライトが挙げられる。
いくつかの実施態様によれば、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを調製する方法は、更に、式(I)のダルナビルへと(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを転化することを含む。
以下の実施例によって、本発明の範囲内にある特定の実施態様を更に説明し実証する。実施例は、単に説明のためのものであって、その多数のバリエーションが本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能であるので、実施例を本発明を制限するものと解釈すべきではない。
本明細書記載の反応は、好ましくは最適な収率で所望の生成物を製造するのに十分な時間及び条件下で、望ましく行われる、ことが理解されよう。
本特許文献で言及した特許、出願、及び本を含む刊行物のそれぞれは、参照により本明細書に完全に組み込まれるものとする、ことを意図している。
第一の態様によれば、本発明は、ダルナビル、すなわち式(I)の化合物を調製する方法を提供する。前記方法は、次の工程:(i)(II)を(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体(III)と結合させる工程、(ii)得られた化合物(IV)をイソブチルアミンと反応させる工程、及び(iii)得られた化合物をフェニルスルホニル誘導体と結合させて式(I)の化合物を形成させる工程を含む、式(II)の3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタン誘導体から出発して式(I)の化合物を合成することを含む。化合物(III)は、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを適当なカップリング試薬と反応させることによって、調製し得る。本発明は、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを調製する方法を更に提供する。
工程(i)
工程(i)は、3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタン誘導体(式(II)の化合物)を、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体(III)と反応させて、式(IV)の化合物を得ることを含む。
いくつかの実施態様によれば、式(II)の化合物のX部分は、不安定な脱離基である。本発明で使用するのに適する不安定な脱離基としては、スルホネート脱離基、例えばメシレート(−OSOCH);−OSO(C2n+1)(式中、n=0〜4である);−OSO−R[式中、Rは任意に置換されるフェニル基(例えば4−Me−Ph、トシレート)である];低級アルカノエート、例えばアセテート、ハロゲン(例えば、I、Br、Cl)、又は−NMe(式中、Xは−OTf、−OTs、−I、−Br、−Cl又は−OHであり得る)が挙げられる。各可能性は、本発明の個別の実施態様を示している。いくつかの現在好ましい実施態様によれば、XはClである。
本発明のいくつかの実施態様によれば、工程(i)は、例えばケトン(例えばアセトン)、エステル(例えば酢酸エチル)、エーテル(例えばTHF)、アミド(例えばジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド)、塩素化溶媒(例えばジクロロメタン)及び他の溶媒、例えばアセトニトリル若しくはトルエン、又はそれらの混合物から選択される有機溶媒中で、式(II)の化合物を、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体と反応させることによって、行う。いくつかの現在好ましい実施態様によれば、有機溶媒は、ジクロロメタン又はTHFである。いくつかの実施態様によれば、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体は、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルイミダゾリルカーボネートである。他の実施態様によれば、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体は、(3R,3aS,6aR)ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシスクシンイミドカーボネートである。いくつかの実施態様によれば、反応は、約20℃から還流温度の範囲で行われ、そしてその場合、還流温度は、使用される溶媒の沸騰温度に左右される。現在好ましい実施態様によれば、反応は、好ましい溶媒としてジクロロメタン又はTHFを使用して、約20〜60℃の温度で実施される。
一つの好ましい実施態様によれば、式(II)の化合物におけるXはClである。この実施態様によれば、式(II)の化合物は、(2S,3S)−3−アミノ−1−クロロ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタンである。
Figure 2013518096
式(II)の化合物は、遊離塩基として、又は、いくつかの実施態様に従って塩の形態で,使用できる。特定の実施態様によれば、塩は塩酸塩である。式(II)の化合物のうちのいくつかは、市販されている(例えば(2S,3S)−3−アミノ−1−クロロ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタンヒドロクロリド)である。
あるいは、式(II)の化合物は、文献(例えばa)Tetrahedron Letters, 1995, 36(19);3317−20及びb)Org. Biomol. Chem., 2004, 2:2061−70を参照されたい)から得られるいくつかの方法によって調製できる。
いくつかの実施態様によれば、式(III)の化合物におけるR部分は、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I)、イミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキシスクシンイミジル、オキシベンゾトリアゾリル、4−ニトロフェノキシ、4−メトキシフェノキシ、2−ニトロフェノキシ、ペンタフルオロフェノキシ、又は活性エステルを形成させるために通常使用される他の類似の基である。
上記の式(III)の化合物は、従来の方法、例えば国際公開第WO 2005/000249号に記載されている方法で、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールから調製できる。(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールは、カップリング剤RCO−Y(式中、Yは置換基Xに関して上記したような脱離基である)によって適当に活性化させて、ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル誘導体(III)を生成させ、次いでそれを、式(II)の化合物と結合させて、化合物(IV)を得る。
化合物(III)の調製で使用され得るカップリング剤の非限定的な例としては、カーボネート、例えばビス−(4−ニトロフェニル)カーボネート、ジスクシニミヂルカーボネート(DSC)、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート、C1〜C4炭酸ジアルキル、及び2−(S),3−ピリジンジイルカーボネート;クロロホルメート、例えばフェニルクロロホルメート、トリクロロメチルクロロホルメート、フェニルテトラゾイルホルメート及びp−ニトロフェニルクロロホルメート;カルボニルジイミダゾール(CDI);塩化オキサリル(二塩化エタンジオイル);ホスゲン;ジホスゲン又はトリホスゲンが挙げられる。
