JP2013258574A - 画像読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】見開き原稿の読み取り後の画像データにおける情報の欠損を抑制する画像読取装置を提供すること。
【解決手段】画像読取装置は,原稿の画像を読み取る読取部と,読取部が読み取った画像データから,各画素における濃度の勾配の値に対して第1閾値を境として第1エッジ画像を生成する第1生成部と,各画素における濃度の勾配の値に対して第1閾値よりも濃度の勾配が緩やかな値である第2閾値を境として第2エッジ画像を生成する第2生成部と,第1エッジ画像から,第1の値である画素によって連続して囲まれる領域を原稿領域の範囲として決定する原稿範囲決定部と,第2エッジ画像から,原稿領域内の第2の値である画素により構成される領域のうちで面積が最も大きい領域を特定領域の範囲として決定する特定範囲決定部と,原稿領域と特定領域とを用いて,原稿領域の画像データに対して画像処理を行う画像処理部とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は,原稿を読み取る画像読取装置に関する。さらに詳細には,本などの綴じられた原稿を見開きの状態で読み取った場合には,読み取った原稿の画像データに画像処理を施す技術に関するものである。
従来から,例えば特許文献1に開示されているように,原稿載置台に載置された原稿を読み取った際,その読み取った画像データのうち,濃度差が大きい箇所であるエッジ部分を抽出する技術が知られている。本文献では,4辺のエッジの一部のみしか抽出できなかった場合でも,抽出したエッジ部分に基づいて原稿の画像領域を推定できるとされている。
また,画像読取装置が本などの綴じられた原稿を見開きの状態としたもの(以下,「見開き原稿」という)を読み取った場合,読み取った画像データでは,右側のページと左側のページとを繋ぐ綴じ部が黒い領域となることがある。画像の中央部に大きな黒領域があると,見栄えがよくない。これに対し,原稿の綴じ部に相当する黒領域を特定し,特定された領域の画像データを白色に変換する処理を行う技術も知られている。例えば,綴じ部に相当する黒領域の境界を前述のエッジ部分を抽出する技術によって特定し,特定された境界に基づいて黒領域を処理する技術がある。
特開2008−35173号公報
しかしながら,前記した従来の技術には,次のような問題があった。すなわち,原稿によっては,綴じ部付近まで文字等の情報が記録されているものがある。一方,綴じ部の黒領域のサイズは,ユーザの原稿の押さえ方によって変化する。そのため,ユーザの原稿の押さえ方によっては,綴じ部付近の情報が綴じ部に含まれてしまうことがある。綴じ部に含まれた情報は画像処理によって喪失してしまうことから,読み取り後の画像データには原稿に含まれる情報の一部が欠けることになる。そのため,ユーザは原稿の内容を把握し難い。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,見開き原稿の読み取り後の画像データにおける情報の欠損を抑制する画像読取装置を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた画像読取装置は,原稿の画像を読み取る読取部と,前記読取部が読み取った画像データから,各画素における濃度の勾配の値に対して原稿の領域の抽出に用いる第1閾値を境として,第1の値の画素と第2の値の画素とにより構成される第1エッジ画像を生成する第1生成部と,前記読取部が読み取った画像データから,各画素における濃度の勾配の値に対して第1閾値よりも濃度の勾配が緩やかな値である第2閾値を境として,第1の値の画素と第2の値の画素とにより構成される第2エッジ画像を生成する第2生成部と,前記第1エッジ画像から,前記第1の値である画素によって連続して囲まれる領域を原稿領域の範囲として決定する原稿範囲決定部と,前記第2エッジ画像から,前記原稿範囲決定部が決定した前記原稿領域内の,第2の値である画素により構成される領域のうち,面積が最も大きい領域を特定領域の範囲として決定する特定範囲決定部と,前記原稿領域と前記特定領域とを用いて,前記原稿領域の画像データに対して画像処理を行う画像処理部と,を備えることを特徴としている。
本明細書に開示される画像読取装置は,原稿の画像を読み取る読取部を有している。読取部が読み取る原稿としては,シート状の原稿であってもよいし,見開き原稿であってもよい。さらに,画像読取装置は,第1エッジ画像を生成する第1生成部と,第2エッジ画像を生成する第2生成部とを有している。第1生成部と第2生成部とは,各画素の濃度の勾配の値をそれぞれ異なる閾値を境に2値化して,それぞれのエッジ画像を生成する。なお,濃度の勾配の値は,各画素における近隣の画素に対する濃度差を指標する値であり,以下では,単に「濃度差値」という。濃度差値は,例えば,読み取った画像データをフィルタ処理することにより各画素について得られるものである。あるいは,濃度差値は,単に,各画素の濃度値と隣接する画素の濃度値との差であってもよい。
第1生成部において用いる第1閾値は,読取部が読み取った画像データから,原稿の領域の抽出に用いるのに適した値である。第1閾値は,原稿ページの外周によって生じるラインを抽出するための閾値であるとともに,紙面の凹凸による濃度差は抽出しない値であることが好ましい。一方,第2生成部において用いる第2閾値は,第1閾値より緩やかな勾配を抽出できる値である。第2閾値は,紙面の凹凸による濃度差をも抽出する値であることが好ましい。なお,閾値を境とする第1の値の画素とは,濃度差値が閾値より大きい画素であり,第2の値の画素とは,濃度差値が閾値以下の画素である。
