JP2013258807A - 中空軸モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 中空軸4を、外周部分を小径部41aと大径部41bに形成した中空軸本体41と、該中空軸本体41の出力側に装着され、かつ負荷組み付け用取付部を有する中空軸出力側先端分離部42とで構成し、前記中空軸本体41の小径部41aを支持するボールベアリング5に比べて大径のボールベアリング61、62で前記中空軸本体41の大径部41bを支持し、前記中空軸出力側先端分離部42に、前記大径のボールベアリング61、62の内輪61を固定する係止部42eを設け、前記中空軸出力側先端分離部42を前記中空軸本体41の大径部41bに螺合して、前記中空軸出力側先端分離部42を前記大径部41bに組み付けるとともに、該係止部42eによって前記大径のボールベアリング62の内輪61を押圧してボールベアリング62を固定したことにある。
【選択図】 図1
Description
また、本発明は、スラスト荷重とラジアル荷重に耐え得る剛性を有する中空軸モータに関する。
特許文献1に記載された中空軸モータは、回転軸の先端部に、円筒部を設けたもので、この円筒部の先端を軸受で支持したものである。
また、スラスト荷重とラジアル荷重に耐え得る剛性を有する中空モータとしては、たとえば特許文献2のようなダイレクトドライブモータ(以下、DDモータという)がある。
特許文献2では、DDモータのシャフトにかかるスラスト方向等の荷重に軸受けが耐えられるようにするため、クロスローラーベアリングが用いられている。クロスローラーベアリングは、円筒形のコロを90度のV溝に交互に並べた軸受けで、スラスト荷重や、ラジアル荷重、曲げモーメント荷重に対しても高い剛性を有するベアリングである。
また、特許文献1の中空軸モータにあっては、スラスト方向の荷重を受けることができないという問題もある。
しかしながら特許文献2で使用しているクロスローラーベアリングは、ボールベアリングに比べてかなり高価であることや、小型化ができないといった問題がある。
したがって、特許文献2のような従来のDDモータにあっては、高価で、小型化の要望に充分対応できない、という問題があった。
また、本発明は、駆動する負荷の形態に対応した軸形状の中空軸モータを提供することを他の目的とする。
また、本発明は、前記大径のボールベアリングを複数並設し、前記中空軸出力側先端分離部の係止部によって、前記外側の大径のボールベアリングの内輪を固定することによって内側の大径のボールベアリングの内輪を固定したことにある。
さらに、本発明は、前記中空軸出力側先端分離部の端面に、軸方向に貫通したねじ孔を設け、該ねじ孔に止めねじを螺合し、前記ねじ孔に螺合した止めねじによって前記中空軸本体の端面に押圧し、前記中空軸出力側先端分離部を前記中空軸本体に固定したことにある。
また、本発明によれば、中空軸出力部の形状を駆動する負荷の形態に応じて容易に変更することができる。
図1において、中空軸モータ1は、励磁用コイルを有する環状のステータ2と、永久磁石を有し、かつ前記ステータ2の軸線上に同心状に配置されたロータ3と、該ロータ3の軸線上に配置され、該ロータ3とともに回転する中空軸4と、該中空軸4の両端部をそれぞれ軸支する反出力側ボールベアリング5および出力側ボールベアリング6と、該ボールベアリング5,6を収納するボールベアリング支持部7a,8aを有するブラケット7,8とを備えている。中空軸モータ1は、ステータ2を挟んで反出力側ブラケット7とベアリングカバー9が配置され、ベアリングカバー9の外側に出力側ブラケット8が並設して配置されてモータケース10が構成されている。
中空軸本体41は、軸方向に貫通した所定径の中空部4aを内部に形成した外周部分4bを有し、かつ、この外周部分4bに、軸方向に沿って小径部41aと大径部41bが形成されている。前記中空軸出力側先端分離部42は、前記中空軸本体41の出力側に装着され、かつ板面に負荷組み付け用取付部(後述する)が設けられている。
前記中空軸本体41の大径部41bには、大径の出力側ボールベアリング6が2個、並設されており、これら2個の出力側ボールベアリング6によって前記中空軸本体41の大径部41bが支持されている。
前記中空軸本体41の小径部41aには、反出力側ボールベアリング5が配設されて前記中空軸本体41の小径部41aを支持している。