例えば(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル−イミダゾリルカーボネート(式IIIAの化合物)
Figure 2013518096
は、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールをカルボニルジイミダゾールと反応させると得られる。
あるいは、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシスクシンイミドカーボネート(式IIIBの化合物):
Figure 2013518096
は、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールをジスクシニミヂルカーボネート(DSC)と反応させると得られる。
工程(ii)
いくつかの実施態様によれば、工程(ii)は、溶媒としてイソブチルアミンを使用して、又は、適当な溶媒[適当な溶媒としては、アルコール(例えばエタノール)、エステル(例えば酢酸エチル)、エーテル(例えばTHF)、塩素化溶媒(例えばジクロロメタン)及び他の溶媒、例えばアセトニトリル若しくはトルエン、又はそれらの溶媒どうしとの混合物、又は水との混合物が挙げられるが、それらに限定されない]中で、式(IV)の化合物を、イソブチルアミンと反応させて、化合物(V)を形成させることによって、行う。いくつかの現在好ましい実施態様によれば、反応は、塩基の存在下で、化合物(IV)のTHF溶液をイソブチルアミンと混合することによって行い、前記の塩基としては、例えば無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ソーダ灰、及び炭酸カリウム若しくは炭酸ナトリウム、又は有機塩基[例えば非環式アミン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルフェニルアミン、ジイソプロピルエチルアミン及びトリブチルアミン)、環式アミン(例えばN−メチルモルホリン)及び芳香族アミン(ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン及びピリジン)から成る群より選択される第三級アミン]が挙げられるが、それらに限定されない。一つの実施態様では、過剰のイソブチルアミンを、塩基として使用できる。いくつかの実施態様によれば、反応は、約50℃から還流温度の範囲で行い、そしてその場合、還流温度は、使用される溶媒の沸点に左右される。
いくつかの実施態様によれば、反応工程(i)及び(ii)は、化合物(IV)を分離せずに、単一工程で実施できる。他の実施態様によれば、式(III)、工程(i)及び工程(ii)の化合物の合成は、化合物(III)又は化合物(IV)の分離を行わずに、単一工程で行うことができる。
工程(iii)
いくつかの実施態様によれば、工程(iii)は、ケトン(例えばアセトン)、エステル(例えば酢酸エチル)、エーテル(例えばTHF)、アミド(例えばジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド)、塩素化溶媒(例えばジクロロメタン)及び他の溶媒、例えばアセトニトリル若しくはトルエン、又はそれらの混合物、又はそれら溶媒のいずれかと水との混合物から選択される適当な溶媒中で、式(V)の化合物を、置換フェニルスルホニルハリド、例えば、p−アミノベンゼンスルホニルクロリドと反応させることによって、行う。いくつかの実施態様によれば、反応は、約30℃から還流温度の範囲で行い、そしてその場合、還流温度は、使用される溶媒の沸点に左右される。いくつかの現在好ましい実施態様によれば、反応は、約20℃〜35℃の温度で、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ソーダ灰、及び炭酸カリウム)、有機塩基[例えば、非環式アミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリブチルアミン)、環式アミン(例えば、N−メチルモルホリン)、芳香族アミン(例えば、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン及びピリジン)を含む第三級アミン]から選択される塩基の存在下で、行う。
ベンゼンスルホニル誘導体、例えばp−アミノベンゼンスルホニルクロリドは、例えばb3アドレナリン受容体アゴニストの調製のために、当業において公知である(R. J. Steffan e.a. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 12 (2002) 2963−2967)。ベンゼンスルホニル誘導体は、British Polymer Journal (1980), 12(4), 192−8, JP09124629, Journal of Chemical Research, Synopses, (8), 493−494; 2003に記載されている方法によって製造し得る。
いくつかの実施態様によれば、反応工程(i)、(ii)及び(iii)は、組み合わせてワンポット反応で実施でき、中間体を分離する必要がない。他の実施態様によれば、反応工程(i)、(ii)及び(iii)は、組み合わせてワンポット反応で実施でき、中間体を分離する必要がない。
いくつかの更なる実施態様によれば、工程(iii)の反応は、化合物(I)の類似体及び誘導体の調製のために使用され得る。前記化合物の例は、例えばJ. F. Miller et al. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 14 (2004) 959−963;国際公開第WO 2005/110428号、第WO 2007/060253号;第WO 2005/087728号及び第WO 2004/016619号に記載されている強力な生物活性化合物、特にHIVプロテアーゼ阻害剤として発見された。
(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを合成するプロセス
更に、本発明の出願人は、式(III)の化合物を調製するための前駆体である(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを立体選択的に合成するための新規で有効な方法も本明細書で開示する。
国際公開第WO 2006/132390号は、環式第二アミン、すなわちL−プロリンの存在下で、保護2−オキシアセトアルデヒドを、保護4−オキシブチルアルデヒドと反応させ、続いて、酸によって保護基を同時除去し、そして形成されたヒドロキシアルデヒド誘導体を環化してヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールにすることによる、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールの合成を開示している。(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールとして純粋な立体異性体を得るために、上記のようにして調製されたフラン−3−オールを、続いて、ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オンへと転化し、環化によって精製し、そして水素化ホウ素ナトリウムで還元して所望の化合物を得た。
高い立体純度で(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを得て、精製の追加の工程を省くために、出願人は、ここに、立体制御官能基を含むアルデヒドを使用して、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールの合成法を発明した。