さらに画像読取装置は,原稿範囲決定部と特定範囲決定部とを有している。原稿範囲決定部は,第1エッジ画像の第1の値の画素,すなわち,濃度差値が第1閾値より大の画素によって連続して囲まれる領域を原稿領域の範囲とする。例えば,原稿が見開き原稿であれば,2ページ分の画像を含む領域が原稿領域に決定される。原稿からの反射光によって画像データとして取得された領域の全体を原稿領域としてもよい。あるいは,原稿の領域全体から,他のページの端部の重なりによって,ページの両脇に暗部となって現れる領域を除いた領域を原稿領域としてもよい。また,原稿がシート状であれば,シート全体に対応する領域が原稿領域に決定される。
特定範囲決定部は,原稿領域内であって,第2エッジ画像の第2の値の画素,すなわち,濃度差が第2閾値以下の画素が連続することにより構成される領域のうち,面積が最も大きい領域を特定領域の範囲に決定する。濃度差が第2閾値以下の画素は,近隣との濃度差が極めて小さい画素に相当する。例えば,見開き原稿の綴じ部を黒く読み取った領域は,端部の境界付近では徐々に濃度が変化するものの,影が写り込んだ中心部分では隣接画素との濃度差が殆どない。一方,原稿の紙面を読み取った領域では,原稿表面の凹凸の影響を受けて微小な濃度差が生じるため,ほとんどの画素の濃度差値が第2閾値より大きい。従って,特定範囲決定部は,見開き原稿を読み取った場合には,綴じ部の中心部分だけを特定領域として決定する。その結果,綴じ部の境界付近を特定領域の範囲外とすることができる。
さらに,画像読取装置は,画像処理部を有している。画像処理部は,原稿範囲決定部によって決定された原稿領域と特定範囲決定部によって決定された特定領域とを用いて,原稿領域の範囲内の画像データを処理する。画像処理部は,画像処理として,例えば,原稿領域のうち特定領域以外の範囲の画像データを抽出する処理を行う。あるいは,画像処理部は,特定領域の範囲内の画像を白色や下地色に変換する処理をしてもよい。特定範囲決定部によって決定される特定領域には,綴じ部の境界付近が含まれないので,画像処理部は,綴じ部の境界付近の画像データを処理しない。従って,綴じ部の境界付近を含む綴じ部全体を画像処理する場合と比較して,原稿の情報が欠損する可能性は低い。
また,本明細書に開示される画像読取装置は,前記原稿領域と前記特定領域とから,前記原稿領域のうち抽出の対象となる抽出領域を決定する抽出領域決定部を備え,前記画像処理部は,前記読取部が読み取った画像データから前記抽出領域に対応する領域を抽出する処理を行ってもよい。
抽出領域決定部は,決定された原稿領域と特定領域とを使って,画像データのうちの抽出領域を決定する。抽出領域決定部は,例えば,画像データのうち,原稿領域に含まれ,特定領域に含まれない範囲を抽出領域とする。見開き原稿では,綴じ部の中心部分だけが特定領域として決定されているので,このようにすることにより原稿領域のうち綴じ部の中心部分を除いた範囲の画像データが得られる。さらに,見開き原稿では,特定領域によって原稿領域が分断されるので,各ページの画像データを抽出してもよい。このようにすれば,原稿の範囲に相当する画像データを残して,周辺部分が削除されるので,必要とされる部分のみのコンパクトな画像データを得ることができる。従って,原稿の種類や,ユーザによる原稿のセットされる向き等にかかわらず,文字の欠損等の可能性が少ない画像を抽出することができる。
また,本明細書に開示される画像読取装置は,前記第2エッジ画像中に前記特定領域に対応する領域が存在するか否かを判断する存在判断部を備え,前記抽出領域決定部は,前記存在判断部が前記特定領域に対応する領域が存在しないと判断した場合に,前記原稿領域を前記抽出領域に決定するとよい。
存在判断部は,例えば,特定範囲決定部によって決定された特定領域の面積が,あらかじめ決めた限界面積以下である場合には,特定領域が存在しないと判断する。あるいは,存在判断部は,特定範囲決定部によって決定された特定領域の面積が,画像データ全体の面積に占める割合が,あらかじめ決めた限界割合以下である場合には,特定領域が存在しないと判断してもよい。存在判断部は,例えば,画像データ中に濃度差値が第2閾値以下の画素が多数集まっている領域がなければ,特定領域に対応する領域が存在しないと判断する。特定領域に対応する領域が存在しない場合には,画像処理部の処理範囲を原稿領域の範囲と同等とすることが好ましい。
また,本明細書に開示される画像読取装置は,前記特定領域に対応する領域が前記原稿領域の中央に位置するか否かを判断する位置判断部を備え,前記抽出領域決定部は,前記位置判断部にて前記特定領域に対応する領域が前記原稿領域の中央に位置しないと判断された場合に,前記原稿領域を前記抽出領域に決定するとよい。特定領域に対応する領域が原稿領域の中央に位置しない場合には,その特定領域が綴じ部ではなく,原稿が見開き原稿ではない可能性がある。見開き原稿ではない場合には,原稿領域をそのまま抽出領域に決定する方が好ましい。
また,本明細書に開示される画像読取装置は,載置された前記原稿を前記読取部が読み取り可能な読取領域を有する原稿台と,前記読取領域の境界の一部を前記特定領域が構成しているか否かを判断する境界判断部を備え,前記抽出領域決定部は,前記位置判断部にて前記特定領域に対応する領域が前記原稿領域の中央に位置しないと判断され,かつ,前記境界判断部にて前記読取領域の境界の一部を前記特定領域が構成していると判断された場合に,前記原稿領域のうち前記特定領域以外の範囲を前記抽出領域に決定するとよい。
特定領域に対応する領域が原稿領域の中央に位置しない場合でも,読取領域の境界の一部を特定領域が構成している場合には,見開き原稿の片方のページである可能性がある。例えば,ユーザが片方のページのみを原稿台に載置した場合には,特定領域の長手方向が読取領域の境界に沿って配置されることもある。従って,境界判断部によって,読取領域の境界の一部を特定領域が構成していると判断された場合には,特定領域を加味した抽出処理を行って原稿の情報が欠損する可能性を低くする方が望ましい。