この中空軸出力側先端分離部42は、中央に円筒状の開口部42aを形成した環状の板面42bに円周方向に一定間隔で3個の貫通ねじ孔42cと円周方向に複数の負荷取付用穴42dがそれぞれ軸方向に沿って形成されている。この中空軸出力側先端分離部42の背面側には、前記中空軸本体41の大径部41bの出力側端部に対してインロー継ぎ手となる円筒状の筒部42eが軸方向に延出して設けられており、この筒部42eの内周面に前記ねじ溝41cに螺合するねじ溝42fが刻設されている。この中空軸出力側先端分離部42の筒部42eは、前記ねじ溝42fをねじ溝41cに螺合することで前記中空軸本体41の大径部41bに装着するものである。この中空軸出力側先端分離部42は、係止部となる筒部42eの先端42gで前記出力側ボールベアリング6の内輪端面に係合して圧接し、前記出力側ボールベアリング6を固定するものである。前記貫通ねじ孔42cには、止めねじ12が螺着されており、この止めねじ12の先端を前記中空軸本体41の大径部41bの端面に押圧させて前記中空軸出力側先端分離部42が外れることを防止している。前記複数の負荷取付用穴42dは、負荷等を組み付けるための位置決めピン穴とねじ穴で、いくつかの異なる径の穴を設けることで、異なる負荷等を組み付けることができるようにしている。図示例では、42d1は位置決めピン穴で、42d2は4個のねじ穴である。
前記ベアリングカバー9と前記ブラケット8は、内周面側に突出する段差部9a,8aが形成されており、これら段差部9a,8aの端面相互間に係止されるようにして内側のボールベアリング61の外輪の一端と、外側のボールベアリング62の外輪の一端とが位置決め固定されている。前記中空軸本体41の大径部41bには、外周面に半径方向の突起部41dが形成されて、この突起部41dの側壁面によって内側のボールベアリング61の内輪が係止されている。
中空軸モータ1を、中空軸本体41と、中空軸出力側先端分離部42とで構成し、中空軸本体41には、小径部41aと大径部41bを設ける。中空軸本体41の大径部41bに装着される出力側ボールベアリング6には、反出力側ボールベアリング5よりも径の大きなものを2つ組み合わせて使用して、スラスト荷重とラジアル荷重を受けられるようにする。
内側のボールベアリング61と、外側のボールベアリング62には、中空軸出力側先端分離部42を中空軸本体41に螺着することによって、筒部42eの先端42gを外側のボールベアリング62の内輪端面に圧接して、外側のボールベアリング62と内側のボールベアリング61の内輪を位置決め固定する。
内側のボールベアリング61の外輪63と外側のボールベアリング62の外輪63とは並設され接触しており、ベアリングカバー9の段差部9aとブラケット8の段差部8aとでその両側を挟まれ固定されている。
前述のように、2つのボールベアリングは、内輪の幅よりも外輪の幅が大きくなるように寸法差をつけてあるので、内輪同士の接触面と外輪同士の接触面とが一直線上になるように配置すると、2つのボールベアリング61とボールベアリング62には、内輪61、ボール62、外輪63の接触点を結ぶ直線がボールベアリング61とボールベアリング62同士の接触面64に対して対称になるように配置されて予圧が付与され、スラストラジアルベアリングとして機能する。
そして、中空軸出力側先端分離部42の複数の負荷取付用穴42dには、ねじを介して負荷等を組み付けることができる。
中空軸モータ1に取り付ける負荷は、テーブル形状の負荷であり、テーブル14に設けられたねじ孔14aにねじ15を複数本通し、このねじ15を中空軸出力側先端分離部42の複数の負荷取付用穴42dに螺合する。こうして、中空軸モータ1を駆動させてテーブル14を回転させて、作業工程を行うことができる。
内側のボールベアリング61と、外側のボールベアリング62には、中空軸出力側先端分離部42を中空軸本体41に螺着することによって、筒部42eの先端42gを外側のボールベアリング62の内輪端面に圧接して、外側のボールベアリング62を固定するとともに、ボールベアリング62の内輪を押圧して、予圧を付与することができるので、中空軸出力側先端分離部42の中空軸本体41に対するガタ、および回転を防ぎ、中空軸出力側先端分離部42の離脱を防ぐことができる。