立体制御基を使用するキラル補助設計の一般的原則は、Pure & App. Chem., Vol. 70, No. 8, pp. 1501−1506, 1998に記載されている。これらの原則によれば、立体制御基を使用する方法は、保護基の使用を含む方法とは有意に異なる。通常の保護基とは異なり、立体制御基は、単なる受動的なスペクテイターとして作用しない;立体制御基は、キラルであり、そして立体配座的に可撓性であり、立体生成中心(別名「キラル中心」)とプロキラル反応中心との間に挿入されることを可能にする属性である。立体生成中心の官能基と、立体制御基との間の立体相互作用は、中間体の相対的な1,2−立体化学アンチプレーナー平面(1,2−stereochemistry antiperiplanar)を固定するのに役立つ、而して、入ってくる任意の反応体を、立体配座的に動き易い基に対して反対に配置されたプロキラル中心に指向するのに役立つ。
本明細書で使用される用語「異性体」、「異性体形態」、「立体化学的異性体形態」、又は「立体異性体形態」は、前記方法中に得られる化合物又は中間体が有し得る、同じ配列の結合によって結合している同じ原子から構成されてはいるが、相互に交換できない異なる三次元構造を有する全ての可能な異性体ならびに立体配座形態を定義するものである。異性体は、前記化合物の基本的な分子構造のジアステレオマー、エピマー、エナンチオマー及び/又は配座異性体を含む。より詳しくは、立体生成中心(キラル中心とも呼ばれる)はR−又はS−配置を有することができ、ジアステレオ異性体はシン−又はアンチ−配置を有することができ、二価環式飽和基上の置換基はシス−又はトランス−配置を有することができ、そしてアルケニル基はE又はZ−配置を有することができる。
用語「ジアステレオマー」又は「ジアステレオマー形態」は、同じ化学的構造を有し且つ立体中心を2つ以上含有していて、前記立体中心のうちの1つ以上において配置が異なる分子に適用される。
本発明における用語「エピマー」は、同じ化学的構造を有し且つ立体中心を2つ以上含有しているが、前記立体中心のうちの1つだけにおいて配置が異なる分子を指している。
純粋な立体異性体の形態とは、前記化合物又は出発原料の同じ基本的な分子構造の他のエナンチオマー形態又はジアステレオマー形態が実質的に存在していない異性体を指す。適当には、用語「立体異性体的に純粋な」化合物又は「立体化学的に純粋な化合物」は、立体異性体過剰度が少なくとも約50%(即ち一方の異性体が最少で約75%であり且つ他の可能な異性体が最大で約25%である)から立体異性体過剰度が約100%(即ち一方の異性体が約100%であり且つ他の異性体が0である)に及ぶ化合物、好ましくは立体異性体過剰度が約75%から100%に及ぶ合物、より好ましくは立体異性体過剰度が約90%から約100%に及ぶ化合物、更により好ましくは立体異性体過剰度が約94%から約100%に及ぶ化合物、そして最も好ましくは立体異性体過剰度が約97%から約100%に及ぶ化合物に関する。用語「エナンチオマー的に純粋な」及び「ジアステレオマー的に純粋な」は、同様に定義されるが、それらは当該混合物のエナンチオマー過剰又はジアステレオマー過剰それぞれを指している。
用語「立体制御基」又は「立体指向基」は、相互に交換して使用してもよく、そして、化学反応中に存在するときには、高度に立体的に純粋な反応生成物を得るような方法で化学プロセスを制御するか又は指向させる化学基を指している。立体制御基又は立体指向基の非限定的な例としては:フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、p−ニトロベンゼンスルホエトキシカルボニル、プロパルギルオキシカルボニル、ピコリニル、プレニル、o−ニトロベンジルオキシメチル、4−メチオキシフェノキシメチル、グアイアコルメチル、シロキシメチル、例えばトリイソプロピルシロキシメチル、2−シアノエトキシキシメチル、2−キノリンイルメチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、及び2−[4−ニトロフェニル]エチルスルホネート(例えばTetrahedron: Asymmetry, 2002, 13(24) 2703−26; Pure & App. Chem., 1998, 70 (8), pp. 1501−1506を参照されたい)が挙げられる。
本発明のいくつかの実施態様による(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールの立体指向合成のための方法は、以下の工程を含む:すなわち、
(a)一般式HO−CH−CH−Xのエタノール誘導体を、立体制御(立体指向)部分(Y)を含む試薬と反応させて、下式(VI):
Figure 2013518096
(式中、XはOH又は脱離基であり、立体指向部分Yは、中性又は塩基性の条件下で好ましくは除去可能である)を有する化合物を得る工程;
(b)化合物(VI)を酸化して下式(VII)を有するアルデヒドを得る工程;
Figure 2013518096
(c)一般式HO−(CH−OYで表されるブタノール誘導体を、立体指向部分(Y)を含む試薬と反応させて、下式(VIII)
Figure 2013518096
(式中、XはOH又は脱離基であり、立体指向部分Yは、好ましくは、中性又は塩基性の条件下で除去可能である)を有する化合物を得る工程;
(d)化合物(VIII)を酸化して下式(IX)
Figure 2013518096
を有するアルデヒドを得る工程;
(e)キラル触媒の存在下で、好ましくはアルドール縮合によって化合物(VII)と(IX)を立体選択的に結合させて、下式(X);
Figure 2013518096
の化合物を形成させる工程;そして
(f)工程(e)の生成物から立体指向部分(Y及びY)を除去し、次いで、触媒(好ましくは酸触媒)の存在下で環化することによって、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを形成させる工程。
工程(a)及び工程(c)
いくつかの実施態様によれば、X及びXは、それぞれ独立に、OH又は不安定な脱離基である。適当な不安定な脱離基の非限定的な例としては、ハロゲン(例えば、Cl、Br、I)又はスルホネート脱離基、例えばメシレート(−OSOCH);−OSO(C2n+1)(式中n=0〜4);−OSO−R[式中、Rは任意に置換されたフェニル基(例えば4−Me−Ph、トシレート)である];アセテートのような低級アルカノアート、又は−NMe(式中、Xは−OTf、−OTs、−I−Br−Cl又は−OHであってもよい)が挙げられる。各可能性は、本発明の個別の実施態様を示している。例示的な実施態様によれば、X及びXの両方がOHである。
いくつかの実施態様によれば、Y及びYは、それぞれ独立に、塩基性又は中性条件下で除去できる立体指向部分である。いくつかの他の実施態様によれば、Y及びYは、酸性条件下でも除去できる。
現在好ましい実施態様では、Y及びYは、嵩高い基である。塩基性又は中性条件下で除去できる立体指向部分の非限定的な例としては、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、p−ニトロベンゼンスルホエトキシカルボニル、プロパルギルオキシカルボニル、ピコリニル、プレニル,o−ニトロベンジルオキシメチル、4−メチオキシフェノキシメチル、グアイアコルメチル、シロキシメチル、例えばトリイソプロピルシロキシメチル、2−シアノエチオキシメチル、2−キノリニルメチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、及び2−[4−ニトロフェニル]エチルスルホネートが挙げられる。各可能性は、本発明の個別の実施態様を示している。いくつかの現在好ましい実施態様によれば、立体指向部分はFmocである。いくつかの他の実施態様によれば、立体指向部分は、ベンジルエーテル保護基、アルキルエーテル保護基又はシリル保護基ではない。