また,本明細書に開示される画像読取装置は,前記読取部に所定の解像度で原稿を読み取らせる第1読取モードと,前記読取部に前記第1読取モードよりも低解像度で原稿を読み取らせる第2読取モードとを切り替える切替部を備え,前記読取部は,前記第2読取モードで原稿を読み取った後,前記第1読取モードで当該原稿を読み取り,前記第1生成部は,前記読取部が前記第2読取モードで読み取った画像データから前記第1エッジ画像を生成し,前記第2生成部は,前記読取部が前記第2読取モードで読み取った画像データから前記第2エッジ画像を生成し,前記画像処理部は,前記読取部が前記第1読取モードで読み取った画像データに対して前記画像処理を行うとよい。各エッジ画像の生成と加工処理とを分けて行うことにより,同時期の処理負荷を軽減することができる。
なお,前記第2閾値は,原稿の表面の凹凸による濃度の勾配の値を検知する値であるとよい。このようにすれば,第2エッジ画像は,原稿の下地部分をも含む。従って,綴じ部のように光が到達しないことによる暗部だけを適切に抽出することができる。
また,本明細書に開示される画像読取装置は,前記第1エッジ画像中で,前記原稿領域の一辺から内側へ所定幅以内の範囲内に,前記第1の値である画素が連続するエッジ線がある場合に,前記原稿領域の範囲を最も内側の前記エッジ線により構成される範囲に変更するとよい。原稿領域の一辺から内側へ所定幅以内の範囲内に,その一辺とほぼ平行にエッジ線が現れる場合には,他のページの端部によるエッジ線であると判定できる。つまり,エッジ線が現れる部分には,原稿の情報は含まれていないと判断してもよい。そこで,最も内側のエッジ線を原稿領域の境界とすることができる。
本発明によれば,見開き原稿の読み取り後の画像データにおける情報の欠損を抑制する画像読取装置が実現される。
実施の形態にかかるMFPのカバーを開いた状態の外観を示す斜視図である。 図1に示したMFPの電気的構成を示すブロック図である。 画像読取処理の手順を示すフローチャートである。 画像読取処理の手順を示すフローチャートである。 (a)読み取り結果の画像の例,(b)(a)の1行の画像濃度値の例,(c)(b)の画素における濃度差値の例を示す説明図である。 第1エッジ画像の例を示す説明図である。 第2エッジ画像の例を示す説明図である。 原稿領域の例を示す説明図である。 原稿領域の例を示す説明図である。 見開き原稿の片側を読み取った画像データの例を示す説明図である。 図10の第1エッジ画像の例を示す説明図である。 図10の第2エッジ画像の例を示す説明図である。
以下,本発明にかかる画像読取装置を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,画像読取機能および画像形成機能を備えた複合機(MFP:Multi Function Peripheral )に本発明を適用したものである。
[MFPの構成]
本形態のMFP100の外観を,図1に示す。MFP100は,用紙に画像を印刷する画像形成部1と,原稿の画像を読み取る画像読取部2(読取部の一例)とを備えている。画像形成部1は,図には現れていないが,画像読取部2の本体部10の下部に設けられている。画像形成部1の画像形成方式は,電子写真方式であっても,インクジェット方式であってもよい。また,カラー画像の形成が可能であっても,モノクロ画像専用であってもよい。
画像読取部2は,図1に示すように,画像の読み取りを行う本体部10と,カバー20とを備えている。カバー20は,本体部10の上方に位置するとともに一辺が本体部10と接続し,本体部10に対して回動自在に設けられている。なお,カバー20は,自動原稿供給装置(ADF:Auto Document Feeder)を備えていてもよい。
本体部10は,その上面に,コンタクトガラス11(原稿台の一例)を備えている。ユーザは,原稿の読み取りを実行する場合に,読み取り面を下向きにしてコンタクトガラス11の上に原稿を載置する。画像読取部2が読み取り可能な読取領域は,コンタクトガラス11の範囲内であって,後述するイメージセンサ15の可動範囲内である。あるいは,コンタクトガラス11の外周に沿って,読み取り不可能な領域が設けられている場合もある。その場合には,読み取り不可能な領域の内側の領域が,読取領域である。
さらに,本体部10の内部であってコンタクトガラス11の下方には,原稿の画像を読み取るイメージセンサ15が設けられている。イメージセンサ15は,主走査方向に光学素子が一列に並んで配置されており,副走査方向に移動可能に設けられている。イメージセンサ15は,コンタクトガラス11に載置された原稿に向けて光を照射し,その原稿からの反射光を電気信号に変換して出力する。イメージセンサ15としては,例えば,CIS(Contact−Image−Sensor)やCCD(Charge−Coupled−Device)が適用可能である。
また,MFP100は,その前面側に,各種のボタン(例えば,スタートキー,ストップキー,テンキーの各ボタン)によって構成されるボタン群41,液晶ディスプレイからなる表示部42を備えた操作パネル40を備えている。このボタン群41や表示部42により,動作状況の表示やユーザによる操作の入力が可能になっている。
[MFPの電気的構成]
続いて,MFP100の電気的構成について説明する。MFP100は,図2に示すように,CPU31と,ROM32と,RAM33と,NVRAM(Non Volatile RAM)34とを備えた制御部30を有している。制御部30は,画像形成部1と,画像読取部2と,操作パネル40と,ネットワークインターフェース37と,USBインターフェース38とに,電気的に接続している。