中空軸本体41と、中空軸出力側先端分離部42とは、中空軸本体41の大径部41bと、中空軸出力側先端分離部42の筒部42eとがインロー継ぎ手構造に形成されているので、高い回転精度を確保することができる。そのため、中空軸出力側先端分離部42の外径、内径、端面は、容易に高精度化を保つことができる。
そして、2つのボールベアリング61と、ボールベアリング62には、内輪61、ボール62、外輪63の接触点を結ぶ直線がベアリング61と62同士の接触面64に対して対称になるように配置されるので、2つのボールベアリング61、62によって大きなスラスト荷重とラジアル荷重をうけることができることから、テーブル等、大きな負荷、慣性に対して確実な回転位置決めを行うことができる。
図5の中空軸出力側先端分離部42Aは、円筒状の開口部42aの内周面にねじ溝43を刻設したもので、ねじ溝を形成したシャフトを螺合することで別の負荷を接続することができる。
図6の中空軸出力側先端分離部42Bは、円筒状のシャフト部44を軸方向に延出したもので、このシャフト部44に環状の連結部を設けた負荷を装着することができる。
図7の中空軸出力側先端分離部42Cは、図6のシャフト部44の外周面にねじ溝45を刻設したもので、内周面にねじ溝を刻設した環状の連結部を介して負荷を接続することができる。
図8の中空軸出力側先端分離部42Dは、外周面にプーリ部46を形成したもので、ベルトを介して離れた負荷を駆動することができる。
また、上記実施形態では、スラストラジアルベアリングとして用いるボールベアリングは、外輪側の幅寸法を大きくした物を用いたが、その逆に内輪側の幅寸法を大きくした物を用いても良い。
さらに、2つの大径ボールベアリングのうちの1つを、反出力側に配設することも可能である。等、その他、本発明の要旨を変更しない範囲内で、適宜、変更して、実施し得ることは言うまでもない。
2 ステータ
3 ロータ
4 中空軸
4a 中空部
4b 外周部分
5 反出力側ボールベアリング
6,61、62 出力側ボールベアリング
7 反出力側ブラケット
8 出力側ブラケット
9 ベアリングカバー
10 モータケース
11 ベアリングスプリング
12 止めねじ
13 中空軸本体
41 中空軸本体
41a 小径部
41b 大径部
41c ねじ溝
42 中空軸出力側先端分離部
42a 開口部
42b 板面
42c 貫通ねじ孔
42d 負荷取付用穴
42e 筒部
42f ねじ溝
42g 先端
Claims (3)
- 励磁用コイルを有する環状のステータと、
永久磁石を有し、かつ前記ステータの軸線上に同心状に配置されたロータと、
該ロータの軸線上に配置され該ロータとともに回転する中空軸と、
該中空軸の両端部をそれぞれ軸支するボールベアリングと、
該ボールベアリングを収納するボールベアリング支持部を有するブラケットとを備えた中空軸モータにおいて、
前記中空軸を、小径部と大径部に形成した外周部分を有する中空軸本体と、該中空軸本体の出力側に装着され、かつ負荷組み付け用取付部を有する中空軸出力側先端分離部とで構成し、
該中空軸本体は、前記小径部で前記ロータを支持するとともに、前記大径部の先端部で前記中空軸出力側先端分離部を支持し、
前記中空軸本体の小径部を支持するボールベアリングに比べて大径のボールベアリングで前記中空軸本体の大径部を支持し、
前記中空軸出力側先端分離部に、前記大径のボールベアリングの内輪を固定する係止部を設け、
前記大径部の先端外周面にねじ溝を刻設し、該大径部のねじ溝に螺合するねじ溝を前記中空軸出力側先端分離部の内周面に刻設し、
前記中空軸出力側先端分離部を前記中空軸本体の大径部に螺合して、前記中空軸出力側先端分離部を前記大径部に組み付けるとともに、該係止部によって前記大径のボールベアリングの内輪を押圧してボールベアリングを固定したことを特徴とする中空軸モータ。 - 前記大径のボールベアリングを複数並設し、前記中空軸出力側先端分離部の係止部によって、前記外側の大径のボールベアリングの内輪を固定することによって内側の大径のボールベアリングの内輪を固定したことを特徴とする請求項1に記載の中空軸モータ。
- 前記中空軸出力側先端分離部の端面に、軸方向に貫通したねじ孔を設け、該ねじ孔に止めねじを螺合し、前記ねじ孔に螺合した止めねじによって前記中空軸本体の端面に押圧し、前記中空軸出力側先端分離部を前記中空軸本体に固定したことを特徴とする請求項1または2に記載の中空軸モータ。
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