立体指向基Y及びYを導入するために、式HO−CH−CH−X又はHO−(CH−Xの前駆体を、基Y又はYを含む試薬と反応させる。例えば、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基を使用するとき、試薬はフルオレニルメチルオキシカルボニルクロリド又は無水物であり得る。嵩高い立体指向基を導入するために使用できる他の試薬としては、p−ニトロベンゼンスルホエトキシカルボニルクロリド、プロパルギルオキシカルボニルクロリド、ピコリノイルクロリド、プレニルクロリド、(2−ニトロフェニル)メトキシメチル、4−(メチオキシフェノキシ)−メチルクロリド、グアイアコルメチルクロリド、シロキシメチルクロリド、トリイソプロピルシロキシメチルクロリド、2−シアノエチオキシメチルクロリド、2−キノリンイルメチルクロリド、ジクロロアセチルクロリド、トリクロロアセチルクロリド及び2−[4−ニトロフェニル]エチルスルホニルクロリドが挙げられるが、それらに限定されない。
いくつかの実施態様によれば、工程(a)及び(c)の反応は、好ましくは、周囲温度(すなわち、約20〜25℃)で、且つ、有機塩基[例えば第三級アミン、例えば非環式アミン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリブチルアミン)、環式アミン(例えばN−メチルモルホリン)を含む]、無機塩基(例えば水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ソーダ灰、及び炭酸カリウム)、及び芳香族アミン(例えばジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン及びピリジン)から選択される塩基の存在下で、行われる。例示的な実施態様によれば、反応は、有機塩基、好ましくはトリエチルアミンの存在下で、実施される。
いくつかの実施態様によれば、工程(a)及び(c)の反応は、塩素化溶媒(例えばジクロロメタン);ケトン(例えばアセトン)、エステル(例えば酢酸エチル)、エーテル(例えばTHF)、アミド(例えばジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド)、及び他の溶媒、例えばアセトニトリル若しくはトルエン、又はそれらの混合物から選択される有機溶媒中で、行われる。例示的な実施態様によれば、有機溶媒は、塩素化溶媒、好ましくはジクロロメタンである。
工程(b)及び工程(d)
いくつかの現在好ましい実施態様によれば、化合物VI及びVIIIの酸化は:トリエチルアミン及び/又はDMSOの存在下でのSO−ピリジン錯体、アセチルクロリド又はアセチル無水物とDMSO、トリフルオロアセチルクロリド又は無水物とDMSO、メタンスルホニルクロリドとDMSO又はテトラヒドロチオフェン−S−オキシド、トルエンスルホニルブロミドとDMSO、トリフルオロ−メタンスルホニル無水物(triflic無水物)とDMSO、五塩化燐とDMSO、ジメチルホスホリルクロリドとDMSO、イソブチルクロロホルメートとDMSO、二酸化マンガン、酸化銅、オキサリルクロリドによって活性化されたジメチルスルホキシド、又はジシクロヘキシルカルボジイミド(R. M. Wengler, Angew. Chim. Int. Ed. Eng., 1985, 24(2), 77)、又は テトラプロピルアンモニウムペルルテナートによる酸化(Ley et al, J. Chem. Soc. Chem Commun., 1987, 1625)、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ遊離基、及び酸化剤(例えば次亜塩素酸ソーダ)から成る群より選択される試薬によって、行われる。いくつかの現在好ましい実施態様によれば、化合物VI及びVIIIの酸化は、トリエチルアミンとDMSOの存在下で、SO−ピリジン錯体によって行われる。ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンのような他の第三級塩基は、トリエチルアミンの代わりに使用できる。いくつかに実施態様によれば、工程(b)及び(d)の反応は、−10℃〜20℃;好ましくは−5℃〜15℃;最も好ましくは0℃〜10℃で好ましく行われる。
いくつかの実施態様によれば、工程(b)及び(d)の反応は、塩素化溶媒(例えばジクロロメタン);ケトン(例えばアセトン)、エステル(例えば酢酸エチル)、エーテル(例えばTHF)、アミド(例えばジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド)、及び他の溶媒、例えばアセトニトリル若しくはトルエン、又はそれらの混合物から選択される有機助溶媒と一緒に、DMSO中又は混合DMSO中で行われる。例示的な実施態様によれば、有機助溶媒は、トルエンである。
工程(e)
いくつかの実施態様によれば、立体選択的アルドール縮合は、キラル触媒の存在下で実行される。いくつかの実施態様によれば、キラル触媒は、キラルアミノ酸及びそれらの誘導体、例えば、有機塩及び無機塩、金属を有する錯体、又はペプチドから選択されるが、それらに限定されない。一つの実施態様によれば、キラル触媒は、バリンである。別の実施態様によれば、キラル触媒は、ジペプチドである。更に別の実施態様によれば、キラル触媒は、プロリン以外のものである。更にもう一つ別の実施態様によれば、キラル触媒は、キラル環式第二級アミン、好ましくはプロリン又は5,5−ジメチルチアゾリジニウム−4−カルボン酸である。更なる実施態様によれば、キラル触媒は、当業において公知の任意のキラル触媒、例えば
Figure 2013518096
Figure 2013518096
であり得る。
いくつかの実施態様によれば、工程(e)の反応は、約0℃〜約10℃;好ましくは約4℃の温度で好ましく行われる。
式VIIの化合物は、好ましくは、式IXの化合物の約1〜約3当量として存在し、そしてより好ましくは、式IXの化合物の2当量として存在する。あるいは、式IXの化合物は、式VIIの化合物に対してモル超過で存在し得る。
いくつかの実施態様によれば、工程(b)及び(d)の反応は、有機溶媒、好ましくはアミド、例えばジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド中で行われる。
キラル触媒は、好ましくは、式IXの化合物の0.05〜0.5当量、より好ましくは0.05〜0.2当量、更により好ましくは0.1当量として存在する。あるいは、式IXの化合物が式VIIの化合物よりもモル過剰であるときには、キラル触媒は、好ましくは、式VIIの化合物の約0.05〜約0.5当量、より好ましくは約0.05〜約0.2当量、更により好ましくは0.1当量として存在する。
工程(f)
いくつかの実施態様によれば、立体選択的アルドール縮合の生成物から立体指向部分(Y及びY)を除去することは、塩基性条件下;あるいは、穏やかな塩基性条件下;あるいは中性条件下で行われる。現在好ましい実施態様によれば、立体指向部分は、1,8−ジアザビシクロウンデック−7−エン(DBU)によって、又はフッ化物アニオン、例えばテトラブチルアンモニウムフルオリド又はピリジンフッ化水素によって、中性条件下で、除去し得る。他の適当な塩基としては、無機塩基、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、そしてアンモニウムの水酸化物及びアルコキシドが挙げられるが、それらに限定されない。適当な塩基の例は、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド、カルシウムジヒドロキシド、バリウムジヒドロキシド、及び第四級アルキルアンモニウム水酸化物、DBN(1,3−ジアザビシクロ[3.4.0]ノン−5−エン)、DABCO(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)、TBAF、TMG、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウム又はそれらの混合物である。別の実施態様によれば、立体指向部分の除去は、当業において公知の条件下で実行され得る。