ROM32には,MFP100を制御するための各種制御プログラムや画像処理プログラム,各種設定,初期値等が記憶されている。さらにROM32には,後述する第1エッジ画像および第2エッジ画像を生成するための閾値を記憶する領域が確保され,第1閾値45と第2閾値46とが記憶されている。第1閾値45および第2閾値46は,MFP100の画像読取部2の性能や濃度差値を算出するためのフィルタの種類等に基づいて,あらかじめ決定されて記憶されている。また,ROM32には,特定領域を決定する閾値である限界面積47も記憶されている。
RAM33は,各種制御プログラムが読み出される作業領域として,あるいは画像読取部2で読み取った原稿の画像データやネットワークインターフェース37を介して送られてくる画像データを一時的に記憶する記憶領域として,利用される。RAM33は,後述する第1エッジ画像および第2エッジ画像を一時的に記憶する記憶領域としても利用される。NVRAM34は,不揮発性を有する記憶手段であって,各種設定等を保存する記憶領域として利用される。
CPU31(第1生成部,第2生成部,原稿範囲決定部,特定範囲決定部,画像処理部,抽出領域決定部,存在判断部,位置判断部,境界判断部,切替部の一例)は,MFP100における画像読取機能,画像形成機能等の各種機能を実現するための演算を実行し,制御の中枢となるものである。CPU31は,ROM32から読み出した制御プログラムに従って,その処理結果をRAM33またはNVRAM34に記憶させながら,MFP100の各構成要素を制御する。
また,CPU31は,例えば,ROM32から読み出した画像処理プログラムに従って,画像読取部2にて読み取った画像データに画像処理を施す。さらに,CPU31は,画像読取部2の読取解像度を切り替える。画像読取部2による画像読取モードには,読取解像度の異なる2種類のスキャンとして,本スキャンとプレスキャンとがある。本スキャンは,ユーザによって指示された解像度でのスキャンである。本スキャンは,第1読取モードに相当する。また,プレスキャンは,本スキャンより低解像度でのスキャンであり,第2読取モードに相当する。CPU31は,プレスキャンと本スキャンとのいずれかを選択して画像読取部2を動作させる。
ネットワークインターフェース37は,ネットワークに接続される。MFP100は,このネットワークインターフェース37を介して他の情報処理装置(不図示。例えば,コンピュータ)とのデータ通信が可能になっている。また,USBインターフェース38は,USB接続が可能な周辺機器(不図示。例えば,フラッシュメモリ)に接続される。MFP100は,このUSBインターフェース38を介して外部の周辺機器等とデータ通信が可能になっている。
[ブックスキャンモード]
続いて,MFP100のブックスキャンモードについて,図3と図4のフローチャートを参照しつつ説明する。ブックスキャンモードは,見開き原稿の画像を画像読取部2に読み取らせ,画像読取部2が読み取った画像データから,原稿の情報が含まれている範囲が決定され,ページ毎の画像が形成されるモードである。さらにMFP100は,形成した画像を,ユーザの指示に従って出力する。
ユーザは,ブックスキャンモードの実行を指示する際には,カバー20を開放し,見開き原稿の読み取り面を下向きとしてコンタクトガラス11上にセットする。さらに,ユーザは,原稿を押さえつつ,ボタン群41のうちブックスキャンモードの読取開始を指示するボタンを押す。このボタンの押下が,ブックスキャンモードの実行の開始指示となる。
以下,ブックスキャンモードの実行の開始指示を受け付けたことを契機にCPU31によって実行されるブックスキャン読取処理について説明する。CPU31は,ブックスキャンモードの実行指示を受けると,まず,画像読取部2にプレスキャンを行わせる(図3のS101)。つまり,CPU31はS101において,画像読取部2に,ユーザによって指示されたスキャン解像度より低解像度での読み取りを行わせる。さらにCPU31は,S101で取得した画像データをRAM33に記憶させる。
プレスキャンで得られる画像データは,本スキャン,すなわちユーザによって指示されたスキャン解像度での読み取りで得られる画像データよりデータ量が少ない。従って,プレスキャンで得た画像データを利用して後述の処理を行うことにより,本スキャンデータを用いる場合に比較して,処理に要する時間が短縮される。
見開き原稿を読み取った場合の画像データの例を図5の(a)に示す。S101において得られた画像データ51は,2ページ分のページ領域53,54とそれらの間の暗部55,さらに両ページの外側にできる他ページの端部による暗部56,57を含む。ただし,この段階では,ページ領域53と暗部55との境界及びページ領域54と暗部55との境界は明確なものではない。なお,画像データ51は,原稿のサイズや原稿のコンタクトガラス11上での載置位置によって,図5の(a)に示した範囲より外周側にさらに暗部等を含む場合もある。
図5に示した例では,画像データ51のうち,図5(a)中に一点鎖線で示した注目列の画素の画像濃度は,例えば図5(b)に示すような形状となる。図5(b)中では,イメージセンサ15による受光量が大きい画素ほど,より上方にプロットされる。つまり,図5(b)中で上方の画素ほど濃度が高い画素であり,下方ほど濃度が低い画素である。つまり,印刷文字と印刷文字との間の紙面を読み取った画素は全体的に白く濃度が高い画素であり,印刷文字の箇所では黒く濃度が低い画素が現れている。ただし,原稿の下地部分や印刷部分にも,原稿の表面の凹凸等があるため,画像データの値はかなりばらついている。
続いてCPU31は,S101において読み取った画像データ51にフィルタ処理を施し,各画素の濃度差値を得る(図3のS102)。S102において,CPU31は,各画素について,その周辺の画素の画像濃度に方向性に応じた重み付けをするフィルタをかけて2乗和をとる。S102の結果得られる各画素の濃度差値は,周辺画素からの濃度の勾配を指標する値であり,勾配が急峻である画素ほど,大きい値となる。