本発明の方法の1つの利点は、中性及び塩基性の条件下でY及びY基を除去すると、環化前に、ヒドロキシアルデヒド中間体を精製できる点である。酸性条件下のみで除去できる保護基を使用するとき、環化が酸性条件下で自然発生的に起こるので、前記の中間体精製は不可能である。
及びYが除去された生成物を環化して(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを得ることは、酸触媒の存在下で実施される。酸触媒の非限定的な例としては、ルイス酸、例えばクロロ亜鉛、塩化アルミニウム、四塩化チタンなど、無機酸、例えば塩酸、フッ化水素酸、硫酸、タングステン酸、有機酸、例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及び固体酸、例えば酸性イオン交換樹脂又はゼオライトが挙げられる。
一つの実施態様では、固体酸は、ゲルの形態の金属酸化物系、例えばSiO、GeO、B、Al、TiO、ZrO及びそれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施態様によれば、この種の固体/ゲル系は、酸、好ましくは二塩基酸又は三塩基酸、例えばHSO、HPO又はオルトリン酸で更に処理され得る。
他の適当な酸触媒は、例えば、HBr、HI、HClO、HBF、HPF、HAsF、HSbCl、HSbF及びHBPh、脂肪族及び芳香族の任意にハロゲン化された(フッ化又は塩化)カルボン酸、スルホン酸及びリン(V)酸(例えば、ホスホン酸又は亜ホスホン酸)、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、フェニル酢酸、シクロヘキサンカルボン酸、モノ−、ジ−及びトリクロロ酢酸、モノ−、ジ−及びトリフルオロ酢酸、クロロ安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メチルホスホン酸及びフェニルホスホン酸である。
更なる実施態様では、固体酸は、二塩基酸又は三塩基酸、例えば、HSO、H又はHPOで処理された無機又は有機のイオン交換体であり得る。一つの実施態様によれば、有機イオン交換体は、酸性基、例えば−C(O)OH、−SOH又は−POH(例えばナフィオン)を有するポリマーである。前記有機イオン交換体のうちのいくつかは市販されている。
別の実施態様によれば、無機イオン交換体は、天然及び合成のアルミノシリケート(例えばゼオライト)であり、そして、そのいくつかは市販されている(例えばZeolith ZSM−5、Zeolith Y及びモルデン沸石)。別の実施態様によれば、固体酸は、全くイオン交換特性が無いか又はわずかに限定されたイオン交換特性を有する天然又は合成シリケート様無機物である。例としては、フィロシリケート及び粘土、例えばモンモリロナイト、ヘクトライト、バーミキュライト、カオリナイトなどである。シリケート及び粘土は、酸、好ましくは二塩基酸又は三塩基酸、例えばHSO、H、及びHPOで更に含浸され得る。他の適当な酸は、前述した。更なる実施態様では、固体酸は、元素Mo、V、W、O及びHを好ましく含むヘテロポリ酸であり得る。これらのヘテロポリ酸は、B、Si又はPならびに二次元素又は微量元素を更に含むことができ、以下の一般式:
Figure 2013518096
を有することができ;例えば、リンタングステン酸、タングスト珪酸及びモリブドリン酸であり得る。
いくつかの実施態様によれば、工程(a〜f)は、組み合わせることができ、そして単一工程で実施でき、中間体を分離する必要がない。あるいは、工程(a〜f)のうちの全ての工程ではなく、いくつかの工程を組み合わせて、単一工程で実施される。
実施例
実施例1a:(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル−N−[(1S,2R)−3−クロロ−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピル]カルバメート(化合物IV)の調製:
1,1’−カルボニルイミダゾール(162.15g、1モル)を、THF(0.5L)に加え、続いて、0.3LのTHF中(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オール(135.2g、1.04モル)溶液を加え、そしてその混合物を1時間撹拌した。(2S,3S)−3−アミノ−1−クロロ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタン塩酸塩(229g、0.97モル)を加え、そしてその混合物を、[(2S,3S)−3−アミノ−1−クロロ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタンを完全に消失させるために]TLC管理下で、約5〜6時間、55〜60℃で加熱した。反応が完了したら、その溶液を、冷却し、次の工程に移った。分析試料を調製するために、10mlの溶液を、50mlの酢酸エチルで希釈し、水(40mL)、希塩酸(40ml)、5%水性炭酸水素ナトリウム(40mL)及びに水(50mL)で洗浄した。その溶液を、硫酸ナトリウムを使用して乾燥させ、そして蒸発乾固させた。MS: m/z 356 (MH+)。NMRスペクトルは、所望の生成物の構造に対応していた。
実施例1b:(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル−N−[(1S,2R)−3−クロロ−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピル]カルバメート(化合物IV)の調製:
1.(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オール(100mg)を、窒素下で予め乾燥させた25mlの丸底フラスコに加えた。次いで、ジスクシニミヂルカーボネート(DSC)(295mg)を加え、続いてアセトニトリル(3ml)を加えた。その懸濁液が明澄になるまで、撹拌しながらEtN(155mg)を加えた。得られた溶液を、TLC管理下で、5時間、周囲温度で撹拌した。次いで、溶媒を除去し、NaHCO(4ml)の飽和溶液を加え、そしてEtOAc(320ml)で抽出した。組み合わせた有機画分を、NaSOによって乾燥させ、濾過し、そして濃縮して油状残留物を得た。MeOH(4ml)を加え、得られた懸濁液を撹拌し、次いで、濾過し、乾燥させて、白色固体として152mgの化合物IIIを得た。
2.上記のようにして得られた化合物III(125mg)を、窒素下で、予め乾燥させた25ml丸底フラスコに加えた。TLC管理下で、(2S,3S)−3−アミノ−1−クロロ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタンヒドロクロリド(94mg)、EtN(0.4ml)、及びCHCl(20ml)を加え、3時間、周囲温度で撹拌した。次いで、その溶媒を、濾過し、有機層を、5%NaHPO(5ml)及び水(15ml)で洗浄し、次いで、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、白色固体として120mgの化合物5を得た。NMRスペクトルは、構造に対応していた。
実施例2:(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル−N−[(1S,2R)−3−イソブチルアミノ−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピル]カルバメート(化合物V)の調製:
1.水(1L)中、先の工程からの混合物、イソブチルアミン73.8g(1.01モル)及び炭酸水素ナトリウム(92.4、1.1モル)を、TLC管理下で反応が完了するまで(〜5時間)、撹拌しながら、穏やかに還流(〜60℃)して加熱した。過剰のイソブチルアミンとTHFを、70〜75℃の内部反応温度で、窒素下で蒸留することにより、取り除いた。追加の水(500g)を加え、その生成物を濾過によって単離し、水で洗浄し、そして真空で乾燥させ、白色からオフホワイトの固体360g(92%)を得た。MS:m/z 393(MH+)、427[M+Cl]、NMRスペクトルは、構造に対応していた。
2.化合物IV(100mg)及びイソブチルアミン(2ml)を、予め乾燥させた10ml丸底フラスコに加えた。反応を、TLC管理下で一晩60℃に加熱した。過剰なイソブチルアミンを蒸発させ、残留物を、カラムクロマトグラフィー(溶離液:MeOH:CHCl(1:10))にかけて、生成物80mgを得た。MS:m/z 393(MH+)、427[M+Cl]、NMRスペクトルは、構造に対応していた。
実施例3:(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバメートエタノエート(化合物I)(ダルナビル、[(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]−カルバミド酸(3R,3aS,6aR)ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルエステルとも呼ばれる)の調製
(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−イソブチルアミノ−プロピル)−カルバミド酸ヘキサヒドロ−フロ[2,3−b]−フラン−3−イルエステル(98.1g、0.25モル、1当量)を、ジクロロメタン(200mL)中に溶かし、次いで飽和NaHCO溶液(300ml)を加えた。p−アミノフェニルスルホニルクロリド(48.8g、0.255モル、1.02当量)(p−アミノフェニルスルホニルクロリドヒドロクロリドでは58.1g)を、先の溶液に対して少しずつ加えた。その溶液を、TLC管理下で、20〜35℃で、激しく撹拌した。反応が完了した後(〜4時間)、有機層を、分離し、飽和NaHCO溶液(100ml)、水(100ml)、5%HCl溶液(100ml)及び塩水(100ml)で洗浄した。その有機層を、NaSOで乾燥させ、濾過し、そしてエタノールを加えた。塩化メチレンを留去した。温度を約40〜45℃に保ち、種晶を添加することによって、結晶化を開始させた。その混合物を冷却し、更に2〜3時間撹拌した。沈殿物を、濾過し、冷エタノールで洗浄した。その湿潤生成物を、40℃で真空で乾燥させて、純度>98.5%の(3R,3S,6R)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバメートエタノエートを136.5g(92%)得た。
実施例4:(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル(1S,2R)−3−[[(4−アミノフェニル)スルホニル](イソブチル)アミノ]−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピルカルバメートエタノエートの調製(一段階合成による化合物I)
1,1’−カルボニルイミダゾール(162.15g、1モル)を、THF(0.5L)に加え、続いて0.3LのTHF中(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オール(135.2g、1.04モル)溶液を加え、そしてその混合物を1時間撹拌した。(2S,3S)−3−アミノ−1−クロロ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタン塩酸塩(229g、0.97モル)を加え、そしてその混合物を、[(2S,3S)−3−アミノ−1−クロロ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタンを完全に消失させるために]TLC管理下で、約5〜6時間、55〜60℃で加熱した。反応完了後、その溶液を室温まで冷却し、水(1L)中イソブチルアミン73.8g(1.01モル)と炭酸水素ナトリウム(92.4g、1.1モル)を加えた。その混合物を、TLC管理下で反応が完了するまで(〜5時間)撹拌しながら穏やかに還流し加熱した(〜60℃)。その混合物を室温まで冷却し、そして重炭酸ナトリウムを100g(1.2モル)加え、続いてp−アミノフェニルスルホニルクロリド(48.8g、0.255モル、1.02当量)を加えた。その溶液を、TLC管理下で、40〜45℃で、激しく撹拌した。反応完了後(ほぼ3〜4時間)、減圧下で40〜45℃で溶媒を全体量の半分まで蒸留し、得られたスラリーを、室温で1時間、10℃で2時間、撹拌した。濾過し、水で洗浄し、そして真空で乾燥させた。粗生成物の収率は88%であり、純度は92%である。その粗化合物を、エタノールから結晶化させた。
実施例5:立体指向基Fmocによって一置換されたアルコールの調製(化合物VI及びVIII):
300gのジクロロメタン中665ミリモル(60gの1,4−ブタンジオール又は41gの1,2−エタンジオール)と25g(248ミリモル)のトリエチルアミンとの撹拌溶液に対して、30gのジクロロメタン中57.7g(223ミリモル)のフルオレニルメチルオキシカルボニルクロリド(Fmoc−Cl)溶液を、周囲温度で、45分間にわたって滴下して加えた。その溶液を、約1時間撹拌し、続いて250gの飽和水性重炭酸ナトリウムを加えた。次いで、有機層を、250mlの水で洗浄し、真空下で乾燥させ(NaSO)濃縮した。得られた生成物は、次の工程で更に精製せずに使用してもよく、あるいは、結晶化によって若しくはフラッシュクロマトグラフィーによって精製して純度>95%及び収率83〜92%(Fmoc−Clを基準にして算出)で一保護化アルコールを得てもよい。
実施例6:構造VII及びIX(式中、Y及びYはFmoc部分である)を有する化合物の調製:
100mLのトルエン中Fmoc(88ミリモル)によって一置換された28gの1,4−ブタンジオールの冷却溶液と37g(366ミリモル)のトリエチルアミンとに対して、DMSO(175g)中SO−ピリジン錯体(39g、245ミリモル)溶液を、0℃〜10℃に温度を保ちながら、1時間にわたって加えた。30分間撹拌した後、TLC分析は、完全転化を示した。水(100mL)を加え、そして10分撹拌した後に、その水層を100mLのトルエンで抽出した。組み合わせたトルエン層を、150mLの水で洗浄し、そして濃縮して41gの残留物を得た。その残留物を結晶化させて、一保護アルコールを基準とすると75%の収率に相当する18gの4−Fmoc−n−ブチルアルデヒド(GCによる測定で純度99%)を得た。
実施例7:(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールの調製:
a)DMF(500mL)中Fmoc−アセトアルデヒド(2.0ミリモル、2当量)溶液を、4℃で、DMF(500mL)中Fmoc−n−ブチルアルデヒド(1.0ミリモル、1当量)と(S)−プロリン(0.10ミリモル、0.1当量)との撹拌混合物に対して、2.5時間にわたってゆっくりと加えた。得られた混合物を、同じ温度で16時間撹拌した。反応はTLCでモニターした。反応が終わったら、DBUの触媒量を加え、そしてその混合物を、TLC管理下で1〜2時間撹拌した。反応が終わったら(Fmoc基の除去)、茶色の反応混合物が得られた。次いで、その生成物を濾過し、濾液を22〜30℃(浴温度)で高真空下で蒸発させた。残留物を、水(0.5L)中に溶かし、そしてトルエン又はヘキサンで抽出した。