例えば,図5(a)の画像データにフィルタ処理をした結果のうち,前述の注目列の各画素の濃度差値は,図5(c)に示すようになる。図5(c)で横軸は,濃度差値が0の画素であり,近隣の画素との濃度差が全くない画素である。印刷文字と下地との境目の画素は,近隣との濃度差が大きいので,図5(c)中で突出した値となって現れる。一方,原稿の下地部分の濃度差値は,前述の境目の画素ほど大きくはないが0よりは大きい値であり,図5(c)中に範囲Dで示すように,一定の範囲内でばらついた値である。
そして,原稿の綴じ部に起因する暗部55は,色むらがほとんど無く,図5(b)に示したようにばらつきのほとんど無い影画像である。つまり,暗部55では,近隣の画素との濃度差が極めて小さい。そのため,暗部55に含まれる画素の濃度差値は,図5(c)に示したように,ほぼ0である。原稿の領域内においては,暗部55以外の箇所で,濃度差値が極めて小さい画素が集まっていることはほとんどない。
次に,CPU31は,ROM32から第1閾値45と第2閾値46(図2参照)を読み出す(図3のS103)。第1閾値45と第2閾値46は,図3のS102にてCPU31が算出した濃度差値(例えば,図5(c))を2値化するための閾値である。第1閾値45と第2閾値46は,MFP100の出荷前にあらかじめ決められ,ROM32に記憶されている。
第1閾値45は,図5(c)に示したように,下地部分の濃度差値である範囲Dの上限よりも大きい値である。従って,CPU31は,第1閾値45を用いて,原稿の外周に相当するラインや,文字の外枠を抽出することができる。一方,第2閾値46は,第1閾値45よりも小さい値である。第2閾値46は,図5(c)に示したように,下地部分の濃度差値である範囲Dの下限と同程度かそれ以下の値である。なお,CPU31は,S103を,S101より先に実行してもよいし,S101とS102の間に実行してもよいし,S101やS102と並行して実行してもよい。
次に,CPU31は,図3のS103で読み出した第1閾値45を用いて,S102で得られた濃度差値を2値化することにより,第1エッジ画像を生成する(S105)。画像データ51の第1エッジ画像61の例を図6に示す。図6は,第1閾値45より大きい濃度差値を有する画素が連続して現れることによるエッジ線を,破線で表したものである。ただし,図中で小さい英大文字は,見やすさのために実線で示した。ここにおいて,CPU31は,第1生成部として機能する。
図5(c)に示したように,第1閾値45は,範囲Dの上限より大きい値である。従って,図6に示したように,図3のS105で得られる第1エッジ画像61は,画像データ51からページ枠や文字の輪郭枠をエッジ線として抽出した画像である。一方,ページとページとの間の暗部55(図5(a)参照)のように,徐々に濃度が変化する箇所では,近隣画素との濃度差が中程度であり,濃度差値が第1閾値45を下回ることがある。図6に示した例では,暗部55の範囲を大きく含んだエッジ線だけが,抽出されている。S105の後,CPU31は,生成した第1エッジ画像61をRAM33に保存する(S106)。
また,CPU31は,図3のS105〜S106と並行して,第2エッジ画像の生成も行う。つまり,CPU31は,S103で読み出した第2閾値46を用いて,S102で得られた濃度差値を2値化することにより,第2エッジ画像63を生成する(S108)。画像データ51の第2エッジ画像63の例を図7に示す。図7は,濃度差値が第2閾値46より大きい画素を黒く表したものである。ここにおいて,CPU31は,第2生成部として機能する。
図5(c)に示したように,第2閾値46は,範囲Dの下限以下の値である。従って,下地部分を含むほとんどの画素の濃度差値が第2閾値46より大きい。そのため,図7に示すように,図3のS108で得られる第2エッジ画像63では,ほとんどの画素が黒で表される。図7中に白く現れているのは,画像データ51のうち近隣の画素との濃度差がほとんど無い箇所だけである。
つまり,第2エッジ画像63においてまとまって白く現れる範囲は,暗部55の中央部の濃度差がほとんど無い範囲だけである。下地部分には,濃度差値が範囲Dを下回る画素がわずかに現れることがあるが,まとまって現れることはない。濃度差値が範囲Dを下回る画素は,図7中では,白四角で示されている。S108の後,CPU31は,第2エッジ画像63をRAM33に保存する(S109)。
図3のS106とS109とが終了した後,CPU31は,第1エッジ画像61のエッジ線に基づいて原稿領域の範囲を決定する(S111)。CPU31は具体的には,図8に示すように,第1エッジ画像61に現れたエッジ線で囲まれる領域のうち最も外側の範囲を原稿領域66と決定する。原稿領域66は,原稿による反射光を受光することによってできた画像データの範囲をすべて含む。
CPU31はさらに,原稿領域66の内側に,その境界をなす一辺に平行なエッジ線が境界から所定幅以内の範囲にある場合には,原稿領域66を,平行なエッジ線のうち最も内側のエッジ線により構成される範囲にしてもよい。例えば,平行なエッジ線のうち最も内側のエッジ線により構成される範囲を原稿領域66と決定したり,第1エッジ画像61に現れたエッジ線で囲まれる領域のうち最も外側の範囲を,平行なエッジ線のうち最も内側のエッジ線により構成される範囲に変更したりする。
平行なエッジ線とは,原稿領域66の境界をなす一辺と少なくとも一部が平行であって,原稿領域の当該一辺に交わる二辺の一方の辺から他方の辺まで至るエッジ線である。これにより,原稿領域66は,図9に示す範囲に変更される。なお,原稿領域とは,原稿のうちユーザが視認する文字や画像がある領域である。
S111において決定される原稿領域66は,両側のページのページ領域53,54をともに含む最小の矩形領域である。原稿領域66には,画像データ51のうち,ページ領域53,54とそれらの間の暗部55とが含まれる。ここにおいて,CPU31は,原稿範囲決定部として機能する。