b)工程(a)から得られた水溶液に対して、300gの3〜5重量%水性HClを2〜5℃で加えた。撹拌を更に20時間続け、次いで38gのピリジン、2000gのトルエン及び650mlの水を加えた。更に1時間撹拌した後、その混合物を、デカライトでプレコートされたフィルターで濾過した。トルエン層を、4×600mlの水で抽出し、そして組み合わせた水相を1200gのトルエンで洗浄した。その水相を、約850mlまで真空下で濃縮し、次いで、毎回1500mlの酢酸エチルによって6度抽出し;その組み合わせた有機層を、450mlの水、400mlの5%HCl及び500mlの5%炭酸ナトリウムで洗浄し、次いで、1000gのNaSOで乾燥させた。その有機層(酢酸エチル)を真空下で濃縮すると、160.2gの赤油が得られた。一保護ブチルアルデヒドを基準として収率85%であり、エナンチオマー純度は>95%であった。得られた生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって更に精製した。
特定の実施態様に関する前記の説明は、他者が、現在の知識を適用することによって、過度の実験を行わずに且つ類概念から逸脱することなく、前記特定の実施態様を、様々な用途に応じて、容易に修正且つ/又は適合させることができるように、本発明の一般的な性質を十分に公開するものである。而して、そのような適合及び修正は、開示された実施態様の等価物の意味及び範囲内に包含されるべきであり、且つ包含されることを意図している。当然ながら、本明細書で用いた表現又は用語は、制限ではなく説明を目的としている、ことを理解すべきである。様々な開示された機能を実行するための手段、材料及び工程は、本発明から逸脱せずに、様々な他の形態をとることができる。

Claims (48)

  1. 下式(I):
    Figure 2013518096
    の化合物を調製する方法であって、以下の工程:すなわち、
    i)下式(II)
    Figure 2013518096
    (式中、Xは脱離基である)の3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタン誘導体を、下式(III)
    Figure 2013518096
    (式中、Rは、ハロゲン、イミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキシスクシンイミジル、オキシベンゾトリアゾリル、4−ニトロフェノキシ、4−メトキシフェノキシ、2−ニトロフェノキシ及びペンタフルオロフェノキシから成る群より選択される)の(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシカルボニル誘導体と反応させて、下式(IV);
    Figure 2013518096
    の化合物を得る工程;
    (ii)式(IV)の化合物を、イソブチルアミンと反応させて、下式(V)
    Figure 2013518096
    の化合物を得る工程;そして
    iii)式(V)の化合物を、置換フェニルスルホニル誘導体と反応させて、式(I)の化合物を形成させる工程
    を含む方法。
  2. Xが、Cl、Br、I、MsO及びTsOから成る群より選択される請求項1記載の方法。
  3. XがClである請求項2記載の方法。
  4. 式(II)の3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタン誘導体が、(2S,3S)−3−アミノ−1−クロロ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタンである請求項1記載の方法。
  5. 式(III)の(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシカルボニル誘導体が、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルイミダゾリルカーボネートであって、前記化合物が、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを1,1’−カルボニルジイミダゾールと反応させることによって得られる請求項1記載の方法。
  6. (3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを1,1’−カルボニルジイミダゾールと反応させて式(III)の化合物を得て、続いて化合物(III)を式(II)の化合物と反応させることを一段階で行う請求項5記載の方法。
  7. 式(III)の(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシカルボニル誘導体が、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イルオキシスクシンイミドカーボネートであって、前記化合物が、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールをジスクシニミヂルカーボネートと反応させることによって得られる請求項1記載の方法。
  8. (3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールをジスクシニミヂルカーボネートと反応させて式(III)の化合物を得て、続いて化合物(III)を式(II)の化合物と反応させることを一段階で行う請求項7記載の方法。
  9. 式(II)の化合物が、塩の形態である請求項1記載の方法。
  10. 前記塩が、塩酸塩である請求項9記載の方法。
  11. 工程(iii)における置換フェニルスルホニル誘導体が、p−アミノフェニルスルホニルハリドである請求項1記載の方法。
  12. 前記p−アミノフェニルスルホニルハリドが、p−アミノフェニルスルホニルクロリド又はその塩酸塩である請求項11記載の方法。
  13. 工程(i)及び(ii)が、一段階で行われる請求項1記載の方法。
  14. 工程(i)〜(iii)が、一段階で行われる請求項1記載の方法。
  15. (3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを、式RCO−Yのカップリング剤(式中、Yは脱離基であり、そしてRは請求項1で定義したものである)と反応させることによって、式(III)の化合物を調製する請求項1記載の方法。
  16. 前記(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールが、以下の工程:すなわち、
    (a)一般式HO−CH−CH−Xのエタノール誘導体を、立体指向部分(Y)を含む試薬と反応させて、下式(VI):
    Figure 2013518096
    (式中、XはOH又は脱離基であり、立体指向部分Yは、中性又は塩基性の条件下で除去可能である)を有する化合物を得る工程;
    (b)化合物(VI)を酸化して下式(VII)
    Figure 2013518096
    を有するアルデヒドを得る工程;
    (c)一般式HO−(CH−Xのブタノール誘導体を、立体指向部分(Y)を含む試薬と反応させて、下式(VIII)
    Figure 2013518096
    (式中、XはOH又は脱離基であり、立体指向部分Yは、中性又は塩基性の条件下で除去可能である)を有する化合物を得る工程;
    (d)化合物(VIII)を酸化させて、下式(IX)
    Figure 2013518096
    を有するアルデヒドを得る工程;
    (e)キラル触媒の存在下で、アルドール縮合によって化合物(VII)と(IX)を立体選択的に結合させて、下式(X);
    Figure 2013518096
    の化合物を形成させる工程;そして
    (f)工程(e)の生成物から立体指向部分(Y及びY)を除去し、次いで、酸触媒の存在下で環化することによって、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを形成させる工程
    を含む方法によって得られる請求項15記載の方法。
  17. 及びXがそれぞれOHである請求項16記載の方法。
  18. 及びYが、独立に、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、p−ニトロベンゼンスルホエトキシカルボニル、プロパルギルオキシカルボニル、ピコリニル,プレニル、o−ニトロベンジルオキシメチル、4−メチオキシフェノキシメチル、グアイアコルメチル、シロキシメチル、例えばトリイソプロピルシロキシメチル、2−シアノエチオキシメチル、2−キノリンイルメチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、及び2−[4−ニトロフェニル]エチルスルホネートから成る群より選択される請求項16記載の方法。
  19. 及びYが、それぞれFmocである請求項18記載の方法。
  20. 工程(f)が、塩基性条件下で、基Y及びYを除去する工程を含む請求項16記載の方法。
  21. 工程(f)が、中性条件下で、基Y及びYを除去する工程を含む請求項16記載の方法。
  22. 工程(f)が、DBUによって、又はフッ化物(F)を含む試薬によって、基Y及びYを除去する工程を含む請求項16記載の方法。
  23. フッ化物(F)を含む前記試薬が、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、ピリジンフッ化水素又はフッ化水素である請求項22記載の方法。
  24. 前記キラル触媒が、アミノ酸又はペプチドである請求項16記載の方法。
  25. 前記キラル触媒が、プロリンである請求項24記載の方法。
  26. 請求項1〜25のいずれか一項の方法によって製造される化合物(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−イル−N−[(1S,2R)−3−クロロ−1−ベンジル−2−ヒドロキシプロピル]カルバメート。
  27. 請求項1〜25のいずれか一項の方法によって製造される式(I)の化合物。
  28. 以下の工程:すなわち、
    (a)一般式HO−CH−CH−Xのエタノール誘導体を、立体指向部分(Y)を含む試薬と反応させて、下式(VI):
    Figure 2013518096
    (式中、XはOH又は脱離基であり、立体指向部分Yは、中性又は塩基性の条件下で除去可能である)を有する化合物を得る工程;
    (b)化合物(VI)を酸化して下式(VII)
    Figure 2013518096
    を有するアルデヒドを得る工程;
    (c)一般式HO−(CH−Xのブタノール誘導体を、立体指向部分(Y)を含む試薬と反応させて、下式(VIII)
    Figure 2013518096
    (式中、XはOH又は脱離基であり、立体指向部分Yは、中性又は塩基性の条件下で除去可能である)を有する化合物を得る工程;
    (d)化合物(VIII)を酸化させて、下式(IX)
    Figure 2013518096
    を有するアルデヒドを得る工程;
    (e)キラル触媒の存在下で、アルドール縮合によって化合物(VII)と(IX)を立体選択的に結合させて、下式(X);
    Figure 2013518096
    の化合物を形成させる工程;そして
    (f)工程(e)の生成物から立体指向部分(Y及びY)を除去し、次いで、酸触媒の存在下で環化することによって、(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを形成させる工程
    を含む(3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを調製する方法。
  29. 及びXはそれぞれOHである請求項28記載の方法。
  30. 及びYが、独立に、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、p−ニトロベンゼンスルホエトキシカルボニル、プロパルギルオキシカルボニル、ピコリニル、プレニル、o−ニトロベンジルオキシメチル、4−メチルオキシフェノキシメチル、グアイアコルメチル、シロキシメチル、例えばトリイソプロピルシロキシメチル、2−シアノエチオキシメチル、2−キノリンイルメチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、及び2−[4−ニトロフェニル]エチルスルホネートから成る群より選択される請求項28記載の方法。
  31. 及びYがそれぞれFmocである請求項30記載の方法。
  32. 工程(f)が、塩基性条件下で、基Y及びYを除去する工程を含む請求項28記載の方法。
  33. 工程(f)が、中性条件下で、基Y及びYを除去する工程を含む請求項28記載の方法。
  34. 工程(f)が、DBUによって、又はフッ化物(F)を含む試薬によって、基Y及びYを除去する工程を含む請求項28記載の方法。
  35. フッ化物(F)を含む前記試薬が、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、ピリジンフッ化水素又はフッ化水素である請求項34記載の方法。
  36. 前記キラル触媒が、アミノ酸又はペプチドである請求項28記載の方法。
  37. 前記キラル触媒が、プロリンである請求項36記載の方法。
  38. (3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを、式(I)
    Figure 2013518096
    のダルナビルへと転化させる工程を更に含む請求項28記載の方法。
  39. 一般式HO−(CH−OY(式中、Yは、中性及び/又は塩基性の条件下で除去できる立体指向部分であり、そしてnは2又は4である)によって表される化合物。
  40. Yが、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、p−ニトロベンゼンスルホエトキシカルボニル、プロパルギルオキシカルボニル、ピコリニル、プレニル、o−ニトロベンジルオキシメチル、4−メチオキシフェノキシメチル、グアイアコルメチル、シロキシメチル、例えばトリイソプロピルシロキシメチル、 2−シアノエチオキシメチル、2−キノリンイルメチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、及び2−[4−ニトロフェニル]エチルスルホネートから成る群より選択される請求項39記載の化合物。
  41. n=2である請求項40記載の化合物。
  42. n=4である請求項40記載の化合物。
  43. YがFmocである請求項41又は42のいずれか一項に記載の化合物。
  44. Yが、中性及び/又は塩基性の条件下で除去され得る立体指向部分である前記一般式O=CH−(CH−OYを有する化合物。
  45. Yが、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、p−ニトロベンゼンスルホエトキシカルボニル、プロパルギルオキシカルボニル、ピコリニル、プレニル、o−ニトロベンジルオキシメチル、4−メチオキシフェノキシメチル、グアイアコルメチル、シロキシメチル、例えばトリイソプロピルシロキシメチル、2−シアノエチオキシメチル、2−キノリンイルメチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、及び2−[4−ニトロフェニル]エチルスルホネートから成る群より選択される請求項44記載の化合物。
  46. YがFmocである請求項45記載の化合物。
  47. (3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを調製するために請求39〜46のいずれかに記載の化合物の使用。
  48. (3R,3aS,6aR)−ヘキサヒドロフロ[2,3−b]フラン−3−オールを、式(I)のダルナビルへと転化させる工程を更に含む請求項47記載の使用。
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