次に,CPU31は,図3のS111において決定された原稿領域66内で,第2エッジ画像63に基づいて特定領域を決定する(S113)。CPU31は,第2エッジ画像63中で,濃度差の小さい画素が連続することによって構成されている領域のうち,面積が最も大きい領域を,特定領域の範囲に決定する。図7の例では,CPU31は,暗部55の中央部による白領域の範囲を特定領域64に決定する。ここにおいて,CPU31は,特定範囲決定部として機能する。
ただし,CPU31は,面積が小さすぎる領域を特定領域の範囲に決定することはない。つまり,濃度差の小さい画素が連続する領域の面積がいずれも,ROM32に記憶されている限界面積47より小さい場合には,CPU31は,特定領域が存在しないと判断する。例えば,原稿が見開き原稿ではなく,単なるシートであった場合には,綴じ部がない。そのため,ページ領域内の白四角部分を特定領域と判断することを回避するため,面積が小さすぎる領域を特定領域の判定対象外とする。CPU31は,特定領域が存在しないと判断した場合には,特定領域64を記憶する領域に特定領域が存在しないことを示す情報を入力する。
そして,CPU31は,図3のS111で決定した原稿領域66と,S113で決定した特定領域64とに基づいて,画像データ51の画像処理を行う(S115)。画像処理の内容については後述する。
図3のS115の後,CPU31は,画像処理後の画像データをユーザの指示に基づいて出力する(S117)。例えば,CPU31は,画像形成部1に画像データを印刷させる。または,CPU31は,ユーザの指示に従って,画像データをファイル化して対象機器に送信してもよい。CPU31は,例えばネットワークインターフェース37を介して他の情報処理装置に画像データを送信させる。あるいは,CPU31は,USBインターフェース38を介して接続するフラッシュメモリ(不図示)等の記憶手段に画像データを記憶させてもよい。これで,ブックスキャン読取処理は終了する。
[画像処理]
次に,ブックスキャン読取処理中の図3のS115において実行される画像処理の内容について,図4のフローチャートを参照しつつ説明する。
まず,CPU31は,図3のS113において特定領域が決定されたか否かを判断する(図4のS201)。図3のS113において特定領域64が決定されなかった場合は,RAM33の特定領域64を記憶する領域には,特定領域が存在しないことを示す情報が入力されている。RAM33に特定領域が存在しないことを示す情報が入力されていれば,CPU31は,画像データ51には特定領域がないと判断する(S201:No)。さもなければ,CPU31は,特定領域64が決定されていると判断する(S201:Yes)。
特定領域がない場合は(S201:No),例えば,原稿が見開き原稿ではなく,シート状の原稿の場合である。原稿がシート状である場合には,綴じ部は存在せず,画像データ51のうち原稿領域66の全体が,出力すべき画像データの範囲である。そこで,CPU31は,抽出の対象となる抽出領域を,原稿領域66に決定する(S203)。ここにおいて,CPU31は,抽出領域決定部として機能する。
次に,CPU31は,画像読取部2に本スキャンを行わせる(S205)。そして,CPU31は,本スキャンによって得られた画像データのうち,S203で決定した抽出領域に対応する範囲の画像データを抽出し,これを出力用の画像データとしてRAM33に記憶させる(S206)。CPU31は,S206の後,画像処理を終了し,図3に戻ってS117へ進む。
一方,図4のS201の説明に戻って,CPU31が,第2エッジ画像63に特定領域があると判断した場合は(S201:Yes),特定領域64を綴じ部と見なせるか否かを判断する。そのために,CPU31は,特定領域64が原稿領域66の中央付近にあるか否かを判断する(S210)。ここにおいて,CPU31は,位置判断部として機能する。
図4のS210において,CPU31は,例えば,原稿領域66の中央に相当する画素を含むあらかじめ決めた大きさの範囲内に,特定領域64の一部が含まれるか否かを判断する。またあるいは,CPU31は,特定領域64が,原稿領域66を2つに分断する配置であるか否かをも判断するとよい。つまり,特定領域64の配置が原稿領域66の綴じ部に相当すると見なせる場合には,CPU31は,原稿領域66から特定領域64を除く範囲が情報を含む画像範囲であると判断する。
そこで,CPU31は,図4のS210において,特定領域64が原稿領域66の中央部であると判断した場合には(S210:Yes),特定領域64を綴じ部と見なす。特定領域64を綴じ部と見なす場合には,CPU31は,抽出領域を,原稿領域66のうち特定領域64を除いた範囲に決定する(S213)。ここにおいて,CPU31は,抽出領域決定部として機能する。
次に,CPU31は,画像読取部2に本スキャンを行わせる(図4のS215)。そして,CPU31は,本スキャンによって得られた画像データのうち,S213で決定した抽出領域に対応する範囲の画像データを抽出し,これを出力用の画像データとしてRAM33に記憶させる(S216)。
図4のS213で抽出される抽出領域は,図6に示した原稿領域66から,図7に示した特定領域64を除いた範囲である。つまり,抽出領域は,原稿領域66が特定領域64により2つに分割された計2ページ分の領域である。そこで,CPU31は,これらの2つの領域をそれぞれ別の画像データとして扱うことができる。具体的には,CPU31は,各ページに対応する2つの画像データを抽出する。
前述のように,特定領域64には,暗部の中央部の極めて暗い部分のみが含まれている。従って,例えば図6に文字「J」で示したように,暗部とページ領域との境目に情報が存在しても,その情報が失われることはない。S216の後,CPU31は,画像処理を終了し,図3に戻ってS117へ進む。
一方,図4のS210の説明に戻って,CPU31が,特定領域64が原稿領域66の中央部でないと判断した場合には(S210:No),その特定領域64の配置をさらに詳細に確認する。具体的には,CPU31は,特定領域64が,画像読取部2の読み取り可能な範囲の境界である読取枠に掛かっているか否かを判断する。すなわち,CPU31は,特定領域64が画像データ51のうち最も外側の画素の一部を含むか否かを判断する(S220)。ここにおいて,CPU31は,境界判断部として機能する。
本形態において,画像読取部2の読み取り可能な範囲は,コンタクトガラス11の範囲である。ユーザが,見開き原稿のうちの1ページのみを読み取るように原稿をセットすると,コンタクトガラス11の縁辺に沿って綴じ部が配置されることがある。コンタクトガラス11の縁辺に沿って綴じ部が配置された場合には,図10に示すような画像データが得られる。図10の画像データに基づいて生成される,第1エッジ画像の例を図11に示す。さらに,図10の画像データに基づいて生成される,第2エッジ画像の例を図12に示す。
図10〜図12に示した例では,特定領域64が原稿領域66の中央部ではないけれども,CPU31は,特定領域64を綴じ部と判断して除去することが望ましい。そこで特定領域64を綴じ部と判断して除去することが望ましい場合には例えば,CPU31は,特定領域64の長手方向が,読取枠の縁辺に沿っているか否かをも確認するとよい。そして,CPU31は,特定領域64の形状と配置に基づいて,特定領域64を綴じ部と判断するか否かを決定する。
そして,CPU31は,図4のS220において特定領域64が読取枠に掛かっていると判断した場合には(S220:Yes),CPU31は,抽出領域を,原稿領域66のうち特定領域64を除いた範囲に決定する(S223)。ここにおいて,CPU31は,抽出領域決定部として機能する。
次に,CPU31は,画像読取部2に本スキャンを行わせる(S225)。そして,CPU31は,本スキャンによって得られた画像データのうち,S223で決定した抽出領域に対応する範囲の画像データを抽出し,これを出力用の画像データとしてRAM33に記憶させる(S226)。S226の後,CPU31は,画像処理を終了し,図3に戻ってS117へ進む。
CPU31は,図4のS220において特定領域64が読取枠に掛かっていないと判断した場合には(S220:No),特定領域がない場合(S201:No)と同様に,抽出領域を,特定領域64を含んだ原稿領域66の全体の範囲に決定する(S203)。特定領域64が読取枠に掛かっていない場合には,特定領域64が画像の一部である可能性が高い。そこで,CPU31は,画像データ51のうち原稿領域66の全体を出力すべき画像データの範囲であると判断する。そこで,前述のS205とS206を実行して,画像処理を終了し,図3に戻ってS117へ進む。
以上,詳細に説明したように,本形態のMFP100においては,CPU31が,原稿を読み取った画像データから,2種類の閾値を利用して2種類のエッジ画像を生成する。CPU31はさらに,生成した2種類のエッジ画像に基づいて,原稿領域と特定領域とを決定し,決定した領域に基づいて画像データに画像処理を行う。第2閾値は第1閾値に比較して緩やかな濃度勾配を抽出できる値であるので,第2閾値による第2エッジ画像には,近隣の画素との濃度差がほとんど無い画素だけが抽出される。つまり,第2エッジ画像に基づいて決定される特定領域64に,原稿の情報を含む画素が含まれることはほとんどない。従って,見開き原稿の読み取り後の画像データにおける情報の欠損を抑制する画像読取装置が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,MFPに限らず,複写機,スキャナ,FAX等,画像読取機能を備えるものであれば適用可能である。
また例えば,上述の形態では,原稿領域66をまずエッジ線の最も外側の範囲としてから,内側のエッジ線に変更するとしたが,変更しないこととしてもよい。すなわち,第1エッジ画像において第1の値である画素によって連続して囲まれる,最も外側の範囲を原稿領域66としてもよい。このようにすれば,原稿領域66は,原稿からの反射光によって読み取った画像データの範囲をすべて含む範囲となる。またあるいは,変更する手順を経ることなく,初めから最も内側の範囲を原稿領域66と決定してもよい。
また例えば,上述の形態では,ブックスキャンモードにおいて,2ページ分の情報を含む見開き原稿を読み取った場合には,画像処理として,それぞれのページ領域ごとに別の画像データとして抽出するとした。しかし画像処理としてはこれに限らず,両ページの領域を含んで,中央部の暗部の色を変更した画像データとするものであってもよい。例えば,本スキャンした画像データのうちから,抽出領域として選択された範囲以外の画素の画像データを変更する処理としてもよい。変更後の色としては,例えば,原稿の下地部分と同色,白色,隣接画素の色等から選択することができる。
また例えば,ブックスキャンモードではなく,1つの画像データを出力する原稿の読み取りが指示された場合においても,本発明の処理を行うこととしてもよい。つまり,ユーザの指示はブックスキャンでなくても,読み取った画像データから第1エッジ画像と第2エッジ画像とを生成してもよい。そして,特定領域の有無に応じて,本形態の画像処理を行うこととしてもよい。
また,本形態では,S105〜S106の処理とS108〜S109の処理とを並行して行うとしたが,これに限らず,一方を先に他方を後に行ってもよい。また,本形態では,限界面積47を固定値としたが,これに限らず,原稿サイズに対応して可変としてもよい。
また,上記の各実施の形態では,プレスキャンを行って得た画像データに基づいてエッジ画像を生成するとしたが,これに限るものではない。例えば,十分な処理能力を有する画像読取装置であれば,初めから本スキャンを行ってもよい。また,本スキャンによって得られた画像データから,プレスキャンに相当する画像データを生成することとしてもよい。また,上記のフローチャートでは,原稿領域や特定領域を決定してから本スキャンをすることとしたが,本スキャンの実行タイミングはこれに限らない。もっと早い段階で実施しておいてもよい。
また,実施の形態に開示されている処理は,単一のCPU,複数のCPU,ASICなどのハードウェア,またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また,実施の形態に開示されている処理は,その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体,または方法等の種々の態様で実現することができる。
2 画像読取部
11 コンタクトガラス
31 CPU
51 画像データ
45 第1閾値
46 第2閾値
61 第1エッジ画像
63 第2エッジ画像
64 特定領域
66 原稿領域

Claims (8)

  1. 原稿の画像を読み取る読取部と,
    前記読取部が読み取った画像データから,各画素における濃度の勾配の値に対して原稿の領域の抽出に用いる第1閾値を境として,第1の値の画素と第2の値の画素とにより構成される第1エッジ画像を生成する第1生成部と,
    前記読取部が読み取った画像データから,各画素における濃度の勾配の値に対して第1閾値よりも濃度の勾配が緩やかな値である第2閾値を境として,第1の値の画素と第2の値の画素とにより構成される第2エッジ画像を生成する第2生成部と,
    前記第1エッジ画像から,前記第1の値である画素によって連続して囲まれる領域を原稿領域の範囲として決定する原稿範囲決定部と,
    前記第2エッジ画像から,前記原稿範囲決定部が決定した前記原稿領域内の,第2の値である画素により構成される領域のうち,面積が最も大きい領域を特定領域の範囲として決定する特定範囲決定部と,
    前記原稿領域と前記特定領域とを用いて,前記原稿領域の画像データに対して画像処理を行う画像処理部と,
    を備えることを特徴とする画像読取装置。
  2. 請求項1に記載する画像読取装置において,
    前記原稿領域と前記特定領域とから,前記原稿領域のうち抽出の対象となる抽出領域を決定する抽出領域決定部を備え,
    前記画像処理部は,前記読取部が読み取った画像データから前記抽出領域に対応する領域を抽出する処理を行うことを特徴とする画像読取装置。
  3. 請求項2に記載する画像読取装置において,
    前記第2エッジ画像中に前記特定領域に対応する領域が存在するか否かを判断する存在判断部を備え,
    前記抽出領域決定部は,前記存在判断部が前記特定領域に対応する領域が存在しないと判断した場合に,前記原稿領域を前記抽出領域に決定することを特徴とする画像読取装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載する画像読取装置において,
    前記特定領域に対応する領域が前記原稿領域の中央に位置するか否かを判断する位置判断部を備え,
    前記抽出領域決定部は,前記位置判断部にて前記特定領域に対応する領域が前記原稿領域の中央に位置しないと判断された場合に,前記原稿領域を前記抽出領域に決定することを特徴とする画像読取装置。
  5. 請求項4に記載する画像読取装置において,
    載置された前記原稿を前記読取部が読取可能な読取領域を有する原稿台と,
    前記読取領域の境界の一部を前記特定領域が構成しているか否かを判断する境界判断部を備え,
    前記抽出領域決定部は,前記位置判断部にて前記特定領域に対応する領域が前記原稿領域の中央に位置しないと判断され,かつ,前記境界判断部にて前記読取領域の境界の一部を前記特定領域が構成していると判断された場合に,前記原稿領域のうち前記特定領域以外の範囲を前記抽出領域に決定することを特徴とする画像読取装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載する画像読取装置において,
    前記読取部に所定の解像度で原稿を読み取らせる第1読取モードと,前記読取部に前記第1読取モードよりも低解像度で原稿を読み取らせる第2読取モードとを切り替える切替部を備え,
    前記読取部は,前記第2読取モードで原稿を読み取った後,前記第1読取モードで当該原稿を読み取り,
    前記第1生成部は,前記読取部が前記第2読取モードで読み取った画像データから前記第1エッジ画像を生成し,
    前記第2生成部は,前記読取部が前記第2読取モードで読み取った画像データから前記第2エッジ画像を生成し,
    前記画像処理部は,前記読取部が前記第1読取モードで読み取った画像データに対して前記画像処理を行うことを特徴とする画像読取装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1つに記載する画像読取装置において,
    前記第2閾値は,原稿の表面の凹凸による濃度の勾配の値を検知する値であることを特徴とする画像読取装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1つに記載する画像読取装置において,
    前記第1エッジ画像中で,前記原稿領域の一辺から内側へ所定幅以内の範囲内に,前記第1の値である画素が連続するエッジ線がある場合に,前記原稿領域の範囲を最も内側の前記エッジ線により構成される範囲に変更することを特徴とする画像読取装置。
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